JP2021162227A - 発熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱損失を抑制し、エネルギー効率に優れる発熱装置を提供する。【解決手段】発熱装置10は、中空の容器11と、容器11の内部に設けられた発熱体14と、発熱体14を加熱するヒータ12と、容器11の壁部とヒータ12とを接続する導線部13と、発熱体14に水素を含む水素系ガスを供給する水素供給部15と、容器11の内部を真空排気する真空排気部16とを備え、ヒータ温度をTH、外界温度をTW、等価的熱伝導面積をAHC、サンプル輻射表面積をAS、サンプル表面温度をTS、等価的輻射率をεeq、ステファンボルツマン定数をσ、動作維持に必要なエネルギーをPm、発熱体14が発生する熱エネルギーをHexとしたときに、下記数式(1)を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、発熱装置に関する。
近年、水素吸蔵金属などを用いて水素の吸蔵と放出とを行うことにより熱が発生する発熱現象が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。水素は、水から生成できるため、資源としては無尽蔵で安価であり、かつ、二酸化炭素などの温室効果ガスを発生しないのでクリーンなエネルギーとされている。また、水素吸蔵金属などを用いた発熱現象は、核分裂反応とは異なり、連鎖反応が無いので安全とされている。水素の吸蔵と放出とにより発生する熱は、そのまま熱として利用する他、電力に変換して利用することもできるので、有効なエネルギー源として期待される。
A. Kitamura, A. Takahashi, K. Takahashi, R. Seto, T. Hatano, Y. Iwamura, T. Itoh, J. Kasagi, M. Nakamura, M. Uchimura, H. Takahashi, S. Sumitomo, T. Hioki, T. Motohiro, Y. Furuyama, M. Kishida, H. Matsune, "Excess heat evolution from nanocomposite samples under exposure to hydrogen isotope gases", International Journal of Hydrogen Energy 43 (2018) 16187-16200.
水素の吸蔵と放出とを利用して熱エネルギーを得る発熱装置の研究開発が進められているが、熱損失が大きく、また装置の動作を維持するために必要なエネルギーも大きいため、エネルギー効率が低いという問題があった。
そこで、本発明は、熱損失を抑制し、エネルギー効率に優れる発熱装置を提供することを目的とする。
本発明の発熱装置は、中空の容器と、前記容器の内部に設けられた発熱体と、前記発熱体を加熱するヒータと、前記容器の壁部と前記ヒータとを接続する導線部と、前記発熱体に水素を含む水素系ガスを供給する水素供給部と、前記容器の内部を真空排気する真空排気部とを備え、前記発熱体は、水素吸蔵金属、水素吸蔵合金、またはプロトン導電体からなる台座と、前記台座の表面に設けられた多層膜とを有し、前記多層膜は、水素吸蔵金属または水素吸蔵合金からなり、かつ厚さが1000nm未満でなる第1層と、前記第1層とは異種の水素吸蔵金属、水素吸蔵合金、またはセラミックスからなり、かつ厚さが1000nm未満でなる第2層とが積層された積層構造を有し、前記発熱体は、前記ヒータにより加熱され、前記第1層と前記第2層との界面である異種物質界面を前記水素が量子拡散により透過または拡散することで、熱を発生し、ヒータ温度をT[K]、外界温度をT[K]、等価的熱伝導面積をAHC[m]、等価的熱伝導率をkeq[W/mK]、等価的熱伝導距離をLeq[m]、サンプル輻射表面積をA[m]、サンプル表面温度をT[K]、等価的輻射率をεeq、ステファンボルツマン定数をσ[W/m]、動作維持に必要なエネルギーをP[W]、前記発熱体が発生する熱エネルギーをHex[W]としたときに、下記数式(1)を満たすことを特徴とする。
Figure 2021162227
ここで、上記数式(1)中、ηeqは、前記等価的熱伝導率を前記等価的熱伝導距離で除した値(keq/Leq)である。
本発明によれば、熱損失を抑制し、エネルギー効率を向上させることができる。
第1実施形態の発熱装置の概略を説明するための説明図である。 第1実施形態の発熱装置の詳細な構成を説明するための説明図である。 第1層と第2層とを有する発熱体の構造を示す断面図である。 過剰熱の発生を説明するための説明図である。 ヒータの構成を示す斜視図である。 反射部の構成を示す斜視図である。 上部の支持板を上方に移動させた状態を示す斜視図である。 支持板の断面図である。 第2実施形態の発熱装置の構成を説明するための説明図である。 第3実施形態の発熱装置の構成を説明するための説明図である。 第3実施形態の発熱装置の作用を説明するための説明図である。 第4実施形態の発熱装置の構成を説明するための説明図である。 有底筒状に形成された発熱体の断面図である。 第5実施形態の発熱装置の構成を説明するための説明図である。 第5実施形態の発熱装置の作用を説明するための説明図である。 柱状に形成された発熱体の断面図である。 第6実施形態の発熱装置の構成を説明するための説明図である。 第1層と第2層と第3層とを有する発熱体の構造を示す断面図である。 第1層と第2層と第3層と第4層とを有する発熱体の構造を示す断面図である。
[第1実施形態]
図1において、発熱装置10は、容器11と、ヒータ12と、導線部13と、発熱体14と、水素供給部15と、真空排気部16と、反射部17とを備える。容器11は、中空の真空容器である。ヒータ12は、電圧の印加により熱を発生し、発熱体14を加熱する。導線部13は、容器11の壁部とヒータ12とを接続する。発熱体14は、容器11の内部に設けられている。発熱体14は、真空状態でヒータ12により加熱されることで、ヒータ12により加熱される温度以上の温度に昇温する。ヒータ12により加熱される温度以上の温度に昇温した発熱体14が発生する熱を、過剰熱という。発熱体14が過剰熱を発生するメカニズムについては、別の図面を用いて後述する。水素供給部15は、発熱体14に水素を含む水素系ガスを供給する。真空排気部16は、容器11の内部を真空排気する。反射部17は、発熱体14が放射する輻射熱を反射する。
ヒータ12の温度であるヒータ温度をT[K]、容器11の外部の温度である外界温度をT[K]、導線部13の等価的熱伝導面積をAHC[m]、導線部13の等価的熱伝導率をkeq[W/mK]、導線部13の等価的熱伝導距離をLeq[m]、発熱体14の表面積であるサンプル輻射表面積をA[m]、発熱体14の表面の温度であるサンプル表面温度をT[K]、発熱体14と容器11の壁部との間の等価的輻射率をεeq、ステファンボルツマン定数をσ[W/m]、装置の動作維持に必要なエネルギーである動作維持エネルギーをP[W]、発熱体14が発生する熱エネルギーをHex[W]としたときに、発熱装置10は、上記の数式(1)を満たすものである。上記数式(1)中、ηeqは、等価的熱伝導率を等価的熱伝導距離で除した値(keq/Leq)である。「等価的」とは、複数の要素を1つの要素に置き換えて表す場合という意味である。例えば、導線部13が2種の導線から構成され、各導線の熱伝導面積が異なる場合に、各導線を1つの導線に置き換えたときの熱伝導面積のことを等価的熱伝導面積という。なお、本開示において「等価的」という用語には、要素が1つのみである場合が含まれるものとする。例えば、導線部13が1種の導線から構成されている場合に、当該導線の熱伝導面積のことも等価的熱伝導面積という。
上記数式(1)の左辺の第1項は、導線部13を介してヒータ12から容器11へ熱伝導することによる熱損失を示し、熱伝導エネルギー損失という。上記数式(1)の左辺の第2項は、発熱体14の輻射熱による熱損失を示し、輻射エネルギー損失という。上記数式(1)の左辺の第3項、すなわち動作維持エネルギーは、発熱体14における過剰熱の発生を長期間持続するために必要なエネルギーであり、真空排気部16を駆動するための電気エネルギーを少なくとも含む。発熱装置10では、発熱体14が過剰熱を発生した後、ヒータ12をOFFとする。このため、動作維持エネルギーには、ヒータ12を駆動するための電気エネルギーは含まれない。
発熱装置10は、外界との接触面積を極力小さくし、熱伝導率の低い材料で構成した部材を用いることで、熱伝導による熱損失が抑制されている。また、発熱装置10は、発熱体14の輻射熱を、反射板を設置することや輻射熱を反射する材料で容器11を構成すること等で抑制することで、輻射による熱損失が抑制されている。更に、発熱装置10は、容器11の内部を真空ポンプで排気すること等で水素の対流を抑制することで、対流による熱損失が抑制されている。発熱装置10では、発熱体14が過剰熱を発生した後にヒータ12をOFFとする。発熱装置10は、出力エネルギーの一部を入力エネルギーとして利用し、発熱体14における過剰熱の発生を長期間持続させることができるので、自立運転が可能である。
