JP2021163624A - 回転コネクタ装置 - Google Patents

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浩介 佐藤
Kosuke Sato
雄哉 長谷川
Yuya Hasegawa
秀治 平井
Shuji Hirai
良征 鈴木
Yoshimasa Suzuki
亮一 安達
Ryoichi Adachi
浩司 大田
Koji Ota
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Furukawa Automotive Systems Inc
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Abstract

【課題】本発明は、回転コネクタの組み付け時に回転コネクタを中立位置にて容易且つ確実に固定することができる回転コネクタ装置を提供する。【解決手段】互いに相対回転自在に組み合わされ、内部に環状の空間が形成されている回転体及び固定体と、一端が前記回転体に、他端が前記固定体に接続されて、前記環状の空間に巻回されて収容されているケーブルと、を備えた回転コネクタを有する回転コネクタ装置であって、前記回転体の外周に回転体歯車部が設けられ、前記固定体に、前記回転体の中立位置決め機構が設けられ、前記中立位置決め機構が、貫通孔を有する筐体と、前記筐体内に収容された、複数の歯車を有する歯車機構と、を備え、前記歯車機構が、前記回転体歯車部に噛み合う第1歯車と、前記第1歯車の回転に連動して回転し、前記回転体歯車部の回転よりも減速する、孔部を有する他の歯車と、を備え、前記貫通孔と前記孔部が、平面視にて重ね合わされる位置にて、前記回転コネクタが中立に位置決めされる回転コネクタ装置。【選択図】図1

Description

本発明は、相対回転する回転部材と固定部材との間で電気信号、光信号、電力等を電送する回転コネクタ装置に関する。
ステアリングホイールを保持するステアリングシャフトには、車両各所に組み込まれた電装品を作動させるためのスイッチ類を集中させて構成したコンビネーションスイッチと、エアバッグシステムを構成するエアバッグコイルとを挿通した状態で、コンビネーションスイッチとエアバッグコイルとが、共に保持されている。具体的には、ステアリングロック装置に、コンビネーションスイッチを載置、固定し、コンビネーションスイッチ上に、エアバッグ接続フラットケーブルを収容した回転コネクタを載置して、ねじ止め等でコンビネーションスイッチに固定し、ステアリングシャフトを、ステアリングロック装置側から回転コネクタを介して挿通して組み付けられている。
回転コネクタの回転体には回転回数に制限があり、ステアリングロック装置のハンドルにも回転回数に制限がある。このため、回転コネクタをステアリング装置に組み付ける際には、回転体が左右方向に同じ回転回数で回転できるように、フラットケーブルを巻き締まり、巻き緩みの中間位置に保持して組み付ける必要がある。すなわち、回転コネクタは、回転体が左右方向の回転の中立位置に調整された状態で、コンビネーションスイッチに取り付けられる必要がある。
回転体が左右方向の回転の中立位置に調整された状態でステアリング装置に組み付ける手段として、回転体と固定体との間の相対回転をロックするロック位置と、相対回転のロックを解除するロック解除位置と、の間で移動可能なロック体と、回転体に固定される受け部材と、ロック体と受け部材との間に配置され、ロック体をロック位置へ付勢する付勢部材と、を備えた回転コネクタが提案されている(特許文献1)。
特許文献1では、ステアリングシャフトが回転コネクタに挿入されていない状態では、付勢部材によってロック体が付勢部材の付勢方向へ押されてロック位置に存在することで、ロック体が固定体と干渉して回転コネクタが中立位置から回転できない状態となっている。一方で、テアリングシャフトが回転コネクタに挿入されると、ロック体が付勢部材の付勢方向とは反対の方向へ押されてロック解除位置に存在することとなるので、ロック体が固定体に干渉しなくなり、回転コネクタが自在に回転できる状態となる。
