JP2021182534A - 非水電解液二次電池用接着セパレータおよびその製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池用接着セパレータおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接着剤組成物中の揮発性溶媒の含有率の低減と、接着層の接着性の維持とを両立できる、非水電解液二次電池用接着セパレータの製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る非水電解液二次電池用接着セパレータの製造方法は、水と、任意成分である揮発性溶媒と、接着性樹脂と、界面活性剤と、を含んでいる接着剤組成物を、非水電解液二次電池用セパレータの少なくとも一方の面に塗布して、接着層を形成する工程を含み;上記接着層は、上記非水電解液二次電池用セパレータと電極とを接着するための層であり;上記接着剤組成物において、(i)上記揮発性溶媒の含有率は7.5重量%未満であり、(ii)上記界面活性剤の含有率は0.1重量%超であり、(iii)上記接着性樹脂はα−オレフィン共重合体を含んでいる。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解液二次電池用接着セパレータおよびその製造方法に関する。
非水電解液二次電池、特にリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いのでパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末などに用いる電池として広く使用され、また最近では車載用の電池として開発が進められている。
非水電解液二次電池を構成する部材であるセパレータと電極とを接着するために、セパレータに接着層を設ける技術が知られている。例えば、特許文献1は、二次電池用セパレータと二次電池用電極との間に配置される接着層であって;前記接着層は炭素数2〜4のα−オレフィンに由来する構造単位を有する樹脂を含む層を圧着して得られ;前記接着層における前記樹脂の占有面積が10〜80%である接着層を開示している。
国際公開第2014/014118号
近年、環境への配慮から、接着層の形成に用いる接着剤組成物中の揮発性溶媒(アルコールなど)を、できる限り低減しようとする潮流がある。これに関して、特許文献1の実施例で調製されている接着剤組成物は、アルコール(イソプロピルアルコールおよび1−ブタノール)を合計で15%含有しており、揮発性溶媒をさらに低減する余地が残されていた。
しかし、本発明者らが検討を進めたところ、接着剤組成物中の揮発性溶媒の量を減らすにつれ、接着剤組成物のセパレータに対する濡れ性が悪くなり、ひいては接着層の接着性が低下してしまうことが判明した。
本発明の一態様は、接着剤組成物中の揮発性溶媒の含有率の低減と、接着層の接着性の維持とを両立できる、非水電解液二次電池用接着セパレータの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を包含している。
<1>
非水電解液二次電池用接着セパレータの製造方法であって、
水と、任意成分である揮発性溶媒と、接着性樹脂と、界面活性剤と、を含んでいる接着剤組成物を、非水電解液二次電池用セパレータの少なくとも一方の面に塗布して、接着層を形成する工程を含み、
上記接着層は、上記非水電解液二次電池用セパレータと電極とを接着するための層であり、
上記接着剤組成物において、
上記揮発性溶媒の含有率は7.5重量%未満であり、
上記界面活性剤の含有率は0.1重量%超であり、
上記接着性樹脂はα−オレフィン共重合体を含んでいる、
製造方法。
<2>
上記α−オレフィン共重合体は、炭素数2〜8のα−オレフィンに由来する構造単位を有している、<1>に記載の製造方法。
<3>
上記α−オレフィン共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体である、<1>または<2>に記載の製造方法。
<4>
上記接着剤組成物は、上記揮発性溶媒を含んでいない、<3>に記載の製造方法。
<5>
上記接着剤組成物における上記揮発性溶媒の含有率は、0重量%超、7.5重量%未満である、<1>〜<3>のいずれかに記載の製造方法。
<6>
上記非水電解液二次電池用セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムと多孔質層とが積層されてなり、
上記多孔質層は、(メタ)アクリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂および水溶性ポリマーからなる群より選択される1種類以上の樹脂を含んでいる、<1>〜<5>のいずれかに記載の製造方法。
<7>
上記多孔質層は、アラミド樹脂を含んでいる、<6>に記載の製造方法。
<8>
接着剤組成物を含む接着層が、少なくとも一方の面に形成されている非水電解液二次電池用接着セパレータであって、
上記接着層は、非水電解液二次電池用セパレータと電極とを接着するための層であり、
上記接着剤組成物は、水と、任意成分である揮発性溶媒と、接着性樹脂と、界面活性剤と、を含んでおり、
上記接着剤組成物において、
上記揮発性溶媒の含有率は7.5重量%未満であり、
上記界面活性剤の含有率は0.1重量%超であり、
上記接着性樹脂はα−オレフィン共重合体を含んでいる、
非水電解液二次電池用接着セパレータ。
本発明の一態様によれば、接着剤組成物中の揮発性溶媒の含有率の低減と、接着層の接着性の維持とを両立できる、非水電解液二次電池用接着セパレータの製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に関して以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態に関しても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。
〔1.接着剤組成物〕
本発明の一実施形態における接着剤組成物は、水と、任意成分である揮発性溶媒と、接着性樹脂と、界面活性剤と、を含んでいる。このうち、揮発性溶媒の含有率は、7.5重量%未満である。界面活性剤の含有率は、0.1重量%超である。接着性樹脂は、α−オレフィン共重合体を含んでいる。
本発明者らは、接着剤組成物のセパレータに対する濡れ性が低下する領域を超えてなお、接着剤組成物中の揮発性溶媒の含有率を低下させると、今度は逆に、接着剤組成物のセパレータに対する濡れ性が向上することを見出した。本発明は、この知見を応用して完成されたものである。
本発明の一態様では、接着剤組成物を上述の組成とすることにより、接着剤組成物が非水電解液二次電池用セパレータ上の塗布面に均一に分布するようになる。そのため、溶媒を乾燥除去させた後の接着層の目付は、バラツキが少なく均一に分布するようになる。逆に、接着剤組成物中の揮発性溶媒の含有率が7.5重量%以上である場合は、接着剤組成物の蒸気圧が高くなりすぎ、接着剤組成物を塗布した非水電解液二次電池用セパレータを乾燥機に入れる前に、溶媒の蒸発が進行してしまうと考えられる。また、接着剤組成物中の界面活性剤の含有率が0.1重量%以下である場合には、接着剤組成物の濡れ性が足りず、接着剤組成物が非水電解液二次電池用セパレータ上ではじかれてしまうと考えられる。
