JP2021158823A - 統合電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成の簡素化を図ることができる統合電源装置を提供する。【解決手段】2次側電源回路4は、入出力ノード間に直列接続されたインダクタL1およびスイッチング素子Q1を備え、スイッチング素子Q1のスイッチング動作に伴い出力電圧を生成するスイッチング電源回路である。2次側電源回路4は、インダクタL1およびスイッチング素子Q1の相互接続ノードN3の電圧を入力するブートストラップ回路28と、ブートストラップ回路28から出力される電圧BT1を用いてスイッチング素子Q1をオン駆動するハイサイド駆動部25とを備える。統合電源装置1は、電圧BT1を整流および平滑して出力する整流平滑回路24を備える。2次側電源回路6、7は、入出力ノード間に接続されたスイッチング素子Q3、Q5と、整流平滑回路24から出力される電圧VCPを用いてスイッチング素子Q3、Q5をオン駆動するハイサイド駆動部31、35とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、入力ノードに与えられる電源電圧に基づいて中間電圧を生成して出力ノードから出力する1次側電源回路を備えるとともに、入力ノードに与えられる中間電圧に基づいて出力電圧を生成して出力する2次側電源回路を複数備える統合電源装置に関する。
従来、特許文献1に開示されるように、例えば降圧型のスイッチング電源回路において、その入出力ノード間にインダクタとともに直列接続されるスイッチング素子、つまりハイサイドのスイッチング素子としてNチャネル型MOSトランジスタを用いた構成がある。Nチャネル型MOSトランジスタは、Pチャネル型MOSトランジスタに比べ、オン抵抗などの特性が優れることから、上記構成によれば、損失低減などの効果が期待できる。
ただし、ハイサイドのスイッチング素子としてNチャネル型MOSトランジスタを用いた構成では、そのNチャネル型MOSトランジスタをオン駆動するため、例えばブートストラップ回路を用いた駆動方式を採用する必要がある。ブートストラップ回路を用いた駆動方式を採用すると、ブートストラップ回路を構成するキャパシタおよび整流器が別途必要となり、その分だけ回路規模が増大することになる。
車両に搭載される電源システムとして、例えばバッテリ電圧などの電源電圧に基づいて中間電圧を生成する1次側電源回路と、その1次側電源回路により生成される中間電圧に基づいて出力電圧を生成する複数の2次側電源回路とを備える統合電源装置が用いられることがある。このような統合電源装置では、電源回路が複数存在するため、それら電源回路のハイサイドのスイッチング素子としてNチャネル型MOSトランジスタを用いる場合、複数の電源回路のそれぞれに対応してブートストラップ回路を設ける必要がある。
したがって、統合電源装置では、ブートストラップ回路を構成するキャパシタおよび整流器が電源回路の数に応じた数だけ必要となり、回路規模が大幅に増加するおそれがある。また、電源回路が半導体集積回路、つまりICとして構成される場合、キャパシタはICの外付け部品とされる可能性が高いため、外付け部品を実装するための基板面積の増加、ICの端子数の増加などの問題も生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成の簡素化を図ることができる統合電源装置を提供することにある。
請求項1に記載の統合電源装置は、入力ノードに与えられる電源電圧に基づいて中間電圧を生成して出力ノードから出力する1次側電源回路(3)を備えるとともに、入力ノードに与えられる中間電圧に基づいて出力電圧を生成して出力ノードから出力する2次側電源回路(4〜12)を複数備える。この場合、1次側電源回路および複数の2次側電源回路のうちのいずれか1つである供給元電源回路(3、4、6)は、入力ノードと出力ノードとの間に直列接続されたインダクタ(L1、L2、L5)およびNチャネル型MOSトランジスタであるスイッチング素子(Q1、Q3、Q11)を備え、スイッチング素子のスイッチング動作に伴い出力電圧を生成するスイッチング電源回路である。供給元電源回路は、インダクタおよびスイッチング素子の相互接続ノードの電圧を入力するブートストラップ回路(28、52、102、112)と、ブートストラップ回路の出力電圧を用いてスイッチング素子をオン駆動するハイサイド駆動部(25、31、64)と、を備える。
上記構成の統合電源装置は、ブートストラップ回路の出力電圧を整流および平滑して出力する整流平滑回路(24、53)を備える。そして、1次側電源回路および複数の2次側電源回路のうち供給元電源回路を除く少なくとも1つは、入力ノードと出力ノードとの間に接続されたNチャネル型MOSトランジスタであるスイッチング素子(Q1、Q3、Q5、Q13、Q15)と、整流平滑回路の出力電圧を用いてスイッチング素子をオン駆動するハイサイド駆動部(25、31、35、64、73、82)と、を備える供給先電源回路(4、5、6、7、8)である。
上記構成によれば、供給元電源回路に含まれる1つのブートストラップ回路および整流平滑回路を設けることにより、供給元電源回路のハイサイド駆動部によるスイッチング素子の駆動電源だけでなく、供給先電源回路のハイサイド駆動部によるスイッチング素子の駆動電源をも確保することができる。したがって、上記構成では、1次側電源回路および複数の2次側電源回路の数に対応したブートストラップ回路を設ける従来構成に比べ、ブートストラップ回路の数が低減されることから回路規模が小さく抑えられる。つまり、上記構成によれば、構成の簡素化を図ることができるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
<全体構成>
図1に示す本実施形態の統合電源装置1は、所定の機能を実現するためのシステム2に対して電源供給を行う。統合電源装置1およびシステム2は、いずれも車両に搭載される電子制御装置に設けられる。統合電源装置1は、1つの1次側電源回路3と、複数の2次側電源回路4〜12と、を備える。システム2は、複数の機能ブロック13〜21から構成されている。
図1に示す本実施形態の統合電源装置1は、所定の機能を実現するためのシステム2に対して電源供給を行う。統合電源装置1およびシステム2は、いずれも車両に搭載される電子制御装置に設けられる。統合電源装置1は、1つの1次側電源回路3と、複数の2次側電源回路4〜12と、を備える。システム2は、複数の機能ブロック13〜21から構成されている。
1次側電源回路3は、入力ノードに与えられるバッテリ電圧VBに基づいて中間電圧VINを生成して出力ノードから出力する。この場合、バッテリ電圧VBの定常値は例えば14V程度となっているが、バッテリ電圧VBは、様々な要因により低下および上昇する可能性がある。また、この場合、中間電圧VINの定常値は、例えば4V程度となっている。なお、図1では、1次側電源回路3および2次側電源回路4〜12を表す各ブロックの左側に設けられる白抜きの丸印が入力ノードを表し、各ブロックの右側に設けられる白抜きの丸印が出力ノードを表している。
1次側電源回路3から出力される中間電圧VINは、2次側電源回路4〜12の各入力ノードに対して共通に与えられる。2次側電源回路4、5は、昇圧型のスイッチング電源回路、つまり昇圧型DC/DCコンバータとして構成されている。なお、図1では、昇圧型DC/DCコンバータのことを昇圧DCDCと称している。2次側電源回路4は、入力ノードに与えられる中間電圧VINに基づいて出力電圧Vout1を生成して出力ノードから出力する。
出力電圧Vout1は、例えばCANである機能ブロック13に供給される。なお、CANは、Controller Area Networkの略称である。2次側電源回路5は、入力ノードに与えられる中間電圧VINに基づいて出力電圧Vout2を生成して出力ノードから出力する。出力電圧Vout2は、例えばMCUのI/Oである機能ブロック14に供給される。なお、MCUは、Micro Controller Unitの略称である。
2次側電源回路6〜8は、降圧型のスイッチング電源回路、つまり降圧型DC/DCコンバータとして構成されている。なお、図1では、降圧型DC/DCコンバータのことを降圧DCDCと称している。2次側電源回路6は、入力ノードに与えられる中間電圧VINに基づいて出力電圧Vout3を生成して出力ノードから出力する。出力電圧Vout3は、例えばMCUのCPUまたはSoCのCPUである機能ブロック15に供給される。なお、Socは、System on a Chipの略称である。
2次側電源回路7は、入力ノードに与えられる中間電圧VINに基づいて出力電圧Vout4を生成して出力ノードから出力する。出力電圧Vout4は、例えばDRAMである機能ブロック16に供給される。なお、DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略称である。2次側電源回路8は、入力ノードに与えられる中間電圧VINに基づいて出力電圧Vout5を生成して出力ノードから出力する。出力電圧Vout5は、例えばフラッシュメモリである機能ブロック17に供給される。なお、図1では、フラッシュメモリのことをFLASHと称している。
2次側電源回路9〜12は、シリーズレギュレータ、特に入出力電位差が小さいLDOレギュレータとして構成されている。なお、LDOは、Low Dorp Outの略称である。2次側電源回路9は、入力ノードに与えられる中間電圧VINに基づいて出力電圧Vout6を生成して出力ノードから出力する。出力電圧Vout6は、例えばLVDSである機能ブロック18に供給される。なお、LVDSは、Low Voltage Differential Signalingの略称である。
2次側電源回路10は、入力ノードに与えられる中間電圧VINに基づいて出力電圧Vout7を生成して出力ノードから出力する。出力電圧Vout7は、例えばSoCのI/Oである機能ブロック19に供給される。2次側電源回路11は、入力ノードに与えられる中間電圧VINに基づいて出力電圧Vout8を生成して出力ノードから出力する。出力電圧Vout8は、例えばMCUのA/D変換器またはSoCのA/D変換器である機能ブロック20に供給される。なお、図1では、A/D変換器のことをADCと称している。
2次側電源回路12は、入力ノードに与えられる中間電圧VINに基づいて出力電圧Vout9を生成して出力ノードから出力する。出力電圧Vout9は、例えばカメラなどの画像センサである機能ブロック21に供給される。なお、図1では、画像センサのことをImagerと称している。
<統合電源装置の具体的な構成>
統合電源装置1の具体的な構成としては、例えば図2に示すような構成を採用することができる。なお、図2では、2次側電源回路4〜12のうち3つの2次側電源回路4、6、7だけが図示されており、他の2次側電源回路5、8〜12の図示は省略されている。本実施形態では、2次側電源回路4が供給元電源回路として機能するとともに、2次側電源回路6、7が供給先電源回路として機能する。また、統合電源装置1は、1次側電源回路3および2次側電源回路4、6、7に加え、整流平滑回路24を備えている。
