JP2021175958A - アトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカーの調製方法 - Google Patents

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Satoko Fukagawa
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Abstract

【課題】低侵襲又は非侵襲的なアトピー性皮膚炎の検出方法の提供。【解決手段】被験体から採取した皮膚表上脂質からのアトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカーの回収。該タンパク質マーカーを用いたアトピー性皮膚炎の検出。【選択図】なし

Description

本発明は、アトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカーの調製方法、及び当該タンパク質マーカーを用いたアトピー性皮膚炎の検出方法に関する。
アトピー性皮膚炎(Atopic Dermatitis、以下「AD」とも称する。)は、アトピー素因を有する者に主に発症する湿疹性皮膚疾患である。ADの典型的な症状は、左右対側性に発生する、慢性及び反復性の痒み、皮疹、紅斑等、ならびに角化不全、バリア能低下、乾燥肌などである。ADの多くは乳幼児に発症し、成長と共に軽快傾向を示すが、近年では成人型や難治性のADも増加している。
アレルギーやアトピーになりやすい遺伝的素因を持っている新生児又は乳児は、乳児湿疹、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、さらには気管支喘息、アレルギー性鼻炎など、年齢とともに様々なアレルギー疾患を発症すること(アレルギーマーチ)が報告されている。このようにアレルギー疾患は、1つの疾患を発症すると別のアレルギー疾患に罹患する可能性が高くなり、その治療も長期にわたることが多い。したがって、乳幼児の段階でアレルギー疾患の発症を抑えることが必要とされている。
ADの病態の評価については、従来さまざまな評価方法が臨床現場で用いられている。皮膚科医による評価項目として、Severity Scoring of Atopic Dermatitis(SCORAD)やEczema Area and Severity Index(EASI)がよく用いられる。しかし、これらの評価方法は、評価者の主観によるところが大きいことから、より客観的なバイオマーカーと併用されることが多い。ADの血清学的な評価項目として、血液中の総IgE値、末梢血好酸球数、血清Lactate dehydrogenase(LDH)値、血清thymus and activation−regulated chemokine(TARC)値などが一般的に使用されている。しかし、血清学的な評価は採血を伴うことから侵襲的であり、また、必ずしも十分な精度で診断が可能であるとは云えない。
皮膚は、外界と接していることから、低侵襲的に生体試料を採取できる組織である。従来、バイオプシで採取した皮膚組織やテープ剥離した角層などの皮膚サンプルから各種の核酸又はタンパク質マーカーが単離されている。非特許文献1〜6及び特許文献1には、粘着性の弱い接着テープを皮膚に貼付することで皮膚表面から非侵襲的にインターロイキン類(ILs)、TNF−α、INF−γ、ヒトβディフェンシン(hBD2)などのペプチドマーカーを採取し、採取したマーカーを用いて皮膚の疾患や状態を調べたことが記載されている。特許文献2には、皮膚表上脂質から被験体の皮膚細胞に由来するRNA等の核酸を分離し、生体の解析用の試料として用いることが記載されている。
国際公開公報第2014/144289号 国際公開公報第2018/008319号
Skin Res Technol, 2001, 7(4):227-37 Skin Res Technol, 2002, 8(3):187-93 Med Devices (Auckl), 2016, 9:409-417 Med Devices (Auckl), 2018, 11:87-94 J Tissue Viability, 2019, 28(1):1-6 J Diabetes Res, doi/10.1155/2019/1973704
本発明は、被験体から低侵襲又は非侵襲的にアトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカーを調製する方法、及び当該タンパク質マーカーを用いたアトピー性皮膚炎の検出方法に関する。
一態様において、本発明は、被験体から採取した皮膚表上脂質から、下記表1−1〜1−13に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を回収することを含む、アトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカーの調製方法を提供する。
別の一態様において、本発明は、被験体から採取した皮膚表上脂質から、下記表1−1〜1−13に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を検出することを含む、被験体におけるアトピー性皮膚炎の検出方法を提供する。
さらに別の一態様において、本発明は、下記表2−1〜2−5に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を含む、アトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカーを提供する。
本発明によれば、簡便、かつ低侵襲又は非侵襲的な手法で、被験体からアトピー性皮膚炎検出用のタンパク質マーカーを回収し、又は該マーカーを用いてアトピー性皮膚炎を検出することができる。したがって、本発明は、侵襲的な生体サンプル採取が容易でなかった乳幼児を含む様々な被験体におけるアトピー性皮膚炎診断を可能にする。また本発明の方法は、乳幼児及び成人のアトピー性皮膚炎の早期診断及び治療に貢献し得る。
本明細書中で引用された全ての特許文献、非特許文献、及びその他の刊行物は、その全体が本明細書中において参考として援用される。
本明細書中に開示されるタンパク質の名称は、UniProt([https://www.uniprot.org/])に記載のあるGene Name或いはProtein Nameに従う。
本明細書において、「乳幼児」とは、0歳から学童に入るまでの年齢、具体的には0歳から5歳までの人を指す。本明細書において、「成人」とは、広義には「乳幼児」に該当しない人を指すが、好ましくは第2次性徴が終了した人を指し、具体的には16歳以上の人が好ましく、20歳以上の人がより好ましい。
本明細書において、「皮膚表上脂質(skin surface lipids;SSL)」とは、皮膚の表上に存在する脂溶性画分をいい、皮脂と呼ばれることもある。一般に、SSLは、皮膚にある皮脂腺等の外分泌腺から分泌された分泌物を主に含み、皮膚表面を覆う薄い層の形で皮膚表上に存在している。
本明細書において、「皮膚」とは、特に限定しない限り、体表の表皮、真皮、毛包、ならびに汗腺、皮脂腺及びその他の腺などの組織を含む領域の総称である。
本発明において、アトピー性皮膚炎の「検出」とは、SSLを採取した被験体におけるアトピー性皮膚炎の存在又は不存在を明らかにする意味であり、検査、測定、判定、評価又は評価支援という用語で言い換えることもできる。なお、本明細書において「判定」又は「評価」という用語は、医師による判定や評価を含むものではない。
本明細書において、「特徴量」とは機械学習における「説明変数」と同義である。本明細書において、アトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカーから選択される機械学習に使用するタンパク質を「特徴量タンパク質」と称することもある。
本発明者は、SSL中に、アトピー性皮膚炎(AD)の検出に有用なタンパク質が含まれていることを見出した。これらのタンパク質は、AD検出用タンパク質マーカーとして使用することができる。したがって、被験体の皮膚表面からSSLを採集するという簡便かつ低侵襲又は非侵襲的な手法で、被験体のADの検出のための生体サンプル及びそれに含まれるタンパク質マーカーを回収することができる。
したがって、一態様において、本発明はAD検出用タンパク質マーカーを提供する。別の一実施形態において、本発明はAD検出用タンパク質マーカーの調製方法を提供する。当該方法は、被験体から採取したSSLから標的であるAD検出用タンパク質マーカーを回収することを含む。別の一実施形態において、本発明はAD検出方法を提供する。当該方法は、被験体から採取したSSLから該AD検出用タンパク質マーカーを検出することを含む。
本発明によるAD検出用タンパク質マーカーの調製方法及びAD検出方法(以下、まとめて本発明の方法ともいう)において、被験体は、皮膚上にSSLを有する生物であればよい。被験体の例としては、ヒト及び非ヒト哺乳動物を含む哺乳動物が挙げられ、好ましくはヒトである。該被験体は、性別及び年齢は限定されず、乳児から成人までを含み得る。好ましくは、該被験体は、ADの検出を必要とするか又は希望する哺乳動物(好ましくはヒト)である。例えば、該被験体は、ADの発症が疑われる哺乳動物(好ましくはヒト)である。
一実施形態において、本発明の方法は、被験体のSSLを採取することをさらに含んでいてもよい。SSLが採取される皮膚の部位としては、頭、顔、首、体幹、手足等の身体の任意の部位の皮膚が挙げられ、好ましくはAD様の湿疹や乾燥等の症状を有する部位の皮膚が挙げられる。
被験体の皮膚からのSSLの採取には、皮膚からのSSLの回収又は除去に用いられているあらゆる手段を採用することができる。好ましくは、後述するSSL吸収性素材、SSL接着性素材、又は皮膚からSSLをこすり落とす器具を使用することができる。SSL吸収性素材又はSSL接着性素材としては、SSLに親和性を有する素材であれば特に限定されず、例えばポリプロピレン、パルプ等が挙げられる。皮膚からのSSLの採取手順のより詳細な例としては、あぶら取り紙、あぶら取りフィルム等のシート状素材へSSLを吸収させる方法、ガラス板、テープ等へSSLを接着させる方法、スパーテル、スクレイパー等によりSSLをこすり落として回収する方法、などが挙げられる。SSLの吸着性を向上させるため、脂溶性の高い溶媒を予め含ませたSSL吸収性素材を用いてもよい。一方、SSL吸収性素材は、水溶性の高い溶媒や水分を含んでいるとSSLの吸着が阻害されるため、水溶性の高い溶媒や水分の含有量が少ないことが好ましい。SSL吸収性素材は、乾燥した状態で用いることが好ましい。
