JP2021164007A - 映像表示システム、映像表示方法、及び、車両 - Google Patents

映像表示システム、映像表示方法、及び、車両 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の運転者の死角を少なくし、運転の安全性を高める。【解決手段】映像表示システムは、車両内に設置され、映像を照射するプロジェクタと、車両内に設置可能であり、プロジェクタから照射された映像を表示可能な透過型又は反射型のスクリーンと、車両の運転者から見た死角が存在する位置にスクリーンが設置された場合、車両に備えられたカメラによって撮像された死角の先の車外の映像を、プロジェクタからスクリーンに照射する表示制御装置とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、映像表示システム、映像表示方法、及び、車両に関する。
従来、運転者から死角となる領域を撮影した映像を車内の液晶ディスプレイに表示することにより、安全性を高める技術が知られている。特許文献1には、取得された視点位置の情報と液晶ディスプレイの設置状態の情報とに基づいて、運転者の視点位置から液晶ディスプレイの設置領域が透過して車外が見えた場合と同じ映像が液晶ディスプレイに表示されるように、撮影装置により撮影された映像を座標変換する車両周囲映像提供装置が開示されている。特許文献1に開示の技術によれば、あたかも液晶ディスプレイが透過して車外が見えるかのように、液晶ディスプレイに映像表示が行われる。
特開2007−96638号公報
しかしながら、液晶ディスプレイの外周は不透明な筐体枠で囲まれているため、運転者の死角の一例であるピラーの手前に液晶ディスプレイを設置し、特許文献1に開示の方法によって当該液晶ディスプレイに車外の映像を表示したとしても、液晶ディスプレイの筐体枠が死角となってしまう。
本開示の目的は、車両の運転者の死角を少なくし、運転の安全性を高める技術を提供することにある。
本開示に係る映像表示システムは、車両内に設置され、映像を照射するプロジェクタと、前記車両内に設置可能であり、前記プロジェクタから照射された前記映像を表示可能な透過型又は反射型のスクリーンと、前記車両の運転者から見た死角が存在する位置に前記スクリーンが設置された場合、前記車両に備えられたカメラによって撮像された前記死角の先の車外の映像を、前記プロジェクタから前記スクリーンに照射する表示制御装置と、を備える。
本開示に係る映像表示方法は、プロジェクタから照射した映像を透過型又は反射型のスクリーンに表示させる映像表示方法であって、表示制御装置が、車両内における前記スクリーンが設置された位置を特定し、特定した前記スクリーンの位置が前記車両の運転者から見た死角が存在する位置である場合、前記車両に備えらえたカメラによって撮像された前記死角の先の車外の映像を、前記プロジェクタから前記スクリーンに照射する。
本開示に係る車両は、車両に設置され、車外を撮影するカメラと、前記車両内に設置され、映像を照射するプロジェクタと、前記車両内に設置可能であり、前記プロジェクタから照射された前記映像を表示可能な透過型又は反射型のスクリーンと、前記車両の運転者から見た死角が存在する位置に前記スクリーンが設置された場合、前記カメラによって撮像された前記死角の先の車外の映像を、前記プロジェクタから前記スクリーンに照射する表示制御装置と、を備える。
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示によれば、車両の運転者の死角を少なくし、運転の安全性を高めることができる。
実施の形態1に係る車両の構成例を示す図 透明スクリーンが助手席側のAピラーの手前の位置に設置された例を示す図 透明スクリーンが運転席と助手席の間の位置に設置された例を示す図 高低差のある路面を走行する車両の一例を示す図 透明スクリーンがダッシュボードの中央の位置に設置された例を示す図 実施の形態1に係る映像表示システムの構成例を示す図 実施の形態1に係る支持器具の構成例を示す図 実施の形態1に係る表示制御装置の処理例を示すフローチャート 実施の形態2に係る車両の構成例を示す図 本開示に係る表示制御装置のハードウェア構成例を示す図
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
<映像表示システムの概要>
図1は、実施の形態1に係る車両1の構成例を示す図である。
