JP2021169401A - ガラス物品の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

ガラス物品の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥の発生を確実に低減する。【解決手段】溶融ガラスGmからガラスリボンGを成形する成形工程と、ガラスリボンGを搬送する搬送工程とを備えたガラス物品の製造方法であって、ガラスリボンGの表裏面が共に凸となる凸状欠陥の有無を検査する検査工程と、検査工程の検出された凸状欠陥の発生状況に応じて搬送工程におけるガラスリボンGの搬送速度を調整する制御工程とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス物品の製造方法及びその製造装置に関する。
ガラス板やガラスロールなどのガラス物品の製造工程では、例えばオーバーフローダウンドロー法やフロート法などの公知の成形方法により、溶融ガラスからガラスリボンを連続成形する。成形されたガラスリボンは、下流側に搬送されながら室温付近まで冷却された後、ガラス板を得るために所定長さ毎に切断されたり、ガラスロールを得るためにロール状に巻き取られたりする(例えば特許文献1を参照)。
特開2018−062433号公報
本発明者等は、ガラス組成によっては上記のガラス物品の製造工程において、ガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥が形成される場合があるという新たな問題を知見するに至った。このような凸状欠陥は、ガラス物品の表裏面の平滑性を低下させたり透明性を低下させたりする場合があるため、可能な限り低減することが望まれる。
しかしながら、泡や未溶解物などの混入による異物欠陥の場合には、ガラスリボンの表裏面の一方のみが凸となる欠陥が形成されやすい。つまり、ガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥は、異物欠陥などの一般的な欠陥とは形状や発生原因が異なると考えられる。したがって、ガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥の発生を低減するためには、異物欠陥などの一般的な欠陥の対策とは別の対策が必要となる。
本発明は、ガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥の発生を確実に低減することを課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、溶融ガラスからガラスリボンを成形する成形工程と、成形工程を経たガラスリボンを搬送する搬送工程とを備えるガラス物品の製造方法であって、ガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥の有無を検査する検査工程と、凸状欠陥を低減する対策を行う対策工程とを備えていることを特徴とする。ここで、検査工程における検査対象は、ガラスリボンであってもよいし、ガラスリボンから得られるガラス物品(例えばガラス板など)であってもよい。
このようにすれば、ガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥(以下、単に「凸状欠陥」という場合もある)に対して検査工程及び対策工程が、別途実施されることから、当該凸状欠陥の発生を確実に低減できる。なお、凸状欠陥の発生原因については、後述する。
上記の構成において、溶融ガラスは、MgOの含有量が1質量%未満のアルミノシリケートガラスであることが好ましい。具体的には、溶融ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 0〜15%、NaO 1〜20%、KO 0〜10%、P 0.5〜10%、LiO 0〜5%を含むことが好ましい。
このようにすれば、凸状欠陥が発生しやすいガラス組成となるため、本発明に係るガラス物品の製造方法が特に有用となる。
上記の構成において、対策工程は、検査工程で検出された凸状欠陥の発生状況に応じて搬送工程におけるガラスリボンの搬送速度を調整する制御工程を備えていることが好ましい。
本発明者等は、鋭意研究の結果、凸状欠陥は、成形工程付近の高温領域におけるガラスリボンの滞在時間によって、その発生率が変化することを知見するに至った。つまり、検査工程でガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥が検知された場合、制御工程で、その凸状欠陥の発生状況に応じてガラスリボンの搬送速度を調整して、成形工程付近の高温領域におけるガラスリボンの滞在時間を適切に管理すれば、凸状欠陥の発生を確実に低減できる。
上記の構成において、制御工程では、凸状欠陥の発生が増加した場合に、ガラスリボンの搬送速度を増加させることが好ましい。
