JP2021161937A - 内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】渋滞の多い都市環境下で、燃料噴射弁に付着したデポジットを効果的に除去するとともに、燃焼室内のデポジットの生成を抑制することができる内燃機関の燃料供給制御装置を提供する。【解決手段】燃料供給制御装置は、燃料噴射弁(インジェクタ)と、燃料噴射弁に燃料を供給し、燃圧PFを変更可能な燃料供給装置(高圧ポンプ)と、内燃機関の回転数NEを取得する回転数取得手段(クランク角センサ)と、内燃機関の負荷LEを取得する負荷取得手段(アクセル開度センサ)と、運転履歴パラメータを取得する運転履歴パラメータ取得手段(走行距離メータ)と、運転履歴パラメータが所定条件を満たし、内燃機関の回転数NE及び負荷が所定運転領域にあるときにステップ402,403、燃料噴射弁に付着したデポジットを除去するために、燃圧PFを上昇させるステップ404、燃料噴射圧昇圧手段(ECU)と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、燃料の圧力を上昇させる燃料噴射圧昇圧手段を有する内燃機関の燃料供給制御装置に関する。
車両に搭載されるディーゼルエンジン等の内燃機関においては、排ガス中の粒子状物質(以下「PM」という)を捕集して除去するために、ディーゼル微粒子捕集フィルタ(以下「DPF」という)が設けられている。捕集されたPMはDPFに蓄積される。そのため、車両の走行中に、内燃機関の燃焼行程後半に燃料を噴射するポスト噴射を行うことによって、未燃燃料を排気管に供給し、DPFの上流側に配置された酸化触媒と反応させることによって高温を生じさせ、それによりPMを燃焼させて除去するDPF再生運転を実行している。
一般に、DPF再生運転は、たとえばDPFの前後差圧(上流圧と下流圧の差圧)等に基づいて推定されたPMの蓄積量が、所定量に達したと判定された場合に実行される。PMの蓄積度合いは、車両の運転状態に左右され、それによりDPF再生運転の頻度も変化する。たとえば、渋滞が多い都市部では、低回転・低負荷の運転状態が多くなることでDPF再生運転が効率的に完了できず、PMの蓄積が進行し、DPF再生運転の頻度が高くなる場合がある。
DPF再生運転の頻度が高くなると、ポスト噴射の実行回数も増加する。ポスト噴射は、燃焼室内に噴射された燃料を未燃焼のまま排気管に供給するものであるため、ポスト噴射の実行回数が増加すると、燃料噴射弁に付着するデポジット(炭素系の化合物)の量も増加するという不具合が生じる。燃料噴射弁へのデポジットの付着は、燃料噴射量の減少や変動を生じさせ、燃料と空気の混合比を変化させる場合があり、内燃機関からのPMの排出を増加させるため、その付着状況に応じて、デポジットの除去を適切に行う必要がある。これを行わないと、PMの排出増加によりDPF再生運転の頻度が高くなり、オイルダイリューションが増加する等の不具合が起こる。また、このようなデポジットの除去は、その実行中であることがドライバに気づかれないようにすることが、ドライバビリティを保つ上で望ましい。
こうした課題に対して、従来、燃料中に洗浄剤を添加することで、燃料噴射時に、燃料噴射弁に付着したデポジットを洗い落とすという技術が提案されている。たとえば特許文献1では、燃料を貯留する燃料タンクとは別に清浄剤用のタンクを設け、推定された燃料噴射弁へのデポジットの付着量に応じて清浄剤の供給を行うことで、デポジット付着による燃料噴射性能の低下を抑制するとともに、清浄剤の過剰投与による悪影響を抑制するようにしている。
特開2007−16662号公報
特許文献1に記載の技術では、清浄剤としてポリイソブテンアミン系化合物が使用されている。そのため、このような清浄剤を添加された燃料が燃焼室内のピストンヘッドやシリンダ壁に付着することで、燃焼室内におけるデポジットの生成を促進するおそれがある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、渋滞の多い都市環境下で、燃料噴射弁に付着したデポジットを効果的に除去するとともに、燃焼室内のデポジットの生成を抑制することができる内燃機関の燃料供給制御装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の請求項1に係る内燃機関の燃料供給制御装置1は、車両に搭載された