JP2021174266A - 宿泊料の増減率判定プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】宿泊施設の宿泊料の増減率を自動的かつ高精度に判定する。【解決手段】宿泊施設の宿泊料の増減率を判定する宿泊料の増減率判定プログラムにおいて、増減率を判定する宿泊施設が立地する地域に関する地域情報を取得する情報取得ステップと、宿泊施設が立地する地域において開催された過去のイベントに関する参照用イベント情報と、上記宿泊施設の宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を参照し、上記情報取得ステップにおいて取得した地域情報に規定される地域のイベントに応じた参照用イベント情報に基づき、上記宿泊施設の宿泊料の増減率を判定する判定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。【選択図】図13

Description

本発明は、宿泊施設の宿泊料の増減率を判定する宿泊料の増減率判定プログラムに関する。
ホテルや旅館等の宿泊施設の宿泊料の増減率は、曜日や月、夏休み、ゴールデンウィーク、年末年始等、時期によって大きく異なる。また、宿泊施設の宿泊料の増減率は、このような時期的要因に加えて、伝染病の拡散や国際的情勢、社会の情勢、政治的な情勢等の外部環境によっても予約の混み具合が異なることから、その宿泊料の増減率は変化する。これ以外にその宿泊施設が立地する地域のイベントや交通機関の情勢によっても予約の混み具合が異なることから、その宿泊料の増減率は変化する。
このように宿泊施設の宿泊料の増減率は、時期的な要因に加え、外部環境やイベント、交通機関によっても相違する。つまり宿泊料の増減率は様々な要因によって変化することからこれに応じた最適な宿泊料の増減率を設定するのは宿泊施設の運営側において大きな負担になっていた。つまり宿泊料の増減率が高すぎれば予約が減ってしまう反面、宿泊料の増減率が安すぎる場合には、本来もう少し高くしても十分に予約を埋めることができるのに安売りしすぎて売上が低下してしまう。また実際に宿泊施設への宿泊を希望するユーザにおいても、その宿泊施設の宿泊料の増減率を事前に予測できれば、出張や旅行の費用見積りを行う際の利便性を向上することができる。しかしながら、従来において各宿泊施設の宿泊料の増減率を高精度に予測できる方法が確立されていないという問題点があった。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、宿泊施設の宿泊料の増減率を自動的かつ高精度に判定することが可能な宿泊料の増減率判定プログラムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明に係る宿泊料の増減率判定プログラムは、宿泊施設の宿泊料の増減率を判定する宿泊料の増減率判定プログラムにおいて、増減率を判定する宿泊施設が立地する地域に関する地域情報を取得する情報取得ステップと、宿泊施設が立地する地域において開催された過去のイベントに関する参照用イベント情報と、上記宿泊施設の宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を参照し、上記情報取得ステップにおいて取得した地域情報に規定される地域のイベントに応じた参照用イベント情報に基づき、上記宿泊施設の宿泊料の増減率を判定する判定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
特段のスキルや経験が無くても、宿泊施設の宿泊料の増減率を自動的かつ高精度に判定することが可能となる。
本発明を適用したシステムの全体構成を示すブロック図である。 探索装置の具体的な構成例を示す図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。
以下、本発明を適用した宿泊料の増減率判定プログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
第1実施形態
図1は、本発明を適用した宿泊料の増減率判定プログラムが実装される宿泊料の増減率判定システム1の全体構成を示すブロック図である。宿泊料の増減率判定システム1は、情報取得部9と、情報取得部9に接続された探索装置2と、探索装置2に接続されたデータベース3とを備えている。
情報取得部9は、本システムを活用する者が各種コマンドや情報を入力するためのデバイスであり、具体的にはキーボードやボタン、タッチパネル、マウス、スイッチ等により構成される。情報取得部9は、テキスト情報を入力するためのデバイスに限定されるものではなく、マイクロフォン等のような音声を検知してこれをテキスト情報に変換可能なデバイスで構成されていてもよい。また情報取得部9は、カメラ等の画像を撮影可能な撮像装置として構成されていてもよい。情報取得部9は、紙媒体の書類から文字列を認識できる機能を備えたスキャナで構成されていてもよい。また情報取得部9は、後述する判別装置2と一体化されていてもよい。情報取得部9は、検知した情報を判別装置2へと出力する。また情報取得部9は地図情報をスキャニングすることで位置情報を特定する手段により構成されていてもよい。また情報取得部9は、温度センサ、湿度センサ、風向センサ、を測るための照度センサで構成されていてもよい。また情報取得部9は、天候についてのデータを気象庁や民間の天気予報会社から取得する通信インターフェースで構成されていてもよい。また情報取得部9は身体に装着して身体のデータを検出するための身体センサで構成されていてもよく、この身体センサは、例えば体温、心拍数、血圧、歩数、歩く速度、加速度を検出するためのセンサで構成されていてもよい。また身体センサは人間のみならず動物の生体データを取得するものであってもよい。また情報取得部9は図面等の情報をスキャニングしたり、或いはデータベースから読み出すことで取得するデバイスとして構成されていてもよい。情報取得部9は、これら以外に臭気や香りを検知する臭気センサにより構成されていてもよい。
データベース3は、宿泊料の増減率判定を行う上で必要な様々な情報が蓄積される。宿泊料の増減率判定を行う上で必要な情報としては、予め取得した上記宿泊施設の過去の時系列的な宿泊料の増減率の履歴から抽出した、過去の各時期に関する参照用時期情報、宿泊施設の過去の予約状況に関する参照用予約情報、宿泊施設が立地する地域において開催されるイベントに関する参照用イベント情報、参照用時期情報に規定される時期における外部環境が時系列的に示された参照用外部環境情報、過去の市況が時系列的に示された参照用市況情報、宿泊施設が立地する地域における人口推計に関する参照用人口推計情報、宿泊施設が立地する地域における交通機関に関する参照用交通機関情報と、宿泊施設の宿泊料の増減率とのデータセットが記憶されている。
つまり、データベース3には、このような参照用時期情報に加え、参照用予約情報、参照用イベント情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用人口推計情報、参照用交通機関の何れか1以上と、過去において判定された宿泊料の増減率とが互いに紐づけられて記憶されている。ちなみにこの過去に置いて判定された宿泊料の増減率は、実際に過去において判定された個人のみならず、架空のペルソナを設定し、これについて各機関や宿泊施設が判定した宿泊料の増減率を学習データに含めてもよい。
探索装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。ユーザは、この探索装置2による探索解を得ることができる。
図2は、探索装置2の具体的な構成例を示している。この探索装置2は、探索装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、各種判断を行う推定部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28とが内部バス21にそれぞれ接続されている。更に、この内部バス21には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、探索装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、推定部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。この操作部25は、前述した情報取得部9として具現化されるものであってもよい。
推定部27は、探索解を推定する。この推定部27は、推定動作を実行するに当たり、必要な情報として記憶部28に記憶されている各種情報や、データベース3に記憶されている各種情報を読み出す。この推定部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
上述した構成からなる宿泊料の増減率判定システム1における動作について説明をする。
宿泊料の増減率判定システム1では、例えば図3に示すように、参照用時期情報と、宿泊料の増減率との3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用時期情報とは、ある一の宿泊施設に着目した場合、その宿泊施設における過去の時系列的な宿泊料の増減率の履歴から抽出した、過去の各時期に関する情報である。この参照用時期情報は、過去の日毎又は週毎で時期が区別されている。この参照用時期情報の時期的な単位は、日毎、週毎、月毎等、いかなる単位で構成されていてもよい。このような参照用時期情報は、例えば、5月26日、6月15日等のように日で特定されていてもよいし、5月17日の週、7月第1週等で特定されていてもよいし、9月、12月等のように月単位で構成されていてもよい。
宿泊料の増減率は、その宿泊施設における部屋毎の宿泊料の増減率で構成してもよいかかる場合には、この宿泊料の増減率は、宿泊施設における一部又は全部の部屋の平均値の増減率で構成してもよい。かかる場合にはその宿泊施設の一部又は全部の部屋の平均値が、Aが+10%、Bが−15%等で示されることになる。
つまり、この参照用時期情報と、宿泊料の増減率のデータセットを通じて、参照用時期情報に示される各時期に対して、実際にいかなる宿泊料の増減率で顧客に販売されていたかが分かる。つまり参照用時期情報に記述された時期と宿泊料の増減率とがデータセットとなっている。このため、参照用時期情報と宿泊料の増減率のデータセットを集めておくことにより、過去どのような時期に宿泊料の増減率がいくらであったかを知ることが可能となる。
図3の例では、入力データとして例えば参照用時期情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用時期情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、宿泊料の増減率が表示されている。
参照用時期情報は、この出力解としての宿泊料の増減率に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用時期情報がこの連関度を介して左側に配列し、宿泊料の増減率が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用時期情報に対して、何れの宿泊料の増減率と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用時期情報が、いかなる宿泊料の増減率に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用時期情報から最も確からしい宿泊料の増減率を選択する上での的確性を示すものである。図3の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての宿泊料の増減率と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての宿泊料の増減率と互いに関連度合いが低いことを示している。
Figure 2021174266
探索装置2は、このような図3に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用時期情報と、その場合の宿泊料の増減率の何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図3に示す連関度を作り上げておく。
