JP2021160409A - 表示制御装置、画像表示装置、及び方法 - Google Patents

表示制御装置、画像表示装置、及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】観察者の視覚的注意を適切に画像に向けさせる表示制御装置を提供する。【解決手段】車両の前方風景と重なる虚像として観察者に画像を表示する画像表示装置20を制御する表示制御装置30であって、プロセッサは、車両の前方のオブジェクトまでの距離が短くなるに従い徐々に大きくなるように視認される接近画像を表示する通常制御処理を実行し、所定の第1の条件が満たされた場合、通常制御処理より距離に対して、接近画像を大きくする、及び/又は知覚距離を短くする、距離知覚短縮処理を実行し、距離知覚短縮処理は、第1距離知覚短縮処理と、第1距離知覚短縮処理より距離に対して、接近画像をさらに大きくする、及び/又は知覚距離をさらに短くする、第2距離知覚短縮処理と、を少なくとも含み、車両情報に基づいて、実行する距離知覚短縮処理を異ならせる。【選択図】図3

Description

本開示は、車両で使用され、車両の前景に画像を重畳して視認させる表示制御装置、画像表示装置、及び方法に関する。
従来の表示装置として、特許文献1には、車両の前方風景と重なる虚像として視認者(主に車両の運転者)に視認される画像を表示するものが開示されている。特許文献1に開示された表示装置は、車両から実オブジェクトまでの距離に応じて当該実オブジェクトを報知する接近画像の相対的な高さ等を制御するものである。
特開2015−221633号公報
上記のような接近画像を複数同時に表示する場合に特許文献1に開示された技術を用いると、各接近画像に対して車両からの距離に応じた同様の表示制御が行われることになる。しかしながら、接近画像のうち視認者にとってより優先度が高いと想定されるものを効果的に表示するに当たっては改善の余地がある。
本明細書に開示される特定の実施形態の要約を以下に示す。これらの態様が、これらの特定の実施形態の概要を読者に提供するためだけに提示され、この開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。実際に、本開示は、以下に記載されない種々の態様を包含し得る。
本開示の概要は、観察者の視覚的注意を適切に画像に向けさせることに関する。より具体的には、オブジェクトまでの距離を認識させつつ、観察者にとって邪魔になりにくい画像を提供することにも関する。
したがって、本明細書に記載される表示制御装置は、車両の前方風景と重なる虚像として観察者に画像を表示する画像表示装置を制御する表示制御装置であって、情報を取得可能な1つ又は複数のI/Oインタフェースと、1つ又は複数のプロセッサと、メモリ37と、前記メモリ37に格納され、前記1つ又は複数のプロセッサ33によって実行されるように構成される1つ又は複数のコンピュータ・プログラムと、を備え、前記1つ又は複数のI/Oインタフェース31は、前記車両の前方のオブジェクトまでの距離Lと、前記車両に関する車両情報と、を取得し、前記1つ又は複数のプロセッサ33は、前記距離Lが短くなるに従い徐々に大きくなるように視認される接近画像Vを表示する通常制御処理を実行し、所定の第1の条件が満たされるか判定し、前記所定の第1の条件が満たされた場合、前記通常制御処理より前記距離Lに対して、前記接近画像Vを大きくする、及び/又は表示距離を短くする、距離知覚短縮処理を実行し、前記距離知覚短縮処理は、第1距離知覚短縮処理と、前記第1距離知覚短縮処理より前記距離Lに対して、前記接近画像Vをさらに大きくする、及び/又は表示距離をさらに短くする、第2距離知覚短縮処理と、を少なくとも含み、前記車両情報に基づいて、実行する前記距離知覚短縮処理を異ならせる。
本発明によれば、接近画像のうち優先度が高いと想定されるものを効果的に表示することができる。
図1は、車両用表示システムの車両への適用例を示す図である。 図2は、ヘッドアップディスプレイ装置の構成を示す図である。 図3は、車両用表示システムのブロック図である。 図4Aは、画像表示装置が表示する接近画像の一例を示す図である。 図4Bは、画像表示装置が表示する接近画像の一例を示す図である。 図5は、距離に応じて、接近画像のサイズ(表示比率)を変更するための制御データの説明を提供する図である。 図6Aは、拡大処理が実行される前の画像の表示例を示す図である。 図6Bは、図6Aに示す状況の後であり、拡大処理が実行された際の画像の表示例を示す図である。 図6Cは、図6Bに示す状況の後であり、拡大処理が実行された後の画像の表示例を示す図である。 図7Aは、複数の接近画像の表示遷移例を説明する図である。 図7Bは、図7Aの状況の後であり、複数の接近画像の表示遷移例を説明する図である。 図7Cは、図7Bの状況の後であり、画像の拡大処理を説明する図である。 図8は、拡大処理を示すフロー図である。 図9Aは、拡大処理の変形例を説明するための図である。 図9Bは、拡大処理の変形例を説明するための図である。 図9Cは、拡大処理の変形例を説明するための図である。 図10Aは、基準制御データの変形例を説明するための図である。 図10Bは、基準制御データの変形例を説明するための図である。 図10Cは、基準制御データの変形例を説明するための図である。 図11は、接近処理を示すフローチャートである。 図12Aは、複数の接近画像の表示遷移例を説明する図である。 図12Bは、図12Aの状況の後であり、複数の接近画像の表示遷移例を説明する図である。 図12Cは、図12Bの状況の後であり、画像の接近処理を説明する図である。 図13Aは、接近処理が実行される前の画像の表示例を示す図である。図13Bは、図13Aに示す状況の後であり、接近処理が実行された際の画像の表示例を示す図である。図13Cは、図13Bに示す状況の後であり、接近処理が実行された後の画像の表示例を示す図である。 図14Aは、いくつかの実施形態に従って、距離知覚短縮処理及び距離知覚延長処理を実行する方法を示すフロー図である。 図14Bは、図14Aに続くフロー図である。 図15は、第2第1距離知覚短縮処理データを説明する図である。 図16は、第2第1距離知覚短縮処理データを用いた距離知覚短縮処理における動作を説明するフロー図である。
以下、図1ないし図16では、例示的な車両用表示システムの構成、及び動作の説明を提供する。なお、本発明は以下の実施形態(図面の内容も含む)によって限定されるものではない。下記の実施形態に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
車両用表示システム10における画像表示部(画像表示装置)20は、車両1のダッシュボード5内に設けられたヘッドアップディスプレイ(HUD:Head−Up Display)装置である。画像表示部20は、表示光40をフロントウインドシールド2(被投影部の一例である)に向けて出射し、フロントウインドシールド2は、画像表示部20が表示する画像の表示光40をアイボックス200へ反射する。HUD装置20は、車両1に関する情報(以下、車両情報と言う。)だけでなく、車両情報以外の情報も統合的に車両1の乗員(前記乗員は、典型的には、車両1の運転者である。)に報知する。なお、車両情報は、車両1自体の情報だけでなく、車両1の運行に関連した車両1の外部の情報も含む。
図2は、本実施形態のHUD装置20の構成を示す図である。HUD装置20は、画像を表示する表示面21aを有する表示器21と、リレー光学系25と、を含む。
図2の表示器21は、液晶ディスプレイパネル22と、光源ユニット24と、から構成される。表示面21aは、液晶ディスプレイパネル22の視認側の表面であり、画像の表示光40を出射する。表示面21aの中心からリレー光学系25及び前記被投影部を介してアイボックス200(アイボックス200の中心205)へ向かう表示光40の光軸40pに対する、表示面21aの角度の設定により、表示領域100の角度(チルト角θtを含む。)が設定され得る。
リレー光学系25は、表示器21から出射された表示光40(表示器21からアイボックス200へ向かう光。)の光路上に配置され、表示器21からの表示光40をHUD装置20の外側のフロントウインドシールド2に投影する1つ又はそれ以上の光学部材で構成される。図2のリレー光学系25は、1つの凹状の第1ミラー26と、1つの平面の第2ミラー27と、を含む。
第1ミラー26は、例えば、正の光学的パワーを有する自由曲面形状である。換言すると、第1ミラー26は、領域毎に光学的パワーが異なる曲面形状であってもよく、すなわち、表示光40が通る領域(光路)に応じて表示光40に付加される光学的パワーが異なってもよい。具体的には、表示面21aの各領域からアイボックス200へ向かう第1表示光41、第2画像光42、第3画像光43(図2参照)とで、リレー光学系25によって付加される光学的パワーが異なってもよい。
なお、第2ミラー27は、例えば、平面ミラーであるが、これに限定されるものではなく、光学的パワーを有する曲面であってもよい。すなわち、リレー光学系25は、複数のミラー(例えば、本実施形態の第1ミラー26、第2ミラー27。)を合成することで、表示光40が通る領域(光路)に応じて付加される光学的パワーを異ならせてもよい。なお、第2ミラー27は、省略されてもよい。すなわち、表示器21から出射される表示光40は、第1ミラー26により被投影部(フロントウインドシールド)2に反射されてもよい。
また、本実施形態では、リレー光学系25は、2つのミラーを含んでいたが、これに限定されるものではなく、これらに追加又は代替で、1つ又はそれ以上の、レンズなどの屈折光学部材、ホログラムなどの回折光学部材、反射光学部材、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
また、本実施形態のリレー光学系25は、この曲面形状(光学的パワーの一例。)により、表示領域100までの距離を設定する機能、及び表示面21aに表示された画像を拡大した虚像を生成する機能、を有するが、これに加えて、フロントウインドシールド2の湾曲形状により生じ得る虚像の歪みを抑制する(補正する)機能、を有していてもよい。
また、リレー光学系25は、表示制御装置30により制御されるアクチュエータ28、29が取り付けられ、回転可能であってもよい。
