JP2021175926A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の冷媒系統を有する冷凍サイクル装置において、通信帯域の圧迫に対応できない、という課題がある。【解決手段】冷凍サイクル装置100は、第1熱源ユニットH,H1と、利用ユニットU,U11,U12とを備える。第1熱源ユニットH,H1は、第1熱源側制御部HC,HC1を有する。利用ユニットU,U11,U12は、利用側制御部47,57を有する。第1熱源側制御部HC,HC1と利用側制御部47,57とは、通信可能に接続されている。第1熱源側制御部HC,HC1は、運転を切り替える前又は後、あるいは両方において、利用側制御部47,57との通信頻度を、通信頻度が通常である通常頻度から、通常頻度よりも通信頻度が高い高頻度に切り替える。【選択図】図1

Description

冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置において、デフロスト運転の開始前後等の過渡状態では、熱源ユニットと利用ユニットとの間の通信頻度を増やし、細かな制御を行う必要がある。通信頻度を増やすと通信帯域が圧迫されるが、これについて、特許文献1(特開2010−19530号公報)に示されているように、通信頻度を最適化する技術がある。
複数の冷媒系統を有する冷凍サイクル装置において、2以上の冷媒系統が同時に過渡状態となった場合、特許文献1に示すような、冷媒系統内の利用ユニットの台数に基づく通信頻度の最適化では、通信帯域の圧迫に対応できない、という課題がある。
第1観点の冷凍サイクル装置は、第1熱源ユニットと、利用ユニットとを備える。第1熱源ユニットは、第1熱源側制御部を有する。利用ユニットは、利用側制御部を有する。第1熱源側制御部と利用側制御部とは、通信可能に接続されている。第1熱源側制御部は、運転を切り替える前又は後、あるいは両方において、利用側制御部との通信頻度を、通信頻度が通常である通常頻度から、通常頻度よりも通信頻度が高い高頻度に切り替える。
第1観点の冷凍サイクル装置では、第1熱源側制御部は、運転を切り替える前又は後、あるいは両方において、利用側制御部との通信頻度を、通信頻度が通常である通常頻度から、通常頻度よりも通信頻度が高い高頻度に切り替える。そのため、冷凍サイクル装置は、運転の切り替え時のような過渡状態に基づいて、通信頻度を調節することができる。
第2観点の冷凍サイクル装置は、第1観点の冷凍サイクル装置であって、第2熱源ユニットをさらに備える。第2熱源ユニットは、第2熱源側制御部を有する。第2熱源側制御部は、第1熱源側制御部及び利用側制御部と通信可能に接続されている。第1熱源側制御部は、自身の通信頻度を通常頻度から高頻度に切り替える前に、第2熱源側制御部に対して、第2熱源側制御部の通信頻度が高頻度であるか否かを問い合わせる。第1熱源側制御部は、第2熱源側制御部の通信頻度が高頻度であれば、自身の通信頻度を通常頻度から高頻度に切り替えない。
第2観点の冷凍サイクル装置では、第1熱源側制御部は、自身の通信頻度を通常頻度から高頻度に切り替える前に、第2熱源側制御部に対して、第2熱源側制御部の通信頻度が高頻度であるか否かを問い合わせる。第1熱源側制御部は、第2熱源側制御部の通信頻度が高頻度であれば、自身の通信頻度を通常頻度から高頻度に切り替えない。そのため、冷凍サイクル装置は、複数の冷媒系統の通信頻度を、同時には通常頻度から高頻度に切り替えない。その結果、冷凍サイクル装置は、通信帯域の圧迫を抑えることができる。
第3観点の冷凍サイクル装置は、第2観点の冷凍サイクル装置であって、第2熱源側制御部は、自身の通信頻度を高頻度から通常頻度に切り替えた場合、第1熱源側制御部に対してその旨を通知する。
第4観点の冷凍サイクル装置は、第2観点又は第3観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、第1熱源側制御部は、問い合わせによって、自身の通信頻度を通常頻度から高頻度に切り替えなかった場合、所定の時間経過後に、再度問い合わせを行う。
第5観点の冷凍サイクル装置は、第3観点の冷凍サイクル装置であって、第1熱源側制御部は、問い合わせによって、自身の通信頻度を通常頻度から高頻度に切り替えなかった場合、通知を受信後に、再度問い合わせを行う。
第6観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第5観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、第1熱源ユニットは、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器、をさらに有する。第1熱源側制御部の複数の運転は、通常運転と、熱源側熱交換器に付着した霜を溶かすためのデフロスト運転と、を含む。運転の切り替えは、通常運転と、デフロスト運転との間の切り替えである。
第7観点の冷凍サイクル装置は、第6観点の冷凍サイクル装置であって、デフロスト運転における通信頻度は、通常頻度又は高頻度である。
第8観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第7観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、高頻度の通信頻度は、60秒毎より高い。
冷凍サイクル装置の概略構成図である。 第1冷媒系統の冷媒回路を示す図である。 第1冷媒系統の制御ブロック図である。 デフロスト運転中及びその前後における各種機器の動作を示すタイムチャートの例である。 通信頻度制御処理のフローチャートである。 通信頻度制御処理のフローチャートである。 第4冷媒系統の構成例を示す図である。 第4冷媒系統の冷媒回路を示す図である。
(1)全体構成
冷凍サイクル装置100は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、対象空間の冷房や暖房を行う空調装置である。図1に示すように、冷凍サイクル装置100は、主として、熱源ユニットHと、利用ユニットUとを備える。
図1では、冷凍サイクル装置100は、第1熱源ユニットH1、第2熱源ユニットH2及び第3熱源ユニットH3を備えている。熱源ユニットH1〜H3と集中管理装置CAは、通信線80によって、通信可能に接続されている。図1では、冷凍サイクル装置100は、3台の熱源ユニットHを備えているが、台数は3台に限定されない。また、どの熱源ユニットHを、第1熱源ユニットH1等とするのかは任意である。
それぞれの熱源ユニットHは、通信線80によって、利用ユニットUと通信可能に接続されている。図1では、第1熱源ユニットH1は、利用ユニットU11〜U12と接続されている。第2熱源ユニットH2は、利用ユニットU21〜U24と接続されている。第3熱源ユニットH3は、利用ユニットU31〜U33と接続されている。図1では、それぞれの熱源ユニットHは、2〜4台の利用ユニットUと接続されているが、台数は2〜4台に限定されない。また、例えば、第1熱源ユニットH1に接続される利用ユニットUの中で、どの利用ユニットUを利用ユニットU11等とするのかは任意である。
