JP2021183962A - 時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置及び割出装置 - Google Patents

Abstract

【課題】単純な構造を有し、弾性戻し要素へ均等または実質的に均等な復帰力が得られることを可能にする、ジャンパまたは位置割出装置を提供する。【解決手段】時計装置用のジャンパ装置８０は、第１モバイルユニット１０を位置決めする第１くちばし８１ａを含む、少なくとも１つの第１アーム８１と、第２モバイルユニット２０を位置決めする第２くちばし８２ａを含む、少なくとも１つの第２アーム８２と、第１アーム８１及び第２アーム８２を、第１及び第２モバイルユニット１０、２０の位置決め構成へ戻す弾性要素８４と、一方では、弾性戻し要素と、他方では、第１及び第２アーム８１、８２と、の間で相互作用するレバー８３；８３とを含む。【選択図】図１０

Description

本発明は、時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示するディスプレイに関する。本発明はまた、ジャンパまたは割出装置に関する。本発明はまた、この種の表示装置及びまたはこの種のジャンパまたは割出装置を含む、時計ムーブメントに関する。本発明は更に、この種の表示装置及びまたはこの種のジャンパまたは割出装置、またはこの種の時計ムーブメントを含む、時計に関する。本発明は最後に、この種の表示装置またはこの種の時計ムーブメントまたはこの種の時計の運転方法に関する。

従来技術の「グランデデイト」機構は、嵩高なため時計ムーブメントへのこの種の機構の導入を難しくする、３１本の歯のコマンド歯車またはディスクを、または３１ステップで完全な回転をもたらすコマンド歯車またはディスクを、組織的に採用する。更に、十の位及び一の位ディスクを駆動するコマンド装置の順序付けは、多くの場合複雑であり、平面内における各モバイルユニットの位置決めへの選択の自由度を少なくする。

特定された全ての解決策は、３１本の歯のコマンドモバイルユニットまたはディスクのいずれかを採用する。例として、特許文献１及び特許文献２は、現在「グランデデイト」機構として知られる、２つの主たる駆動概念を開示する。

特許文献１は、一の位の第１表示モバイルユニットと十の位の第２表示モバイルユニットを駆動する第１コマンドモバイルユニットの配列を開示する。２つの表示モバイルユニットは、並んで配置される。コマンドモバイルは、２４時間毎に１ステップ前進し、３１ステップで完全な回転を達成する。コマンドモバイルは、３つの異なる高さに分配された、３つの歯列を含む。第１歯列は、自身を駆動するために設けられ、３０本の歯を含む第２歯列は、一の位表示モバイルユニットを駆動するために設けられ、４本の歯を含む第３歯列は、十の位表示モバイルユニットを駆動するために設けられる。３つの異なる高さへの配列、及び３１ステップにわたるジャンプを順序付けるコマンドモバイルユニットの採用、は当該解決策を特に嵩高にし、時計ムーブメントへの導入を難しくする。

特許文献２は、２４時間毎に１ステップ前進し、一の位の第１表示モバイルユニットと十の位の第２表示モバイルユニットを駆動する、コマンドディスクの使用を開示する。これら２つの表示モバイルユニットは、並んで配置される。コマンドディスクは、２つの別個の高さに配置される、２つの歯列を含む。第１歯列は、３１本の歯を含み、そのうち３０本は、一の位表示モバイルユニットを駆動するために機能している。第２歯列は、３１本の歯を含み、そのうち４本は、十の位モバイルユニットを駆動するために機能している。この種のディスクの平面における全体寸法は非常に大きい。これは時計ムーブメント内の２つの表示モバイルユニットの配置について、事実上いかなる自由度も与えない、日付ディスクに類似する。更に、３１ステップにわたるジャンプを順序付けするディスクの採用は、当該解決策の時計ムーブメントへの導入を特に難しくする。

上述のように、「グランデデイト」機構は、通常、一の位を表示する第１と、十の位を表示する第２の、日付を表示する２つの表示モバイルを含む。これら２つの表示モバイルのそれぞれは、窓内に一の位と十の位の割り出しをそれぞれ可能にする、角度位置割出装置を必要とする。モバイルの「割り出し」は、好ましくは、当該モバイルの有限個の角度位置から特定の角度位置にモバイルを維持することを意味し、それらの位置は、角度により互いに分離され、特に固定角により互いに分離される。

この種の「グランデデイト」機構の問題は、日付を変更する際に、ムーブメントのエネルギー消費が、特に変更される日付に依拠することである。実際、日付を表示する機構の順序付けに従い、１以上の「グランデデイト」表示モバイルを駆動することが必要になる。従来のモバイル割出装置によれば、ムーブメントは、それぞれ割出装置を構成する１つまたは同時に２つのジャンパまたはレバーを乗り越えねばならず、これは変更される日付に応じて変化しがちなエネルギー消費を生成する。ムーブメントが２つのジャンパまたはレバーを乗り越えなければならないとき、調速ユニットが使用可能なエネルギーが少なく、従ってその同じ調速ユニットの高さで振幅の損失を生成する可能性がある。こうした振幅変化は、最大限に最適化された時間測定性能を得るために、可能な限り最小化されなければならない。

特定された様々な先行技術文献は、「グランデデイト」機構と両立不可能な２つのレバーを採用する、及びまたは作動される割り出しレバーが１つであろうと複数であろうと均等のまたは実質的に均等のエネルギー消費を有するためのいかなる解決策も提示しない。

特許文献３は、日付インジケータと曜日インジケータとを含む、カレンダを開示する。これらモバイル割出装置は、２つのインジケータを位置決めするため互いに固定された２つのくちばしを有するレバーと、弾性戻し要素と、レバーに固着された偏心器とを含む。偏心器は、２つのくちばしの相対位置の調節を可能とし、このため２つのインジケータの角度割出位置の調節を可能にする。くちばしが互いに独立して機能可能になるためには、２つのくちばしの間の自由度が必要なため、当該解決策は「グランデデイト」機構の割り出しに採用されることはできない。

特許文献４は、２つのくちばしを有する単一のレバーと、２つの弾性戻し要素とを含む、日付のインジケータと曜日のインジケータを位置決めするモバイル割出装置を含むカレンダを開示する。この割出装置に追加の自由度を与えるために、レバーは更に、ムーブメントのフレームに固着されるピンと協働するよう適合され、摺動接続を構成する、スロットを含む。くちばしが単一のレバーにのみ固着されるものの、この追加の自由度が、インジケータが互いに独立して機能することを可能にする。実際、この摺動接続のおかげで、例えばカレンダを調節する第１運転中に、２つのインジケータのうち１つのみが作動されると、他方のインジケータと協働するくちばしは、インジケータの歯の中に維持され、レバーのピボットとしての役割を果たす。この場合、２つの弾性戻し要素のうち１つのみが負荷される。例えばカレンダを調節する第２運転中に、他方のインジケータが作動される場合も運転は同様である。他方で、カレンダの従来の運転中に２つのインジケータが同時に作動されると、レバーはピン周りに旋回し、弾性戻し要素の両方が負荷される。当該割出装置は、２つのインジケータが同時に作動されたときに同じ戻し要素の作動を可能にする解決策をなんら提供しない。更に、当該割出装置は、作動される表示モバイルの数が何であれ、均等または実質的に均等なエネルギー消費を得ることを可能にしない。

特許文献５は、互いに独立して作動可能な２つのくちばしを有するレバーを含むモバイル割出装置を含む、カレンダを開示する。当該モバイル割出装置は、日付インジケータまたは曜日インジケータを割り出すことが意図される少なくとも１つのくちばしと、装置の弾性戻しを可能にする、２つの方向に向けられた弾性パーツを含むものと説明される。この種の装置において、モバイル割出装置の弾性パーツの装備、そしてその結果としてエネルギー消費は、作動されるくちばしの数に左右される。このため、当該解決策は、最適な解決策ではない。

スイス国特許出願公開第３１０５５９号明細書 国際公開第９８５０８２９号 スイス国特許出願公開第９８６２７０号明細書 米国特許第４０４８７９５号明細書 仏国特許出願公開第２１２００５６号明細書

第１の態様において、本発明の目的は、上述の欠点を矯正し、既知の従来技術の装置を改善することを可能にする、時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置を提供することである。特に、本発明は、表示機構の配列において大いなる柔軟さまたは適応性を与え、平面内で非常に小さな全体寸法を有する構造を得ることを可能にし、非常に堅牢な運転を提供する、時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置を提案する。

第２の態様において、本発明の目的は、上述の欠点を矯正し、既知の従来技術の装置を改善することを可能にする、ジャンパまたは位置割出装置を提供することである。特に、本発明は、単純な構造を有し、互いに独立して機能する２つのレバーの使用を、更には作動されるレバーまたはくちばしの数が何であれ弾性戻し要素へ均等または実質的に均等な復帰力が得られることを可能にする、ジャンパまたは位置割出装置を提案する。

本発明の第１態様に従い、表示装置は、以下の提案により定義される。

１． 時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置１００であって、
第１歯列１１ｂ、第２歯列１１ｃ、及び前記時間または時間から派生したインジケーションの前記一の位を示すことが意図される数字１３を有する第１ディスク１２を含む、第１表示モバイルユニット１０と、
第３歯列２１ｂ、第４歯列２１ｃ、及び前記時間または時間から派生したインジケーションの前記十の位を示すことが意図される数字２３を有する第２ディスク２２を含む、第２表示モバイルユニット２０と、
前記第１及び第２モバイルユニットを駆動する機構９０であって、
前記第１歯列及び前記第３歯列と障害により、特に噛み合いにより協働するよう適合される第５歯列３０ａを含む、第１コマンドモバイルユニット３０と、
前記第２歯列及び前記第４歯列と障害により、特に噛み合いにより協働するよう適合される第６歯列４０ａを含む、第２コマンドモバイルユニット４０と、
を含む、機構９０と、
を含む、表示装置。

