JP2021158955A - 家畜管理方法 - Google Patents

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絢子 遠藤
Ayako Endo
久陽 矢内
Hisaaki Yanai
佳子 松本
Yoshiko Matsumoto
美和 池田
Yoshikazu Ikeda
健太郎 辻
Kentaro Tsuji
亮太 藤井
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Abstract

【課題】細菌感染の有無を迅速に確認して経済的損失を回避し得る管理方法を提供すること。【解決手段】家畜の異状を感知して異状を有する異状家畜を同定する異常同定ステップと、前記異状家畜のうち細菌感染が確認された感染家畜を隔離する隔離ステップと、前記隔離された感染家畜の治癒が確認された後に隔離を解除する解除ステップと、を有する家畜の管理方法であり、前記感染家畜は、その感染の有無を、遺伝子増幅法による細菌検出方法および/または遺伝子増幅法による細菌同定方法で確認された家畜である、家畜管理方法。【選択図】なし

Description

本発明は、家畜の感染有無の迅速確認及び感染菌迅速同定を利用した家畜管理方法に関する。特にリアルタイムPCRを用いた検査法による細菌種の検出及び/または同定を活用した家畜管理方法に関する。
近年における畜産業は、多数の頭数をシステマチックに管理する大規模牧場が増加傾向にある。牛、豚、鶏など様々な家畜が対象であるが、乳牛、肉牛である場合が多い。
そのなかでも肉牛は、成育するほど価値が上がるため、途中で死亡すると投資額と売上の差分が損失する。死因はいくつか知られているが、感染症はそのうちの一つとしてあげられる。感染の原因は、ウイルス、細菌等がある。近年、餌中への抗生物質の投与は、耐性菌発生の抑制や食肉安全性の観点から無添加または低減の方向に進んでいる。
また、生後月数が進むに従い、複数頭の家畜を各セクター毎に飼育することになるため、一頭が感染症に罹患して放置された場合には、健常な家畜に移る可能性が高まる。そのため、様子がおかしい個体を速やかに隔離したうえで、感染有無を確認している。
しかしながら、感染有無の確認方法は、抗体検査及び特定菌種又は特定ウイルスに対する検査が主流であり、抗生物質(又は抗ウイルス剤)の選定のためには、別途検査を要する場合がある。細菌感染が疑われるときには、培養同定検査が主流である。培養検査は、菌種同定までに最低2〜3日要するため、その間に適切な抗菌薬の投薬が間に合わず、病状の悪化や死に至るケースも当然起こりうる。
特開2004−254517号 特開2010−130901号 国際公開第2015/093544 国際公開第2007/097323 国際公開第2015/053293
前述のとおり、販売前に子牛が死亡すると、経済的損失は大きく、細菌感染した家畜を速やかに治療し、健常な状態に戻すことが求められている。特に、肉牛の場合は、極力食味に影響が及ばないように、迅速に治療することが重要であり、そのためには、早期に通常の飼育状態に戻すことが必要とされている。
すなわち、本発明は、細菌感染の有無を迅速に確認して経済的損失を回避し得る管理方法を提供することを課題とする。
鋭意検討した結果、ヒトの細菌感染の検査方法を利用して家畜を管理することで、上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、家畜の異状を感知して異状を有する異状家畜を同定する異常同定ステップと、前記異状家畜のうち細菌感染が確認された感染家畜を隔離する隔離ステップと、前記隔離された感染家畜の治癒が確認された後に隔離を解除する解除ステップと、を有する家畜の管理方法であり、前記感染家畜は、その感染の有無を、遺伝子増幅法による細菌検出方法および/または遺伝子増幅法による細菌同定方法で確認された家畜である、家畜管理方法により、上記課題を解決しうる。
本発明によれば、異常が認められる家畜について、細菌感染の有無及び感染菌の同定を迅速に実施することができ、細菌感染した家畜を速やかに治療し、健常な状態に戻すこと、肉牛の場合は、食味に影響が及ばないように、早期に通常の飼育状態に戻すことが可能であり、経済的損失を最小限に抑えることが期待される。
以下に、本発明の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、プライマーペアとは、1回のPCR法に用いられるフォワードプライマーとリバースプライマーのセットを指す。
本明細書において、プライマーセットとは、2以上のプライマーペアの組み合わせを指す。
本明細書において、キットとは、遺伝子増幅法に用いられる試薬及び/又は器具を2以上含む組み合わせを指す。
<<<家畜管理方法>>>
本発明の家畜管理方法は、異常同定ステップと、隔離ステップと、解除ステップを有する。本発明の家畜管理方法は、さらに治療ステップを有していてもよい。
<<異常同定ステップ>>
本発明の家畜管理方法は、異常同定ステップを有する。異常同定ステップは、家畜の異状を感知して異状を有するステップである。家畜における異常は、特に制限されず、通常と異なる行動や状態であればよい。家畜における異常は、家畜の質を落とす前兆や、家畜が死亡する前兆であることが好ましい。家畜における異常は、具体的には、発熱、発汗、食欲不振、下痢、腫脹、流涙、発咳、鼻汁、呼吸困難、頻脈、および体重減少などが挙げられる。家畜における異常は、これらの少なくとも1種を含んでもよく、複数を組み合わせて含んでもよい。
家畜における異常の感知方法は、異常が感知できれば特に制限されない。感知方法は、具体的には、ヒトが家畜を観察することで得られる五感による感知や、温度センサー、呼吸数センサー等の家畜のバイタルサインを測定する機器による感知や、酵素センサー、免疫センサー、微生物センサー、イオンチャネルセンサー等の公知のバイオセンサーによる感知や、各種監視システムによる感知などが挙げられる。感知方法は、これらの少なくとも1種を含んでもよく、複数を組み合わせて含んでもよい。
<<隔離ステップ>>
本発明の家畜管理方法は、隔離ステップを有する。隔離ステップは、異状家畜のうち細菌感染が確認された感染家畜を隔離するステップである。隔離とは、共に飼育されている他の家畜と物理的に遮断することである。隔離方法は、伝染しない程度に隔離できれば特に制限されず、例えば、飼育棟を変更する、壁で区切られた区画に移動させる、カーテンで区切られた区画に移動させるなどの方法が挙げられる。異常家畜における細菌感染の確認方法は後述する。異常家畜における細菌感染の有無は、多くの場合は獣医師によって判断されるが、これに制限されない。
<<解除ステップ>>
本発明の家畜管理方法は、解除ステップを有する。解除ステップは、隔離された感染家畜の治癒が確認された後に隔離を解除するステップである。隔離の解除とは、共に飼育されている他の家畜との隔離をやめることである。具体的には、元の飼育場所に戻し、他の家畜との物理的な遮断を解けばよい。
<<治療ステップ>>
本発明の家畜管理方法は、治療ステップをさらに有することが好ましい。治療ステップは、隔離ステップの後に、同定された菌種に応じた抗菌薬を感染家畜に投与するステップである。治療ステップを有することで、抗菌薬を投与しない場合に比べ、感染家畜の治癒を早められる傾向にある。また、家畜の死亡率を軽減できる傾向にある。そのため、本発明の家畜管理方法が治療ステップを有することで、家畜の経済的価値の減少・滅却を防止できる傾向にある。
投与する抗菌薬は、後述の細菌同定方法により同定された菌種に応じて、獣医師が処方する薬剤を用いればよい。このような薬剤は、一般的に家畜治療用として認められている薬剤であり、菌種に応じて適切なものであれば、特に制限なく用いることができる。
