JP2021170504A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の蓄電装置と複数のDCDCコンバータとを備える燃料電池システムにおいて、燃料電池を安定して発電させつつ、燃料電池の発電制御を簡単に行う。【解決手段】蓄電装置S1の充電量に応じた出力指令値Sc1を算出するとともに蓄電装置S2の充電量に応じた出力指令値Sc2を算出し、算出した出力指令値Sc1、Sc2の和Sctが閾値Scthより小さい場合、ゼロである出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力し、和Sctが閾値Scth以上である場合、算出した出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する。【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムとして、燃料電池と、出力指令値に応じた電力が燃料電池から出力されるように燃料電池に燃料を供給する補機と、補機に電力を供給する蓄電装置と、燃料電池から出力される電力のうち、出力指令値に応じた電力を蓄電装置に供給するDCDCコンバータと、蓄電装置の充電量に応じた出力指令値を出力する制御部とを備え、出力指令値が閾値より小さくなると、燃料電池の発電を停止させるものがある。関連する技術として、特許文献1がある。
しかしながら、上記燃料電池システムでは、燃料電池の出力電力の供給先である負荷の増加に伴って蓄電装置やDCDCコンバータを増加させる場合、出力指令値の数も増加する。そのため、上記燃料電池システムでは、出力指令値が閾値より小さくなる機会が増加し燃料電池の発電が頻繁に停止することなどで燃料電池の発電が不安定になったり、各出力指令値と閾値とを比較する際に各出力指令値に優先度を設定することなどで燃料電池の発電制御が複雑になったりするおそれがある。
そこで、本発明の一側面に係る目的は、複数の蓄電装置及び複数のDCDCコンバータを備える燃料電池システムにおいて、燃料電池を安定して発電させつつ、燃料電池の発電制御を簡単に行うことである。
本発明に係る一つの形態である燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池が発電する際に必要とされる補助機能を有する機器である補機と、補機に電力を供給する第1の蓄電装置と、負荷に電力を供給する第2の蓄電装置と、燃料電池から出力される電力のうち、第1の出力指令値に応じた電力を第1の蓄電装置に供給する第1のDCDCコンバータと、燃料電池から出力される電力のうち、第2の出力指令値に応じた電力を第2の蓄電装置に供給する第2のDCDCコンバータと、第1の蓄電装置の充電量に応じた第1の出力指令値を算出するとともに第2の蓄電装置の充電量に応じた第2の出力指令値を算出する制御部とを備える。
制御部は、算出した第1及び第2の出力指令値の和が閾値より小さい場合、ゼロである第1及び第2の出力指令値を第1及び第2のDCDCコンバータに出力し、算出した第1及び第2の出力指令値の和が閾値以上である場合、算出した第1及び第2の出力指令値を第1及び第2のDCDCコンバータに出力する。
これにより、第1及び第2の出力指令値がそれぞれ閾値より小さい場合であっても、第1及び第2の出力指令値の和が閾値以上である場合、燃料電池の発電を停止させないようにすることができるため、燃料電池の発電が頻繁に停止することを抑制することができ、燃料電池を安定して発電させることができる。また、第1及び第2の出力指令値の和と閾値との比較のみで燃料電池の発電を停止させるか否かを判断することができるため、燃料電池の発電制御を簡単に行うことができる。
また、閾値は、燃料電池が発電可能な出力電力の最小値としてもよい。
これにより、第1及び第2の出力指令値の和が閾値以上である場合、補機から燃料電池に安定して燃料を供給させることができる。
また、制御部は、算出した第1及び第2の出力指令値の和が閾値より小さい場合、または、算出した第1の出力指令値が第1のDCDCコンバータの効率点より小さい場合、または、算出した第2の出力指令値が第2のDCDCコンバータの効率点より小さい場合、ゼロである第1及び第2の出力指令値を第1及び第2のDCDCコンバータに出力し、算出した第1及び第2の出力指令値の和が閾値以上である場合で、かつ、算出した第1の出力指令値が第1のDCDCコンバータの効率点以上である場合で、かつ、算出した第2の出力指令値が第2のDCDCコンバータの効率点以上である場合、算出した第1及び第2の出力指令値を第1及び第2のDCDCコンバータに出力するように構成してもよい。