一方で、特許文献1では、ステアリングシャフトが回転コネクタに挿入されていなくても、回転コネクタの輸送時や組み付け作業時等に、作業者が、誤って、ロック体を付勢部材の付勢方向とは反対の方向へ押すなどして、ロック体がロック解除位置に移動して、コンビネーションスイッチへの組み付け前に、回転コネクタが自在に回転できる状態となってしまう恐れもあった。コンビネーションスイッチへの組み付け前に、回転コネクタが自在に回転できる状態となってしまうと、回転コネクタが中立位置から回転した状態で、ロック体がロック位置に戻る恐れもある。回転コネクタが中立位置から回転した状態にてロック体がロック解除位置からロック位置へ戻っても、作業者は、回転コネクタの外観から、回転コネクタが中立位置から回転したことを確認することは難しい。
回転コネクタが、中立位置から回転した状態でコンビネーションスイッチへ組み付けられると、回転コネクタが規格値以上に回転してしまうこととなり、フラットケーブルの巻き崩れやフラットケーブルを構成する導体の断線が発生してしまう恐れがあった。上記から、特許文献1では、回転コネクタの組み付け時に回転コネクタを中立位置に固定する点で改善の余地があった。
また、回転体を中立位置に調整する回転コネクタとして、回転ケースによって回転させられる回転回数表示用の表示ギア及び該表示ギアを覆うギアカバーを有する回転コネクタにおいて、表示ギアとギアカバーに回転コネクタの中立位置において互いに一致するピン孔を設けた回転コネクタが提案されている(特許文献2)。特許文献2では、中立位置において互いに一致するピン孔に固定ピンを挿入して中立位置を固定する。
しかし、特許文献2の回転コネクタでは、回転コネクタの使用の際には、固定ピンを上方へ引き抜く必要がある点で、組み付け作業が煩雑であり、また、固定ピンが固定体から外れてしまうと、再度、回転体を中立位置に調整する必要があった。
特開2010−129187号公報 特開平4−179081号公報
上記事情に鑑み、本発明は、回転コネクタの組み付け時に回転コネクタを中立位置にて容易且つ確実に固定することができる回転コネクタ装置を提供することを目的とする。
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]互いに相対回転自在に組み合わされ、内部に環状の空間が形成されている回転体及び固定体と、一端が前記回転体に、他端が前記固定体に接続されて、前記環状の空間に巻回されて収容されているケーブルと、を備えた回転コネクタを有する回転コネクタ装置であって、
前記回転体の外周に回転体歯車部が設けられ、
前記固定体に、前記回転体の中立位置決め機構が設けられ、
前記中立位置決め機構が、貫通孔を有する筐体と、前記筐体内に収容された、複数の歯車を有する歯車機構と、を備え、前記歯車機構が、前記回転体歯車部に噛み合う第1歯車と、前記第1歯車の回転に連動して回転し、前記回転体歯車部の回転よりも減速する、孔部を有する他の歯車と、を備え、
前記貫通孔と前記孔部が、平面視にて重ね合わされる位置にて、前記回転コネクタが中立に位置決めされる回転コネクタ装置。
[2]前記歯車機構が、前記第1歯車と、前記第1歯車に噛み合う第2歯車と、前記第2歯車に噛み合う他の歯車と、を有する[1]に記載の回転コネクタ装置。
[3]前記第1歯車の回転軸と前記第2歯車の回転軸と前記他の歯車の回転軸が、前記回転体の回転軸に対して平行に配置されて、前記第1歯車と前記第2歯車と前記他の歯車が、回転自在に前記筐体に固定されている[2]に記載の回転コネクタ装置。
[4]前記歯車機構が、前記第1歯車と、前記第1歯車に噛み合う他の歯車と、を有する[1]に記載の回転コネクタ装置。
