JP2021173148A - 仮設作業台およびこれを用いた止水材ユニットの設置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊間内への作業を行うときに用いる新しい仮設作業台およびこれを用いた止水材ユニットの設置方法を提供する。【解決手段】柔軟性を有するチューブ本体20と、チューブ本体内に挿入されるワイヤ30と、チューブ本体20の一方の端部から挿入される硬質パイプ40とを有する仮設作業台10。チューブ本体20は、両端が封止部21によって塞がれており、ワイヤ30および硬質パイプ40は、封止部21を貫通するチューブ本体20内に気密に挿入されている。【選択図】図2

Description

本発明は、橋梁の遊間に止水材の設置等の作業を行うときに用いられる仮設作業台およびこれを用いた止水材ユニット設置方法に関する。
橋梁には、橋桁、床版等の構造体間に遊間が設けられており、各構造体の温度変化に伴う各構造体の長さの季節変動や、地震等で地盤が動いても、構造体同士の衝突または接触による損傷を回避すべく遊間が設けられている。この遊間は、構造体が変形することによる各構造体の移動量を吸収する。このような遊間には排水樋や止水材を設けるのが一般的であり、雨水等が遊間を経由して橋上部構造体を支える橋台・橋脚に伝わることを防止している。そして、雨水等による腐食に伴う橋台・橋脚等の劣化を抑制して、橋梁の長寿命化を図るようにしている。このような遊間において、遊間としての機能を損なわないように弾性を有する止水材が設けられている場合がある。近年では既設橋梁をいかに長寿命化させるかが社会的な課題となっており、既設橋梁の遊間に止水構造を施工したり、既存橋梁に設けられている止水構造を新しく補修したり、遊間を止水する保全工事も盛んになりつつある。
特許文献1には、バックアップ用密閉チューブ(保持材)を遊間内に設置し、その上方に設けられた固化性液状弾性シール材を充填し、硬化させる方法が開示されている。特許文献1では、バックアップ用密閉チューブを、櫛形伸縮継手の歯形間隙(遊間の上方の開口)を通して遊間内へ挿入する遊間の止水材ユニットが開示されている。
特許文献2には、上側に網目を有するホースを用い、その上側でホースを支持し遊間に引き込むためのワイヤが張設され、ホースを遊間内に引き込んで、配置させ、ホース内部に発泡材料を注入して、発泡材料がホースの網目領域からホース上側、側方に膨張せしめるようにして、硬化させることで、止水材ユニットと成す方法が開示されている。
特許文献3には、橋梁の長寿命化を行う目的として、遊間に断面U字状の弾性の止水樋を設置する方法が開示されている。この方法によれば、遊間内に止水樋を引き込むととともに、樋の内側にゴム袋(チューブ)を引き込み、膨張させ、止水樋の側壁を遊間の両壁面に押し付けて、止水樋を仮固定する。この状態を保ちながら、弾性樋の側方に設けたリブ間に止水用の接着剤を流し込む。その後、止水樋が固定された後、ゴム袋(チューブ)を抜き取って除去する。
特開平1−214604号公報 特開2009−197578号公報 特開2019−105128号公報
しかし、特許文献1には単に橋梁遊間の止水材ユニットが開示されているに過ぎない。
特許文献2に開示の止水材ユニットの敷設方法では、網目を有するホースをワイヤに吊るして支持させながら遊間に引き込み、止水材ユニットの位置決めを行っている。そして、一旦位置決めがなされると、発泡剤の発泡具合に依存する形で、止水材ユニットが固定される。特に幅員が10メートルを超えるような橋梁の場合、止水材ユニットの自重による垂れが起きないようにする手段や、止水材ユニットの取り付け位置の微調整を行う手段までが考慮されているものではなかった。
特許文献3の止水樋を遊間に固定するゴム袋(チューブ)は、チューブを膨張させて、断面U字状の止水樋の側方に設けたリブ間に流し込んだ接着剤が硬化するまでの間膨らませておき、樋側方を遊間端面に押し付ける機能があるだけのもので、上述のような止水材ユニットの自重による垂れへの対策や、止水材ユニットの取り付け位置の微調整のまでは全く考慮されているものではない。
本発明は、このような事情を鑑みて研究、開発されたものであり、遊間内への作業を行うときに用いる新しい仮設作業台を提供することを目的としている。
本発明の仮設作業台は、橋梁の遊間内に止水材ユニットを敷設する際、この止水材ユニットが遊間に固定されるまで一時的に下支えするための仮設作業台であって、柔軟性を有するチューブ本体と、前記チューブ本体内に気密に挿通される懸架用ワイヤと内部に前記チューブ本体を膨らませるための空気注入部とを有し、前記チューブ本体の両端は、封止部によって塞がれており、前記封止部は、前記ワイヤを気密に挿通する孔部を備えていることを特徴としている。
本発明の仮設作業台であって、前記空気注入部から空気を注入する前、前記チューブ本体の断面形状が扁平な形状であり、前記チューブ本体の幅が前記遊間の幅より小さく設定されているものが好ましい。
本発明の仮設作業台であって、前記空気注入部は、前記封止部に気密に貫通された硬質パイプまたは耐圧性能を有するチューブであるものが好ましい。
本発明の仮設作業台であって、前記空気注入部は、前記チューブ本体の内圧を調節するための弁機構を備えているものが好ましい。
本発明の仮設作業台であって、前記懸架用ワイヤは、撚線ワイヤに被覆処理をして外周を平滑化したものであるものが好ましい。