本発明者等は、ガラスリボンの搬送速度を増加させて、成形工程付近の高温領域におけるガラスリボンの滞在時間を短くすれば、凸状欠陥の発生が減少することを確認している。したがって、凸状欠陥の発生が増加した場合には、上記の構成のように、ガラスリボンの搬送速度を増加させて、成形工程付近の高温領域におけるガラスリボンの滞在時間を短くすることが好ましい。
上記の構成において、制御工程では、ガラスリボンの搬送速度を増加させた場合に、成形工程における溶融ガラスの流量を増加させることが好ましい。
このようにすれば、ガラスリボンの搬送速度が増加しても溶融ガラスの流量が増加するため、ガラスリボンの板厚を一定に維持できる。
上記の構成において、成形工程では、ダウンドロー法により、溶融ガラスを成形体の表面に沿って流下させてガラスリボンを成形し、制御工程では、検査工程で検出された凸状欠陥の発生状況に応じて、成形体の直下方でガラスリボンの幅方向両端部を表裏両側から挟む冷却ローラの回転速度を調整することが好ましい。
このようにすれば、成形工程付近の高温領域、つまり、成形体の直下方におけるガラスリボンの滞在時間を簡単かつ確実に調整できる。
上記の構成において、成形工程では、ダウンドロー法により、溶融ガラスを成形体の表面に沿って流下させてガラスリボンを成形し、対策工程は、事前に、成形体の耐火物として、MgOを実質的に含まない耐火物を選定する選定工程を備えることが好ましい。ここで、「MgOを実質的に含まない耐火物」とは、例えばMgOの含有量が1質量%以下の耐火物を意味する。
本発明者等は、鋭意研究の結果、MgOを実質的に含まない耐火物からなる成形体を利用すれば、ガラスリボンの凸状欠陥が減少することを知見するに至った。つまり、上記のように、成形体の耐火物としてMgOを実質的に含まない耐火物を選定すれば、ガラスリボンの凸状欠陥を確実に低減できる。
上記の構成において、成形工程では、ダウンドロー法により、溶融ガラスを成形体の表面に沿って流下させてガラスリボンを成形し、対策工程は、事前に、成形体の表面にMgOを実質的に含まないMgO非含有層を形成する形成工程を備えることが好ましい。ここで、「MgOを実質的に含まないMgO非含有層」とは、例えばMgOの含有量が1質量%以下の層を意味する。
本発明者等は、鋭意研究の結果、成形体と溶融ガラスとの界面にMgO非含有層が存在すれば、ガラスリボンの凸状欠陥が減少することを知見するに至った。つまり、上記のように、成形体の表面にMgO非含有層を形成すれば、ガラスリボンの凸状欠陥を確実に低減できる。
上記の構成において、MgO非含有層は、アルミナ層であってもよい。
上記の構成において、MgO非含有層がアルミナ層である場合、成形体は、アルミナ系耐火物からなることが好ましい。
このようにすれば、アルミナ系耐火物がアルミナを含むため、成形体の表面にアルミナ層を形成しやすくなる。
上記の構成において、凸状欠陥は、例えば、高さが1nm〜1μm、長さが0.1〜100mm、幅が0.1〜10mmである。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、ダウンドロー法により、溶融ガラスを成形体の表面に沿って流下させてガラスリボンを成形する成形工程を備えるガラス物品の製造方法であって、溶融ガラスは、MgOの含有量が1質量%未満のアルミノシリケートガラスであり、成形体は、MgOを実質的に含まない耐火物からなることを特徴とする。
このような構成によれば、既に述べた対応する構成と同様の作用効果を享受できる。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、溶融ガラスからガラスリボンを成形する成形ゾーンと、成形ゾーンの下流側でガラスリボンを搬送する搬送ゾーンとを備えるガラス物品の製造装置であって、ガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥の有無を検査する検査部と、検査部で検出された凸状欠陥の発生状況に応じて搬送ゾーンにおけるガラスリボンの搬送速度を調整する制御部とを備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、既に述べた対応する構成と同様の作用効果を享受できる。
本発明によれば、ガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥の発生を確実に低減できる。
本発明の第一実施形態に係るガラス物品の製造装置の縦断面図である。 凸状欠陥が形成されたガラス板の一例を示す正面図である。 図2のA−A断面図である。 凸状欠陥が形成される温度領域の一例を示す図である。 凸状欠陥が形成される温度領域の一例を示す図である。 凸状欠陥が形成される温度領域の一例を示す図である。 凸状欠陥が形成される温度領域の一例を示す図である。 本発明の第二実施形態に係るガラス物品の製造方法に含まれる対策工程を示す縦断面図である。 本発明の第三実施形態に係るガラス物品の製造方法に含まれる対策工程を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図中のXYZは直交座標系である。X方向及びY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。縦姿勢でガラスリボンGを搬送している間は、X方向がガラスリボンGの板厚方向、Y方向がガラスリボンGの幅方向、Z方向がガラスリボンGの搬送方向(板引き方向)となる場合がある。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
