JP2021167011A - ピストン予備成形体及びピストン - Google Patents

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Abstract

【課題】均一かつ高い強度で、ピストン素材に耐摩環をかしめたピストン予備成形体及びピストンを提供する。【解決方法】ピストン素材に、耐摩環をリング溝に相当する位置にかしめ結合することで得られるピストン予備成形体であって、前記耐摩環は、その内周面に形成されたアンダーカットを有し、前記ピストン素材が前記アンダーカット内部に塑性流動している。【選択図】図1

Description

本発明は、ピストン予備成形体及びピストンに関する。
エンジン性能向上に伴い、ピストンには高温強度、耐摩耗性が要求される。ディーゼルエンジン等に向けて鉄製のピストンは以前より使用されているが、アルミニウム製のピストンと比較して往復重量増を伴うので、部分的に、特に負荷が高いリング溝付近は耐摩環というリング状部材で置き換えられる。
リング溝付近を耐摩環で置き換えるには、例えば耐摩環をアルミニウムで鋳込む方法があり、耐摩環に溶湯アルミニウムが湿潤しやすいように、耐摩環として焼結性の多孔質体を用いたり(特許文献1)、アルミニウムとの親和性向上のため、アルフィン処理が施された鋳鉄を用いたり(特許文献2)する技術が採用されてきた。
また、予め段を設けたアルミニウムスラグにリブ付き耐摩環を置き、耐摩環とアルミニウムスラグとに温度差を設けてスラグの上端面から一方向に押す据え込み成形により、両者の熱膨張差を利用して耐摩環をかしめる方法(特許文献3及び特許文献4)も用いられている。
特表2016−535195号公報 特表2009−520902号公報 特公昭51−21946号公報 特公昭60−31579号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の鋳造法は、アルミニウム合金中の析出物を微細かつ均一分散することは難しいため、極めて高強度が求められるピストンの製法としては適していない。
また、特許文献3に記載の方法では、スラグ肩上に耐摩環を安定しておくため、耐摩環下型にリブを設けておらず、アルミニウム部との拘束力が少なくなってしまう。また、この形状のスラグで据え込み成形を行うと、耐摩環上側は、耐摩環の内径側から外径側へ向けてエア等を排出しながら順次接触していくが、耐摩環下側はスラグと全面で接触するため、接触面の面圧が低くなり、スラグの変形が不十分となる上、エアポケットが残存若しくは多方向流動によるシワが発生する。この結果、強度的欠陥や熱伝達不良の要因となる。
また、特許文献3の方法では、スラグの肩部を切削等で形成した場合、据え込み成形後の耐摩環を挟んだスラグのファイバーフローが耐摩環の上下で異なるようになるため、耐摩環の上面側及び下面側でのかしめ力に差が生じてしまい、耐摩環の上面側及び下面側とでスラグとの結合強度が異なるようになってしまう。
特許文献4に記載のように、溶体化熱処理後に成形を行う場合、硬度が上がっている上に時効処理への影響を考慮して比較的低温での成形となるために、アルミニウムスラグの変形能は小さく、耐摩環へのアルミニウムスラグの食い込みによるアンカー効果などは期待できない。さらに、成形時には耐摩環にもパンチで押す力が伝達されて内径を拡張しようとするため、耐摩環は割れるリスクを負う。
本発明は、均一かつ高い強度で、ピストン素材に耐摩環をかしめたピストン予備成形体及びピストンを提供することを目的とする。
本発明は以下に示す通りである。
(1)ピストン素材に、耐摩環をリング溝に相当する位置にかしめ結合することで得られるピストン予備成形体であって、前記耐摩環は、その内周面に形成されたアンダーカットを有し、前記ピストン素材が前記アンダーカット内部に塑性流動して、入り込んでいることを特徴とする、ピストン予備成形体。
(2)前記アンダーカットは、島状に並んだ略円柱状の複数の突起を含み、前記複数の突起は、それぞれ高さ方向略中間部の下方側に形成されたくびれを有しており、前記ピストン素材が前記くびれ内部に塑性流動して、入り込んでいることを特徴とする、(1)に記載のピストン予備成形体。
(3)各突起の、前記くびれよりも先端側にある先端径αと、前記くびれよりも基端側にある基端径βとが、α<βの関係を満足することを特徴とする、(1)又は(2)に記載のピストン予備成形体。
(4)各突起の、前記くびれの径aが0.2mm以上であり、高さbが1mm未満であり、前記くびれの中心から突起先端に向かう直線と鉛直方向とのなす角度cが0°<c<40°であり、前記くびれの中心から突起基端に向かう直線と鉛直方向とのなす角度dが0°<d<85°であって、突起間距離eが1mm以上であることを特徴とする、(3)に記載のピストン予備成形体。
