JP2021175887A - 内接歯車ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数や製造コストを特には増大することなく、インナーロータとアウターロータとのうち、一方のロータに、他方のロータに対して偏心する機能を持たせ、かつ、正回転方向と逆回転方向とのいずれの回転方向に回転する場合であっても、吸入ポートと吐出ポートとが入れ替わらないように構成された内接歯車ポンプを提供する。【解決手段】内接歯車ポンプ1において、アウターロータ3Aとインナーロータ3Bとが正回転もしくは逆回転する場合に、他方のロータ3A,3Bとハウジング2とが接触する第1接触部CP1と、アウターロータ3Aとインナーロータ3Bとの回転方向が切り替わる過渡状態において他方のロータ3A,3Bとハウジング2とが接触する第2接触部CP2とを備え、第2接触部CP2において他方のロータの回転を減じる抗力は第1接触部CP1における抗力よりも小さく設定されている。【選択図】図3
Description
この発明は、内接歯車ポンプに関し、特に、正回転方向と逆回転方向とのうち、いずれの方向に回転する場合であっても、吸入ポートと吐出ポートとが入れ替わらないように構成された内接歯車ポンプに関するものである。
この種のポンプの一例が特許文献1に記載されている。そのポンプは、ケーシングの内部にアウターロータが回転可能に配置され、そのアウターロータの内側に、駆動モータに連結されたインナーロータが回転可能に配置されている。ケーシングとアウターロータとの間に、インナーロータの回転中心軸線に対してアウターロータの回転中心軸線を偏心させる偏心リングが設けられている。その偏心リングの内周面に半径方向で外側に凹んだ凹部が形成されており、その凹部内にアウターロータの外周面を押圧するように、板バネが配置されている。つまり、アウターロータの外周面に板バネを押し付けることによって、アウターロータの回転力を偏心リングに伝達するようになっている。また、偏心リングの回転を規制するストップピンがケーシングに取り付けられている。偏心リングの外周部には、その半周に亘って偏心リングの外周縁に沿う溝部が形成されており、円周方向での溝部の両端部がストップピンに当接するようになっている。そのため、アウターロータの回転に追従して偏心リングが回転する場合に、その偏心リングの回転はストップピンと溝部の一方の端部とが当接することによって停止する。また、上述した回転方向とは反対の逆回転方向にアウターロータが回転する場合であっても、アウターロータの逆回転に追従するように偏心リングが逆回転する。そして、ストップピンから前記一方の端部が離隔し、偏心リングの逆回転は、ストップピンと一方の端部とは180度反対の位置にある他方の端部とが当接することによって停止する。またこれにより、アウターロータの回転中心軸線の位置はインナーロータの回転中心軸線を挟んで、アウターロータが正回転方向に回転する場合におけるアウターロータの回転中心軸線の位置とは180度反対の位置になる。
特許文献1に記載されたポンプでは、板バネの反力によってケーシングの内壁面に偏心リングを押し付け、また、アウターロータの外周面に板バネを押し付けている。つまり、板バネの反力(弾性力)は各ロータが正回転もしくは逆回転している場合に加えて、各ロータの回転方向が切り替わる過渡状態においてもアウターロータおよびケーシングに作用している。そのため、インナーロータに対してアウターロータを偏心した状態に維持する必要がない上述した過渡状態である場合においても、板バネの反力によって偏心リングがケーシングの内周面に押し付けられる。そして、偏心リングとケーシングの内周面との間で摩耗が生じ、あるいは動力損失が大きくなり、また、耐久性が悪化する可能性がある。さらに、特許文献1に記載されたポンプでは、板バネや凹部などを設ける分、部品点数が増大し、それに伴って製造コストが増大する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、部品点数や製造コストを特には増大することなく、インナーロータとアウターロータとのうち、一方のロータに、他方のロータに対して偏心する機能を持たせ、かつ、正回転方向と逆回転方向とのいずれの回転方向に回転する場合であっても、吸入ポートと吐出ポートとが入れ替わらないように構成された内接歯車ポンプを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、ハウジングの内部に、内歯を有するアウターロータが回転可能に配置され、前記アウターロータの内側に、前記アウターロータに対して偏心して配置されると共に前記内歯に噛み合い可能な外歯を有するインナーロータが回転可能に配置され、前記アウターロータと前記インナーロータとのうち、一方のロータは駆動力源からトルクを受けて回転するように構成され、前記アウターロータと前記インナーロータとの回転方向で互いに噛み合う前記内歯と前記外歯との間に形成される歯間室のうち、前記インナーロータと前記アウターロータとの回転に伴って容積が次第に増大する前記歯間室に流体を供給する吸入ポートが開口し、前記歯間室のうち、前記インナーロータと前記アウターロータとの回転に伴って前記容積が次第に減少する前記歯間室に、当該歯間室から排出される前記流体を前記ハウジングの外部に吐出する吐出ポートが開口しており、かつ、前記アウターロータと前記インナーロータとの前記回転方向が正回転方向から前記正回転方向とは反対の逆回転方向、もしくは、前記逆回転方向から前記正回転方向に切り替わることによって、前記一方のロータの回転中心軸線に対する前記アウターロータと前記インナーロータとのうち、他方のロータの回転中心軸線の位置が変化して前記吸入ポートと前記吐出ポートとが互いに入れ替わらないように構成された内接歯車ポンプにおいて、前記アウターロータと前記インナーロータとが前記正回転方向もしくは前記逆回転方向に回転する場合に、前記他方のロータと前記ハウジングとが接触する第1接触部と、前記アウターロータと前記インナーロータとの前記回転方向が切り替わる過渡状態において、前記他方のロータと前記ハウジングとが接触する第2接触部とを備え、前記第2接触部において前記他方のロータの回転を減じる抗力は、前記第1接触部における前記抗力よりも小さく設定されていることを特徴とするものである。