採取されたSSLは、直ちに後述のタンパク質抽出工程に用いられてもよいが、該タンパク質抽出工程に用いるまで保存されてもよい。保存する場合、SSLは採取後できるだけ速やかに低温条件で保存することが好ましい。SSLの保存の温度条件は、0℃以下であればよく、好ましくは−20±20℃〜−80±20℃、より好ましくは−20±10℃〜−80±10℃、さらに好ましくは−20±20℃〜−40±20℃、さらに好ましくは−20±10℃〜−40±10℃、さらに好ましくは−20±10℃、さらに好ましくは−20±5℃である。SSLの保存の期間は、特に限定されないが、好ましくは12か月以下、例えば6時間以上12ヶ月以下、より好ましくは6ヶ月以下、例えば1日間以上6ヶ月以下、さらに好ましくは3ヶ月以下、例えば3日間以上3ヶ月以下である。
採取したSSLからのタンパク質の抽出には、生体試料からのタンパク質の抽出又は精製に通常使用される方法、例えば水、phosphate−buffered saline溶液、又は界面活性剤としてTriton X−100、Tween20等を含む溶液による抽出方法、あるいはM−PER buffer(Thermo Fisher Scientific)、MPEX PTS Reagent(GL science)、QIAzol Lysis Reagent(Qiagen)、EasyPepTM Mini MS Sample Prep Kit(ThermoFisher Scientific)等の市販のタンパク質抽出試薬やキットによる抽出方法を用いることができる。
抽出されたSSL由来タンパク質には、後述するAD検出用タンパク質マーカーが1種以上含まれ得る。該SSL由来タンパク質は、直ちに後述のAD検出に用いられてもよいが、該AD検出に用いるまでタンパク質の通常の保存条件下で保存されてもよい。
後述の実施例に示すとおり、表1−1〜1−13に示す418種のSSL由来タンパク質は、健常者と比べて、AD患者でSSL中の存在量が有意に変動するタンパク質である。また、これらのタンパク質のSSL中の存在量を特徴量として用いた機械学習により構築した予測モデルによってADの予測が可能である。したがって、表1−1〜1−13に示すSSL由来タンパク質は、AD検出用タンパク質マーカーとして使用することができる。表1−1〜1−13に示すタンパク質のうち、表2−1〜2−5に示す147種のタンパク質は、後述の実施例で示すように、これまでADとの関連が報告されていない、新規のAD検出用タンパク質マーカーである。さらに、表3−1〜3−2に示す65種のタンパク質は、後述する表4−1〜4−6に示す200種のタンパク質と、表5−1〜5−9に示す283種のタンパク質に共通するタンパク質であり、AD検出用タンパク質マーカーとして好ましく使用することができる。
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より詳細には、表1−1〜1−13に示すSSL由来タンパク質は、下記表4−1〜4−6及び表5−1〜5−9に示すタンパク質を含み、表4−1〜4−6に示すタンパク質は、下記表7−1〜7−4、表8、表11−1〜11−4、表12−1〜12−4及び表13に示すタンパク質を含み、表5−1〜5−9に示すタンパク質は、下記表9−1〜9−7、表10−1〜10−2、表14−1〜14−7、表15−1〜15−4及び表16に示すタンパク質を含む。
後述する実施例に示すように、健常児及びAD罹患児のSSLから抽出され、健常児又はAD罹患児いずれかの群の75%以上の被験体で定量値が得られたタンパク質の定量値を解析した。その結果、健常児と比較してAD罹患児で存在比が1.5倍以上(p≦0.05)に上昇した116種のタンパク質(表7−1〜7−4)、及び0.75倍以下(p≦0.05)に減少した12種のタンパク質(表8)が同定された。同様に、成人健常者及び成人AD患者2のSSLから抽出され、健者又はAD患者いずれかの群の75%以上の被験体で定量値が得られたタンパク質の定量値を解析した。その結果、健常者と比較してAD患者で存在比が1.5倍以上(p≦0.05)に上昇した205種のタンパク質(表9−1〜9−7)、及び0.75倍以下(p≦0.05)に減少した37種のタンパク質(表10−1〜10−2)が同定された。
したがって、一実施形態において、本発明のAD検出方法は、被験体のSSLにおける該AD検出用タンパク質マーカーの量(例えばSSL中マーカー濃度)に基づいてADを検出することを含む。
例えば、被験体SSL中における表7−1〜7−4、表8、表9−1〜9−7及び表10−1〜10−2に示す1種以上のタンパク質マーカーの濃度を基準に、該SSLが由来する被験体がADであるか否か(言い換えると、該SSLがADである被験体に由来するか否か)を検出することができる。本発明のAD検出方法においては、表7−1〜7−4、表8、表9−1〜9−7及び表10−1〜10−2に示すタンパク質は、いずれか1種、又はいずれか2種以上を組み合わせて、AD検出用タンパク質マーカーとして使用することができる。例えば、被験体のSSL中における該1種以上のマーカー(標的マーカー)の濃度を測定し、測定したマーカーの濃度を健常群と比較することによって、該被験体がADであるか否かを検出することができる。
標的マーカーが表7−1〜7−4及び表9−1〜9−7に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種である場合、被験体における該標的マーカーの濃度が健常群と比べて高ければ、該被験体はADと検出され得る。例えば、被験体における該標的マーカーの濃度が健常群と比べて統計学的に有意に高ければ、該被験体はADと検出され得る。また例えば、被験体における該標的マーカーの濃度が健常群に対して、好ましくは110%以上、より好ましくは120%以上、さらに好ましくは150%以上であれば、該被験体はADと検出され得る。標的マーカーとして2つ以上のAD検出用タンパク質マーカーを用いる場合には、標的マーカーの一定割合、例えば50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%が上述の基準を満たすか否かに基づいて、被験体のADを検出することができる。
標的マーカーが表8及び表10−1〜10−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種である場合、被験体における該標的マーカーの濃度が健常群と比べて低ければ、該被験体はADと検出され得る。例えば、被験体における該標的マーカーの濃度が健常群と比べて統計学的に有意に低ければ、該被験体はADと検出され得る。また例えば、被験体における該標的マーカーの濃度が健常群に対して、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、さらに好ましくは75%以下であれば、該被験体はADと検出され得る。標的マーカーとして2つ以上のAD検出用タンパク質マーカーを用いる場合には、標的マーカーの一定割合、例えば50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%が上述の基準を満たすか否かに基づいて、被験体のADを検出することができる。
AD検出用タンパク質マーカーのSSL中濃度は、ELISA、免疫染色、蛍光法、電気泳動、クロマトグラフィー、質量分析などの、通常のタンパク質の検出又は定量法を用いて測定することができる。このうち、LC−MS/MSなどの質量分析法が好ましい。濃度測定では、上記SSL由来タンパク質をサンプルとして、通常の手順に従って、標的とする1種以上のタンパク質マーカーの検出又は定量を実施すればよい。算出される該標的マーカーの濃度は、SSL中の該標的マーカーの絶対量に基づく濃度であっても、SSL中の他の標準物質や総タンパク質に対する相対濃度であってもよい。
該健常群は、ADに罹患していない集団であり得る。該健常群は、被験体と同種の生物の集団であればよい。必要に応じて、被験体の性状に合わせて健常群を構成する集団を選択してもよい。例えば、被験体が乳幼児である場合に健常な乳幼児集団を健常群として用いたり、又は、被験体が成人である場合に健常な成人集団を健常群として用いたりすることができる。該健常群における該AD検出用タンパク質マーカーの濃度は、前述の手順で測定することができる。好ましくは、健常群における該マーカーの濃度は予め測定されている。より好ましくは、健常群における表7−1〜7−4、表8、表9−1〜9−7及び表10−1〜10−2に示すマーカーの全ての濃度が予め測定されている。
あるいは、表7−1〜7−4及び表9−1〜9−7に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種と、表8及び表10−1〜10−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種とを組み合わせて標的マーカーとして用いてもよい。AD検出の基準は上記と同様である。
本発明のAD検出方法の一実施形態において、被験体が乳幼児の場合、標的マーカーは表7−1〜7−4及び表8に示されたAD検出用タンパク質マーカーから選択される少なくとも1種が好ましく、被験体が成人の場合、標的マーカーは表9−1〜9−7及び表10−1〜10−2に示されたAD検出用タンパク質マーカーから選択される少なくとも1種が好ましい。