統合電源装置1の具体的な構成としては、例えば図2に示すような構成を採用することができる。なお、図2では、2次側電源回路4〜12のうち3つの2次側電源回路4、6、7だけが図示されており、他の2次側電源回路5、8〜12の図示は省略されている。本実施形態では、2次側電源回路4が供給元電源回路として機能するとともに、2次側電源回路6、7が供給先電源回路として機能する。また、統合電源装置1は、1次側電源回路3および2次側電源回路4、6、7に加え、整流平滑回路24を備えている。
2次側電源回路4は、スイッチング素子Q1、Q2、インダクタL1、キャパシタC1、C2、ダイオードD1、ハイサイド駆動部25、ロウサイド駆動部26および駆動制御部27を備えている。スイッチング素子Q1、Q2は、いずれもNチャネル型MOSトランジスタである。2次側電源回路4は、スイッチング素子Q1のスイッチング動作に伴い出力電圧Vout1を生成する昇圧型のスイッチング電源回路である。電圧Vout1の定常値は、例えば5Vとなっている。この場合、ロウサイドのスイッチング素子Q2がハイサイドのスイッチング素子Q1と相補的にオンオフされることにより整流動作が実現されている。つまり、2次側電源回路4は、同期整流型のスイッチング電源回路である。
1次側電源回路3から出力される中間電圧VINが与えられる入力ノードに相当するノードN1と出力電圧Vout1を出力するための出力ノードに相当するノードN2との間には、インダクタL1およびハイサイドのスイッチング素子Q1が直列接続されている。インダクタL1およびスイッチング素子Q1の相互接続ノードであるノードN3と回路の基準電位である0Vが与えられるグランドとの間にはロウサイドのスイッチング素子Q2が接続されている。
なお、図2などでは、グランドには、符号を付すことなく、一般的なグランドを表すシンボルにより示されている。ノードN2とグランドとの間には、出力電圧Vout1を平滑することなどを目的としたキャパシタC1が接続されている。キャパシタC2およびダイオードD1は、ノードN3の電圧である電圧LX1を入力するとともに電圧BT1を出力するブートストラップ回路28として機能する。
キャパシタC2の一方の端子はノードN3に接続され、その他方の端子はノードN4に接続されている。ノードN4は、ブートストラップ回路28の出力ノードに相当する。ダイオードD1は、ブートストラップ回路28の整流器として機能するものであり、そのアノードは電圧VDD1が与えられる電源線29に接続され、そのカソードはノードN4に接続されている。電圧VDD1は、図示しない電源回路により生成される。上記した電源回路としては、例えばバッテリ電圧VBを降圧して電圧VDD1を生成するシリーズレギュレータ形式の電源回路を採用することができる。電圧VDD1の定常値は、例えば5Vとなっている。
上記構成によれば、図3に示すように、ノードN3の電圧LX1は、スイッチング素子Q1、Q2のスイッチング動作に伴い、ハイレベルとロウレベルとの間で交互に変化する電圧となる。本実施形態において、電圧LX1のハイレベルの定常値は例えば6Vであり、ロウレベルは例えば0Vである。なお、図3では、各電圧について、ハイレベルを単に「H」と表し、ロウレベルを単に「L」と表している。
また、上記構成によれば、図3に示すように、ブートストラップ回路28から出力される電圧BT1は、スイッチング素子Q1、Q2のスイッチング動作に伴い、ハイレベルとロウレベルとの間で交互に変化する電圧となる。電圧BT1のハイレベルは、下記(1)式により表される電圧である。ただし、ダイオードD1の順方向電圧をVf1とする。
BT1=LX1+VDD1−Vf1 …(1)
上記(1)式により表される電圧BT1のハイレベルの定常値は、例えば11Vとなっている。
BT1=LX1+VDD1−Vf1 …(1)
上記(1)式により表される電圧BT1のハイレベルの定常値は、例えば11Vとなっている。
ハイサイド駆動部25には、ブートストラップ回路28の出力電圧である電圧BT1およびノードN3の電圧LX1が供給されている。ハイサイド駆動部25は、駆動制御部27から与えられる2値の制御信号Saに基づいてスイッチング素子Q1を駆動する。ハイサイド駆動部25は、制御信号Saがスイッチング素子Q1のオンを指令するレベルであるとき、電圧BT1がスイッチング素子Q1のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。
また、ハイサイド駆動部25は、制御信号Saがスイッチング素子Q1のオフを指令するレベルであるとき、電圧LX1がスイッチング素子Q1のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。このように、ハイサイド駆動部25は、電圧BT1を用いてスイッチング素子Q1をオン駆動するとともに、電圧LX1を用いてスイッチング素子Q1をオフ駆動する構成となっている。
ロウサイド駆動部26には、電圧VDD1および0Vが供給されている。ロウサイド駆動部26は、駆動制御部27から与えられる制御信号Saに基づいてスイッチング素子Q2を駆動する。ロウサイド駆動部26は、制御信号Saがスイッチング素子Q2のオンを指令するレベルであるとき、電圧VDD1がスイッチング素子Q2のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。また、ロウサイド駆動部26は、制御信号Saがスイッチング素子Q2のオフを指令するレベルであるとき、0Vがスイッチング素子Q2のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。
駆動制御部27は、スイッチング素子Q1、Q2の駆動をPWM制御するための2値の制御信号Saを生成する。なお、PWMは、Pulse Width Modulationの略称である。制御信号Saは、ハイサイド駆動部25およびロウサイド駆動部26に対して共通に与えられる。制御信号Saは、ハイレベルであるときには、スイッチング素子Q1、Q2のうち一方のオンを指令するとともに他方のオフを指令するようになっている。また、制御信号Saは、ロウレベルであるときには、スイッチング素子Q1、Q2のうち一方のオフを指令するとともに他方のオンを指令するようになっている。
整流平滑回路24は、2次側電源回路4のブートストラップ回路28の出力電圧である電圧BT1を整流および平滑して出力するものであり、ダイオードD2およびキャパシタC3を備えている。ダイオードD2は、整流平滑回路24の整流器として機能するものであり、そのアノードは2次側電源回路4のノードN4に接続され、そのカソードはノードN5に接続されている。キャパシタC3は、ノードN5およびグランドの間に接続されている。ノードN5は、整流平滑回路24の出力ノードに相当する。
上記構成では、2次側電源回路4のダイオードD1およびキャパシタC2と、整流平滑回路24のダイオードD2およびキャパシタC3とが、チャージポンプ回路として機能する。そのため、上記構成によれば、整流平滑回路24から出力される電圧VCPは、下記(2)式により表される電圧となる。ただし、ダイオードD2の順方向電圧をVf2とする。
VCP=LX1+VDD1−Vf1−Vf2 …(2)
VCP=LX1+VDD1−Vf1−Vf2 …(2)
上記(2)式により表される電圧VCPの定常値は、例えば10Vとなっている。なお、電圧VCPは、図3に示すように、チャージポンプ動作に起因して所定の傾きで上昇するとともに所定の傾きで減少するといった変化が繰り返される波形となる。
2次側電源回路6は、スイッチング素子Q3、Q4、インダクタL2、キャパシタC4、降圧回路30、ハイサイド駆動部31、ロウサイド駆動部32および駆動制御部33を備えている。スイッチング素子Q3、Q4は、いずれもNチャネル型MOSトランジスタである。2次側電源回路6は、スイッチング素子Q3のスイッチング動作に伴い出力電圧Vout3を生成する降圧型のスイッチング電源回路である。電圧Vout3の定常値は、例えば3Vとなっている。この場合、ロウサイドのスイッチング素子Q4がハイサイドのスイッチング素子Q3と相補的にオンオフされることにより整流動作が実現されている。つまり、2次側電源回路6は、同期整流型のスイッチング電源回路である。
1次側電源回路3から出力される中間電圧VINが与えられる入力ノードに相当するノードN1と出力電圧Vout3を出力するための出力ノードに相当するノードN6との間には、ハイサイドのスイッチング素子Q3およびインダクタL2が直列接続されている。スイッチング素子Q3およびインダクタL2の相互接続ノードであるノードN7とグランドとの間にはロウサイドのスイッチング素子Q4が接続されている。ノードN6とグランドとの間には、出力電圧Vout3を平滑することなどを目的としたキャパシタC4が接続されている。
降圧回路30には、整流平滑回路24の出力電圧である電圧VCPおよびノードN7の電圧LX2が入力されている。降圧回路30は、電圧VCPを降圧した電圧V2を生成して出力する。電圧V2は、電圧LX2を基準電位とした電圧であり、その定常値は例えば9Vとなっている。ハイサイド駆動部31には、降圧回路30の出力電圧である電圧V2およびノードN7の電圧LX2が供給されている。ハイサイド駆動部31は、駆動制御部33から与えられる2値の制御信号Sbに基づいてスイッチング素子Q3を駆動する。
ハイサイド駆動部31は、制御信号Sbがスイッチング素子Q3のオンを指令するレベルであるとき、電圧V2がスイッチング素子Q3のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。また、ハイサイド駆動部31は、制御信号Sbがスイッチング素子Q3のオフを指令するレベルであるとき、電圧LX2がスイッチング素子Q3のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。
このように、ハイサイド駆動部31は、電圧VCPに基づいて生成される電圧V2を用いてスイッチング素子Q3をオン駆動するとともに、電圧LX2を用いてスイッチング素子Q3をオフ駆動する構成となっている。すなわち、ハイサイド駆動部31は、整流平滑回路24の出力電圧である電圧VCPを間接的に用いてスイッチング素子Q3をオン駆動する構成となっている。上記構成によれば、図3に示すように、スイッチング素子Q3のゲートの電圧Vg3は、ハイサイド駆動部31による上記動作に伴い、ハイレベルとロウレベルとの間で交互に変化する電圧となる。この場合、電圧Vg3のハイレベルは電圧V2であり、ロウレベルは電圧LX2である。
ロウサイド駆動部32には、電圧VDD1および0Vが供給されている。ロウサイド駆動部32は、駆動制御部33から与えられる制御信号Sbに基づいてスイッチング素子Q4を駆動する。ロウサイド駆動部32は、制御信号Sbがスイッチング素子Q4のオンを指令するレベルであるとき、電圧VDD1がスイッチング素子Q4のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。また、ロウサイド駆動部32は、制御信号Sbがスイッチング素子Q4のオフを指令するレベルであるとき、0Vがスイッチング素子Q4のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。
