JP2022099636A - 付加製造装置 - Google Patents

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誠 田野
Makoto Tano
好一 椎葉
Koichi Shiiba
浩平 加藤
Kohei Kato
貴也 長濱
Takaya Nagahama
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Abstract

【課題】ビードの形成に伴う蓄熱の影響を抑制することができて、高品質な付加製造物を付加製造することができる付加製造装置を提供すること。【解決手段】付加製造装置の制御装置は、前回のビードN1の形成に伴って照射された少なくとも保温光ビームによる熱を蓄熱することによって基材Bの造形面B1に生じた蓄熱範囲SRから離間した位置を今回のビードN2を形成する形成位置BBとして決定する。【選択図】図12

Description

本発明は、付加製造装置に関する。
付加製造には、例えば、指向性エネルギー堆積(Directed Energy Deposition)方式、粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion)方式等があることが知られている。指向性エネルギー堆積方式は、光ビーム(レーザビーム及び電子ビーム等)の照射と材料の供給を行う加工ヘッドの位置を制御することで付加製造を行う。指向性エネルギー堆積方式には、LMD(Laser Metal Deposition)、DMP(Direct Metal Printing)等が含まれる。粉末床溶融結合方式は、平らに敷き詰められた粉末材料に対して、光ビームを照射することで付加製造を行う。粉末床溶融結合方式には、SLM(Selective Laser Melting)、EBM(Electron Beam Melting)等が含まれる。
例えば、指向性エネルギー堆積方式のLMDは、硬質材を含む粉末材料等を噴射しながら光ビームを照射することにより、粉末材料等を溶融させた後に凝固させることができる。これにより、LMDは、例えば、基材に対して部分的に硬質材の付加製造物を付加する肉盛技術として利用されている。
そして、例えば、特許文献1には、複数のビードを基材に形成する付加製造装置が開示されている。従来の付加製造装置においては、前回形成したビードに隣接して今回のビードを形成するようになっている。
特開2020-124722号公報
ところで、従来の付加製造装置では、複数のビードを形成する場合、前回形成したビードに隣接するように、或いは、前回形成したビードに接触するように、今回のビードを形成する。ビードを形成する場合、光ビームが照射されることにより、供給される粉末材料と基材の一部とが溶融した溶融池が形成される。この状態において、形成されたビードの近傍の基材の温度は、照射された光ビームによるエネルギー即ち熱が蓄熱されることにより、ビードが形成されていない部分よりも高い状態になる。
このため、前回形成したビードに隣接するように今回のビードを形成する場合、今回のビードを形成する形成位置における基材の温度が高いため、溶融池を形成するために供給されるエネルギーが過多になる。その結果、溶融池が過剰に拡大することによって溶融池における粉末材料の成分(硬質材等)の希釈化が生じ、ビード即ち付加製造物の強度等に影響を及ぼす虞がある。従って、今回のビードを形成する形成位置においては、前回ビードが形成されたことに起因する蓄熱の影響を抑制し、供給されるエネルギーが過多にならないようにすることが必要である。
本発明は、ビードの形成に伴う蓄熱の影響を抑制することができて、高品質な付加製造物を付加製造することができる付加製造装置を提供することを目的とする。
付加製造装置は、硬質材及び超硬バインダを含む粉末材料を基材に供給する粉末材料供給装置と、基材に供給された粉末材料を粉末材料の融点以上に加熱して溶融する溶融光ビームを照射する溶融光ビーム照射装置と、溶融光ビームが照射される照射範囲である溶融光照射範囲の外側にて加熱して保温する保温光ビームを照射する保温光ビーム照射装置と、溶融光ビーム及び保温光ビームの照射、並びに、基材に対する溶融光ビーム及び保温光ビームの相対的な走査について、溶融光ビーム照射装置及び保温光ビーム照射装置の各々を独立して制御する制御装置と、を備え、基材に複数のビードを形成することによって付加製造物を付加製造する付加製造装置であって、制御装置は、少なくとも前回のビードの形成に伴って照射された保温光ビームによる熱を蓄熱することによって基材に生じた蓄熱範囲から離間した位置を今回のビードを形成する形成位置として決定する。
これによれば、制御装置は、前回のビードの形成に伴い、少なくとも保温光ビームが照射されることによる熱によって基材に生じた蓄熱範囲から離間した位置を、今回のビードを形成する形成位置として決定することができる。これにより、今回のビードを形成する際には、溶融光ビーム及び保温光ビームによって基材に供給されるエネルギーが過多になることを抑制することができ、その結果、今回のビードを形成する溶融池の過剰な拡大を抑制することができる。従って、付加製造装置は、高品質な付加製造物を付加製造することができる。