治療ステップにおいて、新たな異常を感知してもよく、後述の細菌検出方法および/または細菌同定方法により検査をしてもよい。例えば、新たな異常が感知された場合には、他の細菌への感染が疑われる場合がある。治療ステップにおいても、後述の細菌検出方法および/または細菌同定方法により、他の細菌への感染の有無を確認することで、より手厚く家畜を管理することができる。
<治癒の確認方法>
感染家畜が治癒したか否かは、上述の家畜の異状の有無によって判断してもよく、後述の細菌検出方法および/または細菌同定方法により判断してもよい。家畜の異状が無くなっても感染した細菌が家畜体内に生存しており、再発や伝染のおそれがある。そのため、治癒の確認は、後述の細菌検出方法および/または細菌同定方法により行うことが好ましい。細菌が検出および/または同定されなくなった場合に、より正確に感染家畜の治癒を判断することができる。判断の主体は、多くの場合は獣医師であるが、これに制限されない。
治癒の確認の頻度は特に制限されず、バイタルサインを常に監視するなどの手法で常時確認してもよく、後述の細菌検出方法および/または細菌同定方法などの手法で間欠的に確認してもよい。間欠的に行う場合の頻度は、特に制限されないが、経済性の観点から、1日〜2日おきに行うことが好ましい。治癒の確認方法としては、経済性と正確性の観点から、後述の細菌検出および/または細菌同定方法により、間欠的に行うことが好ましい。
<感染菌の有無の確認及び感染菌の同定方法>
本発明において、異常家畜における細菌感染の有無は、遺伝子増幅法による細菌検出方法および/または遺伝子増幅法による細菌同定方法(以下、「検出・同定方法」ともいう。)によって確認される。また、感染家畜の治癒は、検出・同定方法で確認されることが好ましい。
以下、本発明における遺伝子増幅法による細菌検出方法および遺伝子増幅法による細菌同定方法について説明する。
本発明における検出・同定方法としては、測定用試料中からDNAを抽出して抽出液を得るDNA抽出工程と、該抽出液から遺伝子増幅法により遺伝子を増幅する遺伝子増幅工程と、増幅産物のTm値を測定するTm値測定工程と、Tm値を用いて細菌種を同定する同定工程と、を含む方法が好ましく用いられる。このような方法としては、例えば、特許文献4及び特許文献5に挙げられている方法を用いることができる。
細菌の16s RNAは、細菌種間で相同性の高い保存領域と、相同性の低い非保存領域とを複数有していることが知られている。そのため、あらかじめプライマーペア―を特定しておき、そのプライマーペア―を用いた特定細菌における遺伝子増幅産物のTm値と、被検体から同じプライマーペア―を用いて得た遺伝子増幅産物のTm値を比較することで、細菌種を特定することができる。この方法によれば、家畜検体中の細菌の検出及び/または細菌種の同定を迅速に行うことができる。そのため、家畜の質を落としにくく、家畜の死亡も防止できる傾向にある。
また、細菌種の同定までは不要であるが、細菌感染の有無のみを簡便に調べる場合においては、本発明における検出・同定方法として、測定用試料中からDNAを抽出して抽出液を得るDNA抽出工程と、該抽出液から遺伝子増幅法により遺伝子を増幅する遺伝子増幅工程と、を少なくとも含む方法が好ましく用いられる。特定の遺伝子が増幅されることを検出することで、細菌を迅速に検出することができる。
以下、DNA抽出工程、遺伝子増幅工程、Tm値測定工程及び同定工程を有する方法を中心に説明するが、本発明における検出・同定方法は、遺伝子増幅法による方法であれば、これに制限されない。
[DNA抽出工程]
DNA抽出工程は、測定用試料中からDNAを抽出して抽出液を得る工程である。
−測定用試料−
本発明における検出・同定方法に用いる測定用試料は、細菌感染の有無を確認できれば特に制限されない。測定用試料としては、例えば、体液、皮膚組織、粘膜が挙げられる。これらの中でも、環境起因の汚染の影響を受けにくい体液が好ましく用いられる。体液としては、例えば、血液、髄液、尿および汗が挙げられる。これらの中でも、体液としては、検出精度の観点から、血液が好ましく用いられる。
測定用試料は、上述のものをそのまま用いても良く、遠心分離などの前処理をしてから後述のDNA抽出に用いてもよい。
測定用試料の採取方法は、必要な量を確保できれば特に制限されず、従来公知の方法を用いることができる。測定用資料の採取、特に体液の採取に際しては、ヒトの採血時以上に家畜皮膚上の採取面の清浄化に注意することが好ましい。採取面の清浄化の方法は特に限定されないが、エタノール又はポビドンヨード等による清浄が好ましい。
採取した体液中の感染菌の有無の確認及び感染菌を同定する具体的方法については、後述する。
−DNA抽出方法−
測定用試料からDNAを抽出して抽出液を得るDNA抽出方法は、細菌の検出ができ得る程度にDNAを抽出できれば特に制限されず、従来公知の方法を用いることができる。従来公知の方法としては、アルカリ溶解法、ボイリング法、フェノール抽出法などが知られており、また、メーカー各社から専用のDNA抽出キットも販売されている。
DNA抽出方法は、測定用試料により最適な方法は異なるため、対象の測定用試料に相応した方法を選択することが望ましい。なお、キアゲン社製QIAamp UCP Pathogen Mini kitは好適に使用可能なDNA抽出キットの一例である。また、キアゲン社製QIAamp UCP Pathogen Mini kitのマニュアルにあるように、溶出量は必要に応じて20μlから100μlの中で変えることができる。
[遺伝子増幅工程]
本発明における遺伝子増幅工程は、上述のDNA抽出液から遺伝子増幅法により遺伝子を増幅する工程である。
本発明における遺伝子増幅工程は、目的とするDNAを増幅できれば特に制限されず、従来公知の遺伝子増幅方法を採用できる。公知の遺伝子増幅方法としては、例えば、PCR (Polymerase Chain Reaction) 法、LCR(Ligase Chain Reaction) 法、SDA (Strand Displacement Amplificaton) 法、ICAN (Isothermal and Chimeric Primer-initiated Amplification of Nucleic Acids)が挙げられる。遺伝子増幅方法としては、PCR法が好ましい。PCR法としては、遺伝子が適切に増幅されれば特に制限されず、従来公知のPCR法を用いることができる。
PCR法での遺伝子増幅において、まず、16S rDNA上の全長の両端に位置する細菌共通の保存領域にハイブリダイズするDNA配列を含む、塩基数が15〜30bのForward及び Reverseプライマーペアによりあらかじめ目的とする配列を含むDNAを増幅し、該増幅された試料について、16S rDNA領域内に存在する一つ又は二つ以上の可変領域を挟み込む保存領域内にハイブリダイズするDNA配列を含むものであって、1つ以上のプライマーペアを使用してPCR法で増幅する、いわゆる、Nested PCR法およびSemi-nested PCR法を活用することが好ましい。
PCRにおける温度サイクルの条件(温度、時間、昇降温速度、サイクル数)は特に限定されず、使用するプライマーや酵素、鋳型などの性質やPCR後のDNA検出方法の感度に応じて適宜設定すればよい。こうした条件の設定については多くの文献が既に知られている。
