JP2021156646A - 検出システム - Google Patents

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一樹 長島
Kazuki Nagashima
一樹 長島
江洋 劉
Jiangyang Liu
江洋 劉
剛 柳田
Takeshi Yanagida
剛 柳田
厚夫 中尾
Atsuo Nakao
厚夫 中尾
陽介 花井
Yosuke Hanai
陽介 花井
将也 中谷
Masaya Nakatani
将也 中谷
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Abstract

【課題】課題は、水分に起因する検出精度の低下を低減できる、検出システムを提供することである。【解決手段】検出システム1は、対象空間(センサ室100)内に配置されて検出対象の分子に対して感度を有するセンサ11と、対象空間(センサ室100)内の水分を吸収する吸湿材250を備える除湿装置12と、を備え、前記吸湿材250は、比表面積が0.5m2/g以上である基材と、前記基材上に設けられ、潮解性を有する金属化合物を含有する吸水層と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、検出システムに関する。より詳細には、本開示は、ガス中の検出対象の分子の検出を行う検出システムに関する。
特許文献1は、基準ガス(参照ガス)と検査用ガス(試料ガス)とを筐体内のセンサに交互に導入し、検査用ガス中の特定成分(検出対象の分子)を検出するガス検出装置(検出システム)を開示する。
特開2004−53582号公報
特許文献1では、検査用ガス(テストガス)として吸気口から導入される外気が、センサー部(センサ)に供給されて測定される。外気のような検査用ガスは、水分を含んでいる場合があり、検査用ガスに含まれる水分は、検出精度の低下の一因になり得る。
課題は、水分に起因する検出精度の低下を低減できる、検出システムを提供することである。
本開示の一態様に係る検出システムは、対象空間内に配置されて検出対象の分子に対して感度を有するセンサと、前記対象空間内の水分を吸収する吸湿材を備える除湿装置と、を備える。
本開示の態様によれば、水分に起因する検出精度の低下を低減できる、という効果を奏する。
図1は、本開示の一実施形態に係る検出システムの概略的なシステム構成図である。 図2は、同上の検出システムの除湿装置の説明図である。 図3は、同上の除湿装置に用いられる吸湿材の一例を示す斜視図である。 図4は、図2のII−II線に沿った断面の一部を示す図である。 図5は、図4に示す断面図の一部を示す拡大図である。 図6は、吸湿材の別の例を示す模式図である。 図7は、実施例の吸湿材の走査型電子顕微鏡画像である。 図8は、比較例の吸湿材の走査型電子顕微鏡画像である。 図9は、比較例の吸湿材の走査型電子顕微鏡画像である。 図10は、実施例1の吸湿材及び比較例2の酸化亜鉛ナノワイヤからの脱離ガスの分析結果を示すガスクロマトグラフである。 図11は、実施例における吸湿速度の評価結果を示すグラフである。 図12は、実施例における吸湿材の水分子の脱離性能を評価した赤外吸収スペクトルである。 図13は、実施例における吸湿材の繰り返し使用耐性の評価結果を示すグラフである。 図14は、同上の検出システムの検出動作を説明するフローチャートである。 図15は、同上の検出システムの休止状態の動作を説明するフローチャートである。
以下、場合によって図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、各要素の寸法比率は図面に図示された比率に限られるものではない。
本明細書において例示する材料は特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
(1)実施形態
(1−1)概要
図1は、本実施形態に係る検出システム(ガス検出システム)1の概略的なシステム構成図である。
検出システム1は、例えば、検出対象の分子として匂い成分の分子を検出するために用いられる。匂い成分の分子としては、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)及びアンモニア等があるが、検出システム1は検出対象の分子としてVOCを検出するために用いられる。検出システム1は、例えば、食品から捕集したガス、人体から採取した呼気、又は建物の部屋から採取した空気等の試料ガスに含まれる匂い成分の分子であるVOCを検出する。なお、検出システム1の検出対象の分子はVOCに限定されず、VOCを含む複数種類の匂い成分の分子でもよいし、匂い成分以外の分子、例えば、可燃性ガス、一酸化炭素等の有毒ガス等の分子でもよい。