付加製造装置を示す図である。 図1の付加製造装置の移動装置を説明するための図である。 溶融光ビームの溶融光照射範囲と保温光ビームの保温光照射範囲とを説明するための図である。 図1の付加製造装置において基材に付加製造物を付加製造する場合のパワー密度と光照射範囲との関係を示すビームプロファイルである。 図1の付加製造装置による付加製造物を付加製造する際の基材に付加した付加製造物の初期状態を示す断面図である。 図5の状態から走査が進んだときの基材に付加製造した付加製造物の途中状態及び付加状態を示す断面図である。 ビードの形成に伴って生じる蓄熱範囲を説明するための図である。 隣接してビードが形成された際の蓄熱範囲の拡大及び溶融池の拡大を説明するための図である。 ビードの形成位置を説明するための図である。 付加製造装置制御プログラムのフローチャートである。 最初のビードが形成された状態を説明するための図である。 図11の基材を4分の1周分回転させて次のビードが形成された状態を説明するための図である。 図12の基材を4分の1周分回転させて次のビードが形成された状態を説明するための図である。 第一別例に係り、螺旋状にビードを形成する場合を説明するための図である。 第二別例に係り、平面を有する基材にビードを形成する場合を説明するための図である。
(1.付加製造装置の概要)
本例の付加製造装置は、例えば、指向性エネルギー堆積方式であってLMD方式を採用する。本例において、付加製造装置は、硬質材である硬質粉末材料に結合粉末材料を混合した粉末材料を基材に向けて噴射しながら光ビームを照射することにより、基材に硬質の付加製造物を付加製造する。粉末材料、特に、硬質粉末材料と基材は、異なる材料でも良く、同一種類の材料でも良い。更に、粉末材料は、硬質粉末材料と結合粉末材料とを固めた造粒粉末でも良い。
本例では、硬質材である炭化タングステン(WC)の硬質粉末材料を用いて造形される硬質の付加製造物を、炭素鋼(S45C)を用いて形成された基材に付加製造する場合について説明する。尚、硬質材については、例えば、付加製造時に割れが発生するような他の硬質材、例えば、高速度鋼等を用いることも可能である。尚、粉末材料として、例えば、温度によって硬さが変化する炭素鋼等の鉄系材料を用いることも可能である。
本例においては、結合粉末材料は、炭化タングステン(WC)を結合する超硬バインダとして作用するコバルト(Co)を用いる。ここで、炭化タングステン(WC)の融点(凝固点)は、2870℃であり、超硬バインダであるコバルト(Co)の融点(凝固点)の1495℃よりも高い。尚、本例においては、硬質バインダとしてコバルト(Co)を用いる。しかし、硬質バインダはコバルト(Co)に限られず、例えば、ニッケル(Ni)を硬質バインダとして用いることも可能である。
(2.付加製造装置100の構成)
図1に示すように、付加製造装置100は、粉末材料供給装置110、光ビーム照射装置120及び制御装置130を主に備える。尚、本例の付加製造装置100の基本的な構造及び動作については、周知のLMD型の付加製造装置と同等である。このため、付加製造装置100についての詳細な構成及び動作等の説明については省略する。
粉末材料供給装置110は、ホッパ111、バルブ112、ガスボンベ113及び噴射ノズル114を備える。ホッパ111は、結合粉末材料P2が混合された硬質粉末材料P1を貯蔵する。尚、以下の説明において、硬質粉末材料P1と結合粉末材料P2とを混合した粉末材料を単に「粉末材料P」と称呼する。
バルブ112は、粉末導入バルブ112a、粉末供給バルブ112b及びガス導入バルブ112cを備える。粉末導入バルブ112aは、配管111aを介してホッパ111と接続される。粉末供給バルブ112bは、配管114aを介して噴射ノズル114と接続される。ガス導入バルブ112cは、配管113aを介してガスボンベ113と接続される。
噴射ノズル114及び配管114aは、噴射ノズル114側に傾斜部分を有する筒状の容器115に収容される。噴射ノズル114は、容器115の傾斜部分の先端に配置される。そして、噴射ノズル114は、配管114aを介して、例えば、ガスボンベ113から供給される高圧の窒素により、粉末材料Pを基材B、より詳しくは、付加製造物FFを造形する造形面B1に向けて噴射する。尚、粉末材料Pを噴射するガスは、窒素に限定されるものではなく、アルゴン等の不活性ガスであっても良い。
光ビーム照射装置120は、溶融光ビーム照射装置121と、保温光ビーム照射装置122と、を備える。又、光ビーム照射装置120は、溶融光ビーム照射装置121及び保温光ビーム照射装置122の各々を独立して相対移動させる、又は、溶融光ビーム照射装置121及び保温光ビーム照射装置122を一体に移動させる移動装置123を備える。ここで、図1及び図2に示すように、溶融光ビーム照射装置121と保温光ビーム照射装置122とは、移動装置123によって各々が照射する光ビームの照射方向(光軸)が交差する、或いは、ねじれの位置関係を有するように配置される。
つまり、図3に示すように、溶融光ビーム照射装置121と保温光ビーム照射装置122とは、溶融光ビーム照射装置121による溶融光ビームMBMの照射範囲と、保温光ビーム照射装置122による保温光ビームKBMの照射範囲と、が重畳するように(重なるように)、配置される。ここで、以下の説明において、溶融光ビーム照射装置121による溶融光ビームMBMの照射範囲を、溶融光ビームMBMによって加熱される溶融光照射範囲MSと称呼し、保温光ビーム照射装置122による保温光ビームKBMの照射範囲を、保温光ビームKBMによって保温(予熱或いは加熱)される保温光照射範囲KSと称呼する。
