JP2021175944A - 水の評価方法及び水の評価機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な手段で、対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価することが可能な水の評価方法及び水の評価機構を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る水の評価方法は、水の発光スペクトルまたは励起スペクトルを測定することを特徴としている。また、本発明に係る水の評価方法は、水の赤外吸収スペクトルを測定することを特徴としている。【選択図】図2

Description

本発明は水の評価方法及び水の評価機構に関する。詳しくは、簡易な手段で、対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価することが可能な水の評価方法及び水の評価機構に係るものである。
近年、各種分野において、微小な気泡であるナノバブルを活用する技術が注目されている。ナノバブルとは、一般的に直径が数100nm以下の気泡を指し、これを含有した水であるナノバブル水が用いられている。
このナノバブル水が有する機能として、汚れに対する洗浄効果、動植物や魚介類等の成長促進効果や鮮度保持効果、ウイルス等への殺菌効果等が報告されている。また、水をバブリング処理してナノバブルを生成した後、長期間安定してナノバブルが水中に保持されることから、種々の用途が期待される。
また、ナノバブルの生成には、例えば、水にマイクロバブル(直径が数100μm以下)を生成し、これを圧壊してナノバブルを生成する方法や、水をガスで加圧して、ナノスケールの無数の孔を形成したSPG(シラスポーラスガラス)膜からナノバブルを放出する方法がある。
また、その他のナノバブルの生成方法として、マイクロナノバブル(直径が数100nm〜数10μm以下)を生成する機器の吐出口に気泡の析出を抑制するナノノズルを取り付けて、ナノバブルを生成する方法も存在する。
また、ナノバブル水について、ナノバブルの発生や含有量を評価する手法として、動的光散乱法や、ESR(電子スピン共鳴)法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−188822号公報
ここで、上述した特許文献1に記載のナノバブルを含む水の評価方法をはじめ、動的光散乱法や、ESR法といった従来の評価方法では、各方法に用いる測定機器や設備が必要となる。また、測定作業にあたって、正確に評価や分析を行う為の専門的な知識や技術を要する。
その為、例えば、ナノバブル水を製造する製造現場や、製品の利用現場、保管現場等において、その場所で、ナノバブル水を簡易かつ迅速に評価することが困難であった。
また、上述したような背景から、ナノバブル水を評価するためには、上記の測定機器を所有する研究機関等に依頼するケースが多く、定期的な品質検査等を行うことが現実的には難しかった。
一方、光散乱法は、簡便にバブルの存在を検出できる手法であるが、ナノバブルの直径の大きさは、可視光線の波長以下であり、照射した光がナノバブルを通過してしまう為、ナノバブルに起因する光散乱が生じず、ナノバブルを直接的に検出、定量することは困難であった。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、簡易な手段で、対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価することが可能な水の評価方法及び水の評価機構を提供することを目的とする。
本発明者らは、水のおけるナノバブルに関する性質を評価する為に、以下で説明する検討を行い、本発明に関する知見を得た。
[ナノバブル水における発光検出]
(1)ナノバブル水の発光スペクトル測定
本発明者らは、超純水にナノバブルを発生させるバブリング処理を行い、波長245nmの紫外光で励起すると、近紫外領域の310nm付近にピークを有する発光が生じることを観察した。図1に示す装置構成と、下記の条件で超純水にバブリング処理を施し、ナノバブルを生成させ、発光スペクトルを確認した。
図1に示すように、実験装置構成Aでは、ビーカー1に超純水2を入れ、ビーカー1の中にナノバブル生成器3(株式会社アースリンク社製:NBG-Y06)を配置した。また、ナノバブル生成器3には、図示しないフローメーターを接続して、ナノバブル生成器3に供給する空気の量を調節可能に構成した。更に、超純水2を循環させる為の循環用ポンプを配置して、循環用ポンプに接続した供給用チューブの端部4及び排出用チューブの端部5をビーカー1に入れた。
(実験パラメータ)
