JP2021180827A - シールド - Google Patents

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英寿 松波
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Abstract

【課題】ウイルスの移動を適切に遮断することの可能なシールドを提供すること。【解決手段】装着者の頭部よりも上の空間より空気を取り込む第1の空気吸入口を有する第1の部材と、装着者の頭部よりも上に位置し空気を吹き出すことが可能な第1の空気吹出口を有するとともに第1の空気吸入口で取り込んだ空気を第1の空気吹出口に供給する第1の気道を有する第2の部材と、装着者の胸部より下方に位置し空気を吸入することが可能な第2の空気吸入口を有するとともに第2の空気吸入口で吸入した空気を排出する第2の気道を有する第3の部材と、を有し、第1の空気吹出口と第2の空気吸入口とを結んだ面が少なくとも装着者の上半身を覆うことができるように構成したことを特徴とするシールド。【選択図】図1

Description

本発明は、シールドに関する。本発明の一実施形態は、特に、ウイルスの移動を適切に遮断することの可能なシールドに関する。
令和2年(2020年)初頭以降、世界各地で新型コロナウイルス(SARS−CoV−2)による感染症(COVID−19)の罹患者が増加している。新型コロナウイルスに感染すると、発熱や呼吸器症状が1週間前後持続することが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える人が多いことが報告されている。罹患しても約8割は軽症で経過し、治癒する例も多いことが報告されているが、他方で、季節性インフルエンザと比べて死亡リスクが高いことが報告されている。しかしながら、現時点では、有効性が確認された特異的な抗ウイルス薬やワクチンは存在せず、治療方法としては対症療法が中心である。なお、本件特許出願の時点ではワクチンも存在しない。
新型コロナウイルス感染症の感染経路の中心は飛沫感染及び接触感染であるが、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等の症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされている。集団感染が生じた場の共通点を踏まえると、特に(1)密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、(2)密集場所(多くの人が密集している)、(3)密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)という3つの条件が同時に重なる場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられている。
新型コロナウイルスは、患者が咳やくしゃみをした時のしぶきに含まれるウイルスを周囲の人が吸い込むなどにより、体内に取り込むことで感染が広がっていく。そこで、感染の広がりを予防する方法として、ウイルスの移動経路を遮断することが必要である。
ウイルスの移動経路を遮断する1つの方法として、生活インフラ機能を担う食品スーパーや公共機関、病院などでは、透明樹脂製のカーテンやパーテーションなどがシールドとして用いられてきた。シールドは、対面する人同士がお互いにウイルスを取り込まないこと及びウイルスを撒き散らさないことの2点で効果が期待されてきた。
しかしながら、透明樹脂を用いたシールドがウイルスの移動経路を遮断する効果はそれほど高くない。新型コロナウイルスは1〜3μmの飛沫核や5〜10μmの飛沫によって移動するところ、この大きさの飛沫核や飛沫は空気中に極めて長時間滞留し、空気の対流によってはシールドを周り込んで容易に対面者に吸入され、気道や肺胞に達する。湿気の高い密室では数メートル離れていても、くしゃみや咳だけでなく、呼気に含まれる1μm程度の飛沫核さえ感染性を保持して浮遊し、シールドを周り込んだ空気の吸気によって気道や肺胞で感染する。シールドではウイルスの移動経路を遮断する効果は十分ではない。
さらに、物理的に遮蔽するシールドでは、物の受け渡しなどをするためにシールドの下部または横にシールドがないスペースが必要である。また、シールドの前から移動する際には飛沫核や飛沫を吸引する可能性もある。
特開2009−297496号公報
本発明の目的の1つは、装着者に行動の制約を与えず、ウイルスの移動遮断の効果が高いシールドを提供することである。
本発明の一実施形態によると、装着者の頭部よりも上の空間より空気を取り込む第1の空気吸入口を有する第1の部材と、装着者の頭部よりも上に位置し空気を吹き出すことが可能な第1の空気吹出口を有するとともに第1の空気吸入口で取り込んだ空気を第1の空気吹出口に供給する第1の気道を有する第2の部材と、装着者の胸部より下方に位置し空気を吸入することが可能な第2の空気吸入口を有するとともに第2の空気吸入口で吸入した空気を排出する第2の気道を有する第3の部材と、を有し、第1の空気吹出口と第2の空気吸入口とを結んだ面が少なくとも装着者の上半身を覆うことができるように構成したことを特徴とするシールドが提供される。
第1の空気吹出口と第2の空気吸入口との距離が調整可能であり、第1の装着状態では第2の空気吸入口は装着者の胸部よりも下の位置にあって第1の空気吹出口と第2の空気吸入口とを結んだ面は装着者の上半身を覆い、第2の装着状態では第2の空気吸入口は装着者の足元の位置にあって第1の空気吹出口と第2の空気吸入口とを結んだ面は装着者の全身を覆ってもよい。
第1の空気吸入口で取り込んだ空気を第1の気道に向けて加圧して供給する加圧手段と、第2の気道を減圧して第2の空気吸入口で取り込んだ空気を排出する減圧手段と、を有してもよい。
第2の部材と第3の部材とは環状であり、それぞれ装着者を囲うように配置され、第1の空気吹出口と第2の空気吸入口とを結んだ面が少なくとも装着者の上半身を囲ってもよい。第2の部材に形成され空気の移動を制限する膜部材と、を有してもよい。
第1の部材及び第2の部材を移動する第1の移動部材、及び第3の部材を移動する第2の移動部材を有してもよい。
加圧手段及び減圧手段を収納するケースを有してもよい。
