JP2021177050A - 排水装置およびサイフォン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源不要でサイフォン現象を発生可能であって、かつその構成がコンパクトで、自動で基礎内の排水を行える排水装置およびサイフォン装置を提供する。【解決手段】水が溜まる貯留部10と、貯留部10に配置され水位が所定高さを超えるとサイフォンが起動するサイフォン装置20と、一端部がサイフォン装置20に接続され他端部が貯留部10よりも低い位置に設けられた排水領域41に繋がる排水配管40とを備え、サイフォン装置20は、外側容器21と上下方向に延在する内筒22とを備えており、外側容器20は、内部に水を取り込む取水孔28を備え、内筒22の上端部は、取水孔28より上方で外側容器21内に収容され、内筒22の下端部は、排水配管40に連通していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、排水装置およびサイフォン装置に関する。
近年、ゲリラ豪雨や台風など、一度に集中して大量に降った雨に起因する、浸水被害が問題になってきている。例えば、建物の例では、河川の氾濫による浸水があるが、床下浸水が起こった後は、水が引いたとしてもその基礎部に泥水が残ってしまう。その際、早期に泥水を排水できればよいが、大規模災害時には避難指示が解除されるまで放置せざるを得ず、また、帰宅できたとしても、電気が不通の場合や、ポンプ自体の調達が困難な場合には排水ポンプ等を利用できない。そのため、手作業での排水が必要となるが、居住者が高齢の場合には排水作業自体が出来ない、といった状況が問題視されている。泥水が長期に放置されたことで、カビの繁殖や支柱の腐食が起き、建物がダメージを受ける。そのため、基礎部に溜まった泥水の早期排水が可能な装置の開発が喫緊の課題となっている。
ところで、所定の空間内に溜まった水を排水できる装置として、サイフォンを利用するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。サイフォンを利用して貯水槽内に溜まった水を排水する場合には、例えば、逆U字状の管路の一端を取水孔として貯水槽側に設置し、多端を排水孔として排水槽側に設置しておく。この状態で、管路内の空気を取り除く(管路内を満水にする)ことにより、サイフォンの原理が働き、貯水槽側の水が排水槽側に排水される。特許文献1においては、サイフォン管の流路出口部において、空気吸引管とサイフォンの頂部とを連通管を介して連通させた構成により、サイフォン管の頂部内の残留空気を、ポンプ等を用いずに排除し、サイフォンの形成時間を短縮した装置が開示されている。
その他の構成としては、基礎の底面に排水管に繋がる排水孔を設けた排水装置がある。この場合、排水管からの水の逆流を防止するために、排水孔には蓋が設けられており、排水時に蓋を取り外すようになっている。
特開平5−231397号公報
特許文献1のサイフォン装置では、装置構成が大掛かりであり、建物の構造によっては設置が困難となるのが現状の課題として浮上している。一方、基礎の底面に排水管を設けた排水装置では、氾濫時に排水孔の蓋を取り外すのが非常に困難であり、排水が行われ難いという問題があった。
そこで、本発明は、前記の問題を解決するために案出されたものであり、電源不要でサイフォン現象を発生可能であって、かつその構成がコンパクトであり自動で排水を行える排水装置およびサイフォン装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明は、水が溜まる貯留部と、前記貯留部に配置され水位が所定高さを超えるとサイフォンが起動するサイフォン装置と、一端部が前記サイフォン装置に接続され他端部が前記貯留部よりも低い位置に設けられた排水領域に繋がる排水配管とを備え、前記サイフォン装置は、外側容器と上下方向に延在する内筒とを備えており、前記外側容器は、内部に水を取り込む取水孔を備え、前記内筒の上端部は、前記取水孔より上方で前記外側容器内に収容され、前記内筒の下端部は、前記排水配管に連通していることを特徴とする。
