JP2021178983A - 内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法 - Google Patents

内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】残存する粉末が好適に除去された内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法の提供。【解決手段】外部と連通する内部空間を有して成る三次元形状造形物を製造する方法であって、(i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射して該所定箇所の粉末19を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、該新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程により粉末層および固化層を交互に繰り返して積層させることで、前記光ビームの非照射領域10を有して成る三次元形状造形物の前駆体200を形成し、前記内部空間を、前記光ビームの前記非照射領域に位置する前記粉末を除去することで形成し、前記非照射領域の形成途中段階で、該形成途中段階の該非照射領域に位置する該粉末の量を低減させる、内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法に関する。
光ビームを粉末材料に照射することを通じて三次元形状造形物を製造する方法(一般的には「粉末床溶融結合法」と称される)は、従来より知られている。かかる方法は、以下の工程(i)および(ii)に基づいて粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返し実施して三次元形状造形物を製造する。
(i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射し、かかる所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程。
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、同様に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程。
このような製造技術に従えば、複雑な三次元形状造形物を短時間で製造することが可能となる。粉末材料として無機質の金属粉末を用いる場合、得られる三次元形状造形物を例えば金型として使用することができる。一方、粉末材料として有機質の樹脂粉末を用いる場合、得られる三次元形状造形物を各種モデルとして使用することができる。
粉末材料として金属粉末を用い、それによって得られる三次元形状造形物を金型として使用する場合を例にとる。図6に示すように、まず、スキージング・ブレード23を動かして造形プレート21上に所定厚みの粉末層22を形成する(図6(a)参照)。次いで、粉末層22の所定箇所に光ビームLを照射して粉末層22から固化層24を形成する(図6(b)参照)。引き続いて、得られた固化層の上に新たな粉末層を形成して再度光ビームを照射して新たな固化層を形成する。このようにして粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返し実施すると固化層24が積層することになり(図6(c)参照)、最終的には積層化した固化層24から成る三次元形状造形物を得ることができる。最下層として形成される固化層24は造形プレート21と結合した状態になるので、三次元形状造形物と造形プレート21とは一体化物を成すことになり、その一体化物を金型として使用できる。
特開2016−175202号公報 特開2017−78214号公報
上記の粉末床溶融結合法に従えば、三次元形状造形物100’として、内部空間50’を有して成るものを製造することが可能である。当該内部空間50’を有して成る三次元形状造形物100’は以下の手順を経て製造することが可能である。
具体的には、粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返して固化層を積層化させていく途中段階で、粉末層の局所領域に対して光ビームを照射しないことで非照射領域10’を形成する。当該非照射領域10’では、固化層を構成しない粉末19’、即ち粉末層の一部を成す粉末19’が光ビーム照射後に残存する。そして、非照射領域10’の形成完了後に、残存する粉末19’を三次元形状造形物の前駆体200’の非照射領域10’から除去することによって、最終的に内部空間50’を有して成る三次元形状造形物100’が製造され得る(図9参照)。
ここで、本願発明者らは、内部空間50’を有して成る三次元造形物100’を製造する場合において、以下の技術的問題が生じ得ることを新たに見出した。
上述のように、非照射領域10’では、粉末層の一部を成す粉末19’が光ビーム照射後に残存する。当該残存する粉末19’は非照射領域10’内にて充填された状態となり得る。具体的には、当該残存する粉末19’は非照射領域10’内にて比較的かさ密度が高く、押し固められた状態となり得る。そのため、後刻の非照射領域10’の形成完了後に残存する粉末19’の除去時において、充填状態であることに起因して非照射領域10’から残存する粉末19’を好適に除去することが容易ではない問題が生じ得る。特に、かかる問題は、非照射領域10’が枝分かれ(分岐)形態を有する場合にその形態に起因して生じ得る。具体的には、非照射領域10’に溶媒(水等)を流して非照射領域10’から外部へと粉末19’を排出する場合にて、非照射領域10’のうち略一方向に延在する形態を有する部分(非分岐部分)にはその形態に起因して溶媒(水等)を流し易い。その一方で、非照射領域10’のうちの枝分かれ部分(分岐部分)にはその形態に起因して溶媒(水等)を流し難い。そのため、全体として、形成完了後の非照射領域10’から残存する粉末19’を好適に除去することが容易ではないことにつながる。その結果として、残存する粉末19’に起因して、内部空間50’を例えば冷却媒体等を流すための冷却媒体路として用いる場合に、所定量の冷却媒体を好適に流すことができない虞がある。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものである。すなわち、本発明の目的は、残存する粉末が好適に除去された内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
外部と連通する内部空間を有して成る三次元形状造形物を製造する方法であって、
(i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射して該所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、該新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程
により粉末層および固化層を交互に繰り返して積層させることで、前記光ビームの非照射領域を有して成る前記三次元形状造形物の前駆体を形成し、
前記内部空間を、前記光ビームの前記非照射領域に位置する前記粉末を除去することで形成し、
前記非照射領域の形成途中段階で、該形成途中段階の該非照射領域に位置する該粉末の量を低減させる、内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に従えば、残存する粉末が好適に除去された内部空間を有して成る三次元形状造形物を製造することが可能である。
本発明の技術的思想を模式的に示した斜視図 一実施形態に係る非照射領域を有して成る三次元形状造形物の前駆体の製造フローの模式図 一実施形態に係る非照射領域を有して成る三次元形状造形物の前駆体の製造フローの模式図 一実施形態に係る非照射領域を有して成る三次元形状造形物の前駆体の製造フローの模式図 一実施形態に係る非照射領域を有して成る三次元形状造形物の前駆体の製造フローの模式図 一実施形態に係る非照射領域を有して成る三次元形状造形物の前駆体の製造フローの模式図 一実施形態に係る内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造フローの模式図 異種材が直近に形成した固化層上に位置し得る状態を模式的に示した斜視図 粉末床溶融結合法が実施される光造形複合加工のプロセス態様を模式的に示した断面図(図6(a):粉末層形成時、図6(b):固化層形成時、図6(c):積層途中) 光造形複合加工機の構成を模式的に示した斜視図 光造形複合加工機の一般的な動作を示すフローチャート 本願の技術的課題を示した模式図
