JP2021171958A - 付加製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高品質な付加製造物を付加製造することができる付加製造装置を提供すること。【解決手段】付加製造装置100制御装置130は、先に形成したビードの形成時に取得した溶融池の大きさに基づいて、先のビードに対して次に形成するビードのラップ代が一定になるように、次のビードを形成する際における粉末材料の供給量及び光ビームの照射条件を含む製造条件を補正し、且つ、補正した製造条件に基づいて粉末材料供給装置110及び光ビーム照射装置120の作動を制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、付加製造装置に関する。
付加製造には、例えば、指向性エネルギー堆積(Directed Energy Deposition)方式、粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion)方式等があることが知られている。指向性エネルギー堆積方式は、光ビーム(レーザビーム及び電子ビーム等)の照射と材料の供給を行う加工ヘッドの位置を制御することで付加製造を行う。指向性エネルギー堆積方式には、LMD(Laser Metal Deposition)、DMP(Direct Metal Printing)等が含まれる。粉末床溶融結合方式は、平らに敷き詰められた粉末材料に対して、光ビームを照射することで付加製造を行う。粉末床溶融結合方式には、SLM(Selective Laser Melting)、EBM(Electron Beam Melting)等が含まれる。
例えば、指向性エネルギー堆積方式のLMDは、硬質材を含む粉末材料等と噴射しながら光ビームを照射することにより、粉末材料等を溶融させた後に凝固させることができる。これにより、LMDは、例えば、基材に対して部分的に筋状の硬質材の付加製造物、所謂、ビードを付加する肉盛技術として利用されている。
そして、例えば、特許文献1には、ビードの高さが計画高さから許容差を引いた値よりも低い場合に、既に形成したビードに対して更にビードを重ねる製造装置が開示されている。又、例えば、特許文献2には、金属固体に所定の厚さの接着剤を塗布して接着層を形成し、金属粉末を接着層に固定して形成した金属粉末層を溶融固化させる製造装置が開示されている。更に、特許文献3には、ビードの幅を広くし且つビードの溶け込みを適切な状態にさせるレーザ照射トーチが開示されている。
ところで、複数のビードを形成して基材に肉盛加工を行う場合、隣接するビード同士は一部を重ねた状態で複数のビードを形成する場合がある。この場合、例えば、基材の表面の汚れや予熱及び加工熱による基材の温度変化等に起因して隣接するビードの一方のビード幅が変化しており、他方のビードを一定のピッチで形成すると、重ね合わせ部分において高さのバラつきが生じてしまう。その結果、例えば、既に形成した複数のビード上に新たなビードを積層して形成した場合には、下層の高さのバラつきの影響を受けて最終的に形成される肉盛に凹凸が生じてしまい、付加製造物の品質が低下する虞がある。
本発明は、高品質な付加製造物を付加製造することができる付加製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係る付加製造装置は、粉末材料を基材の供給位置に供給する粉末材料供給装置と、供給位置に供給された粉末材料を溶融する光ビームを照射する光ビーム照射装置と、供給位置及び光ビームの照射位置を基材に対して相対移動させる移動装置と、粉末材料供給装置、光ビーム照射装置及び移動装置の各々の作動を制御する制御装置と、を備え、基材の所定領域に粉末材料を溶融することによって溶融池を形成し且つ溶融池が固化することによって幅方向にて隣接するビードを形成する付加製造装置であって、形成された溶融池の大きさを検出する検出部を備え、制御装置は、先に形成したビードの形成時に取得した溶融池の大きさに基づいて、先のビードに対して次に形成するビードの幅方向のラップ代が一定になるように、次のビードを形成する際における製造条件を補正する。
これによれば、制御装置は、先のビードに対するラップ代が一定になるように、先のビードの形成時に取得した溶融池の大きさ、即ち、先のビードのビード幅に基づいて、次のビードの製造条件を補正することができる。これにより、例えば、先のビードのビード幅が広くなったり、狭くなったりした場合であっても、次のビードはラップ代が一定になるように形成される。従って、先のビードと次のビードとの重ね合わせ部分における高さのバラつきが抑制され、その結果、付加製造物の品質を向上させることができる。
(1.付加製造装置の概要)
本例の付加製造装置は、例えば、指向性エネルギー堆積方式であってLMD方式を採用する。本例において、付加製造装置は、硬質材である硬質粉末材料に結合粉末材料を混合した粉末材料を基材に向けて噴射しながら光ビームを照射することにより、基材に付加製造物としての複数のビード(突条)を付加製造する。粉末材料、特に、硬質粉末材料と基材とは、異なる材料でも良く、同一種類の材料でも良い。
本例の付加製造装置は、例えば、指向性エネルギー堆積方式であってLMD方式を採用する。本例において、付加製造装置は、硬質材である硬質粉末材料に結合粉末材料を混合した粉末材料を基材に向けて噴射しながら光ビームを照射することにより、基材に付加製造物としての複数のビード(突条)を付加製造する。粉末材料、特に、硬質粉末材料と基材とは、異なる材料でも良く、同一種類の材料でも良い。
