JP2021160043A - 刃先交換式切削工具および工具本体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、更なる切屑処理性と切削インサートの冷却性を向上させることのできる、刃先交換式切削工具および工具本体を提供する。【解決手段】本発明の工具本体は、中心軸の軸周りに回転可能な本体部と、本体部の外周部に位置するとともに被切削物を切削するための切削インサートを取り付け可能なインサート取付座と、を備え、本体部は、本体部の工具基端側からクーラントを流入させ、インサート取付座の近傍からクーラントを噴射するクーラント流路を有し、クーラント流路は、本体部の基端部に位置する入口流路と、入口流路の工具先端側に繋がり、入口流路よりも大きい流路径を有するクーラント溜まり部と、クーラント溜まり部からインサート取付座に向かって延びる複数の噴射流路と、を有し、前記クーラント溜まり部は、工具先端側へ行くに従って径方向内側に向かう傾斜壁面を有し、前記傾斜壁面に前記噴射流路が開口している。【選択図】図1

Description

本発明は、刃先交換式切削工具および工具本体に関するものである。
ステンレスや難削材加工において、切削工具の寿命を延長するためには、切屑の処理と切刃(切削インサート)の冷却が重要である。そこで、切削インサートへ向けてクーラントを噴射させる構成が知られている。例えば、特許文献1には、切削インサートの先端部に向けてクーラントを噴射する複数の開口を設けることが開示されている。
特表2017−526544号公報
しかし、切削インサートの近傍に複数の開口を設置するために、特許文献1に記載のように工具本体の内部でクーラント流路を分岐させると、分岐によってクーラントの圧力が低下し、かつ複数の開口から噴射されるクーラントの圧力が不均一になりやすい。そのため、切削インサートの先端部に十分な圧力で正確にクーラントを供給することが難しかった。
本発明の一つの態様は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、切屑の処理性と切削インサートの冷却性とを同時に向上させることのできる、刃先交換式切削工具および工具本体を提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の刃先交換式切削工具の工具本体は、中心軸の軸周りに回転して被切削物を切削する刃先交換式切削工具に用いられる工具本体であって、中心軸の軸周りに回転可能な本体部と、前記本体部の外周部に位置するとともに被切削物を切削するための切削インサートを取り付け可能なインサート取付座と、を備え、前記本体部は、前記本体部の工具基端側からクーラントを流入させ、前記インサート取付座の近傍から前記クーラントを噴射するクーラント流路を有し、前記クーラント流路は、前記本体部の前記基端部に位置する入口流路と、前記入口流路の工具先端側に繋がり、前記入口流路よりも大きい流路径を有するクーラント溜まり部と、前記クーラント溜まり部から前記インサート取付座に向かって延びる複数の噴射流路と、を有し、前記クーラント溜まり部は、工具先端側へ行くに従って径方向内側に向かう傾斜壁面を有し、前記傾斜壁面に前記噴射流路が開口していることを特徴とする。
上記構成の工具本体では、クーラント溜まり部が、工具先端側へ行くに従って径方向内側に向かう傾斜壁面を有していることで、傾斜壁面から径方向外側かつ工具先端側に向かう斜め方向に、工具本体の肉を確保しやすく、この位置にインサート取付座を配置しやすい。そして、傾斜壁面の径方向外側かつ工具先端側に向かう斜め方向に位置するインサート取付座に、傾斜壁面から噴射流路を延ばすことで、噴射流路を短くすることができる。クーラントに作用する噴射流路の流路抵抗が少なくなるので、クーラントの圧力を低下させることなく噴射することができる。
また、傾斜壁面に対して、噴射流路を概ね正面から接続することができるため、クーラント溜まり部から噴射流路が延びる方向を調整できる範囲が大きくなる。これにより、噴射流路を曲げることなくクーラントの噴射方向を容易に調整できる。切削インサートに向けて十分な圧力で正確にクーラントを供給することができるので、切屑を効率よく除去することができるとともに切削インサートの冷却性を高めることができる。
また、本発明の一形態における工具本体において、前記クーラント溜まり部は、前記中心軸を中心としてその軸回りに形成されており、工具基端側から工具先端側に向かって漸次縮径する壁面領域を有し、前記噴射流路が開口する前記傾斜壁面は、前記壁面領域内に位置する構成としてもよい。
この構成によれば、クーラント溜まり部の工具先端側の内壁面が略円錐形状となり、周方向に複数のインサート取付座が並ぶ工具本体において、各インサート取付座に近い位置に上記した噴射流路を形成することができる。それぞれのインサート取付座12に向かう複数の噴射流路19は、互いに同等の噴射性能を有する噴射流路となるので、複数の切削インサート10に対して均等な圧力でクーラントを供給できる。