溶融光ビーム照射装置121は、溶融光ビーム生成部121aにより生成され供給される溶融光ビームMBMを基材Bの造形面B1に直交するように照射する溶融光ビーム照射部121bを備える。溶融光ビーム生成部121aは、制御装置130によって制御されて、溶融光ビームMBMを生成する。
溶融光ビーム照射部121bは、容器115の内部において、噴射ノズル114の近傍に配置される。具体的に、溶融光ビーム照射部121bは、噴射ノズル114から噴射される粉末材料Pの供給位置に向けて溶融光ビームMBMが照射可能となるように、換言すれば、溶融光照射範囲MSに向けて噴射ノズル114から噴射される粉末材料P及び造形面B1(基材B)を加熱するように、容器115の傾斜部分の先端に配置される。
溶融光ビームMBMは、容器115の内部に配置された図示省略のコリメータレンズや集光レンズ等の光学系を通して溶融光ビームMBMを照射する。そして、溶融光ビームMBMは、図1に示すように、造形面B1(基材B)において粉末材料供給装置110から供給された粉末材料Pを溶融することにより溶融池MPを形成する。尚、「加工ヘッド」は、噴射ノズル114、溶融光ビーム照射装置121及び容器115を含んで構成される。これにより、粉末材料Pと溶融光ビームMBMとは一体に移動するため、粉末材料Pは溶融光ビームMBMが照射される溶融光照射範囲MSに噴射される。
保温光ビーム照射装置122は、保温光ビーム生成部122aにより生成され供給される保温光ビームKBMを基材Bの造形面B1に照射する保温光ビーム照射部122bを備える。保温光ビーム照射装置122は、保温光ビームKBMの照射方向(光軸)が、溶融光ビーム照射装置121による溶融光ビームMBMの照射方向(光軸)に対して傾きを有するように配置される。保温光ビーム照射装置122は、造形面B1(基材B)及び造形面B1における保温光照射範囲KSに供給されて未溶融の状態にある粉末材料Pを加熱して(或いは、予熱して)保温する。
保温光ビーム生成部122aは、制御装置130によって制御されて、保温光ビームKBMを生成する。保温光ビーム照射部122bは、筒状の容器122cにおいて、基材B(造形面B1)に対向する先端に配置される。具体的に、保温光ビーム照射部122bは、溶融光ビーム照射装置121から照射された溶融光ビームMBMの溶融光照射範囲MSに対して保温光照射範囲KSを重ねて保温光ビームKBMが照射可能となるように、容器122cの先端に配置される。又、保温光ビーム照射部122bは、形成された溶融池MPに対し、溶融光ビーム照射装置121の走査方向にて前側及び後側、特に、少なくとも後側に向けて保温光ビームKBMが照射可能となるように、容器122cの先端に配置される。
保温光ビームKBMは、容器122cの内部に配置された図示省略のコリメータレンズや集光レンズ等の光学系を通して保温光ビームKBMを照射する。そして、保温光ビームKBMは、保温光照射範囲KSの内部において、基材Bの造形面B1及び供給された未溶融の粉末材料Pを予熱(加熱)すると共に、溶融光ビームMBMによって形成された溶融池MPを保温する。
移動装置123は、図2に示すように、第一ロボットアーム123a及び第二ロボットアーム123bを主に備える。第一ロボットアーム123aは、溶融光ビーム照射装置121(即ち、加工ヘッド)を支持する。そして、第一ロボットアーム123aは、基材Bの造形面B1に対して、溶融光ビームMBMの照射方向(即ち、溶融光ビームMBMの光軸)が直交する状態で、溶融光ビーム照射装置121を相対変位させる。
第二ロボットアーム123bは、保温光ビーム照射装置122を支持する。具体的に、第二ロボットアーム123bは、溶融光ビームMBMの照射方向(溶融光ビームMBMの光軸)に対して保温光ビームKBMの照射方向(即ち、保温光ビームKBMの光軸)が傾いた姿勢、換言すれば、造形面B1に対して保温光ビームKBMの照射方向(保温光ビームKBMの光軸)が傾いた姿勢で、保温光ビーム照射装置122を支持する。そして、本例の第二ロボットアーム123bは、保温光ビーム照射装置122を、溶融光ビーム照射装置121に追従させて、基材Bに対して相対変位させる。
ここで、本例においては、図3に示すように、溶融光ビーム照射装置121は、円形状の照射形状となる溶融光ビームMBMを照射する。又、保温光ビーム照射装置122は、溶融光ビームMBMの溶融光照射範囲MSに重畳し且つ溶融光ビームMBMの溶融光照射範囲MSの外側を囲う(即ち、溶融光照射範囲MSを内部に含む)四角形状の照射形状となる保温光ビームKBMを照射する。即ち、保温光ビーム照射装置122が保温光ビームKBMを照射する保温光照射範囲KSは、溶融光ビーム照射装置121が溶融光ビームMBMを照射する溶融光照射範囲MSよりも広くなる。
これにより、溶融光照射範囲MSに照射される溶融光ビームMBMは、主として、基材Bの造形面B1において粉末材料Pを溶融することにより、図1に示すように、複数のビードNによる付加製造物FFを付加製造する。又、保温光照射範囲KSに照射される保温光ビームKBMは、主として、基材Bの造形面B1を予熱する。又、保温光照射範囲KSに照射される保温光ビームKBMは、主として、基材Bの造形面B1に付加製造された付加製造物FF(より詳しくは、粉末材料Pが溶融した溶融池MP)の温度低下を抑制するように保温する。
