JP2010086692A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】
発電をせずに長期間の保管期間中に、燃料電池セルスタックに転極などのダメージを与えることなく、かつ、燃料消費量を低減できる、燃料電池セルスタックの湿潤状態を維持するための燃料電池システムの運転方法を提供することにある。
【解決手段】
小さい部分負荷にて発電を行い、生成水によりセル電圧の上昇を監視し、所定の電圧に到達した時点で負荷を増加させ、セル電圧の変化の傾きを監視しながら湿潤状態を回復させる長期保管中の燃料電池の運転方法。
【選択図】図3

Description

本発明は燃料電池を構成する単位セルの電圧から燃料電池の湿潤状態を判定し、湿潤状態を維持するための発電運転を行う燃料電池システムおよびその運転方法に関する。
固体高分子形燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側を燃料極と空気極とからなる電極触媒で被覆した電解質膜/電極接合体の両側をガス拡散層で挟み、さらにその両側に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するためのセパレータを配置して構成する単位セルを複数個設置して積層体を形成し、この積層体の両端を締付板により締め付けて燃料電池セルスタックを構成する。この燃料電池セルスタックを電解質膜/電極接合体の面内方向が水平方向に対して垂直となるように積層設置する。
固体高分子形燃料電池の反応式を次に示す。
燃料極:H2→2H++2e-
空気極:2H++2e-+1/2O2→H2
全 体:H2+1/2O2→H2
固体高分子形燃料電池では、ガス拡散層内を拡散してきた燃料ガス中に含まれる水素(H2)は燃料極に至ると電子(e-)を放出してプロトン(H+)になる。プロトン(H+)は燃料極側から空気極側に固体高分子電解質膜を経て移動するが、電子(e-)は燃料極側から空気極側に移動することができないため、外部回路を経由して空気極側に移動する。一方、空気極側では、前記の固体高分子電解質膜を経て移動したプロトン(H+)と外部回路から送られてくる電子(e-)と酸化剤ガス(空気)中の酸素とが反応して水(H2O)を生成する。
燃料電池は湿潤状態によって電池性能が変化する。空気極側に生成された生成水の大部分は未反応ガス中に蒸発し、そのまま燃料電池スタック外に排出されるが、過飽和となる状態、即ち、加湿過剰な状態では水として残留する。その水を除去しない場合、凝縮した水によって供給ガス流路の閉塞やガス拡散層が水で覆われことにより、燃料ガスや酸化剤ガスの電極触媒への拡散が阻害され、局所的に発電反応が起こらない部分が発生する。発電していない部分の有無に関わらず燃料電池は一定の電流で発電するため、電流は発電反応が生じている部分に偏り、電流密度分布が生じる。その場合、発電反応が生じている部分の面積で平均した電流密度は、電極面積全面で平均した電流密度よりも高くなるため、図2に示す燃料電池の電流−電圧特性においては、所定の電圧よりも低い値を示すこととなり、電池性能が低下した状態となる。このように、加湿過剰な場合には、スタック内でフラッディングが生じ、セル電圧が低下する場合があるので、乾燥した空気をスタックに供給し、適正な湿潤状態となるよう水分量を調整する制御装置が特許文献1に記載されている。
一方、燃料電池スタック内の水分量、即ち、電解質膜の含水量が不足する状態、即ち、加湿不足な状態では、電解質膜が乾燥して抵抗が増大するため、電池性能が低下した状態となる。燃料電池を長期間に亘って発電をせずに保管した場合、バルブ等で配管を封止していた場合においても、スタックの側面に電解質膜の端面が露出していると水分が端面から蒸発消失していくため、電解質膜の湿潤状態は加湿不足の状態に移行していく。
したがって、燃料電池スタックを良好な性能にて発電させるためには、最適な範囲の湿潤状態を維持する必要がある。