PCRにおいて、一般的には、鋳型二本鎖DNAの熱変性ステップ、プライマーのアニーリングステップ、酵素によるDNA伸長ステップを繰り返す。熱変性のステップは鋳型二本鎖DNAが一本鎖に解離する温度と時間であればよく、例えば90℃〜98℃で数秒〜数分を設定する。またPCR開始時にはその1回目のサイクルにのみ、数分〜10分の熱変性の過程を追加することも多い。プライマーのアニーリングステップはプライマーの塩基配列、塩基数に応じ設定するが、40℃〜72℃で数秒〜数十秒を設定することが多い。DNA伸長ステップにおいては、温度については酵素の最適温度などの性質に応じ、例えば、58℃〜76℃が一般的であり、DNA伸長ステップの時間については増幅させたいDNAの鎖長と酵素のDNA合成速度から必要時間を概算し設定する。熱変性、アニーリング、伸長のステップを繰り返すことで目的のDNAを増幅させるが、この繰り返し回数は、鋳型DNAの量や、酵素の量、PCR後のDNA検出方法の感度に応じて、適宜変更すればよいが、一般的な例として10〜50回が例示される。また、アニーリングの温度とDNA伸長の温度が同程度である場合、両ステップを同時に行うことも可能である。
2回目のPCRは、リアルタイムPCR法が好ましく用いられる。リアルタイムPCRにおいても、DNA増幅に必要な熱変性、アニーリング、DNA伸長についての条件設定、さらにはそれらのステップの繰り返し回数は、上記のPCRについての記載と同様である。リアルタイムPCRにおいては、DNA伸長のステップの前後などに、インターカレーターやプローブに由来する蛍光強度を測定することで増幅されたDNA量を定量ないしは見積もることが可能である。蛍光強度を測定する温度は使用するプローブの種類などに応じて適宜変更可能である。蛍光強度を測定する温度は、例えばインターカレーターを用いての実施の場合は、DNA伸長時の温度そのままでも良く、また、増幅される目的DNAの鎖長が比較的長く、そのTm値が比較的高い場合には、プライマーダイマーなどの比較的鎖長が短い非特異的に増幅された目的外DNA(非特異的増幅DNAともいう)はそのTm値が比較的低いことを利用して、目的DNAのTm値と非特異的増幅DNAのTm値の中間値はじめとする、間の温度に設定しても良い。こうすることで、特にインターカレーターを用いての実施ではプライマーダイマーなどの非特異的増幅DNAのみが二本鎖から一本鎖に解離し、蛍光強度から定量ないしは見積もられるDNA量は目的DNAについてのものとすることが可能である。
1回目のPCRによるDNA増幅に用いる、塩基数が15〜30bのフォワード及びリバースプライマーは、16S rDNA配列上の細菌共通の保存領域にハイブリダイズするDNA配列を含むものであれば特に限定されないが、そのプライマーペアを用いてのPCR産物のDNA鎖長が500bp〜1500bpであることが好ましい。特に、2回目の増幅に用いられるプライマーペアがハイブリダイズし、そこから少なくとも4つ以上のDNA断片が得られるようなDNA産物を生じるプライマーが好ましい。具体的には、特許文献4及び特許文献5に記載されている1回目のPCR用プライマーペアが好ましい。
2回目のPCRによるDNA増幅に用いる、塩基数が15〜30bのフォワード及びリバースプライマーは、16S rDNA領域内に存在する一つ又は二つ以上の可変領域を挟み込む保存領域内にハイブリダイズするDNA配列を含むものであって、1つ以上のプライマーペアを使用してPCR増幅する。プライマーペアは、それぞれ挟み込む可変領域が異なるペアを使用する。プライマーペアは、1〜7つのプライマーペアをセットで使用することが好ましい。検出の場合は、1つのプライマーペアでもよく、同定の場合は、4つ以上、好ましくは6つ以上、さらに好ましくは7つのプライマーペアを用いる。具体的には、特許文献4または特許文献5に記載されている2回目のPCR用プライマーペアが好ましい。これらの複数のプライマーペアを用いる場合は、それぞれ別の系でPCR反応を行うことが検出・同定感度の観点から好ましいが、同じ系でPCR反応を行ってもよい。すなわち、マルチプレックスPCRであってもよい。
また、特許文献4及び特許文献5に記載されたプライマーは、目的産物量や増産に必要なサイクル数が許容範囲であれば、配列中の一部の塩基を変換したものも適用できる。より具体的には、特許文献4及び特許文献5の請求項に記載された配列番号の各DNA断片の相補鎖とハイブリダイズ可能なものであれば、目的物産量や増産に必要なサイクル数が許容範囲である可能性が高く、特許文献4及び特許文献5に記載されたプライマーと同等とみなすことができる。1〜2個の塩基が付加、欠失又は置換した塩基配列は、同等であると解される。
本発明で使用するプライマーセットは、1回目のPCR用プライマーペア1組と2回目のPCR用プライマーペア1〜7組で構成されることが好ましい。必要に応じて、mecA遺伝子にハイブリダイズするDNA配列を含むプライマーペアなど、薬剤耐性に関する遺伝子を検出するためのプライマーペアを含んでいてもよい。なお、当該プライマーセット以外に、真菌、特定微生物又はウイルスについての公知のプライマーを複数併用することを妨げるものではない。
本発明で使用するプライマーセットは、検体から抽出された細菌DNAからPCRにより目的とするDNA断片を増幅し、増幅されたDNA断片のTm値を測定したり、分子量を測定したり、配列を解読する目的で好適に用いられる。具体的には、本発明のプライマーセットによって増幅される細菌の16S rDNA配列の一部からなるDNA断片のTm値によって細菌種を同定するために好適に用いられる。
本発明に使用されるプライマーセットは、極微量の検体細菌DNAの検出及び/または細菌種の同定に好適に使用される。そのため、各プライマーペア中に汚染源である細菌由来DNAの混入が最小限に抑えられている必要がある。汚染源である細菌由来DNAの混入量としては、プライマーペア調製液に対して10fg未満、好ましくは5fg未満、さらに好ましくは1fg未満である。
PCRにおけるPrimer濃度は特に限定されないが、一般的には0.05μM〜1.0μMの範囲で、検討に応じて適宜設定する。
本発明でPCR分析のために使用されるプライマーセット以外の試薬は、公知のものを公知の組合せにより使用することができる。測定に必要な試薬は、PCR用の酵素、pH緩衝液、dNTP、Mg2+源、ろ過処理などにより精製された滅菌水が挙げられる。また、リアルタイムPCR分析においては蛍光色素が上記に加えて必要となる。本発明においては、試薬及び器具の合計での細菌由来DNA量が10fg以下であることが好ましい。細菌由来DNA量を10fg以下とすることで、微量の細菌しか存在しない検体であっても、高精度で細菌を検出・同定することが出来る傾向にある。
本発明において使用されるDNAポリメラーゼは、PCR法に用いることができる程度の耐熱性を有していれば、特に制限されず公知のDNAポリメラーゼを用いることができる。検出・同定の感度をより向上させる観点から、DNAポリメラーゼとしては、細菌由来のDNA混入量が少ないものが好ましく、具体的には、細菌由来のDNA含有量が酵素調整液に対して10fg未満であることが好ましく、5fg未満であることがより好ましく、1fg未満であることがさらに好ましい。このような細菌由来のDNA含有量が少ないDNAポリメラーゼとしては、真核生物で生産されたもの、高度精製処理されたもの、又は選択的膜透過性色素であるEMA(ethidium monoazide)やPMA(propidium monoazide)により処理されたものが挙げられるが、この限りではない。なお、細菌由来の耐熱性DNAポリメラーゼ遺伝子を利用して真核生物で生産され、細菌由来の耐熱性DNAポリメラーゼ遺伝子からのDNAが混入している状態の耐熱性DNAポリメラーゼ調製物(調製液)を用いる場合には、耐熱性DNAポリメラーゼをコードする遺伝子以外の細菌由来のDNAの混入量を上記の上限以下とする。PCR用酵素は、細菌由来のDNA含有量10fg/μL未満のTaq DNA Polymeraseであることが好ましい。
