前記特許文献1に開示のアルミ蒸着フィルムは、アルミ蒸着層によってフィルムが光沢を有し、アルミ蒸着層の美粧性によってフィルムの美感が向上するとともに、アルミ蒸着層の隠蔽性によってフィルムの外面から内面への視認を不能とすることができる。しかし、このアルミ蒸着フィルムは、それが包装袋又は収容容器の原反として使用され、それによって作られた包装袋や収容容器に充填された収容物(加熱対象物)を電子レンジにおいて加熱する場合、図11のアルミ蒸着フィルム層におけるマイクロ波の反射を説明する図に示すように、電子レンジから放射されたマイクロ波がアルミ蒸着層によって反射され、図11に矢印Z2で示すように、マイクロ波がアルミ蒸着フィルム層を透過することができず、マイクロ波が収容物(加熱対象物)に到達せず、収容物(加熱対象物)を加熱することができない。
又、 このアルミ蒸着フィルムによって作られた包装袋や収容容器にICタグを取り付け、ICタグを利用してその在庫や棚卸、売上等の管理(集計)をする場合、 アルミ蒸着層がアンテナとなって電波を乱放射(電波妨害)することでICタグが誤作動し、ICタグリーダによってICタグに記憶された各種データを円滑に読み取ることができず、又は、アルミ蒸着層によって電波が遮断され、ICタグとICタグリーダとが通信不可となり、ICタグによる在庫や棚卸、売上等の一括管理をすることができない。
本発明の目的は、美粧性を有して美感を向上させることができ、隠蔽性を有して外面から内面への視認を不能とすることができるとともに、マイクロ波が反射することなくマイクロ波を透過させることができる複合フィルムを提供することにある。本発明の他の目的は、紫外線に対するバリア機能を有し、紫外線をカットすることができ、収容物の劣化や物性変化、食味変化を防ぐことができる複合フィルムを提供することにある。本発明の他の目的は、ICタグの誤作動を防ぐことができるとともに、電波の遮断を防ぐことができ、ICタグを利用して在庫や棚卸、売上等の一括管理をすることができる複合フィルムを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明に係る複合フィルムは、熱可塑性合成樹脂から作られた合成樹脂フィルムと、スズが蒸着されているとともに合成樹脂フィルムの外面に接合されたスズ蒸着フィルムと、合成樹脂フィルム及びスズ蒸着フィルムの間に位置して合成樹脂フィルムとスズ蒸着フィルムとを接合する第1接着剤層とから形成されていることを特徴とする。
本発明の複合フィルムの一例としては、スズ蒸着フィルムが、ガスバリア性を有するとともに水蒸気バリア性を有する透明蒸着フィルムと、透明蒸着フィルムの内面又は外面に蒸着されたスズ蒸着層とから形成されている。
本発明の複合フィルムの他の一例としては、複合フィルムが、所定の図画が印刷された印刷面を有してスズ蒸着フィルムの外面に接合された印刷層と、スズ蒸着フィルム及び印刷層の間に位置してスズ蒸着フィルムと印刷層とを接合する第2接着剤層とを含む。
本発明の複合フィルムの他の一例として、複合フィルムでは、スズ蒸着フィルムをマイクロ波が透過可能であり、複合フィルムの内面の側に位置する収容物を複合フィルムの外面の側から照射されたマイクロ波によって加熱可能である。
本発明の複合フィルムの他の一例として、複合フィルムでは、スズ蒸着フィルムを電波が透過可能であり、スズ蒸着フィルムの内面の側に配置された電子データ記憶媒体に書き込まれた電子データを複合フィルムの外面の側に位置する電子データ読み取り装置によって読み取り可能である。
本発明の複合フィルムの他の一例としては、複合フィルムが、紫外線をバリアするUVカット剤層を含み、UVカット剤層が、スズ蒸着フィルムに塗布されてスズ蒸着フィルム及び第1接着剤層の間に位置し、又は、合成樹脂フィルムに塗布されて合成樹脂フィルム及び第1接着剤層の間に位置している。
本発明の複合フィルムの他の一例としては、スズ蒸着フィルムが、透明蒸着フィルムのスズを蒸着した内面又は外面においてスズ蒸着層が形成された形成部位とスズ蒸着層が形成されていない非形成部位とを有し、形成部位では、透明蒸着フィルムの内面又は外面がスズ蒸着層によって被覆され、非形成部位では、透明蒸着フィルムの内面又は外面が露出しつつ透明蒸着フィルムと合成樹脂フィルムとが対向している。
本発明の複合フィルムの他の一例としては、透明蒸着フィルムの単位面積に対するスズ蒸着層の形成部位の割合が、75〜97%の範囲にあり、透明蒸着フィルムの単位面積に対するスズ蒸着層の非形成部位の割合が、3〜25%の範囲にある。
本発明の複合フィルムの他の一例としては、スズ蒸着層が、無色銀色又は有色銀色であり、スズ蒸着フィルムが、光沢性又は半光沢性を有して美感が向上する美粧性を有するとともに、複合フィルムの他方の面から一方の面への視認を不能とする隠蔽性を有する。
本発明の複合フィルムの他の一例としては、合成樹脂フィルムの厚さ寸法が、45〜55μmの範囲、スズ蒸着フィルムの厚さ寸法が、10〜14μmの範囲にあり、印刷層の厚さ寸法が、18〜22μmの範囲にある。
本発明の複合フィルムの他の一例としては、第1及び第2接着剤層とUVカット剤層との厚さ寸法が、2〜4μmの範囲にある。
本発明に係る複合フィルムによれば、それが熱可塑性合成樹脂から作られた合成樹脂フィルムとスズが蒸着されているとともに合成樹脂フィルムの外面に接合されたスズ蒸着フィルムと合成樹脂フィルム及びスズ蒸着フィルムの間に位置して合成樹脂フィルムとスズ蒸着フィルムとを接合する第1接着剤層とから形成され、スズ蒸着フィルムによって複合フィルムが光沢又は半光沢を有し、スズ蒸着フィルムの美粧性によって複合フィルムの美感を向上させることができ、スズ蒸着フィルムの隠蔽性によって複合フィルムの他方の面(外面)から一方の面(内面)への視認を不能とすることができるとともに、スズ蒸着フィルムがマイクロ波を反射することはなく、マイクロ波を透過させることができる。複合フィルムは、それによって作られた包装袋又は収容容器に充填された収容物(加熱対象物)を電子レンジで加熱する場合、電子レンジから放射されたマイクロ波を透過させることができるから、電子レンジにおいて収容物(加熱対象物)を十分に加熱することができる。複合フィルムは、それによって作られた包装袋又は収容容器にICタグを取り付けたとしても、スズ蒸着フィルムが電波を乱放射することなく、ICタグの誤作動を防ぐことができ、ICタグリーダによってICタグに記憶された各種データを円滑に読み取ることができるとともに、スズ蒸着フィルムが電波を遮断することはなく、ICタグとICタグリーダとの通信が可能となり、ICタグを利用して在庫や棚卸、売上等の一括管理をすることができる。
