JP2021167297A - 抗菌活性を有するクロトニルアルコールカス酸エステルおよびその調製方法 - Google Patents

抗菌活性を有するクロトニルアルコールカス酸エステルおよびその調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クロトニルアルコールによりカス酸を改変して、新規なクロトニルアルコールカス酸エステルを得る。予備的な抗菌活性実験は化合物が優れた抗菌活性を有し、多剤耐性細菌によって引き起こされる感染症の治療において高い医学的研究および応用価値を有することを示す。【解決手段】式(I)を有する化合物、【化1】が開示される。式(I)の化合物を調製する方法も開示される。【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は医薬化学の分野、より具体的には抗菌活性を有するクロトニルアルコールカス酸エステルおよびその調製方法に関する。
発明の背景
世界中で抗生物質が広く使用されるようになって、抗生物質の過剰使用がますます一般的になりつつある。対応する抗生物質に耐性を発現する微生物が出現し、ヒトの健康に対する新たな脅威となっている。薬剤耐性細菌の出現は、感染症の治癒の困難さを増す。現在、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌ともに薬剤耐性の傾向があり、グラム陽性細菌の薬剤耐性の問題はより深刻である。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は臨床でよくみられる毒性の強い細菌である。その発見以来、ほぼ世界中に広がっており、臨床的な抗感染治療において非常に厳しい問題である。新規な抗菌薬剤の開発が急務であり、世界中の多くの製薬企業が多剤耐性細菌に対応できる新規な薬剤を積極的に探している。構造活性相関の指針のもとに既存の抗菌薬剤の化学構造を改変することは、薬剤耐性細菌の新規な薬剤を開発するための一般的な方法である。
カス酸は天然のアントラキノン化合物(式(II)の化合物)であり、これは、種々の生物学的および薬理学的活性を有し、そしてルバーブから抽出され得る。糖・脂質代謝の改善、肝臓の保護、抗線維化、抗酸化、抗炎症、抗菌、抗がん、抗腫瘍など多くの作用を有している。しかしながら、その臨床応用はその水溶性が乏しく、生物学的利用能が低いために、かなりの程度まで制限される。
2−ブテノール(式(III)の化合物)としても知られるクロトニルアルコールはα−β不飽和アルコールであり、これはアセトアルデヒドの縮合、次いでブタノールアルデヒドの脱水および水素化によって得られる。クロトンアルデヒドのメーヤワイン・ポンドルフ(Meerwein-Ponndorf)還元によっても調製できる。本品は特別のにおいがある無色の液である。クロトニルアルコールは、重要な有機中間体として、有機合成、製造可塑剤、土壌燻蒸剤、除草剤、医薬品、塗料等に広く使用されている。
本発明では、クロトニルアルコールによりカス酸を改変して、新規なクロトニルアルコールカス酸エステルを得る。予備的な抗菌活性実験は化合物が優れた抗菌活性を有し、多剤耐性細菌によって引き起こされる感染症の治療において高い医学的研究および応用価値を有することを示す。
発明の概要
一実施形態では、本発明は、下記の式(I)を有する化合物を提供する。
Figure 2021167297
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物を調製する方法を提供する。この方法は、式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させて前記式(I)の化合物を得る工程を含む。
Figure 2021167297
別の実施形態では、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物との反応は、下記の工程、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物とを1:1〜1:1.3のモル比で反応容器中に入れる工程と、有機溶媒および触媒量のEDCを加えて反応混合物を得る工程と、前記反応混合物を50〜75℃で1〜4時間加熱する工程と、溶離剤として石油エーテルおよび酢酸エチルを用いてシリカゲルフレッシュクロマトグラフィーカラム上で粗生成物を精製して前記式(I)の化合物を得る工程と、を含む。
別の実施形態では、前記有機溶媒は、トルエン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである。
別の実施形態では、前記有機溶媒はアセトニトリルである。
別の実施形態では、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物とのモル比は1:1.1である。
別の実施形態では、前記反応混合物を75℃で加熱する。
別の実施形態では、前記反応混合物を4時間加熱する。
別の実施形態では、前記溶離剤は石油エーテル:酢酸エチル=1:3である。
別の実施形態では、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物との反応は、下記の工程、前記式(II)の化合物、触媒、および、イオン性液体を窒素雰囲気下で反応容器中に入れる工程であって、前記触媒は12−モリブド珪酸水和物(HMo1241Si)である、工程、前記式(III)の化合物を前記反応容器に加えて反応混合物を形成する工程、前記反応混合物を25〜50℃で5〜10時間加熱する工程、前記反応混合物を分液漏斗中に入れて粗生成物を分離する工程と、メタノール中での再結晶によって前記粗生成物を精製して前記式(I)の化合物を得る工程と、前記イオン性液体をリサイクルする工程と、を含む。
別の実施形態では、前記イオン性液体は1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩([BMIM][BF])である。
別の実施形態では、前記式(II)の化合物および前記式(III)の化合物は、1:1〜1:1.3のモル比を有する。
