JP2021159815A - 減圧ろ過装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ろ過操作の準備のための時間や労力を省くことができ、簡単にろ過操作を実施することができる減圧ろ過装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る減圧ろ過装置1は、ビーカー300(容器)の上方に、フィルター250を配した漏斗200を設け、前記漏斗200に原液を注液し、前記ビーカー300(容器)内を減圧することで、前記フィルター250上に残渣を残し、前記ビーカー300(容器)側にろ液を流下させることで原液を分離する減圧ろ過装置において、前記漏斗200が上方に配される第1基台10と、前記ビーカー300(容器)の上方に配される主貫通孔13と、前記第1基台10と前記主貫通孔13とを連通し、前記漏斗200の導下管270が挿通される主貫通孔13と、前記主貫通孔13内と前記ビーカー300(容器)内からの排気を行う吸引口18と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、漏斗に注いだ原液に対して、減圧により容器側にろ液を流下させ、漏斗のフィルター側に残渣を残すようにして、当該原液を固液分離する減圧ろ過装置に関する。
減圧ろ過は湿式化学を行う際に頻繁に行われる操作であり、有機化学、無機化学、分析化学などの基礎科学分野からライフサイエンス分野まで幅広い分野で定常的に行われている。
このような減圧ろ過は長い歴史があり、これまでの減圧ろ過操作はろ過鐘を用いる方法が一般的である。
例えば、特許文献1(実開昭61−115113号公報)には、真空用パッキンにゴム状体を備えたろ過鐘を用い、作業性、安全性を向上させた吸引濾過器が記載されている。
実開昭61−115113号公報
ろ過鐘を用いた減圧ろ過操作では、操作のたびにろ過鐘内にビーカー等を設置したり、ろ過鐘を真空ポンプに接続したりする必要があり、準備に多大な時間を要する、という問題があった。また、ろ過鐘はガラス製のために重量があり、扱いが困難であった。このため、減圧ろ過操作のたびに、ろ過鐘を上げ下げすることは重労働となっていた。以上のように、従来の減圧ろ過操作では、準備に要する時間が多く手間がかかると共に、重量のあるろ過鐘を扱う労力が多大である、という問題があった。
上記のような問題点を解決するために、本発明に係る減圧ろ過装置は、容器の上方に、フィルターを配した漏斗を設け、前記漏斗に原液を注液し、前記容器内を減圧することで、前記フィルター上に残渣を残し、前記容器側にろ液を流下させることで原液を分離する減圧ろ過装置において、前記漏斗が上方に配される第1基台と、前記容器の上方に配される第2基台と、前記第1基台と前記第2基台とを連通し、前記漏斗の導下管が挿通される貫通孔と、前記貫通孔内と前記容器内からの排気を行う吸引口と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る減圧ろ過装置は、前記第1基台の前記漏斗と接触する部分には、第1密封部材が配されると共に、前記第2基台の前記容器と接触する部分には、第2密封部材が配されることを特徴とする。
また、本発明に係る減圧ろ過装置は、前記第1基台と前記第2基台とが、昇降動作する昇降部に設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る減圧ろ過装置は、前記昇降部が、アクチュエーターの駆動によって昇降動作することを特徴とする。
また、本発明に係る減圧ろ過装置は、前記貫通孔内と前記容器内の圧力を検出する圧力センサーと、前記圧力センサーから検出値を受信すると共に、前記圧力センサーからの検出値に基づいて前記アクチュエーターに対して制御指令を発信する制御部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る減圧ろ過装置は、前記吸引口から排気を行うポンプを有し、前記制御部が、前記圧力センサーからの検出値に基づいて前記ポンプに対して制御指令を発信することを特徴とする。
また、本発明に係る減圧ろ過装置は、前記漏斗が合成樹脂材料で構成されることを特徴とする。
本発明に係る減圧ろ過装置は、吸引口から排気することで、ろ過操作を行うことできるので、このような本発明に係る減圧ろ過装置によれば、ろ過鐘を扱う必要がなくなり、ろ過操作の準備のための時間や労力を省くことができ、簡単にろ過操作を実施することができるようになる。