また、本発明の一形態における工具本体において、前記クーラント溜まり部は、工具基端側から工具先端側に向かって漸次拡径する第1の壁面領域と、前記第1の壁面領域の工具先端側の端部から工具先端側に向かって漸次縮径する第2の壁面領域と、を有し、前記噴射流路が開口する前記傾斜壁面は、前記第2の壁面領域内に位置する構成としてもよい。
この構成によれば、軸方向の一部(中央)の直径が最も大きい形状のクーラント溜まり部となる。第1の壁面領域を有することで、クーラント溜まり部の容積を確保しつつ、工具本体の基端側の肉厚を確保できる。工具本体の基端側における剛性の不足を抑制しながら、クーラント溜まり部の容積を大きくできる。
また、本発明の一形態における工具本体において、前記噴射流路は、前記クーラント溜まり部との接続部から工具回転方向の後方側へ延びる構成としてもよい。
この構成によれば、切削インサートに対して工具回転方向の前方側からクーラントを噴射しやすくなる。
また、本発明の一形態における工具本体において、前記噴射流路は、前記傾斜壁面から前記本体部の外周面に向かって直線状に延びる構成としてもよい。
この構成によれば、噴射圧力を低下させることなく、十分な圧力で正確にクーラントを供給することができる。
また、本発明の一形態における工具本体において、前記本体部は、工具先端側の外周部に複数の凹部を有し、各々の前記凹部の内壁面の一部に前記インサート取付座が形成されているとともに、前記内壁面のうち前記インサート取付座よりも工具回転方向の前方側の壁面に前記噴射流路が開口している構成としてもよい。
これにより、切削インサートによって被切削物を切削した際に、切削インサートよりも工具回転方向の前方に生成される切屑に向けてクーラントを噴射することができるので、生成された切屑を素早く除去することができる。
また、本発明の一形態における工具本体において、前記本体部は、3Dプリンタによって作製される構成としてもよい。
本願発明では、本体部にクーラント溜まり部から外周面に延びる複数の噴射流路を有することから、3Dプリンタを用いることで、射出成形や切削加工によって作製する場合に比べて複雑な形状を容易に作製することができる。
本発明の刃先交換式切削工具は、上記の工具本体と、前記工具本体に対して着脱可能に取り付けられる複数の前記切削インサートと、を備えることを特徴とする。
上述した工具本体を備える刃先交換式切削工具によれば、切削インサートによって生成された切屑の処理性を高めるとともに、切削インサートの冷却効率を高めることができる。
本発明によれば、切屑の処理性と切削インサートの冷却効率を高めることができる刃先交換式切削工具および工具本体を提供することができる。
図1は、本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態を示す斜視図である。 図2は、刃先交換式切削工具の構成を示す側面図である。 図3は、本発明の刃先交換式切削工具の切削インサートの構成を示す斜視図である。 図4は、本発明の刃先交換式切削工具を先端側から見た平面図である。 図5は、刃先交換式切削工具の構成を示す断面図である。 図6は、切削インサートの近傍の工具本体に形成された噴射流路の位置を示す斜視図である。 図7は、噴射流路の形状を示す側面図である。 図8は、噴射流路を入口開口側から見た図である。 図9は、工具本体から切削インサートに向けてクーラントが噴射される様子を示す図である。
以下、本発明の一実施形態における刃先交換式切削工具について説明する。
なお、以下の各図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
(刃先交換式切削工具)
図1は、本発明の刃先交換式切削工具100の一実施形態を示す斜視図である。図2は、本発明の刃先交換式切削工具100の構成を示す側面図である。図3は、本発明の刃先交換式切削工具100の切削インサート10の構成を示す斜視図である。図4は、刃先交換式切削工具100を先端側から見た平面図である。図5は、刃先交換式切削工具100の構成を示す断面図である。図6は、切削インサート10の近傍の工具本体11に形成された噴射流路19の位置を示す斜視図である。図7は、噴射流路19の形状を示す側面図である。図8は、噴射流路19を入口開口19a側から見た図である。図9は、工具本体11から切削インサート10に向けてクーラント25が噴射される様子を示す図である。
刃先交換式切削工具100は、図1から図5に示すように、工具本体11と、複数の切削インサート10と、を備えている。複数の切削インサート10は、工具本体11の先端側の外周部に形成された複数のインサート取付座12に対して、それぞれ取付ボルト13によって着脱可能に取り付けられている。
刃先交換式切削工具100は、工具本体11の基端側(図1における上側)が工具機械の主軸に接続される。刃先交換式切削工具100は、図1に示す中心軸Oの軸回りに工具回転方向Tに回転することにより、被切削物に対して複数の切削インサート10によって切削加工を行う。
(工具本体)
工具本体11は、図1および図2に示すように、中心軸Oの軸回りに回転可能な本体部110と、本体部110の外周部に位置する複数のインサート取付座12とを有する。本実施形態の工具本体11は、3Dプリンタを用いて作製されたもので、工具本体11の原料金属の粉末材料を溶融させながら積層させる積層加工によって作製されている。