(第一実施形態)
図1に示すように、第一実施形態に係るガラス物品の製造装置は、ガラス物品としてのガラス板Gpを製造するための装置である。本製造装置は、ガラスリボンGの処理装置1と、切断装置2と、検査部3と、制御部4とを備えている。
処理装置1は、ガラスリボンGを連続成形する成形ゾーン11と、ガラスリボンGを熱処理(徐冷)する熱処理ゾーン12と、ガラスリボンGを室温付近まで冷却する冷却ゾーン13と、成形ゾーン11、熱処理ゾーン12及び冷却ゾーン13のそれぞれに上下複数段に設けられたローラ対14とを備えている。なお、本実施形態では、成形体15の下端15cから折割位置(切断位置)P2までの領域が、ガラスリボンGの搬送ゾーンとされる。つまり、本実施形態では、搬送ゾーンは、熱処理ゾーン12及び冷却ゾーン13を含む。
成形ゾーン11及び熱処理ゾーン12は、ガラスリボンGの搬送経路の周囲が壁部で囲まれた炉により構成されており、ガラスリボンGの温度を調整するヒータ等の加熱装置が炉内の適所に配置されている。一方、冷却ゾーン13は、ガラスリボンGの搬送経路の周囲が壁部に囲まれることなく常温の外部雰囲気に開放されており、ヒータ等の加熱装置は配置されていない。熱処理ゾーン12及び冷却ゾーン13を通過することで、ガラスリボンGに所望の熱履歴が付与される。
成形ゾーン11の内部空間には、オーバーフローダウンドロー法により溶融ガラスGmからガラスリボンGを成形する成形体15が配置されている。成形体15に供給された溶融ガラスGmは成形体15の頂部15aに形成された溝部(図示しない)から溢れ出るようになっており、その溢れ出た溶融ガラスGmが成形体15の断面楔状を呈する両側面15bを伝って下端15cで合流することで、板状のガラスリボンGが連続成形される。成形されるガラスリボンGは、縦姿勢(好ましくは鉛直姿勢)である。なお、ガラスリボンG及びガラス板Gpは、溶融ガラスGmと実質的に同じガラス組成である。
本実施形態では、成形体15は、アルミナ系耐火物からなる。アルミナ系耐火物は、Alの含有量が90質量%以上の耐火物であることが好ましい。なお、成形体15は、ジルコニア系耐火物などで構成されてもよい。ただし、ジルコニア系耐火物の場合、特定の強化ガラス組成の溶融ガラスGmを流下させた場合に、成形体15に由来するジルコニアが溶融ガラスGm中に混入し、ガラスリボンG及び/又はガラス板Gpの欠陥となるおそれがある。したがって、このようなジルコニアによる欠陥の発生を防止する観点から、成形体15は、アルミナ系耐火物からなることがより好ましい。
熱処理ゾーン12の内部空間は、下方に向かって所定の温度勾配を有している。縦姿勢のガラスリボンGは、熱処理ゾーン12の内部空間を下方に向かって移動するに連れて、温度が低くなるように熱処理(徐冷)される。この熱処理によって、ガラスリボンGの内部歪を低減する。熱処理ゾーン12の内部空間の温度勾配は、例えば熱処理ゾーン12の壁部内面に設けた加熱装置により調整できる。
複数のローラ対14は、縦姿勢のガラスリボンGの幅方向の両端部を表裏両側から挟持するようになっている。複数のローラ対14のうち、最上段に配置されたローラ対は、内部に冷却機構を備えた冷却ローラ14aである。なお、熱処理ゾーン12の内部空間などでは、複数のローラ対14の中に、ガラスリボンGの幅方向の両端部を挟持しないものが含まれていてもよい。つまり、ローラ対14の対向間隔をガラスリボンGの幅方向の両端部の板厚よりも大きくし、ローラ対14の間をガラスリボンGが通過するようにしてもよい。
本実施形態では、処理装置1で得られたガラスリボンGの幅方向の両端部は、成形過程の収縮等の影響により、幅方向の中央部に比べて板厚が大きい部分(以下、「耳部」ともいう)を含む。
切断装置2は、スクライブ線形成装置21と、折割装置22とを備え、処理装置1から降下してきた縦姿勢のガラスリボンGを所定の長さ毎に幅方向に切断するように構成されている。これにより、ガラスリボンGからガラス板Gpが順次切り出される。
ガラス板Gpは、1枚又は複数枚の製品ガラス板が採取されるガラス原板(マザーガラス板)である。ガラス板Gpの板厚は、例えば0.2mm〜10mmであり、ガラス板Gpのサイズは、例えば700mm×700mm〜3000mm×3000mmである。ガラス板Gpは、例えばディスプレイの基板やカバーガラスとして利用される。なお、ディスプレイの基板やカバーガラスは、フラットパネルに限定されない。
スクライブ線形成装置21は、処理装置1の下方に設けられたスクライブ線形成位置P1で、ガラスリボンGの表裏面の一方の面にスクライブ線Sを形成する装置である。本実施形態では、スクライブ線形成装置21は、ガラスリボンGの表裏面の一方にその幅方向に沿ってスクライブ線Sを形成するホイールカッター23と、ホイールカッター23に対応する位置でガラスリボンGの表裏面の他方の面を支持する支持部材24(例えば支持バーや支持ローラ)とを備えている。