本例では、硬質材である炭化タングステン(WC)の硬質粉末材料を用いて、炭素鋼(S45C)を用いて形成された基材に複数のビードを付加製造する。尚、本例においては、炭化タングステン(WC)のバインダとしてコバルト(Co)を用いる。しかし、バインダはコバルト(Co)に限られず、例えば、ニッケル(Ni)をバインダとして用いることも可能である。
(2.付加製造装置100の構成)
図1に示すように、付加製造装置100は、粉末材料供給装置110、光ビーム照射装置120及び制御装置130を主に備える。尚、本例の付加製造装置100は、周知のLMD型の付加製造装置を用いることができる。このため、付加製造装置100についての詳細な構成及び動作等については省略する。
図1に示すように、付加製造装置100は、粉末材料供給装置110、光ビーム照射装置120及び制御装置130を主に備える。尚、本例の付加製造装置100は、周知のLMD型の付加製造装置を用いることができる。このため、付加製造装置100についての詳細な構成及び動作等については省略する。
粉末材料供給装置110は、ホッパ111、バルブ112、ガスボンベ113及び噴射ノズル114を備える。ホッパ111は、結合粉末材料P2が混合された硬質粉末材料P1を貯蔵する。尚、以下の説明において、硬質粉末材料P1と結合粉末材料P2とを混合した粉末材料を「粉末材料P」とも称呼する。
バルブ112は、粉末導入バルブ112a、粉末供給バルブ112b及びガス導入バルブ112cを備える。粉末導入バルブ112aは、配管111aを介してホッパ111と接続される。粉末供給バルブ112bは、配管114aを介して噴射ノズル114と接続される。ガス導入バルブ112cは、配管113aを介してガスボンベ113と接続される。
噴射ノズル114及び配管114aは、噴射ノズル114側に傾斜部分を有する筒状の容器115に収容される。噴射ノズル114は、容器115の傾斜部分の先端に配置され、配管114aを介して、例えば、ガスボンベ113から供給される高圧の窒素により、粉末材料Pを基材Bに向けて噴射する。尚、粉末材料Pを噴射するガスは、窒素に限定されるものではなくアルゴン等の不活性ガスであっても良い。
光ビーム照射装置120は、ビーム生成部121により生成され供給される光ビームBMを基材Bの所望の位置に照射する照射部122を備える。ビーム生成部121は、制御装置130によって制御されて、光ビームBMを生成する。
照射部122は、容器115の内部において、噴射ノズル114の近傍に配置される。具体的に、照射部122は、噴射ノズル114から噴射される粉末材料Pの供給位置に向けて光ビームBMが照射可能となるように、容器115の傾斜部分の先端に配置される。照射部122は、容器115の内部に配置された図示省略のコリメータレンズや集光レンズ等の光学系を通して光ビームBMを照射する。尚、「加工ヘッド」は、噴射ノズル114、光ビーム照射部120及び容器115を含んで構成される。
そして、光ビームBMは、図1に示すように、基材Bにおいて粉末材料供給装置110から供給された粉末材料Pを溶融することにより溶融池MPを形成する。これにより、所定領域Nには、複数の筋状のビードN1が形成され、肉盛加工(付加製造)が行われる。
ここで、本例においては、光ビームBMとしてレーザ光を用いる。但し、光ビームBMはレーザ光に限られず、電磁波であれば、例えば、電子ビームを用いることも可能である。又、本例においては、光ビーム照射装置120の照射部122は、円形状の照射形状となる光ビームBMを照射する。しかし、光ビームBMの照射形状は円形状に限られず、例えば、三角形状や四角形状等の多角形状とすることも可能である。
制御装置130は、CPU、ROM、RAM、インターフェース等を主要構成部品とするコンピュータ装置である。制御装置130は、粉末材料供給装置110の粉末供給を制御する。具体的に、制御装置130は、粉末供給バルブ112b及びガス導入バルブ112cの開閉を制御することにより、噴射ノズル114から基材Bに向けた粉末材料Pの噴射供給を制御する。
又、制御装置130は、光ビーム照射装置120の光ビーム照射を制御する。具体的に、制御装置130は、ビーム生成部121及び照射部122の作動を制御して、照射部122から基材Bに向けて照射される光ビームBMの出力、供給された粉末材料Pを溶融するビームスポット径等を制御する。
ここで、制御装置130には、光ビーム照射装置120によって照射された光ビームBMが粉末材料Pを溶融して形成された略円形状の溶融池MPの大きさを検出する検出部としてのセンサ140が接続される。センサ140は、赤外線センサや画像センサ等を用いることができ、加工ヘッド、具体的には、容器115の外周に固定される。センサ140は、図1及び図2に示すように、溶融池MPの大きさに対応する形成されたビードN1の幅を表す幅データWを計測して制御装置130に出力する。
更に、制御装置130は、基材Bに対する光ビームBMの相対的な走査を制御する。具体的に、制御装置130は、図1に示すように、移動装置であるモータM1の回転を制御して基材Bを中心軸線Cの回りに回転させると共に、移動装置であるモータM2の回転を制御して基材Bを中心軸線Cの方向に移動させる。これにより、制御装置130は、基材Bに対する光ビームBMの相対的な走査を制御する。本例において、制御装置130は、図1にて太矢印で示すように、基材Bを光ビーム照射装置120に対して相対的に図1の右方向(光ビーム照射装置120を基材Bに対して相対的に図1の左方向)に移動させる場合を例示する。
