JP2021161728A - 舗装用コンクリートブロックおよび舗装構造 - Google Patents

舗装用コンクリートブロックおよび舗装構造 Download PDF

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正哲 辻
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Abstract

【課題】個々のブロックの摩耗、欠け、割れが生じ難くなると共に、路面全体の段差、沈下、水平移動(ずれ)、わだち掘れが生じ難く、長期間に亘り良好な路面性状を維持でき、また、車両の走行騒音を抑制できる舗装用コンクリートブロックおよび舗装構造を提供する。【解決手段】セメントおよび前記セメント粒子の平均粒径の1/50以上1/5以下の平均粒径のフィラーを含む粉体と、細骨材と、粗骨材と、水を含むセメント組成物からなり、前記水の前記セメントに対する質量比が0.28以下であり、前記舗装用コンクリートブロックは、上端面の平面形状が1辺50mm以上380mm以下の正六角形、厚さが50mm以上300mm以下である角柱状であり、前記舗装用コンクリートブロックは、深さ方向に4mm以上20mm以下、辺および深さ方向に垂直な上端面方向に2mm以上20mm以下、上端面の角部に2mm以上30mm以下の面取りを施した。【選択図】図3

Description

本発明は、舗装用コンクリートブロックおよび舗装構造に関する。
ブルドーザーやパワーショベル等の履帯車両が走行するエリアの舗装は、履帯の発進、停止、据え切り等で、摩耗やねじれ等による劣化が顕著となる。この対策として図1の耐キャタ舗装が採用されているものの、耐久性に問題があり、1年足らずで破損することがある。したがって、現状は、コンクリート舗装等の上に鋼板を敷設して供用することが多い。しかし、鋼板を敷設した道路は夏季高温時に70℃前後まで鋼板表面の温度が上昇するため、作業環境に悪影響を与えるだけでなく、温度による鋼板のそりやずれ、段差が発生する。また、騒音の発生や雨天時の滑り等多くの問題を抱えている。
履帯走行では、輪荷重は大きいものの接地圧はタイヤ走行に比べてもさほど大きくないことが多い。そのため、剛性舗装であるコンクリート舗装では、ひび割れの観点から版厚を大きくする必要がある。また、通常のコンクリートを使用したコンクリート舗装では、わだち掘れなど路面の耐摩耗性上の問題も生じている。一方、たわみ性舗装である瀝青舗装では、感温性による流動性の変化に伴い、瀝青材の流動による耐久性上の問題も発生している。
コンクリートブロック舗装は、規則正しい目地を有しているため、構造的にはたわみ性理論が適用できることが、国内外の施工実績から確認されている。また、海外では輪荷重の大きい車両が走行する産業ヤード等の舗装に広く採用されており、我が国においても適用例が増加傾向にある。しかし、通常のコンクリートを使用した舗装用コンクリートブロックは、耐摩耗性がそれほど大きくないため、これを履帯車両が走行するエリアの舗装に使用する場合、耐久性に問題が生じる虞がある。そのため、路盤の支持力をより反映できるブロック舗装の耐摩耗性を改善できれば、合理的かつ耐久性に優れた履帯車両走行エリアにも使用できる舗装となる。
特許文献1には、セメント、シリカフューム、及び、シリカフュームに比べて大きな粒度を有するフィラーを少なくとも含む結合材と、細骨材と、粗骨材と、水を含むセメント組成物であって、セメント組成物中の粗骨材の割合が20体積%以上であり、水の上記結合材に対する質量比が0.18以下であるセメント組成物の硬化体である、圧縮強度が80N/mm以上のコンクリートからなり、かつ、厚さが18〜100mmである、耐摩耗版が開示されている。
特開2017−024933号公報
特許文献1記載の技術は、本発明者らが開発した技術であり、海岸構造物や河川構造物等に使用した場合の流水や流砂による磨耗が生じ難い、優れた耐摩耗性を有する耐摩耗版であるが、履帯走行に対する耐摩耗性が優れているかどうかは不明である。また、履帯走行エリアにおいてコンクリートブロック舗装をする場合、タイヤ車両走行エリアと比較して履帯の発進、停止、据え切り等によるブロックの移動が顕著となるが、特許文献1は、このような点を考慮していない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、個々のブロックの摩耗、欠け、割れが生じ難くなると共に、路面全体の段差、沈下、水平移動(ずれ)、わだち掘れが生じ難く、長期間に亘り良好な路面性状を維持でき、また、車両の走行騒音を抑制できる舗装用コンクリートブロック、および舗装構造を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明者らは、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の舗装用コンクリートブロックは、舗装用コンクリートブロックであって、セメントおよび前記セメント粒子の平均粒径の1/50以上1/5以下の平均粒径のフィラーを含む粉体と、細骨材と、粗骨材と、水を含むセメントコンクリートからなり、前記水の前記セメントに対する質量比が0.28以下であり、前記舗装用コンクリートブロックは、上端面の平面形状が一辺50mm以上380mm以下の正六角形、厚さが50mm以上300mm以下である角柱状であり、前記舗装用コンクリートブロックは、深さ方向に4mm以上20mm以下、辺および深さ方向に垂直な上端面方向に2mm以上20mm以下、上端面の角部に2mm以上30mm以下の面取りを施したことを特徴としている。