内燃機関(実施形態における(以下、本項において同じ)エンジン3)の気筒3a内に燃料を直接、噴射する燃料噴射弁(インジェクタ10)と、燃料噴射弁に燃料を供給するとともに、燃料の圧力PFを変更可能な燃料供給装置(高圧ポンプ16)と、内燃機関の回転数NEを取得する回転数取得手段(クランク角センサ43)と、内燃機関の負荷LEを取得する負荷取得手段(アクセル開度センサ44)と、車両の運転履歴を表す運転履歴パラメータを取得する運転履歴パラメータ取得手段(走行距離メータ45)と、取得された運転履歴パラメータが所定の履歴条件を満たし(図3)、かつ、取得された内燃機関の回転数及び負荷が所定の運転領域にあるときに(図4のステップ402,403)、燃料噴射弁に付着したデポジットを除去するために、燃料の圧力PFを上昇させる燃料噴射圧昇圧制御を実行する燃料噴射圧昇圧手段(ECU2,ステップ404)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関の燃料供給制御装置によれば、燃料噴射圧昇圧手段は、取得された運転履歴パラメータが所定の履歴条件を満たし、かつ、取得された内燃機関の回転数及び負荷が所定の運転領域にあるときに、燃料の圧力を上昇させる燃料噴射圧昇圧制御を実行するので、渋滞の多い都市環境下においても、高圧力の燃料を噴射することによって、微粒化し高分散化の進んだ燃料蒸気が燃料噴射弁近傍で燃焼するため、燃料噴射弁に付着したデポジットを効果的に除去することができる。また、清浄剤を添加する従来の装置と異なり、燃焼室内のデポジットの生成を抑制することができる。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給制御装置において、運転履歴パラメータは、車両の走行距離TV、及び、DPFの再生運転の実行回数DNの少なくとも一方であり、所定の履歴条件は、前回の燃料噴射圧昇圧制御が実行され、完了した時点を起点とした車両の走行距離TVが所定距離TREF以上であり、及び/又は、前回の燃料噴射圧昇圧制御が実行され、完了した後のDPFの再生運転の実行回数DNが所定回数DREF以上であることを特徴とする。
この構成によれば、燃料噴射圧昇圧手段は、前回の燃料噴射圧昇圧制御が実行され、完了した時点からの車両の走行距離が所定距離以上となり、及び/又は、前回の燃料噴射圧昇圧制御が実行され、完了した時点からのDPFの再生運転の実行回数が所定回数以上となったときに、かつ、取得された内燃機関の回転数及び負荷が所定の運転領域にあるときに、燃料の圧力を上昇させる。このように、前回の燃料噴射圧昇圧制御が実行され、完了した時点からの車両の走行距離が所定距離以上となること、及び/又は、DPFの再生運転の実行回数が所定回数以上となることを条件として、燃料噴射圧昇圧制御を実行するので、燃料噴射弁に対するデポジットの付着が進行していると推定される状況下においてのみ、燃料の噴射圧力を上昇させることができ、効率よくデポジットの除去を実行することができる。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料供給制御装置において、所定の運転領域は、所定の中回転・中負荷領域であることを特徴とする。
一般に、内燃機関が低回転・低負荷の運転状態にあるときは、内燃機関や車両自身の騒音が小さいため、燃料の圧力を上昇させたときの燃焼音の変化がドライバに認識されやすく、ドライバビリティの低下を招きやすい。これに対し、内燃機関が中回転・中負荷の運転状態にあるときは、内燃機関や車両自身の騒音が比較的大きくなるため、燃料の噴射圧力を上昇させたときの燃料ポンプの騒音はドライバに気づかれ難い。また、一般に、高回転・高負荷領域では、燃料噴射圧昇圧制御を導入しなくても、もともと高い噴射圧に設定されている。
上述の構成によれば、燃料噴射圧昇圧手段は、取得された内燃機関の回転数及び負荷が所定の中回転・中負荷の運転領域であることを条件として燃料の圧力を上昇させるので、燃料の圧力の上昇によるデポジットの除去の実行を、ドライバに気づかれ難くすることができる。
内燃機関の構成を模式的に示す図である。 燃料供給制御装置の構成を示すブロック図である。 デポジット付着状態の判定処理を示すフローチャートである。 燃料噴射圧昇圧の制御処理を示すフローチャートである。 燃料噴射圧の昇圧を実行する所定の運転領域を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る内燃機関の燃料供給制御装置1は、ECU(電子制御ユニット)2を備えており、内燃機関(以下「エンジン」という)3の燃料噴射制御などを含む各種の制御処理を実行する。