本発明の仮設作業台であって、前記チューブ本体の下端に補正シートが添着され、前記補正シートは、緊張させることで前記チューブ本体の撓みを修正するための補正ワイヤを備えているものが好ましい。
このような補正シートを有する本発明の仮設作業台であって、前記補正シートには、補正ワイヤが通される孔部が間歇的に設けられており、補正シートに対する補正ワイヤの軌跡が下方に突出した湾曲形状または円弧形状としているものが好ましい。そして、前記チューブ本体が挿入される柔軟な筒状の長尺体を有し、前記補正シートは前記長尺体を介してチューブ本体に添着され、前記長尺体の両端は、第2封止部によって塞がれており、前記第2封止部は、前記ワイヤを挿通する第2孔部を備えているものが好ましい。
本発明の止水材ユニットを敷設する方法は、本発明の仮設作業台を用いて遊間に止水材ユニットを敷設する方法であって、前記止水材ユニットの一部あるいは全部を遊間に引き込む工程と、前記止水材ユニットより下側に前記仮設作業台のチューブ本体を遊間内へ挿入する工程と、前記懸架用ワイヤを緊張させて前記チューブ本体の位置決めをする工程と、前記チューブ本体内に空気を注入し、前記チューブ本体を膨張させ、前記遊間の幅を構成する両壁面の間に前記チューブ本体を挟持させることにより前記仮設作業台を設置する工程と、前記止水材ユニットを前記仮設作業台の上に載置させる工程を有することを特徴としている。
本発明の止水材ユニットを敷設する方法の第2の態様は、本発明の仮設作業台を用いて遊間に止水材ユニットを敷設する方法であって、前記チューブ本体を前記遊間内に挿入する工程と、前記懸架用ワイヤを緊張させて前記チューブ本体の位置決めをする工程と、前記チューブ本体内に空気を注入し、前記チューブ本体を膨張させ、前記遊間の幅を構成する両壁面の間に前記チューブ本体を挟持させることにより前記仮設作業台を設置する工程と、前記仮設作業台の上に止水材ユニットを載置する工程とを有することを特徴としている。
本発明の止水材ユニットを敷設する方法のいずれかの態様であって、前記仮設作業台を遊間に仮設する最終工程として、前記仮設作業台に備えられている補正ワイヤを緊張させて、前記仮設作業台の位置補正を行う工程を有するものが好ましい。
本発明の仮設作業台の第2の態様であって、橋梁の遊間内に止水材ユニットを敷設する際、この止水材ユニットが遊間に固定されるまで一時的に下支えするための仮設作業台であって、柔軟性を有する長尺体と、前記長尺体の下端に添着される補正シートと、緊張させることで前記チューブ本体の撓みを修正するため、前記長尺体に沿って補正シートに固定される補正ワイヤとを有し、前記補正シートに固定される補正ワイヤの軌跡は、前記補正ワイヤの先端部分および基端部分が、補正ワイヤの中央部分より上方に位置することを特徴としている。
このような仮設作業台であって、前記補正シートに固定される前記補正ワイヤの軌跡が、下方に突出した湾曲形状または円弧形状であるものが好ましい。
本発明の仮設作業台の第1の態様では、チューブ本体(仮設作業台)を遊間に引き込み、チューブ本体に空気を注入し、膨張させることで、止水材ユニットを下支えするものである。また両端が封止されたチューブ本体内に懸架ワイヤ備えており、懸架ワイヤを水平に緊張させて止水材ユニットを実質的に水平に設置できる。その上、雨水の排水方向を所定方向にするため、本件仮設作業台を遊間に設置する際、橋梁遊間幅員方向に対し懸架ワイヤに角度を設けて緊張させることで、最終的に止水材ユニットを橋梁幅員方向に対し角度を設けるようにすることもできる。
本発明の仮設作業台の第2の態様は、予め撓む量を補正シートに固定される補正ワイヤの軌跡に反映させているため、補正ワイヤを緊張させることによって、長尺体を実質的に水平にして、雨水の滞留を引き起こさず、速やかな排水ができるように、止水材ユニットを設置することができる。
本発明のいずれの仮設作業台も止水材ユニットの敷設を行うために、繰り返し使用することが可能である。
橋梁の遊間に設置される止水構造の一例を示す正面断面図である。 図2a、bはそれぞれ本発明の仮設作業台の実施形態を示す側面図、X−X線断面図であり、図2cは懸架用ワイヤの断面図であり、図2dは弁機構を備えた仮設作業台の一部側面図である。 図3aは図2の仮設作業台の設置方法を示す工程図であり、図3b、図3cはそれぞれ本発明の止水構造の敷設方法の第1の態様および第2の態様を示す工程図である。 図4aは図2の仮設作業台を遊間内に導いている状態を示す概略図であり、図4bは図2の仮設作業台の懸架用ワイヤを緊張させている状態を示す概略図である。 図5aは本発明の仮設作業台の第2の実施形態を示す側面図であり、図5bは止水構造の他の例を示す側面断面図である。 図6aは、本発明の仮設作業台の第3の実施形態の左半分を示す側面図であり、図6b、cはそれぞれY1−Y1線断面図、Y2−Y2線断面図である。 図7aは図6aの仮設作業台の設置方法を示す工程図であり、図7bは図5aの仮設作業台を遊間Pに挿入した直後の撓んだ状態を示す概略図であり、図7cは図6aの仮設作業台の懸架用ワイヤを強く緊張させて、補正シートの上縁を中央が高い湾曲形状にした状態を示す概略図である。 図8a、図8bはそれぞれ本発明の仮設作業台の第4、5の実施形態を示す断面図であり、図8c、dは本発明の仮設作業台の第6の実施形態を示す断面図、一部側面図である。
初めに、橋梁の遊間に設けられる止水構造について説明する。遊間Pは、橋の幅方向に延びる細長い溝状の隙間である。