２． 前記第１、第３、及び第５歯列は、実質的に同一の第１原始直径を有する、及びまたは前記第２、第４、及び第６歯列は、実質的に同一の第２原始直径を有する、提案１に記載の表示装置。

３． 前記第１及び第２原始直径は、同一または実質的に同一である、提案２に記載の表示装置。

４． 前記第１コマンドモバイルユニット３０と前記第２コマンドモバイルユニット４０とは、軸Ａ３上に同軸上に配列される、提案１から３のいずれか一つに記載の表示装置。

５． 前記駆動機構９０は、前記第１モバイルユニットを直接または間接的に駆動するよう適合される第７歯列６１を含む駆動歯車６０を含む、提案１から４のいずれか一つに記載の表示装置。

６． 前記第２コマンドモバイルユニットは、前記第１表示モバイルユニット及びまたは前記第２表示モバイルユニットにより駆動されるよう適合される、提案１から５のいずれか一つに記載の表示装置。

７． 前記駆動機構９０は、前記駆動歯車６０の前記第７歯列及び前記第１コマンドモバイルユニット３０の前記第５歯列と障害により、特に噛み合いにより協働する中間モバイルユニット５０を含む、及びまたは前記駆動機構９０は、前記第１モバイルユニット３０の前記第５歯列を直接または間接的に作動するよう適合された修正モバイルユニット７０を含む、提案１から６のいずれか一つに記載の表示装置。

８． 前記駆動機構９０は、前記瞬時ジャンプタイプまたは前記半瞬時ジャンプタイプまたは前記ひきずりタイプである、提案１から７のいずれか一つに記載の表示装置。

９． 前記第１歯列１１ｂは、９本の歯を含み、前記第２歯列１１ｃは、２本の歯を含み、前記第３歯列２１ｂは、４本の歯を含み、前記第４歯列２１ｃは、６本の歯を含む、提案１から８のいずれか一つに記載の表示装置。

１０． 前記第１歯列１１ｂは、９本の歯を含み、前記第２歯列１１ｃは、２本の歯を含み、前記第３歯列２１ｂは、７本の歯を含み、前記第４歯列２１ｃは、８本の歯を含む、提案１から８のいずれか一つに記載の表示装置。

１１． 前記第１ディスクは、「０、１、２、３、４、５、６、７、８、９」の一連の数字を含む、及びまたは前記第２ディスクは、「０、０、１、１、１、２、２、２、３、３」の一連の数字を含む、提案１から１０のいずれか一つに記載の表示装置。

１２． 前記時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置は、特に「グランデデイト」タイプの、日付表示装置であり、前記第１ディスクは一の位ディスクであり、前記第２ディスクは十の位ディスクである、提案１から１１のいずれか一つに記載の表示装置。

本発明の第１態様に従い、時計ムーブメントは、以下の提案により定義される。

１３． 提案１から１２のいずれか一つに記載の装置１００を含む、時計ムーブメント１１０。

本発明の第１態様に従い、時計は以下の提案により定義される。

１４． 提案１から１２のいずれか一つに記載の装置１００、及びまたは提案１３に記載の時計ムーブメント１１０を含む、時計１２０、特に小型時計、特に腕時計。

本発明の第１態様に従い、表示装置の運転方法は、以下の提案により定義される。

１５． 提案１から１２のいずれか一つに記載の装置１００、または提案１３に記載の時計ムーブメント１１０、または提案１４に記載の時計１２０の、運転方法であって、
前記第１コマンドモバイルユニット３０が前記第１表示モバイルユニット１０を駆動するステップ、及びまたは
同時に、前記第１コマンドモバイルユニット３０が前記第１表示モバイルユニット１０を駆動するステップ、及び前記第１表示モバイルユニット１０が前記第２コマンドモバイルユニット４０を介して前記第２表示モバイルユニット２０を駆動するステップ、及びまたは
前記第１コマンドモバイルユニット３０が前記第２表示モバイルユニット２０を駆動するステップ、及びまたは
同時に、前記第１コマンドモバイルユニット３０が前記第２表示モバイルユニット２０を駆動するステップ、及び前記第２表示モバイルユニット２０が前記第２コマンドモバイルユニット４０を介して前記第１表示モバイルユニット１０を駆動するステップ、を含む、方法。

本発明の第２態様に従い、ジャンパ装置は以下の提案により定義される。

１６． 第１モバイルユニット１０を位置決めする第１くちばし８１ａを含む、少なくとも１つの第１アーム８１と、
第２モバイルユニット２０を位置決めする第２くちばし８２ａを含む、少なくとも１つの第２アーム８２と、
前記第１アーム及び前記第２アームを、前記第１及び第２モバイルユニットの位置決め構成へ戻す弾性要素８４と、
一方では、前記弾性戻し要素と、
他方では、前記第１及び第２アームと、
の間で相互作用するレバー８３；８３’と
を含む、時計装置１００用のジャンパ装置８０。

１７． 前記装置は、回転可動な第１モバイルユニット１０と回転可動な第２モバイルユニット２０の前記角度位置を割り出す装置である、提案１６に記載の装置。

１８． 前記装置はフレーム９９を含み、前記第１アームは、前記フレーム９９に対して旋回するよう搭載され、前記第２アームは、前記フレーム９９に対して旋回するよう搭載され、前記第１及び第２アームは、特に、前記同一軸Ａ５周りに旋回するよう搭載される、提案１６または１７に記載の装置。

１９． 前記装置はフレーム９９を含み、前記レバー８３、８３’は前記フレームに対して、
１つの並進自由度、及び
１つの回転自由度、
を有するよう可動に搭載される、提案１６から１８のいずれか一つに記載の装置。

２０． 前記レバーの前記最大寸法は、前記第１アームの前記最大寸法または前記第２アームの前記最大寸法より、少なくとも２倍、または３倍、小さい、提案１６から１９のいずれか一つに記載の装置。

２１． 前記装置はフレーム９９を含み、前記装置は、
前記レバー上の、それぞれ前記フレーム上の溝８５と、
前記フレーム上に、それぞれレバー上に、形成または固定されたピン８６と、
を含み、
前記溝及び前記ピンは、並進及び回転に自由度を有する機械的接続を構成するよう、互いに協働する、提案１６から２０のいずれか一つに記載の装置。

２２． 前記弾性戻し要素８４は、板ばねを含む、提案１６から２１のいずれか一つに記載の装置。

２３． 前記レバー８３’または前記弾性戻し要素は、前記レバーが回転旋回するときに前記弾性戻し要素８４を装備するよう適合されたカム表面８９を有する、提案１６から２２のいずれか一つに記載の装置。

本発明の第２態様に従い、表示装置は以下の提案により定義される。
２４． 提案１６から２３のいずれか一つに記載のジャンパ装置を含む、日付表示装置１００、特に「グランデデイト」表示装置。

２５． 一の位を表示する第１モバイルユニット１０と、十の位を表示する第２表示ユニット２０を含む、提案２４に記載の日付表示装置１００。

本発明の第２態様に従い、時計ムーブメントは以下の提案により定義される。

２６． 提案１６から２５のいずれか一つに記載の装置を含む、時計ムーブメント１１０。

本発明の第２態様に従い、時計は以下の提案により定義される。

２７． 提案１６から２５のいずれか一つに記載の装置及びまたは提案２６に記載の時計ムーブメント１１０を含む、時計１２０、特に小型時計、特に腕時計。

本発明の第２態様に従い、装置の運転方法は以下の提案により定義される。

２８． 提案１６から２５のいずれか一つに記載の装置８０、１００または提案２６に記載の時計ムーブメント１１０または提案２７に記載の時計１２０の運転方法であって、
前記第１モバイルユニット１０及びまたは前記第２モバイルユニット２０の前記運動の効果による前記第１アーム及びまたは前記第２アームの運動のステップ、及び前記レバー８３；８３’の運動の効果による前記弾性戻し要素８４の装備のステップと、
前記レバー８３；８３’及び前記第１アーム及びまたは前記第２アームを用いた前記第１モバイルユニット１０及びまたは前記第２モバイルユニット２０の、回転駆動を引き起こす、前記弾性戻し要素８４の復帰ステップと、
を含む、方法。

２９． 前記装備ステップは、
装備が、前記第１モバイルユニットの運動によりもたらされる、
装備が、前記第２モバイルユニットの運動によりもたらされる、
装備が、前記第１及び第２モバイルユニットの運動によりもたらされる、
状況のうち少なくとも２つの状況で同じ強度を有する、提案２８に記載の方法。