エンジン3は、たとえば4つの気筒3a(1つのみ図示)を有するディーゼルエンジンであり、車両(不図示)に動力源として搭載されている。各気筒3aには吸気管4及び排気管5が接続され、それらの吸気ポート及び排気ポートに設けられた吸気弁6及び排気弁7は、それぞれ吸気カムシャフト8及び排気カムシャフト9によって駆動される。
また、シリンダヘッド3bには、各気筒3aの中央に燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)10が、燃焼室3cに臨むように取り付けられている。すなわち、エンジン3は、インジェクタ10から気筒3aの燃焼室3cに燃料を直接、噴射する直噴式のものである。インジェクタ10の動作は、ECU2によって制御される。
各インジェクタ10は、それぞれの燃料供給短管10aと、デリバリパイプ12及び燃料供給管13を介して、燃料タンク14に接続されている。燃料供給管13の最上流位置には低圧ポンプ15が設けられ、燃料供給管13の途中には高圧ポンプ16が設けられている。
低圧ポンプ15は、電動式のものであり、ECU2による制御の下、燃料タンク14内の燃料を所定の低圧で加圧した後、燃料供給管13を介して高圧ポンプ16側に吐出する。
高圧ポンプ16は、排気カムシャフト9に一体に設けられたポンプ駆動カム(不図示)によって駆動される機械式のものであり、低圧ポンプ15からの燃料をさらに高圧で加圧した後、燃料供給管13を介して、デリバリパイプ12側に吐出する。デリバリパイプ12内に貯留された高圧の燃料は、燃料供給短管10aを介してインジェクタ10に供給され、インジェクタ10の開弁によって、燃焼室3cに噴射される。
また、高圧ポンプ16は、スピル制御弁16a(図2参照)を備えている。このスピル制御弁16aは、電磁弁で構成されており、高圧ポンプ16に吸入された燃料を低圧側へ還流させるスピル動作を制御するものである。より具体的には、スピル制御弁16aの閉弁タイミングをECU2で制御することによって、燃料のスピル量が調整され、それにより、デリバリパイプ12への燃料の吐出量と、デリバリパイプ12内の燃料の圧力(以下「燃圧」という)PFが制御される。
以上の構成から、インジェクタ10の燃料噴射量は、ECU2で制御されるインジェクタ10の開弁時間及び燃圧PFによって制御される。デリバリパイプ12には、燃圧PFを検出する燃圧センサ41が設けられており、その検出信号はECU2に入力される。
また、吸気管4には、エアフロ―センサ42が設けられている。エアフロ―センサ42は、吸気管4を介して気筒3aに吸入される吸入空気量GAIRを検出し、その検出信号をECU2に出力する。
排気管5には、上流側から順に、NOx触媒21及びDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルタ)22が設けられている。
NOx触媒21は、NOx吸蔵還元型のものであり、酸素貯蔵能を有する。NOx触媒7は、酸化雰囲気の排ガス(酸素濃度が理論空燃比(ストイキ)に相当する排ガスの酸素濃度よりも高い排ガス)が流入したときに、排ガス中の酸素を貯蔵するとともに、NOxを捕捉する一方、還元雰囲気の排ガス(酸素濃度が理論空燃比に相当する排ガスの酸素濃度よりも低い排ガス)が流入したときに、貯蔵した酸素を放出するとともに、捕捉したNOxを還元することによって脱離浄化する。
DPF22は、NOx触媒21を通過した排ガス中のPM(粒子状物質)を捕捉する。また、粒子状物質の捕捉量が所定量に達したときなどに、粒子状物質を燃焼させる再生運転(以下「DPF再生運転」という)を行うことによって、DPF22が再生される。DPF再生運転の実行回数DNは、ECU2によって記憶される。
エンジン3のクランクシャフト3dには、クランク角センサ43が設けられている。このクランク角センサ43は、クランクシャフト3dの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号を、所定のクランク角(たとえば30度)ごとにECU2に出力する。ECU2は、CRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