特許文献1には、電圧測定値のみに基づいて加湿湿潤状態を判定すると、加湿過剰な場合、即ち、フラッディング状態においても、加湿不足な状態、即ち、ドライアウトの状態においてもセル電圧が低下するため、誤判断する可能性があることが指摘されている。そのため、特許文献2には、内部抵抗を測定することにより、スタック内部の水分の挙動も把握できるようになるため、発電を停止するときの水分の状態監視に用いることができることが提案されている。
しかしながら、長期間に亘って発電せずに保管した場合には、直近の最後に発電して以降に、加湿過剰な状態に移行することはないため、電圧の低下を加湿不足な状態と判定しても誤判断とはならない。また、燃料電池は経時的に電池性能が劣化していくため、電圧の経時変化を考慮することで湿潤状態を判定することで、加湿不足をより精度良く判断することができることが提案されている。
特開2007−265956号公報 特開2006−324066号公報
上記の特許文献1,2に開示された燃料電池の加湿状態を制御する方法は、運転中に最適な湿潤状態を維持するための方法を提案しており、長期間運転停止し、電解質膜が乾燥した状態の起動方法については言及されていない。また、システムの簡素化のために燃料電池セルスタックの外部に水分調整手段を持たない燃料電池システムでは、発電反応による生成水を燃料電池セルスタックの加湿用水分として供給する必要がある。しかしながら、電解質膜が乾燥した状態で定格出力に相当する負荷を燃料電池セルスタックに印加した場合、電解質膜の抵抗が大きい状態となると、セル電圧が不安定となり、場合によっては、セル電圧がゼロボルト以下となる転極が生じる場合がある。さらに、電力系統から独立した電源や燃料をボンベやタンクなどで保有する燃料電池システムにおいては、湿潤状態を維持することを目的とした発電運転に燃料を消費することは効率低下となるため、部分負荷を印加することで湿潤状態を維持することは有利となる。
本発明で解決しようとする課題は、燃料電池セルスタックに転極などのダメージを与えることなく、かつ、燃料消費量を低減できる、燃料電池セルスタックの湿潤状態を維持するための燃料電池システムの運転方法を提供することにある。
本発明に係わる燃料電池は、単位燃料電池セルを複数積層した燃料電池セルスタックの各セル電圧を測定する手段と、各負荷電流に対するセル電圧基準値を格納し、その基準値とセル電圧測定値とを比較して湿潤状態を判定する手段とを備えた燃料電池システムであって、2点以上の負荷電流におけるセル電圧測定値から電流変化に対するセル電圧の変化割合を算出し、変化割合基準値を格納したセルスタック内の湿潤状態を判定部において、電圧測定値と格納された基準値とを比較参照して、燃料電池セルスタックの湿潤状態を判定し、メンテナンス運転の負荷電流およびその継続時間を制御できるように燃料電池システムを構成した。
本発明によれば、少なくとも2点以上の部分負荷にて発電運転し、セルスタックの電圧を計測し、基準値と比較して湿潤状態を判定することにより、長期保管状態でのセルスタックの湿潤状態を少ない燃料消費量にて維持することができるので、長期間保管後の非常時に起動した場合にも燃料電池システムが安定して発電でき、バックアップ電源としての電力供給が可能になると共に、湿潤状態の維持のための運転において燃料消費量を低減できるため、保管燃料の消費量を低減でき、独立電源として長時間の電力供給を可能にできる。
以下、本発明に係わる燃料電池システムの実施形態を、固体高分子形燃料電池を例にとり、図を用いて説明する。
(実施例1)
不定期に必要なときのみ運転する電源システムを想定すると、長期間発電せずに保管した後であっても、直ちに短時間で起動することが要求される。