さらに、加圧手段は動作を制御可能であり、加圧手段が動作中であることを示す表示手段を有してもよい。また、加圧手段は第1の空気吹出口から吹き出される空気の流速を調整可能であり、第1の空気吹出口から吹き出される空気の流速に応じてその状態を表示する表示手段を有してもよい。
第1の空気吹出口は前記第2の部材の長軸方向に配置されてもよい。第2の空気吸入口は第3の部材の長軸方向に配置されてもよい。
第1の空気吹出口と第2の空気吸入口とはそれぞれ連続したスリットであってもよい。
本発明の一実施形態によると、装着者に行動の制約を与えず、ウイルスの移動遮断の効果が高いシールドが提供される。
本発明の一実施形態に係るシールドを正面から見た図である。 本発明の一実施形態に係るシールドの制御部の内部構成を示した図である。 本発明の一実施形態に係るシールドの変形例を正面から見た図である。 本発明の一実施形態に係るシールドの変形例を正面から見た図である。 本発明の一実施形態に係るシールドの変形例を正面から見た図である。 本発明の一実施形態に係るシールドの変形例を正面から見た図である。 本発明の変形例に係るシールドの空気吹出口の形状を示す断面図である。
本明細書を通じて、「上」及び「下」はシールドの装着者が直立した状態における上及び下を意味し、「上方」及び「下方」並びに「上部」及び「下部」はシールドの装着者が直立した状態における上方及び下方並びに上部及び下部を意味するものとして用いる。また、本明細書を通じて、「環状」とは直線でない一定の曲線状または角を有する閉じた経路をいい、楕円状や多角状を含むものとして用いる。
図1は本発明の一実施形態に係るシールド10を正面から見た図である。シールド10は上方から下方に向かう空気の流れを装着者の上半身に形成することで感染予防機能や拡散防止機能を果たす。
(新型コロナウイルス(SARS−CoV−2)の特徴)
新型コロナウイルス(SARS−CoV−2)による感染症(COVID−19)の感染経路の中心は飛沫感染及び接触感染である。新型コロナウイルスは1〜3μmの飛沫核や5〜10μmの飛沫によって移動するところ、この大きさの飛沫核や飛沫は空気中に極めて長時間滞留する。飛沫核や飛沫は主としてくしゃみや咳とともに罹患者の口から吐き出されて空気中に放出される。そして飛沫核や飛沫は数分から数時間かけて地面に到達する。このような飛沫核や飛沫の挙動から、平均的な人の口の位置である地面から高さ150cmから低い位置に飛沫核や飛沫核が多く滞留し、他方で、平均的な人の口の位置である地面から高さ150cmより高い位置で飛沫や飛沫核の数が極端に減少する。したがって、人が頭部より高い位置の空間にある空気を吸引することで新型コロナウイルスを取り込む可能性を著しく減らすことができる。
(本発明の一実施形態に係るシールドの構造)
シールド10は、装着者の頭部よりも上の空間より空気を取り込む空気吸入口142を有する部材14を有する。部材14は煙突状に上部に突出した円筒状の部材であり、内部は取り込んだ空気を運搬する気道(管)になっている。
シールド10は、さらに、環状の部材11と円形の部材12を含む。環状の部材11と円形の部材12は伸縮可能なチューブ15に接続されている。
環状の部材11は内部に気道(管)を有するとともに、装着者の頭部よりも上に装着者を囲うように位置し、装着者の周りに空気を吹き出すことが可能な空気吹出口111を有する。空気吹出口111は図1に示すとおり、多数の開口列によって形成される。空気吹出口111は、環状の部材11の長軸に沿って下方(装着者の顔面の下方向)に配置される。環状の部材11の内部の気道(管)は部材14の空気吸入口142で取り込んだ空気を、制御ユニット20およびチューブ16を介して空気吹出口111に供給する。図1において、部材11は略円形で示した。しかしながらこれに限定されず、部材11は環状の閉じた経路であればよく、例えば、楕円形や多角形であってもよい。
円形の部材12は内部に気道(管)を有するとともに、装着者の胸部下方に位置し、空気を吸入することが可能な空気吸入口121を有する。空気吸入口121は図1に示すとおり、多数の開口列によって形成される。空気吸入口121は、円形の部材12の円周に沿って上方(装着者の顔面の上方向)に配置される。すなわち、空気吹出口111と空気吸入口121とは対向するように配置される。円形の部材12の内部の気道(管)は、空気吸入口121で吸入した空気を、チューブ15を介して後述する制御ユニット20の排出口208から排出する。図1において、部材12は略円形で示した。しかしながらこれに限定されず、部材12は例えば楕円形や多角形であってもよい。また、空気吸入口121を有する部材12はなくてもよい。
(感染予防を目的としたシールドの使用形態)
シールド10は、装着者が未だウイルス感染をしていない状況における感染予防の機能と、既にウイルス感染をしている装着者が口から飛沫等を放出し拡散することを防止する拡散防止の機能とを併有する。感染予防の機能を奏するためには、ウイルスを運ぶ飛沫等が人体に侵入する経路である目(眼窩は鼻腔と接続されている。)、鼻(鼻腔はウイルス感染がおこりやすい上下気道や肺胞と接続されている。)及び口(口も上下気道や肺胞と接続されている。)をガードする必要がある。そこで、シールド10を装着するときには、空気吹出口111が少なくとも目よりも上(例えば、眉の位置)、かつ空気吸入口121が胸部よりも下(例えば、腹部)に位置するようにチューブ15を調整する。
(感染予防に必要な風速)
本使用形態において空気吹出口111と空気吸入口121とを結んだ円錐台形の曲面は頭部および上腕を含む装着者の上半身を覆う。空気吹出口111と空気吸入口121との間には空気の層流が形成され、その流速は0.1m/s以上であればよいが、0.5m/s以上であることが望ましい。1〜10μm程度の飛沫や飛沫核は極めて軽いため、0.1m/s程度の弱い層流さえ横切って通過することができない。しかし、飛沫や飛沫核の量が多い場合に備えて0.5m/s以上であればより厳重にガードが可能である。その結果、空気吹出口111と空気吸入口121との間に形成される空気の層流の外の飛沫や飛沫核を装着者が口を通じて取り込むことがない。つまり、層流によるシールドが形成可能である。空気吹出口111と空気吸入口121との間に形成される空気の層流で装着者の上半身をガードすることができる。