(5)(1)〜(4)のいずれか1つに記載されたピストン予備成形体の耐摩環に沿って形成されたリング溝を有することを特徴とする、ピストン。
本発明によれば、ピストン素材のリング溝に相当する位置にかしめる耐摩環の内周面にアンダーカットが形成されているので、ピストン素材に耐摩環を嵌合させて当該ピストン素材を高さ方向(軸方向)に圧縮した場合、耐摩環のアンダーカット内部にピストン素材が塑性流動するようになる。したがって、アンダーカットのアンカー効果によって、かしめた後のピストン素材と耐摩環との結合強度を増大させることができる。
また、ピストン素材と耐摩環とのかしめの際には、最初にピストン素材と耐摩環の最内径部とが接触し、その後、異物やエアなどを排出しながら外径側に向かって一方向に順次塑性流動していく。したがって、耐摩環近傍ではピストン素材のファイバーフローが切断されず、上下面側で均等となる。その結果、均一かつ高強度のピストン予備成形体及びピストンを得ることができる。
さらに、かしめの際にピストン素材とアンダーカットとの間に新生面が生じ、そこで生成される金属間化合物を介しての冶金的な接合力も得ることができる。したがって、ピストン素材と耐摩環との結合強度をさらに増大させることができる。
結果として、本発明によれば、均一かつ高い強度で、ピストン素材に耐摩環をかしめたピストン予備成形体及びピストンを提供することができる。
本発明の実施形態に係る耐摩環の一部を示す概略図である。 同じく、本発明の実施形態に係る耐摩環の一部を示す概略図である。 図1に示す耐摩環のアンダーカットを拡大して示す図である。 図2に示す耐摩環のアンダーカットを拡大して示す図である。 図1及び図3に示すアンダーカット11の略円柱状の突起111の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の工程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の工程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の工程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の工程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の工程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の工程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストンの形成方法の工程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の変形例の工程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の変形例の工程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の変形例の鍛造過程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の変形例の鍛造過程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の変形例の鍛造過程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストン予備成形体の成形方法の変形例の鍛造過程を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るピストンの形成方法の変形例の工程を示す概略図である。
以下、本発明のその他の特徴及び詳細について発明の実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態で使用する耐摩環の一部を示す概略図であり、図3及び図4は、図1及び図2に示す耐摩環のアンダーカットを拡大して示す図である。
図1及び図2に示すように、耐摩環10及び15は、その内周面にアンダーカット11及び16が配設されている。図1に示すアンダーカット11は、図3に示すように、高さ方向略中間部の下方側にくびれ112が形成された複数の略円柱状の突起111が島状に並んで構成されている。図2に示すアンダーカット16は、図4に示すように、互いに連結した複数の格子状(テトラポット状)の突起161から構成されている。