乳幼児用のAD検出用タンパク質マーカーの別の好ましい例としては、下記表11−1〜11−4に示す127種のタンパク質が挙げられる。表11−1〜11−4に示すタンパク質は、健常児及びAD罹患児のSSLから抽出され、全被験体の75%以上で定量値が得られたタンパク質のうち、健常児と比較してAD罹患児で存在比が1.5倍以上(p≦0.05)に上昇又は0.75倍以下(p≦0.05)に減少したタンパク質である。成人用のAD検出用タンパク質マーカーの別の好ましい例としては、下記表14−1〜14−7に示す220種のタンパク質が好ましい例として挙げられる。表14−1〜14−7に示すタンパク質は、成人健常者及び成人AD患者のSSLから抽出され、全被験体の75%以上で定量値が得られたタンパク質のうち、健常者と比較してAD患者で存在比が1.5倍以上(p≦0.05)に上昇又は0.75倍以下(p≦0.05)に減少したタンパク質である。
したがって、本発明のAD検出方法の別の一実施形態において、被験体が乳幼児の場合、標的マーカーは表11−1〜11−4に示されたAD検出用タンパク質マーカーから選択される少なくとも1種が好ましく、被験体が成人の場合、標的マーカーは表14−1〜14−7に示されたAD検出用タンパク質マーカーから選択される少なくとも1種が好ましい。あるいは、被験体に乳幼児と成人の両方が含まれる場合は、表11−1〜11−4に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種と、表14−1〜14−7に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種とを組み合わせて標的マーカーとして用いてもよい。
さらなる実施形態において、本発明のAD検出方法は、被験体のSSLにおける該AD検出用タンパク質マーカーの量(例えばSSL中マーカー濃度)を利用して構築された予測モデルに基づいてADを検出することを含む。例えば、該AD検出用タンパク質マーカーの量を説明変数とし、ADか否かを目的変数として、機械学習アルゴリズムによりAD患者と健常者とを分ける判別式(予測モデル)を構築する。当該判別式を利用して、ADを検出することができる。該マーカーの量(濃度)は、絶対値であっても相対値であってもよくあるいは正規化処理されていてもよい。
一実施形態においては、AD患者SSL由来の標的マーカーの定量値と、健常者SSL由来の標的マーカーの定量値を教師サンプルとして、AD患者と健常人を分ける判別式(予測モデル)を構築し、当該判別式に基づいてアトピー性皮膚炎患者と健常者を判別するカットオフ値(参照値)を求める。次いで被験体から採取されたSSLから標的マーカーの量を測定し、得られた測定値を当該判別式に代入し、当該判別式から得られた結果を参照値と比較することによって、被検体におけるADの存在又は不存在を検出できる。
判別式の構築に用いる変数には説明変数と目的変数がある。説明変数としては、例えば、下記の方法で選択したAD検出用タンパク質マーカーの発現レベル(例えばSSL中濃度)を用いることができる。目的変数としては、例えば、そのサンプルが健常人由来かAD患者由来か(ADの有無)、を用いることができる。
特徴量には、判別する2群間の統計学的に有意な差異、例えば、発現レベルが2群間で有意に変動するタンパク質(発現変動タンパク質)を特徴量タンパク質とし、その発現レベルを用いることができる。また特徴量タンパク質は、機械学習アルゴリズムなどの公知のアルゴリズムを利用して抽出することができる。例えば、下記に示すランダムフォレストにおける変数重要度の高いタンパク質の発現レベルを用いたり、R言語の“Boruta”パッケージなどを用いて特徴量タンパク質を抽出したりすることができる。
判別式の構築におけるアルゴリズムとしては、機械学習に用いるアルゴリズムなどの公知のものを利用することができる。機械学習アルゴリズムの例としては、ランダムフォレスト(Random forest)、線形カーネルのサポートベクターマシン(SVM linear)、rbfカーネルのサポートベクターマシン(SVM rbf)ニューラルネットワーク(Nerural net)、一般線形モデル(Generalized linear model)、正則化線形判別分析(Regularized linear discriminant analysis)、正則化ロジスティック回帰(Regularized logistic regression)などが挙げられる。構築した予測モデルに検証用のデータを入力して予測値を算出し、該予測値が実測値と最も適合するモデル、例えば正解率(Accuracy)が最も大きいモデルを最適な予測モデルとして選抜することができる。また、予測値と実測値から検出率(Recall)、精度(Precision)、及びそれらの調和平均であるF値を計算し、そのF値が最も大きいモデルを最適な予測モデルとして選抜することができる。
判別式の構築においてランダムフォレストのアルゴリズムを使用する場合、予測モデルの精度の指標として、未知データに対する推定の誤答率(OOB error rate)を算出することができる(Breiman L. Machine Learning (2001) 45;5-32)。ランダムフォレストにおいては、ブートストラップ法という手法に従い、全サンプル中から重複を許して、サンプル数の約3分の2のサンプルをランダムに抽出し、決定木と呼ばれる分類器を作成する。このとき、抽出されなかったサンプルはOut of bug(OOB)と呼ばれる。1本の決定木を用いてOOBの目的変数の予測を行い、正解ラベルと比較することで、その誤答率を算出することができる(決定木におけるOOB error rate)。同様の作業を500回繰り返し行い、500本の決定木におけるOOB error rateの平均値をとった値を、該ランダムフォレストのモデルのOOB error rateとすることができる。
なお、ランダムフォレストのモデルを構築する決定木の数(ntree値)は、デフォルトでは500本であるが、必要に応じて任意の本数に変更することができる。さらに、1つの決定木においてサンプルの判別式の作成に用いる変数の数(mtry値)は、デフォルトでは説明変数の数の平方根をとった値であるが、必要に応じて1つから全説明変数の数までの値のいずれかに変更することができる。mtry値の決定にはR言語の“caret”パッケージを用いることができる。“caret”パッケージのメソッドにランダムフォレストを指定し、8通りのmtry値を試行し、例えばAccuracyが最大となるmtry値を最適なmtry値として選択することができる。なお、mtry値の試行回数は、必要に応じて任意の試行回数に変更することができる。
判別式の構築においてランダムフォレストのアルゴリズムを使用する場合、モデルの構築に用いた説明変数の重要度を数値(変数重要度)化することができる。変数重要度の値には、例えば、ジニ係数の減少量(Mean Decrease Gini)を用いることができる。
カットオフ値(参照値)の決定方法は特に制限されず、公知の手法に従って決定することができる。例えば、判別式を使用して作成されたROC(Receiver Operating Characteristic Curve)曲線より求めることができる。ROC曲線では、縦軸に陽性患者において陽性の結果がでる確率(感度)と、横軸に陰性患者において陰性の結果がでる確率(特異度)を1から減算した値(偽陽性率)がプロットされる。ROC曲線に示される「真陽性(感度)」及び「偽陽性(1−特異度)」に関し、「真陽性(感度)」−「偽陽性(1−特異度)」が最大となる値(Youden index)をカットオフ値(参照値)とすることができる。
予測モデルの構築に多数のタンパク質のデータを使用する場合は、必要に応じて、主成分分析(PCA)によってデータを圧縮してから予測モデルの構築を行ってもよい。例えば、タンパク質の定量値の主成分分析により次元圧縮を行ない、主要な主成分を予測モデルの構築のための説明変数とすることができる。
後述の実施例に示すように、健常児とAD罹患児で発現変動が見られた表11−1〜11−4のタンパク質を特徴量タンパク質とし、その定量データ(Log2(Abundance+1)値)を説明変数とし、健常児とAD罹患児を目的変数とし、機械学習アルゴリズムとしてランダムフォレスト(Breiman L. Machine Learning (2001) 45;5-32)を用いて検出モデルの構築を試みた。構築された予測モデルにより乳幼児ADの予測が可能であることが示された。また後述の実施例に示すように、成人健常者と成人AD患者で発現変動が見られた表14−1〜14−7のタンパク質についても、同様に構築された予測モデルにより成人ADの予測が可能であることが示された。よって、本発明のAD検出方法の一実施形態においては、被験体は乳幼児であり、標的マーカーは表11−1〜11−4に示す127種のタンパク質である。本発明のAD検出方法の別の一実施形態においては、被験体は成人であり、標的マーカーは表14−1〜14−7に示す220種のタンパク質である。
後述する実施例に示すように、健常児とAD罹患児を被験者とし、被験者からのSSL由来タンパク質の定量データ(Log2(Abundance+1)値)を説明変数とし、健常児とAD罹患児を目的変数とし、機械学習アルゴリズムとしてランダムフォレストを用いて特徴量タンパク質の抽出及び予測モデルの構築を試みた。モデル構築の過程で算出されたジニ係数に基づいて変数重要度の上位140種のタンパク質(表12−1〜12−4)を特徴量タンパク質として選択し、これを用いて予測モデルを構築した。構築された予測モデルにより乳幼児ADの予測が可能であることが示された。また後述の実施例に示すように、健常者(成人)とAD患者(成人)を被験者とし、被験者からのSSL由来タンパク質の定量データ(Log2(Abundance+1)値)を用いて、同様に特徴量タンパク質の抽出及び予測モデルの構築を試みた。ジニ係数に基づく変数重要度の上位110種のタンパク質(表15−1〜15−4)を特徴量タンパク質として選択し、これを用いて予測モデルを構築した。構築された予測モデルにより成人ADの予測が可能であることが示された。よって、本発明のAD検出方法の一実施形態においては、被験体は乳幼児であり、標的マーカーは表12−1〜12−4に示す140種のタンパク質である。本発明のAD検出方法の別の一実施形態においては、被験体は成人であり、標的マーカーは表15−1〜15−4に示す110種のタンパク質である。