固体高分子形燃料電池(PEFC)や直接メタノール形燃料電池(DMFC)のように、電解質膜を用いる燃料電池は、総称してPEMFCと呼ばれることもある。PEFCは、固体高分子電解質膜の両側を燃料極と空気極とからなる電極触媒で被覆した電解質膜/電極接合体の両側をガス拡散層で挟み、さらにその両側に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するためのセパレータを配置して構成する単位セルを複数個設置して積層体を形成し、この積層体の両端を締付板により締め付けて燃料電池セルスタックを構成する。
燃料である水素または水素リッチなガスは燃料電池セルスタックに供給されると、アノードガス入口マニホールドを経て、セパレータに設けられたアノードガス流路を通り、ガス拡散層を介して燃料極(アノード)に到達する。燃料極では、水素分子は触媒反応により水素イオンと電子とに分離される。一方、酸化剤ガスである酸素または酸素を含む空気は、燃料電池セルスタックに供給されると、カソードガス入口マニホールドを経て、湿度を調整した後、セパレータに設けられたカソードガス流路を通り、ガス拡散層を介して空気極(カソード)に到達する。アノードでの触媒反応により分離した水素イオンは電解質膜をイオン伝導により、電解質膜の反対側に設けられたカソードまで移動し、一方、電子は外部回路を通りカソード側へ移動する。カソードでは、イオン伝導した水素イオンと外部回路を取って移動した電子および空気中の酸素とが反応し、発熱を伴う水を生成する電気化学反応が生じる。
このPEMFCでは、電解質膜が湿潤状態にあることで電解質膜中を水素イオン(プロトン)が伝導するイオン導電性が良好となる。また、燃料電池セル内は、発電反応により得られる生成水により湿潤状態を保持することができる。しかしながら、長期間保管状態にした場合は、生成水による湿分補給ができず、電解質膜端面から水分が蒸発することで電解質膜が乾燥状態になり、プロトン伝導度が低下し、性能が低下する。さらに電解質膜の乾燥が進行すると水素透過(クロスオーバー)が発生し、電解質膜に貫通穴などが開いて、安全性を損ねる可能性もある。そこで、燃料電池セル内の湿潤状態を保持するために、定期的に発電を行うことで、発電反応に伴う生成水によって湿潤状態を保持する運転(以下、メンテナンス運転と称する。)行うことが有効である。このメンテナンス運転では燃料電池スタックで発電するために貯蔵している水素を消費する。したがって、メンテナンス運転時に消費する水素量を最小限に抑える必要がある。即ち、発電量を最小限に抑える必要があること、加湿量は必要な量であることが要求されることから、低負荷かつ精度良く電解質膜の湿潤状態を推定する必要性から、2点以上の負荷において発電を実施し、その電圧変化の傾きから湿潤状態を判定し、加湿のためのメンテナンス運転に移行するか否かを判定,操作する。
図1は、本発明における燃料電池の実施例1による燃料電池システムの構成例を示すものである。燃料貯蔵手段31に貯蔵されている純水素または水素リッチな燃料ガスが、燃料供給配管32を通して燃料電池セルスタック21のアノード側に供給され、燃料排ガス排出配管33を通して燃料排ガスが排気される。一方、燃料電池システム周囲の空気が空気ブロア34により吸入され、加湿部37を通って、空気供給配管35から燃料電池セルスタック21のカソード側に供給される。燃料電池の電気化学的発電反応は水を生成し、熱を発生する反応である。また、燃料電池セルスタック21には、冷却水循環ポンプ39により冷却水が冷却水供給配管38で循環供給している。冷却水供給配管38にはラジエータ40が設置されている。燃料電池セルスタック21には、負荷54、出力電圧を検出するためのセル電圧検出部51が設けられ、制御部52において検出したセル電圧の平均値(Vm1,Vm2,…),標準偏差(Vσ1,Vσ2),最低値(Vmin2,Vmin2,…)を算出し、湿潤状態判定部に格納された基準値である基準標準偏差(Sσ1,Sσ2,…),基準最低電圧(Smin1,Smin2,…)、と比較参照し、燃料電池セルスタックの湿潤状態を判定して、加湿のためのメンテナンス運転の負荷電流設定および運転継続を負荷に指示する。前記湿潤状態判定部に格納される基準値は、燃料電池スタックの仕様および運転条件によって異なることが想定されるため、特性に合わせた基準値を設定する必要がある。本実施例では一設定例として例示している。