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態をより詳細に説明する。図面における各種要素の形態および寸法は、あくまでも例示にすぎず、実際の形態および寸法を反映するものではない。
本明細書において「粉末層」とは、例えば「金属粉末から成る金属粉末層」または「樹脂粉末から成る樹脂粉末層」を意味している。また「粉末層の所定箇所」とは、製造される三次元形状造形物の領域を実質的に指している。従って、かかる所定箇所に存在する粉末に対して光ビームを照射することによって、その粉末が焼結又は溶融固化して三次元形状造形物を構成することになる。更に「固化層」とは、粉末層が金属粉末層である場合には「焼結層」を意味し、粉末層が樹脂粉末層である場合には「硬化層」を意味している。
また、本明細書で直接的または間接的に説明される“上下”の方向は、例えば造形プレートと三次元形状造形物との位置関係に基づく方向であって、造形プレートを基準にして三次元形状造形物が製造される側を「上方向」とし、その反対側を「下方向」とする。
[粉末床溶融結合法]
まず、本発明の製造方法の前提となる粉末床溶融結合法について説明する。特に粉末床溶融結合法において三次元形状造形物の切削処理を付加的に行う光造形複合加工を例として挙げる。図6は、光造形複合加工のプロセス態様を模式的に示しており、図7および図8は、粉末床溶融結合法と切削処理とを実施できる光造形複合加工機の主たる構成および動作のフローチャートをそれぞれ示している。
光造形複合加工機1は、図7に示すように、粉末層形成手段2、光ビーム照射手段3および切削手段4を備えている。
粉末層形成手段2は、金属粉末または樹脂粉末などの粉末を所定厚みで敷くことによって粉末層を形成するための手段である。光ビーム照射手段3は、粉末層の所定箇所に光ビームLを照射するための手段である。切削手段4は、積層化した固化層の表面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るための手段である。
粉末層形成手段2は、図6に示すように、粉末テーブル25、スキージング・ブレード23、造形テーブル20および造形プレート21を主に有して成る。粉末テーブル25は、外周が壁26で囲まれた粉末材料タンク28内にて上下に昇降できるテーブルである。スキージング・ブレード23は、粉末テーブル25上の粉末19を造形テーブル20上へと供して粉末層22を得るべく水平方向に移動できるブレードである。造形テーブル20は、外周が壁27で囲まれた造形タンク29内にて上下に昇降できるテーブルである。そして、造形プレート21は、造形テーブル20上に配され、三次元形状造形物の土台となるプレートである。
光ビーム照射手段3は、図7に示すように、光ビーム発振器30およびガルバノミラー31を主に有して成る。光ビーム発振器30は、光ビームLを発する機器である。ガルバノミラー31は、発せられた光ビームLを粉末層22にスキャニングする手段、すなわち、光ビームLの走査手段である。
切削手段4は、図7に示すように、エンドミル40および駆動機構41を主に有して成る。エンドミル40は、積層化した固化層の表面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るための切削工具である。駆動機構41は、エンドミル40を所望の切削すべき箇所へと移動させる手段である。
光造形複合加工機1の動作について詳述する。光造形複合加工機1の動作は、図8のフローチャートに示すように、粉末層形成ステップ(S1)、固化層形成ステップ(S2)および切削ステップ(S3)から構成されている。粉末層形成ステップ(S1)は、粉末層22を形成するためのステップである。かかる粉末層形成ステップ(S1)では、まず造形テーブル20をΔt下げ(S11)、造形プレート21の上面と造形タンク29の上端面とのレベル差がΔtとなるようにする。次いで、粉末テーブル25をΔt上げた後、図6(a)に示すようにスキージング・ブレード23を粉末材料タンク28から造形タンク29に向かって水平方向に移動させる。これによって、粉末テーブル25に配されていた粉末19を造形プレート21上へと移送させることができ(S12)、粉末層22の形成が行われる(S13)。粉末層22を形成するための粉末材料としては、例えば「平均粒径5μm〜100μm程度の金属粉末」および「平均粒径30μm〜100μm程度のナイロン、ポリプロピレンまたはABS等の樹脂粉末」を挙げることができる。粉末層22が形成されたら、固化層形成ステップ(S2)へと移行する。固化層形成ステップ(S2)は、光ビーム照射によって固化層24を形成するステップである。かかる固化層形成ステップ(S2)においては、光ビーム発振器30から光ビームLを発し(S21)、ガルバノミラー31によって粉末層22上の所定箇所へと光ビームLをスキャニングする(S22)。これによって、粉末層22の所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させ、図6(b)に示すように固化層24を形成する(S23)。光ビームLとしては、炭酸ガスレーザ、Nd:YAGレーザ、ファイバレーザまたは紫外線などを用いてよい。
粉末層形成ステップ(S1)および固化層形成ステップ(S2)は、交互に繰り返して実施する。これにより、図6(c)に示すように複数の固化層24が積層化する。
積層化した固化層24が所定厚みに達すると(S24)、切削ステップ(S3)へと移行する。切削ステップ(S3)は、積層化した固化層24の表面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るためのステップである。エンドミル40(図6(c)および図7参照)を駆動させることによって切削ステップが開始される(S31)。例えば、エンドミル40が3mmの有効刃長さを有する場合、三次元形状造形物の高さ方向に沿って3mmの切削処理を行うことができるので、Δtが0.05mmであれば60層分の固化層24が積層した時点でエンドミル40を駆動させる。具体的には駆動機構41によってエンドミル40を移動させながら、積層化した固化層24の表面を切削処理に付すことになる(S32)。このような切削ステップ(S3)の最終では、所望の三次元形状造形物が得られているか否かを判断する(S33)。所望の三次元形状造形物が依然得られていない場合では、粉末層形成ステップ(S1)へと戻る。以降、粉末層形成ステップ(S1)〜切削ステップ(S3)を繰り返し実施して更なる固化層の積層化および切削処理を実施することによって、最終的に所望の三次元形状造形物が得られる。
[本発明の製造方法]
本発明の一実施形態は、上記の粉末床溶融結合法に従い、内部空間を有して成る三次元形状造形物を製造するための方法に関する。
上述のように、内部空間を有して成る三次元形状造形物は主として以下の工程を経て形成され得る。具体的には、粉末床溶融結合法に従い、まず、粉末層の形成と固化層の形成とを交互に繰り返して固化層を積層化させていく途中段階で、粉末層の局所領域に対して光ビームを照射しないことで非照射領域を形成する。そして、当該非照射領域の形成完了後に、残存し得る残存する粉末を三次元形状造形物の前駆体の非照射領域から除去することによって、最終的に内部空間を有して成る三次元形状造形物を製造することが可能である。
(本発明の技術的思想)
本願発明者らは、「残存する粉末19’が非照射領域10’内に充填されていることに起因して、非照射領域10’から残存する粉末19’を好適に除去することが容易ではない」という問題を好適に解消するために鋭意検討した(図9参照)。その結果、本願発明者らは、非照射領域の形成完了後に当該非照射領域に位置する粉末を除去して内部空間を形成するに先立ち、非照射領域の形成途中段階にて新たなプロセスを導入することを案出した。