本発明において使用されるPCR用の酵素をコードする遺伝子は、耐熱性DNAポリメラーゼをコードするcDNA、ゲノムDNA、合成DNAなどいかなる遺伝子であってもよく、また1本鎖でも、その相補鎖を有する2本鎖であってもよく、天然、あるいは人工のヌクレオチド誘導体を含んでいてもよい。更に耐熱性DNAポリメラーゼが生物由来である場合には、該耐熱性DNAポリメラーゼの由来についても特に限定されない。
pH緩衝液は、PCR分析に供する試料として、pH=7.0〜10.0(より好ましくは、pH8.0〜9.0)に調整するために用いられる。具体的には、Tris塩酸緩衝液などが挙げられる。例えば、Tris塩酸緩衝液の場合、5mM〜100mMで使用する。
dNTPは、PCRによるDNA増幅のためのヌクレオシド源であり、dATP, dGTP, dCTP, dTTPの4種類が必要である。また、dNTPは、ホットスタート法に用いるために化学修飾されたもの、例えばTriLink BioTechnologies, Inc.製、CleanAmpTM dNTPを用いても良い。使用量は、dATP、dGTP、dCTP、dTTPを各々0.2mM前後の濃度で使用する。
PCRによるDNA増幅においては、Mg2+が必要である。Mg2+源としては、MgCl2、MgSO4などが挙げられる。好ましいのはMgCl2であり、その使用量は、0.5mMから5.0mMの範囲で検討に応じて適宜使用する。
蛍光色素は、リアルタイムPCRによるDNA増幅産物の検出、さらには、増幅されたDNA断片のTm測定の目的で用いられ、種々の公知のものが利用できる。例えば、標識機能を有するインターカレーターを用いる方法や、増幅するDNA配列に対し特異的にハイブリダイズするヌクレオチドに蛍光物質を結合したプローブを用いる方法などが挙げられる。インターカレーターとしては、不飽和型蛍光色素であるエジチジウムブロマイド、サイバー・グリーンI(SYBR Green I)や飽和型蛍光色素であるResolight (Roche社製)、EvaGreen(Biotim社製)などが挙げられる。好ましいインターカレーターは、不飽和型蛍光色素であるサイバー・グリーンI、飽和型蛍光色素であるEvaGreenやResolight、より好ましくは飽和型蛍光色素であるEvaGreenやResolightである。使用量は、使用する蛍光色素の製造販売メーカーの推奨に従う。
[Tm値測定工程]
遺伝子増幅工程の後に、増幅産物のTm値を融解曲線解析により検出することが好ましい。融解曲線分析では、温度変化に応じたDNAの二本鎖から一本鎖への解離を観察するが、その温度および検出条件は特に限定はない。一般的に、熱変性(Denaturation)(90℃から98℃)、二本鎖形成(Annealing)(40℃から80℃)、融解(Melting)(二本鎖形成の温度から98℃前後まで徐々に昇温)の段階をへて、融解のステップでの蛍光強度の変化をモニターすることで、融解曲線を得て、そこからTm値を得ることができる。こうした測定はリアルタイムPCR装置の多くの機種で可能であり、機器の使用方法に準じて実施可能である。
Tm値測定工程は、他の工程に置き換えることもできる。他の工程としては、DNA断片の分子量解析を行う分子量解析工程が例示できる。分子量の解析は、電気泳動や質量分析計などにより解析可能である。
(遺伝子増幅工程およびTm値測定工程の好ましい態様)
本発明にかかる家畜検体中の細菌種の検出または同定方法としては、以下の工程を有する方法を用いることができる。
(1)前記検体から調製した細菌のゲノムDNAと、検出対象細菌種に特異的な目的遺伝子を含む増幅産物を得るためのプライマーと、耐熱性DNAポリメラーゼとを用いてPCRを行う工程。
(2)前記PCRにおける増幅産物中での前記目的遺伝子の検出、または、該増幅産物の分析により、前記検体中における検出対象細菌種の検出または同定を行う工程。
プライマーとして前記プライマーセットを用いることによって、高感度の細菌種の同定を行うことができる。更に、後述のコンタミレベルをコントロールした試薬や器具を用いることにより、更なる高感度化及び迅速化を達成することができる。
この検出及び/または同定方法では、増幅工程を、目的遺伝子以外の遺伝子(目的外遺伝子)の増幅抑制下で行うことが好ましい。この目的外遺伝子の増幅抑制には、ホットスタート法PCRが利用できる。一例として、抗DNAポリメラーゼ抗体を用いるホットスタート法が挙げられる。その際、耐熱性DNAポリメラーゼ1Uに対して、過剰量の抗DNAポリメラーゼ抗体を用いることが好ましい。また、特開2000-4847や特開平10-276776に開示されているようにDNAポリメラーゼに対して、可逆的な化学修飾を施すことによるホットスタート法も好適に利用できる。さらには、化学修飾されたdNTPを用いたり、米国特許出願第20070281308号のように化学修飾されたプライマーを用いたホットスタート法も好適に利用できる。また、加熱により溶融するワックスなどを用いて、DNAポリメラーゼと、DNAポリメラーゼによるDNA増幅に必要不可欠な構成成分(例えば、プライマーやdNTPやMg2+塩)とを物理的に隔離することによるホットスタート法も好適に利用できる。
増幅産物の検出及び/または同定工程は、検出用の蛍光標識を有するインターカレーターやプローブを用いたリアルタイムPCRによりTmを測定することで実施可能である。好ましくはインターカレーターを用いたリアルタイムPCRであり、好ましいインターカレーターは不飽和型蛍光色素であるサイバー・グリーンI、飽和型蛍光色素であるEvaGreenやResolight、より好ましくは飽和型蛍光色素であるEvaGreenやResolight である。
リアルタイムPCRを用いたTm測定による検出及び/または同定工程では、前記目的遺伝子の増幅産物を検出可能とし、それ以外の目的外遺伝子の増幅産物は非検出として行うことができる。そのための方法としては、目的遺伝子の増幅産物を検出可能とし、それ以外の目的外遺伝子の増幅産物を非検出とする条件を、
(1)目的遺伝子増幅産物の融解温度(TmA)が、目的外遺伝子の増幅産物の融解温度(TmB)よりも高くなるように前記プライマーを設計し、
(2)増幅産物の検出を、TmAとTmBとの間の温度で行う
ことにより設定し、目的遺伝子の増幅産物のみを検出する方法が好ましい。
更に、増幅工程と検出及び/または同定工程を、増幅産物の量を表示する表示装置を用いるリアルタイムPCRにより行い、目的外遺伝子の増幅産物が前記表示装置において非表示となる方法を用いることができる。
検出及び/または同定工程は、増幅産物をゲル上などでの電気泳動により展開、可視化する増幅産物の解析により行うこともできる。また、検出及び/または同定工程は、増幅産物の塩基配列を解読することによる増幅産物の解析により行うことも可能である。さらに、この工程は増幅産物の分子量を質量分析計で測定して解析する方法によって行うことにもできる。
(DNA抽出工程〜Tm値測定工程の好ましい態様)
遺伝子増幅工程、Tm値測定工程、検出・同定工程で使用する試薬および器具は、目的遺伝子を増幅可能であれば特に制限されず、公知の試薬及び器具を用いることができる。遺伝子増幅工程で用いる試薬および器具は、前述のプライマーを含めPCR測定用に調製した試料液全体としての汚染源である細菌由来DNAの混入レベルが低いことが好ましい。ここで、器具とは、測定用試料の採取からから遺伝子増幅工程において得られる増産産物に至るまでの一連の流れにおいて、増幅産物およびその前段階の物体に触れる器具を指す。また、器具には、増幅産物およびその前段階の物体に触れる器具に触れる機器、すなわち間接的に触れる器具を含むことが好ましい。
特許文献には、耐熱性ポリメラーゼ調製液中の細菌由来DNAの混入量として、10fg以下が好ましい旨記載されている。しかしながら、本発明者らが検討した結果、試薬・器具中の細菌汚染についても、極微量の検体細菌の検出及び細菌種の同定においては極めて重要なファクターであることを見出した。市販の試薬・器具をそのまま用いて分析に供した場合、ときによって、PCRでの増幅が見られるケースが散見された。