別の実施形態では、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物とのモル比は1 : 1.1である。
別の実施形態では、前記反応混合物を25℃で加熱する。
別の実施形態では、前記反応混合物を8時間加熱する。
前記した一般的な説明と、下記の詳細な説明とは、どちらも例示的および説明的であり、特許請求される本発明のさらなる説明を提供するように意図されていることを理解されたい。
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は本発明の実施形態を示し、説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
図1は、薬剤耐性細菌MARS 18222に対するクロトニルアルコールカス酸エステルのin vitroでの抗菌活性の結果を示す。 図2は、薬剤耐性細菌MARS 18222に対するカス酸のin vitroでの抗菌活性の結果を示す。 図3は、薬剤耐性細菌MARS 18222に対するクロトニルアルコールのin vitroでの抗菌活性の結果を示す。 図4は、薬剤耐性細菌MARS 18575に対するクロトニルアルコールカス酸エステルのin vitroでの抗菌活性の結果を示す。 図5は、薬剤耐性細菌MARS 18575に対するカス酸のin vitroでの抗菌活性の結果を示す。 図6は、薬剤耐性細菌MARS 18575に対するクロトニルアルコールのin vitroでの抗菌活性の結果を示す。
図示の実施形態の詳細な説明
次に、本発明の実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。下記の実施例は本発明を説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(E)−ブト−2−エン−1−イル4,5−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2−カルボン酸塩(式(I)の化合物)の調製
250mLの三口フラスコ中で、200.0mg(0.7mmol)のカス酸および134.0mg(0.7mmol)のEDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)を、窒素ガス雰囲気下で90mLのアセトニトリルに溶解した。55.6mg(0.77mmol)のクロトニルアルコールを10mLのアセトニトリルに溶解し、分液漏斗で反応液に徐々に滴下した。滴下終了後、75℃まで昇温し、4時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水洗し、酢酸エチルで抽出、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、溶離剤を減圧下で濃縮し、乾燥させて、172.6mgの表題化合物を収率72.88%で得た。
H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):7.89(2H、d)、7.81(1H、s)、7.45(1H、s)、7.06(1H、d)、5.88(2H、t)、5.31(2H、s)、4.57(2H、s)、1.98(3H、s);13C-NMR(400MHz、DMSO−d)δ(ppm):185.0、179.5、164.3、160.8、159.7、134.2、133.5、129.5、129.3、129.1、120.1、116.3、60.8、17.3。
実施例2
(E)−ブト−2−エン−1−イル4,5−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2−カルボン酸の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、200.0mg(0.7mmol)のカス酸および134.0mg(0.7mmol)のEDCを、窒素ガス雰囲気下で90mLのトルエンに溶解した。55.6mg(0.77mmol)のクロトニルアルコールを10mLのトルエンに溶解し、分液漏斗で反応液に徐々に滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し、3時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水洗し、酢酸エチルで抽出、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによってさらに精製し、溶離剤を減圧下で濃縮し、乾燥させて、132.8mgの表題化合物を収率56.07%で得た。
実施例3
(E)−ブト−2−エン−1−イル4,5−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2−カルボン酸の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、200.0mg(0.7mmol)のカス酸および134.0mg(0.7mmol)のEDCを、窒素ガス雰囲気下で90mLのテトラヒドロフランに溶解した。55.6mg(0.77mmol)のクロトニルアルコールを10mLのテトラヒドロフランに溶解し、分液漏斗で反応液に徐々に滴下した。滴下終了後、50℃まで昇温し、4時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水洗し、酢酸エチルで抽出、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、溶離剤を減圧下で濃縮し、乾燥させて、137.9mgの表題化合物を収率58.23%で得た。
実施例4