具体的には、本願発明者らは、「形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末19の量を低減させる」という技術的思想を有する本発明を案出するに至った(図1参照)。
本発明の技術的思想に従えば、非照射領域10の形成途中段階にて、当該非照射領域10に位置する粉末19の量を低減させる。そのため、これに起因して、形成完了後における非照射領域10における粉末19のかさ密度を、当該非照射領域10に粉末19が充填される場合と比べて相対的に小さくすることが可能となる。これにより、形成完了後の非照射領域10内における残存する粉末19の充填を好適に抑制することが可能となる。かかる残存する粉末19の充填抑制により、非照射領域10に粉末19が充填される(即ち非照射領域10に粉末19が満たされる/敷き詰められる)場合と比べて、粉末19に流動性を付与し易くなる。これにより、形成完了後の非照射領域10から残存する粉末19の除去を容易に行うことが可能となる。それ故、これに起因して、残存する粉末19が好適に除去された内部空間を有して成る三次元形状造形物を製造することが可能である。
具体的には、本発明の技術的思想に従えば、上述のように、非照射領域10に粉末19が充填される場合と比べて、粉末19に流動性を付与し易いため、これに起因して、造形物を形成する過程で、非照射領域10に溶媒(水等)を流して非照射領域10から外部へと粉末19を排出し易い。その結果、複雑な構造を有する内部空間を好適に形成することが可能となる。例えば、得られる内部空間として、断面視で異なる幅寸法を有する凹凸構造を有するものを形成する場合であっても、本発明の技術的思想に従えば、残存する粉末19を排出し易い。その結果、所望の凹凸構造を有する内部空間を好適に形成することが可能となる。従って、内部空間が凹凸構造を有する場合であっても、冷却媒体等を流すための冷却媒体路として当該内部空間を好適に用いることができる。
特に、本発明は下記構造の内部空間を有する造形物を製造する場合にも、好適に対応できる点で有利である。具体的には、枝分かれ(分岐)構造を有する内部空間を有する造形物を形成する場合、非照射領域10に溶媒(水等)を流して非照射領域10から外部へと粉末19を排出する際、枝分かれ部分(分岐部分)に溶媒を流しにくい問題が生じ得る。この点につき、本発明の技術的思想に従えば、得られる内部空間として枝分かれ(分岐)構造を有するものを形成する場合であっても、非照射領域10に粉末19が充填される場合と比べて粉末19に流動性を付与し易いため、残存する粉末19を排出し易い。その結果、所望の枝分かれ(分岐)構造を有する内部空間を好適に形成することが可能となる。従って、内部空間が枝分かれ(分岐)構造を有する場合であっても、冷却媒体等を流すための冷却媒体路として当該内部空間を好適に用いることができる。それ故、所定量の冷却媒体を得られる内部空間に好適に流すことが可能となる。
以下、本発明の技術的思想(非照射領域10の形成途中段階にて、非照射領域10に位置する粉末19の量を低減させる)を実施するための具体的態様について説明する。
一態様では、後刻の新たな粉末層22を形成するに先立って、形成途中段階の非照射領域10における少なくとも一部の粉末19を除去し、当該粉末19の除去した部分に粉末19とは異なる種類の材料を含んで成る異種材70を供給することが好ましい。なお、当該異種材70は、下記で述べるが、後刻の非照射領域10から外部空間への排出/取出し時点において流動性を有することが可能となっていることが好ましい(図2A参照)。
即ち、本態様は、形成途中段階(三次元形状造形物の前駆体200の製造段階)の非照射領域10にて少なくとも一部の粉末19を除去し、除去した少なくとも一部の粉末19を異種材70に置き換えることを特徴とする。
かかる置き換えにより、形成途中段階の非照射領域10に、残存する粉末19と異種材70との共存状態を実現することができる。特に、形成途中段階の非照射領域10にて粉末19を全て除去する場合、当該非照射領域10に異種材70のみを位置付けることが可能となる。これにより、本態様では、形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末19の量を低減させることができる。その結果、形成完了後の非照射領域10における粉末19のかさ密度を、当該非照射領域10に粉末19が充填される場合と比べて相対的に小さくすることが可能となる。従って、非照射領域10に粉末19が充填される(即ち非照射領域10に粉末19が満たされる/敷き詰められる)場合と比べて、粉末19に流動性を付与し易くなる。その結果、形成完了後の非照射領域10から残存する粉末19を好適に除去することが容易となる。
それ故、(1)残存する粉末19が好適に除去された内部空間を有して成る三次元形状造形物を好適に製造することが可能となる。又、(2)残存する粉末19を容易に除去可能であることにより、既述のように複雑な構造を有する内部空間を好適に形成することが可能となる。更に、本態様では、上述のように、形成途中段階の非照射領域10から除去した少なくとも一部の粉末19を異種材70に置き換える。そのため、異種材70がサポート材(支持材)として好適に機能することができる。これにより、(3)異種材70がサポート材(支持材)として好適に機能することで、アンダーカット形状を有して成る非照射領域10(後刻に内部空間となるもの)を好適に形成することが可能となり得る。
以下、本態様についてより具体的に説明する(図2A参照)。
(1)形成途中の非照射領域10を有して成る造形物前駆体200の製造工程(図2A(a)参照)
まず、粉末床溶融結合法に従い、粉末層の形成と固化層24の形成とを交互に繰り返して固化層24を積層化させていく途中段階で、粉末層の局所領域に対して光ビームを照射しないことで、形成途中の非照射領域10を有して成る造形物の前駆体200を製造する。
(b)形成途中の非照射領域10に位置する少なくとも一部の粉末19の除去工程(図2A(b)参照)
形成途中の非照射領域10を有して成る造形物の前駆体200を製造した後、形成途中の非照射領域10に位置する少なくとも一部の粉末19を除去する。当該粉末19の除去方法としては、特に限定されるものではないが、吸引部(例えばノズル型の吸引部60A)を用いた粉末19の吸引により実施してよい。例えば、吸引部60Aの先端を形成途中の非照射領域10に位置する粉末19に近づけて当該粉末を吸引する。なお、本工程では、一部の粉末19を除去すればよく、好ましくは図2A(b)に示すように全ての粉末19を除去する。
形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末19の除去については、CAM(コンピュータ支援製造 (computer aided manufacturing))システムを用いて、例えば上記の吸引部を駆動させる経路を予め決定した上で実施することが好ましい。これにより、経路が予め決定されていることに起因して、形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末19の除去効率/除去速度を向上させることが可能となる。
形成途中の非照射領域10に位置する少なくとも一部の粉末19を除去すると、これに起因して形成途中の非照射領域10内の粉末19の量を除去前と比べて低減することができる。これにより、形成途中の非照射領域10に粉末19が非存在の空間領域(粉末19の除去部分に相当)を形成することができる。形成途中の非照射領域10に位置する粉末19を一部除去する場合には、形成途中の非照射領域10に粉末19が一部非存在の空間領域を形成することができる。一方、形成途中の非照射領域10に位置する粉末19を全て除去する場合には、形成途中の非照射領域10に粉末19が完全非存在の空間領域を形成することができる(図2A(b)参照)。
(c)粉末19を除去した部分に異種材70を供給する工程(図2A(c)参照)