なお、工具本体11の材質や作製方法については上述したものに限られず、工具本体11を切削加工あるいは射出成形で作製してもよい。
本体部110は、図1および図2に示すように、工具基端側の部分よりも工具先端側(図1における下側)の部分が大径とされ、中心軸Oを中心とした外形略円盤状に形成されている。本体部110の工具先端側の外周部には、径方向内側に凹むチップポケット(凹部)14が周方向に間隔をあけて複数形成されている。チップポケット14は、図2に示すように、工具先端側から工具基端側に向かって延びる第1凹部14Aと、第1凹部14Aの先端側に連通する第2凹部14Bと、を有する。チップポケット14の内壁面のうち、工具回転方向Tを向く第2凹部14Bの内壁面(壁面)14bには、切削インサート10が取り付けられるインサート取付座12が形成されている。
本実施形態では、複数(4つ)のチップポケット14が周方向に等間隔に形成されている。4つのチップポケット14の第2凹部14Bのそれぞれに、インサート取付座12が1つずつ形成されている。
(切削インサート)
図3は、本実施形態における切削インサート10の構成を示す斜視図である。
切削インサート10は、図3に示すように、超硬合金等の硬質材料により多角形の板状に形成される。本実施形態の場合、インサート中心軸C周りに鋭角の角と鈍角の角が交互に並ぶ六角形の板状に形成される。切削インサート10は、互いに反対側を向く2つの六角形面2と、2つの六角形面2の周囲に配置される6つの側面3とを備えている。インサート中心軸Cの軸方向から見たときの六角形面2の各辺の長さは略等しい。本実施形態の切削インサート10はネガティブタイプの切削インサートであり、複数の側面3は、インサート中心軸Cに平行な平面状とされている。
切削インサート10の中央には、インサート中心軸Cの軸方向に切削インサート10を貫通する取付孔4が形成されている。取付孔4は、インサート中心軸Cに対して垂直な一対の六角形面2にそれぞれ開口する。取付孔4には、切削インサート10を工具本体11側のインサート取付座12に取り付けるための取付ボルト13が挿入される。
六角形面2には、取付孔4の開口の周りにインサート中心軸Cに垂直な円環状の平面部2aが形成されている。インサート中心軸C方向から見た平面部2aの周囲には曲面部5Aが形成されている。平面部2aは曲面部5Aよりもインサート中心軸C方向の中央部側に位置している。すなわち、切削インサート10の六角形面2において、平面部2aは、曲面部5Aよりも低い位置に位置する。
切削インサート10は、その外周部に複数(6つ)のコーナ部C1,C2を有する。切削インサート10の周方向に、第1のコーナ部C1と、第2のコーナ部C2とが交互に存在する。軸方向から見た第1のコーナ部C1の挟角は、第2のコーナ部C2の挟角よりも小さい。2つの六角形面2において、各々の第1のコーナ部C1に対応する位置には、切刃5がそれぞれ形成されている。具体的には、2つの六角形面2に切刃5がそれぞれ3つずつ形成されている。切刃5は、凹面形状のすくい面5aを有する。すくい面5aは、六角形面2の平面部2aの周囲に形成された曲面部5Aの一部であって第1のコーナ部C1に対応する部分からなる。
すくい面5aは、切削インサート10の外周部に位置する第1のコーナ部C1側が軸方向外側へ最も突出しており、インサート中心軸C側へ行くに従って軸方向内側へと凹む凹状の曲面とされている。このため、切刃5のすくい面5aによって、被切削物がすくい上げられることで生成される切屑30の先端をカールさせることができる。これにより、被切削物の切削面に切屑30が接触したり、切削インサート10と被切削物の切削面との間に切屑30が挟み込まれたりするのを避けることができる。
切削インサート10は、取付孔4に挿通された取付ボルト13がネジ孔12dにねじ込まれることにより、工具本体11のインサート取付座12に固定される。切削インサート10は、一対の六角形面2のうちの一方を工具回転方向Tの前方側に向けた状態で工具本体11に取り付けられる。切削インサート10は、表裏の六角形面2が工具本体11の径方向に平行した姿勢で工具本体11に取り付けられる。
(工具本体)
次に、工具本体11の構成について詳しく説明する。
図1および図5に示すように、本実施形態の工具本体11は、基端面11bに位置する複数のキー溝1Aを有する。工具本体11は、工具本体11の内部にクーラント流路7を有する。工具本体11は、先端面11aに開口し軸方向に延びるクランプボルト挿入孔8を有する。クーラント流路7とクランプボルト挿入孔8とは、工具本体11の内部で軸方向に繋がる。工具本体11の中央は、軸方向に連通するクーラント流路7とクランプボルト挿入孔8とによって貫通した形状となっている。
(キー溝)
キー溝1Aは、図1および図2に示すように、基端面11bに開口するとともに中心軸Oに交差する径方向に延在する凹状の溝である。本実施形態では、工具本体11は4本のキー溝1Aを有する。4本のキー溝1Aは、中心軸Oの軸回りに互いに等しい角度で放射状に並ぶ。各々のキー溝1Aの径方向内側の端部が基端面11bの中央に開口するクーラント流路7に連通する。キー溝1Aの径方向外側の端部は本体部110の外周面110aに開口している。