本発明の実施形態に係る減圧ろ過装置1の概略構成を示す図である。 漏斗200を構成する導液部260の底部上面266の詳細構造を説明する図である。 本発明の実施形態に係る減圧ろ過装置1の昇降部5の構成を説明する図である。 本発明の実施形態に係る減圧ろ過装置1による減圧ろ過操作の概要を説明する図である。 本発明の実施形態に係る減圧ろ過装置1の制御フローチャートの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る減圧ろ過装置1(排気系統、信号系統は不図示)の状態を示す図である。 減圧ろ過操作に伴う圧力センサー38で出力される圧力検出値のプロフィール一例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る減圧ろ過装置1の概略構成を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る減圧ろ過装置1の概略構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。 図1は本発明の実施形態に係る減圧ろ過装置1の概略構成を示す図である。本発明に係る減圧ろ過装置1は、既存の減圧ろ過操作とは異なり、ろ過鐘を用いないものである。
減圧ろ過操作には、原液を残渣(ろ物)から分離することによって得られる、ろ液の受け容器として、例えばビーカー300が用いられる。このビーカー300の上方に、フィルター250を配した漏斗200が設けられ、減圧ろ過操作が実施される。本発明に係る減圧ろ過装置1においても、漏斗200には原液を注液し、ビーカー300側にろ液を流下させ、フィルター250上には残渣を残すようにして原液を分離するが、本発明に係る減圧ろ過装置1においては、ビーカー300内の空間を減圧することで、この原液の分離を行うようにしている。
本発明に係る減圧ろ過装置1において用いる得る漏斗は、その底の部分が、昇降部5の第1基台10の形状に沿っていれば、どのようなものも用い得るが、本実施形態では、底部265が平板状の漏斗200を用いるようにしている。
また、本発明で用いる漏斗を構成するための材料はガラスや金属でもよいが、本実施形態では漏斗200を、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレンなどの合成樹脂材料で構成している。従来、減圧ろ過操作に多用されていた漏斗はガラス製であることが多いため使い捨てとすることができなかったが、本実施形態では漏斗200が合成樹脂材料であるため安価に使い捨てとすることができる。
また、これまで市販されている既存の使い捨ての漏斗は、フィルターと漏斗とが一体化しているため、フィルター単体での取り外しができなかったが、本実施形態で用いるフィルター250は漏斗200と分離可能な構成としている。これにより、減圧ろ過操作後の残渣の取り扱いが容易となっている。フィルター250としては、例えばセルロース繊維からなる一般的なものを用いることができる。
図1において、漏斗200は分解状態で図示されている。本実施形態に係る漏斗200自体は、貯液部220と、導液部260とから構成されている。貯液部220は大径の第1円筒部221と、小径の第2円筒部232と、大径の第1円筒部221から小径の第2円筒部232へと続く円錐壁部225とを有している。
また、導液部260は、前記第2円筒部232の外周を、仮固定的に内嵌できる寸法を有する筒状壁部262と、この筒状壁部262と連通し漏斗200自体の底を形成する底部265と、この底部265の中央に設けられる導下開口267と、この導下開口267から続くチューブ状の導下管270と、導下管270の下方先端部を構成する排出口275とを有している。
フィルター250は、第2円筒部232の底端部235と、導液部260の底部265とで、挟持されるようにして、漏斗200に装着されている。また、フィルター250は、貯液部220と、導液部260とを分離することで取り外せるようになっている。このように、本実施形態で用いる漏斗200は、フィルター250の着脱が容易とされている。
フィルター250が載置される導液部260の底部上面266の構造についてより詳しく説明する。図2は漏斗200を構成する導液部260の底部上面266の詳細構造を説明する図である。図2(A)は導液部260の底部上面266の写真であり、図2(B)は図2(A)におけるX−X’断面図である。