これにより、個々のブロックの摩耗、欠け、割れが生じ難くなると共に、路面全体の段差、沈下、水平移動(ずれ)、わだち掘れが生じ難くなる。その結果、長期間に亘り良好な路面性状を維持できる。また、車両の走行騒音を抑制できる。
(2)また、本発明の舗装用コンクリートブロックにおいて、前記上端面の平面形状は、前記正六角形に基づく波形形状であり、1種類で平面充填可能な形状であることを特徴としている。これにより、隣接する舗装用コンクリートブロックの辺方向のずれに対して、より強くなる。
(3)また、本発明の舗装用コンクリートブロックは、履帯車両走行エリアに使用されることを特徴としている。これにより、履帯車両走行エリアで、履帯の発進、停止、据え切り等を行なっても、個々の舗装用コンクリートブロックの摩耗、欠け、割れが生じ難くなると共に、路面全体の段差、沈下、水平移動(ずれ)、わだち掘れが生じ難くなる。その結果、長期間に亘り履帯車両走行エリアの良好な路面性状を維持できる。また、履帯車両の走行騒音を抑制できる。
(4)また、本発明のコンクリートブロック舗装は、舗装用コンクリートブロックを用いた舗装構造であって、路床上に形成された下層路盤と、前記下層路盤上に形成された上層路盤と、前記上層路盤上に形成された敷砂層と、前記敷砂層上に敷設された上記(1)から(3)の何れかに記載された舗装用コンクリートブロックおよび隣接する前記舗装用コンクリートブロックの間隙に充填された目地砂からなるブロック層と、を備え、前記上層路盤は、瀝青系材料またはセメント系材料により形成されることを特徴としている。このように、上層路盤を瀝青系材料またはセメント系材料により形成することで、上層路盤を粒状材料(粒度調整砕石、クラッシャラン等)により形成した場合と比較して、コンクリートブロックに作用した荷重を広く分散させることができ、ブロックに発生する応力を低減させることができるので、路面全体のたわみやひずみを低減できる。
(5)また、本発明のコンクリートブロック舗装において、前記敷砂層を形成する砂および前記目地砂はアスファルトで砂粒子周りをコーティングした砂またはアスファルトで砂粒子周りをコーティングした砂をさらに油分でコーティングした砂を使用することを特徴としている。これにより、敷砂の細粒化と浸透水による支持力低下を防ぐことができるので、路面全体のたわみやひずみをより低減できる。
本発明の舗装用コンクリートブロックを使用したコンクリートブロック舗装は、個々のブロックの摩耗、欠け、割れが生じ難くなると共に、路面全体の段差、沈下、水平移動(ずれ)、わだち掘れが生じ難くなり、長期間に亘り良好な路面性状を維持でき、また、車両の走行騒音を抑制できる。
耐キャタ舗装を示す断面図である。 (a)、(b)、それぞれ通常のコンクリートおよび本発明に使用されるコンクリートの概念を示す模式図である。 (a)〜(c)、それぞれ本実施形態に係る舗装用コンクリートブロックの一例を示す平面図、立面図、側面図である。 (a)、(b)、それぞれある方向から一定の力が作用した場合の正六角形および長方形の力の伝達を示す概念図である。 本実施形態に係る舗装用コンクリートブロックの一例を示す平面図である。 本実施形態に係る舗装構造の一例を示す概念図である。 すり減り試験1に使用された粗骨材の物理的性質を示した表である。 すり減り試験1に使用された試料の配合を示した表である。 すり減り試験1の試験結果を示すグラフである。 すり減り試験2各試料の配合を示した表である。 すり減り試験3の結果を示すグラフである。 すり減り試験3に使用された各材料の全ての試料の35分経過時のすり減り量を示すグラフである。 (a)〜(c)、それぞれストレッチャボンドパターン、ヘリンボーンボンドパターン(90度)、および正六角形の敷設パターンを示す模式図である。 (a)〜(c)、それぞれ角が欠けたブロックを示す平面図、立面図、側面図である。
本発明者らは、フィラー、セメント、細骨材、粗骨材などの粒度分布を最適化し、固体粒子の間隙を少なくしたコンクリート(以下、粒度調整コンクリートと称す)が、流水、流砂、流礫に対する耐摩耗性が高いだけでなく、金属等との摩擦に対しても耐摩耗性が高いこと、およびこれを使用して所定の大きさで面取りを施した正六角形のコンクリートブロックを舗装用コンクリートブロックとすることで、個々のブロックの摩耗、欠け、割れが生じ難くなると共に、路面全体の段差、沈下、水平移動(ずれ)、わだち掘れが生じ難くなり、長期間に亘り良好な路面性状を維持でき、また、車両の走行騒音を抑制できることを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明の舗装用コンクリートブロックは、セメントおよび前記セメント粒子の平均粒径の1/50以上1/5以下の平均粒径のフィラーを含む粉体と、細骨材と、粗骨材と、水を含むセメントコンクリートからなり、前記水の前記セメントに対する質量比が0.28以下であり、前記舗装用コンクリートブロックは、上端面の平面形状が一辺50mm以上380mm以下の正六角形、厚さが50mm以上300mm以下である角柱状であり、前記舗装用コンクリートブロックは、深さ方向に4mm以上20mm以下、辺および深さ方向に垂直な上端面方向に2mm以上20mm以下、上端面の角部に2mm以上30mm以下の面取りを施したことを特徴としている。