例えば、ある参照用時期情報が、ある時期(2月第2週)における宿泊料の増減率が+16%であるものとする。であるものとする。このような状況において、(2月第2週)からなる参照用時期情報において、宿泊料の増減率が+16%とされているものが同様に多かったものとする。このような場合には、その2月第2週において宿泊料の増減率+16%の連関度が強くなる。これに対して、全く同じ参照用時期情報(2月第2週)のパターン(分類)において、−12%と判定されたものが多く、+16%と判定されたものが少なかったものとする。かかる場合には、−12%の連関度が強くなり、+16%の連関度が低くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用時期情報P01である場合に、過去の宿泊料の増減率のデータから分析する。これは、例えば各機関や各宿泊施設において保管されている過去の宿泊料の増減率のデータから抽出するようにしてもよい。何れの場合においても、この参照幼児期情報と宿泊料の増減率のデータセットを抽出する場合には、例えば図4に示すように、時期を横軸に、宿泊料の増減率を縦軸とした過去の時系列的な宿泊料の増減率の履歴からデータを抽出するようにしてもよい。このような時期と宿泊料の増減率からなる履歴データを2019年、2018年、・・等のように過去何年か遡ることで数多くのデータを取得することができる。また、一の宿泊施設のみならず、他の宿泊施設から同様にデータセットを取得することにより、参照用時期情報と宿泊料の増減率を数多く取得することができる。
参照用時期情報P01である場合に、宿泊料の増減率Aの事例が多い場合には、この宿泊料の増減率Aにつながる連関度をより高く設定し、宿泊料の増減率Bの事例が多い場合には、この宿泊料の増減率Bにつながる連関度をより高く設定する。例えば参照用時期情報P01の例では、宿泊料の増減率Aと宿泊料の増減率Cにリンクしているが、以前の事例から宿泊料の増減率Aにつながるw13の連関度を7点に、宿泊料の増減率Cにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図3に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図5に示すように、入力データとして参照用時期情報が入力され、出力データとして各宿泊料の増減率が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。また、逆に宿泊料の増減率が入力で参照用時期情報が出力となるように構成されていてもよい。このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。
このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに宿泊料の増減率の判定を行う上で、上述した学習済みデータを利用して宿泊料の増減率を予測することとなる。かかる場合には、実際に新たに宿泊料の増減率を判定する宿泊施設における、その宿泊料の増減率の判定をする時期に関する時期情報を取得する。この時期情報は、日単位、週単位、月単位のいかなる時期的単位で構成されていてもよい。
新たに取得する時期情報は、上述した情報取得部9により入力される。情報取得部9は、このような時期情報を電子データとして取得するようにしてもよい。例えば、情報を取得する日が4月10日である場合、将来の4月15日における宿泊料の増減率を探索した場合には、4月15日と入力する。また、4月16日から始まる1週間単位の宿泊料の増減率を探索したい場合には、その4月16日から始まる1週間を入力する。
このようにして新たに取得した時期情報に基づいて、最適な宿泊料の増減率を探索する。かかる場合には、取得した時期情報からこれに対応する参照用時期情報を特定する。参照用時期情報は、上述したように時系列的に整理されている。例えば、時期情報が4月15日である場合、過去の4月15日の予約状況が参照用時期情報として整理されている。そして、この4月15日という時期情報に応じた参照用時期情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して増減率Bがw15、増減率Cが連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減率Bを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減率Cを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する時期情報から、判定すべき宿泊料の増減率を探索し、ユーザや宿泊施設の運営者に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザ等は、探索された宿泊料の増減率に基づいて、宿泊計画を練ることができ、また宿泊施設の運営者は、宿泊料を検討することができる。ちなみに、この宿泊料の増減率を出力する過程において、単に探索された宿泊料の増減率のみを表示する以外に、この宿泊料の増減率に基づいた具体的な宿泊料そのものを表示するようにしてもよい。かかる場合には、各宿泊施設ごと、あるいはその宿泊施設における各部屋毎の宿泊料金に対して、この増減率に応じた補正をするようにしてもよい。
図6の例では、入力データとして例えば参照用時期情報P01〜P03、参照用予約情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用時期情報に対して、参照用予約情報が組み合わさったものが、図6に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各宿泊料の増減率が表示されている。
図6の例では、参照用時期情報と、参照用予約情報との組み合わせが形成されていることが前提となる。参照用予約情報とは、ある一の宿泊施設に着目した場合、その宿泊施設における過去の予約状況を示す情報である。この参照用予約情報は、過去の日毎又は週毎の時系列的な予約履歴から抽出することができる。この予約履歴の時期的な単位は、日毎、週毎、月毎等、いかなる単位で構成されていてもよい。この予約履歴の時期的な単位は、参照用時期情報の時期的な単位と同一のものであってもよい。予約状況は、実際の予約を通じてその宿泊施設の部屋が予約で埋まった状況を示すものである。予約率は、図7に示すように、その宿泊施設における宿泊客を受け入れ可能な部屋数に対する、実際に予約が決まった部屋数の比率(以下、予約率という。)等で表示されるものであってもよい。また、ある一の宿泊施設における宿泊客を受け入れ可能な部屋数に対する、実際に予約で埋められなかった、いわゆる部屋余り状況から参照用予約情報を導出するようにしてもよい。また参照用予約情報は、実際のその宿泊施設の売上そのもので構成してもよいし、売上から導出してもよい。予約が多くなればその分売上も上がるものであり、予約の多寡と売上は互いに相関を持つデータであることから、売上から導出してもよい。また、この参照用予約情報は宿泊人数そのもの、或いは宿泊人数から導出するようにしてもよい。
参照用予約情報は、宿泊施設の過去の時系列的な予約数に対する予約取消数が反映されるものであってもよい。かかる場合には、予約取消数を時系列的に計測する。予約取消数が多いほど、宿泊施設に対して宿泊を希望しない何らかの要因が働いていることが考えられ、宿泊料を減少する方向に作用する。これに対して、予約取消数が少ない場合には、宿泊施設に対して宿泊を強く希望する要因が働いていることが考えられ、宿泊料を上昇する方向に作用する。
また参照用予約情報は、過去の時系列的な予約希望数が反映されるものであってもよい。ここでいう予約希望数は、実際に宿泊施設の各部屋への予約数に加え、その宿泊施設への予約を希望しているものの、実際に各部屋の定員を超えており予約できなった数も含まれる。つまり、この予約希望数は、予約数に加えて、予約を希望したものの予約できなかった数の和で表される。予約を希望したものの予約できなかった数は、実際にその宿泊施設へ予約を申し込みの電話をして断った数を集計して得るようにしてもよいし、インタ0ネット上の宿泊施設のサイトを介して実際に申し込もうとしたが定員オーバーで申し込めなかった数をサイト上への操作情報やクリック情報から取得して集計してもよい。
図6の例では、入力データとして例えば参照用時期情報P01〜P03、参照用予約情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用時期情報に対して、参照用予約情報が組み合わさったものが、図6に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての宿泊料の増減率が表示されている。
参照用時期情報と参照用予約情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての宿泊料の増減率に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用時期情報と参照用予約情報がこの連関度を介して左側に配列し、宿泊料の増減率が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用時期情報と参照用予約情報に対して、各宿泊料の増減率と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用時期情報と参照用予約情報が、いかなる宿泊料の増減率に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用時期情報と参照用予約情報から最も確からしい各宿泊料の増減率を選択する上での的確性を示すものである。時期情報に加え、実際にその予約状況に応じて、最適な宿泊料は変化する。例えば予約率が低い場合(たとえば50%)であって、その場合における過去の宿泊料の増減率が+15%の宿泊料の増減率Cのところにおいて最も連関度が高くなっているものとする。かかる場合には、むしろ、宿泊料をより安くした方が予約率が高くなり、結果として売上を伸ばすことが可能となる。かかる場合には、過去において最も連関度が高くなっている+15%の連関度を下げ、より低い宿泊料の増減率(例えば−10%の連関度を上げるように調整してもよい。
また予約率が高い場合(たとえば100%)であって、その場合における過去の宿泊料の増減率が−8%の宿泊料の増減率Dのところにおいて最も連関度が高くなっているものとする。かかる場合には、むしろ、宿泊料の増減率をより高くすることで、予約率が多少低くなっても、結果として売上を伸ばすことが可能となる場合が多い。かかる場合には、過去において最も連関度が高くなっている−8%の連関度を下げ、より高い宿泊料の増減率(例えば+13%)の連関度を上げるように調整してもよい。
つまり、予約率が高くなるにつれて、より高い宿泊料の増減率に重み付けが重くなるような連関度とし、予約率が低くなるにつれてより低い宿泊料の増減率に重み付けが重くなるような連関度に調整するようにしてもよい。かかる場合には、データセットを学習させる過程で、予約率を識別し、識別した予約率に応じて、出力の増減率そのものを上下させるようにしてもよいし、上述した連関度の重み付けを変化させるようにしてもよい。
