JP2023047555A - 溶接方法 - Google Patents

溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023047555A
JP2023047555A JP2021156527A JP2021156527A JP2023047555A JP 2023047555 A JP2023047555 A JP 2023047555A JP 2021156527 A JP2021156527 A JP 2021156527A JP 2021156527 A JP2021156527 A JP 2021156527A JP 2023047555 A JP2023047555 A JP 2023047555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser beam
molten pool
base material
welding
welding method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021156527A
Other languages
English (en)
Inventor
啓介 舟山
Keisuke Funayama
賢太 福田
Kenta Fukuda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2021156527A priority Critical patent/JP2023047555A/ja
Publication of JP2023047555A publication Critical patent/JP2023047555A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

【課題】金属板の重ね継ぎ手隅肉溶接においてブローホールを低減することができる溶接方法を提供する。【解決手段】表面処理された金属板の重ね継ぎ手隅肉による溶接方法であって、前記金属板により形成された第1母材(W1)及び前記第1母材(W1)に重ねられた第2母材(W2)により形成された合わせ目(WD)に沿って電極部(2A)を、第1方向(D1)に進行させながらアーク放電に基づいて放電箇所(2H)に溶融池(M)を発生させる工程と、前記溶融池(M)内の底部における前記合わせ目(WD)に向けてレーザビーム(3A)を照射し、前記レーザビーム(3A)の照射時間において前記溶融池(M)における第1レーザビーム照射位置(3H)の第1断面高さ(h1)を、前記レーザビーム(3A)が未照射である前記溶融池(M)の第2断面高さ(h2)に比して薄く形成する工程と、を備える溶接方法である。【選択図】図6

Description

本発明は、溶接方法に関する。
亜鉛メッキ鋼板を溶接する場合、溶接箇所にメッキ層が蒸発したガスに基づくブローホールと呼ばれる孔が発生する場合がある。例えば、特許文献1には、溶接箇所に生成される溶融池にレーザを照射し、ブローホールを低減する溶接方法が記載されている。
特表2014-531325号公報
特許文献1に記載された溶接方法には、金属板の重ね継ぎ手隅肉溶接に対する具体的なレーザ照射方法は開示していなかった。
本発明は、金属板の重ね継ぎ手隅肉溶接においてブローホールを低減することができる溶接方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、表面処理された金属板の重ね継ぎ手隅肉による溶接方法であって、前記金属板により形成された第1母材(W1)、及び前記第1母材(W1)に重ねられた第2母材(W2)により形成された合わせ目(WD)に沿って電極部(2A)を、第1方向(D1)に進行させながらアーク放電に基づいて放電箇所(2H)に溶融池(M)を発生させる工程と、前記溶融池(M)内の底部における前記合わせ目(WD)に向けてレーザビーム(3A)を照射し、前記レーザビーム(3A)の照射時間において前記溶融池(M)における第1レーザビーム照射位置(3H)の第1断面高さ(h1)を、前記レーザビーム(3A)が未照射である前記溶融池(M)の第2断面高さ(h2)に比して薄く形成する工程と、を備える溶接方法である。
