JP2021164011A - インピーダンス整合膜及び電波吸収体 - Google Patents
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Abstract
【課題】虹色の模様の発生及びインピーダンス整合に関する特性の空間的なばらつきを抑制する観点から有利インピーダンス整合膜を提供する。【解決手段】インピーダンス整合膜10は、複数のドメイン11からなる。ドメイン11は、形状の異なる複数の開口部12を有する。複数の開口部12のそれぞれは、インピーダンス整合膜10の主面10fに沿って特定方向に周期的に配置されている。特定方向におけるドメイン11の大きさは、50μm以上である。【選択図】図1
Description
本発明は、インピーダンス整合膜及び電波吸収体に関する。
従来、所定の膜を用いて、電波吸収体の表面のインピーダンスを空気の特性インピーダンスに合わせるインピーダンス整合を図る技術が知られている。一方、従来、透明な電波吸収体を提供することが試みられている。
例えば、特許文献1には、透明性を有する電波吸収体が記載されている。この電波吸収体において導電性繊維からなるメッシュ面状物が抵抗層として用いられている。
ミリ波等の高周波の電波を用いたセンシングにおいて透明性を有するインピーダンス整合膜が必要になることが想定される。加えて、第5世代移動通信システム(5G)及びInternet of Things(IoT)等の多岐にわたる技術分野において、透明性を有するインピーダンス整合膜が必要になることが想定される。
高周波の電波に対応可能であり、透明性を有するインピーダンス整合膜を提供するために、インピーダンス整合膜に複数の開口部を形成することが考えられる。この場合、光の回折及び干渉によりインピーダンス整合膜において虹色の模様が発生する可能性がある。このことは、インピーダンス整合膜の外観の観点から有利であるとは言い難い。特許文献1に記載の技術では、このような虹色の模様の発生は想定されていない。
このような事情に鑑み、本発明は、高周波の電波に対応可能であるとともに透明性を有し、虹色の模様の発生を抑制しつつインピーダンス整合に関する特性の空間的なばらつきを低減する観点から有利なインピーダンス整合膜を提供する。
本発明は、
複数のドメインからなるインピーダンス整合膜であって、
前記ドメインは、形状の異なる複数の開口部を有し、
前記複数の開口部のそれぞれは、前記複数のドメインにおいて当該インピーダンス整合膜の主面に沿って特定方向に周期的に配置されており、
前記特定方向における前記ドメインの大きさは、50μm以上である、
インピーダンス整合膜を提供する。
複数のドメインからなるインピーダンス整合膜であって、
前記ドメインは、形状の異なる複数の開口部を有し、
前記複数の開口部のそれぞれは、前記複数のドメインにおいて当該インピーダンス整合膜の主面に沿って特定方向に周期的に配置されており、
前記特定方向における前記ドメインの大きさは、50μm以上である、
インピーダンス整合膜を提供する。
また、本発明は、
上記のインピーダンス整合膜と、
電波を反射する反射体と、
前記インピーダンス整合膜の厚み方向において前記インピーダンス整合膜と前記反射体との間に配置された誘電体層と、を備えた、
電波吸収体を提供する。
上記のインピーダンス整合膜と、
電波を反射する反射体と、
前記インピーダンス整合膜の厚み方向において前記インピーダンス整合膜と前記反射体との間に配置された誘電体層と、を備えた、
電波吸収体を提供する。
上記のインピーダンス整合膜は、高周波の電波に対応可能であるとともに透明性を有し、虹色の模様の発生及びインピーダンス整合に関する特性の空間的なばらつきを抑制する観点から有利である。
インピーダンス整合膜が複数の開口部を有することは、インピーダンス整合膜に透明性をもたらす観点から有利である。このようなインピーダンス整合膜が高周波の電波に対応できれば、インピーダンス整合膜の価値をさらに高めることができる。そこで、本発明者らは、高周波の電波に対応できる複数の開口部を有するインピーダンス整合膜について鋭意検討を重ねた。この検討の過程で、本発明者らは、インピーダンス整合膜において所定の大きさの開口部が等間隔で形成されていると、光の回折及び干渉により虹色の模様が発生しやすいことに気付いた。本発明者らは、さらに検討を進め、形状の異なる複数の開口部をインピーダンス整合膜に形成することにより、虹色の模様の発生を抑制できることを突き止めた。一方、本発明者らの検討によれば、インピーダンス整合の空間的なばらつきを抑制するためには、開口部の面積が空間的に大きくばらつかないことも重要である。そこで、本発明者らは、多大な試行錯誤を重ね、インピーダンス整合膜において虹色の模様の発生の抑制及びインピーダンス整合に関する特性の空間的なばらつきの抑制のための条件を見出し、本発明に係るインピーダンス整合膜を案出した。本明細書において「透明性」とは、特に説明する場合を除き、可視光に対する透明性を意味する。