[5]前記第1歯車の回転軸と前記他の歯車の回転軸が、前記回転体の回転軸に対して平行に配置されて、前記第1歯車と前記他の歯車が、回転自在に前記筐体に固定されている[4]に記載の回転コネクタ装置。
[6]さらに、前記回転コネクタを組み付け対象へ組み付けるための組み付け部が、前記固定体に設けられ、前記組み付け部に、前記組み付け対象に前記回転コネクタを組み付けるための組み付け孔が設けられ、前記貫通孔と前記孔部と前記組み付け孔が、平面視にて重ね合わされる位置にて、前記回転コネクタが中立に位置決めされる[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の回転コネクタ装置。
本明細書中、「平面視」とは、回転体の回転軸方向から視認した状態を意味する。また、「回転コネクタが中立に位置決めされる」とは、回転体が左右方向(すなわち、時計回り方向と反時計回り方向)に同じ回転回数で回転できるように、ケーブルが巻き締まり、巻き緩みの中間に位置決めされることを意味する。
本発明の回転コネクタ装置の態様によれば、固定体に設けられた中立位置決め機構が、貫通孔を有する筐体と、筐体内に収容された、複数の歯車を有する歯車機構と、を備え、歯車機構が、回転体歯車部に噛み合う第1歯車と、第1歯車の回転に連動して回転し回転体歯車部の回転よりも減速する、孔部を有する他の歯車と、を備え、貫通孔と孔部が、平面視にて重ね合わされる位置にて回転コネクタが中立に位置決めされることにより、作業者は、回転コネクタの組み付け作業時に、貫通孔と孔部が平面視にて重ね合わされているか否かを確認することで、回転コネクタが中立位置であるか否かを容易に視認できる。作業者は、回転コネクタの組み付け作業時に、回転コネクタが中立位置であるか否かを容易に確認できるので、回転コネクタが規格値以上に回転してしまうことを確実に防止でき、ケーブルの巻き崩れやケーブルを構成する導体の断線が発生することを確実に防止できる。
また、回転コネクタが中立に位置決めされている場合には、平面視にて貫通孔の位置と孔部の位置が一致していることから、ピン、ねじ等の固定部材が貫通孔から孔部にわたって挿入されることで、回転コネクタは精度よく確実に中立位置に固定される。従って、本発明の回転コネクタ装置の態様によれば、ピン、ねじ等の固定部材が貫通孔から孔部にわたって挿入された状態で回転コネクタの組み付けを行うことで、回転コネクタを中立位置にて容易且つ確実に組み付けることができる。
本発明の回転コネクタ装置の態様によれば、前記歯車機構が、第1歯車と第1歯車に噛み合う第2歯車と第2歯車に噛み合う他の歯車を有する、または第1歯車と第1歯車に噛み合う他の歯車を有することにより、歯車機構を構成する歯車の歯車比を調整することで、回転コネクタの回転許容範囲で、それぞれ、第2歯車の回転量が1回転する、または第1歯車の回転量が1回転するのに対応して、他の歯車の回転量を1回転未満に設定することが可能となる。回転コネクタの回転許容範囲での他の歯車の回転量が1回転未満となることで、回転コネクタが中立位置ではない場合には、平面視にて貫通孔の位置と孔部の位置が一致しないこととなるので、回転コネクタを中立位置にてさらに確実に組み付けることができる。
本発明の回転コネクタ装置の態様によれば、回転コネクタを組み付け対象へ組み付けるための組み付け部が固定体に設けられ、前記組み付け部に設けられた組み付け孔と、貫通孔と、孔部とが、平面視にて重ね合わされる位置にて回転コネクタが中立に位置決めされることにより、筐体の貫通孔側から組み付け孔へねじ等の固定手段を挿入することで、回転コネクタを中立位置にてさらに確実に組み付け対象へ組み付けることができる。
本発明の第1実施形態例に係る回転コネクタ装置の概要を説明する平面図である。 本発明の第1実施形態例に係る回転コネクタ装置の概要を説明する斜視図である。 本発明の第1実施形態例に係る回転コネクタ装置の歯車機構の説明図である。