本実施の形態では、持ち運び可能かつ透過型又は反射型のスクリーン(以下「透明スクリーン」という)19(図2A、図2B参照)を車内に持ち込み、様々な用途に利用する。
透明スクリーン19は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイと異なり、外周に不透明な筐体枠を有しない構成である。また、透明スクリーン19は、自らは光源(例えばLED素子、有機EL素子)を有さず、プロジェクタ30から照射された映像を表示する。これにより、透明スクリーン19は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイと比べて、安価かつ軽量である。ただし、透明スクリーン19は、上述した透過型又は反射型に限られず、例えば、自発光型のフィルムを備えるものであってもよい。
透明スクリーン19は、車両1内における複数の所定の位置のいずれかの位置に設置される。複数の所定の位置は、例えば、運転席側のAピラーの手前の位置20A、助手席側のAピラーの手間の位置20B、運転席後方のBピラーの手前の位置20C、助手席後方のBピラーの手前の位置20D、運転席と助手席の間の位置20E、助手席の手前の位置20F、運転席の後ろの位置20G、助手席の後ろの位置20H、及び、ダッシュボードの中央の位置20Iである。ただし、透明スクリーン19が設置される複数の所定の位置は、これらの例に限られない。また、各位置20A〜20Iには、透明スクリーン19を着脱可能であり、透明スクリーン19を支持する器具(以下「支持器具」という)15(図4参照)が設けられてよい。
車両1の運転者又は同乗者は、透明スクリーン19を車両1内に持ち込んで、上記のいずれかの位置20A〜20Iに設置してよい。
車両1内には、透明スクリーン19に映像を照射するプロジェクタ30が設置される。例えば、プロジェクタ30は、車両1内の座席に着席した人物によってプロジェクタ30から透明スクリーン19に照射される光線が妨げられない位置に設置される。プロジェクタ30は、例えば車両1内の天井の中央付近に設置される。
表示制御装置100(図3参照)は、透明スクリーン19が設置された位置に応じて、車両1の運転者向けの映像及び車両1の同乗者向けの映像の内のどちらを透明スクリーン19に表示させるかを決定し、その決定した方の映像をプロジェクタ30から透明スクリーン19に照射する。
例えば、透明スクリーン19が、運転者から見た死角が存在する位置に設置された場合、表示制御装置100は、運転者向けの映像を透明スクリーン19に表示させることを決定する。運転者向けの映像は、例えば、運転者から見た死角の先の車外の映像である。当該車外の映像は、例えば、車両1に備えられた、車両1の外を撮影する車外カメラ50(50A、50B、50C、50D、50E)によって撮影される。車外カメラ50Aは、左ドアミラーに設けられ、車両1の左側を撮影する。車外カメラ50Bは、右ドアミラーに設けられ、車両1の右側を撮影する。車外カメラ50Cは、フロントガラスの上部中央に設けられ、車両1の前方を撮影する。車外カメラ50Dは、フロントグリルの中央に設けられ、車両1の前方を撮影する。車外カメラ50Eは、リアバンパーの中央に設けられ、車両1の後方を撮影する。なお、車外カメラ50が設置される位置は、これらの例に限られない。例えば、車外カメラ50は、Aピラー、Bピラー、Cピラーといったピラー部に設けられてもよい。このように、ピラー部にも車外カメラ50を設けることにより、撮影した画像の補正(例えば遠近補正及び/又は台形補正)が容易になる。
例えば、図2Aに示すように、透明スクリーン19が、助手席側のAピラーの手前の位置20Bに設置された場合、表示制御装置100は、次の動作を行う。すなわち、表示制御装置100は、車外カメラ50Bが撮影した車外の映像に基づいて、運転者から見て死角となっているAピラーの先の車外の映像を生成し、その生成した車外の映像をプロジェクタ30から位置20Bに設置された透明スクリーン19に照射する。これにより、運転者は、位置20Bに設置された透明スクリーン19に表示された車外の映像から、助手席側のAピラーの先の状況を視認できるので、より安全に運転できる。
例えば、図2Bに示すように、透明スクリーン19が、運転席と助手席の間の位置20Eに設置された場合、表示制御装置100は、次の動作を行う。すなわち、表示制御装置100は、車外カメラ50Eが撮像した車外の映像に基づいて、運転者から見て死角となっている車両1の後方の車外の映像を生成し、その生成した車外の映像をプロジェクタ30から位置20Eに設置された透明スクリーン19に照射する。これにより、運転者は、位置20Eに設置された透明スクリーン19に表示された車外の映像から、車両1の後方の状況を視認できるので、より安全に車両1をバックさせることができる。