また、それぞれの熱源ユニットHは、冷媒連絡配管を介して、利用ユニットUと接続されている。図2に示すように、第1熱源ユニットH1、利用ユニットU11及び利用ユニットU12は、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して接続されることで、冷媒回路10を構成している。
以下、第1熱源ユニットH1、利用ユニットU11及び利用ユニットU12の構成を第1冷媒系統RS1、第2熱源ユニットH2及び利用ユニットU21〜U24の構成を第2冷媒系統RS2、第3熱源ユニットH3及び利用ユニットU31〜U33の構成を第3冷媒系統RS3等と記載する。また、特に必要がない限り、代表して第1冷媒系統RS1について説明する。
第1冷媒系統RS1において実行される運転は、少なくとも冷房運転と、暖房運転と、デフロスト運転とを含む。冷房運転は、空調対象空間の空気を冷却する運転である。暖房運転は、空調対象空間の空気を加熱する運転である。デフロスト運転は、暖房運転の際に熱源側熱交換器23に付着した霜を溶かすための運転である。デフロスト運転は、暖房運転を中断し、一時的に冷媒回路10における冷媒の流れ方向を暖房運転の際と逆方向に変更して行う運転である。以下、冷房運転及び暖房運転は、通常運転と記載する場合がある。
また、第1冷媒系統RS1において実行される通信の頻度は、少なくとも通信頻度が通常である通常頻度と、通常頻度よりも通信頻度が高い高頻度とを含む。
(2)詳細構成
(2−1)第1冷媒系統
(2−1−1)利用ユニット
利用ユニットU11,U12は、建物室内等の対象空間に設置されるユニットである。例えば、利用ユニットU11,U12は、天井に設置される天井埋込型のユニットである。
利用ユニットU11は、図2に示すように、主として、利用側熱交換器42と、利用側ファン43と、利用側膨張弁41と、液側温度センサ44、ガス側温度センサ45及び利用側制御部47とを有する。また、利用ユニットU11は、図2に示すように、利用側熱交換器42の液側端と液冷媒連絡配管6とを接続する液冷媒配管10aと、利用側熱交換器42のガス側端とガス冷媒連絡配管7とを接続するガス冷媒配管10bとを有する。
利用ユニットU12は、図2に示すように、主として、利用側熱交換器52と、利用側ファン53と、利用側膨張弁51と、利用側制御部57、液側温度センサ54及びガス側温度センサ55とを有する。また、利用ユニットU12は、図2に示すように、利用側熱交換器52の液側端と液冷媒連絡配管6とを接続する液冷媒配管10cと、利用側熱交換器52のガス側端とガス冷媒連絡配管7とを接続するガス冷媒配管10dとを有する。
利用ユニットU12の各部の構成は、利用ユニットU11の対応する各部と同様の構成である。そのため、以下では、利用ユニットU11の各部についてのみ説明し、特に必要がない場合、利用ユニットU12の各部についての説明は省略する。
(2−1−1−1)利用側熱交換器
利用側熱交換器42は、構造を限定するものではないが、例えば、伝熱管(図示せず)と多数のフィン(図示せず)とにより構成されるクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。利用側熱交換器42では、利用側熱交換器42を流れる冷媒と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われる。
利用側熱交換器42は、冷房運転及びデフロスト運転の際には蒸発器として機能する。利用側熱交換器42は、暖房運転の際には凝縮器として機能する。
(2−1−1−2)利用側ファン
利用側ファン43は、利用ユニットU11内に空気を吸入して利用側熱交換器42に供給し、利用側熱交換器42において冷媒と熱交換した空気を空調対象空間へと供給する。利用側ファン43は、例えばターボファンやシロッコファン等の遠心ファンである。利用側ファン43は、ファンモータ43aによって駆動される。ファンモータ43aの回転数は、インバータにより制御可能である。
(2−1−1−3)利用側膨張弁
利用側膨張弁41は、液冷媒配管10aを流れる冷媒の圧力や流量を調節するための機構である。利用側膨張弁41は、液冷媒配管10aに設けられる。利用側膨張弁41は、例えば、開度調節が可能な電子膨張弁である。
(2−1−1−4)センサ
利用ユニットU11は、少なくとも液側温度センサ44と、ガス側温度センサ45とをセンサとして有する。
液側温度センサ44は、液冷媒配管10aに設けられる。液側温度センサ44は、液冷媒配管10aを流れる冷媒の温度を計測する。
ガス側温度センサ45は、ガス冷媒配管10bに設けられる。ガス側温度センサ45は、ガス冷媒配管10bを流れる冷媒の温度を計測する。
液側温度センサ44及びガス側温度センサ45は、例えば、サーミスタである。
(2−1−1−5)利用側制御部
利用側制御部47は、利用ユニットU11を構成する各部の動作を制御する。
利用側制御部47は、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータを有する。
図2に示すように、利用側制御部47は、利用側膨張弁41、利用側ファン43、液側温度センサ44及びガス側温度センサ45と、制御信号や情報のやりとりを行うことが可能に電気的に接続されている。
利用側制御部47は、第1熱源ユニットH1の第1熱源側制御部HC1と、通信線80によって通信可能に接続されている。利用側制御部47は、第1熱源側制御部HC1との間で制御信号等のやりとりを行うことができる。
利用側制御部47は、利用ユニットU11を操作するためのリモコン(図示せず)から送信される各種信号を受信可能に構成されている。各種信号には、利用ユニットU11の運転信号、停止信号、運転の変更信号を含む。
利用側制御部47と、利用ユニットU12の利用側制御部57と、第1熱源ユニットH1の第1熱源側制御部HC1とは、協働してコントローラC1として機能する。コントローラC1の機能については後述する。
(2−1−2)第1熱源ユニット
第1熱源ユニットH1は、第1冷媒系統RS1が設置される建物の室外等に設置されるユニットである。
第1熱源ユニットH1は、図2に示すように、主として、圧縮機21と、流向切換機構22と、熱源側熱交換器23と、熱源側膨張弁38と、アキュムレータ24と、熱源側ファン28と、液側閉鎖弁26と、ガス側閉鎖弁27と、吸入圧力センサ29と、吐出圧力センサ30と、熱交温度センサ33と、第1熱源側制御部HC1とを有する。
また、第1熱源ユニットH1は、吸入管11aと、吐出管11bと、第1ガス冷媒管11cと、液冷媒管11dと、第2ガス冷媒管11eとを有する。
吸入管11aは、流向切換機構22と圧縮機21の吸入側とを接続する。吸入管11aには、アキュムレータ24が設けられる。吐出管11bは、圧縮機21の吐出側と流向切換機構22とを接続する。第1ガス冷媒管11cは、流向切換機構22と熱源側熱交換器23のガス側とを接続する。液冷媒管11dは、熱源側熱交換器23の液側と液冷媒連絡配管6とを接続する。液冷媒管11dには、熱源側膨張弁38が設けられている。液冷媒管11dと液冷媒連絡配管6との接続部には、液側閉鎖弁26が設けられている。第2ガス冷媒管11eは、流向切換機構22とガス冷媒連絡配管7とを接続する。第2ガス冷媒管11eとガス冷媒連絡配管7との接続部には、ガス側閉鎖弁27が設けられている。