ホイールカッター23及び支持部材24は、降下中のガラスリボンGに追従降下しつつ、ガラスリボンGの幅方向の全域又は一部にスクライブ線Sを形成する構成となっている。本実施形態では、相対的に板厚が大きい耳部を含む幅方向の両端部にもスクライブ線Sが形成される。なお、スクライブ線Sはレーザの照射等によって形成してもよい。
折割装置22は、スクライブ線形成位置P1の下方に設けられた折割位置P2で、スクライブ線Sに沿ってガラスリボンGを折り割ってガラス板Gpを得る装置である。本実施形態では、折割装置22は、スクライブ線Sの形成領域にスクライブ線Sが形成されていない面側から当接する折割部材25と、折割位置P2よりも下方でガラスリボンGの下部領域を把持するチャック26とを備えている。
折割部材25は、降下中のガラスリボンGに追従降下しつつ、ガラスリボンGの幅方向の全域又は一部と接触する平面を有する板状体(定盤)から構成されている。折割部材25の接触面は、幅方向に湾曲した曲面であってもよい。
チャック26は、ガラスリボンGの幅方向の両端部のそれぞれにおいて、ガラスリボンGの長手方向に間隔を置いて複数設けられている。幅方向のそれぞれの端部に設けられた複数のチャック26は、これら全てが同一のアーム(図示しない)によって保持されている。各々のアームの動作により、複数のチャック26が降下中のガラスリボンGに追従降下しつつ、折割部材25を支点としてガラスリボンGを湾曲させるための動作を行う。これにより、スクライブ線S及びその近傍に曲げ応力を付与し、ガラスリボンGをスクライブ線Sに沿って幅方向に折り割る。その結果、ガラスリボンGからガラス板Gpが切り出される。切り出されたガラス板Gpは、チャック26から別の搬送装置27のチャック28に受け渡された後、縦姿勢の状態のまま幅方向(Y方向)に沿って搬送される。なお、搬送装置27によるガラス板Gpの搬送方向は、幅方向に限定されず、任意の方向に設定できる。チャック26,28は、負圧吸着などの他の保持形態に変更してもよい。
検査部3は、図2及び図3に示す凸状欠陥Fの有無を検査する装置である。凸状欠陥Fは、ガラス板Gpの表裏面が共に凸となる微小凸部である。つまり、ガラス板Gpの一方の面に形成される凸状欠陥Fと、ガラス板Gpの他方の面に形成される凸状欠陥Fとは、互いに略同じ位置に形成される。凸状欠陥Fの形成位置において、泡や異物欠陥等の内部欠陥は存在しない。凸状欠陥Fは、表面欠陥であることから、検査部3には、表面欠陥の有無を検査する公知の検査装置を用いることができる。なお、表面欠陥には、凸状欠陥Fの他に、例えば、傷、汚れ、ガラス板Gpの表裏面の一方のみに形成される突起状欠陥などが含まれる。
図1に示すように、検査部3は、凸状欠陥Fの有無を検査するために、ガラスリボンGから切り出されたガラス板Gpを検査対象としている。本実施形態では、検査部3は、ガラス板Gpの表裏面の一方の面側の定位置に配置された光源31と、ガラス板Gpの表裏面の他方の面側の定位置に配置されたセンサ32とを備えている。光源31は、ガラス板Gpに向けて光を照射し、センサ32は、光源31から照射されてガラス板Gpを透過した光を受光する。検査部3は、センサ32で受光した光量の変化に基づいて表面欠陥の有無を検出する。
検査部3の光源31及びセンサ32による検査可能エリアは、Z方向に延びるライン状である。光源31及びセンサ32による検査エリアは、搬送装置27でガラス板Gpを移動させることによって、ガラス板Gpの表裏面のそれぞれ全面に亘って走査される。これにより、凸状欠陥Fを始めとする表面欠陥の有無が検査される。表面欠陥が検出されたガラス板Gpは、表面欠陥の種類を特定するため、搬送装置27の搬送経路から採取される。表面欠陥の種類の特定には、白色光干渉型顕微鏡(例えば株式会社菱化システム製のVertScan(登録商標)など)を使用できる。その結果、白色光干渉型顕微鏡でガラス板Gpの表面欠陥の断面形状を観察し、表裏面に所定の判定基準を満たす凸部が検出された場合に、凸状欠陥Fがガラス板Gpに形成されていると判定できる。判定基準は、例えば、検出された凸部の板厚方向の高さ、搬送方向の長さ、搬送方向と直交する方向の幅など、検出された凸部のサイズを考慮した値に設定される。
図2及び図3に示すように、凸状欠陥Fは、搬送方向(板引き方向)に沿って延びる筋状をなし、例えば、板厚方向の高さTが1nm〜1μm、搬送方向の長さLが0.1〜100mm、搬送方向と直交する方向の幅Wが0.1〜10mmである。なお、凸状欠陥Fの長さLは、ガラスリボンGの搬送速度を速くすると長くなり、ガラスリボンGの搬送速度を遅くすると短くなる。
凸状欠陥Fの発生率は、成形体15付近の高温領域H(図4〜図7を参照)におけるガラスリボンGの滞在時間によって変化することが分かっている。つまり、高温領域HにおけるガラスリボンGの滞在時間が長くなると、凸状欠陥Fの発生が増加する傾向にある(下記の表1を参照)。