ここで、モータM1及びモータM2は、それぞれ、図示省略のエンコーダを備える。これにより、モータM1(より詳しくは、エンコーダ)は、基材Bを回転させた回転角を表す回転角データθを制御装置130に出力する。又、モータM2は、基材Bを中心軸線Cの方向に移動させるための図示省略の送り機構を駆動する。そして、モータM2(より詳しくは、エンコーダ)は、送り機構の駆動に要した回転角に基づいて、基材Bを中心軸線Cの方向に送った移動量、即ち、所定領域Nに形成されるビードN1の間隔(ピッチ)を表す送り量データKを制御装置130に出力する。
尚、本例においては、制御装置130が基材Bを光ビーム照射装置120に対して回転及び移動させるようにする。しかしながら、光ビーム照射装置120、より具体的には、噴射ノズル114、光ビーム照射装置120及び容器115を含む加工ヘッドを基材Bに対して相対的に移動させるように構成することも可能である。この場合、図示しない駆動装置、例えば、XYZステージや多関節を有するロボットアーム等により、加工ヘッドは三次元空間にて自在に移動可能とされる。これにより、制御装置130が駆動装置(XYZステージやロボットアーム等)の作動を制御することにより、噴射ノズル114の供給位置及び照射部122の照射位置は基材Bに対して相対的に移動することができる。
(3.制御装置130の構成の詳細)
次に、制御装置130の構成の詳細を、図3を参照して説明する。制御装置130は、記憶部131、製造条件補正部132、粉末材料供給量制御部133、光ビーム制御部134、相対移動制御部135を主に備える。
次に、制御装置130の構成の詳細を、図3を参照して説明する。制御装置130は、記憶部131、製造条件補正部132、粉末材料供給量制御部133、光ビーム制御部134、相対移動制御部135を主に備える。
記憶部131は、基材Bの所定領域NにビードN1が形成される際、逐次(リアルタイムで)センサ140から出力された幅データW、モータM1から出力された回転角データθ及びモータM2から出力された送り量データKを対応付けて記憶する。即ち、記憶部131は、回転角データθ及び送り量データKを用いた座標データに基づいて、所定領域Nにおける基材Bの座標を決定する。そして、記憶部131は、決定した座標(回転角データθ及び送り量データKからなる座標データ)における溶融池MPの大きさである幅データWを記憶する。
又、本例において、記憶部131は、幅データW即ち形成されたビードN1のビード幅に応じた光ビームBMの出力、及び、粉末材料Pの供給量の組み合わせを製造条件として記憶する。即ち、ラップ代Lを一定に保つ場合、先のビードN1のビード幅が広いときは次のビードN1のビード幅を狭く形成する必要がある。このため、記憶部131には、例えば、ビードN1の形成位置を一定とする場合において、光ビームBMの出力を低減すると共に粉末材料Pの供給量を少なくする製造条件が記憶される。或いは、記憶部131には、例えば、基材Bの周方向への送り量(換言すれば、光ビームBMの走査量)を増加させたり、光ビームBMのスポット径を小さくしたりする製造条件が記憶されても良い。
一方、ラップ代Lを一定に保つ場合、先のビードN1のビード幅が狭いときは次のビードN1のビード幅を広く形成する必要がある。このため、記憶部131には、例えば、ビードN1の形成位置を一定とする場合において、光ビームBMの出力を増大させると共に粉末材料Pの供給量を多くする製造条件が記憶される。或いは、記憶部131には、例えば、基材Bの周方向への送り量(換言すれば、光ビームBMの走査量)を減少させたり、光ビームBMのスポット径を大きくしたりする製造条件が記憶されても良い。そして、記憶部131は、ビード幅(即ち、幅データW)に応じて、実験的に確認可能な光ビームBMの出力、粉末材料Pの供給量及びビードN1の形成位置の組み合わせである複数の製造条件を記憶する。
このように、先に形成されたビードN1のビード幅(即ち、幅データW)に応じた製造条件を選択して次のビードN1を形成することにより、図2に示すように、ビードN1同士のラップ代Lを一定にすることができる。その結果、所定領域Nに形成される各々のビードN1のビード高さをほぼ一定に揃えることができる。
製造条件補正部132は、所定領域Nにおいて回転角データθ及び送り量データKによって決定される座標データごとに対応する幅データWに基づき、次のビードN1を形成する際の、或いは、次のビードN1の形成中に製造条件を補正する。具体的に、製造条件補正部132は、図2に示すように、基材B上の所定領域Nにおいて、先に形成したビードN1に対して次に形成するビードN1を重ねるラップ代Lが所望の値で一定になるように、次のビードN1を形成する際の製造条件を補正する。
ここで、製造条件補正部132は、記憶部131に記憶されている溶融池MPの大きさ、換言すれば、先に形成されたビードN1のビード幅を表す幅データWに基づき、記憶部131に記憶されている複数の製造条件のうちの1つを選択することにより補正する。即ち、製造条件補正部132は、先に形成されたビードN1に対して、次に(即ち、今回)形成するビードN1のラップ代Lが一定になるように光ビームBMの出力及び粉末材料Pの供給量を補正する。
又、製造条件補正部132は、幅データWに基づいて、ラップ代Lを得るために次のビードN1を形成する形成位置即ちピッチを算出し、算出したピッチに対応する基材Bの送り量を補正する。尚、本例においては、製造条件補正部132は、補正した製造条件に対応して、粉末材料供給装置110から供給される粉末材料Pの補正供給量PS、光ビーム照射装置120が照射する光ビームBMの補正出力SS、基材Bを中心軸線Cの方向に移動させる補正送り量KSを決定して出力する。