後述の実施例で示すように、健常児とAD罹患児を被験者とし、被験者からのSSL由来タンパク質の定量データ(Log2(Abundance+1)値)を説明変数とし、健常児とAD罹患児を目的変数とし、機械学習アルゴリズムとしてBoruta法(Kursa et al. Fundamental Informaticae (2010) 101;271-286)を用いて特徴量タンパク質の抽出(最大試行回数1000回、p値0.01未満)を行った。35種のタンパク質(表13)が特徴量タンパク質として抽出された。これらのタンパク質の定量データを特徴量に用いたランダムフォレストにより構築した予測モデルで乳幼児ADの予測が可能であることが示された。また後述の実施例で示すように、健常者(成人)とAD患者(成人)を被験者とし、被験者からのSSL由来タンパク質の定量データ(Log(Abundance+1)値)を説明変数に使用して同様に特徴量タンパク質の抽出を行った。24種のタンパク質(表16)が特徴量タンパク質として抽出された。これを用いて同様にランダムフォレストにより構築した予測モデルで成人ADの予測が可能であることが示された。よって、よって、本発明のAD検出方法の別の一実施形態においては、被験体は乳幼児であり、AD検出用タンパク質マーカーは表13に示す35種のタンパク質である。本発明のAD検出方法の別の一実施形態においては、被験体は成人であり、AD検出用タンパク質マーカーは表16に示す24種のタンパク質である。
上述のAD検出用タンパク質マーカーのうち、発現変動解析で抽出された表7−1〜7−4、表8及び表11−1〜11−4いずれかに含まれる130種タンパク質(A)と、ランダムフォレストによるにより特徴量タンパク質として選択された表12−1〜12−4に示す140種のタンパク質(B)と、Boruta法により特徴量タンパク質として選択された表13に示す35種のタンパク質(C)の和集合(A∪B∪C)が、表4−1〜4−6に示す200種のタンパク質である。表4−1〜4−6に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質は、本発明において好ましい乳幼児AD検出用マーカーとして使用される。該少なくとも1種のタンパク質の量を被験体と健常群との間で比較することで、乳幼児ADを検出することができる。あるいは、該少なくとも1種のタンパク質を特徴量タンパク質として予測モデルを構築し、該予測モデルに基づいて乳幼児ADを検出することができる。
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上述の表4−1〜4−6に示すタンパク質のうち、POF1B(Protein POF1B)、MNDA(Myeloid cell nuclear differentiation antigen)、SERPINB4(Serpin B4)、CLEC3B(Tetranectin)、PLEC(Plectin)、LGALS7(Galectin-7)、H2AC4(Histone H2A type 1-B/E)、SERPINB3(Serpin B3)、AMBP(Protein AMBP)、PFN1(Profilin-1)、DSC3(Desmocollin-3)、IGHG1(Immunoglobulin heavy constant gamma 1)、ORM1(Alpha-1-acid glycoprotein 1)、RECQL(ATP-dependent DNA helicase Q1)、RPL26(60S ribosomal protein L26)、KLK13(Kallikrein-13)、RPL22(60S ribosomal protein L22)、APOA2(Apolipoprotein A-II)、SERPINB5(Serpin B5)、LCN15(Lipocalin-15)、IGHG3(Immunoglobulin heavy constant gamma 3)、CAP1(Adenylyl cyclase-associated protein 1)及びSPRR2F(Small proline-rich protein 2F)からなる23種のタンパク質は、上記のタンパク質(A)、(B)及び(C)に共通するタンパク質である。これらの23種のタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質は、本発明においてより好ましい乳幼児AD検出用マーカーとして使用される。該少なくとも1種のタンパク質の量を被験体と健常群との間で比較することで、乳幼児ADを検出することができる。あるいは、該少なくとも1種のタンパク質を特徴量タンパク質として予測モデルを構築し、該予測モデルに基づいて乳幼児ADを検出することができる。
本発明の好ましい実施形態においては、乳幼児被験体から採取したSSLから、前記23種のタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種、好ましくは2種以上、より好ましくは5種以上、さらに好ましくは10種以上、さらに好ましくは全てのタンパク質を定量する。また、本発明では、前記23種のタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質に加えて、下記表4−1〜4−6に示される200種のタンパク質(前記23種のタンパク質を除く)からなる群より選択される1種以上のタンパク質を定量してもよい。例えば、前記23種のタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質に加えて、表11−1〜11−4に示される127種のタンパク質(前記23種のタンパク質を除く)からなる群より選択される少なくとも1種、表12−1〜12−4に示される140種のタンパク質(前記23種のタンパク質を除く)からなる群より選択される少なくとも1種、及び/又は表13に示される35種のタンパク質(前記23種のタンパク質を除く)からなる群より選択される少なくとも1種を定量してもよい。このとき、表11−1〜11−4からタンパク質を選択する場合は、発現変動の有意性がより高い(例えばp値がより小さい)ものから優先的に選択してもよい。また、表12−1〜12−4のタンパク質を選択する場合は、変数重要度がより上位のタンパク質から優先的に選択したり、変数重要度が上位から50位、好ましくは30位までのタンパク質群から選択してもよい。上記のような少なくとも1種のタンパク質の量を被験体と健常群との間で比較することで、乳幼児ADを検出することができる。あるいは、上記のような少なくとも1種のタンパク質を特徴量タンパク質として予測モデルを構築し、該予測モデルに基づいて乳幼児ADを検出することができる。
上述のAD検出用タンパク質マーカーのうち、発現変動解析で抽出された表9−1〜9−7、表10−1〜10−2及び表14−1〜14−7に示す242種のタンパク質(D)と、ランダムフォレストにより特徴量タンパク質として選択された表15−1〜15−4に示す110種のタンパク質(E)と、Boruta法により特徴量タンパク質として選択された表16に示す24種のタンパク質(F)の和集合(D∪E∪F)が、表5−1〜5−9に示す283種のタンパク質である。表5−1〜5−9に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質は、本発明において好ましい成人AD検出用のタンパク質マーカーとして使用される。該少なくとも1種のタンパク質の量を被験体と健常群との間で比較することで、成人ADを検出することができる。あるいは、該少なくとも1種のタンパク質を特徴量タンパク質として予測モデルを構築し、該予測モデルに基づいて成人ADを検出することができる。
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上述の表5−1〜5−9に示すタンパク質のうち、SERPINB1(Leukocyte elastase inhibitor)、TTR(Transthyretin)、DHX36(ATP-dependent DNA/RNA helicase DHX36)、ITIH4(Inter-alpha-trypsin inhibitor heavy chain H4)、GC(Vitamin D-binding protein)、ALB(Serum albumin)、SERPING1(Plasma protease C1 inhibitor)、DDX55(ATP-dependent RNA helicase DDX55)、IGHV1-46(Immunoglobulin heavy variable 1-46)、EZR(Ezrin)、VTN(Vitronectin)、AHSG(Alpha-2-HS-glycoprotein)、HPX(Hemopexin)、PPIA(Peptidyl-prolyl cis-trans isomerase A)、KNG1(Kininogen-1)、FN1(Fibronectin)、PLG(Plasminogen)、PRDX6(Peroxiredoxin-6)及びFLG2(Filaggrin-2)からなる19種のタンパク質は、上記のタンパク質(D)、(E)及び(F)に共通するタンパク質である。これら19種のタンパク質から選択される少なくとも1種のタンパク質は、本発明においてより好ましい成人AD検出用マーカーとして使用される。該少なくとも1種のタンパク質の量を被験体と健常群との間で比較することで、成人ADを検出することができる。あるいは、該少なくとも1種のタンパク質を特徴量タンパク質として予測モデルを構築し、該予測モデルに基づいて成人ADを検出することができる。
