JP2021169781A - エンジン装置 - Google Patents

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孝宏 内田
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Masahiro Kachi
玲子 郷
Reiko Go
啓勝 山本
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Abstract

【課題】第2パージ通路やエゼクタの駆動用の通路が正常に機能しているか否かの診断をより適正に行なえるようにする。【解決手段】蒸発燃料処理装置は、吸気管のスロットルバルブよりも下流側に接続された第1パージ通路と、吸気管の過給機におけるコンプレッサよりも上流側に排気ポートが接続されたエゼクタの吸引ポートに接続された第2パージ通路と、を介して蒸発燃料ガスを吸気管に供給する。第2パージ通路を介して蒸発燃料ガスを吸気管に供給している最中にエンジンの回転数が所定回転数範囲内のときには駆動デューティに基づくパージ制御バルブの開閉のタイミングの一部を遅延させるディレイ制御の実行し、エンジンの回転数に対するエンジン負荷率が所定領域内のときにはディレイ制御を禁止する。【選択図】図8

Description

本発明は、エンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置としては、スロットル弁より下流側にパージする第1パージ通路と過給機で負圧を発生させるエゼクタによって過給機のコンプレッサの上流側にパージする第2パージ通路とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このエンジン装置では、スロットル弁の下流側の吸気管圧力とエゼクタによる発生圧力とを比較して、パージが第1パージ通路と第2パージ通路とのいずれによって実施されるかを検出する。そして、パージ通路が第1パージ通路と第2パージ通路との間で切替わるときに、パージ制御バルブの制御に用いる制御特性データを、第1パージ通路に適した第1制御特性データと第2パージ通路に適した第2制御特性データとに切替えている。
特開2019−052561号公報
上述のエンジン装置では、パージ制御バルブの駆動周期がエンジンの爆発燃焼周期(回転周期)に一致すると、パージが特定の気筒のみに供給されることになるため、これを回避するために、パージ制御バルブの開閉のタイミングの一部を遅延させるディレイ制御を実行する場合がある。例えば、パージ制御バルブの開閉のタイミングの2回のうち1回を駆動周期の半分の時間(遅延時間)だけ遅延させてパージ制御バルブを開閉駆動する。一方、第2パージ通路に圧力センサを取り付けて第2パージ通路やエゼクタの駆動用の通路が正常に機能しているか否かを診断する場合がある。こうした診断時にディレイ制御が行なわれると、適正に診断することができない場合が生じる。
本発明のエンジン装置は、第2パージ通路やエゼクタの駆動用の通路が正常に機能しているか否かの診断をより適正に行なえるようにすることを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
燃料タンクから燃料の供給を受けると共に吸気管に配置されたスロットルバルブを有するエンジンと、
前記吸気管の前記スロットルバルブよりも上流側に配置されたコンプレッサを有する過給機と、
前記燃料タンク内で発生した蒸発燃料を含む蒸発燃料ガスを前記吸気管の前記スロットルバルブよりも下流側に接続された第1パージ通路と第2パージ通路とに分岐して前記吸気管に供給する供給通路と、前記吸気管の前記コンプレッサと前記スロットルバルブとの間からの還流通路に吸気ポートが接続され且つ前記吸気管の前記コンプレッサよりも上流側に排気ポートが接続され且つ前記第2パージ通路に吸引ポートが接続されたエゼクタと、前記供給通路に設けられたパージ制御バルブと、を有する蒸発燃料処理装置と、
前記蒸発燃料ガスを前記吸気管に供給するときには、前記パージ制御バルブの駆動デューティを100%にしたときの全開パージ率と、要求パージ率と、に基づいて前記駆動デューティを設定して前記パージ制御バルブを制御する制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記第2パージ通路を介して前記蒸発燃料ガスを前記吸気管に供給している最中に前記エンジンの回転数が所定回転数範囲内のときには前記駆動デューティに基づくパージ制御バルブの開閉のタイミングの一部を遅延させるディレイ制御の実行し、前記エンジンの回転数に対するエンジン負荷率が所定領域内のときには前記ディレイ制御を禁止する、
ことを特徴とする。
この本発明のエンジン装置では、第2パージ通路を介して蒸発燃料ガスを吸気管に供給している最中にエンジンの回転数が所定回転数範囲内のときには駆動デューティに基づくパージ制御バルブの開閉のタイミングの一部を遅延させるディレイ制御の実行し、エンジンの回転数に対するエンジン負荷率が所定領域内のときにはディレイ制御を禁止する。これにより、エンジンの回転数に対するエンジン負荷率が所定領域において、第2パージ通路やエゼクタの駆動用の通路が正常に機能しているか否かの診断を行なうことにより、診断をより適正に行なうことができる。ここで、所定回転数範囲は、パージ制御バルブの駆動周期とエンジンの爆発燃焼の周期(回転周期)とが一致する回転数を含む範囲である。パージ制御バルブの駆動周期を切り替えて制御する場合には、所定回転数範囲は複数の範囲となる。