例えば、図2Cに示すように、SUVに代表される車両1が高低差のある路面を走行する場合、運転者は、ボンネット2の先の物体Hを視認しにくい場合がある。このような場合、図2C及び図2Dに示すように、透明スクリーン19をダッシュボードの中央の位置20Iに設置するとよい。透明スクリーン19が当該位置20Iに設置された場合、表示制御装置100は、次の動作を行う。すなわち、表示制御装置100は、車外カメラ50Dが撮影した車外の映像に基づいて、運転者から見てボンネット2により死角となっている車両1の前方の車外の映像を生成し、その生成した車外の映像をプロジェクタ30から位置20Iに設置された透明スクリーン19に照射する。これにより、運転者は、図2Dに示すように、位置20Iに設置された透明スクリーン19に表示された車外の映像から、車両1のボンネット2の先の状況を視認できるので、より安全に車両1を進行させることができる。なお、他の死角が存在する位置(位置20A、20C、および20D)についても同様である。
ここで、透明スクリーン19は、上述の通り、外周に不透明な筐体枠を有しない構成であるので、運転者が透明スクリーン19に表示された映像を見る際に、筐体枠が死角とならない。よって、運転の安全性がさらに高まる。
また、例えば、透明スクリーン19が、運転者から見た死角が存在する位置とは異なる位置に設置された場合、表示制御装置100は、同乗者向けの映像を透明スクリーン19に表示させることを決定する。同乗者向けの映像は、例えば、映画、ドラマ、アニメ、ミュージックビデオ、インターネット配信動画、ウェブページ、ゲーム映像といったエンターテイメントに関する映像である。
例えば、透明スクリーン19が、助手席の手前の位置20F、運転席の後ろの位置20G、又は、助手席の後ろの位置20Hに設置された場合、表示制御装置100は、エンターテイメントに関する映像を、プロジェクタ30から位置20F、20G又は20Hに設置された透明スクリーン19に照射する。これにより、同乗者は、透明スクリーン19に表示されたエンターテイメントに関する映像を見て楽しむことができる。
このように、本実施の形態によれば、持ち運び可能な透明スクリーン19を、運転の安全性の向上及び車内でのエンターテイメント性の向上の両方に利用できる。以下、本実施の形態について、さらに詳しく説明する。
<映像表示システムの構成>
図3は、本実施の形態に係る映像表示システム10の構成例を示す図である。
本実施の形態に係る映像表示システム10は、透明スクリーン19、プロジェクタ30、及び、表示制御装置100を含む。なお、映像表示システム10は、透明スクリーン19を支持する支持器具15(図4参照)を含んでもよい。透明スクリーン19及びプロジェクタ30は、有線又は無線を通じて、表示制御装置100に接続する。
表示制御装置100は、車両1に備えられた、車内を撮影するための車内カメラ40が撮像した車内の映像を、有線又は無線を介して受信できる。表示制御装置100は、車両1に備えられた、車外を撮影するための車外カメラ50が撮像した車外の映像を、有線又は無線を介して受信できる。
表示制御装置100は、コンテンツ出力装置60からエンターテイメントに関する映像を、有線又は無線を介して受信できる。コンテンツ出力装置60の例は、車両1に取り付けられたコンテンツ再生プレイヤー、又は、車両1の運転者又は同乗者が所持するスマートフォンである。あるいは、コンテンツ出力装置60は、クラウド上のコンテンツ配信サーバであってもよい。
表示制御装置100と各装置19、30、40、50とを接続する有線の例は、所定のケーブル、有線LAN、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)又はFlexRayである。表示制御装置100と各装置19、30、40、50とを接続する無線の例は、WiFi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)である。