本発明ではいずれの形状のアンダーカットでもよいが、加工が容易であって、アンカー効果によるピストン素材と耐摩環との結合強度を簡易に増大させる観点からは、図1及び図3に示す、略円柱状の突起111から構成されるアンダーカット11が好ましい。一方、据え込み成形やエンジン稼働時負荷の局所的な負荷を周囲へ分散させる観点からは、図2及び図4に示す互いに連結した格子状の突起161から構成されるアンダーカット16が好ましい。
なお、かしめの際には、図1及び図3に示すアンダーカット11の場合、ピストン素材が突起111のくびれ112内に塑性流動し、これによってアンダーカット11はアンカー効果を奏し、ピストン素材と高い結合強度を示すようになる。図2及び図4に示すアンダーカット16の場合、ピストン素材が格子状の空間162内に塑性流動し、これによってアンダーカット16はアンカー効果を奏し、ピストン素材と高い結合強度を示すようになる。
アンダーカット11及び16は、例えば金属積層(3D加工)や旋盤加工によって形成することができる。なお、アンダーカット11及び16は、ピストン素材によってかしめられる耐摩環10及び15の内周面の全体に亘って形成することが好ましい。
図5は、図1及び図3に示すアンダーカット11の略円柱状の突起111の概略構成を示す図である。
図5に示すように、突起111は、高さ方向略中間部の下方側にくびれ112を有している。この場合、くびれ112よりも先端側にある先端径αと、くびれ112よりも基端側にある基端径βとが、α<βの関係を満足することが好ましい。この場合、ピストン素材を突起111の基端部にまで塑性流動させて流入させることができるので、ピストン素材とアンダーカット11、すなわち耐摩環10とのアンカー効果を増大させることができ、結合強度を増大させることができる。
また、突起111は、くびれ112の径aが0.2mm以上であり、高さbが1mm未満であり、くびれ112の中心から突起先端に向かう直線と鉛直方向とのなす角度cが0°<c<40°であり、くびれ112の中心から突起基端に向かう直線と鉛直方向とのなす角度dが0°<d<85°であって、突起間距離eが1mm以上であることが好ましい。突起111の各部の寸法を上記範囲に設定することにより、ピストン素材を突起111の基端部にまで塑性流動させて流入させることができるので、ピストン素材とアンダーカット11、すなわち耐摩環10とのアンカー効果を増大させることができ、結合強度を増大させることができる。
なお、くびれ112の径aは3mm以下であり、突起111の高さbが0.1mm以上であり、突起間距離eが25mm以下であることが好ましい。くびれ112の径aが上記値を超えて大きくなり、突起111の高さbが上記値よりも小さく、突起間距離eが上記値を超えて大きくなると、アンダーカット11のアンカー効果が減少してしまい、ピストン素材と耐摩環10との結合強度の増大を図ることができない場合がある。
また、くびれ112の、角度c及びdが上記範囲外である場合も同様である。
次に、本発明の実施形態におけるピストン予備成形体の成形方法について説明する。図6及び図7A〜図7Eは、本発明の実施形態におけるピストン予備成形体の成形方法の工程を示す概略図である。
最初に、図6に示すように、上ダイ31及び上パンチ32からなる上型35と下ダイ36及び下パンチ37からなる下型39を有するプレス装置を準備する。上型35及び下型39は、接近離間する方向に駆動される。なお、図6においては、予備成形体の成形方法を簡略化して説明するためにプレス機等の記載については省略している。
次いで、同じく図6に示すように、下型39内に例えばアルミニウム合金からなるピストン素材20を載置する。ピストン素材20は、大径の第1円柱部21、小径の第2円柱部22及び第1円柱部21の一端側と第2円柱部22の一端側とを連続させる外周面がテーパ状の中間部23を有している。
次いで、図6に示すように、例えばステンレス鋼、肌焼鋼及びマルエージング鋼等の鉄系材料からなる耐摩環10(15)を、その内周面が第2円柱部22及び中間部23の境界に向くように、上ダイ31及び下ダイ36で狭持する。また、ピストン素材20は400℃以上に加熱しておき、自在に圧縮変形できるようにしておく。
図示しないプレス機で上パンチ32及び下パンチ37をピストン素材20の軸方向に圧縮していくと、図7A及び図7Bに示すように、ピストン素材20は外径側に膨らみ最も早期にピストン素材20と耐摩環10(15)とが接触する。すなわち、ピストン素材20と耐摩環10(15)のアンダーカット11(16)が接触する。
その後、さらに圧縮を行うと、ピストン素材20に肩がないので、図7C〜図7Eに示すように、耐摩環10(15)の最内径部を始点として、アンダーカット11(16)の突起111(161)の内部にピストン素材20が塑性流動して流入するとともに、異物やエアなどを排出しながら外径側に向かって一方向に順次塑性流動していく。したがって、耐摩環10(15)近傍ではピストン素材20のファイバーフローが切断されず、上下面側で均等となる。その結果、均一かつ高強度のピストン予備成形体を得ることができる。