止水構造(止水材ユニット)1は、図1に示すように、橋梁の床版Fと床版Fとの間の遊間Pに設けられるものであって、保持材2と、その保持材2の上に設けられる止水材3とを有する。図1において、符号10が、仮設作業台となる。つまり、仮設作業台10は、橋梁の遊間に止水構造1を設置するときに用いられるものであって、止水構造1を形成する前に設置し、止水構造1を形成した後は撤去する。
仮設作業台10は、図2aに示すように、柔軟性を有するチューブ本体20と、チューブ本体内に挿入される懸架用ワイヤ30とを有する。また仮設作業台10はチューブ本体20の一方の端部から挿入される硬質パイプ40を有する。さらにチューブ本体20の他方の端部にはフック50が設けられている。
チューブ本体20は、両端に封止部21を有する。後述する懸架用ワイヤ30および硬質パイプ40は、この封止部21を貫通してチューブ本体20内に挿入される。チューブ本体20の断面形状は、鉛直方向に長径が延びる扁平な楕円となっている(図2b参照)。そして、チューブ本体20の短径は、遊間Pの幅より小さくなっている。断面形状を楕円とすることにより、チューブ本体20の両端の封止部21における懸架用ワイヤ30の高さ位置を合わせやすい。また後述するように、減圧減容する際、ねじれることなく短径方向に収縮させることができる。しかし、チューブ本体20の断面形状は特に限定されず、例えば、円形であったり、多角形であってもよい。
ここで柔軟性とは、内部を減圧したり、外力を加える等の圧力を加えることにより収縮変形でき、加圧等により回復できるまたはさらに膨張させることができるものをいう。チューブ本体20は、柔軟性があれば、特に限定されない。しかし、弾性を有するものが好ましい。例えば、合成樹脂製のチューブ、ゴム製のチューブが挙げられ、特に、ゴム製のチューブが好ましい。
封止部21は、チューブ本体20の端部を閉じる栓体21aと、栓体21aとチューブ本体20とを固定するバンド21bとから構成されている。一方の栓体21aは、図2bに示すように、懸架用ワイヤ30を通すワイヤ孔25と、硬質パイプ40を通すパイプ孔26とが形成されている。他方の栓体21aはワイヤ孔25と、フック孔(図示せず)が形成されている。いずれの孔も気密に対象物を挿通する。栓体21aはチューブ本体20と実質的に同じ断面形状を有し、楕円である。楕円とすることにより、チューブ本体20に取り付けたとき、ワイヤ孔25の高さ位置が同じとなる。栓体21aの材料としては、例えば、ナイロン等の合成樹脂等が挙げられる。バンド21bとしては、一般的に市販されている結束バンドなどが用いられる。
この実施形態では、チューブ本体20の端部を栓体21aで閉じてバンド21bで固定しているが、チューブ本体20の端部を気密に閉じることができれば、特に限定されるものではない。例えば、栓体21aを接着剤で固定してもよく、チューブ本体20を覆うキャップや、チューブ本体20の端部を縛るなどしてもよい。チューブ本体20の端部を縛る場合、懸架用ワイヤ30を通して縛ることになる。その場合、絞った端部が、懸架用ワイヤ30を通す孔部となる。
懸架用ワイヤ30は、図2aに示すように、両端がチューブ本体20の外部となるように、チューブ本体20内に挿入される。つまり、懸架用ワイヤ30の両端は、チューブ本体20の外部に位置する。懸架用ワイヤ30は、図2cに示すように、ワイヤ本体31と、その外周を覆う被覆層32とを有する。懸架用ワイヤ30は、チューブ本体20の封止部21に気密に固定されている。このように固定することにより、後述するように懸架用ワイヤ30を緊張させたとき、チューブ本体20もそれに追従して延びるため、チューブ本体20の撓み量を一層減少させることができる。
ワイヤ本体31は、複数の金属線を撚った撚線ワイヤからなる。このように撚線ワイヤとすることにより、引張強度を高くできる。なお、撚線ワイヤは、金属線の数を大きくすることにより引張強度を高くできるが、金属線の数が多すぎると重くなりすぎ、ワイヤ本体31を緊張させてもワイヤ本体31の自重による撓みが大きくなる。そのため、撚線ワイヤの種類は、上記を鑑みて選択する。例えば、直径が0.2mmの炭素鋼製の素線を7本用いた6×7ストランドの撚線ワイヤが挙げられる。
被覆層32は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、塩化ビニル等の合成樹脂が挙げられ、特に、塩化ビニルが好ましく挙げられる。
撚線ワイヤからなるワイヤ本体31は、金属線と平行に隣接した金属線同士の隙間によって形成される線状の隙間を有する。そのため、ワイヤ本体31を直接栓体21aに挿入する場合、ワイヤ本体31とワイヤ孔25の内縁との間を密に閉じることはできない。つまり、被覆層32は、懸架用ワイヤ30とワイヤ孔25の内縁との間を密に閉じる効果を奏する。なお、被覆層32とワイヤ孔25との間にはホットメルト等の充填剤を充填するのが好ましい。
なお、懸架用ワイヤ30として、撚線ワイヤからなるワイヤ本体31と被覆層32とからなるものを挙げたが、特に限定されるものではない。例えば、ワイヤ本体は1本の金属線からなっていてもよく、懸架用ワイヤ30自体が1本の金属線からなっていてもよい。