駆動制御部33は、スイッチング素子Q3、Q4の駆動をPWM制御するための2値の制御信号Sbを生成する。制御信号Sbは、ハイサイド駆動部31およびロウサイド駆動部32に対して共通に与えられる。制御信号Sbは、ハイレベルであるときには、スイッチング素子Q3、Q4のうち一方のオンを指令するとともに他方のオフを指令するようになっている。また、制御信号Sbは、ロウレベルであるときには、スイッチング素子Q3、Q4のうち一方のオフを指令するとともに他方のオンを指令するようになっている。上記構成によれば、ノードN7の電圧LX2は、スイッチング素子Q3、Q4のスイッチング動作に伴い、例えば4Vと0Vとの間で交互に変化する。
2次側電源回路7は、スイッチング素子Q5、Q6、インダクタL3、キャパシタC5、降圧回路34、ハイサイド駆動部35、ロウサイド駆動部36および駆動制御部37を備えている。スイッチング素子Q5、Q6は、いずれもNチャネル型MOSトランジスタである。2次側電源回路7は、スイッチング素子Q5のスイッチング動作に伴い出力電圧Vout4を生成する降圧型のスイッチング電源回路である。電圧Vout4の定常値は、例えば3Vとなっている。この場合、ロウサイドのスイッチング素子Q6がハイサイドのスイッチング素子Q5と相補的にオンオフされることにより整流動作が実現されている。つまり、2次側電源回路7は、同期整流型のスイッチング電源回路である。
1次側電源回路3から出力される中間電圧VINが与えられる入力ノードに相当するノードN1と出力電圧Vout4を出力するための出力ノードに相当するノードN8との間には、ハイサイドのスイッチング素子Q5およびインダクタL3が直列接続されている。スイッチング素子Q5およびインダクタL3の相互接続ノードであるノードN9とグランドとの間にはロウサイドのスイッチング素子Q6が接続されている。ノードN8とグランドとの間には、出力電圧Vout4を平滑することなどを目的としたキャパシタC5が接続されている。
降圧回路34には、整流平滑回路24の出力電圧である電圧VCPおよびノードN9の電圧LX3が入力されている。降圧回路34は、電圧VCPを降圧した電圧V3を生成して出力する。電圧V3は、電圧LX3を基準電位とした電圧であり、その定常値は例えば9Vとなっている。ハイサイド駆動部35には、降圧回路34の出力電圧である電圧V3およびノードN9の電圧LX3が供給されている。ハイサイド駆動部35は、駆動制御部37から与えられる2値の制御信号Scに基づいてスイッチング素子Q5を駆動する。
ハイサイド駆動部35は、制御信号Scがスイッチング素子Q5のオンを指令するレベルであるとき、電圧V3がスイッチング素子Q5のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。また、ハイサイド駆動部35は、制御信号Scがスイッチング素子Q5のオフを指令するレベルであるとき、電圧LX3がスイッチング素子Q5のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。
このように、ハイサイド駆動部35は、電圧VCPに基づいて生成される電圧V3を用いてスイッチング素子Q5をオン駆動するとともに、電圧LX3を用いてスイッチング素子Q5をオフ駆動する構成となっている。すなわち、ハイサイド駆動部35は、整流平滑回路24の出力電圧である電圧VCPを間接的に用いてスイッチング素子Q5をオン駆動する構成となっている。上記構成によれば、図3に示すように、スイッチング素子Q5のゲートの電圧Vg5は、ハイサイド駆動部35による上記動作に伴い、ハイレベルとロウレベルとの間で交互に変化する電圧となる。この場合、電圧Vg5のハイレベルは電圧V3であり、ロウレベルは電圧LX3である。
ロウサイド駆動部36には、電圧VDD1および0Vが供給されている。ロウサイド駆動部36は、駆動制御部37から与えられる制御信号Scに基づいてスイッチング素子Q6を駆動する。ロウサイド駆動部36は、制御信号Scがスイッチング素子Q6のオンを指令するレベルであるとき、電圧VDD1がスイッチング素子Q6のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。また、ロウサイド駆動部36は、制御信号Scがスイッチング素子Q6のオフを指令するレベルであるとき、0Vがスイッチング素子Q6のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。
駆動制御部37は、スイッチング素子Q5、Q6の駆動をPWM制御するための2値の制御信号Scを生成する。制御信号Scは、ハイサイド駆動部35およびロウサイド駆動部36に対して共通に与えられる。制御信号Scは、ハイレベルであるときには、スイッチング素子Q5、Q6のうち一方のオンを指令するとともに他方のオフを指令するようになっている。また、制御信号Scは、ロウレベルであるときには、スイッチング素子Q5、Q6のうち一方のオフを指令するとともに他方のオンを指令するようになっている。上記構成によれば、ノードN9の電圧LX3は、スイッチング素子Q5、Q6のスイッチング動作に伴い、例えば4Vと0Vとの間で交互に変化する。
本実施形態において、1次側電源回路3、2次側電源回路4、6、7および整流平滑回路24の大部分の構成は、半導体集積装置、つまりICとして構成されている。ただし、平滑用のキャパシタC1、C4、C5、ブートストラップ回路28のキャパシタC2および整流平滑回路24のキャパシタC3は、ICの外部に設けられる外付け部品として構成されている。
<2次側電源回路の具体的な構成>
2次側電源回路4、6、7の具体的な詳細構成としては、例えば図3に示すような構成を採用することができる。なお、図3では、2次側電源回路4、6、7の構成のうち主にハイサイドの一部の構成が図示されており、その他の構成の図示は省略されている。図3に示すように、2次側電源回路4のハイサイド駆動部25は、レベルシフト回路40およびインバータI1〜I4を備えている。
2次側電源回路4、6、7の具体的な詳細構成としては、例えば図3に示すような構成を採用することができる。なお、図3では、2次側電源回路4、6、7の構成のうち主にハイサイドの一部の構成が図示されており、その他の構成の図示は省略されている。図3に示すように、2次側電源回路4のハイサイド駆動部25は、レベルシフト回路40およびインバータI1〜I4を備えている。
レベルシフト回路40は、制御信号Saをレベルシフトした信号を出力する。インバータI1は、レベルシフト回路40の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。インバータI2は、インバータI1の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。インバータI3は、インバータI2の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。インバータI4は、インバータI3の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。
インバータI1〜I4の負側電源端子にはノードN3の電圧LX1が与えられ、それらの正側電源端子にはノードN4の電圧BT1が与えられている。そのため、インバータI1〜I4の出力電圧は、電圧LX1または電圧BT1となる。上記構成では、インバータI4の出力電圧がハイサイド駆動部25の出力電圧として、スイッチング素子Q1のゲートに与えられる。2次側電源回路4のキャパシタC2は、前述したように外付け部品であることから、ICの端子を介してノードN3およびノードN4の間に接続されている。また、整流平滑回路24のキャパシタC3は、前述したように外付け部品であることから、ICの端子を介してノードN5およびグランドの間に接続されている。
2次側電源回路6の降圧回路30は、電流源41、ダイオードD3、ツェナーダイオードZD1およびスイッチング素子Q7を備えている。電流源41は、一定の電流を出力するものであり、その一方の端子はノードN5に接続され、その他方の端子はダイオードD3を順方向に介してノードN10に接続されている。ツェナーダイオードZD1は、降圧回路30の出力電圧に応じたツェナー電圧を有するものであり、そのカソードはノードN10に接続され、そのアノードはノードN7に接続されている。
スイッチング素子Q7は、Nチャネル型MOSトランジスタであり、降圧回路30の入出力ノード間に接続されている。スイッチング素子Q7のゲートには、ノードN10の電圧が与えられている。このような構成により、降圧回路30から出力される電圧V2は、電圧VCPを降圧した電圧となり、その電圧値はツェナーダイオードZD1のツェナー電圧に応じた値となる。2次側電源回路6のハイサイド駆動部31は、レベルシフト回路42およびインバータI5〜I8を備えている。レベルシフト回路42は、制御信号Sbをレベルシフトした信号を出力する。
インバータI5は、レベルシフト回路42の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。インバータI6は、インバータI5の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。インバータI7は、インバータI6の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。インバータI8は、インバータI7の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。インバータI5〜I8の負側電源端子にはノードN7の電圧LX2が与えられ、それらの正側電源端子には電圧V2が与えられている。そのため、インバータI5〜I8の出力電圧は、電圧LX2または電圧V2となる。上記構成では、インバータI8の出力電圧がハイサイド駆動部31の出力電圧として、スイッチング素子Q3のゲートに与えられる。
2次側電源回路7の降圧回路34は、電流源43、ダイオードD4、ツェナーダイオードZD2およびスイッチング素子Q8を備えている。電流源43は、一定の電流を出力するものであり、その一方の端子はノードN5に接続され、その他方の端子はダイオードD4を順方向に介してノードN11に接続されている。ツェナーダイオードZD2は、降圧回路34の出力電圧に応じたツェナー電圧を有するものであり、そのカソードはノードN11に接続され、そのアノードはノードN9に接続されている。
スイッチング素子Q8は、Nチャネル型MOSトランジスタであり、降圧回路34の入出力ノード間に接続されている。スイッチング素子Q8のゲートには、ノードN11の電圧が与えられている。このような構成により、降圧回路34から出力される電圧V3は、電圧VCPを降圧した電圧となり、その電圧値はツェナーダイオードZD2のツェナー電圧に応じた値となる。2次側電源回路7のハイサイド駆動部35は、レベルシフト回路44およびインバータI9〜I12を備えている。レベルシフト回路44は、制御信号Scをレベルシフトした信号を出力する。