凸状欠陥Fが形成され得る高温領域Hは、図4〜図7に示す四つの態様が考えられる。つまり、第一の態様では、図4に示すように成形体15の側面15bの中間位置から冷却ローラ14aの下方位置までが高温領域Hとなる。第二の態様では、図5に示すように成形体15の側面15bの中間位置から、成形体15の下端15cの下方かつ冷却ローラ14aの上方の位置までが高温領域Hとなる。第三の態様では、図6に示すように成形体15の下端15cの下方の位置から冷却ローラ14aの上方の位置までが高温領域Hとなる。第四の態様では、図7に示すように成形体15の下端15cの下方かつ冷却ローラ14aの上方の位置から、冷却ローラ14aの下方の位置までが高温領域Hとなる。いずれの態様であっても、ガラスリボンGの搬送速度(板引き速度)を増加させれば、ガラスリボンGの上下方向の温度勾配が一定に維持されることから、高温領域Hの滞在時間を短くできる。
ここで、凸状欠陥Fの発生原因は、以下の2つの原因が考えられる。つまり、第一の原因としては、上記の高温領域Hで生じるガラスの分相によるものと考えられる。これは、分相が生じやすいガラス組成を選択した場合に、凸状欠陥Fが増加する傾向があるためである。このため、高温領域Hは、ガラスが分相する温度に基づいて設定してもよい。第二の原因としては、成形体15から溶融ガラスGmへのMgイオンの拡散(移動)によるものと考えられる。このMgイオンの拡散は、上記の高温領域Hなど、溶融ガラスGmの温度が高くになるに連れて生じやすくなる。なお、凸状欠陥Fの発生原因は、まだはっきりとは解明されていないが、上記の第二の原因が有力である。
溶融ガラスGm(ガラスリボンG)が、MgOの含有量が1質量%未満のアルミノシリケートガラスである場合に、ガラスリボンGに凸状欠陥Fが発生しやすい。具体的には、溶融ガラスGmが、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 0〜15%、NaO 1〜20%、KO 0〜10%、P 0.5〜10%、LiO 0〜5%を含む場合に、ガラスリボンGに凸状欠陥Fが発生しやすい。このガラス組成では、凸状欠陥Fが形成され得る高温領域Hは、例えば800〜1100℃である。また、上記のようにガラス組成範囲を規制すれば、ガラスリボンGにおいて、イオン交換性能と耐失透性を高いレベルで両立しやすくなる。このため、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)、タッチパネルディスプレイ等のカバーガラスに用いられる化学強化用ガラス板に好適なガラスリボンGが得られる。
MgOの含有量が少ないほど、凸状欠陥Fが発生しやすくなり、本発明の凸状欠陥Fを低減する効果が顕著となる。このため、MgOの含有量は、0.9質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらにより好ましい。MgOの含有量は0質量%であってもよい。
は、ガラスを化学強化する場合に、イオン交換性能を高める成分であり、特に圧縮応力層の応力深さを大きくする成分である。また、Pの含有量が増加するに従い、ガラスが分相しやすくなり、凸状欠陥Fが発生しやすくなる。Pの下限値は、好ましくは2%であり、より好ましくは4%である。一方、Pの上限値は、好ましくは8%、より好ましくは6%である。
LiOは、イオン交換成分であると共に、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。またヤング率を高める成分である。更にアルカリ金属酸化物の中では圧縮応力値を増大させる効果が大きい。しかし、LiOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下して、ガラスが失透しやすくなる。また、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させにくくなる。更に、低温粘性が低下し過ぎて、応力緩和が起こりやすくなると、かえって圧縮応力値が小さくなる場合がある。したがって、LiOの含有量は、好ましくは0〜3.5%、0〜2%、0〜1%、0
〜0.5%、特に0.01〜0.2%である。
図1に示すように、制御部4は、検出された凸状欠陥Fの発生状況に応じてガラスリボンGの搬送速度(板引き速度)を調整するように構成されている。詳細には、制御部4は、凸状欠陥Fの発生が増加した場合に、冷却ローラ14aの回転速度を増加させることで、ガラスリボンGの搬送速度を増加させる。
制御部4は、ガラスリボンGの搬送速度を増加させる際、成形体15に供給する溶融ガラスGmの流量も増加させるように構成されている。この際、ガラスリボンGの流量は、搬送速度の増加に伴うガラスリボンGの板厚減少を防止するように微調整すればよい。
次に、以上のように構成されたガラス物品の製造装置を用いたガラス物品の製造方法を説明する。
本実施形態に係るガラス物品の製造方法は、成形工程と、熱処理工程と、冷却工程と、切断工程と、検査工程と、対策工程とを備えている。なお、熱処理工程、冷却工程及び切断工程の一部は、ガラスリボンGを搬送する搬送工程を兼ねている。
