JP2021170483A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質膜の劣化を抑制し、燃料電池スタックの耐久性の高い燃料電池システムを提供する。【解決手段】電解質膜としてパーフルオロスルホン酸膜を含む膜電極接合体を備えるセルを複数積層した構成を有する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックの、電流値情報の計測、出口冷却水温度の計測、及び、各セルの電圧の計測を行う、運転状態取得部と、制御部と、を有する、燃料電池システム。【選択図】図2

Description

本開示は、燃料電池システムに関する。
燃料電池は、複数の単セル(以下、セルと記載する場合がある)を積層した燃料電池スタック(以下、単にスタックと記載する場合がある)に、燃料ガスとしての水素(H)と酸化剤ガスとしての酸素(O)との電気化学反応によって電気エネルギーを取り出す発電装置である。なお、以下では、燃料ガスや酸化剤ガスを、特に区別することなく単に「反応ガス」あるいは「ガス」と呼ぶ場合もある。
この燃料電池のセルは、通常、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、必要に応じて当該膜電極接合体の両面を挟持する2枚のセパレータにより構成される。
膜電極接合体は、プロトン(H)伝導性を有する固体高分子型電解質膜(以下、単に「電解質膜」とも呼ぶ)の両面に、それぞれ、触媒層及びガス拡散層が順に形成された構造を有している。
セパレータは、通常、ガス拡散層に接する面に反応ガスの流路としての溝が形成された構造を有している。なお、このセパレータは発電した電気の集電体としても機能する。
燃料電池の燃料極(アノード)では、流路及びガス拡散層から供給される水素が触媒層の触媒作用によりプロトン化し、電解質膜を通過して酸化剤極(カソード)へと移動する。同時に生成した電子は、外部回路を通って仕事をし、カソードへと移動する。カソードに供給される酸素は、カソード上でプロトンおよび電子と反応し、水を生成する。
生成した水は、電解質膜に適度な湿度を与え、余剰な水はガス拡散層を透過して、流路を通って系外へと排出される。
燃料電池スタックの酸に対する耐腐食性を向上した燃料電池システムが望まれている。
例えば特許文献1では、スタック内のpH値の状態を推定または検出するpH検知手段と、pH検知手段の出力に応じて、スタック内の水量を制御する制御手段を備え、pH検知手段によりスタック2内の酸性度が高いと判断される場合には、スタック2内の水量を増大することにより、酸による金属セパレータの腐食が生じるのを抑制する、という技術が開示されている。
また、特許文献2では、水素が供給されるアノードと、空気が供給されるカソードを有する燃料電池2のアノード、カソードの下流の水素排出路4、空気排出路6にイオン濃度検出器7、8を設け、イオン濃度検出器7、8によって検出されたイオン濃度(pH)に基づいて電解質膜の劣化状態を検出する、という技術が開示されている。
特開2006−040610号公報 特開2006−049146号公報
従来の燃料電池システムでは、電解質膜の劣化を十分に抑制できず、燃料電池スタックの耐久性が十分ではない場合がある。
例えば、特許文献1に記載の技術について言及すると、スタック出口の生成水のpHを測定する場合、スタック出口の生成水のpHは数百枚のセル全ての生成水中に占める全体の酸性/塩基性物質の量で決定され、平均化された値になる。そのため、スタック内のセル1枚でpH低下が生じた場合の、pH低下を検知できず電解質膜の劣化を抑制することができない。
また、pH測定装置は原理上センサ部が被測定物と液絡する必要があるため、液水が存在しない環境でも運転されるスタックではpHの測定が行えない。
さらに、一般的にpH測定装置のセンサ内部にはKCl溶液が使用されており、微量だが塩化物イオンが被測定物へと流出し得る。この塩化物イオンが例えばステンレス製セパレータの腐食(孔食)を促進する要因となる。
スタック内のpHを推定して電解質膜の劣化を抑制する方法において、スタックの運転を高負荷状態(平均電圧が0.2V以下)に移行してから所定時間経過した場合、電解質膜の劣化は低電位状態だと進行が遅く、特に0.2V以下になるような状態では電解質膜の劣化は進行しないと考えられ、電解質膜の劣化を抑制する精度が十分ではない。