図1に示すように、検出システム1は、センサ11と、除湿装置12と、を備える。センサ11は、対象空間(センサ室100)内に配置されて検出対象の分子に対して感度を有する。除湿装置12は、対象空間(センサ室100)内の水分を吸収する吸湿材250を備える。
検出システム1によれば、除湿装置12が、対象空間(センサ室100)内に導入されたガス(試料ガスG1、参照ガスG2)から水分を吸収するため、センサ11は、除湿装置12で水分が除去されたガスから、検出対象の分子の検出を行うことが可能となる。そのため、検出システム1によれば、水分に起因する検出精度の低下を低減できる。なお、本実施形態では、水分は、水、水蒸気を含むとする。
(1−2)構成
以下、本実施形態に係る検出システム1について図面を参照して詳しく説明する。
検出システム1は、センサ11と、除湿装置12と、水分量測定部13と、フィルタ部20と、制御部51と、を備える。
検出システム1は、検出システム1の外部から試料ガスG1を導入するための第1吸気口P1と、検出システム1の外部から参照ガスG2として導入するための第2吸気口P2と、検出システム1の内部のガスを外部へ排出するためのガス排出口P3と、を備えている。参照ガスG2として検出システム1の周囲の環境中の空気が使用される。
検出システム1はエアポンプ90を有し、エアポンプ90が第1吸気口P1又は第2吸気口P2からガスを吸い込むことによって、第1吸気口P1又は第2吸気口P2から吸い込まれたガスがセンサ11に供給された後、ガス排出口P3から外部に排出される。
検出システム1は、処理部50を更に備えている。処理部50は、上述した制御部51と、検出部52の機能を少なくとも有している。制御部51は、検出システム1が備える複数の電磁弁(二方向電磁弁73、三方向電磁弁75,78、及び電磁比例制御弁76等)、及びエアポンプ90の動作を制御する。検出部52は、センサ11の出力値に基づいてガス中の検出対象の分子(本実施形態ではVOC)を検出し、水分量測定部13の出力値に基づいてガス中の水分量を検出する。
検出システム1は、センサ11、除湿装置12及び水分量測定部13を収容するセンサ室100有するハウジング10を備えている。
ハウジング10は、例えば、合成樹脂又は金属等の材料で箱形に形成されている。ハウジング10には、ハウジング10の外部からセンサ室100にガス(試料ガスG1又は参照ガスG2)を導入するための第1ポート101と、センサ室100からハウジング10の外部へガスを出すための第2ポート102と、が設けられている。
センサ11、除湿装置12及び水分量測定部13は、ハウジング10の対象空間(センサ室100)内に配置される。特に、除湿装置12は、センサ11よりも、第1ポート101の近くに配置される。これによって、センサ室100内に導入されたガスが、センサ11に接触する前に、ガスから水分を除去しやすくできる。水分量測定部13は、センサ11よりも、第2ポート102の近くに配置されている。
センサ11は、ガスセンサである。センサ11は、例えば電気化学式、半導体式、電界効果トランジスタ型、表面弾性波型、水晶振動子型又は抵抗変化型等のセンシング部を有している。センシング部は、検出対象の分子(本実施形態ではVOC)に対して感度を有しており、検出対象の分子の濃度に応じて例えば抵抗値が変化する。検出部52は、センサ11が有するセンシング部の抵抗値を電圧信号又は電流信号として取り出し、センシング部の抵抗値に基づいて、センサ室100内のガス中の検出対象の分子を検出する。
除湿装置12は、図2に示すように、吸湿材250と、再生部120とを備える。
以下、吸湿材250について詳細に説明する。吸湿材250は、対象空間(センサ室100)内の水分を吸収する性質を有する。吸湿材の一実施形態は、比表面積が0.5m/g以上である基材と、上記基材上に設けられ、潮解性を有する金属化合物を含有する吸水層と、を備える。上述の基材は、比表面積が比較的大きくなるように表面形状が調整されたものであってよい。例えば、上記基材の表面の一部又は全部に、微小サイズの構造(例えば、突起、凹凸、及び溝等)を形成することで表面積を拡張したものであってよく、基材自体が微小な構造体の集合体であってよい。本明細書において、上述のような基板表面の形状を微細構造ともいう。微細構造は、例えば、ロッド形状及びナノワイヤ形状であってよく、ロッドの集合体又はナノワイヤの集合体であってよい。なお、ロッド及びナノワイヤは、例えば、長さが1〜100μm、又は1〜10μm程度であってよく、直径が10〜1000nm、又は50〜500nm程度であってよい。また、基材表面がロッド形状及びナノワイヤ形状である場合、ロッド及びナノワイヤの表面が多孔質化されていてもよい。ロッド及びナノワイヤの表面が多孔質化されることによって、表面積を更に向上できると共に、基材と吸水層との接合をより強固にすることができる。