本発明のエンジン装置において、前記制御装置は、前記エゼクタの吸引ポートに生じる圧力と前記吸気管の前記スロットルバルブよりも下流側の圧力とのうち小さい方の圧力を用いて得られる無効通電時間と前記駆動デューティとを用いて前記パージ制御バルブの開時間を設定するものとしてもよい。こうすれば、より適正にパージ制御バルブの開時間を設定することができる。
本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図である。 電子制御ユニット70の入出力信号の一例を示す説明図である。 電子制御ユニット70により実行されるパージ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 電子制御ユニット70により実行される支配パージ判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 サージ圧PsとパージフラグFpの時間変化の一例を示す説明図である。 エゼクタ相対圧力推定用マップの一例を示す説明図である。 全開パージ流量推定用マップの一例を示す説明図である。 電子制御ユニット70により実行されるパージ実行処理の一例を示すフローチャートである。 無効通電時間設定用マップの一例を示す説明図である。 ディレイ制御の実行条件が成立しているときのエンジン12の吸気行程気筒とパージ制御バルブ65の開閉タイミングとディレイ制御との関係を時系列に示す説明図である。 ディレイ制御の禁止条件の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、電子制御ユニット70の入出力信号の一例を示す説明図である。実施例のエンジン装置10は、一般的な自動車や各種のハイブリッド自動車に搭載され、図1や図2に示すように、エンジン12と、過給機40と、蒸発燃料処理装置50と、電子制御ユニット70とを備える。
エンジン12は、燃料タンク11から図示しないフィードポンプや燃料通路を介して供給されるガソリンや軽油などの燃料を用いて動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン12は、エアクリーナ22により清浄された空気を吸気管23に吸入してインタークーラ25、スロットルバルブ26、サージタンク27の順に通過させる。そして、吸気管23のサージタンク27よりも下流側に取り付けられたポート噴射弁28aから燃料を噴射(ポート噴射)して空気と燃料とを混合して吸気バルブ29を介して燃焼室30に吸入させたり、吸気バルブ29を介して燃焼室30に吸入した空気或いは混合気に燃焼室30に取り付けられた筒内噴射弁28bから燃料を噴射(筒内噴射)したりし、点火プラグ31による電気火花によって爆発燃焼させる。エンジン12は、こうした爆発燃焼によるエネルギにより押し下げられるピストン32の往復運動をクランクシャフト14の回転運動に変換する。燃焼室30から排気バルブ34を介して排気管35に排出される排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒(三元触媒)を有する浄化装置37,38を介して外気に排出される。なお、エンジン12は、ポート噴射のみによる駆動と、筒内噴射のみによる駆動と、ポート噴射と筒内噴射との双方による駆動が可能である。
過給機40は、ターボチャージャとして構成されており、コンプレッサ41と、タービン42と、回転軸43と、ウェイストゲートバルブ44と、ブローオフバルブ45とを備える。コンプレッサ41は、吸気管23のインタークーラ25よりも上流側に配置されている。タービン42は、排気管35の浄化装置37よりも上流側に配置されている。回転軸43は、コンプレッサ41とタービン42とを連結する。ウェイストゲートバルブ44は、排気管35におけるタービン42よりも上流側と下流側とを連絡するバイパス管36に設けられており、電子制御ユニット70により制御される。ブローオフバルブ45は、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも上流側と下流側とを連絡するバイパス管24に設けられており、電子制御ユニット70により制御される。
この過給機40では、ウェイストゲートバルブ44の開度の調節により、バイパス管36を流通する排気量とタービン42を流通する排気量との分配比が調節され、タービン42の回転駆動力が調節され、コンプレッサ41による圧縮空気量が調節され、エンジン12の過給圧(吸気圧)が調節される。ここで、分配比は、詳細には、ウェイストゲートバルブ44の開度が小さいほど、バイパス管36を流通する排気量が少なくなると共にタービン42を流通する排気量が多くなるように調節される。なお、エンジン12は、ウェイストゲートバルブ44が全開のときには、過給機40を備えない自然吸気タイプのエンジンと同様に動作可能になっている。
また、過給機40では、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも下流側の圧力が上流側の圧力よりもある程度高いときに、ブローオフバルブ45を開弁させることにより、コンプレッサ41よりも下流側の余剰圧力を解放することができる。なお、ブローオフバルブ45は、電子制御ユニット70により制御されるバルブに代えて、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも下流側の圧力が上流側の圧力よりもある程度高くなると開弁する逆止弁として構成されるものとしてもよい。
蒸発燃料処理装置50は、導入通路52と、開閉バルブ53と、バイパス通路54と、リリーフバルブ55a,55bと、キャニスタ56と、パージ通路60と、バッファ部64と、パージ制御バルブ65と、逆止弁66,67と、還流通路68と、エゼクタ69とを備える。