使用される各試薬はもちろんのこと、測定用調製液作製のために使用される器具、ろ過水についても、汚染源である細菌由来DNAの混入を抑えることが必要である。器具については、環境からのDNAの混入を遮断した、例えばクリーンルーム等の作業空間中で、DNA混入の無いDNAを溶解する洗浄水で器具を洗浄し、洗浄後の洗浄水をPCR法による分析にかけることで、DNAの混入を検査することができる。必要に応じて、この方法を用いてDNAの混入の有無を検査してもかまわない。
汚染源である細菌由来DNAの混入量としては、同定キット全体に対して10fg以下、好ましくは5fg以下、さらに好ましくは1fg以下である。それぞれの試薬・器具に対しては、後述のキットの態様にもよるが、個別の調製液に対して10fg未満、好ましくは5fg未満、さらに好ましくは1fg未満である。汚染源である細菌由来DNAの混入量をこのレベルに抑えることにより、極微量の検体細菌の検出及び細菌種の同定に必要なPCR分析にける30サイクル以上の増幅を実行しても、不要なピークの出現やTm値のずれなど無く、高感度、高精度に細菌種の検出及び細菌種の同定ができる。
−コンタミ除去方法−
本発明で検出・同定時に使用する試薬・器具について、汚染源である細菌由来DNAの混入を抑える方法としては、UV照射処理、ガンマ線滅菌処理、限外ろ過処理、EMA処理等が挙げられる。受入検査等により汚染源である細菌由来DNAの混入量が10fg以下であることが明確な場合には、必ずしも以下の処理を行う必要はない。
・ガンマ線滅菌処理
本発明で検出・同定時に使用する試薬・器具について、ガンマ線を直接照射することにより、汚染源である細菌由来DNAを破壊することができる。ガンマ線照射条件については、被照射物の種類により異なる。一般的には、5kGy〜30kGy、好ましくは10kGy〜25kGyの処理が適用される。
ただし、Resolight、EvaGreen、サイバーグリーンIなど特定の蛍光色素、プライマー、ポリプロピレンなど特定の材質の器具に対しては、ガンマ線照射により劣化が生じるため、条件によってはガンマ線滅菌処理を適用できない。
・限外ろ過処理
本発明で使用する試薬について、限外ろ過処理をすることにより、汚染源である細菌由来DNAを分離除去することができる。具体的には、汚染源である細菌由来DNAが細菌そのものであったり、ゲノムDNAである場合、その分子量は大きなものであることから、使用する試薬などは限外ろ過膜を通過し、ゲノムDNAは限外ろ過膜を通過しないよう、膜を選定の上、限外ろ過を実施すればよい。限外ろ過膜としては、分画分子量が1kDa〜1000kDa、好ましくは、10kDa〜100kDa、より好ましくは30kDa〜50kDaである膜を用いることが好ましい。ただし、プライマーを限外ろ過処理する場合には、限外ろ過膜の分画分子量は10kDa〜1000kDa、好ましくは30kDa〜100kDa、より好ましくは、30kDa〜50kDaである膜を用いる。限外ろ過膜の材質としては、特に限定されないが、再生セルロース、セルロースアセテート、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。限外ろ過のための圧力源としては、気体加圧、遠心等いずれの方法を用いても良いが、処理量に応じて好ましい方法が選択される。
処理量が少ない場合には、遠心膜ろ過処理が好ましい。遠心膜ろ過処理の場合の、処理液量や遠心操作時の遠心力(G)は、使用するろ過装置の製造販売メーカーの推奨に従う。
・選択性膜透過性色素処理
試薬・器具について、選択性膜透過性色素であるEMA(ethidium monoazide)やPMA(propidium monoazide)で処理し光照射することにより、汚染源である細菌由来DNA、特に死菌細菌由来DNAを不活化することができる。不活化したDNAは、PCRによる増幅が起こらないため、検体に存在する検出対象となる細菌由来のDNAのみ検出及び細菌種の同定することが可能となる。
処理条件は、当該試薬及び当該試薬処理剤の製造販売メーカーの推奨条件に従う。例えば、タカラバイオ社の”Viable Bacteria Selection Kit for PCR”では、処理対象とする溶液40μlに対して、添付のSolution A-gn液 10 μl 、Solution B-gn液 5 μl を添加し、5〜15分間遮光下で静置・反応させた後、約5分間光照射することが開示されている。後述する実施例16は、EMA処理の効果について示したものである。
(キットの態様)
本発明にかかる検出・同定方法は、キットを用いて実施することもできる。検出・同定方法で使用されるキットは、前記プライマーセットによって増幅される細菌の16S rDNA配列の一部からなるDNA断片を解析することで細菌種を同定するためのキットである。DNA断片の解析は、前述のDNA断片の分子量解析や、前述のTm値測定などが挙げられる。好ましくはTm値測定であり、その目的においてはリアルタイムPCRが好適に使用される。
本発明にかかる検出・同定方法に用いるキットは、上述したプライマーペアの1つ以上を含んで構成される。このプライマーの他に、必要に応じて、PCR用の酵素、pH緩衝液、MgCl2、dNTP(又はCleanAmp-dNTP)及び滅菌水から等の試薬、PCR分析測定用容器(例えば分析測定用チューブ)やその他に必要な器具などの部品から選択される少なくとも1種の試薬及び/または部品を含むことができる。更に、リアルタイムPCRでの解析においては蛍光色素を成分として加えることができる。また、PCR法の各種態様によっては、これらの成分の他に用いるPCR法に必要な成分をキットに加えてもよい。これらの各試薬または各部品は、個別に、またはその一部毎に、あるいは全部が一体など、いかなる形態で包装されていても良い。具体的には、例えば以下のような態様である。
1)用いる試薬毎に個分けする。
2)pH緩衝液、MgCl2、dNTP(又はCleanAmp-dNTP)、リアルタイムPCRでの解析においては蛍光色素を予め混合したもの、プライマー対及び酵素の3つに小分けする。
3)pH緩衝液、MgCl2、dNTP(又はCleanAmp-dNTP)、リアルタイムPCRでの解析においては蛍光色素、プライマー対を予め混合したもの、及び酵素の2つに小分けする。
4)pH緩衝液、MgCl2、dNTP(又はCleanAmp-dNTP)、リアルタイムPCRでの解析においては蛍光色素、プライマーと酵素、全てを予め混合する。
上記キットは、全体として汚染源である細菌由来のDNAの混入量が10fg以下であり、使用される酵素は、真核生物生産、高度精製処理又はEMAなど選択性膜透過性色素処理を施されたものであり、使用される試薬・器具(PCR分析用チューブを含む)は、必要に応じて、個別又は全体として、ガンマ線滅菌処理、遠心式膜ろ過処理又は選択性膜透過性色素処理を施されたものである。各試薬及び部品の包装に当たっては、包装密封後の包装内における細菌由来のDNAの混入量が10fg以下となるように各種処理を行う。
<同定工程>
同定工程は、増幅産物から得られたTm値を用いて細菌種を同定する工程である。細菌種を同定することができれば、その方法は制限されない。好ましい方法としては、同定対象の細菌種において、特定のプライマーペア及び/又はプライマーセットを用いて、増幅産物のTm値を取得してデータベースを作成しておき、測定対象から得られたTm値と比較する方法が挙げられる。
同定するためのアルゴリズムとしては、上述したTm値そのものの組合せだけでなく、各Tm値間の差の組合せを利用して同定することで、例えば機器の試行回毎の測定誤差といった測定誤差の影響を最小限とする工程を付加することができる。