この発明では、前記軸線方向で前記第2接触部における前記他方のロータに対向する前記ハウジングの壁面に凹部が形成されていることにより、前記第1接触部での抗力よりも前記第2接触部での抗力が小さく設定されていてよい。
また、この発明では、前記一方のロータは、前記インナーロータであり、前記他方のロータは、前記アウターロータであり、前記アウターロータは、前記ハウジングの内部で前記アウターロータが半径方向に移動自在かつ回転可能に構成され、前記ハウジングに、前記インナーロータと前記アウターロータとの回転に伴って前記容積が次第に減少する前記歯間室と、前記ハウジングの内部における前記ハウジングと前記アウターロータとの間のスペースとを連通する流体流路が形成されていてよい。
この発明によれば、アウターロータの内歯とインナーロータの外歯とは互いに噛み合うため、アウターロータとインナーロータとのうち、一方のロータが駆動力源からトルクを受けて回転すると、当該一方のロータからトルクを受けて他方のロータが回転する。それらのロータの回転方向で内歯と外歯とによって形成される歯間室のうち、各ロータの回転に伴って歯間室の容積が次第に増大する歯間室に吸入ポートが開口しているので、上記の歯間室に吸入ポートから流体が供給される。上述した歯間室のうち、ロータの回転に伴って歯間室の容積が次第に減少する歯間室からは、その容積の減少に伴って流体が吐出され、その流体は吐出ポートを介してハウジングの外部に吐出される。また、この発明では、各ロータが正回転方向もしくは逆回転方向に回転する場合に、他方のロータとハウジングとが接触する第1接触部での抗力よりも、各ロータの回転方向が切り替わる過渡状態において、他方のロータとハウジングとが接触する第2接触部での抗力が小さく設定されている。そのため、上述した回転方向が切り替わる過渡状態においては、第1接触部CP1で他方のロータを回転させる力と比較して、第2接触部CP2で他方のロータを回転させる力が大きくなる。言い換えれば、第1接触部CP1では、他方のロータを挟み付けた状態となるため、他方のロータは一方のロータからトルクを受けてその回転中心軸線を中心として回転することに加えて、第1接触部CP1を中心として他方のロータが回転して偏心する。このように、この発明では、上述した特許文献1に記載されたポンプのように、偏心リングを設けることなく、一方のロータに対して他方のロータを偏心させることができ、そのため、部品点数の増大やそれに伴う製造コストの増大を防止もしくは抑制できる。また、上記のようにして各ロータの回転方向が切り替わることにより、正回転方向に回転する場合と逆回転方向に回転する場合とで、他方のロータの回転中心軸線の位置が変化する。これにより、各ロータの回転方向が切り替わったとしても、容積が次第に増大する歯間室と、容積が次第に減少する歯間室との位置関係が入れ替わらないため、吸入ポートと吐出ポートとが互いに入れ替わらないポンプとすることができる。
この発明の実施形態に係る内接歯車ポンプ(以下、単にポンプと記す。)はトロコイドポンプやギヤポンプなどと称されるポンプであり、例えば車両に搭載され、トルクコンバータやクラッチあるいはブレーキ、自動変速機などの油圧によって動作する箇所、または、発熱部位や摺動部位などのオイルによる潤滑や冷却を必要とする箇所などにオイルを供給する。したがって、ポンプのロータを駆動する駆動力源はエンジンやモータなどであってよい。また、この発明では、駆動力源に連結された駆動側のロータからトルクを受けて回転する従動側のロータの回転中心軸線を、それらのロータの回転方向に応じて変化させように構成されている。具体的には、各ロータの回転方向が切り替わる過渡状態においてのみ、従動側のロータが接触する第2接触部での抗力を、正回転方向や逆回転方向に各ロータが回転する場合に、従動側のロータが接触する第1接触部での抗力よりも小さく設定する。こうすることにより、上記の過渡状態においては、第1接触部を中心として従動側のロータが回転し、駆動側のロータに対して従動側のロータが偏心するようになっている。その結果、各ロータの回転方向が切り替わったとしても、各ロータの歯同士の間に形成された歯間室のうち、各ロータの回転に伴って容積が増大する歯間室に開口し、当該歯間室にオイルを充填する吸引ポートと、歯間室のうち、各ロータの回転に伴って容積が減少する歯間室に開口し、当該歯間室から吐出したオイルをポンプの外部に吐出させる吐出ポートとが、各ロータの回転方向に応じて切り替わらない。