これにより、算出した第1及び第2の出力指令値の和が閾値以上である場合で、かつ、算出した第1の出力指令値が第1のDCDCコンバータの効率点以上である場合で、かつ、算出した第2の出力指令値が第2のDCDCコンバータの効率点以上である場合、補機から燃料電池に安定して燃料を供給させることができるとともに、第1及び第2のDCDCコンバータを高効率で動作させることができる。
また、閾値は、第1及び第2のDCDCコンバータそれぞれの効率が所定値以上であるときの燃料電池の出力電力の最小値としてもよい。
これにより、第1及び第2の出力指令値の和が閾値以上である場合、第1及び第2のDCDCコンバータを高効率で動作させることができる。
本発明によれば、複数の蓄電装置及び複数のDCDCコンバータを備える燃料電池システムにおいて、燃料電池を安定して発電させつつ、燃料電池の発電制御を簡単に行うことができる。
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
図1は、実施形態の燃料電池システムの一例を示す図である。
図1に示す燃料電池システム1は、フォークリフトなどの産業車両や自動車などの車両Veに搭載され、補機Auや負荷Loなどに電力を出力する。なお、補機Auは、エアコンプレッサのモータを駆動するインバータや水素ポンプのモータを駆動するインバータなどであり、燃料電池システム1が発電する際に燃料電池FCに供給される燃料として空気(酸素)や水素の量を調整する補助機能を有する。また、負荷Loは、車両Veに搭載される走行用モータを駆動するインバータや電装部品などである。
また、燃料電池システム1は、燃料電池FCや補機Auの他に、蓄電装置S1(第1の蓄電装置)と、蓄電装置S2(第2の蓄電装置)と、DCDCコンバータCnv1(第1のDCDCコンバータ)と、DCDCコンバータCnv2(第2のDCDCコンバータ)と、電圧検出部Sv1、Sv2と、電流検出部Si1、Si2と、記憶部2と、制御部3とを備える。
燃料電池FCは、互いに直列接続される複数の燃料電池セルにより構成される燃料電池スタックであり、水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う。
補機Auは、制御部3から出力される出力指令値Sc1(第1の出力指令値)と出力指令値Sc2(第2の出力指令値)との和Sctに応じた電力が燃料電池FCから出力されるように燃料電池FCに燃料を供給する。
蓄電装置S1は、リチウムイオンキャパシタなどであり、DCDCコンバータCnv1と補機Auとの間に接続される。DCDCコンバータCnv1から蓄電装置S1に電力が供給されることで蓄電装置S1が充電される。また、蓄電装置S1から補機Auに電力が供給されることで補機Auが駆動する。また、蓄電装置S1から補機Auに電力が供給されなくなると、補機Auが停止して補機Auから燃料電池FCに燃料が供給されなくなり、燃料電池FCの発電が停止する。
蓄電装置S2は、リチウムイオンキャパシタなどであり、DCDCコンバータCnv2と負荷Loとの間に接続される。DCDCコンバータCnv2から蓄電装置S2に電力が供給されることで蓄電装置S2が充電される。また、蓄電装置S2から負荷Loに電力が供給されることで負荷Loが駆動する。
なお、蓄電装置S1の満充電容量[Ah]と蓄電装置S2の満充電容量[Ah]とは互いに同じ値でもよいし互いに異なる値でもよい。
また、蓄電池S1の出力電力[kW]の最大値と蓄電装置S2の出力電力[kW]の最大値とは互いに同じ値でもよいし互いに異なる値でもよい。
また、蓄電装置S1、S2は、充電と放電を繰り返し行うことが可能なものであれば、リチウムイオン電池など、リチウムイオンキャパシタに限定されない。
電圧検出部Sv1は、電圧計などにより構成され、蓄電装置S1の電圧を検出し、その検出した電圧を制御部3に出力する。
電流検出部Si1は、電流計などにより構成され、蓄電装置S1に流れる電流を検出し、その検出した電流を制御部3に出力する。
電圧検出部Sv2は、電圧計などにより構成され、蓄電装置S2の電圧を検出し、その検出した電圧を制御部3に出力する。
電流検出部Si2は、電流計などにより構成され、蓄電装置S2に流れる電流を検出し、その検出した電流を制御部3に出力する。
DCDCコンバータCnv1は、燃料電池FCから出力される電力のうち、制御部3から出力される出力指令値Sc1に応じた電力を蓄電装置S1に供給する。すなわち、DCDCコンバータCnv1は、出力指令値Sc1が大きくなるほど、蓄電装置S1に供給する電力を大きくし、出力指令値Sc1が小さくなるほど、蓄電装置S1に供給する電力を小さくする。また、DCDCコンバータCnv1は、出力指令値Sc1がゼロになると、蓄電装置S1への電力供給を停止する。