本発明の排水装置によれば、水位が所定高さを超えると、取水孔から取り込まれた水が内筒の上端から内筒内に流れ、内筒および排水配管内が満水になる。するとサイフォンが起動して、貯留部内の水が自動で排水される。したがって、かかる排水装置は、電源不要であるとともに蓋の取外しも不要である。さらに、構成がコンパクトであるため、排水装置の設置が容易である。
本発明の排水装置においては、前記サイフォン装置は、貯留部に対して複数設置される
ものが好ましい。このような構成によれば、複数サイフォンが起動し、水の排出量を増やすことができる。
本発明の排水装置においては、前記貯留部は、建物の基礎外に設けられた水槽にて構成されており、一端部が前記基礎の内部の空間に開口して配置され他端部が前記排水配管に繋がる連通管をさらに備えているものが好ましい。このような構成によれば、基礎から独立した水槽内(すなわち貯留部)で先ずサイフォン装置(第1のサイフォン)を起動させることができる。サイフォン装置が起動した後は、これに連通する連通管内が陰圧される。これにより、一端部から基礎内の水が連通管に吸い込まれていき、連通管から排水管へと排水され第2のサイフォンが起きる。それ以降は、この第2のサイフォンによって、基礎内の水を引き続けることができる。そこで、例えば、水槽を基礎よりも低い位置に設置することにより、一度、浸水被害が生じたとしても、サイフォン装置が起動する水位まで下がれば、基礎内から自動で排水ができる。従って、既設の建物の基礎に貯留部の設置が困難な場合であっても排水装置を設置することができる。
また、本発明の排水装置においては、前記連通管と前記排水配管とは、減圧部を介して接続されているものが好ましい。このような構成によれば、サイフォン装置から排水配管に水が流れると、連通管内の空気が吸引されて、基礎内の水が吸引されて、自動的に排水することができる。
前記課題を解決するための第二の本発明は、建物の基礎内に溜まった水を排水すべく、水位が所定高さを超えるとサイフォンが起動するサイフォン装置であって、外側容器と、上下方向に延在する内筒とを備えており、前記外側容器は、内部に水を取り込む取水孔を備え、前記内筒の上端部は、前記取水孔より上方で前記外側容器内に収容され、前記内筒の下端部は、前記外側容器の底部から下方に向かって開口していることを特徴とする。
本発明のサイフォン装置によれば、水位が所定高さを超えると自動でサイフォンが起動して排水配管を介して自動で排水される。したがって、電源不要であるとともに蓋の取外しも不要である。さらに、構成がコンパクトであるため、排水装置に利用する際に設置が容易である。
本発明に係る排水装置およびサイフォン装置によれば、電源不要でサイフォン現象を発生可能であって、かつその構成がコンパクトで、自動で基礎内の水の排水を行える。
本発明の第一実施形態に係る排水装置を示した断面図である。 本発明の第一実施形態に係るサイフォン装置を示した側面図である。 図2のA−A線断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態に係るサイフォン装置のサイフォンの起動状態を示した断面図である。 (a)〜(c)は、図4における浸水時のトラブルを加味したサイフォンの起動状態を示した断面図である。 (a),(b)は、図4における浸水時のトラブルを加味したサイフォンの起動状態を示した断面図である。 本発明のサイフォン装置における実施例にかかる調整要因を説明するための部分断面図である。 本発明の第一実施形態の変形例に係る排水装置を示した断面図である。 本発明の第二実施形態に係る排水装置を示した断面図である。 本発明の第三実施形態に係る排水装置を示した断面図である。 本発明の第三実施形態に係る排水装置の排水配管と連通管との接続状態を示した断面図である。
本発明の第一実施形態に係る排水装置およびサイフォン装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、図1に示すように、例えば住宅のべた基礎等の床下がコンクリートで覆われた基礎2にサイフォン装置20が設置された排水装置1を例に挙げて説明する。