図3は、吸湿材の一例を示す斜視図である。図4は、図3のII−II線に沿った断面(図3中のz軸に垂直なx−y面に沿った断面)の一部を示す図である。図5は、図4に示す断面図の一部切欠き図である。吸湿材250は、基材210と、基材210上に設けられた吸水層220とを備える。図3及び図4における吸湿材250は、支持体230を更に備え、基材210は支持体230上に設けられているが、基材210が形状を維持できるようであれば、吸湿材250は支持体230上によって支持されていなくてもよい。基材210は、微細構造の一例として、表面210aが複数の突起210bを形成している例で示した。図3において、突起は円柱状で示したが、微細構造の形状はこれに限られるものではなく、適宜調整してよい。突起は、例えば、六角柱などの多角形状の柱状形状であってよい。また突起の位置もこれに限られるものではなく、適宜調整してよい。突起の数についても、吸湿材250に求める性能等に応じて増減してよい。図4に示すように、吸水層220は、基材210の微細構造(突起210b)の形状に沿って設けられる。より詳細には、吸水層220は、表面210aの複数の突起210b間の隙間を埋めないように、基材210に設けられている。つまり、複数の突起210b間の隙間が吸水層220で埋まらないように吸水層220の厚みが決められている。これによって、吸湿材250は、図3に示すように、複数の突起210bにそれぞれ対応する複数の突起251を有し、各突起251は、対応する突起210bと、吸水層220のうち当該対応する突起210bを覆う部位とで構成される。
図3及び図4において、支持体230は板状であるが、支持体230の形状は板状に限られるものではなく、例えば、ブロック形状、フィルム形状及び球形状等であってよい。支持体230は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリイミド等で構成されてよい。支持体230は、上述の中でも耐熱性に優れる観点から、ポリイミドで構成されるものであってよい。
吸湿材250において基材210は、表面210aの少なくとも一部が微細構造を構成することによって、大きな表面積を有している。表面積を拡大する観点から、基材210の表面210aのうち上記支持体230側とは反対側の面の全体が微細構造を構成していてもよい。基材210の比表面積の下限値は、例えば、0.5m/g以上、0.8m/g以上、又は1.0m/g以上であってよい。上記比表面積の下限値が上記範囲内であることで、上述の吸湿材250において吸水層を設ける面積を拡張できることから、水分を含むガスとの接触面積をより拡大することが可能であり、水分子の吸着に要する時間をより短くすることができる。基材210の比表面積の上限値は、例えば、1000m/g以下、500m/g以下、又は100m/g以下であってよい。上記比表面積の上限値が上記範囲内であることで、基材210の表面210aの少なくも一部が構成する微細構造の力学的な強度の低下を十分に抑制することができ、吸湿材250の繰り返しの使用に対する耐性をより向上させることができる。基材210の比表面積は、例えば、基材の表面加工の条件、基材上の化学修飾の条件などの微細構造の調製条件によって調整できる。
本明細書における比表面積とは、基材の単位質量あたりの表面の面積であり、BET比表面積を意味する。より具体的には、吸水層が設けられる面における基材の比表面積であり、図3に示す例の場合、基材210は板状であり、基材210の支持体230側とは反対側の面における、基材の単位質量あたりの表面積を、基材210の比表面積とする。BET比表面積は、JIS Z 8830:2013「ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に記載の方法に準拠し、窒素ガスを使用してBET一点法により測定される。吸湿材を対象として基材の比表面積を測定する場合には、まず、吸水層を水等の溶媒を用いて除去した後に測定することで、決定することができる。
基材210の吸水層220が設けられている面(表面210a)は親水性に優れるものであってよい。基材210の表面210aにおける水に対する接触角の上限値は、例えば、25°以下、20°以下、15°以下、10°以下、又は5°以下であってよい。上記接触角が上記範囲内である場合、吸湿材の製造の際に吸水層220をより一層均一性に優れる状態で形成することが可能であり、吸湿材としての性能により優れる。基材210の表面210aにおける水に対する接触角は、通常、0.5°以上、又は1.0°以上である。基材210の表面210aにおける水に対する接触角は、基材を構成する成分、組成、又は基材の表面加工によって調製することができる。
本明細書における水に対する接触角は、JIS R 3257:1999「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に記載の方法に準拠して測定される値を意味する。