ナノバブル生成器3によるバブリング処理の条件は次のとおりである。フローメーターによる空気供給量:0.5mL/min、バブリング時間:15分間。この条件で超純水にバブリング処理を施し、処理開始から15分経過後に、バブリング及び水の循環を停止して、超純水2における目視される気泡の発生が落ち着いてから、セルに超純水2を入れ、分光蛍光光度計(日本分光株式会社製:FP-8200)にて、発光スペクトルの測定を行った。発光スペクトルの測定では、励起光(波長320nm)をセル中の超純水に照射して、測定を行った。
図2(a)に発光スペクトルの結果を示す。図2(a)には、バブリング処理を行っていないコントロールとなる超純水(下段)と、15分間のバブリング処理を行ったナノバブル水(上段)の発光スペクトルを示している。なお、図2(a)に示す発光スペクトルにおいて横軸は波長(nm)、縦軸は光の強度である。
図2(a)に示すように、ナノバブル水(上段)において、波長420nm付近にピークを有する発光スペクトルが確認された。一方、バブリング処理を行っていない超純水(下段)では、各波長にて発光がほとんど検出されなかった。従って、バブリング処理により、超純水にナノバブルが生成され、波長420nm付近に発光ピークを有する発光が生じていることが明らかとなった。
なお、本発明者らはこれまでの検討により、超純水に沸騰処理を施した「沸騰処理水」において、発光が生じる知見を得ている。ここで、参考情報として、上記と同様に、励起光(波長320nm)を沸騰処理水に照射して発光スペクトルを測定した結果を図2(b)に示す。
図2(b)に示すように、沸騰処理水では、波長420nm付近と、波長480nm付近の2カ所に発光ピークを有する発光が生じていた。
(2)ナノバブル水の励起スペクトル測定及び発光スペクトル測定
次に、超純水にバブリング処理を施したナノバブル水について、分光蛍光光度計にて励起スペクトル及び発光スペクトルを測定した。ナノバブル水の生成は、上記の内容と同じ条件で行った。
各測定の結果を図3に示す。図3の符号Eでは、検出する蛍光波長を460nmに固定した励起スペクトルを示している。また、図3の符号F1では、励起光を波長245nmに固定した際の発光スペクトルを示し、符号F2では、励起光を波長320nmに固定した際の発光スペクトルを示している。
図3に示すように、励起スペクトルは、250nm付近にメインピークがあり、また、300nm付近にもサブバンドが存在した。即ち、ナノバブル水では、波長250nm付近(245nm)及び波長300nm付近(310nm)に励起光の吸収ピークが存在することが明らかとなった。
また、励起光を波長245nmに固定した際の発光スペクトルでは、近紫外領域の310nmと、青色領域の425nm付近に発光ピークを持つ2つの発光バンドが検出された。また、励起光を波長320nmに固定した際の発光スペクトルでは、青色領域の425nm付近に発光ピークを持つサブバンドが検出された。
また、参考情報として、超純水に沸騰処理を施した沸騰処理水についても、同様に、励起スペクトル及び発光スペクトルを測定した。結果を図4に示す。図4の符号Eでは、検出する蛍光波長を460nmに固定した励起スペクトルを示している(3倍に拡大して表示)。また、図4の符号F1では、励起光を波長245nmに固定した際の発光スペクトルを示し、符号F2では、励起光を波長320nmに固定した際の発光スペクトルを示している(3倍に拡大して表示)。
図4に示すように、沸騰処理水における励起スペクトルは、310nm付近にピークがあり、また、240nm以下の紫外領域に別のピークの存在が示唆される結果となった。また、励起光を波長245nmに固定した際の発光スペクトルでは、近紫外領域の300nm付近にメインのピークがあり、長波長側に裾を引いた形状の発光スペクトルが確認された。更に、励起光を波長320nmに固定した際の発光スペクトルでは、青色域の485nm付近に発光ピークを持ち、短波長域にサブバンドがある発光スペクトルが確認された。
この結果から、超純水にナノバブルを生成したナノバブル水においては、所定の励起光を照射することで、発光が生じることが確認された。また、ナノバブル水で生じる発光は、沸騰処理水と同様に、所定の波長領域にピークを有する発光であることが明らかとなった。
[ナノバブル水における構造上の特徴]
(3)赤外吸収スペクトルの測定
上記と同じ条件で超純水にバブリング処理(15分間)を施し、ナノバブルを生成させ、赤外吸収スペクトルを測定した。また、コントロールとなる超純水、沸騰処理水についても、赤外吸収スペクトルを測定した。更に、バブリング未処理の超純水との比較として、井戸水(原水)についても測定を行った。
赤外吸収スペクトルの測定は、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光株式会社製:FT/IR-6300)のATR(全反射減衰法)を用いて、ゲルマニウム(Ge)製のATRプリズム上に試料となる水を滴下して、赤外吸収(%T)を測定した。測定の結果を図5(a)乃至図5(d)に示す。図5(a)はナノバブル水、図5(b)は、コントロールの超純水、図5(c)は沸騰処理水、図5(d)は、井戸水(原水)である。なお、図5に示す赤外吸収スペクトルにおいて横軸は振動波数(cm-1)、縦軸は透過率(%T)である。