また、図2に示すように、ECU2には、アクセル開度センサ44から、車両のアクセルペダル(不図示)の操作量であるアクセル開度APを表す検出信号が入力される。本実施形態において、アクセル開度APがそのままエンジン3の負荷(以下「エンジン負荷」という)LEとして用いられる。また、ECU2には、走行距離メータ45から、車両の総走行距離TTVを表す検出信号が入力されるとともに、DPF再生運転の実行回数DNが記憶される。
ECU2は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも不図示)などからなるマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、前述した各種のセンサ類41〜45の検出信号等に応じ、ROMに記憶された制御プログラム等に従って、インジェクタ10による燃料噴射制御や、スピル制御弁16aによる燃圧制御等の各種のエンジン制御を実行する。
本実施形態では特に、ECU2は、車両の運転履歴に基づき、インジェクタ10へのデポジットの付着状態を判定するとともに、車両の運転状態に基づき、燃圧PFを上昇させる燃料噴射圧昇圧制御を実行する燃料噴射圧昇圧手段として機能する。
図3は、デポジットの付着状態の判定処理のフローを示す。本判定処理では、車両の運転履歴に基づき、インジェクタ10へのデポジットの付着状態を判定する。本処理は、所定の周期で繰り返し実行される。まず、ステップ301(「S301」と図示。以下同じ)において、走行距離メータ45で検出された総走行距離TTVに基づき、車両の走行距離TVを算出する。走行距離TVは、後述する燃料噴射圧昇圧制御が実行されるごとにリセットされる。すなわち、走行距離TVは、前回の燃料噴射圧昇圧制御が実行された後の車両の走行距離を表している。
次に、ステップ302において、算出された走行距離TVが、所定距離TREF以上であるか否かを判別する。所定距離TREFは、車両が当該距離を走行した場合に、除去が必要となる量のデポジットがインジェクタ10に付着すると推定される距離に相当する。所定距離TREFは、交通事情や地理的条件、気候等を考慮して、車両が使用される国や地域ごとに設定することが可能であり、本実施形態では、たとえば2000kmに設定されている。
ステップ302の答えがYESで、走行距離TVが所定距離TREF以上である場合は、インジェクタ10に除去が必要な量のデポジットが付着していると判定し、ステップ305において、デポジット付着フラグF_DEPOを「1」にセットし、本処理を終了する。
ステップ302の答えがNOで、走行距離TVが所定距離TREF未満である場合は、ステップ303へと進み、DPF再生実行回数DNを取得する。DPF再生実行回数DNは、後述する燃料噴射圧昇圧制御が実行されるごとにリセットされる。すなわち、DPF再生実行回数DNは、前回の燃料噴射圧昇圧制御が実行された後に行われたDPF再生運転の回数を表している。
続いて、ステップ304において、取得されたDPF再生実行回数DNが、所定回数DREFに達したか否かを判別する。所定回数DREFは、当該回数のDPF再生運転が実行された場合に、除去が必要となる量のデポジットがインジェクタ10に付着すると推定される回数に相当する。所定回数DNは、交通事情や地理的条件、気候等を考慮して、車両が使用される国や地域ごとに設定することが可能であり、本実施形態では、たとえば5回に設定されている。
ステップ304の答えがYESで、DPF再生実行回数DNが所定回数DREFに達している場合は、インジェクタ10に除去が必要な量のデポジットが付着していると判定し、ステップ305において、デポジット付着フラグF_DEPOを「1」にセットし、本処理を終了する。
ステップ304の答えがNOであり、DPF再生実行回数DNが所定回数DREF未満である場合は、インジェクタ10に除去が必要な量のデポジットは付着していないと判定し、ステップ306において、デポジット付着フラグF_DEPOを「0」にセットし、本処理を終了する。
次に、図4に示す燃料噴射圧昇圧の制御処理について説明する。本処理は、所定の周期で繰り返し実行される。まず、ステップ401において、デポジット付着フラグF_DEPOが「1」であるか否かを判別する。この答えがNOで、インジェクタ10に除去が必要な量のデポジットは付着していないと判定されている場合は、燃料の昇圧は行わずに本処理を終了する。