DCDCコンバータCnv2は、燃料電池FCから出力される電力のうち、制御部3から出力される出力指令値Sc2に応じた電力を蓄電装置S2に供給する。すなわち、DCDCコンバータCnv2は、出力指令値Sc2が大きくなるほど、蓄電装置S2に供給する電力を大きくし、出力指令値Sc2が小さくなるほど、蓄電装置S2に供給する電力を小さくする。また、DCDCコンバータCnv2は、出力指令値Sc2がゼロになると、蓄電装置S2への電力供給を停止する。
記憶部2は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などのメモリにより構成され、蓄電装置S1の電圧V1と蓄電装置S1の充電率SOC1(蓄電装置1の満充電容量に対する蓄電装置1の現在の容量の割合)との対応関係を示す情報D1、蓄電装置S2の電圧V2と蓄電装置S2の充電率SOC2(蓄電装置2の満充電容量に対する蓄電装置2の現在の容量の割合)との対応関係を示す情報D2、及び閾値Scthなどを記憶する。
なお、情報D1において、電圧V1が大きくなるほど、充電率SOC1が大きくなり、電圧V1が小さくなるほど、充電率SOC1が小さくなるものとする。また、情報D2において、電圧V2が大きくなるほど、充電率SOC2が大きくなり、電圧V2が小さくなるほど、充電率SOC2が小さくなるものとする。
制御部3は、マイクロコンピュータなどにより構成され、蓄電装置S1の充電量(蓄電装置S1の電圧または充電率)を取得するとともに蓄電装置S2の充電量(蓄電装置S2の電圧または充電率)を取得する。
また、制御部3は、取得した蓄電装置S1の充電量に応じて出力指令値Sc1を算出するとともに、取得した蓄電装置S2の充電量に応じて出力指令値Sc2を算出する。
例えば、制御部3は、記憶部2に記憶されている情報D1を参照して、電圧検出部Sv1により検出される電圧と同じ電圧V1に対応する充電率SOC1を、蓄電装置S1の充電率として取得する。または、制御部3は、蓄電装置S1の満充電容量に対する、電流検出部Si1により検出される電流の積算値の割合を用いて、蓄電装置S1の充電率を取得する。そして、制御部3は、取得した蓄電装置S1の充電率と定数との乗算値を出力指令値Sc1とする。なお、制御部3は、記憶部2に記憶されている、蓄電装置S1の充電量と出力指令値Sc1との対応関係を示す情報を参照して、取得した蓄電装置S1の充電量に対応する出力指令値Sc1を、蓄電装置S1の充電量に応じた出力指令値Sc1として求めてもよい。また、蓄電装置S1の充電量が大きいほど、出力指令値Sc1が小さい値になり、蓄電装置S1の充電量が小さいほど、出力指令値Sc1が大きい値になるものとする。また、制御部3は、蓄電装置S1の充電量の増減に伴って、出力指令値Sc1を段階的に増減させてもよい。
また、制御部3は、記憶部2に記憶されている情報D2を参照して、電圧検出部Sv2により検出される電圧と同じ電圧V2に対応する充電率SOC2を、蓄電装置S2の充電率として取得する。または、制御部3は、蓄電装置S2の満充電容量に対する、電流検出部Si2により検出される電流の積算値の割合を用いて、蓄電装置S2の充電率を取得する。そして、制御部3は、取得した蓄電装置S2の充電率と定数との乗算値を出力指令値Sc2とする。なお、制御部3は、記憶部2に記憶されている、蓄電装置S2の充電量と出力指令値Sc2との対応関係を示す情報を参照して、取得した蓄電装置S2の充電量に対応する出力指令値Sc2を、蓄電装置S2の充電量に応じた出力指令値Sc2として求めてもよい。また、蓄電装置S2の充電量が大きいほど、出力指令値Sc2が小さい値になり、蓄電装置S2の充電量が小さいほど、出力指令値Sc2が大きい値になるものとする。また、制御部3は、蓄電装置S2の充電量の増減に伴って、出力指令値Sc2を段階的に増減させてもよい。
ところで、蓄電装置S1、S2の充電量が増加することで出力指令値Sc1、Sc2がそれぞれ比較的小さくなると、補機Auの運転効率および燃料電池FCの発電効率が低下するおそれがある。例えば、出力指令値Sc1、Sc2がそれぞれ比較的小さくなることにより、燃料電池FCで発電される電力が小さくなると、コンプレッサまたは水素ポンプから燃料電池FCに供給される単位時間あたりの空気や水素の量は少なくなるが、補機Auおよび燃料電池FCの特性上、供給できる下限量が存在する。