(2−1−2−1)圧縮機
図2に示すように、圧縮機21は、吸入管11aから冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を吸入し、圧縮機構(図示せず)で冷媒を圧縮して、圧縮した冷媒を吐出管11bへと吐出する機器である。
圧縮機21は、タイプを限定するものではないが、例えば、ロータリ式やスクロール式等の容積圧縮機である。圧縮機21の圧縮機構(図示せず)は、圧縮機モータ21aによって駆動される。圧縮機モータ21aの回転数は、インバータにより制御可能である。
(2−1−2−2)流向切換機構
流向切換機構22は、冷媒の流向を切り換えることで、熱源側熱交換器23の状態を、蒸発器として機能する第1状態と、凝縮器として機能する第2状態との間で変更する機構である。なお、流向切換機構22が熱源側熱交換器23の状態を第1状態とする時には、利用側熱交換器42,52は凝縮器として機能する。一方、流向切換機構22が熱源側熱交換器23の状態を第2状態とする時には、利用側熱交換器42,52は蒸発器として機能する。
図2に示すように、流向切換機構22は、圧縮機21から吐出される冷媒の流向を、第1流向Aと第2流向Bとの間で切り換える機構である。流向切換機構22が冷媒の流向を第1流向Aに切り換えた時、熱源側熱交換器23の状態は第1状態となる。流向切換機構22が冷媒の流向を第2流向Bに切り換えた時、熱源側熱交換器23の状態は第2状態となる。
本実施形態では、流向切換機構22は、四路切換弁である。
暖房運転時には、圧縮機21から吐出される冷媒の流向は、流向切換機構22により第1流向Aに切り換えられる。流向切換機構22は、冷媒の流向を第1流向Aに設定している時、図2の流向切換機構22内の破線で示されるように、吸入管11aを第1ガス冷媒管11cと連通させ、吐出管11bを第2ガス冷媒管11eと連通させる。冷媒が第1流向Aに流れる時、圧縮機21から吐出される冷媒は、冷媒回路10内を、利用側熱交換器42,52、利用側膨張弁41,51、熱源側膨張弁38、熱源側熱交換器23の順に流れ、圧縮機21へと戻る。
冷房運転時及びデフロスト運転時には、圧縮機21から吐出される冷媒の流向は、流向切換機構22により第2流向Bに切り換えられる。流向切換機構22は、冷媒の流向を第2流向Bに設定している時、図2の流向切換機構22内の実線で示されるように、吸入管11aを第2ガス冷媒管11eと連通させ、吐出管11bを第1ガス冷媒管11cと連通させる。冷媒が第2流向Bに流れる時、圧縮機21から吐出される冷媒は、冷媒回路10内を、熱源側熱交換器23、熱源側膨張弁38、利用側膨張弁41,51、利用側熱交換器42,52の順に流れ、圧縮機21へと戻る。
(2−1−2−3)熱源側熱交換器
熱源側熱交換器23では、熱源側熱交換器23を流れる冷媒と熱源空気との間で熱交換が行われる。
熱源側熱交換器23は、構造を限定するものではないが、例えば、伝熱管(図示せず)と多数のフィン(図示せず)とにより構成されるクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。
熱源側熱交換器23は、暖房運転時には蒸発器として機能する。熱源側熱交換器23は、冷房運転時及びデフロスト運転時には、凝縮器として機能する。
(2−1−2−4)熱源側膨張弁
熱源側膨張弁38は、液冷媒管11dを流れる冷媒の圧力や流量を調節するための機構である。図2に示すように、熱源側膨張弁38は、液冷媒管11dに設けられる。熱源側膨張弁38は、例えば、開度調節が可能な電子膨張弁である。
(2−1−2−5)アキュムレータ
アキュムレータ24は、流入する冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分ける気液分離機能を有する容器である。図2に示すように、アキュムレータ24は、吸入管11aに設けられる。アキュムレータ24に流入する冷媒は、ガス冷媒と液冷媒とに分離され、上部空間に集まるガス冷媒が圧縮機21へと流入する。
(2−1−2−6)熱源側ファン
熱源側ファン28は、第1熱源ユニットH1内に熱源空気を吸入して熱源側熱交換器23に供給し、熱源側熱交換器23において冷媒と熱交換した空気を、第1熱源ユニットH1外に排出するファンである。
熱源側ファン28は、例えばプロペラファン等の軸流ファンである。熱源側ファン28は、ファンモータ28aによって駆動される。ファンモータ28aの回転数は、インバータにより制御可能である。
(2−1−2−7)液側閉鎖弁及びガス側閉鎖弁
液側閉鎖弁26は、図2に示すように、液冷媒管11dと液冷媒連絡配管6との接続部に設けられた弁である。ガス側閉鎖弁27は、第2ガス冷媒管11eとガス冷媒連絡配管7との接続部に設けられた弁である。液側閉鎖弁26及びガス側閉鎖弁27は、例えば、手動で操作される弁である。
(2−1−2−8)センサ
第1熱源ユニットH1は、少なくとも吸入圧力センサ29と、吐出圧力センサ30と、熱交温度センサ33とをセンサとして有する。
図2に示すように、吸入圧力センサ29は、吸入管11aに設けられている。
吸入圧力センサ29は、吸入圧力を計測するセンサである。吸入圧力は、冷凍サイクルの低圧の値である。
吐出圧力センサ30は、吐出管11bに設けられている。吐出圧力センサ30は、吐出圧力を計測するセンサである。吐出圧力は、冷凍サイクルの高圧の値である。
熱交温度センサ33は、熱源側熱交換器23に設けられている。熱交温度センサ33は、熱源側熱交換器23内を流れる冷媒の温度を計測する。熱交温度センサ33は、冷房運転時には凝縮温度に対応する冷媒温度を計測し、暖房運転時には蒸発温度に対応する冷媒温度を計測する。
(2−1−2−9)熱源側制御部
第1熱源側制御部HC1は、第1熱源ユニットH1を構成する各部の動作を制御する。
第1熱源側制御部HC1は、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータを有する。
図2に示すように、第1熱源側制御部HC1は、圧縮機21、流向切換機構22、熱源側膨張弁38、熱源側ファン28、吸入圧力センサ29、吐出圧力センサ30及び熱交温度センサ33と、制御信号や情報のやりとりを行うことが可能に電気的に接続されている。
第1熱源側制御部HC1は、利用ユニットU11,U12の利用側制御部47,57と、通信線80によって通信可能に接続されている。第1熱源側制御部HC1は、利用側制御部47,57との間で制御信号等のやりとりを行うことができる。
第1熱源側制御部HC1は、他の熱源ユニットHの熱源側制御部HC及び集中管理装置CAと、通信可能に接続されている。第1熱源側制御部HC1は、他の熱源ユニットHの熱源側制御部HC及び集中管理装置CAとの間で制御信号等のやりとりを行うことができる。
第1熱源側制御部HC1と、利用ユニットU11,U12の利用側制御部47,57とは、協働してコントローラC1として機能する。コントローラC1の機能については後述する。
なお、図1に示すように、各熱源ユニットHの熱源側制御部HCを、第1熱源ユニットH1では第1熱源側制御部HC1、第2熱源ユニットH2では第2熱源側制御部HC2、第3熱源ユニットH3では第3熱源側制御部HC3等として記載している。