(E)−ブト−2−エン−1−イル4,5−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2−カルボン酸の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、200.0mg(0.7mmol)のカス酸および134.0mg(0.7mmol)のEDCを、窒素ガス雰囲気下で90mLのトルエンに溶解した。60.6mg(0.84mmol)のクロトニルアルコールを10mLのトルエンに溶解し、分液漏斗で反応液に徐々に滴下した。滴下終了後、65℃に昇温し、2時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水洗し、酢酸エチルで抽出、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、溶離剤を減圧下で濃縮し、乾燥させて、146.5mgの表題化合物を収率61.86%で得た。
実施例5
(E)−ブト−2−エン−1−イル4,5−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2−カルボン酸の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、200.0mg(0.7mmol)のカス酸および134.0mg(0.7mmol)のEDCを、窒素ガス雰囲気下で90mLのアセトニトリルに溶解した。60.6mg(0.84mmol)のクロトニルアルコールを10mLのアセトニトリルに溶解し、分液漏斗で反応液に徐々に滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し、3時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水洗し、酢酸エチルで抽出、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、溶離剤を減圧下で濃縮し、乾燥させて、159.8mgの表題化合物を収率67.47%で得た。
実施例6
(E)−ブト−2−エン−1−イル4,5−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2−カルボン酸の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、200.0mg(0.7mmol)のカス酸および134.0mg(0.7mmol)のEDCを、窒素ガス雰囲気下で90mLのテトラヒドロフランに溶解した。55.6mg(0.77mmol)のクロトニルアルコールを10mLのテトラヒドロフランに溶解し、分液漏斗で反応液に徐々に滴下した。滴下終了後、55℃まで昇温し、4時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水洗し、酢酸エチルで抽出、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、溶離剤を減圧下で濃縮し、乾燥させて、154.3mgの表題化合物を収率65.22%で得た。
実施例7
(E)−3,4−ジヒドロキシフェネチル3−(4−メトキシフェニル)アクリレートの調製
250mLの三つ口フラスコ中で、200.0mg(0.7mmol)のカス酸、55.6mg(0.77mmol)のクロトニルアルコールおよび12.0mg(0.007mmol)のシリコモリブデン酸を、窒素雰囲気下で100mLの1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩に溶解した。完全に溶解した後、25℃まで昇温し、8時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。反応混合物系を層に分離させて、粗生成物を得た。粗生成物を50mLのメタノールで再結晶し、乾燥させて、194.8mgの表題化合物を収率82.25%で得た。
実施例8
(E)−3,4−ジヒドロキシフェネチル3−(4−メトキシフェニル)アクリレートの調製
250mLの三つ口フラスコ中で、200.0mg(0.7mmol)のカス酸、55.6mg(0.77mmol)のクロトニルアルコールおよび12.0mg(0.007mmol)のシリコモリブデン酸を、窒素雰囲気下で100mLの1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩に溶解した。完全に溶解した後、50℃まで昇温し、4時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。反応混合物系を層に分離させて、粗生成物を得た。粗生成物を50mLのメタノールで再結晶し、乾燥させて、178.7mgの表題化合物を1収率75.45%で得た。
実施例9
式(I)の化合物の抗菌活性試験
ゲンタマイシン、セファゾリンナトリウムおよびセフトリアキソンナトリウムを陽性対照とするマイクロブロス希釈法により測定した化合物の最小発育阻止濃度(MIC)。
実験菌株は、メチシリン耐性グラム陽性細菌:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)MRSA 18−222、18−575、多剤耐性グラム陰性細菌:バンコマイシン耐性腸球菌(enterococci)VRE 18−80、18−94、多剤耐性緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)MDR−PA 18−1774、18−202、カルバペネム耐性アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)CR―AB 18−183、18−560であった。すべての実験菌株はフダン大学(フダン大学抗生物質研究所)に所属するフアサン病院から供与され、ルーチンの同定後に使用された。
試験菌株の調製:
MHB培地の調製: 20.0gのMHB培地を、1Lの蒸留水に加えて、完全に溶解するまで沸騰させ、コニカルボトルに充填し、121℃で15分間滅菌した。
実験菌株を対数増殖期まで培養した、無菌条件下で、実験菌株を100mLのMHB培地に接種し、37℃の恒温恒湿インキュベーター中で20〜22時間インキュベートした。
保存溶液の調製:
試験する試料を秤量し、1% DMSO溶液で溶解し、濃度2560μg/mLの保存溶液を調製し、陽性標準物質を秤量し、無菌蒸留水で溶解し、濃度2560μg/mLの保存溶液を調製する。
細菌懸濁液の調製:
無菌条件下で、対数増殖期まで培養した実験菌株をMHB培地で0.5 MCF濁度標準に調整し、1:10に従って希釈し、10CFU/mLの濃度の細菌懸濁液をスタンバイ用に調製した。
保存溶液の希釈および実験菌株の接種:
無菌条件下で、保存溶液を256μg/mL溶液に希釈した。無菌の96ウェルプレートをとり、12番目のウェルに200μLのMHB培地を加え、各ウェルに100μLのMHB培地を加える。最初のウェルに100μLの陽性対照溶液を加え、よく混合し、それから100μLを吸引し、廃棄する。2番目のウェルに100μLの化合物試料溶液を加え、よく混合した後、3番目のウェルに100μLをピペットで移す。混合後、4番目のウェルに100μLをピペットで移し、このようにして11番目のウェルまで希釈する。最後に、100μLを11番目のウェルからピペットで採取し、廃棄した。12番目の穴は、薬剤を含まない増殖対照であった。これまでのところ、陽性標準物質の濃度は128μg/mLであり、試料溶液の濃度はそれぞれ128、64、16、8、4、2、1、0.5、0.25μg/mLである。次に、調製した細菌懸濁液10μLを各ウェルに加えて、各ウェル中の細菌液の最終濃度を5×105CFU/mLとする。
インキュベーション:
実験菌株を接種した96ウェルプレートを被覆し、37℃の恒温恒湿ボックス内で20〜22時間インキュベートする。
MICエンドポイントの解釈:
黒色バックグラウンド下の96ウェルプレート中の細菌の増殖を完全に阻害することができる濃度は、細菌に対するサンプルの最低発育阻止濃度である。
図1〜10において、12個のウェルは12群を表し、左から右に、陽性、128μg/mL、64μg/mL、32μg/mL、16μg/mL、8μg/mL、4μg/mL、2μg/mL、1μg/mL、0.25μg/mL、0.0625μg/mL、陰性である。図1は、薬剤耐性細菌MARS 18−222に対するクロトニルアルコールカス酸エステルのin vitroでの抗菌活性を示す。図2は、薬剤耐性細菌MARS 18−222に対するカス酸のin vitroでの抗菌活性を示す。図3は、薬剤耐性細菌MARS 18−222に対するクロトニルアルコールのin vitroでの抗菌活性を示す。図4は、薬剤耐性細菌MARS 18−575に対するクロトニルアルコールカス酸エステルのin vitroでの抗菌活性を示す。図5は、薬剤耐性細菌MARS 18−575に対するカス酸のin vitroでの抗菌活性を示す。図6は、薬剤耐性細菌MARS 18−575に対するクロトニルアルコールのin vitroでの抗菌活性を示す。その結果を表1に示す。
Figure 2021167297
図1〜6および表1の実験結果によると、カス酸およびクロトニルアルコールは薬剤耐性細菌に対して阻止作用を示さなかったが、クロトニルアルコールカス酸エステルは薬剤耐性グラム陽性細菌MRSA(MIC=4μg/mL)に対して強い阻止作用を示し、陽性対照薬剤より強かった。要約すると、本発明のクロトニルアルコールカス酸はグラム陽性細菌のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の抗菌薬剤候補として使用することができ、さらなる前臨床研究に使用することができる。

Claims (6)

  1. 下記の式(I)を有する化合物。
    Figure 2021167297
  2. 式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させて、前記式(I)の化合物を得る工程を含む、請求項1に記載の式(I)の化合物を調製する方法。
    Figure 2021167297
  3. 前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物との反応は、下記の工程、
    前記(II)の化合物および前記式(III)の化合物を、1:1〜1:1.3のモル比で反応容器中に入れる工程と、
    有機溶媒および触媒量のEDCを窒素雰囲気下で加えて反応混合物を得る工程と、
    前記反応混合物を50〜75℃で1〜4時間加熱する工程と、
    溶離剤として石油エーテルおよび酢酸エチルを用いて、シリカゲルフレッシュクロマトグラフィーカラム上で粗生成物を精製して前記式(I)の化合物を得る工程と、を含む請求項2に記載の方法。
  4. 前記有機溶媒はトルエン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物とのモル比は1:1.1である、前記反応混合物を75℃で加熱する、前記反応混合物を4時間加熱する、および、前記溶離剤は石油エーテル:酢酸エチル=1:3である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物との反応は、下記の工程、
    前記式(II)の化合物、触媒、およびイオン性液体を窒素雰囲気下で反応容器に入れる工程であって、前記触媒は12−モリブド珪酸水和物(HMo1241Si)である、工程と、
    前記式(III)の化合物を前記反応容器に加えて反応混合物を形成する工程と、
    前記反応混合物を25〜50℃で5〜10時間加熱する工程と、
    前記反応混合物を分液漏斗中に入れ、粗生成物を分離する工程と、
    メタノール中で再結晶して前記粗生成物を精製し、前記式(I)の化合物を得る工程と、
    前記イオン性液体をリサイクルする工程と、を含む請求項2に記載の方法。
  6. 前記イオン性液体は1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩([BMIM][BF])である、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物は1:1〜1:1.3のモル比を有する、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物とのモル比は1:1.1である、前記反応混合物を25℃で加熱する、および、前記反応混合物を8時間加熱する、請求項5に記載の方法。
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