本発明の好ましい実施形態においては、成人被験体から採取したSSLから、前記19種のタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種、好ましくは2種以上、より好ましくは5種以上、さらに好ましくは10種以上、さらに好ましくは全てのタンパク質を定量する。また、本発明では、前記19種のタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質に加えて、下記表5−1〜5−9に示される283種のタンパク質(前記19種のタンパク質を除く)からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を定量してもよい。例えば、前記19種のタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質に加えて、表14−1〜14−7に示される220種のタンパク質(前記19種のタンパク質を除く)からなる群より選択される少なくとも1種、表15−1〜15−4に示される110種のタンパク質(前記19種のタンパク質を除く)からなる群より選択される少なくとも1種、及び/又は表16に示される24種のタンパク質(前記19種のタンパク質を除く)からなる群より選択される少なくとも1種を定量してもよい。このとき、表14−1〜14−7からタンパク質を選択する場合は、発現変動の有意性がより高い(例えばp値がより小さい)ものから優先的に選択してもよい。また、表15−1〜15−4のタンパク質を選択する場合は、変数重要度がより上位のタンパク質から優先的に選択したり、変数重要度が上位から50位、好ましくは30位までのタンパク質群から選択してもよい。該少なくとも1種のタンパク質の量を被験体と健常群との間で比較することで、成人ADを検出することができる。あるいは、該少なくとも1種のタンパク質を特徴量タンパク質として予測モデルを構築し、該予測モデルに基づいて成人ADを検出することができる。
本発明の例示的実施形態として、以下の物質、製造方法、用途、方法等をさらに本明細書に開示する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
〔1〕被験体から採取した皮膚表上脂質から、上記表1−1〜1−13に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を回収することを含む、アトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカーの調製方法。
〔2〕被験体から採取した皮膚表上脂質から、上記表1−1〜1−13に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を検出することを含む、被験体におけるアトピー性皮膚炎の検出方法。
〔3〕好ましくは、前記少なくとも1種のタンパク質が、
表2−1〜2−5に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であるか、
表3−1〜3−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質である、
〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔4〕前記被験体が好ましくは乳幼児であり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、
好ましくは、表4−1〜4−6に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
より好ましくは、表7−1〜7−4及び表8に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、表11−1〜11−4に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であるか、又は表12−1〜12−4に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であるか、又は表13に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、POF1B、MNDA、SERPINB4、CLEC3B、PLEC、LGALS7、H2AC4、SERPINB3、AMBP、PFN1、DSC3、IGHG1、ORM1、RECQL、RPL26、KLK13、RPL22、APOA2、SERPINB5、LCN15、IGHG3、CAP1及びSPRR2Fからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を含み、
さらに好ましくは、POF1B、MNDA、SERPINB4、CLEC3B、PLEC、LGALS7、H2AC4、SERPINB3、AMBP、PFN1、DSC3、IGHG1、ORM1、RECQL、RPL26、KLK13、RPL22、APOA2、SERPINB5、LCN15、IGHG3、CAP1及びSPRR2Fからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質と、表11−1〜11−4、表12−1〜12−4及び表13に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種の別のタンパク質との組み合わせである、
〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔5〕前記被験体が好ましくは成人であり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、
好ましくは、表5−1〜5−9に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
より好ましくは、表9−1〜9−7及び表10−1〜10−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、表14−1〜14−7に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であるか、又は表15−1〜15−4に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であるか、又は表16に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、SERPINB1、TTR、DHX36、ITIH4、GC、ALB、SERPING1、DDX55、IGHV1-46、EZR、VTN、AHSG、HPX、PPIA、KNG1、FN1、PLG、PRDX6及びFLG2からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を含み、
さらに好ましくは、SERPINB1、TTR、DHX36、ITIH4、GC、ALB、SERPING1、DDX55、IGHV1-46、EZR、VTN、AHSG、HPX、PPIA、KNG1、FN1、PLG、PRDX6及びFLG2からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質と、表14−1〜14−7、表15−1〜15−4及び表16に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種の別のタンパク質との組み合わせである、
〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔6〕前記被験体が、好ましくは乳幼児であり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、好ましくは表7−1〜7−4に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
前記方法が、好ましくは該少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して増加していた場合に、該被験体をアトピー性皮膚炎と検出することを含む、
〔2〕記載の方法。
〔7〕前記被験体が、好ましくは乳幼児であり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、好ましくは表8に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
前記方法が、好ましくは該少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して低下していた場合に、該被験体をアトピー性皮膚炎と検出することを含む、
〔2〕記載の方法。
〔8〕前記被験体が、好ましくは成人であり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、好ましくは表9−1〜9−7に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
前記方法が、好ましくは該少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して増加していた場合に、該被験体をアトピー性皮膚炎と検出することを含む、
〔2〕記載の方法。
〔9〕前記被験体が、好ましくは成人であり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、好ましくは表10−1〜10−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
前記方法が、好ましくは該少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して低下していた場合に、該被験体をアトピー性皮膚炎と検出することを含む、
〔2〕記載の方法。
〔10〕前記方法が、
好ましくは、前記少なくとも1種のタンパク質の濃度を説明変数とし、ADの有無を目的変数として構築された予測モデルに基づいてADを検出することを含み、
より好ましくは、アトピー性皮膚炎患者と健常者を判別するカットオフ値に基づいてADを検出することを含み、該カットオフ値が、アトピー性皮膚炎患者由来の前記少なくとも1種のタンパク質の濃度と、健常者由来の該タンパク質の濃度を教師サンプルとして構築された、アトピー性皮膚炎患者と健常者を分ける判別式から算出され、前記被験体の皮膚表上脂質から得られた該少なくとも1種のタンパク質の濃度を該判別式に代入し、得られた結果を該カットオフ値と比較することによって、該被験体におけるアトピー性皮膚炎の有無を評価する、
〔2〕〜〔5〕のいずれか1項記載の方法。
〔11〕好ましくは、アトピー性皮膚炎を有する又はその発症が疑われる被験体由来の皮膚表上脂質を検出する、〔2〕〜〔10〕のいずれか1項記載の方法。