硬質パイプ40は、チューブ本体20を膨らますために空気をチューブ本体20内に注入するための空気注入部である。硬質パイプ40は、一端がチューブ本体20の内部に位置し、他端がチューブ本体20の外部に位置する。そして、チューブ本体20の一方の封止部21のパイプ用孔26に挿入して配置される。硬質パイプ40は、この他端に、例えば、エアコンプレッサー(図示せず)を取り付け、チューブ本体20の内部に空気を送り込むためのものである。その材質は、特に限定されるものではないが、例えば、塩化ビニルやポリウレタンなどの合成樹脂や金属が挙げられる。なお、実施形態では、硬質パイプを挙げているが、空気注入部としては、チューブ本体20を膨らますために空気を注入できる程度に耐圧性能を有するものであれば、特に限定されるものではない。また、図2dに示すように、硬質パイプ40とエアコンプレッサーとの間にチューブ本体の内圧を調節するための弁機構41を設けるのが好ましい。
フック50は、他方の封止部21のフック孔(図示せず)に挿入して固定される。これは、遊間P内に仮設作業台10を挿入するときに用いるものである。例えば、図4aに示すように、フック50にワイヤ51を引っかけて、引っ張ることにより遊間P内に挿入する。フック50は、チューブ本体20を遊間P内に導くものであり、なくてもよい。
次に、仮設作業台10の設置方法について説明する。
仮設作業台10の設置方法は、図3aに示すように、チューブ本体20を遊間P内に挿入する工程(S1)と、懸架用ワイヤ30を緊張させる工程(S2)と、チューブ本体20を遊間P内で固定する工程(S3)とを有する。
チューブ本体20の挿入(工程S1)は、チューブ本体20を遊間P内に挿入する。チューブ本体20は扁平な楕円形状であり、その短径が遊間Pの幅より小さいため、挿入が簡単である。チューブ本体20は、特に限定されないが、遊間の一方の端面から他方の端面へと導くように挿入してもよく、遊間の上方から下方に挿入してもよく、遊間の下方が解放されている場合は遊間の下方から挿入し、所定の高さまで持ち上げてもよい。遊間の一方の端面から他方の端面へと導く場合、図4aに示すように、フック50に遊間の全長に挿入したガイド用のワイヤ51を取り付け、そのガイド用のワイヤを引くことにより、チューブ本体20を遊間P内に挿入できる。
なお、チューブ本体20の幅が遊間Pの幅より大きい場合は、チューブ本体20を収縮させて遊間P内に挿入してもよい。そのチューブ本体20の収縮方法は、特に限定されないが、例えば、作業員によって手で収縮させたり、硬質パイプ40よりチューブ本体20の内部を減圧することにより収縮させてもよい。
懸架用ワイヤ30の緊張(工程S2)は、懸架用ワイヤ30の両端を引っ張ることにより行う。例えば、懸架用ワイヤ30の端部を、図4bに示すように、遊間Pの両端に遊間Pの相対する床版Fの側面をまたがるように設けられた固定滑車56を介してアイボルト57に固定し、固定滑車56とアイボルト57との間に設けられるターンバックル58で懸架用ワイヤ30を緊張させることができる。また懸架用ワイヤ30の一端を上述したように固定し、懸架用ワイヤ30の他端を例えばパワーウインチなどで引っ張ってもよい。
このように懸架用ワイヤ30の両端を同じ高さ位置から引っ張ることにより、懸架用ワイヤ30を実質的に水平に緊張させることができる。また懸架用ワイヤ30は封止部21に実質的に固定されているため、チューブ本体20も懸架用ワイヤ30と共に緊張される。またたとえ、懸架用ワイヤ30が封止部21のワイヤ孔25を滑ったとしても、懸架用ワイヤ30はチューブ本体20の内部の上方に位置するため、チューブ本体20の内部の上面が懸架用ワイヤ30に支持される。よって、チューブ本体20も実質的に水平に設置することができる。
遊間P内でのチューブ本体20の固定(工程S3)は、チューブ本体20を膨張させることにより行う。詳しくは、硬質パイプ40にエアコンプレッサー(図示せず)を取り付け、チューブ本体20の内部に空気を送り込むことにより、チューブ本体20を膨張させ、遊間P内で保持させる(図1参照)。チューブ本体20を膨張させて遊間P内に固定した後は、懸架用ワイヤ30の緊張を継続させてもよく、緩めてもよい。しかし、止水構造1の施工が終了するまで継続させるのが好ましい。このようにチューブ本体20と遊間Pとの摩擦力が加わるため、止水構造1の作業において、保持材2が上方に置かれてもずれにくくなる。
このように仮設作業台10は、遊間P内において全長に水平に近い状態で設置することができる。そのため、それ以降の保持材2の設置も水平にでき、止水材3も水平に充填することができる。
なお、仮設作業台10では、空気注入部として硬質パイプ40を設けているが、図5aの第2の実施形態の仮設作業台10Aのように、硬質パイプ40を設けなくてもよい。その場合、現場において、注射型のエア注入器45等で、封止部21を貫通させて空気を注入し、その貫通孔をテープ等で塞いでもよい。また空気注入部は、両端の封止部21ではなくチューブ本体20自体に設けるようにしてもよい。例えば、チューブ本体20に注入器45を貫通させ、空気を注入し、その貫通孔をテープ等で塞いでもよい。
また上記の実施形態では、仮設作業台10を水平に設けていたが、図5bに示すように、若干傾斜させてもよい。その場合、止水構造1も傾斜させることになる。この場合、遊間Pの端部に樋46等を設けることにより、遊間Pに流れてきた水等を止水構造1で受けて遊間Pの端部に導いて排水することができる。
次に、仮設作業台10を用いた止水構造の敷設方法の第1の態様について説明する。
止水構造(止水材ユニット)の敷設方法は、図3bに示すように、仮設作業台10を設置する工程(S101)と、仮設作業台の上に止水構造(止水材ユニット)1を設ける工程(S102)とを有する。仮設作業台10の設置方法(S101)は、図3aにの工程に従って設置する。