基材210は、例えば、金属又は金属酸化物等で構成されてよい。基材210を構成する金属としては、例えば、ケイ素等を挙げることができる。基材210を構成する金属酸化物としては、例えば、酸化チタニウム、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、及び酸化タングステン等を挙げることができる。基材210は、上述の化合物の中でも、ケイ素及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種を含有するものであってよく、ケイ素及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種からなるものであってよい。基材210が酸化亜鉛からなる場合、例えば、支持体230上に酸化亜鉛の結晶をナノワイヤ状に容易に形成することができ、基材210の表面積を容易に調整することができる。また基材210がケイ素からなる場合、例えば、ケイ素板に対するエッチング法等を使用して加工することによって、基材210の表面積を容易に調整することができる。また基材210がケイ素からなる場合には、基材210の表面が酸化されることによって二酸化ケイ素が形成され、当該部分の親水性が向上し、吸水層220の定着をより向上させることができる。
基材210は、例えば、単結晶構造及び多結晶構造からなる群より選択される少なくとも一種の構造を有してよい。基材210がこれらの構造を有する場合、吸湿材250の加熱による再生をより効率的に行うことができる。すなわち、吸湿材250の周囲の雰囲気(気体等)を加熱することによる水分除去よりも基材210自体を加熱することによる伝熱を利用することでより短時間で吸湿材250から水分子を脱離することができる。基材210が単結晶構造を有する場合には、結晶粒界等による熱伝導の減衰を低減することができるため、基材210の熱伝導率をより高めることができ、吸湿材250の加熱による水分子の再放出がさらに容易なものとなる。つまり、吸湿材250の再生に使用するエネルギー及び時間を低減することが可能であり、吸湿材250の維持費用を削減することができる。
吸湿材250は吸水層220を有することによって、周囲の雰囲気から水分子を吸着することができる。吸水層220は潮解性を有する金属化合物を含有するが、吸水層220は潮解性を有する金属化合物のみからなっていてもよい。
潮解性を有する金属化合物は、例えば、リチウム、ナトリウム、及びカリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等のアルカリ土類金属、並びに、アルミニウム等の貧金属の金属化合物であってよい。潮解性を有する金属化合物は、金属塩化物であってよい。金属塩化物としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、及び塩化アルミニウム等が挙げられる。金属塩化物は、入手の容易性や価格の観点から、塩化カルシウムを含んでよく、塩化カルシウムであってよい。よって、金属化合物は、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、五酸化リン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び炭酸カリウムからなる群より選択される少なくとも一種を含有してよい。
吸湿材の別の実施形態において、基材が基体部と上記基体部上に設けられた親水部とを含み、吸水層が上記基材の上記親水部上に設けられていてもよい。基体部及び親水部は互いに独立に層を構成していてもよく、この場合、それぞれ基体層及び親水層ということもできる。図6は、吸湿材の別の例を示す模式図である。図6は、図5に対応する吸湿材252の断面における部分拡大図である。吸湿材252は、基材210と基材210上に設けられた吸水層220とを備える。そして、本実施形態における基材210は、基体部211(基体層)と、親水部212(親水層)との2層構成となっている。基体部211と親水部212とは、異なる材質で構成される2層であってよく、親水部212が基体部211の表面加工や酸化等によって変質して形成される層であってもよい。
吸湿材252が親水部212を有することで、基材210と吸水層220との接合をより強固なものとすることができる。
親水部212は、基体部211及び吸水層220の双方に対する親和性に優れるものであることが望ましい。親水部212は、二酸化ケイ素及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも一種を含有してよく、二酸化ケイ素及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも一種のみからなるものあってよく、酸化チタンのみからなるものであってよい。