尚、本例においては、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMとして、レーザ光を用いる。しかしながら、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMは、レーザ光に限られず、電磁波であれば例えば電子ビームを用いることも可能である。又、本例においては、円形状の溶融光ビームMBM(即ち、溶融光照射範囲MS)に対して四角形状の保温光ビームKBM(即ち、保温光照射範囲KS)を重畳するように照射するが、照射形状についてはこれらに限定されるものではない。
制御装置130は、CPU、ROM、RAM、インターフェース等を主要構成部品とするコンピュータ装置である。制御装置130は、粉末材料供給装置110の粉末供給を制御する。具体的に、制御装置130は、粉末供給バルブ112b及びガス導入バルブ112cの開閉を制御することにより、噴射ノズル114から基材Bの造形面B1に向けた粉末材料Pの噴射供給を制御する。
又、制御装置130は、光ビーム照射装置120即ち溶融光ビーム照射装置121、保温光ビーム照射装置122及び移動装置123の光照射を制御する。具体的に、制御装置130は、溶融光ビーム照射装置121の溶融光ビーム生成部121a及び保温光ビーム照射装置122の保温光ビーム生成部122aの動作をそれぞれ制御する。これにより、制御装置130は、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの各々の出力条件を独立して制御する。ここで、出力条件としては、例えば、それぞれのレーザ出力や、図4に示すように、溶融光ビームMBMの照射範囲である溶融光照射範囲MS及び保温光ビームKBMの照射範囲である保温光照射範囲KSの各単位面積当たりのレーザ出力(W)であるパワー密度の分布形状、即ち、ビームプロファイルを挙げることができる。
ここで、制御装置130は、図4に示すように、溶融光ビームMBMのパワー密度のビームプロファイルにおけるピークMBP1を、保温光ビームKBMのパワー密度のビームプロファイルにおけるピークKBP1より増加させる制御を行う。溶融光ビームMBMのレーザ出力は、硬質粉末材料P1及び結合粉末材料P2を溶融して溶融池MPを形成できる温度となるように制御される。又、保温光ビームKBMのレーザ出力は、硬質粉末材料P1、結合粉末材料P2及び基材B(造形面B1)を溶融させることがない温度となるように制御される。
又、制御装置130は、移動装置123の第一ロボットアーム123a及び第二ロボットアーム123bを作動させることにより、保温光ビームKBMを溶融光ビームMBMの移動(軌跡)に追従させる。更に、制御装置130は、基材Bの造形面B1に対する溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの相対的な走査を制御する。具体的に、本例においては、制御装置130は、モータM1の回転を制御して基材Bを中心軸線Cの回りに回転させると共に、モータM2の回転を制御して基材Bを中心軸線Cの方向に移動させる。これにより、基材Bの周面に対する溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの相対的な走査を制御する。
尚、本例においては、制御装置130が基材Bを回転及び移動させるようにする。しかしながら、制御装置130が移動装置123を制御することにより、溶融光ビーム照射装置121及び保温光ビーム照射装置122を基材Bの造形面B1に対して相対的に移動させることが可能であることは言うまでもない。
(3.付加製造物FFの付加製造方法の概略)
次に、付加製造物FF(ビードN)の付加製造方法について説明する。付加製造物FF(ビードN)の付加製造方法では、保温光ビームKBMを照射することにより、保温光照射範囲KSにおいて、付加製造物FF(ビードN)の付加製造処理における前処理である予熱処理と後処理である保温処理とを行う。
一般に、基材Bの造形面B1の温度が低い状態では、溶融光ビームMBMの照射による熱エネルギーが基材Bに逃げ易い。これにより、溶融光ビームMBMを用いて付加製造物FF(ビードN)を基材Bの造形面B1に付加製造する場合、溶融不足の発生等の溶融の不良要因となり易いため、保温光ビームKBMを用いて基材Bの造形面B1を予熱(加熱)する。
このとき、予熱処理における保温光ビームKBMは、図5に示すように、溶融光ビームMBMの溶融光照射範囲MSと重なる(溶融光ビームMBMの光軸に交差する)ように、溶融光ビームMBMの走査方向SDの前側の保温光照射範囲KSを照射する。これにより、保温光ビームKBMは、付加製造物FF(ビードN)が形成される基材Bの造形面B1を予熱する。尚、予熱処理における保温光ビームKBMのレーザ出力は、基材Bの造形面B1が溶融せずに所定の温度となるように制御される。
又、付加製造物FF(ビードN)の形成後において、付加製造物FF(ビードN)が急速に冷却された場合、付加製造物FF(ビードN)に割れ等が発生し易い。このため、溶融光ビームMBMを用いて付加製造物FF(ビードN)を形成(造形)した後においては、保温光ビームKBMを用いて基材Bの造形面B1即ち付加製造物FF(ビードN)を保温(加熱)する。
このとき、保温処理における保温光ビームKBMは、図5に示すように、溶融光ビームMBMの溶融光照射範囲MSと重なる(溶融光ビームMBMの光軸に交差する)ように、溶融光ビームMBMの走査方向(SD)の後側の保温光照射範囲KSまで照射する。これにより、保温光ビームKBMは、形成された付加製造物FF(ビードN)を保温する。尚、保温処理における保温光ビームKBMのレーザ出力は、形成された付加製造物FF(ビードN)及び基材Bの造形面B1が溶融せずに所定の冷却速度(℃/s)となるように制御される。