また、ナノバブル水では、水の変角振動の低波数側(ピーク波数:1515cm-1)の吸収が増大し、コントロールの超純水で確認される水の変角振動バンド(1635cm-1)が分裂した構造が確認された。また、沸騰処理水においても、水の変角振動の低波数側(ピーク波数:1540cm-1)の吸収が増大しており、同様に、水の変角振動バンドが分裂した構造が確認された。なお、井戸水(原水)では、水の変角振動バンド(1650cm-1)が単一のピークで生じていた。
ナノバブル水では、水の逆対称伸縮振動(ピーク波数:3365cm-1)の高波数側に複数の吸収バンドが生じていた。また、沸騰処理水においても、同様に、逆対称伸縮振動(ピーク波数:3365cm-1)の高波数側に複数の吸収バンドが生じていた。これらの対称伸縮振動の高波数側の複数の吸収バンドは、コントロールの超純水においては確認されていない。
更に、ナノバブル水では、振動波数(2310cm-1)付近に新たに吸収バンドが生じており、同バンドは、水に溶解した二酸化炭素の逆対称伸縮振動に起因するバンドと推定された。また、沸騰処理水においても、同様に、振動波数(2360cm-1)付近に、二酸化炭素の逆対称伸縮振動に起因すると思われる吸収バンドが生じていた。また、上記以外の点では、各サンプルにおいて、赤外吸収スペクトルの基本的な構造は共通していた。
この結果から、水にナノバブルを生成したナノバブル水においては、赤外吸収スペクトルを測定することで、水の分子振動が変化していることが明らかとなった。また、水の変角振動の分裂と透過率の減少、水の逆対称伸縮振動の高波数側におけるバンド構造の出現、及び、二酸化炭素の逆対称伸縮振動の出現が確認されることが明らかとなった。
以上で説明した発光スペクトル、励起スペクトル及び赤外吸収スペクトルの測定により、対象となる水におけるナノバブルの有無や含有量(数)の推定が行える可能性を見出した。即ち、水の発光強度を測定したり、水の分子構造の変化とその特徴を確認したりすることで、水におけるナノバブルの生成の確認や、簡易的なナノバブルの定量しうる可能性を見出した。
[本発明の作用]
本発明者らは以上で説明した知見に基づき、上記の目的を達成するために本発明を考案した。本発明の作用について述べる。
上記の目的を達成するために、本発明の水の評価方法は、対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価する水の評価方法であって、水の水分子に起因する発光スペクトル、及び、同水の赤外吸収スペクトルの少なくとも一方を測定する工程を備える。
ここで、水の水分子に起因する発光スペクトルを測定することによって、所定の波長で検出される発光強度の情報に基づき、対象となる水におけるナノバブルの有無の検知や、水中のナノバブルの量(数)を推定することが可能となる。また、発光スペクトルの測定には、各種の既知の蛍光計測機器(蛍光光度計等)が利用可能であり、小型かつ現場でサンプル中の蛍光を簡易に測定可能な機器もあるため、ナノバブル水の評価を容易に行うことができる。
また、水の赤外吸収スペクトルを測定することによって、ナノバブル水で確認される赤外吸収スペクトルと、対象となる水の赤外吸収スペクトルを比較して、水のIR振動構造の変化に基づき、ナノバブルの有無を検知することができる。即ち、例えば、製造後、一定期間保管したナノバブル水の品質検査等にも応用することが可能となる。
また、水の水分子に起因する発光スペクトル及び水の赤外吸収スペクトルを測定することによって、2つの測定手法から、より感度よく、ナノバブルに関する水の性質を評価することができる。
また、発光スペクトルが、波長244nm付近を中心とする紫外光励起における、300〜430nmの波長域の発光スペクトルである場合には、効率よく水を発光させることができる。この結果、感度よく、対象となる水におけるナノバブルの有無の検知や、水中のナノバブルの量(数)を推定することが可能となる。
また、発光スペクトルが、波長244nm付近を中心とする紫外光励起における、380〜550nmの波長域の発光スペクトルである場合には、効率よく水を発光させることができる。この結果、感度よく、対象となる水におけるナノバブルの有無の検知や、水中のナノバブルの量(数)を推定することが可能となる。
また、発光スペクトルが、波長245nmの紫外光励起における、310nm及び425nmの少なくとも一方の波長域の発光スペクトルである場合には、より一層、効率よく水を発光させることができる。この結果、より一層、感度よく、対象となる水におけるナノバブルの有無の検知や、水中のナノバブルの量(数)を推定することが可能となる。
また、発光スペクトルが、波長320nmの紫外光励起における、425nmの波長域の発光スペクトルである場合には、より一層、効率よく水を発光させることができる。この結果、より一層、感度よく、対象となる水におけるナノバブルの有無の検知や、水中のナノバブルの量(数)を推定することが可能となる。