形成途中の非照射領域10の少なくとも一部の粉末19の除去後、粉末19を除去した部分に異種材70を供給する。当該異種材70の供給は、異種材70の供給部80を用いて実施してよい。具体的には、形成途中の非照射領域10に供給部80の先端を近づけて、粉末19を除去した部分(空間領域に相当)を埋めるように異種材70を供給してよい。形成途中の非照射領域10の全ての粉末19を除去する場合、粉末19が非存在の空間領域を埋めるように異種材70を供給してよい(図2A(c)参照)。なお、異種材70の供給量については、CAD(コンピュータ支援設計 (computer aided design))システムを用いて、最終的に得られる三次元形状造形物の内部空間の形状、大きさ等の情報から予め決定することが好ましい。具体的には、内部空間を得るための非照射領域10の形成途中段階の形状、大きさ等の情報から予め決定することが好ましい。これにより、異種材70の供給量が予め決定されていることに起因して、供給量の過剰供給および/又は供給量の不足といった問題の発生を好適に回避することができる。
又、上述のように、異種材70は後刻の非照射領域10から外部空間への排出/取出し時点において流動性を有し得ることが好ましい。本明細書でいう「異種材70が後刻の非照射領域10から外部空間への排出/取出し時点において流動性を有することが可能となっている」とは、後刻の非照射領域10からの異種材70の排出/取出し時点において外部空間へと流出可能な状態に変化し得ることを指す。異種材70が流動性を有すると、これに起因して、非照射領域10の形成完了後(すなわち造形物の前駆体200の製造完了後)に異種材70(および粉末19)を除去する際に非照射領域10から異種材70を外部へと好適に排出し易くすることが可能となる。
異種材70としては、特に限定されるものではないが、可溶性材料および融解性材料の少なくとも一方から選択されることが好ましい。本明細書でいう「可溶性材料」とは、溶媒(水等)に溶けることが可能な性質を有するものを指す。本明細書でいう「融解性材料」とは、加熱処理にて自ら溶けることが可能な性質を有し、かつその融点が粉末の融点よりも低く三次元形状造形物の製造のための作業雰囲気の温度よりも高いものを指す。特に限定されるものではないが、融解性材料は、加熱炉内又はホットプレート上における加熱処理により自ら溶けることが可能な性質を有するものを指す。融解性材料の融点としては、特に限定されるものではないが、約50℃〜約200℃、例えば約60℃の加熱処理にて溶けることが可能な性質を有するものであってよい。
可溶性材料としては、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の少なくとも一方が選択されてよい。アルカリ金属塩としては、特に限定されるものではないが、溶媒(水等)にて塩化物イオン(アニオン)とアルカリ金属イオン(カチオン)とに電離し易く、それによって水に対して溶解性が高いものが好ましい。アルカリ金属として、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびフランシウムから成る群から少なくとも1種選択されてよい。一例として、アルカリ金属塩として塩化ナトリウム(即ち“塩”)が選択されてよい。同様に、アルカリ土類金属塩としては、特に限定されるものではないが、溶媒(水等)にて塩化物イオン(アニオン)とアルカリ土類金属イオン(カチオン)とに電離し易く、それによって水に対して溶解性が高いものが好ましい。アルカリ土類金属として、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、およびラジウムから成る群から少なくとも1種選択されてよい。なお、アルカリ土類金属に含まれない2族金属元素であるベリリウム、マグネシウムを含む金属塩も可溶性材料として用いてもよい。
なお、上記の可溶性材料は溶媒に溶けることが可能な性質を有するものであるならば、可溶性材料と溶媒との組み合わせとしては、電離し易い性質を有する電解質材と水との組合せに限定されるものではなく、下記態様が採られてよい。一例としては、極性が大きい性質を有するものと極性が大きい極性溶媒(水以外)との組合せであってよい。水以外の極性が大きい極性溶媒の例としては、特に限定されるものではないが、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、エタノール、メタノール等から成る群から選択される少なくとも1種であってよい。極性が大きい性質を有するものとしては、特に限定されるものではないが、シリカゲル等が選択されてよい。一方、別例としては、非極性の性質を有するものと非極性溶媒との組合せであってよい。非極性溶媒の例としては、特に限定されるものではないが、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル等から成る群から選択される少なくとも1種であってよい。非極性の性質を有するものとしては、特に限定されるものではないが、ナフタレン等が選択されてよい。
融解性材料としては、熱可塑性材およびワックスエステルの少なくとも一方から選択されてよい。熱可塑性材としては、加熱すると軟化する性質を有するものが選択されてよい。熱可塑性材としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、ナイロン,フッ素樹脂、ポリカーボネート、およびポリエステル樹脂等から成る群から選択される少なくとも1種であってよい。ワックスエステルとしては、常温において固体であり水に溶けず、加熱時に軟性を有する性質を有するものが選択されてよい。ワックスエステルは、高級脂肪酸と一価または二価の高級アルコールとのエステルであり、例えばロウであってよい。
(d)形成途中の非照射領域10(異種材70を供給した部分)および直近に形成した固化層24上に新たな粉末層22を形成する工程(図2A(d)参照)
粉末19を除去した部分(空間領域)に異種材70を供給した後、スキージング・ブレード23を略水平方向に移動させて、形成途中の非照射領域10(異種材70を供給した部分)および直近に形成した固化層24を覆うように新たな粉末層22を形成する。
(e)新たな固化層を形成する工程(図2A(e)参照)
新たな粉末層22を形成した後、光ビームLを当該新たな粉末層22の所定箇所に照射して、新たな固化層24を形成する。この時、最終的に形成する内部空間に対応する部分には光ビームLを照射せずに、非照射領域10を更に形成する。
非照射領域10を更に形成すると、当該領域には粉末19が含まれる。そのため、以降同様に、例えば積層方向に沿って複数層の固化層を形成した後、上記の新たな粉末層22を形成するに先立ち、上記の「少なくとも一部の粉末19の除去工程」とこれに続く「異種材70の供給工程」とを適宜採り入れることが好ましい。形成途中の非照射領域10に位置する少なくとも一部の粉末19を除去すると、これに起因して形成途中の非照射領域10内に除去前と比べて空間領域を形成することができる。これにより、形成途中の非照射領域10の粉末19を除去した部分(空間領域に相当)を埋めるように異種材70を供給することが可能と成る。それ故、異種材70が流動性を有し得ることに起因して、後刻に非照射領域10の形成を完了した後に、異種材70(および粉末19)を除去する際に非照射領域10から異種材70を外部へと好適に排出し易くすることが可能となる。
以下、積層方向に沿って複数層の固化層24を形成した後、新たな粉末層22を形成するに先立ち、「形成途中段階の非照射領域10内の粉末19を“全て”除去する工程」とこれに続く「異種材70の供給工程」とを遂次行うことを前提として説明する。なお、図面(図3)では、形成途中段階の非照射領域10内の粉末19を“全て”除去する工程を省略するが、「異種材70の供給工程」前に「形成途中段階の非照射領域10内の粉末19を“全て”除去する工程」を遂次行っているものとする。この場合、三次元形状造形物の前駆体200の製造が進行するに伴い、内部に異種材70のみを有する非照射領域10を形成することが可能と成る(図3(f)〜(h))。そして、粉末床溶融結合法に従い、非照射領域10の形成が完了すると、「形成途中段階の非照射領域10内の粉末19を“全て”除去する工程」とこれに続く「異種材70の供給工程」とを遂次行うことを終了させる。そして、非照射領域10の形成完了後、粉末層の形成と固化層の形成とを繰り返して行って、最終的に所望形状を有する三次元形状造形物の前駆体200の製造を完了させる(図3(i))。なお、本明細書でいう「非照射領域10の形成完了状態」とは、平面視で非照射領域10内の粉末19の露出状態がなくなった状態、即ち断面視で非照射領域の輪郭が全て連続する状態を指す。