インバータI9は、レベルシフト回路44の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。インバータI10は、インバータI9の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。インバータI11は、インバータI10の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。インバータI12は、インバータI11の出力信号を入力し、その入力信号を反転した信号を出力する。インバータI9〜I12の負側電源端子にはノードN9の電圧LX3が与えられ、それらの正側電源端子には電圧V3が与えられている。そのため、インバータI9〜I12の出力電圧は、電圧LX3または電圧V3となる。上記構成では、インバータI12の出力電圧がハイサイド駆動部35の出力電圧として、スイッチング素子Q5のゲートに与えられる。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
統合電源装置1が備える複数の2次側電源回路4〜12のうちの1つである2次側電源回路4は、昇圧型のスイッチング電源回路であり、インダクタL1およびハイサイドのスイッチング素子Q1の相互接続ノードであるノードN3の電圧を入力するブートストラップ回路28と、ブートストラップ回路28の出力電圧である電圧BT1を用いて、Nチャネル型MOSトランジスタであるハイサイドのスイッチング素子Q1をオン駆動するハイサイド駆動部25と、を備えている。
統合電源装置1が備える複数の2次側電源回路4〜12のうちの1つである2次側電源回路4は、昇圧型のスイッチング電源回路であり、インダクタL1およびハイサイドのスイッチング素子Q1の相互接続ノードであるノードN3の電圧を入力するブートストラップ回路28と、ブートストラップ回路28の出力電圧である電圧BT1を用いて、Nチャネル型MOSトランジスタであるハイサイドのスイッチング素子Q1をオン駆動するハイサイド駆動部25と、を備えている。
この場合、統合電源装置1は、2次側電源回路4のブートストラップ回路28から出力される電圧BT1を整流および平滑して出力する整流平滑回路24を備えている。そして、2次側電源回路6は、降圧型のスイッチング電源回路であり、そのハイサイド駆動部31は、整流平滑回路24から出力される電圧VCPを間接的に用いて、Nチャネル型MOSトランジスタであるハイサイドのスイッチング素子Q3をオン駆動する構成となっている。また、2次側電源回路7は、降圧型のスイッチング電源回路であり、そのハイサイド駆動部35は、整流平滑回路24から出力される電圧VCPを間接的に用いて、Nチャネル型MOSトランジスタであるハイサイドのスイッチング素子Q5をオン駆動する構成となっている。
上記構成によれば、2次側電源回路4に含まれる1つのブートストラップ回路28および整流平滑回路24を設けることにより、その2次側電源回路4のハイサイド駆動部25によるスイッチング素子Q1の駆動電源だけでなく、他の2次側電源回路6、7のハイサイド駆動部31、35によるスイッチング素子Q3、Q5の駆動電源をも確保することができる。したがって、上記構成では、2次側電源回路4、6、7の数に対応したブートストラップ回路を設ける従来構成に比べ、ブートストラップ回路の数が低減されることから回路規模が小さく抑えられる。つまり、本実施形態によれば、構成の簡素化を図ることができるという優れた効果が得られる。
本実施形態では、2次側電源回路4、6、7および整流平滑回路24の大部分の構成は、ICとして構成されている。ただし、ブートストラップ回路28のキャパシタC2および整流平滑回路24のキャパシタC3は、ICの外部に設けられる外付け部品として構成されている。このような構成では、キャパシタC2およびC3を実装するための基板面積を確保するとともに、キャパシタC2およびC3を接続するための端子をICに設ける必要が生じる。
しかし、このような本実施形態の構成によれば、2次側電源回路4、6、7の数に対応したブートストラップ回路を設ける従来構成をIC化する場合に比べると、外付け部品を実装するための基板面積を小さく抑えることができるとともに、ICの端子数を少なく抑えることができる。なお、2次側電源回路8についても2次側電源回路6、7と同様の構成を採用して供給先電源回路として機能させることが可能であり、そのようにすれば、上記した各効果が一層高まることになる。
本実施形態では、昇圧型のスイッチング電源回路である2次側電源回路4にブートストラップ回路28が設けられている。そして、降圧型のスイッチング電源回路である2次側電源回路6、7は、ブートストラップ回路28から出力される電圧BT1を整流および平滑することで得られる電圧VCPを間接的に用いてハイサイドのスイッチング素子Q3、Q5をオン駆動する構成となっている。このような構成によれば、降圧型のスイッチング電源回路である2次側電源回路6などにブートストラップ回路を設けて同様の構成とする比較例に比べ、次のようなメリットがある。
すなわち、上記構成によれば、比較例に比べ、電圧BT1、ひいては電圧VCPが高くなることから、バッテリ電圧VBが低下した際にもハイサイドのスイッチング素子Q3、Q5をオン駆動するための電圧を確保することができる。つまり、本実施形態によれば、比較例に比べ、2次側電源回路6、7の最低動作電圧を高くすることができ、その結果、バッテリ電圧VBが低下した場合でも2次側電源回路6、7により生成される出力電圧Vout3、Vout4の供給先である機能ブロック15、16を動作可能な状態に維持することができる。
本実施形態の構成では、2次側電源回路4のハイサイド駆動部25がブートストラップ回路28から出力される電圧BT1を用いてハイサイドのスイッチング素子Q1をオン駆動していることから、そのスイッチング素子Q1を100%のオンデューティで駆動することはできない。しかし、2次側電源回路4のような昇圧型のスイッチング電源回路では、ハイサイドのスイッチング素子を100%のオンデューティで駆動することは一般的ではなく、特段の問題は生じない。一方、2次側電源回路6、7などの降圧型のスイッチング電源回路では、入力電圧が低下したときなどにおいて、ハイサイドのスイッチング素子を100%のオンデューティで駆動させるということがあり得る。
本実施形態では、2次側電源回路6、7のハイサイド駆動部31、35は、整流平滑回路24から出力される電圧VCPを降圧して得られる電圧V2、V3を用いてハイサイドのスイッチング素子Q3、Q5をオン駆動していることから、スイッチング素子Q3、Q5を100%のオンデューティで駆動することができる。そのため、本実施形態によれば、バッテリ電圧VBが低下するなどして2次側電源回路6、7に対する入力電圧が低下した場合でも、2次側電源回路6、7の出力電圧Vout3、Vout4が目標値から低下してしまうことを抑制することができる。
(第2実施形態)
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第2実施形態について図5を参照して説明する。
図5に示すように、本実施形態の統合電源装置51は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、2次側電源回路4においてブートストラップ回路28に代えてブートストラップ回路52が設けられている点、整流平滑回路24に代えて整流平滑回路53が設けられている点などが異なる。
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第2実施形態について図5を参照して説明する。
図5に示すように、本実施形態の統合電源装置51は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、2次側電源回路4においてブートストラップ回路28に代えてブートストラップ回路52が設けられている点、整流平滑回路24に代えて整流平滑回路53が設けられている点などが異なる。
ブートストラップ回路52は、ブートストラップ回路28に対し、ダイオードD1に代えてスイッチSW1が設けられている点が異なる。スイッチSW1は、MOSトランジスタなどのスイッチング素子により構成されている。スイッチSW1は、第1実施形態におけるダイオードD1と同様の整流器として機能するように、そのオンオフが制御される。つまり、ブートストラップ回路52は、整流器としてスイッチング素子であるスイッチSW1を用いた同期整流の構成となっている。
整流平滑回路53は、整流平滑回路24に対し、ダイオードD2に代えてスイッチSW2が設けられている点が異なる。スイッチSW2は、第1実施形態におけるダイオードD2と同様の整流器として機能するように、そのオンオフが制御される。つまり、整流平滑回路53は、整流器としてスイッチング素子であるスイッチSW2を用いた同期整流の構成となっている。
以上説明した本実施形態の統合電源装置51によっても、第1実施形態の統合電源装置1と同様の動作を行うことができる。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態によれば、電圧BT1および電圧VCPについて、ダイオードD1、D2の順方向電圧Vf1、Vf2による電圧降下分が無くなり、スイッチSW1、SW2のオン抵抗による電圧降下だけに留められるため、ハイサイド駆動部25、31、35によるスイッチング素子Q1、Q3、Q5のオン駆動電圧を十分に確保することが可能となる。
(第3実施形態)
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第3実施形態について図6を参照して説明する。
図6に示すように、本実施形態の統合電源装置61は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、1次側電源回路3の具体的な構成が変更されている点などが異なる。この場合、2次側電源回路6、7に加え、1次側電源回路3も供給先電源回路として機能する。
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第3実施形態について図6を参照して説明する。
図6に示すように、本実施形態の統合電源装置61は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、1次側電源回路3の具体的な構成が変更されている点などが異なる。この場合、2次側電源回路6、7に加え、1次側電源回路3も供給先電源回路として機能する。
1次側電源回路3は、スイッチング素子Q11、Q12、インダクタL5、キャパシタC11、C12、ダイオードD11、D12、降圧回路62、63、ハイサイド駆動部64、ロウサイド駆動部65および駆動制御部66を備えている。スイッチング素子Q11、Q12は、いずれもNチャネル型MOSトランジスタである。1次側電源回路3は、スイッチング素子Q11のスイッチング動作に伴い中間電圧VINを生成する降圧型のスイッチング電源回路である。この場合、ロウサイドのスイッチング素子Q12がハイサイドのスイッチング素子Q11と相補的にオンオフされることにより整流動作が実現されている。つまり、1次側電源回路3は、同期整流型のスイッチング電源回路である。