図2を用いて、第1実施形態に係る発熱装置10の構成を詳細に説明する。
容器11は、上部11aと底部11bと側部11cとで構成される。上部11aと底部11bとは、互いに間隔をあけて対向するように配されている。上部11aは、底部11bの上方に位置する。側部11cは、筒状に形成され、上部11aと底部11bとを接続する。容器11は、上部11aと底部11bと側部11cとが接続することにより密閉される。以下の説明において上部11aと底部11bと側部11cとを区別しない場合は壁部と記載する。容器11の材料は、耐熱性および耐圧性を有する材料が用いられる。容器11の材料としては、炭素鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、耐熱性非鉄合金鋼などが挙げられる。容器11の材料は、後述する反射板と同じ材料でもよい。反射板と同じ材料を用いて容器11を構成することにより、容器11の内面で発熱体14の輻射熱が反射され、輻射エネルギー損失が抑制される。容器11の形状は、特に限定されず、円筒状、楕円筒状、角筒状等としてよい。容器11の内部には、図示しない圧力センサが設けられている。
容器11の壁部にはガス導入口25とガス排出口26と接続部27とが設けられている。ガス導入口25は、容器11の内部と水素供給部15とを接続する。ガス排出口26は、容器11の内部と真空排気部16とを接続する。接続部27は、導線部13と接続する。ガス導入口25とガス排出口26とは、本実施形態では側部11cに設けられているが、これに限定されず、上部11aまたは底部11bに設けてもよい。接続部27は、本実施形態では上部11aに設けられているが、これに限定されず、側部11cまたは底部11bに設けてもよい。
ヒータ12は、容器11の内部に設けられている。本実施形態では、ヒータ12の形状は板状である。ヒータ12は、加熱部29と温度センサ30とを有する。加熱部29は、容器11の外部に設けられた電源(図示なし)から電圧が印加されることにより熱を発生する。加熱部29の平面視における形状は、一辺の長さが25mmの正方形である。温度センサ30は、ヒータ12の温度を検出する。ヒータ12は、発熱装置10の運転を開始する際に、発熱体14を所定の温度まで昇温させる。
導線部13は、加熱部29と接続する加熱用導線部32と、温度センサ30と接続する温度検出用導線部33とを有する。加熱用導線部32と温度検出用導線部33とは、容器11の接続部27を介して、後述する制御部37と電気的に接続する。
発熱体14は、ヒータ12の両面に設けられている。すなわち、発熱装置10は2つの発熱体14を備えるものである。本実施形態では、発熱体14の形状は板状である。発熱体14の平面視における形状は、一辺の長さが25mmの正方形である。発熱体14を構成する面のうち、ヒータ12と接する面を裏面とし、裏面と逆側の面を表面とし、表面および裏面に対し直角な4つの面を側面とする。発熱体14の数は、特に限定されない。発熱体14の構成の詳細については、別の図面を用いて後述する。
水素供給部15は、容器11の外部に設けられている。水素供給部15は、ガス導入口25を介して、容器11の内部に水素系ガスを導入する。水素供給部15は、図示しないが、水素系ガスを貯留するバッファタンク、バッファタンクと容器11のガス導入口25とを接続する配管、容器11の内部に導入する水素系ガスの流量や配管内の圧力を調整する圧力調整弁などから構成されている。水素系ガスとは、水素の同位体を含むガスのことである。水素系ガスとしては、重水素ガスと軽水素ガスとの少なくともいずれかが用いられる。軽水素ガスは、天然に存在する軽水素と重水素の混合物、すなわち、軽水素の存在比が99.985%であり、重水素の存在比が0.015%である混合物を含む。以降の説明において、軽水素と重水素とを区別しない場合には「水素」と記載する。
真空排気部16は、容器11の外部に設けられている。真空排気部16は、ガス排出口26を介して、容器11の内部を真空排気する。真空排気部16は、図示しないが、真空ポンプ、真空ポンプと容器11のガス排出口26とを接続する配管、容器11の内部から排出する水素系ガスの流量や配管内の圧力を調整する圧力調整弁などから構成されている。真空排気部16は、発熱装置10の運転中、容器11の内部の真空排気を継続して行う。これにより、容器11の内部の真空状態が維持され、水素の対流が抑制され、対流による熱損失が抑制される。
反射部17は、容器11の内部に設けられている。反射部17は、全体として箱状であり、各発熱体14を覆うように構成されている。本実施形態では、反射部17の形状は略直方体である。反射部17は、輻射熱を反射する材料により形成される。反射部17の材料は、輻射熱を反射し、かつ、熱伝導率の低い材料が好ましい。
反射部17は、発熱体14の表面と対応する反射板35を少なくとも有する。反射板35は、発熱体14の表面から放射される輻射熱を、当該発熱体14に向けて反射する。反射板35は、発熱体14側の面を表面とし、容器11側の面を裏面とする。本実施形態では、発熱体14の表面と直交する方向に、互いに間隔をあけて配された3枚の反射板35を有する。したがって、発熱装置10では、発熱体14ごとに反射板35が3枚設置された構成を有している。発熱体14の表面から放射される輻射熱は、一部が反射板35で反射され、一部が反射板35を透過する場合がある。3枚の反射板35が設置されていることにより、発熱体14の表面と対応する1枚目の反射板35を透過した輻射熱は2枚目の反射板35で反射され、2枚目の反射板35を透過した輻射熱は3枚目の反射板35で反射される。反射板35を設置する数が多いほど輻射エネルギー損失を抑制することができる。ここで、2面の間にn枚の反射板を設置し、全ての面の輻射率が等しいとすれば、1/(n+1)に比例して熱流束が減少することが知られている(例えば、「伝熱工学資料 改訂第5版 日本機械学会 2009年発行 p.208〜209」参照)。本実施形態では、発熱体14の表面と容器11の内面との間に3枚の反射板35を設置しているので、反射板35が無い場合と比べて、輻射エネルギー損失を概ね1/4程度に抑制することができる。
また、反射部17は、発熱体14の4つの側面とそれぞれ対応する複数の反射板35を更に有する。本実施形態では、発熱体14の1つの側面と直交する方向に、3枚の反射板35が互いに間隔をあけて設けられている。したがって、反射部17は、合計18枚の反射板35により、2つの発熱体14を覆うように構成されている。反射板35の材料は、Ni、Cu、Mo等が用いられる。反射板35の平面視における形状は、特に限定されないが、本実施形態では長方形である。複数の反射板35のうち、上方に配される3枚の反射板35には、後述する導線部13が挿入される貫通穴が設けられている。また、各反射板35には、後述する支柱53が挿入される貫通穴(図示なし)が設けられている。
発熱装置10は、制御部37を更に備える。制御部37は、容器11の外部に設けられている。制御部37は、発熱装置10の各部と電気的に接続しており、各部の動作を制御する。制御部37は、例えば、演算装置(Central Processing Unit)、読み出し専用メモリ(Read Only Memory)やランダムアクセスメモリ(Random Access Memory)などの記憶部などを備えている。演算装置では、例えば、記憶部に格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。また、制御部37は、容器11の外部に設けられた電源(図示なし)と電気的に接続しており、電源からヒータ12へ印加する電圧の制御を行う。
図3および図4を用いて発熱体14の構成を詳細に説明する。図3に示すように、発熱体14は、台座39と多層膜40とを有する。台座39は、水素吸蔵金属、水素吸蔵合金またはプロトン導電体により形成される。水素吸蔵金属としては、例えば、Ni、Pd、V、Nb、Ta、Tiなどが用いられる。水素吸蔵合金としては、例えば、LaNi、CaCu、MgZn、ZrNi、ZrCr、TiFe、TiCo、MgNi、MgCuなどが用いられる。プロトン導電体としては、例えば、BaCeO系(例えばBa(Ce0.950.05)O3−6)、SrCeO系(例えばSr(Ce0.950.05)O3−6)、CaZrO系(例えばCaZr0.950.053−α)、SrZrO系(例えばSrZr0.90.13−α)、βAl,βGaなどが用いられる。台座39は、多孔質体または水素透過膜により形成してもよい。多孔質体は、水素系ガスの通過を可能とするサイズの孔を有する。多孔質体は、例えば、金属、非金属、セラミックスなどにより形成される。多孔質体は、水素系ガスと多層膜40との反応を阻害しない材料により形成されることが好ましい。水素透過膜は、例えば、水素吸蔵金属または水素吸蔵合金により形成される。水素透過膜は、メッシュ状のシートを有するものを含む。