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。
図1に示す通り、インピーダンス整合膜10は、複数のドメイン11からなる。図2に示す通り、ドメイン11は、形状の異なる複数の開口部12を有する。複数の開口部12のそれぞれは、インピーダンス整合膜10の主面10fに沿って特定方向に周期的に配置されている。特定方向におけるドメイン11の大きさは、50μm以上である。ドメイン11は、形状の異なる複数の開口部12を有し、例えば、形状の異なる複数の開口部12の特定方向における周期的な配置の周期に基づいて区切られる領域である。本明細書において「形状が異なる」とは、対比する2つの開口部12の一方を平行移動しても2つの開口部12の他方に完全には重ならないことを意味する。例えば、対比する2つの開口部12の一方を平行移動して2つの開口部12の他方に重ねたときに2つの開口部12の重複部分の面積が2つの開口部12の一方の面積の90%以下である場合には、2つの開口部12の一方が2つの開口部12の他方に完全には重ならないとみなすことができる。特定方向におけるドメイン11の大きさは、特定方向において隣り合う2つのドメイン11の特定方向における複数の開口部12の端同士の距離である。
インピーダンス整合膜において、所定の大きさの同一の形状の開口部が等間隔で形成されていると光の回折及び干渉により虹色の模様が発生しやすい。一方、インピーダンス整合膜10によれば、形状の異なる複数の開口部12のそれぞれが特定方向に周期的に配置されているので、特定方向における開口部12の大きさが周期的に変動する。また、複数の開口部12のそれぞれがインピーダンス整合膜10の主面10fに沿って特定方向に周期的に配置されているように、インピーダンス整合膜10は複数のドメイン11を有するので、開口部12の面積が空間的に大きくばらつくわけではない。このため、インピーダンス整合膜10によれば、インピーダンス整合に関する特性の空間的なばらつきが抑制されやすい。
インピーダンス整合膜10において、特定方向は、互いに交差する複数の並び方向を含んでいてもよい。複数の開口部12のそれぞれは、例えば、互いに交差する3つの並び方向Da、Db、及びDcに周期的に配置されている。これにより、インピーダンス整合膜10の広い範囲で、虹色の模様の発生を抑制できるとともにインピーダンス整合に関する特性の空間的なばらつきを小さくできる。互いに交差する複数の並び方向は、直交していてもよい。例えば、並び方向Daにおけるドメイン11の大きさLa、並び方向Dbにおけるドメイン11の大きさLb、及び並び方向Dcにおけるドメイン11の大きさLcのいずれか1つは、50μm以上である。望ましくは、大きさLa、Lb、及びLcが50μm以上である。
複数の開口部12を定める枠は、例えば、並び方向Da及び並び方向Dbにおいて現れるように、特定方向に並んだ複数の線状のパターンを形成していてもよく、並び方向Dcにおいて現れるように、特定方向に並んだ複数の点状のパターンを形成していてもよい。いずれの場合でも、特定方向におけるドメイン11の大きさが50μm以上であることにより、虹色の模様の発生を抑制できる。一方、複数の開口部12を定める枠が特定方向において線状のパターンを形成している場合に、その特定方向におけるドメイン11の大きさが50μm以上であることが虹色の模様の発生を抑制する観点からより望ましい。
図2に示す通り、例えば、ドメイン11において開口部12同士が隣り合っている。換言すると、隣り合う開口部12の形状が異なる。これにより、インピーダンス整合膜10において虹色の模様の発生がより抑制されやすい。
特定方向におけるドメイン11の大きさの上限は、特定の値に限定されない。
ドメイン11に含まれる複数の開口部12のそれぞれの周長の平均値PAは、特定の値に限定されない。平均値PAは、例えば、5000μm以下である。これにより、インピーダンス整合膜10が高周波の電波に対応しやすい。平均値PAは、ドメイン11に含まれる複数の開口部12のすべての周長の合計を複数の開口部12の数で除することによって決定できる。
平均値PAは、望ましくは4000μm以下であり、より望ましくは3000μm以下であり、さらに望ましくは2000μm以下であり、特に望ましくは1000μm以下である。平均値PAは、例えば10μm以上であり、20μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよい。
図2に示す通り、ドメイン11に含まれる複数の開口部12のすべての形状が異なっていてもよい。これにより、インピーダンス整合膜10において虹色の模様の発生がより抑制されやすい。
ドメイン11に含まれる開口部12の数は、特定の値に限定されない。ドメイン11に含まれる開口部12の数は、例えば3以上であり、4以上であってもよく、5以上であってもよい。開口部12の数は、平方数であってもよいし、平方数以外の整数であってもよい。