技術的または論理的両立不能性がない限り、第１及び第２側面のあらゆる特徴の組み合わせを実施することができる。

添付の図面は、例として時計の２つの実施形態を図示する。

図１は、時計の第１実施形態を示す。 図２は、時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置の第１実施形態の詳細図である。 図３は、時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置の第１実施形態の（図２の面Ｉ−Ｉ上の）断面図である。 図４は、時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置の第１実施形態の（図２の面ＩＩ−ＩＩ上の）断面図である。 図５は、時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置の第１実施形態の第１変形例の（図３及び４の面ＩＩＩ−ＩＩＩ及びＩＶ−ＩＶ上の２つの断面での）断面図を示す。 図６は、時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置の第１実施形態の第２変形例の（図３及び４の面ＩＩＩ−ＩＩＩ及びＩＶ−ＩＶ上の２つの断面での）断面図を示す。 図７は、表示装置の第１実施形態の第１変形例の運転の図解を示す。 図８は、表示装置の第１実施形態の第２変形例の運転の図解を示す。 図９は、時計の第２実施形態を示す。 図１０は、割出装置の第１実施形態の詳細図を示す。 図１１は、割出装置の第１実施形態の運転の説明図を示す。 図１２は、割出装置の第１実施形態の運転の説明図を示す。 図１３は、割出装置の第１実施形態の運転の説明図を示す。 図１４は、割出装置の第２実施形態の運転の説明図を示す。 図１５は、割出装置の第２実施形態の運転の説明図を示す。 図１６は、割出装置の第２実施形態の運転の説明図を示す。

時計１２０の第１実施形態を、図１から８を参照して以下に説明する。

時計１２０は、例えば小型時計、特に腕時計である。

時計１２０は、時計ムーブメント１１０を含む。時計ムーブメントは、外的環境から自身を保護するため、時計ケース内に搭載されることが意図される。

時計ムーブメント１１０は、電子式ムーブメントであっても機械式ムーブメントであっても、特に自動式ムーブメントであってもよい。

時計ムーブメントは、時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置１００を含む。時間のまたは時間から派生したインジケーションは、好ましくは、日付のインジケーションである。しかしながら、インジケーションは、その他の種類、特に年のインジケーションまたは月のインジケーションまたは週のインジケーションまたは時のインジケーションまたは分のインジケーションまたは秒のインジケーションといった、２ケタ以上の数値インジケーションであってもよい。

当該第１実施形態では、表示装置は例えば、「グランデデイト」タイプの日付を表示する装置である。

時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置１００は、
− 第１歯列１１ｂと、第２歯列１１ｃと、時間のまたは時間から派生したインジケーションの一の位を表示することを意図する数字１３を抱える第１ディスク１２とを含む、第１表示モバイルユニット１０と、
− 第３歯列２１ｂと、第４歯列２１ｃと、時間のまたは時間から派生したインジケーションの十の位を表示することを意図する数字２３を抱える第２ディスク２２とを含む、第２表示モバイルユニット２０と、
− 第１及び第２モバイルユニットを駆動する機構９０と、
を含む。

駆動機構９０は、
− 第１歯列及び第３歯列と障害により、特に噛み合いにより協働するよう適合される第５歯列３０ａを含む、第１コマンドモバイルユニット３０と、
− 第２歯列及び第４歯列と障害により、特に噛み合いにより協働するよう適合される第６歯列４０ａを含む、第２コマンドモバイルユニット４０と、
を含む。

第１表示モバイルユニット１０は、第１軸Ａ１周りを旋回する。第２表示モバイルユニット２０は、第２軸Ａ２周りを旋回する。第１及び第２軸は、好ましくは、平行または実質的に平行である。第１及び第２モバイルユニットは、好ましくは、月々の日付の値など、値または情報を示すために第１モバイルユニットの一の位と第２モバイルユニットの十の位とを互いに近傍に位置させるように、並んで配置される。装置は、情報読み取り区域を示すまたは定義することを可能にする、文字盤に設けられた窓やディスク１２及び２２のそれぞれの数字１３及び２３の色と反対の色のプレートといったマーカを含んでもよい。

表示装置１００は更に、第１及び第２表示モバイルユニットの角度位置の割出システム８０を含む。当該システムは、以下に説明するように、第１及び第２表示モバイルユニットを角度的に割出すようにそれぞれ適合されたアーム８１及び８２を含む。

第１表示モバイルユニット１０は、第１歯列１１ｂ及び第２歯列１１ｃを特に含む、第１ギア１１を含む。第１歯列は、例えば、９本の歯を有する。第１歯列は、例えば、軸Ａ１周りに等角度的に分配された１０本の歯の組であり、１０本の歯のうちの１本が除去されたまたは形成されなかったものである。換言すれば、第１歯列は、１０本の歯から１本の歯が欠如している、１０本の歯の組である。第２歯列１１ｃは、例えば２本の歯を有する。第２歯列は、例えば、軸Ａ１周りに等角度的に分配された１０本の歯の組であり、１０本の歯のうちの８本が除去されたまたは形成されなかったものである。換言すれば、第２歯列は、１０本の歯から８本の歯が欠如している、１０本の歯の組である。第２歯列の２本の歯は、好ましくは、並置される、即ち第２歯列の２本の歯の間に、欠如した歯によって空けられた空間が存在しない。歯が欠如するこれら歯列の構成は、第１モバイルのみならず、以下に説明するように第２モバイルユニットの駆動に特定の順序を与えられるように適合される。第１及び第２歯列は、第１歯列に位置する１本の歯が、第２歯列で欠如した歯の角度位置にあり、第２歯列に位置する１本の歯が、第１歯列で欠如した歯の角度位置にあるように、欠如した歯がない、単一の歯列を構成するようにみられてもよい。更に、第１歯列の少なくとも１本の歯は同様に、第２歯列の歯に並置されてもよい。

第１ディスク１２は０から９の１０個の一の位を含む。これらの数字は、一の位表示ディスク１２上に表される。

第１歯列１１ｂ及び第２歯列１１ｃは、図３に示すように、平面Ｐ１及びＰ２にそれぞれ分配される、２つの別個の高さに並置される。平面Ｐ１とＰ２は、互いに平行であり、互いに別個である。平面は、好ましくは、軸Ａ１に垂直である。このため平面Ｐ１は、第１歯列と交差するが、第２歯列とは交差しない。同様に、平面Ｐ２は第２歯列と交差するが、第１歯列とは交差しない。

第１及び第２歯列は、軸Ａ１周りに、回転において互いに固定的に付着される。このため、歯列の一方は、歯列の他方が同じ所定の角度を回転しない限り、軸Ａ１周りの所定角度を回転することはできない。例えば、第１及び第２歯列は、互いに固定されるまたは内蔵接続により接続される。代替的に、第１及び第２歯列は、一体であるまたは単一のブロックまたは要素として製造される。

第２表示モバイルユニット２０は、第３歯列２１ｂ及び第４歯列２１ｃを特に含む、第２ギア２１を含む。第３歯列は、例えば４本の歯を有する。第３歯列は例えば、軸Ａ２周りに等角度的に分配された１０本の歯の組であり、１０本の歯のうちの６本が除去されたまたは形成されなかったものである。換言すれば、第３歯列は、１０本の歯から６本の歯が欠如している、１０本の歯の組である。第３歯列の４本の歯は、好ましくは、以下の通り分配される。２本の並置される歯、２本の欠如した歯により残された空間、１本の歯、２本の欠如した歯により残された空間、１本の歯、２本の欠如した歯により残された空間である。

第４歯列２１ｃは、例えば６本の歯を有する。第４歯列は、例えば、軸Ａ２周りに等角度的に分配された１０本の歯の組であり、１０本の歯のうちの４本が除去されたまたは形成されなかったものである。換言すれば、第４歯列は、１０本の歯から４本の歯が欠如している、１０本の歯の組である。第４歯列の６本の歯は、好ましくは、以下の通り分配される。２本の並置される歯、１本の欠如した歯により残された空間、２本の並置される歯、１本の欠如した歯により残された空間、２本の並置される歯、２本の欠如した歯により残された空間である。第３及び第４歯列は、第３歯列に位置する１本の歯が、第４歯列で欠如した歯の角度位置にあり、第４歯列に位置する１本の歯が、第３歯列で欠如した歯の角度位置にあるように、欠如した歯がない、単一の歯列を構成するようにみられてもよい。更に、第３歯列の少なくとも１本の歯は同様に、第４歯列の歯に並置されてもよい。

歯が欠如するこれら歯列の構成は、第２モバイルのみならず、以下に説明するように第１モバイルユニットの駆動に特定の順序を与えられるように適合される。特に、第２コマンドモバイルユニットもまた、第１表示モバイルユニット及びまたは第２表示モバイルユニットにより駆動されるように適合される。

第２ディスク２２は、０から３の１０個の十の位を含む。これらの数字は、十の位表示ディスク２２上に表される。数字は、０、０、１、１、１、２、２、２、３、３の順序であらわされる。

第３歯列２１ｂ及び第４歯列２１ｃは、図３に示すように、平面Ｐ１及びＰ２にそれぞれ配置される、２つの別個の高さに並置される。平面Ｐ１とＰ２は、好ましくは、軸Ａ２に垂直である。このため平面Ｐ１は、第３歯列と交差するが、第４歯列とは交差しない。同様に、平面Ｐ２は第４歯列と交差するが、第３歯列とは交差しない。

第３及び第４歯列は、軸Ａ２周りに、回転において互いに固定的に付着される。このため、歯列の一方は、歯列の他方が同じ所定の角度を回転しない限り、軸Ａ２周りの所定角度を回転することはできない。例えば、第３及び第４歯列は、互いに固定されるまたは内蔵接続により接続される。代替的に、第３及び第４歯列は、一体であるまたは単一のブロックまたは要素として製造される。

第１コマンドモバイルユニットと第２コマンドモバイルユニットに加えて、駆動機構９０は、第１コマンドモバイルユニットを直接または間接的に駆動するよう適合された第７歯列６１を含む、駆動歯車６０を含む。