フィルター250が載置される底部上面266においては、最底面268と、その最底面268から所定の高さを有する凸状部269とを設けるようにする。本実施形態で用いる漏斗200では、このような凸状部269によってフィルター250を少し浮かせる構造となっている。
図2に示す例では、凸状部269が平面視で円弧状のものが、離間しつつ同心上に複数配された構造となっている。フィルター250を通過したろ液は、隣り合う凸状部269が形成する溝の中を流れて、導下管270へと落ちるようになっている。仮にこのような凸状部269がないとフィルター250と最底面268とが密着してしまい効率的なろ過を行うことができない。なお、本実施形態で用い得る漏斗200は、図2に示すような凸状部269の配置パターンに限定されるものではなく、最底面268に設ける凸状部269の配置パターンはその他のパターンも適宜採用し得る。
図3は本発明の実施形態に係る減圧ろ過装置1の昇降部5の構成を説明する図である。減圧ろ過操作時、上記のような漏斗200を載置する昇降部5は、上方に漏斗200が配される第1基台10と、下方にビーカー300が配される第2基台20と、第1基台10と第2基台20とを連結する連結部12とから構成されている。このような昇降部5は、例えば合成樹脂材料などで構成することができる。
主貫通孔13は、第1基台10と第2基台20と連結部12とを貫通する孔であり、減圧ろ過操作時、この主貫通孔13には、漏斗200の導下管270が挿通された状態となる。ここで、昇降部5に漏斗200が載置されたとき、導下管270の下方先端部を構成する排出口275は、主貫通孔13を貫通しきる寸法とされることが好ましい。
連結部12の一部には引出部16が設けられており、この引出部16内部には、主貫通孔13と連通する副貫通孔17が設けられている。副貫通孔17を構成する空洞は、吸引口18とつながっており、吸引口18からの排気により、主貫通孔13、副貫通孔17内の気圧を低下させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、吸引口18が設けられた引出部16を連結部12に設けるようにしているが、このような引出部16を連結部12に設けることは必須の要件ではない。要は、漏斗200の排出口275と、ビーカー300内の空間の圧力を大気圧より低くするように吸引口18から排気することができれば、引出部16を他の位置に設けるようにしてもよい。
昇降部5の第1基台10の上面で漏斗200と接触する部分には、平面視ドーナッツ状の第1密封部材41が貼着されている。また、第2基台20下面でのビーカー300の開口周縁310と接触する部分には、平面視ドーナッツ状の第2密封部材42が貼着されている。第1密封部材41や第2密封部材42には、シール性が高いニトリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴムなどのゴム材料を好適に用いることができる。
上記のような第1密封部材41が設けられているため、第1基台10の上面に漏斗200の底部265が載置された場合、第1基台10側の主貫通孔13がシールされることとなる。一方、第2基台20の下面の第2密封部材42は、昇降部5が降下されて、ビーカー300の開口周縁310と第2密封部材42とが接触すると、ビーカー300の開口周縁310がシールされることとなる。
位置センサー内蔵アクチュエーター50は、図において上下方向に伸縮する伸縮桿52を有している。この伸縮桿52を駆動するエネルギーは電気であってもよいし、圧縮空気であってもよい。また、位置センサー内蔵アクチュエーター50の下面は器具台部3に取り付けられている。
位置センサー内蔵アクチュエーター50の伸縮桿52は昇降部5に固着されており、位置センサー内蔵アクチュエーター50が駆動されることで、昇降部5が昇降するようになっている。昇降部5が昇降することで、本発明に係る減圧ろ過装置1は、昇降部5の第2基台20側がビーカー300と離間した状態と、昇降部5の第2基台20側がビーカー300と当接した状態と、の2態をとることができるようになっている。
ここで、本明細書では 前者の状態のとき、位置センサー内蔵アクチュエーター50の伸縮桿52や昇降部5が「高」状態であるものとし、後者の状態のとき、位置センサー内蔵アクチュエーター50の伸縮桿52や昇降部5が「低」状態であるものとして説明する。
なお、本実施形態では、昇降部5を高い位置とするか、低い位置とするかの変更を、位置センサー内蔵アクチュエーター50の駆動によって実現するようにしているが、このような変更を手動によるように構成することもできる。