液晶ディスプレイパネル22は、光源ユニット24から光を入射し、空間光変調した表示光40をリレー光学系25(第2ミラー27)へ向けて出射する。液晶ディスプレイパネル22は、例えば、観察者から見た虚像Vの上下方向(Y軸方向)に対応する画素が配列される方向が短辺である矩形状である。観察者は、液晶ディスプレイパネル22の透過光を、虚像光学系90を介して視認する。虚像光学系90は、図2で示すリレー光学系25とフロントウインドシールド2とを合わせたものである。
光源ユニット24は、光源(不図示)と、照明光学系(不図示)と、によって構成される。
光源(不図示)は、例えば、複数のチップ型のLEDであり、液晶ディスプレイパネル(空間光変調素子の一例)22へ照明光を出射する。光源ユニット24は、例えば、4つの光源で構成されており、液晶ディスプレイパネル22の長辺に沿って一列に配置される。光源ユニット24は、表示制御装置30からの制御のもと、照明光を液晶ディスプレイパネル22に向けて出射する。光源ユニット24の構成や光源の配置などはこれに限定されない。
照明光学系(不図示)は、例えば、光源ユニット24の照明光の出射方向に配置された1つ又は複数のレンズ(不図示)と、1つ又は複数のレンズの出射方向に配置された拡散板(不図示)と、によって構成される。
なお、光源ユニット24は、ローカルディミング可能に構成され、表示制御装置30からの制御のもと、表示面21aのエリア毎の照明の度合いを変更してもよい。これにより、光源ユニット24は、表示面21aに表示される画像の輝度をエリア毎に調整することができる。
なお、表示器21は、自発光型ディスプレイであってもよく、又は、スクリーンに画像を投影するプロジェクション型ディスプレイであってもよい。この場合、表示面21aは、プロジェクション型ディスプレイのスクリーンである。
画像表示部(画像表示装置)20は、後述する表示制御装置30の制御に基づいて、車両1のフロントウインドシールド2を介して視認される現実空間(実景)である前景に存在する、走行レーンの路面、分岐路、道路標識、障害物(歩行者、自転車、自動二輪車、他車両など)、及び地物(建物、橋など)などのオブジェクトの近傍、オブジェクトに重なる位置、又はオブジェクトを基準に設定された位置に画像を表示することで、視覚的な拡張現実(AR:Augmented Reality)を観察者(典型的には、車両1の運転席に着座する観察者)に知覚させることもできる。本実施形態の説明では、実景に存在する実オブジェクト又は後述する仮想オブジェクトの位置に応じて、表示される位置を変化させ得る画像をAR画像と定義し、実オブジェクトの位置によらず、表示される位置が設定される画像を非AR画像と定義することとする。
図3は、いくつかの実施形態に係る、車両用表示システム10のブロック図である。表示制御装置30は、1つ又は複数のI/Oインタフェース31、1つ又は複数のプロセッサ33、1つ又は複数の画像処理回路35、及び1つ又は複数のメモリ37を備える。図3に記載される様々な機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれら両方の組み合わせで構成されてもよい。図3は、1つの実施形態に過ぎず、図示された構成要素は、より数の少ない構成要素に組み合わされてもよく、又は追加の構成要素があってもよい。例えば、画像処理回路35(例えば、グラフィック処理ユニット)が、1つ又は複数のプロセッサ33に含まれてもよい。
図示するように、プロセッサ33及び画像処理回路35は、メモリ37と動作可能に連結される。より具体的には、プロセッサ33及び画像処理回路35は、メモリ37に記憶されているプログラムを実行することで、例えば画像データを生成、及び/又は送信するなど、車両用表示システム10(画像表示部20)の操作を行うことができる。プロセッサ33及び/又は画像処理回路35は、少なくとも1つの汎用マイクロプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。メモリ37は、ハードディスクのような任意のタイプの磁気媒体、CD及びDVDのような任意のタイプの光学媒体、揮発性メモリのような任意のタイプの半導体メモリ、及び不揮発性メモリを含む。揮発性メモリは、DRAM及びSRAMを含み、不揮発性メモリは、ROM及びNVRAMを含んでもよい。
図示するように、プロセッサ33は、I/Oインタフェース31と動作可能に連結されている。I/Oインタフェース31は、例えば、車両に設けられた後述の車両ECU401、又は他の電子機器(後述する符号403〜419)と、CAN(Controller Area Network)の規格に応じて通信(CAN通信とも称する)を行う。なお、I/Oインタフェース31が採用する通信規格は、CANに限定されず、例えば、CANFD(CAN with Flexible Data Rate)、LIN(Local Interconnect Network)、Ethernet(登録商標)、MOST(Media Oriented Systems Transport:MOSTは登録商標)、UART、もしくはUSBなどの有線通信インタフェース、又は、例えば、Bluetooth(登録商標)ネットワークなどのパーソナルエリアネットワーク(PAN)、802.11x Wi−Fi(登録商標)ネットワークなどのローカルエリアネットワーク(LAN)等の数十メートル内の近距離無線通信インタフェースである車内通信(内部通信)インタフェースを含む。また、I/Oインタフェース31は、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN0、IEEE802.16−2004(WiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access))、IEEE802.16eベース(Mobile WiMAX)、4G、4G−LTE、LTE Advanced、5Gなどのセルラー通信規格により広域通信網(例えば、インターネット通信網)などの車外通信(外部通信)インタフェースを含んでいてもよい。
図示するように、プロセッサ33は、I/Oインタフェース31と相互動作可能に連結されることで、車両用表示システム10(I/Oインタフェース31)に接続される種々の他の電子機器等と情報を授受可能となる。I/Oインタフェース31には、例えば、車両ECU401、道路情報データベース403、自車位置検出部405、車外センサ407、操作検出部409、目位置検出部411、IMU413、視線方向検出部415、携帯情報端末417、及び外部通信機器419などが動作可能に連結される。なお、I/Oインタフェース31は、車両用表示システム10に接続される他の電子機器等から受信する情報を加工(変換、演算、解析)する機能を含んでいてもよい。
表示器21は、プロセッサ33及び画像処理回路35に動作可能に連結される。したがって、画像表示部20によって表示される画像は、プロセッサ33及び/又は画像処理回路35から受信された画像データに基づいてもよい。プロセッサ33及び画像処理回路35は、I/Oインタフェース31から取得される情報に基づき、画像表示部20が表示する画像を制御する。なお、表示制御装置30の構成は、以下に説明する機能を充足する限りにおいては任意である。
車両ECU401は、車両1に設けられたセンサやスイッチから、車両1の状態(例えば、走行距離、車速、アクセルペダル開度、ブレーキペダル開度、エンジンスロットル開度、インジェクター燃料噴射量、エンジン回転数、モータ回転数、ステアリング操舵角、シフトポジション、ドライブモード、各種警告状態、姿勢(ロール角、及び/又はピッチング角を含む)、車両の振動(振動の大きさ、頻度、及び/又は周波数を含む))などを取得し、車両1の前記状態を収集、及び管理(制御も含んでもよい。)するものであり、機能の一部として、車両1の前記状態の数値(例えば、車両1の車速。)を示す信号を、表示制御装置30のプロセッサ33へ出力することができる。
なお、車両ECU401は、単にセンサ等で検出した数値(例えば、ピッチング角が前傾方向に3[degree]。)をプロセッサ33へ送信することに加え、又はこれに代わり、センサで検出した数値を含む車両1の1つ又は複数の状態に基づく判定結果(例えば、車両1が予め定められた前傾状態の条件を満たしていること。)、若しくは/及び解析結果(例えば、ブレーキペダル開度の情報と組み合わせされて、ブレーキにより車両が前傾状態になったこと。)を、プロセッサ33へ送信してもよい。例えば、車両ECU401は、車両1が車両ECU401のメモリ(不図示)に予め記憶された所定の条件を満たすような判定結果を示す信号を表示制御装置30へ出力してもよい。なお、I/Oインタフェース31は、車両ECU401を介さずに、車両1に設けられた車両1に設けられたセンサやスイッチから、上述したような車両1の状態に関する情報を取得してもよい。
また、車両ECU401は、車両用表示システム10が表示する画像を指示する指示信号を表示制御装置30へ出力してもよく、この際、画像の座標、サイズ、種類、表示態様、画像の報知必要度、及び/又は報知必要度を判定する元となる必要度関連情報を、前記指示信号に付加して送信してもよい。
道路情報データベース403は、車両1に設けられた図示しないナビゲーション装置、又は車両1と車外通信インタフェース(I/Oインタフェース31)を介して接続される外部サーバー、に含まれ、後述する自車位置検出部405から取得される車両1の位置に基づき、車両1の周辺の情報(車両1の周辺の実オブジェクト関連情報)である車両1が走行する道路情報(車線,白線,停止線,横断歩道,道路の幅員,車線数,交差点,カーブ,分岐路,交通規制など)、地物情報(建物、橋、河川など)の、有無、位置(車両1までの距離を含む)、方向、形状、種類、詳細情報などを読み出し、プロセッサ33に送信してもよい。また、道路情報データベース403は、出発地から目的地までの適切な経路(ナビゲーション情報)を算出し、当該ナビゲーション情報を示す信号、又は経路を示す画像データをプロセッサ33へ出力してもよい。
自車位置検出部405は、車両1に設けられたGNSS(全地球航法衛星システム)等であり、現在の車両1の位置、方位を検出し、検出結果を示す信号を、プロセッサ33を介して、又は直接、道路情報データベース403、後述する携帯情報端末417、及び/もしくは外部通信機器419へ出力する。道路情報データベース403、後述する携帯情報端末417、及び/又は外部通信機器419は、自車位置検出部405から車両1の位置情報を連続的、断続的、又は所定のイベント毎に取得することで、車両1の周辺の情報を選択・生成して、プロセッサ33へ出力してもよい。