図6の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図6に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で参照用時期情報と参照用予約情報、並びにその場合の宿泊料の増減率の何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図6に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用時期情報P01で、参照用予約情報P16である場合に、その宿泊料の増減率を過去のデータから分析する。宿泊料の増減率がAの事例が多い場合には、このAにつながる連関度をより高く設定し、Bの事例が多く、Aの事例が少ない場合には、Bにつながる連関度を高くし、Aにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、AとBの出力にリンクしているが、以前の事例からAにつながるw13の連関度を7点に、Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図6に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図6に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用時期情報P01に対して、参照用予約情報P14の組み合わせのノードであり、増減率Cの連関度がw15、増減率Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用時期情報P02に対して、参照用予約情報P15、P17の組み合わせのノードであり、宿泊料の増減率Bの連関度がw17、宿泊料の増減率Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから宿泊料の増減率判定のための探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、新たに宿泊料の増減率の判定を行う企業から時期情報を同様に取得する。
このようにして新たに取得した時期情報に基づいて、最適な宿泊料の増減率を探索する。かかる場合には、予め取得した図6(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した時期情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、その時期情報に規定される時期に応じた予約状況からなる参照用予約情報がP17と同一かこれに類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減率Cがw19、増減率Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減率Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減率Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
取得した時期情報に規定される時期に応じた予約状況からなる参照用予約情報は、例えば、取得した時期が5月第1週であれば、その5月第1週における過去の予約状況を過去の図7に示すような過去の時系列的な予約状況から読み出す。読み出した結果、5月第1週の予約状況が予約率50%であれば、これに応じた参照用予約情報を介して解探索を行っていくことになる。
なお、予約情報を得る上においても、その宿泊施設の過去の時系列的な予約数に対する予約取消数や、過去の時系列的な予約希望数を含めても良い。これらの予約取消数や予約希望数の取得方法は、上述と同様である。
また、入力から伸びている連関度w1〜w12の例を以下の表2に示す。
Figure 2021174266
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
図8は、上述した参照用時期情報と、参照用イベント情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する宿泊料の増減率との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用イベント情報とは、宿泊施設が立地する地域において開催されるイベントに関する情報である。この参照用イベント情報は、各地域毎に開催される過去のイベントに関する情報が時系列的に記述されている情報から取得することができる。例えば、12月24日はクリスマスであるような全盛会において共通するイベントもこれに含まれるが、それ以外に各地域において行われる花火大会や祭り等もこれに含まれる。
実際にこのようなイベントにぶつかる否かに応じて宿泊施設の混み具合も変化することから、このような参照用イベント情報も含めて学習させることにより、宿泊料の増減率をより高精度に探索することが可能となる。
参照用イベント情報P18には、例えば地域αのイベントが時系列的に記述されて学習されており、参照用イベント情報P19には、例えば地域βのイベントが時系列的に記述されており、参照用イベント情報P20には、地域γのイベントが時系列的に記述されていてもよい。このように、参照用イベント情報は地域間でそれぞれ区切られて定義されていてもよい。これ以外に、この参照用イベント情報は、イベント単位で区切られていてもよく、例えば、参照用イベント情報P18は、クリスマス、参照用イベント情報P19は、国際競技の開催日、参照用イベント情報P20は、スポーツイベントの巡業の日等であってもよい。イベントに区切られる場合においても、これらの各イベントは地域におけるイベントが時系列的に示されている情報からこれらを取得することは同様であり、換言すればこれらのイベントは、何れも地域と紐付けられている。
図8の例では、入力データとして例えば参照用時期情報P01〜P03、参照用イベント情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用時期情報に対して、参照用イベント情報が組み合わさったものが、図8に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、宿泊料の増減率が表示されている。
参照用時期情報と参照用イベント情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、宿泊料の増減率に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用時期情報と参照用イベント情報がこの連関度を介して左側に配列し、宿泊料の増減率が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用時期情報と参照用イベント情報に対して、宿泊料の増減率と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用時期情報と参照イベント情報が、いかなる宿泊料の増減率に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用時期情報と参照用イベント情報から最も確からしい各宿泊料の増減率を選択する上での的確性を示すものである。時期情報に加え、実際の市場将来性がいかなる状態にあるのかに応じて、資金回収の可能性は変化する。このため、これらの参照用時期情報と参照用イベント情報の組み合わせで、最適な宿泊料の増減率を探索していくこととなる。
図8の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図9に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用時期情報と参照用イベント情報、並びにその場合の宿泊料の増減率が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図8に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用時期情報P01で、参照用イベント情報P20である場合に、その宿泊料の増減率を過去のデータから分析する。例えば中間ノード61aの例では、増減率Aと増減率Bの出力にリンクしているが、以前の事例から増減率Aにつながるw13の連関度を7点に、増減率Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図8に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図8に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用時期情報P01に対して、参照用イベント情報P18の組み合わせのノードであり、増減率Cの連関度がw15、増減率Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用時期情報P02に対して、参照用イベント情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減率Bの連関度がw17、増減率Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した時期情報に加え、増減率を判定する宿泊施設が立地する地域に関する地域情報を取得する。地域情報に規定される地域のイベントに応じた参照用イベント情報に基づき、出力解の探索を行う。参照用イベント情報は地域毎に区分けされているのであれば、その地域に応じた参照用イベント情報を選択する。そして、各参照用イベント情報は、時系列的に示されており、その時期は、入力された時期情報に規定されたものを参照することで、その時期においてその地域においていかなるイベントが開催されるかを特定することが可能となる。
このようにして新たに取得した時期情報、地域情報に基づいて、宿泊料の増減率を探索する。かかる場合には、予め取得した図8(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した時期情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、新たに取得した地域に応じた参照用イベント情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減率Cがw19、増減率Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減率Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減率Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図9は、上述した参照用時期情報と、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する宿泊料の増減率との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用外部環境情報とは、外部環境情報に関する様々な情報である。ここでいう外部環境情報は、経済データ(GDP、雇用統計、鉱工業生産指数、設備投資、労働力調査等)、家計データ(家計消費状況調査、家計データ、1週間の平均就業時間、貯蓄額の統計データ、年収の統計データ等)、不動産データ(オフィス空室率、坪単価、賃料相場、地価、空き家データ等)、自然環境データ(災害データ、気温データ、降水量データ、風向きデータ、湿度データ等)に代表されるものである。外部環境情報は、伝染病や自然災害、政治や経済、社会に関する様々な出来事の有無やその程度も含めてもよい。外部環境情報は、これらのデータの一部、全部が反映されるもの以外に、その宿泊施設の外部のあらゆる情報が含まれる。参照用外部環境情報は、外部環境自体を類型化しておくようにしてもよい。
図9の例では、入力データとして例えば参照用時期情報P01〜P03、参照用外部環境情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用時期情報に対して、参照用外部環境情報が組み合わさったものが、図9に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、宿泊料の増減率が表示されている。参照用外部環境情報は、参照用時期情報において規定される時期と紐付けられていてもよい。
参照用時期情報と参照用外部環境情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、宿泊料の増減率に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用時期情報と参照用外部環境情報がこの連関度を介して左側に配列し、宿泊料の増減率が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用時期情報と参照用外部環境情報に対して、宿泊料の増減率と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用時期情報と参照外部環境情報が、いかなる宿泊料の増減率に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用時期情報と参照用外部環境情報から最も確からしい各宿泊料の増減率を選択する上での的確性を示すものである。時期情報に加え、実際の外部環境がいかなる状態にあるのかに応じて、客足は変化し、宿泊料は変化する。このため、これらの参照用時期情報と参照用外部環境情報の組み合わせで、最適な宿泊料の増減率を探索していくこととなる。