(2−1−3)コントローラ
本実施形態では、第1熱源ユニットH1の第1熱源側制御部HC1と、利用ユニットU11,U12の利用側制御部47,57との協働が、第1冷媒系統RS1の動作を制御するコントローラC1として機能する。例えば、第1熱源側制御部HC1のCPUが第1冷媒系統RS1の制御用のプログラムを実行し、利用側制御部47,57のCPUが第1冷媒系統RS1の制御用のプログラムを実行することで、コントローラC1は第1冷媒系統RS1の動作を制御する。
コントローラC1は、図3に示されているように、液側温度センサ44,54、ガス側温度センサ45,55、吸入圧力センサ29、吐出圧力センサ30及び熱交温度センサ33と通信可能に接続されている。コントローラC1は、各種センサの送信する計測信号を受信する。コントローラC1は、利用側膨張弁41,51、ファンモータ43a,53a、圧縮機モータ21a、ファンモータ28a、流向切換機構22及び熱源側膨張弁38と電気的に接続されている。コントローラC1は、第1冷媒系統RS1の制御用リモコンが送信する制御信号や、各種センサの計測信号に基づき、利用側膨張弁41,51、ファンモータ43a,53a、圧縮機モータ21a、ファンモータ28a、流向切換機構22及び熱源側膨張弁38を含む第1冷媒系統RS1の機器の動作を制御する。
コントローラC1は、第1冷媒系統RS1の各種機器を制御して、第1冷媒系統RS1に冷房運転、暖房運転及びデフロスト運転を実行させる。また、コントローラC1は、第1冷媒系統RS1の各種機器を制御して、通常運転とデフロスト運転とを切り替える。
コントローラC1は、通常運転とデフロスト運転とを切り替える前又は後、あるいは両方において、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、通常頻度から高頻度に切り替える。通常頻度は、例えば、60秒毎である。このとき、高頻度は、60秒毎より高い。
なお、図1に示すように、各冷媒系統RSのコントローラCを、第1冷媒系統RS1ではコントローラC1、第2冷媒系統RS2ではコントローラC2、第3冷媒系統RS3ではコントローラC3等として記載している。
(2−1−4)集中管理装置
集中管理装置CAは、冷凍サイクル装置100の各冷媒系統RSの状態を集中して管理する。図1では、集中管理装置CAは、第1熱源ユニットH1、第2熱源ユニットH2及び第3熱源ユニットH3と、通信線80によって通信可能に接続されている。
(2−1−5)通信線
通信線80は、図1に示すように、熱源ユニットHと、利用ユニットUと、集中管理装置CAとを接続する。
通信規格は、例えば、高速電力線通信(HD−PLC)により行う。また、通信線80は、例えば、ビニルキャブタイヤ丸形コード(VCTF)を用いる。
本実施形態では、通信線80は、物理的な伝送線であることを想定しているが、熱源ユニットHと、利用ユニットUと、集中管理装置CAとは、無線により通信可能に接続されてもよい。
通信線80が接続される各種機器の端子台は、熱源ユニットHの間の通信と、熱源ユニットHと利用ユニットUとの間の通信と、では異なる。しかし、通信線80は、各種機器の内部で電気的につながっている。そのため、例えば、第1冷媒系統RS1を制御するための制御信号は、第1冷媒系統RS1の外にも流出する。その結果、複数の冷媒系統RSが同時に高頻度の通信を行うと、通信線80全体の通信帯域が圧迫されることになる。
(3)冷凍サイクル装置の動作
冷房運転時、暖房運転時及びデフロスト運転時の冷凍サイクル装置100の動作について説明する。
(3−1)冷房運転時の動作
リモコン(図示せず)から、第1冷媒系統RS1に対して冷房運転の実行が指示されると、コントローラC1は、第1冷媒系統RS1の運転を冷房運転に設定する。コントローラC1は、熱源側熱交換器23の状態が凝縮器として機能する第2状態になるよう、流向切換機構22を図2において実線で示された状態に制御し、圧縮機21、熱源側ファン28、利用側ファン43,53を運転する。
そして、コントローラC1は、冷房運転時に、例えば以下のように第1冷媒系統RS1の機器を制御する。
コントローラC1は、熱源側膨張弁38を全開状態にする。
コントローラC1は、利用側熱交換器42、52のそれぞれのガス側出口における冷媒の過熱度が所定の目標値になるように、利用側膨張弁41、51を開度調節する。利用側熱交換器42、52のガス側出口における冷媒の過熱度は、例えば、ガス側温度センサ45,55の計測値から吸入圧力センサ29の計測値(吸入圧力)から換算される蒸発温度を差し引くことで算出される。冷媒の過熱度は、ガス側温度センサ45、55の計測値から、蒸発温度に相当する液側温度センサ44、54の計測値を差し引いて算出されてもよい。
コントローラC1は、吸入圧力センサ29の計測値(吸入圧力)に相当する蒸発温度が目標蒸発温度に近づくように、圧縮機21の運転容量を制御する。圧縮機21の運転容量の制御は、圧縮機モータ21aの回転数制御により行われる。
以上のように機器の動作が制御されることで、冷房運転時には冷媒回路10を以下のように冷媒が流れる。
圧縮機21が起動されると、冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒が圧縮機21に吸入され、圧縮機21で圧縮されて冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒となる。高圧のガス冷媒は、流向切換機構22を経由して熱源側熱交換器23に送られ、熱源側ファン28によって供給される熱源空気と熱交換を行って凝縮し、高圧の液冷媒となる。高圧の液冷媒は、液冷媒管11dを流れ、熱源側膨張弁38を通過する。利用ユニットU11,U12に送られた高圧の液冷媒は、利用側膨張弁41,51において圧縮機21の吸入圧力近くまで減圧され、気液二相状態の冷媒となって利用側熱交換器42、52に送られる。気液二相状態の冷媒は、利用側熱交換器42,52において、利用側ファン43,53により利用側熱交換器42、52へと供給される対象空間の空気と熱交換を行って蒸発して低圧のガス冷媒となる。低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡配管7を経由して第1熱源ユニットH1に送られ、流向切換機構22を経由してアキュムレータ24に流入する。アキュムレータ24に流入した低圧のガス冷媒は、再び、圧縮機21に吸入される。一方、利用側熱交換器42、52に供給された空気の温度は、利用側熱交換器42、52を流れる冷媒と熱交換することで低下し、利用側熱交換器42、52で冷却された空気は対象空間に吹き出す。
(3−2)暖房運転時の動作
リモコン(図示せず)から、第1冷媒系統RS1に対して暖房運転の実行が指示されると、コントローラC1は、第1冷媒系統RS1の運転を暖房運転に設定する。コントローラC1は、第1冷媒系統RS1の運転が暖房運転に設定されている時には、熱源側熱交換器23の状態が蒸発器として機能する第1状態になるよう、流向切換機構22を図2において破線で示された状態に制御する。また、コントローラC1は、暖房運転中には、圧縮機21、熱源側ファン28、利用側ファン43,53を運転する。