特に、駆動機構９０は、障害により、特に噛み合いにより、駆動歯車６０の第７歯列６１及び第１コマンドモバイルユニット３０の第５歯列と協働する、中間モバイルユニット５０を含んでもよい。このため、第７歯列６１は、（中間モバイルユニット５０を介して）第１コマンドモバイルユニットを間接的に駆動するよう適合される。

駆動機構９０は、瞬時ジャンプタイプ、または半瞬間ジャンプタイプ、または引きずりタイプであってもよい。

駆動機構９０は、第１コマンドモバイルユニットを２４時間毎に１ステップ前進させるように、即ち２４時間ごとに第１表示モバイルユニットを回転の１０分の１回転させるように、構成される及びまたは配置される。

上述のように、第１コマンドモバイルユニット３０は、第５歯列３０ａを介して、第１表示モバイルユニット１０及びまたは第２表示モバイルユニット２０の駆動を、より具体的には第１歯列１１ｂ及びまたは第３歯列２１ｂの駆動を可能にする。

上述のように、第２コマンドモバイルユニット４０は、第６歯列４０ａを介して、第１表示モバイルユニット１０及びまたは第２表示モバイルユニット２０の駆動を、より具体的には第２歯列１１ｃ及びまたは第４歯列２１ｃの駆動を可能にする。更に、第２コマンドモバイルユニットは、第１表示モバイルユニット及びまたは第２表示モバイルユニットにより駆動される。

第１及び第２コマンドモバイルユニット３０及び４０は、例えば、第３軸Ａ３に対して同軸である。軸Ａ３は、好ましくは、軸Ａ１及びＡ２と平行である。

第５歯列３０ａ及び第６歯列４０ａは、図４に示すように、平面Ｐ１及びＰ２にそれぞれ配置される、２つの別個の高さに並置される。平面Ｐ１及びＰ２は、好ましくは、軸Ａ３に垂直である。このため平面Ｐ１は、第５歯列と交差するが、第６歯列とは交差しない。同様に、平面Ｐ２は第６歯列と交差するが、第５歯列とは交差しない。

第１及び第２コマンドモバイルユニット３０及び４０は、互いに空回りに搭載される。換言すれば、第１及び第２コマンドモバイルユニットは、互いに自由に回転可能である。

第５及び第６歯列３０ａ及び４０ａは、それぞれ例えば１０本の歯を有する。これら歯列は、異なる数の歯を有してもよい。しかしながら、第５及び第６歯列３０ａ及び４０ａは、有利には、同数の歯を有する。

第１平面Ｐ１の高さに配置された第１及び第２歯列１１ｂ及び２１ｂはそれぞれ、同じく第１平面Ｐ１の高さに配置された第１コマンドモバイルユニット３０の第５歯列３０ａと協働するよう適合される。この第１コマンドモバイルユニット３０は、より具体的には第５歯列３０ａは、２４時間毎に１ステップ駆動される。

２つの表示モバイルユニット１０及び２０もまた、第２平面Ｐ２の高さに配列され、歯列１１ｃ及び２１ｃと協働するよう適合された、第２コマンドモバイルユニット４０の第６歯列４０ａを用いて駆動される。日付ジャンプの順序に応じて、第２コマンドモバイルユニット４０は、歯列１１ｃ及び２１ｃを駆動するまたはそれらにより駆動されることができる。

より具体的には、この歯列５０ａを手段として、駆動機構９０は、第１コマンドモバイルユニット３０の第５歯列３０ａを１日毎に１ステップ駆動し、同様に日付によっては、それぞれの歯列１１ｂ、２１ｂを介して、第１表示モバイルユニット１０及びまたは第２表示モバイルユニット２０を駆動する。日付に応じて、第２コマンドモバイルユニット４０の歯列４０ａは、第１表示モバイルユニット１０により、より具体的には歯列１１ｃにより、及びまたは第２表示モバイルユニット２０により、より具体的には歯列２１ｃにより、駆動されてもよい。駆動されると、第２コマンドモバイルユニット４０は、同様に歯列１１ｃを介して第１表示モバイルユニット１０を、及びまたは歯列２１ｃを介して第２表示モバイルユニット２０を、駆動可能である。

図６に図示する第１実施形態の第２変形例では、第２表示モバイルユニット２０の構成のみが変更される。当該変形例において、第２表示モバイルユニット２０は、７本の歯を有し平面Ｐ１に配置される第３歯列２１ｂと、８本の歯を有し平面Ｐ２に配置される第４歯列２１ｃとを含む。

第３歯列は、例えば軸Ａ２周りに等角度的に分配された１０本の歯の組であり、１０本の歯のうちの３本が除去されたまたは形成されなかったものである。換言すれば、第３歯列は、１０本の歯から３本の歯が欠如している、１０本の歯の組である。第３歯列の７本の歯は、好ましくは、以下の通り分配される。３本の並置される歯、１本の欠如した歯により残された空間、２本の並置される歯、１本の欠如した歯により残された空間、２本の並置される歯、１本の欠如した歯により残された空間である。

第４歯列は、例えば軸Ａ２周りに等角度的に分配された１０本の歯の組であり、１０本の歯のうちの２本が除去されたまたは形成されなかったものである。換言すれば、第４歯列は、１０本の歯から２本の歯が欠如している、１０本の歯の組である。第４歯列の８本の歯は、好ましくは、以下の通り分配される。８本の並置される歯、２本の欠如した歯により残された空間である。

当該変形例は、特に、アーム８１、８２の、より具体的には第２モバイルユニットと協働するアーム８２のゆがみを防止可能な、欠如、除去、または形成されない歯の数が少ない歯列２１ｂ及び２１ｃを提供するという利点を有する。

時計１２０の第２実施形態を、図９を参照して以下に説明する。

時計１２０は例えば小型時計、特に腕時計である。

時計１２０は、時計ムーブメント１１０を含む。時計ムーブメントは、外的環境から自身を保護するため、時計ケース内に搭載されることが意図される。

時計ムーブメント１１０は、電子式ムーブメントであっても機械式ムーブメントであっても、特に自動式ムーブメントであってもよい。

時計ムーブメントは、時間のまたは時間から派生したインジケーションを表示する装置１００を含む。時間のまたは時間から派生したインジケーションは、好ましくは、日付のインジケーションである。しかしなら、インジケーションは、その他の種類、特に年のインジケーションまたは月のインジケーションまたは時のインジケーションまたは分のインジケーションまたは秒のインジケーションといった、２ケタ以上の数値インジケーションであってもよい。

当該第２実施形態では、表示装置は例えば、「グランデデイト」日付表示タイプの表示装置である。

当該第２実施形態において、表示装置は更に、中間モバイルユニット５０に、より具体的には歯列５０ａに作用する、修正モバイルユニット７０を含む。代替的に、修正は、第１コマンドモバイルユニット３０の第５歯列３０ａを直接駆動することにより達成されてもよい。装置は更に、モバイルユニット５０または第１コマンドモバイルユニット３０に作用して修正を達成するために用いられる、（修正モバイルユニット７０を代替する）アームを含んでもよい。

２つの表示ディスク１２及び２２を駆動するために、様々な設計変形例が可能である。ここで説明する全ての変形例は、表示モバイルユニット１０及び２０に、またコマンドモバイルユニット３０及び４０に、同数の歯を有し、日付を表示する同一の順序に従い機能する。ここで説明する全ての変形例の間に存在する唯一の差は、表示モバイルユニット２０の第３及び第４歯列に設けられた歯の配置と数である。

実施例または変形例にかかわらず、第１、第３及び第５歯列は、好ましくは、実質的に同一の第１原始直径（primitive diameter）を有する。

実施例または変形例にかかわらず、第２、第４及び第６歯列は、好ましくは、実質的に同一の第２原始直径を有する。

実施例または変形例にかかわらず、第１及び第２原始直径は、好ましくは、等しいまたは実質的に等しい。

実施例または変形例にかかわらず、第１及び第２コマンドモバイルユニット３０及び４０は、好ましくは、同軸上に配列される。にもかかわらず、表示装置の運動学的連鎖の同じ動作を維持しつつ、両者を２つの別個の軸に配置することも可能である。

実施例または変形例にかかわらず、第１歯列１１ｂ、第２歯列１１ｃ、第３歯列２１ｂ 及び第４歯列２１ｃは、第１及び第２コマンドモバイルユニット３０及び４０の第５歯列３０ａ及び第６歯列４０ａと共に、好ましくは、全て実質的に同一の輪郭とモジュールを有する。これら６個の歯列はまた、欠如してもしなくても、それぞれの軸周りに等角度的に分配された１０本の歯について、同一の角度ピッチを有する。しかしながら、これら特徴は、装置の機能に対する限定を構成するものではない。例えば、他の２つの表示ディスク１２及び２２上の数字の異なる連続を進めるように、２つの表示モバイルユニット１０及び２０に異なる数の歯を設けることも完全にあり得る。２つの表示モバイルユニット１０及び２０上の数字の数は、同一である必要はない。同様に、ギア１１及び２１上の歯の数は、同一である必要はない。２つのコマンドモバイルユニット３０及び４０上の歯の数もまた、当該装置のジャンプの順序になんら影響を与えない。第１コマンドモバイルユニット３０の第５歯列３０ａの歯の数は、第２コマンドモバイルユニット４０の第６歯列４０ａの数と異なってもよい。

実施例または変形例にかかわらず、２つの表示モバイルユニット１０及び２０の歯列１１ｂ、１１ｃ、２１ｂ、及び２１ｃの歯を配列できる場所の数は、表示ディスク１２及び２２に示された数字の数の倍数であってもよい。