上記の、機器の試行回毎の測定誤差を補正する方法として、“Tm値の組合せの平均値を算出し、その平均値からの各Tm値の相対値の組合せ”を利用することが出来る。つまり、Tm値の組合せの配置を“形”として同定する方法である。Tm値の組合せの配置を2次元で示した“形”は測定誤差に影響されない。例えば、検出細菌に特異的なTm値の組合せ(n個(nは4以上、7以下の整数))をT1db〜Tndbとし(dbはdatabase)、その平均値からの相対値をそれぞれd1db〜dndbとする。同様に検体から得られた未知の検出対象生物のTm値の組合せ(n個(nは4以上、7以下の整数))をT1ref〜Tnrefとし(refはreference)、その平均値からの相対値をそれぞれd1ref〜dnrefとする。そうしてあらかじめ作成しておいたデータベースと比較し、「相対値の組合せが近似したもの=Tm値の組合せの配置の“形”が近いもの」、を同定アルゴリズムとして利用する。
具体的な計算方法としては、例えば、ユークリッド空間上の2点間距離を算出する方法[式1]が挙げられるが、この限りではない。
[式1]
Dist.=√[(D1db−D1ref)2+(D2db−D2ref)2+….(Dndb−Dnref)2]
式1による計算方法であれば、この計算式によって得られるD値が0に最も近いものが求める検出細菌種として同定される。ただし、使用するPCR機器の測定誤差の関係上、機器の温度制御スペックやプライマーの数にもよるが、D値の許容範囲としては、0〜0.37、好ましくは0〜0.30である。
以上のアルゴリズムは、コンピュータ上でデータベース型同定ソフトウェアとして利用できる。
同定可能な微生物は、分類上細菌に該当するものであれば、機構上検出及び細菌種の同定が可能である。具体的な細菌種としては、Achromobacter denitrificans、Achromobacter xylosoxidans、Acinetobacter baumannii、Acinetobacter calcoaceticus、Actinomyces israelii、Aerococcus christensenii、Aeromonas hydrophila、Aeromonas sobria、Aggregatibacter actinomycetemcomitans、Alcaligenes faecalis、Alistipes onderdonkii、Anaerococcus vaginalis、Anaeroglobus geminatus、Arcanobacterium haemolyticum、Arcanobacterium pyogenes、Arthrobacter cumminsii、Atopobium vaginae、Bacillus anthracis、Bacillus cereus、Bacillus coagulans、Bacillus licheniformis、Bacillus megaterium、Bacillus pumilus、Bacillus sphaericus、Bacillus subtilis、Bacteroides dorei、Bacteroides finegoldii、Bacteroides fragilis、Bacteroides nordii、Bacteroides salyersiae、Bacteroides thetaiotaomicron、Bacteroides uniformis、Bacteroides vulgatus、Bartonella henselae、Bartonella quintana、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bilophila wadsworthia、Bordetella pertussis、Borrelia burgdorferi、Borrelia recurrentis、Brevibacillus laterosporus、Brucella abortus、Brucella melitensis、Brucella suis、Burkholderia cepacia、Burkholderia mallei、Burkholderia pseudomallei、Campylobacter coli、Campylobacter curvus、Campylobacter jejuni、Campylobacter rectus、Capnocytophaga gingivalis、Capnocytophaga granulosa、Capnocytophaga haemolytica、Capnocytophaga sputigena、Cardiobacterium hominis、Chryseobacterium meningosepticum、Citrobacter amalonaticus、Citrobacter freundii、Citrobacter koseri、Clostridium butyricum、Clostridium difficile、Clostridium histolyticum、Clostridium hylemonae、Clostridium paraputrificum、Clostridium perfringens、Clostridium septicum、Clostridium sporogenes、Clostridium subterminale、Clostridium tertium、Clostridium tetani、Corynebacterium amycolatum、Corynebacterium confusum、Corynebacterium diphtheriae、Corynebacterium glucuronolyticum、Corynebacterium jeikeium、Corynebacterium kroppenstedtii、Corynebacterium macginleyi、Corynebacterium minutissimum、Corynebacterium pseudodiphtheriticum、Corynebacterium pseudotuberculosis、Corynebacterium riegelii、Corynebacterium tuberculostearicum、Corynebacterium ulcerans、Corynebacterium xerosis、Edwardsiella tarda、Eggerthella lenta、Eikenella corrodens、Elizabethkingia meningoseptica、Empedobacter brevis、Enterobacter aerogenes、Enterobacter aerogenes、Enterobacter cloacae、Enterobacter sakazakii、Enterococcus avium、Enterococcus bovis、Enterococcus casseliflavus、Enterococcus cecorum、Enterococcus dispar、Enterococcus durans、Enterococcus faecium、Enterococcus flavescens、Enterococcus gallinarum、Enterococcus gilvus、Enterococcus hirae、Enterococcus italicus、Enterococcus malodoratus、Enterococcus mundtii、Enterococcus pallens、Enterococcus pseudoavium、Enterococcus raffinosus、Enterococcus