揮発性溶媒の含有率は、7.5重量%未満であり、7重量%以下が好ましく、6.5重量%以下がより好ましく、6重量%以下がさらに好ましい。揮発性溶媒の含有率の下限値は、接着層と電極との接着性の観点からは、3重量%以上または4重量%以上である。一方、揮発性溶媒の含有率の下限値は、環境負荷の観点からは、0重量%以上、1重量%以上、2重量%以上である。一実施形態において、接着剤組成物は、揮発性溶媒を含んでいない(すなわち、接着剤組成物における揮発性溶媒の含有率は0重量%である)。一実施形態において、接着剤組成物は、揮発性溶媒を含んでいる(すなわち、接着剤組成物における揮発性溶媒の含有率は0重量%超である)。
界面活性剤の含有率は、0.1重量%超であり、0.15重量%以上が好ましく、0.2重量%以上がより好ましく、0.25重量%以上がさらに好ましい。界面活性剤の含有率の上限値は、5.0重量%以下とすることができる。界面活性剤の含有率が上記の範囲ならば、接着剤組成物の非水電解液二次電池用セパレータに対する濡れ性を充分に確保でき、充分な塗工性が得られる。
接着性樹脂の含有率の上限値は、例えば、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、または5重量%以下でありうる。α−オレフィン共重合体の含有率の下限値は、例えば、0.001重量%以上、0.01重量%以上、0.1重量%以上、0.5重量%以上、1重量%以上、または1.5重量%以上でありうる。接着性樹脂の含有率が上記の範囲ならば、接着剤組成物の塗工性を損ねることがなく、かつ、形成される接着層に充分な接着性を与えられる。
接着性樹脂は、α−オレフィン共重合体を含んでいる。接着性樹脂の全体に対するα−オレフィン共重合体の割合は、例えば、50重量%以上、70重量%以上、または90重量%以上でありうる。一実施形態において、接着剤組成物に含まれている接着性樹脂は、全てがα−オレフィン共重合体である。
[水]
水は、純水であってもよいし、水道水程度に不純物を含んでいてもよい。
[揮発性溶媒]
本明細書において、揮発性溶媒とは、沸点が260℃以下の溶媒を指す。揮発性溶媒は、通常、有機溶媒である。揮発性溶媒は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併せて用いてもよい。
このような溶媒の例としては、アルコール、エーテル、モノカルボン酸、有機酸エステル、カーボネート、ニトリル、アミド、カーバメート、ケトンなどが挙げられる。
アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどが挙げられる。
エーテルの例としては、飽和脂肪族エーテル、不飽和脂肪族エーテル、芳香族エーテル、環状エーテル、エチレングリコールエーテルが挙げられる。飽和脂肪族エーテルの例としては、ジエチルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、n−アミルエーテル、イソアミルエーテル、エチルn−アミルエーテル、エチルイソアミルエーテルが挙げられる。芳香族エーテルの例としては、アニソール、フェネトール、フェニルエーテル、ベンジルエーテルが挙げられる。環状エーテルの例としては、ジオキサンが挙げられる。エチレングリコールエーテルの例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
モノカルボン酸の例としては、ギ酸、酢酸、無水酢酸、アクリル酸、プロピオン酸、酪酸が挙げられる。
有機酸エステルの例としては、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ブチルシクロヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸アミル、酪酸ブチル、シュウ酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、リン酸トリエチルが挙げられる。
カーボネートの例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンが挙げられる。
ニトリルの例としては、ブチロニトリルが挙げられる。
アミドの例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンが挙げられる。
カーバメートの例としては、3−メチル−2−オキサゾリドンが挙げられる。
ケトンの例としては、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノンが挙げられる。
上述した以外に、フルフラール、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンスルトン、ヘキサン、ヘプタンなども、揮発性溶媒に含まれる。
接着剤組成物が揮発性溶媒を含んでいる場合、当該揮発性溶媒としては、アルコールが好ましい。より好ましくは、(i)メタノール、エタノール、1−プロパノールおよびイソプロピルアルコールからなる群より選択される1種類以上と、(ii)1−ブタノール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびブタンジオールからなる群より選択される1種類以上を併せて用いる。さらに好ましくは、(i)1−プロパノールおよびイソプロピルアルコールからなる群より選択される1種類以上と、(ii)1−ブタノールとを併せて用いる。
[接着性樹脂]
本明細書において、「接着性樹脂」とは、非水電解液二次電池用セパレータと電極との接着に用いられる樹脂を、一般に表す。接着性樹脂は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併せて用いてもよい。接着性樹脂は、α−オレフィン共重合体と、任意構成のその他の接着性樹脂を含んでいる。
接着性樹脂の最低造膜温度は、好ましくは40〜150℃であり、より好ましくは45〜120℃であり、さらに好ましくは50〜100℃である。
接着性樹脂の融点は、好ましくは40〜150℃であり、より好ましくは45〜120℃であり、さらに好ましくは50〜100℃である。
(α−オレフィン共重合体)
本明細書において、「α−オレフィン共重合体」とは、α−オレフィンに由来する構造単位と、その他のモノマーに由来する構造単位とを有している共重合体を表す。
α−オレフィンは、炭素数2〜8のα−オレフィンであることが好ましい。このようなα−オレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。上述したα−オレフィンの中では、エチレンが好ましい。α−オレフィン共重合体が有しているα−オレフィン由来の構造単位は、1種類のみであってもよいし、2種類以上であってもよい。