また、スタックの低負荷運転と高負荷運転の急激な繰り返しを所定の回数以上行った場合、電解質膜の劣化は低負荷(高電位)運転中に進行するため、低負荷運転と高負荷運転を繰り返した場合では電解質膜の劣化は進行し難いと考えられ、電解質膜の劣化を抑制する精度が十分ではない。
さらに、スタックの運転中の反応ガスの相対湿度が所定値より小さい場合、反応ガスの相対湿度が小さい状態では電解質膜の劣化は促進傾向にあるが、低温時であれば電解質膜の劣化は進行し難いと考えられる。具体的にはスタックの起動直後やスタックの発電停止中などは、反応ガスの相対湿度が小さくなりやすいが、スタックの温度が低く電解質膜の劣化は進行し難いと考えられ、電解質膜の劣化を抑制する精度が十分ではない。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、各セルのpH低下を直接測定することなく、pHに密接に影響を及ぼすパラメータを組み合わせて精度よく各セルのpH低下を推定し、電解質膜の劣化を抑制し、燃料電池スタックの耐久性の高い燃料電池システムを提供することを主目的とする。
本開示においては、電解質膜としてパーフルオロスルホン酸膜を含む膜電極接合体を備えるセルを複数積層した構成を有する燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックの、電流値情報の計測、出口冷却水温度の計測、及び、各セルの電圧の計測を行う、運転状態取得部と、
制御部と、を有し、
前記制御部は、前記燃料電池スタックの所定の期間内の前記電流値情報が、所定の閾値を下回っているか否か判断し、
前記制御部は、前記電流値情報が、所定の閾値を下回っている場合に、予め取得した前記出口冷却水温度と前記電解質膜の劣化速度との相関関係を示すデータ群、及び、予め取得した各前記セルの電圧と前記電解質膜の劣化速度との相関関係を示すデータ群から、電解質膜劣化指標値を算出し、
前記制御部は、前記電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上か否か判断し、
前記制御部は、前記電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上である場合に、前記燃料電池スタックの発電量を増大させる制御を行うことを特徴とする、燃料電池システムを提供する。
本開示の燃料電池システムによれば、電解質膜の劣化を抑制し、燃料電池スタックの耐久性の高い燃料電池システムを提供することができる。
本開示の燃料電池システムの構成の一例を示す図である。 本開示の燃料電池システムの制御方法の一例を示すフローチャートである。 燃料電池スタックの低負荷運転継続時(OCV継続時間)に対するMEA中の硫酸イオンの蓄積量との関係の一例を示す図である。 燃料電池スタックの低負荷運転継続時(OCV継続時間)に対するMEA中の推定局所最低pHとの関係の一例を示す図である。 燃料電池スタックの冷却水出口温度(T_out)に対する電解質膜分解速度指標(T_indicator)との関係の一例を示す図である。 燃料電池スタックの平均セル電圧(V_cell)と電解質膜分解速度指標(V_indicator)との関係の一例を示す図である。 電解質膜劣化指標(MEM_indicator)とMEA中の推定pHとの相関関係の一例を示す図である。 リフレッシュ運転時間とMEA中の推定pHとの関係の一例を示す図である。
本開示においては、電解質膜としてパーフルオロスルホン酸膜を含む膜電極接合体を備えるセルを複数積層した構成を有する燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックの、電流値情報の計測、出口冷却水温度の計測、及び、各セルの電圧の計測を行う、運転状態取得部と、
制御部と、を有し、
前記制御部は、前記燃料電池スタックの所定の期間内の前記電流値情報が、所定の閾値を下回っているか否か判断し、
前記制御部は、前記電流値情報が、所定の閾値を下回っている場合に、予め取得した前記出口冷却水温度と前記電解質膜の劣化速度との相関関係を示すデータ群、及び、予め取得した各前記セルの電圧と前記電解質膜の劣化速度との相関関係を示すデータ群から、電解質膜劣化指標値を算出し、
前記制御部は、前記電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上か否か判断し、