また、ナノバブル水が長期的に保管されていたものであっても、対象となる水に含まれるナノバブルの性質(量)を評価することができる。即ち、例えば、既知の光散乱でナノバブル水を評価した場合、日数の経過と共に、光散乱強度が低下してしまい、光散乱による水の評価が困難となる。これは、ナノバブルの生成時に同時に生じるマイクロバブルの安定性が低いことに起因すると推定される。一方、ナノバブルは、例えば、数カ月経過しても水中に安定的に存在することが報告されている。
また、水の水分子に起因する励起スペクトルを測定する工程を備え、励起スペクトルが、200〜380nmの波長域の発光の励起スペクトルである場合には、対象となる水から得られた励起スペクトルにおける発光強度が大きくなる波長の情報に基づき、ナノバブルの有無を評価することが可能となる。なお、励起スペクトルの観察波長を変えた場合でも、200〜380nmの測定波長領域の中で発光強度の変化を捉え、ナノバブルの有無を評価することができる。
また、赤外吸収スペクトルにおける、水分子の変角振動、水分子の逆対称伸縮振動より高波数側の領域、及び、二酸化炭素分子の逆対称伸縮振動の少なくとも1つに着目することを特徴とする場合には、赤外吸収スペクトルの所定の振動波数付近のバンドの変化を確認することで、対象となる水におけるナノバブルの有無や量(数)を評価することが可能となる。
即ち、例えば、水分子の変角振動に着目した際には、基準となるバブリング処理を施していない水における水分子の変角振動の吸収バンド(1635cm-1)について、バンドが分裂した構造が生じるか否かにより、ナノバブルの有無を推定することが可能となる。また、水分子の逆対称伸縮振動より高波数側の領域に着目した際には、基準となる水には見られない水分子の逆対称伸縮振動(3370cm-1)より高波数側の領域で、複数の吸収バンドが生じるか否かにより、ナノバブルの有無を推定することが可能となる。更に、二酸化炭素分子の逆対称伸縮振動に着目した際には、基準となる水でわずかに確認される二酸化炭素分子の逆対称伸縮振動の吸収バンド(2360 cm-1)が増大するか否かにより、ナノバブルの有無を推定することが可能となる。
なお、ここでいう、赤外吸収スペクトルにおける各振動波数の数値は固有の数値に限定されるものではなく、その数値の上下付近の数値を含んでいてもよいものとする。
また、発光スペクトルを測定する工程で得られた発光強度から水に含まれるナノバブルの含有量を検出する検出工程を備える場合には、対象となる水の簡易的なナノバブルの量(数)を測定可能となる。より詳細には、あらかじめ、既知のESR法等で、ナノバブルの量(例えば、mL/個)と、所定の励起波長における発光強度との間の検量線を作成しておき、対象となる水の発光スペクトルを測定して、その発光強度と検量線から、ナノバブルの量(mL/個)を決めることができる。
上記の目的を達成するために、本発明の水の評価機構は、対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価する水の評価機構であって、水に所定の波長の光を照射可能な光源発生手段とを備える。
ここで、水に所定の波長の光を照射可能な光源発生手段によって、光の照射に応じて得られる情報に基づき、水におけるナノバブルに関する性質を評価可能となる。即ち、例えば、所定の波長の光を照射して、水の水分子に起因する発光スペクトルを測定することによって、所定の波長で検出される発光強度の情報に基づき、対象となる水におけるナノバブルの有無の検知や、水中のナノバブルの量(数)を推定することが可能となる。また、所定の波長の光を照射して、水の赤外吸収スペクトルを測定することによって、ナノバブル水で確認される赤外吸収スペクトルと、対象となる水の赤外吸収スペクトルを比較して、水のIR振動構造の変化に基づき、ナノバブルの有無を検知することができる。
本発明に係る水の評価方法は、簡易な手段で、対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価することが可能な方法となっている。
また、本発明に係る水の評価機構は、簡易な手段で、対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価することが可能なものとなっている。