ここで、製造条件補正部132は、製造条件を補正するに当たり、上述したように、粉末材料供給装置110から供給される粉末材料Pの供給量、光ビーム照射装置120により照射される光ビームBMの照射条件(出力等)、及び、ビードN1の形成位置(ピッチ)を補正することができる。但し、製造条件補正部132は、必要に応じて、例えば、材料粉末Pの供給量及び光ビームBMの照射条件のみを補正し、ビードN1の形成位置(ピッチ)を補正しないこともできる。又、製造条件補正部132は、必要に応じて、例えば、材料粉末Pの供給量及び光ビームBMの照射条件のうちの一方のみを補正し、材料粉末Pの供給量及び光ビームBMの照射条件のうちの他方及びビードN1の形成位置(ピッチ)を補正しないこともできる。更に、製造条件補正部132は、必要に応じて、例えば、ビードN1の形成位置(ピッチ)のみを補正し、材料粉末Pの供給量及び光ビームBMの照射条件を補正しないこともできる。
粉末材料供給量制御部133は、製造条件補正部132から出力された補正供給量PSを取得する。そして、粉末材料供給量制御部133は、製造条件補正部132から取得した補正供給量PSに従い、粉末材料供給装置110の噴射ノズル114から基材Bに供給する粉末材料Pの供給量を制御する。
光ビーム制御部134は、製造条件補正部132から出力された補正出力SSを取得する。そして、光ビーム制御部134は、製造条件補正部132から取得した補正出力SSに従い、光ビーム照射装置120の照射部122から基材Bに照射する光ビームBMの出力(強度)を制御する。
相対移動制御部135は、製造条件補正部132から出力された補正送り量KSを取得する。そして、相対移動制御部135は、製造条件補正部132から取得した補正送り量KSに従い、モータM2によって駆動される送り機構によって中心軸線Cの方向に移動する基材Bの送り量、即ち、次のビードN1の形成位置を制御する。
(4.付加製造方法)
次に、付加製造装置100による付加製造方法、具体的に、所定領域Nに複数のビードN1を形成する肉盛加工について説明する。先ず、基材Bに設定された所定領域Nに油汚れ等の汚れがなく、又、基材Bが過度に加熱(予熱)されていない理想状態の場合から説明する。この場合、粉末材料供給装置110から供給された粉末材料Pが光ビーム照射装置120から照射された光ビームBMによって溶融されることにより、生じた溶融池MPの大きさ(幅データW)は均一になる。これにより、所定領域Nに形成される複数のビードN1は、図4に示すように、同一のビード幅を有して直線状に形成される。この場合、図5に概略的に示すように、各々のビードN1は、同一のラップ代Lを有するように重ねられ、その結果、ビードN1の高さHもほぼ一定に揃うになるように形成される。
次に、付加製造装置100による付加製造方法、具体的に、所定領域Nに複数のビードN1を形成する肉盛加工について説明する。先ず、基材Bに設定された所定領域Nに油汚れ等の汚れがなく、又、基材Bが過度に加熱(予熱)されていない理想状態の場合から説明する。この場合、粉末材料供給装置110から供給された粉末材料Pが光ビーム照射装置120から照射された光ビームBMによって溶融されることにより、生じた溶融池MPの大きさ(幅データW)は均一になる。これにより、所定領域Nに形成される複数のビードN1は、図4に示すように、同一のビード幅を有して直線状に形成される。この場合、図5に概略的に示すように、各々のビードN1は、同一のラップ代Lを有するように重ねられ、その結果、ビードN1の高さHもほぼ一定に揃うになるように形成される。
ところが、所定領域Nに油汚れ等が存在したり、複数のビードN1の形成に伴って基材Bの温度(予熱温度)が上昇したりすると、生じた溶融池MPの大きさ(幅データW)が不均一になる場合がある。これにより、先のビードN11に対して次のビードN12のビード幅が不均一になり、図6に示すように、先のビードN11に対して、例えば、次のビードN12のビード幅が部分的に狭くなる場合がある。
その結果、ビードN12のビード幅が狭くなった部分においては、図7に示すように、本来であれば、先のビードN11に対してラップ代Lとなるように次のビードN12(図7にて二点鎖線により示す)が形成されるところ、ラップ代Lよりも小さいラップ代L1になる。そして、ビードN12の幅が狭くなった部分においては、図7に示すように、先のビードN11の高さHも低い高さH1となって不均一になる。これにより、ビードN12に対して新たなビードを重ねて形成した場合、ビード12の高さHが不均一であるために、最終的に肉盛加工された表面に凹凸が生じる。
そこで、本例においては、図8及び図9に示すように、ラップ代Lが一定になるように、溶融池MP(ビード幅)が不均一のビードN12に対して次のビードN13を形成する。具体的に、制御装置130は、次のビードN13を形成する場合、図8に示すように、先のビードN12に対して予め設定された送り量(ピッチ)となるように基材Bを中心軸線Cの方向に移動させる。これに合わせて、制御装置130は、先のビードN12におけるビード幅が変化した加工位置を特定する。
即ち、制御装置130の記憶部131は、先のビードN12の形成時において、回転角データθ及び送り量データKによって表される加工位置を表す座標データと、座標データに対応付けられた幅データWとを逐次取得して記憶している。従って、制御装置130は、図6及び図7に示すようなビード幅及び高さHが不均一になる座標を特定することができる。
これにより、図8に示すように、一部のビード幅が狭くなった先のビードN12に対して次のビード13を形成する場合、製造条件補正部132はラップ代Lとなるように製造条件を補正する。具体的に、製造条件補正部132は、先のビードN12におけるビード幅及び高さHが不均一になる加工位置の座標データに対応する幅データWに基づいて、溶融池MP(ビード幅)が狭くなっていることを把握する。