なお、上記の図2Aおよび図3に示す態様(および後述する図2B〜図2Dに示す態様)は、形成途中段階の非照射領域10内の粉末19の除去を少なくとも2回実施し、かつ非照射領域10内の粉末19を異種材に全て置き換えることを示している。しかしながら、これら態様はあくまでも例示にすぎない。本発明の技術的思想(形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末19の量を低減させる)に従うならば、これら態様に限定されるものではない。一例を挙げると、非照射領域10の形成が完了するまでに、形成途中段階の非照射領域10内の粉末19の“一部除去”を“1回のみ”実施してよい。この場合においても、形成途中段階の非照射領域10内の粉末19が若干程度除去されることに起因して、形成完了時に非照射領域10内に粉末19が充填される場合と比べて、形成完了時における非照射領域10内の粉末19の量を好適に減じることができる。これにより、粉末19に流動性を付与し易くなり、形成完了後の非照射領域10から残存する粉末19の除去を容易に行うことが可能となる。
又、三次元形状造形物の前駆体200の表面を切削する工程を含む場合、当該切削工程と同じタイミングで、形成途中の非照射領域10に位置する少なくとも一部の粉末19の除去が行われることが好ましい。これにより、切削工程と同じタイミングで当該除去が実施されることに起因して、造形物の製造効率の向上、および造形物の製造時間短縮を図ることが可能となる。なお、当該態様は、「造形物の前駆体200の表面切削工程」と「形成途中の非照射領域10に位置する粉末19の除去工程」とを同タイミングで実施することを特徴とする。しかしながら、当該態様は、「造形物の前駆体200の表面切削工程」を実施するごとに「形成途中の非照射領域10に位置する粉末19の除去工程」を同タイミングで実施することを必須とするものではない。つまり、本発明の技術的思想(形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末19の量を低減させる)に従うならば、当該態様に限定されるものではない。一例を挙げると、「造形物の前駆体200の表面切削工程」を複数回実施する場合、複数回実施する切削工程のうちのいずれかのタイミングにおける切削工程にて、「形成途中の非照射領域10に位置する粉末19の除去工程」を実施してよい。
最後に、造形プレート21と造形物の前駆体200との一体化物を造形テーブルから外して、形成完了した非照射領域10内の異種材70(および異種材70を一部供給の場合には残存する粉末も併せて)を当該非照射領域10から排出する/取出す(図4参照)。
上述のように、異種材70は後刻の非照射領域10から外部空間への排出/取出し時点において流動性を有し得る。そのため、これに起因して、造形物の前駆体200の製造完了後に異種材70(および異種材70を一部供給の場合には残存する粉末も併せて)を除去する際に、非照射領域10から異種材70を外部へと好適に排出し易くすることが可能となる。
排出/取出し方法としては、特に限定されるものではないが下記態様が挙げられる。一態様では、異種材70として可溶性材料を用いる際には、非照射領域10の形成完了後に、水等の溶媒に可溶性材料を溶解させる。かかる溶解態様としては、一例として、造形物の前駆体を水等の溶媒に浸すことが挙げられる。別例として、溶媒供給部90を用いて、造形物の前駆体200の側面に露出する非照射領域10に水等の溶媒を吹き付けることが挙げられる。かかる含浸又は吹き付けにより、可溶性材料が水等の溶媒に溶解することができる性質を有することに起因して、造形プレート21と造形物の前駆体200との一体化物を回転部300上で回転させることで非照射領域10から異種材70(および異種材70を一部供給の場合には残存する粉末も併せて)を外部へと好適に排出することができる。それ故、残存する粉末が好適に除去された内部空間を有して成る三次元形状造形物を製造することが可能である。
別態様では、異種材70として融解性材料を用いる際には、非照射領域10の形成完了後に、造形物の前駆体200を密閉チャンバー内にて加熱処理に付す。かかる加熱処理により、異種材70としての融解性材料が加熱時に自ら溶けることが可能な性質を有することに起因して、造形プレート21と造形物の前駆体200との一体化物を回転部300上で回転させることで非照射領域10から異種材70(および異種材70を一部供給の場合には残存する粉末も併せて)を外部へと好適に排出することができる。それ故、残存する粉末が好適に除去された内部空間を有して成る三次元形状造形物100(図2A参照)を製造することが可能である。
以下、本発明の一実施形態に係る好ましい態様について説明する。なお、上記で既述した内容と重複する部分については、記載の重複を回避するため説明を省略又は簡略化する。
本発明の一実施形態に係る好ましい態様を説明するに先立って、本願発明者らが見出した事項を予め述べておく。本願発明者らは、「形成途中の非照射領域10の粉末19を除去した部分に異種材70を供給する工程」に続いて「新たな粉末層22の形成工程」を行う場合に、以下の事項が生じ得る可能性があることを見出した。具体的には、異種材70の供給態様によっては、粉末19の除去した部分の空間領域を上回る異種材を過剰供給する場合があり得る。そのため、異種材70の高さレベルが直近に形成した固化層24の上面24aの高さレベルを超過する可能性がある。これにより、新たな粉末層22の形成工程時に、既に形成した固化層24上に粉末層22の形成のための粉末19に異種材70が混入する可能性があり得る。そのため、かかる異種材70の混入により、光ビームを用いて新たな固化層の形成を好適に実施することができない可能性がある(図5参照)。
そこで、一態様では、後刻の新たな粉末層22を形成するに先立って、供給する異種材70が直近に形成した固化層24の上面24aよりも下方に位置するように、異種材70の高さレベルを制御することが好ましい(特に、図2B(c)〜(e)、(h)、(i)参照)。
本態様では、供給する異種材70が直近に形成した固化層24の上面24aよりも下方に位置するように、異種材70の高さレベルを制御する。換言すれば、本態様では、異種材70の高さレベルを、後刻の新たな粉末層22の形成にて用いる水平移動可能なスキージング・ブレード23の下端23aよりも下方に位置づける。これにより、形成途中の非照射領域10にて粉末19を除去した部分の空間領域を上回って、異種材が過剰供給されることを好適に事前回避することが可能となる。その結果、(1)後刻の新たな粉末層22の形成時にスキージング・ブレード23により水平方向に移動する粉末19に押圧されて、非照射領域の形成箇所とは異なる箇所へと異種材70が移動することを好適に回避することができる。又、(2)後刻の新たな粉末層22の形成時に、スキージング・ブレード23に異種材70が接触することを好適に回避することができる。更に、(3)後刻の新たな粉末層22の形成前に、既に形成した固化層24上に異種材70が飛散することを好適に回避することもできる。
以上の事から、本態様に従い、異種材70の高さレベルを制御することで、後刻の新たな粉末層22の形成時にて、既に形成した固化層24上に位置し得る新たな粉末層22の構成要素である粉末19に異種材70が混入する可能性を好適に回避することができる。つまり、異種材70の高さレベルの制御を実施することにより、直近に形成した固化層24上にて異種材70を非存在状態とすることができる。これにより、直近に形成した固化層24上にて、異種材70は非存在状態である一方、後刻の新たな粉末層22の構成要素である粉末19のみが存在する状態にし得る。その結果、光ビームを用いて新たな固化層の形成を好適に実施することが可能となる(特に、図2B(c)〜(e)、(h)、(i)参照)。以上の事からも、本態様は、新たな粉末層22の形成時にて既に形成した固化層24上の粉末19への異種材70の混入を好適に回避するための好適な“事前対策”ということができる。
なお、上記の異種材70の高さレベルの制御は、以下態様に従い実施することが好ましい。