車外センサ407は、車両1の周辺(前方、側方、及び後方)に存在する実オブジェクトを検出する。車外センサ407が検知する実オブジェクトは、例えば、障害物(歩行者、自転車、自動二輪車、他車両など)、後述する走行レーンの路面、区画線、路側物、及び/又は地物(建物など)などを含んでいてもよい。車外センサとしては、例えば、ミリ波レーダ、超音波レーダ、レーザレーダ等のレーダセンサ、カメラ、又はこれらの組み合わせからなる検出ユニットと、当該1つ又は複数の検出ユニットからの検出データを処理する(データフュージョンする)処理装置と、から構成される。これらレーダセンサやカメラセンサによる物体検知については従来の周知の手法を適用する。これらのセンサによる物体検知によって、三次元空間内での実オブジェクトの有無、実オブジェクトが存在する場合には、その実オブジェクトの位置(車両1からの相対的な距離、車両1の進行方向を前後方向とした場合の左右方向の位置、上下方向の位置等)、大きさ(横方向(左右方向)、高さ方向(上下方向)等の大きさ)、移動方向(横方向(左右方向)、奥行き方向(前後方向))、移動速度(横方向(左右方向)、奥行き方向(前後方向))、及び/又は種類等を検出してもよい。1つ又は複数の車外センサ407は、各センサの検知周期毎に、車両1の前方の実オブジェクトを検知して、実オブジェクト情報の一例である実オブジェクト情報(実オブジェクトの有無、実オブジェクトが存在する場合には実オブジェクト毎の位置、大きさ、及び/又は種類等の情報)をプロセッサ33に出力することができる。なお、これら実オブジェクト情報は、他の機器(例えば、車両ECU401)を経由してプロセッサ33に送信されてもよい。また、夜間等の周辺が暗いときでも実オブジェクトが検知できるように、センサとしてカメラを利用する場合には赤外線カメラや近赤外線カメラが望ましい。また、センサとしてカメラを利用する場合、視差で距離等も取得できるステレオカメラが望ましい。
操作検出部409は、例えば、車両1のCID(Center Information Display)、インストルメントパネルなどに設けられたハードウェアスイッチ、又は画像とタッチセンサなどとを兼ね合わされたソフトウェアスイッチなどであり、車両1の乗員(運転席の着座するユーザ、及び/又は助手席に着座するユーザ)による操作に基づく操作情報を、プロセッサ33へ出力する。例えば、操作検出部409は、ユーザの操作により、表示領域100を移動させる操作に基づく表示領域設定情報、アイボックス200を移動させる操作に基づくアイボックス設定情報、観察者の目位置700を設定する操作に基づく情報などを、プロセッサ33へ出力する。
目位置検出部411は、車両1の運転席に着座する観察者の目位置700(図1参照。)を検出する赤外線カメラなどのカメラを含み、撮像した画像を、プロセッサ33に出力してもよい。プロセッサ33は、目位置検出部411から撮像画像(目位置700を推定可能な情報の一例。)を取得し、この撮像画像を、パターンマッチングなどの手法で解析することで、観察者の目位置700の座標を検出し、検出した目位置700の座標を示す信号を、プロセッサ33へ出力してもよい。
また、目位置検出部411は、カメラの撮像画像を解析した解析結果(例えば、観察者の目位置700が、予め設定された複数の表示パラメータが対応する空間的な領域のどこに属しているかを示す信号。)を、プロセッサ33に出力してもよい。なお、車両1の観察者の目位置700、又は観察者の目位置700を推定可能な情報を取得する方法は、これらに限定されるものではなく、既知の目位置検出(推定)技術を用いて取得されてもよい。
また、目位置検出部411は、観察者の目位置700の移動速度、及び/又は移動方向を検出し、観察者の目位置700の移動速度、及び/又は移動方向を示す信号を、プロセッサ33に出力してもよい。
IMU413は、慣性加速に基づいて、車両1の位置、向き、及びこれらの変化(変化速度、変化加速度)を検知するように構成された1つ又は複数のセンサ(例えば、加速度計及びジャイロスコープ)の組み合わせを含むことができる。IMU413は、検出した値(前記検出した値は、車両1の位置、向き、及びこれらの変化(変化速度、変化加速度)を示す信号などを含む。)、検出した値を解析した結果を、プロセッサ33に出力してもよい。前記解析した結果は、前記検出した値が、所定の条件を満たしたか否かの判定結果を示す信号などであり、例えば、車両1の位置又は向きの変化(変化速度、変化加速度)に関する値から、車両1の挙動(振動)が少ないことを示す信号であってもよい。
視線方向検出部415は、車両1の運転席に着座する観察者の顔を撮像する赤外線カメラ、又は可視光カメラを含み、撮像した画像を、プロセッサ33に出力してもよい。プロセッサ33は、視線方向検出部415から撮像画像(視線方向を推定可能な情報の一例。)を取得し、この撮像画像を解析することで観察者の視線方向(及び/又は前記注視位置)を特定することができる。なお、視線方向検出部415は、カメラからの撮像画像を解析し、解析結果である観察者の視線方向(及び/又は前記注視位置)を示す信号をプロセッサ33に出力してもよい。なお、車両1の観察者の視線方向を推定可能な情報を取得する方法は、これらに限定されるものではなく、EOG(Electro−oculogram)法、角膜反射法、強膜反射法、プルキンエ像検出法、サーチコイル法、赤外線眼底カメラ法などの他の既知の視線方向検出(推定)技術を用いて取得されてもよい。
携帯情報端末417は、スマートフォン、ノートパソコン、スマートウォッチ、又は観察者(又は車両1の他の乗員)が携帯可能なその他の情報機器である。I/Oインタフェース31は、携帯情報端末417とペアリングすることで、携帯情報端末417と通信を行うことが可能であり、携帯情報端末417(又は携帯情報端末を通じたサーバ)に記録されたデータを取得する。携帯情報端末417は、例えば、上述の道路情報データベース403及び自車位置検出部405と同様の機能を有し、前記道路情報(実オブジェクト関連情報の一例。)を取得し、プロセッサ33に送信してもよい。また、携帯情報端末417は、車両1の近傍の商業施設に関連するコマーシャル情報(実オブジェクト関連情報の一例。)を取得し、プロセッサ33に送信してもよい。なお、携帯情報端末417は、携帯情報端末417の所持者(例えば、観察者)のスケジュール情報、携帯情報端末417での着信情報、メールの受信情報などをプロセッサ33に送信し、プロセッサ33及び画像処理回路35は、これらに関する画像データを生成及び/又は送信してもよい。
外部通信機器419は、車両1と情報のやりとりをする通信機器であり、例えば、車両1と車車間通信(V2V:Vehicle To Vehicle)により接続される他車両、歩車間通信(V2P:Vehicle To Pedestrian)により接続される歩行者(歩行者が携帯する携帯情報端末)、路車間通信(V2I:Vehicle To roadside Infrastructure)により接続されるネットワーク通信機器であり、広義には、車両1との通信(V2X:Vehicle To Everything)により接続される全てのものを含む。外部通信機器419は、例えば、歩行者、自転車、自動二輪車、他車両(先行車等)、路面、区画線、路側物、及び/又は地物(建物など)の位置を取得し、プロセッサ33へ出力してもよい。また、外部通信機器419は、上述の自車位置検出部405と同様の機能を有し、車両1の位置情報を取得し、プロセッサ33に送信してもよく、さらに上述の道路情報データベース403の機能も有し、前記道路情報(実オブジェクト関連情報の一例。)を取得し、プロセッサ33に送信してもよい。なお、外部通信機器419から取得される情報は、上述のものに限定されない。
(接近画像の機能及び制御)
ここで、接近画像の機能及び制御について説明する。虚像の表示領域内において表示される接近画像Vは、車両1の前方にあるオブジェクトを報知する画像である。接近画像は、大別して、実オブジェクトを強調する「強調態様」での表示と、前方風景内に視認されない情報(仮想オブジェクト)を可視化する「可視化態様」での表示と、車両1側から情報を呈示する「呈示態様」での表示と、が可能となっている。
ここで、『オブジェクト』とは、実在する障害物(歩行者、自転車、自動二輪車、他車両など)、地物(建物、橋など)、及び道路上物体(分岐路、道路標識)など知覚できる『実オブジェクト』、及び知覚できない(又は知覚しづらい)『仮想オブジェクト』と、を含む。仮想オブジェクトは、例えば、一般道路及び高速道路の切り替わり地点、車線数、制限速度、道路の名称、道路の混雑状況、商用施設に関連するコマーシャル情報、など位置情報に結び付けられる様々な情報を含む。なお、車両1は、情報を呈示する「呈示態様」で表示する場合、前景の所定の位置に仮想オブジェクトを設定し得る。具体的に、例えば、車両1は、情報を呈示する「呈示態様」で表示を開始する場合、50[meter]先に仮想オブジェクトを設定し、その設定した仮想オブジェクトと車両1との距離に応じて、「呈示態様」で表示する画像の大きさを調整し得る。
強調態様の接近画像は、車両1の前方に存在する、先行車、歩行者、道路標識、建物などの実オブジェクトに対応する位置に表示される。強調態様の接近画像は、例えば、実オブジェクトに重畳して、または実オブジェクトの近傍に表示され、当該実オブジェクトの存在を強調して報知する。つまり、強調態様の接近画像の表示位置としての「実オブジェクトに対応する位置」とは、実オブジェクトに重畳して視認される位置に限られず、実オブジェクトの近傍の位置であってもよい。なお、強調態様は、実オブジェクトの視認を妨げない態様であれば、任意である。
可視化態様の接近画像は、例えば、道路標識が設置されていない特定の箇所(仮想オブジェクトの一例。)において、当該箇所における各種情報を報知するための道路標識を模した画像や、観察者がカーナビ装置80等で予め設定した、目的地や施設などのPOI(Point of Interest)を示す画像などである。なお、ここでいう道路標識は、案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識などあらゆるものを含む。つまり、この実施形態で表示可能な接近画像は、道路標識を模した画像を含む。ここで、道路標識を模した、可視化態様の接近画像の一例を図4A及び図4Bに示す。図4Aに示す接近画像は、案内標識を模した画像である。図4Bに示す接近画像は、制限速度を示す規制標識を模した画像である。また、可視化態様の接近画像は、車両1の経路を案内する矢印形状などのナビゲーション画像を含んでいてもよい。