成形工程では、成形ゾーン11でガラスリボンGを成形する工程である。
熱処理工程は、熱処理ゾーン12で成形工程を経たガラスリボンGに対して熱処理を施す工程である。
冷却工程は、冷却ゾーン13で熱処理工程を経たガラスリボンGを冷却する工程である。
切断工程は、冷却工程を経たガラスリボンGを搬送しながら、切断装置2によって、ガラスリボンGを幅方向に切断してガラス板Gpを得る工程である。
検査工程は、検査部3などによって、ガラス板Gpにおける凸状欠陥Fの有無を検査する工程である。検査工程では、所定の判定基準により凸状欠陥Fの有無を検査する。
対策工程は、ガラスリボンの凸状欠陥Fを低減する対策を行う工程である。本実施形態では、対策工程は、検査工程で検出された凸状欠陥Fの発生状況に応じてガラスリボンGの搬送速度を調整する制御工程を備える。
制御工程では、凸状欠陥Fの発生が増加した場合に、冷却ローラ14aによって、ガラスリボンGの搬送速度を増加させ、凸状欠陥Fの発生を所定の目標値以下に制御する。ここで、目標値には、凸状欠陥Fを有するガラス板Gpの発生率、凸状欠陥Fを有するガラス板Gpの発生枚数、ガラス板Gp一枚当たりの凸状欠陥Fの数など、凸状欠陥Fに関する任意のパラメータを設定できる。このようにすれば、凸状欠陥Fの発生が増加した場合には、ガラスリボンGの搬送速度を増加させるため、成形体15付近の高温領域HにおけるガラスリボンGの滞在時間が短くなる。この場合、成形体15と溶融ガラスGmとの接触時間も短くなるため、成形体15の耐火物がMgOを含む場合であっても、成形体15から溶融ガラスGmに拡散するMgイオンの量が必然的に少なくなる。したがって、ガラスリボンGの凸状欠陥Fを確実に低減できる。
なお、これとは逆に、ガラスリボンGの搬送速度を減少させれば、成形体15付近の高温領域HにおけるガラスリボンGの滞在時間が長くなる。その結果、成形体15と溶融ガラスGmとの接触時間も長くなるため、成形体15の耐火物がMgOを含む場合、成形体15からガラスリボンGmに拡散するMgイオンの量も必然的に多くなる。したがって、ガラスリボンGの凸状欠陥Fが増加する場合がある。
また、制御工程では、凸状欠陥Fの発生が増加した場合に、ガラスリボンGの搬送速度を増加させることに加え、成形体15に供給する溶融ガラスGmの流量も増加させる。このようにすれば、搬送速度の増加に伴うガラスリボンGの板厚減少を防止し、ガラスリボンGの板厚を一定に維持できる。
(第二実施形態)
図8は、第二実施形態に係るガラス物品の製造方法に含まれる対策工程を示す図である。
本実施形態では、対策工程は、製品となるガラスリボンGを成形する前に、成形体15の耐火物として、MgOを実質的に含まない耐火物を選定する選定工程を備える。
成形体15におけるMgOの含有量は、例えば1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。成形体15におけるMgOの含有量は、0質量%であってもよい。なお、成形体15の耐火物としてアルミナ系耐火物を用いる場合は、MgOの含有量は、Alの含有量よりも少ない。
このように成形体15として、MgOを実質的に含まない耐火物を選定すれば、成形体15全体のMgOの濃度が低いか、あるいは、零となる。そのため、成形体15の少なくとも表面を含む表層部に、MgOを実質的に含まないMgO非含有層R1が存在することになる。したがって、ガラスリボンGがMgOの含有量が1質量%未満のアルミノシリケートガラスであっても、成形体15から溶融ガラスGmへのMgイオンの拡散が抑制されるため、ガラスリボンGの凸状欠陥Fを確実に低減できる。
(第三実施形態)
図9は、第三実施形態に係るガラス物品の製造方法に含まれる対策工程を示す図である。
本実施形態では、対策工程は、製品となるガラスリボンGを成形する成形工程の前に、成形体15の表面(例えば、頂部15a及び側面15b)にMgOを実質的に含まないMgO非含有層R2を形成する形成工程を備える。
MgO非含有層R2におけるMgOの含有量は、例えば1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。MgOの含有量は、0質量%であってもよい。
MgO非含有層R2の厚みは、100μm以下であることが好ましく、20μm〜100μmであることがより好ましく、50μm〜100μmであることが最も好ましい。
MgO非含有層R2としては、例えばアルミナ層が挙げられる。アルミナ層は、MgOを含むアルミナ系耐火物からなる成形体15の表面に沿って、MgOを実質的に含まない溶融ガラス(例えば、MgOの含有量が0〜1質量%未満)を流下させることで形成できる。なお、形成工程で使用されるMgOを実質的に含まない溶融ガラスは、成形工程で使用されるMgOを実質的に含まない溶融ガラスGmと同一あるいは近似のガラス組成であることが好ましい。
このように成形体15の表面にMgO非含有層R2を形成すれば、成形体15と溶融ガラスGmとの間にMgOを実質的に含まない層が介在することになる。したがって、成形体15から溶融ガラスGmへのMgイオンの拡散が抑制されるため、ガラスリボンGの凸状欠陥Fを確実に低減できる。