sanguinicola、Erysipelothrix rhusiopathiae、Escherichia albertii、Escherichia coli、Eubacterium lentum、Eubacterium limosum、Finegoldia magna、Francisella tularensis、Fusobacterium necrophorum、Fusobacterium nucleatum、Fusobacterium periodonticum、Fusobacterium varium、Gardnerella vaginalis、Gemella morbillorum、Geobacillus stearothermophilus、Granulicatella adiacens、Haemophilus ducreyi、Haemophilus influenzae、Haemophilus parainfluenzae、Hafnia alvei、Halomonas venusta、Helicobacter cinaedi、Helicobacter pylori、Kingella kingae、Klebsiella granulomatis、Klebsiella oxytoca、Klebsiella pneumoniae、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus delbrueckii、Lactobacillus jensenii、Lactococcus garvieae、Legionella pneumophila、Leptospira interrogans、Listeria monocytogenes、Micrococcus luteus、Moraxella catarrhalis、Morganella morganii、Mycoplasma genitalium、Mycoplasma hominis、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Nocardia cyriacigeorgica、Odoribacter splanchnicus、Pantoea agglomerans、Parabacteroides distasonis、Parvimonas micra、Pasteurella multocida、Pediococcus damnosus、Peptoniphilus asaccharolyticus、Peptoniphilus gorbachii、Peptostreptococcus anaerobius、Plesiomonas shigelloides、Porphyromonas asaccharolytica、Porphyromonas gingivalis、Prevotella bivia、Prevotella bivia、Prevotella corporis、Prevotella intermedia、Prevotella melaninogenica、Prevotella nigrescens、Prevotella timonensis、Prevotella veroralis、Propionibacterium acnes、Propionibacterium avidum、Propionibacterium granulosum、Proteus mirabilis、Proteus vulgaris、Providencia rettgeri、Providencia stuartii、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas putida、Rothia dentocariosa、Rothia mucilaginosa、Salmonella enterica、Serratia marcescens、Serratia plymuthica、Shigella boydii、Shigella dysenteriae、Shigella flexneri、Shigella sonnei、Spirillum minus、Staphylococcus aureus、Staphylococcus auricularis、Staphylococcus capitis、Staphylococcus caprae、Staphylococcus carnosus、Staphylococcus cohnii、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus haemolyticus、Staphylococcus hominis、Staphylococcus lugdunensis、Staphylococcus pasteuri、Staphylococcus pettenkoferi、Staphylococcus pulvereri、Staphylococcus saccharolyticus、Staphylococcus saprophyticus、Staphylococcus schleiferi、Staphylococcus simulans、Staphylococcus warneri、Staphylococcus xylosus、Stenotrophomonas maltophilia、Streptobacillus moniliformis、Streptococcus agalactiae、Streptococcus anginosus、Streptococcus bovis、Streptococcus canis、Streptococcus constellatus、Streptococcus dysgalactiae、Streptococcus equi、Streptococcus gallolyticus、Streptococcus gordonii、Streptococcus infantarius、Streptococcus iniae、Streptococcus intermedius、Streptococcus lutetiensis、Streptococcus mitis、Streptococcus mutans、Streptococcus oralis、Streptococcus pasteurianus、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus porcinus、Streptococcus pyogenes、Streptococcus salivarius、Streptococcus salivarius、Streptococcus sanguinis、Streptococcus sobrinus、Streptococcus suis、Streptococcus vestibularis、Sutterella wadsworthensis、Treponema pallidum、Ureaplasma parvum、Vagococcus fluvialis、Veillonella atypica、Veillonella parvula、Vibrio alginolyticus、Vibrio cholerae、Vibrio fluvialis、Vibrio parahaemolyticus、Vibrio vulnificus、Yersinia enterocolitica、Yersinia pestis、Yersinia pseudotuberculosisなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、特別な記載がない限り、操作手順は製品キットに付属の説明書に基づいて行った。
(実施例1) 摸擬検体を用いた菌種同定