スズ蒸着フィルムがガスバリア性を有するとともに水蒸気バリア性を有する透明蒸着フィルムと透明蒸着フィルムの内面又は外面に蒸着されたスズ蒸着層とから形成されている複合フィルムは、スズ蒸着フィルムを形成する透明蒸着フィルムがガスバリア性を有するとともに水蒸気バリア性を有するから、スズ蒸着フィルムが酸素を透過させることはなく、複合フィルムの内面の側に位置する収容物の酸化を防ぐことができ、スズ蒸着フィルムが水蒸気を透過させることはなく、複合フィルムの内面の側に位置する収容物の湿気を防ぐことができる。複合フィルムは、スズ蒸着フィルムを形成するスズ蒸着層によって複合フィルムが光沢又は半光沢を有し、スズ蒸着層の美粧性によって複合フィルムの美感を向上させることができ、スズ蒸着層の隠蔽性によって複合フィルムの他方の面(外面)から一方の面(内面)への視認を不能とすることができるとともに、スズ蒸着フィルムがマイクロ波を反射することはなく、マイクロ波を透過させることができる。
所定の図画が印刷された印刷面を有してスズ蒸着フィルムの外面に接合された印刷層とスズ蒸着フィルム及び印刷層の間に位置してスズ蒸着フィルムと印刷層とを接合する第2接着剤層とを含む複合フィルムは、所定の図画(印刷層)が印刷された印刷面を有する印刷層がスズ蒸着フィルムの外面に接合されているから、所定の図画を複合フィルムの外側から視認することができ、複合フィルムの内面の側に位置する収容物(商品)の画像や商品ロゴ、商品名、商品の説明、商品の宣伝、商品の販売価格、商品の製造元や販売元、商品の製造年月日、商品の消費期限、商品の構成成分等を確認することができる。
スズ蒸着フィルムをマイクロ波が透過可能であり、複合フィルムの内面の側に位置する収容物を複合フィルムの外面の側から照射されたマイクロ波によって加熱可能である複合フィルムは、それによって作られた包装袋又は収容容器に収容された収容物(加熱対象物)を電子レンジで加熱する場合、電子レンジから放射されたマイクロ波がスズ蒸着フィルムを透過することができるから、電子レンジにおいて収容物(加熱対象物)を確実に加熱することができる。
スズ蒸着フィルムを電波が透過可能であり、スズ蒸着フィルムの内面の側に配置された電子データ記憶媒体に書き込まれた電子データを複合フィルムの外面の側に位置する電子データ読み取り装置によって読み取り可能である複合フィルムは、スズ蒸着フィルムが電波を乱放射することはなく、ICタグ等の電子データ記憶媒体の誤作動を防ぐことができ、ICタグリーダ等の電子データ読み取り装置によってICタグ等の電子データ記憶媒体に記憶された各種データを円滑に読み取ることができるとともに、スズ蒸着フィルムが電波を遮断することはなく、ICタグ等の電子データ記憶媒体とICタグリーダ等の電子データ読み取り装置との通信が可能となり、ICタグ等の電子データ記憶媒体を利用して在庫や棚卸、売上等の一括管理をすることができる。
紫外線をバリアするUVカット剤層を含み、UVカット剤層がスズ蒸着フィルムに塗布されてスズ蒸着フィルム及び第1接着剤層の間に位置し、又は、合成樹脂フィルムに塗布されて合成樹脂フィルム及び第1接着剤層の間に位置している複合フィルムは、UVカット剤層(透明なUVカット剤層、半透明なUVカット剤層、不透明なUVカット剤層)によって複合フィルムが紫外線に対するバリア機能を有し、紫外線をカットすることができ、それによって作られた包装袋又は収容容器に充填された収容物の劣化や物性変化、、食味変化を防ぐことができる。複合フィルムは、スズ蒸着フィルムとともにUVカット剤層がマイクロ波を反射することはなく、それによって作られた包装袋又は収容容器に充填された収容物(加熱対象物)を電子レンジによって十分に加熱することができるとともに、それによって作られた包装袋又は収容容器にICタグを取り付けたとしても、スズ蒸着フィルムとともにUVカット剤層が電波を乱放射することなく、ICタグの誤作動を防ぐことができ、ICタグリーダによってICタグに記憶された各種データを円滑に読み取ることができ、スズ蒸着フィルムとともにUVカット剤層が電波を遮断することはなく、ICタグとICタグリーダとの通信が可能となり、ICタグを利用して在庫や棚卸、売上等の一括管理をすることができる。
スズ蒸着フィルムが透明蒸着フィルムのスズを蒸着した内面又は外面においてスズ蒸着層が形成された形成部位とスズ蒸着層が形成されていない非形成部位とを有し、形成部位において、透明蒸着フィルムの内面又は外面がスズ蒸着層によって被覆され、非形成部位において、透明蒸着フィルムの内面又は外面が露出しつつ透明蒸着フィルムと合成樹脂フィルムとが対向している複合フィルムは、透明蒸着フィルムのうちのスズ蒸着層が形成されていない非形成部位において電子レンジから放射されたマイクロ波を透過させることができるから、複合フィルムによって作られた包装袋又は収容容器に充填された収容物(加熱対象物)を電子レンジで加熱する場合、電子レンジにおいて収容物(加熱対象物)を十分に加熱することができるとともに、複合フィルムによって作られた包装袋又は収容容器にICタグを取り付けたとしても、透明蒸着フィルムが電波を乱放射することなく、ICタグの誤作動を防ぐことができ、ICタグリーダによってICタグに記憶された各種データを円滑に読み取ることができ、透明蒸着フィルムが電波を遮断することはなく、ICタグとICタグリーダとの通信が可能となり、ICタグを利用して在庫や棚卸、売上等の一括管理をすることができる。複合フィルムは、形成部位におけるスズ蒸着層によって複合フィルムが光沢又は半光沢を有し、スズ蒸着層の美粧性によって複合フィルムの美感を向上させることができ、スズ蒸着層の隠蔽性によって複合フィルムの他方の面(外面)から一方の面(内面)への視認を不能とすることができる。
透明蒸着フィルムの単位面積に対するスズ蒸着層の形成部位の割合が75〜97%の範囲にあり、透明蒸着フィルムの単位面積に対するスズ蒸着層の非形成部位の割合が3〜25%の範囲にある複合フィルムは、透明蒸着フィルムの単位面積に対するスズ蒸着層の形成部位の割合が前記範囲にあるから、形成部位におけるスズ蒸着層によって複合フィルムに光沢又は半光沢を付与することができ、前記割合の形成部位におけるスズ蒸着層の美粧性によって複合フィルムの美感を向上させることができるとともに、前記割合の形成部位におけるスズ蒸着層の隠蔽性によって複合フィルムの他方の面(外面)から一方の面(内面)への視認を不能とすることができる。複合フィルムは、透明蒸着フィルムの単位面積に対するスズ蒸着層の非形成部位の割合が前記範囲にあり、前記割合の非形成部位において電子レンジから放射されたマイクロ波を確実に透過させることができるから、複合フィルムによって作られた包装袋又は収容容器に充填された収容物(加熱対象物)を電子レンジで加熱する場合、電子レンジにおいて収容物(加熱対象物)を確実に加熱することができるとともに、複合フィルムによって作られた包装袋又は収容容器にICタグを取り付けたとしても、非形成部位を有するスズ蒸着フィルムが電波を乱放射することなく、ICタグの誤作動を防ぐことができ、ICタグリーダによってICタグに記憶された各種データを円滑に読み取ることができ、非形成部位を有するスズ蒸着フィルムが電波を遮断することはなく、ICタグとICタグリーダとの通信が可能となり、ICタグを利用して在庫や棚卸、売上等の一括管理をすることができる。