多層膜40は台座39に設けられる。図3では台座39の表面に多層膜40が設けられているが、台座39の裏面、または台座39の両面に多層膜40を設けてもよい。台座39の表面または裏面に多層膜40が設けられている場合は、台座39がヒータ12(図示省略)の表面に設けられる。台座39の両面に多層膜40が設けられている場合は、いずれかの多層膜40がヒータ12の表面に設けられる。多層膜40は、水素吸蔵金属または水素吸蔵合金により形成される第1層41と、第1層41とは異種の水素吸蔵金属、水素吸蔵合金またはセラミックスにより形成される第2層42とを有する。台座39と第1層41との間の界面、第1層41と第2層42との間の界面が、異種物質界面43である。
第1層41は、例えば、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Co、これらの合金のうち、いずれかにより形成される。第1層41を形成する合金は、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Coのうち2種以上からなる合金であることが好ましい。第1層41を形成する合金として、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Coに添加元素を添加させた合金を用いてもよい。
第2層42は、例えば、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Co、これらの合金、SiCのうち、いずれかにより形成される。第2層42を形成する合金とは、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Coのうち2種以上からなる合金であることが好ましい。第2層42を形成する合金として、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Coに添加元素を添加させた合金を用いてもよい。
第1層41と第2層42との組み合わせとしては、元素の種類を「第1層41−第2層42」として表すと、Pd−Ni、Ni−Cu、Ni−Cr、Ni−Fe、Ni−Mg、Ni−Coであることが好ましい。第2層42をセラミックスとした場合は、「第1層41−第2層42」が、Ni−SiCであることが好ましい。
第1層41の厚みと第2層42の厚みは、それぞれ1000nm未満であることが好ましい。第1層41と第2層42の各厚みが1000nm以上となると、水素が多層膜40を透過し難くなる。また、第1層41と第2層42の各厚みが1000nm未満であることにより、バルクの特性を示さないナノ構造を維持することができる。第1層41と第2層42の各厚みは、500nm未満であることがより好ましい。第1層41と第2層42の各厚みが500nm未満であることにより、完全にバルクの特性を示さないナノ構造を維持することができる。
図3では、多層膜40は、台座39の表面に、第1層41と第2層42とがこの順で交互に積層された構成を有する。第1層41と第2層42とは、それぞれ5層とされている。なお、第1層41と第2層42との各層数は適宜変更してもよい。多層膜40は、台座39の表面に、第2層42と第1層41とがこの順で交互に積層された構成を有するものでもよい。多層膜40としては、第1層41と第2層42とをそれぞれ1層以上有し、異種物質界面43が1つ以上形成されていればよい。
図4に示すように、異種物質界面43は水素原子を透過させる。図4は、面心立法構造の水素吸蔵金属により形成される第1層41および第2層42に水素を吸蔵させた後、第1層41および第2層42を加熱したときに、第1層41における金属格子中の水素原子が、異種物質界面43を透過して第2層42の金属格子中に移動する様子を示した概略図である。図4を用いて、発熱体14が過剰熱を発生するメカニズムを説明する。
発熱体14は、容器11に水素系ガスが導入されることで、台座39および多層膜40により水素を吸蔵する。発熱体14は、容器11の内部への水素系ガスの導入が停止されても、台座39および多層膜40において水素を吸蔵した状態を維持する。ヒータ12により発熱体14の加熱が開始されると、台座39および多層膜40に吸蔵されている水素が放出され、多層膜40の内部をホッピングしながら量子拡散する。水素は軽く、ある物質Aと物質Bの水素が占めるサイト(オクトヘドラルやテトラヘドラルサイト)をホッピングしながら量子拡散していくことが分かっている。発熱体14は、真空状態で加熱が行われることで、異種物質界面43を水素が量子拡散により透過し、或いは、異種物質界面43を水素が拡散して、過剰熱を発生する。
発熱体14は、水素系ガスが供給され、ヒータ12により加熱され、所定の温度に昇温することにより過剰熱を発生する。発熱体14は、ヒータ12により例えば270〜300℃に昇温することで、過剰熱を発生する。過剰熱を発している状態の発熱体14の温度は、例えば300℃以上1500℃以下の範囲内とされる。発熱体14は、過剰熱を発生すると、ヒータ12をOFFとしても、所定期間発熱が持続する。
発熱体14の製造方法の一例を説明する。発熱体14は、例えばスパッタリング法を用いて製造することができる。まず、板状の台座39を形成する。次に、台座39上に、第1層41および第2層42を交互に形成し、多層膜40を形成する。これにより、台座39の表面に多層膜40が設けられた発熱体14が得られる。台座39を形成する際は、第1層41および第2層42よりも厚めに形成することが好ましく、台座39の材料としては例えばNiが用いられる。第1層41および第2層42は、真空状態で連続的に形成することが好ましい。第1層41および第2層42の間には、自然酸化膜が形成されずに、異種物質界面43のみを形成することができるからである。発熱体14の製造方法としては、スパッタリング法に限られず、蒸着法、湿式法、溶射法、電気めっき法などを用いることができる。発熱体14の形状は、本実施形態では板状であるが、これに限定されず、筒状または柱状でもよい。
発熱体14を用いた発熱方法の一例を説明する。まず、容器11の内部に水素系ガスを導入することにより、水素系ガスに含まれる水素を発熱体14に吸蔵させる。次に、水素系ガスの導入を停止し、容器11の内部を真空排気し、発熱体14を加熱することにより、発熱体14に吸蔵されている水素を放出させる。発熱体14では、水素を吸蔵する際に異種物質界面43を水素が量子拡散により透過して熱を発生し、水素を放出する際に異種物質界面43を水素が量子拡散により透過して熱を発生する。水素の吸蔵と放出とが繰り返し行われるようにしてもよい。水素の吸蔵と放出とを交互に行うことで発熱体14を発熱させる方式をバッチ式という。
バッチ式により発熱体14を発熱させる実験の方法と結果を以下に記載する。
発熱体14の台座39として、Niからなり、厚さ0.1mmのNi基板を用いた。台座39の表面に、Cuからなる第1層41と、Niからなる第2層42とを交互に形成し、多層膜40を得た。第1層41の厚みは14nmとした。第2層42の厚みは2nmとした。第1層41と第2層42とは、それぞれ5層とした。発熱体14を2枚準備し、板状のセラミックヒータの両面に配置した。発熱体14をセラミックヒータとともに真空容器の内部に設置した。そして、真空容器の内部への水素系ガスの導入と、真空容器の内部の真空排気とを繰り返し行った。真空容器の内部に水素系ガスを導入する圧力は50Pa程度とした。発熱体14に水素を吸蔵させる時間は64時間程度とした。なお、水素を吸蔵させる前に、予め、ヒータにより真空容器の内部を36時間程度200℃以上でベーキングし、発熱体14の表面に付着した水などを除去した。ヒータの入力電力は、9W、18W、27Wと切り替えた。500℃から1000℃の範囲内で過剰熱が発生することが確認できた。過剰熱は、900℃付近で約5W程度であった。なお、900℃付近の単位面積当たりの過剰熱を求めると、約0.5W/cmであった。発熱体14が過剰熱を発生した後にヒータをOFFとしても、所定期間発熱が持続することが確認できた。
発熱体14を用いた発熱方法の別の例を説明する。発熱体14の両側の水素の分圧に差を生じさせる。例えば、発熱体14を容器に収容し、容器の内部を第1室と第2室とに区画する。第1室の内部に水素系ガスを導入し、第2室の内部を真空排気する。これにより、第1室の水素分圧が上昇し、第2室の水素分圧が低下し、発熱体14の両側に水素分圧の差が生じる。発熱体14の両側に水素分圧の差が生じると、発熱体14のうち高圧側に配された一方の面(表面とする)では、水素系ガスに含まれる水素分子が吸着し、その水素分子が2つの水素原子に解離する。解離した水素原子は、発熱体14の内部へ浸入する。すなわち、発熱体14に水素が吸蔵される。水素原子は、発熱体14の内部を拡散して通過する。発熱体14のうち低圧側に配された他方の面(裏面とする)では、発熱体14を通過した水素原子が再結合し、水素分子となって放出される。すなわち、発熱体14から水素が放出される。このように、発熱体14は、高圧側から低圧側へ水素を透過させる。ここでいう透過は、発熱体の表面に水素が吸蔵され、発熱体の裏面から水素が放出されることをいう。発熱体14は、水素を吸蔵することによって熱を発生し、また、水素を放出することによっても熱を発生する。発熱体14の両側に水素分圧の差を生じさせることにより、発熱体14の表面での水素の吸蔵と、発熱体14の裏面での水素の放出とが同時に行われ、水素が発熱体14を連続的に透過するので、過剰熱を効率的に発生させることができる。水素分圧の差を利用して水素を透過させることで発熱体14を発熱させる方式を透過式という。なお、以下の説明では、水素分圧を「水素の圧力」と記載する場合もある。