ドメイン11の形状は、特定の形状に限定されない。ドメイン11の形状は、例えば、同一形状のドメイン11が隙間なく平面上に存在するように構成された多角形状である。ドメイン11の形状は、例えば、正方形状又は長方形状である。
インピーダンス整合膜10のシート抵抗は、特定の値に限定されない。インピーダンス整合膜10は、例えば、200〜1000Ω/□のシート抵抗を有する。これにより、インピーダンス整合膜10によって、高周波の電波に対するインピーダンス整合が良好になされやすい。インピーダンス整合膜10のシート抵抗は、例えば、渦電流法に従って測定できる。
インピーダンス整合膜10のシート抵抗は、250Ω/□以上であってもよく、300Ω/□以上であってもよく、350Ω/□以上であってもよい。インピーダンス整合膜10のシート抵抗は、950Ω/□以下であってもよく、900Ω/□以下であってもよく、850Ω/□以下であってもよい。
インピーダンス整合膜10の厚みtは、特定の値に限定されない。厚みtは、例えば5nm以上である。この場合、インピーダンス整合膜10のシート抵抗が長期間変動しにくく、インピーダンス整合膜10は高い耐久性を発揮しやすい。
インピーダンス整合膜10の厚みtは、10nm以上であってもよく、15nm以上であってもよい。厚みtは、例えば、500nm以下である。これにより、インピーダンス整合膜10の反りを抑制しやすく、インピーダンス整合膜10においてクラックが発生しにくい。厚みtは、450nm以下であってもよく、400nm以下であってもよい。
インピーダンス整合膜10における開口率は、特定の値に限定されない。インピーダンス整合膜10における開口率は、例えば40%以上であってもよい。一方、インピーダンス整合膜10における開口率は、望ましくは65%以上である。これにより、インピーダンス整合膜10が高い透明性を有しやすい。インピーダンス整合膜10における開口率は、インピーダンス整合膜10を平面視したときの複数の開口部12の開口面積Saとインピーダンス整合膜10の非開口部の面積Sbとの和Sa+Sbに対する、複数の開口部12の開口面積Saの比Sa/(Sa+Sb)である。
インピーダンス整合膜10における開口率は、より望ましくは70%以上であり、さらに望ましくは75%以上である。インピーダンス整合膜10における開口率は、例えば99%以下であり、98%以下であってもよく、97%以下であってもよい。
複数の開口部12は、特定の形状に限定されない。複数の開口部12は、例えば、平面視で正方形状又は長方形状である。
インピーダンス整合膜10をなす材料は、特定の材料に限定されない。インピーダンス整合膜10をなす材料は、金属、合金、及び金属酸化物等の無機材料であってもよいし、導電性高分子及びカーボンナノチューブ等の有機材料であってもよい。
インピーダンス整合膜10は、複数の貫通孔が形成された均一な厚みを有する膜であってもよいし、織物であってもよい。織物をなす繊維は、導電性高分子及びカーボンナノチューブ等の有機材料であってもよいし、金属及び合金等の無機材料であってもよい。
図3に示す通り、インピーダンス整合膜10は、例えば、基材22の一方の主面上に形成されていてもよい。この場合、インピーダンス整合膜付フィルム15によってインピーダンス整合膜10が提供されうる。なお、基材22が使用されることなく、インピーダンス整合膜10が単独で提供されてもよい。
基材22は、例えば、インピーダンス整合膜10を支持する支持体としての役割を果たす。インピーダンス整合膜付フィルム15におけるインピーダンス整合膜10は、例えば、スパッタリング等の成膜法によって基材22の一方の主面上に形成された無孔の膜にレーザー加工又はエッチング等によって複数の開口部11を形成することによって作製できる。場合によっては、イオンプレーティング又はコーティング(例えば、バーコーティング)等の成膜法によってインピーダンス整合膜10のための無孔の膜が形成されてもよい。
基材22は、例えば10〜150μmの厚みを有し、望ましくは15〜100μmの厚みを有する。これにより、基材22の曲げ剛性が低く、かつ、インピーダンス整合膜10を形成する場合に基材22において皺の発生又は変形を抑制できる。
ドメイン11は、例えば、図4A、図4B、図4C、図4D、図4E、図4F、図4G、及び図4Hに示すように構成されていてもよい。
図4A〜図4Eに示す通り、ドメイン11は、形状の異なる複数の開口部12を有する限り、同一の形状の開口部12を有していてもよい。また、図4C〜図4Eに示す通り、同一の形状の開口部12が隣り合っていてもよい。このような場合でも、等間隔で形成された同一形状の開口部のみを開口部として有するインピーダンス整合膜と比べると、虹色の模様の発生が抑制されやすい。
図4Fに示す通り、ドメイン11において、開口部12の形状は円状であってもよい。この場合、ドメイン11の形状は、例えば、平行四辺形状である。一方、ドメイン11の形状は、正方形状又は長方形状であってもよい。