上述の吸湿材250,252はまた、ガスの乾燥方法に好適に使用することができる。ガスの乾燥方法の一実施形態は、上述の吸湿材に、水蒸気を含むガスを接触させ、上記ガスの水蒸気の含有量を低減することを含む。上記ガスの乾燥方法は、供給するガスの温度を50℃以下に調整してよい。ガスの温度が高い場合、当該熱によって、吸水層に取り込まれた水分子のガス中への再放出及び拡散等をより十分によくできる。
上記ガスの乾燥方法を適用する対象となるガスは、例えば、化学合成された気体状の化合物、大気、呼気、及び燃焼ガス等であってよい。上記ガスの乾燥方法を適用する対象となるガスは疎水性ガスであってよい。上述の吸湿材を疎水性ガスの乾燥に用いる場合には、上述の吸湿材を用いた乾燥方法の効果がより顕著である。疎水性ガスは、例えば、長鎖アルキル鎖を有するような化合物(例えば、炭素数5〜10程度の有機化合物)等が挙げられ、全体として疎水性を有するものであればよく、極性基を有していても構わない。長鎖アルキル基を有する化合物としては、ノナン酸、ノナナール、ノナノン、ノナノール、ノニルアミン及びノナン等が挙げられる。親水性を有するガスの乾燥を行う場合には、上記ガスの乾燥処理の操作中に、吸湿材の吸水層に水分子が吸着され、吸水層中の金属化合物の少なくとも一部が潮解することによって吸水層における水分子の含有量が上昇する。水分子の含有量が上昇した吸水層に対して、親水性ガス自体が吸着し得るために、対象となるガス中の水分子のみを吸着すことが困難となる傾向にある。そのため、上述の吸湿材を親水性のガスの乾燥に用いる場合には、吸湿材に供給するガスの供給速度を調整する等の条件を調整することが好ましい。
上述の吸湿材は、例えば、以下のような方法によって製造することができる。吸湿材の製造方法の一実施形態は、比表面積が0.5m/g以上である基材上に、潮解性を有する金属化合物と溶媒とを含み、上記金属化合物の濃度が1.5〜4.0mol/Lである溶液を接触させ、上記基材上に上記金属化合物を含有する液膜を設ける工程(第一工程)と、上記液膜を加熱し、溶媒の含有量を低減して上記基材上に吸水層を設ける工程(第二工程)と、を有する。
上述の製造方法において使用する比表面積が0.5m/g以上である基材は、あらかじめ用意されたものを購入して用いてもよいし、別途調製してもよい。上述の製造方法は、例えば、支持体上に単結晶ナノ構造体(例えば、ナノワイヤ)を形成することで支持体上に基材を調製する工程、支持体上に多結晶ナノ構造体を形成することで支持体上に基材を調製する工程、及び、基体の表面加工によって基材を調製する工程等を備えてもよい。支持体上に単結晶ナノ構造体を形成する方法としては、例えば、Vapor−Liquid−Solid成長法(VLS法)、Vapor−Solid成長法(VS成長法)、水熱合成法、及びソルボサーマル合成法等を用いることができる。支持体上に多結晶ナノ構造体を形成する方法としては、例えば、基体上に多孔質層を有する陽極酸化アルミニウム膜を接着後に電解メッキ等で金属を多孔質層内に蒸着しメッキ層を形成し、上記メッキ層を化学処理して溶解後、加熱酸化する方法等が挙げられる。基体の表面加工法としては、例えば、切削加工、レーザー加工、及びエッチング等を用いることができる。
上記基材が基体部と上記基体部上に設けられた親水部とを含んでもよい。この場合、上述の製造方法において、基材を調製する工程において、基体部上に、親水部を設ける工程を更に有してもよい。上述の製造方法は、例えば、支持体上に単結晶ナノ構造体を形成し基体部を設け、上記基体部上に親水部を設けることによって上記支持体上に基材を調製する工程、支持体上に多結晶ナノ構造体を形成し基体部を設け、上記基体部上に親水部を設けることによって上記支持体上に基材を調製する工程、及び、基体の表面加工によって基体部を設け、上記基体部上に親水部を設けることによって基材を調製する工程等を備えてもよい。基体部上に親水層を設ける方法は、例えば、基体部の表面を酸化させる方法、二酸化ケイ素及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも一種を蒸着させる方法等が挙げられる。蒸着させる方法としては、化学気相成長法等が挙げられる。化学気相成長法の中でも、親水部の厚さの調整が容易であることから、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法を用いることが望ましい。
第一工程では、基材上(基材の一部表面が微細構造を構成している場合には、微細構造を有する面側)に、潮解性を有する金属化合物を含む液膜を設ける。第一工程において用いる上記金属化合物と溶媒とを含む溶液の濃度は、1.0〜5.0mol/Lである。上記溶液の濃度の調整によって、製造される吸湿材における吸水層の厚みを調整することができる。