(層流によるシールドの内部)
空気吹出口111と空気吸入口121とで構成される円錐台型の曲面(層流によるシールド)の内部は、部材14の空気吸入口142から取り込んだ空気で充満される。前述したとおり、新型コロナウイルスは1〜3μmの飛沫核や5〜10μmの飛沫によって移動するところ、この大きさの飛沫核や飛沫は平均的な人の口の位置である地面から高さ150cmより高い位置で飛沫や飛沫核の数が極端に減少する。したがって、人の頭部より高い位置の空間にある空気を空気吸入口142によって吸引することで新型コロナウイルスを取り込む可能性を著しく減らすことができる。本使用形態において、空気吹出口111と空気吸入口121の間の空気の層流は、頭部および上腕を含む装着者の上半身を覆うことができる。一方で、前腕および手指はシールド10の外に位置することから、たとえ手指がウイルスで汚染したとしても層流によるシールドの内側を遮蔽することができる。
(拡散防止を目的としたシールドの使用形態)
前述したとおり、感染予防の機能とともに拡散防止の機能も期待されている。拡散防止の機能を奏するためには、装着者が咳やくしゃみ、鼻をかんだときに手指につく飛沫等を効果的に遮断する必要がある。この目的からすれば、シールド10を装着するときに、空気吹出口111が少なくとも鼻よりも上、かつ空気吸入口121が足元に位置するようにチューブ15を調整する。
(拡散防止に必要な風速)
本使用形態において空気吹出口111と空気吸入口121とで構成される円錐台形の曲面は装着者の全身を覆う。腰より上部に空気吸入口121を位置させる場合には、弱い圧力で空気を吹き出すことで足りるが、足元に空気吸入口121を位置させる場合には、強い圧力で空気を吹き出す必要がある。空気吹出口111と空気吸入口121との間には空気の層流が形成される。くしゃみや咳によって移動する飛沫の秒速は1〜100m/s程度である。この飛沫の移動速度を拡散を防止する程度まで低下させるには層流の流速は0.5m/s以上であればよいが、2m/s以上であることが望ましい。他方で、層流の流速が100m/sを超えると層流に巻き込まれて循環対流する空気を顔面の皮膚で感じることがある。これはシールド装着による不快感につながる。
(層流によるシールドの内部)
空気吹出口111と空気吸入口121とで構成される円錐台型の曲面(層流によるシールド)の内部は、部材14の空気吸入口142から取り込んだ空気で充満される。前述したとおり、人の頭部より高い位置の空間にある空気を空気吸入口142によって吸引することで新型コロナウイルスを取り込む可能性を著しく減らすことができる。本使用形態において、空気吹出口111と空気吸入口121の間の空気の層流は、装着者の全身を覆うことができる。前腕および手指もシールド10の中に位置することから、たとえ手指がウイルスで汚染したとしても層流によるシールドによって内側に遮蔽することができる。
(本発明の一実施形態に係るシールドの外観)
図1に示すように、部材14の空気吸入口142を減圧状態にして空気を吸引し、空気吹出口111を加圧状態にして空気を吹き出し、空気吸入口121を減圧状態にして空気を吸引するのを制御する制御ユニット20が追加されている。シールド10は、さらに、部材14の気道(管)を通じて制御ユニット20に移動してきた空気をさらに移動させるチューブ15、16を有する。部材14は複数の円筒状部材を層状に設けることによって、長さを伸縮自在に調整することができるように構成する。例えば、床や椅子に着座しているときには、部材14を長く伸ばし、直立しているときには、部材14を頭と同じ高さ程度まで短くする、という使い方が可能である。
部材12に接続するチューブ15も、複数の円筒状部材を層状に設けることによって長さを伸縮自在に調整することができるように構成する。例えば、感染予防を目的としたシールドの使用形態では、チューブ15を短くし、シールド10は傘のようにチューブ15を手で保持するという使い方が可能である。しかしながらこれに限定されず、シールド10は、例えば、腹部に固定してもよく、背部固定してもよい。例えば、拡散防止を目的としたシールドの使用形態では、チューブ15を長く伸ばし、シールド10はビーチパラソルのように部材12を床または他の部材に載置するという使い方が可能である。しかしながらこれに限定されず、シールド10は、例えば、部材12の空気吸入口121とは反対側にキャスターのような移動部材を有していてもよい。これによって装着者はシールド10を伴って容易に移動することができる。なお、制御ユニット20の位置は特に限定されない。装着者とともに移動可能であればよい。
部材11、12、14およびチューブ15、16はポリアクリルやポリエチレンテレフタート等の樹脂で形成してもよいしガラスや金属で形成してもよいが、人が容易に持ち運べるようにできるだけ軽量な樹脂材料を用いることが望ましい。
(膜による飛沫等の侵入遮断)
図1に示すとおり、部材11の環の内側には膜112が張られている。膜112は空気吹出口111から空気吸入口121へと流れる空気の層流によって部材11直上の空気が巻き込まれてシールド内に移動するのを制限する。本実施形態において部材12の円周は部材11の環より小さいことから、空気吹出口111から空気吸入口121へと流れる空気の層流は集束し、シールド10の下方から空気を吸い上げるのを防ぐ。このように、膜112を張架することによって飛沫等の侵入遮断の効果を高めることが可能となる。しかしながらこれに限定されず、膜112はなくても良い。
膜112は装着者の頭部と接する可能性があるため柔軟性を有する材料、例えばポリエチレン、ポリビニール等であることが望ましい。もちろん、一定の剛性を有するアクリル、ポリエチレンテレフタレート、ガラス等であってもよい。膜112は光の遮断を防ぐために透光性を有することが望ましい。日傘のように直射日光の侵入を防ぐ効果を得るために半透光性を有してもよいし、紫外線除去能を有する膜を用いても良い。
(制御ユニットの構成)