図4Gに示す通り、ドメイン11において、開口部12の形状は正六角形状であってもよい。この場合、ドメイン11の形状は、例えば、平行四辺形状である。一方、ドメイン11の形状は、正方形状又は長方形状であってもよい。
図4Hに示す通り、ドメイン11において、開口部12の形状は三角形状であってもよい。この場合、ドメイン11の形状は、例えば、一対の平行四辺形が一辺を共有するように線対称に配置されることによって形成される六角形状である。
ドメイン11において、開口部11の形状は、他の多角形状又は楕円状であってもよい。ドメイン11の形状は、他の多角形状であってもよい。
図1に示す通り、インピーダンス整合膜10は、例えば、1種類のドメイン11のみによって形成されている。インピーダンス整合膜10は、2種類以上のドメイン11によって形成されていてもよい。この場合、特定方向において、同一種類のドメイン11が隣り合っていてもよいし、複数種類のドメイン11が代わる代わる存在していてもよい。
図5Aに示す通り、例えば、インピーダンス整合膜10を用いて電波吸収体1aを提供できる。電波吸収体1aは、インピーダンス整合膜10と、電波を反射する反射体30と、誘電体層20とを備えている。誘電体層20は、インピーダンス整合膜10の厚み方向においてインピーダンス整合膜10と反射体30との間に配置されている。
電波吸収体1aは、例えば、λ/4型の電波吸収体である。電波吸収体1aに吸収対象とする波長λOの電波が入射すると、インピーダンス整合膜10の表面での反射(表面反射)による電波と、反射体30における反射(裏面反射)による電波とが干渉するように、電波吸収体1aが設計されている。λ/4型の電波吸収体においては、下記の式(1)に示す通り、誘電体層の厚みt及び誘電体層の比誘電率εrによって吸収対象の電波の波長λOが決定される。すなわち、誘電体層の比誘電率及び厚みを適宜調節することにより、吸収対象の波長の電波を設定できる。式(1)においてsqrt(εr)は、比誘電率εrの平方根を意味する。
λO=4t×sqrt(εr) 式(1)
λO=4t×sqrt(εr) 式(1)
電波吸収体1aは、例えば、10GHz以上の所定の周波数域において電波を吸収できるように構成されている。電波吸収体1aが吸収可能な電波の周波数域の例は、以下の通りである。以下の電波は、各国において5G用の電波としての使用が検討されている。
27.5〜29.5GHz
27.5〜28.35GHz
24.25〜24.45GHz
24.75〜25.25GHz
37〜38.6GHz
38.6〜40GHz
47.2〜48.2GHz
64〜71GHz
24.25〜27.5GHz
40.5〜43.5GHz
66〜71GHz
24.75〜27.5GHz
37〜42.5GHz
27.5〜29.5GHz
31.8〜33.4GHz
37〜40.5GHz
27.5〜29.5GHz
27.5〜28.35GHz
24.25〜24.45GHz
24.75〜25.25GHz
37〜38.6GHz
38.6〜40GHz
47.2〜48.2GHz
64〜71GHz
24.25〜27.5GHz
40.5〜43.5GHz
66〜71GHz
24.75〜27.5GHz
37〜42.5GHz
27.5〜29.5GHz
31.8〜33.4GHz
37〜40.5GHz
電波吸収体1aが吸収可能な電波の周波数域の別の例は、以下の通りである。以下の電波は、ミリ波レーダー用の電波として利用されうる。
21.65〜26.65GHz
60〜61GHz
76〜77GHz
77〜81GHz
94.7〜95GHz
139〜140GHz
21.65〜26.65GHz
60〜61GHz
76〜77GHz
77〜81GHz
94.7〜95GHz
139〜140GHz
電波吸収体1aは、例えば、10GHz以上の吸収ピーク周波数を有する。これにより、所望の高周波の電波を吸収できる。
吸収ピーク周波数fpは、電波吸収体1aに対し、反射減衰量|S|が最大となる電波の周波数である。反射減衰量|S|は、下記の式(2)で算出されるSの絶対値である。式(2)において、P0は、測定対象に電波を所定の入射角度で入射させた場合における送信電波の電力であり、Piは、その場合における受信電波の電力である。電波吸収体1aに対する反射減衰量|S|の値は、例えば、アルミニウム等の基準金属の板材に電波を所定の入射角度で入射させた場合における反射減衰量|S|の値を0dBとみなして決定される。電波吸収体1aにおいて吸収ピーク周波数fpの電波の表面反射が適切に生じ、電波吸収体1aが吸収ピーク周波数fpの電波を良好に吸収できる。
S[dB]=10×log|Pi/P0| 式(2)
S[dB]=10×log|Pi/P0| 式(2)
電波吸収体1aは、10GHz以上の所定の周波数域において、例えば、10dB以上の反射減衰量を示し、望ましくは20dB以上の反射減衰量を示す。