図9の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図9に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用時期情報と参照用外部環境情報、並びにその場合の宿泊料の増減率が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図9に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用時期情報P01で、参照用外部環境情報P20である場合に、その宿泊料の増減率を過去のデータから分析する。例えば中間ノード61aの例では、増減率Aと増減率Bの出力にリンクしているが、以前の事例から増減率Aにつながるw13の連関度を7点に、増減率Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
図9に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用時期情報P01に対して、参照用外部環境情報P18の組み合わせのノードであり、増減率Cの連関度がw15、増減率Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用時期情報P02に対して、参照用外部環境情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減率Bの連関度がw17、増減率Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した時期情報に加え、増減率を判定する宿泊施設の外部に関する外部環境情報を取得する。この外部環境情報は、上述した参照用外部環境情報と同種のデータで構成される。実際に取得する外部環境は、時期情報に規定される時期における外部環境となるが、その時期情報が1年後であればその外部環境は当然に予測することができないことから、この図9の例では、時期情報が直近(例えば宿泊施設を予約する日が明日、明後日、1週間後等)の場合において適用可能であり、かかる場合における外部環境は増減率の探索時点のものを入力するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した時期情報、外部環境情報に基づいて、宿泊料の増減率を探索する。かかる場合には、予め取得した図9(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した時期情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、新たに取得した外部環境に応じた参照用外部環境情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減率Cがw19、増減率Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減率Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減率Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図10は、上述した参照用時期情報と、参照用市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する宿泊料の増減率との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用市況情報とは、参照用市況情報とは、市況に関する様々な情報である。ここでいう市況は、一企業、またその企業を含む業界全体、或いは日本全体、世界全体までいかなる範囲をターゲットにしてもよい。この参照用市況情報の例としては、金利、為替、各銘柄の株価、原油、先物、貴金属、ビットコイン等の値動きを対象としたものである。この参照用市況情報は、これらの対象について時系列的なチャートや折れ線グラフ等で表示されていてもよい。またボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報が付されていてもよい。また、この市況情報は、各銘柄の企業のファンダメンタルな指標が盛り込まれていてもよく、年間の売り上げや利益、コストに加えて、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(株主資本利益率)等の指標が盛り込まれていてもよい。為替についても各通貨間における値動きを示すチャート、ボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報が付されていてもよい。参照用市況情報は、市場将来性自体を類型化しておくようにしてもよい。つまり図10の参照用市況情報は類型別に分類した情報であってもよく、例えば、株価の伸び率が年〇%以上あるか否かにより区切ることで分類するようにしてもよい。また、パターン(例えば、株価の伸び率が急激が、あるいは徐々に増加するか等のパターン)等により類型化されていてもよい。
図10の例では、入力データとして例えば参照用時期情報P01〜P03、参照用市況情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用時期情報に対して、参照用市況情報が組み合わさったものが、図10に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、宿泊料の増減率が表示されている。参照用市況情報は、参照用時期情報において規定される時期と紐付けられていてもよい。
参照用時期情報と参照用市況情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、宿泊料の増減率に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用時期情報と参照用市況情報がこの連関度を介して左側に配列し、宿泊料の増減率が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用時期情報と参照用市況情報に対して、宿泊料の増減率と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用時期情報と参照市況情報が、いかなる宿泊料の増減率に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用時期情報と参照用市況情報から最も確からしい各宿泊料の増減率を選択する上での的確性を示すものである。時期情報に加え、実際の市況がいかなる状態にあるのかに応じて、客足は変化し、宿泊料は変化する。このため、これらの参照用時期情報と参照用市況情報の組み合わせで、最適な宿泊料の増減率を探索していくこととなる。
図10の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図10に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用時期情報と参照用市況情報、並びにその場合の宿泊料の増減率が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図10に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用時期情報P01で、参照用市況情報P20である場合に、その宿泊料の増減率を過去のデータから分析する。例えば中間ノード61aの例では、増減率Aと増減率Bの出力にリンクしているが、以前の事例から増減率Aにつながるw13の連関度を7点に、増減率Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
図10に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用時期情報P01に対して、参照用市況情報P18の組み合わせのノードであり、増減率Cの連関度がw15、増減率Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用時期情報P02に対して、参照用市況情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減率Bの連関度がw17、増減率Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した時期情報に加え、市況情報を取得する。この市況情報は、上述した参照用市況情報と同種のデータで構成される。実際に取得する市況情報は、時期情報に規定される時期における市況情報となるが、その時期情報が1年後であればその外部環境は当然に予測することができないことから、この図10の例では、時期情報が直近(例えば宿泊施設を予約する日が明日、明後日、1週間後等)の場合において適用可能であり、かかる場合における市況情報は増減率の探索時点のものを入力するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した時期情報、市況情報に基づいて、宿泊料の増減率を探索する。かかる場合には、予め取得した図10(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した時期情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、新たに取得した外部環境に応じた参照用市況情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減率Cがw19、増減率Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減率Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減率Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
なお、本発明においては、この図10に示す参照用イベント情報の代替として、宿泊施設が立地する地域における人口推計に関する参照用人口推計情報が参照用時期情報の組み合わせで連関度に関連付けられて学習されてなるものであってもよい。
参照用人口推計情報とは、宿泊施設が立地する地域における人口推計に関する情報である。宿泊施設が立地する地域とは、市区町村単位、都道府県単位、地方単位等、いかなる地域単位で構成されていてもよい。このような地域への人口推計は、人口の増加傾向、減少傾向、更にはその地域への転入状況、転出状況、また、人口のピラミッドの状況等を示すものである。この人口推計は時系列的な情報として示されるものであってもよい。
かかる場合には、参照用時期情報と、参照用市況情報とを有する組み合わせと、宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を予め取得しておく。このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した時期情報に加え、増減率を判定する宿泊施設が立地する地域の人口推計に関する人口推計情報を取得する。この人口推計情報は、上述した参照用人口推計情報と同種のデータで構成される。実際に取得する人口推計情報は、時期情報に規定される時期並びにその地域における人口推計となるが、その人口推計が5年後であれば当然に予測することができないことから、この例では、時期情報が凡そ1年以内の場合において適用可能であり、かかる場合における人口推計情報は増減率の探索時点のものを入力するようにしてもよい。
取得する人口推計情報は、上述した参照用人口推計情報に対応するものであり、取得方法も同様である。そして、連関度を参照した上で、新たに取得した時期情報と人口推計情報とに基づき、宿泊料の増減率を上述と同様に判定する。