昇降部5の引出部16における吸引口18は、配管30を介してポンプ35が接続されており、吸引口18からの排気を行うことができるようになっている。図4は本発明の実施形態に係る減圧ろ過装置1による減圧ろ過操作の概要を説明する図である。図4に示すように、昇降部5が「低」状態とされた上で、ポンプ35によって排気動作を行うことで、副貫通孔17と、これに連通している主貫通孔13と、さらにこれに連通しているビーカー300内の空間は、大気圧より低い気圧とされる。これにより、漏斗200に注液された原液は、フィルター250上で残渣を残し、ろ液がビーカー300に滴下し、固体分と液体分とが分離されることとなる。
配管30には、圧力センサー38が設けられており、配管30内の圧力、すなわち、配管30と連通している副貫通孔17と主貫通孔13における圧力を検出することができるようになっている。圧力センサー38による圧力の検出値は、制御部100に送信されるようになっている。なお、図面において点線の矢印は信号の流れを示している。
制御部100は、例えば、CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用のマイクロコンピューターなどの情報処理装置を用いることができる。このような制御部100は、図1、図4等で接続される各構成とデータ通信を行い、各構成から所定のセンシングデータを受信して演算を行ったり、制御指令などのコマンドデータを発信したりすることができるようになっている。
昇降部5の吸引口18から排気を行うポンプ35は、制御部100と接続されており、制御部100からの制御指令に基づいてオンオフすることができるようになっている。ポンプ35としては、例えばダイヤフラムポンプを用いることができる。
配管30中には、電磁弁39が設けられている。通常、この電磁弁39は閉じられた状態とされているが、電磁弁39を開放することで、配管30内の圧力を大気圧と同様にするパージを行うことができる。電磁弁39は、制御部100からの制御指令に基づいて、開放動作を行う。
また、制御部100は、位置センサー内蔵アクチュエーター50で検出される伸縮桿52の位置に係るデータを取得することができるようになっている。本実施形態では、位置センサー内蔵アクチュエーター50は伸縮桿52が「高」であるか「低」であるかを検出し、これを制御部100に送信する。
制御部100には、減圧ろ過装置1のユーザーが操作する入出力部110が設けられている。この入出力部110によって、減圧ろ過装置1側からユーザーに対して、情報を報知するための出力を行うことができ、また、ユーザーは減圧ろ過装置1に対して、所望する動作等を入力することができる。
入出力部110の出力機能は、例えば、表示パネル、表示ランプ、音声出力などによって実現することができる。また、入出力部110の入力機能は、例えば、タッチパネル、押しボタンスイッチ、音声入力などによって実現することができる。
以上のように構成される本発明に係る減圧ろ過装置1の動作例を説明する。図5は本発明の実施形態に係る減圧ろ過装置1の制御フローチャートの一例を示す図である。図5において、右欄は制御部100のステップを示しており、左欄は入出力部110のステップを示している。
図6は本発明の実施形態に係る減圧ろ過装置1の状態を示す図である。図6において、(A)から(F)の順で、減圧ろ過操作の手順が進んでいく様子を示している。また、図6において、減圧ろ過装置1の排気系統、及び信号系統は図示省略されている。
図5のステップS200において、入出力部110でユーザーによる減圧ろ過装置1の主電源(不図示)がオンされたことが検出されると、続く制御部100のステップS101では、位置センサー内蔵アクチュエーター50からの検出信号に基づいて、伸縮桿52の状態が「高」であるか否かが判定される。この判定結果がYESである時には、ステップS201に進む。
このステップS101の判定結果がNOである場合、すなわち、昇降部5が下がっており、伸縮桿52の状態が「低」であるときには、ステップS102に進み、圧力センサー38で検出される圧力検出値が大気圧と等しいか否かが判定される。
ステップS102における判定結果がYESであると、続いて、ステップS104に進み、位置センサー内蔵アクチュエーター50の伸縮桿52の状態を「高」とするよう制御信号を発信する。これにより、昇降部5が上がり、ステップS101の判定はYESとなり、ステップS201に進む。