そして、製造条件補正部132は、先のビードN12の加工位置に対応する次のビードN13の加工位置において、ビードN13の溶融池MP(ビード幅)が広くなるように、供給する粉末材料Pの供給量を増加させると共に、光ビームBMの出力(強度)を増大させて製造条件を補正する。又、製造条件補正部132は、必要に応じて、先のビードN12の溶融池MP(ビード幅)に合わせて、基材Bを中心軸線Cの方向に更に移動させる、即ち、次のビードN13の形成位置を変更するように製造条件を補正する。
このため、製造条件補正部132は、例えば、記憶部131に記憶されている複数の製造条件のうち、粉末材料Pの供給量を増加させる補正供給量PS、且つ、光ビームBMの出力を増大させる補正出力SSを含む、即ち、補正の内容に合致する製造条件を選択する。更に、製造条件補正部132は、必要に応じて、選択した製造条件即ち補正供給量PS及び補正出力SSに加えて、基材Bを中心軸線Cの方向に移動させる補正送り量KSを付加する。そして、製造条件補正部132は、補正した製造条件として、補正供給量PS、補正出力SS及び補正送り量KSを出力する。
粉末材料供給量制御部133は、製造条件補正部132から取得した補正供給量PSに従い、特定された加工位置に対応する座標において、粉末材料Pの供給量を増加させる。光ビーム制御部134は、製造条件補正部132から取得した補正出力SSに従い、特定された座標に対応する加工位置において、光ビームBMの出力(強度)を増大させる。更に、相対移動制御部135は、製造条件補正部132から取得した補正送り量KSに従い、特定された座標に対応する加工位置において、基材Bを中心軸線Cの方向に移動させる。
これにより、図9に示すように、先のビードN12に対して次のビードN13が形成される。ビードN13は、補正された製造条件に従って形成される。従って、図9にて二点鎖線により示すように、仮に製造条件を補正することなく形成したビードN13ではラップ代Lよりも小さいラップ代L2となるのに対し、製造条件を補正して形成したビードN13では先のビードN12に対してラップ代Lを有することができる。その結果、先のビードN12に対して次のビードN13をより近接させて、換言すれば、より小さいピッチにより形成することができ、先のビードN12により生じる凹部を小さくして高さHの不均一性を改善することができる。
尚、本例においては、ビードN12の溶融池MPの大きさ、即ち、ビード幅が狭くなる場合を例示して説明した。しかしながら、ビードN12の溶融池MPの大きさ(ビード幅)が広くなる場合も発生し得る。この場合には、製造条件補正部132は、次のビードN13を形成する際の製造条件として、例えば、粉末材料Pの供給量を減少させると共に光ビームBMの出力(強度)を減少させるように補正された製造条件を選択することができる。又、必要に応じて、選択した製造条件即ち補正供給量PS及び補正出力SSに加えて、基材Bを中心軸線Cの方向に移動させる補正送り量KSを付加することもできる。これにより、ビードN12の溶融池MPの大きさ(ビード幅)が広くなる場合であっても、先のビードN12に対してラップ代Lを有する次のビードN13を形成することができる。
ところで、図9に示すように、次のビードN13を先のビードN12に対して製造条件を変更して形成した場合であっても、先のビードN12の高さH1は高さHに対して低くなっている。この場合、下層に形成されたビードN11,N12,N13に対して積層される上層のビードN21及びビードN22を形成することにより、ビードN12の高さH1の不均一性を改善することができる。
本例において、制御装置130は、図10に示すように、下層である第一段目のビードN11と同一のピッチで上層である第二段目のビードN21を形成し、第一段目のビードN12と同一のピッチで第二段目のビードN22を形成する。そして、第二段目のビードN21,N22を形成する場合においても、制御装置130は、記憶部131に記憶されているビードN12の座標データ及び幅データWに基づいて、第一段目に形成したビードN12におけるビード幅が変化した加工位置を特定する。これにより、制御装置130は、第一段目のビードN12においてビード幅及び高さHが不均一になる座標を特定することができる。
図10に示すように、一部のビード幅が狭くなった、即ち、高さH1を有する第一段目のビードN12に対して第二段目のビードN22を形成する場合、製造条件補正部132はビードN12により形成された凹部を埋めるように製造条件を補正する。具体的に、製造条件補正部132は、第一段目のビードN12の加工位置に対応する第二段目のビードN22の加工位置において、凹部を埋めるように、供給する粉末材料Pの供給量を増加させると共に、光ビームBMの出力(強度)を増大させるように製造条件を補正する。又、製造条件補正部132は、必要に応じて、凹部に合わせて、基材Bを中心軸線Cの方向に更に移動させるように製造条件に含まれる送り量を補正する。
このため、製造条件補正部132は、例えば、記憶部131に記憶されている複数の製造条件のうち、粉末材料Pの供給量を増加させる補正供給量PS、且つ、光ビームBMの出力を増大させる補正出力SSを含む、即ち、補正の内容に合致する製造条件を選択する。更に、製造条件補正部132は、必要に応じて、選択した製造条件即ち補正供給量PS及び補正出力SSに加えて、基材Bを中心軸線Cの方向に移動させる補正送り量KSを付加する。そして、製造条件補正部132は、選択した製造条件として、補正供給量PS、補正出力SS及び補正送り量KSを出力する。