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態に係る内接歯車ポンプ(以下、単にポンプと記す。)の一例を模式的に示す正面図であり、図2は、図1に示すII−II線に沿う断面図である。なお、図1は、ポンプ1のロータが正回転方向、つまり、図1での時計回りに回転している状態を示している。図1および図2に示すポンプ1はトランスミッションケースなどの図示しない所定の固定部に固定されたハウジング2と、そのハウジング2の内部に収容され、駆動力源からトルクを受けて回転するロータ3とを備えている。ハウジング2は、図1および図2に示す例では、軸線方向に予め定めた深さあるいは長さを有する有底円筒状に形成されたポンプボディ4と、ポンプボディ4の開口部を液密状態に閉じるポンプカバー5とを備えている。ポンプボディ4の壁面のうち、軸線方向における壁面に、板厚方向に貫通した2つのポートが形成されている。それらのポートは、図1に示すように、半径方向で外側に向かって凸となった円弧状を成している。それらのポートのうち、一方のポートはオイルパンなどのオイルの貯留部に連通され、また、容積が次第に増大する歯間室6に開口している。つまり、一方のポートは、容積が次第に増大する歯間室6にオイルを供給する吸入ポート7となっている。それらのポートのうち、他方のポートは上述した油圧によって動作する箇所や、発熱部位、摺動部位などに連通され、また、後述するように、容積が次第に減少する歯間室6に開口している。つまり、他方のポートは容積が次第に減少する歯間室6から吐出されたオイルをハウジング2の外部に吐出する吐出ポート8となっている。
図1は、この発明の第1実施形態に係る内接歯車ポンプ(以下、単にポンプと記す。)の一例を模式的に示す正面図であり、図2は、図1に示すII−II線に沿う断面図である。なお、図1は、ポンプ1のロータが正回転方向、つまり、図1での時計回りに回転している状態を示している。図1および図2に示すポンプ1はトランスミッションケースなどの図示しない所定の固定部に固定されたハウジング2と、そのハウジング2の内部に収容され、駆動力源からトルクを受けて回転するロータ3とを備えている。ハウジング2は、図1および図2に示す例では、軸線方向に予め定めた深さあるいは長さを有する有底円筒状に形成されたポンプボディ4と、ポンプボディ4の開口部を液密状態に閉じるポンプカバー5とを備えている。ポンプボディ4の壁面のうち、軸線方向における壁面に、板厚方向に貫通した2つのポートが形成されている。それらのポートは、図1に示すように、半径方向で外側に向かって凸となった円弧状を成している。それらのポートのうち、一方のポートはオイルパンなどのオイルの貯留部に連通され、また、容積が次第に増大する歯間室6に開口している。つまり、一方のポートは、容積が次第に増大する歯間室6にオイルを供給する吸入ポート7となっている。それらのポートのうち、他方のポートは上述した油圧によって動作する箇所や、発熱部位、摺動部位などに連通され、また、後述するように、容積が次第に減少する歯間室6に開口している。つまり、他方のポートは容積が次第に減少する歯間室6から吐出されたオイルをハウジング2の外部に吐出する吐出ポート8となっている。
ロータ3は液密状態に構成されたハウジング2の内部に回転可能に配置されている。そのロータ3は複数の内歯を有し、ハウジング2の内部で移動可能かつ回転可能に構成されたリング状のアウターロータ3Aと、アウターロータ3Aの半径方向でアウターロータ3Aの内側に配置され、内歯に噛み合う複数の外歯を有するインナーロータ3Bとを備えている。アウターロータ3Aの内歯の歯先円直径は、インナーロータ3Bの外歯の歯先円直径よりも小さく設定されている。また、軸線方向での各ロータ3A,3Bの厚さや長さは、図2に示すように、軸線方向でのポンプボディ4の深さあるいは長さとほぼ同じ長さに設定されている。これは、正回転方向や逆回転方向に各ロータ3A,3Bが回転する場合に、軸線方向でハウジング2と各ローラ3A,3Bとの間のクリアランスを可及的に狭くすることにより、吸入ポート7に連通する歯間室6と、吐出ポート8に連通する歯間室6との間でオイルが流動しないようにするためである。つまり、各ポート7,8からオイルが漏洩しない程度に各ロータ3A,3Bと、ポンプボディ4およびポンプカバー5とが互いに摺接している。
また、駆動力源に図示しないポンプ軸を介してインナーロータ3Bが連結されており、そのインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biと駆動力源の回転中心軸線とは互いに同軸上に設定されている。ここに示す例では、インナーロータ3Bの外歯の数はアウターロータ3Aの内歯の数よりも一つ少なく設定され、また、インナーロータ3Bはアウターロータ3Aに対してその少なくとも一部が内接するように構成されている。なお、以下の説明では、アウターロータ3Aに対してインナーロータ3Bが内接している箇所を内接部分ICPと記す。また、このようにアウターロータ3Aに対してインナーロータ3Bの少なくとも一部が内接している状態では、アウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoはインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biに対して半径方向にずれている。図1に示す例では、図1の上下方向でインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biの上側にアウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoが位置している。そして、アウターロータ3Aは偏心した状態で当該アウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoを中心として回転する。また、半径方向でインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biを挟んで、内接部分ICPとは反対側の部分では、内歯と外歯とが互いに離隔している。また、内接部分ICPでは、各ロータ3A,3Bの回転に伴って内歯と外歯との噛み合いが進行し、それらの内歯と外歯との間に形成される歯間室6の容積が次第に小さくなる。また、回転方向で最小の容積となった歯間室6の下流側では、各ロータ3A,3Bの回転に伴って内歯と外歯とが互いに離隔して歯間室6の容積が次第に大きくなる。