図2は制御ユニット20の構成を示した図である。吸入口204は部材14に接続され、空気吸入口142で吸入された空気が供給される。ファン201(加圧装置)は吸入口204に減圧状態を作り出すとともに、排気口203に加圧状態を作り出す。排気口203はチューブ16を介して部材11と接続され、空気吹出口111を加圧状態とする。ファン201では十分な加圧が行われない場合は、小型のタービンや小型のコンプレッサを用いてもよい。ファン、タービン、コンプレッサ等の数は特に限定しない。また、ファン201の代わりに吸入口204から直接、酸素ボンベやドライアイス、二酸化炭素等を用いて加圧してもよい。吸入口204と排気口203との間には、必要に応じて、フィルタ202や消毒装置210を挿入してもよい。フィルタ202は例えば目の粗いメッシュにより構成しホコリや粉塵等を捕獲するように構成してもよいし、さらに進んで、静電気によってウイルスを吸着する高圧メッシュや、抗菌、抗カビ、ウイルスの不活性化・除去作用のある活性炭フィルタなどを配置してもよい。消毒装置210は、微量の次亜塩素酸ナトリウムを含有する雰囲気に空気を通過させるもの、紫外線を照射するもの、静電気を利用するもの、マイナスイオン(陰イオン)を利用するもの等であってもよい。消毒装置210と排気口203との間には、噴霧装置などを配置してもよい。噴霧装置などは、例えば、アロマなどの香料、ミスト、イオン、粒子を捕獲するような機能を有する物質などを噴霧してもよい。
制御ユニット20は、さらに、部材12にチューブ15を介して接続された吸入口207と排出口208を有する。ファン211(減圧装置)は吸入口207に減圧状態を作り出すことによって、空気吸入口121を減圧状態とする。ファン211では十分な減圧が行われない場合は、小型のタービンや小型のコンプレッサを用いてもよい。ファン、タービン、コンプレッサ等の数は特に限定しない。吸入口207と排出口208との間には、必要に応じて、フィルタ205を挿入してもよい。フィルタ205は例えばウイルスを被着させ破壊するようにアルコールを含有したポーラス状のブロックで構成する。さらに、図示しない消毒装置を挿入してもよい。排出口208は、チューブなどを介して空気吸入口121から取り込んだ空気を室外に排出してもよい。
制御ユニット20にはファン201及びファン211の動作を制御する制御回路209及び制御回路209、ファン201及びファン211に電力を供給する蓄電池206(例えば、リチウムイオン電池)が備えられている。制御回路209は、例えば、マイクロコンピュータ及びメモリが構成され、ファン201及びファン211の動作を制御する。ファン201及びファン211のオン・オフを制御してもよいし、回転速度(加圧/減圧の程度)を制御するようにしてもよい。制御回路はBluetooth等の無線通信ユニットを具備していてもよい。シールド10はスマートフォン等と無線通信を介して接続され、スマートフォン等の操作によって動作制御することが可能となる。
制御ユニット20は、さらに、図示しない圧縮空気ボンベを搭載しても良い。常に圧縮空気ボンベからの空気を空気吹出口111に供給してもよい。
(流速の切り替え)
例えば、感染予防モードのときにはシールド10の前面に流れる層流の流速を0.1m/s以上の一定の値(例えば0.5m/s)に、拡散防止モードのときにはこの流速を0.5m/s以上の一定の値(例えば5m/s)とするように、ファン201及びファン211の回転数を制御してもよい。このような流速の切り替えスイッチはシールドのどこか、例えば、チューブ15に設けても良い。人がくしゃみや咳をする際は、まず自分自身がくしゃみや咳をするということを認識し、ついで、現実にくしゃみや咳をする。つまり、くしゃみや咳をするまでに数秒の余裕がある(その間、くしゃみや咳を意識的に止めることができる)。したがって、人がくしゃみや咳を予測した場合に、感染予防モードであったところ、スイッチを切り替えて拡散防止モードに切り替えることができる。また、この制御回路209は、図示しない、マイクやジャイロセンサと接続されてもよく、くしゃみや咳をする直前の独特の音や身体の動きに反応して感染予防モードから拡散防止モードに切り替えてもよい。
制御ユニット20が、さらに、図示しない圧縮空気ボンベを搭載する場合において、感染予防モードにおいてはファン201によって生成される加圧状態によって空気吹出口111から空気が吹き出すところ、 拡散防止モードにおいては圧縮空気ボンベの力を借りて加圧状態が生成されるようにしてもよい。
(動作状態の表示)
透明樹脂製のシールドの場合は設置しているかどうかがすぐに分かるが、本発明の一実施形態によるシールド10は、動作の有無を容易に確認することができない。そこで、シールド10の目立つ位置(例えば部材11の一部や部材14の先端)にLED等の発光素子を備え、発光の有無で動作状態を示すことが望ましい。具体的には、2色発光のLEDを設け、感染予防モードのときは緑発光をし、拡散防止モードのときは赤発光をする。発光の制御は、制御回路209によって行う。
さらに、空気吹出口111から吹き出す空気に微量のカラーパウダーや染色した水飛沫を混ぜて動作状態を示しても良い。また、空気吹出口111から吹き出す空気に水飛沫を含ませ、さらに、発光素子からの光(赤、青といった着色光であることが望ましい)を乱反射させて層流による面自体を発光させても良い。この場合、カラーカーテンのような美的効果を奏することが可能となる。
(本発明の一実施形態に係るシールドの変形例)
図3は本発明の一実施形態に係るシールドの変形例を示した図である。本発明の一実施形態に係るシールド10は部材12の円周が部材11の環より小さい。図3の変形例に係るシールド30においては、部材32の環は部材31の環と同じ大きさであること以外、一実施形態に係るシールド10と同様であることから繰り返しの説明は省略する。環状の部材31及び部材32は、いずれも地面と平行に装着者の周りを囲うように配置される。その結果、装着者の周りを囲うようにエアシールドが形成される。
図3に示すように、シールド30は、装着者の頭部よりも上の空間より空気を取り込む空気吸入口342を有する部材34を有する。部材34は煙突状に上部に突出した円筒状の部材であり、内部は取り込んだ空気を運搬する気道(管)になっている。シールド30は、さらに、環状の部材31と環状の部材32を含む。環状の部材31と環状の部材32は同じ大きさである。しかしながらこれに限定されず、環状の部材32は環状の部材31より大きくてもよい。シールド30は、さらに、部材34の気道(管)を通じて制御ユニット20に移動してきた空気をさらに移動させるチューブ35、36を有する。環状の部材31と環状の部材32は伸縮可能なチューブ35に接続されている。制御ユニット20の構成は、本実施形態に係るシールドの制御ユニット20と同様であることから繰り返しの説明は省略する。