透明スクリーン19は、例えば、2枚のガラスの間に高コントラスト調光フィルムを封入した持ち運び可能かつ透過型又は反射型のデバイスである。透明スクリーン19は、例えば、印加する電圧を変更することで透明度を変更することができる。具体的には、透明スクリーン19は、例えば、印加電圧をオフにすることで透明となり、印加電圧を高くすることで透明度が低くなる。言い換えると、透明スクリーン19は、印加電圧を高くすることで不透明度が高くなる。車内の複数の所定の位置20A〜20Iには、図4に示すように、透明スクリーン19を着脱可能であり、透明スクリーン19を支持する支持器具15が設けられてよい。透明スクリーン19は、各位置20A〜20Iに設けられた支持器具15に支持されることにより、各位置20A〜20Iに設置されてよい。また、支持器具15には、透明スクリーン19に電圧を印加すると共に透明スクリーン19の設置を検知する検知部16が設けられてよい。検知部16は、凸形状のスイッチであり、スイッチが押下されたことを検知した場合、その旨を表示制御装置100に通知してもよい。あるいは、検知部16は、光センサ又は荷重センサであり、センサが光の遮断又は荷重の変化を検知した場合に、その旨を表示制御装置100に通知してもよい。表示制御装置100は、検知部16から当該通知を受けた場合、その通知元の支持器具15に透明スクリーン19が設置されたと判定してよい。
透明スクリーン19の映像を表示可能な領域(以下「映像表示領域」という)は、当該透明スクリーン19の主面の領域と略同一であってよい。これにより、透明スクリーン19のほぼ全面に映像が表示され、運転者が透明スクリーン19に表示された映像を見る際に、筐体枠が死角とならない。よって、運転の安全性がさらに高まる。
プロジェクタ30は、表示制御装置100から出力される映像を、透明スクリーン19の映像表示領域に照射する装置である。
表示制御装置100は、透明スクリーン19が設置された位置に応じて、車両1の運転者向けの映像及び車両1の同乗者向けの映像のどちらを透明スクリーン19に表示させるかを決定し、その決定した映像をプロジェクタ30から透明スクリーン19に照射する。
次に、図5に示す表示制御装置100の処理例を示すフローチャートを参照し、表示制御装置100の処理について詳細に説明する。
表示制御装置100は、透明スクリーン19が設置された位置(20A〜20I)を特定する(S101)。例えば、表示制御装置100は、透明スクリーン19が設置された支持器具15の検知部16から通知を受けて、透明スクリーン19が設置された位置を特定する。あるいは、表示制御装置100は、車内カメラ40によって撮影された車両1内の映像を解析して、透明スクリーン19が設置された位置を特定してもよい。
表示制御装置100は、特定した透明スクリーン19の設置位置が、運転者から見た死角が存在する位置20A〜20E又は20Iであるか否かを判定する(S102)。
特定した透明スクリーン19の設置位置が、運転者から見た死角が存在する位置20A〜20E又は20Iである場合(S102:YES)、表示制御装置100は、透明スクリーン19の透明度を所定の閾値以上(つまり高い透明度)に設定する(S103)。
そして、表示制御装置100は、車外カメラ50が撮影した車外の映像に基づいて、透明スクリーン19が設置された死角の先の車外の映像を生成する(S104)。
そして、表示制御装置100は、プロジェクタ30から、その生成した死角の先の車外の映像を、S101で特定した透明スクリーン19に照射する(S105)。これにより、運転者は、透明スクリーン19に表示された車外の映像を見て、死角の先の状況を認識できる。加えて、透明スクリーン19の透明度は比較的高いので、例えばAピラーの手前の位置に設置された透明スクリーン19の一部がフロントドアガラスに重なっている場合であっても、運転者は、その透明スクリーン19とフロントドアガラスを透して車外の状況を視認できる。加えて、透明スクリーン19は、液晶ディスプレイと異なり筐体枠を有しないので、筐体枠が死角とならない。よって、車両1の運転者の死角が少なくなり、運転の安全性がさらに高まる。
なお、S104〜S105の処理は、透明スクリーン19が支持器具15から取り外されるまで継続してよい。
また、車両1が複数の車外カメラ50を備える場合、表示制御装置100は、透明スクリーン19の設置位置に応じて車外カメラ50を選択し、その選択した車外カメラ50の映像をプロジェクタ30から透明スクリーン19に照射してもよい。例えば、透明スクリーン19が位置20Bに設置された場合、表示制御装置100は、車外カメラ50Bの映像を、プロジェクタ30から透明スクリーン19に照射する。ただし、透明スクリーン19の設置位置の数と車外カメラ50の数とは一致しなくてもよい。