次に、本発明の第1実施形態例に係る回転コネクタ装置の詳細について、図面を用いながら説明する。なお、図1は、本発明の第1実施形態例に係る回転コネクタ装置の概要を説明する平面図、図2は、本発明の第1実施形態例に係る回転コネクタ装置の概要を説明する斜視図、図3は、本発明の第1実施形態例に係る回転コネクタ装置の歯車機構の説明図である。
図1、2に示すように、本発明の第1実施形態例に係る回転コネクタ装置1は、互いに相対回転自在に組み合わされ、内部に環状の空間(図示せず)が形成されている回転体10及び固定体20と、一端が回転体10に、他端が固定体20に接続されて、前記環状の空間に巻回されて収容されているケーブル(図示せず)と、を備えた回転コネクタ5を有する。ケーブルは、電気信号を伝送する伝送線、光信号を伝送する伝送線、電力等を伝送する伝送線等、複数の伝送線で構成されたフラットケーブルである。ケーブルによって、回転体10と固定体20との間で、電気信号、光信号、電力等が伝送される。
回転体10は、ステアリングシャフト(図示せず)が挿入される筒状である内筒軸部11と、内筒軸部11の上端部から外方向へ延出したフランジ部12と、を有している。回転体10の内筒軸部11内面に、フラットケーブルの一端(内端)が固定される。フランジ部12は、内筒軸部11の周方向に沿って形成されている。フランジ部12の径方向の中央部には、段差状の周壁13がフランジ部12の周方向に沿って形成されている。フランジ部12の外周(すなわち、回転体10の外周)には、回転体歯車部14がフランジ部12の外周に沿って形成されている。
図1、2に示すように、固定体20は、筒状である外筒部21を有し、外筒部21の内面に、フラットケーブルの他端(外端)が固定される。また、固定体20には、回転体10の中立位置決め機構30が設けられている。中立位置決め機構30は、外筒部21の外周面22に設けられている。
中立位置決め機構30は、筐体31と、筐体31内部に収容された、複数の歯車を有する歯車機構40と、を備えている。筐体31の上面32には、貫通孔33が形成されている。貫通孔33は、外筒部21及び内筒軸部11の延び方向に沿って形成された貫通孔である。筐体31の上面32には、貫通孔33が1つ設けられている。
歯車機構40は、回転体歯車部14に噛み合う第1歯車41と、第1歯車41の回転に連動して回転し、回転体歯車部14の回転よりも減速する、他の歯車42と、を備えている。第1歯車41は、回転体歯車部14からの回転が伝達されて回転する歯車である。また、歯車機構40は、回転体歯車部14からの回転が減速されて他の歯車42が回転する、歯車減速機構である。歯車機構40では、第1歯車41と、第1歯車41に噛み合う第2歯車43と、第2歯車43に噛み合う他の歯車42と、を有している。すなわち、第2歯車43は、第1歯車41からの回転が伝達されて回転する歯車であり、他の歯車42は、第2歯車43からの回転が伝達されて回転する歯車である。
図3に示すように、第1歯車41は、回転体歯車部14に噛み合い、回転体歯車部14からの回転が伝達されて回転する大径歯車41−1と、大径歯車41−1から同心状に大径歯車41−1の回転軸方向に設けられた大径歯車41−1よりも小径である小径歯車41−2と、大径歯車41−1と小径歯車41−2が回転自在に軸支された軸部41−3と、を有している。上記から、第1歯車41は、多段歯車となっている。回転体歯車部14の歯14aが大径歯車41−1の歯41−1aと噛み合って、回転体歯車部14からの回転が第1歯車41へ伝達される。
一方で、第1歯車41の小径歯車41−2は、回転体歯車部14と噛み合ってはいない。第1歯車41の小径歯車41−2は、回転体歯車部14からの回転が第1歯車41の大径歯車41−1へ伝達されて大径歯車41−1が回転することで、大径歯車41−1の回転とともに回転する。