環状の部材31は内部に気道(管)を有するとともに、装着者の頭部よりも上に装着者を囲うように位置し、装着者の周りに空気を吹き出すことが可能な空気吹出口311を有する。空気吹出口311は、多数の開口列によって形成される。空気吹出口311は、環状の部材31の長軸に沿って下方(装着者の顔面の下方向)に配置される。環状の部材31の内部の気道(管)は部材34の空気吸入口342で取り込んだ空気を、制御ユニット20およびチューブ36を介して空気吹出口311に供給する。図3において、部材31は略円形で示した。しかしながらこれに限定されず、部材31は環状の閉じた経路であればよく、例えば、楕円形や多角形であってもよい。
環状の部材32は内部に気道(管)を有するとともに、装着者の足元に位置し、空気を吸入することが可能な空気吸入口321を有する。空気吸入口321は図3に示すとおり、多数の開口列によって形成される。空気吸入口321は、環状の部材32の長軸に沿って上方(装着者の顔面の上方向)に配置される。すなわち、空気吹出口311と空気吸入口321とは対向するように配置される。環状の部材32の内部の気道(管)は、空気吸入口321で吸入した空気を、チューブ35を介して制御ユニット20の排出口208から排出する。図3において、部材32は略円形で示した。しかしながらこれに限定されず、部材32は環状の閉じた経路であればよく、例えば、楕円形や多角形であってもよい。部材31および部材32は同じ形であることが好ましい。また、空気吸入口321を有する部材32はなくてもよい。
(層流によるシールドの内部)
空気吹出口311と空気吸入口321とで構成される円柱型の曲面(層流によるシールド)の内部は、部材34の空気吸入口342から取り込んだ空気で充満される。前述したとおり、人の頭部より高い位置の空間にある空気を空気吸入口342によって吸引することで新型コロナウイルスを取り込む可能性を著しく減らすことができる。本変形例において、空気吹出口311と空気吸入口321の間の空気の層流は、装着者の全身を覆うことができる。空気の層流があることで、たとえ手指がウイルスで汚染したとしても層流によるシールドによって内側の汚染は内側に、外側の汚染は外側に遮蔽することができる。
(本発明の一実施形態に係るシールドの変形例)
図4は本発明の一実施形態に係るシールドの変形例を示した図である。本発明の一実施形態に係るシールド10は部材11および部材12の空気吹出口111および空気吸入口121が環状である。図4の変形例に係るシールド40においては、部材41および部材42が線状であること以外、一実施形態に係るシールド10と同様であることから繰り返しの説明は省略する。線状の部材41及び部材42は、いずれも装着者の前面を覆うように配置される。その結果、装着者の前面を覆うようにエアシールドが形成される。
図4に示すように、シールド40は、装着者の頭部よりも上の空間より空気を取り込む空気吸入口442を有する部材44を有する。部材44は煙突状に上部に突出した円筒状の部材であり、内部は取り込んだ空気を運搬する気道(管)になっている。シールド40は、さらに、線状の部材41と線状の部材42を含む。線状の部材41と線状の部材42は同じ長さである。しかしながらこれに限定されず、線状の部材41は線状の部材42より長くてもよいし、短くてもよい。シールド40は、さらに、部材44の気道(管)を通じて制御ユニット20に移動してきた空気をさらに移動させるチューブ45を有する。線状の部材41と線状の部材42は伸縮可能なチューブ45に接続されている。制御ユニット20の構成は、本実施形態に係るシールドの制御ユニット20と同様であることから繰り返しの説明は省略する。
線状の部材41は内部に気道(管)を有するとともに、装着者の頭部よりも上に位置し、空気を吹き出すことが可能な空気吹出口411を有する。空気吹出口411は、多数の開口列によって形成される。空気吹出口411は、線状の部材41の長軸に沿って下方(装着者の顔面の下方向)に配置される。線状の部材41の内部の気道(管)は部材44の空気吸入口442で取り込んだ空気を、制御ユニット20を介して空気吹出口411に供給する。図4において、部材41は略直線状で示した。しかしながらこれに限定されず、部材41は例えば、円弧状であってもよく、角を有する線状であってもよい。
線状の部材42は内部に気道(管)を有するとともに、装着者の足元に位置し、空気を吸入することが可能な空気吸入口421を有する。空気吸入口421は図4に示すとおり、多数の開口列によって形成される。空気吸入口421は、線状の部材42の長軸に沿って上方(装着者の顔面の上方向)に配置される。すなわち、空気吹出口411と空気吸入口421とは対向するように配置される。線状の部材42の内部の気道(管)は、空気吸入口421で吸入した空気を、チューブ45を介して制御ユニット20の排出口208から排出する。図4において、部材42は略直線状で示した。しかしながらこれに限定されず、部材42は例えば、円弧状であってもよく、角を有する線状であってもよい。部材41および部材42は同じ形であることが好ましい。また、空気吸入口421を有する部材42はなくてもよい。
(層流によるシールドの内部)
空気吹出口411と空気吸入口421とで構成される板状の平面(層流によるシールド)の内側は、部材44の空気吸入口442から取り込んだ空気が供給される。前述したとおり、人の頭部より高い位置の空間にある空気を空気吸入口442によって吸引することで新型コロナウイルスを取り込む可能性を著しく減らすことができる。本変形例において、空気吹出口411と空気吸入口421の間の空気の層流は、装着者の前面を覆うことができる。空気の層流があることで、たとえ手指がウイルスで汚染したとしても層流によるシールドによって内側の汚染は内側に、外側の汚染は外側に遮蔽することができる。
本変形例に係るシールド40は複数を組み合わせて使用してもよい。この場合、装着者の周りを囲うように配置されてもよい。部材41および部材42が略直線状である場合、少なくとも3つのシールド40を組み合わせることで装着者の周りを囲うようにエアシールドを形成することができる。
(本発明の一実施形態に係るシールドの変形例)