さらに、かしめの際にピストン素材20と耐摩環10(15)のアンダーカット11(16)との間に新生面が生じ、そこで生成される金属間化合物を介しての冶金的な接合力も得ることができる。したがって、ピストン素材20と耐摩環10(15)との結合強度をさらに増大させることができる。
結果として、本発明によれば、均一かつ高い強度で、ピストン素材20に耐摩環10(15)をかしめたピストン予備成形体を提供することができる。
なお、上述のような工程を経ることにより得たかしめ部材をピストン25として用いる場合は、例えば図8に示すように、ピストン予備成形体における耐摩環10(15)の突出部を除去した後、当該耐摩環10(15)に沿ってリング溝26を形成する。
本実施形態では、ピストン予備成形体及びピストン25の上(下)側を耐摩環10(15)で補強するために、ピストン素材20の片側寄りに耐摩環10(15)が配置されている。この場合、耐摩環10(15)を境にして上側と下側とではピストン素材20を潰す上下パンチストローク量が異なるので、独立した可動軸を2つ以上有する複動プレスを用いることが好ましい。
なお、上記実施形態では、ピストン素材20としてテーパ状の中間部23を有するものを用いたが、当然に円柱形状のものを用いることもできる。
次に、本発明の実施形態におけるピストン予備成形体の成形方法の変形例について説明する。
図9、図10及び図15は、本発明の実施形態にピストン予備成形体(ピストン)の成形方法の工程を示す概略図である。図10は、図9の破線で囲った部分を拡大して示す図である。図11〜図14は、本発明の実施形態におけるピストン予備成形体の成形方法における鍛造工程を示す概略図である。
本変形例の成形方法では、耐摩環10(15)の外周端に、当該耐摩環10(15)が略中央部に位置し、径内側方向に延在するようにして円筒管13(17)を結合してリング状素材40とし、円筒部51と、当該円筒部51から径外方向に突出した鍔部52とを有する、ピストン素材の軸方向の断面がL字状を呈するリング状ガイド部材50を用いる。
最初に、図9に示すように、上ダイ31及び上パンチ32からなる上型35と下ダイ36及び下パンチ37からなる下型39を有するプレス装置を準備し、下型39内にピストン素材20を載置する。ピストン素材20は、上記同様に、大径の第1円柱部21、小径の第2円柱部22及び第1円柱部21の一端側と第2円柱部22の一端側とを連続させる外周面がテーパ状の中間部23を有している。
次いで、図9及び図10に示すように、リング状ガイド部材50をピストン素材20の第1円柱部21に嵌合させる。この場合、リング状ガイド部材50の円筒部51の内周面がピストン素材20の第1円柱部21に嵌合するようにする。なお、円筒部51の上端部のエッジ部は面取りされており、鍔部52の先端部のエッジ部も面取りがなされている。
また、リング状ガイド部材50の円筒部51の内周面をピストン素材20の第1円柱部21に嵌合させることにより、リング状ガイド部材50の円筒部51とピストン素材20の中間部23との間に第1空隙S1が形成される。
リング状ガイド部材50は、任意の材料から構成することができるが、例えば、ピストン素材20と凝着しないような鉄鋼系の材料から構成することができる。また、セラミック材料を用いることもできる。
次いで、図9及び図10に示すように、ピストン素材20の小径の第2円柱部22に、円筒管13(17)と当該円筒管13(17)の略中央部からピストン素材20の径内側方向に突出した耐摩環10(15)を有するリング状素材40を配設する。この際、円筒管13(17)の内周面がリング状ガイド部材50の円筒部51の外周面と係合し、耐摩環10(15)の先端部がピストン素材20の小径の第2円柱部22及び中間部23の境界と当接するようにする。なお、円筒管13(17)の上端のエッジ部及び下端のエッジ部は、それぞれ面取りがなされている。
このとき、リング状素材40の円筒管13(17)とピストン素材20の第2円柱部22及び中間部23との間には第2空隙S2及び第3空隙S3が形成される。
リング状素材40の円筒管13(17)の内周面がリング状ガイド部材50の円筒部51の外周面と係合することにより、円筒管13(17)の下端と鍔部52との間には第4空隙S4が形成される。
次いで、プレス装置を駆動させて、例えば上型35を下降させる。すると、図11に示すように、ピストン素材20は押圧されて上側の材料が第2空隙S2側に膨らんで塑性流動し、リング状素材40の耐摩環10(15)を包み始める。このとき、リング状素材40の円筒管13(17)の下端とリング状ガイド部材50の鍔部52との間には第4空隙S4が形成されているので、ピストン素材20の押圧下降に従って、リング状素材40も第4空隙S4を介して下降(下側に摺動)する。