上記溶液の濃度の下限値は、例えば、1.3mol/L以上、1.5mol/L以上、1.7mol/L以上、又は2.0mol/L以上であってよい。上記溶液の濃度の下限値を上記範囲内とすることで、基材上に設けられる液膜の膜厚をより十分なものとすることができ、得られる吸湿材における吸水層が薄くなり吸水性能が低下することをより十分に抑制できる。上記溶液の濃度の上限値は、例えば、4.5mol/L以下、4.0mol/L以下、又は3.5mol/L以下であってよい。基材の一部表面が微細構造を構成している場合、上記溶液の濃度の上限値を上記範囲内とすることで、微細構造内に液溜まりが形成され、この液溜まり部分に由来する吸水層の形成によって表面積が低下することをより十分に抑制することができる。
基材に対して上記溶液を接触させる手段は、例えば、基材を溶液中に浸漬させてもよく、溶液を基材に塗布させてもよい。塗布は、例えば、スプレー等によって行ってもよい。
上記溶液は潮解性を有する金属化合物と溶媒とを含むが、溶液中で上記金属化合物は、完全に溶解してもよく、化合物として存在してもよく、電離してイオンとして存在していてもよい。上記金属化合物が溶液中でイオンとして存在している場合には、後の工程において液膜から溶媒の含有量を低減していく過程で化合物を形成し析出することで、元の金属化合物の状態に戻る。上記溶媒は、例えば、水等であってよい。
第二工程では、第一工程で設けられた液膜を加熱し、液膜における溶媒の含有量を低減して微細構造上に吸水層を設ける。液膜の加熱は、液膜を設けた基材を加熱された雰囲気下に静置することによって行ってもよく、基材自体を加熱することによって行ってもよい。加熱温度は、例えば、90〜200℃、又は100〜150℃であってよい。加熱時間は、例えば、0.01〜5時間、又は0.05〜3時間であってよい。液膜の加熱は、液膜における溶媒の含有量の低減を促進する観点から、乾燥ガス雰囲気下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。
(実施例)
以下、実施例及び比較例を参照して吸湿材をより詳細に説明する。
(実施例1)
支持体である表面酸化シリコン基板上に、水熱合成法によって、酸化亜鉛のナノワイヤを形成した。得られた酸価亜鉛のナノワイヤ表面に、酸化チタンからなる親水層を形成し、基材を調製した。
得られた基材上に、塩化カルシウム濃度が2.5mol/Lである塩化カルシウム水溶液を滴下し、液膜を形成した。液膜の形成後、200℃の窒素気流下で、1分間乾燥させることによって、吸水層を形成し、吸湿材を製造した。
上述のように得られた吸湿材について、支持体の主面に対して垂直方向及び水平方向からの走査型電子顕微鏡観察、並びに、エネルギー分散型X線分析を用いた元素マッピング分析を行うことで、基材表面に塩化カルシウムを含む吸水層が形成されていることを確認した。参考のため、走査型電子顕微鏡観察の結果を図7〜図9に示す。図7は、吸湿材の上面からのSEM画像(図中、Tоp viewで示す)及び吸湿材の側面からのSEM画像(図中、Side viewで示す)であり、図8は、吸水層が形成さる前の、酸化亜鉛ナノワイヤに親水層が形成された段階のSEM画像であり、図9は、親水層及び吸水層が形成される前の酸化亜鉛ナノワイヤを形成した段階のSEM画像である。図7〜図9の比較から、ナノワイヤ状に観察される部分の径が徐々に増加していることが確認できる。
(実施例2)
塩化カルシウム水溶液の濃度を2.0mol/Lに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、吸湿材を製造した。実施例1と同様に、基材表面に塩化カルシウムを含む吸水層が形成されていることを確認した。
(実施例3)
塩化カルシウム水溶液の濃度を3.0mol/Lに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、吸湿材を製造した。実施例1と同様に、基材表面に塩化カルシウムを含む吸水層が形成されていることを確認した。
(実施例4)
塩化カルシウム水溶液の濃度を4.0mol/Lに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、吸湿材を製造した。実施例1と同様に、基材表面に塩化カルシウムを含む吸水層が形成されていることを確認した。
(比較例1)
実施例1において調製した、吸水層を形成する前の基材を比較例1とした。図8に示される基体部と親水層とを含む基材が比較例1に対応する。
(比較例2)
実施例1において調製した、親水層を形成する前の酸化亜鉛ナノワイヤを比較例2とした。図9に示される基体部からなる基材が比較例2に対応する。
(吸湿材の性能評価)
実施例1〜4で調製した吸湿材、比較例1の基材、及び比較例2の酸化亜鉛ナノワイヤに対して、吸湿材としての性能評価を行った。性能評価は、水分子に対する選択性、吸湿速度、及び繰り返し使用耐性の観点から行った。
[水分子に対する選択性]