セル電圧検出部は、単位セルのセル電圧を評価できる単位で電圧検出線が設けられている。したがって、すべてのセルに電圧検出線を設けなくても、複数セルの電圧の合計値をまとめて検出して制御部において演算してもよい。
運転中の湿潤状態を判定する場合は、セル電圧の変動を検知して、一定範囲内に収まるように制御すればよいが、保管中に判定するには、その時点での特性が劣化してないか否かも判定する必要がある。電解質膜が乾燥して電解質膜の抵抗が増大した場合には、電流−電圧特性は平行移動で電圧が低下するが、電極触媒が劣化した場合には電流密度の変化に対するセル電圧の変化割合が異なってくる。そのため、1点の負荷電流におけるセル電圧だけでは判定が困難である。そこで2点以上の負荷電流にてセル電圧を測定することにより、電流−電圧特性のレベルおよび電流密度変化に対するセル電圧の変化割合も把握することができ、燃料電池セルの劣化に起因する電圧低下であるのか、抵抗増大によるセル電圧の低下かを識別することができる。
以下、図3のフローチャートについて説明する。
操作手順STARTでは、メンテナンス運転モード開始する。
操作手順S10では、補助電源を用いてセル電圧検出部51,制御部52および湿潤状態判定部53の電源を投入し、セル電圧の検出および検出したセル電圧の平均値,標準偏差および最低値の算出を開始する。
操作手順S20では、補助電源を用いて、燃料入口弁を「開」、水素循環ポンプを起動し、燃料電池スタックの燃料ガス側に水素または水素リッチな燃料ガスの供給を開始する。また、同様に補助電源を用いて、空気ブロア(空気ポンプまたは空気ファンでもよい。)を起動し、燃料電池スタックの酸化剤ガス側に酸素または空気を供給する。この状態で燃料電池セルは開回路状態となる。操作手順S20,30で各セル電圧の記録、最低値(Vmin2,Vmin2,…)の算出を行う。燃料電池セルでは開回路状態に保持するとセルの劣化を加速する問題がある。そのため、操作手順S50で開回路電圧が所定の電圧値以上か否かを判定する。開回路電圧が所定の電圧値以上と判定された場合には、次の操作手順110に移行する。開回路電圧が所定の電圧値よりも低いと判定された場合には、操作手順20に戻る。
操作手順S110では、負荷電流を部分負荷J1に設定(S110)して発電を開始する。操作手順S110において設定する部分負荷J1は任意であるが、燃料電池補機、即ち、燃料電池スタックに水素を供給するための水素ポンプ,空気を供給するための空気ブロア,燃料電池スタックを冷却するための冷却水を循環させるための水ポンプおよびバルブ,センサ類を動作させるのに必要な電力をまかなえる程度の負荷を選択することで、外部からの電力を必要とせず、かつ、外部に電力を供給することもなく、水素消費量を必要最小限に抑えることができる。
操作手順S120では、計測している各セルの電圧を例えば1分間隔など一定間隔で計測する。
操作手順S130では、操作手順S120で計測した全セル電圧を制御部において平均値(Vm1),標準偏差(Vσ1),最低値(Vmin1)を算出する。表1の例の部分負荷J1における10セル分のセル電圧データに基づくと、平均値(Vm1)は0.871V、標準偏差(Vσ1)は0.014V、最低値(Vmin1)は0.850Vと算出される。
メンテナンス運転の目的が、すべてのセルの湿潤状態を調整するための運転であることから、一部のセルに異常が発生していると判定された場合には、セル異常としてメンテナンス運転を中止する必要がある。そこで、操作手順S140では、セル電圧の標準偏差(Vσ1)がセル電圧標準偏差の基準値(Sσ1)を超える場合(Vσ1>Sσ1)、または、セル電圧の最低値(Vmin1)が部分負荷J1におけるセル電圧最低値の基準値(Smin1)を下回る場合(Vmin1<Smin1)はセル異常と判定し、メンテナンス運転を中止し、操作手順S150にて、セル異常のあることを警告する。