一方、ステップS102における判定結果がNOであると、S103に進み、電磁弁39にパージ制御指令を発し、電磁弁39を開放し、配管30内の圧力は大気圧とされる。このようなパージを行った後には、ステップS102に戻り、圧力センサー38で検出される圧力検出値が大気圧と等しいかが再度チェックされる。
ステップS201では、入出力部110からユーザーに対して、漏斗200やビーカー300などの器具を、減圧ろ過装置1にセットすることができる状態であることを報知する。図6(A)はこのときの減圧ろ過装置1の状態を示している。ここで、ユーザーは漏斗200とビーカー300とを減圧ろ過装置1にセットして、図6(B)の状態として、入出力部110から器具セット完了の旨の入力を実行する。
続く、ステップS105で制御部100は、圧力センサー38から得られる圧力検出値が、大気圧を等しいか否かを判定する。ステップS105の判定結果がNOであれば、装置において何かの異常が発生していることが考えられるので、入出力部110などにエラー表示し、制御処理を中断する。
一方、圧力センサー38で大気圧が検出され、ステップS105の判定結果がYESであれば、ステップS106で、位置センサー内蔵アクチュエーター50の伸縮桿52の状態を「低」とするよう制御信号を発信する。このときの減圧ろ過装置1の状態が、図6(C)に示されている。図6(C)の状態では、第2基台20下面でのビーカー300の開口周縁310が接触した状態となる。
続いて、ステップS203で入出力部110においてユーザーに対して、漏斗200に分離対象となる原液の注液をすることができるようになった旨を報知する。ここで、図6(D)に示すように、ユーザーは漏斗200に原液を注液し、ステップS204で入出力部110から、原液の注液が完了した旨の入力を実行する。
ステップS204で、入出力部110に対する入力がなされると、続いてステップS107で制御部100は、ポンプ35に対してオンするように制御指令を発する。すると、ポンプ35が駆動され、吸引口18からの排気が行われビーカー300内の空間が減圧される。これに伴い、図6(E)に示すように、漏斗200に注液されている原液は大気圧との気圧差でビーカー300側に引かれる。このとき、ろ液のみがビーカー300側に流下し、フィルター250上に残渣が残留する減圧ろ過操作が実施される。
制御部100は、圧力センサー38で検出される圧力検出値がモニターされている。図7は減圧ろ過操作に伴う圧力センサー38で出力される圧力検出値のプロフィール一例を示す図である図7において、横軸は時間を示しており、縦軸は圧力検出値を示している。
図6において、ポンプ35がオンとされた後、(p)の期間では圧力センサー38からの圧力検出値は比較的速いペースで減っていきろ過操作が進行していく。漏斗200中の原液が全てフィルター250を通過する前後では、極小値をとりつつ一定の期間推移し((q)の期間)、その後、再び(r)の期間で示すように圧力検出値は漸増していく。その後、(s)の期間で、ΔP=(大気圧)−(圧力検出値)は、ほぼ一定で推移する。このΔPはポンプ35の排気能力に依存している。
ステップS108では、上記のようなΔPが一定値以下であり、かつ、上記のような(s)として検出される期間が予め定めておいた時間T以上経過したか否かが判定される。本発明に係る減圧ろ過装置1では、定常期間(s)を検出することで、ろ過操作が完了したか否かを判定するようにしている。
ステップS108における判定がYESとなると、続いてステップS109に進み、ポンプ35がオフとされる。続くステップS110では、電磁弁39にパージ制御指令を発し、電磁弁39を開放する。これにより、配管30内の圧力は大気圧とされ、原液の粘性などの特性によらずビーカー300内の空間が大気圧とされる。これにより、昇降部5が上昇する際、ビーカー300と第2密封部材42とが離れないようなトラブルを防止できる。
ステップS111では、圧力センサー38で検出される圧力検出値が大気圧と等しいか否かが判定される。ステップS111における判定結果がYESであると、続いて、ステップS112に進み、位置センサー内蔵アクチュエーター50の伸縮桿52の状態を「高」とするよう制御信号を発信する。これにより、昇降部5を上昇させる。
ステップS113では、位置センサー内蔵アクチュエーター50から得られる伸縮桿52の位置が、「高」であるかを判定することで、確実に昇降部5が上昇していることを確認する。ステップS113における判定がYESとなると、ステップS205に進み、入出力部110で、減圧ろ過操作が完了して漏斗200、ビーカー300の取り出しが可能である旨の報知をユーザーに対して行う。