このような舗装用コンクリートブロックを使用してブロック舗装をすることで、個々のブロックの摩耗、欠け、割れが生じ難くなると共に、路面全体の段差、沈下、水平移動(ずれ)、わだち掘れが生じ難くなり、長期間に亘り良好な路面性状を維持でき、また、車両の走行騒音を抑制できるコンクリートブロック舗装を施工することを可能とした。以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、構成図において、各構成要素の大きさは概念的に表したものであり、必ずしも実際の寸法比率を表すものではない。
図2(a)、(b)は、それぞれ通常のコンクリートおよび本発明に使用されるコンクリートの概念を示す模式図である。本明細書において、粒度分布の最適化とは、以下の1〜3を特徴とする配合設計概念である。
1、図2(b)に示すようにセメント粒子間の間隙をフィラーが埋めることによって水量を減じ、水セメント比を小さくすることによる高強度化および緻密化で耐摩耗性の向上を図る。
2、粗骨材を除くモルタル分中の細骨材の量を、目標とする作業性(ワーカビリティ)が得られる範囲でできるだけ大きくする。
3、粗骨材量は、コンクリートの目標とする作業性が得られる範囲で、できるだけ大きくする。
1で示した方法によって、セメントペーストの分離が大きく改善されることによって、2および3に示した配合概念を適用しても、分離することなく良好な作業性が得られる。よって、粗骨材量の増大による耐摩耗性の向上、モルタルの高強度化による耐摩耗性の向上、モルタルの高強度化による粗骨材の破砕剥離の抑制が可能となる。その結果、履帯走行にも耐えるコンクリートが達成できた。
本明細書において、履帯車両走行エリアとは、履帯車両の製造工場、保管および積卸し用ヤード等で履帯車両、例えば建設用重機、戦車等が頻繁に走行するエリアをいう。また、重交通エリアとは、車両制限令による輪荷重5t以下の大型車両が250台以上/日・方向、通行する道路や駐車場等をいう。また、重荷重エリアとは、輪荷重が5tを超える荷役車両(トップリフター、フォークリフト等)が通行する港湾区域や貨物ヤード内の道路、駐車場、コンテナ置場等をいう。
[舗装用コンクリートブロックの材料]
本実施形態に係る舗装用コンクリートブロック1は、セメントおよびセメント粒子の平均粒径の1/50以上1/5以下の平均粒径のフィラーを含む粉体と、細骨材と、粗骨材と、水を含むセメントコンクリートからなり、水のセメントに対する質量比が0.28以下である。
セメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色セメント、カラーセメント等の各種ポルトランドセメント、エコセメントおよびフライアッシュセメント、高炉セメント、シリカセメント等の混合セメント等を使用することができる。
フィラーは、セメント粒子の平均粒径の1/50以上1/5以下の平均粒径を有する。これにより、フィラーがセメントの粒子の間を埋めて、セメントコンクリートの構造を緻密にして、耐摩耗性を向上させると共に、圧縮強度を高め、ブロック同士の競り合いによる欠けにも強くなる。フィラーとしては、例えば、石灰石粉末、けい石粉末、分級フライアッシュ、分級スラグ微粉末等を使用することができる。これらは、一種を単独で、または、二種以上を組み合わせて使用される。フィラーの好ましい配合量は、フィラーの平均粒径、細骨材、粗骨材の配合量等により変化するが、例えば、セメントとフィラーの絶対容積の和に対するフィラーの絶対容積の百分率にして、好ましくは10〜50%であり、より好ましくは15〜45%、さらに好ましくは20〜40%である。
細骨材は、例えば、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂(けい砂)、またはこれらの中から選択される二種以上の混合物等を使用することができる。細骨材の配合量は粗骨材の配合量等により変化するが、例えば、以下の式で示される細骨材のかさ容積で0.3〜0.9、好ましくは0.4〜0.8、より好ましくは0.5〜0.7である。
(細骨材の質量(配合量)(kg))=(コンクリート中のモルタルの絶対容積(l))×(細骨材の単位容積質量(kg/l))×(細骨材のかさ容積(kg/kg))
粗骨材は、例えば、川砂利、山砂利、陸砂利、海砂利、砕石(例えば、安山岩砕石)、スラグ骨材、セメントクリンカー、セラミックスからなる骨材、鉄鉱石からなる骨材、ボーキサイトからなる骨材、またはこれらの中から選択される2種以上の混合物等を使用することができる。粗骨材の最大粒径は、好ましくは40mm以下、より好ましくは30mm以下、特に好ましくは20mm以下である。
粗骨材の配合量は、例えば、粗骨材を含むすべての材料を一括して練り混ぜた通常の練り混ぜコンクリートを型枠に流し込むことにより製造する場合、単位粗骨材かさ容積で0.3〜0.9、好ましくは0.4〜0.8、より好ましくは0.6〜0.7である。また、粗骨材のみを型枠に後で投入するポストパックド工法により製造する場合、単位粗骨材かさ容積で0.6〜1.0であることが好ましい。また、粗骨材のみを型枠に先に投入するプレパックド工法で製造する場合、単位粗骨材かさ容積で0.9〜1.0であることが好ましい。また、振動および/またはプレス成形で製造する場合、単位粗骨材かさ容積で0.6〜1.2であることが好ましい。粗骨材の配合量は、多いほうが優れた耐摩耗性を得ることができ、また、本発明の舗装用コンクリートブロックの製造コスト(特に、材料コスト)を削減することができて、経済的である。一方、粗骨材が多すぎる場合、作業性が低減し、製造コスト(特に、人件費)が増大する。なお、単位粗骨材かさ容積とは、「単位体積を有するコンクリート中の粗骨材の質量」を、「単位体積を有する空間中に粗骨材のみを収容したときの粗骨材の質量」で除したものである。