ポンプボディ4の面形状は、一例として、アウターロータ3Aの外径とほぼ同じ、もしくは、アウターロータ3Aの外径よりも僅かに大きい2つの円を、それらの円の中心を互いに離隔した状態で重ね合わせ、各中心を結ぶ線を挟んで一方側の縁部分を滑らかに連続した形状、あるいはそのような形状に近似した形状を成している。したがって、上述した縁部分のうち、上記の線を挟んで一方側とは反対の他方側では、2つの円の交点部分が半径方向で内側に向けて突出している。その交点部分は正回転方向や逆回転方向にアウターロータ3Aが回転する場合に、アウターロータ3Aの外周面に接触する部分であり、アウターロータ3Aの回転に伴うハウジング2内でのアウターロータ3Aの移動を規制するストッパーとして機能する(以下、ストッパー9と記す。)。
一方、ハウジング2における一方側の縁部分は、図1に示すように、滑らかに連続した円弧面10となっており、その曲率半径はアウターロータ3Aの外径の曲率半径より大きくなっている。そのため、円弧面10とアウターロータ3Aとの間に、スペースSが形成されている。アウターロータ3Aはその回転方向が切り替わる過渡状態である場合に、上記のスペースSを利用し、円弧面10に接触した状態でインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biを挟んで反対側にアウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoが位置するようにハウジング2内で移動する。
また、この発明では、正回転方向や逆回転方向にアウターロータ3Aが安定して回転する場合に、ハウジング2にアウターロータ3Aが接触する箇所(以下、第1接触部と記す。)CP1でのハウジング2とアウターロータ3Aとの間に生じる抗力と比較して、正回転方向から逆回転方向、あるいは、逆回転方向から正回転方向にアウターロータ3Aの回転する方向が切り替わる過渡状態において、ハウジング2にアウターロータ3Aが接触する箇所(以下、第2接触部と記す。)CP2でのハウジング2とアウターロータ3Aとの間に生じる抗力が小さく設定されている。ここで、アウターロータ3Aが安定して回転する場合とは、アウターロータ3Aの回転方向やアウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoの位置が変化することなく、あるいは、アウターロータ3Aの回転方向やアウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoの位置の変化が抑制されている状態で回転していることを意味している。また、この発明の実施形態では、上述したように、アウターロータ3Aの回転方向が切り替わる過渡状態おいては、円弧面10に沿ってアウターロータ3Aが移動するので、円弧面10やその周辺部分が第2接触部CP2に相当し、円弧面10やその周辺部分を除いた部分は第1接触部CP1に相当する。
図3は、第2接触部CP2でのハウジング2の部分断面図である。図3に示す例では、ハウジング2の内周面にアウターロータ3Aの外周面が接触している。また、ハウジング2の壁面のうち、軸線方向でアウターロータ3Aの外周部分に対向している側壁面に、軸線方向に凹んだ凹部11が形成されている。これにより、第2接触部CP2では、凹部11が形成されていない場合と比較して、軸線方向におけるアウターロータ3Aとハウジング2との接触面積が小さくなる。そのため、第2接触部CP2で生じる抗力つまりアウターロータ3Aとハウジング2との間の摩擦力や摺動抵抗などは、凹部11の分、低減される。これに対して、第1接触部CP1においては、詳細は図示しないが、ハウジング2の側壁面に上述した凹部11は形成されていない。そのため、第1接触部CP1で生じる抗力すなわち軸線方向でアウターロータ3Aとハウジング2との間に生じる摩擦力や摺動抵抗などは特には低減されない。
次に、上述したポンプ1の作用について説明する。図4は、この発明の実施形態に係るポンプ1の動作状態を説明する図であり、図4の(A)はポンプ1が正回転方向に回転している状態を示し、図4の(B)はポンプ1が正回転方向から逆回転方向に切り替わる過渡状態を示し、図4の(C)はポンプ1が逆回転方向に回転している状態を示し、図4の(D)はポンプ1が逆回転方向から正回転方向に切り替わる過渡状態を示している。なお、正回転とは、ここに示す例では、インナーロータ3Bが図4で時計回りに回転することを意味し、逆回転とは、インナーロータ3Bが図4で反時計回りに回転することを意味している。
駆動力源からトルクを受けてインナーロータ3Bが正回転方向に回転すると、アウターロータ3Aは内接部分ICPでインナーロータ3Bからトルクを受けて回転する。第2接触部CP2での摩擦力や摺動抵抗すなわち抗力は第1接触部CP1での抗力よりも小さいため、第1接触部CP1でアウターロータ3Aを回転させる力に対して第2接触部CP2でアウターロータ3Aを回転させる力が大きくなる。言い換えれば、第1接触部CP1では、ハウジング2によってアウターロータ3Aが挟み付けられた状態となるため、第1接触部CP1を中心あるいは支点としてアウターロータ3Aが時計回りに回転する。なお、上述した大きさの異なるアウターロータ3Aを回転させる力を、図4の(A)に大きさの異なる矢印として記載してある。