その他のモノマーとしては、α−オレフィンと共重合可能なモノマーであれば、特に限定されない。このようなモノマーの例としては、脂肪酸ビニル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど);炭素数1〜16のアルキル基を有するアクリル酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリルなど);炭素数1〜16のアルキル基を有するメタクリル酸エステル(メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリルなど);酸性基含有ビニルモノマー(アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシエチルメタクリレートなど);芳香族ビニルモノマー(スチレン、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジルなど);ジエン(1,3−ブタジエン、イソプレン);アクリロニトリルが挙げられる。上述したモノマーの中でも、脂肪酸ビニル、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルが好ましく、酢酸ビニルおよびアクリル酸エチルがより好ましい。α−エチレン共重合体が有しているその他のモノマー由来の構造単位は、1種類のみであってもよいし、2種類以上であってもよい。
好ましいα−オレフィン共重合体は、(i)α−オレフィンに由来する構造単位と、(ii)脂肪酸ビニル、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルからなる群より選択される1種類以上に由来する構造単位を有している。より好ましいα−オレフィン共重合体は、(i)α−オレフィンに由来する構造単位と、(ii)酢酸ビニルおよびアクリル酸エチルからなる群より選択される1種類以上に由来する構造単位を有している。
(その他の接着性樹脂)
α−オレフィン共重合体以外の接着性樹脂の例としては、フッ素系ポリマー(ポリフッ化ビニリデンなど);エステル系ポリマー(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど);セルロース系ポリマー(カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロースなど)が挙げられる。
[界面活性剤]
界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併せて用いてもよい。
アニオン性界面活性剤の例としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネートが挙げられる。
カチオン性界面活性剤の例としては、アルキルアンモニウム塩(ドデシルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩など);アルキルピリジウム塩(セチルピリジウム塩、デシルピリジウム塩など);オキシアルキレントリアルキルアンモニウム塩、ジオキシアルキレンジアルキルアンモニウム塩、アリルトリアルキルアンモニウム塩、ジアリルジアルキルアンモニウム塩が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、グリシン型両性界面活性剤(ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルエチレンジアミン2ナトリウムなど);イミダゾリン型両性界面活性剤(ヤシ油脂肪酸アシル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなど);アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノプロピオン酸塩など);アミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤(アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタインなど);スルホベタイン型両性界面活性剤(ラウリルヒドロキシスルホベタインなど)が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリビニルアルコール(スルホ基を有していてもよい)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーが挙げられる。
上述した界面活性剤の中では、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤が好ましく、ノニオン性界面活性剤がより好ましい。
[その他の成分]
接着剤組成物は、粘度調整剤、バインダー補助剤、水溶性高分子(ヒドロキシエチルセルロースなど)、その他の有機化合物の粉末、セラミック(アルミナ、シリカ、ゼオライトなど)を含んでいてもよい。
[接着剤組成物の製造方法]
接着剤組成物は、水と、任意成分である揮発性溶媒と、接着性樹脂と、界面活性剤と、任意成分であるその他の成分と、を任意の順番で混合することにより得られる。具体的な混合の順序の例としては、以下が挙げられる。
(1)溶融状態の接着性樹脂を水中に分散させ、必要に応じて揮発性溶媒を加えて混合する。
(2)接着性樹脂と揮発性溶媒との混合溶液を攪拌しながら、さらに水を加えて混合する。
(3)乳化重合により得られた接着性樹脂のエマルションに、必要に応じて揮発性溶媒を加えて混合する。
乳化重合は、通常、α−オレフィン(炭素数2〜8のα−オレフィンなど)と、α−オレフィンと共重合可能なその他のモノマーとを、水の存在下で重合させることにより実施される。乳化重合に際しては、乳化剤として作用する界面活性剤を重合系に加えることが好ましい。同様に、乳化重合に際しては、重合開始剤を重合系に加えることが好ましい。より具体的な重合手順を挙げると、以下の通りである。
1.界面活性剤と水との混合物中に、α−オレフィン、その他のモノマーおよび重合開始剤を加える。
2.得られた混合物を、攪拌しながら昇温して重合する。
乳化剤として作用する界面活性剤の例、アニオン性界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキルスルホサクシネートなど);ノニオン系界面活性剤(ポリビニルアルコール(スルホ基を有していてもよい)、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーなど);水溶性高分子(ヒドロキシエチルセルロースなど)が挙げられる。これらの中でも、アニオン性界面活性剤およびノニオン系界面活性剤が好ましく、ノニオン系界面活性剤がより好ましい。
重合開始剤の例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)が挙げられる。