なお、本発明においては、この図10に示す参照用イベント情報の代替として、宿泊施設が立地する地域における交通機関に関する参照用交通機関情報が参照用時期情報の組み合わせで連関度に関連付けられて学習されてなるものであってもよい。
参照用交通機関情報とは、宿泊施設が立地する地域への交通手段に関するあらゆる情報、或いは宿泊施設が立地する地域内の交通手段に関するあらゆる情報を示すものである。仮にその地域への交通手段の一つとして電車があれば、その電車に関するあらゆる情報を示すものであり、例えば時刻表に関する情報、乗車数や混雑度に関する情報に加え、その地域或いは当該電車により結ばれる他の地域におけるイベントに応じて便が増発される場合には、それに関する情報も含まれる。これに加えて、参照用交通機関情報は、交通手段の遅れに関する情報や事故に関する情報、渋滞に関する情報等も含まれる。駅から離れた郊外に位置する旅館等は、自動車が唯一の交通手段になる場合もあるが、かかる場合には、その旅館に至るまでの交通渋滞等を始めとした交通情報に応じて混み具合が変わる場合がある。
かかる場合には、参照用交通機関情報と、参照用時期情報とを有する組み合わせと、宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を予め取得しておく。このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した時期情報に加え、増減率を判定する宿泊施設が立地する地域の交通機関に関する交通機関情報を取得する。この交通機関情報は、上述した参照用交通機関情報と同種のデータで構成される。実際に取得する交通機関情報は、時期情報に規定される時期並びにその地域における交通機関に関する情報となるが、その交通機関の状況が数ヵ月後であれば当然に予測することができないことから、この例では、時期情報が1日後、2日後、あるいは1週間以内の場合において適用可能であり、かかる場合における交通機関情報は増減率の探索時点のものを入力するようにしてもよい。
取得する交通機関情報は、上述した参照用交通機関情報に対応するものであり、取得方法も同様である。そして、連関度を参照した上で、新たに取得した時期情報と交通機関情報とに基づき、宿泊料の増減率を上述と同様に判定する。
なお本発明は、宿泊料の増減率を探索解として求める場合に限定されるものではなく、宿泊施設の予約の混雑の可能性を求めるようにしてもよい。宿泊施設の予約が混雑するケースでは宿泊料が上がる傾向となり、宿泊施設の予約が少ない状況では宿泊料が下げる傾向となる。つまり宿泊施設の予約の混雑状況は宿泊料と相関がある。このため、データセットを作る際に宿泊料の増減率の代替として、宿泊施設の予約の混雑状況を学習させる。予約の混雑状況の例としては、大きく分類して非常に混雑、やや混雑、普通、ややすいている、非常にすいている、等で表示してもよいし、1000点満点で点が高くなるほど混雑しているものと判別するためのスコアで表示するようにしてもよい。そしてこれらのスコアは、例えば宿泊施設における過去の予約の埋まり具合等のデータから抽出することで得ることができる。このようなデータセットを通じて学習させることにより、探索解として宿泊料の増減率の代わりに、予約の混雑の可能性を出力することが可能となる。
なお、時期情報に加えて、イベント情報、外部環境情報、市況情報、人口推計情報、交通機関情報等の何れか2以上を取得する場合には、その取得する2以上の情報に応じた、2以上の参照用情報(参照用予約情報、参照用イベント情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用人口推計情報、参照用交通機関情報等)を参照用時期情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する増減率との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に解探索を行うことができる。
また、時期情報に加えて、イベント情報、外部環境情報、市況情報、人口推計情報、交通機関情報等の何れか1以上に加え、更に、他の情報を取得する場合も同様に、その取得する情報に応じた参照用予約情報、参照用イベント情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用人口推計情報、参照用交通機関情報等と、他の取得する情報に応じた参照用情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する増減率との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に解探索を行うことができる。
また本発明は、図11に示すように参照用情報Uと参照用情報Vという2種類以上の情報の組み合わせの連関度に基づいて各宿泊料の増減率を判別するものである。この参照用情報Uが参照用時期情報であり、参照用情報Vが、参照用予約情報、参照用イベント情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用人口推計情報、参照用交通機関情報であるものとする。或いは、参照用情報Uが参照用予約情報、参照用イベント情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用人口推計情報、参照用交通機関情報であり、参照用情報Vが、参照用時期情報であるものとする。
このとき、図11に示すように、参照用情報Uについて得られた出力をそのまま入力データとして、参照用情報Vとの組み合わせの中間ノード61を介して出力と関連付けられていてもよい。例えば、参照用情報Uについて、出力解を出した後、これをそのまま入力として、他の参照用情報Vとの間での連関度を利用し、出力を探索するようにしてもよい。
上述した連関度においては、10段階評価で連関度を表現しているが、これに限定されるものではなく、3段階以上の連関度で表現されていればよく、逆に3段階以上であれば100段階でも1000段階でも構わない。一方、この連関度は、2段階、つまり互いに連関しているか否か、1又は0の何れかで表現されるものは含まれない。
上述した構成からなる本発明によれば、特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽に融資を検討している企業の宿泊料の増減率の探索を行うことができる。また本発明によれば、この探索解の判断を、人間が行うよりも高精度に行うことが可能となる。更に、上述した連関度を人工知能(ニューラルネットワーク等)で構成することにより、これを学習させることでその判別精度を更に向上させることが可能となる。
なお、上述した入力データ、及び出力データは、学習させる過程で完全に同一のものが存在しない場合も多々あることから、これらの入力データと出力データを類型別に分類した情報であってもよい。つまり、入力データを構成する情報P01、P02、・・・・P15、16、・・・は、その情報の内容に応じて予めシステム側又はユーザ側において分類した基準で分類し、その分類した入力データと出力データとの間でデータセットを作り、学習させるようにしてもよい。
また、本発明によれば、3段階以上に設定されている連関度を介して最適な解探索を行う点に特徴がある。連関度は、上述した10段階以外に、例えば0〜100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
このような3段階以上の数値で表される連関度に基づいてより宿泊料の増減率に関する信憑性が高く、誤認の低い宿泊料の増減率を判別することで、探索解の可能性の候補として複数考えられる状況下において、当該連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。
これに加えて、本発明によれば、連関度が1%のような極めて低い出力の判別結果も見逃すことなく判断することができる。連関度が極めて低い判別結果であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、その判別結果として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
更に本発明によれば、このような3段階以上の連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した連関度が1%のものであっても漏れなく拾うことができる反面、より適切な判別結果を好適に検出できる可能性が低く、ノイズを沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、最適な探索解を高確率で検出できる可能性が高い反面、通常は連関度は低くてスルーされるものの何十回、何百回に一度は出てくる好適な解を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
更に本発明では、上述した連関度を更新させるようにしてもよい。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また時期情報に加え、イベント情報、外部環境情報、市況情報、人口推計情報、交通機関情報に関する知見、情報、データを取得した場合、これらに応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。
つまり、この更新は、人工知能でいうところの学習に相当する。新たなデータを取得し、これを学習済みデータに反映させることを行っているため、学習行為といえるものである。
また、この連関度の更新は、公衆通信網から取得可能な情報に基づく場合以外に、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
また学習済モデルを最初に作り上げる過程、及び上述した更新は、教師あり学習のみならず、教師なし学習、ディープラーニング、強化学習等を用いるようにしてもよい。教師なし学習の場合には、入力データと出力データのデータセットを読み込ませて学習させる代わりに、入力データに相当する情報を読み込ませて学習させ、そこから出力データに関連する連関度を自己形成させるようにしてもよい。
第2実施形態
以下、第2実施形態について説明をする。この第2実施形態を実行する上では、第1実施形態において使用する宿泊料の増減率判定システム1、情報取得部9、探索装置2、データベース3を同様に使用する。これらの各構成の説明は、第1実施形態の説明を引用することで以下での説明を省略する。
第2実施形態では、時期情報を取得するのではなく、参照用イベント情報を予め学習させておき、一般的に外部のイベントや外部環境が発生する場合に宿泊料についてどの程度の増減をするのが最適であるかを示すものである。第2実施形態は、第1実施形態とは異なり、一の宿泊施設に着目した場合における直近の宿泊料を判定するものである。
第2実施形態においては、例えば図12に示すように、宿泊施設が立地する地域において開催された過去のイベントに関する参照用イベント情報と、宿泊料の増減率との3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用イベント情報とは、第1実施形態において説明したものと同様である。
つまり、この参照用イベント情報と、宿泊料の増減率のデータセットを通じて、参照用イベント情報に示される各イベントに対して、実際にいかなる宿泊料の増減率で顧客に販売されていたかが分かる。つまり参照用イベント情報に記述されたイベントの内容と宿泊料の増減率とがデータセットとなっている。このため、参照用イベント情報と宿泊料の増減率のデータセットを集めておくことにより、過去どのような時期に宿泊料の増減率がいくらであったかを知ることが可能となる。
図12の例では、入力データとして例えば参照用イベント情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用イベント情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、宿泊料の増減率が表示されている。