この構成によれば、溶接部が形成した溶融池にレーザビームを照射して再加熱することにより、溶融池内部に発生したブローホールを表面まで到達させブローホールを低減することができる。また、レーザが溶融池の内に亜鉛メッキ層の蒸発ガスをかき回すことにより、蒸発ガスが溶融池表面に表出し、ブローホールを低減することができる。この構成によれば、レーザ照射時に溶融池に窪みが形成され、ブローホールを消滅させ易くすることができる。
請求項2に記載した発明の前記レーザビーム(3A)は、前記第1レーザビーム照射位置(3H)において一時停止或いは前記第1レーザビーム照射位置(3H)から前記第1方向(D1)に対して逆方向の第2方向(D2)に向かった第1距離(L1)進行させてもよい。
この構成によれば、溶融池の凝固を遅延させブローホールを消滅させ易くすることができる。
請求項3に記載された発明の前記レーザビーム(3A)は、前記第1レーザビーム照射位置(3H)から前記第1方向D1に対して逆方向の第2方向(D2)に第2距離(L2)において離間した第2レーザビーム照射位置(3J)に照射してもよい。
この構成によれば、発生した溶融池が冷える進行方向の下流側においてレーザビームを照射することにより、残留したブローホールを消滅することができる。
請求項4に記載された発明の前記第1距離(L1)は、前記第2距離(L2)に比して短くしてもよい。
この構成によれば、レーザビーム照射移動の範囲を狭くすることで、溶融池の加熱及び撹拌を促すことにより、ブローホールを消滅させ易くすることができる。
また、請求項5に記載された発明の前記レーザビーム(3A)は、前記第1方向(D1)と直交する方向において、前記合わせ目(WD)から前記第1母材(W1)側に所定範囲幅(L3)において照射されてもよい。
この構成によれば、ブローホールが生じやすい第1母材側にレーザビーム照射することにより、ブローホールを消滅させ易くすることができる。
また、請求項6に記載された発明の前記レーザビーム(3A)は、前記照射時間において前記溶融池(M)の前記第1方向(D1)に直交する方向の幅方向の断面において前記第1断面高さ(h1)を前記幅方向における前記溶融池(M)の幅における稜線の第3断面高さ(h3)に比して低く形成してもよい。
この構成によれば、レーザビーム照射時に溶融池に窪みを生成することにより、ブローホールを消滅させ易くすることができる。
本発明によれば、金属板の重ね継ぎ手隅肉溶接においてブローホールを低減することができる。
第1母材と第2母材とを重ねた状態を示す断面図である。 重ね継手の溶接箇所に発生するブローホールを示す断面図である。 溶接システム1の構成を概略的に示す図である。 レーザビームの照射により変形する溶融池の状態を示す断面図である。 制御装置の構成を示すブロック図である。 溶接システムにおいて実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図1に示されるように、溶接対象は、亜鉛メッキ鋼板により形成された第1母材W1及び第1母材W1に重ねられた第2母材W2により段差部Dが形成されている。溶接方法は、段差部Dをアーク溶接し亜鉛メッキ鋼板の重ね継ぎ手に隅肉溶接に基づく溶接ビードを形成するものである。第1母材W1及び第2母材W2は、それぞれ鋼板の表面に亜鉛メッキによるメッキ層が形成されている。第1母材W1及び第2母材W2は、例えば、二輪車等の車両のタンクを形成するための成形部品である。第1母材W1及び第2母材W2は、他の部品の溶接に用いられてもよい。
図2に示されるように、段差部Dに重ね継手隅肉溶接を行うと、発生する熱によってメッキ層が蒸発し、生成される溶融池内に亜鉛蒸気に基づくブローホールHと呼ばれる気泡が生じる。ブローホールは、重ね継手の他に、第1母材W1と第2母材W2とを互いに略直交させた当接部を溶接する角継手やT継手の隅肉溶接においても発生する。ブローホールHが発生すると、溶融池が固まったビードの表面にブローホールに基づくピットと呼ばれる窪み孔が形成されたり、ビード内部に閉じ込められたままの空洞が形成されたりする場合がある。このようにビードに形成された気泡に基づくピットや空洞は、溶接の品質を劣化させ得る。実施形態に係る溶接方法は、亜鉛メッキ鋼板等の表面処理された金属同士の重ね継ぎ手の隅肉溶接においてブローホールを低減するものである。