粗骨材は、耐摩耗性に優れた骨材であることが好ましい。土木学会コンクリート標準示方書では、JIS A 5308付属書AおよびJIS A 5005に従い、ロサンゼルス試験機を用いたすりへり減量を、砂利および砕石についてそれぞれ35%以下および40%以下と規定している。また、土木学会舗装標準示方書 コンクリート舗装編では、すり減り減量を35%以下と規定しており、コンクリートのすり減り抵抗性と骨材のすり減り減量の相関性は高いとしている。したがって、本発明の舗装用コンクリートブロックの粗骨材は、すり減り減量が土木学会の規定の35%以下のものを使用することができる。しかし、すり減り減量が小さいほど、コンクリートのすり減り抵抗性は大きくなると考えられる。また、後述するすり減り試験1により、本発明の粒度調整コンクリートを用い、粗骨材のすり減り減量が11〜23%の範囲で試験を行ったところ、すり減り減量が23%の粗骨材を用いた場合でも、粒度調整コンクリートの効果が大きく見られた。そのため、粗骨材のすり減り減量は、好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは23%である。
水量は、水のセメントに対する質量比(水の質量/セメントの質量の比)として、0.28以下であり、好ましくは0.27以下、より好ましくは0.25以下である。また、この質量比の下限値は、コンクリートの良好なワーカビリティ(作業性)を確保する観点から、好ましくは0.16以上、より好ましくは0.18以上である。
舗装用コンクリートブロックの任意の材料として、混和材、分散剤を含むことができる。混和材としては、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末等コンクリート用混和材を使用することができる。
また、分散剤としては、例えば、リグニン系、オキシカルボン酸系等の減水剤またはAE減水剤や、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の、高性能減水剤、高性能AE減水剤または減水剤を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きな高性能減水剤または高性能AE減水剤が好ましく、ポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤がより好ましい。減水剤の配合量は、減水剤の種類によって異なるが、セメント100質量部に対して、原液分換算で、好ましくは0.001〜5質量部である。減水剤がポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤である場合、減水剤の配合量は、セメント100質量部に対して、原液分換算で、好ましくは0.1〜5質量部である。なお、減水剤は、液状と粉末状のいずれでも使用することができる。
[舗装用コンクリートブロックの形状]
図3(a)〜(c)は、本実施形態に係る舗装用コンクリートブロックの一例を示す平面図、立面図、側面図である。本実施形態に係る舗装用コンクリートブロック1は、上端面の平面形状が一辺50mm以上380mm以下の正六角形、厚さが50mm以上300mm以下である角柱状であり、前記舗装用コンクリートブロックは、深さ方向に4mm以上20mm以下、辺および深さ方向に垂直な上端面方向に2mm以上20mm以下、上端面の角部に2mm以上30mm以下の面取りを施している。
舗装用コンクリートブロックの形状は、移動が生じ難い正六角形に基づいた形状である。図4(a)、(b)に示すように、ある方向から一定の力が作用した場合、正六角形は長方形と異なった力の伝達を示し、回転し難いため、平面内でのブロック間の相対的なずれが生じ難い。すなわち、タイヤ走行よりも部分的に強い力が加わる履帯走行時の据え切りやねじれに強い。
車両が通行するエリアや履帯を含めた大型車両が走行するエリアにコンクリートブロックを施工する場合、以下の式1および式2で示される、ブロックの荷重分散性能を示す荷重伝達率ELTが適切な値となるブロックが適用される。大型車交通量が少ない場合はELTが0.5以上、多い場合は0.8以上となるように設計する。例えば、正六角形のコンクリートブロックの一辺の長さを130mm、厚さを80mmとすると、式1からαは1.42となり、式2からELTは0.53となる。すなわち、一辺130mm、厚さ80mmの正六角形のコンクリートブロックは、大型車交通量が少ないエリアに適用可能である。
また、例えば、コンクリートブロックの厚さを80mmとしたとき、ELTが0.8以上を満足する正六角形の一辺の長さは、式1および式2から97mmとなる。すなわち、一辺97mm、厚さ80mmの正六角形のコンクリートブロックは、大型車交通量が多いエリアにも適用可能である。このように、正六角形の形状のコンクリートブロックは、適切なサイズにすることで、荷重分散性能を高くすることができ、重交通、重荷重エリアや履帯車両走行エリアにも適用できる。正六角形のコンクリートブロックを重交通、重荷重エリアや履帯車両走行エリアに適用する場合、一辺の長さに対して厚さを0.83倍以上にすることが好ましい。