ナノバブルを生成する装置構成の示す概略図である。 (a)は、ナノバブル水及び超純水の発光スペクトルであり、(b)は、沸騰処理水及び超純水の発光スペクトルである。 ナノバブル水の励起スペクトル及び蛍光スペクトルである。 沸騰処理水の励起スペクトル及び蛍光スペクトルである。 ナノバブル水、沸騰処理水、超純水及び井戸水(原水)の赤外吸収スペクトルである。 (a)は、図5(a)には、バブリング処理時間を変えた試料における発光スペクトルであり、(b)は沸騰処理の回数を変えた試料における発光スペクトルである。 (a)は、バブリング処理の時間とIRの透過率との関係、(b)は、バブリング処理の時間と発光ピークの強度との関係、(c)は、沸騰処理の回数とIRの透過率との関係、(d)は、沸騰処理の回数と発光ピークの強度との関係を示すグラフである。 バブリング処理の時間と、発光ピークの強度又は散乱光の強度との関係を示すグラフである。 試料の保管日数と、発光ピークの強度又は散乱光の強度との関係を示すグラフである。 バブリング処理の時間と、励起光(245nm)における波長310mの発光の発光ピークの強度又は波長425mの発光の発光ピークの強度との関係を示すグラフである 試料の保管日数と、励起光(245nm)における波長310mの発光の発光ピークの強度又は波長425mの発光の発光ピークの強度との関係を示すグラフである。
本発明の実施の形態について説明すれば以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
[1.ナノバブル水を生成する装置構成]
ナノバブル水を生成するための装置構成は、上述した図1に示す装置構成Aが採用しうる。なお、装置構成Aは、一事例に過ぎず、ナノバブルを製造する量や条件に応じて、適宜設定を変更することが可能である。
例えば、必ずしも、超純水2がビーカー1で処理される必要はない、例えば、必要に応じてスケールアップが可能な点は言うまでもなく、製品レベルで製造する場合には、大型のタンク等でバブリングの処理が施されるものであってもよい。
また、ナノバブル生成機3の種類は限定されるものでなく、水にナノバブルが生成できる装置であれば、適宜選択して使用しうる。
また、必ずしも、ナノバブル生成機3で水に供給される気体が空気に限定されるものではない。例えば、別途、N2ガス等のガス供給源とナノバブル生成器3を接続して、空気以外のガスを供給して、なおバブルを生成することができる。
また、必ずしも、フローメーターが設けられ、供給する空気の量を制御される必要はない。但し、水に生成されるナノバブルの量が安定しやすくなることが推定されることから、フローメーターが設けられることが好ましい。
[2.水の評価方法]
本発明に係る水の評価方法は、水の発光スペクトルまたは励起スペクトルを測定することを特徴としている。また、本発明に係る水の評価方法は、水の赤外吸収スペクトルを測定することを特徴としている。
なお、「水を評価する」とは、具体的には、対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価することである。より具体的には、対象となる水におけるナノバブルの有無、ナノバブルの量(数)を評価することを意味する。
ここで、ナノバブルの有無は、対象となる水について定性的に確認する方法でもよいし、ナノバブルの量を簡易的に定量することを確認する方法でもよい。例えば、定性的な確認であれば、発光の検知、赤外吸収スペクトルの特定の領域の構造変化の有無で評価することができる。
また、ナノバブルの量(数)は、簡易的な定量であってもよい。例えば、既知のナノバブルのESR法等の測定手法を用いて、発光スペクトル等の発光強度とナノバブルの量(個/ml)との関係で検量線を作成して、定量したい水における発光強度を測定して、検量線に基づき、そのナノバブルの量を算出することができる。なお、ナノバブルの量の単位「個/ml」は一例であり、単位はこれに限定されるものではない。
また、本発明に係る水の評価方法では、水の発光スペクトルまたは励起スペクトルを測定するため、対象となる水に生成したナノバブルに起因する発光を検出することができる。また、上記のとおり、検量線と組み合わせることで、ナノバブルの量(数)を簡易的に推定することもできる。
また、水の発光を励起する光の波長範囲は、発光に関与する吸収があり、その波長範囲での励起により水が発光を示す範囲であれば特には限定されないが、紫外光領域であることが好ましい。
また、励起光の波長としては、200〜400nmの範囲内であることが好ましく、240〜330nmの範囲内であることがより好ましく、245nm及び320nmの少なくとも一方の励起光であることがより一層好ましい。励起光の波長が上記範囲内であれば効率よく水を発光させることができる。
また、励起光を発する光源としては特に限定されるものではないが、高輝度のレーザーを用いた場合、レーザー光が発光を誘導する以外にも、水そのものの変性等を引き起こす可能性があるため、測定可能な限り、なるべく低エネルギーで励起を行うこと好ましい。低エネルギーで励起を行うために、例えば、Xeランプ等を好適に用いることができる。
本発明に係る水の評価方法では、測定する上記発光スペクトルの波長は、200〜850nmであることが好ましく、290〜560nmであることがより好ましい。
更に言えば、発光スペクトルの波長は、波長245nmの紫外光励起に対して、300〜430nmであることがより好ましく、波長245nmの紫外光励起に対して、310nm及び425nmの少なくとも一方であることがより一層好ましい。