図3に示されるように、溶接対象は、例えば、板状の第1母材W1及び第2母材W2が含まれる。溶接対象の少なくとも一方は、例えば、亜鉛メッキ鋼板である。溶接対象は、亜鉛メッキ鋼板の他に溶接時に同様にブローホールが生じるような表面処理された金属板であってもよい。第1母材W1の上方には、板状の第2母材W2が重ねて配置されている。溶接対象は、重ね継手に配置されている。溶接対象は、角継手やT継手に配置されていてもよい。第1母材W1と第2母材W2とを重ね合わせた部分には段差部Dが形成されている。段差部Dには、溶接後、溶接ビードBが形成される。段差部Dは、以下の溶接システム1により溶接される。
溶接システム1は、例えば、溶接を行う溶接装置2と、レーザ照射を行うレーザ装置3と、溶接装置2及びレーザ装置3を制御する制御装置10と、を備える。溶接装置2は、例えば、アーク溶接を行う。溶接装置2は、ガス金属アーク溶接等の既存のアーク溶接方法を用いて溶接を行う装置であるが、それに限らず他の溶接方法が用いられるものであってもよい。溶接装置2は、例えば、アーク溶接を自動的に行う自動溶接装置である。溶接装置2は、例えば、アーク放電を行う電極棒2Bと、電極棒2Bに電気的に接続されると共に電極棒2Bを支持する電極部2Aと、電極棒2Bを自動的に送り出す自動送り装置2Cと、を備える。溶接装置2には、この他、電極部2Aを溶接箇所に沿って自動的に移動させるロボット装置(不図示)に接続されている。電極部2Aの移動は、作業者による手動であってもよい。
電極部2Aは、先端部から電極棒2Bを突出させている。電極部2Aは、電源装置から陽極電極が電気的に接続された電極棒2Bと、電源装置から負極電極が電気的に接続された母材Wとの間にアーク放電を発生させる。電極部2Aは、発生するアークの熱に基づいて第1母材W1と第2母材W2と電極棒2Bとを溶融させ、溶融池Mを発生させる。溶接時において、電極棒2Bが消耗する。電極棒2Bは、巻回されて自動送り装置2Cに取り付けられている。溶接時において電極棒2Bは、自動送り装置2Cにより自動的に溶接状態に応じた量が送り出される。
電極部2Aは、例えば、溶接時に先端からMIG(Metal Active Gas)溶接用のシールドガスを溶接箇所に噴射する。シールドガスは、アークや溶融地の周辺を大気からシールドする。シールドガスは、例えば、不活性ガスと炭酸ガスの混合ガスである。電極部2Aは、アークや溶融地の周辺に先端部に設けられたノズル(不図示)からシールドガスを溶融池M周辺に供給する。シールドガスの噴射により、溶融池Mに対してアーク放電により生じるエネルギーを集中させることができる。電極棒2Bは、アーク放電により生じる熱に基づいて溶出し、溶接位置に供給され、溶接位置における母材Wが溶融した溶融金属と混合し溶融池Mを形成する。
電極部2Aは、溶接時に第1母材W1と第2母材W2との合わせ目に沿って電極部を第1方向D1に進行する。電極部2Aは、進行と同時にアーク放電に基づいて放電箇所に所定幅の溶融池Mを発生させる。このとき、電極部2Aは、第1方向D1に進行しながら、放電箇所において円運動、往復運動、一時停止等のいずれかの放電動作を繰り返し、所定幅が調整された溶融池Mを形成してもよい。これにより、溶融池Mが凝固すると、所定幅の溶接ビードBが形成される。電極部2Aの第1方向D1と反対方向の第2方向D1側には、所定距離(第2距離L2)離間してレーザ装置3が配置されている。
レーザ装置3は、溶融池Mの溶融状態を維持する熱量に加熱可能な所定の出力レベルを有するレーザビーム3Aを照射する。レーザ装置3自体は、既存のレーザ照射可能な任意の装置が用いられ得る。レーザ装置3は、電極部2Aの移動に連動し、溶接箇所に沿って自動的に移動させるロボット装置(不図示)に接続されている。レーザ装置3は、第1方向D1に進行しながら、第1レーザビーム照射位置3Hにおいて一時停止、往復運動等のいずれかの移動動作を繰り返し、溶融池Mを加熱する。レーザ装置3は、第1レーザビーム照射位置3Hにおいて円運動等他の動作を行ってもよい。第1レーザビーム照射位置3Hは、例えば、第1母材W1と第2母材W2との合わせ目WD(図4参照)の位置である。第1レーザビーム照射位置3Hは、円運動等他の動作を行うことにより、第1母材W1と第2母材W2との合わせ目WDの位置の周囲の所定範囲を含む。但し、所定範囲は、溶接ビードBの幅以下である。