一態様では、粉末19の除去した部分の体積よりも小さい体積を有する異種材70を、粉末19の除去した部分に供給して、異種材70の高さレベルの制御を行うことが好ましい(図2B(d)および(i)の(1)参照)。
形成途中段階の非照射領域10内の少なくとも一部の粉末19を除去した後(図2(b)参照)、粉末19の除去した部分には空間領域が形成され得る。本態様では、当該空間領域に異種材70が充填されるように異種材70を供給するのでなく、異種材70の供給後も当該空間領域の一部が存在するように異種材70を供給する。かかる空間領域の一部存在により、図2B(d)および(i)の(1)に示すように、断面視で供給した異種材70の表面レベルを、直近に形成した固化層24の上面24aよりも高さh分低くすることが可能となる。これにより、上述のように、後刻の新たな粉末層22の形成時にて、既に形成した固化層24上に位置し得る新たな粉末層22の構成要素である粉末19に異種材70が混入する可能性を好適に回避することができる。
一態様では、異種材70の供給後新たな粉末層22を形成するに先立って、異種材70を加圧して、異種材70の高さレベルの制御を行うことが好ましい(図2B(d)および(i)の(2)参照)。
形成途中段階の非照射領域10内の少なくとも一部の粉末19を除去した後(図2(b)参照)、粉末19の除去した部分には空間領域が形成され得る。本態様では、当該空間領域に異種材70を供給した後、当該異種材70を下方方向(積層方向とは反対方向)に加圧する。かかる加圧処理により、図2B(d)および(i)の(2)に示すように、断面視で供給した異種材70の表面レベルを、直近に形成した固化層24の上面24aよりも高さh分低くすることが可能となる。これにより、上述のように、後刻の新たな粉末層22の形成時にて、既に形成した固化層24上に位置し得る新たな粉末層22の構成要素である粉末19に異種材70が混入する可能性を好適に回避することができる。
上記加圧は、特に限定されるものではないが、造形物の前駆体200の表面を切削加工するための切削工具(エンドミル40等)を用いて実施することができる。別途新たに加圧機構を用いて加圧するのではなく、造形物の前駆体200の表面を切削加工するための切削工具を用いるため、造形物の生産効率の観点および造形物製造装置一式の寸法の拡大回避の観点から好ましい。
一態様では、異種材70の供給後新たな粉末層22を形成するに先立って、三次元形状造形物の前駆体200を振動させて、異種材70の高さレベルの制御を行うことが好ましい(図2B(d)および(i)の(3)参照)。
形成途中段階の非照射領域10内の少なくとも一部の粉末19を除去した後(図2(b)参照)、粉末19の除去した部分には空間領域が形成され得る。本態様では、当該空間領域に異種材70を供給した後、例えば造形プレート21を振動に付し、それによって造形プレート21と一体化した造形物の前駆体200を振動させる。特に限定されるものではないが、造形プレート21内に振動部(バイブレーター等)を振動させることで、造形プレート21に付してよい。かかる振動処理により、図2B(d)および(i)の(3)に示すように、粉末19の除去した部分に供される異種材70に振動を伝えることができる。
形成途中の非照射領域10にて粉末19を除去した部分の空間領域内に収まるように異種材70を供給することを前提として、当該異種材70への振動により、下記の技術的効果が奏され得る。例えば、異種材70として可溶性材料(例えば塩化ナトリウム)を選択する場合、塩化ナトリウム粉末同士の接触面積を増大させることができる。これにより、振動前と比べて、塩化ナトリウム粉末のかさを小さくすることが可能となる。又、供給された異種材70の上面(表面)レベルが傾斜している場合に、異種材70への振動により、異種材70が移動してその上面(表面)レベルを水平にする(即ち“ならす”)ことが可能となる。その結果として、供給された異種材70の表面レベルを、直近に形成した固化層24の上面24aよりも全体として好適に低くすることが可能となる。なお、振動時にて既に形成した固化層24上への異種材70の移動を防止する観点から、振動方向は水平方向ではなく鉛直方向であることが好ましい。これにより、直近に形成した固化層24上にて、後刻の新たな粉末層22の構成要素である粉末19のみが存在する状態にし得る。その結果、光ビームを用いて新たな固化層の形成を好適に実施することが可能となる。
一態様では、異種材70の高さレベルの制御の実施後に、異種材70の高さレベルを計測することが好ましい(図2B(d)および(i)の(1)〜(3)参照)。
上記の異種材70の高さレベルの制御を実施した後、供給された異種材70の表面レベルを、直近に形成した固化層24の上面24aよりも低くすることが可能となれば、後刻の新たな粉末層22の形成時に、後刻の新たな粉末層22の構成要素である粉末19のみが存在する状態にし得る。
しかしながら、上記の異種材70の高さレベルの制御を一度実施したのみでは、供給された異種材70の表面レベルを直近に形成した固化層24の上面24aよりも低くすることができない場合があり得る。そこで、異種材70の高さレベルの制御の実施後に、異種材70の高さレベルを計測することが好ましい。
具体的には、異種材70の高さレベルの制御の実施後に、直近に形成した固化層24の上面24aおよび供給した異種材70の表面レベルに沿って略水平方向にエンドミル等の切削工具を移動させて、当該切削工具の先端に異種材70が接触するか否かの測定を行う。これにより、異種材70の高さレベルを計測すること可能となる。当該接触が認められない場合には、直近に形成した固化層24の上面24aよりも供給された異種材70の表面レベルが低いと判断する。この場合には、スキージング・ブレード23を用いた新たな粉末層22の形成を行う。一方、当該接触が認められる場合には、異種材70の表面レベルが直近に形成した固化層24の上面24aよりも高いと判断する。この場合には、上記の異種材70の高さレベルの制御を再度行うことが好ましい。
同様に、直近に形成した固化層24の上面24aおよび供給した異種材70の表面レベルに沿って略水平方向にエンドミル等の切削工具を移動させて、当該切削工具の先端に異種材70が接触するか否かの測定を行う。接触が認められない場合には、直近に形成した固化層24の上面24aよりも供給された異種材70の表面レベルが低いと判断し、スキージング・ブレード23を用いた新たな粉末層22の形成を行う。これにより、後刻の新たな粉末層22の形成時に、スキージング・ブレードに異種材70が接触することが好適に回避できる。従って、かかる異種材70の接触回避により、既に形成した固化層24上に異種材70が供されることを好適に回避することが可能となる。
上記の対応策は、既に述べるように、新たな粉末層22の形成時に、既に形成した固化層24上への異種材70の混入を好適に回避するための“事前対策”である。しかしながら、これに限定されることなく、当該“事前対策”として、一態様では、直近に形成した固化層24上に位置する異種材70の除去を実施することが好ましい(図2B(d)および(i))。
形成途中段階の非照射領域10内から粉末19を少なくとも一部除去した部分(空間領域)に異種材70を供給する際に、断面視で当該除去した部分よりも外側に異種材70が供給される場合があり得る。特に、この事は、当該除去した部分と既に形成した固化層24との界面領域にて生じる可能性があり得る。そのため、直近に形成した固化層24上に異種材70が位置する可能性があり得る。
そこで、直近に形成した固化層24の上面24aに沿って、略水平方向にエンドミル等の切削工具を移動させて、当該切削工具の先端に異種材70が接触するか否かの測定を行う。当該接触が認められる場合には、異種材70の除去をすることが好ましい。異種材70の除去態様としては、特に限定されるものではないが、異種材70の飛散防止の観点から異種材用の吸引部65等を用いて吸引除去してよい。かかる異種材70の除去により、後刻の新たな粉末層22の形成時に、直近に形成した固化層24上にて後刻の新たな粉末層22の構成要素である粉末19のみが存在する状態にし得る。従って、既に形成した固化層24上にて粉末19と異種材70とが混ざり合うことを好適に回避することができる。その結果、光ビームを用いて新たな固化層の形成を好適に実施することが可能となる。