前記制御部は、前記電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上である場合に、前記燃料電池スタックの発電量を増大させる制御を行うことを特徴とする、燃料電池システムを提供する。
図1は、本開示の燃料電池システムの構成の一例を示す図である。
図1に示す燃料電池システム100は、燃料電池スタック11と、燃料ガス供給部12と燃料ガス供給流路13と、燃料ガス排出流路14と、運転状態取得部15と、制御部16と、酸化剤ガス供給部21と、酸化剤ガス供給流路22と、酸化剤ガス排出流路23と、を備える。
本開示の燃料電池システムは、少なくとも燃料電池スタックと、運転状態取得部と、制御部と、を備え、通常さらに、燃料ガス供給部と、燃料ガス供給流路と、燃料オフガス排出部と、酸化剤ガス供給部と、酸化剤ガス供給流路と、酸化剤ガス排出流路と、冷却水供給部と、冷却水循環流路等を備える。
燃料電池スタックは、燃料電池のセルを複数積層して構成される。
セルの積層数は特に限定されず、例えば、2〜数百個であってもよく、2〜200個であってもよい。
燃料電池スタックは、セルの積層方向の両端にエンドプレートを備えていてもよい。
燃料電池のセルは、少なくとも酸化剤極、電解質膜、及び、燃料極を含む膜電極接合体を備え、必要に応じて当該膜電極接合体の両面を挟持する2枚のセパレータを備えてもよい。
電解質膜は、パーフルオロスルホン酸膜等が挙げられ、ナフィオン膜(デュポン社製)等であってもよい。
セパレータは、ガス拡散層に接する面に反応ガス流路を有していてもよい。また、セパレータは、ガス拡散層に接する面とは反対側の面にスタック温度を一定に保つための冷却水流路を有していてもよい。
セパレータは、反応ガス及び冷却水をセルの積層方向に流通させるための供給孔及び排出孔を有していてもよい。
供給孔は、燃料ガス供給孔、酸化剤ガス供給孔、及び、冷却水供給孔等が挙げられる。
排出孔は、燃料ガス排出孔、酸化剤ガス排出孔、及び、冷却水排出孔等が挙げられる。
セパレータは、ガス不透過の導電性部材等であってもよい。導電性部材としては、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン、及び、プレス成形した金属(例えば、鉄、アルミニウム、及び、ステンレス等)板等であってもよい。また、セパレータが集電機能を備えるものであってもよい。
い。
燃料電池スタックは、各供給孔が連通した入口マニホールド、及び、各排出孔が連通した出口マニホールドを有していてもよい。
入口マニホールドは、アノード入口マニホールド、カソード入口マニホールド、及び、冷却水入口マニホールド等が挙げられる。
出口マニホールドは、アノード出口マニホールド、カソード出口マニホールド、及び、冷却水出口マニホールド等が挙げられる。
酸化剤極は、酸化剤極触媒層及びガス拡散層を含む。
燃料極は、燃料極触媒層及びガス拡散層を含む。
酸化剤極触媒層及び燃料極触媒層は、例えば、電気化学反応を促進する触媒金属、プロトン伝導性を有する電解質、及び、電子伝導性を有するカーボン粒子等を備えていてもよい。
触媒金属としては、例えば、白金(Pt)、及び、Ptと他の金属とから成る合金(例えばコバルト、及び、ニッケル等を混合したPt合金)等を用いることができる。
電解質としては、フッ素系樹脂等であってもよい。フッ素系樹脂としては、例えば、ナフィオン溶液等を用いてもよい。
上記触媒金属はカーボン粒子上に担持されており、各触媒層では、触媒金属を担持したカーボン粒子(触媒粒子)と電解質とが混在していてもよい。
触媒金属を担持するためのカーボン粒子(担持用カーボン粒子)は、例えば、一般に市販されているカーボン粒子(カーボン粉末)を加熱処理することにより自身の撥水性が高められた撥水化カーボン粒子等を用いてもよい。
ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材等であってもよい。
導電性部材としては、例えば、カーボンクロス、及びカーボンペーパー等のカーボン多孔質体、並びに、金属メッシュ、及び、発泡金属などの金属多孔質体等が挙げられる。
運転状態取得部は、燃料電池スタックの、電流値情報の計測、出口冷却水温度の計測、及び、各セルの電圧の計測を行う機能を備え、必要に応じ、電流値情報を算出するために運転状態取得部が計測した燃料電池スタックの電流値を蓄積して記録する機能を備える。
燃料電池スタックの、電流値情報の計測方法は特に限定されず、電流センサ等を用いることができる。所定の期間内の電流値情報は、所定の期間内に任意の回数計測した燃料電池スタックの電流値を蓄積した総電流値であってもよいし、任意の回数計測した燃料電池スタックの電流値の平均電流値であってもよい。