レーザ装置3は、電極部2Aの移動に連動して第1方向D1に移動する。レーザ装置3は、電極部2Aが形成した溶融池Mにおいて第1レーザビーム照射位置3Hから第1方向に対して逆方向の第2方向の所定距離Lにおいて離間した第2レーザビーム照射位置3Jにレーザビーム3Aを照射する。即ち、レーザ装置3は、第1レーザビーム照射位置3Hにより再加熱された溶融池M又は、溶融池Mが凝固した溶接ビードBを再加熱する。第2レーザビーム照射位置3Jは、例えば、第1母材W1と第2母材W2との合わせ目WD(図4参照)の位置である。第2レーザビーム照射位置3Jは、円運動等他の動作を行うことにより、第1母材W1と第2母材W2との合わせ目WDの位置の周囲の所定範囲を含む。但し、所定範囲は、溶接ビードBの幅以下である。第1レーザビーム照射位置3Hにおいてレーザビーム3Aを照射しても、溶融池Mの表面までブローホールが上がってきていたものの、ブローホールが溶融金属によって埋まる間に溶融池Mが凝固し、溶接ビードBに孔が形成される場合がある。これに対し、レーザ装置3は、凝固過程の溶融池M又は溶接ビードBをレーザビーム3Aにより再加熱することで、溶融池Mの溶融状態を維持することができ、ブローホールを抜けきらせることができる。
レーザ装置3は、レーザビームを第1レーザビーム照射位置3Hにおいて一時停止或いは第1レーザビーム照射位置3Hから第1方向D1に対して逆方向の第2方向D2に向かった第1距離L1進行させる。溶融池Mの放電箇所2Hから電極部2Aの進行方向と反対方向の第2方向D2側にレーザビーム3Aを照射することにより、溶融池Mの凝固速度を遅らせることができるため、溶融池M内のブローホールを溶融池M表面まで抜けさせることができ、ブローホールを減少させることができる。
図4に示されるように、レーザ装置3は、溶融池Mを加熱する際に、第1方向D1に直交する方向に断面視して溶融池Mの底部に向けてレーザビーム3Aを照射する。このとき、レーザ装置3は、第1母材W1と第2母材W2との合わせ目WDに向けて照射し再加熱された溶融池M1を形成する。レーザ装置3は、レーザビーム3Aの照射時間において溶融池M1における第1レーザビーム照射位置3Hを窪ませる。
溶融池M1において、溶融された金属は、第1レーザビーム照射位置3Hの周囲から放射状に移動し、溶融池M1の底部に潜り、第1レーザビーム照射位置3Hにおいて加熱され、再び第1レーザビーム照射位置3Hの周囲から放射状に移動するという対流を生じさせる。これにより、溶融池M1は、レーザビーム3Aにより照射されている間、第1レーザビーム照射位置3Hが窪み、その周囲が盛り上がるように形成される。溶融池M1において、例えば、合わせ目WDから第1母材W1の上面に対してなす角45度の方向に向かった距離を溶融池M,M1の高さ方向hと設定する。
レーザ装置3は、レーザビーム3Aの照射時間において、溶融池M1における第1レーザビーム照射位置3Hの第1断面高さh1をレーザビームが未照射である溶融池Mの第2断面高さh2に比して薄く形成する。このとき、レーザビーム3Aは、断面視して溶融池M1において第1高さh1を溶融池の幅方向を結ぶ稜線の第3断面高さh3に比して低く形成する。これにより、溶融池M1の第1レーザビーム照射位置3Hにおける高さが薄くなるため、溶融池M1内部に発生するブローホール減少させることができる。レーザビーム3Aにより溶融池M1と母材Wとの界面付近がかき回されることで界面付近のブローホールが対流により外部に排出されやすくなり、ブローホールを減少させることができる。
レーザ装置3は、第1方向D1と直交する方向において合わせ目WDから第1母材W1に向けた所定範囲幅L3においてレーザビーム3Aを照射してもよい。レーザビーム3Aを照射する際に第1母材W1の方が第2母材W2側に比してブローホールができやすいことが知られている。レーザビーム3Aを進行方向に直交する方向の第1母材W1側に移動させることで第1母材W1側に発生するブローホールを排出し易くすることができる。溶融池M1は、レーザビーム3Aの照射が終了すると、溶融金属が流動し、溶融池Mの形状に戻る。溶融池Mは、温度低下に伴って凝固し、溶接ビードBとなる。