キー溝1Aには、図示しないアーバーの先端部のキーが嵌め入れられる。工具先端側のクランプボルト挿入孔8から挿入されたクランプボルト9(図5)がアーバーの先端部にねじ込まれることにより、工具本体11がアーバーの先端部に取り付けられる。工具本体11は、アーバーを介して工作機械の主軸に装着される。
(クーラント流路)
図5に示すように、クーラント流路7は、本体部110の基端面11bに開口する入口流路15と、入口流路15の工具先端側に繋がるクーラント溜まり部16と、クーラント溜まり部16に連通する複数の噴射流路19と、を有する。クーラント流路7は、本体部110の工具基端側から流入するクーラントを、インサート取付座12の近傍から噴射する流路である。
入口流路15は、中心軸Oを中心として軸方向に延びる。入口流路15は、一端側が基端面11bの中央に開口し、他端側がクーラント溜まり部16に繋がっている。
入口流路15は、本体部110の工具基端側の部分を軸方向に貫通する。入口流路15は、基端面11bの中央に円形に開口し、工具先端側へ向かって一様な内径で軸方向に延びる。入口流路15の工具基端側に位置する内周面に、キー溝1Aの径方向内側の開口部15aが開口する。
クーラント溜まり部16は、中心軸Oを中心にしてその軸回りに回転対称の形状を有する。クーラント溜まり部16は、切削インサート10に向けて供給するクーラントを貯留するクーラント収容空間Kを内部に有する。クーラント溜まり部16は、入口流路15のキー溝1Aよりも工具先端側に位置する部位15bよりも大きい直径(流路径)を有する。この構成により、クーラント溜まり部16が十分な容積を確保できる。
クーラント溜まり部16の内壁面は、形状の等しい2つの略円錐の最大径側を軸方向に対向させた略双円錐形状である。クーラント溜まり部16の内壁面は、最大径を有する軸方向中央の部位から工具先端側および工具基端側に向かってそれれぞれ縮径する形状を有する。
すなわち、クーラント溜まり部16は、基端面11b側から先端面11a側に向かって漸次拡径する第1の壁面領域R1と、第1の壁面領域R1の基端面11b側の端部から基端面11b側に向かって漸次縮径する第2の壁面領域R2とを有する。
クーラント溜まり部16は、クーラント収容空間Kを軸方向に区画形成する基端側周壁面16a、先端側周壁面16bおよび底面16cを有する。クーラント溜まり部16は、軸方向の中央位置において基端側周壁面16aと先端側周壁面16bとにより形成される頂部16dで直径が最大となる。
基端側周壁面16aは、工具基端側の端部において入口流路15の工具先端側の端部に接続されている。基端側周壁面16aは、先端面11a(頂部16d)側へ行くに従って拡径する第1の壁面領域R1内に位置する。
先端側周壁面16bは、工具基端側の端部において基端側周壁面16aの工具先端側の端部(頂部16d)に接続されている。先端側周壁面16bは、先端面11a側へ行くに従って縮径する第2の壁面領域R2内に位置する。
底面16cは、先端側周壁面16bの工具先端側の端部から径方向内側へ広がる。底面16cは軸方向から見て円環状である。底面16cは、先端側周壁面16bと接続する端部から径方向内側に向かって工具基端側へ傾斜する。底面16cは、基端面11b側へ行くに従って縮径している。底面16cは、径方向から見て、先端側周壁面16bと重なる位置に配置される。
上記構成により、クーラント溜まり部16は、先端側周壁面16bと底面16cとの接続位置16gにおいて、入口流路15との接続位置からの深さが最も深くなっている。底面16cの中央には、クランプボルト挿入孔8が開口する。
本実施形態の本体部110には、外周部に形成された各インサート取付座12の近傍に、クーラント溜まり部16からインサート取付座12に向かって直線状に延びる噴射流路19が複数形成されている。
噴射流路19の一端側は、クーラント溜まり部16の先端側周壁面16bのうち、各インサート取付座12に最も近い傾斜壁面16fに開口する。噴射流路19の他端側は、本体部110の外周面110aであってチップポケット14の内壁面14aに開口する。
本実施形態の工具本体11では、クーラント溜まり部が、工具先端側へ行くに従って径方向内側に向かう傾斜壁面16fを有していることで、傾斜壁面16fから径方向外側かつ工具先端側に向かう斜め方向に、工具本体の肉を確保しやすく、この位置にインサート取付座12を配置しやすい。そして、傾斜壁面16fの径方向外側かつ工具先端側に向かう斜め方向に位置するインサート取付座12に、傾斜壁面16fから噴射流路19を延ばすことで、噴射流路19を短くすることができる。これにより、クーラントに作用する噴射流路19の流路抵抗が少なくなるので、クーラントの圧力を低下させることなく噴射することができる。
また、傾斜壁面16fに対して、噴射流路19を概ね正面から接続することができるため、クーラント溜まり部16から噴射流路19が延びる方向を調整できる範囲が大きくなる。これにより、噴射流路19を曲げることなくクーラントの噴射方向を容易に調整できる。切削インサート10に向けて十分な圧力で正確にクーラントを供給することができるので、切屑を効率よく除去することができるとともに切削インサートの冷却性を高めることができる。