止水構造を設ける工程(S102)は、遊間内であって仮設作業台10の上に、止水構造を設ける。例えば、図1のような止水構造1を敷設する場合、遊間内であって仮設作業台10の上に、保持材用のチューブ材料を、例えば、減圧減容させるなど収縮させながら挿入し、その後、そのチューブ材料を拡張させて遊間内に固定して保持材2を形成し、その保持材2の上に、流動性を有する反応型の樹脂または樹脂組成物(例えば、ポリウレタン系の2液反応硬化型の樹脂または樹脂組成物)を充填し、硬化させることにより行う。しかし、止水構造の構造については、特に限定されるものではない。
止水構造(止水材ユニット)の敷設方法の第2の態様は、図3cに示すように、止水材ユニットの保持材2を遊間に仮固定する工程(S201)と、その下方に仮設作業台10を設置する工程(S202)と、前記止水材ユニットを前記仮設作業台の上に載置させる工程(S203)を有する。仮設作業台10の設置方法(S202)は、図3aの工程に従って設置する。
止水材ユニットの保持材2を遊間に仮固定する工程(S201)は、例えば、図1の止水構造1を敷設する場合、幅が遊間幅より小さい弾性を有する保持材用のチューブ材料を遊間内に引き込み、内部に空気を注入して拡張させて遊間内に挟持させて仮固定する。
止水材ユニットを仮設作業台10の上に載置させる工程(S203)は、仮固定した保持材用チューブ材料の内部を大気と連通させて収縮させ、その収縮させたチューブ材料を下降させて、仮設作業台10の上に載置する。その後、保持材用チューブ材料の内部に再度空気を注入して拡張させて保持材2として固定する。その後、固定した保持材2の上に止水材1を設ける。
ここでは、止水材ユニットの一部として、保持材用チューブ材料を予め遊間に引き込んだが、保持材2および止水材1からなる止水材ユニットの全部を予め引き込んで仮固定し、その上方に仮設作業台を設置後、そのすべてを下降させて載置させてもよい。
第3の実施形態である仮設作業台100は、図6aに示すように、柔軟性を有するチューブ本体110と、そのチューブ本体110に沿って、チューブ本体110の下面に上辺が固定される補正シート120と、そのチューブ本体110に沿って、補正シート120に固定される補正ワイヤ130とを備えている。なお、図6aは、左側の半分を表すものである。
チューブ本体110は、図1の仮設作業台10の懸架用ワイヤ30を有さないチューブ本体20と実質的に同じである。なお、チューブ本体110は、両端が封止部によって塞がれていても、塞がれていなくてもよい。また、硬質パイプ40を備えていても、備えていなくてもよい。つまり、チューブ本体110としては、柔軟性のある長尺体であれば、特に限定されない。例えば、断面が円形または多角形の中実体などが挙げられる。
補正シート120は、長さが実質的に遊間Pと同じであり、まっすぐな上辺125(上縁)を有し、所定の高さを有する帯状のものである。しかし、その形状は、チューブ本体110の下面と固定できるものあれば、特に限定されない。補正シート120とチューブ本体110とは、例えば、接着剤等で固定される。
補正シート120には、補正ワイヤ130が固定される軌跡に、所定の間隔で貫通孔121が形成されている。補正ワイヤ130が固定される軌跡は、補正シートの長さ方向において軌跡の両端部分の高さ位置が、軌跡の中央部分の高さ位置より上方にある。具体的には、両端部分から中央部分に向かって連続的に低くなっているのが好ましい。例えば、軌跡の全体形状としては、下方に突出した円弧形状または湾曲形状が好ましい。特に、補正ワイヤ130を所定の張力で引っ張ったときの補正ワイヤの形状とするのが好ましい。このような軌跡とすることにより、補正シートの上辺125と、軌跡との鉛直方向の距離Tは、軌跡の中央部分に向かって大きくなる。
補正シート120は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、塩化ビニル等の合成樹脂が挙げられ、特に、ポリプロピレンが好ましく挙げられる。
補正ワイヤ130は、金属線や複数の金属線からなる撚線ワイヤであってもよく、特に限定されない。
この補正ワイヤ130を補正シート120の貫通孔121に通して、補正ワイヤ130を補正シート120に縫うように固定する(図6b、図6c参照)。つまり、補正ワイヤ130を、軌跡上に設けられた補正シート120の貫通孔121に順番に通すことにより、補正ワイヤ130が補正シート120の表裏に交互に表れる。
このように仮設作業台100は構成されているため、仮設作業台100を遊間の全長に設置し、補正ワイヤ130を緊張させたときの補正ワイヤ130の実際の形状が、補正シート120に固定された補正ワイヤ130の軌跡と同じようになることにより、補正シート120の上辺125は水平になる。つまり、補正ワイヤ130を緊張させたとき、厳密に水平にならなくても、補正シート120の上辺(上縁)125を水平にすることができる。例えば、図7bのような状態から、図6aのような状態となる。
なお、予め所定の張力における補正ワイヤ130の撓んだ形状を測定し、その形状を補正シート120に固定する補正ワイヤ130の軌跡としてもよい。この場合、仮設作業台100を遊間P内に挿入し、所定の張力となるまで補正ワイヤ130を引っ張ることにより、実質的に補正シート120の上辺125を水平にできる。
この仮設作業台100の設置方法は、図7aに示すように、チューブ本体110および補正シート120を遊間P内に挿入する工程(S1A)と、補正ワイヤ130を緊張させる工程(S2A)とを有する。