そして、コントローラC1は、暖房運転時に、例えば以下のように第1冷媒系統RS1の機器を制御する。
コントローラC1は、利用側熱交換器42、52のそれぞれの液側出口における冷媒の過冷却度が所定の目標値になるように、利用側膨張弁41、51を開度調節する。利用側熱交換器42、52のそれぞれの液側出口における冷媒の過冷却度は、例えば、吐出圧力センサ30の計測値(吐出圧力)から換算される凝縮温度から、液側温度センサ44,54の計測値を差し引くことで算出される。
コントローラC1は、熱源側熱交換器23に流入する冷媒が、熱源側熱交換器23において蒸発可能な圧力(凝縮圧力)まで減圧されるように、熱源側膨張弁38を開度調節する。
コントローラC1は、吐出圧力センサ30の計測値(吐出圧力)に相当する凝縮温度が目標蒸発温度に近づくように、圧縮機21の運転容量を制御する。圧縮機21の運転容量の制御は、圧縮機モータ21aの回転数制御により行われる。
以上のように機器の動作が制御されることで、暖房運転時には冷媒回路10を以下のように冷媒が流れる。
圧縮機21が起動されると、冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒が圧縮機21に吸入され、圧縮機21で圧縮されて冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒となる。高圧のガス冷媒は、流向切換機構22を経由して利用側熱交換器42,52に送られ、利用側ファン43,53によって供給される対象空間の空気と熱交換を行って凝縮し、高圧の液冷媒となる。利用側熱交換器42、52へと供給された空気の温度は、利用側熱交換器42、52を流れる冷媒と熱交換することで上昇し、利用側熱交換器42、52で加熱された空気は対象空間に吹き出す。利用側熱交換器42,52を通過した高圧の液冷媒は、利用側膨張弁41、51を通過して減圧される。利用側膨張弁41、51において減圧された冷媒は、液冷媒連絡配管6を経由して第1熱源ユニットH1に送られ、液冷媒管11dに流入する。液冷媒管11dを流れる冷媒は、熱源側膨張弁38を通過する際に圧縮機21の吸入圧力近くまで減圧され、気液二相状態の冷媒となって熱源側熱交換器23に流入する。熱源側熱交換器23に流入した低圧の気液二相状態の冷媒は、熱源側ファン28によって供給される熱源空気と熱交換を行って蒸発して低圧のガス冷媒となり、流向切換機構22を経由してアキュムレータ24に流入する。アキュムレータ24に流入した低圧のガス冷媒は、再び、圧縮機21に吸入される。
(3−3)デフロスト運転時の動作
コントローラC1は、第1冷媒系統RS1の運転が暖房運転にある時に、所定のデフロスト開始条件が成立したと判断すると、流向切換機構22を制御して一時的に熱源側熱交換器23の状態を第2状態に切り換え、運転をデフロスト運転に設定する。
なお、デフロスト開始条件とは、その条件が成立した時に、熱源側熱交換器23の除霜を行うことが望ましい条件である。例えば、コントローラC1は、熱交温度センサ33により計測される冷媒温度が所定温度以下になった時に、デフロスト開始条件が成立したと判断する。デフロスト開始条件が成立したか否かの判断の閾値に用いられる冷媒温度の所定温度は、例えば−5℃である。また、コントローラC1は、暖房運転の継続時間が所定時間を超えた時に、デフロスト開始条件が成立したと判断してもよい。
また、コントローラC1は、デフロスト運転中に、デフロスト終了条件が成立したと判断すると、デフロスト運転の終了を決定し、暖房運転に復帰する。例えば、コントローラC1は、熱交温度センサ33により計測される冷媒温度が所定の終了判断温度以上になり、なおかつ、その状態が所定時間以上継続した場合に、デフロスト終了条件が成立したと判断する。コントローラC1は、熱交温度センサ33により計測される冷媒温度が所定の終了判断温度以上になると、直ちにデフロスト終了条件が成立したと判断してもよい。
デフロスト運転中及びその前後における、圧縮機21、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の動作について、図4のタイムチャートを参照しながら説明する。なお、図4は、デフロスト運転中及びその前後における、圧縮機21、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の動作の概略を説明することを意図したものである。図4に描画されている、時間の長さの割合や、圧縮機21の圧縮機モータ21aの回転数変更の態様や、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の開度変更の態様は、本開示を限定するものではない。
はじめに、コントローラC1は、図4の左側の暖房運転(通常運転)で示すように、暖房運転用の制御を行っている。
コントローラC1は、暖房運転時にデフロスト開始条件が成立したと判断すると、図4のデフロスト前制御で示すように、第1冷媒系統RS1の各種機器の暖房運転用の制御を中断し、各種機器にデフロスト運転の準備のための動作を実行させる。例えば、コントローラC1は、圧縮機21の圧縮機モータ21aの回転数を所定の回転数まで段階的に低減する。また、コントローラC1は、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の開度を所定の態様で制御する。例えば、コントローラC1は、圧縮機21の圧縮機モータ21aの回転数の低減に合わせて、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の開度を小さくする。
コントローラC1は、圧縮機21の圧縮機モータ21aの回転数を所定の回転数まで低減した後、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の開度を所定の開度に開く。図4では、コントローラC1は、圧縮機21の圧縮機モータ21aの回転数を所定の回転数まで低減した後、冷媒回路10内の熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の開度を最大開度OPmaxに開いている。最大開度OPmaxは、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51が取り得る最大の開度である。
その後、コントローラC1は、所定のタイミングで、流向切換機構22を制御して、第1冷媒系統RS1の運転を暖房運転からデフロスト運転に切り換える。
デフロスト運転の際、コントローラC1は、図4のデフロスト運転で示すように、圧縮機21が所定の回転数で運転され、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51が所定の開度に調節されるように、圧縮機21、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51を制御する。例えば、コントローラC1は、圧縮機21の圧縮機モータ21aの回転数を最大回転数に制御し、その後次第に低減する。また、コントローラC1は、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の開度を、圧縮機21の圧縮機モータ21aの回転数の低減に合わせて次第に低減する。