スズ蒸着層が無色銀色又は有色銀色であり、スズ蒸着フィルムが光沢性又は半光沢性を有して美感が向上する美粧性を有するとともに、複合フィルムの他方の面から一方の面への視認を不能とする隠蔽性を有する複合フィルムは、スズ蒸着層が無色銀色又は有色銀色であることから、スズ蒸着層によって複合フィルムに光沢又は半光沢を付与することができ、スズ蒸着層の美粧性によって複合フィルムの美感を向上させることができるとともに、スズ蒸着層の隠蔽性によって複合フィルムの他方の面(外面)から一方の面(内面)への視認を不能とすることで、複合フィルムによって作られた包装袋又は収容容器に充填された収容物(加熱対象物)の外部からの視認を不能にすることができる。
合成樹脂フィルムの厚さ寸法が45〜55μmの範囲、スズ蒸着フィルムの厚さ寸法が10〜14μmの範囲にあり、印刷層の厚さ寸法が18〜22μmの範囲にある複合フィルムは、合成樹脂フィルムの厚さ寸法が前記範囲にあるから、複合フィルムが所定の強度を有し、複合フィルムによって作られた包装袋又は収容容器のコシが強くなり、包装袋又は収容容器の捩れやへたり、倒れを防ぐことができる。複合フィルムは、スズ蒸着フィルムの厚みが前記範囲にあるから、スズ蒸着フィルムによって複合フィルムに光沢又は半光沢を付与することができ、スズ蒸着フィルムの美粧性によって複合フィルムの美感を向上させることができるとともに、スズ蒸着フィルムの隠蔽性によって複合フィルムの他方の面(外面)から一方の面(内面)への視認を不能とすることで、収容物の外部からの視認を不能にすることができる。更に、透明蒸着フィルムを含むスズ蒸着フィルムの厚みが前記範囲にあるから、酸素を透過させることはなく、複合フィルムによって作られた包装袋又は収容容器に充填された収容物の酸化を確実に防ぐことができ、水蒸気を透過させることはなく、複合フィルムによって作られた包装袋又は収容容器に充填された収容物の湿気を確実に防ぐことができる。
第1及び第2接着剤層とUVカット剤層との厚さ寸法が2〜4μmの範囲にある複合フィルムは、第1及び第2接着剤層の厚みが前記範囲にあるから、第1接着剤層によって合成樹脂フィルムとスズ蒸着フィルムとを強固に接合することができるとともに、第2接着剤層によってスズ蒸着フィルムと印刷層とを強固に接合することができ、それらフィルムどうしの不用意な剥離やフィルムと印刷層との不用意な剥離を防ぐことができる。複合フィルムは、UVカット剤層の厚みが前記範囲にあるから、紫外線を確実にカットすることができ、複合フィルムによって作られた包装袋又は収容容器に充填された収容物の劣化や物性変化、食味変化を防ぐことができる。
一例として示す複合フィルム10A,10Bの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る複合フィルムの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、図2は、図1のA−A線矢視断面図であり、図3は、図2の複合フィルム10Aの分解斜視図である。図4は、図1のB−B線矢視断面図であり、図5は、図4の複合フィルム10Bの分解斜視図である。図6は、スズ蒸着フィルム12におけるマイクロ波の透過を説明する図である。図1では、複合フィルム10A及び印刷フィルム26が繰り出しロール28a,28bに巻き取られた状態で示す。図2〜図5では、複合フィルム10A及び複合フィルム10Bを部分的に示すとともに、縦方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し、厚み方向を矢印Zで示す。
複合フィルム10Aは、図2,3に示すように、合成樹脂フィルム11、スズが蒸着されたスズ蒸着フィルム12(錫不連続蒸着フィルム)、第1接着剤層13、UVカット剤層14から形成されている。複合フィルム10Aでは、一方の面15(内面)から他方の面16(外面)に向かって合成樹脂フィルム11→第1接着剤層13→UVカット剤層14→スズ蒸着フィルム12の順でそれらが厚み方向へ並んでいる。合成樹脂フィルム11は、熱可塑性合成樹脂の原反(無延伸フィルム)を延伸することから作られた延伸フィルムが使用されている。合成樹脂フィルム11を作る熱可塑性合成樹脂には、各種のPEや各種のPPが使用されている。
合成樹脂フィルム11は、その厚さ寸法L1が45〜55μmの範囲にあり、好ましくは厚さ寸法L1が50μmである。合成樹脂フィル11の厚さ寸法L1が45μm未満では、合成樹脂フィルム11の強度が低くなるとともに、合成樹脂フィルム11のコシが弱くなり、合成樹脂フィルム11を含む複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)に捩れやへたりが生じ、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の折り曲げや切断、テンション等の加工時の作業性が低下する場合がある。合成樹脂フィルム11の厚さ寸法L1が55μmを超過すると、合成樹脂フィルム11の強度(剛性)が必要以上に高くなり、合成樹脂フィルム11を含む複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)が強張って折り曲げや切断、テンション等の加工時の作業性が低下する場合がある。合成樹脂フィルム11は、その厚さ寸法L1が前記範囲にあるから、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)が所定の最適な強度を有し、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の捩れやへたり、強張りを防ぐことができ、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の加工時の作業性を向上させることができる。
第1接着剤層13は、合成樹脂フィルム11の外面17とUVカット剤層14とのいずれかに塗布され、合成樹脂フィルム11及びスズ蒸着フィルム12(UVカット剤層14)の間に位置して合成樹脂フィルム11とスズ蒸着フィルム12(UVカット剤層14)とを接合(固着)している。図2では、第1接着剤層13が合成樹脂フィルム11の全域又はUVカット剤層14の全域に塗布されているが、第1接着剤層13が合成樹脂フィルム11の外面17又はUVカット剤層14に間欠的(部分的)に塗布されていてもよい。第1接着剤層13は、透明であり、その厚さ寸法L2が2〜4μmの範囲にあり、好ましくは厚さ寸法L2が3μmである。