第2歯車43は、第1歯車41の小径歯車41−2に噛み合い、第1歯車41の小径歯車41−2からの回転が伝達されて回転する大径歯車43−1と、大径歯車43−1から同心状に大径歯車43−1の回転軸方向に設けられた大径歯車43−1よりも小径である小径歯車43−2と、大径歯車43−1と小径歯車43−2が回転自在に軸支された軸部43−3と、を有している。上記から、第2歯車43は、多段歯車となっている。第1歯車41の小径歯車41−2の歯41−2aが第2歯車43の大径歯車43−1の歯43−1aと噛み合って、第1歯車41からの回転が第2歯車43へ伝達される。
一方で、第2歯車43の小径歯車43−2は、第1歯車41の小径歯車41−2と噛み合ってはいない。第2歯車43の小径歯車43−2は、第1歯車41の小径歯車41からの回転が第2歯車43の大径歯車43−1へ伝達されて大径歯車43−1が回転することで、大径歯車43−1の回転とともに回転する。
他の歯車42は、第2歯車43の小径歯車43−2と噛み合い、第2歯車43の小径歯車43−2からの回転が伝達されて回転する歯車である。すなわち、第2歯車43の小径歯車43−2の歯43−2aが他の歯車42の歯42aと噛み合って、第2歯車43の回転が他の歯車42へ伝達される。他の歯車42は、軸部42−3によって、回転自在に軸支されている。他の歯車42は、多段歯車とはなっていない。
また、図1、2に示すように、他の歯車42は、孔部44を有している。孔部44は、他の歯車42の歯42aと軸部42−3によって軸支された部位である回転軸との間に設けられている。孔部44は、外筒部21及び内筒軸部11の延び方向、軸部42−3の延び方向に形成された孔部である。他の歯車42には、孔部44が1つ設けられている。
軸部41−3に軸支された第1歯車41の回転軸と軸部43−3に軸支された第2歯車43の回転軸と軸部42−3に軸支された他の歯車42の回転軸が、回転体10の回転軸に対して平行に配置されている。また、第1歯車41は軸部41−3によって、第2歯車43は軸部43−3によって、他の歯車42は軸部42−3によって、それぞれ、筐体30の底面34に回転自在に固定されている。
歯車機構40は、回転体歯車部14が所定量回転すると、まず、回転体歯車部14からの回転が第1歯車41の大径歯車41−1に伝達されて、大径歯車41−1が回転体歯車部14の回転量と回転体歯車部14との歯車比に応じて所定量回転する。第1歯車41の大径歯車41−1の回転とともに、大径歯車41−1から同心状に大径歯車41−1の回転軸方向に設けられた第1歯車41の小径歯車41−2も、大径歯車41−1の回転量に応じて回転する。第1歯車41の小径歯車41−2が所定量回転すると、第1歯車41の小径歯車41−2からの回転が第2歯車43の大径歯車43−1に伝達されて、第2歯車43の大径歯車43−1が第1歯車41の小径歯車41−2の回転量と第1歯車41の小径歯車41−2との歯車比に応じて所定量回転する。第2歯車43の大径歯車43−1の回転とともに、大径歯車43−1から同心状に大径歯車43−1の回転軸方向に設けられた第2歯車43の小径歯車43−2も、大径歯車43−1の回転量に応じて回転する。第2歯車43の小径歯車43−2が所定量回転すると、第2歯車43の小径歯車43−2からの回転が他の歯車42に伝達されて、他の歯車42が第2歯車43の小径歯車43−2の回転量と第2歯車43の小径歯車43−2との歯車比に応じて所定量回転する。
歯車機構40は、回転体歯車部14と第1歯車41の大径歯車41−1の歯車比、第1歯車41の小径歯車41−2と第2歯車43の大径歯車43−1の歯車比、第2歯車43の小径歯車43−2と他の歯車42の歯車比を、それぞれ、適宜調整することで、回転体歯車部14からの回転が減速されて他の歯車42が回転する、歯車減速機構とすることができる。歯車機構40は、3段階の歯車にて形成された歯車減速機構となっている。また、上記3つの歯車比を、それぞれ、適宜調整することで、回転コネクタ5の回転許容範囲での他の歯車42の回転量を1回転未満に設定することも可能となる。