粉末材料供給量制御部133は、製造条件補正部132から取得した補正供給量PSに従い、特定された座標に対応する加工位置において、粉末材料Pの供給量を増加させる。光ビーム制御部134は、製造条件補正部132から取得した補正出力SSに従い、特定された座標に対応する加工位置において、光ビームBMの出力(強度)を増大させる。更に、相対移動制御部135は、製造条件補正部132から取得した補正送り量KSに従い、特定された座標に対応する加工位置において、基材Bを中心軸線Cの方向に移動させる。
これにより、図11に示すように、第一段目のビードN12に対して第二段目のビードN22が積層されて形成される。尚、第二段目の形成においても、ビードN22は、先に形成されたビードN21に対してラップ代Lを有するように形成される。ビードN22がビードN12に積層されることにより、ビードN12によって形成された凹部が埋められる。又、ビードN22がビードN21に対してラップ代Lを有することにより、第二段目の高さH2はほぼ一定に揃えられる。
尚、第一段目のビードN12によって高さHよりも高い凸部が形成される場合も生じ得る。この場合には、製造条件補正部132は、例えば、粉末材料Pの供給量を減少させると共に、光ビームBMの出力(強度)を増大させる製造条件を選択することができる。これにより、第二段目のビードN22の形成に際して溶融池MPが固化することによってビードN12による凸部を覆うことができる。従って、第一段目の形成において凹部(或いは凸部)が形成された場合であっても、高さH2をほぼ一定に揃えることができる。
以上の説明からも理解できるように、付加製造装置100によれば、制御装置130は、先のビードN12に対するラップ代Lが一定になるように、先のビードN12の形成時に取得した溶融池MPの大きさ、即ち、先のビードN12のビード幅を表す幅データWに基づいて、次のビードN13の製造条件を補正することができる。これにより、例えば、先のビードN12のビード幅が狭くなっても、次のビードN13はラップ代Lが一定になるように形成される。従って、先のビードN12と次のビードN13との重ね合わせ部分における高さのバラつきが抑制され、その結果、付加製造物である複数のビード即ち肉盛加工の品質を向上させることができる。
(5.第一別例)
上述した本例においては、例えば、図6に示すように、形成されるビードN12の一部にのみ溶融池MPの大きさ(ビード幅)が変化する場合を例示して説明した。しかしながら、上述したように、溶融池MPの大きさ(ビード幅)は、基材Bの汚れや予熱温度によって変化する可能性があるため、図12に示すように、溶融池MPの大きさ(ビード幅)が全体に亘って変化したビードN14が形成される場合がある。
上述した本例においては、例えば、図6に示すように、形成されるビードN12の一部にのみ溶融池MPの大きさ(ビード幅)が変化する場合を例示して説明した。しかしながら、上述したように、溶融池MPの大きさ(ビード幅)は、基材Bの汚れや予熱温度によって変化する可能性があるため、図12に示すように、溶融池MPの大きさ(ビード幅)が全体に亘って変化したビードN14が形成される場合がある。
この場合においても、制御装置130の記憶部131には、回転角データθ及び送り量データKによる座標と幅データWとが対応付けられて逐次記憶される。従って、製造条件補正部132が、ビードN14の変化する幅データWに応じて、製造条件を逐次補正することにより、図13に示すように、ビードN14に対するラップ代Lを有するビードN15を形成することが可能となる。この場合においても、上述した本例と同様の効果が得られる。
ここで、第一別例では、製造条件補正部132は、ビードN14の変化する幅データWに応じて、ビードN15がラップ代Lを有するように、逐次、製造条件を補正するようにした。これに代えて、例えば、図12にて一点鎖線により示すように、製造条件補正部132が、変化する幅データWを平均化し、平均化した幅データWに合わせて製造条件を補正する(選択する)ようにすることも可能である。
この場合には、幅データWを平均化することにより、ラップ代Lが変化し、その結果、ビードN15の高さが変動する可能性がある。しかしながら、逐次製造条件を補正しながらビードN15を形成する場合に比べて簡単であり、又、上述した本例の場合のように、第二段目以降のビードを積層して形成する場合には、高さの変動の影響を小さくすることができる。
(6.第二別例)
上述した本例及び第一別例においては、先のビードN1の幅データWに応じてラップ代Lを有するように次のビードN1を形成する。このため、上述したように、次のビードN1の溶融池MPの大きさ(ビード幅)が先のビードN1の溶融池MPの大きさ(ビード幅)と異なる場合がある。この場合、所定領域NのビードN1の形成方向において、複数形成されるビードN1のうちの最後になるビードN1が、例えば、適切なビード幅を有して形成できない可能性がある。
上述した本例及び第一別例においては、先のビードN1の幅データWに応じてラップ代Lを有するように次のビードN1を形成する。このため、上述したように、次のビードN1の溶融池MPの大きさ(ビード幅)が先のビードN1の溶融池MPの大きさ(ビード幅)と異なる場合がある。この場合、所定領域NのビードN1の形成方向において、複数形成されるビードN1のうちの最後になるビードN1が、例えば、適切なビード幅を有して形成できない可能性がある。