図5に示されるように、上述した溶接装置2及びレーザ装置3の動作は、制御装置10により制御される。制御装置10は、例えば、溶接装置2及びレーザ装置3の動作を制御する制御部11を有する。制御部11は、制御装置10に設けられた記憶部12に記憶されたプログラムを読み出す。制御部11は、読み出したプログラムに基づいて、所定の回路を構成し、溶接装置2及びレーザ装置3を予め設定された動作に従った動作をさせる。
制御部11は、溶接装置2及びレーザ装置3に与える電力を調整するための電源部13を制御し、電極部2Aに加える電圧及び電流を調整し、アーク放電を発生させる。制御部11は、電極部2Aに設けられたロボット装置(不図示)を制御し、第1母材W1と第2母材W2との間の合わせ目WDに沿って電極部2Aを第1方向に進行させながらアーク放電に基づいて放電箇所2Hに溶融池Mを発生させる。このとき、制御部11は、自動送り装置2Cを制御し、電極棒2Bの送り出し量を調整する。
制御部11は、溶接装置2を制御すると共に、同時にレーザ装置3を制御する。制御部11は、電源部13を制御し、レーザ装置3から照射されるレーザビーム3Aの出力を調整する。制御部11は、レーザ装置3に設けられたロボット装置(不図示)を制御し、第1母材W1と第2母材W2との間の合わせ目WDに沿ってレーザ装置3を第1方向に進行させながら溶接装置2が形成した溶融池Mに対してレーザビーム3Aを照射させ、溶融池Mを再加熱した溶融池M1を発生させる。
このとき制御部11は、適宜、第1レーザビーム照射位置3Hにおいて一時停止或いは第1レーザビーム照射位置3Hから第2方向D2に向かった第1距離L1進行させる。また、制御部11は、適宜、第1方向D1と直交する方向において、合わせ目WDから第1母材W1側に所定範囲幅L3においてレーザビーム3Aを照射させる。
上記制御方法に基づいて、制御部11は、レーザ装置3を制御して、レーザビームの照射時間において、溶融池M1における第1レーザビーム照射位置3Hの第1断面高さh1をレーザビームが未照射である溶融池Mの第2断面高さh2に比して薄く形成する。制御部11は、レーザ装置3を制御して、このとき、制御部11は、溶融池M1の第1方向に直交する方向の幅方向の断面において第1高さh1を幅方向における溶融池の幅における稜線の第3断面高さh3に比して低く形成する。
上述した記憶部12は、例えば、SSD、フラッシュメモリ等の非一時的な記憶媒体により構成されている。上記制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め記憶部12が有するHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。また、プログラムは、必ずしも必要ではなく、制御部11において順序回路を構成することにより所定の動作が実行されるようにしてもよい。
次に、溶接システム1において実行される溶接方法の各工程の処理について説明する。
図6には、溶接システム1において実行される溶接方法の各工程の処理の流れがフローチャートにより示されている。制御装置10は、溶接装置2を制御して第1母材W1と第2母材W2との合わせ目WDに沿って電極部2Aを第1方向に進行させながらアーク放電に基づいて放電箇所2Hに溶融池Mを発生させる(ステップS100)。
制御装置10は、溶融池Mにレーザビーム3Aを照射し溶融池M1に高低差を形成させる(ステップS102)。制御装置10は、レーザ装置3を制御して溶融池Mに対してレーザビーム3Aを溶融池M内の底部において合わせ目WDに向けて照射し、レーザビーム3Aの照射時間において溶融池M1における第1レーザビーム照射位置3Hの第1断面高さh1をレーザビーム3Aが未照射である溶融池Mの第2断面高さh2に比して薄く形成する。このとき、制御装置10は、レーザ装置3を制御して溶融池Mの第1方向に直交する方向の幅方向の断面において第1高さを幅方向における溶融池Mの幅を結ぶ稜線の第3断面高さh3に比して低く形成する。
制御装置10は、電極部2Aの移動方向と反対方向にレーザビームを照射させる(ステップS104)。制御装置10は、レーザ装置3を制御して溶融池M1において第1レーザビーム照射位置3Hから第1方向D1に対して逆方向の第2方向D2に第2距離L2において離間した第2レーザビーム照射位置3Jに照射する。制御装置10は、所定の移動パターンに基づいてレーザビームを照射させる(ステップS106)。制御装置10は、レーザ装置3を制御して第1レーザビーム照射位置3Hにおいて一時停止或いは第1レーザビーム照射位置3Hから第1方向に対して逆方向の第2方向D2に向かった第1距離L1進行させる。このとき、制御装置10は、第1距離L1を第2距離L2に比して短く制御する。制御装置10は、第1母材W1の所定範囲幅にレーザビーム3Aを照射させる(ステップS108)。制御装置10は、レーザ装置3を制御して、第1方向D1と直交する方向において、合わせ目WDから第1母材W1側に所定範囲幅L3においてレーザビーム3Aを照射させる。