本実施形態では、クーラント溜まり部16は、中心軸Oを中心としてその軸回りに形成されており、工具基端側から工具先端側に向かって漸次縮径する第2の壁面領域R2を有し、噴射流路19が開口する傾斜壁面16fは、第2の壁面領域R2内に位置する。
この構成によれば、クーラント溜まり部16の工具先端側の内壁面が略円錐形状となり、周方向に複数のインサート取付座12が並ぶ工具本体11において、各インサート取付座12に近い位置に上記した噴射流路19を形成することができる。それぞれのインサート取付座12に向かう複数の噴射流路19は、互いに同等の噴射性能を有する噴射流路となるので、複数の切削インサート10に対して均等な圧力でクーラントを供給できる。
本実施形態の工具本体11において、噴射流路19とクーラント溜まり部16との接続部において、傾斜壁面16fの法線と噴射流路19の中心線との交差角度が45°以下である構成としてもよい。この構成によれば、傾斜壁面16fの正面方向から噴射流路が接続されるので、クーラント溜まり部16から噴射流路19が延びる方向を調整できる範囲が大きくなる。これにより、噴射流路19を曲げることなくクーラントの噴射方向を容易に調整できる。
各チップポケット14には、図6に示すように、噴射流路19の出口開口19bが9個配置されている。より詳細には、5個の出口開口19bが一列に並んだ第1の開口列20Aと、4個の出口開口19bが一列に並んだ第2の開口列20Bとを有する。なお、以下の説明で、第1の開口列20Aと第2の開口列20Bとを特に区別しない場合には、「開口列20」と称する。すなわち、各チップポケット14は、複数の噴射流路19の出口開口19bが一列に並んだ開口列20を2列ずつ有する。
第1の開口列20Aと第2の開口列20Bとは、互いに異なる方向へ向かってクーラント25を噴射する(図9)。
第1の開口列20Aは、5本の第1の噴射流路19Aの出口開口19bからなり、インサート取付座12に固定された切削インサート10に向けてクーラント25を噴射する。本実施形態において、第1の開口列20Aを構成する複数の第1の噴射流路19Aは、切削インサート10の切刃5の近傍のすくい面5aに向けてクーラント25を供給する流路である。
第2の開口列20Bは、4本の第2の噴射流路19Bの出口開口19bからなる。第2の開口列20Bは、インサート取付座12に固定された切削インサート10よりも工具回転方向Tの前方側に向けてクーラント25を供給する。本実施形態において、第2の噴射流路19Bは、切削インサート10によって切削された被切削物の切屑30に向けてクーラント25を供給する流路である。
図4および図5に示すように、各開口列20A,20Bを構成する複数の噴射流路19A,19Bの各出口開口19bは、中心軸Oに対して所定の角度で傾斜する第1凹部14Aの内壁面14aの傾斜に沿って配列されているとともに、径方向から見てほぼ軸方向に一列に並んで配列されている。開口列20A、20Bにおいて、複数の出口開口19bが並ぶ方向は、切削インサート10の外周刃の延びる方向と概ね平行である。
第1の開口列20Aおよび第2の開口列20Bは、チップポケット14における第1凹部14Aの内壁面14aにおいて、工具回転方向Tに間隔をおいて互いにほぼ平行に配置される。第1の開口列20Aは、切削インサート10が取り付けられる第2凹部14Bの近傍に形成され、第2の開口列20Bは、第1の開口列20Aよりも工具回転方向Tの前方側に形成されている。
第1の開口列20Aと第2の開口列20Bとでは、各開口列20A,20Bを構成する噴射流路19の出口開口19bの数が異なっていてもよい。本実施形態の場合、切削インサート10に向けてクーラント25を供給する第1の開口列20Aの方が、切屑30に向けてクーラント25を供給する第2の開口列20Bよりも噴射流路19の数が多い。第1の開口列20Aは5つの噴射流路19Aの出口開口19bからなり、第2の開口列20Bは4つの噴射流路19Bの出口開口19bからなる。
なお、開口列20A,20Bを構成する噴射流路19の開口の数は、上述した数に限られず、適宜変更が可能である。例えば、切削インサート10の大きさや切屑30の大きさおよび量等に応じて、本体部110に設ける噴射流路19の数を増減させて、各開口列20A,20Bを構成する噴射流路19の開口の数を変えてもよい。各開口列20A,20Bにおける噴射流路19の数は、少なくとも3つ以上である。
また、本実施形態の本体部110には、チップポケット14ごとに開口列20が2列以上形成されているが、3列以上形成されていてもよい。3列以上の開口列20が配置される場合に、開口列20を構成する出口開口19bの数を複数の開口列で揃えてもよく、開口列ごとに異ならせてもよい。
なお、第1の開口列20Aと第2の開口列20Bとでそれぞれを構成する複数の噴射流路19A,19Bの流路径(出口開口19bの開口径)が互いに異なっていてもよい。また、各開口列20A,20B内においても、各開口列20A,20Bを構成する複数の噴射流路19の流路径(出口開口19bの開口径)がそれぞれ異なっていてもよい。