導入通路52は、燃料タンク11とキャニスタ56とに接続されている。開閉バルブ53は、導入通路52に設けられており、ノーマルクローズタイプの電磁バルブとして構成されている。この開閉バルブ53は、電子制御ユニット70により制御される。
バイパス通路54は、導入通路52の開閉バルブ53よりも燃料タンク11側とキャニスタ56側とをバイパスすると共に、2つに分岐して合流する分岐部54a,54bを有する。リリーフバルブ55aは、分岐部54aに設けられると共に逆止弁として構成されており、燃料タンク11側の圧力がキャニスタ56側の圧力に比してある程度大きくなると開弁する。リリーフバルブ55bは、分岐部54bに設けられると共に逆止弁として構成されており、キャニスタ56側の圧力が燃料タンク11側の圧力に比してある程度大きくなると開弁する。
キャニスタ56は、導入通路52に接続されていると共に大気開放通路57を介して大気に開放されている。このキャニスタ56の内部には、燃料タンク11からの蒸発燃料を吸着可能な例えば活性炭などの吸着剤が充填されている。大気開放通路57には、エアフィルタ58が設けられている。
パージ通路60は、導入通路52のキャニスタ56付近に接続され、途中の分岐点60aで分岐通路62および分岐通路63に分岐する。以下、パージ通路60の分岐点60aよりも導入通路52側の部分を「供給通路61」という。分岐通路62は、吸気管23のスロットルバルブ26とサージタンク27との間に接続されている。分岐通路63は、エゼクタ69の吸引ポートに接続されている。
バッファ部64は、供給通路61に設けられている。このバッファ部64の内部には、燃料タンク11やキャニスタ56からの蒸発燃料を吸着可能な例えば活性炭などの吸着剤が充填されている。パージ制御バルブ65は、供給通路61のバッファ部64よりも分岐点60a側に設けられている。このパージ制御バルブ65は、ノーマルクローズタイプの電磁バルブとして構成されている。このパージ制御バルブ65は、電子制御ユニット70により制御される。
逆止弁66は、分岐通路62の分岐点60a付近に設けられている。この逆止弁66は、パージ通路60の供給通路61側から分岐通路62(吸気管23)側の方向の蒸発燃料を含む蒸発燃料ガス(パージガス)の流れを許容すると共に逆方向の蒸発燃料ガスの流れを禁止する。逆止弁67は、分岐通路63の分岐点60a付近に設けられている。この逆止弁67は、パージ通路60の供給通路61側から分岐通路63(エゼクタ69)側の方向の蒸発燃料ガスの流れを許容すると共に逆方向の蒸発燃料ガスの流れを禁止する。
還流通路68は、吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間と、エゼクタ69の吸気ポートと、に接続されている。エゼクタ69は、吸気ポートと吸引ポートと排気ポートとを有する。エゼクタ69の吸気ポートは、還流通路68に接続されており、吸引ポートは、分岐通路63に接続されており、排気ポートは、吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に接続されている。吸気ポートの先端部は、先細状に形成されている。
このエゼクタ69では、過給機40が作動しているとき(吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間の圧力が正圧になるとき)に、吸気ポートと排気ポートとの間に圧力差が生じ、吸気ポートから排気ポートに向かって還流吸気(吸気管23のコンプレッサ41よりも下流側から還流通路68を介して還流される吸気)が流れる。このとき、還流吸気が吸気ポートの先端部で減圧され、その先端部周辺で負圧が発生する。そして、その負圧により、蒸発燃料ガスが分岐通路63から吸引ポートを介して吸引され、この蒸発燃料ガスが負圧の還流吸気と共に排気ポートを介して吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に供給される。
こうして構成される蒸発燃料処理装置50では、吸気管23のスロットルバルブ26よりも下流側の圧力(後述のサージ圧Ps)が負圧で、且つ、開閉バルブ53およびパージ制御バルブ65が開弁状態のときには、逆止弁66が開弁状態になり、燃料タンク11内で発生した蒸発燃料ガス(パージガス)やキャニスタ56から脱離した蒸発燃料ガスが導入通路52や供給通路61、分岐通路62を介して吸気管23のスロットルバルブ26よりも下流側に供給される。以下、これを「下流パージ」という。このとき、吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間の圧力(後述の過給圧Pc)が負圧またはゼロであれば、エゼクタ69は作動せずに、逆止弁66が閉弁状態となる。
また、吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間の圧力が正圧で、且つ、開閉バルブ53およびパージ制御バルブ65が開弁状態のときには、エゼクタ69の作動によって逆止弁67が開弁状態になり、蒸発燃料ガスが導入通路52や供給通路61、分岐通路63、エゼクタ69を介して吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に供給される。以下、これを「上流パージ」という。このとき、供給通路61内の圧力と吸気管23のスロットルバルブ26よりも下流側の圧力との圧力差が逆止弁66の開弁圧以上であれば、例えば、サージ圧Psが負圧であれば)、逆止弁66も開弁状態となり、下流パージも行なわれる。即ち、下流パージおよび上流パージの両方が行なわれる(蒸発燃料ガスが吸気管23のスロットルバルブ26よりも下流側およびコンプレッサ41よりも上流側の両方に供給される)。一方、この圧力差が逆止弁66の開弁圧未満であれば、逆止弁66が閉弁状態となり、下流パージは行なわれない。即ち、上流パージだけが行なわれる。