燃料電池スタックの、出口冷却水温度の計測方法は特に限定されず、温度センサ等を用いることができる。
燃料電池スタックの、各セルの電圧の計測方法は特に限定されず、電圧センサ等を用いることができる。
燃料電池スタックの計測した電流値を蓄積して記録する方法は特に限定されず、従来公知の方法を適宜採用することができる。
したがって、運転状態取得部は、電流センサ、温度センサ、及び、電圧センサ等を備えるものであってもよい。
燃料ガス供給部は、燃料電池スタックに燃料ガスを供給する。
燃料ガスは、主に水素を含有するガスであり、例えば、水素ガスであってもよい。
燃料ガス供給部としては、例えば、燃料タンク等が挙げられ、具体的には、液体水素タンク、圧縮水素タンク等が挙げられる。
燃料ガス供給流路は、燃料ガス供給部と燃料電池スタックを接続し、燃料ガスの燃料ガス供給部からの燃料電池スタックへの供給を可能にする。
燃料オフガス排出部は、燃料電池スタックの燃料極から排出された燃料オフガスを燃料電池システム外部へ排出することを可能にする。
燃料オフガスは、主に、燃料極において未反応のまま通過した燃料ガスと、酸化剤極で生成した生成水が燃料極に到達した水分と、を含む。
燃料オフガス排出部は、燃料オフガス排出弁を備えていてもよく、必要に応じ、燃料オフガス排出流路をさらに備えていてもよい。
燃料オフガス排出弁は、燃料オフガスの排出流量を調整する。
燃料オフガス排出流路は、燃料オフガスを外部に排出可能にする。
本開示の燃料電池システムは、燃料オフガス排出流路から分岐され、燃料電池スタックの燃料極から排出された燃料オフガスを回収し、循環ガスとして燃料電池スタックに戻す循環流路を備えていてもよい。
循環流路には、燃料オフガス中の水分を低減するための気液分離器が設けられていてもよい。そして、気液分離器によって循環流路から分岐される排水流路及び当該排水流路上に排水弁が備えられていてもよい。
気液分離器によって燃料オフガス中から分離された水分は、循環流路から分岐される排水流路に設けられた排水弁の開放によって排出してもよい。
一方、水分が分離された燃料オフガスは、若干残留したミストを含んだ状態で、循環流路から燃料電池スタックに供給されてもよい。
酸化剤ガス供給部は、少なくとも燃料電池スタックの酸化剤極に酸化剤ガスを供給する。
酸化剤ガス供給部としては、例えば、エアコンプレッサー等を用いることができる。
酸化剤ガス供給流路は、酸化剤ガス供給部と燃料電池スタックを接続し、酸化剤ガス供給部から燃料電池スタックの酸化剤極への酸化剤ガスの供給を可能にする。
酸化剤ガスは、酸素含有ガスであり、空気、乾燥空気、及び、純酸素等であってもよい。
酸化剤ガス排出流路は、燃料電池スタックからの酸化剤ガスの排出を可能にする。
燃料電池システムは、冷却水供給部、及び、冷却水循環流路を備えていてもよい。
冷却水循環流路は、燃料電池スタックに設けられる冷却水入口マニホールド及び冷却水出口マニホールドに連通し、冷却水供給部から供給される冷却水を燃料電池スタック内外で循環させ、燃料電池スタックの冷却を可能にする。
冷却水供給部は、例えば、冷却水ポンプ等が挙げられる。
制御部は、燃料電池システムの制御を行う。
制御部は、運転状態取得部、燃料ガス供給部、及び、酸化剤ガス供給部等と入出力インターフェースを介して接続されていてもよい。
制御部は、運転状態取得部が計測した燃料電池スタックの所定の期間内の前記電流値情報が、所定の閾値を下回っているか否か判断、電解質膜劣化指標値の算出、電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上か否かの判断及び、燃料電池スタックの発電量の調整等を行う。
制御部は、物理的には、例えば、CPU(中央演算処理装置)等の演算処理装置と、CPUで処理される制御プログラム及び制御データ等を記憶するROM(リードオンリーメモリー)、並びに、主として制御処理のための各種作業領域として使用されるRAM(ランダムアクセスメモリー)等の記憶装置と、入出力インターフェースとを有するものである。
図2は、本開示の燃料電池システムの制御方法の一例を示すフローチャートである。なお、本開示は、必ずしも本典型例のみに限定されるものではない。
図2に示す制御方法では、まず運転状態取得部は所定の期間内の燃料電池スタックの電流値情報を計測する。