また、出力指令値Sc1、Sc2がそれぞれ比較的小さくなると、DCDCコンバータCnv1、Cnv2の効率が低下するおそれがある。例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御によりDCDCコンバータCnv1、Cnv2の動作が制御される場合、出力指令値Sc1、Sc2がそれぞれ比較的小さくなることにより、DCDCコンバータCnv1、Cnv2から蓄電装置S1、S2に流れる電流が小さくなると、DCDCコンバータCnv1、Cnv2のスイッチング損失が増加してDCDCコンバータCnv1、Cnv2の効率が低下するおそれがある。
そのため、補機AuやDCDCコンバータCnv1、Cnv2の動作が不安定のまま燃料電池FCを継続して発電させることを抑制するために、出力指令値Sc1、Sc2が比較的小さい場合、出力指令値Sc1、Sc2をゼロにして燃料電池Fcの発電やDCDCコンバータCnv1、Cnv2の動作を停止させることが考えられる。
しかしながら、出力指令値Sc1、Sc2がそれぞれ比較的小さい場合、出力指令値Sc1、Sc2をゼロにすると、燃料電池FCの発電やDCDCコンバータCnv1、Cnv2の動作が頻繁に停止して燃料電池FCの発電が不安定になるおそれがある。
そこで、実施形態の制御部3では、算出した出力指令値Sc1、Sc2の和Sctが閾値Scthより小さい場合、ゼロである出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力し、算出した出力指令値Sc1、Sc2の和Sctが閾値Scth以上である場合、算出した出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する。なお、制御部3は、和Sct=出力指令値Sc1+出力指令値Sc2を計算することにより和Sctを算出する。
また、閾値Scthは、補機Auから燃料電池FCに供給される単位時間あたりの燃料の量が一定または略一定であるとき、すなわち、補機Auから燃料電池FCに安定して燃料が供給されているときの燃料電池FCの出力電力の最小値、すなわち、燃料電池FCの性能から決まる最も低い出力電力としての、発電可能な出力電力の最小値に設定されるものとする。例えば、燃料電池FCが発電可能な出力電力の最小値を3[kW]とする場合、閾値Scthは、3[kW]に設定される。これにより、出力指令値Sc1、Sc2の和Sctが閾値Scth以上である場合、補機Auから燃料電池FCに安定して燃料を供給させることができる。
または、閾値Scthは、DCDCコンバータCnv1、Cnv2の単位時間あたりの効率が所定値以上であるとき、すなわち、DCDCコンバータCnv1、Cnv2が共に高効率であるときの燃料電池FCの出力電力の最小値に設定されるものとする。例えば、DCDCコンバータCnv1、Cnv2が共に高効率であるときの燃料電池FCの出力電力の最小値を3[kW]とする場合、閾値Scthは、3[kW]に設定される。これにより、出力指令値Sc1、Sc2の和Sctが閾値Scth以上である場合、DCDCコンバータCnv1、Cnv2を高効率で動作させることができる。
このように、制御部3は、出力指令値Sc1、Sc2がそれぞれ比較的小さくなる場合において、補機Au及びDCDCコンバータCnv1、Cnv2のうちの1つでも安定して駆動させることができそうにないとき、燃料電池FCの発電を停止させる。これにより、出力指令値Sc1、Sc2が比較的小さくなり、燃料電池FCを安定して発電させることができそうもないときは燃料電池FCの発電を停止させることができる。
また、制御部3は、出力指令値Sc1、Sc2がそれぞれ比較的小さくなる場合であっても、補機Au及びDCDCコンバータCnv1、Cnv2の全てを安定して動作させることができそうなとき、燃料電池FCを継続して発電させる。これにより、出力指令値Sc1、Sc2が比較的小さくなる場合でも、燃料電池FCを安定して発電させることができそうなときは燃料電池FCの発電をできるだけ継続させることができる。
なお、制御部3は、燃料電池FCの発電停止時、燃料電池FCの電圧が所定電圧以上になることで燃料電池FCが劣化することを抑制するために、算出した出力指令値Sc1、Sc2の和Sctが閾値Scthより小さい場合において、燃料電池FCの電圧が所定電圧に近づくと、燃料電池FCの電圧が所定電圧以上にならないように、ゼロでない任意の出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力するように構成してもよい。
図2は、制御部3の動作の一例を示すフローチャートである。なお、制御部3は、制御タイミング毎に、図2に示すフローチャートを実行する。
まず、制御部3は、蓄電装置S1の充電量を取得するとともに蓄電装置S2の充電量を取得する(ステップS1)。