バッテリ電圧VBが与えられる入力ノードに相当するノードN15と中間電圧VINを出力するための出力ノードに相当するノードN16との間には、ハイサイドのスイッチング素子Q11およびインダクタL5が直列接続されている。スイッチング素子Q11およびインダクタL5の相互接続ノードであるノードN17とグランドとの間にはロウサイドのスイッチング素子Q12が接続されている。ノードN16とグランドとの間には、中間電圧VINを平滑することなどを目的としたキャパシタC11が接続されている。
降圧回路62は、バッテリ電圧VBを降圧した電圧Vbを生成して出力する。電圧Vbは、グランドを基準電位とした電圧となっている。降圧回路62の出力端子は、ダイオードD11を順方向に介してノードN18に接続されている。降圧回路63には、整流平滑回路24の出力電圧である電圧VCPおよびノードN17の電圧LXが入力されている。降圧回路63は、電圧VCPを降圧した電圧Vaを生成して出力する。電圧Vaは、電圧LXを基準電位とした電圧となっている。降圧回路63の出力端子は、ダイオードD12を順方向に介してノードN18に接続されている。
キャパシタC12は、ノードN17およびノードN18の間に接続されている。キャパシタC12は、ダイオードD11またはダイオードD12とともにブートストラップ回路67を構成している。ブートストラップ回路67は、ノードN17の電圧LXを入力するとともに、ノードN18から電圧BTを出力する。電圧BTは、スイッチング素子Q11、Q12のスイッチング動作に伴い、ハイレベルとロウレベルとの間で交互に変化する電圧となる。
電圧BTのハイレベルは、電圧Vbが電圧Vaよりも高い電圧となる期間には下記(3)式により表される電圧となり、電圧Vaが電圧Vbよりも高い電圧となる期間には下記(4)式により表される電圧となる。ただし、ダイオードD11、D12の各順方向電圧をそれぞれVf11、Vf12とする。
BT=LX+Vb−Vf11 …(3)
BT=LX+Va−Vf12 …(4)
BT=LX+Vb−Vf11 …(3)
BT=LX+Va−Vf12 …(4)
このように、電圧BTは、電圧Vbが電圧Vaよりも高い電圧となる期間には降圧回路62から出力される電圧Vbに基づいた電圧となり、電圧Vaが電圧Vbよりも高い電圧となる期間には降圧回路63から出力される電圧Vaに基づいた電圧となる。
上記構成において、降圧回路62および降圧回路63は、バッテリ電圧VBが所定の下限電圧値以上であるときには「電圧Va<電圧Vb」となり且つバッテリ電圧VBが下限電圧値未満であるときには「電圧Va>電圧Vb」となるように構成されている。したがって、上記構成において、ブートストラップ回路67は、バッテリ電圧VBが下限電圧値以上であるときにはバッテリ電圧VBを用いて生成される電圧Vbに基づいて電圧BTを生成し、バッテリ電圧VBが下限電圧値未満であるときには電圧VCPを用いて生成される電圧Vaに基づいて電圧BTを生成する。
ハイサイド駆動部64には、ブートストラップ回路67の出力電圧である電圧BTおよびノードN17の電圧LXが供給されている。ハイサイド駆動部64は、駆動制御部66から与えられる2値の制御信号Sdに基づいてスイッチング素子Q11を駆動する。ハイサイド駆動部64は、制御信号Sdがスイッチング素子Q11のオンを指令するレベルであるとき、電圧BTがスイッチング素子Q11のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。
また、ハイサイド駆動部64は、制御信号Sdがスイッチング素子Q11のオフを指令するレベルであるとき、電圧LXがスイッチング素子Q11のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。このように、ハイサイド駆動部64は、電圧VBまたは電圧VCPに基づいて生成される電圧BTを用いてスイッチング素子Q11をオン駆動するとともに、電圧LXを用いてスイッチング素子Q11をオフ駆動する構成となっている。すなわち、ハイサイド駆動部64は、整流平滑回路24の出力電圧である電圧VCPを間接的に用いてスイッチング素子Q11をオン駆動する構成となっている。
ロウサイド駆動部65には、電圧VDD1および0Vが供給されている。ロウサイド駆動部65は、駆動制御部66から与えられる制御信号Sdに基づいてスイッチング素子Q12を駆動する。ロウサイド駆動部65は、制御信号Sdがスイッチング素子Q12のオンを指令するレベルであるとき、電圧VDD1がスイッチング素子Q12のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。また、ロウサイド駆動部65は、制御信号Sdがスイッチング素子Q12のオフを指令するレベルであるとき、0Vがスイッチング素子Q12のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。
駆動制御部66は、スイッチング素子Q11、Q12の駆動をPWM制御するための2値の制御信号Sdを生成する。制御信号Sdは、ハイサイド駆動部64およびロウサイド駆動部65に対して共通に与えられる。制御信号Sdは、ハイレベルであるときには、スイッチング素子Q11、Q12のうち一方のオンを指令するとともに他方のオフを指令するようになっている。また、制御信号Sdは、ロウレベルであるときには、スイッチング素子Q11、Q12のうち一方のオフを指令するとともに他方のオンを指令するようになっている。
以上説明した本実施形態の統合電源装置61によっても、第1実施形態の統合電源装置1と同様の動作を行うことができる。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、1次側電源回路3のブートストラップ回路67は、バッテリ電圧VBが下限電圧値以上であるときにはバッテリ電圧VBを用いて生成される電圧Vbに基づいて電圧BTを生成し、バッテリ電圧VBが下限電圧値未満であるときには電圧VCPを用いて生成される電圧Vaに基づいて電圧BTを生成する。
また、1次側電源回路3のハイサイド駆動部64は、このようなブートストラップ回路67から出力される電圧BTを用いてハイサイドのスイッチング素子Q11をオン駆動する。このような構成によれば、バッテリ電圧VBが低下した場合であっても、1次側電源回路3においてハイサイドのスイッチング素子Q11をオン駆動するための電圧を確保することができ、その結果、スイッチング素子Q11のオン抵抗が高くなって1次側電源回路3における電力損失が増加するといった問題の発生を抑制することができる。
(第4実施形態)
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第4実施形態について図7を参照して説明する。
図7に示すように、本実施形態の統合電源装置71は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、2次側電源回路7に代えて2次側電源回路5が供給先電源回路として機能する点が異なる。なお、統合電源装置71は、2次側電源回路7についても供給先電源回路として機能させることもできる。その場合、2次側電源回路7は、図2に示した構成と同様の構成を採用すればよい。
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第4実施形態について図7を参照して説明する。
図7に示すように、本実施形態の統合電源装置71は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、2次側電源回路7に代えて2次側電源回路5が供給先電源回路として機能する点が異なる。なお、統合電源装置71は、2次側電源回路7についても供給先電源回路として機能させることもできる。その場合、2次側電源回路7は、図2に示した構成と同様の構成を採用すればよい。
2次側電源回路5は、スイッチング素子Q13、Q14、インダクタL6、キャパシタC13、降圧回路72、ハイサイド駆動部73、ロウサイド駆動部74および駆動制御部75を備えている。スイッチング素子Q13、Q14は、いずれもNチャネル型MOSトランジスタである。2次側電源回路5は、スイッチング素子Q13のスイッチング動作に伴い出力電圧Vout2を生成する昇圧型のスイッチング電源回路である。この場合、ロウサイドのスイッチング素子Q14がハイサイドのスイッチング素子Q13と相補的にオンオフされることにより整流動作が実現されている。つまり、2次側電源回路5は、同期整流型のスイッチング電源回路である。
1次側電源回路3から出力される中間電圧VINが与えられる入力ノードに相当するノードN1と出力電圧Vout2を出力するための出力ノードに相当するノードN19との間には、インダクタL6およびハイサイドのスイッチング素子Q13が直列接続されている。インダクタL6およびスイッチング素子Q13の相互接続ノードであるノードN20とグランドとの間にはロウサイドのスイッチング素子Q14が接続されている。ノードN19とグランドとの間には、出力電圧Vout2を平滑することなどを目的としたキャパシタC13が接続されている。
降圧回路72には、整流平滑回路24の出力電圧である電圧VCPおよびノードN20の電圧LX4が入力されている。降圧回路72は、電圧VCPを降圧した電圧V4を生成して出力する。電圧V4は、電圧LX4を基準電位とした電圧となっている。ハイサイド駆動部73には、降圧回路72の出力電圧である電圧V4およびノードN20の電圧LX4が供給されている。ハイサイド駆動部73は、駆動制御部75から与えられる2値の制御信号Seに基づいてスイッチング素子Q13を駆動する。
ハイサイド駆動部73は、制御信号Seがスイッチング素子Q13のオンを指令するレベルであるとき、電圧V4がスイッチング素子Q1のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。また、ハイサイド駆動部73は、制御信号Seがスイッチング素子Q13のオフを指令するレベルであるとき、電圧LX4がスイッチング素子Q13のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。
このように、ハイサイド駆動部73は、電圧VCPに基づいて生成される電圧V4を用いてスイッチング素子Q13をオン駆動するとともに、電圧LX4を用いてスイッチング素子Q13をオフ駆動する構成となっている。すなわち、ハイサイド駆動部73は、整流平滑回路24の出力電圧である電圧VCPを間接的に用いてスイッチング素子Q13をオン駆動する構成となっている。
ロウサイド駆動部74には、電圧VDD1および0Vが供給されている。ロウサイド駆動部74は、駆動制御部75から与えられる制御信号Seに基づいてスイッチング素子Q14を駆動する。ロウサイド駆動部74は、制御信号Seがスイッチング素子Q14のオンを指令するレベルであるとき、電圧VDD1がスイッチング素子Q14のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。また、ロウサイド駆動部74は、制御信号Seがスイッチング素子Q14のオフを指令するレベルであるとき、0Vがスイッチング素子Q14のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。