さらに押圧が進行すると、図12に示すように、ピストン素材20の塑性流動が進行して下側の材料も第1空隙S1及び第3空隙S3側に膨らみ、リング状素材40の耐摩環10(15)を包み始める。このとき、リング状素材40はさらに下降するが、当該下降は第4空隙S4によって担保される。
さらに押圧が進行すると、図13に示すように、ピストン素材20の上側及び下側の材料がそれぞれ第2空隙S2及び第1空隙S1、第3空隙S3側に膨らみ、リング状素材40の耐摩環10(15)をより包括するようになる。そして、さらに押圧が進行すると、図14に示すように、ピストン素材20の材料が型内に充満し、第1空隙S1,第2空隙S2及び第3空隙S3を埋設して、リング状素材40の耐摩環10(15)はピストン素材20内に完全にかしめられて鍛造が完了する。
上述の鍛造過程においては、耐摩環10(15)の最内径部を始点として、アンダーカット11(16)の突起111(161)の内部にピストン素材20が塑性流動して流入するとともに、異物やエアなどを排出しながら外径側に向かって一方向に順次塑性流動していく。したがって、耐摩環10(15)近傍ではピストン素材20のファイバーフローが切断されず、上下面側で均等となる。その結果、均一かつ高強度のピストン予備成形体を得ることができる。
さらに、かしめの際にピストン素材20と耐摩環10(15)のアンダーカット11(16)との間に新生面が生じ、そこで生成される金属間化合物を介しての冶金的な接合力も得ることができる。したがって、ピストン素材20と耐摩環10(15)との結合強度をさらに増大させることができる。
結果として、本発明によれば、均一かつ高い強度で、ピストン素材20に耐摩環10(15)をかしめたピストン予備成形体を提供することができる。
なお、上述のような工程を経ることにより得たピストン予備成形体をピストン25として用いる場合は、例えば図15に示すように、ピストン予備成形体の表面に露出したリング状ガイド部材50及びリング状素材40の円筒管13(17)を除去した後、ピストン素材20内にかしめられた耐摩環10(15)に対してリング溝26を形成する。
以上の変形例によれば、安価な単動プレス装置を用いても、強固に耐摩環10(15)をピストン素材20にかしめて、ピストン予備成形体を成形することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,15 耐摩環
11,16 アンダーカット
13,17 円筒管
20 ピストン素材
21 (ピストン素材の)大径の第1円柱部
22 (ピストン素材の)小径の第2円柱部
23 (ピストン素材の)外周面がテーパ状の中間部
25 ピストン
31 上ダイ
32 上パンチ
35 上型
36 下ダイ
37 下パンチ
39 下型
40 リング状素材
50 リング状ガイド部材
51 (リング状ガイド部材の)円筒部
52 (リング状ガイド部材の)鍔部

Claims (5)

  1. ピストン素材に、耐摩環をリング溝に相当する位置にかしめ結合することで得られるピストン予備成形体であって、
    前記耐摩環は、その内周面に形成されたアンダーカットを有し、前記ピストン素材が前記アンダーカット内部に塑性流動して、入り込んでいることを特徴とする、ピストン予備成形体。
  2. 前記アンダーカットは、島状に並んだ略円柱状の複数の突起を含み、
    前記複数の突起は、それぞれ高さ方向略中間部の下方側に形成されたくびれを有しており、
    前記ピストン素材が前記くびれ内部に塑性流動して、入り込んでいることを特徴とする、請求項1に記載のピストン予備成形体。
  3. 各突起の、前記くびれよりも先端側にある先端径αと、前記くびれよりも基端側にある基端径βとが、α<βの関係を満足することを特徴とする、請求項1又は2に記載のピストン予備成形体。
  4. 各突起の、前記くびれの径aが0.2mm以上であり、高さbが1mm未満であり、前記くびれの中心から突起先端に向かう直線と鉛直方向とのなす角度cが0°<c<40°であり、前記くびれの中心から突起基端に向かう直線と鉛直方向とのなす角度dが0°<d<85°であって、突起間距離eが1mm以上であることを特徴とする、請求項3に記載のピストン予備成形体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載されたピストン予備成形体の耐摩環に沿って形成されたリング溝を有することを特徴とする、ピストン。
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