呈示態様の接近画像は、例えば、車両ECU401から呈示される、運転に対するアドバイス、車両1での運転支援に関する情報、オーディオにおける次の曲名を示す情報、など車両1(車両ECU401)から呈示する様々な情報を示す画像である。
表示制御装置30は、車両1からオブジェクトまでの距離Lが遠いほど接近画像の表示サイズが小さくなるように(換言すれば、距離Lが近いほど接近画像の表示サイズが大きくなるように)、接近画像の表示制御を行う。これにより、接近画像に擬似的な遠近感を与えることができる。なお、距離Lに応じた接近画像のサイズの基本的な変化は、連続的であることが好ましいが、これに限定されることはなく、断続的であってもよい。
また、いくつかの実施形態において、画像表示部20は、接近画像が表示される距離(表示距離)を調整可能な奥行き知覚表示装置で構成され、表示制御装置30は、車両1からオブジェクトまでの距離Lが遠いほど接近画像の知覚される距離が長くなるように(逆に言えば、距離Lが近いほど接近画像の表示距離が短くなるように)、接近画像の表示制御を行ってもよい。これにより、接近画像に擬似的な遠近感を与えることができる。前記奥行き知覚表示装置は、ライトフィールドディスプレイ、多眼式ディスプレイ、両眼視差式ディスプレイ、など公知の3D表示装置を含む。また、前記奥行き知覚表示装置は、虚像表示領域100を平面、又は曲面の2次元で形成し、チルト角θtを90[degree]以下(好ましくは、50[degree]以下、さらに好ましくは0[degree]近傍)にして、虚像表示領域100内の虚像Vの表示位置を変えることで結像距離を変える、奥行き2D表示装置を含んでいても良い。
表示制御装置30は、道路情報データベース403(カーナビも含む。)、車外センサ407、携帯情報端末417、及び外部通信機器419(以下、情報源、とも言う。)の少なくともいずれかから、I/Oインタフェース31を介して取得した情報に基づき、オブジェクトまでの距離Lを取得する。なお、表示制御装置30は、情報源から距離Lを示す情報を取得してもよいし、情報源からオブジェクトの座標情報を取得し、座標情報に基づいて距離Lを算出してもよい。特に、可視化態様の接近画像の報知対象である実オブジェクトまでの距離Lは、道路情報データベース403、携帯情報端末417、及び外部通信機器419からの情報に基づいて特定される仮想オブジェクトの代表位置(前記代表位置は、例えば、規制区間の開始位置や、道路案内に適した位置として予め定められた位置などを含む。)までの距離として、取得又は算出することができる。なお、表示制御装置30は、取得又は算出した距離Lの短縮に基づいて、接近画像のサイズを徐々に大きくする(又はこれに加えて、接近画像の表示距離を短くする)表示制御を実行するが、『距離L』が必ずしも取得又は算出されなくてもよく、距離Lの短縮を推定可能な情報に基づき、接近画像のサイズを調整してもよい。オブジェクトと車両1との間の距離Lの短縮を推定可能な情報は、(1)オブジェクトの座標位置と車両1の座標位置との組み合わせ、(2)車両1の走行距離などを含んでいてもよい。
表示制御装置30は、以上のように取得又は算出した距離L(又は距離Lを推定可能な情報)に基づき、接近画像のサイズ(又はこれに加えて表示距離)を制御するための制御データを、メモリ37に予め記憶する。前記制御データは、接近画像のサイズを制御するための制御データ(又はこれに加えて表示距離を制御するための制御データ)を含む。
まず、接近画像のサイズを制御するための制御データについて説明する。接近画像のサイズを制御するための制御データは、基準制御データCDsを含む。表示制御装置30は、取得又は算出した距離L(又は距離Lを推定可能な情報)及びと基準制御データCDsに基づき、表示比率Mを決定し、決定した表示比率Mで接近画像を表示する。基準制御データCDsは、距離Lと表示比率Mとの関係を示す基準関数Fs(数式)のデータを含む。基準関数Fsは、例えば、図5に示すように、M=α/Lで表すことができる逆比例である。なお、定数のαは、例えば、仮想面からアイボックス200までの所定距離と、後述する基準サイズとによって、決定される。また、基準関数Fsは、M=arctan(α)で表されても良い。
表示比率Mは、基準サイズに対する接近画像の表示比率であって、観察者に視認させたいサイズをSとし、基準サイズをS0とすれば、S/S0で表される。基準サイズは、所定距離L0における接近画像のサイズとして予めメモリ37に記憶されている。なお、所定距離L0をどのように設定するかは任意である。
基準サイズは、接近画像の種類に応じて予め定められている。図4Aは、矩形の接近画像のとして、横がAの長さ、縦がBの長さの基準サイズの接近画像を示している。図4Bは、円形の接近画像として、横がCの長さ、縦がDの長さの基準サイズの接近画像を示している。なお、接近画像が、真円形である場合はC=Dであり、楕円形である場合はC≠Dである。ここで言う長さは、観察者に視認される長さであり、例えば、例えばピクセル数及び表示面21aの部分領域毎の虚像光学系90による拡大率で規定することができる。
また、基準サイズは、報知画像が対応付けられるオブジェクトのサイズに応じて、調整されてもよい。例えば、表示制御装置30は、実オブジェクトのサイズに基づき、観察者から見て、実オブジェクトのサイズと概ね同じ、又は実オブジェクトのサイズより大きくなるように、基準サイズを変更し得る。
例えば、表示制御装置30が決定した表示比率Mが「2」である場合、図4Aに示す接近画像は、横が2Aの長さ、縦が2Bの長さのサイズに、基準サイズから拡大されて観察者に視認されることになる。また、表示制御装置30が決定した表示比率Mが「1/2」である場合、図4Bに示す接近画像は、横が1/2C、縦が1/2Dの長さのサイズに、基準サイズから縮小されて表示されることになる。以上のように、接近画像の拡大又は縮小は、基準サイズの接近画像のアスペクト比を保ったまま実行される。なお、接近画像の形状は、矩形や円形に限られず、三角形、多角形状などの他の形状であってもよく、当該他の形状であっても拡大又は縮小の考え方は同様である。接近画像の構成は、実オブジェクトに関する情報を報知することができれば任意であり、例えば、文字、記号、図形、アイコンやこれらの組み合わせであればよい。
以上のようにして、表示制御装置30は、接近画像の表示制御を行う。オブジェクトが複数ある場合、表示制御装置30は、同一の期間内で(同時に)複数の接近画像を表示することが可能である。なお、基準制御データCDsに基づき決定される接近画像の表示比率Mが所定閾値Mth以上となった場合、接近画像を消去してもよい。こうすることで、車両1が所定の実オブジェクトに差し掛かる際、当該実オブジェクトを報知する接近画像が大きく表示されすぎ、観察者に煩わしさを与えることを回避することができる。所定閾値Mthについては後述する。
ここで、複数の接近画像のうち、車両1からの距離Lが最も近い第1のオブジェクトを報知するものを第1の接近画像V1とし、第1の接近画像V1よりも距離Lが遠い第2のオブジェクトを報知するものを第2の接近画像V2とし、第2の接近画像V2よりも距離Lがさらに遠い第3のオブジェクトを報知するものを第3の接近画像V3とする。これら複数の接近画像は、基準制御データCDsに基づく制御(以下、通常制御と言う。)により、図6Aに示すように、表示サイズが大きいものから順に、第1の接近画像V1、第2の接近画像V2、第3の接近画像V3となる。車両1が前方へ走行していくとオブジェクトまでの距離Lは徐々に近くなっていくので、第1の接近画像V1、第2の接近画像V2及び第3の接近画像V3の表示サイズは徐々に大きくなっていく。これを、図7Aに示す基準関数Fsで説明すれば、基準関数Fsが示す曲線上における、第1の接近画像V1、第2の接近画像V2及び第3の接近画像V3の各々を示す点が左側に移動することに対応する。しかしながら、通常制御による制御だけでは、距離Lによっては、第1の接近画像V1に続いて表示される第2の接近画像V2が小さくなりすぎて視認しづらい場合がある。これを解消するため、表示制御装置30は、後述する距離知覚短縮処理を実行する。
(拡大処理)
表示制御装置30は、基準制御データCDsに基づき、オブジェクトまでの距離Lが短くなるに従い、接近画像Vの大きさを大きくする表示制御を行う(通常制御の一例。)。そして、この通常制御中に、後述する誘目条件が満たされた場合、表示制御装置30は、拡大処理(距離知覚短縮処理の一例。)を実行する。
図8は、拡大処理を示すフロー図である。まず、表示制御装置30は、第1の接近画像V1の表示比率が第1閾値MT1以上であるか否かを判別する(ブロックS1)。第1閾値MT1は、オブジェクトが車両1に対して十分に近くなり、当該オブジェクトがまもなく過ぎ去ると想定される場合の距離Lに対応した表示比率として予め定められ、メモリ37内に記憶されている。
第1の接近画像V1の表示比率が第1閾値MT1以上である場合(ブロックS1;Yes)、表示制御装置30は、ブロックS2の処理を実行する。一方、第1の接近画像V1の表示比率が第1閾値MT1未満である場合(ブロックS1;No)、表示制御装置30は、視線方向検出部415から取得した視線情報に基づき、観察者が第1の接近画像V1を視認しているか否かを判別する(ブロックS3)。
表示制御装置30は、観察者が第1の接近画像V1を視認していない場合(ブロックS3;No)、距離知覚短縮処理を終了する一方で、観察者が第1の接近画像V1を視認している場合(ブロックS3;Yes)、ブロックS2の処理を実行する。こうすることで、第1の接近画像V1の表示比率が第1閾値MT1未満であっても、観察者が第1の接近画像V1を認識し、既に第1の接近画像V1の報知必要度が低下したと想定される場合には、後述のように第2の接近画像V2の視認性を確保する拡大処理(距離知覚短縮処理の一例。)が実行可能となる。