α=(ブロックの全側面積の和)/(ブロックの上面の面積) … (式1)
LT=(α−0.47)/1.79 … (式2)
舗装用コンクリートブロックの上端面の一辺の長さは、50mm以上380mm以下である。上端面の一辺の長さが50mm未満である場合、ブロック舗装の施工に必要な舗装用コンクリートブロックの個数が多くなり、施工に時間を要する。上端面の一辺の長さが380mmより大きい場合、荷重分散性能が低下し、その上を走行する履帯または車輪の大きさ、および履帯または車輪にかかる重量によっては、割れや欠けが生じやすくなる場合がある。
舗装用コンクリートブロックの厚さは、50mm以上300mm以下である。厚さが50mmより小さいと、側面積が小さくなるため、荷重分散性能が低下して、水平移動しやすくなる場合がある。また、荷重に対する抵抗性や耐久性が低下して、欠けや割れが生じやすくなる場合がある。厚さが300mmより大きいと、製造コストや施工費、運賃等が上昇する。舗装用コンクリートブロックの厚さの下限値は、好ましくは60mm以上、より好ましくは80mm以上である。厚さの上限値は、施工性を考慮すると、好ましくは150mm以下であり、より好ましくは120mm以下である。
舗装用コンクリートブロックは、深さ方向に4mm以上20mm以下、辺および深さ方向に垂直な上端面方向に2mm以上20mm以下、上端面の角部に2mm以上30mm以下の面取りを施している。これにより、隣接する舗装用コンクリートブロック同士の競り合いによる欠けや割れを防ぐことができる。特に、履帯走行エリアに使用する場合、このような面取りを、通常より大きくとることが好ましく、上記範囲は、履帯走行エリアに使用する場合に好ましい範囲となっている。深さ方向の面取り長さを4mmより小さくすると、車両走行時、特に履帯車両走行時に隣接する舗装用コンクリートブロック同士の競り合いによる割れや欠けが生じることがある。深さ方向の面取り長さを20mmより大きくすると、車両の走行騒音が大きくなることがある。この観点から、深さ方向の面取り長さは、15mm以下であることが好ましく、13mm以下であることがより好ましい。面取りしたあとの面の形状は、曲面であっても平面であってもよい。図3(a)〜(c)は、曲面で面取りを施している例を示している。
舗装用コンクリートブロックの上端面の平面形状は、正六角形に基づく波形形状であり、1種類で平面充填可能な形状であってもよい。これにより、隣接する舗装用コンクリートブロックの辺方向のずれに対して、より強くなる。図5は、上端面の平面形状が、正六角形に基づく波形形状であり、1種類で平面充填可能な形状の一例を示す平面図である。なお、図5は、上端面の形状を示しているだけであり、面取り等は表していない。正六角形に基づく波形形状とは、正六角形の少なくとも1つの辺を曲線、直線の折れ線、または曲線と直線の組み合わせのいずれかからなる波形の辺で置き換えた形状をいう。また、1種類で平面充填可能な形状とは、波形の辺同士がかみ合うように形成され、1種類のブロックで平面充填可能に形成されたブロックをいう。したがって、異なる種類の波形の辺や直線の辺を有していてもよいが、荷重分散性能が均等になることおよび施工性の観点から、全ての辺が同一の波形で、自分自身とかみ合う形状に形成されていることが好ましい。図5は、全ての辺が同一の波形で、自分自身とかみ合う形状に形成されている例を示している。
舗装用コンクリートブロックは、履帯車両走行エリアに使用されてもよい。舗装用コンクリートブロックを履帯走行エリアに使用する場合、厚さの下限値は、好ましくは60mm以上であり、より好ましくは80mm以上である。
[舗装用コンクリートブロックの製造方法]
本発明の舗装用コンクリートブロックは、通常の舗装用コンクリートブロックの製造と同様に製造することができる。例えば、上記形状の型枠に粒度調整コンクリートを流し込み、硬化後脱型して製造することができる。また、上記形状の型枠に即時脱型できるように調整した粒度調整コンクリートを流し込み、振動および/またはプレス成形によって、即時脱型で製造することもできる。
[舗装構造]
図6は、本発明の舗装構造を示す概念図である。本発明の舗装構造20は、下層路盤5と、上層路盤7と、敷砂層9と、ブロック層11と、を備える。
下層路盤5は、路床3上に形成される。下層路盤5は、粒状材料(粒度調整砕石、クラッシャラン等)により形成されることが好ましい。下層路盤5の厚さは、100mm以上300mm以下であることが好ましい。
上層路盤7は、下層路盤5上に形成される。上層路盤7は、瀝青系材料またはセメント系材料により形成されることが好ましい。上層路盤7を瀝青系材料により形成するとは、上層路盤7をアスファルト安定処理すること、または上層路盤7を密粒度アスファルト混合物で形成することをいう。また、上層路盤7をセメント系材料により形成するとは、上層路盤7をセメント安定処理混合物で形成すること、または上層路盤7をコンクリート版で形成することをいう。これにより、上層路盤上の面上変形係数で730MN/m以上となる支持力を確保できる。上層路盤7の厚さは、50mm以上200mm以下であることが好ましい。このように、上層路盤7を瀝青系材料またはセメント系材料により形成することで、上層路盤7を粒状材料(粒度調整砕石、クラッシャラン等)により形成した場合と比較して、コンクリートブロックに作用した荷重を広く分散させることができ、コンクリートブロックに発生する応力を低減させることができる。