一方、特定した透明スクリーン19の設置位置が、運転者から見た死角が存在する位置以外の位置20F〜20Hである場合(S102:NO)、表示制御装置100は、透明スクリーン19の透明度を所定の閾値未満に設定する(S106)。言い換えると、表示制御装置100は、透明スクリーン19の透明度を低い透明度に設定する。
そして、表示制御装置100は、コンテンツ出力装置60からエンターテイメントに関する映像を受信する(S107)。
そして、表示制御装置100は、プロジェクタ30から、その受信したエンターテイメントに関する映像を、S101で特定した透明スクリーン19に照射する(S108)。これにより、透明スクリーン19は、エンターテイメントに関する映像を高コントラストに表示できる。よって、同乗者は、透明スクリーン19に美しく表示されたエンターテイメントに関する映像を楽しむことができる。
なお、S107〜S108の処理は、透明スクリーン19が支持器具15から取り外されるまで継続してよい。
また、エンターテイメントに関する映像を表示する透明スクリーン19は、当該エンターテイメントに関する映像の再生及び停止等を操作するリモコンとして利用されてもよい。例えば、表示制御装置100は、車内カメラ40Aが撮影した当該透明スクリーン19を含む映像から、同乗者による当該透明スクリーン19に対する操作を検出し、その検出結果に基づいて映像の再生及び停止を行ってよい。表示制御装置100は、例えば当該透明スクリーン19付近の同乗者の指の位置を検出することにより、同乗者による当該透明スクリーン19に対する操作を検出してもよい。
<変形例>
表示制御装置100は、運転者の正面に設置された車内カメラ40Bによって撮影された映像を解析することにより、運転者の視線を検出し、その検出した運転者の視線に基づいて、プロジェクタ30からの照射先を変更してもよい。例えば、運転席側のAピラーの手前の位置20Aと、助手席側のAピラーの手間の位置20Bとの両方に透明スクリーン19が設置された場合、表示制御装置100は、次のように動作してよい。すなわち、表示制御装置100は、運転者の視線が位置20Aの方向であることを検出した場合、プロジェクタ30から位置20Aに設置された透明スクリーン19に映像を照射し、運転者の視線が位置20Bの方向であることを検出した場合、プロジェクタ30から位置20Bに設置された透明スクリーン19に映像を照射する。これにより、車両1内に複数の透明スクリーン19が設置された場合にも、1つのプロジェクタ30にて対応できる。
また、車両1内に複数のプロジェクタ30を設置し、表示制御装置100は、複数のプロジェクタ30を切り替えて又は協調動作させて、透明スクリーン19に映像を照射してもよい。例えば、表示制御装置100は、同乗者又は車内の荷物等が障害となって、ある1つのプロジェクタ30から、ある位置に設置された透明スクリーン19に映像を照射することが困難である場合、別のプロジェクタ30から映像を照射してもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、可搬型の透明スクリーン19を車両1内に持ち込んで利用する例を説明した。実施の形態2では、車両1が備えるガラスが透明スクリーン19である例を説明する。なお、実施の形態2では、実施の形態1にて説明済みの構成要素については共通の参照番号を付し、説明を省略する場合がある。
図6は、実施の形態2に係る車両1の構成例を示す図である。
例えば、図6に示すように、車両1のフロントガラス201、右フロントドアガラス202A、左フロントドアガラス202B、右リアドアガラス203A、左リアドアガラス203B、リアガラス204のうちの少なくとも1つが、透明スクリーン19である。ガラスが透明スクリーン19であるということは、例えば、透明スクリーン19が張り付けられたガラスであってよい。あるいは、ガラス自体が透明スクリーン19として構成されてもよい。次に、ガラスが透明スクリーン19である本実施の形態について説明する。
<死角の注意喚起を表示>
例えば、表示制御装置100は、車外カメラ50が撮影した車外の映像、及び/又は、車両1に備えられるLiDAR(Light Detection and Ranging)が測定したデータに基づいて、車両1の右前方に物体(人物、動物又は障害物)を検出した場合、右前方に障害物を検出したことを示す映像を、プロジェクタ30から右フロントドアガラス202Aに照射する。表示制御装置100は、例えば、右フロントドアガラス202Aに矢印の映像を照射することにより、右前方に障害物を検出したことを示す。