図5は本発明の一実施形態に係るシールドの変形例を示した図である。本発明の一変形例に係るシールド30は部材32の環と部材31の環とが接続されている。図5の変形例に係るシールド50においては、部材52の環と部材51の環とが別体であること以外、一変形例に係るシールド30と同様であることから繰り返しの説明は省略する。環状の部材51及び部材52は、それぞれ独立して移動することが可能である。環状の部材51及び部材52は、いずれも地面と平行に装着者の周りを囲うように配置される。環状の部材51及び部材52は、互いに対向するように配置することで、装着者の周りを囲うようにエアシールドが形成される。本発明の一変形例に係るシールド50は、環状の部材52と環状の部材51とが別体である構成を示した。しかしながらこれに限定されず、例えば、シールド40における線状の部材42と線状の部材41とが別体である構成でもよい。
図5に示すように、シールド50は、装着者の頭部よりも上の空間より空気を取り込む空気吸入口542を有する部材54を有する。図5において部材54は煙突状に上部に突出した円筒状の部材であり、内部は取り込んだ空気を運搬する気道(管)になっている。しかしながらこれに限定されず、部材54は配管状に任意の場所に配置してもよい。空気吸入口542は、例えば、室外に配置してもよい。部材54は制御ユニット20Aを介して環状の部材51に接続される。これによって、部材54の気道(管)を通じて制御ユニット20Aに移動してきた空気は、環状の部材51に移動される。制御ユニット20Aは、ファン211を含む減圧装置を有さないこと以外、制御ユニット20と同様であることから繰り返しの説明は省略する。
環状の部材51は伸縮可能なポール55によって装着者の頭部よりも上に設置される。ポール55の部材51とは反対側の一端は、床または他の部材に載置するという使い方が可能である。しかしながらこれに限定されず、ポール55の部材51とは反対側の一端は、例えば、キャスターのような移動部材を有していてもよい。これによって装着者はシールド50を伴って容易に移動することができる。また、ポール55の部材51とは反対側の一端は、部材54と同じ方向に配置され、天井または他の部材から吊るすという使い方も可能である。また、天井または他の部材に固定する場合、ポール55はなくてもよい。なお、制御ユニット20Aの位置は特に限定されない。部材54の空気吸入口542から、部材51までの間に配置されればよい。部材51に配置される場合、部材51とともに移動可能であればよい。
シールド50は、さらに環状の部材52を含む。環状の部材51と環状の部材52は同じ大きさである。しかしながらこれに限定されず、環状の部材52は環状の部材51より大きくてもよい。環状の部材52は、制御ユニット20Bに接続される。制御ユニット20Bは、ファン201を含む加圧装置を有さないこと以外、制御ユニット20と同様であることから繰り返しの説明は省略する。環状の部材52は、床または他の部材に載置するという使い方が可能である。しかしながらこれに限定されず、環状の部材52の空気吸入口521とは反対側には、例えば、キャスターのような移動部材を有していてもよい。
環状の部材51と環状の部材52との大きさは特に限定しない。ここで装着者は一人であってもよく、複数人であってもよい。装着者が複数人である場合、環状の部材51と環状の部材52との大きさは複数人が入れるようにより大きくてもよい。
環状の部材51は内部に気道(管)を有するとともに、装着者の頭部よりも上に装着者を囲うように位置し、装着者の周りに空気を吹き出すことが可能な空気吹出口511を有する。空気吹出口511は、多数の開口列によって形成される。空気吹出口511は、環状の部材51の長軸に沿って下方(装着者の顔面の下方向)に配置される。環状の部材51の内部の気道(管)は部材54の空気吸入口542で取り込んだ空気を、制御ユニット20Aを介して空気吹出口511に供給する。図5において、部材51は略円形で示した。しかしながらこれに限定されず、部材51は、例えば、楕円形や多角形であってもよいし、線状であってもよい。
環状の部材52は内部に気道(管)を有するとともに、装着者の足元に位置し、空気を吸入することが可能な空気吸入口521を有する。空気吸入口521は図5に示すとおり、多数の開口列によって形成される。空気吸入口521は、環状の部材52の長軸に沿って上方(装着者の顔面の上方向)に配置される。空気吹出口511と空気吸入口521とは対向するように配置される。環状の部材52の内部の気道(管)は、空気吸入口521で吸入した空気を、制御ユニット20Bの排出口208から排出する。図5において、部材52は略円形で示した。しかしながらこれに限定されず、部材52は、例えば、楕円形や多角形であってもよいし、線状であってもよい。部材51および部材52は同じ形であることが好ましい。また、空気吸入口521を有する部材52はなくてもよい。
(層流によるシールドの内部)
空気吹出口511と空気吸入口521とで構成される円柱型の曲面(層流によるシールド)の内部は、部材54の空気吸入口542から取り込んだ空気で充満される。前述したとおり、人の頭部より高い位置の空間にある空気を空気吸入口542によって吸引することで新型コロナウイルスを取り込む可能性を著しく減らすことができる。本変形例において、空気吹出口511と空気吸入口521の間の空気の層流は、装着者の全身を覆うことができる。空気の層流があることで、たとえ手指がウイルスで汚染したとしても層流によるシールドによって内側の汚染は内側に、外側の汚染は外側に遮蔽することができる。
(本発明の一実施形態に係るシールドの変形例)
図6は本発明の一実施形態に係るシールドの変形例を示した図である。本発明の一変形例に係るシールド50は、環状の部材51と制御ユニット20Aと部材54、環状の部材52と制御ユニット20Bがそれぞれ別体である。図6の変形例に係るシールド60においては、筐体状の部材61と制御ユニット20A、筐体状の部材62と制御ユニット20Bがそれぞれ一体であること以外、一変形例に係るシールド50と同様であることから繰り返しの説明は省略する。筐体状の部材61及び部材62は、それぞれ独立して配置することが可能である。筐体状の部材61は、装着者の頭部よりも上に配置される。筐体状の部材62は、装着者の頭部よりも下に配置される。筐体状の部材61及び部材62は、互いに対向するように配置することでその間にエアシールドが形成される。本実施形態において筐体状の部材61及び部材62は直方体で示した。しかしながらこれに限定されず、部材61及び部材62の形状は特に限定しない。筐体状の部材61及び部材62は、立方体であってもよく、円柱であってもよい。