又、付加製造物FF(ビードN)の付加製造方法においては、保温光ビームKBMが予熱処理及び保温処理を行う状態で、溶融光ビームMBMを照射することにより、溶融光照射範囲MSにおいて、基材Bの造形面B1の一部及び粉末材料Pを溶融して溶融池MPを形成する溶融処理を行う。これにより、溶融光ビームMBMは、基材Bの造形面B1において、付加製造物FF(ビードN)を形成(造形)する。
具体的に、付加製造方法においては、図6に示すように、溶融光ビームMBMを走査方向SDに走査することで溶融池MPを拡大させることにより、付加製造物FF(ビードN)を付加製造する。そして、溶融光ビームMBMは、溶融池MPを拡大させるように粉末材料Pを溶融させた後、走査方向SDに順次移動する。ここで、本例の付加製造物FF(ビードN)は、硬質粉末材料P1の炭化タングステン(WC)が超硬バインダとして作用する結合粉末材料P2のコバルト(Co)によって結合されて形成されるものである。そして、本例の付加製造物FFは、基材Bの中心軸線Cの方向に沿って筋状に形成される複数のビードNによって構成される(図1を参照)。
ところで、複数のビードNが互いに隣接するように連続して形成されることによって基材Bの造形面B1の温度が上昇して高い状態では、溶融光ビームMBMの照射による熱エネルギーが過多になり易い。これにより、溶融処理において付加製造物FF(ビードN)を基材Bの造形面B1に付加製造する場合、エネルギー過多に起因して溶融池MPが拡大し過ぎると、ビードNのビード幅が広がったりビード高さが変動したり、或いは、基材BのビードNへの溶け込み(希釈)が生じたりして付加製造の不良要因となり易い。
より詳細に、基材Bの造形面B1においては、保温光ビームKBMが溶融光ビームMBMの移動に追従して移動することによる保温光照射範囲KSの軌跡KH(図3を参照)における温度は、保温光ビームKBMが照射されたことによって付加製造物FFの形成後、冷却が緩やかになる。その結果、図7に示すように、保温光照射範囲KSを含む周辺は、ビードNの形成に伴って照射された少なくとも保温光ビームKBMによる熱を蓄熱することによって昇温した蓄熱範囲SRになり、基材Bの造形面B1における蓄熱範囲SRから離間した部分の温度に比べて高くなる。ここで、本例においては、図7に示すように、蓄熱範囲SRが保温光照射範囲KSよりも広い場合を例示する。しかしながら、蓄熱範囲SRに保温光照射範囲KSが含まれる場合としては、蓄熱範囲SRが保温光照射範囲KSと一致していても良い。つまり、この場合は、蓄熱範囲SRは、保温光照射範囲KSとなる。
このため、基材Bの造形面B1において、図8に示すように、前回の形成動作により形成した付加製造物FF即ちビードN1に隣接して今回の付加製造物FF即ちビードN2を形成する場合には、今回のビードN2の形成位置に蓄熱範囲SRが形成されて温度が高い状態となる。前回のビードN1の形成に起因して蓄熱範囲SRが形成されて、ビードN2を形成する形成位置の温度が高い状態では、溶融光ビームMBMにより溶融される基材B及び粉末材料Pの溶融が過度に促進される。即ち、ビードN2を形成する溶融池MPの拡大が促進される。
更に、ビードN2に隣接してビードN3を形成する場合、ビードN1の形成に伴う蓄熱に加えてビードN2の形成に伴う蓄熱によって蓄熱範囲SRが形成され、ビードN3を形成する形成位置の温度は、ビードN2を形成する形成位置の温度よりも高くなる。その結果、ビードN3を形成する溶融池MPは更に拡大が促進される。従って、今回のビードN即ち付加製造物FFを形成する形成位置の温度は、付加製造の不良要因を排除するためにビードN(付加製造物FF)の形成に適した温度である必要がある。
ところで、例えば、前回のビードN(付加製造物FF)の形成後から今回のビードN(付加製造物FF)の形成を開始するまでに時間間隔を設けることにより、今回のビードN(付加製造物FF)の形成位置の冷却を行うことができる。しかしながら、この場合には、複数のビードN即ち付加製造物FFの付加製造に要する製造時間が長くなり、付加製造効率(生産効率)が損なわれる。
そこで、本例では、複数のビードNからなる付加製造物FFを形成する際に、図9に示すように、基材Bの造形面B1において、前回のビードN1の形成位置ABを含む蓄熱範囲SRから離間した位置となる形成位置BBにビードN2を形成する。即ち、基材Bの造形面B1において、前回のビードN1の形成に伴って照射された保温光ビームKBMの保温光照射範囲KSに対して、今回のビードN2の形成に伴って照射される保温光ビームKBMの保温光照射範囲KSが重ならないように決定された形成位置BBにビードN2を形成する。又、同様に、前回のビードN2の形成位置BBを含む蓄熱範囲SRから離間した位置となる形成位置CBにビードN3を形成する。
具体的に、本例においては、ビードN1の形成位置ABを含む蓄熱範囲SRから基材Bの周方向にて90度離間した形成位置BBにビードN2を形成する。同様に、本例においては、ビードN2の形成位置BBを含む蓄熱範囲SRから基材Bの周方向にて90度離間した形成位置CBにビードN3を形成する。即ち、本例のおいては、基材Bの周方向を4分割した場合、各々のビードNは、前回の形成位置に生じた蓄熱範囲SRから基材Bの周方向にて1/4周分離間した形成位置に順次形成される。
(4.付加製造物FFの製造方法の詳細)