その後、制御部は、運転状態取得部が計測した燃料電池スタックの所定の期間内の電流値情報が所定の閾値を下回っているか否か判断する。
そして、制御部は、電流値情報が、所定の閾値を下回っている場合に電解質膜劣化指標値を算出する。一方、制御部は、電流値情報が所定の閾値以上である場合は制御を終了する。
その後、制御部は、算出した電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上か否か判断する。
そして、制御部は、電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上である場合に、燃料電池スタックの発電量を増大させる制御(リフレッシュ運転)を行う。一方、制御部は、電解質膜劣化指標値が所定の閾値未満である場合は制御を終了する。
(1)燃料電池スタックの電流値情報の計測
運転状態取得部は所定の期間内の燃料電池スタックの電流値情報を計測する。
燃料電池スタックの電流値情報を計測するタイミングは特に限定されず、燃料電池スタックの運転開始時から所定の期間行ってもよいし、常時燃料電池スタックの電流値情報を計測してもよく、適宜計測期間を設定することができる。
(2)燃料電池スタックの所定の期間内の電流値情報が、所定の閾値を下回っているか否かの判断
制御部は、運転状態取得部が計測した燃料電池スタックの所定の期間内の電流値情報が所定の閾値を下回っているか否か判断する。
燃料電池の電解質膜は低負荷(低電流/高電圧)状態が維持されると劣化しやすいことが知られており、劣化時には電解質膜の高分子構造が分解され、硫酸イオンが放出される。高負荷運転(高電流/低電圧)を適宜実施することで発電による生成水により硫酸イオンは燃料電池スタック外部へと排出されるが、例えば、燃料電池スタックを車載した車両における長時間のアイドリング運転及び低速でのショートトリップの繰り返し時等は生成水量が少なく、硫酸イオンの濃縮が進み燃料電池スタック中のpHの低下が生じ得る。pHが低下した場合、例えば燃料電池の製造時にMEAに混入したFeを含む異物や、金属製セパレータ等の溶出を促進してしまう。
図3は、燃料電池スタックの低負荷運転継続時(OCV継続時間)に対するMEA中の硫酸イオンの蓄積量との関係の一例を示す図である。
図4は、燃料電池スタックの低負荷運転継続時(OCV継続時間)に対するMEA中の推定局所最低pHとの関係の一例を示す図である。
電流値情報の閾値は、例えば、予め実験等で電解質膜の劣化速度と燃料電池スタックの電流値情報との相関関係を示すデータ群を用意し、そのデータ群から燃料電池スタックの性能等により適宜設定することができる。
また、電流値情報の閾値は、例えば、燃料電池スタックのOCV(開回路電圧:無負荷の時で最も電圧が高くなる)状態時の硫酸イオン蓄積推移(例えば図3及び図4等)を鑑みて、例えば燃料電池スタックの総電流が50A以下の発電が1h以上継続したことを閾値として使用してもよい。例えば、OCVで1h放置してpH4となる場合、pH=4以上だとステンレス製セパレータの溶出が発生しないためである。
(3)電解質膜劣化指標値の算出
制御部は、電流値情報が、所定の閾値を下回っている場合に、予め取得した出口冷却水温度と電解質膜の劣化速度との相関関係を示すデータ群、及び、予め取得した各セルの電圧と電解質膜の劣化速度との相関関係を示すデータ群から、電解質膜劣化指標値を算出する。
一方、制御部は、電流値情報が所定の閾値以上である場合は、制御を終了する。
電流値情報が、所定の閾値を下回っているか否かの判断のみで後述のリフレッシュ運転(高負荷運転)に移行した場合、リフレッシュ運転の回数が高頻度になり、多量の燃料ガス(水素ガス等)の消費が行われる。そのため、必要十分な運転回数とするために電解質膜劣化指標値を算出して当該値が所定の閾値以上か否かの判断を追加する。
電解質膜の分解速度は燃料電池の温度、電圧等によって左右される。高温になるほど分解が速く、高電圧になるほど分解が速い。
そのため、予め燃料電池スタックの運転温度及び各セル電圧に対する電解質膜分解速度との相関関係を示すデータ群(例えば図5及び図6等)を準備しておき、これらのデータ群を参照して、運転状態取得部が計測した燃料電池スタックの冷却水出口温度及び燃料電池スタックの各セル電圧から電解質膜劣化指標(MEM_indicator = T_indicator×V_indicator)を算出してもよい。なお、各セル電圧から平均セル電圧を算出してもよい。