乳化重合の際には、還元剤および酸化剤を用いてもよい。還元剤の例としては、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、塩化第1鉄が挙げられる。酸化剤の例としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムが挙げられる。
還元剤および酸化剤を用いた乳化重合の具体的な手順としては、以下が挙げられる。
1.還元剤、乳化剤、水および必要に応じてα−オレフィンを、耐圧の反応器に仕込む。
2.反応器内を窒素で置換し、5〜150気圧に加圧する。
3.α−オレフィンの残部およびその他のモノマーを逐次追加する。同時に、酸化剤を水溶液の状態で逐次圧入しながら、10〜80℃で攪拌する。
〔2.非水電解液二次電池用接着セパレータの製造方法〕
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用接着セパレータの製造方法は、上述した接着剤組成物を、非水電解液二次電池用セパレータの少なくとも一方の面に塗布して、接着層を形成する工程を含む。通常、非水電解液二次電池用セパレータ上に接着剤組成物を塗布した後には、得られた塗布物を乾燥させる。なお、非水電解液二次電池用セパレータの詳細については、〔3〕節を参照。
[塗布]
接着剤組成物を非水電解液二次電池用セパレータ塗布する方法は、特に限定されない。塗布方法の例としては、スロットダイコート法、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、キスコート法、エクストルージョン法、ビード法、カーテンコート法、ドット法、ポーラスコート法、スロットコート法、スプレー法、スパイラルスプレー法、サミットスプレー法、浸漬、ハケ塗りが挙げられる。これらのうち、好ましい塗布方法は、ドクターブレード法、グラビア法、キスコート法、カーテンコート法、ドット法、ポーラスコート法、スロットコート法、スプレー法、スパイラルスプレー法およびサミットスプレー法である。より好ましい塗布方法は、ドクターブレード法、グラビア法、キスコート法、ポーラスコート法、スプレー法、スパイラルスプレー法およびサミットスプレー法である。
非水電解液二次電池用セパレータの表面に接着剤組成物を均一に塗布する場合には、上述の塗布方法のいずれもが採用できる。非水電解液二次電池用セパレータの表面に接着剤組成物を塗布する領域と塗布しない領域を設ける場合には、グラビア法、カーテンコート法、ドット法、ポーラスコート法、スプレー法、スパイラルスプレー法、サミットスプレー法などが採用できる。
(乾燥)
本発明において「乾燥」とは、非水電解液二次電池用セパレータの少なくとも一方の面に塗布された接着剤組成物から、水および揮発性溶媒を除去することを表す。乾燥方法の例としては、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線および電子線などの照射による乾燥が挙げられる。乾燥温度は、30〜200℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。
〔3.非水電解液二次電池用接着セパレータ〕
本発明の一態様に係る非水電解液二次電池用接着セパレータは、上述の接着剤組成物を含む接着層が、少なくとも一方の面に形成されている。この接着層は、非水電解液二次電池用セパレータと電極とを接着するための層である。それゆえ、接着層は、非水電解液二次電池用接着セパレータの少なくとも一方の最表面に形成されている。
上記非水電解液二次電池用接着セパレータは、通常、乾燥させて接着剤組成物中の溶媒を除去した上で、製品となる。しかし、上記非水電解液二次電池用接着セパレータ自体を半製品として流通させることも可能である。例えば、接着層に剥離紙を積層した状態で、上記非水電解液二次電池用接着セパレータを商品としてもよい。
[接着層]
接着層は、上述の接着剤組成物を含んでいる。接着剤組成物に関しては、〔1〕節で説明した通りである。接着層の形成方法については、〔2〕節で説明した通りである。
通常、接着層は、乾燥機によって乾燥されて、溶媒を含まない状態となる。以下、溶媒を含まない状態となった接着層を「乾燥後の接着層」と表現する。乾燥後の接着層は、α−オレフィン共重合体を含む接着性樹脂と、任意の構成のその他の成分を含んでいる。
接着層の厚さは、好ましくは0.1〜1000μmであり、より好ましくは0.2〜500μmであり、さらに好ましくは0.2〜250μmである。接着層の厚さが上記の範囲内ならば、通常の塗布方法により接着層を形成できる。
乾燥後の接着層の厚さは、好ましくは0.005〜100μmであり、より好ましくは0.005〜20μmであり、さらに好ましくは0.005〜10μmである。乾燥後の接着層の厚さが上記の範囲内ならば、非水電解液二次電池の部材として使用した際に、内部抵抗を大幅に上昇させない。
乾燥後の接着層の目付は、好ましくは0.0005〜10g/mであり、より好ましくは0.0005〜2.0g/mであり、さらに好ましくは0.0005〜0.25g/mである。
接着性の観点から、乾燥後の接着層の目付は、バラツキが少なく均一に分布していることが好ましい。具体的には、TD方向に一列に並ぶ5箇所の測定点における接着層の目付の変動係数は、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。変動係数は、式「接着層の目付の変動係数=(接着層の目付の標準偏差/接着層の目付の平均)×100」によって求められる値である。より詳細な測定方法は、実施例を参照。
乾燥後の接着層において接着性樹脂が占める割合は、接着層全体の重量を100重量%として、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。一実施形態において、乾燥後の接着層は、実質的に接着性樹脂のみからなる。乾燥後の接着層における接着性樹脂の含有率が上記の範囲ならば、充分な接着力が得られる。
乾燥後の接着層における接着性樹脂の目付は、好ましくは0.001〜1g/mであり、より好ましくは0.01〜1g/mであり、さらに好ましくは0.05〜0.5g/mである。接着性樹脂の目付が0.001g/m以上であれば、充分な接着力が得られる。接着性樹脂の目付が1g/m以下であれば、非水電解液二次電池の部材として使用した際に、内部抵抗を大幅に上昇させない。
接着層を介した非水電解液二次電池用セパレータと電極との剥離強度は、両部材の材質によっても異なるが、一般的には、0.5N/m以上が好ましく、1.0N/m以上がより好ましい。
[非水電解液二次電池用セパレータ]
非水電解液二次電池用セパレータは、非水電解液二次電池に通常用いられるセパレータならば、特に限定されない。非水電解液二次電池用セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムを備えていてもよい。一実施形態において、非水電解液二次電池用セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムからなる。他の実施形態において、非水電解液二次電池用セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムの片面または両面に多孔質層が積層されている、非水電解液二次電池用積層セパレータである。