次に、付加製造物FFの付加製造方法の詳細について説明する。制御装置130は、図10に示す付加製造装置制御プログラムの実行をステップS10にて開始し、続くステップS11にて、制御装置130は、今回の付加製造物FF即ちビードNの形成位置を割出して決定する。即ち、制御装置130は、例えば、図11に示すように、前回のビードN1を形成位置ABに形成した場合、今回ビードN2の形成位置BBを、図12に示すように、形成位置ABを含む蓄熱範囲SRから基材Bの周方向にて1/4周分(90度)離間した位置に決定する。
これに伴い、制御装置130は、モータM1を作動させて、形成位置BBが移動装置123の第一ロボットアーム123a及び第二ロボットアーム123bによって支持された溶融光ビーム照射装置121及び保温光ビーム照射装置122に対向するように、基材Bを90度回転させる。そして、制御装置130は、形成位置BBを決定すると共に基材Bを回転させると、ステップS12のステップ処理を実行する
尚、本例においては、制御装置130がモータM1を駆動させることにより、決定した形成位置BBに応じて基材Bを回転させるようにする。しかし、制御装置130は、決定した形成位置BBに応じて、移動装置123の第一ロボットアーム123a及び第二ロボットアーム123bを作動させることにより、溶融光ビーム照射装置121及び保温光ビーム照射装置122を形成位置BBに向けて移動させるようにしても良い。
ステップS12においては、制御装置130は、粉末材料供給装置110及び光ビーム照射装置120の作動を制御することにより、付加製造物FF即ちビードNを形成する。即ち、制御装置130は、粉末材料供給装置110のバルブ112、具体的には、粉末供給バルブ112b及びガス導入バルブ112cの開閉を制御し、予め設定された供給量の粉末材料Pを、例えば、図12に示すように、基材Bの造形面B1における形成位置BBに噴射ノズル114から供給する。
又、制御装置130は、粉末材料供給装置110からの粉末材料Pの供給に合わせて、光ビーム照射装置120の溶融光ビーム照射装置121及び保温光ビーム照射装置122を作動させる。そして、制御装置130は、溶融光照射範囲MSにおいて、例えば、形成位置BBに供給された粉末材料Pに対して溶融光ビームMBMを照射することにより、基材Bの造形面B1の一部及び粉末材料Pを溶融して即ち溶融池MPを形成し、ビードN2を形成する(溶融処理)。これにより、溶融光ビーム照射装置121は、基材Bの造形面B1において、図12に示すように、ビードN2即ち付加製造物FFを形成する。
一方、制御装置130は、例えば、図12に示すようにビードN2を形成した場合、保温光照射範囲KSにおいて、基材Bの造形面B1に形成されたビードN(付加製造物FF)に保温光ビームKBMを照射することにより、ビードN2(付加製造物FF)を保温する(保温処理)。これにより、保温光ビーム照射装置122は、基材Bの造形面B1に形成されたビードN2即ち付加製造物FFが急冷による割れの発生を抑制する。そして、制御装置130は、ビードNを形成(造形)すると、ステップS13のステップ処理を実行する。
ステップS13においては、制御装置130は、基材Bの造形面B1において、ビードNの付加製造が完了したか否かを判定する。即ち、制御装置130は、今回形成するビードNの付加製造即ち溶融処理及び保温処理が完了していれば、「Yes」と判定してステップS14のステップ処理を実行する。一方、制御装置130は、今回形成するビードNの溶融処理及び保温処理が完了していなければ、「No」と判定し、ビードNの付加製造が完了するまで繰り返し前記ステップS12のステップ処理を実行する。
ステップS14においては、制御装置130は、基材Bの造形面B1に形成すべき付加製造物FF即ち複数のビードNの形成が完了したか否かを判定する。即ち、制御装置130は、基材Bの造形面B1に形成すべき付加製造物FF(複数のビードN)の付加製造が完了していれば、「Yes」と判定してステップS15のステップ処理を実行し、付加製造装置制御プログラムの実行、つまり、付加製造処理を終了する。
一方、制御装置130は、基材Bの造形面B1に形成すべき付加製造物FFの付加製造が完了していなければ、「No」と判定して前記ステップS11に戻り、前記ステップS13までのステップ処理を実行する。そして、制御装置130は、ステップS14にて「Yes」と判定するまで、繰り返し前記ステップS11から前記ステップS13までの各ステップ処理を実行する。
具体的に、付加製造装置制御プログラムの実行開始直後においては、基材Bの造形面B1には、図11に示すように、付加製造物FFとしてビードN1が付加製造される。ビードN1の形成後においては、ビードN1の形成位置ABの近傍、即ち、基材Bの周方向における両隣は、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの照射により、蓄熱範囲SRが形成されて温度が高い状態になっている。このため、制御装置130は、次にビードN2を形成するに当たり、付加製造装置制御プログラムの前記ステップS11の実行時において、図12に示すように、ビードN1を形成することによって生じた蓄熱範囲SRから離間するように、ビードN1の形成位置ABを含む蓄熱範囲SRから基材Bの周方向にて4分の1周回転した位置(90度回転した位置)をビードN2の形成位置BBとして決定する。そして、制御装置130は、形成位置BBにビードN2を付加製造する。