透過式により発熱体14を発熱させる実験の方法と結果を以下に記載する。
発熱体14の台座39として、Niからなり、厚さ0.1mmのNi基板を用いた。台座39の両面に、Cuからなる第1層41と、Niからなる第2層42とを交互に形成し、多層膜40を得た。第1層41と第2層42とは、それぞれ6層とした。実験を開始する前に、3日間、300℃で発熱体14のベーキングを行った。実験は上記のベーキング後に開始した。ステンレスで形成された配管の先端に、VCR継手を用いて発熱体14を固定した。配管の先端を石英ガラス管の内部に配置した。配管の基端から水素系ガスを導入し、石英ガラス管の内部を真空排気した。配管の内部空間が第1室であり、石英ガラス管の内部空間が第2室となる。第1室の水素分圧を100kPaに調整した。第2室の水素分圧を1×10−4Paに調整した。ヒータを駆動し、所定の設定温度で発熱体14の加熱を行った。ヒータは電気炉を用いた。設定温度は、約半日ごとに変更し、300℃から900℃の範囲内で段階的に上昇させた。300℃から900℃の範囲内で過剰熱が発生することが確認できた。過剰熱は、800℃付近で約10W程度となることが確認できた。なお、800℃付近の単位面積当たりの過剰熱を求めると、約5W/cmであった。発熱体14が過剰熱を発生した後にヒータをOFFとしても、所定期間発熱が持続することが確認できた。
以上より、発熱体14が発生する熱エネルギーHexは、バッチ式で5W程度、透過式で10W程度となる。本実施形態に係る発熱装置10は、バッチ式により発熱を行うように構成されている。
図5を用いてヒータ12の構成を詳細に説明する。本実施形態では、ヒータ12は、熱電対を内蔵した板状のセラミックヒータである。ヒータ12は、セラミックヒータに限定されず、電気炉等でもよい。温度センサ30は、加熱部29に内蔵された熱電対である。熱電対は、マイナス極の素線の材料が白金(Pt)、プラス極の素線の材料がロジウムを13%含む白金ロジウム合金(PtRh)である。本実施形態では、温度センサ30としての熱電対によりヒータ温度Tが計測される。
ヒータ12と発熱体14とは、ホルダー45を用いて一体化される。ホルダー45は、例えばセラミックスにより形成される。ホルダー45の平面視における形状は正方形である。ホルダー45は、一対のホルダー半体45a,45bで構成されている。ホルダー半体45aとホルダー半体45bとは同じ構成を有する。このため、ホルダー半体45aについて説明し、ホルダー半体45bについては説明を省略する。ホルダー半体45aは、発熱体14と接する面に設けられた段差部46と、厚み方向に開口する開口部47とを有する。図5では、ホルダー半体45bの段差部46が紙面奥側に隠れている。一対のホルダー半体45a,45bを一体化したときに、段差部46に発熱体14が配置され、開口部47から発熱体14が露出する。開口部47は、本実施形態では直径23mmの円形状であるが、これに限定されない。ホルダー45に収容された発熱体14は、一対のホルダー半体45a,45bの各開口部47に対応する面から、反射部17に向けて輻射熱を放射する。したがって、本実施形態では、開口部47の面積をサンプル輻射表面積Aとして用いる。
導線部13の構成を詳細に説明する。加熱用導線部32は、加熱部29と接続するヒータ導線32aと、ヒータ導線32aと接続部27とを接続する導線32bとで構成されている。温度検出用導線部33は、熱電対のうち加熱部29から突出した部分である熱電対導線33aと、熱電対導線33aと接続部27とを接続する補償導線33bとで構成されている。導線部13は、ヒータ導線32a、導線32b、熱電対導線33a、および補償導線33bを各2本ずつ有している。
導線部13は、ヒータ12から容器11へ熱伝導する熱伝導経路である。導線部13を構成するヒータ導線32a、導線32b、熱電対導線33a、および補償導線33bの各断面積に基づき、導線部13の等価的熱伝導面積AHCが得られる。導線部13を構成するヒータ導線32a、導線32b、熱電対導線33a、および補償導線33bの各熱伝導率に基づき、導線部13の等価的熱伝導率keqが得られる。導線部13を構成するヒータ導線32a、導線32b、熱電対導線33a、および補償導線33bの各長さに基づき、導線部13の等価的熱伝導距離Leqが得られる。
図6〜図8を用いて反射部17の構成を詳細に説明する。図6に示すように、反射部17は、複数の反射板35に加え、複数の反射板35を支持する支持部48を更に有する。支持部48は、SiOやセラミックスなどの低熱伝導性の材料により形成され、発熱体14からの輻射熱を反射する断熱体としての機能を有する。支持部48は、互いに所定の間隔をあけて容器11の底部11bに固定される複数のベース49と、各ベース49に固定される複数の支持板50a〜50cとを有する。本実施形態では、支持部48は、4つのベース49と、上部を構成する1つの支持板50aと、底部を構成する1つの支持板50bと、側部を構成する4つの支持板50cとで構成されている。各ベース49は、柱状に形成され、容器11の底部11bから上部11aへ向けて延びている。各支持板50a〜50cは、全体として箱状に構成されており、本実施形態では略直方体である。各支持板50a〜50cは、ねじ部材(図示なし)を用いて各ベース49に固定される。各支持板50a〜50cの平面視における形状は、特に限定されないが、本実施形態では長方形である。
上部の支持板50aと側部の各支持板50cとの間には、水素系ガスが流通するガス流通部51が設けられている。なお、ガス流通部51は、底部の支持板50bと側部の各支持板50cとの間に設けてもよく、側部の4つの支持板50c同士の間に設けてもよい。
図7は、上部の支持板50aを上方に移動させた状態を示している。支持部48の内部には、発熱体14とヒータ12(図示なし)とが収容される。上部の支持板50aには、ヒータ12の導線部13が挿入される貫通穴が設けられている。各支持板50a〜50cの内面には複数の反射板35が支持される。
図8に示すように、各支持板50a〜50cには、複数の支柱53と、複数のスペーサ54とが設けられている。支持板50aを用いて、支柱53とスペーサ54の説明をする。支柱53は、反射板35に設けられた貫通穴に挿入される。スペーサ54は、支持板50aと反射板35との間、および複数の反射板35同士の間に配される。これにより、複数の反射板35が所定の間隔をあけて配される。
各支持板50a〜50cは、複数の反射板35が設けられている面を互いに向き合わせるようにして、各ベース49に固定される(図6および図7参照)。これにより、発熱体14が複数の反射板35により囲まれ、発熱体14が放射する輻射熱が複数の反射板35により反射され、輻射による熱損失が抑制される。
発熱装置10は、上述したように運転を開始する際にヒータ12をONとし、発熱体14を所定の温度まで昇温することにより、発熱体14から過剰熱を発生させる。発熱装置10の運転を停止する場合は発熱体14を冷却させる。発熱体14を冷却する方法として、例えば容器11の内部に低温の水や不活性ガス等を導入する。容器11の内部における水素の圧力を例えば1気圧以上とし、水素の対流による熱損失を大きくすることで、発熱体14を冷却することもできる。
上記数式(1)を用いて、熱伝導エネルギー損失、輻射エネルギー損失、および動作維持エネルギーを試算する。
まず、熱伝導エネルギー損失を試算する。試算した条件と結果は以下の通りである。
ヒータ導線32aは、材料をNi、熱伝導率を40W/mK、直径を0.5mm、長さを100mmとする。導線32bは、材料をCu、熱伝導率を400W/mK、直径を0.5mm、長さを50mmとする。熱電対導線33aは、マイナス極の素線の材料をPt、プラス極の素線の材料をPtRh、各素線の熱伝導率を80W/mK、直径を0.3mm、長さを90mmとする。補償導線33bは、材料をCu、熱伝導率を400W/mK、直径を0.3mm、長さを60mmとする。ヒータ温度Tを900℃(1173.15K)とする。外界温度Tを27℃(300.15K)とする。上記数式(1)の左辺の第1項を用いると、加熱用導線部32(ヒータ導線32aおよび導線32b)で生じる熱伝導エネルギー損失は0.88W、温度検出用導線部33(熱電対導線33aおよび補償導線33b)で生じる熱伝導エネルギー損失は0.39Wとなる。したがって、導線部13における全体の熱伝導エネルギー損失は1.27Wと試算される。
次に、輻射エネルギー損失を試算する。試算した条件と結果は以下の通りである。