例えば、表示制御装置100は、上記と同様の方法によって、車両1の左前方に物体を検出した場合、左前方に障害物を検出したことを示す映像を、プロジェクタ30から左フロントドアガラス202Bに照射する。表示制御装置100は、例えば、左フロントドアガラス202Bに矢印の映像を照射することにより、左前方に障害物を検出したことを示す。
例えば、表示制御装置100は、上記と同様の方法によって、車両1の前方に物体を検出した場合、前方に障害物を検出したことを示す映像を、プロジェクタ30からフロントガラス201に照射する。表示制御装置100は、例えば、フロントガラス201に矢印の映像を照射することにより、前方に障害物を検出したことを示す。
これにより、運転者は、ガラスに表示された映像から、死角に存在する物体に気づくことができ、より安全に運転できる。
<車外の景色を表示>
例えば、表示制御装置100は、車外カメラ50が撮影した車両1の外の映像から、右リアドアガラス203Aから見える車外の映像を生成し、その生成した車外の映像をプロジェクタ30から右リアドアガラス203Aに照射する。
例えば、表示制御装置100は、車外カメラ50が撮影した車両1の外の映像から、左リアドアガラス203Bから見える車外の映像を生成し、その生成した車外の映像をプロジェクタ30から左リアドアガラス203Bに照射する。
例えば、表示制御装置100は、車外カメラ50が撮影した車両1の外の映像から、リアガラス204から見える車外の映像を生成し、その生成した映像をプロジェクタ30からリアガラス204に向けて照射する。
表示制御装置100は、右リアドアガラス203A、左リアドアガラス203B、及び、リアガラス204の透明度を所定の閾値以下(例えば不透明)に設定してよい。これにより、車外の人からは車内の様子が見えず、車内の同乗者からは車外の景色がよく見える車両1を実現できる。
<目的地に到着したときにリマインダ情報を表示>
例えば、表示制御装置100は、車両1が目的地に到着したときに、運転者又は同乗者が当該目的地で行うこと示すリマインダ情報を、プロジェクタ30から右フロントドアガラス202Aに照射する。なお、車両1の運転席が左側の場合、リマインダ情報は、左フロントドアガラス202Bに照射されてよい。
リマインダ情報は、例えば、運転者又は同乗者が目的地で行うべきことのリスト、又は、車両1の荷室に置いた荷物の取り忘れを防止するための情報である。リマインダ情報は、例えば、運転者又は同乗者が所持するスマートフォン、あるいは、運転者又は同乗者が利用しているクラウドサービスのサーバから表示制御装置100に送信されてもよい。あるいは、リマインダ情報は、車両1が備えるカーナビゲーションシステムに予め登録されており、カーナビゲーションシステムから表示制御装置100に送信されてもよい。
<車外の運転者に自車の位置を表示>
例えば、運転者が駐車場に戻ってきて、電子キーの所定のボタンを押下した場合、表示制御装置100は、次の動作を行ってよい。すなわち、表示制御装置100は、その電子キーからの送信信号を検知して、フロントガラス201、右フロントドアガラス202A、左フロントドアガラス202B、右リアドアガラス203A、左リアドアガラス203B、及び、リアガラス204のうちの少なくとも1つが点滅表示されるように、プロジェクタ30からガラスに映像を照射する。
これにより、運転者は、自分の車両1を駐車した位置を、遠くからでも認識しやすい。
<運転者が搭乗する際にウェルカム映像を表示>
例えば、運転者が、電子キーのキー解除ボタンを押下した場合、表示制御装置100は、その電子キーからの送信信号を検知して、ウェルカム映像を、プロジェクタ30から右フロントドアガラス202Aに照射する。ウェルカム映像は、例えば車両メーカのロゴマークである。なお、車両1の運転席が左側の場合は、左フロントドアガラス202Bに照射されてよい。
例えば、給油又は給電が開始された場合、表示制御装置100は、給油又は給電に関する情報を、プロジェクタ30から右リアドアガラス203A又は左リアドアガラス203Bに照射する。なお、表示制御装置100は、当該給油又は給電に関する情報と共に、又は、当該情報に代えて、プロジェクタ30から車両1のメンテナンス情報を照射してもよい。
<歩行者及び他車に車両の挙動を表示>
例えば、車両1が横断歩道の手前で停止している場合、表示制御装置100は、歩行者に横断を促すメッセージ又は映像を、プロジェクタ30からフロントガラス201に照射する。例えば、車両1が自動運転車両である場合、表示制御装置100は、運転者が手を動かして歩行者に横断を促す映像を、プロジェクタ30からフロントガラス201に照射してもよい。