本実施形態に係る排水装置1は、貯留部10とサイフォン装置20と排水配管40とを備えている。貯留部10は、サイフォン装置20が設置される部分であって、内部に水が貯められる。本実施形態では、貯留部10は、コンクリート製の基礎2にて構成されている。貯留部10は、底部11と側壁部12とを備えており、上部が開口した有底凹状を呈している。貯留部10の上部には、床(図示せず)が敷設されている。
サイフォン装置20は、貯留部10の底部11に設置されている。サイフォン装置20は、貯留部10の水位が所定高さを超えるとサイフォンが自動的に起動する。図2および図3にも示すように、サイフォン装置20は、外側容器21と内筒22とを備えている。外側容器21は、サイフォン装置20の外殻を構成するものであり、頂部23と胴部24と底部25とを備えている。
頂部23は、サイフォン装置20の蓋部分を構成する部位であって、胴部24の外径に嵌合するキャップ形状を呈している。頂部23は、例えば樹脂にて構成されている。頂部23は、内側底部が上方に向かって窪んでおり、下方に向かって開口する凹部26(図2参照)を備えている。
胴部24は、例えば透明な樹脂にて構成されており、内部を視認可能に構成されている。胴部24は、上端部と下端部が開放された円筒形状を呈しており、内部に水が貯められる。胴部24は、頂部23の下部に気密状態で固定されており、胴部24の上端部は、頂部23によって覆われている。
底部25は、サイフォン装置20の底板部分を構成する部位であって、胴部24の外径に嵌合するキャップ形状を呈している。底部25は、例えば樹脂にて構成されている。底部25は、内側上部が下方に向かって窪んでおり、上方に向かって開口する凹部27(図2参照)を備えている。底部25の側面(凹部27の側部を区画する立上り壁)には、外側容器21の内部に水を取り込む取水孔28が形成されている。取水孔28は、側面の周方向に所定間隔をあけて複数形成されている。取水孔28は、断面円形を呈している。底部25の底面には、貫通孔29が形成されている。貫通孔29には、内筒22が水密な状態で挿通される。
なお、取水孔28の形状は断面円形に限られるものではなく、楕円、角形など、種々の形状で形成されていてもよい。また、取水孔28の成形位置については、立上がり壁でなくてもよく、底面の一部に形成されていてもよい。
内筒22は、例えば樹脂にて構成され、円筒形状を呈している。内筒22は、直線状の軸芯を備え、上下方向に延在するように配置されている。内筒22は、その下端部が貫通孔29に固定されている。内筒22の上端部は、外側容器21内に収容され、取水孔28よりも上方(本実施形態では外側容器21の内部の上端近傍であって、外側容器21から内筒22へ流入する水量を阻害することがない程度の上部)に位置している。内筒22の下端部は、貫通孔29を挿通して外側容器21の下方に突出しており、外部で開口している。内筒22の下端部は、貯留部10の底面よりも低い位置に配置されている。内筒22の下端部は、排水配管40に連通されている。内筒22の内部を流れる水量は、取水孔28から外部容器21内に取り込まれる水量を超えないように設定される。これによって、内筒22の上端は空気を吸い込むことが無く、一度サイフォンが起きた後は、サイフォンが持続される。
なお、内筒22の上端と外側容器21の内部の上端との間で形成される空間量を任意で調整してもよい。例えば、底部25に対して、内筒22の上端の高さを下方に下げることにより、その空間量を多く取ることができ、それとは逆に前記空間量を減らしたい場合には、内筒22の上端の高さを上方に上げるように変更する対応ができる。
排水配管40は、サイフォン装置20から排水された水を排水領域41に流す配管である。排水領域41は、貯留部10よりも低い位置に配置されており、例えば排水桝43にて区画されている。排水桝43は、内部に溜まった排水を外部に排出可能な構造となっている。排水配管40の一端部(上端部)は、サイフォン装置20の内筒22の下端部に接続されている。排水配管40の上端部は、基礎2内に埋設されており、貯留部10の底面に開口している。排水配管40の下流側は、基礎2から外部に突出しており、排水配管40の他端部(下端部)は、排水領域41に繋がっている。具体的には、排水配管40の下端部は、排水領域41に向かって開口しており、排水配管40から排水桝43内に排水が流下するようになっている。なお、排水領域41は、マンホールにて区画して、マンホール内に直接排水するようにしてもよい。