このような報知に対応して、ユーザーは、ろ液が入ったビーカー300と、残渣が残留しているフィルター250を含む漏斗200とを、減圧ろ過装置1から取り出すことが可能となる。
以上のような、本発明に係る減圧ろ過装置1は、吸引口18から排気することで、ろ過操作を行うことできるので、このような本発明に係る減圧ろ過装置1によれば、ろ過鐘を扱う必要がなくなり、ろ過操作の準備のための時間や労力を省くことができ、簡単にろ過操作を実施することができるようになる。
また、本発明に係る減圧ろ過装置1では、位置センサー内蔵アクチュエーター50などを用いることで、ろ過操作の多くの工程を自動的に行うことが可能となり、これまでの手作業によるろ過操作に伴う労力から解放される。
また、本発明に係る減圧ろ過装置1において、本実施形態のような使い捨ての漏斗200を利用すれば、フィルター250上に残った残渣を簡便に取り出すことが可能となる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図8は本発明の他の実施形態に係る減圧ろ過装置1の概略構成を示す図である。本図において、排気系統、信号系統は図示省略している。本実施形態は、本発明に係る減圧ろ過装置1と、本発明者によるピペットシステム(特願2019−60067号)とを組み合わせたものとなる。
上記のピペットシステムでは、多関節ロボット180によって電動ピペット190を移動させて、指定した位置で分注を行うことを実現した。このようなピペットシステムを、本発明に係る減圧ろ過装置1と組み合わせることで、減圧ろ過操作における漏斗200への原液の注液工程を自動化することが可能となる。
このような実施形態によれば、先の実施形態による効果に加え、減圧ろ過装置1と電動ピペット190と多関節ロボット180とを全てコンピューター制御することで、減圧ろ過操作の一連の工程全てを人手に依らないものとすることも可能となる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図9は本発明の他の実施形態に係る減圧ろ過装置1の概略構成を示す図である。図9において、これまで説明した構成と同様の参照番号が付された構成については説明を省略する。本実施形態は、複数のろ過操作を同時に実行するように構成したものである。本実施形態では、2つのろ過操作を同時に行う例で説明するが、3つ以上のろ過操作を行い得るようにも構成できる。図9において、左側でろ過操作を行うための構成を第1系統、右側でろ過操作を行うための構成を第2系統と称する。
本実施形態では、2つのろ過操作を同時に実施するため、2つの漏斗200、200’を載置できるように、昇降部5は、2つの第1基台10が設けられている。また、器具台部3の一部は3’に示すように、かさ上げ部分を設けることにより、ビーカー300と大きさの異なるビーカー300’も置くことができるようされている。
本実施形態では、それぞれの第1基台10に対応した2つの吸引口18は、共通の1つのポンプ35によって排気を行う構成が採用されているが、吸引口18の数に応じた数のポンプ35を設けるようにしてもよい。
2つの吸引口18に対応して、それぞれの吸引口18における圧力を検出するために第1圧力センサー161と第2圧力センサー162とが、配管30中に設けられており、それぞれの圧力検出値はパーソナルコンピューター150に取り込まれるようになっている。本実施形態では、減圧ろ過装置1の制御のために情報処理装置の一例としてパーソナルコンピューター150を用いるようにしているが、その他の情報処理装置を用いるようにすることもできる。
それぞれの圧力センサーが設けられた配管30中には、第1電磁弁151、第2電磁弁152が設けられており、これらの電磁弁はパーソナルコンピューター150からの制御指令に基づいて、開閉することができるようになっている。第1系統と第2系統に共通して設けられているポンプ35は、パーソナルコンピューター150からの制御指令に基づいてオンオフする。
2つの第1電磁弁151、第2電磁弁152が設けられることで、本実施形態では第1系統のろ過操作と、第2系統のろ過操作を独立して実施し得るようになっている。例えば、第1電磁弁151を開とし、第2電磁弁152を閉とし共通ポンプ35で排気することで、第1系統だけでろ過操作を実施できる。また、第1電磁弁151、第2電磁弁152の双方を開とし共通ポンプ35で排気することで、第1系統及び第2系統の双方でろ過操作を実施できる。