水分子に対する選択性を以下のように評価した。まず、実施例1〜4で調製した吸湿材、比較例1の親水層を含む基材、及び比較例2の酸化亜鉛ナノワイヤからなる基材を密閉容器に収容し、容器内を、ノナナール(Nonanal)、1−ノナナール(1−Nonanal)、2−ノナノン(2−Nonanone)及び水(water)を含む混合気体で満たし、3分間静置した。混合気体における相対湿度は52%RHとした。その後、容器から吸湿材、基材、及び酸化亜鉛ナノワイヤを取出し、それぞれ加熱処理を行い、脱離したガス(以下、単に脱離ガスと表記する)をガスクロマトグラフィー−質量分析法にて分析した。
その結果、実施例1〜4で調製された吸湿材から得られた脱離ガス中には水のみが検出され、ノナナール、1−ノナナール、及び2−ノナノンは検出されなかった。一方、親水層を含む基材及び酸化亜鉛ナノワイヤからなる基材から得られた脱離ガス中には、水が含まれるものの、ノナナール、1−ノナナール、及び2−ノナノンも検出されることが確認された。以上のことから、実施例1〜4で調製した吸湿材は、水分子に対する優れた選択性を有することが確認された。参考のため、図10として、実施例1で調製された吸湿材から得られた脱離ガスについての分析結果、及び比較例2で調製された酸化亜鉛ナノワイヤからなる基材から得られた脱離ガスについての分析結果を示す。図10中、縦軸は強度、横軸は保持時間を示す。
[吸湿速度]
吸湿速度を以下のように評価した。まず、実施例1で調製した吸湿材と、温湿度センサー(サンワサプライ株式会社製、商品名:温湿度センサーUNI−01−B002)とを140mLの密閉容器に収容した。容器内は、25℃で、相対湿度が52%RHに調整された空気で置換した。容器の蓋を占めた時点を起点として、400秒間が経過するまで、室温度センサーによって密閉容器内の湿度の変化を測定した。測定の間、温度は25℃に維持した。実施例2〜4で調製した吸湿材それぞれについて、実施例1で調製した吸湿材と同様に、吸湿速度の測定を行った。また、比較のため、比較例1の親水層を含む基材、塩化カルシウム水溶液を支持体上にキャストして形成した塩化カルシウムからなる薄膜(参考例1とする)、及び市販の塩化カルシウム粉末(富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名:塩化カルシウム二水和物)(参考例2とする)を用いて同様に、吸湿速度の測定を行った。
その結果、実施例1〜4で調製した吸湿材を用いた場合には、密閉容器内の湿度の減衰が、他のサンプルよりも早いことが確認された。また、実施例1〜4で調製した吸湿材を用いた場合には、最終的に到達する湿度も他のサンプルよりも低くなることが確認された。参考のため、図11として、実施例1で調製した吸湿材、比較例1の親水層を含む基材、参考例1の塩化カルシウムからなる薄膜、及び参考例2の塩化カルシウム粉末のそれぞれを用いた場合の測定結果を示す。図11中、縦軸は密閉容器内の25℃における相対湿度を示し、横軸は経過時間を示す。図11に示すグラフの300秒間が経過した時点における容器内湿度で対比すると、参考例2の塩化カルシウム粉末10mよりも、実施例1の吸湿材の方が、容器内の水分を2.4倍多く吸着していることが確認された。
[繰り返し使用耐性]
繰り返し使用耐性を以下のように評価した。まず、実施例1の吸湿材を用いて、水分子の脱離性能を確認した。実施例1の吸湿材を140mLの密閉容器に収容し、容器内を、温度25℃において相対湿度52%RHに調整された空気で置換した後、温度25℃の下、300秒間静置した。300秒経過後の吸湿材に対して、25℃、90℃、100℃、150℃、200℃、250℃、300℃、350℃、及び400℃の温度下における赤外吸収スペクトルを測定することによって水分子の存在を確認した。水分子に由来する水酸基の赤外吸収スペクトルは、波数3500cm−1付近に観測される。結果を図12に示す。図12中、縦軸は照射赤外光の透過度に対応するが、各温度における測定結果の比較を容易にする観点から、各温度において得られたスペクトルをグラフの縦軸に沿ってずらして表記した。図12中、横軸は照射赤外光の波数を示す。図12中、各温度で取得された赤外吸収スペクトルにおいて、波数3500cm−1前後に記載した破線は各赤外吸収スペクトルのベースラインを示す。図12に示されるとおり、260℃以上の温度で測定された吸湿材には、水分子に由来する水酸基による照射赤外光の吸収が消失している。このことから、吸湿材を260℃以上の温度に加熱することによって、吸湿材から水分が十分に除去されることが確認できた。