なお、排水配管40の一端部(内筒22に接続された上端部)以外の部分については、その内径は、内筒22に比べて大きくとっていてもよい。内径を大きく取ることによって、例えば、基礎2から排出される汚泥の堆積や汚泥による閉塞が起き難く、また、径を大きくとることにより、堆積した汚泥の除去も行いやすい。
また、この排水配管40の一部には、浸水時の水位上昇時に伴う、基礎2への逆流を防ぐための逆止弁(図示せず)が設置されていてもよい。
なお、上述したサイフォン装置20の各部材の材質、および排水配管40の各部材の材質は特定の樹脂に限定されず、金属性のものや、半透明、不透明、透明といった各樹脂材料を使用してもよい。また、頂部23と、胴部24と、底部25とは、それぞれ独立した形状で説明したが、すべてが一体的、または2つの部材が一体的に形成されていてもよい。
次に、図4,図5および図6を参照しながら、本実施形態に係る排水装置1およびサイフォン装置20のサイフォンの起動状態を説明する。まずは、図4を参照しながら、サイフォン装置20の動作を説明する。図4の(a)に示すように、浸水が発生していない通常時には、貯留部10やサイフォン装置20内に水は溜まっておらず、内筒22にも水は流入していない。
図4の(b)に示すように、基礎2内の水Wの水位が上昇してくる。すると、サイフォン装置20の取水孔28から水Wが外側容器21の内部に浸入する。水位が内筒22の上端を超えるまでは、貯留部10の水位と外側容器21の内部の水位は同じとなる。
図4の(c)に示すように、外側容器21の内部の水位(貯留部10の水位)が内筒22の上端の高さを超えると、水Wが内筒22内に流れ込み、流下する。その後、内筒22内と排水配管40内が満水状態となる。この状態で、冠水が引いて、排水領域41まで水位が下がると、貯留部10の水位は、排水領域41の水位より高いため、サイフォン現象が発生する。そして、基礎2内の水Wは、サイフォン装置20の外側容器21の内部に取り込まれた後に、内筒22を流下し、排水配管40を流れて排水領域41に排出される。
そして、図4の(d)に示すように、貯留部10の水位が内筒22の上端よりも下がった後も、貯留部10の水は、取水孔28から引き揚げられ、内筒22の上端を通過して排水領域41に排出される。
次に図5および図6を参照しながら、より具体的な動作について説明する。図5の(a)に示すように、浸水が発生していない通常時には、貯留部10やサイフォン装置20内に水は溜まっておらず、内筒22や排水配管40内にも水は流入していない。
図5の(b)に示すように、豪雨や台風が発生し、雨水等が基礎2を乗り越えて、貯留部10に浸水してくると、基礎2の内部の水位が上昇してくる。すると、サイフォン装置20の取水孔28から水Wが外側容器21の内部に侵入するが、一方で、排水配管40の下流側は塞がっている状態にある。すると、基礎2の内外に生じる水圧差により、外側容器21の内部に空気だまりを生じることがある。
通常、基礎2の内部の水位が外側容器21の上端の高さを超えると、サイフォン現象が発生可能な状態となるが、前記のように基礎2の外側の水位が高いなどの要因によって、外側容器21の内部に空気だまりを生じている場合には、サイフォン起動の待機状態となる(図5の(c)参照)。
図6の(a)に示すように、氾濫水の減少により基礎2の外側の水位が低下し、基礎2の内部の水位による水圧が優勢となると、外側容器21への水Wの侵入が進むと共に外側容器21の内部にたまっていた空気が押し出され、水Wの内筒22への越流を生じる。越流により内筒22の内部が満水状態となるとサイフォン現象が発生し、基礎2内の水Wは排水配管40を経由し、排水領域41に連続的に排出される。
そして、図6の(b)に示すように、貯留部10の水位が内筒22の上端よりも下がった後も、貯留部10の水は、取水孔28から外側容器21の内部に引き揚げられ、内筒22の上端を通過して排水領域41に排出される。