ホルダー45の開口部47の直径を23mmとし、発熱体14のうち開口部47に対応する面の面積をサンプル輻射表面積Aとする。サンプル表面温度Tは700℃(973.15K)とする。外界温度Tは27℃(300.15K)とする。輻射率εは全て0.11とする。上記数式(1)の左辺の第2項を用いると、輻射エネルギー損失は2.43Wと試算される。本試算は、反射板35が無い場合の試算である。本実施形態では、発熱体14ごとに反射板35を3枚設置しているため、輻射エネルギー損失は、上記の反射板35が無い場合の試算結果の概ね1/4の0.61Wとなる。
次に、動作維持エネルギーを計算する。試算した条件と結果は以下の通りである。
発熱装置10の動作中は、真空排気部16により容器11の内部の真空排気を行い、容器11の内部の水素の圧力をp〜10−4Paとする。動作維持エネルギーは、定圧過程であるため、下記数式(2)および下記数式(3)を用いて計算することができる。
pΔV=ΔnRT ・・・(2)
Pm=ΔnRT ・・・(3)
pは、容器11の内部の水素の圧力である。ΔVは、容器11の内部の空間の体積である。Δnは、発熱体14による水素吸蔵前の容器11の内部に存在する水素のモル数である。Rは、気体定数である。Tは、容器11の内部の温度である。Δnは、発熱体14による水素吸蔵後の容器11の内部に存在する水素のモル数である。まず、上記数式(2)を用いてΔnを算出する。次に、算出したΔnから、発熱体14に吸蔵される水素のモル数を減算し、Δnを算出する。ここで、発熱体14に吸蔵される水素のモル数を最大10−4mol程度とし、発熱体14に吸蔵された水素が6時間程度で発熱体14から放出されることを前提とする。上記数式(3)を用いると、動作維持エネルギーは、P〜4×10−5Wと試算される。
発熱体14が発生する熱エネルギーは、バッチ式では上記のようにHex〜5Wである。反射板35が無い場合、熱伝導エネルギー損失(1.27W)と輻射エネルギー損失(2.43W)と動作維持エネルギー(4×10−5W)の合計値は、約3.70Wとなる。したがって、反射板35が無い場合であっても、発熱体14が発生する熱エネルギーが、熱伝導エネルギー損失と輻射エネルギー損失と動作維持エネルギーの合計値より大きくなり、上記数式(1)を満たすので、熱損失を抑制し、エネルギー効率に優れる発熱装置を実現できる。このため、本発明に係る発熱装置としては、反射部17および反射板35を備えずに、容器11と、ヒータ12と、導線部13と、発熱体14と、水素供給部15と、真空排気部16とを備えるものであればよい。
本実施形態に係る発熱装置10では、発熱体14ごとに反射板35を3枚設置しているので、反射板35が無い場合と比べて輻射エネルギー損失が概ね1/4に抑制されている。したがって、発熱装置10は、熱伝導エネルギー損失と輻射エネルギー損失と動作維持エネルギーの合計値が約1.88Wとなり、上記数式(1)を十分に満たしているため、エネルギー効率がより向上している。
[第2実施形態]
上記第1実施形態ではヒータ12に内蔵された熱電対(温度センサ30)を用いてヒータ12の温度を検出しているが、第2実施形態では放射温度計を用いる。以下の説明では、上記第1実施形態と同じ部材については、同符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、発熱装置60は、容器61と、ヒータ62と、導線部63と、発熱体14と、水素供給部15と、真空排気部16と、反射部64とを備える。発熱装置60は、バッチ式により発熱を行うように構成されている。
容器61は、上部61aと底部61bと側部61cとで構成される。上部61aおよび底部61bは、上記第1実施形態の上部11aおよび底部11bと同じ構成であるので、説明を省略する。側部61cは、赤外線を透過する窓部65を有する。窓部65は、側部61cに形成された貫通孔に石英ガラスが嵌め込まれた構成を有する。容器61は、側部61cに窓部65が設けられていることが、上記第1実施形態の容器11と異なる。
ヒータ62は、加熱部29から構成される。ヒータ62は、温度センサ30を内蔵していないことが上記第1実施形態のヒータ12(図2参照)と異なる。
導線部63は、加熱部29と接続する加熱用導線部32から構成される。導線部63は、温度検出用導線部33を有しないことが上記第1実施形態の導線部13(図2参照)と異なる。
反射部64は、複数の反射板66と、複数の反射板66を支持する支持部67とを有する。支持部67は、複数のベース69と、複数のベース69に固定される複数の支持板70a〜70cとを有する。支持板70a〜70cは、全体として箱状に構成されている。支持部67の側部を構成する支持板70cには第1の計測孔71が設けられている。第1の計測孔71は、側部の支持板70cのうち、容器61に設けられた窓部65に対応する位置に設けられている。第1の計測孔71が設けられている支持板70cに支持される複数の反射板66には、第2の計測孔72がそれぞれ設けられている。各第2の計測孔72は、複数の反射板66のうち、第1の計測孔71に対応する位置に設けられている。支持部67は、支持板70cに第1の計測孔71が設けられ、反射板66に第2の計測孔72が設けられていることが、上記第1実施形態の支持部48と異なる。
発熱装置60は、温度センサ74を更に備える。温度センサ74は、容器61の外部に設けられている。温度センサ74は、容器61に設けられた窓部65から、支持板70cの第1の計測孔71、反射板66の第2の計測孔72を介して、ヒータ62の温度を検出する放射温度計である。第2実施形態では、温度センサ74としての放射温度計によりヒータ温度Tが計測される。
発熱装置60は、導線部63が加熱用導線部32のみからなり、温度センサ74としての放射温度計を用いてヒータ62の温度を検出するように構成されているので、温度検出用導線部33を有する上記第1実施形態の発熱装置10よりも、熱伝導エネルギー損失が抑制されている。したがって、発熱装置60は、上記数式(1)を満たす条件で構成されているので、エネルギー効率に優れている。
[第3実施形態]
上記第1、第2実施形態ではバッチ式により発熱を行うように構成されているが、第3実施形態では透過式により発熱を行うように構成されている。
図10において、発熱装置80は、容器81と、ヒータ82と、導線部83と、発熱体14と、水素供給部15と、真空排気部16と、反射部84とを備える。
容器81は、第1の容器81aと、第1の容器81aの内部に設けられた第2の容器81bとで構成されている。第1の容器81aと第2の容器81bとは、中空の真空容器であって、上記第1実施形態の容器11と同様に、上部と底部と側部とで構成されている。第1の容器81aの壁部には、ガス排出口26と接続部27とが設けられている。真空排気部16は、第1の容器81aの内部を真空排気する。第2の容器81bの壁部には、ガス導入口25と後述するガス回収口87とが設けられている。本実施形態では、第2の容器81bの壁部に、3つのガス導入口25と、4つのガス回収口87とが設けられている。水素供給部15は、第2の容器81bの内部に水素系ガスを導入する。
第3実施形態では、第2の容器81bの内部に複数の発熱体14が設けられている。図10では、6つの発熱体14が設けられている。複数の発熱体14は、表面または裏面と直交する方向に、互いに間隔をあけて配列されている。第2の容器81bの内部は、複数の発熱体14により、複数の第1室85と複数の第2室86とに区画されている。第1室85と第2室86とは、複数の発熱体14の配列方向に交互に配されている。第1室85はガス導入口25と接続する。第2室86はガス回収口87と接続する。第1室85は、ガス導入口25から水素系ガスが導入されることにより昇圧される。第2室86は、ガス回収口87から水素系ガスが回収されることにより減圧される。これにより、第1室85の水素分圧が、第2室86の水素分圧よりも高くなる。このように、第3実施形態では、第1室85と第2室86との間に水素の圧力(水素分圧)の差を発生させる。
ヒータ82は、第1の容器81aの内部に設けられ、第2の容器81bを介して複数の発熱体14を加熱する。ヒータ82は、例えば電気抵抗発熱式の電熱線であり、第2の容器81bの外周に巻き付けられている。ヒータ82は、電源(図示なし)と電気的に接続しており、電源から電圧が印加されることにより熱を発生する。ヒータ82は、第2の容器81bの外周を覆うように配置される電気炉でもよい。
導線部83は、第1の容器81aの壁部に設けられた接続部27とヒータ82とを接続する。導線部83は、接続部27を介して、第1の容器81aの外部に設けられた制御部(図示なし)および電源(図示なし)と電気的に接続する。
反射部84は、発熱体14が放射する輻射熱を反射する。反射部84は、ヒータ82が放射する輻射熱も反射する。反射部84は、複数の反射板88と、複数の反射板88を支持する支持部(図示なし)とを有する。反射部84は断熱材89により覆われている。