駆動制御部75は、スイッチング素子Q13、Q14の駆動をPWM制御するための2値の制御信号Seを生成する。制御信号Seは、ハイサイド駆動部73およびロウサイド駆動部74に対して共通に与えられる。制御信号Seは、ハイレベルであるときには、スイッチング素子Q13、Q14のうち一方のオンを指令するとともに他方のオフを指令するようになっている。また、制御信号Seは、ロウレベルであるときには、スイッチング素子Q13、Q14のうち一方のオフを指令するとともに他方のオンを指令するようになっている。
以上説明した本実施形態の統合電源装置71によれば、2次側電源回路7に代えて2次側電源回路5が供給先電源回路として機能するようになっているものの、基本的には第1実施形態の統合電源装置1と同様の動作を行うことができる。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態の統合電源装置71は、統合電源装置1と同様、2次側電源回路7、8についても供給先電源回路として機能させることができる。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができるという効果、IC化する場合に外付け部品を実装するための基板面積を小さく抑えるとともにICの端子数を少なく抑えることができるという効果が一層高まることになる。
(第5実施形態)
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第5実施形態について図8を参照して説明する。
図8に示すように、本実施形態の統合電源装置81は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、2次側電源回路7に代えて2次側電源回路9が供給先電源回路として機能する点が異なる。なお、統合電源装置81は、2次側電源回路7についても供給先電源回路として機能させることもできる。その場合、2次側電源回路7は、図2に示した構成と同様の構成を採用すればよい。
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第5実施形態について図8を参照して説明する。
図8に示すように、本実施形態の統合電源装置81は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、2次側電源回路7に代えて2次側電源回路9が供給先電源回路として機能する点が異なる。なお、統合電源装置81は、2次側電源回路7についても供給先電源回路として機能させることもできる。その場合、2次側電源回路7は、図2に示した構成と同様の構成を採用すればよい。
2次側電源回路9は、スイッチング素子Q15、キャパシタC14および駆動部82を備えている。スイッチング素子Q15は、Nチャネル型MOSトランジスタであり、1次側電源回路3から出力される中間電圧VINが与えられる入力ノードに相当するノードN1と出力電圧Vout6を出力するための出力ノードに相当するノードN21との間に接続されている。ノードN21とグランドとの間には、出力電圧Vout6を平滑することなどを目的としたキャパシタC14が接続されている。
駆動部82は、出力電圧Vout6の値が所望する目標値となるようにスイッチング素子Q15を駆動するものであり、一定の電流を出力する電流源83、Pチャネル型MOSトランジスタであるスイッチング素子Q16、OPアンプ84、抵抗R1、R2および電圧源85を備えている。整流平滑回路24の出力ノードであるノードN5とグランドとの間には電流源83およびスイッチング素子Q16が接続されている。電流源83およびスイッチング素子Q16の相互接続ノードであるノードN22は、スイッチング素子Q15のゲートに接続されている。
ノードN21とグランドとの間には抵抗R1、R2が直列接続されている。抵抗R1、R2の相互接続ノードであるノードN23の電圧、つまり出力電圧Vout6を抵抗R1、R2により分圧した電圧Vcは、OPアンプ84の反転入力端子に与えられる。電圧源85は、出力電圧Vout6の目標値に対応する電圧Vdを生成する。電圧源85により生成される電圧Vdは、OPアンプ84の非反転入力端子に与えられる。OPアンプ84の出力端子は、スイッチング素子Q16のゲートに接続されている。このように、2次側電源回路9は、LDOレギュレータとして構成されている。このような構成の2次側電源回路9において、駆動部82は、整流平滑回路24から出力される電圧VCPを用いてスイッチング素子Q15をオン駆動するハイサイド駆動部として機能する。
以上説明した本実施形態の統合電源装置81によれば、2次側電源回路7に代えて2次側電源回路9が供給先電源回路として機能するようになっているものの、基本的には第1実施形態の統合電源装置1と同様の動作を行うことができる。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態の統合電源装置81は、統合電源装置1と同様、2次側電源回路7、8についても供給先電源回路として機能させることができる。
このようにすれば、構成の簡素化を図ることができるという効果、IC化する場合に外付け部品を実装するための基板面積を小さく抑えるとともにICの端子数を少なく抑えることができるという効果が一層高まることになる。なお、LDOレギュレータとして構成された他の2次側電源回路10〜12についても、2次側電源回路9と同様の構成を採用して供給先電源回路として機能させることが可能であり、そのようにすれば、上記した各効果がより一層高まることになる。
(第6実施形態)
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第6実施形態について図9を参照して説明する。
図9に示すように、本実施形態の統合電源装置91は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、検出部92およびAND回路93が追加されている点などが異なる。検出部92は、整流平滑回路24の出力電圧を検出するものであり、コンパレータ94および電圧源95を備えている。コンパレータ94の反転入力端子には、整流平滑回路24から出力される電圧VCPが入力されている。
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第6実施形態について図9を参照して説明する。
図9に示すように、本実施形態の統合電源装置91は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、検出部92およびAND回路93が追加されている点などが異なる。検出部92は、整流平滑回路24の出力電圧を検出するものであり、コンパレータ94および電圧源95を備えている。コンパレータ94の反転入力端子には、整流平滑回路24から出力される電圧VCPが入力されている。
電圧源95は、所定の判定閾値Vthに対応する電圧Veを生成する。判定閾値Vthは、後述するように電圧VCPの低下を判定するための閾値であり、例えば電圧VCPの定常値よりも低い任意の値に設定されている。電圧源95により生成された電圧Veは、コンパレータ94の非反転入力端子に与えられる。コンパレータ94の出力信号である信号Sfは、電圧VCPの検出値に応じて変化する2値の信号となる。すなわち、信号Sfは、電圧VCPの検出値が判定閾値Vth以上である期間にはロウレベルになるとともに、電圧VCPの検出値が判定閾値Vth未満である場合にはハイレベルになる。
AND回路93は、2次側電源回路4のロウサイド駆動部26に対する制御信号Saの供給経路に直列に介在するように設けられている。すなわち、AND回路93の一方の入力端子には制御信号Saが与えられ、その他方の入力端子には信号Sfが与えられている。AND回路93の出力信号である信号Sgは、ロウサイド駆動部26に与えられている。この場合、ロウサイド駆動部26は、AND回路93から出力される信号Sgに基づいてスイッチング素子Q2を駆動するようになっている。
具体的には、ロウサイド駆動部26は、ハイレベルの信号Sgが与えられるとスイッチング素子Q2をオフ駆動するとともに、ロウレベルの信号Sgが与えられるとスイッチング素子Q2をオン駆動する。上記構成によれば、検出部92により検出される電圧VCPの検出値が判定閾値Vth以上であるときには信号Sfがハイレベルになるため、AND回路93から出力される信号Sgが制御信号Saと同じ論理の信号となる。そのため、ロウサイド駆動部26は、電圧VCPの検出値が判定閾値Vth以上であるときには、第1実施形態と同様にスイッチング素子Q2を駆動する。
これに対し、検出部92により検出される電圧VCPの検出値が判定閾値Vth未満であるときには信号Sfがロウレベルになるため、AND回路93から出力される信号Sgが信号Saのレベルとは無関係にロウレベルに固定される。そのため、ロウサイド駆動部26は、電圧VCPの検出値が判定閾値Vth未満であるときには、制御信号Saのレベルに関係なく、スイッチング素子Q2をオン駆動する。
これにより、「電源線29→ダイオードD1→キャパシタC2→スイッチング素子Q2→グランド」という通電経路が形成され、電圧VDD1によりキャパシタC2が充電される。このように、本実施形態では、検出部92により検出される電圧VCPの検出値が判定閾値Vth未満になるとブートストラップ回路28のキャパシタC2を充電するようにロウサイド駆動部26の動作が制御されるようになっており、AND回路93が上記動作の制御を行う充電制御部として機能する。
以上説明した本実施形態の統合電源装置91によっても、第1実施形態の統合電源装置1と同様の動作を行うことができる。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、統合電源装置91が適用されるシステムによっては、そのシステムがスリープ状態などに移行する際に1次側電源回路3および2次側電源回路4〜12の一部または全部が暗電流モードに設定される可能性がある。暗電流モードは、駆動制御部27、33、37などにより生成される制御信号Sa、Sb、Scの周波数、つまりPWMの周波数を通常時よりも十分に低くすることで、消費電流を低減するモードである。
ここで、供給元電源回路として機能する2次側電源回路4が暗電流モードに設定された場合、PWMの周波数が低くなることに伴い、ブートストラップ回路28のキャパシタC2の充電が十分に行われなくなる。そうすると、ブートストラップ回路28から出力される電圧BT1、ひいては整流平滑回路24から出力される電圧VCPが所望する値よりも低くなり、電圧VCPの供給先となる2次側電源回路6、7においてハイサイドのスイッチング素子Q3、Q5のオン駆動電圧を十分に確保できなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、電圧VCPの検出値が判定閾値Vth未満になるとブートストラップ回路28のキャパシタC2を充電するようにロウサイド駆動部26の動作が制御されるようになっている。つまり、本実施形態では、電圧VCPが所望する値よりも低下すると、キャパシタC2が充電されることにより電圧VCPが高められるようになっている。このようにすれば、2次側電源回路4が暗電流モードに設定された場合であっても、2次側電源回路6、7においてハイサイドのスイッチング素子Q3、Q5のオン駆動電圧を十分に確保することができる。