また、発光スペクトルの波長は、波長320nmの紫外光励起に対して、380〜550nmであることがより好ましく、波長320nmの紫外光励起に対して、425nmであることがより一層好ましい。上記範囲内であれば、水の発光スペクトルをより効率よく測定することができる。
また、発光スペクトルの測定方法については、水の発光スペクトルを測定できる限り、特に限定されるものではない。本発明に係る水の評価方法において上記水の発光スペクトルを測定する装置についても特に限定されるものではないが、例えば、水の発光スペクトルを測定する場合は、高感度で、且つ低ノイズでの測定が可能であることから、シングルフォトンカウンティング方式を用いた蛍光スペクトロメータを用いることが好ましい。
本発明に係る水の評価方法では、200〜850nmでモニターした発光の励起スペクトルを測定することが好ましく、400〜500nmでモニターした発光の励起スペクトルを測定することがより好ましく、460nmでモニターした発光の励起スペクトルを測定することがより一層好ましい。
また、測定する励起スペクトルの波長は、200〜380nmであることが好ましく、200〜280nmであることがより好ましく、240〜260nmであることがより一層好ましい。
また、本発明に係る水の評価方法では、水の赤外吸収スペクトルを測定するため、対象となる水の分子構造を確認でき、ナノバブルの生成に基づく構造的な特徴の有無を解析することで、ナノバブルの有無を評価することができる。また、赤外吸収スペクトルの透過率の変動に基づき、なおバブルの量(数)を簡易的に推定することもできる。
また、赤外吸収スペクトルの測定方法については、水の吸収スペクトルを測定できる限り、特に限定されるものではない。
また、本発明に係る水の評価方法では、ナノバブルの生成を確認する為には、対象となる水における赤外吸収スペクトルにおける、水の変角振動の分裂と透過率の減少、水の逆対称伸縮振動の高波数側におけるバンド構造の出現、及び、二酸化炭素の逆対称伸縮振動の出現のうち、少なくとも1つについて、その変化を確認することが好ましい。これにより、ナノバブルの生成に基づく水の分子構造の変化を捉えることができる。
以上のような構成により、本発明を適用した水の評価方法及び水の評価機構は、対象となる水におけるナノバブルの有無、ナノバブルの量(数)を、水から生じる発光や水の分子構造の変化に基づき、オンタイムで評価することが可能となる。
また、発光強度の測定は、専門的な技術を要さずに、簡易な装置にて実施可能であるため、ナノバブル水の製造現場、利用現場及び保管現場等で、容易かつ迅速に、水の評価を行うことができる。
以上のように、本発明に係る水の評価方法は、簡易な手段で、対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価することが可能な方法となっている。
また、本発明に係る水の評価機構は、簡易な手段で、対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価することが可能な方法となっている。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)バブリングの処理時間と発光強度の評価
以下の条件により、超純水にナノバブルを生成させるためのバブリング処理時間を変え、その発光強度を評価した。
上述した装置構成Aを用いて、ビーカー1に入れた超純水2に対するバブリング処理を0min、1min、3min、5min、10min、15minとして、バブリング処理後の発光スペクトルを測定した。
発光スペクトルの測定は、分光蛍光光度計(日本分光株式会社製:FP-8200)にて行った。発光スペクトルの測定では、励起光(波長320nm)をセル中の超純水に照射して、測定を行った。
図6(a)に発光スペクトルの結果を示す。図6(a)には、バブリング処理を0min、1min、3min、5min、10min、15minの6つの試料に対する発光スペクトルを示している。
図6(a)に示すように、バブリング処理0minではほとんど発光が確認されないのに対して、バブリング処理1min以上施した各試料では、波長425nm付近に発光ピークを有する発光スペクトルが確認された。また、波長425nm付近の発光強度は、バブリング処理の時間依存的に大きくなっており、バブリング処理15minの試料が最も発光強度が大きくなる結果を示した。この結果から、短時間でのバブリング処理から生成したナノバブル水についても発光が検出可能なことが確認された。
また、図6(b)には、参考情報として、超純水に沸騰処理を施さないもの(0回)、超純水に沸騰処理を1回、3回、5回、7回、9回行った6つの試料に対して、発光スペクトルの測定を行った結果を示す。
図6(b)に示すように、沸騰処理0回ではほとんど発光が確認されないのに対して、沸騰処理を1回以上施した各試料では、波長480nm付近にメインの発光ピークが、波長415nm付近にサブバンドが確認された。また、波長480nm付近の発光強度は、沸騰処理の回数に依存的に大きくなっており、沸騰処理9回の試料が最も発光強度が大きくなる結果を示した。