第1接着剤層13の厚さ寸法L2が2μm未満では、合成樹脂フィルム11とスズ蒸着フィルム12(UVカット剤層14)とを強固に接合することができず、それらフィルム11,12どうしの接着強度が足りず、それらフィルム11,12どうしが剥離する場合がある。第1接着剤層13の厚さ寸法L2が4μmを超過すると、第1接着剤層13の剛性によって複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の剛性が高くなり、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の柔軟性が失われる場合があるとともに、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の強度(剛性)が必要以上に高くなり、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)が強張って折り曲げや切断、テンション等の加工時の作業性が低下する場合がある。第1接着剤層14の厚さ寸法L2が前記範囲にあるから、フィルム11,12どうしを強固に接合することができ、それらフィルム11,12の不用意な剥離を防ぐことができるとともに、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)が適度な強度(剛性)及び適度な柔軟性を保持することができ、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の折り曲げや切断、テンション等の加工時の作業性を向上させることができる。
UVカット剤層14(紫外線吸収性フィルムコーティング剤)は、透明であって紫外線吸収性基が使用され、約370nm以下の波長を略100%カットすることで紫外線をバリアする。UVカット剤層14として、半透明又は不透明なそれを使用することもできる。UVカット剤層14は、スズ蒸着フィルム12の内面12の全域に塗布されてスズ蒸着フィルム12及び第1接着剤層13の間に位置している。UVカット剤層14は、スズ蒸着フィルム12の直下に位置している。尚、UVカット剤層14が合成樹脂フィルム11の外面17の全域に塗布されて合成樹脂フィルム11及び第1接着剤層13の間に位置していてもよい。UVカット剤層14が合成樹脂フィルム11の外面17に塗布される場合、UVカット剤層14が合成樹脂フィルム11の直上に位置する。又、複合フィルム10AにUVカット剤層14が形成されていなくてもよい。
UVカット剤層14は、その厚さ寸法L3が2〜4μmの範囲にあり、好ましくは厚さ寸法L3が3μmである。UVカット剤層14の厚さ寸法L3が2μm未満では、UVカット剤層14の厚さ寸法L3が少なく、紫外線を確実にカットすることができない場合がある。UVカット剤層14の厚さ寸法L3が前記範囲にあるから、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)において紫外線が遮断され、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)において紫外線が確実にカットされる。
スズ蒸着フィルム12は、透明蒸着フィルム19と、透明蒸着フィルム19の内面20に蒸着されたスズ蒸着層21とから形成されている。透明蒸着フィルム19は、ベースとなるフィルムの上面に透明な無機薄膜が蒸着プロセスによって製膜された機能性フィルムであり、ベースとなるフィルム(PETやPP)の上面に無機蒸着バリア層(アルミナ、酸化ケイ素等)とコーティングバリア層とが積層されている。透明蒸着フィルムは、ガスバリア性を有するとともに水蒸気バリア性を有する。
スズ蒸着層21は、透明蒸着フィルム19の内面20に形成され、透明蒸着フィルム19の直下に位置している。尚、スズ蒸着層21が透明蒸着フィルム19の外面22に蒸着されてスズ蒸着層21が透明蒸着フィルム19の外面22に形成され、スズ蒸着層21が透明蒸着フィルム19の直上に位置していてもよい。スズ蒸着フィルム12は、その内面18(透明蒸着フィルム19の内面20)が合成樹脂フィルム11の外面17に対向した状態で合成樹脂フィルム11の外面17に重なり、第1接着剤層13を介して合成樹脂フィルム11の外面17に接合(固着)されている。
スズ蒸着層21は、無色銀色又は有色銀色である。スズ蒸着層21が形成されたスズ蒸着フィルム12の内面18(透明蒸着フィルム12のスズを蒸着した面)には、スズ蒸着層21が形成された形成部位23(スズ蒸着層21が存在する存在部位)と、スズ蒸着層21が形成されていない非形成部位24(スズ蒸着層21が存在しない非存在部位)とが形成されている。スズ蒸着フィルム12は、無色銀色又は有色銀色のスズ蒸着層21によって光沢性又は半光沢性を有し、美感が向上する美粧性を有するとともに、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の他方の面16(外面)から一方の面15(内面)への視認を不能とする隠蔽性を有する。
スズ蒸着フィルム12(透明蒸着フィルム19)のスズ蒸着層21が形成された形成部位23では、透明蒸着フィルム19の内面20がスズ蒸着層21によって被覆され、透明蒸着フィルム19が無色銀色又は有色銀色のスズ蒸着層21によって覆い隠されている。スズ蒸着フィルム12(透明蒸着フィルム19)の非形成部位24では、透明蒸着フィルム19の内面20が形成部位23の間(スズ蒸着層21の間)から露出し、透明蒸着フィルム12の内面18と合成樹脂フィルム11の外面17とが直に対向している。スズ蒸着層21が透明蒸着フィルム19の外面22に形成された場合、非形成部位24では、透明蒸着フィルム19の外面22が形成部位23の間(スズ蒸着層21の間)から露出し、透明蒸着フィルム12の内面18と合成樹脂フィルム11の外面17とが直に対向する。
スズ蒸着フィルム12では、図6に矢印Z1で示すように、スズ蒸着フィルム12の外面25に照射されたマイクロ波がスズ蒸着層21の形成部位23において反射され、スズ蒸着フィルム12(透明蒸着フィルム19)を透過することができない。しかし、スズ蒸着層21の非形成部位24では、スズ蒸着層21が存在せず、マイクロ波がスズ蒸着層21に反射されることはなく、マイクロ波がスズ蒸着フィルム12(透明蒸着フィルム19)を透過する。従って、図2,3に示す複合フィルム10Aは、マイクロ波を確実に透過させることができ、複合フィルム10Aの一方の面15(内面)の側に位置する収容物(加熱対象物)を複合フィルム10Aの他方の面16(外面)の側から照射されたマイクロ波によって加熱することができる。
又、非存在部位24を有するスズ蒸着フィルム12(透明蒸着フィルム19)が電波を乱放射することがなく、スズ蒸着フィルム12によって電波の放射が妨害されることはないとともに、非存在部位24を有するスズ蒸着フィルム12(複合フィルム10A)が電波を遮断することはない。従って、図2,3に示す複合フィルム10Aは、放射特性どおりの電波を放射させることができ、複合フィルム10Aの一方の面15(内面)の側に配置されたICタグ41(電子データ記憶媒体)に書き込まれた電子データを複合フィルム10Aの他方の面16(外面)の側に位置するICタグリーダ51(電子データ読み取り装置)によって読み取ることができる。
スズ蒸着フィルム12は、その厚さ寸法L4が10〜14μmの範囲にあり、好ましくは厚さ寸法L4が12μmである。スズ蒸着フィルム12の厚さ寸法L4が10μm未満では、スズ蒸着層21の厚さ寸法が小さくなり、スズ蒸着フィルム12によって複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)に光沢又は半光沢を付与することができず、スズ蒸着フィルム12の美粧性が低下し、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の美感を向上させることができないとともに、スズ蒸着フィルム12の隠蔽性が低下し、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の他方の面16(外面)から一方の面15(内面)への視認を不能とすることができない。