実施例または変形例にかかわらず、２つの表示モバイルユニット１０及び２０の歯列１１ｂ、１１ｃ、２１ｂ、及び２１ｃの噛み合いは、同様に、２つのコマンドモバイルユニット３０及び４０の歯列３０ａ及び４０ａの、異なる輪郭及びまたはモジュールにより達成されてもよい。例えば、歯列３０ａ及び４０ａは、歯列１１ｂ、１１ｃ、２１ｂ、２１ｃの実質的に半分の寸法であってもよい。

他の設計変形例によれば、重ね合わさったまたは部分的に重ね合わさった２つの表示ディスク１２及び２２を有してもよい。また、２つの表示ディスクを同軸上に配置することも可能である。表示ディスクの同軸重ね合わせの場合、２つの表示モバイルユニット１０及び２０の歯列１１ｂ、１１ｃ、２１ｂ、及び２１ｃが同軸でなければならないため、運動学的連鎖の構造は、２つではなく、４つの別個の平面に転置されなければならない。しかしながら、第１及び第３歯列１１ｂ及び２１ｂと噛み合う第１コマンドモバイルユニット３０の第５歯列３０ａと、第２及び第４歯列１１ｃ及び２１ｃと噛み合う第２コマンドモバイルユニット４０の第６歯列４０ａとを得ることが依然可能なため、運動学的連鎖は、変化しないままである。

実施例または変形例にかかわらず、ロックシステム、特に「マルタ十字」を、表示モバイルユニット１０及び２０またはコマンドモバイルユニット３０及び４０の１以上の補助高さに、追加してもよい。

実施例または変形例にかかわらず、第１コマンドモバイルユニット３０は、それぞれの歯列３０ａ及び５０ａを介して、または図示しない歯の補助高さにより、中間モバイルユニット５０により直接駆動されてもよい。

実施例または変形例にかかわらず、（モバイルユニット５０及び６０を頼ることなく）第１コマンドモバイルユニット３０から直接第１及び第２モバイルユニットを駆動することが可能である。このため、第１コマンドモバイルユニット３０は、限定された数のｎ本の歯を、例えば（等角度的に分配された）１本の歯または２本の歯または３本の歯を含み、１／ｎ回転の回転が２４時間毎に発生するよう構成されてもよい。駆動は、瞬時ジャンプタイプまたは半瞬時ジャンプタイプまたは引きずりタイプであってもよい。例えば、モバイルユニット３０は、中心線上にある第１及び第２表示モバイルユニット１０及び２０を駆動する、直径方向に対向する２本の歯のみを含んでもよい。この場合、コマンドモバイルユニットは、２４時間毎に半回転を行わねばならない。

実施例または変形例にかかわらず、十の位表示ディスク２２上の数字の０の表示は、間隙により、すなわちディスク上の数字のない区域により置き換えられてもよい。このため、０、０、１、１、１、２、２、２、３、３の順序は、「間隙」、「間隙」、１、１、１、２、２、２、３、３により代替されてもよい。

実施例または変形例にかかわらず、時計、具体的にはムーブメントまたは表示装置は、ジャンパまたは割出装置８０を、特に図９から１３を参照して以下に説明するジャンパまたは割出装置８０の第１実施形態を含んでもよい。

ジャンパまたは割出装置８０は、
− 第１モバイルユニット１０を位置決めする第１くちばし８１ａを含む、少なくとも１つの第１アーム８１と、
− 第２モバイルユニット２０を位置決めする第２くちばし８２ａを含む、少なくとも１つの第２アーム８２と、
− 第１アーム及び第２アームを、第１及び第２モバイルユニットの位置決め構成へ弾性的に戻す要素８４と、
〇 一方では、弾性戻し要素と、
〇 他方では、第１及び第２アームと、
− の間で相互作用するレバー８３と、
を含む。

ジャンパまたは割出装置８０は、第１及び第２モバイルユニットのそれぞれの角度位置の割り出しを、すなわち第１及び第２モバイルユニットのそれぞれの、特定の数の安定角度位置、例えば１０個の位置の中で、特定の角度位置の定義を可能にする。これら位置は、モバイルユニットが情報を表すことを可能にする位置である。

上述のように、第１モバイルユニット１０は、軸Ａ１周りに回転可動であり、第２モバイルユニット２０は、軸Ａ２周りに回転可動である。装置８０は、好ましくは、その上に第１モバイルユニット１０が軸Ａ１周りに回転可動に搭載され、第２モバイルユニット２０が軸Ａ２周りに回転可動に搭載される、フレーム９９を含む。フレームは、特に、プレートまたはカレンダーリング９９といった、ムーブメントブランクであってもよい。

第１アームまたはレバー８１は、第１アームの旋回軸Ａ５周りにフレーム９９に対して旋回するよう搭載される。

第２アームまたはレバー８２は、第２アームの旋回軸Ａ５周りにフレーム９９に対して旋回するよう搭載される。

第１アームまたはレバー８１は、特に第１くちばし８１ａは、第１表示モバイルユニット１０の第１ギア１１の第１歯列１１ｂ及び第２歯列１１ｃと協働することが意図される。第２アームまたはレバー８２は、特に第２くちばし８２ａは、第２表示モバイルユニット２０の第２ギア２１の第３歯列２１ｂ及び第４歯列２１ｃと協働することが意図される。これら２つのアームまたはレバー８１、８２、特にそのくちばしは、歯列の歯との相互作用により、図２に示すように、２つの表示モバイルユニット１０及び２０の角度割り出しを可能にする。

より詳細には、第１表示モバイルユニット１０の割出しは、アーム８１の一部であるくちばしまたはヘッド８１ａにより取り扱われる。ヘッド８１ａは、２つの側面８１ｂ及び８１ｃを有する。第１歯列１１ｂ及び第２歯列１１ｃの連続する歯の側面と接触により協働する、これら２つの側面の配列が、図１０に示すように、第１表示モバイルユニット１０の角度割り出しを可能にする。

類似する態様で、第２表示モバイルユニット２０の割出しは、アーム８２の一部であるくちばしまたはヘッド８２ａにより取り扱われる。ヘッド８２ａは、２つの側面８２ｂ及び８２ｃを有する。第３歯列２１ｂ及び第４歯列２１ｃの連続する歯の側面と接触により協働する、これら２つの側面の配列が、図１０に示すように、第２表示モバイルユニット２０の角度割り出しを可能にする。

弾性戻し要素８４は、２つのアームまたはレバー８１及び８２の間で弾性戻し要素８４の力の伝達及び分配を可能にする、レバーといった相互作用手段８３を用いて、アームまたはレバー８１及び８２の弾性戻しを可能にする。このため、相互作用手段はアームまたはレバー８１及び８２と弾性戻し要素８４の間で相互作用または配置される。弾性戻し要素８４は、フレーム９９に機械的に接続される。例えば、弾性戻し要素８４は、その一端がフレーム９９に機械的に固定される。戻し要素は、有利には、板ばねの形状を取る。

相互作用手段８３は、好ましくは、フレーム上に形成された溝８５内を案内されるピン８６を含む。ピン８６と関連付けられた当該溝８５は、相互作用手段８３が、特に軸Ａ５に平行または実質的に平行な軸周りの、回転の第１自由度と、フレームに対して軸Ａ１及びＡ２により定義される中心線に垂直なまたは軸Ａ１及びＡ２により定義される中心線に実質的に垂直な並進の第２自由度とを提供することを可能にする。

図示されない変形例において、ピンはフレームに形成されまたは固定され、溝は相互作用手段に形成されてもよい。換言すれば、変形例では、構成が逆転してもよい。

相互作用手段８３は、図１０に示すように、特に、弾性戻し要素８４と、特に板ばね８４の第２端部と協働する、第１接触区域８３ａまたは８３ａ’と、第１アームまたはレバー８１と協働する、第２接触区域８３ｂまたは８３ｂ’と、第２アームまたはレバー８２と協働する、第３接触区域８３ｃまたは８３ｃ’とを含んでもよい。

ばね８４は、その戻し力を、第１接触区域８３ａまたは８３ａ’を介して相互作用手段８３へ伝達する。戻し力はその後、それぞれ第２及び第３接触区域８３ｂまたは８３ｂ’及び８３ｃまたは８３ｃ’を用いて、第１及び第２アーム８１及び８２の間で伝達され分配される。

ジャンパまたは割出装置８０の第２実施形態を、図１４から１６を参照して以下に説明する。

ジャンパまたは割出装置８０の第２実施形態は、ジャンパまたは割出装置８０の第１実施形態と、主としてまたは唯一、相互作用手段８３’の形状において異なる。

ジャンパまたは割出装置８０の第２実施形態において、相互作用手段８３’は、有利には、軸Ａ１、Ａ２、及びＡ５に垂直な図１４から１６の平面において、大局的に四角または台形の断面を有する。

相互作用手段８３’は、特に、 図１４から１６に示すように、弾性戻し要素８４と、特に板ばね８４の第２端部と、協働する第１接触区域８３ａ’と、第１アームまたはレバー８１と協働する第２接触区域８３ｂ’と、第２アームまたはレバー８２と協働する第３接触区域８３ｃ’とを含む。