(2)IRピーク強度及び発光ピーク強度の変化に関する評価
上述した(1)バブリングの処理時間と発光強度の評価と同一の条件で準備したバブリング処理時間を変えた超純水について、IRの透過率を評価した。また、上記(1)の結果と併せて、IRの透過率及び発光ピーク強度の変化に関する評価を行った。
赤外吸収スペクトルの測定は、赤外吸収スペクトルの測定は、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光株式会社製:FT/IR-6300)のATR(全反射減衰法)を用いて、ゲルマニウム(Ge)製のATRプリズム上に試料となる水を滴下して、赤外吸収(%T)を測定した。
図7(a)では、バブリング処理の時間とIRピーク強度との関係をグラフにして示している。IRの透過率は、水の変角振動バンドが分裂した2つの波数域のピーク(符号P1:1650cm-1、符号P2:1540cm-1)に対応している。なお、図7(a)における横軸はバブリングの処理時間(min)、縦軸は赤外光の透過率(%T)である。
図7(a)に示すように、水の変角振動バンドが分裂した2つの波数域の透過率は、バブリングの処理時間の経過と共に、透過率が減少している(赤外光が吸収されている)結果となった。即ち、バブリングの処理時間に伴い、水の分子構造が変化していることが確認された。
また、図7(b)では、バブリング処理の時間と、励起光320nmにおける波長425nmの発光ピークの強度との関係をグラフにして示している。なお、図7(b)における横軸はバブリングの処理時間(min)、縦軸は発光強度である。
図7(b)に示すように、励起光320nmにおける波長425nmの発光ピークの強度は、バブリングの処理時間の経過と共に、発光強度が大きくなっている。なお、図7(a)及び図7(b)に示す結果から、バブリング処理の時間に応じて水の分子構造の変化と、発光ピークの発光強度が大きくなり、15min処理した試料で最大となる傾向が共通する点が明らかとなった。
また、図7(c)には、参考情報として、沸騰処理の回数を異ならせた超純水について、沸騰処理の回数と、IRピーク強度との関係をグラフにして示している。IRの透過率は、図7(a)と同様に、水の変角振動バンドが分裂した2つの波数域のピーク(符号P1:1650cm-1、符号P2:1540cm-1)に対応したピークを示している。また、図7(d)には、沸騰処理の回数と、励起光320nmにおける波長425nmの発光ピークの強度との関係をグラフにして示している。
図7(c)に示すように、水の変角振動バンドが分裂した2つの波数域の透過率は、沸騰処理の回数の増加と共に、透過率が減少していく傾向が確認された。また、図7(d)に示すように、励起光320nmにおける波長425nmの発光ピークの強度は、沸騰処理の回数の増加と共に、発光強度が大きくなっている。即ち、沸騰処理の回数についても、バブリング処理の時間と同様の傾向が見らえる結果となった。
(3)バブリングの処理時間と発光強度及び散乱光強度の評価
上述した(1)バブリングの処理時間と発光強度の評価と同一の条件で準備したバブリング処理時間を変えた超純水について、発光スペクトルの測定と、光散乱の測定を行い、発光ピークの強度と、散乱光強度の変化に対する評価を行った。
ここで、光散乱強度の測定では、蛍光光度計(JASCO FP-8200)を用い、1cm角のガラスセルに550nmの励起光を照射し、直角方向(90°)での550nmでの散乱強度をモニターした。
また、図8には、バブリング処理の時間と、励起光320nmにおける波長425nmの発光ピークの強度との関係を実線のグラフで、バブリング処理の時間と、散乱光の強度との関係を点線のグラフでそれぞれ示している。なお、図8における横軸はバブリングの処理時間(min)、縦軸は発光強度である。
図8に示すように、散乱光強度はバブリング処理の時間の経過と共に増加する傾向にあり、波長425nmの発光ピークの強度と同様の傾向を示すことが明らかとなった。なお、ここでの、動的光散乱の測定では、ナノバブルを生成する際に生じるマイクロバブルに基づく光散乱の傾向が捉えられているものと推測される。
(4)発光と散乱光の経日変化に関する評価
上述した(3)バブリングの処理時間と発光強度及び散乱光強度の評価と同一の条件で準備したバブリング処理15minの試料及びバブリング処理1minの試料について、励起光320nmにおける波長425nmの発光ピークの強度と、散乱光強度について、経日変化を確認した。
なお、バブリング処理を経た試料がセルに密閉して暗所にて保管し、保管日数0日、2日、4日、6日、10日のタイミングで、発光ピークの強度と、散乱光強度を測定した。