電子制御ユニット70は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUに加えて、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。電子制御ユニット70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。
電子制御ユニット70に入力される信号としては、例えば、燃料タンク11内の圧力を検出する圧力センサ11aからの圧力Ptや、エンジン12のクランクシャフト14の回転位置を検出するクランクポジションセンサ14aからのクランク角θcr、エンジン12の冷却水の温度を検出する図示しない水温センサからの冷却水温Tw、スロットルバルブ26の開度を検出するスロットルポジションセンサ26aからのスロットル開度THを挙げることができる。吸気バルブ29を開閉するインテークカムシャフトや排気バルブ34を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出する図示しないカムポジションセンサからのカムポジションθcaも挙げることができる。吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に取り付けられたエアフローメータ23aからの吸入空気量Qaや、吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に取り付けられた圧力センサ23bからの吸気圧Pin、吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間に取り付けられた圧力センサ23cからの過給圧Pcも挙げることができる。サージタンク27に取り付けられた圧力センサ27aからのサージ圧Psや、サージタンク27に取り付けられた温度センサ27bからのサージ温度Tsも挙げることができる。排気管35の浄化装置37よりも上流側に取り付けられたフロント空燃比センサ35aからのフロント空燃比AF1や、排気管35の浄化装置37と浄化装置38との間に取り付けられたリヤ空燃比センサ35bからのリヤ空燃比AF2も挙げることができる。パージ制御バルブポジションセンサ65aからのパージ制御バルブ65の開度Opや第2パージ通路63に取り付けられたOBD用センサ(圧力センサ)63aからのセンサ信号Pobdも挙げることができる。
電子制御ユニット70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット70から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ26への制御信号や、ポート噴射弁28aや筒内噴射弁28bへの制御信号、点火プラグ31への制御信号を挙げることができる。ウェイストゲートバルブ44への制御信号、ブローオフバルブ45への制御信号、開閉バルブ53への制御信号も挙げることができる。パージ制御バルブ65への制御信号も挙げることができる。
電子制御ユニット70は、クランクポジションセンサ14aからのクランク角θcrに基づいてエンジン12の回転数Neを演算している。また、電子制御ユニット70は、エアフローメータ23aからの吸入空気量Qaとエンジン12の回転数Neとに基づいてエンジン負荷率(エンジン12の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の割合)KLを演算している。
こうして構成された実施例のエンジン装置10では、電子制御ユニット70は、エンジン12の要求負荷率KL*に基づいて、スロットルバルブ26の開度を制御する吸入空気量制御や、ポート噴射弁28aや筒内噴射弁28bからの燃料噴射量を制御する燃料噴射制御、点火プラグ31の点火時期を制御する点火制御、ウェイストゲートバルブ44の開度を制御する過給制御、パージ制御バルブ65の開度を制御するパージ制御などを行なう。
次に、こうして構成された実施例のエンジン装置10の動作、特に、パージ制御について説明する。図3は、電子制御ユニット70により実行されるパージ制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図4は、支配的なパージが下流パージと上流パージとのうちのいずれであるかを判定するために電子制御ユニット70により実行される支配パージ判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。これらのルーチンは、パージ制御を行なうときに繰り返し実行される。なお、説明の容易のために、支配的なパージの判定について図4に示す支配パージ判定ルーチンを用いて説明し、その後、その判定に基づくパージ制御について図3のパージ制御ルーチンを用いて説明する。
支配パージ判定ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70は、最初に、サージ圧Psを入力する(ステップS200)。ここで、サージ圧Psは、圧力センサ27aにより検出された値が入力される。続いて、サージ圧Psと閾値Prefとを比較する(ステップS210)。閾値Prefは下流パージが支配的であるか上流パージが支配的であるかを判定するための閾値であり、実験などにより求めることができる。基本的にはサージ圧Psが閾値Pref未満のときには下流パージが支配的であり、サージ圧Psが閾値Pref以上のときには上流パージが支配的である。