反射体30は、吸収対象の電波を反射できる限り特定の形態に限定されない。反射体30は、例えば透明導電膜である。この場合、反射体30が透明性を有し、電波吸収体1aの全体を透明にしやすい。透明導電膜をなす材料は、アルミニウム等の金属、合金、及び金属酸化物等の無機材料であってもよいし、導電性高分子及びカーボンナノチューブ等の有機材料であってもよい。反射体30は、不透明な導電膜であってもよい。このような導電膜をなす材料は、アルミニウム等の金属、合金、及び金属酸化物等の無機材料であってもよいし、導電性高分子及びカーボンナノチューブ等の有機材料であってもよい。
透明導電膜は、例えば、透明導電膜の主面に沿って形成された複数の開口部31を有する。このような構成によれば、反射体30は、吸収対象の電波を適切に反射でき、かつ、所望の透明性を有しやすい。透明導電膜は無孔の膜であってもよい。
反射体30が複数の開口部31を有する場合、インピーダンス整合膜10は、複数の貫通孔が形成された均一な厚みを有する膜であってもよいし、織物であってもよい。織物をなす繊維は、導電性高分子及びカーボンナノチューブ等の有機材料であってもよいし、金属及び合金等の無機材料であってもよい。
反射体30における複数の開口部31の形状は、特定の形状に限定されない。複数の開口部31の形状は、例えば、平面視で、三角形状、正方形及び長方形等の四角形状、六角形状、その他の多角形状、円状、又は楕円状であってもよい。
反射体30における複数の開口部31の配置は、特定の配置に限定されない。複数の開口部31は、例えば、複数の開口部31の中心が正方形格子及び平行四辺形格子等の平面格子をなすように配置されていてもよい。
誘電体層20は、例えば、2.0〜20.0の比誘電率を有する。この場合、誘電体層20の厚みを調整しやすく、電波吸収体1aの電波吸収性能の調整が容易である。誘電体層20の比誘電率は、例えば、空洞共振法に従って測定される10GHzにおける比誘電率である。
誘電体層20は、例えば、所定の高分子によって形成されている。誘電体層20は、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル系エラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1つの高分子を含む。この場合、誘電体層20の厚みを調整しやすく、かつ、電波吸収体1aの製造コストを低く保つことができる。誘電体層20は、例えば、所定の樹脂組成物を熱プレスすることによって作製できる。
誘電体層20は、単一の層として形成されていてもよいし、同一又は異なる材料でできた複数の層によって形成されていてもよい。誘電体層20がn個の層(nは2以上の整数)を有する場合、誘電体層20の比誘電率は、例えば、以下の様にして決定される。各層の比誘電率εiを測定する(iは、1〜nの整数)。次に、測定された各層の比誘電率εiにその層の厚みtiの誘電体層20の全体Tに対する厚みの割合を乗じて、εi×(ti/T)を求める。すべての層に対するεi×(ti/T)を加算することによって、誘電体層20の比誘電率を決定できる。
図5Aに示す通り、誘電体層20は、例えば、第一層21、第二層22、及び第三層23を備えている。第一層21は、第二層22と第三層23との間に配置されている。第一層21は、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1つの高分子を含む。
電波吸収体1aにおいて、第二層22は、インピーダンス整合膜10にとっての基材を兼ねている。第二層22は、例えば、インピーダンス整合膜10よりも反射体30に近い位置に配置されている。図5Bに示す通り、第二層22は、インピーダンス整合膜10よりも反射体30から遠い位置に配置されていてもよい。この場合、第一層21及び第三層23によって誘電体層20が構成される。この場合、第二層22によって、インピーダンス整合膜10及び誘電体層20が保護され、電波吸収体1aが高い耐久性を有する。この場合、例えば、インピーダンス整合膜10が第一層21に接触していてもよい。第二層22の材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、又はシクロオレフィンポリマー(COP)である。なかでも、良好な耐熱性と、寸法安定性と、製造コストとのバランスの観点から、第二層22の材料は、望ましくはPETである。
電波吸収体1aにおいて、第三層23は、例えば、反射体30を支持している。この場合、反射体30は、例えば、スパッタリング、イオンプレーティング、又はコーティング(例えば、バーコーティング)等の方法を用いて第三層23上に成膜することによって作製されてもよい。さらに、レーザー加工及びエッチング等によって複数の開口部31が形成されてもよい。図5Aに示す通り、第三層23は、例えば、電波吸収体1aにおいて、反射体30よりもインピーダンス整合膜10に近い位置に配置されており、誘電体層20の一部を構成している。なお、図5Cに示す通り、第三層23は、反射体30よりもインピーダンス整合膜10から遠い位置に配置されていてもよい。この場合、例えば、反射体30が第一層21に接触している。