次に、制御部3は、蓄電装置S1の充電量に応じた出力指令値Sc1を算出するとともに蓄電装置S2の充電量に応じた出力指令値Sc2を算出する(ステップS2)。
次に、制御部3は、出力指令値Sc1、Sc2の和Sctを算出する(ステップS3)。
次に、制御部3は、和Sctが閾値Scthより小さい場合(ステップS4:Yes)、ゼロである出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する(ステップS5)。
一方、制御部3は、和Sctが閾値Scth以上である場合(ステップS4:No)、ステップS2で算出した出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する(ステップS6)。
ここで、閾値Scthを3[kW]とし、ステップS2で算出した出力指令値Sc1を2[kW]とし、ステップS2で算出した出力指令値Sc2を0[kW]とする場合を想定する。
この場合、制御部3は、和Sctとして2[kW]を算出し、和Sctが閾値Scthより小さいと判断するため、出力指令値Sc1として0[kW]をDCDCコンバータCnv1に出力するとともに、出力指令値Sc2として0[kW]をDCDCコンバータCnv2に出力する。
また、閾値Scthを3[kW]とし、ステップS2で算出した出力指令値Sc1を2[kW]とし、ステップS2で算出した出力指令値Sc2を2[kW]とする場合を想定する。
この場合、制御部3は、和Sctとして4[kW]を算出し、和Sctが閾値Scth以上であると判断するため、算出した出力指令値Sc1として2[kW]をDCDCコンバータCnv1に出力するとともに、算出した出力指令値Sc2として2[kW]をDCDCコンバータCnv2に出力する。
このように、実施形態の燃料電池システム1では、出力指令値Sc1、Sc2の和Sctが閾値Scthより小さい場合、ゼロである出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力し、和Sctが閾値Scth以上である場合、算出した出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する構成である。これにより、出力指令値Sc1、Sc2がそれぞれ閾値Scthより小さい場合であっても、出力指令値Sc1、Sc2の和Sctが閾値Scth以上である場合、燃料電池FCの発電を停止させないようにすることができるため、燃料電池FCの発電が頻繁に停止することを抑制することができ、燃料電池FCを安定して発電させることができる。また、出力指令値Sc1、Sc2の和Sctと閾値Scthとの比較のみで燃料電池FCの発電を停止させるか否かを判断することができるため、燃料電池FCの発電制御を簡単に行うことができる。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
<変形例1>
上記実施形態の制御部3では、出力指令値Sc1、Sc2の和Sctを、単に、出力指令値Sc1と出力指令値Sc2との加算値とする構成であるが、下記式1のように、重みαを用いて、出力指令値Sc1、Sc2の和Sctを算出してもよい。
上記実施形態の制御部3では、出力指令値Sc1、Sc2の和Sctを、単に、出力指令値Sc1と出力指令値Sc2との加算値とする構成であるが、下記式1のように、重みαを用いて、出力指令値Sc1、Sc2の和Sctを算出してもよい。
和Sct=出力指令値Sc1×(1−重みα)+出力指令値Sc2×重みα・・・式1
なお、蓄電装置S1の満充電容量が小さいほど、重みαを大きくしてもよい。これにより、蓄電装置S1の満充電容量が比較的小さく、蓄電装置S1の充電量が大きくなり易い場合であっても、和Sctが閾値Scthより小さくなり易くなることを低減することができるため、燃料電池FCの発電と停止が頻繁に切り替わることを抑制することができ、燃料電池FCを安定して発電させることができる。
<変形例2>
上記実施形態の燃料電池システム1では、2つの蓄電装置S1、S2と、2つのDCDCコンバータCnv1、Cnv2とを備える構成であるが、3つ以上の蓄電装置と、3つ以上のDCDCコンバータとを備えるように構成してもよい。なお、3つ以上の蓄電装置の少なくとも1つの蓄電装置から1つ以上の補機Auに電力が供給されるものとする。
上記実施形態の燃料電池システム1では、2つの蓄電装置S1、S2と、2つのDCDCコンバータCnv1、Cnv2とを備える構成であるが、3つ以上の蓄電装置と、3つ以上のDCDCコンバータとを備えるように構成してもよい。なお、3つ以上の蓄電装置の少なくとも1つの蓄電装置から1つ以上の補機Auに電力が供給されるものとする。