(ポリオレフィン多孔質フィルム)
ポリオレフィン多孔質フィルムは、その内部に連結した細孔を多数有しており、一方の面から他方の面に気体および液体を通過させることが可能となっている。ポリオレフィン多孔質フィルムは、非水電解液二次電池用積層セパレータの基材となりうる。ポリオレフィン多孔質フィルムは、電池が発熱したときに溶融して非水電解液二次電池用積層セパレータを無孔化することにより、当該非水電解液二次電池用積層セパレータにシャットダウン機能を付与するものであり得る。
ここで、「ポリオレフィン多孔質フィルム」とは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムである。また、「ポリオレフィン系樹脂を主成分とする」とは、多孔質フィルムに占めるポリオレフィン系樹脂の割合が、当該多孔質フィルムを構成する材料全体の50体積%以上、好ましくは90体積%以上であり、より好ましくは95体積%以上であることを意味する。
ポリオレフィン多孔質フィルムの主成分であるポリオレフィン系樹脂は、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂である、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンおよび/または1−ヘキセンなどの単量体が重合されてなる単独重合体および共重合体が挙げられる。すなわち、単独重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブテンなどが、共重合体としてはエチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。ポリオレフィン多孔質フィルムは、これらのポリオレフィン系樹脂を単独にて含む層、または、これらのポリオレフィン系樹脂の2種以上を含む層でありうる。このうち、過大電流が流れることをより低温で阻止(シャットダウン)することができるため、ポリエチレンがより好ましく、特に、エチレンを主体とする高分子量のポリエチレンが好ましい。なお、ポリオレフィン多孔質フィルムは、その機能を損なわない範囲で、ポリオレフィン以外の成分を含むことを妨げない。
ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)および超高分子量ポリエチレンなどが挙げられる。このうち、超高分子量ポリエチレンがさらに好ましく、重量平均分子量が5×10〜15×10の高分子量成分が含まれていることがさらに好ましい。特に、ポリオレフィン系樹脂に重量平均分子量が100万以上の高分子量成分が含まれていると、ポリオレフィン多孔質フィルムおよび非水電解液二次電池用積層セパレータの強度が向上するのでより好ましい。
ポリオレフィン多孔質フィルムの膜厚は、3〜20μmが好ましく、5〜17μmがより好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。膜厚が3μm以上ならば、ポリオレフィン多孔質フィルムに要求される機能(シャットダウン機能など)が、充分に得られる。膜厚が20μm以下ならば、薄型化された非水電解液二次電池用積層セパレータが得られる。
ポリオレフィン多孔質フィルムが有する細孔の孔径は、0.1μm以下であることが好ましく、0.06μm以下であることがより好ましい。これにより、十分なイオン透過性を得ることができ、かつ、電極を構成する粒子の入り込みを、より防止することができる。
ポリオレフィン多孔質フィルムの単位面積当たりの重量目付は、電池の重量エネルギー密度および体積エネルギー密度を高くすることができるように、通常、4〜20g/mであることが好ましく、5〜12g/mであることがより好ましい。
ポリオレフィン多孔質フィルムの透気度は、ガーレ値で30〜500s/100mLであることが好ましく、50〜300s/100mLであることがより好ましい。これにより、非水電解液二次電池用積層セパレータが十分なイオン透過性を得ることができる。
ポリオレフィン多孔質フィルムの空隙率は、20〜80体積%であることが好ましく、30〜75体積%であることがより好ましい。これにより、電解液の保持量を高めると共に、過大電流が流れることをより低温で確実に阻止(シャットダウン)することができる。
ポリオレフィン多孔質フィルムの製造方法は、公知の手法を用いることができ、特に限定されない。例えば、日本国特許第5476844号公報に記載されたように、熱可塑性樹脂にフィラーを加えてフィルム成形した後、当該フィラーを除去する方法が挙げられる。
具体的には、例えば、ポリオレフィン多孔質フィルムが、超高分子量ポリエチレンおよび重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィンを含むポリオレフィン系樹脂から形成されてなる場合には、製造コストの観点から、以下に示す工程(1)〜(4)を含む方法により製造することが好ましい。
(1)超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5重量部〜200重量部と、炭酸カルシウムなどの無機充填剤100重量部〜400重量部とを混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る工程、
(2)ポリオレフィン系樹脂組成物を用いてシートを成形する工程、
(3)工程(2)で得られたシート中から無機充填剤を除去する工程、
(4)工程(3)で得られたシートを延伸する工程。
その他、上述した各特許文献に記載の方法を利用してもよい。
また、ポリオレフィン多孔質フィルムとして、上述の特徴を有する市販品を使用してもよい。
(多孔質層)
非水電解液二次電池用セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムの片面または両面に多孔質層が積層されている、非水電解液二次電池用積層セパレータであってもよい。多孔質層は、通常、フィラーおよびバインダー樹脂を含んでいる。
フィラーの種類としては、有機フィラーおよび無機フィラーが挙げられる。
有機フィラーの例としては、スチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチルなどの単独あるいは2種類以上の共重合体;ポリテトラフルオロエチレン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素系樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;ポリオレフィン;ポリメタクリレートなどが挙げられる。有機フィラーは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの有機フィラーの中でも、化学的安定性の点で、ポリテトラフルオロエチレン粉末が好ましい。