これにより、直近に形成した固化層24上に位置する異種材70の除去を実施することにより、当該固化層24上にて異種材70を非存在状態とすることができる。それ故、直近に形成した固化層24上における異種材70の非存在状態により、光ビームを用いて後刻に新たな固化層の形成を好適に実施することが可能となる。以上の事からも、本態様も、新たな粉末層22の形成に先立って、既に形成した固化層24上の粉末19への異種材70の混入を好適に回避するために講じる“事前対策”ということができる。
一態様では、粉末19の吸引を、ノズル型の吸引部60Aに代えて又は併用してスキージング・ブレード23に設けた吸引部60Bを用いて実施することが好ましい(図2C参照)。なお、上記で既述した内容と重複する部分については、記載の重複を回避するため説明を省略又は簡略化する。
上記の図2Aの(b)および図2Bの(b)、(g)に示す工程では、形成途中の非照射領域10に位置する少なくとも一部の粉末19を除去する。当該粉末19の除去方法としては、ノズル型の吸引部60Aを用いた粉末19の吸引により実施してよい旨を述べた。しかしながら、これに限定されることなく、粉末19の吸引を、ノズル型の吸引部60Aに代えて又は併用してスキージング・ブレード23に設けた吸引部60Bを用いて実施することが好ましい(図2Cの(b)および(g)参照)。
例えばスキージング・ブレード23の垂直主面23bに設ける吸引部60Bとして複数のサブ吸引部から構成されるものを用いる。当該複数のサブ吸引部60B(例:n=1〜16)のうち、形成途中段階の非照射領域10の上方に位置する任意のサブ吸引部60Bを当該非照射領域10内に下方方向に沿って移動させる。移動後、任意のサブ吸引部60Bから粉末19の吸引を実施する。具体的には、任意のサブ吸引部60Bの先端を形成途中の非照射領域10に位置する粉末19に近づけて当該粉末19を吸引する。なお、本工程では、一部の粉末19を除去すればよく、好ましくは図2Cの(b)および(g)に示すように全ての粉末19を除去する。
形成途中の非照射領域10に位置する少なくとも一部の粉末19を除去すると、これに起因して形成途中の非照射領域10内の粉末19の量を除去前と比べて低減することができる。これにより、形成途中の非照射領域10に粉末19が非存在の空間領域(粉末19の除去部分に相当)を形成することができる。本態様では、ノズル型の吸引部60Aを別途に必ず用いるものではなく、粉末層22の形成のために用いるスキージング・ブレード23を利用するため、造形物の生産効率の観点および造形物製造装置一式の寸法の拡大回避の観点から好ましい。
一態様では、粉末として磁性金属粉末19Aを用いることが好ましい。そして、形成途中段階の非照射領域10における少なくとも一部の粉末19としての磁性金属粉末1Aの除去を、磁石部材60Cを用いて選択的に実施することが好ましい(図2D参照)。
上記では、形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末(例えば金属粉末)の除去を吸引により実施する旨を述べた。しかしながら、かかる吸引は、特に図2Dの(g)に示す態様では、形成途中段階の非照射領域10内に粉末(例えば金属粉末)と異種材70とが共存している。そのため、粉末(例えば金属粉末)のみを吸引して異種材70を吸引しないといった調整を行うことが容易ではない可能性がある。そこで、粉末として磁性金属粉末19Aを用いることが好ましい。磁性金属粉末19Aとしては、磁性を有していればよく、例えば鉄系粉末、コバルト系粉末、およびニッケル系粉末等から成る群から選択される少なくとも一種であってよい。
以上の事から、磁性金属粉末19Aは磁性を有する一方、異種材70は、形成完了後の非照射領域10内の粉末を外部へと排出する/取出す時点で流動性を有し得るものが選択されるが、磁性を特に有しない。これにより、形成途中段階の非照射領域10に磁石部材60Cを近接させると、磁性を有する磁性金属粉末19Aのみを磁石部材60Cに選択的に付着させることが可能となる。一方、形成途中段階の非照射領域10に磁石部材60Cを近接させても、異種材70は磁性を有しないためこれに起因して異種材70は磁石部材60Cに付着させないことが可能となる。従って、本態様では、粉末のみならず異種材70も吸引し得る場合と比べて、後刻の異種材70の供給量が必要以上に増大することを好適に回避することができる。又、吸引時と比べて、粉末が形成途中段階の非照射領域10に残存する可能性をより好適に回避することができる点でも有利である(図2Dの(b)および(g))。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明の適用範囲のうちの典型例を例示したに過ぎない。従って、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
上記では、主として、本発明の技術的思想を実施するための具体的態様として、形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末の少なくとも一部の除去後に、当該除去した部分(空間領域)に異種材70を供給することを前提として説明した。しかしながら、本発明の技術的思想(非照射領域10の形成途中段階にて、非照射領域10に位置する粉末19の量を低減させる)が実現されるならば、これに限定されない。
例えば、当該粉末の量の低減を、形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末の局所的な除去のみにより実施してよい。即ち、形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末を少なくとも一部の除去した部分(空間領域)に異種材70を供給する工程を必ずしも含まなくてもよい。当該粉末の局所的な除去のために、特に限定されるものではないが、例えば形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末の掃き処理、吸引部を用いた粉末の吸引処理、およびエンドミル等の切削工具を用いた粉末の撹拌処理等から成る群から選択される少なくとも1つの処理方法が選択されてよい。つまり、かかる処理方法が選択されることで、形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末を“ほぐす”ことが可能となる。
これにより、形成途中段階の非照射領域10に位置する粉末19の量を低減させることができる。そのため、形成完了後における非照射領域10における粉末19のかさ密度を、非照射領域10に粉末19が充填される場合と比べて相対的に小さくすることが可能となる。これにより、形成完了後の非照射領域10内における残存する粉末19の充填を好適に抑制することが可能となる。かかる残存する粉末19の充填抑制により、形成完了後の非照射領域10から残存する粉末19を容易に除去することが可能となる。従って、残存する粉末19が好適に除去された内部空間を有して成る三次元形状造形物を好適に製造することが可能となる。
又、本発明の一実施形態では、粉末床溶融結合法の実施完了時点にて、得られる三次元形状造形物の内部空間は必ずしも外部と連通している必要はない。特に限定されるものではないが、例えば、下記の工程を経て、外部と連通する内部空間を有して成る三次元形状造形物を最終的に製造してもよい。一例を挙げると、まず、粉末床溶融結合法の実施の間に、光ビームの非照射領域(具体的には、外部と連通していない非照射領域)を有して成る三次元形状造形物の前駆体を形成する。次いで、粉末床溶融結合法とは異なる別の方法(切削処理等)にて、当該非照射領域と外部とを連通させ、次いで当該非照射領域から粉末を外部へと除去する。以上により、外部と連通する内部空間を有して成る三次元形状造形物を最終的に製造してもよい。
200、200A、200B 三次元形状造形物の前駆体
200’ 三次元形状造形物の前駆体(従来)
100 三次元形状造形物
100’ 三次元形状造形物(従来)
90 溶媒供給部
80 異種材の供給部
70 異種材
65 異種材の吸引部
60A ノズル型の吸引部
60B スキージング・ブレードに設けられた吸引部
60C 磁石部材
50 内部空間