〔12〕前記被験体が、好ましくは乳幼児であり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、好ましくは表7−1〜7−4に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
前記方法が、好ましくは該少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して増加していた場合に、前記皮膚表上脂質をアトピー性皮膚炎を有する又はその発症が疑われる被験体由来のものとして検出することを含む、
〔11〕記載の方法。
〔13〕前記被験体が、好ましくは乳幼児であり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、好ましくは表8に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
前記方法が、好ましくは該少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して低下していた場合に、前記皮膚表上脂質をアトピー性皮膚炎を有する又はその発症が疑われる被験体由来のものとして検出することを含む、
〔11〕記載の方法。
〔14〕前記被験体が、好ましくは成人であり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、好ましくは表9−1〜9−7に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
前記方法が、好ましくは該少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して増加していた場合に、前記皮膚表上脂質をアトピー性皮膚炎を有する又はその発症が疑われる被験体由来のものとして検出することを含む、
〔11〕記載の方法。
〔15〕前記被験体が、好ましくは成人であり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、好ましくは表10−1〜10−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
前記方法が、好ましくは該少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して低下していた場合に、前記皮膚表上脂質をアトピー性皮膚炎を有する又はその発症が疑われる被験体由来のものとして検出することを含む、
〔11〕記載の方法。
〔16〕好ましくは、前記被験体から皮膚表上脂質を採取することをさらに含む、〔1〕〜〔15〕のいずれか1項記載の方法。
〔17〕上記上記表1−1〜1−13に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種を含む、アトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカー。
〔18〕好ましくは、前記少なくとも1種のタンパク質が、
表2−1〜2−5に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であるか、
表3−1〜3−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質である、
〔17〕記載のマーカー。
〔19〕前記マーカーが好ましくは乳幼児アトピー性皮膚炎検出用マーカーであり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、
好ましくは、表7−1〜7−4及び表8に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
より好ましくは、表11−1〜11−4に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、表4−1〜4−6に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、POF1B、MNDA、SERPINB4、CLEC3B、PLEC、LGALS7、H2AC4、SERPINB3、AMBP、PFN1、DSC3、IGHG1、ORM1、RECQL、RPL26、KLK13、RPL22、APOA2、SERPINB5、LCN15、IGHG3、CAP1及びSPRR2Fからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質である、
〔17〕記載のマーカー。
〔20〕前記被験体が好ましくは前記マーカーが好ましくは成人アトピー性皮膚炎検出用マーカーであり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、
好ましくは、表9−1〜9−7及び表10−1〜10−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
より好ましくは、表14−1〜14−7に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、表5−1〜5−9に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、SERPINB1、TTR、DHX36、ITIH4、GC、ALB、SERPING1、DDX55、IGHV1-46、EZR、VTN、AHSG、HPX、PPIA、KNG1、FN1、PLG、PRDX6及びFLG2からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質である、
〔17〕記載のマーカー。
〔21〕上記表1−1〜1−13に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の、アトピー性皮膚炎検出用マーカーとしての使用。
〔22〕上記表1−1〜1−13に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質の、アトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカーの製造における使用。
〔23〕好ましくは、前記少なくとも1種のタンパク質が、
表2−1〜2−5に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であるか、
表3−1〜3−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質である、
〔21〕又は〔22〕記載の使用。
〔24〕前記マーカーが好ましくは乳幼児アトピー性皮膚炎検出用マーカーであり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、
好ましくは、表7−1〜7−4及び表8に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
より好ましくは、表11−1〜11−4に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、表4−1〜4−6に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、POF1B、MNDA、SERPINB4、CLEC3B、PLEC、LGALS7、H2AC4、SERPINB3、AMBP、PFN1、DSC3、IGHG1、ORM1、RECQL、RPL26、KLK13、RPL22、APOA2、SERPINB5、LCN15、IGHG3、CAP1及びSPRR2Fからなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質である、
〔21〕又は〔22〕記載の使用。
〔25〕前記被験体が好ましくは前記マーカーが好ましくは成人アトピー性皮膚炎検出用マーカーであり、
前記少なくとも1種のタンパク質が、
好ましくは、表9−1〜9−7及び表10−1〜10−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
より好ましくは、表14−1〜14−7に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、表5−1〜5−9に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
さらに好ましくは、SERPINB1、TTR、DHX36、ITIH4、GC、ALB、SERPING1、DDX55、IGHV1-46、EZR、VTN、AHSG、HPX、PPIA、KNG1、FN1、PLG、PRDX6及びFLG2からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質である、
〔21〕又は〔22〕記載の使用。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 乳幼児SSL由来タンパク質を用いた、アトピー性皮膚炎関連の発現変動タンパク質の同定
1)被験者及びSSL採取
健常児(6ヵ月〜5歳男女)23名(健常群)、及びアトピー性皮膚炎罹患児(AD罹患児)(6ヵ月〜5歳男女)16名(AD群)を被験者とした。AD罹患児のリクルートでは、保護者による判定でUKWP基準を満たしたAD罹患児を集め、インフォームドコンセントにより保護者の同意の得られた患者を選抜した。選抜したAD罹患児について、皮膚科医が全身の皮膚の観察・及び問診をし、アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに基づきADの診断をした。ADと診断されたAD罹患児のなかから、アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに記載の重症度評価基準に基づき、顔に軽症度以上のAD様の湿疹や乾燥等の症状を呈する乳幼児を選定し、被験者とした。各被験者の全顔(AD罹患児は皮疹部を含む)からあぶら取りフィルム(5×8cm、ポリプロピレン製、3M社)を用いて皮脂を回収した。該あぶら取りフィルムをガラスバイアルに移し、タンパク質抽出に使用するまで−80℃で約1ヶ月間保存した。
2)タンパク質調製