コントローラC1は、デフロスト終了条件が成立するまで、デフロスト運転を続ける。
そして、コントローラC1は、デフロスト終了条件が成立すると、デフロスト運転の終了を決定する。そして、コントローラC1は、デフロスト運転の終了を決定すると、圧縮機21の回転数を所定の回転数まで減少させる。また、コントローラC1は、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の開度を、圧縮機21の圧縮機モータ21aの回転数の低減に合わせて次第に低減する。
その後、コントローラC1は、所定のタイミングで、流向切換機構22を制御して、第1冷媒系統RS1の運転をデフロスト運転から暖房運転に切り換える。
コントローラC1は、図4のデフロスト後制御で示すように、第1冷媒系統RS1の各種機器の暖房運転用の制御を開始する。例えば、コントローラC1は、圧縮機21の圧縮機モータ21aの回転数を所定の回転数まで段階的に増大する。また、コントローラC1は、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の開度を所定の態様で制御する。例えば、コントローラC1は、圧縮機21の圧縮機モータ21aの回転数の増大に合わせて、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の開度を大きくする。
その後、コントローラC1は、図4の右側の暖房運転(通常運転)で示すように、安定した暖房運転を行う。
(4)通信頻度制御処理
図4に示すように、デフロスト前制御時、デフロスト運転の開始直後、デフロスト運転の終了直前及びデフロスト後制御時においては、コントローラC1は、圧縮機21の圧縮機モータ21aの回転数の調節や、熱源側膨張弁38及び利用側膨張弁41,51の開度調節を頻繁に行う。特に、デフロスト運転の開始直後及び終了直前に、利用側膨張弁41、51の開度調節が遅れ、過熱度が下がると、利用側熱交換器42,52において冷媒が十分に気化されず、液冷媒が圧縮機21に流入する恐れが生じる。そのため、暖房運転(通常運転)とデフロスト運転とを切り替える際は、第1冷媒系統RS1内の通信頻度を高くする必要がある。
一方、前述の通り、第1冷媒系統RS1内の制御信号は、第1冷媒系統RS1の外にも流出する。複数の冷媒系統RSにおいて、同時に、暖房運転(通常運転)とデフロスト運転とが切り替われば、通信線80全体の通信帯域が圧迫されることになる。
これを解消するため、コントローラC1は、以下の通信頻度制御処理を行う。
通信頻度制御処理を、図5及び図6のフローチャートを用いて説明する。
コントローラC1は、ステップS1に示すように、暖房運転を行っている。これは、図4の左側の暖房運転(通常運転)の状態に相当する。このとき、第1冷媒系統RS1の通信頻度は、通常頻度である。
コントローラC1は、ステップS2に示すように、デフロスト開始条件が成立したか否かを判断する。コントローラC1は、デフロスト開始条件が成立した場合、ステップS3に進む。コントローラC1は、デフロスト開始条件が成立しない場合、ステップS1に戻り、暖房運転を続ける。
コントローラC1は、デフロスト開始条件が成立すると、ステップS3に示すように、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、通常頻度から高頻度に切り替える前に、他の冷媒系統RSのコントローラCに対して、当該他の冷媒系統RSの通信頻度が高頻度であるか否かを問い合わせる。
コントローラC1は、ステップS4に示すように、他の冷媒系統RSの通信頻度が高頻度でなければ、ステップS5に示すように、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、通常頻度から高頻度に切り替えて、デフロスト前制御を開始する。これは、図4に示すデフロスト前制御の状態に相当する。
コントローラC1は、ステップS4に示すように、他の冷媒系統RSの通信頻度が高頻度であれば(当該他の冷媒系統RSを第2冷媒系統RS2とする)、ステップS6に示すように、第1冷媒系統RS1の通信頻度を通常頻度から高頻度に切り替えない。
一方、第2冷媒系統RS2のコントローラC2は、第2冷媒系統RS2の通信頻度を、高頻度から通常頻度に切り替えた場合、コントローラC1に対してその旨を通知する。
コントローラC1は、問い合わせによって、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、通常頻度から高頻度に切り替えなかった場合、ステップS7に示すように、所定の時間経過後に又はコントローラC2からの通知を受信後に、再度問い合わせを行う。
コントローラC1は、ステップS8に示すように、デフロスト運転が安定したか否かを判断する。安定したデフロスト運転は、図4のデフロスト運転の状態において、中間の比較的長い水平部分の時期に相当する。コントローラC1は、デフロスト運転が安定していない場合、第1冷媒系統RS1の通信頻度を高頻度に保つ。コントローラC1は、デフロスト運転が安定した場合、ステップS9に示すように、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、高頻度から通常頻度に切り替える。
コントローラC1は、ステップS10に示すように、第1冷媒系統RS1の通信頻度が高頻度であった間に、他の冷媒系統RSのコントローラCから、第1冷媒系統RS1の通信頻度が高頻度であるか否かの問い合わせがあったか否かを判断する。コントローラC1は、問い合わせがあった場合、ステップS11に示すように、当該他の冷媒系統RSのコントローラCに対して、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、高頻度から通常頻度に切り替えた旨を通知する。
コントローラC1は、ステップS12に示すように、デフロスト終了条件が成立したか否かを判断する。コントローラC1は、デフロスト終了条件が成立した場合、ステップS13に進む。コントローラC1は、デフロスト終了条件が成立しない場合、安定したデフロスト運転の状態を維持する。
コントローラC1は、デフロスト終了条件が成立すると、ステップS13に示すように、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、通常頻度から高頻度に切り替える前に、他の冷媒系統RSのコントローラCに対して、当該他の冷媒系統RSの通信頻度が高頻度であるか否かを問い合わせる。
コントローラC1は、ステップS14に示すように、他の冷媒系統RSの通信頻度が高頻度でなければ、ステップS15に示すように、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、通常頻度から高頻度に切り替えて、デフロスト後制御を開始する。これは、図4に示すデフロスト後制御の状態に相当する。