(第7実施形態)
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第7実施形態について図10を参照して説明する。
図10に示すように、本実施形態の統合電源装置101は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、1次側電源回路3が供給元電源回路として機能するとともに、2次側電源回路4が供給先電源回路として機能するように、それらの具体的な構成が変更されている点、整流平滑回路24の接続形態が変更されている点などが異なる。
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第7実施形態について図10を参照して説明する。
図10に示すように、本実施形態の統合電源装置101は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、1次側電源回路3が供給元電源回路として機能するとともに、2次側電源回路4が供給先電源回路として機能するように、それらの具体的な構成が変更されている点、整流平滑回路24の接続形態が変更されている点などが異なる。
1次側電源回路3は、図6に示した第3実施形態の1次側電源回路3に対し、降圧回路63およびダイオードD12が省かれている点などが異なる。この場合、キャパシタC12およびダイオードD11によりブートストラップ回路102が構成されている。そのため、ブートストラップ回路102から出力される電圧BTのハイレベルは、上記した(3)式により表される電圧となる。そのため、ハイサイド駆動部64は、ブートストラップ回路102の出力電圧である電圧BTを用いてスイッチング素子Q11をオン駆動する構成となる。
この場合、整流平滑回路24において、ダイオードD2のアノードが1次側電源回路3のノードN18に接続されている。これにより、整流平滑回路24は、1次側電源回路3のブートストラップ回路102の出力電圧である電圧BTを整流および平滑して出力するようになっている。上記構成では、1次側電源回路3のダイオードD11およびキャパシタC12と、整流平滑回路24のダイオードD2およびキャパシタC3とが、チャージポンプ回路として機能する。そのため、上記構成によれば、整流平滑回路24から出力される電圧VCPは、下記(5)式により表される電圧となる。
VCP=LX+Vb−Vf11−Vf2 …(5)
VCP=LX+Vb−Vf11−Vf2 …(5)
2次側電源回路4は、図2に示した第1実施形態の2次側電源回路4に対し、ブートストラップ回路28が省かれている点、降圧回路103が追加されている点などが異なる。降圧回路103には、整流平滑回路24の出力電圧である電圧VCPおよびノードN3の電圧LX1が入力されている。降圧回路103は、電圧VCPを降圧した電圧V1を生成して出力する。電圧V1は、電圧LX1を基準電位とした電圧となっている。
この場合、ハイサイド駆動部25には、降圧回路103の出力電圧である電圧V1およびノードN3の電圧LX1が供給されている。そのため、ハイサイド駆動部25は、制御信号Saがスイッチング素子Q1のオンを指令するレベルであるとき、電圧V1がスイッチング素子Q3のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。このように、ハイサイド駆動部25は、電圧VCPに基づいて生成される電圧V1を用いてスイッチング素子Q1をオン駆動する構成となっている。すなわち、ハイサイド駆動部25は、整流平滑回路24の出力電圧である電圧VCPを間接的に用いてスイッチング素子Q1をオン駆動する構成となっている。
以上説明した本実施形態の統合電源装置101によれば、1次側電源回路3が供給元電源回路として機能するとともに2次側電源回路4が供給先電源回路として機能するようになっているものの、基本的には第1実施形態の統合電源装置1と同様の動作を行うことができる。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、本実施形態では、降圧型のスイッチング電源回路である1次側電源回路3に設けられたブートストラップ回路102から出力される電圧BTを整流および平滑して電圧VCPを生成する構成となっている。
そのため、本実施形態では、第1実施形態に比べ、電圧BT、ひいては電圧VCPが低くなることから、バッテリ電圧VBが低下した際にも、ハイサイドのスイッチング素子Q1、Q3、Q5をオン駆動するための電圧を確保できるように電位設計を行うように注意する必要がある。このような設計上の注意が必要な一方で、本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、本実施形態の構成によれば、1次側電源回路3に元々設けられるブートストラップ回路102を利用して電圧VCPを生成するようになっている。このような構成によれば、全ての2次側電源回路4〜12についてブートストラップ回路を省いた構成とし、それら2次側電源回路4〜12の全てを供給先電源回路として機能させることが可能となる。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができるという効果、IC化する場合に外付け部品を実装するための基板面積を小さく抑えるとともにICの端子数を少なく抑えることができるという効果が最大限に高まることになる。
(第8実施形態)
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第8実施形態について図11を参照して説明する。
図11に示すように、本実施形態の統合電源装置111は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、2次側電源回路6が供給元電源回路として機能するとともに、2次側電源回路4が供給先電源回路として機能するように、それらの具体的な構成が変更されている点、整流平滑回路24の接続形態が変更されている点などが異なる。
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第8実施形態について図11を参照して説明する。
図11に示すように、本実施形態の統合電源装置111は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、2次側電源回路6が供給元電源回路として機能するとともに、2次側電源回路4が供給先電源回路として機能するように、それらの具体的な構成が変更されている点、整流平滑回路24の接続形態が変更されている点などが異なる。
この場合、2次側電源回路4は、図10に示した第10実施形態の2次側電源回路4と同様の構成となっている。また、この場合、2次側電源回路6は、図2に示した第1実施形態の2次側電源回路6に対し、降圧回路30が省かれている点、キャパシタC21およびダイオードD21が追加されている点などが異なる。キャパシタC21およびダイオードD21は、ノードN7の電圧である電圧LX2を入力するとともに電圧BT2を出力するブートストラップ回路112として機能する。
キャパシタC21の一方の端子はノードN7に接続され、その他方の端子はノードN25に接続されている。ノードN25は、ブートストラップ回路112の出力ノードに相当する。ダイオードD21は、ブートストラップ回路112の整流器として機能するものであり、そのアノードは電圧VDD1が与えられる電源線29に接続され、そのカソードはノードN25に接続されている。ブートストラップ回路112から出力される電圧BT2は、第1実施形態における電圧BT1と同様の電圧となる。
ハイサイド駆動部31には、ブートストラップ回路112の出力電圧である電圧BT2およびノードN7の電圧LX2が供給されている。ハイサイド駆動部31は、制御信号Sbがスイッチング素子Q3のオンを指令するレベルであるとき、電圧BT2がスイッチング素子Q3のゲートに与えられるように、その内部に設けられたスイッチング素子のオンオフを制御する。すなわち、ハイサイド駆動部31は、電圧BT2を用いてスイッチング素子Q3をオン駆動する構成となっている。
この場合、整流平滑回路24において、ダイオードD2のアノードが2次側電源回路6のノードN25に接続されている。これにより、整流平滑回路24は、2次側電源回路6のブートストラップ回路112の出力電圧である電圧BT2を整流および平滑して出力するようになっている。上記構成では、2次側電源回路6のダイオードD21およびキャパシタC21と、整流平滑回路24のダイオードD2およびキャパシタC3とが、チャージポンプ回路として機能する。そのため、上記構成によれば、整流平滑回路24から出力される電圧VCPは、下記(6)式により表される電圧となる。ただし、ダイオードD21の順方向電圧をVf21とする。
VCP=LX2+VDD1−Vf21−Vf2 …(6)
VCP=LX2+VDD1−Vf21−Vf2 …(6)
以上説明した本実施形態の統合電源装置111によれば、2次側電源回路6が供給元電源回路として機能するとともに2次側電源回路4が供給先電源回路として機能するようになっているものの、基本的には第1実施形態の統合電源装置1と同様の動作を行うことができる。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、降圧型のスイッチング電源回路である2次側電源回路6に設けられたブートストラップ回路112から出力される電圧BT2を整流および平滑して電圧VCPを生成する構成となっている。そのため、本実施形態では、第1実施形態に比べ、電圧BT2、ひいては電圧VCPが低くなることから、バッテリ電圧VBが低下した際にも、ハイサイドのスイッチング素子Q1、Q3、Q5をオン駆動するための電圧を確保できるように電位設計を行うように注意する必要がある。
(第9実施形態)
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第9実施形態について図12を参照して説明する。
図12に示すように、本実施形態の統合電源装置121は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、位相シフト部122が追加されている点などが異なる。位相シフト部122は、クロック信号CLK1を入力するとともに、その位相をシフトしたクロック信号CLK2を出力する。この場合、2次側電源回路6の駆動制御部33は、クロック信号CLK1に基づいて制御信号Sbを生成する。そのため、2次側電源回路6のスイッチング素子Q3、Q4のスイッチング動作の周期の位相、つまり2次側電源回路6のスイッチング周期の位相は、クロック信号CLK1と同様の位相となる。
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第9実施形態について図12を参照して説明する。
図12に示すように、本実施形態の統合電源装置121は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、位相シフト部122が追加されている点などが異なる。位相シフト部122は、クロック信号CLK1を入力するとともに、その位相をシフトしたクロック信号CLK2を出力する。この場合、2次側電源回路6の駆動制御部33は、クロック信号CLK1に基づいて制御信号Sbを生成する。そのため、2次側電源回路6のスイッチング素子Q3、Q4のスイッチング動作の周期の位相、つまり2次側電源回路6のスイッチング周期の位相は、クロック信号CLK1と同様の位相となる。