敷砂層9は、上層路盤7上に形成される。敷砂層9を構成する材料は、天然砂、焼砂、特殊材料でコーティングした砂などを使用することができる。敷砂層9を構成する材料は、アスファルトコーティングされた砂またはアスファルトコーティングされた砂がさらに油分でコーティングされた砂であることが好ましい。このような砂を使用することで、敷砂の細粒化と浸透水による支持力低下を防ぐことができる。敷砂層9の厚さは、10mm以上30mm以下であることが好ましい。
敷砂層9に滞水すると支持力の低下、細粒化と変形の促進が起こることがあるため、路盤層または敷砂層9は、排水機構を備えることが好ましい。排水機構は、路盤層に排水孔を設置する、または、敷砂層9に不織布巻き導水管を設置して雨水マス等に排水孔を設けて繋いで排水処理する、などで対応できる。排水機構は、施工性およびコスト面から、敷砂層9に不織布巻き導水管を設置することが好ましい。
ブロック層11は、舗装用コンクリートブロック1および隣接する舗装用コンクリートブロック1の間隙に充填された目地砂13からなる。舗装用コンクリートブロック1は、上記で説明した舗装用コンクリートブロックが使用される。目地砂13は、敷砂層9を構成する材料と同一の材料を使用することができるが、異なる種類の砂を使用してもよい。
上記のように、本発明の舗装用コンクリートブロックを使用し、上層路盤を瀝青系材料またはセメント系材料により形成した舗装構造は、個々のブロックの耐摩耗性、ブロック層におけるブロックの移動し難さ、上層路盤によるブロックに発生する応力の低減等の作用により、路面全体の段差、沈下、水平移動(ずれ)、わだち掘れが生じ難くなり、路面全体のたわみやひずみが低減される。その結果、長期間に亘り良好な路面性状を維持できる。このような舗装構造は、重交通、重荷重エリアや履帯車両走行エリアに好適に適用できる。
[すり減り試験1]
粒度調整コンクリートの履帯走行に対する耐摩耗性を確かめるため、履帯のモデルとしてスパイクチェーンを用いたすり減り試験を実施した。異なる粗骨材(G1〜G3)を使用して作製された粒度調整コンクリートの試料(G1粒度調整コンクリート、G2粒度調整コンクリート、およびG3粒度調整コンクリートという)を準備した。また、舗装用として一般的に使用されているコンクリート配合に粗骨材としてG3を使用して作製された試料(G3一般コンクリートという)、およびG3一般コンクリートから粗骨材を除いたモルタルの試料(一般モルタルという)を準備した。これらの試料に対し、ラベリング試験機を用いて、スパイクチェーンを装着した車輪が試料上を回転走行した際に生じる摩耗深さをそれぞれ測定した。図7は、粗骨材G1からG3の物理的性質を示した表である。また、図8は、G1粒度調整コンクリート、G2粒度調整コンクリート、およびG3粒度調整コンクリートの配合を示した表である。また、図9は、すり減り試験1の試験結果を示すグラフである。
一般モルタルに比べて、G1、G2、G3を用いたコンクリートの最大摩耗深さはすべて小さかった。すなわち、粗骨材G1からG3は、いずれも本発明の舗装用コンクリートブロックの粗骨材として好適に使用されることが分かった。なお、本試験は粗骨材の効果を調べるものであるが、G1からG3を使用して作製された粒度調整コンクリートの試料は、G3一般コンクリートに比べて同じすり減り量になる回転数がいずれも概ね2倍以上であり、粒度調整コンクリートとしての効果も確かめられた。
[すり減り試験2]
次に、粒度調整コンクリートの履帯走行に対する耐摩耗性を異なる方法で確かめるため、履帯のモデルとしてチェーンソーを用いたすり減り試験を実施した。これまでの舗装用コンクリートに使用されるモルタル(一般モルタル)、一般モルタルを使用した舗装用コンクリート(一般コンクリート)、粒度調整モルタル、粒度調整コンクリート、御影石、それぞれで作製された同一の厚さ(20mm)の板の側面からチェーンソーをあてて、摩耗の進行具合を比較した。図10は、すり減り試験2に使用された一般モルタル、一般コンクリート、粒度調整モルタル、粒度調整コンクリートの試料の配合を示した表である。なお、すり減り試験2および後述するすり減り試験3に使用した一般モルタル、および一般コンクリートの配合は、すり減り試験1の配合とは異なる。
一般モルタルの試験結果は、チェーンソーの歯の方が勝ったため、モルタルの方が摩耗した。一般コンクリートは、粗骨材の直上のモルタルが先に摩耗し、粗骨材は摩耗しないように思われたが、粗骨材の周囲のモルタルが摩耗していたため、粗骨材をチェーンソーの歯がかすめる場合は、歯が粗骨材を端部から破砕または粗骨材をモルタルから引きはがし、摩耗が進行した。
これに対し、御影石は、チェーンソーの歯に勝ったため、ある一定程度で摩耗が停留した。また、粒度調整モルタルも、御影石と同様にチェーンソーの歯に勝ったため、ある一定程度で摩耗が停留した。また、粒度調整コンクリートも、モルタル部分の摩耗が進行しなかったため、粗骨材の端部から破砕または粗骨材をモルタルから引きはがし摩耗する現象は見られなかった。
[すり減り試験3]