ブロックS2で、表示制御装置30は、第1の接近画像V1の消去条件が成立したか否かを判別する。例えば、表示制御装置30は、第1の接近画像V1の表示比率が所定閾値Mth以上となった場合、消去条件が成立したと判別し(ブロックS2;Yes)、第1の接近画像V1を虚像Vの表示範囲内から消去する(ブロックS4)。所定閾値Mthは、例えば、第1閾値MT1よりも大きい値として予め定められ、メモリ37内に記憶されている。ブロックS4の実行後や第1の接近画像V1の消去条件が成立していない場合(ブロックS2;No)、表示制御装置30は、ブロックS5の処理を実行する。
ブロックS5で、表示制御装置30は、第2の接近画像V2の表示比率が第2閾値MT2未満であるか否かを判別する。第2閾値MT2は、第1閾値MT1よりも小さい値であるとともに、オブジェクトが車両1から遠く、当該オブジェクトを示す第2の接近画像V2が観察者にとって視認しづらくなると想定される場合の距離Lに対応した表示比率として予め定められ、メモリ37内に記憶されている。
第2の接近画像V2の表示比率が第2閾値MT2以上である場合(ブロックS5;No)、表示制御装置30は、距離知覚短縮処理を終了する。この場合、第2の接近画像V2は、基準制御データCDsに基づく通常制御、つまり、基準関数Fsに従って表示されることになる。一方で、第2の接近画像V2の表示比率が第2閾値MT2未満である場合(ブロックS5;Yes)、表示制御装置30は、第2の接近画像V2に対して拡大処理を実行する(ブロックS6)。
ブロックS6の拡大処理で、表示制御装置30は、第2の接近画像V2を基準制御データCDsに基づいて決定される表示比率MR(図7B及び図7C参照)よりも大きい比率で表示する。拡大処理において、表示制御装置30は、例えば図7Cに示すように、基準制御データCDsに基づく基準関数Fs(M=α/L)を表示比率Mが大きくなるように比例定数を所定量βだけ増加させた後述する第1距離知覚短縮処理データCDtに基づく第2関数Ft(M=(α+β)/L)を用い、第2の接近画像V2の表示制御を行う。
図6A〜図6Cは、拡大処理が実行される際の画像遷移例を表している。拡大処理が実行されると、図6Aに示すように通常制御で表示されていた第2の接近画像V2が、図6Bに示すように拡大される。このように第2の接近画像V2に対して拡大処理(距離知覚短縮処理の一例。)を実行することで、第1の接近画像V1の報知対象が間もなく過ぎ去り、第1の接近画像V1よりも報知の報知必要度が高くなると想定される第2の接近画像V2を視認しやすく表示することができる。
また、表示制御装置30は、拡大処理を実行する場合、当該実行前よりも第2の接近画像V2を観察者から見て上方に表示するようにしてもよい。こうすれば、観察者に、運転に必要な視野を確保させることができる。このように拡大処理に併せて第2の接近画像V2を上方に移動して表示する制御は、第2の接近画像V2が道路標識を模した可視化態様の接近画像である場合に、特に有用である。通常の道路標識は前方路面よりも上方に表示されるため、観察者にとっては、あたかも実際の道路標識を見ているかのように第2の接近画像V2を視認することができるためである。
また、第2の接近画像V2よりも距離Lが遠いオブジェクトを報知する第3の接近画像V3を表示している際は、表示制御装置30は、第2の接近画像V2に対して拡大処理を実行中の場合であっても、第3の接近画像V3の表示を基準制御データCDsに基づく制御で継続する。これにより、相対的に第3の接近画像V3よりも第2の接近画像V2のほうが目立つことになり、直近では報知の報知必要度が第3の接近画像V3よりも高い第2の接近画像V2を効果的に表示することができる。なお、距離知覚短縮処理の実行時に接近画像が4つ以上あった場合は、第3の接近画像V3よりも小さく表示されている接近画像(つまり、第3の接近画像V3の報知対象よりも距離Lが遠いオブジェクトを報知する画像)についても、基準制御データCDsに基づく制御での表示が継続される。
なお、表示制御装置30は、ブロックS1又はS2において、図6Bに示すように、第1の接近画像V1の一部が虚像Vの表示領域から外れているか否かを判別し、そのように外れている場合、且つ、ブロックS5でYesと判別した場合に、拡大処理を実行してもよい。こうしても、第1の接近画像V1の報知対象が間もなく過ぎ去り、第1の接近画像V1よりも報知の報知必要度が高くなると想定される第2の接近画像V2を視認しやすく表示することができる。
続いて、表示制御装置30は、拡大処理の実行開始から予め定められた所定期間(例えば数秒)が経過したか否かを判別する(ブロックS7)。所定期間が経過している場合(ブロックS7;Yes)、表示制御装置30は、第2の接近画像V2の表示制御を基準制御データCDsに基づく制御に復帰させる復帰処理(後述する距離知覚延長処理の一例。)を実行し(ブロックS8)、距離知覚短縮処理を終了する。
図6B〜図6Cは、復帰処理が実行される際の画像遷移例を表している。復帰処理が実行されると、図6Bに示すように拡大表示されていた第2の接近画像V2が、図6Cに示すように基準制御データCDsに基づく制御で表示される。
なお、図6Cでは、拡大処理や復帰処理の実行時にM方向に表示比率が変化する例を示したが、第2の接近画像V2の急激なサイズ変化を抑制するために、徐々に表示比率を変化させてもよい。このように、徐々に表示比率を変化させる場合、第2の接近画像V2を示す点(L,M)は、拡大処理実行時には基準関数Fsから第2関数FtへM方向に対して左斜め上方に移動し、復帰処理の実行時には第2関数Ftから基準関数FsへM方向に対して左斜め下方に移動する。
拡大処理の実行開始から所定期間が経過していない場合(ブロックS7;No)、表示制御装置30は、視線方向検出部415から取得した視線情報に基づき、観察者が拡大表示中の第2の接近画像V2を視認しているか否かを判別する(ブロックS9)。
表示制御装置30は、観察者が第2の接近画像V2を視認していない場合(ブロックS9;No)、距離知覚短縮処理を終了する一方で、観察者が第2の接近画像V2を視認している場合(ブロックS9;Yes)、ブロックS8の復帰処理を実行する。こうすることで、観察者が拡大表示中の第2の接近画像V2を認識したと想定される場合には、第2の接近画像V2の表示制御を基準制御データCDsに基づく制御に復帰させることができ、観察者にとっては既に報知必要度が低下した第2の接近画像V2が拡大され続けることを抑制することができる。距離知覚短縮処理の説明は以上である。
以上に説明した拡大処理(距離知覚短縮処理の一例。)では、第2関数Ftに基づいて第2の接近画像V2を制御する例を示したが、これに限られない。例えば、図9Aに示すように、拡大処理(距離知覚短縮処理)の実行時には、距離Lに依らない一定の表示比率Mで第2の接近画像V2を表示制御してもよい。しかしながら、拡大処理実行時に一定の表示比率Mで第2の接近画像V2を表示制御する場合、図9Aに示すように理想的に、第2の接近画像V2を表す点(L,M)が復帰処理の開始時点で基準関数Fs上に位置することは稀である。したがって、図9Bに示すように、復帰処理の開始時点からは、当該開始時点における第2の接近画像V2を表す点を通るとともに、基準関数Fsの比例定数を所定の値で減じた復帰用基準関数Fsbを用いて第2の接近画像V2の表示制御を行うようにしてもよい。なお、復帰用基準関数Fsbを用いた制御は、基準制御データCDsに基づく第2の接近画像V2の表示比率の制御の一例であるとも言える。また、図9Cに示すように、拡大処理が実行されて復帰処理の開始時点までは一定値であった表示比率が、当該開始時点から基準関数Fsに基づいて可変されるようにしてもよい。これらの変形例においても、前述と同様、拡大処理や復帰処理の実行時に徐々に表示比率を変化させてもよい。
なお、図9Aに示すように、拡大処理の実行時に、距離Lに依らない一定の表示比率Mで第2の接近画像V2を表示制御する場合、当該一定の表示比率Mが基準関数Fsと交差した時点で復帰処理を開始するようにしてもよい。つまり、第2の接近画像V2に対して拡大処理を実行してから復帰処理が開始されるまでの所定期間は、予め定めた期間でなくてもよい。
また、以上では、第2関数Ftを基準関数Fsの比例定数を増加させたものとし、復帰用基準関数Fsbを基準関数Fsの比例定数を減少させたものとした例を示したが、これに限られない。例えば、第2関数Ftは、基準関数Fs(M=α/L)をM方向に+δs(δsは定数)だけ平行移動させたものであってもよい(M=α/L+δs)。また、復帰用基準関数Fsbは、基準関数Fs(M=α/L)をM方向に−δb(δbは定数)だけ平行移動させたものであってもよい(M=α/L−δb)。
また、以上では、基準関数Fsが反比例である例を示したが、曲線を近似して、基準関数Fsを、例えば、図10Aに示すように、傾きが一定の1次関数(M=αL+β)で表される直線を示すものとしてもよい。
また、以上では、基準関数Fsは、多項式関数を含む代数関数や初等関数であって曲線を示すものであってもよい。また、基準関数Fsは、傾きが異なる複数の一次関数で構成されてもよい。例えば、図10Bに示すように、基準関数Fsは、距離Lが大きくなるほど正比例関係よりも表示比率Mが大きくなる曲線を示すものであってもよい。また、図10Bに示すように、基準関数Fsが複数の直線で表され、当該複数の直線は、所定の距離L以上の場合には当該距離L未満の場合に比べて傾きが緩やかになる直線を含んでいてもよい。図10Bや図10Cに示す基準関数Fsの例は、雨や濃霧時に遠方風景が視認しづらくなる場合や、日差しが強く接近画像が見えづらい場合などに有用である。
また、以上では、基準制御データCDsが基準関数Fsの数式を表すデータである例を示したが、基準制御データCDsは、取得した距離Lに対応して表示比率Mを決定可能に構成されたテーブルデータであってもよい。つまり、基準制御データCDsは、距離Lが長いほど小さくなる表示比率M(換言すれば、距離Lが短いほど大きくなる表示比率M)を、取得した距離Lに応じて決定可能なものであれば、数式を示すデータであってもテーブルデータであってもよく、その構成は任意である。
また、以上では、表示制御装置30は、第1の接近画像V1の表示比率が所定閾値Mth以上となった場合、消去条件が成立したと判別していた(図8に示す距離知覚短縮処理のブロックS2)が、これに限定されない。例えば、表示制御装置30は、観察者が視認している対象が、第1の接近画像V1であった場合、消去条件が成立したと判別(図8に示す距離知覚短縮処理のブロックS2;Yes)してもよい。