又、酸素がスズ蒸着フィルム12(複合フィルム10A,10B)を透過し、複合フィルム10Bから作られた包装袋30又は電子レンジ用容器42の収容スペース35,48に収容された収容物が酸化する場合があるとともに、水蒸気がスズ蒸着フィルム12(複合フィルム10A,10B)を透過し、複合フィルム10Bから作られた包装袋30又は電子レンジ用容器42の収容スペース35,48に収容された収容物が湿気てしまう場合がある。スズ蒸着フィルム12の厚さ寸法L4が前記範囲にあるから、酸素を透過させることはなく、収容物の酸化を確実に防ぐことができ、水蒸気を透過させることなく、収容物の湿気を確実に防ぐことができる。
スズ蒸着フィルム12の厚さ寸法L4が14μmを超過すると、スズ蒸着層21の厚さ寸法が必要以上に大きくなり、スズ蒸着層21によってマイクロ波が反射され、マイクロ波がスズ蒸着フィルム12(複合フィルム10A,10B)を透過することができないとともに、スズ蒸着フィルム12が電波を乱反射し、スズ蒸着フィルム12によって電波の放射が妨害される場合があり、又は、スズ蒸着フィルム12によって電波が遮断される場合がある。
透明蒸着フィルム19の単位面積(1cm×1cm:1cm2)に対するスズ蒸着層21の形成部位23の割合は、75〜97%の範囲にある。透明蒸着フィルム19の単位面積(1cm×1cm:1cm2)に対するスズ蒸着層21の非形成部位24の割合は、3〜25%の範囲にある。スズ蒸着層21の形成部位23の割合が75%未満であってスズ蒸着層21の非形成部位24の割合が25%を超過すると、形成部位23が必要以上に少なくなり、スズ蒸着フィルム12によって複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)に光沢又は半光沢を付与することができず、スズ蒸着フィルム12の美粧性が低下し、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の美感を向上させることができないとともに、スズ蒸着フィルム12の隠蔽性が低下し、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の他方の面16(外面)から一方の面15(内面)への視認を不能とすることができない。
スズ蒸着層21の形成部位23の割合が97%を超過し、スズ蒸着層21の非形成部位24の割合が3%未満では、形成部位23が必要以上に多くなり、透明蒸着フィルム12の単位面積に対してスズ蒸着層21が大半を占め、スズ蒸着フィルム12(スズ蒸着層21)によってマイクロ波が反射され、マイクロ波がスズ蒸着フィルム12(複合フィルム10A,10B)を透過することができないとともに、スズ蒸着フィルム12(スズ蒸着層21)によって電波が遮断される場合がある。
スズ蒸着フィルム12の厚さ寸法L4が前記範囲にあり、透明蒸着フィルム19の単位面積に対するスズ蒸着層21の形成部位23の割合が前記範囲にあり、透明蒸着フィルム19の単位面積に対するスズ蒸着層21の非形成部位24の割合が前記範囲にあるから、スズ蒸着フィルム12によって複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)に光沢又は半光沢を付与することができ、スズ蒸着フィルム12の美粧性によって複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の美感を向上させることができるとともに、スズ蒸着フィルム12の隠蔽性によって複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の他方の面16(外面)から一方の面15(内面)への視認を不能とすることで、複合フィルム10A(複合フィルム10Bを含む)の外部からの収容物の視認を不能にすることができる。
更に、スズ蒸着層21によってマイクロ波が反射されることはなく、マイクロ波がスズ蒸着フィルム12(複合フィルム10A,10B)を透過することができる。従って、図2,3に示す複合フィルム10A(図4,5に示す複合フィルム10Bを含む)は、マイクロ波を確実に透過させることができる。又、スズ蒸着フィルム12(複合フィルム10A,10B)が電波を乱反射することはなく、スズ蒸着フィルム12によって電波の放射が妨害されることはないとともに、非形成部位24を有するスズ蒸着フィルム12(複合フィルム10A,10B)が電波を遮断することはない。従って、図2,3に示す複合フィルム10A(図4,5に示す複合フィルム10Bを含む)は、放射特性どおりの電波を放射させることができる。
図4,5に示す複合フィルム10Bは、合成樹脂フィルム11、スズが蒸着されたスズ蒸着フィルム12(錫不連続蒸着フィルム)、印刷フィルム26(印刷層)、第1接着剤層13、第2接着剤層27、UVカット剤層14から形成されている。複合フィルム10Bでは、一方の面15(内面)から他方の面16(外面)に向かって合成樹脂フィルム11→第1接着剤層13→UVカット剤層14→スズ蒸着フィルム12→第2接着剤層27→印刷フィルム26(印刷層)の順でそれらが厚み方向へ並んでいる。尚、図1に示すように、繰り出しロール28aから繰り出された複合フィルム10Aと繰り出しロール28bから繰り出された印刷フィルム26とが接合されることで、図5に示す複合フィルム10Bが作られる。
合成樹脂フィルム11及び合成樹脂フィルム11の厚さ寸法L1は、図2,3に示す合成樹脂フィルム11のそれらと同一である。透明な第1接着剤層13は、合成樹脂フィルム11の外面17とUVカット剤層14とのいずれかに塗布され、合成樹脂フィルム11とスズ蒸着フィルム12とを接合(固着)している。第1接着剤層13の厚さ寸法L2は、図2,3に示す第1接着剤層13のそれと同一である。UVカット剤層14は、スズ蒸着フィルム12の内面18に塗布されてスズ蒸着フィルム12及び第1接着剤層13の間に位置している。UVカット剤層14の厚さ寸法L3は、図2,3に示すUVカット剤層14のそれと同一である。尚、複合フィルム10BにUVカット剤層14が形成されていなくてもよい。
スズ蒸着フィルム12は、図2,3のそれと同一であり、ガスバリア性を有するとともに水蒸気バリア性を有する透明蒸着フィルム19と、透明蒸着フィルム19の内面20に蒸着されたスズ蒸着層21とから形成され、第1接着剤層13を介して合成樹脂フィルム11の外面17に接合(固着)されている。尚、スズ蒸着層21が透明蒸着フィルム19の外面22に形成されていてもよい。スズ蒸着フィルム12は、無色銀色又は有色銀色のスズ蒸着層21によって光沢性又は半光沢性を有し、美感が向上する美粧性を有するとともに、複合フィルム10Bの他方の面16(外面)から一方の面15(内面)への視認を不能とする隠蔽性を有する。