本実施形態では、本体部110の中央に大きなクーラント溜まり部16を設け、本体部110の外周部に設けられた複数の切削インサート10の近傍に、クーラント溜まり部16から各切削インサート10に向かって複数の噴射流路19を延ばしている。各噴射流路19は、クーラント溜まり部16からチップポケット14の内壁面14aに向かって途中で分岐することなく直線状に延びている。本実施形態では細い流路を分岐しない構成のため、噴射流路19内でクーラント25の圧力低下が生じにくく、出口開口19bからクーラント25が勢いよく噴射される。本実施形態では、本体部110に設けられたすべての噴射流路19は互いに概ね同じ形状となっている。各噴射流路19の形状、長さを揃えることで、噴射流路19ごとの流路抵抗のばらつきを抑制でき、各出口開口19bからの噴射圧力を均一化できる。
噴射流路19は、クーラント溜まり部16からインサート取付座12に向かって漸次縮径したテーパー形状(図7)とされている。クーラント溜まり部16に連通する一端側の入口開口19aの開口径よりも、チップポケット14に連通する他端側の出口開口19bの開口径の方が小さい縮径テーパー形状をなすことで、出口開口19b側から噴出されるクーラント25の流速を高めることができる。本実施形態では、噴射されるクーラント25の流速は、約7〜9m/sである。
噴射流路19には、図7および図8に示すように、内側の内周面に螺旋形状の螺旋溝19dが形成されている。本実施形態では、噴射流路19の周方向に複数(4本)の螺旋溝19dが存在し、いずれの螺旋溝19dも噴射流路19の入口開口19a側から出口開口19bにかけて螺旋を描くように形成されている。
本実施形態では、4本の螺旋溝19dの幅および深さは、互いにほぼ同じである。4本の螺旋溝19dは、噴射流路19の内周面の周方向においてほぼ等間隔に配置される。各螺旋溝19dは、それぞれの螺旋溝19dが延びる方向において一様な幅および深さに形成される。これらの構成とすることで、螺旋溝19dを形成することによる流路抵抗の上昇を抑制できる。噴射圧力の低下を抑えつつ、噴射されるクーラントの直進性を高めることができる。
ここで、本実施形態の噴射流路19は、図4に示す軸方向から見ると、噴射流路19の延在方向は、径方向に対して交差する方向である。図4において、角度θ1は、第1の開口列20Aに属する噴射流路19Aの入口開口19aを通って径方向に延びる直線S1と、噴射流路19Aの中心線N1との交差角度である。角度θ2は、第2の開口列20Bに属する噴射流路19Bの入口開口19aを通って径方向に延びる直線S2と、噴射流路19Bの中心線N2との交差角度である。本実施形態では、角度θ1と角度θ2とは互いに異なる角度であり、いずれも45°以下である。
工具本体11の工具回転方向T(図4では反時計回り方向)において、噴射流路19A,19Bの中心線N1,N2は、いずれも径方向に延びる直線S1,S2よりも後方側へ向かって延びている。この構成によれば、直線状の噴射流路19A,19Bを、工具回転方向Tの前方側から切削インサート10に向かう方向に配置できる。噴射流路19A、19Bを曲線形状とすることなく、各出口開口19bから切削インサート10側へ向けてそれぞれクーラント25を噴射させることができる。
本実施形態では、角度θ1と角度θ2とを異ならせることによって、第1の開口列20Aおよび第2の開口列20Bから噴射させるクーラント25の噴射方向をそれぞれ最適化することができる。本実施形態の場合、角度θ2よりも角度θ1の方が大きく、噴射流路19Bよりも噴射流路19Aの方が、本体部110の径方向に対して工具回転方向Tの後方側へより傾いている。これにより、噴射流路19Aから噴射するクーラント25を切削インサート10のすくい面5aに向かわせやすくしている。
クランプボルト挿入孔8は、工具本体11を工具機械に接続するためのクランプボルト9が挿入されるボルト孔である。クランプボルト挿入孔8は、一端側がクーラント溜まり部16の底面16cの中央に開口し、他端側が先端面11aに開口している。クランプボルト挿入孔8は、互いに径の異なる第1貫通孔81および第2貫通孔82が軸方向に繋がった貫通孔である。第1貫通孔81および第2貫通孔82は、中心軸Oを中心とする同軸位置にある。第1貫通孔81および第2貫通孔82は、いずれも、クーラント流路7を構成する入口流路15よりも小さい径を有する。
第1貫通孔81は、クーラント溜まり部16に連通するとともにその底面16cの中央に開口する。第2貫通孔82は、工具基端側が第1貫通孔81に連通するとともに、工具先端側が先端面11aの中央に開口する。クランプボルト挿入孔8内には、本体部110の先端面11a側からクランプボルト9が挿入される。第1貫通孔81にクランプボルト9の軸部9bが通され、第2貫通孔にクランプボルト9の頭部9aが挿入される。
クランプボルト9は、中心軸Oに沿って軸部9bの中央に形成されたクーラント流路91を有している。クーラント流路91は、一端側がボルト先端面に開口する主流路91aと、主流路91aの他端側に連通する複数の分岐流路91bとにより構成される。各分岐流路91bは、軸部9bの外周面に開口しており、クーラント溜まり部16に連通する。