形成工程では、溶融ガラスGmを通常の操業温度(成形工程の溶融ガラスGmの温度)よりも高温で保持しながら、流動させることが好ましい。これにより、アルミナ系耐火物からなる成形体15に含まれるMgOが、成形体15の表面から溶融ガラスGmへ移動しやすくなる。その結果、成形体15の表面(厳密には表面を含む表層部)を、MgOを実質的に含まない耐火物(MgO非含有層R2)とすることができる。
ここで、成形体15の表層部のMgOが溶融ガラスGm中に略完全に移動し切るまでの時間は、本願発明者等の鋭意研究により、溶融ガラスGmの温度が1250℃未満の場合よりも1250℃以上の場合において顕著に短くなることが確認されている。したがって、形成工程の溶融ガラスGmの温度は、1250℃以上であることが好ましい。また、形成工程の時間は、72時間以上であることが好ましい。ただし、溶融ガラスGmの温度を上げ過ぎると、成形体15のクリープが発生するおそれがあるため、形成工程の溶融ガラスGmの温度は、1300℃以下とすることが好ましい。
また、アルミナ系耐火物からなる成形体15にMgOが含まれている場合、スピネルやアルミナが成形体15の表面に形成される場合が多く、凸状欠陥F以外にもそれらが異物として製品となるガラスリボンG中に流れ出る場合がある。しかしながら、形成工程の溶融ガラスGmの温度を1250℃以上とすることで、製品となるガラスリボンGを成形する成形工程の前に、成形体15の表面に形成されたスピネルやアルミナを洗い流す効果も期待できる。つまり、製品となるガラスリボンGにおいて、スピネルやアルミナ等に由来する欠陥が発生するのを低減する効果も期待できる。
なお、MgO非含有層R2は、アルミナ層に限定されるものではなく、溶融ガラスGmへのMgイオンの移動を抑制できる層であればよい。例えば、MgO非含有層R2としては、シリカ層やジルコニア層なども利用できる。また、MgO非含有層R2の形成方法は、上述の方法に限定されるものではなく、例えばスパッタ成膜なども利用できる。
本発明の実施形態に係るガラス物品の製造装置及びその製造方法について説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を施すことが可能である。
上記の実施形態では、ガラスリボンGをスクライブ割断で切断したが、レーザ割断やレーザ溶断などの他の方法により切断してもよい。
上記の実施形態において、凸状欠陥Fの有無を検査する検査工程の前に、ガラス板Gpの耳部を切断する切断工程を更に設けてもよい。
上記の実施形態において、凸状欠陥Fの有無を検査する第一検査工程に加え、ガラス板Gpの泡や異物などの他の欠陥の有無を検査する第二検査工程を実施してもよい。
上記の実施形態では、ガラス物品がガラス板Gpである場合を説明したが、ガラス物品は、例えばガラスリボンGをロール状に巻き取ったガラスロールなどであってもよい。
上記の実施形態では、制御部4が、検出された凸状欠陥Fの発生状況に応じてガラスリボンGの搬送速度を自動で調整する場合を説明したが、オペレーターが、検出された凸状欠陥Fの発生状況に応じてガラスリボンGの搬送速度や溶融ガラスGmの流量を手動で調整してもよい。
上記の実施形態において、ガラス物品の製造方法は、ガラス板Gp(化学強化用ガラス板)を化学強化する強化工程をさらに備えていてもよい。
上記の実施形態では、溶融ガラスGmがアルミノシリケートガラスである場合を例示したが、溶融ガラスGmはこれに限定されない。
ガラスリボンの搬送速度を増加させた場合に、表裏面が共に凸となる凸状欠陥の発生率が低下することを評価試験の結果によって示す。評価試験では、成形時の溶融ガラスの流量は一定とした状態で、ガラスリボンの搬送速度を変化させた場合に、凸状欠陥の発生率(凸状欠陥を有するガラス板の枚数/ガラス板の検査枚数)がどのように変化するかを検査した。この際、ガラス板中に一つでも凸状欠陥があれば、凸状欠陥を有するガラス板としてカウントした。その結果を表1に示す。なお、搬送速度は、実施例3の搬送速度を基準(実施例3の搬送速度を1)とする相対値で示す。
各実施例に係るガラス板は、MgOを実質的に含有しないアルミノシリケートガラスであり、ガラス組成として、質量%で、SiO 52%、Al 27%、B 0.1%、NaO 7.0%、KO 0.6%、MgO 0.1%、P 8.8%、LiO 3.0%、SnO 0.1%を含む。各実施例に係るガラス板のサイズは2350mm×2560mmである。また、成形体としては、MgOの含有量が5質量%のアルミナ成形体を用いた。
Figure 2021169401
表1によれば、凸状欠陥の発生率が(実施例1)>(実施例2)>(実施例3)となり、搬送速度(板引き速度)が上がれば、凸状欠陥の発生率が低下する傾向があることが認識できる。
続いて、前述の第三実施形態に沿って実施例4を行った。実施例4では、実施例1〜3で用いた成形体と同様の成形体を用い、実施例4の対策工程では、成形体の表面にMgOを実質的に含まないMgO非含有層(アルミナ層)を形成した。アルミナ層は、成形体の表面に前述のMgOを実質的に含有しないアルミノシリケートガラスを流下させることで形成した。アルミナ層のMgOの含有量は0質量%であった。この成形体15を用いて、前述の実施例3の条件で、ガラス板を得た。その結果、実施例4では、凸状欠陥発生率は実施例1よりも低下した。