無機フィラーの例としては、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭酸塩、硫酸塩などの無機物からなる材料が挙げられる。具体的に例示すると、アルミナ、ベーマイト、シリカ、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、または炭酸カルシウムなどの粉末が挙げられる。無機フィラーは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの無機フィラーの中でも、化学的安定性の点で、アルミナ粉末が好ましい。
フィラーの形状については、略球状、板状、柱状、針状、ウィスカー状、繊維状などが挙げられ、何れの粒子も用いることができる。均一な孔を形成しやすいことから、略球状粒子であることが好ましい。
多孔質層におけるフィラーの含有率は、1〜60重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重量%であり、さらに好ましくは20〜50重量%である。なお、多孔質層におけるフィラーの含有率は、当該多孔質層の総重量を100重量%として算出する。フィラーの含有率を上述の範囲にすることで、多孔質層の重量の増加が抑制でき、かつイオン透過性が良好なセパレータを得ることができる。
多孔質層に含まれているフィラーの平均粒径は、0.01〜2.0μmが好ましく、0.05〜1.0μmがより好ましい。フィラーの平均粒径を上記の範囲内とすれば、本明細書においては、「フィラーの平均粒径」とはフィラーの体積基準の平均粒径(D50)を意味する。D50とは、体積基準による積算分布が50%になる値の粒子径のことを意味する。D50は、例えば、レーザー回折式粒度分布計(島津製作所製、商品名:SALD2200など)を利用して測定することができる。
バインダー樹脂は、電池の電解液に不溶であり、また、その電池の使用範囲において電気化学的に安定であることが好ましい。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリオレフィン;(メタ)アクリレート系樹脂;含フッ素樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;ゴム類;融点またはガラス転移温度が180℃以上の樹脂;水溶性ポリマー;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
上述の樹脂のうち、(メタ)アクリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド、ポリエステル系樹脂および水溶性ポリマーが好ましい。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、及びエチレン−プロピレン共重合体等が好ましい。
含フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリクロロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フッ化ビニル共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、及びエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等、並びに、前記含フッ素樹脂の中でもガラス転移温度が23℃以下である含フッ素ゴムを挙げることができる。
ポリアミド系樹脂としては、芳香族ポリアミドおよび全芳香族ポリアミドなどのアラミド樹脂が好ましい。
アラミド樹脂としては、具体的には、例えば、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(メタベンズアミド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(メタフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(メタフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロパラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド/2,6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体、メタフェニレンテレフタルアミド/2,6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体等が挙げられる。このうち、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)がより好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリアリレートなどの芳香族ポリエステルおよび液晶ポリエステルが好ましい。
ゴム類としては、スチレン−ブタジエン共重合体およびその水素化物、メタクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレンプロピレンラバー、ポリ酢酸ビニル等を挙げることができる。
融点又はガラス転移温度が180℃以上の樹脂としては、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルアミド等を挙げることができる。
水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、セルロースエーテル、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸等を挙げることができる。
なお、バインダー樹脂としては、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
〔4.非水電解液二次電池用部材および非水電解液二次電池〕
本発明の一態様は、正極と、上述の非水電解液二次電池用接着セパレータと、負極とがこの順で配置されてなる、非水電解液二次電池用部材である。本発明の他の態様は、上述の非水電解液二次電池用接着セパレータを備えている、非水電解液二次電池である。上記非水電解液二次電池は、通常、負極と正極とが、上述の非水電解液二次電池用接着セパレータを介して対向した構造体を有する。上記非水電解液二次電池では、当該構造体に電解液が含浸された電池要素が、外装材内に封入されている。例えば、上記非水電解液二次電池は、リチウムイオンのドープ・脱ドープにより起電力を得るリチウムイオン二次電池である。
[正極]
正極としては、例えば、正極活物質および結着剤を含む活物質層が集電体上に成形された構造を備える正極シートを使用することができる。なお、上記活物質層は、さらに導電剤を含んでもよい。
上記正極活物質としては、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料が挙げられる。当該材料としては、例えば、V、Mn、Fe、Co、Niなどの遷移金属を少なくとも1種類含んでいるリチウム複合酸化物が挙げられる。