また、第2の接近画像V2を効果的に表示することができる限りにおいては、以上で説明した距離知覚短縮処理において、一部処理の省略、所定処理の変更や追加が可能であることは言うまでもない。例えば、距離知覚短縮処理のうち、ブロックS3、ブロックS2及びS4、ブロックS9のうち少なくともいずれかを省略してもよい。また、距離知覚短縮処理においてブロックS5の処理を省略してもよい。
(接近処理)
まず、表示距離を制御するための制御データについて説明する。接近画像の表示距離を制御するための制御データは、基準制御データCDsを含む。表示制御装置30は、取得又は算出した距離L(又は距離Lを推定可能な情報)及びと基準制御データCDsに基づき、表示比率Mを決定し、決定した表示比率Mで接近画像を表示する。基準制御データCDsは、距離Lと表示比率Mとの関係を示す基準関数Fs(数式)のデータを含む。基準関数Fsは、例えば、図5に示すように、P=L−αで表すことができる。なお、定数のαは、例えば、オブジェクトまでの距離Lに対して接近画像の奥行方向(Z軸方向)のオフセット量によって決定される。定数のαは、ゼロであってもよい。
表示制御装置30は、基準制御データCDsに基づき、オブジェクトまでの距離Lが短くなるに従い、接近画像Vの表示距離Pを短くする表示制御を行う(通常制御の一例。)。そして、この通常制御中に、後述する誘目条件が満たされた場合、表示制御装置30は、接近処理(距離知覚短縮処理の一例。)を実行する。
まず、表示制御装置30は、第1の接近画像V1の表示距離が第1閾値PT1以下であるか否かを判別する(ブロックS11)。第1閾値PT1は、オブジェクトが車両1に対して十分に近くなり、当該オブジェクトがまもなく過ぎ去ると想定される場合の距離Lに対応した表示距離として予め定められ、メモリ37内に記憶されている。
第1の接近画像V1の表示距離Pが第1閾値PT1以下である場合(ブロックS11;Yes)、表示制御装置30は、ブロックS12の処理を実行する。一方、第1の接近画像V1の表示距離Pが第1閾値PT1より長い場合(ブロックS11;No)、表示制御装置30は、視線方向検出部415から取得した視線情報に基づき、観察者が第1の接近画像V1を視認しているか否かを判別する(ブロックS13)。
表示制御装置30は、観察者が第1の接近画像V1を視認していない場合(ブロックS13;No)、距離知覚短縮処理を終了する一方で、観察者が第1の接近画像V1を視認している場合(ブロックS13;Yes)、ブロックS12の処理を実行する。こうすることで、第1の接近画像V1の表示距離Pが第1閾値PT1より長い場合であっても、観察者が第1の接近画像V1を認識し、既に第1の接近画像V1の報知必要度が低下したと想定される場合には、後述のように第2の接近画像V2の視認性を確保する接近処理(距離知覚短縮処理の一例。)が実行可能となる。
ブロックS12で、表示制御装置30は、第1の接近画像V1の消去条件が成立したか否かを判別する。例えば、表示制御装置30は、第1の接近画像V1の表示距離Pが所定閾値Pth以下となった場合、消去条件が成立したと判別し(ブロックS12;Yes)、第1の接近画像V1を虚像Vの表示範囲内から消去する(ブロックS14)。所定閾値Pthは、例えば、第1閾値PT1よりも小さい値として予め定められ、メモリ37内に記憶されている。ブロックS14の実行後や第1の接近画像V1の消去条件が成立していない場合(ブロックS12;No)、表示制御装置30は、ブロックS15の処理を実行する。
ブロックS15で、表示制御装置30は、第2の接近画像V2の表示距離Pが第2閾値PT2より長いか否かを判別する。第2閾値PT2は、第1閾値PT1よりも大きい値であるとともに、オブジェクトが車両1から遠く、当該オブジェクトを示す第2の接近画像V2が観察者にとって視認しづらくなると想定される場合の距離Lに対応した表示距離Pとして予め定められ、メモリ37内に記憶されている。
第2の接近画像V2の表示距離Pが第2閾値PT2以下である場合(ブロックS15;No)、表示制御装置30は、距離知覚短縮処理を終了する。この場合、第2の接近画像V2は、基準制御データCDsに基づく通常制御、つまり、基準関数Fsに従って表示されることになる。一方で、第2の接近画像V2の表示距離Pが第2閾値PT2より長い場合(ブロックS15;Yes)、表示制御装置30は、第2の接近画像V2に対して接近処理を実行する(ブロックS16)。
ブロックS16の接近処理で、表示制御装置30は、第2の接近画像V2を基準制御データCDsに基づいて決定される表示距離PR(図12B及び図12C参照)よりも近い距離で表示する。接近処理において、表示制御装置30は、例えば図12Cに示すように、基準制御データCDsに基づく基準関数Fs(P=L−α)を、表示距離Pがさらに近くなるように所定量γ(γは正数。)だけ減少させた第2関数Ft(M=L−α−γ)を用い、第2の接近画像V2の表示制御を行う。
図13A〜図13Cは、接近処理が実行される際の画像遷移例を表している。接近処理が実行されると、通常制御で表示距離P22に表示される第2の接近画像V2が、図13Bに示すように、表示距離P22より観察者に近い表示距離P22tまで接近する。このように第2の接近画像V2に対して接近処理(距離知覚短縮処理の一例。)を実行することで、第1の接近画像V1の報知対象が間もなく過ぎ去り、第1の接近画像V1よりも報知の報知必要度が高くなると想定される第2の接近画像V2を視認しやすく表示することができる。
また、第2の接近画像V2よりも距離Lが遠いオブジェクトを報知する第3の接近画像V3を表示している際は、表示制御装置30は、第2の接近画像V2に対して接近処理を実行中の場合であっても、第3の接近画像V3の表示を基準制御データCDsに基づく制御で継続する。これにより、相対的に第3の接近画像V3よりも第2の接近画像V2のほうが目立つことになり、直近では報知の報知必要度が第3の接近画像V3よりも高い第2の接近画像V2を効果的に表示することができる。なお、距離知覚短縮処理の実行時に接近画像が4つ以上あった場合は、第3の接近画像V3よりも小さく表示されている接近画像(つまり、第3の接近画像V3の報知対象よりも距離Lが遠いオブジェクトを報知する画像)についても、基準制御データCDsに基づく制御での表示が継続される。
続いて、表示制御装置30は、接近処理の実行開始から予め定められた所定期間(例えば数秒)が経過したか否かを判別する(ブロックS17)。所定期間が経過している場合(ブロックS17;Yes)、表示制御装置30は、第2の接近画像V2の表示制御を基準制御データCDsに基づく制御に復帰させる復帰処理を実行し(ブロックS18)、距離知覚短縮処理を終了する。
図13B〜図13Cは、復帰処理が実行される際の画像遷移例を表している。復帰処理が実行されると、接近処理で表示距離P23tに表示される第2の接近画像V2が、図13Cに示すように、表示距離P22より観察者から遠い、基準制御データCDsに基づく表示距離P23まで離れるように表示される。
なお、図13Cでは、接近処理や復帰処理の実行時にP方向に表示距離Pが変化する例を示したが、第2の接近画像V2の急激なサイズ変化を抑制するために、徐々に表示距離Pを変化させてもよい。このように、徐々に表示距離Pを変化させる場合、第2の接近画像V2を示す点(L,P)は、図12CにおけるFsとFtとの間の点線のように、接近処理実行時には基準関数Fsから第2関数Ftへ左斜め下方に移動し、復帰処理の実行時には第2関数Ftから基準関数Fsへ左斜め下方に移動してもよい。
接近処理の実行開始から所定期間が経過していない場合(ブロックS17;No)、表示制御装置30は、視線方向検出部415から取得した視線情報に基づき、観察者が拡大表示中の第2の接近画像V2を視認しているか否かを判別する(ブロックS19)。
表示制御装置30は、観察者が第2の接近画像V2を視認していない場合(ブロックS19;No)、距離知覚短縮処理を終了する一方で、観察者が第2の接近画像V2を視認している場合(ブロックS19;Yes)、ブロックS18の復帰処理を実行する。こうすることで、観察者が拡大表示中の第2の接近画像V2を認識したと想定される場合には、第2の接近画像V2の表示制御を基準制御データCDsに基づく制御に復帰させることができ、観察者にとっては既に報知必要度が低下した第2の接近画像V2が拡大され続けることを抑制することができる。距離知覚短縮処理の説明は以上である。
図14A、図14Bは、いくつかの実施形態に従って、距離知覚短縮処理及び距離知覚延長処理を実行する方法S100を示すフロー図である。方法S100は、ディスプレイを含む画像表示部20と、この画像表示部20を制御する表示制御装置30と、において実行される。方法S100内のいくつかの動作は任意選択的に組み合わされ、いくつかの動作の手順は任意選択的に変更され、いくつかの動作は任意選択的に省略される。
図3のメモリ37に記憶されたソフトウェア構成要素は、接近画像生成モジュール502、距離知覚短縮条件判定モジュール504、報知必要度判定モジュール506、距離知覚短縮処理モジュール508、距離知覚延長条件判定モジュール510、及び距離知覚延長処理モジュール512、を含む。
以下で説明するように、方法S100は、特に、観察者の視覚的注意を所定の接近画像に誘目させる画像(虚像)の提示方法を提供する。
方法S100は、1つ又はそれ以上のプロセッサ33が、メモリ37に記憶された1つ又は複数のコンピュータ・プログラムを実行させることにより実施することができる。
(S110)1つ又はそれ以上のプロセッサ33は、接近画像生成モジュール502を実行することで、接近画像Vを生成する。接近画像生成モジュール502は、道路情報データベース403、車外センサ407、携帯情報端末417、及び/又は外部通信機器419から、オブジェクト(実オブジェクト又は仮想オブジェクト)の位置を取得し、これらオブジェクトと車両1との間の相対距離(距離L)が短くなるに従い、接近画像Vの大きさを徐々に大きくなるように制御する。なお、接近画像生成モジュール502は、オブジェクトと車両1との間の距離Lが短くなるに従い、接近画像Vの大きさを徐々に大きくしつつ、接近画像Vの表示距離を徐々に短くしてもよい(ブロックS110)。