第三層23の材料として、例えば、第二層22の材料として例示された材料を使用できる。第三層23の材料は、第二層22の材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。良好な耐熱性と、寸法安定性と、製造コストとのバランスの観点から、第三層23の材料は、望ましくはPETである。
第三層23は、例えば10〜150μmの厚みを有し、望ましくは15〜100μmの厚みを有する。これにより、第三層23の曲げ剛性が低く、かつ、反射体30を形成する場合に第三層23において皺の発生又は変形を抑制できる。なお、第三層23は、場合によっては省略可能である。
第一層21は、複数の層によって構成されていてもよい。特に、図5B又は図5Cに示す通り、インピーダンス整合膜10及び反射体30の少なくとも1つに第一層21が接触している場合に、第一層21は複数の層によって構成されうる。
第一層21は、粘着性を有していてもよいし、粘着性を有していなくてもよい。第一層21が粘着性を有する場合、第一層21の両主面の少なくとも一方に粘着層が接して配置されてもよいし、その両主面に接するように粘着層が配置されていなくてもよい。第一層21が粘着性を有しない場合、望ましくは、第一層21の両主面に接して粘着層が配置される。なお、誘電体層20が第二層22を含む場合、第二層22が粘着性を有しなくても、第二層22の両主面に接するように粘着層が配置されなくてもよい。この場合、第二層22の一方の主面に接して粘着層が配置されうる。誘電体層20が第三層23を含む場合、第三層23が粘着性を有しなくても、第三層23の両主面に接して粘着層が配置されなくてもよい。この場合、第三層23の少なくとも一方の主面に接して粘着層が配置されうる。粘着層は、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、又はウレタン系粘着剤を含んでいる。粘着剤を含む粘着層の厚みは、特定の値に限定されないが、例えば3〜50μmであり、望ましくは5〜30μmである。
電波吸収体1aは、誘電損失材料及び磁性損失材料の少なくとも1つを含んでいてもよい。換言すると、電波吸収体1aは、誘電損失型の電波吸収体であってもよいし、磁性損失型の電波吸収体であってもよい。誘電体層20が、誘電損失材料及び磁性損失材料の少なくとも1つを含んでいてもよい。インピーダンス整合膜10をなす材料は磁性体であってもよい。
電波吸収体1aは、様々な観点から変更可能である。例えば、電波吸収体1aは、図6に示す電波吸収体1bのように変更されてもよい。電波吸収体1bは、特に説明する部分を除き、電波吸収体1aと同様に構成されている。電波吸収体1aの構成要素と同一又は対応する電波吸収体1bの構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。電波吸収体1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り電波吸収体1bにも当てはまる。
図6に示す通り、電波吸収体1bは、粘着層40aをさらに備えている。電波吸収体1bにおいて、反射体30は、誘電体層20と粘着層40aとの間に配置されている。
例えば、所定の物品に粘着層40aを接触させて電波吸収体1bを押し当てることによって、電波吸収体1bを物品に貼り付けることができる。これにより、電波吸収体付物品を得ることができる。
粘着層40aは、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、又はウレタン系粘着剤を含んでいる。電波吸収体1bは、セパレータ(図示省略)をさらに備えていてもよい。この場合、セパレータは、粘着層40aを覆っている。セパレータは、典型的には、粘着層40aを覆っているときに粘着層40aの粘着力を保つことができ、かつ、粘着層40aから容易に剥離できるフィルムである。セパレータは、例えば、PET等のポリエステル樹脂製のフィルムである。セパレータを剥離することによって粘着層40aが露出し、電波吸収体1bを物品に貼り付けることができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。まず、実施例及び比較例に関する評価方法について説明する。
[TEM観察]
集束イオンビーム加工観察装置(日立ハイテクノロジーズ社製、製品名:FB−2000A)を用いて、実施例及び比較例に係る無孔膜及び実施例及び比較例に係る合金膜付フィルムにおける合金膜の断面観察用サンプルを作製した。その後、電界放射型透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、製品名:HF−2000)を用いて、断面観察用サンプルを観察し、実施例及び比較例に係る無孔膜の厚みを測定した。この無孔膜の厚みを、実施例及び比較例に係る合金膜付フィルムにおける合金膜の厚みとみなした。