ステップS210でサージ圧Psが閾値Pref未満であると判定したときにはパージフラグFpが値1であるか否かを調べる(ステップS220)。パージフラグFpは、このルーチンで設定されるものであり、下流パージが支配的であるときには値0がセットされ、上流パージが支配的であるときには値1がセットされ、初期値としては値0がセットされる。したがって、ステップS210,S220の判定は、上流パージが支配的である状態(パージフラグFpが値1)からサージ圧Psが閾値Pref未満に至ったか否かを判定するものとなる。いま、下流パージが支配的である状態(パージフラグFpが値0)を考えると、ステップS220では否定的な判定がなされ、パージフラグFpを変更することなく本ルーチンを終了する。
ステップS210でサージ圧Psが閾値Pref以上であると判定したときには、上流パージが支配的であると判断し、パージフラグFpに値1をセットして(ステップS250)、本ルーチンを終了する。
上流パージが支配的である状態(パージフラグFpが値1)からサージ圧Psが閾値Pref未満に至ったときには、ステップS210およびS220で共に肯定的判定がなされ、パージ圧Psが閾値Pref未満に至ってから所定時間経過するのを待って(ステップS230)、パージフラグFpに値0をセットし(ステップS240)、本ルーチンを終了する。ここで、所定時間は、上流パージの際のパージがサージタンク27に到達するまでの時間と下流パージの際のパージがサージタンク27に到達するまでの時間との差分を用いることができる。上流パージが支配的であるときには、パージがサージタンク27に至るまでの経路が長いことや過給圧Pcの変動などによりパージに伴う燃料噴射制御が不安定になりやすいため、下流パージが支配的であるときに比して、パージが抑制される制御パラメータが用いられる。サージ圧Psが閾値Pref以上からサージ圧Psが閾値Pref未満に至った直後では、第2パージ通路63に残留しているパージと第1パージ通路62に新たに供給されるパージとがサージタンク27に供給される場合がある。このとき、支配的なパージが下流パージであるとして下流パージに適合した制御パラメータを用いると、燃料噴射制御が不安定なものとなる。これを回避するために、支配的なパージが上流パージから下流パージに切り替える際には所定時間経過するのを待つのである。支配パージ判定ルーチンによるサージ圧PcとパージフラグFpの時間変化の一例を図5に示す。サージ圧Psが閾値Pref未満から閾値Pref以上に至る時間T1にパージフラグFpが値1にセットされる。その後、サージ圧Psが閾値Pref以上から閾値Pref未満に至る時間T2から所定時間経過した時間T3にパージフラグFpが値0にセットされる。
次に、パージ制御について図3のパージ制御ルーチンを用いて説明する。パージ制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70は、最初に、吸入空気量Qaや、吸気圧Pin、過給圧Pc、サージ圧Ps、目標パージ率Rptg、要求デューティDrq,上限パージ率Rplimなどのデータを入力する(ステップS100)。ここで、吸入空気量Qaは、エアフローメータ23aにより検出された値が入力される。吸気圧Pinは、圧力センサ23bにより検出された値が入力される。過給圧Pcは、圧力センサ23cにより検出された値が入力される。サージ圧Psは、圧力センサ27aにより検出された値が入力される。目標パージ率Rptgは、下流パージのときには、各トリップで、初回にパージ制御を実行するときには、開始パージ率Rp11から徐々に大きくなるように設定され、2回目以降にパージ制御を実行するとき(パージ制御を中断してから再開するとき)には、再開パージ率Rp12から徐々に大きくなるように設定されるものが入力される。また、目標パージ率Rptgは、上流パージのときには、各トリップで、初回にパージ制御を実行するときには、下流パージのときの開始パージ率Rp11より小さい開始パージ率Rp21から徐々に大きくなるように設定され、2回目以降にパージ制御を実行するときには、下流パージのときの再開パージ率Rp12より小さい再開パージ率Rp12から徐々に大きくなるように設定されるものが入力される。開始パージ率Rp11,Rp21としては、燃焼室29内の空燃比の乱れを抑制するために、比較的小さい値が用いられる。パージ制御を中断するときとしては、例えば、エンジン装置10が搭載される車両の走行中にアクセルオフされてエンジン12の燃料カットを行なっているときなどを挙げることができる。再開パージ率Rp12,Rp22は、中断直前の要求パージ率Rprq(後述のステップS140参照)以下の値が用いられる。要求デューティDrqは、前回このルーチンが実行されたときにステップS160で設定されたものが入力される。上限パージ率Rplimは、下流パージが支配的であるときには上限パージ率Rp1が設定され、上流パージが支配的であるときには下流パージの上限パージ率Rp1より小さな上限パージ率Rp2が設定されるから、これが入力される。
こうしてデータを入力すると、過給圧Pcから吸気圧Pinを減じた値(Pc−Pin)と要求デューティDrqとに基づいてエゼクタ相対圧力Pejを推定する(ステップS110)。ここで、エゼクタ相対圧力Pejは、過給圧Pcから吸気圧Pinを減じた値(Pc−Pin)と要求デューティDrqとエゼクタ相対圧力Pejとの関係を予め実験などにより求めてエゼクタ相対圧力推定用マップとして記憶しておき、このマップに過給圧Pcから吸気圧Pinを減じた値(Pc−Pin)と要求デューティDrqとを適用して導出することにより得ることができる。エゼクタ相対圧力推定用マップの一例を図6に示す。図示するように、エゼクタ相対圧力Pejは、要求デューティDrqが大きいほど大きくなり、過給圧Pcが大きいほど大きくなるように推定される。