第１接触区域８３ａ’は、台形断面の小さい方の基部に沿って延長してもよい。この接触区域は、有利には、相互作用手段が図１４から１６の平面に垂直な軸周りの、特にピン８６の軸周りの回転で旋回すると、弾性戻し要素８４を装備するよう適合された、カム表面８９を構成する。実際、表面８９が板ばね８４の端部と実質的に平行になる、図１０に示すような静止または中立位置に対して、図１４から１６に示す位置では、相互作用手段８３’は、軸Ａ５に垂直に、並進で下方向に、板ばね８４の方向に、移動し、ピン８６の軸周りに旋回した。こうした運動は、相互作用手段８３’の併進の運動のため、弾性戻し要素８４の第１運動または装備を、またカム表面８９を介した相互作用手段８３’の回転のため、弾性戻し要素８４の第２運動または装備を、引き起こす。カム表面８９は、図１４から１６の構成において、弾性戻し要素８４の装備が、相互作用手段がピン８６の軸周りに旋回することなくまたは実質的にすることなく、軸Ａ５に垂直に、板ばね８４の方向に下向きに並進で移動した図１５の構成のものと同一または実質的に同一であるよう、配列または適合される。

２つのアーム８１、８２の間での、弾性戻し要素８４が生成する力の分配は、３つの接触区域８３ａ、８３ｂ、及び８３ｃまたは８３ａ’、８３ｂ’、及び８３ｃ’の相対位置と、アーム８１、８２と３つの接触区域８３ａ、８３ｂ、及び８３ｃまたは８３ａ’、８３ｂ’、及び８３ｃ’と協働する弾性戻し要素８４とが採用した形状と、手段８３または８３’の形状と案内作用の位置と、アーム８１及び８２の間の相対位置とに依拠する。

一変形例において、第１アーム及び第２アームは、同じ一体鋳造または一体構成の組立体からなってもよい。この種の変形例において、一体鋳造または一体構成の組立体は、例えば制御棒クラスタ制御タイプの弾性ピボットを用いて、軸Ａ５に平行または実質的に平行または一致する軸周りの第１及び第２アームの回転の自由度を許可するように適合されてもよい。相互作用手段８３または８３’も同様に、一体鋳造または一体構成の組立体の一部であってもよく、この目的のために形成された弾性接続部を介して、第１及び第２アームの回転軸に平行な軸周りの回転の自由度と、軸Ａ１及びＡ２が定義する中心線に垂直な、または軸Ａ１及びＡ２が定義する中心線に実質的に垂直な、フレームに対する並進の第２自由度とを提供してもよい。一体鋳造または一体構成の組立体は、フレームに固定され、相互作用手段がばねの端部と接触可能なように位置決めされるよう適合されるサブフレームを含んでもよい。このため、提案するモバイルユニット割出装置は、複数のパーツを、及びまたは本明細書に記載の機能を組み合わせ可能にする１以上の柔軟案内パーツとして構成されてもよい。

変形例にかかわらず、相互作用手段８３または８３’の最大寸法は、好ましくは、第１アームの最大寸法及びまたは第２アームの最大寸法より、少なくとも２倍または少なくとも３倍小さい。

一変形例において、弾性戻し要素８４、相互作用手段８３または８３’、アーム８１、８２、そしてその結果として接触領域８３ａ、８３ｂ、及び８３ｃまたは８３ａ’、８３ｂ’、及び８３ｃ’の形状は、相互作用手段８３または８３’を介して弾性戻し要素８４により２つのアームまたはレバー８１、８２に伝達される力の分布を変更するよう、変更されてもよい。同様の理屈により、こうした形状変更は、作用されたアームまたはレバーの数に応じて、弾性戻し要素８４が生成する力及びまたは力の変動を変更することを可能とする。このため、設計の要件に応じたレバーの高さにおいて、戻し力を調節することが可能になる。

一変形例において、相互作用手段に授けられた様々な自由度は、ピンや溝なくして得られてもよい。この目的のため、相互作用手段８３または８３’は、例えば、アームまたはレバー８１、８２及びまたは弾性戻し要素８４により直接案内されなければならず、これら部品の形状もそのために適合されなければならない。このタイプの設計において、例えば軸Ａ５に垂直な平面での並進の第２自由度といった、補助的自由度を与えることも可能になる。

変形例において、アームまたはレバー８１及び８２の旋回は、同軸以外でもよい。

図１０に示す変形例において、特に、２つのアームまたはレバー８１及び８２は、軸Ａ５に対して互いに反対に作用する。しかしながら、代替変形例において、これら２つのアームまたはレバー８１及び８２は、２つの表示モバイルユニットが重ね合わされるまたは同軸の場合に特に、重ね合わされてもよい。この場合、相互作用手段８３または８３’は、有利には、図１１から１３の平面に平行な軸周りにピボット連結で搭載されてもよい。

一変形例において、モバイルユニット割出装置は同様に、並進で機能するアームまたはレバー８１及び８２により実施されてもよい。この場合、相互作用手段８３または８３’は、有利には、並進で機能するアームまたはレバー８１及び８２の各端部に当接するよう配置される。

異なる変形例において、弾性戻し要素８４は、特に、１以上のブレードを含んでも、またはコイルばね、可撓性案内部、または戻しトルクまたは力を適用可能な他の装置であってもよい。弾性戻し要素は、特に、相互作用手段と協働するよう適合されたカムを形成する部分で分離された、２つの板ばねを含んでもよい。

一変形例において、中間パーツを、相互作用手段８３または８３’と弾性戻し要素８４との間に追加してもよい。

延長線上で考えると、割出装置８０は、２以上のアームまたはレバーでも同じく機能可能である。

日付ジャンプ時の様々な取り得る順序に応じた、アームまたはレバー８１、８２の作動の異なる状況を、以下に説明する。

相互作用手段８３または８３’の配列及び適合のおかげで、２つのアームまたはレバー８１、８２が作動された際の弾性戻し要素８４の変形は、有利には、２つのアームまたはレバー８１、８２の一方のみが作動された際の弾性戻し要素８４の変形と同等または実質的に同等である。これは、作動されたアームまたはレバーの数にかかわらず、同等または実質的に同等のエネルギー消費をもたらす。

上述の装置１００のまたは上述の時計ムーブメント１１０のまたは上述の時計１２０の第１の運転方法の一実施形態を、図７及び８を参照して以下に説明する。

方法は、
− 第１コマンドモバイルユニット３０が第１表示モバイルユニット１０を駆動するステップ、及びまたは
− 同時に、第１コマンドモバイルユニット３０が第１表示モバイルユニット１０を駆動するステップ、及び第１表示モバイルユニット１０が第２コマンドモバイルユニット４０を介して第２表示モバイルユニット２０を駆動するステップ、及びまたは
− 第１コマンドモバイルユニット３０が第２表示モバイルユニット２０を駆動するステップ、及びまたは
− 同時に、第１コマンドモバイルユニット３０が第２表示モバイルユニット２０を駆動するステップ、及び第２表示モバイルユニット２０が第２コマンドモバイルユニット４０を介して第１表示モバイルユニット１０を駆動するステップ、
を含む。

上述の装置８０または上述の装置１００または上述の時計ムーブメント１１０または上述の時計１２０の第２運転方法の一実施形態を、図１１から１６を参照して以下に説明する。

方法は、
− 第１モバイルユニット１０及びまたは第２モバイルユニット２０の運動の効果による第１アーム及びまたは第２アームの運動のステップ、及びレバー８３、８３’の運動の効果による弾性戻し要素８４の装備のステップ、及び
− レバー８３、８３’及び第１アーム及びまたは第２アームを介した第１モバイルユニット１０及びまたは第２モバイルユニット２０の、特に第１及びまたは第２モバイルユニットが次の静止または割出位置に到達するまでの、回転駆動を引き起こす、弾性戻し要素８４の復帰のステップ（すなわち、弾性潜在エネルギーの復帰のステップ）
を含む。

図１４から１６を参照して説明した実施形態において、装備ステップは、好ましくは、以下の状況のうち少なくとも２つにおいて同じ強度を有する。
− 装備が、第１モバイルユニットの運動によりもたらされる、
− 装備が、第２モバイルユニットの運動によりもたらされる、
− 装備が、第１及び第２モバイルユニットの運動によりもたらされる。

コマンドモバイルユニット３０及び４０により表示モバイルユニット１０及び２０を駆動する運動学的連鎖は、ジャンプする日付に応じて異なる。様々な可能性のある状況を、特に第１実施形態の第１変形例を参照して、以下に説明する。図７の略図が、これら様々な状況を図示する。

「２９」から「３０」への移行。
表示装置は、「２９」を示す。中間モバイルユニット５０の歯列５０ａが、反時計周り方向に１ステップを達成し、第１コマンドモバイルユニット３０の第５歯列３０ａを時計回り方向に駆動する。このため、第５歯列３０ａは、第１表示モバイルユニット１０の第１歯列１１ｂを反時計周り方向に駆動する。第１表示ディスク１２上の一の位の表示は、一の位の「９」から「０」に変化する。第５歯列３０ａは、第２表示モバイルユニット２０の第３歯列２１ｂを駆動しない。しかしながら、回転するにつれて、第１表示モバイルユニット１０の歯列１１ｃは、第２コマンドモバイルユニット４０の第６歯列４０ａを駆動し、次に第６歯列４０ａは第２表示モバイルユニット２０の歯列２１ｃを駆動する。第２表示ディスク２２上の十の位の表示は、次に「２」から「３」に変化する。