次に、本発明の第一実施形態に係るサイフォン装置について、実施例1〜6を交えて詳細に説明する。
<実施例1>
先ず、実施例1としてサイフォン装置20の胴部24に、JIS K 6741に規定されるVU50を用いた。内筒22にはJIS K 6742に規定されるVP13を用い、頂部23にはVU50に勘合可能なキャップを用い、また、底部25には頂部23と同様にVU50に勘合可能なキャップに、後加工により取水口28および貫通孔29を設けたものを用いた。取水口28はφ10mmの穴を、穴の下端が底部25の内側底面と同じレベルとなるように、均等に8か所設けた。これらの部品を図2に示すような構造に組み立て、各部品の勘合部分には必要に応じ接着等の止水を行った。この時、底部25の内面下端から頂部23の内面上端までの高さ(以下、有効高さとする)を170mmとし、サイフォン装置20とした。
サイフォン装置20を設置する貯留部10としては、内寸法W300×D100×H250mm(容量7.5L)のアクリル容器の底部に、前記サイフォン装置20の内筒22が挿入可能な貫通孔を設け、貯留部10とした。
前記貯留部10の底部に設けた貫通孔にサイフォン装置20の内筒22を挿入し、底部25の外側底面と貯留部10の底面を接触させ排水装置1する。必要に応じ、サイフォン装置20と貯留部10の接続部に接着等により固定、止水処理を行う。このとき、内筒22の下端は貯留部10の下端より突出した状態とした。
<実施例2>
実施例1のサイフォン装置20の内筒22をVP13に替えてVP20とした以外は、実施例1と同様である。
<実施例3>
実施例1のサイフォン装置20の内筒22をVP13に替えてVP25とした以外は、実施例1と同様である。
<実施例4>
実施例1のサイフォン装置20の有効高さを210mmに変更した以外は、実施例1と同様である。
<実施例5>
実施例2のサイフォン装置20の有効高さを210mmに変更した以外は、実施例2と同様である。
<実施例6>
実施例3のサイフォン装置20の有効高さを210mmに変更した以外は、実施例3と同様である。
<計測方法>
まず、前記排水装置1に注水を行い、サイフォンを起動させる。次に、注水を止め、サイフォンが停止すると、外側容器21内に残った水が貯留部10に逆流する(この点をゼロ点とする。)。そして、サイフォン装置20の有効高さが170mmである実施例1〜3は新たに5Lの注水を行い、サイフォン装置20の有効高さが210mmである実施例4〜6は新たに6Lの注水を行い、サイフォン起動から停止までの時間を計測・記録する。以降所定量の注水を繰り返し、計10回の計測を行う。各注水量を10回の排水時間の平均値で除した値を流量(L/min)とする。
各実施例における流路幅を示す排水装置1の断面図を図7に示し、断面図を各実施例における流量(L/min)、およびサイフォン起動率の結果を表1に示す。
Figure 2021177050
ここで、上記表1中の各実施例における流量、サイフォン起動率とサイフォン装置20の構成の関係性を検証するため、サイフォン装置20の流路面積、流路幅について記載する。
図7に示すように、流路面積をサイフォン装置20の水平断面における通水面積とする。外側流路面積は貯留部10から外側容器21へ流入する際の通水面積とし、内筒流路面積は、外側容器21から内筒22へ流入する際の通水面積である。
流路幅をサイフォン装置20の水平断面の中心線上の片側の幅とする。外側流路幅は貯留部10から外側容器21へ流入する際の流路幅とし、内径流路幅は、外側容器21から内筒22へ流入する際の流路幅である。
<結果>
実施例1〜3、および実施例4〜6の結果において、サイフォンが起動し、内筒22の呼び径に応じ、線形的な流量の増加が得られた。
実施例1〜3におけるサイフォン起動率は内筒22にVP20を用いた実施例2が最も高い結果となった。
内筒22にVP13を用いた実施例1は内筒22の内径が小さく、内筒22に水が流入する際の勢いが弱く、内筒22上端面より上の空間の空気を抜ききることができず、サイフォンが起動しないケースが見られた。内筒22にVP25を用いた実施例3は内筒22の内径が大きく内筒22に水が流入する際の勢いは強いが、内筒22の内径自体が大きいため、内筒22内の満水が得られずサイフォンが起動しないケースが見られた。