続いて、サージ圧Psとエゼクタ相対圧力Pejとのうち小さい方の圧力に基づいて全開パージ流量Qpmaxを推定する(ステップS120)。ここで、全開パージ流量Qpmaxは、パージ制御バルブ65の駆動デューティを100%としたときのパージ流量(吸気管23に供給される蒸発燃料ガスの体積流量)であり、全開パージ流量推定用マップを用いて得られる。全開パージ流量推定用マップは、サージ圧Psやエゼクタ相対圧力Pejと全開パージ流量Qpmaxとの関係として実験や解析により予め定められ、図示しないROMに記憶されている。図7は、全開パージ流量推定用マップの一例を示す説明図である。図示するように、全開パージ流量Qpmaxは、サージ圧Psやエゼクタ相対圧力Pejが小さい(負圧として大きい)ほど多くなるように推定される。
次に、吸入空気量Qaと、過去に本ルーチンを実行したときに後述のステップS180の処理で推定した上流パージ量(過去Qvup)と、に基づいて燃焼室30内の空気量である燃焼室空気量Qccを推定する(ステップS130)。ここで、上流パージ量Qvupは、パージ制御バルブ65に対して導入通路52側の蒸発燃料ガスの流量である。燃焼室空気量Qccは、例えば、吸入空気量Qaおよび過去の上流パージ量(過去Qvup)と燃焼室空気量Qccとの関係に吸入空気量Qaおよび過去の上流パージ量(過去Qvup)を適用して求めることができる。なお、過去の上流パージ量(過去Qvup)としては、エンジン12の回転数Neが小さいほど長い時間だけ前の上流パージ量Qvupを用いるのが好ましいものの、簡単のために、一定時間だけ前の上流パージ量Qvupを用いるものとしてもよい。
こうして全開パージ流量Qpmaxや燃焼室空気量Qccが得られると、これらに基づいて全開パージ率Rpmaxを推定する(ステップS140)。全開パージ率Rpmaxは、全開パージ流量Qpmaxを燃焼室空気量Qccで除することにより演算することができる。
次に、目標パージ率Rptgを全開パージ率Rpmaxと上限パージ率Rplimで制限(上限ガード)して要求パージ率Rprqを設定する(ステップS150)。即ち、目標パージ率Rptgと全開パージ率Rpmaxと上限パージ率Eplimとのうち最も小さい値を要求パージ率Rprqを設定するのである。そして、要求パージ率Rprqを全開パージ率Rpmaxで除してパージ制御バルブ65の要求デューティDrqを設定し(ステップS160)、設定した要求デューティDrqを用いてパージ制御バルブ65を駆動するパージ実行処理を行なう(ステップS170)。その後、吸入空気量Qaと要求パージ率Rprqとに基づいて上流パージ量Qvupを推定して(ステップS180)、本ルーチンを終了する。上流パージ量Qvupは、例えば、吸入空気量Qaと要求パージ率Rprqと上流パージ量Qvupとの関係を予め実験などにより求めて上流パージ量設定用マップとして記憶しておき、このマップに吸入空気量Qaと要求パージ率Rprqとを適用して導出することにより推定することができる。
図8は、図3のパージ制御ルーチンのステップS170で実行されるパージ実行処理の一例を示すフローチャートである。パージ実行処理が実行されると、電子制御ユニット70は、まず、サージ圧Ps、エゼクタ相対圧力Pej、要求デューティDrq、パージ制御バルブ65の駆動周期Tprd、エンジン12の回転数Ne、エンジン負荷率KLなどのデータを入力する(ステップS300)。サージ圧Psは、圧力センサ27aにより検出された値が入力される。エゼクタ相対圧力Pejは図3のパージ制御ルーチンのステップS110で推定されたものが入力される。要求デューティDrqは同じく図3のパージ制御ルーチンのステップS160で設定されたものが入力される。パージ制御バルブ65の駆動周期Tprdは、エンジン22の回転数Neなどにより設定されたものが入力される。エンジン12の回転数Neは、クランクポジションセンサ14aからのクランク角θcrに基づいて演算されたものが入力される。エンジン負荷率KLはエアフローメータ23aからの吸入空気量Qaとエンジン12の回転数Neとに基づいて演算されたものが入力される。
こうしてデータを入力すると、サージ圧Psとエゼクタ相対圧力Pejとのうち小さい方の圧力に基づいて無効通電時間Tinvを設定する(ステップS310)。無効通電時間Tinvは、パージ制御バルブ65に作用する負圧(サージ圧Psとエゼクタ相対圧力Pejとのうち小さい方の圧力)と無効通電時間Tinvとの関係を予め実験などにより調べて無効通電時間設定用マップとして記憶しておき、マップにパージ制御バルブ65に作用する負圧を適用して導出することにより設定することができる。無効通電時間設定用マップの一例を図9に示す。パージ制御バルブ65は、実施例では弁体を供給通路61の上流側に移動させることにより開弁するソレノイドバルブとして構成されているため、供給通路61の下流側(第1パージ通路62や第2パージ通路63側)に負圧が作用すると、開弁しようと通電してもソレノイドによる弁体を上流側に吸引する力が負圧による弁体を下流側に吸引する力より大きくなるまで開弁しない。こうした開弁しようと通電を開始してから開弁するまでの時間が無効通電時間Tinvであり、図9に示すようにパージ制御バルブ65に作用する負圧(サージ圧Psとエゼクタ相対圧力Pejとのうち小さい方の圧力)が大きいほど大きくなる。
次に、パージ制御バルブ65の駆動周期Tprdに要求デューティDrqを適用して得られる駆動周期Tprdにおける開時間に無効通電時間Tinvを加えてパージ制御バルブ65の開時間Topnを計算する(ステップS320)。