本実施形態では、昇降部5を昇降動作させるために、圧縮空気を利用したエアー駆動アクチュエーター175が用いられている。エアー駆動アクチュエーター175に対しては、圧縮空気導管170から圧縮空気が供給されている。この、圧縮空気導管170の流路中には、パーソナルコンピューター150からの制御指令に基づいて開閉する第3電磁弁153が設けられており、これにより昇降部5の昇降動作が、パーソナルコンピューター150から制御できるようになっている。
このような実施形態によれば、先の実施形態による効果に加えて、複数のろ過操作を同時に進行することができ、より作業効率を向上させることが可能となる。
以上、本発明に係る減圧ろ過装置は、吸引口から排気することで、ろ過操作を行うことできるので、このような本発明に係る減圧ろ過装置によれば、ろ過鐘を扱う必要がなくなり、ろ過操作の準備のための時間や労力を省くことができ、簡単にろ過操作を実施することができるようになる。
1・・・減圧ろ過装置
3、3’・・・器具台部
5・・・昇降部
10・・・第1基台
12・・・連結部
13・・・主貫通孔
16・・・引出部
17・・・副貫通孔
18・・・吸引口
20・・・第2基台
30・・・配管
35・・・ポンプ
38・・・圧力センサー
39・・・電磁弁
41・・・第1密封部材
42・・・第2密封部材
50・・・位置センサー内蔵アクチュエーター
52・・・伸縮桿
100・・・制御部
110・・・入出力部
150・・・パーソナルコンピューター(情報処理装置)
151・・・第1電磁弁
152・・・第2電磁弁
153・・・第3電磁弁
161・・・第1圧力センサー
162・・・第2圧力センサー
170・・・圧縮空気導管
175・・・エアー駆動アクチュエーター
180・・・多関節ロボット
190・・・電動ピペット
200、200’・・・漏斗(例えば、使い捨て)
220・・・貯液部
221・・・第1円筒部
225・・・円錐壁部
232・・・第2円筒部
235・・・底端部
250・・・フィルター
260・・・導液部
262・・・筒状壁部
265・・・底部
266・・・底部上面
267・・・導下開口
268・・・最底面
269・・・凸状部
270・・・導下管
275・・・排出口
300、300’・・・ビーカー(容器)
310・・・開口周縁

Claims (7)

  1. 容器の上方に、フィルターを配した漏斗を設け、前記漏斗に原液を注液し、前記容器内を減圧することで、前記フィルター上に残渣を残し、前記容器側にろ液を流下させることで原液を分離する減圧ろ過装置において、
    前記漏斗が上方に配される第1基台と、
    前記容器の上方に配される第2基台と、
    前記第1基台と前記第2基台とを連通し、前記漏斗の導下管が挿通される貫通孔と、
    前記貫通孔内と前記容器内からの排気を行う吸引口と、を有することを特徴とする減圧ろ過装置。
  2. 前記第1基台の前記漏斗と接触する部分には、第1密封部材が配されると共に、
    前記第2基台の前記容器と接触する部分には、第2密封部材が配されることを特徴とする請求項1に記載の減圧ろ過装置。
  3. 前記第1基台と前記第2基台とが、昇降動作する昇降部に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の減圧ろ過装置。
  4. 前記昇降部が、アクチュエーターの駆動によって昇降動作することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の減圧ろ過装置。
  5. 前記貫通孔内と前記容器内の圧力を検出する圧力センサーと、
    前記圧力センサーから検出値を受信すると共に、前記圧力センサーからの検出値に基づいて前記アクチュエーターに対して制御指令を発信する制御部と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の減圧ろ過装置。
  6. 前記吸引口から排気を行うポンプを有し、
    前記制御部が、前記圧力センサーからの検出値に基づいて前記ポンプに対して制御指令を発信することを特徴とする請求項5に記載の減圧ろ過装置。
  7. 前記漏斗が合成樹脂材料で構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の減圧ろ過装置。
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