また、検出したセル電圧に基づく計算の結果、セル電圧の標準偏差(Vσ1)およびセル電圧の最低値(Vmin1)が基準値と比較してセル異常と判定されなかった場合には、部分負荷J1における湿潤状態を判定する操作手順S160に移行する。
表2に例示した部分負荷J1での各セル電圧に基づく算出結果と表3に例示した部分負荷J1における設定基準値とを比較すると、セル電圧の標準偏差(Vσ1)は0.014V、セル電圧の標準偏差の基準値(Sσ1)は0.030Vであり、Vσ1<Sσ1となるからセル異常判定とはならない。また、セル電圧の最低値(Vmin1)は0.871V、セル電圧最低値の基準値(Smin1)は0.760Vであり、Vmin1>Smin1となるからセル異常判定とはならない。よって、この例では操作手順S140の判定は「YES」となり、操作手順S160へ進む。
また、表5に示すセル電圧測定結果例の場合、その計算結果である表6に示すように、部分負荷J1では標準偏差が0.035となり、表3の基準値の設定例に示した0.030より大きくなることから、セル異常と判定され、操作手順S150にてセル異常のあることを警告する。
操作手順S160では、全セル電圧の平均値(Vm1)が部分負荷J1における基準セル電圧範囲の下限値(V−S1L)とを比較し、全セル電圧の平均値(Vm1)が部分負荷J1における基準セル電圧範囲の下限値(V−S1L)以上(Vm1≧V−S1L)であれば、部分負荷J1における湿潤状態として充分であると判定し、全セル電圧の平均値(Vm1)が部分負荷J1における基準セル電圧範囲の下限値(V−S1L)未満(Vm1<V−S1L)であれば、部分負荷J1における湿潤状態として不十分と判定する。操作手順S160において、部分負荷J1における湿潤状態として充分であると判定された場合には、操作手順S210に移行する。操作手順S160において、部分負荷J1における湿潤状態として不充分であると判定された場合には、全セル電圧の平均値(Vm1)が部分負荷J1における基準セル電圧範囲の下限値(V−S1L)以上(Vm1≧V−S1L)となるまで操作手順S120から操作手順S160を繰返し、部分負荷J1での発電状態を継続する。
表2に示した部分負荷J1における例では、全セル電圧の平均値(Vm1)0.871V、部分負荷J1における基準セル電圧範囲の下限値(V−S1L)は0.850Vであり、Vm1≧V−S1Lを満足する。
全セル電圧の平均値(Vm1)が部分負荷J1における基準セル電圧範囲の下限値(V−S1L)以上(Vm1≧V−S1L)になれば、操作手順S210にて負荷電流を部分負荷J1から部分負荷J2に増大させ、各セル電圧の計測を継続する。ここで、部分負荷J2は部分負荷J1より大きい負荷電流(J2>J1)を設定する。操作手順S220では、操作手順S120と同様に、計測している各セルの電圧を一定間隔で計測する。
操作手順S230では、操作手順S220で計測した全セル電圧を制御部において、平均値(Vm2),標準偏差(Vσ2),最低値(Vmin2)を算出する。操作手順S230では、操作手順S220で計測した全セル電圧を制御部において平均値(Vm2),標準偏差(Vσ2),最低値(Vmin2)を算出する。表1の例の部分負荷J2における10セル分のセル電圧データに基づくと、表2に示すように、1回目の各セル電圧に基づくと、平均値(Vm2)は0.759V、標準偏差(Vσ2)は0.011V、最低値(Vmin1)は0.740Vと算出される。
操作手順S140においても説明したように、メンテナンス運転の目的が、すべてのセルの湿潤状態を調整するための運転であることから、部分負荷J2においても一部のセルに異常が発生していると判定された場合には、セル異常としてメンテナンス運転を中止する必要がある。