このため、製造条件補正部132は、図14に示すように、例えば、所定領域Nに形成すべきビードN1の数を維持して、ビードN1のビード幅を調整することができるように、製造条件を補正(選択)することができる。具体的に、製造条件補正部132は、図14に示すように、形成方向にて初期に形成したビードN1のビード幅が広い場合、形成方向にて終期に形成するビードN1のビード幅が狭くなるように製造条件を補正(選択)する。即ち、製造条件補正部132は、例えば、粉末材料Pの供給量を減少させる補正供給量PSを含むように、製造条件を補正(選択)する。これにより、所定領域Nに形成するビードN1の数を維持して、所定領域Nの形成方向の最後まで、ビードN1を適切に形成することができる。
或いは、所定領域Nにおいて、形成方向にてビード幅が広いビードN1の形成が続いた場合、予め設定された数のビードN1を所定領域Nに形成することが困難になる。この場合、製造条件補正部132は、図15に示すように、補正した製造条件に応じて、所定領域Nに形成するビードN1の数を減少(又は増加)させて変更することができる。この場合、製造条件補正部132は、例えば、敢えてビード幅が広いビードN1の数を増やすために、粉末材料Pの供給量を増加させる補正供給量PSと、光ビームBMの出力(強度)を増大させる補正出力SSとを含むように、製造条件を補正(選択)する。このように、形成するビードN1の数を減少させる(変更する)ことにより、所定領域Nの形成方向にて最後まで、ビードN1を適切に形成することができる。
(7.その他)
上述した本例、第一別例及び第二別例においては、制御装置130の製造条件補正部132は、製造条件のうち、光ビームの照射条件として、光ビーム照射装置120の照射部122によって照射される光ビームBMの出力(強度)を補正するための補正出力SSを出力するようにした。これに加えて、光ビームの照射条件として、例えば、照射部122を構成する集光レンズ等の光学系により光ビームBMのスポット径を変更することが可能な場合がある。この場合には、製造条件補正部132は、照射された光ビームBMのスポット径を変更するための補正スポット径を出力することも可能である。
上述した本例、第一別例及び第二別例においては、制御装置130の製造条件補正部132は、製造条件のうち、光ビームの照射条件として、光ビーム照射装置120の照射部122によって照射される光ビームBMの出力(強度)を補正するための補正出力SSを出力するようにした。これに加えて、光ビームの照射条件として、例えば、照射部122を構成する集光レンズ等の光学系により光ビームBMのスポット径を変更することが可能な場合がある。この場合には、製造条件補正部132は、照射された光ビームBMのスポット径を変更するための補正スポット径を出力することも可能である。
これにより、より緻密に溶融池MPの大きさ(ビード幅)を制御することができ、ラップ代Lを有する複数のビードN1等を形成することができる。従って、この場合においても、上述した本例、第一別例及び第二別例と同様の効果が得られる。
又、上述した本例、第一別例及び第二別例においては、基材Bの周方向に沿って複数の筋状のビードN1等を形成する。このため、製造条件補正部132が補正した製造条件として補正送り量KSを出力し、相対移動制御部135が補正送り量KSに従って基材Bを中心軸線Cの方向に移動させると共に基材Bを回転させることにより、ラップ代Lが一定となるようにビードN1等を形成するようにした。
これに代えて、基材Bの軸方向に沿って複数の筋状のビードN1等を形成する場合には、相対移動制御部135は、ラップ代Lが一定となるようにビードN1等を形成するために基材Bを中心軸線Cの回りに回転させると共に中心軸線Cの方向に移動させる。従って、この場合には、製造条件補正部132は、製造条件として、補正送り量KSに代えて、又は、加えて、基材Bの回転量(或いは、回転角)を補正した補正回転量を出力する。
これにより、基材Bの中心軸線Cの方向に沿って複数のビードN1等を形成する場合であっても、ラップ代Lをほぼ一定とすることができる。従って、この場合においても、上述した本例、第一別例及び第二別例と同様の効果が得られる。
又、上述した本例、第一別例及び第二別例では、付加製造装置100において、粉末材料供給装置110により、基材Bに対して硬質粉末材料P1及び結合粉末材料P2からなる粉末材料Pを噴射して供給するようにした。しかしながら、基材Bへの材料供給に関しては、粉末材料に限定されず、金属製の線形材料からなる、例えば、ワイヤ等を付加材料供給装置により供給することも可能である。この場合においては、供給された線形材料が光ビーム照射装置120から照射された光ビームBMにより溶融されて溶融池MPを形成することにより、基材Bの所定領域Nに複数のビードN1等を付加製造することができる。従って、上述した本例と同様の効果が期待できる。
更に、上述した本例等では、付加製造装置100がLMD方式を採用した場合を説明した。しかし、付加製造装置100がSLM方式を採用することも可能である。この場合においても、例えば、複数のビードを形成する際に、互いに隣接するビードが一定のラップ代Lを有することにより、高さのバラつきを抑えることができ、その結果、付加製造物の良好な外観を得ることができる。
100…付加製造装置、110…粉末材料供給装置、111…ホッパ、111a…配管、112…バルブ、112a…粉末導入バルブ、112b…粉末供給バルブ、112c…ガス導入バルブ、113…ガスボンベ、113a…配管、114…噴射ノズル、114a…配管、115…容器、120…光ビーム照射装置、121…ビーム生成部、122…照射部、130…制御装置、131…記憶部、132…製造条件補正部、133…粉末材料供給量制御部、134…光ビーム制御部、135…相対移動制御部、140…センサ(検出部)、B…基材、BM…光ビーム、C…中心軸線、W…幅データ、θ…回転角データ、K…送り量データ、PS…補正供給量、SS…補正出力、KS…補正送り量、L…ラップ代、L1…ラップ代、L2…ラップ代、M1…モータ(移動装置)、M2…モータ(移動装置)、MP…溶融池、N…肉盛領域、P…粉末材料、P1…硬質粉末材料、P2…結合粉末材料