参照用イベント情報は、この出力解としての宿泊料の増減率に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用イベント情報がこの連関度を介して左側に配列し、宿泊料の増減率が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用イベント情報に対して、何れの宿泊料の増減率と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用イベント情報が、いかなる宿泊料の増減率に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用イベント情報から最も確からしい宿泊料の増減率を選択する上での的確性を示すものである。図12の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての宿泊料の増減率と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての宿泊料の増減率と互いに関連度合いが低いことを示している。この参照用イベント情報は、イベント単位で区切られていることが前提であり、例えば、参照用イベント情報P01は、クリスマス、参照用イベント情報P02は、国際競技の開催日、参照用イベント情報P03は、スポーツイベントの巡業の日等であってもよい。
探索装置2は、このような図12に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用イベント情報と、その場合の宿泊料の増減率の何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図12に示す連関度を作り上げておく。
例えば、ある参照用イベント情報が、クリスマスイベントであり、そのイベントにおける宿泊料の増減率が+16%であるものとする。このような状況において、クリスマスイベントからなる参照用イベント情報において、宿泊料の増減率が+16%とされているものが同様に多かったものとする。このような場合には、そのクリスマスイベントにおいて宿泊料の増減率+16%の連関度が強くなる。これに対して、全く同じ参照用イベント情報(クリスマスイベント)のパターン(分類)において、−12%と判定されたものが多く、+16%と判定されたものが少なかったものとする。かかる場合には、−12%の連関度が強くなり、+16%の連関度が低くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用イベント情報P01である場合に、過去の宿泊料の増減率のデータから分析する。これは、例えば各機関や各宿泊施設において保管されている過去の宿泊料の増減率のデータから抽出するようにしてもよい。参照用イベント情報P01である場合に、宿泊料の増減率Aの事例が多い場合には、この宿泊料の増減率Aにつながる連関度をより高く設定し、宿泊料の増減率Bの事例が多い場合には、この宿泊料の増減率Bにつながる連関度をより高く設定する。例えば参照用イベント情報P01の例では、宿泊料の増減率Aと宿泊料の増減率Cにリンクしているが、以前の事例から宿泊料の増減率Aにつながるw13の連関度を7点に、宿泊料の増減率Cにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図12に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図13に示すように、入力データとして参照用イベント情報が入力され、出力データとして各宿泊料の増減率が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。また、逆に宿泊料の増減率が入力で参照用イベント情報が出力となるように構成されていてもよい。このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。
このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに宿泊料の増減率の判定を行う上で、上述した学習済みデータを利用して宿泊料の増減率を予測することとなる。かかる場合には、実際に新たに宿泊料の増減率を判定する宿泊施設が立地する地域に関する地域情報を取得する。
新たに取得する地域情報は、上述した情報取得部9により入力される。情報取得部9は、このような地域情報を電子データとして取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した地域情報に基づいて、その地域情報に規定される地域のイベントに応じた参照用イベント情報に基づき、最適な宿泊料の増減率を探索する。かかる場合には、取得したイベント情報からこれに対応する参照用イベント情報を特定する。つまり地域情報が青森であれば、青森において開催される「ねぶた祭り」がイベントとして当該地域情報に登録されており、これを読み出すことでイベント情報として「ねぶた祭り」を特定することができる。そして、この参照用イベント情報として「ねぶた祭り」を介して、連関度を参照することで解探索を行うことができる。
イベント情報(ねぶた祭り)に応じた参照用イベント情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して増減率Bがw15、増減率Cが連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減率Bを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減率Cを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得するイベント情報から、判定すべき宿泊料の増減率を探索し、ユーザや宿泊施設の運営者に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザ等は、探索された宿泊料の増減率に基づいて、宿泊計画を練ることができ、また宿泊施設の運営者は、宿泊料を検討することができる。ちなみに、この宿泊料の増減率を出力する過程において、単に探索された宿泊料の増減率のみを表示する以外に、この宿泊料の増減率に基づいた具体的な宿泊料そのものを表示するようにしてもよい。かかる場合には、各宿泊施設ごと、あるいはその宿泊施設における各部屋毎の宿泊料金に対して、この増減率に応じた補正をするようにしてもよい。
図14は、上述した参照用イベント情報と、参照用市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する宿泊料の増減率との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。参照用市況情報は、第1実施形態と同様である。
図14の例では、入力データとして例えば参照用イベント情報P01〜P03、参照用市況情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用イベント情報に対して、参照用市況情報が組み合わさったものが、図14に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、宿泊料の増減率が表示されている。
参照用イベント情報と参照用市況情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、宿泊料の増減率に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用イベント情報と参照用市況情報がこの連関度を介して左側に配列し、宿泊料の増減率が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用イベント情報と参照用市況情報に対して、宿泊料の増減率と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用イベント情報と参照市況情報が、いかなる宿泊料の増減率に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用イベント情報と参照用市況情報から最も確からしい各宿泊料の増減率を選択する上での的確性を示すものである。イベント情報に加え、実際の市況がいかなる状態にあるのかに応じて、客足は変化し、宿泊料は変化する。このため、これらの参照用イベント情報と参照用市況情報の組み合わせで、最適な宿泊料の増減率を探索していくこととなる。
図14の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図14に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用イベント情報と参照用市況情報、並びにその場合の宿泊料の増減率が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図14に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用イベント情報P01で、参照用市況情報P20である場合に、その宿泊料の増減率を過去のデータから分析する。例えば中間ノード61aの例では、増減率Aと増減率Bの出力にリンクしているが、以前の事例から増減率Aにつながるw13の連関度を7点に、増減率Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
図14に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用イベント情報P01に対して、参照用市況情報P18の組み合わせのノードであり、増減率Cの連関度がw15、増減率Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用イベント情報P02に対して、参照用市況情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減率Bの連関度がw17、増減率Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述したイベント情報に加え、市況情報を取得する。この市況情報は、上述した参照用市況情報と同種のデータで構成される。実際に取得する市況情報は、直近の市況情報を入力する。この直近の市況情報は、解探索時から遡った所定の又は任意の期間とされる。
このようにして新たに取得したイベント情報、市況情報に基づいて、宿泊料の増減率を探索する。かかる場合には、予め取得した図14(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得したイベント情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、新たに取得した外部環境に応じた参照用市況情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減率Cがw19、増減率Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減率Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減率Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
なお、本発明においては、この図14に示す参照用イベント情報の代替として、宿泊施設が立地する地域における人口推計に関する参照用人口推計情報が参照用イベント情報の組み合わせで連関度に関連付けられて学習されてなるものであってもよい。
かかる場合には、参照用イベント情報と、参照用人口推計情報とを有する組み合わせと、宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を予め取得しておく。このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述したイベント情報に加え、増減率を判定する宿泊施設が立地する地域の人口推計に関する人口推計情報を取得する。この人口推計情報は、増減率の探索時点のものを入力するようにしてもよい。
取得する人口推計情報は、上述した参照用人口推計情報に対応するものであり、取得方法も同様である。そして、連関度を参照した上で、新たに取得したイベント情報と人口推計情報とに基づき、宿泊料の増減率を上述と同様に判定する。