そこで、操作手順S240では、セル電圧の標準偏差(Vσ2)がセル電圧標準偏差の基準値(Sσ2)を超える場合(Vσ2>Sσ2)、または、セル電圧の最低値(Vmin2)が部分負荷J2におけるセル電圧最低値の基準値(Smin2)を下回る場合(Vmin2<Smin2)はセル異常と判定し、メンテナンス運転を中止し、操作手順S250にて、セル異常のあることを警告する。
表6に示すように部分負荷J2での1回目の例は、最低値が0.655Vと表3に示した基準値の0.660Vを下回ることからセル異常と判定され、操作手順S250にて、セル異常のあることを警告する。
また、検出したセル電圧に基づく計算の結果、セル電圧の標準偏差(Vσ2)およびセル電圧の最低値(Vmin2)が基準値と比較してセル異常と判定されなかった場合には、部分負荷J2における湿潤状態を判定する操作手順S260に移行する。
表2に例示した部分負荷J2での1回目の各セル電圧に基づく算出結果と表3に例示した部分負荷J2における設定基準値とを比較すると、セル電圧の標準偏差(Vσ2)は0.011V、セル電圧の標準偏差の基準値(Sσ2)は0.030Vであり、Vσ2<Sσ2となるからセル異常判定とはならない。また、セル電圧の最低値(Vmin2)は0.759V、セル電圧最低値の基準値(Smin2)は0.660Vであり、Vmin2>Smin2となるからセル異常判定とはならない。よって、この例では操作手順S240の判定は「YES」となり、操作手順S260へ進む。
操作手順S260では、全セル電圧の平均値(Vm2)が部分負荷J2における基準セル電圧範囲の下限値(V−S2L)とを比較し、全セル電圧の平均値(Vm2)が部分負荷J2における基準セル電圧範囲の下限値(V−S2L)以上(Vm2≧V−S2L)であれば、部分負荷J2における湿潤状態として充分であると判定し、全セル電圧の平均値(Vm2)が部分負荷J2における基準セル電圧範囲の下限値(V−S2L)未満(Vm2<V−S2L)であれば、部分負荷J2における湿潤状態として不十分と判定する。操作手順S260において、部分負荷J2における湿潤状態として充分であると判定された場合には、操作手順S300に移行する。
操作手順S260において、部分負荷J2における湿潤状態として不充分であると判定された場合には、全セル電圧の平均値(Vm2)が部分負荷J2における基準セル電圧範囲の下限値(V−S2L)以上(Vm2≧V−S2L)となるまで操作手順S220から操作手順S260を繰返し、部分負荷J2での発電状態を継続する。
表2に示した部分負荷J2における1回目の例では、全セル電圧の平均値(Vm2)は0.759V、部分負荷J2における基準セル電圧範囲の下限値(V−S2L)は0.760Vであり、Vm2<V−S2Lとなることから湿潤状態として不十分と判定され、操作手順S220に戻る。
表2に示した部分負荷J2における2回目の例では、1回目と同様にセル異常判定とはならないことから、操作手順S240の判定は「YES」となり、操作手順S260に進む。
表2に示した部分負荷J2における2回目の例では、全セル電圧の平均値(Vm2)は0.670Vとなり、湿潤状態判定条件のVm2≧V−S2Lを満足することから、操作手順S300に進む。
操作手順S300では、セル異常が検出されなかった場合として、部分負荷J1および部分負荷J2における平均セル電圧が基準値以上の場合に、その2点の電流と電圧の特性の傾き(Grd_V)を次式により算出する。
Figure 2010086692
前記2点間の電流と電圧の特性の傾き(Grd_V)が基準値の範囲外、即ち、
Grd_V≦SGRV1またはGrd_V≧SGRV2
の場合には、負荷電流を部分負荷J2から部分負荷J1に下げ、S110以降の手順を繰り返す。
2点間の電流と電圧の特性の傾き(Grd_V)が基準値の範囲内、即ち
SGRV1≦Grd_V≦SGRV2
の場合には、湿潤状態が適正な範囲にあると判定し、通常の発電終了の手順にてメンテナンス運転を終了する。