発熱装置80は、図示しない温度センサを更に備えており、温度センサを用いてヒータ82の温度を検出している。温度センサとしては、例えば上記第2実施形態と同様に、放射温度計が用いられる。
水素供給部15とガス導入口25とは、水素導入管90により接続されている。水素導入管90は、水素供給部15からガス導入口25を介して第1室85に水素系ガスを導入する。水素導入管90には、圧力調整弁91が設けられている。圧力調整弁91は、第1室85に導入する水素系ガスの流量や水素導入管90内の圧力を調整する。水素導入管90のうち、第1の容器81aと断熱材89との間の一部分は、断熱パイプ92に挿入され、断熱されている。
水素供給部15とガス回収口87とは、水素回収管94により接続されている。水素回収管94は、第2室86の水素系ガスをガス回収口87から回収する。水素回収管94には、循環ポンプ95が設けられている。循環ポンプ95は、第2室86の水素系ガスを水素回収管94へ回収し、所定の圧力に昇圧して水素供給部15のバッファタンク(図示なし)へ送る。循環ポンプ95により循環する水素系ガスの流量は、0.1SCCMである。循環ポンプ95としては、例えばメタルベローズポンプが用いられる。水素回収管94のうち、第1の容器81aと断熱材89との間の一部分は、断熱パイプ96に挿入され、断熱されている。
図11に示すように、第1室85と第2室86との間に生じる水素分圧の差によって、水素導入管90から第1室85へ導入された水素系ガスは、発熱体14を透過して第2室86へ移動し、水素回収管94に回収される。各発熱体14は、水素系ガスが透過することにより、それぞれ過剰熱を発生する。このように、発熱装置80は、透過式により発熱を行うように構成されている。
ヒータ82は、発熱装置80の運転を開始する際にONとされ、発熱体14が過剰熱を発生した後にOFFとされる。循環ポンプ95は、発熱装置80の運転中、水素系ガスの循環を継続して行う。このため、動作維持エネルギーには、ヒータ82を駆動するための電気エネルギーは含まれず、真空排気部16を駆動するための電気エネルギーと、循環ポンプ95を駆動するための電気エネルギーとが含まれる。真空排気部16を駆動するための電気エネルギーは、上記のように4×10−5Wである。循環ポンプ95を駆動するための電気エネルギーは、0.1SCCMの流量で1×10−3Wである。
発熱装置80では、循環ポンプ95を使用しているので、水素系ガスを循環するためのポンプを使用しない上記第1実施形態の発熱装置10よりも、動作維持エネルギーが僅かに大きい。しかしながら、発熱装置80では、透過式により発熱を行うように構成されているので、発生する熱エネルギーHexが5W程度であるバッチ式の上記第1実施形態の発熱装置10よりも、大きい熱エネルギーHex(10W程度)が得られる。発熱装置80は、発熱装置10と比べて、動作維持エネルギーが増加しているが、当該動作維持エネルギーの増加分よりも、発生する熱エネルギーの増加分の方が大きい。したがって、発熱装置80は、上記数式(1)を満たす条件で構成されているので、エネルギー効率に優れている。
[第4実施形態]
上記第3実施形態では循環ポンプ95を用いて水素系ガスを循環させているが、第4実施形態では水素系ガスを循環しない。
図12において、発熱装置100は、容器81と、ヒータ82と、導線部83と、発熱体14と、水素供給部15と、真空排気部16と、反射部84とを備える。また、発熱装置100は、不活性ガスを貯留するガスタンク101と、ガスタンク101とガス回収口87とを接続するガス管102とを更に備える。発熱装置100は、水素回収管94と循環ポンプ95の代わりに、ガスタンク101とガス管102とを備えることが、上記第3実施形態の発熱装置80と異なる。不活性ガスとしては、例えばアルゴンガスや窒素ガス等が用いられる。ガスタンク101の不活性ガスは、発熱装置100の運転開始前に、ガス管102を介して第2室86の内部に導入される。このように、ガスタンク101は、第2室86の内部に不活性ガスを導入するための不活性ガス導入部としての機能を有する。
発熱装置100では、第2室86の内部に不活性ガスが導入されることにより、第1室85と第2室86との間に水素分圧の差が生じる。第1室85と第2室86との間に生じる水素分圧の差によって、第1室85の水素系ガスは、発熱体14を透過して第2室86へ移動し、ガス回収口87およびガス管102を通ってガスタンク101へ送られる。各発熱体14は、水素系ガスが透過することにより、それぞれ過剰熱を発生する。このように、発熱装置100は、透過式により発熱を行うように構成されている。
ガスタンク101を定期的に交換することにより、第1室85と第2室86との間に水素分圧の差が生じた状態を維持することができる。なお、ガスタンク101に水素透過膜を設け、ガスタンク101の内部に蓄積した水素を除去してもよい。
発熱装置100では、水素系ガスを循環するためのポンプを使用しないので、循環ポンプ95を使用する上記第3実施形態の発熱装置80よりも、動作維持エネルギーが小さい。したがって、発熱装置100は、上記数式(1)を満たす条件で構成されているので、エネルギー効率に優れている。
[第5実施形態]
上記各実施形態では発熱体14が板状であるが、第5実施形態では筒状である。
図13に示すように、発熱体106は、一端が開口し、他端が閉塞した有底筒状に形成されている。発熱体106は、有底筒状であること以外は、上記第1実施形態の発熱体14と同じ構成を有する。発熱体106は、台座107の表面に多層膜108が設けられた構成を有する。台座107と多層膜108の材料は、上記第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。台座107には取付管109が設けられている。取付管109は、例えばステンレスなどで形成されている。なお、発熱体106は、図13では有底円筒状に形成されているが、有底角筒状に形成してもよい。
発熱体106の製造方法の一例を説明する。発熱体106は、有底筒状に形成された台座107を準備し、湿式成膜法を用いて台座107の外面に多層膜108を形成する。これにより、有底筒状の発熱体106が形成される。湿式成膜法としては、スピンコート法、スプレーコート法、ディッピング法などが用いられる。また、多層膜108は、ALD法(Atomic Layer Deposition)を用いて形成してもよいし、台座107を回転させる回転機構を備えたスパッタリング装置を用いて、台座107を回転させながら、台座107に多層膜108を形成してもよい。なお、多層膜108は、台座107の外面に設ける場合に限られず、台座107の内面、または台座107の両面に設けてもよい。
図14に示すように、発熱装置110は、複数の発熱体106を備える。発熱装置110は、有底筒状の発熱体106を使用していること以外は、上記第3実施形態の発熱装置80と同じ構成を有する。発熱装置110は、容器81と、ヒータ82と、導線部83と、複数の発熱体106と、水素供給部15と、真空排気部16と、反射部84とを備える。
複数の発熱体106は、第2の容器81bの内部に設けられる。発熱体106の取付管109は、第2の容器81bの壁部に設けられたガス導入口25と接続する。第1室85は、発熱体106の内面により形成される。第2室86は、第2の容器81bの内面と発熱体106の外面とにより形成される。このため、発熱体106は、台座107が第1室85側(高圧側)に配され、多層膜108が第2室86側(低圧側)に配される(図13参照)。第1室85と第2室86との間に生じる水素分圧の差によって、ガス導入口25および取付管109から第1室85へ導入された水素系ガスは、発熱体106を透過して第2室86へ移動する。各発熱体106は、水素系ガスが透過することにより、過剰熱を発生する。このように、発熱装置110は、透過式により発熱を行うように構成されている。
図15に示すように、発熱装置110では、第2の容器81bの内部に9つの発熱体106が設けられている。本実施形態では、第2の容器81bの壁部に、9つのガス導入口25(図示なし)と、1つのガス回収口87(図示なし)とが設けられている。各発熱体106の取付管109と水素導入管90とがガス導入口25を介して接続し、各発熱体106の内部(第1室85)に水素系ガスが導入される。第2の容器81bのガス回収口87と水素回収管94とが接続し、第2室86の水素系ガスが回収される。回収された水素系ガスは、循環ポンプ95により所定の圧力に昇圧され、水素供給部15のバッファタンク(図示なし)へ送られる。水素供給部15の水素系ガスは、ガス回収口87および水素導入管90を通って各発熱体106の内部(第1室85)に再び導入され、各発熱体106の外部(第2室86)へ移動する。このように発熱装置110は水素系ガスを循環させることができる。
発熱装置110は、発熱体106を使用していること以外は上記第3実施形態の発熱装置80と同じ構成を有する。したがって、発熱装置110は、上記第3実施形態の発熱装置80と同様に、上記数式(1)を満たす条件で構成されているので、エネルギー効率に優れている。