なお、本発明においては、この図14に示す参照用市況情報の代替として、宿泊施設が立地する地域における交通機関に関する参照用交通機関情報が参照用イベント情報の組み合わせで連関度に関連付けられて学習されてなるものであってもよい。参照用交通機関情報は、上述した第1実施形態と同様である。
かかる場合には、参照用交通機関情報と、参照用イベント情報とを有する組み合わせと、宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を予め取得しておく。このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述したイベント情報に加え、増減率を判定する宿泊施設が立地する地域の交通機関に関する交通機関情報を取得する。この交通機関情報は、上述した参照用交通機関情報と同種のデータで構成される。実際に取得する交通機関情報は、直近の交通機関情報を入力する。取得する交通機関情報は、上述した参照用交通機関情報に対応するものであり、取得方法も同様である。そして、連関度を参照した上で、新たに取得したイベント情報と交通機関情報とに基づき、宿泊料の増減率を上述と同様に判定する。
なお第2実施形態においても、宿泊料の増減率を探索解として求める場合に限定されるものではなく、宿泊施設の予約の混雑の可能性を求めるようにしてもよい。宿泊施設の予約が混雑するケースでは宿泊料が上がる傾向となり、宿泊施設の予約が少ない状況では宿泊料が下げる傾向となる。つまり宿泊施設の予約の混雑状況は宿泊料と相関がある。このため、データセットを作る際に宿泊料の増減率の代替として、宿泊施設の予約の混雑状況を学習させる。予約の混雑状況の例としては、大きく分類して非常に混雑、やや混雑、普通、ややすいている、非常にすいている、等で表示してもよいし、1000点満点で点が高くなるほど混雑しているものと判別するためのスコアで表示するようにしてもよい。そしてこれらのスコアは、例えば宿泊施設における過去の予約の埋まり具合等のデータから抽出することで得ることができる。このようなデータセットを通じて学習させることにより、探索解として宿泊料の増減率の代わりに、予約の混雑の可能性を出力することが可能となる。
なお、イベント情報に加えて、外部環境情報、市況情報、人口推計情報、交通機関情報等の何れか2以上を取得する場合には、その取得する2以上の情報に応じた、2以上の参照用情報(参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用人口推計情報、参照用交通機関情報等)を参照用イベント情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する増減率との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に解探索を行うことができる。
また、イベント情報に加えて、市況情報、人口推計情報、交通機関情報等の何れか1以上に加え、更に、他の情報を取得する場合も同様に、その取得する情報に応じた参照用市況情報、参照用人口推計情報、参照用交通機関情報等と、他の取得する情報に応じた参照用情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する増減率との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に解探索を行うことができる。
なお、本実施形態においては、解探索を行う上で第1実施形態において説明した全ての参照用情報との組み合わせで連関度を形成し、探索解としての増減率とのデータセットを通じて学習させておくようにしてもよい。これにより、本実施形態のみならず、第1実施形態において説明した説明変数を組み合わせて解探索を行うことが可能となる。
第3実施形態
以下、第3実施形態について説明をする。この第3実施形態を実行する上では、第1実施形態において使用する宿泊料の増減率判定システム1、情報取得部9、探索装置2、データベース3を同様に使用する。これらの各構成の説明は、第1実施形態の説明を引用することで以下での説明を省略する。
第3実施形態では、時期情報を取得するのではなく、参照用外部環境情報を予め学習させておき、一般的に外部の外部環境が発生する場合に宿泊料についてどの程度の増減をするのが最適であるかを示すものである。第3実施形態は、第1実施形態とは異なり、一の宿泊施設に着目した場合における直近の宿泊料を判定するものである。
第3実施形態においては、例えば図15に示すように、宿泊施設の外部環境に関する参照用外部環境情報と、宿泊料の増減率との3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用外部環境情報とは、第1実施形態において説明したものと同様である。
つまり、この参照用外部環境情報と、宿泊料の増減率のデータセットを通じて、参照用外部環境情報に示される各イベントに対して、実際にいかなる宿泊料の増減率で顧客に販売されていたかが分かる。つまり参照用外部環境情報に記述されたイベントの内容と宿泊料の増減率とがデータセットとなっている。このため、参照用外部環境情報と宿泊料の増減率のデータセットを集めておくことにより、過去どのような時期に宿泊料の増減率がいくらであったかを知ることが可能となる。
図15の例では、入力データとして例えば参照用外部環境情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用外部環境情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、宿泊料の増減率が表示されている。
参照用外部環境情報は、この出力解としての宿泊料の増減率に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用外部環境情報がこの連関度を介して左側に配列し、宿泊料の増減率が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外部環境情報に対して、何れの宿泊料の増減率と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外部環境情報が、いかなる宿泊料の増減率に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外部環境情報から最も確からしい宿泊料の増減率を選択する上での的確性を示すものである。図15の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての宿泊料の増減率と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての宿泊料の増減率と互いに関連度合いが低いことを示している。この参照用外部環境情報は、外部環境単位で区切られていることが前提であり、例えば、参照用外部環境情報P01は、世界的な伝染病の流行発生、参照用外部環境情報P02は、消費者物価指数●●、参照用外部環境情報P03は、台風の発生等であってもよい。
探索装置2は、このような図15に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外部環境情報と、その場合の宿泊料の増減率の何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図15に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用外部環境情報P01である場合に、過去の宿泊料の増減率のデータから分析する。これは、例えば各機関や各宿泊施設において保管されている過去の宿泊料の増減率のデータから抽出するようにしてもよい。参照用外部環境情報P01である場合に、宿泊料の増減率Aの事例が多い場合には、この宿泊料の増減率Aにつながる連関度をより高く設定し、宿泊料の増減率Bの事例が多い場合には、この宿泊料の増減率Bにつながる連関度をより高く設定する。例えば参照用外部環境情報P01の例では、宿泊料の増減率Aと宿泊料の増減率Cにリンクしているが、以前の事例から宿泊料の増減率Aにつながるw13の連関度を7点に、宿泊料の増減率Cにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図15に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図16に示すように、入力データとして参照用外部環境情報が入力され、出力データとして各宿泊料の増減率が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。また、逆に宿泊料の増減率が入力で参照用外部環境情報が出力となるように構成されていてもよい。このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。
このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに宿泊料の増減率の判定を行う上で、上述した学習済みデータを利用して宿泊料の増減率を予測することとなる。かかる場合には、その判別対象の宿泊施設の外部環境に関する外部環境情報を取得する。
新たに取得する外部環境情報は、上述した情報取得部9により入力される。情報取得部9は、このような地域情報を電子データとして取得するよう3にしてもよい。
このようにして新たに取得した外部環境情報に応じた参照用外部環境情報に基づき、最適な宿泊料の増減率を探索する。かかる場合には、取得した外部環境情報からこれに対応する参照用外部環境情報を特定する。
このようにして、新たに取得する外部環境情報から、判定すべき宿泊料の増減率を探索し、ユーザや宿泊施設の運営者に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザ等は、探索された宿泊料の増減率に基づいて、宿泊計画を練ることができ、また宿泊施設の運営者は、宿泊料を検討することができる。ちなみに、この宿泊料の増減率を出力する過程において、単に探索された宿泊料の増減率のみを表示する以外に、この宿泊料の増減率に基づいた具体的な宿泊料そのものを表示するようにしてもよい。かかる場合には、各宿泊施設ごと、あるいはその宿泊施設における各部屋毎の宿泊料金に対して、この増減率に応じた補正をするようにしてもよい。
図17は、上述した参照用外部環境情報と、参照用市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する宿泊料の増減率との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。参照用市況情報は、第1実施形態と同様である。
図17の例では、入力データとして例えば参照用外部環境情報P01〜P03、参照用市況情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用外部環境情報に対して、参照用市況情報が組み合わさったものが、図17に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、宿泊料の増減率が表示されている。
参照用外部環境情報と参照用市況情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、宿泊料の増減率に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用外部環境情報と参照用市況情報がこの連関度を介して左側に配列し、宿泊料の増減率が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用外部環境情報と参照用市況情報に対して、宿泊料の増減率と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用外部環境情報と参照市況情報が、いかなる宿泊料の増減率に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用外部環境情報と参照用市況情報から最も確からしい各宿泊料の増減率を選択する上での的確性を示すものである。外部環境情報に加え、実際の市況がいかなる状態にあるのかに応じて、客足は変化し、宿泊料は変化する。このため、これらの参照用外部環境情報と参照用市況情報の組み合わせで、最適な宿泊料の増減率を探索していくこととなる。