工程S1Aは、チューブ本体110および補正シート120を遊間P内に挿入する。その挿入方法は、特に限定されないが、例えば、図4aに示すような方法が挙げられる。このとき、図7bに示すように、チューブ本体110および補正シート120は中央が窪んだように撓んでいる。
工程S2Aは、補正ワイヤ130の両端を所定の張力まで引っ張る。その緊張方法は、特に限定されないが、例えば、図4bのような方法が挙げられる。補正ワイヤ130の張力は、予め補正シート120に固定される補正ワイヤ130の軌跡に応じて適宜決定される。これにより、図7bのような状態の仮設作業台100は、図6aのように変形する。
このように仮設作業台100は、補正ワイヤを厳密に水平にしなくても、チューブ本体110(長尺体)を実質的に水平に保持できる。
なお、図7cに示すように、仮設作業台100は、補正ワイヤ130を強く緊張させて補正シート120の上辺(上縁)125を中央が高い湾曲形状にさせてもよい。この場合、その上に設けられる止水構造1も遊間Pの長手方向において、中央が高い湾曲形状となる。これにより、遊間Pの端部の外側に樋126等を設けることにより、遊間Pに流れてくる水を止水構造1で受けて、遊間Pの端部に導いて排水することができる。
この仮設作業台100の設置方法を用いて、図3b、図3cの方法に従って止水構造を敷設することも可能である。
補正シートを用いた仮設作業台の他の実施形態について説明する。
次に、図8aの仮設作業台100Aは、図6の仮設作業台100のチューブ本体110を、図2の仮設作業台10としたものである。つまり、両端が封止部21によって塞がれたチューブ本体20に懸架用ワイヤ30を挿入させたものである。このように構成されているため、補正ワイヤ130および懸架用ワイヤ30を緊張させて仮設作業台を設置する。この仮設作業台100Aは、懸架用ワイヤ30および補正ワイヤ130の両方の効果を奏するため、一層仮設作業台を水平に設置することができる。なお、図6のチューブ本体110を図5aのように硬質パイプ40を備えていない仮設作業台10Aに代えてもよい。さらに、図8bの仮設作業台100Bのように図8aのチューブ本体20の断面形状を円形としてもよい。
さらに、図8c、図8dの仮設作業台100Cは、柔軟性を有するチューブ本体110の内部に図2の仮設作業台10を挿入したものである。チューブ本体110の端部には、第2封止部115が設けられている。第2封止部115は、例えば、第2栓体115aと、バンド115bとからなる。第2封止部115には、懸架用ワイヤ30を通す第2孔部116aおよび硬質パイプ40を通す第2パイプ孔116bが形成されている。なお、チューブ本体20の封止部21と、第2封止部115とを一体にしてもよい。
[実施例1]
チューブ本体20として、内径が18mm、厚みが2mm、長さが11.6mのゴムチューブを準備し、栓体21aとして合成樹脂製のプラグを準備し、バンド21bとして結束バンドを準備した。懸架用ワイヤ30として、外径が3mmのステンレス製ワイヤ(被覆無し懸架用ワイヤ30)を準備した。硬質パイプ40として、内径が4mmのポリウレタン製チューブを準備した。これらの総重量は、2.2kgであった。これらから図2aの仮設作業台10(実施例1)を遊間P内に組み立てた。
[実施例2]
チューブ本体20として、内径が18mm、厚みが1mm、長さが11.6mのゴムチューブを準備し、栓体21aとして合成樹脂製のプラグを準備し、バンド21bとして結束バンドを準備した。懸架用ワイヤ30として、外径が0.2mmの炭素鋼製の素線からなる6×7ストランドの撚線ワイヤ(ワイヤ本体31)に塩化ビニル製の被覆層32を設けたものを準備した。硬質パイプ40として、内径が4mmのポリウレタン製チューブを準備した。これらの総重量は、1.4kgであった。これらから図2aの仮設作業台10(実施例2)を遊間P内に組み立てた。なお、懸架用ワイヤ30と封止部21との隙間には、ホットメルト材を充填して密閉した。
[実施例3]
内径が18mm、厚みが2mm、長さが11.6mのゴムチューブ本体20内に、外径が3mmのステンレス製ワイヤ(懸架用ワイヤ30)を通したものを準備した。補正シート120として、長さが12000mm、高さが150mm、厚さが0.3mmのポリプロピレンシートを準備した。補正ワイヤ130として、外径が2mm、長さが12750mmのステンレス製ワイヤを準備した。これらから図8bの仮設作業台100B(実施例3)を遊間P内に組み立てた。なお、補正シート120には、表1に示すような位置に貫通孔121を設け、補正ワイヤ130を固定した。
Figure 2021173148
幅が30mm、長さが12200mmの遊間P内に各実施例1〜3を挿入し、遊間Pの長さ1m毎の撓み量を測定した。その結果を表2に示す。また実施例2の仮設作業台10を設置し、その上に保持材2を設置したときの撓み量(mm)を測定した(実施例2−1)。
Figure 2021173148
本発明の仮設作業台を用いることにより、12mの長さの遊間Pにおいて、最大撓み量5cm前後に抑えることができた。特に、実施例3では、最大撓み量を2cm以下とすることができた。また実施例2に保持材2を配置させても最大撓み量は5cm前後とあまり変わらないことがわかった。
このように本発明の仮設作業台を用いることにより、遊間P内に止水構造の保持材2を水平に設けることができ、止水材を均一な厚みで施工できることがわかった。