上述したように溶接システム1を用いた溶接方法によれば、金属板の重ね継ぎ手隅肉溶接においてブローホールを低減することができる。溶接方法によれば、溶接装置2により形成された溶融池にレーザビーム3Aを照射して再加熱することにより、ブローホールを溶融池の表面まで移動させ、消滅させることができる。溶接方法によれば、溶融池Mにレーザビーム3Aを照射することにより、溶融池Mに窪みを生じさせ、ブローホールを消滅させ易くすることができる。溶接方法によれば、溶融池M1内の底部の第1母材W1と第2母材W2との間の合わせ目WDにレーザビーム3Aを照射することにより、ブローホールを消滅させ易くすることができる。溶接方法によれば、ブローホールが発生し易い第1母材W1側にレーザビーム3Aを照射することにより、ブローホールを消滅させ易くすることができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。例えば、レーザビーム3Aは、上記実施形態に示した照射パターン以外の他の照射パターンにより照射されてもよい。
2A…電極部、2H…放電箇所、3A…レーザビーム、3H…第1レーザビーム照射位置、3J…第2レーザビーム照射位置、L1…第1距離、L2…第2距離、L3…所定範囲幅、M…溶融池、M1…溶融池、W…母材、W1…第1母材、W2…第2母材、WD…合わせ目

Claims (6)

  1. 表面処理された金属板の重ね継ぎ手隅肉による溶接方法であって、
    前記金属板により形成された第1母材(W1)、及び前記第1母材(W1)に重ねられた第2母材(W2)により形成された合わせ目(WD)に沿って電極部(2A)を第1方向(D1)に進行させながら、アーク放電に基づいて放電箇所(2H)に溶融池(M)を発生させる工程と、
    前記溶融池(M)内の底部における前記合わせ目(WD)に向けてレーザビーム(3A)を照射し、前記レーザビーム(3A)の照射時間において前記溶融池(M)における第1レーザビーム照射位置(3H)の第1断面高さ(h1)を、前記レーザビーム(3A)が未照射である前記溶融池(M)の第2断面高さ(h2)に比して薄く形成する工程と、を備える、溶接方法。
  2. 前記レーザビーム(3A)は、前記第1レーザビーム照射位置(3H)において一時停止或いは前記第1レーザビーム照射位置(3H)から前記第1方向(D1)に対して逆方向の第2方向(D2)に向かった第1距離(L1)進行させる、
    請求項1に記載の溶接方法。
  3. 前記レーザビーム(3A)は、前記第1レーザビーム照射位置(3H)から前記第1方向D1に対して逆方向の第2方向(D2)に第2距離(L2)において離間した第2レーザビーム照射位置(3J)に照射する、
    請求項2に記載の溶接方法。
  4. 前記第1距離(L1)は、前記第2距離(L2)に比して短い、
    請求項3に記載の溶接方法。
  5. 前記レーザビーム(3A)は、前記第1方向(D1)と直交する方向において、前記合わせ目(WD)から前記第1母材(W1)側に所定範囲幅(L3)において照射される、
    請求項1から3のうちいずれか1項に記載の溶接方法。
  6. 前記レーザビーム(3A)は、前記照射時間において前記溶融池(M)の前記第1方向(D1)に直交する方向の幅方向の断面において前記第1断面高さ(h1)を前記幅方向における前記溶融池(M)の幅における稜線の第3断面高さ(h3)に比して低く形成する、
    請求項1から5のうちいずれか1項に記載の溶接方法。