図17の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図17に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用外部環境情報と参照用市況情報、並びにその場合の宿泊料の増減率が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図17に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用外部環境情報P01で、参照用市況情報P20である場合に、その宿泊料の増減率を過去のデータから分析する。例えば中間ノード61aの例では、増減率Aと増減率Bの出力にリンクしているが、以前の事例から増減率Aにつながるw13の連関度を7点に、増減率Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
図17に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用外部環境情報P01に対して、参照用市況情報P18の組み合わせのノードであり、増減率Cの連関度がw15、増減率Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用外部環境情報P02に対して、参照用市況情報P19、P21の組み合わせのノードであり、増減率Bの連関度がw17、増減率Dの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した外部環境情報に加え、市況情報を取得する。この市況情報は、上述した参照用市況情報と同種のデータで構成される。実際に取得する市況情報は、直近の市況情報を入力する。この直近の市況情報は、解探索時から遡った所定の又は任意の期間とされる。
このようにして新たに取得した外部環境情報、市況情報に基づいて、宿泊料の増減率を探索する。かかる場合には、予め取得した図17(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した外部環境情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、新たに取得した外部環境に応じた参照用市況情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、増減率Cがw19、増減率Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い増減率Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる増減率Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
なお、本発明においては、この図17に示す参照用外部環境情報の代替として、宿泊施設が立地する地域における人口推計に関する参照用人口推計情報が参照用外部環境情報の組み合わせで連関度に関連付けられて学習されてなるものであってもよい。
かかる場合には、参照用外部環境情報と、参照用人口推計情報とを有する組み合わせと、宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を予め取得しておく。このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した外部環境情報に加え、増減率を判定する宿泊施設が立地する地域の人口推計に関する人口推計情報を取得する。この人口推計情報は、増減率の探索時点のものを入力するようにしてもよい。
取得する人口推計情報は、上述した参照用人口推計情報に対応するものであり、取得方法も同様である。そして、連関度を参照した上で、新たに取得した外部環境情報と人口推計情報とに基づき、宿泊料の増減率を上述と同様に判定する。
なお、本発明においては、この図17に示す参照用市況情報の代替として、宿泊施設が立地する地域における交通機関に関する参照用交通機関情報が参照用外部環境情報の組み合わせで連関度に関連付けられて学習されてなるものであってもよい。参照用交通機関情報は、上述した第1実施形態と同様である。
かかる場合には、参照用交通機関情報と、参照用外部環境情報とを有する組み合わせと、宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を予め取得しておく。このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した外部環境情報に加え、増減率を判定する宿泊施設が立地する地域の交通機関に関する交通機関情報を取得する。この交通機関情報は、上述した参照用交通機関情報と同種のデータで構成される。実際に取得する交通機関情報は、直近の交通機関情報を入力する。取得する交通機関情報は、上述した参照用交通機関情報に対応するものであり、取得方法も同様である。そして、連関度を参照した上で、新たに取得した外部環境情報と交通機関情報とに基づき、宿泊料の増減率を上述と同様に判定する。
なお第3実施形態においても、宿泊料の増減率を探索解として求める場合に限定されるものではなく、宿泊施設の予約の混雑の可能性を求めるようにしてもよい。宿泊施設の予約が混雑するケースでは宿泊料が上がる傾向となり、宿泊施設の予約が少ない状況では宿泊料が下げる傾向となる。つまり宿泊施設の予約の混雑状況は宿泊料と相関がある。このため、データセットを作る際に宿泊料の増減率の代替として、宿泊施設の予約の混雑状況を学習させる。予約の混雑状況の例としては、大きく分類して非常に混雑、やや混雑、普通、ややすいている、非常にすいている、等で表示してもよいし、1000点満点で点が高くなるほど混雑しているものと判別するためのスコアで表示するようにしてもよい。そしてこれらのスコアは、例えば宿泊施設における過去の予約の埋まり具合等のデータから抽出することで得ることができる。このようなデータセットを通じて学習させることにより、探索解として宿泊料の増減率の代わりに、予約の混雑の可能性を出力することが可能となる。
なお、外部環境情報に加えて、イベント情報、市況情報、人口推計情報、交通機関情報等の何れか2以上を取得する場合には、その取得する2以上の情報に応じた、2以上の参照用情報(参照用イベント情報、参照用市況情報、参照用人口推計情報、参照用交通機関情報等)を参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する増減率との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に解探索を行うことができる。
また、外部環境情報に加えて、イベント情報、市況情報、人口推計情報、交通機関情報等の何れか1以上に加え、更に、他の情報を取得する場合も同様に、その取得する情報に応じた参照用イベント情報、参照用市況情報、参照用人口推計情報、参照用交通機関情報等と、他の取得する情報に応じた参照用情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する増減率との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に解探索を行うことができる。
なお、本実施形態においては、解探索を行う上で第1実施形態において説明した全ての参照用情報との組み合わせで連関度を形成し、探索解としての増減率とのデータセットを通じて学習させておくようにしてもよい。これにより、本実施形態のみならず、第1実施形態において説明した説明変数を組み合わせて解探索を行うことが可能となる。
1 宿泊料の増減率判定システム
2 探索装置
21 内部バス
23 表示部
24 制御部
25 操作部
26 通信部
27 推定部
28 記憶部
61 ノード



Claims (7)

  1. 宿泊施設の宿泊料の増減率を判定する宿泊料の増減率判定プログラムにおいて、
    増減率を判定する宿泊施設が立地する地域に関する地域情報を取得する情報取得ステップと、
    宿泊施設が立地する地域において開催された過去のイベントに関する参照用イベント情報と、上記宿泊施設の宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を参照し、上記情報取得ステップにおいて取得した地域情報に規定される地域のイベントに応じた参照用イベント情報に基づき、上記宿泊施設の宿泊料の増減率を判定する判定ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする宿泊料の増減率判定プログラム。
  2. 宿泊施設の宿泊料の増減率を判定する宿泊料の増減率判定プログラムにおいて、
    増減率の判定をする宿泊施設における外部環境に関する外部環境情報を取得する情報取得ステップと、
    予め取得した宿泊施設の過去の外部環境に関する参照用外部環境情報と、上記宿泊施設の宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を参照し、上記情報取得ステップにおいて取得した外部環境情報に応じた参照用イベント情報に基づき、上記宿泊施設の宿泊料の増減率を判定する判定ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする宿泊料の増減率判定プログラム。
  3. 上記情報取得ステップでは、最近の市況が時系列的に示された市況情報を取得し、
    上記判定ステップでは、上記参照用イベント情報と、過去の市況が時系列的に示された参照用市況情報とを有する組み合わせと、上記宿泊施設の宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を参照し、上記情報取得ステップにおいて取得した市況情報に応じた参照用市況情報に基づき、上記宿泊施設の宿泊料の増減率を判定すること
    を特徴とする請求項1記載の宿泊料の増減率判定プログラム。
  4. 上記情報取得ステップでは、最近の市況が時系列的に示された市況情報を取得し、
    上記判定ステップでは、上記参照用外部環境情報と、過去の市況が時系列的に示された参照用市況情報とを有する組み合わせと、上記宿泊施設の宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を参照し、上記情報取得ステップにおいて取得した市況情報に応じた参照用市況情報に基づき、上記宿泊施設の宿泊料の増減率を判定すること
    を特徴とする請求項2記載の宿泊料の増減率判定プログラム。
  5. 上記情報取得ステップでは、増減率を判定する宿泊施設が立地する地域の人口推計に関する人口推計情報を取得し、
    上記判定ステップでは、上記参照用イベント情報と、上記宿泊施設が立地する地域における人口推計に関する参照用人口推計情報とを有する組み合わせと、上記宿泊施設の宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を参照し、上記情報取得ステップにおいて取得した人口推計情報に基づき、上記宿泊施設の宿泊料の増減率を判定すること
    を特徴とする請求項1記載の宿泊料の増減率判定プログラム。
  6. 上記情報取得ステップでは、増減率を判定する宿泊施設が立地する地域の交通機関に関する交通機関情報を取得し、
    上記判定ステップでは、上記参照用イベント情報と、上記宿泊施設が立地する地域における交通機関に関する参照用交通機関情報とを有する組み合わせと、上記宿泊施設の宿泊料の増減率との3段階以上の連関度を参照し、上記情報取得ステップにおいて取得した交通機関情報に基づき、上記宿泊施設の宿泊料の増減率を判定すること
    を特徴とする請求項1記載の宿泊料の増減率判定プログラム。
  7. 上記判定ステップでは、人工知能におけるニューラルネットワークのノードの各出力の重み付け係数に対応する上記連関度を利用すること
    を特徴とする請求項1〜6のうち何れか1項記載の宿泊料の増減率判定プログラム。
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