筐体状の部材61は、内部に制御ユニット20Aを有するとともに、装着者の頭部よりも上に位置し、空気を吹き出すことが可能な空気吹出口611を有する。空気吹出口611は、矩形の開口によって形成されるが、開口の形状は特に限定しない。空気吹出口611は、筐体状の部材61の長軸に沿って下方(装着者の顔面の下方向)に配置される。
本実施形態において制御ユニット20Aは、ファン201(加圧装置)を含む。ファン201は、筐体状の部材61の背面からから直接、空気を吸入する。しかしながらこれに限定されず、ファン201は、筐体状の部材61の側面から直接、空気を吸入してもよい。この場合、ファン201は、側面から取り込んだ空気の進行方向を変えられるものが好ましい。例えば、ファン201は、側面から取り込んだ空気を下向きに排出する羽根構造を有していてもよい。図においては3つのファン201を示した。しかしながらファン201の数はとく限定しない。また、制御ユニット20Aはさらに、空気吸入口を有する部材に接続されてもよい。この場合、空気吸入口は配管状に任意の場所に配置してもよい。空気吸入口は、例えば、室外に配置してもよい。吸入された空気は、部材61の空気吹出口611に直接供給され、加圧状態とする。ファン201では十分な加圧が行われない場合は、小型のタービンや小型のコンプレッサを用いてもよい。ファン、タービン、コンプレッサ等の数は特に限定しない。
図には示さないが、ファン201の前後には、必要に応じてフィルタ202や消毒装置210を挿入してもよい。フィルタ202は例えば目の粗いメッシュにより構成しホコリや粉塵等を捕獲するように構成してもよいし、さらに進んで、静電気によってウイルスを吸着する高圧メッシュや、抗菌、抗カビ、ウイルスの不活性化・除去作用のある活性炭フィルタなどを配置してもよい。消毒装置210は、微量の次亜塩素酸ナトリウムを含有する雰囲気に空気を通過させるもの、紫外線を照射するもの、静電気を利用するもの、マイナスイオン(陰イオン)を利用するもの等であってもよい。ファン201と空気吹出口611との間には、噴霧装置などを配置してもよい。噴霧装置などは、例えば、アロマなどの香料、ミスト、イオン、粒子を捕獲するような機能を有する物質などを噴霧してもよい。制御ユニット20Aにはさらに、ファン201の動作を制御する制御回路209及び制御回路209、ファン201に電力を供給する蓄電池206(例えば、リチウムイオン電池)が備えられている。筐体状の部材61は、装着者の頭部よりも上に配置され、装着者の頭部よりも上の空間より空気を取り込む。
シールド60は、さらに筐体状の部材62を含む。筐体状の部材61と筐体状の部材62は対向して配置される。筐体状の部材62は、内部に制御ユニット20Bを有するとともに、装着者の頭部よりも上に位置し、空気を吸入することが可能な空気吸入口621を有する。空気吸入口621は、矩形の開口によって形成されるが、開口の形状は特に限定しない。空気吸入口621は、筐体状の部材62の長軸に沿って上方(装着者の顔面の上方向)に配置される。
本実施形態において制御ユニット20Bは、ファン211(減圧装置)を含む。ファン211は、筐体状の部材62の空気吸入口621から直接、空気を吸入して減圧状態とする。吸入された空気は、部材62の背面から排気される。しかしながらこれに限定されず、空気吸入口621から吸入された空気は、チューブなどを介して室外に排出してもよい。ファン211では十分な加圧が行われない場合は、小型のタービンや小型のコンプレッサを用いてもよい。ファン、タービン、コンプレッサ等の数は特に限定しない。制御ユニット20Bにはさらに、ファン211の動作を制御する制御回路209及び制御回路209、ファン211に電力を供給する蓄電池206(例えば、リチウムイオン電池)が備えられている。筐体状の部材62は、床または他の部材に載置するという使い方が可能である。しかしながらこれに限定されず、筐体状の部材62の空気吸入口621とは反対側には、例えば、キャスターのような移動部材を有していてもよい。また、空気吸入口621を有する部材62はなくてもよい。
(層流によるシールドの内部)
空気吹出口611と空気吸入口621とで構成される平面(層流によるシールド)の内側は、部材61が取り込んだ空気で充満される。前述したとおり、人の頭部より高い位置の空間にある空気を吸引することで新型コロナウイルスを取り込む可能性を著しく減らすことができる。本変形例において、空気吹出口611と空気吸入口621の間の空気の層流は、装着者の全身を覆うことができる。空気の層流があることで、たとえ手指がウイルスで汚染したとしても層流によるシールドによって内側の汚染は内側に、外側の汚染は外側に遮蔽することができる。
本変形例に係るシールド60は複数を組み合わせて使用してもよい。この場合、装着者の周りを囲うように配置されてもよい。部材61および部材62が筐体状である場合、少なくとも3つのシールド60を組み合わせることで装着者の周りを囲うようにエアシールドを形成することができる。
本発明の一変形例に係るシールド60は、筐体状の部材61が装着者の頭部よりも上に、筐体状の部材62が装着者の頭部よりも下に配置される。しかしながらこれに限定されず、本変形例に係るシールド60においては、筐体状の部材62が装着者の頭部よりも上に、筐体状の部材61が装着者の頭部よりも下に配置されてもよい。
(本発明の一実施形態に係る空気吹出口および空気吸入口の変形例)
空気吹出口111、空気吸入口121、空気吹出口311、空気吸入口321、空気吹出口411、空気吸入口421、空気吹出口511、空気吸入口521は、長軸沿いに並ぶ多数の開口列を設ける例を説明した。さらに、空気吹出口111、空気吸入口121、空気吹出口311、空気吸入口321、空気吹出口411、空気吸入口421、空気吹出口511、空気吸入口521は、長軸方向(円周)に延在する1つまたは複数のスリットであってもよい。図7に本発明の一変形例に係る空気吹出口の形状を示す。図7は、図5の環状の部材51のA−A’断面図である。図7(A)において、部材51の断面(気道の断面)は円形である。空気吹出口511aは、環状の部材51の下端に長軸方向(円周方向)に延在し、連続する1つのスリットである。空気吹出口511aの開口は下方(装着者の顔面の下方向)にむけて配置される。空気吹出口511aがこのように構成されることによって、開口同士の間隙をなくすことができ、より確実な空気の層流によるシールドを形成することができる。