50’ 内部空間(従来)
40 エンドミル等の切削工具
24 固化層
24a 固化層の上面
23 スキージング・ブレード
23a スキージング・ブレードの下端
22 粉末層
19 粉末
19’ 粉末(従来)
19A 磁性金属粉末
10、10A、10B 非照射領域
10’ 非照射領域(従来)
L 光ビーム

Claims (21)

  1. 外部と連通する内部空間を有して成る三次元形状造形物を製造する方法であって、
    (i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射して該所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および
    (ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、該新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程
    により粉末層および固化層を交互に繰り返して積層させることで、前記光ビームの非照射領域を有して成る前記三次元形状造形物の前駆体を形成し、
    前記内部空間を、前記光ビームの前記非照射領域に位置する前記粉末を除去することで形成し、
    前記非照射領域の形成途中段階で、該形成途中段階の該非照射領域に位置する該粉末の量を低減させる、内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  2. 前記非照射領域に位置する前記粉末の量の低減により、形成完了後の該非照射領域における前記粉末のかさ密度を、該非照射領域に該粉末が充填される場合と比べて相対的に小さくする、請求項1に記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  3. 後刻の前記新たな前記粉末層を形成するに先立って、形成途中段階の前記非照射領域における少なくとも一部の前記粉末を除去し、および該粉末の該除去した部分に該粉末とは異なる種類の材料を含んで成る異種材を供給することを含み、
    前記異種材が、後刻の前記非照射領域から外部空間への取出し時点において流動性を有することが可能となっている、請求項1又は2に記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  4. 前記異種材が、可溶性材料および融解性材料の少なくとも一方を含んで成り、該融解性材料の融点が前記粉末の融点よりも低く前記三次元形状造形物の製造のための作業雰囲気の温度よりも高い、請求項1〜3のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  5. 後刻の前記新たな前記粉末層を形成するに先立って、供給する前記異種材が直近に形成した前記固化層の上面よりも下方に位置するように、該異種材の高さレベルを制御する、請求項3又は4に記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  6. 前記異種材の高さレベルを、後刻の前記新たな前記粉末層の形成にて用いる水平移動可能なスキージング・ブレードの下端よりも下方に位置づける、請求項3〜5のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  7. 前記粉末の除去した部分の体積よりも小さい体積を有する前記異種材を、該粉末の除去した部分に供給して、該異種材の前記高さレベルの制御を行う、請求項3〜6のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  8. 前記異種材の供給後前記新たな前記粉末層を形成するに先立って、前記異種材を加圧して、該異種材の前記高さレベルの制御を行う、請求項3〜7のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  9. 前記三次元形状造形物の前駆体を、切削工具を用いて切削することを含み、
    前記異種材の加圧を前記切削工具により実施する、請求項8に記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  10. 前記異種材の供給後前記新たな前記粉末層を形成するに先立って、前記三次元形状造形物の前駆体を振動させて、該異種材の前記高さレベルの制御を行う、請求項3〜9のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  11. 前記異種材の前記高さレベルの制御の実施後に、前記異種材の前記高さレベルを計測する、請求項5〜10のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  12. 前記異種材の供給後前記新たな前記粉末層を形成するに先立って、前記直近に形成した前記固化層上に位置する該異種材の除去を実施する、請求項5〜11のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  13. 前記異種材の前記高さレベルの制御および前記直近に形成した前記固化層上に位置する該異種材の除去の少なくとも一方を実施することにより、該異種材の供給後前記新たな前記粉末層を形成するに先立って、該直近に形成した該固化層上にて該異種材を非存在状態とする、請求項5〜12のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  14. 前記粉末の除去を、ノズル型の吸引部およびスキージング・ブレードに設けた吸引部の少なくとも一方を用いて実施する、請求項3〜13のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  15. 前記粉末として磁性金属粉末を用い、
    前記形成途中段階の前記非照射領域における前記少なくとも一部の前記粉末としての前記磁性金属粉末の除去を、磁石部材を用いて選択的に実施する、請求項3〜14のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  16. 前記異種材として前記可溶性材料を用いる際において、前記非照射領域の形成完了後に、溶媒に該可溶性材料を溶解させることで、該可溶性材料を該非照射領域から外部へと排出する、請求項3〜15のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  17. 前記異種材として前記融解性材料を用いる際において、前記非照射領域の形成完了後に、前記三次元形状造形物の前記前駆体を加熱処理に付すことで、該融解性材料に流動性を供し、それによって該流動性を有する該融解性材料を該非照射領域から外部へと排出する、請求項3〜15のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  18. 前記異種材として用いる前記可溶性材料がアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の少なくとも一方である、請求項3〜16のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  19. 前記異種材として用いる前記融解性材料が、熱可塑性材およびワックスエステル材の少なくとも一方から選択される、請求項3〜15および17のいずれかに記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  20. 前記粉末の量の低減を、前記形成途中段階の前記非照射領域に位置する該粉末の局所的な除去により実施する、請求項1又は2に記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
  21. 前記形成途中段階の前記非照射領域に位置する前記粉末の局所的な除去を、該粉末の掃き処理、該粉末の吸引処理、および該粉末の撹拌処理から成る群から選択される少なくとも1つの処理方法により実施する、請求項20に記載の内部空間を有して成る三次元形状造形物の製造方法。
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