この駆動原理は、「０９」から「１０」へ、及び「１９」から「２０」への移行でも同一である。

「３０」から「３１」への移行。
表示装置は、「３０」を示す。中間モバイルユニット５０の歯列５０ａが、反時計周り方向に１ステップを達成し、第１コマンドモバイルユニット３０の第５歯列３０ａを時計回り方向に駆動する。このため、第５歯列３０ａは、第１表示モバイルユニット１０の第１歯列１１ｂを反時計周り方向に駆動する。第１表示ディスク１２上の一の位の表示は、一の位の「０」から「１」に変化する。第５歯列３０ａは、第２表示モバイルユニット２０の第３歯列２１ｂを駆動しない。しかしながら、回転するにつれて、第１表示モバイルユニット１０の歯列１１ｃは、第２コマンドモバイルユニット４０の第６歯列４０ａを駆動し、次に第６歯列４０ａは第２表示モバイルユニット２０の歯列２１ｃを駆動する。第２表示ディスク２２上の十の位の表示は、次の数字へ、即ち「３」の表示がディスク２２上で重複しているため「３」から「３」に変化する。

この駆動原理は、「１」と「２」の表示もまた重複していることから、「１０」から「１１」へ、及び「２０」から「２１」への移行でも同一である。

「３１」から「０１」への移行。
表示装置は、「３１」を示す。中間モバイルユニット５０の第５歯列５０ａが、反時計周り方向に１ステップを達成し、第１コマンドモバイルユニット３０の第５歯列３０ａを時計回り方向に駆動する。第５歯列３０ａは、欠如、除去、または形成されない歯に対向していることから、もはや第１表示モバイルユニット１０の歯列１１ｂを駆動不可能である。第５歯列３０ａは、第２表示モバイルユニット２０の歯列２１ｂを、反時計周り方向に駆動する。第２表示ディスク２２の十の位表示は、次の十の位、「３」から「０」へ移動する。回転するにつれ、第２表示モバイルユニット２０の歯列２１ｃは、ここでは歯列２１ｃが欠如、除去、または形成されないため、第６歯列４０ａを介して第２コマンドモバイルユニット４０を駆動不可能である。第１表示モバイルユニット１０の第１の、一の位表示ディスク１２は、その場所に留められる。

図１１及び１４に図示する、「３１」から「０１」の日付への移行において、第２表示モバイルユニット２０のみが駆動される。

第２アーム８２の作動の第１段階において、第２表示モバイルユニット２０の回転の影響から、第２アーム８２は第１回転方向に作動され、歯列２１ｂまたは２１ｃの歯を上る。回転するにつれて、第２アーム８２は、相互作用手段８３または８３’を介して弾性戻し要素８４を装備する。より詳細には、第２接触区域８３ｂまたは８３ｂ’はその場に留められる第１アーム８１に当接し、第２アーム８２が第３接触区域８３ｃまたは８３ｃ’に当接する場所は可動性を有することから、相互作用手段８３または８３’は回転し溝８５内で運動の第１方向に並進移動する。

歯列２１ｂまたは２１ｃの歯の頂点を超えた後に続く、第２アーム８２の作動の第２段階において、第２アーム８２は、相互作用手段８３または８３’を介した弾性戻し要素８４の再装備の効果により、第２回転方向に作動され、歯列２１ｂまたは２１ｃの歯を下る。相互作用手段８３または８３’は、回転し、ここでは運動の第１方向と反対の運動の第２方向へ並進移動する。

「０１」から「０２」への移行。
表示装置は、「０１」を示す。中間モバイルユニット５０の第５歯列５０ａは、反時計周り方向に１ステップを達成し、第１コマンドモバイルユニット３０の第５歯列３０ａを時計回り方向に駆動する。第５歯列３０ａは、欠如、除去、または形成されない歯に対向していることから、もはや第１表示モバイルユニット１０の歯列１１ｂを駆動不可能である。他方で、この第５歯列３０ａは、第２表示モバイルユニット２０の歯列２１ｂを、反時計周り方向に駆動する。第２表示ディスク２２の十の位表示は、ディスク２２上で十の位「０」の表示が重複していることから次の十の位である「０」へ移動する。回転するにつれ、第２表示モバイルユニット２０の歯列２１ｃは第２コマンドモバイルユニット４０の第６歯列４０ａを駆動し、次に第６歯列４０ａは第１表示モバイルユニット１０の歯列１１ｃを駆動する。第１表示ディスク１２の一の位の表示は、一の位「１」から一の位「２」に変化する。

ここで、図１２から１５に示すように、２つの表示モバイルユニット１０及び２０は、同時に駆動される。

２つのアームの作動の第１段階において、第１及び第２表示モバイルユニット１０及び２０の回転の影響により、第１及び第２アーム８１及び８２は、第１回転方向に作動され、それぞれ歯列１１ｂまたは１１ｃ及び２１ｂまたは２１ｃの歯を上る。回転するにつれ、第１及び第２アーム８１及び８２は、相互作用手段８３または８３’を介して弾性戻し要素８４を装備する。より詳細には、相互作用手段８３または８３’は、第２接触区域８３ｂまたは８３ｂ’に当接する第１アーム８１と第３接触区域８３ｃまたは８３ｃ’に当接する第２アーム８２の複合効果により、第１接触区域８３ａまたは８３ａ’を介して弾性戻し要素８４を装備するような態様で、運動の第１方向に溝８５内を並進移動する。ここで、相互作用手段８３または８３’の運動は、並進または実質的に並進の運動である。相互作用手段８３または８３’を旋回可能にすることも可能である。にもかかわらず、この回転の潜在運動は、並進の運動に比較して、小さな振幅である、または非常に小さな振幅である。

歯列１１ｂまたは１１ｃまたは２１ｂまたは２１ｃの歯の頂点を超えた後に続く、２つのアームの作動の第２段階において、第１及び第２アーム８１及び８２は、相互作用手段８３または８３’を介した弾性戻し要素８４の再装備の効果により、第２回転方向に作動され、歯を下る。ここで、相互作用手段８３または８３’は、運動の第１方向と反対の、運動の第２方向に並進移動する。

この駆動原理は、「１」と「２」の表示もまた重複していることから、「１１」から「１２」へ、及び「２１」から「２２」への移行でも同一である。

「０２」から「０３」への通過。
表示装置は、「０２」を示す。中間モバイルユニットの第５歯列５０ａは、反時計周り方向に１ステップを達成し、第１コマンドモバイルユニット３０の第５歯列３０ａを時計回り方向に駆動する。第５歯列３０ａは、第１表示モバイルユニット１０の歯列１１ｂを反時計周り方向に駆動する。第１表示ディスク１２上の一の位の表示は、次の一の位に変化する。他方で、十の位は駆動されない。実際、第５歯列３０ａは、欠如、除去、または形成されない歯に対向していることから、もはや第２表示モバイルユニット２０の歯列２１ｂを駆動不可能である。また、第１表示モバイルユニット１０の歯列１１ｃも、歯列１１ｃの歯が欠如、除去、または形成されないため、第２コマンドモバイルユニット４０の第６歯列４０ａを駆動不可能である。このため、第２コマンドモバイルユニット４０及び第２表示モバイルユニット２０、より具体的には第２表示ディスク２２は、その場所に留まる。

この場合、図１３及び１６に示すように、第１表示モバイルユニット１０のみが駆動される。

第１アーム８１の作動の第１段階において、第１表示モバイルユニット１０の回転の影響により、第１アーム８１は第１回転方向に作動され、歯列１１ｂまたは１１ｃの歯を上る。回転するにつれて、第１アーム８１は、相互作用手段８３または８３’を介して弾性戻し要素８４を装備する。より詳細には、第３接触区域８３ｃまたは８３ｃ’はその場に留められる第２アーム８２に当接し、第１アーム８１が第２接触区域８３ｂまたは８３ｂ’に当接する場所は可動性を有することから、相互作用手段８３は回転し溝８５内で運動の第１方向に並進移動する。

歯列１１ｂまたは１１ｃの歯の頂点を超えた後に続く、第１アーム８１の作動の第２段階において、第１アーム８１は、相互作用手段８３または８３’を介した弾性戻し要素８４の再装備の効果により、第２回転方向に作動され、歯列１１ｂまたは１１ｃの歯を下る。ここで、相互作用手段８３または８３’は、回転し、運動の第１方向と反対の、運動の第２方向に並進移動する。

この駆動原理は、「０３」から「０９」への他のジャンプ、また、「１２」から「１３」以降「１９」までのジャンプ、そして「２２」から「２３」以降「２９」までのジャンプにも適用される。

図５及び６から見ることができるように、また図８を参照して上述したように、第５歯列の歯は、好ましくは、刈り取られる。実際、歯列３０ａの端部を切り取ることは、歯列３０ａが中心線から離れて歯列１１ｂと２１ｂと干渉する危険性がないように、歯列３０ａが歯列１１ｂ及び２１ｂと軸Ａ１及びＡ２を通過する中心線上でのみ協働可能にするために特に必要である。

上述の解決策のおかげで、駆動は、２つの表示モバイルユニットの２つのギア１１及び２１と実質的に同じ寸法を有する２つの別個のコマンドモバイルユニットにより実現される。このため平面における全体寸法は、表示モバイルユニットの配列と表示の順序にある程度の柔軟性を提供しながら、有利に減少される。

これら解決策はまた、文字盤上の日付の表示の配置のみならず、表示ディスクの寸法についても、そして日付の表示の品質にも、より高い自由度を与える。

これら解決策は、１つの大きなコマンドモバイルユニットではなく、十の位ディスクに固定的に付着されたギア及びまたは一の位ディスクに固定的に付着されたギアのフォーマットと同等のまたは実質的に同等の、小さなギアの形態をそれぞれ取る、２つの別個のコマンドモバイルユニットを含む。