牛の全血2mlに牛感染症の原因菌として代表的な細菌であるPasteurella multocidaの培養懸濁液を添加し、100cfu/ml bloodとなるように調製した。
調製液を100xgにて5分間遠心分離し血漿画分を回収後、この上清をさらに13000xgにて5分間遠心分離し、沈殿を回収した。この沈殿からQIAamp UCP Pathogen Mini Kit(QIAGEN)を使って抽出したDNA溶液を鋳型として表1に示した組成でPCRをおこなった。超純水・器具はDNAフリーなものを用いた。リアルタイムPCR装置はロータージーンQ MDx 5plex HRM(QIAGEN)を用い、PCRプログラムについてはまず、95℃ 5分間加熱した後に、94℃ 10秒、65℃ 10秒、72℃ 30秒を40回繰り返した。プライマーは、フォワードプライマー配列番号1とリバースプライマー配列番号2の組み合わせについておこない表1に示した組成で反応をおこなった。次にこの反応産物をDNAフリーな超純水にて500倍に希釈し、されにこれを鋳型として表2に示した組成で95℃ 5分間加熱した後に、94℃ 10秒、60℃ 10秒、72℃ 10秒を30回繰り返した後、増幅産物のDNA解離曲線の作成をおこなった。プライマーは、
(1)フォワードプライマー配列番号3とリバースプライマー配列番号4
(2)フォワードプライマー配列番号5)とリバースプライマー配列番号6
(3)フォワードプライマー配列番号7とリバースプライマー配列番号8
(4)フォワードプライマー配列番号9とリバースプライマー配列番号10
(5)フォワードプライマー配列番号11とリバースプライマー配列番号12
(6)フォワードプライマー配列番号13とリバースプライマー配列番号14
(7)フォワードプライマー配列番号15とリバースプライマー配列番号16
の7つのプライマーペアを用いて、それぞれのプライマーペアごとにPCRを行った。
得られたTm値については、予め取得しておいたPasteurella multocidaのTm値と比較し検証を行った。DNA解離曲線の作成は95℃で10秒加熱した後に、72℃ 90秒保温し、0.5℃ずつ95℃まで昇温させた。また各段階で2秒保温しデータを取得した。得られたDNA解離曲線から、各増幅産物のTm値を求めた。得られた7つのTm値から、前述の[式1]によりD値を算出した。その結果、D値は0.20でPasteurella multocidaと同定された。また、検体から同定までに要した時間は、4時間30分であり、細菌種を迅速に同定できた。
(実施例2) 模擬検体を用いた細菌検出
実施例1の調製液にゲンタマイシン塩酸塩を50mg/Lとなるよう添加して30℃24時間保存した。対照として、ゲンタマイシン塩酸塩未添加の調製液も同様に保存した。1回目のPCRまでは、実施例1と同様に処理した。2回目のPCRは、実施例1の(3)のプライマーペアのみを使用した。その結果、ゲンタマイシン塩酸塩を添加したサンプルは、何も検出されなかった。一方、ゲンタマイシン塩酸塩未添加のサンプルは、2回目のPCRチャートで蛍光が検出された。検体から同定までに要した時間は、4時間20分であり、迅速に感染菌を検出することができ、感染菌の有無が確認できた。
(比較例1)
実施例1と同様に牛の全血、Pasteurella multocida 100cfu/ml bloodとなるよう
牛の全血2mlにPasteurella multocidaの培養懸濁液を添加し、100cfu/ml bloodとなるように調製した。この血液を用い、常法に従った培養による細菌の分離、および同定試験を行ったところ結果の取得までに5日間を要した。
(配列番号)
配列番号1 agagtttgat catggctcag
配列番号2 agacccggga acgtattc
配列番号3 gcaggcttaa cacatgcaag tcg
配列番号4 cgtaggagtc tggaccgt
配列番号5 gtccagactc ctacgggag
配列番号6 cctacgtatt accgcgg
配列番号7 agcagccgcg gtaata
配列番号8 ggactaccag ggtatctaat cct
配列番号9 aacaggatta gataccctgg tag
配列番号10 aattaaacca catgctccac c
配列番号11 tggtttaatt cgatgcaacg c
配列番号12 gagctgacga cagccat
配列番号13 gttaagtccc gcaacgag
配列番号14 ccattgtagc acgtgtgtag
配列番号15 ggctacacac gtgctacaat gg
配列番号16 agacccggga acgtattc
Figure 2021158955
Figure 2021158955

Claims (11)

  1. 家畜の異状を感知して異状を有する異状家畜を同定する異常同定ステップと、
    前記異状家畜のうち細菌感染が確認された感染家畜を隔離する隔離ステップと、
    前記隔離された感染家畜の治癒が確認された後に隔離を解除する解除ステップと、を有する家畜の管理方法であり、
    前記感染家畜は、その感染の有無を、遺伝子増幅法による細菌検出方法および/または遺伝子増幅法による細菌同定方法で確認された家畜である、家畜管理方法。
  2. 前記隔離ステップの後に、同定された菌種に応じた抗菌薬を感染家畜に投与する治療ステップを有する、請求項1に記載の家畜管理方法。
  3. 感染家畜の治癒は、遺伝子増幅法による細菌検出方法および/または遺伝子増幅法による細菌同定方法で確認される、請求項1または請求項2に記載の家畜管理方法。
  4. 前記遺伝子増幅法に供する試料は、異常家畜および/または感染家畜の血液である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の家畜管理方法。
  5. 前記家畜の異状が、発熱、発汗、食欲不振、下痢、腫脹、流涙、発咳、鼻汁、呼吸困難、頻脈、および体重減少からなる群より選ばれる少なくとも1種の異状である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の家畜管理方法。
  6. 前記遺伝子増幅法に用いられる試薬及び器具の合計での細菌由来DNA量が10fg以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の家畜管理方法。
  7. 前記遺伝子増幅法が、Nested-PCR法である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の家畜管理方法。
  8. 前記Nested-PCR法の1回目のPCRに用いられるプライマーペアが、細菌16S rDNA全長を挟み込む細菌16sRNAの共通領域にハイブリダイズするDNA配列を含むものである、請求項7に記載の家畜管理方法。
  9. 前記Nested-PCR法の2回目のPCRに用いられるプライマーペアが、16S rDNA領域内に存在する一つ又は二つ以上の可変領域を挟み込む保存領域内にハイブリダイズするDNA配列を含むものであって、1つ以上のプライマーペアである、請求項7または請求項8に記載の家畜管理方法。
  10. 前記Nested-PCR法の2回目のPCRに用いられるプライマーペアが2組以上である、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の家畜管理方法。
  11. 前記Nested-PCR法の2回目のPCRに用いられるプライマーペアが7組である、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の家畜管理方法。
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