続いて、制御装置130は、ビードN2の形成位置BBの近傍に蓄熱範囲SRが形成されて温度が高い状態になっているため、次にビードN3を形成するに当たり、付加製造装置制御プログラムの前記ステップS11の実行時において、図13に示すように、ビードN2を形成することによって生じた蓄熱範囲SRから離間するように、ビードN2の形成位置BBから基材Bの周方向にて4分の1周回転した位置(90度回転した位置)、換言すれば、ビードN1の形成位置ABを含む蓄熱範囲SRから2分の1周回転した位置(180度回転した位置)をビードN3の形成位置CBとして決定する。そして、制御装置130は、形成位置CBにビードN3を付加製造する。そして、制御装置130は、造形面B1において複数のビードNの付加製造が完了するまで、同様に、前回のビードNの形成位置を含む蓄熱範囲SRから4分の1周回転した位置(90度回転した位置)を今回のビードNの形成位置として決定し、ビードNを形成することを繰り返す。
これにより、今回、ビードNを形成する形成位置においては、蓄熱範囲SRから離間しているため、冷却を行うことなく、前回のビードNの形成に伴う蓄熱の影響を除外することができる。従って、ビードNの形成時におけるエネルギー過多を抑制することができるため、溶融池MPの拡大を抑制することができ、ビードNを適正に形成することができる。その結果、基材Bの造形面B1において、複数のビードNからなる付加製造物FFを正確に付加造形することができる。
以上の説明からも理解できるように、付加製造装置100によれば、制御装置130は、前回のビードN1の形成に伴って基材Bの造形面B1に生じた蓄熱範囲SRから周方向にて4分の1周分(90度)離間した位置を、今回のビードN2の形成位置BBとして決定することができる。これにより、今回のビードN2を形成する際には、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMによって基材Bの造形面B1に供給されるエネルギーが過多になることを抑制することができる。その結果、今回のビードN2(ビードN3)を形成する溶融池MPの過剰な拡大を抑制することができる。従って、付加製造装置100は、高品質な即ち造形面B1の全面で溶け込み量(希釈)が一定の均質な被膜である付加製造物FFを付加製造することができる。
(5.第一別例)
上述した本例においては、円柱状又は円筒状の基材Bの周面である造形面B1に対して、複数のビードNを軸方向に直線状に順次形成することによって肉盛りし、付加製造物FFを造形(付加製造)するようにした。しかし、円柱状又は円筒状の基材Bの周面である造形面B1に対して複数のビードNを形成する場合、各々のビードNを直線状に形成することには限定されず、造形面B1の周方向に沿って各々のビードNを順次形成することが可能である。具体的に、図14に示すように、例えば、各々のビードNを造形面B1に対して螺旋状に形成することができる。
この場合、図14に示すように、例えば、ビードN1を造形面B1に対して螺旋状に形成した場合、基材Bの軸方向にてビードN1の形成に伴って生じた蓄熱範囲SRから離間した位置にビードN2を造形面B1に対して螺旋状に形成する。そして、ビードN1から軸方向に離間した位置にビードN2を形成することにより、ビードN1の近傍における蓄熱範囲SR(図7を参照)が適温まで冷却されているため、例えば、ビードN1に隣接するようにビードN3を形成する。従って、第一別例においても、上述した本例と同様の効果が得られる。
(6.第二別例)
上述した本例及び第一別例においては、基材Bが円柱状又は円筒状である場合を例示して説明した。しかしながら、付加製造物FFを付加製造する基材Bの形状については、円柱状又は円筒状に限られず、平面の造形面B1を有する板状であっても良い。具体的に、図15に示すように、基材Bが平板であり、平面の造形面B1に対して複数のビードNを形成することができる。
この場合、図15に示すように、例えば、ビードN1を平面の造形面B1に対して直線状に形成した場合、造形面B1にてビードN1の形成に伴って生じた蓄熱範囲SRから離間した位置(図15においては右方向にて離間した位置)にビードN2を直線状に形成する。そして、ビードN1から離間した位置にビードN2を形成することにより、ビードN1の近傍における蓄熱範囲SR(図7を参照)が適温まで冷却されているため、例えば、ビードN1に隣接するようにビードN3を形成する。従って、第二別例においても、上述した本例と同様の効果が得られる。
(7.その他の別例)
上述した本例においては、制御装置130は、付加製造装置制御プログラムの前記ステップS11にて、今回のビードNの形成位置を、前回のビードNの形成に伴って生じた蓄熱範囲SRから基材Bの周方向にて4分の1周回転した位置(90度回転した位置)に決定するようにした。これに代えて、制御装置130は、前記ステップS11にて、今回のビードNの形成位置を、前回のビードNの形成に伴って生じた蓄熱範囲SRから基材Bの周方向にて2分の1周回転した位置(180度回転した位置)に決定することも可能である。
更に、上述した本例等では、付加製造装置100がLMD方式を採用した場合を説明した。これに代えて、付加製造装置がSLM方式を採用した場合であっても、溶融池の過剰な拡大を抑制することが可能である。SLMを採用した場合においては、例えば、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMを走査して敷き詰められた粉末材料Pを溶融して凝固させた部分から、離間した他の部分における粉末材料Pを溶融して凝固させることが可能である。これにより、SLMを採用した場合であっても、上述した本例等と同等の効果が期待できる。