コントローラC1は、ステップS14に示すように、他の冷媒系統RSの通信頻度が高頻度であれば(当該他の冷媒系統RSを第3冷媒系統RS3とする)、ステップS16に示すように、第1冷媒系統RS1の通信頻度を通常頻度から高頻度に切り替えない。
一方、第3冷媒系統RS3のコントローラC3は、第3冷媒系統RS3の通信頻度を、高頻度から通常頻度に切り替えた場合、コントローラC1に対してその旨を通知する。
コントローラC1は、問い合わせによって、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、通常頻度から高頻度に切り替えなかった場合、ステップS17に示すように、所定の時間経過後に又はコントローラC3からの通知を受信後に、再度問い合わせを行う。
コントローラC1は、ステップS18に示すように、暖房運転が安定したか否かを判断する。安定した暖房運転は、図4の右側に示す暖房運転(通常運転)の状態に相当する。コントローラC1は、暖房運転が安定していない場合、第1冷媒系統RS1の通信頻度を高頻度に保つ。コントローラC1は、暖房運転が安定した場合、ステップS19に示すように、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、高頻度から通常頻度に切り替える。
コントローラC1は、ステップS20に示すように、第1冷媒系統RS1の通信頻度が高頻度であった間に、他の冷媒系統RSのコントローラCから、第1冷媒系統RS1の通信頻度が高頻度であるか否かの問い合わせがあったか否かを判断する。コントローラC1は、問い合わせがあった場合、ステップS21に示すように、当該他の冷媒系統RSのコントローラCに対して、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、高頻度から通常頻度に切り替えた旨を通知して、通信頻度制御処理を終了する。コントローラC1は、問い合わせがなかった場合、通信頻度制御処理を終了する。
(5)特徴
(5−1)
本実施形態の冷凍サイクル装置100では、コントローラC1は、通常運転とデフロスト運転とを切り替える前又は後、あるいは両方において、第1冷媒系統RS1の通信頻度を、通信頻度が通常である通常頻度から、通常頻度よりも通信頻度が高い高頻度に切り替える。そのため、冷凍サイクル装置100は、運転の切り替え時のような過渡状態に基づいて、通信頻度を調節することができる。
(5−2)
本実施形態の冷凍サイクル装置100では、コントローラC1は、第1冷媒系統RS1の通信頻度を通常頻度から高頻度に切り替える前に、他の冷媒系統RSのコントローラCに対して、当該他の冷媒系統RSの通信頻度が高頻度であるか否かを問い合わせる。コントローラC1は、当該他の冷媒系統RSの通信頻度が高頻度であれば、第1冷媒系統RS1の通信頻度を通常頻度から高頻度に切り替えない。そのため、冷凍サイクル装置100は、複数の冷媒系統RSの通信頻度を、同時には通常頻度から高頻度に切り替えない。その結果、冷凍サイクル装置100は、通信帯域の圧迫を抑えることができる。
(6)変形例
(6−1)変形例1A
通信頻度制御処理において、本実施形態では、コントローラC1は、デフロスト運転が安定すると(図4のステップS8)、一旦、通信頻度を通常頻度に切り替えた(図4のステップS9)。しかし、コントローラC1は、デフロスト前制御開始(図4のステップS5)から、暖房運転が安定するまで(図4のステップS18)、通信頻度を高頻度に維持してもよい。これにより、安定したデフロスト運転を行うことができる。
(6−2)変形例1B
冷凍サイクル装置100の一部の冷媒系統RSは、カスケードユニットCUを用いて構成されていてもよい。
図7は、冷凍サイクル装置100の中の第4冷媒系統RS4が、カスケードユニットCU41,CU42を用いて構成されている例を示している。第4熱源ユニットH4と集中管理装置CAは、通信線80によって、通信可能に接続されている。第4熱源ユニットH4と、カスケードユニットCU41,CU42とは、通信線80によって、通信可能に接続されている。カスケードユニットCUは、例えば、ビル等の建物の天井裏の空間に設置されている。カスケードユニットCU41には、利用ユニットU411,U412が、通信線80によって、通信可能に接続されている。カスケードユニットCU42には、利用ユニットU413〜U415が、通信線80によって、通信可能に接続されている。
図8は、第4冷媒系統RS4の冷媒回路91,92を示す図である。図8では、カスケードユニットCU42に関する部分を省略している。カスケードユニットCU41は、利用ユニットU411,U412と第4熱源ユニットH4との間に介在している。第4熱源ユニットH4と、カスケードユニットCU41とは、第1冷媒回路91を構成している。カスケードユニットCU41と、利用ユニットU411,U412とは、第2冷媒回路92を構成している。
第4熱源ユニットH4は、主として、熱源側圧縮機モータ421aによって駆動される熱源側圧縮機421と、熱源側流向切換機構422と、熱源側熱交換器423と、熱源側膨張弁438と、第4熱源側制御部HC4と、を有する。これらの装置の機能は、基本的に、第1熱源ユニットH1における対応する各装置の機能と同様であるため、説明を省略する。
利用ユニットU411,U412は、主として、利用側熱交換器442,452と、利用側膨張弁441,451と、利用側制御部447,457と、を有する。これらの装置の機能は、基本的に、利用ユニットU11,U12における対応する各装置の機能と同様であるため、説明を省略する。
カスケードユニットCU41は、主として、カスケード熱交換器93と、カスケード流量調整弁94と、カスケード圧縮機95と、カスケード膨張弁96と、カスケード制御部98とを有している。また、カスケードユニットCU41は、カスケード熱交換器93を冷媒の凝縮器として機能させる冷房運転と、カスケード熱交換器93を冷媒の蒸発器として機能させる暖房運転と、を切り換えるカスケード流向切換機構97を有している。
カスケード熱交換器93は、第1冷媒回路91において第1冷媒の凝縮器として機能するとき、第2冷媒回路92では第2冷媒の蒸発器として機能する。また、カスケード熱交換器93は、第1冷媒回路91において第1冷媒の蒸発器として機能するとき、第2冷媒回路92では第2冷媒の凝縮器として機能する。カスケード熱交換器93は、第1冷媒回路91を流れる第1冷媒と、第2冷媒回路92を流れる第2冷媒との間で熱交換させる。
カスケード流量調整弁94は、冷房運転時に冷媒を減圧する電動膨張弁である。カスケード流量調整弁94は、カスケード制御部98を介して、第4熱源側制御部HC4によって弁の開度を調整される。
カスケード圧縮機95は、第2冷媒を圧縮するための機器である。カスケード圧縮機95は、タイプを限定するものではないが、例えば、ロータリ式やスクロール式等の容積圧縮機である。カスケード圧縮機95の圧縮機構(図示せず)は、カスケード圧縮機モータ95aによって駆動される。
カスケード流向切換機構97は、第2冷媒回路92内における第2冷媒の流れを切り換える。例えば、四路切換弁である。
カスケード膨張弁96は、暖房運転時に冷媒を減圧する電動膨張弁である。カスケード膨張弁96は、カスケード制御部98を介して、第4熱源側制御部HC4によって開度を調整される。