ただし、実施例1、実施例3のいずれも、実施例4および実施例6のようにその有効高さを増加させたことによりサイフォン起動率の向上がみられた。これは注水量の増加で、貯留部10の水位、圧力が上昇することにより、内筒22への流入量が増加する為であると考えられた。
以上説明したように、本実施形態に係る排水装置1およびサイフォン装置20によれば、貯留部10およびサイフォン装置20内の水位が所定高さ(内筒22の上端高さ)を超えると自動でサイフォンが起動して、冠水が引いた後に、排水配管40を介して排水される。したがって、かかる排水装置1は、電源不要であるとともに従来用いられていた蓋の取外しも不要である。
また、排水装置1およびサイフォン装置20の構成がコンパクトであるため、装置の設置が容易である。
なお、単位時間当たりの排水量を確保する目的で、サイフォン装置20は、貯留部10に対して複数設置してもよい。排水装置1およびサイフォン装置20の構成がコンパクトであるため、複数設置する空間を確保することが容易である。
次に、図8を参照しながら、変形例に係るサイフォン装置20aの構成を説明する。図2のサイフォン装置20は内筒22が直線形状であるのに対して、変形例のサイフォン装置20aは、内筒22aが屈曲した点で構成が異なる。
内筒22aは、クランク状に屈曲しており、外側容器21の胴部24aに形成された貫通孔を挿通して外側容器21の外側に突出している。サイフォン装置20は、貯留部10の側壁部12の近傍に設置され、外側容器21から突出した内筒22aは、側壁部12に形成された貫通孔13を挿通して外部に連通している。内筒22aの下端部には、図示しない排水配管が接続されている。なお、その他の構成については、前記実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。このような構成のサイフォン装置20aにおいても、前記サイフォン装置20と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図9を参照しながら、第二実施形態に係る排水装置1aについて説明する。かかる排水装置1aは、サイフォン装置20が設置される貯留部10が、建物の基礎2とは異なる部分に形成されている。排水装置1aは、貯留部10とサイフォン装置20と排水配管40と連通管50とを備えている。
貯留部10は、サイフォン装置20が設置される部分であって、建物の基礎2外に設けられた水槽14にて構成されている。水槽14は、例えば敷地内の庭に設けられており、基礎2の内部空間15の底面より低い位置に形成されている。水槽14には、上面を覆う蓋(図示せず)が設置されており、通常時は水が浸入しないようになっている。豪雨や台風が発生した際には、基礎2の内部よりも先に水槽14内に水が溜まる。
サイフォン装置20および排水配管40と、排水配管40が繋がる排水領域41は、前記実施形態と同等の構成であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
連通管50は、基礎2の内部空間15と排水配管40とを繋ぐ接続管である。連通管50の一端部は、基礎2の内部空間15に開口して配置されている。連通管50の一端部は、基礎2の内部空間15の底面近傍に開口している。連通管50は、基礎2の立上り部の上部を跨って外部に突出し、その先端部から下方に延出している。連通管50の他端部(下流側端部)は、排水配管40に接続されている。連通管50の他端部は、排水配管40の屈曲部に側方から接続されており、連通管50と排水配管40とで上下方向が逆のT字形状を呈している。具体的には、連通管50と排水配管40とは、チーズと称されるT字状の継手を介して接続されている。連通管50の上端部(配管高さが最も高い位置)には、基礎2側から外部に向けて、その内部の空気を排出可能な弁装置51が設けられている。弁装置51は、閉弁状態となることで、連通管50側からの逆流(すなわち連通管50を経由して基礎2内に向けての逆流)を防止するためのものである。