上記1)のあぶら取りフィルムを適当な大きさに切断し、QIAzol Lysis Reagent(Qiagen)を用いて、付属のプロトコルに準じてタンパク質沈殿物を得た。得られたタンパク質沈殿物より、MPEX PTS Reagent(GL science)を用いて、付属のプロトコルに準じてタンパク質を可溶化液で溶解後、トリプシン消化をして、ペプチド溶液を得た。得られたペプチド溶液を減圧乾燥(35℃)した後、0.1% formic acid、2% acetonitrileを含む水溶液にて溶解させた。PierceTM Quantitative Fluorometric Peptide Assay(ThermoFisher Scientific)のプロトコルに従い、マイクロプレートリーダー(Corona Electric)を用いて溶液中のペプチド濃度を測定した。必要なペプチド量が得られなかったAD罹患児1名からのペプチド溶液は、以下の分析のサンプルから除外した。LC−MS/MS分析に当たっては、MS装置に供するペプチド濃度を一定にして分析し、タンパク定量値を算出した。
3)LC−MS/MS分析及びデータ解析
上記2)で得られたサンプルペプチド溶液を下記表6の条件にてLC−MS/MS分析に供した。
Figure 2021175958
LC−MS/MS分析にて得られたスペクトルデータの解析には、Proteome Discoverer ver.2.2(ThermoFisher Scientific)を用いた。タンパク質同定には参照データベースをSwiss Prot、TaxonomyをHomo sapiensと設定し、Mascot database search(Matrix Science)を用いて検索した。検索では、EnzymeをTrypsinとし、Missed cleavageを2、Dynamic modificationsをOxidation(M)、Acetyl(N−term)、Acetyl(Protein N−term)、Static Modificationsを Carbamidomethyl(C)に設定した。False discovery rate(FDR)p<0.01を満たすペプチドを検索の対象とした。同定したタンパク質についてプリカーサーイオンをベースとしたラベルフリー定量解析(LFQ,Label Free Quantification)を行った。ペプチド由来のプリカーサーイオンのピーク強度によりタンパク質定量値が算出され、ピーク強度が検出限界以下であれば欠損値とされた。タンパク質存在比の算出には、Summed Abundance Based法を用いた。群間の存在差異の有意性を示すp値の算出には、ANOVA(Individual Based,t検定)を用いた。
4)結果
同定されたタンパク質のうち、False discovery rate(FDR)が0.1以上であるタンパク質は、解析対象から除外した。健常群及びAD群のいずれかで被験者の75%以上で欠損値でないタンパク質定量値が算出された、533種類のタンパク質を解析対象として抽出した。健常群と比較してAD群で存在比が1.5倍以上(p≦0.05)に上昇した116種のタンパク質(表7−1〜7−4)、及び0.75倍以下(p≦0.05)に減少した12種のタンパク質(表8)を同定した。
Figure 2021175958
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実施例2 成人SSL由来タンパク質を用いた、アトピー性皮膚炎関連の発現変動タンパク質の同定
1)被験者及びSSL採取
健常者(20〜59歳、男性)18名(健常群)、及びアトピー性皮膚炎患者(AD患者)(20〜59歳、男性)26名(AD群)を被験者とした。被験者には、インフォームドコンセントにより同意を取得した。AD群の被験者は、皮膚科専門医により重症度が軽症又は中等症のアトピー性皮膚炎の診断を受けており、顔に軽症度以上のAD様の湿疹や乾燥等の症状を呈する者を選定した。各被験者の全顔(AD患者は皮疹部を含む)からあぶら取りフィルム(5×8cm、ポリプロピレン製、3M社)を用いて皮脂を回収した。該あぶら取りフィルムをバイアルに移し、タンパク質抽出に使用するまで−80℃で、約1ヶ月間保存した。
2)タンパク質調製
MPEX PTS Reagent(GL science)に替え、EasyPepTM Mini MS Sample Prep Kit(ThermoFisher Scientific)を用いて、付属のプロトコルに準じてペプチド溶液を得たほかは、実施例1と同様の手順にてペプチド濃度を測定した。
3)LC−MS/MS分析及びデータ解析
実施例1と同様の条件及び手順にてタンパク質の分析とデータ解析を行った。
4)結果
同定されたタンパク質のうち、False discovery rate(FDR)が0.1以上であるタンパク質は、解析対象から除外した。健常群及びAD群いずれかで被験者の75%以上で欠損値でないタンパク質定量値が算出された、1075種類のタンパク質を解析対象として抽出した。なお、タンパク質定量値に欠損値が多く認められたAD患者1名は、解析から除外した。健常群と比較してAD群で存在比が1.5倍以上(p≦0.05)に上昇した205種のタンパク質(表9−1〜9−7)、及び0.75倍以下(p≦0.05)に減少した37種のタンパク質(表10−1〜10−2)を同定した。
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実施例3 乳幼児アトピー性皮膚炎検出のための判別モデルの構築
(使用データ)
実施例1において得られたタンパク質の定量データを正規分布に近似するため、ノーマライズ前のピーク強度をタンパク質定量値とし、各タンパク質定量値を全検出タンパク質定量値の総和で除した値について底2の対数値に変換したLog2(Abundance+1)値を算出した。得られたLog2(Abundance+1)値を機械学習モデルの構築に用いた。実施例1と同様の方法で、全被験者の75%以上(29名以上)で欠損値でないタンパク質定量値が算出された、475種類のタンパク質を抽出し、解析対象とした。
3−1 発現変動タンパク質を用いた判別モデルの構築
1)特徴量タンパク質の選択
上記475種類のタンパク質の中から健常児と比較してAD罹患児で統計学的に有意に発現が変動していた127種のタンパク質(表11−1〜11−4)を同定した。これらのタンパク質を特徴量タンパク質として選択し、その定量データを特徴量とした。
2)モデル構築
上記127種のタンパク質のLog2(Abundance+1)値を説明変数とし、健常児とAD罹患児(ADの有無)を目的変数として用いた。R言語の“caret”パッケージにおいてランダムフォレストのアルゴリズムをメソッドとして指定し、1回の決定木の構築に用いる変数の数(mtry値)の最適値をチューニングした。チューニングによって決定したmtry値を用いて、ランダムフォレストのアルゴリズムを実行し、OOB error rateを算出した。その結果、127種のタンパク質を特徴量タンパク質として用いた場合のモデルでは、エラー率が18.42%であった。
Figure 2021175958
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3−2 ランダムフォレストの変数重要度の高いタンパク質を用いた判別モデルの構築
1)特徴量タンパク質の選択
上記475種類のタンパク質のLog2(Abundance+1)値を説明変数とし、健常児とAD罹患児(ADの有無)を目的変数として用いた。R言語の“caret”パッケージにおいてランダムフォレストのアルゴリズムをメソッドとして指定し、1回の決定木の構築に用いる変数の数(mtry値)の最適値をチューニングした。チューニングによって決定したmtry値を用いて、ランダムフォレストのアルゴリズムを実行し、ジニ係数に基づく変数重要度の上位140タンパク質を算出した(表12−1〜12−4)。これら140種のタンパク質、及び特徴量タンパク質の選択に使用した全475種のタンパク質を特徴量タンパク質とし、それらの定量データを特徴量とした。
2)モデル構築
上記140種のタンパク質又は全475種のタンパク質のLog2(Abundance+1)値を説明変数とし、健常児とAD罹患児(ADの有無)を目的変数として用いた。R言語の“caret”パッケージにおいてランダムフォレストのアルゴリズムをメソッドとして指定し、1回の決定木の構築に用いる変数の数(mtry値)の最適値をチューニングした。チューニングによって決定したmtry値を用いて、ランダムフォレストのアルゴリズムを実行し、推定誤答率(OOB error rate)を算出した。その結果、全475タンパク質を特徴量タンパク質に用いた場合のエラー率は28.95%であったのに対し、変数重要度が上位140のタンパク質を特徴量タンパク質に用いた場合のエラー率は7.89%であった。
Figure 2021175958
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3−3 Boruta法により抽出した特徴量タンパク質を用いた判別モデルの構築
1)特徴量タンパク質の選択
上記475種類のタンパク質のLog2(Abundance+1)値を説明変数とし、健常児とAD罹患児(ADの有無)を目的変数として用い、R言語の“Boruta”パッケージのアルゴリズムを実行した。最大試行回数を1000回とし、p値が0.01未満である35種のタンパク質を抽出し(表13)、特徴量タンパク質として選択した。それらのタンパク質の定量データを特徴量とした。
2)モデル構築
上記35種のタンパク質のLog2(Abundance+1)値を説明変数とし、健常児とAD罹患児(ADの有無)を目的変数として用いた。R言語の“caret”パッケージにおいてランダムフォレストのアルゴリズムをメソッドとして指定し、1回の決定木の構築に用いる変数の数(mtry値)の最適値をチューニングした。チューニングによって決定したmtry値を用いて、ランダムフォレストのアルゴリズムを実行し、OOB error rateを算出した。その結果、35種のタンパク質を特徴量タンパク質として用いた場合のモデルではエラー率が10.53%であった。
Figure 2021175958