工具本体11と複数の切削インサート10とによって構成される刃先交換式切削工具100は、工具本体11の後端側に取り付けられる図示しないアーバーを介して工具機械200の主軸に取り付けられる。本体部110に形成されたクーラント流路7の入口流路15は、アーバーによって塞がれる。アーバーのクーラント流路は、クランプボルト9のクーラント流路91に繋がる。クランプボルト9のクーラント流路91は、本体部110のクーラント溜まり部16に繋がる。アーバーのクーラント流路からクランプボルト9のクーラント流路91を通じて、本体部110のクーラント溜まり部16にクーラント25が供給される。
本実施形態の刃先交換式切削工具100では、クランプボルト9を通ってクーラント流路7内に流入したクーラント25は、クーラント溜まり部16内のクーラント収容空間Kを満たす。クーラント収容空間Kに満たされたクーラント25が、複数の噴射流路19A,19Bを通って、各チップポケット14の内壁面14aに開口する第1の開口列20Aおよび第2の開口列20Bから径方向外側へ噴射される。噴射されたクーラント25は、図9に示すように、切削インサート10の切刃5の周辺に向けて噴射される。本実施形態では、第1の開口列20Aと第2の開口列20Bとで、各チップポケット14の内壁面14aに開口する位置が工具回転方向Tで互いに異なっていることから、クーラント25は、工具回転方向の前後にずれた2方向に噴射される。
図9に示すように、第1の開口列20Aからは切削インサート10のすくい面5aに向けてクーラント25が噴射される。さらに、第1の開口列20Aの出口開口19bは切刃5が延びる方向に沿って並んでいるため、クーラント25は切刃5が延びる方向に幅広い形状で噴射される。すくい面5aの広い範囲にクーラント25を供給できるため、被切削物を切削することで高温になる切刃5を素早く冷却することができる。また、クーラント25が切屑30とすくい面5aとの間に入り込むので、切屑30を小さくカールさせやすい。切屑30が被切削物と切削インサート10との間に入り込みにくくなる。
第2の開口列20Bからは切削インサート10よりも工具回転方向Tの前方側に向けてクーラント25が噴射される。図9に示すように、切刃5によって削り出された切屑30は、すくい面5aの工具回転方向Tの前方側でカールされながら工具基端側へ延びる。本実施形態では、第2の開口列20Bから噴射されるクーラント25により、すくい面5aの前方側に位置する切屑30を狙い撃ちする。これにより、生成された切屑30に対して、外周側へ折り曲げる力を作用させ、切屑30を折り取ることができる。従って、切屑30を細かく分断しながら素早く弾き飛ばすことができる。切削インサート10と被切削物との間に切屑30が入り込むのを抑制できる。第2の開口列20Bの出口開口19bも切刃5が延びる方向に沿って並んでいるため、クーラント25は軸方向に幅広い形状で噴射される。したがって、第2の開口列20Bから噴射されるクーラント25のほぼ全部を切屑30に対して当てることができる。少ない量のクーラント25で切屑30を正確に弾き飛ばすことができる。
本実施形態では、各チップポケット14の内壁面14aに2段の開口列20A,20Bを設けるとともにこれらの開口位置を工具回転方向Tにずらした構成となっている。これにより、切削インサート10の切刃5と、切刃5によって生成される切屑30との双方に向かって同時にクーラント25を噴射させることが可能である。そのため、切屑30の処理性と切刃5の冷却効果を同時に向上させることができる。また、難削材の加工を行った場合であっても切削インサート10の切れ味が衰えるのを防ぐことができ、工具寿命の延長が期待できる。
また、本実施形態の噴射流路19は、クーラント溜まり部16からチップポケット14の内壁面14a(インサート取付座12)に向かって漸次縮径したテーパー形状とされているため、オリフィス部品を用いることなく噴射するクーラント25の流速を高めることができ、切削インサート10の冷却効率および切屑30の処理効率をより向上させることができる。
また、噴射流路19の内周面には、螺旋状の螺旋溝19dが形成されている。噴射流路19から噴射されるクーラント25は、螺旋溝19dによって旋回流となって噴射される。噴射流路19内に複数の螺旋溝19dを設けておくことで、旋回流を効率良く発生させることができる。これにより、クーラント25の噴射方向への直進性と流速が高まり、噴射方向先端側において広がりにくくなる。その結果、切削インサート10の切刃5および切屑30に対してそれぞれ狙いを定めることができ、切屑30の除去効率、切削インサート10の冷却効率を高めることができる。
また、工具本体11において、各開口列20A,20Bを構成する複数の噴射流路19A,19Bは、中心軸Oに沿う方向に並んで配列されている。この構成によれば、切削インサート10の外周刃に沿って広い範囲に満遍なくクーラント25を噴射することができるとともに、生成された切屑30に対しても、切屑30が延びる方向に沿って広い範囲にクーラント25を噴射することができる。これにより、切削インサート10の冷却効率と切屑30の除去効率をより一層高めることができる。