図9に結果を示す。なお、図9では、保管日数と、励起光320nmにおける波長425nmの発光ピークの強度との関係を実線のグラフで、保管日数と、散乱光の強度との関係を点線のグラフでそれぞれ示している。なお、図9(a)及び図9(b)における横軸は保管日数(日)、縦軸は発光強度である。また、図9(a)は、バブリング処理15minの試料の結果であり、図9(b)は、バブリング処理1minの試料の結果である。
図9(a)に示すように、波長425nmの発光ピークの強度は、保管日数が経過しても、その発光強度はほとんど減少しておらず、発光強度が安定して保持されていた。一方、散乱光強度は、保管日数の経過に伴い、徐々に強度が低下していく減少傾向が顕著に見られた。
また、図9(b)でも同様に、波長425nmの発光ピークの強度は、保管日数が経過しても、その発光強度はほとんど減少しておらず、発光強度が安定して保持されていた。一方、散乱光強度は、保管日数の経過に伴い、徐々に強度が低下していく減少傾向が顕著に見られた。
以上の結果から、ナノバブル水における波長425nmの発光ピークの強度は、保管後、時間が経過しても、安定して、その発光を検知可能なものであることが推測された。一方、散乱光強度は、バブリング処理の直後から、時間の経過と共に減少していく不安定なものであることが明らかとなった。
なお、上述した図8及び図9(a)では、励起光(320nm)における波長425mの発光に関する挙動を示したが、これと同様に、励起光(245nm)における波長310mの発光及び、励起光(245nm)における波長425mの発光に関する挙動を示す。
図10は、バブリング処理の時間と、励起光(245nm)における波長310mの発光の発光ピークの強度との関係を実線のグラフで、励起光(245nm)における波長425mの発光の発光ピークの強度との関係を点線のグラフでそれぞれ示している。
図10に示すように、励起光(245nm)における波長310mの発光及び、励起光(245nm)における波長425mの発光についても、発光強度はバブリング処理の時間の経過と共に増加する傾向にあり、励起光(320nm)における波長425mの発光と同様の傾向を示すことが明らかとなった。
図11は、発光ピークの強度と、保管日数との関係を示すグラフである。なお、励起光(245nm)における波長310mの発光の発光ピークの強度との関係を実線のグラフで、励起光(245nm)における波長425mの発光の発光ピークの強度との関係を点線のグラフでそれぞれ示している。
図11に示すように、励起光(245nm)における波長310mの発光、及び、励起光(245nm)における波長425mの発光の発光ピークの強度は、保管日数が経過しても、その発光強度はほとんど減少しておらず、発光強度が安定して保持されていた。
1 ビーカー
2 超純水
3 ナノバブル生成器
4 供給用チューブの端部
5 排出用チューブの端部

Claims (7)

  1. 対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価する水の評価方法であって、
    水の水分子に起因する発光スペクトル、及び、同水の赤外吸収スペクトルの少なくとも一方を測定する工程を備える
    水の評価方法。
  2. 前記発光スペクトルは、
    波長244nm付近を中心とする紫外光励起における、300〜430nmの波長域の発光スペクトル、又は、380〜550nmの波長域の発光スペクトルのいずれか1つ以上である
    請求項1に記載の水の評価方法。
  3. 前記発光スペクトルは、
    波長245nmの紫外光励起における、310nm及び425nmの少なくとも一方の波長域の発光スペクトル、
    又は、
    波長320nmの紫外光励起における、425nmの波長域の発光スペクトルのいずれか1つ以上である
    請求項2に記載の水の評価方法。
  4. 前記水の水分子に起因する励起スペクトルを測定する工程を備え、
    前記励起スペクトルは、200〜380nmの波長域の発光の励起スペクトルである
    請求項1、請求項2又は請求項3に記載の水の評価方法。
  5. 前記赤外吸収スペクトルにおける、
    水分子の変角振動、水分子の逆対称伸縮振動より高波数側の領域、及び、二酸化炭素分子の逆対称伸縮振動の少なくとも1つに着目することを特徴とする
    請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の水の評価方法。
  6. 前記発光スペクトルを測定する工程で得られた発光強度から前記水に含まれるナノバブルの含有量を検出する検出工程を備える
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の水の評価方法。
  7. 対象となる水におけるナノバブルに関する性質を評価する水の評価機構であって、
    水に所定の波長の光を照射可能な光源発生手段とを備える
    水の評価機構。
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