カスケード制御部98は、カスケードユニットCU41を構成する各部の動作を制御する。カスケード制御部98は、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータを有する。カスケード制御部98と、第4熱源側制御部HC4と、利用ユニットU411,U412の利用側制御部447,457とは、協働してコントローラC4として機能する。
第4冷媒系統RS4では、第1冷媒回路91を流れる第1冷媒が、熱源側熱交換器423において熱源空気との熱交換を行っているため、熱源側熱交換器423をデフロストするデフロスト運転が必要となる。第4冷媒系統RS4におけるデフロスト運転は、第4熱源ユニットH4と、カスケードユニットCU41,CU42と、の間で行われる。第4冷媒系統RS4におけるデフロスト運転の内容は、基本的には、第1冷媒系統RS1における、第1熱源ユニットH1と、利用ユニットU11,U12と、の間のデフロスト運転の内容と同様である。熱源側圧縮機421は圧縮機21に対応し、熱源側膨張弁438は熱源側膨張弁38に対応し、カスケード流量調整弁94は利用側膨張弁41に対応し、第4熱源側制御部HC4は第1熱源側制御部HC1に対応し、カスケード制御部98は利用側制御部47に対応する。
(6−3)変形例1C
本実施形態の冷媒系統RSは、デフロスト運転のタイミングで、通信頻度を切り替えた。しかし、通信頻度を切り替えるタイミングは、カスケードユニットCUを用いて構成された冷媒系統RSのシステム起動時であってもよい。
ここでは、図8に示す第4冷媒系統RS4において、冷房運転を起動する場合について説明する。コントローラC4は、冷房運転を起動する際に、例えば以下のように第4冷媒系統RS4の機器を制御する。
第4冷媒系統RS4を起動すると、コントローラC4は、まず、熱源側圧縮機421を起動する。このとき、カスケード圧縮機95は起動されていないので、カスケード熱交換器93において、第1冷媒回路91の第1冷媒と、第2冷媒回路92の第2冷媒との間の熱交換は行われにくい。そのため、コントローラC4は、熱源側圧縮機モータ421aの回転数を速やかに増大させ、熱源側圧縮機421の吐出圧力を上昇させる。一方、熱源側圧縮機421の吐出圧力が上昇し、既定の上限値を超えると、コントローラC4は、熱源側圧縮機421の駆動を停止し、熱源側圧縮機421を所定時間待機させる。これを避けるため、コントローラC4は、カスケード熱交換器93の温度が既定値以上になると、熱源側圧縮機421の吐出圧力が既定の上限値にならないように、細かく第4冷媒系統RS4を制御する。カスケード熱交換器93の温度の既定値は、例えば、熱源側圧縮機421の吐出圧力が既定の上限値である場合の吐出温度、よりも10℃低い温度である。
コントローラC4は、熱源側圧縮機421の吐出圧力が既定値を超えると、カスケード圧縮機95を起動する。コントローラC4は、熱源側圧縮機421の吐出圧力等を参照しながら、最初は熱源側圧縮機421を低負荷で運転し、次第にカスケード圧縮機モータ95aの回転数を細かく制御していく。
このように、カスケードユニットCUを用いて構成された冷媒系統RSでは、システム起動直後に通信頻度を高頻度に切り替え、運転が安定した後に通信頻度を通常頻度に切り替えることが望ましい。
(6−4)
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
23 熱源側熱交換器
47 利用側制御部
57 利用側制御部
100 冷凍サイクル装置
H 熱源ユニット
H1 第1熱源ユニット
H2 第2熱源ユニット
HC 熱源側制御部
HC1 第1熱源側制御部
HC2 第2熱源側制御部
U 利用ユニット
U11 利用ユニット
U12 利用ユニット
特開2010−19530号公報

Claims (8)

  1. 第1熱源側制御部(HC,HC1)を有する、第1熱源ユニット(H,H1)と、
    利用側制御部(47,57)を有する、利用ユニット(U,U11,U12)と、
    を備え、
    前記第1熱源側制御部と前記利用側制御部とは、通信可能に接続されており、
    前記第1熱源側制御部は、運転を切り替える前又は後、あるいは両方において、前記利用側制御部との通信頻度を、通信頻度が通常である通常頻度から、前記通常頻度よりも通信頻度が高い高頻度に切り替える、
    冷凍サイクル装置(100)。
  2. 第2熱源側制御部(HC,HC2)を有する、第2熱源ユニット(H,H2)、
    をさらに備え、
    前記第2熱源側制御部は、前記第1熱源側制御部及び前記利用側制御部と通信可能に接続されており、
    前記第1熱源側制御部は、自身の前記通信頻度を前記通常頻度から前記高頻度に切り替える前に、前記第2熱源側制御部に対して、前記第2熱源側制御部の前記通信頻度が前記高頻度であるか否かを問い合わせ、前記第2熱源側制御部の前記通信頻度が前記高頻度であれば、自身の前記通信頻度を前記通常頻度から前記高頻度に切り替えない、
    請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記第2熱源側制御部は、自身の前記通信頻度を前記高頻度から前記通常頻度に切り替えた場合、前記第1熱源側制御部に対してその旨を通知する、
    請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記第1熱源側制御部は、前記問い合わせによって、自身の前記通信頻度を前記通常頻度から前記高頻度に切り替えなかった場合、所定の時間経過後に、再度前記問い合わせを行う、
    請求項2又は3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記第1熱源側制御部は、前記問い合わせによって、自身の前記通信頻度を前記通常頻度から前記高頻度に切り替えなかった場合、前記通知を受信後に、再度前記問い合わせを行う、
    請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記第1熱源ユニットは、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器(23)、をさらに有し、
    前記第1熱源側制御部の複数の前記運転は、通常運転と、前記熱源側熱交換器に付着した霜を溶かすためのデフロスト運転と、を含み、
    前記運転の切り替えは、前記通常運転と、前記デフロスト運転との間の切り替えである、
    請求項1から5のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記デフロスト運転における前記通信頻度は、前記通常頻度又は前記高頻度である、
    請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記高頻度の通信頻度は、60秒毎より高い、
    請求項1から7のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
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