図7(B)において、部材51の断面(気道の断面)は、円形が下方(装着者の顔面の下方向)に延びている。部材51の断面(気道の断面)が下方に延びていることで、制御ユニット20Aから送られる空気圧の差を部材51内で緩和することができる。空気吹出口511bは、環状の部材51の内側上部に長軸方向(円周方向)に延在し、連続する1つのスリットである。空気吹出口511bは、部材51の内側壁上部51aが内側壁下部51bに被さるように構成される。したがって空気吹出口511bは、内側壁上部51aと内側壁下部51bとに挟まれた隙間を介して下方(装着者の顔面の下方向)にむけて配置される。空気吹出口511bがこのように構成されることによって、空気吹出口511bから吹出す空気の分散を抑制することができる。空気吹出口511bから吹出す空気は、環状の部材51の内側壁下部51bに沿って延長する下方に向かって層流によるシールドを形成することができる。
空気吹出口511bの幅(内側壁上部51aと内側壁下部51bとに挟まれた隙間)は、約1.3mmであることが好ましい。このように狭い空気吹出口511bから高速で空気を送り出すことで、層流によるシールドはコアンダ効果によってさらに周囲の空気の対流を生み出す。このようにして巻き込まれた周囲の空気は、部材51の環の内側に上方から下方に向けて流れ込む。すなわち、層流によるシールドの内側には部材51の上方の空気が下方に向けて流れ込む。しかしながらこれに限定されず、例えば部材51の環の内側に膜を張って空気の対流を制限することもできる。
本発明は上記の実施形態および変形例に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、各実施形態および変形例は適宜組み合わせることが可能である。
10、30、40、50、60、70 シールド、11、12、14、31、32、34、41、42、44、51、52、54、61、62、71、72 部材、15、16、35、36、45 チューブ、20 制御ユニット、55 ポール、111、311、411、511、611、711 空気吹出口、112 膜、121、142、321、342、421、442、521、621、721 空気吸入口、201、211 ファン、202、205 フィルタ、203 排気口、204、207 吸入口、206 蓄電池、208 排出口、209 制御回路、210 消毒装置

Claims (12)

  1. 装着者の頭部よりも上の空間より空気を取り込む第1の空気吸入口を有する第1の部材と、
    前記装着者の頭部よりも上に位置し空気を吹き出すことが可能な第1の空気吹出口を有するとともに前記第1の空気吸入口で取り込んだ空気を前記第1の空気吹出口に供給する第1の気道を有する第2の部材と、
    前記装着者の胸部より下方に位置し空気を吸入することが可能な第2の空気吸入口を有するとともに前記第2の空気吸入口で吸入した空気を排出する第2の気道を有する第3の部材と、
    を有し、
    前記第1の空気吹出口と前記第2の空気吸入口とを結んだ面が少なくとも前記装着者の上半身を覆うことができるように構成したことを特徴とするシールド。
  2. 請求項1記載のシールドにおいて、
    前記第1の空気吹出口と前記第2の空気吸入口との距離が調整可能であり、第1の装着状態では前記第2の空気吸入口は前記装着者の胸部よりも下の位置にあって前記第1の空気吹出口と前記第2の空気吸入口とを結んだ面は前記装着者の上半身を覆い、第2の装着状態では前記第2の空気吸入口は前記装着者の足元の位置にあって前記第1の空気吹出口と前記第2の空気吸入口とを結んだ面は前記装着者の全身を覆うことを特徴とするシールド。
  3. 請求項1記載のシールドにおいて、さらに、前記第1の空気吸入口で取り込んだ空気を前記第1の気道に向けて加圧して供給する加圧手段と、前記第2の気道を減圧して前記第2の空気吸入口で取り込んだ空気を排出する減圧手段と、を有することを特徴とするシールド。
  4. 請求項1記載のシールドにおいて、前記第2の部材と前記第3の部材とは環状であり、それぞれ前記装着者を囲うように配置され、前記第1の空気吹出口と前記第2の空気吸入口とを結んだ面が少なくとも前記装着者の上半身を囲うことを特徴とするシールド。
  5. 請求項4記載のシールドにおいて、さらに、前記第2の部材に形成され空気の移動を制限する膜部材を有することを特徴とするシールド。
  6. 請求項1記載のシールドにおいて、さらに、前記第1の部材及び前記第2の部材を移動する第1の移動部材、及び前記第3の部材を移動する第2の移動部材を有することを特徴とするシールド。
  7. 請求項3記載のシールドにおいて、さらに、前記加圧手段及び前記減圧手段を収納するケースを有することを特徴とするシールド。
  8. 請求項3記載のシールドにおいて、さらに、前記加圧手段は動作を制御可能であり、前記加圧手段が動作中であることを示す表示手段を有することを特徴とするシールド。
  9. 請求項3記載のシールドにおいて、さらに、前記加圧手段は前記第1の空気吹出口から吹き出される空気の流速を調整可能であり、前記第1の空気吹出口から吹き出される空気の流速に応じてその状態を表示する表示手段を有することを特徴とするシールド。
  10. 請求項4記載のシールドにおいて、前記第1の空気吹出口は前記第2の部材の長軸方向に配置されることを特徴とするシールド。
  11. 請求項10記載のシールドにおいて、前記第2の空気吸入口は前記第3の部材の長軸方向に配置されることを特徴とするシールド。
  12. 請求項10又は11記載のシールドにおいて、前記第1の空気吹出口と前記第2の空気吸入口とはそれぞれ連続したスリットであることを特徴とするシールド。
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