表2に示した部分負荷J1での各セル電圧に基づく平均値の算出結果(Vm1)と部分負荷J2での2回目の各セル電圧に基づく平均値の算出結果(Vm2)に基づき、2点間の電流と電圧の特性の傾き(Grd_V)を求める。部分負荷J1,J2および2点間の電流と電圧特性の傾きの基準値(SGRV1およびSGRV2)の設定例を表4に示す。本例で2点間の電流と電圧の特性の傾きは、
Figure 2010086692
であり、SGRV1(1.80)≦Grd_V(2.02)≦SGRV2(2.20)の関係を満足することから、湿潤状態が適正な範囲にあると判定してメンテナンス運転を終了する。
以上の情報から、セル電圧およびセル電圧変化割合を予め格納された判定基準値と比較することにより、燃料電池セルスタックが劣化により電圧低下しているか、乾燥しているかを判定することができるので、発電しない状態で長期保管中であっても、2点以上の負荷電流でのセル電圧を計測することにより、湿潤状態を維持するためのメンテナンス運転制御が可能となる。
Figure 2010086692
Figure 2010086692
Figure 2010086692
Figure 2010086692
Figure 2010086692
Figure 2010086692
本発明の実施形態に係わる燃料電池システムの構成図。 本発明の実施形態に係わる燃料電池セルスタックの電流−電圧特性図。 本発明の実施形態に係わる燃料電池の運転方法を表すフローチャート。
符号の説明
21 燃料電池セルスタック
31 燃料貯蔵手段
32 燃料供給配管
33 燃料排ガス排出配管
34 空気ブロア
35 空気供給配管
36 酸化剤排ガス排出配管
37 加湿部
38 冷却水供給配管
39 冷却水循環ポンプ
40 ラジエータ
51 セル電圧検出部
52 制御部
53 湿潤状態判定部
54 負荷

Claims (3)

  1. 電解質膜を一対の電極で挟んで構成される電解質膜/電極接合体を両側からセパレータで挟持して構成される単位燃料電池セルを複数個積層して形成される燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに印加する負荷電流を制御する制御手段とを備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池スタックを構成する複数個の単位セルの各出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、
    前記検出された出力電圧の平均値と標準偏差および最低値を算出する算出手段と、
    前記算出された出力電圧の標準偏差と最低値とに基づいて前記燃料電池スタック内にセル異常の有無を判定するセル状態判定手段と、
    前記算出された出力電圧の平均値に基づいて、前記燃料電池スタックの湿潤状態を判定する湿潤状態判定手段とを備えると共に、前記制御手段は、前記湿潤状態の判定結果に基づいて前記負荷電流制御手段の動作を制御することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記湿潤状態判定手段は、各負荷電流に対するセル電圧の平均値と標準偏差および最低値の判定基準値を予め格納し、前記基準値と前記検出された出力電圧に基づいて算出された出力電圧の平均値と標準偏差および最低値とを比較して、前記燃料電池スタック内の湿潤状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記湿潤状態判定手段は、2点以上の負荷電流において検出された出力電圧と、負荷電流の変化に対する出力電圧の変化割合とから、前記燃料電池スタック内の湿潤状態を判定し、湿潤状態を維持するための発電運転をすることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システムの運転方法。
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