ステップ401の答えがYESで、デポジット付着フラグF_DEPOが「1」である場合は、続くステップ402〜403において、エンジン3が燃料の昇圧を実行するのに適した運転状態にあるか否かが判定される。
ステップ402では、エンジン回転数NEが、第1の所定回転数NEREF1より大きく、かつ第2の所定回転数NEREF2(>NEREF1)より小さい、所定の中回転領域にあるか否かを判別する。この中回転領域は、たとえば2000rpm前後の回転数領域に設定されている。
ステップ402の答えがNOで、エンジン回転数NEが所定の中回転領域にない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ402の答えがYESで、エンジン回転数NEが所定の中回転領域にある場合、次のステップ403に進む。
ステップ403では、エンジン負荷LEが、第1の所定負荷LEREF1より大きく、かつ第2の所定負荷LEREF2(>LEREF1)より小さい、所定の中負荷領域にあるか否かを判別する。
ステップ403の答えがNOで、エンジン負荷LEが所定の中負荷領域にない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ403の答えがYESで、エンジン負荷LEが所定の中負荷領域にある場合、次のステップ404に進む。
ステップ404では、高圧ポンプ16のスピル制御弁16aを制御することにより、インジェクタ10に供給される燃料の燃圧PFを上昇させる燃料噴射圧昇圧制御を実行する。すなわち、本実施形態においては、図5に示すような、エンジン回転数NE及びエンジン負荷LEが所定の中回転・中負荷領域にある場合に、燃料噴射圧昇圧制御が実行される。また、このときの燃圧PFは、当該燃圧で燃料をインジェクタ10から噴射することで、インジェクタ10に付着したデポジットを吹き飛ばして除去することが可能な高い圧力に設定され、本実施形態では、たとえば150MPa以上に設定されている。
通常、このような高い燃圧は、高回転・高負荷の運転領域において用いられるものであるが、本実施形態においては、中回転・中負荷領域で高い燃圧を用いることで、高回転・高負荷の運転領域に入ることが稀であるような環境(交通事情や地理的条件、気候など)であっても、インジェクタ10に付着したデポジットを除去することができる。
また、本実施形態では、エンジン回転数NE及びエンジン負荷LEが低回転・低負荷領域にある場合には、燃圧PFを上昇させないようにしているが、これは、高圧ポンプ16により燃圧PFを上昇させることによる燃焼音の悪化を考慮したものである。すなわち、低回転・低負荷の運転状態では、エンジン3自身の騒音、たとえば回転音や排気音等が比較的小さいため、ドライバが、燃圧PFを上昇させることによる燃焼音の悪化に気づいてしまい、不快に感じる可能性がある。
そこで、本実施形態においては、こうした低回転・低負荷の運転領域では燃圧PFを上昇させず、エンジン3の騒音が中程度となる中回転・中負荷の運転領域においてのみ燃圧PFを上昇させるようにすることで、燃圧PFの上昇によるデポジット除去の実行をドライバに気づかれ難くしている。
なお、ステップ404で実行された燃料噴射圧昇圧制御の完了判定は、たとえば、燃料噴射圧昇圧制御が実行された時間を積算した実行時間が所定時間を超えたこと、あるいは、燃料噴射圧昇圧制御が実行される中回転・中負荷領域が使用されたことを表す物理量の積算値が所定値を超えたこと、を条件とすることができ、こうした条件が満たされた場合に、デポジットの除去が完了したものと判定し、燃料噴射圧昇圧制御を終了させることができる。
なお、高回転・高負荷領域では、燃料噴射圧昇圧制御を導入しなくても、もともと高い噴射圧を用いるように設定されている場合がある。そのような場合には、高回転・高負荷領域が使用された時間の積算値、又は高回転・高負荷領域が使用されたことを表す物理量の積算値を、上述のステップ404の燃料噴射圧昇圧制御の完了判定に用いる実行時間の積算値又は物理量の積算値に加算するように設定することもできる。