提案する割出装置は、有利には、互いに独立してまたは同時に機能可能な２つのアームまたはレバーを戻すよう適合された、１つのみの戻し要素を採用することが可能になる。このため、この種の装置は、２つの「グランデデイト」表示モバイルユニットの同時または非同時駆動に連結した、ムーブメントのエネルギー消費の変動の問題を上手に解決可能である。

本発明にかかる解決策のおかげで、「グランデデイト」を駆動する際のムーブメントのエネルギー消費は、駆動されるべき表示モバイルユニットが１つであっても２つであっても、同一または実質的に同一である。これを達成するため、弾性戻し要素と２つの表示モバイルユニットを割り出す２つのアームとの間に配列された相互作用手段は、弾性戻し手段の端部に、両方の場合において、軸Ａ１及びＡ２を通過する中心線に垂直または実質的に垂直な方向に、実質的に同一の運動を伝えるよう適合されてもよい。図１１及び１３は、第１または第２アームの運動の効果を理由として、軸Ａ１及びＡ２を通過する中心線に垂直または実質的に垂直な方向に第１量分移動する手段を図示する。図１２は、第１または第２アームの同時運動の効果を理由として、軸Ａ１及びＡ２を通過する中心線に垂直または実質的に垂直な方向に第２量分移動する手段を図示する。図１１、１２、及び１３に示す割出装置において、第１及び第２振幅は、これら２つの振幅間の差がムーブメントのエネルギー消費になんら著しい影響を与えないように、特に小さい。このため、「グランデデイト」機構を駆動するのに必要なエネルギー消費は、駆動されるべき表示モバイルユニットが１つであっても２つであっても、同一または実質的に同一に維持され、好ましくは、２４時間にわたり時計が消費するエネルギーに比べて無視できるものである。

もちろん、第１及びまたは第２アーム及びまたは相互作用手段を、軸Ａ１及びＡ２を通過する中心線に垂直または実質的に垂直な方向への手段の運動の第２振幅が、軸Ａ１及びＡ２を通過する中心線に垂直または実質的に垂直な方向への相互作用手段の運動の第１振幅と等しくなるよう適合させることも完全に可能である。この種の適合は、特に割出装置の機能を確実にする目的のために、ばねの剛性及びまたは事前装備が増加される場合に、特に好ましい。この場合、「グランデデイト」機構を駆動するのに必要なエネルギーは、駆動されるべき表示モバイルユニットが１つであっても２つであっても、同一または実質的に同一のままである。

もちろん、第１及びまたは第２アーム及びまたは相互作用手段を、軸Ａ１及びＡ２を通過する中心線に垂直または実質的に垂直な方向への相互作用手段の運動の振幅が、作動されるアームまたは複数のアームに応じて、特に作動されるアームの数に応じて、変化するよう適合させることも完全に可能である。このため、アームへ伝達された力は、特に、作動されたアームの数に従って、またはどのアームが作動されたかに従って、変化してもよい。

時計モバイル割出装置解決策は、例えば、曜日−日付カレンダ、年間または半永久または永久日付カレンダ、またはクロノグラフ計数連鎖といった、複数の割出アームを採用するその他の装置に用いられてもよい。

時計モバイル割出装置解決策はまた、例えば、アームがモバイルユニットブレーキ、クラッチクランプ、または遊び補償クランプの役割を果たす、装置に用いられてもよい。これら装置は同様に、割出システムと同等であることもできる。

特定された先行技術はいずれも、作動されるくちばしの数が何であれ、その装備の高さが実質的に同一である、互いに独立してまたは単一の戻し要素と協働して同時に作動可能な、２つのレバーまたはレバーくちばしを採用する割出装置を開示しない。より具体的には、特定された先行技術はいずれも、「グランデデイト」機構用の、この種の割出装置を開示しない。

本明細書中、「ジャンパ」は、好ましくは、モバイルユニットの少なくとも１つの割出位置を定義するために、歯列と、特に歯列の２つの連続する歯の間の空洞と、協働するくちばしであって、弾性要素により空洞内に付勢されるくちばしを含む、位置割出装置を意味する。

本明細書中、「歯列」は、好ましくは、１以上の歯の組を意味する。

本明細書中、「モバイルユニット」は、好ましくは、軸周りに回転可能であり、軸周りに少なくとも１つの完全な回転をもたらすことを可能にする要素を意味する。要素は、軸周りの回転において互いに固定的に付着された複数のパーツを含んでもよい。モバイルユニットは、有利には、特にモバイルユニット外部の他の歯列との噛み合いにより、モバイルユニットの軸周りの回転駆動を可能にするよう適合される少なくとも１つの歯列を含む。

１０ 第１表示モバイルユニット
１１ｂ 第１歯列
１１ｃ 第２歯列
１３ 数字
２０ 第２表示モバイルユニット
２１ｂ 第３歯列
２１ｃ 第４歯列
２３ 数字
３０ 第１コマンドモバイル
３０ａ 第５歯列
４０ 第２コマンドモバイル
４０ａ 第６歯列
８０ 割出装置
８１ 第１アーム
８２ 第２アーム
８３、８３’ 相互作用手段
８４ 弾性戻し要素
８５ 溝
８６ ピン
８９ カム表面
９０ 駆動機構
９９ フレーム
１００ 日付表示装置

Claims (14)

1. 第１モバイルユニット（１０）を位置決めする第１くちばし（８１ａ）を含む、少なくとも１つの第１アーム（８１）と、
   第２モバイルユニット（２０）を位置決めする第２くちばし（８２ａ）を含む、少なくとも１つの第２アーム（８２）と、
   前記第１アーム及び前記第２アームを、前記第１及び第２モバイルユニットの位置決め構成へ戻す弾性要素（８４）と、
   一方では、前記弾性戻し要素と、
   他方では、前記第１及び第２アームと、
   の間で相互作用するレバー（８３；８３’）と
   を含む、時計装置（１００）用のジャンパ装置（８０）。
2. 前記装置は、回転可動な第１モバイルユニット（１０）と回転可動な第２モバイルユニット（２０）の角度位置を割り出す装置である、
   請求項１に記載の装置。
3. 前記装置はフレーム（９９）を含み、前記第１アームは、前記フレーム（９９）に対して旋回するよう搭載され、前記第２アームは、前記フレーム（９９）に対して旋回するよう搭載され、前記第１及び第２アームは、特に、前記同一軸（Ａ５）周りに旋回するよう搭載される、
   請求項１または２に記載の装置。
4. 前記装置はフレーム（９９）を含み、前記レバー（８３、８３’）は前記フレームに対して、
   １つの並進自由度、及び
   １つの回転自由度、
   を有するように可動に搭載される、
   請求項１から３のいずれか一項に記載の装置。
5. 前記レバーの最大寸法は、前記第１アームの最大寸法または前記第２アームの最大寸法より、少なくとも２倍、または３倍、小さい、
   請求項１から４のいずれか一項に記載の装置。
6. 前記装置はフレーム（９９）を含み、前記装置は、
   前記レバー上の、それぞれ前記フレーム上の溝（８５）と、
   前記フレーム上に、それぞれレバー上に、形成または固定されたピン（８６）と、
   を含み、
   前記溝及び前記ピンは、並進及び回転に自由度を有する機械的接続を構成するよう、互いに協働する、
   請求項１から５のいずれか一項に記載の装置。
7. 前記弾性戻し要素（８４）は、板ばねを含む、
   請求項１から６のいずれか一項に記載の装置。
8. 前記レバー（８３’）または前記弾性戻し要素は、前記レバーが回転旋回するときに前記弾性戻し要素（８４）を装備するよう適合されたカム表面（８９）を有する、
   請求項１から７のいずれか一項に記載の装置。
9. 請求項１から８のいずれか一項に記載のジャンパ装置を含む、日付表示装置（１００）、特に「グランデデイト」表示装置。
10. 一の位を表示する第１モバイルユニット（１０）と、十の位を表示する第２表示ユニット（２０）を含む、
    請求項９に記載の日付表示装置（１００）。
11. 請求項１から１０のいずれか一項に記載の装置を含む、時計ムーブメント（１１０）。
12. 請求項１から１０のいずれか一項に記載の装置及びまたは請求項１１に記載の時計ムーブメント（１１０）を含む、時計（１２０）、特に小型時計、特に腕時計。
13. 請求項１から１０のいずれか一項に記載の装置（８０、１００）または請求項１１に記載の時計ムーブメント（１１０）または請求項１２に記載の時計（１２０）の運転方法であって、
    前記第１モバイルユニット（１０）及びまたは前記第２モバイルユニット（２０）の前記運動の効果による前記第１アーム及びまたは前記第２アームの運動のステップ、及び前記レバー（８３；８３’）の運動の効果による前記弾性戻し要素（８４）の装備のステップと、
    前記レバー（８３；８３’）及び前記第１アーム及びまたは前記第２アームを用いた前記第１モバイルユニット（１０）及びまたは前記第２モバイルユニット（２０）の、回転駆動を引き起こす、前記弾性戻し要素（８４）の復帰ステップと、
    を含む、方法。
14. 前記装備ステップは、
    装備が、前記第１モバイルユニットの運動によりもたらされる、
    装備が、前記第２モバイルユニットの運動によりもたらされる、
    装備が、前記第１及び第２モバイルユニットの運動によりもたらされる、
    状況のうち少なくとも２つの状況で同じ強度を有する、
    請求項１３に記載の方法。

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