また、各噴射流路19は、クーラント溜まり部16のうち、チップポケット14に近い傾斜壁面16fに開口している。傾斜壁面16fは、チップポケット14の内壁面14aに沿って傾斜しているため、クーラント溜まり部16からインサート取付座12に向かって延びる噴射流路の長さを短くすることができ、噴射流路内でクーラントの圧力を低下させることなく噴射することができる。
また、傾斜壁面16fに噴射流路19を設けることで噴射流路19が延びる方向を調整することができる。このため、クーラント25の噴射方向を容易に制御することができ、切削インサート10に向けて十分な圧力で正確にクーラント25を供給することができる。また、複数の噴射流路19の長さを揃えることで、噴射流路19ごとの流路抵抗を揃えることができる。これにより、噴射されるクーラント25の圧力を均一化することができ、切屑30を効率よく除去することができるとともに切削インサート10の冷却性を高めることができる。
また、工具本体11は、本体部110内にクーラント溜まり部16から外周面110aに向かって延びる径の細い複数の噴射流路19を有することから、3Dプリンタを用いて作製することによって、射出成形や切削加工によって作製する場合に比べて複雑な形状を容易に作製することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
5…切刃
5a…すくい面
7,91…クーラント流路
10…切削インサート
11…工具本体
12…インサート取付座
14…チップポケット(凹部)
14a…内壁面
14b…内壁面(壁面)
15…入口流路
16…クーラント溜まり部
16f…傾斜壁面
19,19A,19B…噴射流路
20…開口列
20A…第1の開口列
20B…第2の開口列
25…クーラント
100…刃先交換式切削工具
110…本体部
110a…外周面
O…中心軸
R1…第1の壁面領域
R2…第2の壁面領域(壁面領域)
T…工具回転方向

Claims (8)

  1. 中心軸の軸周りに回転して被切削物を切削する刃先交換式切削工具に用いられる工具本体であって、
    中心軸の軸周りに回転可能な本体部と、
    前記本体部の外周部に位置するとともに被切削物を切削するための切削インサートを取り付け可能なインサート取付座と、
    を備え、
    前記本体部は、工具基端側からクーラントを流入させ、前記インサート取付座の近傍から前記クーラントを噴射するクーラント流路を有し、
    前記クーラント流路は、
    前記本体部の工具基端側に位置する入口流路と、
    前記入口流路の工具先端側に繋がり、前記入口流路よりも大きい流路径を有するクーラント溜まり部と、
    前記クーラント溜まり部から前記インサート取付座に向かって延びる複数の噴射流路と、
    を有し、
    前記クーラント溜まり部は、工具先端側へ行くに従って径方向内側に向かう傾斜壁面を有し、前記傾斜壁面に前記噴射流路が開口している、
    工具本体。
  2. 前記クーラント溜まり部は、前記中心軸を中心としてその軸回りに形成されており、工具基端側から工具先端側に向かって漸次縮径する壁面領域を有し、
    前記噴射流路が開口する前記傾斜壁面は、前記壁面領域内に位置する、
    請求項1に記載の工具本体。
  3. 前記クーラント溜まり部は、工具基端側から工具先端側に向かって漸次拡径する第1の壁面領域と、
    前記第1の壁面領域の工具先端側の端部から工具先端側に向かって漸次縮径する第2の壁面領域と、
    を有し、
    前記噴射流路が開口する前記傾斜壁面は、前記第2の壁面領域内に位置する、
    請求項1または2に記載の工具本体。
  4. 前記噴射流路は、前記クーラント溜まり部との接続部から工具回転方向の後方側へ延びる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の工具本体。
  5. 前記噴射流路は、前記傾斜壁面から前記本体部の外周面に向かって直線状に延びる、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の工具本体。
  6. 前記本体部は、前記先端部の外周に複数の凹部を有し、
    前記凹部の内壁面の一部に前記インサート取付座が形成されているとともに、前記内壁面のうち前記インサート取付座以外の壁面に前記クーラント流路の前記他端側が開口している、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の工具本体。
  7. 前記本体部は、3Dプリンタによって作製される、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の工具本体。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の工具本体と、
    前記工具本体に対して着脱可能に取り付けられる複数の前記切削インサートと、を備える、
    刃先交換式切削工具。
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