回転コネクタ装置1では、筐体30の貫通孔33と他の歯車42の孔部44が平面視にて重ね合わされる位置にて、回転コネクタ5が中立に位置決めされるように、上記3つの歯車比が調整され、また、ケーブルの一端が回転体10に、ケーブルの他端が固定体20に接続されて、回転コネクタ5の環状の空間に収容されている。
図1、2に示す回転コネクタ装置1では、筐体30の貫通孔33と他の歯車42の孔部44が平面視にて重ね合わされる位置となっている。すなわち、筐体30の貫通孔33の位置に、他の歯車42の孔部44の位置が一致した状態となっている。従って、図1、2に示す回転コネクタ装置1では、回転コネクタ5は、中立に位置決めされている状態となっている。一方で、筐体30の貫通孔33と他の歯車42の孔部44が平面視にて重ね合わされる位置となっていない場合には、回転コネクタ5が中立に位置決めされていないこととなる。この場合、作業者が、他の歯車42を所定量回転させて、筐体30の貫通孔33の位置に、他の歯車42の孔部44の位置を一致させることで、回転コネクタ5が中立に位置決めされる。
図1、2に示すように、回転コネクタ装置1では、さらに、回転コネクタ5を有する回転コネクタ装置1を組み付け対象(図示せず)へ組み付けるための組み付け部50が、設けられている。回転コネクタ装置1では、組み付け部50は、固定体20に設けられている。組み付け部50は、プレート状の部材であり、固定体20の底部に設けられ、固定体20のベースプレートとしても機能する。
組み付け部50には、組み付け対象に回転コネクタ5を組み付けるための組み付け孔51が設けられている。組み付け孔51は、外筒部21及び内筒軸部11の延び方向に沿って形成された孔部である。回転コネクタ装置1では、組み付け部50の四隅に、それぞれ、組み付け孔51が1つずつ設けられている。筐体30の貫通孔33は、そのうちの1つの組み付け孔51Aと平面視にて重ね合わされる位置に設けられている。また、筐体30の底面34には、筐体30の貫通孔33と平面視にて重ね合わされる位置に貫通孔35が設けられている。
従って、筐体30の貫通孔33と他の歯車42の孔部44が平面視にて重ね合わされる位置となって回転コネクタ5が中立に位置決めされていることで、筐体30の貫通孔33と他の歯車42の孔部44だけではなく組み付け部50の組み付け孔51Aも平面視にて重ね合わされる位置となる。すなわち、筐体30の貫通孔33の位置に、他の歯車42の孔部44の位置が一致した状態となっていることで、組み付け孔51Aと筐体30の貫通孔33と他の歯車42の孔部44の位置が一致した状態となっている。
組み付け孔51としては、例えば、ねじ孔を挙げることができる。回転コネクタ装置1の組み付け対象としては、例えば、車両のステアリング装置に搭載されたコンビネーションスイッチを挙げることができる。
回転コネクタ装置1の材質としては、例えば、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン等の樹脂を挙げることができる。
回転コネクタ装置1では、作業者は、回転コネクタ5を有する回転コネクタ装置1の組み付け作業時に、筐体30の貫通孔33と他の歯車42の孔部44が平面視にて重ね合わされているか否かを確認することで、回転コネクタ5が中立位置であるか否かを視認できる。従って、作業者は、回転コネクタ装置1の組み付け作業時に、回転コネクタ5が中立位置であるか否かを容易に確認できるので、回転コネクタ5が規格値以上に回転してしまうことを確実に防止でき、ケーブルの巻き崩れやケーブルを構成する導体の断線が発生することを確実に防止できる。一方で、筐体30の貫通孔33と他の歯車42の孔部44が平面視にて重ね合わされていない状態の場合には、回転コネクタ5が中立位置ではないことを示しているので、作業者は、筐体30の貫通孔33の位置に、他の歯車42の孔部44の位置を一致させることで、回転コネクタ5を容易に中立に位置決めすることができる。