発熱装置110は、発熱体106を用いる代わりに、図16に示す柱状に形成された発熱体112を用いてもよい。発熱体112は、柱状に形成された台座113と、台座113の表面に設けられた多層膜108とを有する。発熱体112は、中実の台座113を有することが発熱体106と異なる。台座113は、水素系ガスの通過を可能としつつ、発熱体112としての機械的強度を向上させる。なお、発熱体112は、図16では円柱状に形成されているが、角柱状に形成してもよい。
[第6実施形態]
上記第5実施形態では循環ポンプ95を用いて水素系ガスを循環させているが、第6実施形態では水素系ガスを循環しない。
図17に示すように、発熱装置115は、容器81と、ヒータ82と、導線部83と、発熱体106と、水素供給部15と、真空排気部16と、反射部84と、ガスタンク101と、ガス管102とを備える。発熱装置115は、水素回収管94と循環ポンプ95の代わりに、ガスタンク101とガス管102とを備えることが、上記第5実施形態の発熱装置110と異なる。
発熱装置115では、第1室85の内部に水素系ガスが導入され、第2室86の内部に不活性ガスが導入されることにより、第1室85と第2室86との間に水素分圧の差が生じる。第1室85と第2室86との間に生じる水素分圧の差によって、第1室85の水素系ガスは、発熱体106を透過して第2室86へ移動し、ガス回収口87およびガス管102を通ってガスタンク101へ送られる。各発熱体106は、水素系ガスが透過することにより、それぞれ過剰熱を発生する。このように、発熱装置115は、透過式により発熱を行うように構成されている。
発熱装置115では、水素系ガスを循環するためのポンプを使用しないので、循環ポンプ95を使用する上記第5実施形態の発熱装置110よりも、動作維持エネルギーが小さい。したがって、発熱装置115は、上記数式(1)を満たす条件で構成されているので、エネルギー効率に優れている。
本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
発熱体14の多層膜40、発熱体106および発熱体112の多層膜108は、第1層41と第2層42とから構成されているが、多層膜の構成はこれに限定されない。
以下、多層膜の第1の例について説明する。
図18に示すように、発熱体133は、台座39と多層膜134とを有する。多層膜134は、第1層41と第2層42に加え、第3層135を更に有する。台座39、第1層41、および第2層42については説明を省略する。第3層135は、第1層41および第2層42とは異種の水素吸蔵金属、水素吸蔵合金、またはセラミックスにより形成される。第3層135の厚みは、1000nm未満であることが好ましい。図18では、第1層41と第2層42と第3層135は、台座39の表面に、第1層41、第2層42、第1層41、第3層135の順に積層されている。なお、第1層41と第2層42と第3層135は、台座39の表面に、第1層41、第3層135、第1層41、第2層42の順に積層されてもよい。すなわち、多層膜134は、第2層42と第3層135の間に第1層41を設けた積層構造を有する。多層膜134は、第3層135を1層以上有していればよい。第1層41と第3層135との界面が異種物質界面136である。異種物質界面136は、異種物質界面43と同様に、水素原子を透過させる。
第3層135は、例えば、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、Co、これらの合金、SiC、CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのうちいずれかにより形成される。第3層135を形成する合金は、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、Coのうち2種以上からなる合金であることが好ましい。第3層135を形成する合金として、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、Coに添加元素を添加させた合金を用いてもよい。
特に、第3層135は、CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかにより形成されることが好ましい。CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかにより形成される第3層135を有する発熱体133は、水素の吸蔵量が増加し、異種物質界面43および異種物質界面136を透過する水素の量が増加し、過剰熱の高出力化が図れる。CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかにより形成される第3層135は、厚みが10nm以下であることが好ましい。これにより、多層膜134は、水素原子を容易に透過させる。CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかにより形成される第3層135は、完全な膜状に形成されずに、アイランド状に形成されてもよい。また、第1層41および第3層135は、真空状態で連続的に形成することが好ましい。これにより、第1層41および第3層135の間には、自然酸化膜が形成されずに、異種物質界面136のみが形成される。
第1層41と第2層42と第3層135との組み合わせとしては、元素の種類を「第1層41−第3層135−第2層42」として表すと、Pd−CaO−Ni、Pd−Y−Ni、Pd−TiC−Ni、Pd−LaB−Ni、Ni−CaO−Cu、Ni−Y−Cu、Ni−TiC−Cu、Ni−LaB−Cu、Ni−Co−Cu、Ni−CaO−Cr、Ni−Y−Cr、Ni−TiC−Cr、Ni−LaB−Cr、Ni−CaO−Fe、Ni−Y−Fe、Ni−TiC−Fe、Ni−LaB−Fe、Ni−Cr−Fe、Ni−CaO−Mg、Ni−Y−Mg、Ni−TiC−Mg、Ni−LaB−Mg、Ni−CaO−Co、Ni−Y−Co、Ni−TiC−Co、Ni−LaB−Co、Ni−CaO−SiC、Ni−Y−SiC、Ni−TiC−SiC、Ni−LaB−SiCであることが好ましい。
以下、多層膜の第2の例について説明する。
図19に示すように、発熱体143は、台座39と多層膜144とを有する。多層膜144は、第1層41と第2層42と第3層135に加え、第4層145を更に有する。第4層145は、第1層41、第2層42および第3層135とは異種の水素吸蔵金属、水素吸蔵合金、またはセラミックスにより形成される。第4層145の厚みは、1000nm未満であることが好ましい。図19では、第1層41と第2層42と第3層135と第4層145は、台座39の表面に、第1層41、第2層42、第1層41、第3層135、第1層41、第4層145の順に積層されている。なお、第1層41と第2層42と第3層135と第4層145は、台座39の表面に、第1層41、第4層145、第1層41、第3層135、第1層41、第2層42の順に積層してもよい。すなわち、多層膜144は、第2層42、第3層135、第4層145を任意の順に積層し、かつ、第2層42、第3層135、第4層145のそれぞれの間に第1層41を設けた積層構造を有する。多層膜144は、第4層145を1層以上有していればよい。第1層41と第4層145との界面が異種物質界面146である。異種物質界面146は、異種物質界面43および異種物質界面136と同様に、水素原子を透過させる。
第4層145は、例えば、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、Co、これらの合金、SiC、CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのうちいずれかにより形成される。第4層145を形成する合金は、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、Coのうち2種以上からなる合金であることが好ましい。第4層145を形成する合金として、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、Coに添加元素を添加させた合金を用いてもよい。
特に、第4層145は、CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかにより形成されることが好ましい。CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかにより形成される第4層145を有する発熱体143は、水素の吸蔵量が増加し、異種物質界面43、異種物質界面136、および異種物質界面146を透過する水素の量が増加し、過剰熱の高出力化が図れる。CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかにより形成される第4層145は、厚みが10nm以下であることが好ましい。これにより、多層膜144は、水素原子を容易に透過させる。CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかにより形成される第4層145は、完全な膜状に形成されずに、アイランド状に形成されてもよい。また、第1層41および第4層145は、真空状態で連続的に形成することが好ましい。これにより、第1層41および第4層145の間には、自然酸化膜が形成されずに、異種物質界面146のみが形成される。