第1接触部CP1を中心あるいは支点としてアウターロータ3Aが時計回りに回転すると、図4の(A)で右上側のハウジング2の内周面にアウターロータ3Aが接触する。また、アウターロータ3Aはインナーロータ3Bからトルクを受けて正回転し続けるので、ハウジング2の内周面に接触した状態で、アウターロータ3Aの回転方向つまり図4に示すハウジング2の内部で右下側に向けてハウジング2の内周面に沿って移動する。そして、ついにはアウターロータ3Aの外周面とストッパー9とが接触し、アウターロータ3Aの移動が阻止される。これによりアウターロータ3Aを移動させる荷重をストッパー9が受けるので、各ロータ3A,3Bは相対回転し、各ロータ3A,3Bの回転方向で内接部分ICPの上流側の歯間室6の容積は各ロータ3A,3Bの回転に伴って次第に減少し、内接部分ICPの下流側の歯間室6の容積は各ロータ3A,3Bの回転に伴って次第に増大する。図4の(A)はこの状態を示している。なお、この状態はアウターロータ3Aの回転方向が切り替わるまで維持される。また、この状態では、インナーロータ3Bの回転中心軸線3Biに対して図4の(A)での上側にアウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoが位置している。内接部分ICPは図4の(A)の上下方向でインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biの下側に位置している。
アウターロータ3Aの回転方向が正回転方向から逆回転方向に切り替わる場合について説明する。インナーロータ3Bが逆回転すると、上述した原理と同様の原理によって、図4の(B)に示すハウジング2の内部で、アウターロータ3Aはその回転中心軸線を中心として逆回転しつつ、第1接触部CP1を中心あるいは支点として反時計回りに回転する。つまり、ハウジング2の内部で図4の(B)での左側に向けてウジング2の内周面に沿って移動し始める。図4の(B)はその状態を示している。なお、上述した大きさの異なるアウターロータ3Aを回転させる力を、図4の(B)に大きさの異なる矢印として記載してある。
そして、アウターロータ3Aは円弧面10に到達する。各ロータ3A,3Bは逆回転を継続し、また第1接触部CP1を中心あるいは支点として反時計回りに回転するので、アウターロータ3Aは円弧面10に接触しながらハウジング2の内部で下側に向けて円弧面10に沿って移動する。そして、ついには、アウターロータ3Aの外周面とストッパー9とが接触する。図4の(C)はその状態を示している。なお、この状態はアウターロータ3Aの回転方向が正回転方向に切り替わるまで維持される。
また、図4の(C)に示す状態では、図4の(C)の上下方向でインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biの下側にアウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoが位置している。つまり、正回転する場合と逆回転する場合とで、インナーロータ3Bの回転中心軸線3Biを挟んで反対の位置にアウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoが位置する。また、インナーロータ3Bの回転中心軸線3Biの上側に内接部分ICPが位置している。したがって、各ロータ3A,3Bの回転方向で内接部分ICPの上流側では、歯間室6の容積が次第に減少し、内接部分ICPの下流側では、歯間室6の容積が次第に増大する。
アウターロータ3Aの回転方向が逆回転方向から正回転方向に切り替わる場合について説明する。インナーロータ3Bが正回転すると、上述した原理と同様の原理によって、アウターロータ3Aはその回転中心軸線を中心として正回転しつつ、第1接触部CP1を中心あるいは支点として時計回りに回転する。つまり、ハウジング2の内部で図4の(D)での上側に向けてウジング2の円弧面10に沿って移動し始める。そしてついには、図4の(A)に示す状態になる。
したがって、この発明では、上述したように、第1接触部CP1での抗力よりも第2接触部CP2での抗力を低減することによって、各ロータ3A,3Bの回転方向が切り替わる場合に、第1接触部CP1を支点としてアウターロータ3Aを回転させることができる。そのため、部品点数の増大やそれに伴う製造コストの増大を防止もしくは抑制できる。また、回転方向が切り替わった場合に、インナーロータ3Bの回転中心軸線を挟んで、アウターロータ3Aの回転中心軸線が正回転時と逆回転時とで反対の位置となる。そのため、各ロータ3A,3Bの回転方向に拘わらず、上述した内接部分ICPの上流側の歯間室6は各ロータ3A,3Bの回転に伴って容積が減少し、内接部分ICPの下流側の歯間室6は各ロータ3A,3Bの回転に伴って容積が増大する。したがって、回転方向の切り替えによって吸入ポート7と吐出ポート8とが入れ替わらないので、回転方向に応じて各ポート7,8に連結する油路を切り替える必要がない。つまり、既設の油路をそのまま利用でき、油路の変更による製造コストの増大や圧力損失の増大を防止もしくは抑制できる。なお、第2接触部CP2では、上述したように凹部11が形成されていて、アウターロータ3Aとハウジング2の間の摩擦力が低減されているから、上述した過渡状態であることにより、ポンプとして特には機能しない状態での摩耗を低減できる。これにより、摩耗による異物の発生や耐久性の悪化を抑制でき、ひいては、ポンプ1の信頼性を向上できる。