また、回転コネクタ装置1では、回転コネクタ5が中立に位置決めされている場合には、平面視にて筐体30の貫通孔33の位置と他の歯車42の孔部44の位置が一致していることから、ピン、ねじ等の固定部材が貫通孔33から孔部44にわたって挿入されることで、回転コネクタ5は精度よく確実に中立位置に固定される。従って、ピン、ねじ等の固定部材が貫通孔33から孔部44にわたって挿入された状態で回転コネクタ装置1の組み付けを行うことで、回転コネクタ5を中立位置にて容易且つ確実に組み付けることができる。
また、回転コネクタ装置1では、歯車機構40が、第1歯車41と第1歯車41に噛み合う第2歯車43と第2歯車43に噛み合う他の歯車42を有することにより、歯車機構40を構成する第1歯車41と第2歯車43と他の歯車42歯車の歯車比を調整することで、回転コネクタ5の回転許容範囲での他の歯車42の回転量を1回転未満に設定することが可能となる。回転コネクタ5の回転許容範囲での他の歯車42の回転量が1回転未満となることで、回転コネクタ5が中立位置ではない場合には、平面視にて、他の歯車42の孔部44の位置が筐体30の貫通孔33の位置と一致しないこととなるので、回転コネクタ5を中立位置にてさらに確実に組み付けることができる。
また、回転コネクタ装置1では、回転コネクタ5を組み付け対象へ組み付けるための組み付け部50が固定体20に設けられ、組み付け部50に設けられた組み付け孔51Aと、筐体30の貫通孔33と、他の歯車42の孔部44とが、平面視にて重ね合わされる位置にて回転コネクタ5が中立に位置決めされることにより、筐体30の貫通孔33側から組み付け孔51Aへねじ等の固定手段を挿入することで、回転コネクタ5を中立位置にてさらに確実に組み付け対象へ、ねじ止め等にて組み付けることができる。このとき、組み付け孔51Aへ挿入されたねじ等の固定手段の先端部が、他の歯車42が回動する際に他の歯車42と接触しないよう、他の歯車42と筐体30の底面34との間には、先端部の高さ以上の寸法を有する空隙を形成しておく。一方で、筐体30の貫通孔33と他の歯車42の孔部44が平面視にて重ね合わされていない状態の場合には、筐体30の貫通孔33側から組み付け孔51Aへねじ等の固定手段を挿入することを、他の歯車42が阻害するので、回転コネクタ5が中立位置ではない状態で組み付け対象へ組み付けられることを防止できる。
次に、本発明の第2実施形態例に係る回転コネクタ装置について説明する。
上記した第1実施形態例に係る回転コネクタ装置1では、歯車機構40は、回転体歯車部14に噛み合う第1歯車41と、第1歯車41に噛み合う第2歯車43と、第2歯車43に噛み合う他の歯車42と、を有し、第1歯車41は回転体歯車部14からの回転が伝達されて回転し、第2歯車43は第1歯車41からの回転が伝達されて回転し、他の歯車42は第2歯車43からの回転が伝達されて回転していた。これに代えて、第2実施形態例に係る回転コネクタ装置として、中立位置決め機構の歯車機構は、回転体歯車部に噛み合う第1歯車と、第1歯車に噛み合う他の歯車と、を有し、第1歯車は回転体歯車部からの回転が伝達されて回転し、他の歯車は第1歯車からの回転が伝達されて回転してもよい。すなわち、歯車機構は、第2歯車が設けられていない、2段階の歯車にて形成された歯車減速機構でもよい。
第2実施形態例に係る回転コネクタ装置は、第1実施形態例に係る回転コネクタ装置1と同様に、第1歯車は、回転体歯車部に噛み合い、回転体歯車部からの回転が伝達されて回転する大径歯車と、大径歯車から同心状に大径歯車の回転軸方向に設けられた大径歯車よりも小径である小径歯車と、大径歯車と小径歯車が回転自在に軸支された軸部と、を有している。また、他の歯車は、第1歯車の小径歯車と噛み合い、第1歯車の小径歯車からの回転が伝達されて回転する歯車である。他の歯車は、軸部によって、回転自在に軸支されている。