(ブロックS130)1つ又はそれ以上のプロセッサ33は、距離知覚短縮条件判定モジュール504を実行する。距離知覚短縮条件判定モジュール504は、誘目上昇処理を行う候補である第2情報より報知必要度が上位の第1情報に関する画像の大きさが所定の閾値以上になること(S132)、前記第2情報より報知必要度が上位の第1情報に関する画像の表示距離が所定の閾値以上になること(S134)、前記第2情報の報知必要度が所定の判定値以上に上昇すること(S136)、前記第2情報より報知必要度が上位の第1情報の報知必要度が所定の判定値以下に低下すること(S138)、前記第2情報より報知必要度が上位の第1情報に関する接近画像が非表示となること(S140)、又はこれらの組み合わせにより、距離知覚短縮条件が成立したと判定することに関係する様々な動作を実行する。すなわち、距離知覚短縮条件判定モジュール504は、接近画像が示す情報の報知必要度、又は接近画像の表示状態から、距離知覚短縮条件が成立したかを判定するためのコマンド、判定値、テーブルデータ、演算式、などの様々なソフトウェア構成要素を含み得る。
また、ブロックS130の前記条件に、(S130−1)誘目上昇処理を行う候補である第2情報の接近画像のサイズが所定の閾値以下であること、(S130−2)誘目上昇処理を行う候補である第2情報に対応するオブジェクトが所定の閾値以上離れていること、(S130−3)誘目上昇処理を行う候補である第2情報の接近画像にテキストが含まれていること、又はこれらの組み合わせが成立することが追加されてもよい。S130−1を条件に追加することで、接近画像のサイズが大きく視認しやすい場合に誘目上昇処理が行われる有効性の低い動作を少なくすることができる。なお、S130−2は、S130−1の接近画像のサイズの代替となり得る条件である。
また、1つ又はそれ以上のプロセッサ33は、報知必要度判定モジュール506をさらに実行してもよい。報知必要度判定モジュール506は、接近画像が観察者に報知するべき内容であるかを判定する。報知必要度判定モジュール506は、I/Oインタフェース31に接続される種々の他の電子機器から情報を取得し、報知必要度を算出してもよい。また、図11でI/Oインタフェース31に接続された電子機器が車両ECU401に情報を送信し、受信した情報に基づき車両ECU401が決定した報知必要度を、報知必要度判定モジュール506が検出(取得)してもよい。『報知必要度』は、例えば、起こり得る自体の重大さの程度から導き出される危険度、反応行動を起こすまでに要求される反応時間の長短から導き出される緊急度、車両1や視認者(又は車両1の他の乗員)の状況から導き出される有効度、又はこれらの組み合わせなどで決定され得る(報知必要度の指標はこれらに限定されない)。報知必要度判定モジュール506は、報知必要度を推定する元となる必要度関連情報を検出し、これから報知必要度を推定してもよい。画像の報知必要度を推定する元となる必要度関連情報は、例えば、実オブジェクトや交通規制(道路情報の一例)の位置、種類などで推定されてもよく、I/Oインタフェース31に接続される種々の他の電子機器から入力される他の情報に基づいて、又は他の情報を加味して推定されてもよい。すなわち、報知必要度判定モジュール506は、視認者に報知すべきかを判定し、後述する画像を表示しないことも選択し得る。なお、表示制御装置30は、報知必要度を取得できればよく、報知必要度を推定する(算出する)機能を有していなくてもよく、報知必要度を推定する機能の一部又は全部は、車両用表示システム10の表示制御装置30とは別(例えば、車両ECU401)に設けられてもよい。
(ブロックS150)1つ又はそれ以上のプロセッサ33は、距離知覚短縮処理モジュール508を実行する。距離知覚短縮処理モジュール508は、接近画像の大きさを基準制御における大きさよりも拡大すること(拡大処理S152)、接近画像の表示距離を基準制御における表示距離よりも近くすること(接近処理S154)、又はこれらの組み合わせを実行するためのソフトウェア構成要素を含む。具体的には、距離知覚短縮処理モジュール508は、接近画像の大きさを基準制御における大きさよりも拡大する、又は接近画像の表示距離を基準制御における表示距離よりも近くするためにメモリ37に予め記憶された第1距離知覚短縮処理データCDt(第2関数Ftを含む。)を含む。
(ブロックS170)1つ又はそれ以上のプロセッサ33は、距離知覚延長条件判定モジュール510を実行する。距離知覚延長条件判定モジュール510は、ブロックS150の距離知覚短縮処理が実行されてから所定時間経過すること(S172)、前記第2情報の報知必要度が所定の判定値以下に低下すること(S174)、前記第2情報より報知必要度が下位の第3情報の報知必要度が所定の判定値以上に上昇すること(S176)、車両1が手動運転であること(S178)、車両1の速度が所定の判定値以上であること、又はこれらの組み合わせにより、距離知覚延長条件が成立したと判定することに関係する様々な動作を実行する。すなわち、距離知覚延長条件判定モジュール510は、接近画像が示す情報の報知必要度、又は接近画像の表示状態などから、距離知覚延長条件が成立したかを判定するためのコマンド、判定値、テーブルデータ、演算式、などの様々なソフトウェア構成要素を含み得る。
(ブロックS190)1つ又はそれ以上のプロセッサ33は、距離知覚延長処理モジュール512を実行する。距離知覚延長処理モジュール512は、接近画像の大きさを距離知覚短縮処理における大きさより小さくすること(S192)、接近画像の表示距離を距離知覚短縮処理における表示距離より遠くする(S194)、画像の大きさを維持すること(S196)、画像の表示距離を維持すること(S198)、又はこれらの組み合わせを実行するためのソフトウェア構成要素を含む。具体的には、距離知覚短縮処理モジュール508は、オブジェクトと車両1との距離Lと、基準制御データCDs(基準関数Fs)に基づき、接近画像の大きさ、接近画像の表示距離、又はこれらの組み合わせを制御する。なお、ブロックS192は、接近画像の大きさを基準制御における大きさに変更することを含んでいてもよい。また、ブロックS194は、接近画像の表示距離を基準制御における表示距離に変更することを含んでいてもよい。
本実施形態における接近画像は、大別して、(1)車両とオブジェクトとの相対的な距離が短くなるに従い、サイズが大きくなる、表示距離が短くなる、又はこれらの組み合わせが実行され、接近画像が徐々に接近するように知覚される「通常制御処理」での表示、(2)「通常制御処理」での表示よりも、サイズがさらに大きくなる、表示距離がさらに短くなる、又はこれらの組み合わせが実行される「第1距離知覚短縮処理」での表示、及び(3)「第1距離知覚短縮処理」での表示よりサイズがさらに大きくなる、表示距離がさらに短くなる、又はこれらの組み合わせが実行される「第2距離知覚短縮処理」での表示、が可能となっている。
なお、本実施形態における接近画像制御データCDは、「通常制御処理」での表示を行う基準制御データCDs、「第1距離知覚短縮処理」での表示を行う第1距離知覚短縮処理データCDt、及び「第2距離知覚短縮処理」での表示を行う第2第1距離知覚短縮処理データCDuを含む。
図15を参照する。第2第1距離知覚短縮処理データCDuは、第1距離知覚短縮処理データCDtより、距離Lに対する接近画像の大きさが大きい、及び/又は距離Lに対する表示距離が短くなるように、接近画像を制御するデータである。すなわち、図15に示すように、接近画像の大きさ及び/又は表示距離が、基準制御データCDsに基づくものから第2第1距離知覚短縮処理データCDuに変更されると、第1距離知覚短縮処理データCDtに変更した場合と比較すると、距離知覚を短くすることができ、誘目の度合い(誘目性)をさらに高くすることができる。
図16は、いくつかの実施形態に従って、距離知覚短縮処理を実行する方法S300を示すフロー図である。方法S300は、図14Aに示すブロックS130で距離知覚を短縮する条件が成立した場合に実行される。
(ブロックS310)1つ又はそれ以上のプロセッサ33は、第2距離知覚短縮処理を実行する条件が成立したかを判定する。ブロックS310は、車両1が自動運転であること(S312)、車両1の速度が所定の判定値未満であること(S314)、又はこれらの組み合わせにより、第2距離知覚短縮処理を実行する条件が成立したと判定することに関係する様々な動作を実行する。すなわち、ブロックS310は、車両情報から、第2距離知覚短縮処理を実行する条件が成立したかを判定するためのコマンド、判定値、テーブルデータ、演算式、などの様々なソフトウェア構成要素を含み得る。
(ブロックS330)1つ又はそれ以上のプロセッサ33は、通常制御処理と比較して、接近画像の距離知覚を短縮する処理を実行する。1つ又はそれ以上のプロセッサ33は、S310で第2距離知覚短縮処理を実行する条件が成立していないと判定されれば、第1距離知覚短縮処理データCDt(図15参照。)に基づき、接近画像の距離知覚を短縮する(S332)。一方、1つ又はそれ以上のプロセッサ33は、S310で第2距離知覚短縮処理を実行する条件が成立していると判定されれば、第2第1距離知覚短縮処理データCDu(図15参照。)に基づき、接近画像の距離知覚を短縮する。
上述の処理プロセスの動作は、汎用プロセッサ又は特定用途向けチップなどの情報処理装置の1つ以上の機能モジュールを実行させることにより実施することができる。これらのモジュール、これらのモジュールの組み合わせ、及び/又はそれらの機能を代替えし得る公知のハードウェアとの組み合わせは全て、本発明の保護の範囲内に含まれる。
車両用表示システム10の機能ブロックは、任意選択的に、説明される様々な実施形態の原理を実行するために、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実行される。図3で説明する機能ブロックが、説明される実施形態の原理を実施するために、任意選択的に、組み合わされ、又は1つの機能ブロックを2以上のサブブロックに分離されてもいいことは、当業者に理解されるだろう。したがって、本明細書における説明は、本明細書で説明されている機能ブロックのあらゆる可能な組み合わせ若しくは分割を、任意選択的に支持する。