続いて、パージ制御バルブ65の開閉のタイミングの一部を遅延するディレイ制御の実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップS330)。ディレイ制御の実行条件は、パージ制御バルブ65の駆動周期とエンジン12の爆発燃焼の回転周期とが所定の範囲内で一致している条件である。パージ制御バルブ65の駆動周期がエンジン12の回転数Neなどにより変更する場合には、複数の領域でパージ制御バルブ65の駆動周期とエンジン12の爆発燃焼の回転周期とが所定の範囲内で一致することになる。例えば、4気筒のエンジン12の場合、パージ制御バルブ65の駆動周期が32msecのときにはエンジン12の回転数Neが1600〜2000rpmの範囲内のときが該当し、パージ制御バルブ65の駆動周期が16msecのときにはエンジン12の回転数Neが3400〜3800rpmの範囲内のときが該当する。図10は、ディレイ制御の実行条件が成立しているときの4気筒のエンジン12の吸気行程気筒とパージ制御バルブ65の開閉タイミングとディレイ制御との関係を時系列に示す説明図である。図10では、エンジン12の回転周期は、吸気行程気筒が4番気筒、2番気筒、3番気筒、1番気筒と一巡する時間T10〜T20、時間T20〜T30、時間T30〜T40である。パージ制御バルブ65の駆動周期は、同じく時間T10〜T20、時間T20〜T30、時間T30〜T40である。ディレイ制御を実行しない場合には、4番気筒の吸気行程の際にパージ制御バルブ65の開閉タイミングとなる。このため、特定の気筒(例えば2番気筒)にのみパージが供給されることになり、気筒間の燃焼バランスの乱れが生じる。ディレイ制御を実行する場合には、2回のうち1回のパージを駆動周期のうちの半周期分(時間T20〜T21,時間T40〜T41:遅延時間)だけ遅延させる処理とすれば、パージ制御バルブ65の開閉は4番気筒の吸気行程のときと3番気筒の吸気行程のときとに交互に行なわれる。このため、特定の気筒(例えば2番気筒)とその半周期分だけ後の気筒(例えば1番気筒)とに交互にパージが供給されることになり、特定の気筒のみにパージが供給されることを抑制することができる。なお、パージ制御バルブ65の開閉のタイミングの一部を遅延する場合として、図10に示すように2回のうち1回を駆動周期の半周期分だけ遅延するものとして説明したが、2回のうち1回を駆動周期の1/4周期分だけ遅延するものとしたり、3回のうち1回は駆動周期の1/4周期分だけ遅延すと共に更に1回は駆動周期の半周期分だけ遅延するなど、種々の遅延手法を用いてもよい。ステップS330でディレイ制御の実行条件が成立していると判定したときにはディレイ要求フラグFdに値1を設定し(ステップS340)、ディレイ制御の実行条件が成立していないと判定したときにはディレイ要求フラグFdに値0を設定する(ステップS350)。
次に、ディレイ制御の禁止条件が成立しているか否かを判定する(ステップS360)。ディレイ制御の禁止条件としては、第2パージ通路63に取り付けられたOBD用センサ(圧力センサ)63aからのセンサ信号Pobdに基づいて異常診断が行なわれる可能性がある条件を用いている。センサ信号Pobdに基づく異常診断は、上流パージが行なわれているときにパージ制御バルブ62の開閉により第2パージ通路63の圧力が周期的に変動しているか否かにより、第2パージ通路63や還流通路68に異常が生じているか否かを判断する。即ち、上流パージが行なわれているときにパージ制御バルブ62の開閉により第2パージ通路63の圧力が周期的に変動しているときには、第2パージ通路63や還流通路68に異常が生じていないと診断し、逆にパージ制御バルブ62の開閉により第2パージ通路63の圧力が周期的に変動していないときには、第2パージ通路63や還流通路68に異常が生じていると診断する。したがって、ディレイ制御が実行している最中に異常診断が行なわれると、パージ制御バルブ62の開閉タイミングの一部が遅延することにより、第2パージ通路63の圧力が周期的に変動しなくなり、適正に診断することができなくなる場合が生じる。このため、異常診断を行なうときにはディレイ制御を禁止する必要がある。ディレイ制御の禁止条件が成立しているか否か(異常診断が行なわれる可能性があるか否か)は、エンジン12の回転数Neに対してエンジン負荷率KLが所定範囲内となるか否かにより判定される。図11にディレイ制御の禁止条件の一例を示す。図中、上方の折れ線と下方の曲線との間の領域がディレイ制御の禁止条件の成立する領域である。下方の曲線は、過給機40により実質的に過給されている過給域であるか否かを示すものであり、曲線の上側が過給域であり、曲線の下側が非過給域である。実施例では、異常診断は過給域においてエンジン負荷率KLが比較的小さい領域で行なうものとした。ステップS360でディレイ制御の禁止条件が成立していると判定したときにはディレイ禁止フラグFprに値1をセットし(ステップS370)、ディレイ制御の禁止条件が成立していないと判定したときにはディレイ禁止フラグFprに値0をセットする(ステップS380)。
そして、パージ制御バルブ65の開時間Topnとディレイ要求フラグFdとディレイ禁止フラグFprとに基づいてパージ制御バルブ65を開閉し(ステップS390)、本処理を終了する。即ち、ディレイ要求フラグFdが値0であるときには、ディレイ要求フラグFdの値に拘わらず、パージ制御バルブ65の駆動周期の開始から開時間Topnだけパージ制御バルブ65を開成する。ディレイ要求フラグFdが値1であるときにディレイ要求フラグFdが値0であるときには、2回のうち1回はパージ制御バルブ65の駆動周期の開始から開時間Topnだけパージ制御バルブ65を開成し、残余に1回はパージ制御バルブ65の駆動周期の開始から半周期分だけ遅延して開時間Topnだけパージ制御バルブ65を開成する。ディレイ要求フラグFdが値1であってもディレイ要求フラグFdが値1であるときには、ディレイ制御を行なうことなく、パージ制御バルブ65の駆動周期の開始から開時間Topnだけパージ制御バルブ65を開成する。