次に、粒度調整コンクリートの履帯走行に対する耐摩耗性を異なる方法で確かめるため、切断用砥石を使ったすり減り試験を実施した。一般モルタル、一般コンクリート、粒度調整モルタル、粒度調整コンクリート、御影石、それぞれで作製された板、および市販品のインターロッキングブロックの一面に切断用砥石を角度をつけてあてて、時間ごとのすり減り量を比較した。一般モルタル、一般コンクリート、粒度調整モルタル、粒度調整コンクリートは、すり減り試験2と同一の配合の試料を使用した。図11はすり減り試験3の結果を示すグラフである。なお、図11のグラフは、各材料の試料のできのばらつきを低減させ材料ごとの特徴を比較するため、各材料の試料を3つずつ準備し試験を行ない、これらの平均値をグラフに表した。図12は、各材料の全ての試料の35分経過時のすり減り量を示すグラフである。図12からは、各材料のばらつきが分かる。
一般モルタルは、最もすり減り量が多くなった。一般コンクリートは、すり減り量が4g程度までは、表層のモルタルが摩耗するため、一般モルタルと同様に大きく摩耗した。しかし、すり減り量が大きくなるに従い、粗骨材の影響が現れ、一般モルタルに比べて摩耗の進行速度は遅くなった。
一方、御影石は、一般コンクリートに比べて、すり減り深さが小さい範囲では摩耗が少ないものの、その後は一般コンクリートと同等以上となる傾向にあった。これは、御影石は、一般モルタルに比べて耐摩耗性に優れているが、良質な砕石に比べると若干耐摩耗性に劣ることによると考えられる。また、御影石は、3つの試料のばらつきが最も大きかった。これは、御影石が天然の材料であるためと考えられる。
粒度調整コンクリートは、一般コンクリートに比べて、すり減り量は大きく改善されており、粗骨材が端部から破砕されるような状況はみられなかった。粒度調整モルタルも同様である。
以上の試験の結果、従来の一般的なコンクリート舗装では、表層部のモルタルの摩耗が先行し、履帯のシューによって粗骨材が破砕等される結果となり、摩耗が進行することとなることが分かった。また、御影石は、チェーンソーの歯(鋼)には勝っており、かつ、従来から機械産業の舗装でも数多く採用され、一般コンクリート舗装に比較して耐久性があることが確認されているのに対し、粒度調整コンクリートは、摩耗の初期の段階から御影石に劣る領域がないことから、粒度調整コンクリートは、耐摩耗性舗装に適しており、特に、履帯走行エリアにも好適に使用できることが分かった。
[耐振動試験]
履帯走行では、タイヤ走行と異なり、履帯のシューによる振動が繰り返し路面に伝えられる。したがって、正六角形の形状が長方形の形状と比較して、振動に強く、履帯走行を繰り返しても移動し難いことを確かめるため、耐振動試験を行なった。現状で一般にコンクリートブロック採用されている直方体(100×200×80mm)のブロックの1/4のモデル、および正六角形(一辺が180mm×厚さ80mm)のブロックの1/4のモデルを準備し、250×250mmで深さ30mmの容器内で、敷砂および目地砂に最大粒径2.5mmの珪砂を用いて、敷設した。そして、容器の辺に20kgの錘を乗せ、もう一方の向かい合う辺をコンクリート用型枠振動機により加振した。
直方体のブロックは、容器外枠を拘束枠として、ストレッチャボンドパターンで敷設した場合と、容器外枠を拘束枠として、ヘリンボーンボンドパターン(90度)で敷設した場合について試験を行なった。図13(a)および(b)は、それぞれストレッチャボンドパターンおよびヘリンボーンボンドパターン(90度)の敷設パターンを示す模式図である。また、正六角形のブロックは、容器外枠を拘束枠とした場合と、容器外枠を拘束枠としない場合について試験を行なった。すなわち、一般的には端部拘束しているが、端部拘束の機能が低下した場合を想定して、容器外枠を拘束枠としない場合の挙動についても検討した。図13(c)は、正六角形のブロックの容器外枠を拘束枠とした場合の敷設パターンを示す模式図である。
直方体ブロックをストレッチャボンドパターンで敷設した場合、加振30秒時点でブロックの大きな水平移動が生じ、端部拘束側ブロックの沈下と端部拘束側から1ブロック以上離れたブロックの上昇が生じた。この時点で敷設パターンがすでに崩れ、インターロッキング機能は認められない。加振直後から、端部ブロック付近の目地砂の移動が生じ、内側ブロックの下部に目地砂が潜り込むことによってブロックが浮き上がったと考えられる。そして、加振45秒時点でブロック間の段差が大きくなり、一部ブロックが隣接するブロックに乗り上げた。この時点では、舗装としての機能も認められない。
直方体ブロックをヘリンボーンボンドパターンで敷設した場合、加振時間30秒時点で目地砂の移動が始まり、敷砂が内側に向かって移動し、端部ブロックの沈下と内側ブロックの上昇による不陸は発生するものの、ブロックの配列はヘリンボーンボンド(90度)の様子を呈していた。そして、加振60秒時点で不陸が大きくなり、直方体ブロックの長辺方向を回転中心とした回転が生じ、ブロック間に大きな段差が発生した。
六角形ブロックを敷設し、容器外枠を拘束枠とした場合、加振時間30秒時点では目地砂の移動は認められるが、ブロック自体の水平移動は、ほとんど認められなかった。そして、加振時間60秒時点でも目地砂の移動は徐々に大きくなるものの、ブロック自体の水平移動は、ほとんど認められなかった。
六角形ブロックを敷設し、容器外枠を拘束枠としない場合、加振時間30秒時点で目地砂の移動は認められるが、ブロック自体は全体的に水平移動するが敷設パターンに変化は認められなかった。