上記導電剤としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体などの炭素質材料などが挙げられる。
上記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレンの共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレンの共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレンの共重合体、フッ化ビニリデン−トリクロロエチレンの共重合体、フッ化ビニリデン−フッ化ビニルの共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレンの共重合体、熱可塑性ポリイミド、ポリエチレン、およびポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、ならびに、スチレンブタジエンゴムが挙げられる。なお、結着剤は、増粘剤としての機能も有している。
正極集電体としては、例えば、Al、Ni、ステンレスなどの導電体が挙げられる。中でも、薄膜に加工し易く、安価であることから、Alがより好ましい。
シート状の正極の製造方法としては、例えば、正極合剤となる正極活物質、導電剤および結着剤を正極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて正極活物質、導電剤および結着剤をペースト状にして正極合剤を得た後、当該正極合剤を正極集電体に塗工し、これを乾燥して得られたシート状の正極合剤を加圧することにより、正極集電体に固着する方法などが挙げられる。
[負極]
負極としては、例えば、負極活物質および結着剤を含む活物質層が集電体上に成形された構造を備える負極シートを使用することができる。なお、上記活物質層は、さらに導電剤を含んでもよい。
上記負極活物質としては、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料、リチウム金属またはリチウム合金などが挙げられる。当該材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維および有機高分子化合物焼成体などの炭素質材料;正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープ・脱ドープを行う酸化物および硫化物などのカルコゲン化合物;アルカリ金属と合金化するアルミニウム(Al)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)およびシリコン(Si)などの金属、アルカリ金属を格子間に挿入可能な立方晶系の金属間化合物(AlSb、MgSi、NiSi)、リチウム窒素化合物(Li3-xN(M:遷移金属))などが挙げられる。
負極集電体としては、例えば、Cu、Ni、ステンレスなどが挙げられる。中でも、特にリチウムイオン二次電池においてはリチウムと合金を作り難く、かつ薄膜に加工し易いことから、Cuがより好ましい。
シート状の負極の製造方法としては、例えば、負極合剤となる負極活物質を負極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて負極活物質をペースト状にして負極合剤を得た後、当該負極合剤を負極集電体に塗工し、これを乾燥して得られたシート状の負極合剤を加圧することにより、負極集電体に固着する方法などが挙げられる。上記ペーストには、好ましくは上記導電剤および上記結着剤が含まれる。
[非水電解液]
非水電解液としては、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解してなる非水電解液を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、Li10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlClなどが挙げられる。上記リチウム塩のうち、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSOおよびLiC(CFSOからなる群から選択される少なくとも1種のフッ素含有リチウム塩がより好ましい。
有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物;並びに、上記有機溶媒にフッ素基が導入されてなる含フッ素有機溶媒などが挙げられる。上記有機溶媒のうち、カーボネート類がより好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒、または、環状カーボネートとエーテル類との混合溶媒がさらに好ましい。環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを含む混合溶媒がさらに好ましい。当該混合溶媒は、作動温度範囲が広く、かつ、負極活物質として天然黒鉛または人造黒鉛などの黒鉛材料を用いた場合においても難分解性を示す。
[非水電解液二次電池用部材および非水電解液二次電池の製造方法]
非水電解液二次電池用部材の製造方法としては、例えば、正極と、上述の非水電解液二次電池用接着セパレータと、負極とをこの順で配置する方法が挙げられる。
また、非水電解液二次電池の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、非水電解液二次電池の筐体となる容器に当該非水電解液二次電池用部材を入れる。次いで、当該容器内を非水電解液で満たした後、減圧しつつ容器を密閉する。これにより、非水電解液二次電池を製造することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔各種物性の測定方法〕
後述の実施例および比較例においては、各物性を以下の方法で測定した。
(1)接触角
実施例および比較例において非水電解液二次電池用セパレータとして用いたポリエチレンフィルムと、接着剤組成物との接触角を測定した。具体的には、(i)ポリエチレンフィルム表面に接着剤組成物の液滴が着滴してから1秒後に、当該液滴を側面から撮像した画像を取得し、(ii)この画像において、液滴とポリエチレンフィルムとが成す角を接触角とした。
(2)接着層の目付
接着層を形成する前後の重量変化から、接着層の重量を求めた。得られた接着層の重量を、非水電解液二次電池用接着セパレータの面積で割ることにより、接着層の目付を求めた。
(3)接着層の目付の変動係数
比須電解液二次電池用接着セパレータ上のTD方向に一列に並ぶ5箇所の測定点において、赤外吸収(IR)を測定した。IR強度比の平均値および標準偏差から、接着層の目付の変動係数を算出した。接着層の目付の変動係数(%)は、下記式によって求めた。
接着層の目付の変動係数=(接着層のIR強度比の標準偏差/接着層のIR強度比の平均値)×100。
接着層のIR強度比は、接着性樹脂に特有なIRピーク強度を、ポリオレフィン多孔質膜に特有なIRピーク強度で除することにより算出した。具体的に、実施例に記載の接着層のIR強度比は、エチレン−酢酸ビニル共重合体に特有なIR強度(1740cm−1)を、ポリエチレンに特有なIR強度(1470cm−1)で除することにより算出した。