(第2実施形態)
図5は、この発明の第2実施形態に係るポンプの一例を模式的に示す正面図である。その図5に示す例は、ハウジング2の内形状をアウターロータ3Aの外形状とほぼ同じ形状にすると共に、アウターロータ3Aに駆動力源を連結し、そのアウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoに対してインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biを偏心させた例である。また、図5に示す例では、正回転方向から逆回転方向、あるいは、逆回転方向から正回転方向にインナーロータ3Bの回転する方向が切り替わる過渡状態である場合において、インナーロータ3Bとハウジング2とが接触する箇所での摩擦力や摺動抵抗などの抗力が、インナーロータ3Bが正回転方向や逆回転方向に回転する場合に、インナーロータ3Bとハウジング2とが接触する箇所での抗力よりも小さく設定されている。なお、図5に示す例では、各ロータ3A,3Bが図5で反時計回りに回転している状態が各ロータ3A,3Bが正回転方向に回転している状態である。
図5は、この発明の第2実施形態に係るポンプの一例を模式的に示す正面図である。その図5に示す例は、ハウジング2の内形状をアウターロータ3Aの外形状とほぼ同じ形状にすると共に、アウターロータ3Aに駆動力源を連結し、そのアウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoに対してインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biを偏心させた例である。また、図5に示す例では、正回転方向から逆回転方向、あるいは、逆回転方向から正回転方向にインナーロータ3Bの回転する方向が切り替わる過渡状態である場合において、インナーロータ3Bとハウジング2とが接触する箇所での摩擦力や摺動抵抗などの抗力が、インナーロータ3Bが正回転方向や逆回転方向に回転する場合に、インナーロータ3Bとハウジング2とが接触する箇所での抗力よりも小さく設定されている。なお、図5に示す例では、各ロータ3A,3Bが図5で反時計回りに回転している状態が各ロータ3A,3Bが正回転方向に回転している状態である。
上述した抗力を小さくする箇所は、図5に示す例では、ハウジング2の内壁面のうち、図5の左右方向で左側の内周面やその周辺部分に設定されている。図6は、第2接触部CP2でのハウジング2の部分断面図である。図6に示すように、また第1実施形態と同様に、ハウジング2の壁面のうち、軸線方向でアウターロータ3Aの外周部分に対向している側壁面に、軸線方向に凹んだ凹部11が形成されている。これにより、軸線方向におけるインナーロータ3Bと、ハウジング2の側壁面との接触面積が小さくなり、そのために、それらの間で生じる摩擦力や摺動抵抗などの抗力が小さくなる。また、第2接触部CP2を除く他の部分つまり第1接触部CP1では、ハウジング2の側壁面に凹部11は形成していない。他の構成は図1ないし図4に示す構成と同様であるため、図1ないし図4に示す構成と同様の構成については図1ないし図4と同様の符号を付してその説明を省略する。
次に、第2実施形態の作用について説明する。図7は、この発明の第2実施形態に係るポンプ1の動作状態を説明する図であり、図7の(A)はポンプ1が正回転方向に回転している状態を示し、図7の(B)はポンプ1が正回転方向から逆回転方向に切り替わる過渡状態を示し、図7の(C)はポンプ1が逆回転方向に回転している状態を示し、図7の(D)はポンプ1が逆回転方向から正回転方向に切り替わる過渡状態を示している。駆動力源からトルクを受けてアウターロータ3Aが正回転方向に回転すると、インナーロータ3Bは内接部分ICPでアウターロータ3Aからトルクを受けてアウターロータ3Aが回転する。上述したように、第1接触部CP1での抗力と比較して第2接触部CP2での抗力は小さいため、第1接触部CP1でインナーロータ3Bを回転させる力に対して第2接触部CP2でインナーロータ3Bを回転させる力が大きくなる。その結果、第1接触部CP1を中心あるいは支点としてインナーロータ3Bが反時計回りに回転する。そのため、ここに示す例では、ハウジング2の内部で下側に向けてインナーロータ3Bが移動する。図7の(A)はその状態を示している。
また、この状態では、アウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoに対して図7の(A)での右下側にインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biが位置している。また、各ロータ3A,3Bの回転方向でアウターロータ3Aに対するインナーロータ3Bの内接部分ICPを挟んで上流側では、歯間室6の容積は各ロータ3A,3Bの回転に伴って次第に減少し、下流側では、歯間室6の容積は各ロータ3A,3Bの回転に伴って次第に増大している。なお、この状態は各ロータ3A,3Bの回転方向が切り替わるまで維持される。