100…付加製造装置、110…粉末材料供給装置、111…ホッパ、111a…配管、112…バルブ、112a…粉末導入バルブ、112b…粉末供給バルブ、112c…ガス導入バルブ、113…ガスボンベ、113a…配管、114…噴射ノズル、114a…配管、115…容器、120…光ビーム照射装置、121…溶融光ビーム照射装置、121a…溶融光ビーム生成部、121b…溶融光ビーム照射部、122…保温光ビーム照射装置、122a…保温光ビーム生成部、122b…保温光ビーム照射部、122c…容器、123…移動装置、123a…第一ロボットアーム、123b…第二ロボットアーム、130…制御装置、140…撮像装置、B…基材、B1…造形面、C…中心軸線、FF…付加製造物、N…ビード、MP…溶融池、KBM…保温光ビーム、MBM…溶融光ビーム、MS…溶融光照射範囲、KS…保温光照射範囲、M1…モータ、M2…モータ、P…粉末材料、P1…硬質粉末材料、P2…結合粉末材料、SD…走査方向、SR…蓄熱範囲

Claims (15)

  1. 硬質材及び超硬バインダを含む粉末材料を基材に供給する粉末材料供給装置と、
    前記基材及び前記基材に供給された前記粉末材料を、前記基材及び前記粉末材料の融点以上に加熱して溶融する溶融光ビームを照射する溶融光ビーム照射装置と、
    前記溶融光ビームが照射される照射範囲である溶融光照射範囲の外側にて前記融点未満に加熱して保温する保温光ビームを照射する保温光ビーム照射装置と、
    前記溶融光ビーム及び前記保温光ビームの照射、並びに、前記基材に対する前記溶融光ビーム及び前記保温光ビームの相対的な走査について、前記溶融光ビーム照射装置及び前記保温光ビーム照射装置の各々を独立して制御する制御装置と、
    を備え、前記基材に複数のビードを形成することによって付加製造物を付加製造する付加製造装置であって、
    前記制御装置は、
    前回の前記ビードの形成に伴って照射された少なくとも前記保温光ビームによる熱を蓄熱することによって前記基材に生じた蓄熱範囲から離間した位置を、今回の前記ビードを形成する形成位置として決定する、付加製造装置。
  2. 前記蓄熱範囲は、前回の前記ビードの形成に伴って照射された前記保温光ビームにより昇温した範囲である、請求項1に記載の付加製造装置。
  3. 前記制御装置は、
    前回の前記ビードの形成に伴って前記保温光ビームが照射される照射範囲である保温光照射範囲に対して、今回の前記ビードの形成に伴って照射される前記保温光ビームの前記保温光照射範囲が重ならないように、今回の前記ビードの前記形成位置を決定する、請求項1に記載の付加製造装置。
  4. 前記基材は、円柱状又は円筒状であり、
    前記制御装置は、前記形成位置を、前記蓄熱範囲から前記基材の周方向に離間した位置に決定する、請求項1-3の何れか一項に記載の付加製造装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記形成位置を、前記蓄熱範囲から前記基材の周方向にて4分の1周分離間した位置に決定する、請求項4に記載の付加製造装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記保温光ビームが照射される照射範囲であって前記溶融光照射範囲よりも大きな保温光照射範囲を前記溶融光照射範囲に重畳させた状態となるように、前記溶融光ビーム照射装置に対する前記保温光ビーム照射装置の相対的な姿勢を制御する、請求項1-5の何れか一項に記載の付加製造装置。
  7. 前記制御装置は、前記保温光ビームの照射方向が前記溶融光ビームの照射方向に対して傾いた状態で、前記保温光ビーム照射装置の前記姿勢を制御する、請求項6に記載の付加製造装置。
  8. 前記溶融光ビームの照射方向は、前記基材において付加製造物を造形する造形面に直交する方向である、請求項6又は7に記載の付加製造装置。
  9. 前記保温光照射範囲は、前記溶融光照射範囲に対して、前記溶融光ビームの前記走査の方向において前側よりも後側が長くなる、請求項6-8の何れか一項に記載の付加製造装置。
  10. 前記粉末材料供給装置は、前記基材に対し前記粉末材料を噴射して供給するものであり、前記溶融光ビーム照射装置と一体に移動可能に設けられる、請求項1-9の何れか一項に記載の付加製造装置。
  11. 前記制御装置は、前記溶融光ビーム照射装置によって照射された前記溶融光ビームの前記走査の軌跡を追従するように、前記保温光ビーム照射装置によって照射された前記保温光ビームの前記走査を制御する、請求項1-10の何れか一項に記載の付加製造装置。
  12. 前記保温光ビーム照射装置は、前記基材を加熱して保温する、請求項1-11の何れか一項に記載の付加製造装置。
  13. 前記硬質材の融点は、前記超硬バインダの融点よりも高い、請求項1-12の何れか一項に記載の付加製造装置。
  14. 前記硬質材は、炭化タングステン(WC)である、請求項13に記載の付加製造装置。
  15. 前記超硬バインダは、コバルト(Co)又はニッケル(Ni)である、請求項1-14の何れか一項に記載の付加製造装置。
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