例えば、車両1がバックを開始する場合、表示制御装置100は、バックの開始を示すメッセージ又は映像を、プロジェクタ30からリアガラス204に照射する。
例えば、車両1が前方に渋滞を検出した場合、表示制御装置100は、前方が渋滞である旨を示すメッセージ又は映像を、プロジェクタ30からリアガラス204に照射する。
例えば、車両1が急ブレーキをかけた場合、表示制御装置100は、急ブレーキをかけたことを示すメッセージ又は映像を、プロジェクタ30からリアガラス204に照射する。
例えば、車両1が右折を開始する場合、表示制御装置100は、右折の開始を示すメッセージ又は映像を、プロジェクタ30から右フロントドアガラス202A、右リアドアガラス203A、及びリアガラス204のうちの少なくとも1つに照射する。
例えば、車両1が左折を開始する場合、表示制御装置100は、左折の開始を示すメッセージ又は映像を、プロジェクタ30から左フロントドアガラス202B、左リアドアガラス203B、及びリアガラス204のうちの少なくとも1つに照射する。
<ハードウェア構成>
図7は、本開示に係る表示制御装置100のハードウェア構成を示す図である。
本開示に係る表示制御装置100は、プロセッサ1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003、記憶装置1004、及び、通信I/F(Interface)1005を備え、各構成要素1001〜1005は、双方向通信可能なバス1006に接続される。なお、プロセッサは、コントローラ、CPU、LSI、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)といった他の用語に読み替えられてもよい。
プロセッサ1001は、ROM1002、RAM1003及び/又は記憶装置1004からプログラム及びデータを読み出して実行し、実行結果に係るデータをRAM1003及び/又は記憶装置1004に書き込むことにより、上述した表示制御装置100が有する機能を実現する。また、プロセッサ1001は、上述した有線及び/又は無線による通信を制御する通信I/F1005を通じて、他の装置からデータを受信、他の装置に対してデータを送信できる。
すなわち、上述した表示制御装置100の機能は、プロセッサ1001が、ROM1002、RAM1003、記憶装置1004及び/又は通信I/F1005と協働することにより実現されてよい。
(本開示のまとめ)
本開示に係る映像表示システム(10)は、車両(1)内に設置され、映像を照射するプロジェクタ(30)と、車両内に設置可能であり、プロジェクタから照射された映像を表示可能な透過型又は反射型のスクリーン(19)と、車両の運転者から見た死角が存在する位置にスクリーンが設置された場合、車両に備えられたカメラ(50)によって撮像された死角の先の車外の映像を、プロジェクタからスクリーンに対して照射する表示制御装置(100)と、を備える。なお、スクリーンの映像を表示可能な領域は、スクリーンの主面の領域と略同一であってよい。
この構成によれば、運転者は、透過型又は反射型のスクリーンに表示された映像から、死角の先の状況を認識できる。加えて、透過型又は反射型のスクリーンは、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイと異なり外周に不透明な筐体枠を有しない構成であるので、運転者がスクリーンに表示された映像を見る際に、筐体枠が死角とならない。よって、運転者の死角が少なくなり、運転の安全性がさらに高まる。
また、スクリーンは、車両内の複数の所定の位置に着脱可能であってよい。表示制御装置は、死角が存在する位置とは異なる位置にスクリーンが設置された場合、車両の同乗者向けの映像を、プロジェクタから前記スクリーンに照射してよい。なお、同乗者向けの映像は、エンターテイメントに関する映像であってよい。
この構成によれば、運転者又は同乗者は、スクリーンの設置位置を変えることにより、スクリーンを、車外の映像の表示と、エンターテイメントに関する映像の表示との両方に利用できる。すなわち、スクリーンを、運転の安全性の向上と車内でのエンターテイメント性の向上との両方に利用できる。
また、スクリーンは、電圧に応じて透明度が変化してよい。表示制御装置は、プロジェクタから車外の映像を照射する場合、プロジェクタから同乗者向けの映像を照射する場合と比較して、スクリーンの透明度を高くしてよい。