集束イオンビーム加工観察装置(日立ハイテクノロジーズ社製、製品名:FB−2000A)を用いて、実施例及び比較例に係る無孔膜及び実施例及び比較例に係る合金膜付フィルムにおける合金膜の断面観察用サンプルを作製した。その後、電界放射型透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、製品名:HF−2000)を用いて、断面観察用サンプルを観察し、実施例及び比較例に係る無孔膜の厚みを測定した。この無孔膜の厚みを、実施例及び比較例に係る合金膜付フィルムにおける合金膜の厚みとみなした。
[シート抵抗]
ナプソン社製の非接触式抵抗測定装置NC-80LINEを用いて、日本産業規格JIS Z 2316に準拠して、渦電流法によって各実施例及び各比較例に係る合金膜付フィルムにおける合金膜のシート抵抗を測定した。結果を表2に示す。
ナプソン社製の非接触式抵抗測定装置NC-80LINEを用いて、日本産業規格JIS Z 2316に準拠して、渦電流法によって各実施例及び各比較例に係る合金膜付フィルムにおける合金膜のシート抵抗を測定した。結果を表2に示す。
[外観の確認]
各実施例及び比較例に係るサンプルの合金膜付フィルムに白色光源からの光を照射した状態で、虹色の模様が確認されるか否かを確認し、虹色の模様が確認されなかった場合を「A」と評価し、虹色の模様が確認された場合を「X」と評価した。結果を表2に示す。
各実施例及び比較例に係るサンプルの合金膜付フィルムに白色光源からの光を照射した状態で、虹色の模様が確認されるか否かを確認し、虹色の模様が確認されなかった場合を「A」と評価し、虹色の模様が確認された場合を「X」と評価した。結果を表2に示す。
[電波吸収性能]
JIS R 1679:2007を参考に、アンリツ社製のベクトルネットワークアナライザーを用いて、サンプルホルダーに固定された各実施例及び各比較例に係るサンプルに対し、60〜90GHzの周波数の電波を0°の入射角度で入射させ、上記の式(2)に従って各周波数における反射減衰量|S|を特定した。なお、各実施例及び各比較例に係るサンプルの代わりに、アルミニウム製の板材をサンプルホルダーに固定してこの板材に電波を垂直に入射させた場合の反射減衰量|S|を0dBとみなして各サンプルの反射減衰量|S|を決定した。この板材は30cm平方の面寸法を有し、この板材の厚みは5mmであった。各サンプルにおける反射減衰量|S|の最大値、その最大値を示す周波数(吸収ピーク周波数fp)を決定した。反射減衰量|S|の最大値が10dB以上である場合に良好な電波吸収性能を有すると評価できる。結果を表2に示す。
JIS R 1679:2007を参考に、アンリツ社製のベクトルネットワークアナライザーを用いて、サンプルホルダーに固定された各実施例及び各比較例に係るサンプルに対し、60〜90GHzの周波数の電波を0°の入射角度で入射させ、上記の式(2)に従って各周波数における反射減衰量|S|を特定した。なお、各実施例及び各比較例に係るサンプルの代わりに、アルミニウム製の板材をサンプルホルダーに固定してこの板材に電波を垂直に入射させた場合の反射減衰量|S|を0dBとみなして各サンプルの反射減衰量|S|を決定した。この板材は30cm平方の面寸法を有し、この板材の厚みは5mmであった。各サンプルにおける反射減衰量|S|の最大値、その最大値を示す周波数(吸収ピーク周波数fp)を決定した。反射減衰量|S|の最大値が10dB以上である場合に良好な電波吸収性能を有すると評価できる。結果を表2に示す。
<実施例1>
Al(アルミニウム)のターゲット材及びSi(ケイ素)のターゲット材を用い、かつ、プロセスガスとしてアルゴンガスを用いて、DCマグネトロンスパッタリングを行い、PETフィルムの上にAl−Si合金膜を形成した。DCマグネトロンスパッタリングにおいて、Al(アルミニウム)のターゲット材が関与する放電と、Si(ケイ素)のターゲット材が関与する放電とを同時に行った。このようにして、PETフィルムの上に実施例1に係る無孔膜を形成した。この無孔膜は、30nmの厚みを有していた。次に、メタルレーザーパターン加工機を用いて、実施例1に係る無孔膜に16個の開口部を有する280μm平方の正方形状のドメインが主面に沿って繰り返し形成されるように開口部を形成した。ドメインにおいて、表1に示す寸法の正方形状又は長方形状の16個の開口部がマトリクス状に形成されていた。表1の各セルにおいて、左側の数値がマトリクスの行に沿って延びる方向における開口部の寸法を示し、右側の数値がマトリクスの列に沿って延びる方向における開口部の寸法を示す。最近接の開口部同士の距離は10μmであった。