1 止水構造
2 保持材
3 止水材
10、10A 仮設作業台
20 チューブ本体
21 封止部
21a 栓体
21b バンド
25 ワイヤ孔
26 パイプ孔
30 懸架用ワイヤ
31 ワイヤ本体
32 被覆層
40 硬質パイプ
41 弁機構
45 エア注入器
46 樋
50 フック
51 ワイヤ
56 固定滑車
57 アイボルト
58 ターンバックル
100、100A、100B、100C 仮設作業台
110 チューブ本体
115 第2封止部
115a 第2栓体
115b バンド
116a 第2孔部
116b 第2パイプ孔
120 補正シート
121 貫通孔
125 補正シートの上辺(上縁)
126 樋
130 補正ワイヤ
F 床版
P 遊間
橋梁には、橋桁、床版等の構造体間に遊間が設けられており、各構造体の温度変化に伴う各構造体の長さの季節変動や、地震等で地盤が動いても、構造体同士の衝突または接触による損傷を回避すべく遊間が設けられている。この遊間は、車が走行する橋軸方向に隣り合う構造体の間に設けられ、橋軸直角方向に延びる細長い隙間であり、構造体が変形することによる各構造体の移動量を吸収する。このような遊間には排水樋や止水材を設けるのが一般的であり、雨水等が遊間を経由して橋上部構造体を支える橋台・橋脚に伝わることを防止している。そして、雨水等による腐食に伴う橋台・橋脚等の劣化を抑制して、橋梁の長寿命化を図るようにしている。このような遊間において、遊間としての機能を損なわないように弾性を有する止水材が設けられている場合がある。近年では既設橋梁をいかに長寿命化させるかが社会的な課題となっており、既設橋梁の遊間に止水構造を施工したり、既存橋梁に設けられている止水構造を新しく補修したり、遊間を止水する保全工事も盛んになりつつある。
本発明の仮設作業台の第1の態様では、チューブ本体(仮設作業台)を遊間に引き込み、チューブ本体に空気を注入し、膨張させることで、止水材ユニットを下支えするものである。また両端が封止されたチューブ本体内に懸架ワイヤ備えており、懸架ワイヤを水平に緊張させて止水材ユニットを実質的に水平に設置できる。その上、雨水の排水方向を所定方向にするため、本件仮設作業台を遊間に設置する際、水平に対し懸架ワイヤに角度を設けて緊張させることで、最終的に止水材ユニットを水平に対し角度を設けるようにすることもできる。
本発明の仮設作業台の第2の態様は、予め撓む量を補正シートに固定される補正ワイヤの軌跡に反映させているため、補正ワイヤを緊張させることによって、長尺体を実質的に水平にして、雨水の滞留を引き起こさず、速やかな排水ができるように、止水材ユニットを設置することができる。
本発明のいずれの仮設作業台も止水材ユニットの敷設を行うために、繰り返し使用することが可能である。
初めに、橋梁の遊間に設けられる止水構造について説明する。遊間Pは、橋軸直角方向(橋の幅員方向)に延びる細長い溝状の隙間である。
止水構造(止水材ユニット)1は、図1に示すように、橋梁の床版Fと床版Fとの間の遊間Pに設けられるものであって、保持材2と、その保持材2の上に設けられる止水材3とを有する。図1において、符号10が、仮設作業台となる。つまり、仮設作業台10は、橋梁の遊間に止水構造1を設置するときに用いられるものであって、止水構造1を形成する前に設置し、止水構造1を形成した後は撤去する。
補正シート120は、長さが実質的に遊間Pと同じであり、まっすぐな上辺125(上縁)を有し、所定の高さを有する帯状のものである。しかし、その形状は、チューブ本体110の下面と固定できるものあれば、特に限定されない。補正シート120とチューブ本体110とは、例えば、接着剤等で固定される。
補正シート120には、補正ワイヤ130が固定される軌跡に、所定の間隔で貫通孔121が形成されている。補正ワイヤ130が固定される軌跡は、補正シートの長さ方向(橋軸直角方向)において軌跡の両端部分の高さ位置が、軌跡の中央部分の高さ位置より上方にある。具体的には、両端部分から中央部分に向かって連続的に低くなっているのが好ましい。例えば、軌跡の全体形状としては、下方に突出した円弧形状または湾曲形状が好ましい。特に、補正ワイヤ130を所定の張力で引っ張ったときの補正ワイヤの形状とするのが好ましい。このような軌跡とすることにより、補正シートの上辺125と、軌跡との鉛直方向の距離Tは、軌跡の中央部分に向かって大きくなる。
補正シート120は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、塩化ビニル等の合成樹脂が挙げられ、特に、ポリプロピレンが好ましく挙げられる。
この仮設作業台100の設置方法は、図7aに示すように、チューブ本体110および補正シート120を遊間P内に挿入する工程(S1A)と、補正ワイヤ130を緊張させる工程(S2A)とを有する。
工程S1Aは、チューブ本体110および補正シート120を遊間P内に挿入する。その挿入方法は、特に限定されないが、例えば、図4aに示すような方法が挙げられる。このとき、図7bに示すように、チューブ本体110および補正シート120は中央が窪んだように撓んでいる。
工程S2Aは、補正ワイヤ130の両端を所定の張力まで引っ張る。その緊張方法は、特に限定されないが、例えば、図4bのような方法が挙げられる。補正ワイヤ130の張力は、予め補正シート120に固定される補正ワイヤ130の軌跡に応じて適宜決定される。これにより、図7bのような状態の仮設作業台100は、図6aのように変形する。