このように構成する燃料電池システム1の制御部3は、3つ以上の蓄電装置にそれぞれ対応する出力指令値の和が閾値Scthより小さい場合、ゼロである出力指令値を各DCDCコンバータに出力し、その和が閾値Scth以上である場合、3つ以上の蓄電装置のそれぞれの充電量に応じて算出した各出力指令値を各DCDCコンバータに出力する。
このように燃料電池システム1を構成しても、燃料電池FCを安定して発電させることができるとともに、燃料電池FCの発電制御を簡単に行うことができる。
<変形例3>
図3は、変形例3における制御部3の動作を示すフローチャートである。なお、図3に示すステップS1〜S6は、図2に示すステップS1〜S6と同様であるため、その説明を省略する。
図3は、変形例3における制御部3の動作を示すフローチャートである。なお、図3に示すステップS1〜S6は、図2に示すステップS1〜S6と同様であるため、その説明を省略する。
制御部3は、出力指令値Sc1、Sc2の和Sctが閾値Scthより小さい場合(ステップS4:Yes)、ゼロである出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する(ステップS5)。
または、制御部3は、出力指令値Sc1がDCDCコンバータCnv1の効率点より小さい場合(ステップS4:No、ステップS7:Yes)、ゼロである出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する(ステップS5)。
または、制御部3は、出力指令値Sc2がDCDCコンバータCnv2の効率点より小さい場合(ステップS4:No、ステップS7:No、ステップS8:Yes)、ゼロである出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する(ステップS5)。
また、制御部3は、和Sctが閾値Scth以上である場合で、かつ、出力指令値Sc1がDCDCコンバータCnv1の効率点以上である場合で、かつ、出力指令値Sc2がDCDCコンバータCnv2の効率点以上である場合(ステップS4:No、ステップS7:No、ステップS8:No)、ステップS2で算出した出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する(ステップS6)。
なお、DCDCコンバータCnv1の効率点は、高効率で動作するDCDCコンバータCnv1の出力電力の最小値とし、DCDCコンバータCnv2の効率点は、高効率で動作するDCDCコンバータCnv2の出力電力の最小値とする。
また、図3に示すステップS4、ステップS7、ステップS8の順番は特に限定されない。
ここで、閾値Scthとしての燃料電池FCが発電可能な出力電力の最小値を3.0[kW]とし、DCDCコンバータCnv1の効率点を1.5[kW]とし、DCDCコンバータCnv2の効率点を1.5[kW]とする場合を想定する。
(例1)出力指令値Sc1が1.0[kW]であり、出力指令値Sc2が1.5[kW]である場合、出力指令値Sc2がDCDCコンバータCnv2の効率点以上であるが、和Sctが閾値Scthより小さいため、または、出力指令値Sc1がDCDCコンバータCnv1の効率点より小さいため、制御部3は、ゼロである出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する。
(例2)出力指令値Sc1が1.0[kW]であり、出力指令値Sc2が3.0[kW]である場合、和Sctが閾値Scth以上であり、出力指令値Sc2がDCDCコンバータCnv2の効率点以上であるが、出力指令値Sc1がDCDCコンバータCnv1の効率点より小さいため、制御部3は、ゼロである出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する。
(例3)出力指令値Sc1が2.0[kW]であり、出力指令値Sc2が2.0[kW]である場合、和Sctが閾値Scth以上であり、出力指令値Sc1がDCDCコンバータCnv1の効率点以上であり、出力指令値Sc2がDCDCコンバータCnv2の効率点以上であるため、制御部3は、算出した出力指令値Sc1、Sc2をDCDCコンバータCnv1、Cnv2に出力する。
変形例3における燃料電池システム1によれば、算出した出力指令値Sc1、Sc2の和Sctが閾値Scth以上である場合で、かつ、算出した出力指令値Sc1がDCDCコンバータCnv1の効率点以上である場合で、かつ、算出した出力指令値Sc2がDCDCコンバータCnv2の効率点以上である場合、補機Auから燃料電池FCに安定して燃料を供給させることができるとともに、DCDCコンバータCnv1、Cnv2を高効率で動作させることができる。