また、車両用表示システム10における画像表示部20は、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)装置であってもよい。観察者は、HMD装置を頭部に装着して車両1の座席に着座することで、表示される虚像Vを、車両1のフロントウインドシールド2を介した前景に重畳して視認する。画像表示部20が所定の虚像Vを表示する表示領域100は、車両1の座標系を基準とした特定の位置に固定され、観察者がその方向を向くと、その特定の位置に固定された表示領域100内に表示された虚像Vを視認することができる。
1 :車両
2 :フロントウインドシールド
2D :奥行き
5 :ダッシュボード
10 :車両用表示システム
20 :画像表示部(HUD装置)
21 :表示器
21a :表示面
22 :液晶ディスプレイパネル
24 :光源ユニット
25 :リレー光学系
26 :第1ミラー
27 :第2ミラー
28 :アクチュエータ
29 :アクチュエータ
30 :表示制御装置
31 :I/Oインタフェース
33 :プロセッサ
35 :画像処理回路
37 :メモリ
40 :表示光
40p :光軸
41 :第1表示光
42 :第2画像光
43 :第3画像光
80 :カーナビ装置
90 :虚像光学系
100 :表示領域
200 :アイボックス
205 :中心
401 :車両ECU
403 :道路情報データベース
405 :自車位置検出部
407 :車外センサ
409 :操作検出部
411 :目位置検出部
415 :視線方向検出部
417 :携帯情報端末
419 :外部通信機器
502 :接近画像生成モジュール
504 :距離知覚短縮条件判定モジュール
506 :報知必要度判定モジュール
508 :距離知覚短縮処理モジュール
510 :距離知覚延長条件判定モジュール
512 :距離知覚延長処理モジュール
700 :目位置
CD :接近画像制御データ
CDs :基準制御データ
CDt :第1距離知覚短縮処理データ
CDu :第2距離知覚短縮処理データ
Fs :基準関数
Fsb :復帰用基準関数
Ft :第2関数
L :相対距離
L0 :所定距離
M :表示比率
MR :表示比率
MT1 :第1閾値
MT2 :第2閾値
Mth :所定閾値
P :知覚距離
PR :知覚距離
PT1 :第1閾値
PT2 :第2閾値
Pth :所定閾値
V :接近画像
V1 :第1の接近画像
V2 :第2の接近画像
V3 :第3の接近画像
β :所定量
γ :所定量
θt :チルト角

Claims (11)

  1. 車両の前方風景と重なる虚像として観察者に画像を表示する画像表示装置(20)を制御する表示制御装置(30)であって、
    情報を取得可能な1つ又は複数のI/Oインタフェース(31)と、
    1つ又は複数のプロセッサ(33)と、
    メモリ(37)と、
    前記メモリ(37)に格納され、前記1つ又は複数のプロセッサ(33)によって実行されるように構成される1つ又は複数のコンピュータ・プログラムと、を備え、
    前記1つ又は複数のI/Oインタフェース(31)は、
    前記車両の前方のオブジェクトまでの距離(L)と、
    前記車両に関する車両情報と、を取得し、
    前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
    前記距離(L)が短くなるに従い徐々に大きくなるように視認される接近画像(V)を表示する通常制御処理を実行し、
    所定の第1の条件が満たされるか判定し、
    前記所定の第1の条件が満たされた場合、前記通常制御処理より前記距離(L)に対して、前記接近画像(V)を大きくする、及び/又は知覚距離を短くする、距離知覚短縮処理を実行し、
    前記距離知覚短縮処理は、第1距離知覚短縮処理と、前記第1距離知覚短縮処理より前記距離(L)に対して、前記接近画像(V)をさらに大きくする、及び/又は知覚距離をさらに短くする、第2距離知覚短縮処理と、を少なくとも含み、
    前記車両情報に基づいて、実行する前記距離知覚短縮処理を異ならせる、
    表示制御装置(30)。
  2. 前記接近画像は、第1のオブジェクトに対応する第1の接近画像(V1)と、前記第1のオブジェクトより離れた第2のオブジェクトに対応する第2の接近画像(V2)と、を含み、
    前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
    前記第1の接近画像(V1)が非表示になった場合、前記距離知覚短縮処理を実行する、
    請求項1に記載の表示制御装置(30)。
  3. 前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
    前記距離知覚短縮処理中に、所定の第2の条件が満たされるか判定し、
    前記所定の第2の条件が満たされた場合、前記距離知覚短縮処理より前記距離(L)に対して、前記接近画像(V)を小さくする、及び/又は知覚距離を長くする、距離知覚延長処理を実行する、
    請求項1に記載の表示制御装置(30)。
  4. 前記車両情報は、前記車両の速度を含み、
    前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
    前記車両の速度が高速である場合、前記第1距離知覚短縮処理を実行し、
    前記車両の速度が低速である場合、前記第2距離知覚短縮処理を実行する、
    請求項1に記載の表示制御装置(30)。
  5. 前記車両情報は、前記車両が手動運転モードであるか自動運転モードあるかを示す情報を含み、
    前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
    前記車両が前記手動運転モードである場合、前記第1距離知覚短縮処理を実行し、
    前記車両が前記自動運転モードである場合、前記第2距離知覚短縮処理を実行する、
    請求項1に記載の表示制御装置(30)。
  6. 車両の前方風景と重なる虚像として観察者に画像を表示する画像表示装置(20)であって、
    情報を取得可能な1つ又は複数のI/Oインタフェース(31)と、
    1つ又は複数のプロセッサ(33)と、
    メモリ(37)と、
    前記メモリ(37)に格納され、前記1つ又は複数のプロセッサ(33)によって実行されるように構成される1つ又は複数のコンピュータ・プログラムと、を備え、
    前記1つ又は複数のI/Oインタフェース(31)は、
    前記車両の前方のオブジェクトまでの距離(L)と、
    前記車両に関する車両情報と、を取得し、
    前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
    前記距離(L)が短くなるに従い徐々に大きくなるように視認される接近画像(V)を表示する通常制御処理を実行し、
    所定の第1の条件が満たされるか判定し、
    前記所定の第1の条件が満たされた場合、前記通常制御処理より前記距離(L)に対して、前記接近画像(V)を大きくする、及び/又は知覚距離を短くする、距離知覚短縮処理を実行し、
    前記距離知覚短縮処理は、第1距離知覚短縮処理と、前記第1距離知覚短縮処理より前記距離(L)に対して、前記接近画像(V)をさらに大きくする、及び/又は知覚距離をさらに短くする、第2距離知覚短縮処理と、を少なくとも含み、
    前記車両情報に基づいて、実行する前記距離知覚短縮処理を異ならせる、
    画像表示装置(20)。
  7. 前記接近画像は、第1のオブジェクトに対応する第1の接近画像(V1)と、前記第1のオブジェクトより離れた第2のオブジェクトに対応する第2の接近画像(V2)と、を含み、
    前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
    前記第1の接近画像(V1)が非表示になった場合、前記距離知覚短縮処理を実行する、
    請求項6に記載の画像表示装置(20)。
  8. 前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
    前記距離知覚短縮処理中に、所定の第2の条件が満たされるか判定し、
    前記所定の第2の条件が満たされた場合、前記距離知覚短縮処理より前記距離(L)に対して、前記接近画像(V)を小さくする、及び/又は知覚距離を長くする、距離知覚延長処理を実行する、
    請求項6に記載の画像表示装置(20)。
  9. 前記車両情報は、前記車両の速度を含み、
    前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
    前記車両の速度が高速である場合、前記第1距離知覚短縮処理を実行し、
    前記車両の速度が低速である場合、前記第2距離知覚短縮処理を実行する、
    請求項6に記載の画像表示装置(20)。
  10. 前記車両情報は、前記車両が手動運転モードであるか自動運転モードあるかを示す情報を含み、
    前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
    前記車両が前記手動運転モードである場合、前記第1距離知覚短縮処理を実行し、
    前記車両が前記自動運転モードである場合、前記第2距離知覚短縮処理を実行する、
    請求項6に記載の画像表示装置(20)。
  11. 車両の前方風景と重なる虚像として観察者に画像を表示する画像表示装置(20)を制御する方法であって、
    前記車両の前方のオブジェクトまでの距離(L)を取得することと、
    前記車両に関する車両情報を取得することと、
    前記距離(L)が短くなるに従い徐々に大きくなるように視認される接近画像(V)を表示する通常制御処理を実行することと、
    所定の第1の条件が満たされるか判定することと、
    前記所定の第1の条件が満たされた場合、前記通常制御処理より前記距離(L)に対して、前記接近画像(V)を大きくする、及び/又は知覚距離を短くする、距離知覚短縮処理を実行することと、
    前記距離知覚短縮処理は、第1距離知覚短縮処理と、前記第1距離知覚短縮処理より前記距離(L)に対して、前記接近画像(V)をさらに大きくする、及び/又は知覚距離をさらに短くする、第2距離知覚短縮処理と、を少なくとも含み、
    前記車両情報に基づいて、実行する前記距離知覚短縮処理を異ならせることと、を含む、
    方法。

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