各ロータ3A,3Bの回転方向が正回転方向から逆回転方向に切り替わると、上述した力の差によるインナーロータ3Bの移動方向が入れ替わって逆になるので、第1接触部CP1を中心あるいは支点としてインナーロータ3Bが時計回りに回転し、インナーロータ3Bはハウジング2の内部で上側に移動し始め、アウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoに対してインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biが接近する。図7の(B)はその状態を示している。そして、ついには、アウターロータ3Aの内部で上側の内歯に接する。図7の(C)はその状態を示している。図7の(C)に示す状態では、ハウジング2の内部でアウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoに対して上側にインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biが位置している。すなわち、正回転する場合と逆回転する場合とで、アウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoを挟んで反対の位置にインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biが位置する。
また、各ロータ3A,3Bの回転方向が逆回転方向から正回転方向に切り替わると、上述した力の差によるインナーロータ3Bの移動方向が再び入れ替わって逆になる。そのため、上述した原理と同様の原理により、第1接触部CP1を中心あるいは支点としてインナーロータ3Bが反時計回りに回転し、インナーロータ3Bはハウジング2の内部で下側に移動し始め、図7の(D)に示すように、アウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoに対してインナーロータ3Bの回転中心軸線3Biが接近する。そして、ついには、アウターロータ3Aの内部で下側の内歯に接して、図7の(A)に示す状態になる。
したがって、第2実施形態であっても、上述したように、各ロータ3A,3Bの回転方向が切り替わる過渡状態においては、第1接触部CP1を支点としてインナーロータ3Bが回転させることができる。そのため、第1実施形態と同様に、部品点数の増大やそれに伴う製造コストの増大を防止もしくは抑制できる。また、第1実施形態と同様に、ポンプとして特には機能しない状態での摩耗を防止もしくは抑制できる。すなわち、第2実施形態であっても、第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図8は、この発明の第3実施形態に係るポンプ1の一例を模式的に示す正面図であり、図9は、図8に示すIX−IX線に沿う断面図である。図8および図9に示す例は、各ロータ3A,3Bの回転に伴って容積が減少する歯間室6と、アウターロータ3Aとハウジング2との間に形成されたスペースSとを連通する油路12を、吐出ポート8に形成した例である。その油路12は、図9に示すように、軸線方向でのハウジング2の側壁面つまり底面にアウターロータ3A側に開口し、かつ、半径方向に延びる溝状に、吐出ポート8から分岐して形成されている。他の構成は図1ないし図4に示す構成と同様であるため、図1ないし図4に示す構成と同様の構成については図1ないし図4と同様の符号を付してその説明を省略する。なお、上述した油路12がこの発明における流体流路に相当している。また、図8に示す例では、ポンプ1のロータ3A,3Bが図8での時計回りに回転している状態が、各ロータ3A,3Bが正回転方向に回転している状態である。
図8は、この発明の第3実施形態に係るポンプ1の一例を模式的に示す正面図であり、図9は、図8に示すIX−IX線に沿う断面図である。図8および図9に示す例は、各ロータ3A,3Bの回転に伴って容積が減少する歯間室6と、アウターロータ3Aとハウジング2との間に形成されたスペースSとを連通する油路12を、吐出ポート8に形成した例である。その油路12は、図9に示すように、軸線方向でのハウジング2の側壁面つまり底面にアウターロータ3A側に開口し、かつ、半径方向に延びる溝状に、吐出ポート8から分岐して形成されている。他の構成は図1ないし図4に示す構成と同様であるため、図1ないし図4に示す構成と同様の構成については図1ないし図4と同様の符号を付してその説明を省略する。なお、上述した油路12がこの発明における流体流路に相当している。また、図8に示す例では、ポンプ1のロータ3A,3Bが図8での時計回りに回転している状態が、各ロータ3A,3Bが正回転方向に回転している状態である。
次に、第3実施形態の作用について説明する。各ロータ3A,3Bが正回転方向あるいは逆回転方向に回転すると、その回転に伴って内接部分ICPの上流側では、歯間室6の容積が次第に狭くなり、当該歯間室6からオイルが吐出される。そのオイルは、ここに示す例では、吐出ポート8を介してハウジング2の外部に吐出されると共に、オイルの少なくとも一部は上記の油路12を流動してスペースSに供給される。そのスペースSは第2接触部CP2とアウターロータ3Aの外周面との間に位置しているので、スペースSでの油圧は、第1接触部CP1におけるハウジング2の内壁面にアウターロータ3Aを押し付けるように作用する。