1 燃料電池システム
2 記憶部
3 制御部
Ve 車両
FC 燃料電池
Cnv1、Cnv2 DCDCコンバータ
S1、S2 蓄電装置
Sv1、Sv2 電圧検出部
Si1、Si2 電流検出部
Au 補機
Lo 負荷
2 記憶部
3 制御部
Ve 車両
FC 燃料電池
Cnv1、Cnv2 DCDCコンバータ
S1、S2 蓄電装置
Sv1、Sv2 電圧検出部
Si1、Si2 電流検出部
Au 補機
Lo 負荷
Claims (4)
- 燃料電池と、
前記燃料電池が発電する際に必要とされる補助機能を有する機器である補機と、
前記補機に電力を供給する第1の蓄電装置と、
負荷に電力を供給する第2の蓄電装置と、
前記燃料電池から出力される電力のうち、第1の出力指令値に応じた電力を前記第1の蓄電装置に供給する第1のDCDCコンバータと、
前記燃料電池から出力される電力のうち、第2の出力指令値に応じた電力を前記第2の蓄電装置に供給する第2のDCDCコンバータと、
前記第1の蓄電装置の充電量に応じた前記第1の出力指令値を算出するとともに前記第2の蓄電装置の充電量に応じた前記第2の出力指令値を算出する制御部と、
を備え、
前記制御部は、算出した前記第1及び第2の出力指令値の和が閾値より小さい場合、ゼロである前記第1及び第2の出力指令値を前記第1及び第2のDCDCコンバータに出力し、前記和が前記閾値以上である場合、算出した前記第1及び第2の出力指令値を前記第1及び第2のDCDCコンバータに出力する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記閾値は、前記燃料電池が発電可能な出力電力の最小値である
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項2に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、算出した前記第1及び第2の出力指令値の和が閾値より小さい場合、または、算出した前記第1の出力指令値が前記第1のDCDCコンバータの効率点より小さい場合、または、算出した前記第2の出力指令値が前記第2のDCDCコンバータの効率点より小さい場合、ゼロである前記第1及び第2の出力指令値を前記第1及び第2のDCDCコンバータに出力し、前記和が前記閾値以上である場合で、かつ、算出した前記第1の出力指令値が前記第1のDCDCコンバータの効率点以上である場合で、かつ、算出した前記第2の出力指令値が前記第2のDCDCコンバータの効率点以上である場合、算出した前記第1及び第2の出力指令値を前記第1及び第2のDCDCコンバータに出力する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料システムであって、
前記閾値は、前記第1及び第2のDCDCコンバータそれぞれの効率が所定値以上であるときの前記燃料電池の出力電力の最小値である
ことを特徴とする燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020073659A JP2021170504A (ja) | 2020-04-16 | 2020-04-16 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020073659A JP2021170504A (ja) | 2020-04-16 | 2020-04-16 | 燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021170504A true JP2021170504A (ja) | 2021-10-28 |
Family
ID=78149665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020073659A Pending JP2021170504A (ja) | 2020-04-16 | 2020-04-16 | 燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021170504A (ja) |
-
2020
- 2020-04-16 JP JP2020073659A patent/JP2021170504A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A521 | Written amendment |
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