この試験の結果をまとめると、以下のようになる。すなわち、直方体ブロックで、歩道などでよく採用されている敷設パターンのストレッチャボンドパターンでは加振直後から敷設パターンに変化が生じインターロッキング機能がなくなり、舗装としての機能はなくなった。また、直方体ブロックで、車道などでよく採用されている敷設パターンのヘリンボーンボンドパターンでは、加振後30秒程度までは不陸は大きく生じるものの、敷設パターンに大きな変化は生じなかったが、加振時間60秒では舗装としての機能はなくなった。これに対し、正六角形ブロックでは、端部拘束の有無にかかわらず、施設パターンに変化は生じなかった。以上の結果は、実際に施工した舗装の追跡調査の結果とほぼ一致しており、この実施例で採用した試験方法が、現状を反映できていると考えられる。
[ブロックの競り合い試験]
履帯走行エリアは、履帯のシューで車両の荷重を支えているため、隣接するブロックのうち一方のブロックの一部にだけ大きな力が加わることがある。その結果、履帯走行エリアでは、隣接するブロック同士の競り合いによる欠けや割れが、タイヤ走行エリアよりも多くなるため、どの程度の面取りが必要かを確かめるため、ブロックの競り合い試験を行なった。まず、2つの直方体のブロック(96.8×196.9×80.9mm)の一方の長辺の中央付近にもう一方の短辺を接触させ、両方をクランプで固定した。次に、短辺を接触させたブロックの上面(路面となる面)の接触位置に近い位置において、アムスラー型万能試験機で力を徐々に加え、力を加えたブロックの角が欠けたことを確かめた。
図14(a)〜(c)は、それぞれ角が欠けたブロックを示す平面図、立面図、側面図である。上記試験の結果の欠けは、通常のタイヤ走行エリアに使用されているブロックの実際の欠けの大きさと比較して、大きなものであった。すなわち、履帯走行エリアのように、隣接するブロックのうち一方のブロックの一部にだけ大きな力が加わる場合は、このような大きな欠けが生じることがあることが分かった。なお、上記試験に使用したブロックは、通常のコンクリートで形成されたブロックである。
上記の試験の結果から、粒度調整コンクリートを使用したブロックは欠けにも強いこと、正六角形の角は長方形の角よりも角度が大きいため欠けに強いこと、および目地幅が3mm程度あること等を考慮しても、面取りの深さ方向の長さは、通常のコンクリートブロックよりも大きい4mm以上が必要であり、また、辺および深さ方向に垂直な上端面方向は2mm以上、上端面の角部は2mm以上が必要である。なお、それぞれの面取りの上限は、図14に示すそれぞれの方向の試験結果より大きければ十分であるため、面取りの深さ方向の長さは15mmとし、辺および深さ方向に垂直な上端面方向は20mmとし、上端面の角部は30mmとした。
以上説明したように、本発明の舗装用コンクリートブロックによれば、個々のブロックの摩耗、欠け、割れが生じ難くなると共に、路面全体の段差、沈下、水平移動(ずれ)、わだち掘れが生じ難くなり、長期間に亘り良好な路面性状を維持でき、また、車両の走行騒音を抑制できる。なお、本発明の舗装用コンクリートブロックは、上記の特徴を有し履帯車両走行エリアにも好適に使用されることから、重交通エリア、重荷重エリアにも好適に使用される。
1 舗装用コンクリートブロック
3 路床
5 下層路盤
7 上層路盤
9 敷砂層
11 ブロック層
13 目地砂
20 舗装構造

Claims (5)

  1. 舗装用コンクリートブロックであって、
    セメントおよび前記セメント粒子の平均粒径の1/50以上1/5以下の平均粒径のフィラーを含む粉体と、細骨材と、粗骨材と、水を含むセメント組成物からなり、
    前記水の前記セメントに対する質量比が0.28以下であり、
    前記舗装用コンクリートブロックは、上端面の平面形状が1辺50mm以上380mm以下の正六角形、厚さが50mm以上300mm以下である角柱状であり、
    前記舗装用コンクリートブロックは、深さ方向に4mm以上20mm以下、辺および深さ方向に垂直な上端面方向に2mm以上20mm以下、上端面の角部に2mm以上30mm以下の面取りを施したことを特徴とする舗装用コンクリートブロック。
  2. 前記舗装用コンクリートブロックの上端面の平面形状は、前記正六角形に基づく波形形状であり、1種類で平面充填可能な形状であることを特徴とする請求項1記載の舗装用コンクリートブロック。
  3. 前記舗装用コンクリートブロックは、履帯車両走行エリアに使用されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の舗装用コンクリートブロック。
  4. 舗装用コンクリートブロックを用いた舗装構造であって、
    路床上に形成された下層路盤と、
    前記下層路盤上に形成された上層路盤と、
    前記上層路盤上に形成された敷砂層と、
    前記敷砂層上に敷設された請求項1から請求項3の何れかに記載された舗装用コンクリートブロックおよび隣接する前記舗装用コンクリートブロックの間隙に充填された目地砂からなるブロック層と、を備え、
    前記上層路盤は、瀝青系材料またはセメント系材料により形成されることを特徴とする舗装構造。
  5. 前記敷砂層を形成する砂および前記目地砂は、アスファルトで砂粒子周りをコーティングした砂またはアスファルトで砂粒子周りをコーティングした砂をさらに油分でコーティングした砂を使用することを特徴とする請求項4記載の舗装構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114922021A (zh) * 2022-05-10 2022-08-19 中建科技集团有限公司 机场用装配式道面及其施工方法

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