実施例4 成人アトピー性皮膚炎検出のための判別モデルの構築
(使用データ)
実施例2において得られたタンパク質の定量データを正規分布に近似するため、ノーマライズ前のピーク強度をタンパク質定量値とし、各タンパク質定量値を全検出タンパク質定量値の総和で除した値について底2の対数値に変換したLog2(Abundance+1)値を算出した。得られたLog2(Abundance+1)値を機械学習モデルの構築に用いた。実施例2と同様の方法で、全被験者(但し、タンパク質の定量データが正規分布に従わない3名を除外)の75%以上(31名以上)で欠損値でないタンパク質定量値が算出された、985種類のタンパク質を抽出し、解析対象とした。
4−1 発現変動タンパク質を用いた判別モデルの構築
1)特徴量タンパク質の選択
上記985種類のタンパク質の中から健常者と比較してAD患者で有意に発現が変動していた220種のタンパク質(表14−1〜14−7)を同定し、これらを特徴量タンパク質として選択し、その定量データを特徴量とした。
2)モデル構築
上記220種のタンパク質のLog(Abundance+1)値を説明変数とし、健常者とAD患者(ADの有無)を目的変数として用いた。R言語の“caret”パッケージにおいてランダムフォレストのアルゴリズムをメソッドとして指定し、1回の決定木の構築に用いる変数の数(mtry値)の最適値をチューニングした。チューニングによって決定したmtry値を用いて、ランダムフォレストのアルゴリズムを実行し、OOB error rateを算出した。その結果、220種のタンパク質を特徴量タンパク質として用いた場合のモデルではエラー率が24.39%であった。
Figure 2021175958
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4−2 ランダムフォレストの変数重要度の高いタンパク質を用いた判別モデルの構築
1)特徴量タンパク質の選択
上記985種類のタンパク質のLog(Abundance+1)値を説明変数とし、健常者とAD患者(ADの有無)を目的変数として用いた。R言語の“caret”パッケージにおいてランダムフォレストのアルゴリズムをメソッドとして指定し、1回の決定木の構築に用いる変数の数(mtry値)の最適値をチューニングした。チューニングによって決定したmtry値を用いて、ランダムフォレストのアルゴリズムを実行し、ジニ係数に基づく変数重要度の上位110タンパク質を算出した(表15−1〜15−4)。これら110種のタンパク質、及び特徴量タンパク質の選択に使用した全985種のタンパク質を特徴量タンパク質とし、その定量データを特徴量とした。
2)モデル構築
上記110種のタンパク質又は全985種のタンパク質のLog(Abundance+1)値を説明変数とし、健常者とAD患者(ADの有無)を目的変数として用いた。R言語の“caret”パッケージにおいてランダムフォレストのアルゴリズムをメソッドとして指定し、1回の決定木の構築に用いる変数の数(mtry値)の最適値をチューニングした。チューニングによって決定したmtry値を用いて、ランダムフォレストのアルゴリズムを実行し、推定誤答率(OOB error rate)を算出した。その結果、全985タンパク質を特徴量タンパク質に用いた場合のエラー率は29.27%であったのに対し、変数重要度が上位110のタンパク質を特徴量タンパク質に用いた場合のエラー率は12.20%であった。
Figure 2021175958
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Figure 2021175958
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4−3 Boruta法により抽出した特徴量を用いた判別モデルの構築
1)特徴量の選択
上記985種類のタンパク質のLog2(Abundance+1)値を説明変数とし、健常者とAD患者(ADの有無)を目的変数として用い、R言語の“Boruta”パッケージのアルゴリズムを実行した。最大試行回数を1000回とし、p値が0.01未満である24種のタンパク質を抽出し(表16)、特徴量タンパク質として選択した。それらのタンパク質の定量データを特徴量とした。
2)モデル構築
上記24種のタンパク質のLog(Abundance+1)値を説明変数とし、健常者とAD患者(ADの有無)を目的変数として用いた。R言語の“caret”パッケージにおいてランダムフォレストのアルゴリズムをメソッドとして指定し、1回の決定木の構築に用いる変数の数(mtry値)の最適値をチューニングした。チューニングによって決定したmtry値を用いて、ランダムフォレストのアルゴリズムを実行し、OOB error rateを算出した。その結果、24種のタンパク質を特徴量タンパク質として用いた場合のモデルではエラー率が19.51%であった。
Figure 2021175958
以上の実施例の解析で得られた合計418種類のタンパク質(前記表1−1〜1−13)について、テキストマイニング(エルゼビア)にてADとの関連が報告されている論文数を調査した。検索によりADと関連する報告が4報以下で、且つADとの関連が記載されていないことが確認されたタンパク質は147種であった(前記表2−1〜2−5)。これら147種のタンパク質は、新規なAD検出用マーカーである。

Claims (13)

  1. 被験体から採取した皮膚表上脂質から、下記表1に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を回収することを含む、アトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカーの調製方法。
    Figure 2021175958
  2. 被験体から採取した皮膚表上脂質から、下記表2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を検出することを含む、被験体におけるアトピー性皮膚炎の検出方法。
    Figure 2021175958
  3. 前記少なくとも1種のタンパク質が下記表3に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質である、請求項1又は2記載の方法。
    Figure 2021175958
  4. 前記少なくとも1種のタンパク質が下記表4に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質である、請求項1又は2記載の方法。
    Figure 2021175958
  5. 前記被験体が乳幼児であり、前記少なくとも1種のタンパク質が下記表5−1及び表5−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質である、請求項1又は2記載の方法。
    Figure 2021175958
    Figure 2021175958
  6. 前記被験体が成人であり、前記少なくとも1種のタンパク質が下記表6−1及び6−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質である、請求項1又は2記載の方法。
    Figure 2021175958
    Figure 2021175958
  7. 前記少なくとも1種のタンパク質が、表5−1に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
    前記方法が、前記少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して増加していた場合に、該被験体をアトピー性皮膚炎と検出することを含む、
    請求項5記載の方法。
  8. 前記少なくとも1種のタンパク質が、表5−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
    前記方法が、前記少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して低下していた場合に、該被験体をアトピー性皮膚炎と検出することを含む、
    請求項5記載の方法。
  9. 前記少なくとも1種のタンパク質が、表6−1に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
    前記方法が、前記少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して増加していた場合に、該被験体をアトピー性皮膚炎と検出することを含む、
    請求項6記載の方法。
  10. 前記少なくとも1種のタンパク質が、表6−2に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質であり、
    前記方法が、前記少なくとも1種のタンパク質の濃度が健常群と比較して低下していた場合に、該被験体をアトピー性皮膚炎と検出することを含む、
    請求項6記載の方法。
  11. 前記少なくとも1種のタンパク質の濃度を説明変数とし、ADの有無を目的変数として、構築された予測モデルに基づいてADを検出することを含む、請求項2〜6のいずれか1項記載の方法。
  12. 前記被験体から皮膚表上脂質を採取することをさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
  13. 下記表7に示すタンパク質からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質を含む、アトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカー。
    Figure 2021175958
JP2020081470A 2020-05-01 2020-05-01 アトピー性皮膚炎検出用タンパク質マーカーの調製方法 Pending JP2021175958A (ja)

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