Claims (11)
- 粉末材料を基材の供給位置に供給する粉末材料供給装置と、
前記供給位置に供給された前記粉末材料を溶融する光ビームを照射する光ビーム照射装置と、
前記供給位置及び前記光ビームの照射位置を前記基材に対して相対移動させる移動装置と、
前記粉末材料供給装置、前記光ビーム照射装置及び前記移動装置の各々の作動を制御する制御装置と、を備え、
前記基材の所定領域に前記粉末材料を溶融することによって溶融池を形成し且つ前記溶融池が固化することによって幅方向にて隣接するビードを形成する付加製造装置であって、
形成された前記溶融池の大きさを検出する検出部を備え、
前記制御装置は、
先に形成した前記ビードの形成時に前記検出部から取得した前記溶融池の大きさに基づいて、先の前記ビードに対して次に形成する前記ビードの幅方向のラップ代が一定になるように、次の前記ビードを形成する際における製造条件を補正する、付加製造装置。 - 前記制御装置は、
先の前記ビードの形成時に前記溶融池の前記基材に対する位置を表す座標データ、及び、前記座標データに対応付けられた前記溶融池の大きさに対応する前記ビードのビード幅を表す幅データを逐次取得することにより記憶する記憶部と、
前記座標データ及び前記幅データに基づいて、次の前記ビードを形成する際の前記製造条件を補正する製造条件補正部と、を備える、請求項1に記載の付加製造装置。 - 前記製造条件補正部は、
前記幅データによって表される先の前記ビードのビード幅が予め設定された大きさよりも小さい場合に、次に形成する前記ビードのビード幅が大きくなるように前記製造条件を補正し、
前記幅データによって表される先の前記ビードのビード幅が予め設定された大きさよりも大きい場合に、次に形成する前記ビードのビード幅が小さくなるように前記製造条件を補正する、請求項2に記載の付加製造装置。 - 前記製造条件には、前記粉末材料の供給量及び前記光ビームの照射条件のうちの少なくとも一方が含まれ、
前記制御装置は、
前記溶融池の大きさに基づいて前記供給量及び前記照射条件のうちの少なくとも一方を補正し、補正した前記製造条件に基づいて前記粉末材料供給装置及び前記光ビーム照射装置のうちの少なくとも一方の作動を制御する、請求項1−3のうちの何れか一項に記載の付加製造装置。 - 前記製造条件には、前記ビードを形成する形成位置が含まれ、
前記制御装置は、
前記溶融池の大きさに基づいて前記形成位置を補正し、補正した前記製造条件に基づいて前記移動装置の作動を制御する、請求項1−4のうちの何れか一項に記載の付加製造装置。 - 前記ビードは、前記ビードを形成する方向に沿って前記溶融池の幅方向の大きさを一定にすることにより、前記ビードのビード幅が一定に形成される、請求項1−5うちの何れか一項に記載の付加製造装置。
- 前記ビードは、前記ビードを形成する方向に沿って前記溶融池の幅方向の大きさが変化することにより、前記ビードのビード幅が変化して形成される、請求項1−5のうちの何れか一項に記載の付加製造装置。
- 前記制御装置は、先の前記ビードの形成時における前記溶融池の幅方向の大きさを平均化し、平均化した前記溶融池の幅方向の大きさに基づいて、次の前記ビードを形成する際における前記製造条件を変更する、請求項7に記載の付加製造装置。
- 前記制御装置は、前記所定領域にて隣接する前記ビードの数を維持して、前記製造条件を変更する、請求項1−8のうちの何れか一項に記載の付加製造装置。
- 前記制御装置は、変更した前記製造条件に応じて、前記所定領域にて隣接する前記ビードの数を変更する、請求項1−8のうちの何れか一項に記載の付加製造装置。
- 前記所定領域には、複数の前記ビードが積層されて形成され、
前記制御装置は、
下層の前記ビードを形成した際のピッチと同一のピッチにより、上層の前記ビードを形成する、請求項1−10のうちの何れか一項に記載の付加製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020075841A JP2021171958A (ja) | 2020-04-22 | 2020-04-22 | 付加製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020075841A JP2021171958A (ja) | 2020-04-22 | 2020-04-22 | 付加製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2021171958A true JP2021171958A (ja) | 2021-11-01 |
Family
ID=78281231
Family Applications (1)
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JP2020075841A Pending JP2021171958A (ja) | 2020-04-22 | 2020-04-22 | 付加製造装置 |
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Country | Link |
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2020
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