このように仮設作業台100は、補正ワイヤを厳密に水平にしなくても、チューブ本体110(長尺体)を実質的に水平に保持できる。
なお、図7cに示すように、仮設作業台100は、補正ワイヤ130を強く緊張させて補正シート120の上辺(上縁)125を中央が高い湾曲形状にさせてもよい。この場合、その上に設けられる止水構造1も橋軸直角方向(遊間Pの長手方向)において、中央が高い湾曲形状となる。これにより、遊間Pの端部の外側に樋126等を設けることにより、遊間Pに流れてくる水を止水構造1で受けて、遊間Pの端部に導いて排水することができる。
この仮設作業台100の設置方法を用いて、図3b、図3cの方法に従って止水構造を敷設することも可能である。

Claims (13)

  1. 橋梁の遊間内に止水材ユニットを敷設する際、この止水材ユニットが遊間に固定されるまで一時的に下支えするための仮設作業台であって、
    柔軟性を有するチューブ本体と、
    前記チューブ本体内に気密に挿通される懸架用ワイヤと
    前記チューブ本体を膨らませるための空気注入部とを有し、
    前記チューブ本体の両端は、封止部によって塞がれており、
    前記封止部は、前記ワイヤを気密に挿通する孔部を備えている、
    仮設作業台。
  2. 前記空気注入部から空気を注入する前、前記チューブ本体の断面形状が扁平な形状であり、
    前記チューブ本体の幅が前記遊間の幅より小さく設定されている、
    請求項1記載の仮設作業台。
  3. 前記空気注入部は、前記封止部に気密に貫通された硬質パイプまたは耐圧性能を有するチューブである、
    請求項1または2記載の仮設作業台。
  4. 前記空気注入部は、前記チューブ本体の内圧を調節するための弁機構を備えている、
    請求項1から3のいずれかに記載の仮設作業台。
  5. 前記懸架用ワイヤは、撚線ワイヤに被覆処理をして外周を平滑化したものである、
    請求項1から4のいずれかに記載の仮設作業台。
  6. 前記チューブ本体の下端に補正シートが添着され、
    前記補正シートは、緊張させることで前記チューブ本体の撓みを修正するための補正ワイヤを備えている、
    請求項1から5のいずれかに記載の仮設作業台。
  7. 前記補正シートには、補正ワイヤが通される孔部が間歇的に設けられており、
    補正シートに対する補正ワイヤの軌跡が下方に突出した湾曲形状または円弧形状としている、
    請求項6記載の仮設作業台。
  8. 前記チューブ本体が挿入される柔軟な筒状の長尺体を有し、
    前記補正シートは前記長尺体を介してチューブ本体に添着され、
    前記長尺体の両端は、第2封止部によって塞がれており、
    前記第2封止部は、前記ワイヤを挿通する第2孔部を備えている、
    請求項6または7記載の仮設作業台。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の仮設作業台を用いて遊間に止水材ユニットを敷設する方法であって、
    前記止水材ユニットの一部あるいは全部を遊間に引き込む工程と、
    前記止水材ユニットより下側に前記仮設作業台のチューブ本体を遊間内へ挿入する工程と、
    前記懸架用ワイヤを緊張させて前記チューブ本体の位置決めをする工程と、
    前記チューブ本体内に空気を注入し、前記チューブ本体を膨張させ、前記遊間の幅を構成する両壁面の間に前記チューブ本体を挟持させることにより前記仮設作業台を設置する工程と、
    前記止水材ユニットを前記仮設作業台の上に載置させる工程を有する、
    止水材ユニットの敷設方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の仮設作業台を用いて遊間に止水材ユニットを敷設する方法であって、
    前記チューブ本体を前記遊間内に挿入する工程と、
    前記懸架用ワイヤを緊張させて前記チューブ本体の位置決めをする工程と、
    前記チューブ本体内に空気を注入し、前記チューブ本体を膨張させ、前記遊間の幅を構成する両壁面の間に前記チューブ本体を挟持させることにより前記仮設作業台を設置する工程と、
    前記仮設作業台の上に止水材ユニットを載置する工程とを有する、
    止水材ユニットの敷設方法。
  11. 前記仮設作業台を遊間に仮設する最終工程として、前記仮設作業台に備えられている補正ワイヤを緊張させて、前記仮設作業台の位置補正を行う、
    請求項9または10記載の止水材ユニットの敷設方法。
  12. 橋梁の遊間内に止水材ユニットを敷設する際、この止水材ユニットが遊間に固定されるまで一時的に下支えするための仮設作業台であって、
    柔軟性を有する長尺体と、
    前記長尺体の下端に添着される補正シートと、
    緊張させることで前記チューブ本体の撓みを修正するため、前記長尺体に沿って補正シートに固定される補正ワイヤとを有し、
    前記補正シートに固定される補正ワイヤの軌跡は、前記補正ワイヤの先端部分および基端部分が、補正ワイヤの中央部分より上方に位置する、
    仮設作業台。
  13. 前記補正シートに固定される前記補正ワイヤの軌跡が、下方に突出した湾曲形状または円弧形状である。
    請求項12記載の仮設作業台。
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