また、この場合、2次側電源回路7の駆動制御部37は、クロック信号CLK2に基づいて制御信号Scを生成する。そのため、2次側電源回路7のスイッチング素子Q5、Q6のスイッチング動作の周期の位相、つまり2次側電源回路7のスイッチング周期の位相は、クロック信号CLK2と同様の位相となる。このように、本実施形態では、2次側電源回路6、7のスイッチング周期の位相は、互いに異なる位相となっている。
以上説明した本実施形態の統合電源装置121によっても、第1実施形態の統合電源装置1と同様の動作を行うことができる。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、整流平滑回路24のキャパシタC3は、電圧VCPの供給先での消費電流が最も大きくなる期間における電圧VCPの変動を所定の許容範囲に抑えられるような静電容量を有するものを用いる必要がある。言い換えると、キャパシタC3の静電容量は、電圧VCPの供給先での消費電流の最大値に応じて決定する必要がある。
電圧VCPの供給先である2次側電源回路6、7は、降圧型のスイッチング電源回路であることから、ハイサイドのスイッチング素子Q3、Q5がオン駆動されるときに消費電流が最も大きくなる。そのため、2次側電源回路6、7のスイッチング周期の位相が同じである場合、スイッチング素子Q3、Q5が同時期にオン駆動されることから、2次側電源回路6、7において消費電流が最も大きくなる期間が重複する。そうすると、電圧VCPの供給先での消費電流の最大値が高くなり、その結果、キャパシタC3の静電容量を大きなものにせざるを得なくなる。
そこで、本実施形態では、2次側電源回路6、7は、互いに位相の異なるクロック信号CLK1、CLK2に基づいて制御信号Sb、Scを生成するように構成されている。そのため、供給先電源回路として機能する2つの2次側電源回路6、7のスイッチング周期の位相が互いに異なる位相となっている。このような構成によれば、2次側電源回路6のスイッチング素子Q3と、2次側電源回路7のスイッチング素子Q5とが同時期にオン駆動されることがなくなる。そのため、本実施形態によれば、電圧VCPの供給先における消費電流の最大値を低く抑えることが可能となり、その分だけ、キャパシタC3の静電容量を小さく抑えることができる。
(第10実施形態)
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第10実施形態について図13を参照して説明する。
図13に示すように、本実施形態の統合電源装置131は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、独立電源回路132および監視部133が追加されている点などが異なる。
以下、第1実施形態に対して統合電源装置の具体的な構成が変更された第10実施形態について図13を参照して説明する。
図13に示すように、本実施形態の統合電源装置131は、図2に示した第1実施形態の統合電源装置1に対し、独立電源回路132および監視部133が追加されている点などが異なる。
独立電源回路132は、バッテリ電圧VBに基づいて出力電圧Vout10を生成するものである。つまり、独立電源回路132は、1次側電源回路3および2次側電源回路4〜12に依存することなく独立した構成であり、仮に1次側電源回路3および2次側電源回路4〜12に故障などが生じた場合でもバッテリ電圧VBが供給されている限り動作可能となっている。独立電源回路132により生成された出力電圧Vout10は、機能安全対象となる各種の機能ブロックおよび監視部133に供給される。
この場合、2次側電源回路6により生成される出力電圧Vout3は、機能安全対象となる機能ブロックにも供給されるようになっている。言い換えると、この場合、出力電圧Vout3を生成する2次側電源回路6は、機能安全の対象となる。上記構成において、出力電圧Vout3の電圧値が正常の範囲外であるとき、2次側電源回路6自体に故障が生じているか、あるいは、2次側電源回路6の動作に影響を及ぼす1次側電源回路3および2次側電源回路4のうち少なくとも一方に故障が生じていることになる。そこで、監視部133は、出力電圧Vout3をモニタし、その電圧値が正常の範囲内であるか否かに基づいて、2次側電源回路6などの故障検出を行う。
以上説明した本実施形態の統合電源装置131によっても、第1実施形態の統合電源装置1と同様の動作を行うことができる。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、2次側電源回路4のブートストラップ回路28および整流平滑回路24により構成されるチャージポンプ回路から出力される電圧VCPを用いて他の2次側電源回路6、7が動作する構成では、1次側電源回路3、2次側電源回路4のブートストラップ回路28および整流平滑回路24のうち少なくともいずれかに故障が生じた場合、他の2次側電源回路6、7も連鎖的に故障が生じてしまう。
機能安全対象となる機能ブロックについては、このような故障が生じるおそれのある2次側電源回路4、6、7などの出力電圧の供給を受けて動作させることはできない。そこで、本実施形態では、1次側電源回路3および2次側電源回路4〜12に依存することなく独立した構成の独立電源回路132を設け、それにより生成された出力電圧Vout10を機能安全対象となる各種の機能ブロックに供給するような構成としている。このようにすれば、機能安全への対応を確実に行うことができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
1次側電源回路3および2次側電源回路4〜7は、同期整流型の構成に限らずともよく、ダイオード整流型の構成とすることもできる。
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
1次側電源回路3および2次側電源回路4〜7は、同期整流型の構成に限らずともよく、ダイオード整流型の構成とすることもできる。
供給元電源回路としては、上記した各実施形態において例示したものに限らず、1次側電源回路3および複数の2次側電源回路4〜12のうちのいずれか1つであればよい。また、供給先電源回路としては、上記した各実施形態において例示したものに限らず、1次側電源回路および複数の2次側電源回路4〜12のうち供給元電源回路を除く少なくとも1つであればよい。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
1、51、61、71、81、91、101、111、121、131…統合電源装置、3…1次側電源回路、4〜12…2次側電源回路、24、53…整流平滑回路、25、31、35、64、73、82…ハイサイド駆動部、28、52、102、112…ブートストラップ回路、82…駆動部、92…検出部、93…AND回路、C2、C3、C12、C21…キャパシタ、L1、L2、L5…インダクタ、Q1、Q3、Q5、Q11、Q13、Q15…スイッチング素子、SW1、SW2…スイッチ。
Claims (7)
- 入力ノードに与えられる電源電圧に基づいて中間電圧を生成して出力ノードから出力する1次側電源回路(3)を備えるとともに、入力ノードに与えられる前記中間電圧に基づいて出力電圧を生成して出力ノードから出力する2次側電源回路(4〜12)を複数備える統合電源装置であって、
前記1次側電源回路および複数の前記2次側電源回路のうちのいずれか1つである供給元電源回路(3、4、6)は、前記入力ノードと前記出力ノードとの間に直列接続されたインダクタ(L1、L2、L5)およびNチャネル型MOSトランジスタであるスイッチング素子(Q1、Q3、Q11)を備え、前記スイッチング素子のスイッチング動作に伴い前記出力電圧を生成するスイッチング電源回路であり、
前記供給元電源回路は、前記インダクタおよび前記スイッチング素子の相互接続ノードの電圧を入力するブートストラップ回路(28、52、102、112)と、前記ブートストラップ回路の出力電圧を用いて前記スイッチング素子をオン駆動するハイサイド駆動部(25、31、64)と、を備え、
前記ブートストラップ回路の出力電圧を整流および平滑して出力する整流平滑回路(24、53)を備え、
前記1次側電源回路および複数の前記2次側電源回路のうち前記供給元電源回路を除く少なくとも1つは、前記入力ノードと前記出力ノードとの間に接続されたNチャネル型MOSトランジスタであるスイッチング素子(Q1、Q3、Q5、Q13、Q15)と、前記整流平滑回路の出力電圧を用いて前記スイッチング素子をオン駆動するハイサイド駆動部(25、31、35、64、73、82)と、を備える供給先電源回路(4、5、6、7、8)である統合電源装置。 - 前記2次側電源回路には、昇圧型のスイッチング電源回路(4、5)および降圧型のスイッチング電源回路(6、7、8)が含まれており、
前記供給元電源回路は、昇圧型のスイッチング電源回路として構成された前記2次側電源回路(4)であり、
前記供給先電源回路のうち少なくとも1つは、降圧型のスイッチング電源回路として構成された前記2次側電源回路である請求項1に記載の統合電源装置。 - 前記供給元電源回路は、前記1次側電源回路であり、
前記供給先電源回路は、前記2次側電源回路(4、6、7)である請求項1に記載の統合電源装置。 - 前記1次側電源回路および前記2次側電源回路は、半導体集積装置として構成されており、
前記ブートストラップ回路および前記整流平滑回路は、それぞれキャパシタ(C2、C3、C12、C21)を備え、
前記キャパシタは、前記半導体集積装置の外部に設けられる外付け部品として構成される請求項1から3のいずれか一項に記載の統合電源装置。 - 前記ブートストラップ回路(52)は、整流器としてスイッチング素子(SW1)を用いた構成であり、
前記整流平滑回路(53)は、整流器としてスイッチング素子(SW2)を用いた構成である請求項1から4のいずれか一項に記載の統合電源装置。 - 前記整流平滑回路の出力電圧を検出する検出部(92)と、
前記検出部により検出される前記出力電圧の検出値が所定の判定閾値未満になると前記ブートストラップ回路のキャパシタを充電するように前記供給元電源回路が備える前記ロウサイド駆動部の動作を制御する充電制御部(93)と、
を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の統合電源装置。 - 複数の前記2次側電源回路(6、7)は、前記スイッチング素子のスイッチング動作に伴い前記出力電圧を生成するスイッチング電源回路として構成されており、
前記供給先電源回路は、前記スイッチング電源回路として構成された複数の前記2次側電源回路であり、
前記供給先電源回路である複数の前記2次側電源回路のスイッチング周期の位相は、互いに異なる位相となっている請求項1から6のいずれか一項に記載の統合電源装置。
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