第1層41と第2層42と第3層135と第4層145との組み合わせとしては、元素の種類を「第1層41−第4層145−第3層135−第2層42」として表すと、Ni−CaO−Cr−Fe、Ni−Y−Cr−Fe、Ni−TiC−Cr−Fe、Ni−LaB−Cr−Feであることが好ましい。
本発明は、上記数式(1)の右辺の熱エネルギーから左辺の各エネルギーを引いた値に対応する熱エネルギー(利用可能エネルギーという)を各種の用途に用いることができる。利用可能エネルギーは、例えば熱媒体を用いて回収することができる。熱媒体は、利用可能エネルギーが与えられることにより加熱され、高温となる。高温の熱媒体は、例えば、家庭用暖房、家庭用給湯器、自動車用ヒータ、農業用暖房機、ロードヒータ、海水淡水化用熱源、地熱発電補助熱源などに用いられる。熱媒体としては、気体または液体を用いることができ、熱伝導率に優れかつ化学的に安定したものが好ましい。気体としては、例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、窒素ガス、水蒸気、空気、二酸化炭素などが用いられる。液体としては、例えば、水、溶融塩(KNO(40%)−NaNO(60%)など)、液体金属(Pbなど)などが用いられる。また、熱媒体として、気体または液体に固体粒子を分散させた混相の熱媒体を用いてもよい。固体粒子は、金属、金属化合物、合金、セラミックスなどである。金属としては、銅、ニッケル、チタン、コバルトなどが用いられる。金属化合物としては、上記金属の酸化物、窒化物、ケイ化物などが用いられる。合金としては、ステンレス、クロムモリブデン鋼などが用いられる。セラミックスとしては、アルミナなどが用いられる。なお、利用可能エネルギーは、熱媒体を用いて回収する場合に限られず、例えば熱電素子を用いて電気エネルギーとして回収してもよい。
利用可能エネルギーの用途としては、熱交換機や動力ユニットなどが挙げられる。熱交換機としては、例えば、熱媒体と気体との間で熱交換を行う装置、熱媒体と液体との間で熱交換を行う装置、熱媒体と固体との間で熱交換を行う装置が挙げられる。熱媒体と気体との間で熱交換を行う装置は、空調、燃焼装置に供給する空気の予熱、乾燥用熱風や加熱用熱風の生成などに用いられる。燃焼装置としては、ボイラー、ロータリーキルン、金属の熱処理炉、金属加工用加熱炉、熱風炉、窯業用焼成炉、石油精製塔、乾留炉、乾燥炉などが挙げられる。熱媒体と液体との間で熱交換を行う装置は、ボイラーの熱源、油加熱、化学反応槽などに用いられる。熱媒体と固体との間で熱交換を行う装置は、二重管式ロータリー加熱機、二重管内における粒子状物質の加熱などに用いられる。動力ユニットとしては、ガスタービン、蒸気タービン、スターリングエンジン、ORCS(Organic Rankine Cycle System)などが挙げられる。
ボイラーなどの燃焼装置から排出される排出ガスから二酸化炭素(CO)を分離するために利用可能エネルギーを用いてもよい。排出ガスに含まれるCOは、化学吸収法または物理吸着法を行う二酸化炭素分離回収装置により回収される。化学吸収法は、排出ガスに含まれるCOをアミン化合物水溶液などの吸収液に吸収させ、COを吸収した吸収液を加熱することで吸収液からCOを放出させる。化学吸収法においてCOを吸収した吸収液を加熱するために利用可能エネルギーを用いることができる。物理吸着法は、排出ガスに含まれるCOを活性炭やゼオライトなどの吸着材に吸着させ、COが吸着した吸着材を加熱することで吸着材からCOを脱離させる。物理吸着法においてCOが吸着した吸着材を加熱するために利用可能エネルギーを用いることができる。
COと水素(H)とを反応させてメタン(CH)に変換するために利用可能エネルギーを用いてもよい。COは、二酸化炭素分離回収装置などで排ガスから回収したものを用いてもよい。COとHとの反応(メタネーション反応)を進行させる触媒を用いて、COとHとを含む原料ガスを触媒と接触させることにより原料ガスからCHが生成されるが、原料ガスの温度が低いと十分に反応が進行しない。COとHとを含む原料ガスを加熱するために利用可能エネルギーを用いることができる。
水から水素を製造するISサイクルに利用可能エネルギーを用いてもよい。ISサイクルでは、水とヨウ素(I)と硫黄(S)とを反応させてヨウ化水素(HI)を生成し、このヨウ化水素を熱分解することによって水素を生成する。ヨウ化水素を熱分解するために利用可能エネルギーを用いることができる。
水と窒素(N)とからアンモニア(NH)を製造するISNサイクルに利用可能エネルギーを用いてもよい。ISNサイクルでは、窒素とISサイクルで生成されるヨウ化水素とを反応させてヨウ化アンモニウム(NHI)を生成し、このヨウ化アンモニウムを熱分解することによってアンモニアを生成する。ヨウ化アンモニウムを熱分解するために利用可能エネルギーを用いることができる。
10,60,80,100,110,115 発熱装置
11,61,81 容器
12,62,82 ヒータ
13,63,83 導線部
14,106,112,133,143 発熱体
15 水素供給部
16 真空排気部
17,64,84 反射部
30 温度センサ
35,66,88 反射板
39,107,113 台座
40,108,134,144 多層膜
41 第1層
42 第2層
43,136,146 異種物質界面
65 窓部
74 温度センサ
81a 第1の容器
81b 第2の容器
85 第1室
86 第2室
101 ガスタンク
135 第3層
145 第4層

Claims (6)

  1. 中空の容器と、
    前記容器の内部に設けられた発熱体と、
    前記発熱体を加熱するヒータと、
    前記容器の壁部と前記ヒータとを接続する導線部と、
    前記発熱体に水素を含む水素系ガスを供給する水素供給部と、
    前記容器の内部を真空排気する真空排気部と
    を備え、
    前記発熱体は、水素吸蔵金属、水素吸蔵合金、またはプロトン導電体からなる台座と、前記台座の表面に設けられた多層膜とを有し、
    前記多層膜は、水素吸蔵金属または水素吸蔵合金からなり、かつ厚さが1000nm未満でなる第1層と、前記第1層とは異種の水素吸蔵金属、水素吸蔵合金、またはセラミックスからなり、かつ厚さが1000nm未満でなる第2層とが積層された積層構造を有し、
    前記発熱体は、前記ヒータにより加熱され、前記第1層と前記第2層との界面である異種物質界面を前記水素が量子拡散により透過または拡散することで、熱を発生し、
    ヒータ温度をT[K]、
    外界温度をT[K]、
    等価的熱伝導面積をAHC[m]、
    等価的熱伝導率をkeq[W/mK]、
    等価的熱伝導距離をLeq[m]、
    サンプル輻射表面積をA[m]、
    サンプル表面温度をT[K]、
    等価的輻射率をεeq
    ステファンボルツマン定数をσ[W/m]、
    動作維持に必要なエネルギーをP[W]、
    前記発熱体が発生する熱エネルギーをHex[W]としたときに、
    下記数式(1)を満たす発熱装置。
    Figure 2021162227
    ここで、上記数式(1)中、ηeqは、前記等価的熱伝導率を前記等価的熱伝導距離で除した値(keq/Leq)である。
  2. 前記発熱体の輻射熱を反射する反射部を更に備える請求項1に記載の発熱装置。
  3. 前記反射部は、互いに間隔をあけて配された複数の反射板を有する請求項2に記載の発熱装置。
  4. 放射温度計を更に備え、
    前記容器は、赤外線を透過する窓部を有し、
    前記放射温度計により前記ヒータの温度を検出する請求項1〜3のいずれか1項に記載の発熱装置。
  5. 前記容器は、第1の容器と、前記第1の容器の内部に設けられた第2の容器とで構成され、
    前記発熱体は、前記第2の容器の内部に設けられ、前記第2の容器の内部を第1室と第2室とに区画し、
    前記真空排気部は、前記第1の容器の内部を真空排気し、
    前記ヒータは、前記第1の容器の内部に設けられ、前記第2の容器を介して前記発熱体を加熱し、
    前記導線部は、前記第1の容器の壁部と前記ヒータとを接続し、
    前記水素供給部は、前記第1室の内部に前記水素系ガスを導入し、
    前記第1室と前記第2室との間に前記水素の圧力の差を発生させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の発熱装置。
  6. 前記第2室の内部に不活性ガスを導入する不活性ガス導入部を更に備える請求項5に記載の発熱装置。
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