図5は、燃料電池スタックの冷却水出口温度(T_out)に対する電解質膜分解速度指標(T_indicator)との関係の一例を示す図である。
図6は、燃料電池スタックの平均セル電圧(V_cell)と電解質膜分解速度指標(V_indicator)との関係の一例を示す図である。
(4)電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上か否かの判断
制御部は、算出した電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上か否か判断する。
電解質膜劣化指標値の閾値は、例えば、燃料電池スタック内(MEA内であってもよい)の推定pHと電解質膜劣化指標値との相関関係を示すデータ群を用意し、そのデータ群から燃料電池スタックの性能等により適宜設定することができる。
図7は、電解質膜劣化指標(MEM_indicator)とMEA中の推定pHとの相関関係の一例を示す図である。
例えば、図7を参照すると、MEM_indicator=10のとき、推定pH=3.93であることから、MEM_indicator=10を閾値とすることにより、pH=4を下回ったことを検知する閾値とすることができる。
(5)リフレッシュ運転
制御部は、電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上である場合に、燃料電池スタックの発電量を増大させる制御を行う。
一方、制御部は、電解質膜劣化指標値が所定の閾値未満である場合は、制御を終了する。
燃料電池スタックの発電量を増大させる方法は特に限定されず、例えば、燃料ガス供給部からの燃料ガスの供給量を増大させること、及び、酸化剤ガス供給部からの酸化剤ガスの供給量を増大させること等により燃料電池スタックの発電量を増大させてもよい。
本開示においてリフレッシュ運転とは、例えば車両システム(アクセル開度等)から要求された発電量以上に、燃料電池の発電量を増大させる(高負荷運転を行う)ことを意味する。高負荷(高電流/低電圧)の運転を一時的に実行することにより発電に伴う生成水量を増大させ、蓄積された硫酸イオンを洗い流す効果を有する。リフレッシュ運転中には多量の燃料ガスを消費するため、必要十分な電流、及び時間等に制御してもよい。
図8は、リフレッシュ運転時間とMEA中の推定pHとの関係の一例を示す図である。
例えば、図8を参照すると、MEM_indicator=10となった際(pH=3.93)、電流密度2.2[A/cm]の制御を30[s]実施することでpH=4以上に回復させることが出来る。
1回目の制御の終了後2回目の制御の開始時期は特に限定されず、1回目の制御の終了後間断なく行ってもよいし、一定の間隔を空けて行ってもよく、燃料電池スタックの用途等に合わせて適宜設定してもよい。
11 燃料電池スタック
12 燃料ガス供給部
13 燃料ガス供給流路
14 燃料ガス排出流路
15 運転状態取得部
16 制御部
21 酸化剤ガス供給部
22 酸化剤ガス供給流路
23 酸化剤ガス排出流路
100 燃料電池システム

Claims (1)

  1. 電解質膜としてパーフルオロスルホン酸膜を含む膜電極接合体を備えるセルを複数積層した構成を有する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックの、電流値情報の計測、出口冷却水温度の計測、及び、各セルの電圧の計測を行う、運転状態取得部と、
    制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記燃料電池スタックの所定の期間内の前記電流値情報が、所定の閾値を下回っているか否か判断し、
    前記制御部は、前記電流値情報が、所定の閾値を下回っている場合に、予め取得した前記出口冷却水温度と前記電解質膜の劣化速度との相関関係を示すデータ群、及び、予め取得した各前記セルの電圧と前記電解質膜の劣化速度との相関関係を示すデータ群から、電解質膜劣化指標値を算出し、
    前記制御部は、前記電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上か否か判断し、
    前記制御部は、前記電解質膜劣化指標値が所定の閾値以上である場合に、前記燃料電池スタックの発電量を増大させる制御を行うことを特徴とする、燃料電池システム。
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