JP2021156527A 2021-09-27 2021-09-27 溶接方法 Pending JP2023047555A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021156527A JP2023047555A (ja) 2021-09-27 2021-09-27 溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021156527A JP2023047555A (ja) 2021-09-27 2021-09-27 溶接方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023047555A true JP2023047555A (ja) 2023-04-06

Family

ID=85779188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021156527A Pending JP2023047555A (ja) 2021-09-27 2021-09-27 溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023047555A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3200387U (ja) 溶接パッドルと共にコンシューマブルを用いるシステム
EP2744619B1 (en) Method to start and use combination filler wire feed and high intensity energy source for welding
KR102102024B1 (ko) 교류 용접 파형을 이용하기 위한 방법 및 시스템 그리고 아연도금 공작물의 용접을 개선하기 위한 향상된 소모품
US9718147B2 (en) Method and system to start and use combination filler wire feed and high intensity energy source for root pass welding of the inner diameter of clad pipe
JP3762676B2 (ja) ワークの溶接方法
US11084125B2 (en) Laser welding method for welding overlapped plural welding workpieces
US20130092667A1 (en) Method and System to Start and Use Combination Filler Wire Feed and High Intensity Energy Source for Welding
JP3201246U (ja) 溶接のためにフィラーワイヤ送給装置と高強度エネルギー源との組み合せを開始及び使用するシステム
US11628516B2 (en) Welding method
JP2014518163A (ja) メタルコア溶接方法およびシステム
JP5812527B2 (ja) ホットワイヤレーザ溶接方法と装置
RU2660791C1 (ru) Способ лазерно-дуговой сварки стыка заготовок из углеродистой стали с толщиной стенок 10-45 мм
JP2009262182A (ja) レーザ・アーク複合溶接ヘッド
JP2008093718A (ja) 複合溶接方法と複合溶接装置
JP2011062703A (ja) レーザー溶接装置及びレーザー溶接方法
JP2023047555A (ja) 溶接方法
JP2011161452A (ja) レーザー溶接方法及びレーザー溶接装置
JP2019018246A (ja) 溶接パドルとともに消耗品、および熱源を用いる方法およびシステム
JP2010227951A (ja) レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置
US11305381B2 (en) Welding method
JP2005034868A (ja) アルミニウム又はマグネシウム製ダイキャストのアーク溶接方法
JP6092163B2 (ja) 溶接装置及び溶接方法
JP7284014B2 (ja) レーザ・アークハイブリッド溶接装置
JP6211340B2 (ja) 溶接装置及び溶接方法
JP7296215B2 (ja) レーザ・アークハイブリッド溶接装置