Al(アルミニウム)のターゲット材及びSi(ケイ素)のターゲット材を用い、かつ、プロセスガスとしてアルゴンガスを用いて、DCマグネトロンスパッタリングを行い、PETフィルムの上にAl−Si合金膜を形成した。DCマグネトロンスパッタリングにおいて、Al(アルミニウム)のターゲット材が関与する放電と、Si(ケイ素)のターゲット材が関与する放電とを同時に行った。このようにして、PETフィルムの上に実施例1に係る無孔膜を形成した。この無孔膜は、30nmの厚みを有していた。次に、メタルレーザーパターン加工機を用いて、実施例1に係る無孔膜に16個の開口部を有する280μm平方の正方形状のドメインが主面に沿って繰り返し形成されるように開口部を形成した。ドメインにおいて、表1に示す寸法の正方形状又は長方形状の16個の開口部がマトリクス状に形成されていた。表1の各セルにおいて、左側の数値がマトリクスの行に沿って延びる方向における開口部の寸法を示し、右側の数値がマトリクスの列に沿って延びる方向における開口部の寸法を示す。最近接の開口部同士の距離は10μmであった。
10重量%のSnO2を含有するITOのターゲット材を用い、プロセスガスとしてアルゴン及び酸素を用いて、DCマグネトロンスパッタリングを行い、PETフィルムの上にITO膜を形成した。その後、温度150℃の条件でITO膜のアニール処理を1時間行って、ITOを多結晶化させ、反射体付フィルムを得た。反射体付フィルムの反射体のシート抵抗は20Ω/□であった。次に、2.6の比誘電率を有するアクリル樹脂を550μmの厚みに成形して、アクリル樹脂層Aを得た。実施例1に係る合金膜付フィルムの合金膜がアクリル樹脂層Aに接触するように実施例1に係る合金膜付フィルムをアクリル樹脂層Aに重ねた。次に、反射体付フィルムにおけるITOがアクリル樹脂層Aに接触するように反射体付フィルムをアクリル樹脂層Aに重ねた。このようにして、実施例1に係るサンプルを得た。
<比較例1>
実施例1と同様にして、PETフィルムの上に比較例1に係る無孔膜を形成した。無孔膜の厚みは、30nmであった。次に、メタルレーザーパターン加工機を用いて、比較例1に係る無孔膜に正方格子をなすように正方形状の複数の開口部を等間隔で形成し、比較例1に係る合金膜付フィルムを得た。比較例1に係る合金膜付フィルムの平面視において、複数の開口部が等間隔で配置された方向における開口部の大きさは35μmであり、最近接の開口部同士の距離は10μmであった。
実施例1と同様にして、PETフィルムの上に比較例1に係る無孔膜を形成した。無孔膜の厚みは、30nmであった。次に、メタルレーザーパターン加工機を用いて、比較例1に係る無孔膜に正方格子をなすように正方形状の複数の開口部を等間隔で形成し、比較例1に係る合金膜付フィルムを得た。比較例1に係る合金膜付フィルムの平面視において、複数の開口部が等間隔で配置された方向における開口部の大きさは35μmであり、最近接の開口部同士の距離は10μmであった。
実施例1に係る合金膜付フィルムの代わりに、比較例1に係る合金膜付フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係るサンプルを得た。
1a、1b 電波吸収体
10 インピーダンス整合膜
10f 主面
11 ドメイン
12 開口部
20 誘電体層
30 反射体
10 インピーダンス整合膜
10f 主面
11 ドメイン
12 開口部
20 誘電体層
30 反射体
Claims (9)
- 複数のドメインからなるインピーダンス整合膜であって、
前記ドメインは、形状の異なる複数の開口部を有し、
前記複数の開口部のそれぞれは、前記複数のドメインにおいて当該インピーダンス整合膜の主面に沿って特定方向に周期的に配置されており、
前記特定方向における前記ドメインの大きさは、50μm以上である、
インピーダンス整合膜。 - 前記特定方向は、互いに交差する複数の並び方向を含む、請求項1に記載のインピーダンス整合膜。
- 前記ドメインにおいて前記開口部同士が隣り合っている、請求項1又は2に記載のインピーダンス整合膜。
- 前記ドメインに含まれる前記複数の開口部のそれぞれの周長の平均値は、5000μm以下である、請求項1又は2に記載のインピーダンス整合膜。
- 前記ドメインに含まれる前記複数の開口部のすべての形状が互いに異なる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインピーダンス整合膜。
- 200〜1000Ω/□のシート抵抗を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインピーダンス整合膜。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインピーダンス整合膜と、
電波を反射する反射体と、
前記インピーダンス整合膜の厚み方向において前記インピーダンス整合膜と前記反射体との間に配置された誘電体層と、を備えた、
電波吸収体。 - 前記反射体は、透明導電膜である、請求項7に記載の電波吸収体。
- 10GHz以上の吸収ピーク周波数を有する、請求項7又は8に記載の電波吸収体。
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