第2実施形態例に係る回転コネクタ装置では、第1実施形態例に係る回転コネクタ装置1と同様に、他の歯車には、他の歯車の歯と軸部によって軸支された部位である回転軸との間に、孔部が設けられている。
第1歯車の回転軸と他の歯車の回転軸が、回転体の回転軸に対して平行に配置されて、第1歯車と他の歯車が、筐体の底面に回転自在に固定されている。他の歯車は、第1歯車の小径歯車からの回転が伝達されて回転する。
第2実施形態例に係る回転コネクタ装置のように、中立位置決め機構の歯車機構が2段階の歯車にて形成された歯車減速機構でも、歯車機構を構成する歯車の歯車比を調整することで、回転コネクタの回転許容範囲での他の歯車の回転量を1回転未満に設定することが可能となる。従って、回転コネクタが中立位置ではない場合には、平面視にて貫通孔の位置と孔部の位置が一致しないこととなるので、回転コネクタを中立位置にてさらに確実に組み付けることができる。
次に、本発明の回転コネクタ装置の他の実施形態例について説明する。第1実施形態例に係る回転コネクタ装置1では、組み付け部50の四隅に、それぞれ、ねじ孔である組み付け孔51が1つずつ、合計4つ設けられていたが、組み付け部50のねじ孔である組み付け孔51は、少なくとも1つあればよい。
本発明の回転コネクタ装置は、回転コネクタの組み付け時に回転コネクタを中立位置にて容易且つ確実に固定することができるので、車両のステアリング装置に組み付ける分野で利用価値が高い。
1 回転コネクタ装置
10 回転体
14 回転体歯車部
20 固定体
30 中立位置決め機構
31 筐体
33 貫通孔
40 歯車機構
41 第1歯車
42 他の歯車
44 孔部

Claims (6)

  1. 互いに相対回転自在に組み合わされ、内部に環状の空間が形成されている回転体及び固定体と、一端が前記回転体に、他端が前記固定体に接続されて、前記環状の空間に巻回されて収容されているケーブルと、を備えた回転コネクタを有する回転コネクタ装置であって、
    前記回転体の外周に回転体歯車部が設けられ、
    前記固定体に、前記回転体の中立位置決め機構が設けられ、
    前記中立位置決め機構が、貫通孔を有する筐体と、前記筐体内に収容された、複数の歯車を有する歯車機構と、を備え、前記歯車機構が、前記回転体歯車部に噛み合う第1歯車と、前記第1歯車の回転に連動して回転し、前記回転体歯車部の回転よりも減速する、孔部を有する他の歯車と、を備え、
    前記貫通孔と前記孔部が、平面視にて重ね合わされる位置にて、前記回転コネクタが中立に位置決めされる回転コネクタ装置。
  2. 前記歯車機構が、前記第1歯車と、前記第1歯車に噛み合う第2歯車と、前記第2歯車に噛み合う他の歯車と、を有する請求項1に記載の回転コネクタ装置。
  3. 前記第1歯車の回転軸と前記第2歯車の回転軸と前記他の歯車の回転軸が、前記回転体の回転軸に対して平行に配置されて、前記第1歯車と前記第2歯車と前記他の歯車が、回転自在に前記筐体に固定されている請求項2に記載の回転コネクタ装置。
  4. 前記歯車機構が、前記第1歯車と、前記第1歯車に噛み合う他の歯車と、を有する請求項1に記載の回転コネクタ装置。
  5. 前記第1歯車の回転軸と前記他の歯車の回転軸が、前記回転体の回転軸に対して平行に配置されて、前記第1歯車と前記他の歯車が、回転自在に前記筐体に固定されている請求項4に記載の回転コネクタ装置。
  6. さらに、前記回転コネクタを組み付け対象へ組み付けるための組み付け部が、前記固定体に設けられ、前記組み付け部に、前記組み付け対象に前記回転コネクタを組み付けるための組み付け孔が設けられ、前記貫通孔と前記孔部と前記組み付け孔が、平面視にて重ね合わされる位置にて、前記回転コネクタが中立に位置決めされる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
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