この構成によれば、車外の映像が照射されるスクリーンの透明度は比較的高くなるので、例えば死角が存在する位置に設置されたスクリーンの一部が車両のガラスに重なっている場合であっても、運転者は、スクリーンと車両のガラスを透して車外の状況を視認できる。一方、同乗者向けの映像の一例であるエンターテイメントに関する映像が照射されるスクリーンの透明度は比較的低くなるので、スクリーンは、エンターテイメントに関する映像を高コントラストに表示できる。よって、同乗者は、スクリーンに美しく表示されたエンターテイメントに関する映像を楽しむことができる。
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示の技術は、車両の運転の安全性の向上及び車内でのエンターテイメント性の向上に有用である。
1 車両
2 ボンネット
10 映像表示システム
15 支持器具
16 検知部
19 透明スクリーン
20A 運転席側のAピラーの手前の位置
20B 助手席側のAピラーの手間の位置
20C 運転席後方のBピラーの手前の位置
20D 助手席後方のBピラーの手前の位置
20E 運転席と助手席の間の位置
20F 助手席の手前の位置
20G 運転席の後ろの位置
20H 助手席の後ろの位置
20I ダッシュボードの中央の位置
30 プロジェクタ
40、40A、40B 車内カメラ
50、50A、50B、50C、50D、50E 車外カメラ
60 コンテンツ出力装置
100 表示制御装置
201 フロントガラス
202A 右フロントドアガラス
202B 左フロントドアガラス
203A 右リアドアガラス
203B 左リアドアガラス
204 リアガラス
1001 プロセッサ
1002 ROM
1003 RAM
1004 記憶装置
1005 通信I/F
1006 バス

Claims (7)

  1. 車両内に設置され、映像を照射するプロジェクタと、
    前記車両内に設置可能であり、前記プロジェクタから照射された前記映像を表示可能な透過型又は反射型のスクリーンと、
    前記車両の運転者から見た死角が存在する位置に前記スクリーンが設置された場合、前記車両に備えられたカメラによって撮像された前記死角の先の車外の映像を、前記プロジェクタから前記スクリーンに照射する表示制御装置と、
    を備える、映像表示システム。
  2. 前記スクリーンの前記映像を表示可能な領域は、前記スクリーンの主面の領域と略同一である、
    請求項1に記載の映像表示システム。
  3. 前記スクリーンは、前記車両内の複数の所定の位置に着脱可能であり、
    前記表示制御装置は、前記死角が存在する位置とは異なる位置に前記スクリーンが設置された場合、前記車両の同乗者向けの映像を、前記プロジェクタから前記スクリーンに照射する、
    請求項1又は2に記載の映像表示システム。
  4. 前記同乗者向けの映像は、エンターテイメントに関する映像である、
    請求項3に記載の映像表示システム。
  5. 前記スクリーンは、印加電圧に応じて透明度が変化し、
    前記表示制御装置は、前記プロジェクタから前記車外の映像を照射する場合、前記プロジェクタから前記同乗者向けの映像を照射する場合と比較して、前記スクリーンの前記透明度を高くする、
    請求項3又は4に記載の映像表示システム。
  6. プロジェクタから照射した映像を透過型又は反射型のスクリーンに表示させる映像表示方法であって、
    表示制御装置が、
    車両内における前記スクリーンが設置された位置を特定し、
    特定した前記スクリーンの位置が前記車両の運転者から見た死角が存在する位置である場合、前記車両に備えられたカメラによって撮像された前記死角の先の車外の映像を、前記プロジェクタから前記スクリーンに照射する、
    映像表示方法。
  7. 車両に設置され、車外を撮影するカメラと、
    前記車両内に設置され、映像を照射するプロジェクタと、
    前記車両内に設置可能であり、前記プロジェクタから照射された前記映像を表示可能な透過型又は反射型のスクリーンと、
    前記車両の運転者から見た死角が存在する位置に前記スクリーンが設置された場合、前記カメラによって撮像された前記死角の先の車外の映像を、前記プロジェクタから前記スクリーンに照射する表示制御装置と、
    を備える、車両。
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