スズ蒸着層21が形成された透明蒸着フィルム19の内面20(透明蒸着フィルム12のスズを蒸着した面)には、スズ蒸着層21が形成された形成部位23(存在部位)と、スズ蒸着層21が形成されていない非形成部位24(非存在部位)とが形成されている。スズ蒸着層21の非形成部位24では、マイクロ波がスズ蒸着層21に反射されることはなく、マイクロ波がスズ蒸着フィルム12(透明蒸着フィルム19)を透過することができる(図6参照)。従って、図5,6に示す複合フィルム10Bは、マイクロ波を確実に透過させることができ、複合フィルム10Bの一方の面15(内面)の側に位置する収容物(加熱対象物)を複合フィルム10Bの他方の面16(外面)の側から照射されたマイクロ波によって加熱することができる。
又、非存在部位24を有するスズ蒸着フィルム12が電波を乱放射することがなく、スズ蒸着フィルム12によって電波の放射が妨害されることはないとともに、非存在部位24を有するスズ蒸着フィルム12(複合フィルム10B)が電波を遮断することはない。従って、図5,6に示す複合フィルム10Bは、放射特性どおりの電波を放射させることができ、複合フィルム10Bの一方の面15(内面)の側に配置されたICタグ41(電子データ記憶媒体)に書き込まれた電子データを複合フィルム10Bの他方の面16(外面)の側に位置するICタグリーダ51(電子データ読み取り装置)によって読み取ることができる。
スズ蒸着フィルム12の厚さ寸法L4は、図2,3に示すスズ蒸着フィルム12のそれと同一である。透明蒸着フィルム19の単位面積に対するスズ蒸着層21の形成部位の割合、透明蒸着フィルム19の単位面積に対するスズ蒸着層21の非形成部位の割合は、図2,3に示す透明蒸着フィルム12のそれらと同一である。
第2接着剤層27は、スズ蒸着フィルム12の外面25と印刷フィルム26(印刷層)の内面29とのいずれかに塗布され、スズ蒸着フィルム12と印刷フィルム26とを接合(固着)している。図4では、第2接着剤層27がスズ蒸着フィルム12の外面25の全域又は印刷フィルム26の内面29の全域に塗布されているが、第2接着剤層27がスズ蒸着フィルム12の外面25又は印刷フィルム26の内面29に間欠的(部分的)に塗布されていてもよい。第2接着剤層27は、透明であり、その厚さ寸法L5が2〜4μmの範囲にあり、好ましくは厚さ寸法L5が3μmである。
第2接着剤層27の厚さ寸法L5が2μm未満では、スズ蒸着フィルム12と印刷フィルム26とを強固に接合することができず、それらフィルム12,26どうしの接着強度が足りず、それらフィルム12,26が剥離する場合がある。第2接着剤層27の厚さ寸法L5が4μmを超過すると、第2接着剤層27の剛性によって複合フィルム10Bの剛性が高くなり、複合フィルム10Bの柔軟性が失われる場合があるとともに、複合フィルム10Bの強度(剛性)が必要以上に高くなり、複合フィルム10Bが強張って折り曲げや切断、テンション等の加工時の作業性が低下する場合がある。第2接着剤層27の厚さ寸法L5が前記範囲にあるから、フィルム12,26どうしを強固に接合することができ、それらフィルム12,26の不用意な剥離を防ぐことができるとともに、複合フィルム10Bが適度な強度(剛性)及び適度な柔軟性を保持することができ、複合フィルム10Bの折り曲げや切断、テンション等の加工時の作業性を向上させることができる。
印刷フィルム26(印刷層)は、熱可塑性合成樹脂の原反(無延伸フィルム)を延伸することから作られた延伸フィルムが使用されている。印刷フィルム26を作る熱可塑性合成樹脂には、各種のPEや各種のPPが使用されている。尚、印刷層として、所定の図画が印刷された印刷面を有する印刷紙又は所定の図画が印刷された印刷面を有する印刷不織布を使用することもできる。印刷フィルム26(印刷層)は、その厚さ寸法L6が18〜22μmの範囲にあり、好ましくは厚さ寸法L6が20μmである。
印刷フィルム26は、所定の図画が印刷された印刷面を有する。所定の図画は、印刷フィルム26の内面29に印刷されている。図画には、後記する包装袋30又は電子レンジ用容器42(収容容器)の収容スペース35,48に収容された商品(収容物)の画像や商品ロゴ、商品名、商品の説明、商品の宣伝、商品の販売価格、商品の製造元や販売元、商品の製造年月日、商品の消費期限、商品の構成成分等がある。印刷フィルム26は、その内面29がスズ蒸着フィルム12の外面25に対向した状態でスズ蒸着フィルム12に重なり、第2接着剤層27を介してスズ蒸着フィルム12の外面25に接合(固着)されている。
図2,3に示す複合フィルム10A及び図4,5に示す複合フィルム10Bは、それが熱可塑性合成樹脂から作られた合成樹脂フィルム11と無色銀色又は有色銀色のスズ蒸着層21を有して合成樹脂フィルム11の外面17に接合されたスズ蒸着フィルム12と合成樹脂フィルム11及びスズ蒸着フィルム12の間に位置して合成樹脂フィルム11とスズ蒸着フィルム12とを接合する第1接着剤層13とから形成され、スズ蒸着層21によって複合フィルム10A,10Bに光沢又は半光沢を付与することができ、スズ蒸着層21の美粧性によって複合フィルム10A,10Bの美感を向上させることができる、複合フィルム10A,10Bは、スズ蒸着層21が形成された形成部位23が透明蒸着フィルム19の内面20(スズを蒸着した面)に形成され、形成部位23において透明蒸着フィルム19の内面20がスズ蒸着層21によって被覆されているから、スズ蒸着フィルム12の隠蔽性によって複合フィルム10A,10Bの他方の面16(外面)から一方の面15(内面)への視認を不能とすることができる。
図2,3に示す複合フィルム10A及び図4,5に示す複合フィルム10Bは、スズ蒸着フィルム12が透明蒸着フィルム19のスズを蒸着した内面20(又は外面22)においてスズ蒸着層21が形成された形成部位23とスズ蒸着層21が形成されていない非形成部位24とを有し、透明蒸着フィルム19の単位面積に対するスズ蒸着層21の形成部位23の割合が75〜97%の範囲にあり、透明蒸着フィルム19の単位面積に対するスズ蒸着層21の非形成部位24の割合が3〜25%の範囲にあるから、透明蒸着フィルム19のうちのスズ蒸着層21が形成されていない非形成部位24においてマイクロ波を透過させることができ、スズ蒸着フィルム12がマイクロ波を反射することはなく、複合フィルム10A,10Bの一方の面15(内面)の側に配置された収容物(加熱対象物)を複合フィルム10A,10Bの他方の面16(外面)の側から照射されたマイクロ波によって確実に加熱することができる。
図2,3に示す複合フィルム10A及び図4,5に示す複合フィルム10Bは、スズ蒸着層21が形成されていない非形成部位24を有する透明蒸着フィルム12が電波を乱放射することなく、スズ蒸着フィルム12の内面18の側に配置されたICタグ41等の電子データ記憶媒体の誤作動を防ぐことができ、ICタグリーダ51等の電子データ読み取り装置によってICタグ41等の電子データ記憶媒体に記憶された各種データを円滑に読み取ることができるとともに、スズ蒸着フィルム12が電波を遮断することはなく、ICタグ41等の電子データ記憶媒体とICタグリーダ51等の電子データ読み取り装置との通信が可能となり、ICタグ41等の電子データ記憶媒体を利用して在庫や棚卸、売上等の一括管理をすることができる。