1 処理装置
2 切断装置
3 検査部
4 制御部
11 成形ゾーン
12 熱処理ゾーン
13 冷却ゾーン
14a ローラ対(冷却ローラ)
15 成形体
21 スクライブ線形成装置
22 折割装置
23 ホイールカッター
24 支持部材
25 折割部材
27 搬送装置
F 凸状欠陥
G ガラスリボン
Gm 溶融ガラス
Gp ガラス板
R1 MgO非含有層
R2 MgO非含有層

Claims (14)

  1. 溶融ガラスからガラスリボンを成形する成形工程と、前記成形工程を経た前記ガラスリボンを搬送する搬送工程とを備えるガラス物品の製造方法であって、
    前記ガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥の有無を検査する検査工程と、
    前記凸状欠陥を低減する対策を行う対策工程とを備えていることを特徴とするガラス物品の製造方法。
  2. 前記溶融ガラスは、MgOの含有量が1質量%未満のアルミノシリケートガラスであることを特徴とする請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
  3. 前記溶融ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 0〜15%、NaO 1〜20%、KO 0〜10%、P 0.5〜10%、LiO 0〜5%を含むことを特徴とする請求項2に記載
    のガラス物品の製造方法。
  4. 前記対策工程は、前記検査工程で検出された前記凸状欠陥の発生状況に応じて前記搬送工程における前記ガラスリボンの搬送速度を調整する制御工程を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
  5. 前記制御工程では、前記凸状欠陥の発生が増加した場合に、前記ガラスリボンの搬送速度を増加させることを特徴とする請求項4に記載のガラス物品の製造方法。
  6. 前記制御工程では、前記ガラスリボンの搬送速度を増加させた場合に、前記成形工程における前記溶融ガラスの流量を増加させることを特徴とする請求項5に記載のガラス物品の製造方法。
  7. 前記成形工程では、ダウンドロー法により、前記溶融ガラスを成形体の表面に沿って流下させて前記ガラスリボンを成形し、
    前記制御工程では、前記検査工程で検出された前記凸状欠陥の発生状況に応じて、前記成形体の直下方で前記ガラスリボンの幅方向両端部を表裏両側から挟む冷却ローラの回転速度を調整することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
  8. 前記成形工程では、ダウンドロー法により、前記溶融ガラスを成形体の表面に沿って流下させて前記ガラスリボンを成形し、
    前記対策工程は、事前に、前記成形体の耐火物として、MgOを実質的に含まない耐火物を選定する選定工程を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
  9. 前記成形工程では、ダウンドロー法により、前記溶融ガラスを成形体の表面に沿って流下させて前記ガラスリボンを成形し、
    前記対策工程は、事前に、前記成形体の表面にMgOを実質的に含まないMgO非含有層を形成する形成工程を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
  10. 前記MgO非含有層は、アルミナ層である請求項9に記載のガラス物品の製造方法。
  11. 前記成形体は、アルミナ系耐火物からなる請求項10に記載のガラス物品の製造方法。
  12. 前記凸状欠陥は、高さが1nm〜1μm、長さが0.1〜100mm、幅が0.1〜10mmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
  13. ダウンドロー法により、溶融ガラスを成形体の表面に沿って流下させてガラスリボンを成形する成形工程を備えるガラス物品の製造方法であって、
    前記溶融ガラスは、MgOの含有量が1質量%未満のアルミノシリケートガラスであり、
    前記成形体は、MgOを実質的に含まない耐火物からなることを特徴とするガラス物品の製造方法。
  14. 溶融ガラスからガラスリボンを成形する成形ゾーンと、前記成形ゾーンの下流側で前記ガラスリボンを搬送する搬送ゾーンとを備えるガラス物品の製造装置であって、
    前記ガラスリボンの表裏面が共に凸となる凸状欠陥の有無を検査する検査部と、
    前記検査部で検出された前記凸状欠陥の発生状況に応じて前記搬送ゾーンにおける前記ガラスリボンの搬送速度を調整する制御部とを備えていることを特徴とするガラス物品の製造装置。
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