(4)剥離強度
非水電解液二次電池用接着セパレータの接着層の上に市販の負極を重ね、50℃、4MPaにて10秒間プレスした。これにより、セパレータ−負極積層体を得た。なお、負極は、黒鉛/スチレン−1,3−ブタジエン共重合体/カルボキシメチルセルロースナトリウム(重量比:100/1.5/1)を銅箔上に塗布して作製されたものであった。
セパレータ−負極積層体の負極側表面と、ガラスエポキシ樹脂板とを両面接着テープで貼付して、測定用試料を作製した。この測定用試料を用いて、小型卓上試験機(EZ Test EZ−L;島津製作所製)により、セパレータと負極とを剥離させるのに必要な力を測定した。測定した力の大きさをセパレータの幅(2.0cm)で除した値を、剥離強度(N/m)とした。
〔実施例1〕
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA;最低造膜温度69℃)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル;商品名「サンモリン11」;三洋化成工業製)および水の混合物に、イソプロピルアルコールおよび1−ブタノールを加えて、メカニカルスターラーで5分間攪拌した。各成分の組成比は、表1に示した通りであった。攪拌条件は、室温にて、300rpmとした。このようにして、エマルション状の接着剤組成物(1)を得た。
厚さ16μm、空隙率50%の多孔質ポリエチレンを、セパレータとして用意した。このセパレータの上に、グラビアコーターを用いて接着剤組成物(1)を均一に塗布した。得られた塗布物を、乾燥機内で60℃にて乾燥させて、非水電解液二次電池用接着セパレータ(1)を得た。
〔実施例2、3〕
接着剤組成物の組成を表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様の手順により、非水電解液二次電池用接着セパレータ(2)、(3)を得た。
〔比較例1、2〕
接着剤組成物の組成を表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様の手順により、比較非水電解液二次電池用接着セパレータ(1)、(2)を得た。
Figure 2021182534
〔結果〕
結果を表1に示す。比較例1は、接着剤組成物中の揮発性溶媒(イソプロピルアルコールおよび1−ブタノール)の含有率が、7.5重量%以上であった。その結果、接着強度が大幅に低下し、接着層の目付の変動係数にも大幅な上昇が見られた。また、比較例2は、接着剤組成物中の界面活性剤の含有率が0.1重量%以下である。その結果、塗布物にハジキが生じ、接着強度を測定することができなかった。
揮発性溶媒を7.5重量%以上含む場合には、接着剤組成物の蒸気圧が高くなりすぎ、塗布物を乾燥機に入れる前に溶媒の蒸発が進行したと考えられる。このため、セパレータ上に接着層を均一に形成することができず、接着層の目付にバラツキが生じた結果、剥離強度が低下したものと考えられる。
界面活性剤を0.1重量%以下含む場合には、接着剤組成物の接触角が大きくなりすぎ、セパレータが接着剤組成物をはじいてしまったと考えられる。このため、セパレータ上に接着剤組成物を均一に塗布することができなかったものと考えられる。
一方、揮発性溶媒を7.5重量%未満、界面活性剤を0.1重量%超含んでいる接着剤組成物は、蒸気圧が高すぎず、セパレータに対する濡れ性も充分に有していたため、セパレータ上に均一に接着層が形成されたと考えられる。その結果として、剥離強度が低下しなかったと考えられる。
本発明は、例えば非水電解液二次電池に利用することができる。

Claims (8)

  1. 非水電解液二次電池用接着セパレータの製造方法であって、
    水と、任意成分である揮発性溶媒と、接着性樹脂と、界面活性剤と、を含んでいる接着剤組成物を、非水電解液二次電池用セパレータの少なくとも一方の面に塗布して、接着層を形成する工程を含み、
    上記接着層は、上記非水電解液二次電池用セパレータと電極とを接着するための層であり、
    上記接着剤組成物において、
    上記揮発性溶媒の含有率は7.5重量%未満であり、
    上記界面活性剤の含有率は0.1重量%超であり、
    上記接着性樹脂はα−オレフィン共重合体を含んでいる、
    製造方法。
  2. 上記α−オレフィン共重合体は、炭素数2〜8のα−オレフィンに由来する構造単位を有している、請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記α−オレフィン共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 上記接着剤組成物は、上記揮発性溶媒を含んでいない、請求項3に記載の製造方法。
  5. 上記接着剤組成物における上記揮発性溶媒の含有率は、0重量%超、7.5重量%未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 上記非水電解液二次電池用セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムと多孔質層とが積層されてなり、
    上記多孔質層は、(メタ)アクリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂および水溶性ポリマーからなる群より選択される1種類以上の樹脂を含んでいる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 上記多孔質層は、アラミド樹脂を含んでいる、請求項6に記載の製造方法。
  8. 接着剤組成物を含む接着層が、少なくとも一方の面に形成されている非水電解液二次電池用接着セパレータであって、
    上記接着層は、非水電解液二次電池用セパレータと電極とを接着するための層であり、
    上記接着剤組成物は、水と、任意成分である揮発性溶媒と、接着性樹脂と、界面活性剤と、を含んでおり、
    上記接着剤組成物において、
    上記揮発性溶媒の含有率は7.5重量%未満であり、
    上記界面活性剤の含有率は0.1重量%超であり、
    上記接着性樹脂はα−オレフィン共重合体を含んでいる、
    非水電解液二次電池用接着セパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023243590A1 (ja) * 2022-06-13 2023-12-21 株式会社Eneosマテリアル 蓄電デバイス用バインダー組成物、全固体二次電池用スラリー、全固体二次電池、全固体二次電池用固体電解質シート、全固体二次電池用固体電解質シートの製造方法、及び全固体二次電池の製造方法、並びにリチウムイオン二次電池電極用スラリー、リチウムイオン二次電池用電極、及びリチウムイオン二次電池

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