図2,3に示す複合フィルム10A及び図4,5に示す複合フィルム10Bは、スズ蒸着フィルム12を形成する透明蒸着フィルム19がガスバリア性を有するとともに水蒸気バリア性を有するから、スズ蒸着フィルム12が酸素を透過させることはなく、複合フィルム10A,10Bの一方の面15(内面)の側に配置された収容物の酸化を防ぐことができ、スズ蒸着フィルム12が水蒸気を透過させることはなく、複合フィルム10A,10Bの一方の面15(内面)の側に配置された収容物の湿気を防ぐことができる。
図4,5に示す複合フィルム10Bは、所定の図画(印刷層)が印刷された印刷面を有する印刷フィルム26(印刷層)がスズ蒸着フィルム12の外面25に接合されているから、所定の図画を複合フィルム10Bの外側から視認することができ、複合フィルム10Bの一方の面15(内面)の側に位置する収容物(商品)の画像や商品ロゴ、商品名、商品の説明、商品の宣伝、商品の販売価格、商品の製造元や販売元、商品の製造年月日、商品の消費期限、商品の構成成分等を確認することができる。
図7は、複合フィルム10Aを含む複合フィルム10Bによって作られた一例として示す包装袋30の斜視図であり、図8は、図7のC−C線矢視断面図及び部分拡大図である。包装袋30は、横方向へ延びる上端縁部31(周縁部)及び下端縁部32(周縁部)と、縦方向へ延びる両側縁部33,34(周縁部)と、上下端縁部31,32及び両側縁部33,34に囲繞された収容スペース35とを有する。上下端縁部31,32及び両側縁部33,34がシール部36となり、収容スペース35がシール部36の内側に位置している(画成されている)。包装袋30の収容スペース35には、図示はしていないが、加熱対象物(レトルト食品や冷凍食品、冷蔵食品、フェイスマスク、その他加熱を要する食品や商品)が収容される。包装袋30の両側縁部33,34には、ノッチ37(切り込み)が形成されている。
包装袋30は、合成樹脂フィルム11、スズが蒸着されたスズ蒸着フィルム12(錫不連続蒸着フィルム)、印刷フィルム26(印刷層)、第1接着剤層13、第2接着剤層27、UVカット剤層14から形成された複合フィルム10Bから作られている。包装袋30は、製袋機38(図1参照)によって製造され、重なり合う複合フィルム10Bの上下端縁部31,32及び両側縁部33,34をシールした縦方向へ長い4方シール袋である。
製袋機38では、繰り出しロール28aから繰り出された複合フィルム10Aと繰り出しロール28bから繰り出された印刷フィルム26とを接合して複合フィルム10Bを作り、複合フィルム10Bを半折し、ヒートシール又はソニックシールによって三方(三辺)をシール(融着)した後、収容スペース35に収容物(加熱対象物)を充填し、残りの一方(一辺)をシール(融着)する。尚、包装袋30の形状は図示のそれに限定されず、包装袋30の形状として収容スペース35を備えたあらゆる形状を採用することができる。
包装袋30では、合成樹脂フィルム11の内面39が包装袋30の内面(一方の面15)を構成し、印刷フィルム26の外面40が包装袋30の外面(他方の面16)を構成している。包装袋30では、合成樹脂フィルム11の内面39を対向させた状態で合成樹脂フィルム11(複合フィルム10B)が重なり合い、シール部36(包装袋230の上下端縁部31,32及び両側縁部33,34)において合成樹脂フィルム11どうしが融着(熱溶着)されている。包装袋30では、スズ蒸着フィルム12のスズ蒸着層21の非形成部位24においてマイクロ波がスズ蒸着フィルム12を透過可能であり、包装袋30の収容スペース35に収容された収容物(加熱対象物)にマイクロ波が照射される。包装袋30は、電子レンジに収納され、収容物(加熱対象物)を電子レンジによって加熱する。
包装袋30の上端縁部31には、ICチップを備えたICタグ41(RFIDタグ)が取り付けられている。ICタグ41(電子データ記憶媒体)のICチップには、包装袋30の特定番号(識別子)、包装袋30の収容スペース35に収容された商品(加熱対象物)の商品名や商品の販売価格、商品の製造年月日、商品の消費期限、商品の構成成分、商品の製造元や販売元等の各種データが記憶(格納)されている。それら各データは、ICタグライタによってICタグ41のICチップに書き込まれる。包装袋30に取り付けられたICタグ41は、電子レンジにおいて燃えないそれが使用されている。尚、図7では、包装袋30の上端縁部31にICタグ40(RFIDタグ)が取り付けられた状態を図示しているが、包装袋30の上端縁部31にICタグ41が取り付けられていなくてもよい。
図9は、複合フィルム10Aを含む複合フィルム10Bを使用した一例として示す電子レンジ用容器42の斜視図である。電子レンジ用容器42(収容容器)は、容器本体43と蓋材44(蓋フィルム)とから形成されている。容器本体43は、底壁45及び周壁46と上部開口47とを有するカップ状に成形され、底壁45及び周壁46に囲繞された収容スペース48を有する。周壁46の上方には、容器本体43の径方向外方へ延出するフランジ49が形成されている。容器本体43は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂から作られている。
蓋材44(蓋フィルム)は、合成樹脂フィルム11、スズが蒸着されたスズ蒸着フィルム12(錫不連続蒸着フィルム)、印刷フィルム26(印刷層)、第1接着剤層13、第2接着剤層27、UVカット剤層14から形成された複合フィルム10Bから作られている。蓋材44は、容器本体43の収容スペース48に収容物(加熱対象物)が充填された後、蓋材44を形成する合成樹脂フィルム11が容器本体43のフランジ49に融着(熱融着)され、容器本体43の上部開口47を気密に塞いでいる。
電子レンジ用容器42(収容容器)では、合成樹脂フィルム11の内面39が蓋材44(蓋フィルム)の内面(一方の面15)を構成し、印刷フィルム26の外面40が蓋材44の外面(他方の面16)を構成している。電子レンジ用容器42では、スズ蒸着フィルム12のスズ蒸着層21が形成されていない非形成部位24においてマイクロ波がスズ蒸着フィルム12(蓋材44)を透過可能であり、容器本体43の収容スペース48に収容された収容物(加熱対象物)にマイクロ波が照射される。
蓋材44(蓋フィルム)の周縁部50には、ICチップを備えたICタグ41(RFIDタグ)が取り付けられている。ICタグ41のICチップには、電子レンジ用容器42(収容容器)の特定番号(識別子)、電子レンジ用容器42の収容スペース48に収容された商品(加熱対象物)の商品名や商品の販売価格、商品の製造年月日、商品の消費期限、商品の構成成分、商品の製造元や販売元等の各種データが記憶(格納)されている。電子レンジ用容器42に取り付けられたICタグ41は、電子レンジにおいて燃えないそれが使用されている。尚、図9では、蓋材44(蓋フィルム)の周縁部50にICタグ41(RFIDタグ)が取り付けられた状態を図示しているが、蓋材44(蓋フィルム)の周縁部50にICタグ41が取り付けられていなくてもよい。