本実施形態に係る排水装置1aおよびサイフォン装置20によれば、浸水によって貯留部10およびサイフォン装置20内の水位が所定高さ(内筒22の上端高さ)を超えた後、排水配管40による排水機能が復旧することにより、第一実施形態のサイフォン装置と同様に、自動でサイフォンが起動して、貯留部10内の水が排水配管40を介して排水される(第1のサイフォン)。水槽14を基礎よりも低い位置に設置すれば、基礎2内の水Wの水位が低いような場合(軽度の浸水被害)であっても、水槽14内には、サイフォン装置20を起動させるための水Wを十分に貯留させることができる。そこで、水槽14の容量としては、少なくとも連通管50内に形成される空気だまりを吸い出し、基礎2内の水Wが連通管50内を経由してサイフォンが起こる量の容量を準備すればよい。このようにして、排水配管40に関しては、サイフォン装置20の起動により、基礎2内の水Wを排水する第2のサイフォンを起動できる。
ここで、図9のような場合であれば、浸水が進行し、弁装置51が閉弁状態となり、逆流は防止される。その一方で、水位が連通管50の上端部を超えると、基礎2の内部空間15内には水Wが溜まっていく。この際、弁装置51を隔てて、基礎2側の連通管50内には空気だまりが形成されている。浸水状態では、この空気だまりは抜けきらず、連通管50によるサイフォンは発生しない。
その後に、排水機能が復旧すると、サイフォン装置20が起動し、連通管50内の水および空気が排水領域41に向かって引かれていく。すると、弁装置51から連通管50内の空気が抜けた後、基礎2から吸い上げた水Wによって、連通管50内が水で満たされ、基礎2の内部空間15の水Wと排水配管40内の水とが繋がる。すると、基礎2の内部空間15と排水配管40との間で第2のサイフォンが起動する。そして、内部空間15の水Wは、自動的に排水領域41に排出される。一方、水位が連通管50の上端部を超える前に、連通管50内を手動で負圧にし、基礎2の内部空間15の水Wを吸引して、連通管50内を満水状態にすれば、早期に基礎2の内部空間15と排水配管40との間でサイフォンが起動するので、基礎2の内部空間15の冠水を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の排水装置1aにおいても、基礎2の内部空間15の水Wを排水するのに、電源不要であるとともに、従来用いられていた蓋の取外しも不要である。また、排水装置1およびサイフォン装置20の構成がコンパクトであるため、装置の設置が容易である。
また、本実施形態の排水装置1aによれば、水槽14を新設することで、既存の建物に追加で排水機能を設けることができる。
次に、図10および図11を参照しながら、第三実施形態に係る排水装置1bについて説明する。かかる排水装置1bは、第二実施形態と比較して、排水配管40と連通管50とを接続する構造が異なる。本実施形態では、排水配管40と連通管50とは、減圧部51を介して接続されている。減圧部51は、サイフォン装置20によって流出する液体を利用して、基礎2内部の水を連通管50内に引き込むためのものである。減圧部51は、例えば、アスピレータによって構成される。ここで、アスピレータは、水の噴流によるベンチュリ効果を利用して、流体(気体や液体)を巻き込むことができるものである。本実施形態では、図11に示すように、サイフォン装置20の内筒22が減圧部51の上方から下方に向けて挿入されており、連通管50の下流端部が減圧部51の側方から接続されている。内筒22の下端部は、連通管50の下流端部の開口部高さに配置されている。なお、その他の構成については、第二実施形態と同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る排水装置1bおよびサイフォン装置20によれば、貯留部10およびサイフォン装置20内の水位が所定高さ(内筒22の上端高さ)を超えると自動でサイフォンが起動する。その後、冠水が引いて、排水領域40まで水位が下がると、図11の(a)に示すように、貯留部10内の水が内筒22の下端部から排水配管40内に排出される。そして、減圧部51の内部では、内筒22の下端部からの水の噴流によって、連通管50内の空気が巻き込まれ、連通管50内が負圧となる。これによって、基礎2の内部空間15の水Wが連通管50内に吸引される。そして、図11の(b)に示すように、連通管50内が満水状態となり、基礎2の内部空間15の水Wと排水配管40内の水とが繋がる。すると、基礎2の内部空間15と排水配管40との間でサイフォンが起動し、内部空間15の水Wは、自動的に排水領域41に排出される。