そのため、この発明に係る第3実施形態によれば、各ロータ3A,3Bが正回転方向あるいは逆回転方向に回転している場合に、ハウジング2の内部でのアウターロータ3Aの回転中心軸線3Aoの位置の変化を防止もしくは抑制でき、アウターロータ3Aの回転が安定する。また、各ロータ3A,3Bの回転方向が切り替わる場合におけるアウターロータ3Aの挙動は第1実施形態と同様である。したがって、この発明に係る第3実施形態であっても、第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、この発明は上述した実施形態に限定されないのであって、ハウジング2に凹部11を形成することに替えて、ハウジング2における従動側のロータが接触する部分の摩擦係数を低減してもよい。これによっても、上述した過渡状態においては、第2接触部CP2での抗力を低減できるので、各実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
1 内接歯車ポンプ
2 ハウジング
3,3A アウターロータ
3Ao アウターロータの回転中心軸線
3,3B インナーロータ
3Bi インナーロータの回転中心軸線
6 歯間室
7 吸入ポート
8 吐出ポート
CP1 第1接触部
CP2 第2接触部
2 ハウジング
3,3A アウターロータ
3Ao アウターロータの回転中心軸線
3,3B インナーロータ
3Bi インナーロータの回転中心軸線
6 歯間室
7 吸入ポート
8 吐出ポート
CP1 第1接触部
CP2 第2接触部
Claims (3)
- ハウジングの内部に、内歯を有するアウターロータが回転可能に配置され、
前記アウターロータの内側に、前記アウターロータに対して偏心して配置されると共に前記内歯に噛み合い可能な外歯を有するインナーロータが回転可能に配置され、
前記アウターロータと前記インナーロータとのうち、一方のロータは駆動力源からトルクを受けて回転するように構成され、
前記アウターロータと前記インナーロータとの回転方向で互いに噛み合う前記内歯と前記外歯との間に形成される歯間室のうち、前記インナーロータと前記アウターロータとの回転に伴って容積が次第に増大する前記歯間室に流体を供給する吸入ポートが開口し、
前記歯間室のうち、前記インナーロータと前記アウターロータとの回転に伴って前記容積が次第に減少する前記歯間室に、当該歯間室から排出される前記流体を前記ハウジングの外部に吐出する吐出ポートが開口しており、かつ、
前記アウターロータと前記インナーロータとの前記回転方向が正回転方向から前記正回転方向とは反対の逆回転方向、もしくは、前記逆回転方向から前記正回転方向に切り替わることによって、前記一方のロータの回転中心軸線に対する前記アウターロータと前記インナーロータとのうち、他方のロータの回転中心軸線の位置が変化して前記吸入ポートと前記吐出ポートとが互いに入れ替わらないように構成された内接歯車ポンプにおいて、
前記アウターロータと前記インナーロータとが前記正回転方向もしくは前記逆回転方向に回転する場合に、前記他方のロータと前記ハウジングとが接触する第1接触部と、
前記アウターロータと前記インナーロータとの前記回転方向が切り替わる過渡状態において、前記他方のロータと前記ハウジングとが接触する第2接触部とを備え、
前記第2接触部において前記他方のロータの回転を減じる抗力は、前記第1接触部における前記抗力よりも小さく設定されている
ことを特徴とする内接歯車ポンプ。
- 請求項1に記載の内接歯車ポンプにおいて、
前記軸線方向で前記第2接触部における前記他方のロータに対向する前記ハウジングの壁面に凹部が形成されていることにより、前記第1接触部での抗力よりも前記第2接触部での抗力が小さく設定されている
ことを特徴とする内接歯車ポンプ。
- 請求項1または2に記載の内接歯車ポンプにおいて、
前記一方のロータは、前記インナーロータであり、
前記他方のロータは、前記アウターロータであり、
前記アウターロータは、前記ハウジングの内部で前記アウターロータが半径方向に移動自在かつ回転可能に構成され、
前記ハウジングに、前記インナーロータと前記アウターロータとの回転に伴って前記容積が次第に減少する前記歯間室と、前記ハウジングの内部における前記ハウジングと前記アウターロータとの間のスペースとを連通する流体流路が形成されている
ことを特徴とする内接歯車ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020081317A JP2021175887A (ja) | 2020-05-01 | 2020-05-01 | 内接歯車ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020081317A JP2021175887A (ja) | 2020-05-01 | 2020-05-01 | 内接歯車ポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021175887A true JP2021175887A (ja) | 2021-11-04 |
Family
ID=78300352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020081317A Pending JP2021175887A (ja) | 2020-05-01 | 2020-05-01 | 内接歯車ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021175887A (ja) |
-
2020
- 2020-05-01 JP JP2020081317A patent/JP2021175887A/ja active Pending
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