複合フィルム10Aを含む複合フィルム10Bから作られた包装袋30又は電子レンジ用容器42(収容容器)の蓋材44(蓋フィルム)は、無色銀色又は有色銀色のスズ蒸着層21を有するスズ蒸着フィルム12によって包装袋30や電子レンジ用容器42の蓋材44が光沢又は半光沢を有し、スズ蒸着フィルム12の美粧性によって包装袋30や蓋材44の美感を向上させることができる。複合フィルム10Aを含む複合フィルム10Bから作られた包装袋30又は電子レンジ用容器42(収容容器)の蓋材44(蓋フィルム)は、スズ蒸着層21が形成された形成部位23が透明蒸着フィルム19の内面20(スズを蒸着した面)に形成され、形成部位23において透明蒸着フィルム19の内面20がスズ蒸着層21によって被覆されているから、スズ蒸着層21を有するスズ蒸着フィルム12の隠蔽性によって包装袋30や蓋材44の他方の面16(外面)から一方の面15(内面)への視認を不能とすることで、包装袋30や蓋材44の外部からの収容物(加熱対象物)の視認を不能にすることができる。
複合フィルム10Aを含む複合フィルム10Bから作られた包装袋30又は電子レンジ用容器42(収容容器)の蓋材44(蓋フィルム)は、スズ蒸着層21が形成されていない非形成部位24が透明蒸着フィルム19の内面20(スズを蒸着した面)に形成され、非形成部位24において透明蒸着フィルム19の内面20が露出しつつ透明蒸着フィルム19と合成樹脂フィルム11及び印刷フィルム26とが直に対向しているから、非形成部位24においてスズ蒸着フィルム12によるマイクロ波の反射を防ぐことができ、透明蒸着フィルム19のうちのスズ蒸着層21が存在しない非形成部位24において電子レンジから放射されたマイクロ波を透過させることができる。包装袋30又は電子レンジ用容器42(収容容器)の収容スペース35,48に収容された収容物(加熱対象物)を電子レンジにおいて加熱する場合、電子レンジから放射されたマイクロ波がスズ蒸着フィルム12(合成樹脂フィルム11、透明蒸着フィルム20、印刷フィルム26、第1及び第2接着剤層13,27、UVカット剤層14)を透過することができるから、電子レンジにおいて収容物を十分かつ確実に加熱することができる。
複合フィルム10Aを含む複合フィルム10Bから作られた包装袋30又は電子レンジ用容器42(収容容器)の蓋材44(蓋フィルム)は、紫外線をバリアする透明なUVカット剤層14がスズ蒸着フィルム12に塗布されてスズ蒸着フィルム12及び第1接着剤層13の間に位置し、又は、UVカット剤層14が合成樹脂フィルム11に塗布されて合成樹脂フィルム11及び第1接着剤層13の間に位置し、UVカット剤層14によって包装袋30や蓋材44が紫外線に対するバリア機能を有するから、包装袋30や蓋材44によって紫外線をカットすることができ、包装袋30や電子レンジ用容器42の収容スペース35,48に収容された収容物の劣化や物性変化、食味変化を防ぐことができる。
複合フィルム10Aを含む複合フィルム10Bから作られた包装袋30又は電子レンジ用容器42(収容容器)の蓋材44(蓋フィルム)は、ガスバリア性を有するとともに水蒸気バリア性を有する透明蒸着フィルム19が使用されているから、包装袋30や蓋材44が酸素を透過させることはなく、包装袋30や電子レンジ用容器42の収容スペース35,48に収容された収容物の酸化や乾燥、カビの発生を防ぐことができ、包装袋30や蓋材44が水蒸気を透過させることなく、包装袋30や電子レンジ用容器42の収容スペース35,48に収容された収容物の湿気を防ぐことができる。
複合フィルム10Aを含む複合フィルム10Bから作られた包装袋30又は電子レンジ用容器42(収容容器)の蓋材44(蓋フィルム)は、所定の図画(印刷層)が印刷フィルム26(印刷層)の内面29に印刷されているから、所定の図画を包装袋30や蓋材44の外側から視認することができ、包装袋30や電子レンジ用容器42の収容スペース35,48に収容された商品(収容物)の画像や商品ロゴ、商品名、商品の説明、商品の宣伝、商品の販売価格、商品の製造元や販売元、商品の製造年月日、商品の消費期限、商品の構成成分等を確認することができる。
図10は、ICタグリーダ51によって包装袋30又は電子レンジ用容器42のICタグ41から各種データを読み取る場合の一例を示す図である。包装袋30や電子レンジ用容器42(収容容器)に取り付けられたICタグ41(RFIDタグ)のICチップに記憶されたデータは、キャッシュレジスター(POSレジ)に接続されたICタグリーダ51(電子データ読み取り装置)によって読み取られる。複合フィルム10Aを含む複合フィルム10Bから作られた包装袋30又は電子レンジ用容器42(収容容器)の蓋材44(蓋フィルム)では、スズ蒸着層21が形成されていない非形成部位24を有するスズ蒸着フィルム12が電波を乱放射することがなく、スズ蒸着フィルム12によって電波の放射が妨害されることはないから、ICタグ41から放射特性どおりの電波が放射されるとともに、非形成部位24を有するスズ蒸着フィルム12が電波を遮断することはなく、ICタグ41とICタグリーダ51との通信が可能となり、ICタグリーダ51によってICタグ41に記憶された各種データを円滑に読み取ることができる。
複数の包装袋30や複数の電子レンジ用容器42(収容容器)が店頭に並び、それら包装袋30やそれら電子レンジ用容器42が購入された場合、購入者が包装袋30や電子レンジ用容器42を支払いカウンターに持ち込む。支払いカウンターでは、包装袋30や電子レンジ用容器42に取り付けられたICタグ41に書き込まれた(記憶された)各種データ(包装袋30又はや電子レンジ用容器42の識別子、包装袋30又はや電子レンジ用容器42の収容スペース35,48に収容された商品(収容物)の商品名や商品の販売価格、商品の製造年月日、商品の消費期限、商品の構成成分、商品の製造元や販売元等)をICタグリーダ51によって読み取る。ICタグリーダ51によって読み取られた各種データは、ICタグリーダ51からキャッシュレジスター(POSレジ)に送信される。キャッシュレジスター(POSレジ)では、送信された各種データから包装袋30や電子レンジ用容器42の在庫や棚卸、売上等の管理(集計)をする。
複合フィルム10Aを含む複合フィルム10Bから作られた包装袋30又は電子レンジ用容器42(収容容器)の蓋材44(蓋フィルム)は、それらにICタグ41を取り付けたとしても、非形成部位24を有するスズ蒸着フィルム12が電波を乱放射(電波妨害)することなく、ICタグ41の誤作動を防ぐことができ、ICタグリーダ51によってICタグ41に記憶された各種データを円滑に読み取ることができるとともに、非形成部位24を有するスズ蒸着フィルム12が電波を遮断することはなく、ICタグ41とICタグリーダ51との通信が可能となり、ICタグ41を利用して在庫や棚卸、売上等の一括管理をすることができる。