以上説明したように、本実施形態においても、基礎2の内部空間15の水Wを排水するのに、電源不要であるとともに従来用いられていた蓋の取外しも不要である。また、排水装置1およびサイフォン装置20の構成がコンパクトであるため、装置の設置が容易である。さらに、本実施形態では、連通管50の上端部まで浸水が進行しない状態であっても、サイフォン装置20のサイフォンが起動すれば、減圧部51で連通管50の空気が巻き込まれるので、基礎2の内部空間15の水Wを排出することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。たとえば、前記実施形態では、連通管50は、基礎2の立上り部を跨ぐように設けているが、このような形状に限定されるものではない。基礎2の立上り部に貫通孔を形成し、連通管50を挿通させるようにしてもよい。このようにすれば、基礎2の内部空間15の水Wの排水を自動で開始する水位を、基礎2の上端部よりも低くすることができる。
また、前記実施形態の排水装置は、冠水による貯留部10への水Wの侵入をサイフォン現象の呼び水としているが、サイフォンの起動はこれに限定されるものではなく、貯留部10へ人為的に注水を行う事によってもサイフォンの起動が可能である。万一、冠水によりサイフォンの起動が発生しなかった場合や、基礎2内の浄化の為に、繰り返し注水、洗浄を行う場合において、故意に注水を行う事によっても同様な効果を得ることができる。
1,1a,1b 排水装置
2 基礎
10 貯留部
14 水槽
15 内部空間
20,20a サイフォン装置
21,21a 外側容器
22,22a 内筒
28 取水孔
40 排水配管
41 排水領域
50 連通管
51 減圧部(アスピレータ)

Claims (5)

  1. 水が溜まる貯留部と、前記貯留部に配置され水位が所定高さを超えるとサイフォンが起動するサイフォン装置と、一端部が前記サイフォン装置に接続され他端部が前記貯留部よりも低い位置に設けられた排水領域に繋がる排水配管とを備え、
    前記サイフォン装置は、外側容器と上下方向に延在する内筒とを備えており、
    前記外側容器は、内部に水を取り込む取水孔を備え、
    前記内筒の上端部は、前記取水孔より上方で前記外側容器内に収容され、前記内筒の下端部は、前記排水配管に連通している
    ことを特徴とする排水装置。
  2. 前記サイフォン装置は、前記貯留部に対して複数設置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の排水装置。
  3. 前記貯留部は、建物の基礎外に設けられた水槽にて構成されており、
    一端部が前記基礎の内部の空間に開口して配置され他端部が前記排水配管に繋がる連通管をさらに備えている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排水装置。
  4. 前記連通管と前記排水配管とは、減圧部を介して接続されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の排水装置。
  5. 建物の基礎内に溜まった水を排水すべく、水位が所定高さを超えるとサイフォンが起動するサイフォン装置であって、
    外側容器と、上下方向に延在する内筒とを備えており、
    前記外側容器は、内部に水を取り込む取水孔を備え、
    前記内筒の上端部は、前記取水孔より上方で前記外側容器内に収容され、前記内筒の下端部は、外部の排水配管に連通する
    ことを特徴とするサイフォン装置。
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