以上説明した実施例のエンジン装置10では、基本的にパージ制御バルブ65の駆動周期とエンジン12の爆発燃焼の回転周期とが所定の範囲内で一致している条件が成立しているときには、パージ制御では、パージ制御バルブ65の開閉タイミングの2回のうちの1回はパージ制御バルブ65の駆動周期の開始から開時間Topnだけパージ制御バルブ65を開成し、2回のうちの1回はパージ制御バルブ65の駆動周期の開始から半周期分だけ遅延して開時間Topnだけパージ制御バルブ65を開成するディレイ制御によりパージを行なう。パージ制御バルブ65の駆動周期とエンジン12の爆発燃焼の回転周期とが所定の範囲内で一致している条件が成立していても、第2パージ通路63や還流通路68に異常が生じているか否かの異常診断が行なわれる可能性がある条件が成立しているときには、ディレイ制御を行なうことなく通常と同様に、パージ制御バルブ65の駆動周期の開始から開時間Topnだけパージ制御バルブ65を開成してパージを行なう。これにより、第2パージ通路63や還流通路68に異常が生じているか否かの異常診断をより適正に行なうことができる。
また、実施例のエンジン装置10では、サージ圧Psとエゼクタ相対圧力Pejとのうち小さい方の圧力に基づいて無効通電時間Tinvを設定するから、より適正な無効通電時間Tinvを設定することができ、より適正にパージ制御バルブ65の開時間Topnを設定することができる。
実施例のエンジン装置10では、蒸発燃料処理装置50において、パージ通路60は、導入通路52のキャニスタ56付近に接続されるものとした。しかし、キャニスタ56に接続されるものとしてもよい。
実施例のエンジン装置10では、過給機40は、吸気管23に配置されるコンプレッサ41と排気管35に配置されるタービン42とが回転軸43を介して連結されるターボチャージャとして構成されるものとした。しかし、これに代えて、エンジン12やモータにより駆動されるコンプレッサが吸気管23に配置されるスーパーチャージャとして構成されるものとしてもよい。
実施例では、一般的な自動車や各種のハイブリッド自動車に搭載されるエンジン装置10の形態とした。しかし、自動車以外の車両に搭載されるエンジン装置の形態としてもよいし、建設設備などの移動しない設備に搭載されるエンジン装置の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン12が「エンジン」に相当し、過給機40が「過給機」に相当し、蒸発燃料処理装置50が「蒸発燃料処理装置」に相当し、電子制御ユニット70が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジン装置の製造産業などに利用可能である。
10 エンジン装置、11 燃料タンク、11a 圧力センサ、12 エンジン、14 クランクシャフト、14a クランクポジションセンサ、22 エアクリーナ、23 吸気管、23a エアフローメータ、23b,23c,27a 圧力センサ、24 バイパス管、25 インタークーラ、26 スロットルバルブ、26a スロットルポジションセンサ、27 サージタンク、27b 温度センサ、28a ポート噴射弁、28b 筒内噴射弁、29 吸気バルブ、30 燃焼室、31 点火プラグ、32 ピストン、34 排気バルブ、35 排気管、35a フロント空燃比センサ、35b リヤ空燃比センサ、36 バイパス管、37,38 浄化装置、40 過給機、41 コンプレッサ、42 タービン、43 回転軸、44 ウェイストゲートバルブ、45 ブローオフバルブ、50 蒸発燃料処理装置、52 導入通路、53 開閉バルブ、54 バイパス通路、54a,54b 分岐部、55a,55b リリーフバルブ、55b リリーフバルブ、56 キャニスタ、57 大気開放通路、58 エアフィルタ、60 パージ通路、60a 分岐点、61 供給通路、62 第1パージ通路、63 第2パージ通路、63a OBD用センサ、64 バッファ部、65 パージ制御バルブ、65a パージ制御バルブポジションセンサ、66 逆止弁、67 逆止弁、68 還流通路、69 エゼクタ、70 電子制御ユニット。

Claims (1)

  1. 燃料タンクから燃料の供給を受けると共に吸気管に配置されたスロットルバルブを有するエンジンと、
    前記吸気管の前記スロットルバルブよりも上流側に配置されたコンプレッサを有する過給機と、
    前記燃料タンク内で発生した蒸発燃料を含む蒸発燃料ガスを前記吸気管の前記スロットルバルブよりも下流側に接続された第1パージ通路と第2パージ通路とに分岐して前記吸気管に供給する供給通路と、前記吸気管の前記コンプレッサと前記スロットルバルブとの間からの還流通路に吸気ポートが接続され且つ前記吸気管の前記コンプレッサよりも上流側に排気ポートが接続され且つ前記第2パージ通路に吸引ポートが接続されたエゼクタと、前記供給通路に設けられたパージ制御バルブと、を有する蒸発燃料処理装置と、
    前記蒸発燃料ガスを前記吸気管に供給するときには、前記パージ制御バルブの駆動デューティを100%にしたときの全開パージ率と、要求パージ率と、に基づいて前記駆動デューティを設定して前記パージ制御バルブを制御する制御装置と、
    を備えるエンジン装置であって、
    前記制御装置は、前記第2パージ通路を介して前記蒸発燃料ガスを前記吸気管に供給している最中に前記エンジンの回転数が所定回転数範囲内のときには前記駆動デューティに基づくパージ制御バルブの開閉のタイミングの一部を遅延させるディレイ制御の実行し、前記エンジンの回転数に対するエンジン負荷率が所定領域内のときには前記ディレイ制御を禁止する、
    ことを特徴とするエンジン装置。
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