図4に戻り、ステップ404に続くステップ405では、ステップ404で燃圧PFを上昇させ、高い燃圧PFで燃料を噴射したことにより、インジェクタ10に除去が必要な量のデポジットは付着していないと判定し、デポジット付着フラグF_DEPOを「0」にセットする。続いて、ステップ406及びステップ407において、走行距離TV及びDPF再生実行回数DNをそれぞれリセットし、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、走行距離TVが所定距離TREF以上であるか、及び/又はDPF再生実行回数DNが所定回数DREF以上であり、かつ、エンジン回転数NE及びエンジン負荷LEが所定の中回転・中負荷領域にあるときに、燃圧PFを上昇させるので、渋滞の多い都市環境下においても、高圧力の燃料を噴射することによって、インジェクタ10に付着したデポジットを効果的に除去することができる。また、清浄剤を添加する従来の装置と異なり、燃焼室内のデポジットの生成を抑制することができる。
また、走行距離TVが所定距離TREF以上であり、及び/又は、DPF再生実行回数DNが所定回数DREF以上であることを条件として、燃料噴射圧昇圧制御を実行するので、インジェクタ10に対するデポジットの付着が進行していると推定される状況下においてのみ、燃圧PFを上昇させることができ、効率よくデポジットの除去を実行することができる。
また、エンジン回転数NE及びエンジン負荷LEが所定の中回転・中負荷領域であることを条件として燃料噴射圧昇圧制御を実行するので、燃圧PFの上昇によるデポジットの除去の実行を、ドライバに気づかれ難くすることができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。たとえば、実施形態では、エンジン回転数NE及びエンジン負荷LEが所定の中回転・中負荷領域にある場合に限り、燃料噴射圧昇圧制御を実行しているが、パイロット噴射量や噴射時期を適正化すること等により、燃料噴射圧昇圧時の燃焼音の悪化を抑制できるならば、低回転・低負荷領域で燃料噴射圧昇圧制御を実行するようにしてもよい。
また、実施形態では、エンジン3の負荷として、アクセル開度APを用いているが、これに限らず、エンジン3の負荷を表す他の適当なパラメータ、たとえば要求トルクや吸入空気量、吸気圧等を用いてもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 燃料供給制御装置
2 ECU(燃料噴射圧昇圧手段)
3 エンジン(内燃機関)
10 インジェクタ(燃料噴射弁)
16 高圧ポンプ(燃料供給装置)
43 クランク角センサ(回転数取得手段)
44 アクセル開度センサ(負荷取得手段)
45 走行距離メータ(運転履歴パラメータ取得手段)

Claims (3)

  1. 車両に搭載された内燃機関の気筒内に燃料を直接、噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁に燃料を供給するとともに、燃料の圧力を変更可能な燃料供給装置と、
    前記内燃機関の回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記内燃機関の負荷を取得する負荷取得手段と、
    前記車両の運転履歴を表す運転履歴パラメータを取得する運転履歴パラメータ取得手段と、
    前記取得された運転履歴パラメータが所定の履歴条件を満たし、かつ、前記取得された内燃機関の回転数及び負荷が所定の運転領域にあるときに、前記燃料噴射弁に付着したデポジットを除去するために、前記燃料の圧力を上昇させる燃料噴射圧昇圧制御を実行する燃料噴射圧昇圧手段と、
    を備える内燃機関の燃料供給制御装置。
  2. 前記運転履歴パラメータは、前記車両の走行距離、及び、排ガス中のデポジットを捕捉するDPFの再生運転の実行回数の少なくとも一方であり、前記所定の履歴条件は、前回の前記燃料噴射圧昇圧制御が実行され、完了した時点を起点とした前記車両の走行距離が所定距離以上であり、及び/又は、前回の前記燃料噴射圧昇圧制御が実行され、完了した後の前記DPFの再生の実行回数が所定回数以上であることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
  3. 前記所定の運転領域は、所定の中回転・中負荷領域であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料供給制御装置。
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