次に、実施例1の吸湿材を用いて、繰り返し使用耐性の評価を行った。140mLの密閉容器内を25℃における相対湿度が89%RHの空気で置換した後、上記吸湿材を収容し、300秒間静置した。300秒間経過後の容器内の25℃における相対湿度を測定し89%RHからの減少分を決定して、吸湿材を取出した。取り出した吸湿材は、260℃で1分間加熱し、水分子を除去した。水分子を除去した吸湿材を再度、25℃における相対湿度が89%RHの空気で置換された、140mLの密閉容器内に収容し、300秒間静置した。300秒間経過後の容器内の25℃における相対湿度を測定し89%RHからの減少分を決定して、吸湿材を取出した。上述の操作を50回繰り返した。結果を図14に示す。図14中、縦軸は、密閉容器内における相対湿度の減少幅(測定の前後における相対湿度の差分)を示し、横軸は測定の繰り返し回数を示す。図14に示されるとおり、測定を繰り返し行っても、吸湿座によって、初期と同程度に密閉容器内の相対湿度を低下させることができることが示されている。このことから、加熱による水分子の脱離後も、吸湿材は初期と同等の吸湿性能を維持していること、及び吸湿材が少なくとも50回の繰り返しの使用において同等の性能を維持できることが確認された。
上述の吸湿材250(252)は、水分子を短時間で選択的に吸着することができ、且つ簡易な手段によって吸湿性能の回復が可能であることから、除湿装置12に使用する吸湿材として好適に使用することができる。
再生部120は、吸湿材250を加熱することで吸湿材250の再生を行う。本実施形態では、吸湿材250の再生は、吸湿材250の吸湿性能を回復させることをいう。再生部120は、図2に示すように、ベース121と、電熱線122と、一対の電極123とを備える。ベース121は、電気絶縁性を有する基板である。ベース121は、矩形状である。ベース121は、厚み方向の表面121aを有する。電熱線122は、表面121aに形成される。電熱線122は、ミアンダ配線により構成されている。一対の電極123は、ベース121の表面121aに形成される。一対の電極123は、電熱線122の両端に電気的に接続される。一対の電極123間に電圧を印加することで、電熱線122に電流を流すことができる。
図2に示すように、吸湿材250は、ベース121の表面121aに配置される。より詳細には、吸湿材250は、ベース121の表面121aにおいて電熱線122と接するように配置される。一対の電極123間に電圧を印加して電熱線122で熱を発生させることで、吸湿材250の加熱が可能となる。再生部120は、制御部51に電気的に接続され、制御部51によって制御される。
水分量測定部13は、センサ室100内のガス中の水分量を測定する。ガス中の水分量は、ガスの温度と湿度とを測定すれば求めることが可能である。水分量測定部13は温湿度センサを含み、センサ室100内のガスの温度と湿度とを測定する。水分量測定部13は、温度及び湿度の測定結果に基づいてガス中の水分量を求め、水分量の測定結果を検出部52に出力する。換言すると、水分量測定部13は、フィルタ部20を通った後の参照ガスG2が流れる参照ガス供給路R2において、参照ガスG2の温度と湿度との測定結果に基づいて、参照ガスG2に含まれる水分量を測定している。ここにおいて、参照ガスG2に含まれる「水分量」を測定するとは、参照ガスG2中の水分量を直接測定するものに限定されず、参照ガスG2中の水分量に応じて変化する物理量を測定することによって水分量を間接的に測定するものも含み得る。例えば、水分量測定部13は、参照ガス2の温度及び湿度を測定し、温度及び湿度の測定結果に基づいて、参照ガスG2中の水分量を間接的に測定してもよい。
ハウジング10は、例えば、合成樹脂又は金属等の材料で箱形に形成されている。ハウジング10には、ハウジング10の外部からセンサ室100にガス(試料ガスG1又は参照ガスG2)を導入するための第1ポート101と、センサ室100からハウジング10の外部へガスを出すための第2ポート102と、が設けられている。
検出システム1において、第1吸気口P1は配管61aを介して粒子フィルタ71の入力ポートに接続され、粒子フィルタ71の出力ポートは配管61bを介して三方向電磁弁75の第1入力ポートP11に接続されている。第1吸気口P1には、試料ガスG1が入ったシリンジ又は捕集バッグ等が接続されてもよいし、第1吸気口P1に、試料ガスG1の発生源を近づけてもよい。第1吸気口P1に導入された試料ガスG1は粒子フィルタ71によって粒径が比較的大きい塵等が除かれた後、三方向電磁弁75の第1入力ポートP11に導入される。
第2吸気口P2は配管62aを介して粒子フィルタ72の入力ポートに接続され、粒子フィルタ72の出力ポートは配管62bを介して二方向電磁弁73の入力ポートに接続される。二方向電磁弁73の出力ポートは配管62cを介してフィルタ部20に接続されている。
フィルタ部20は、第2吸気口P2から入力される参照ガスG2中の除去対象成分を低減させるために設けられている。
ここで、フィルタ部20は、互いに異なる除去対象成分を低減させる複数種類の対象別フィルタを含んでいる。フィルタ部20は複数種類の対象別フィルタを含んでいるので、複数種類の対象別フィルタによって、複数種類の除去対象成分を低減させることができる。フィルタ部20は、例えば、センサ11の検出対象の分子であるVOCと、センサ11の測定結果に影響を与える水分とを除去する。すなわち、フィルタ部20が、複数種類の対象別フィルタとして、ガス中の検出対象の分子(本実施形態ではVOC)を低減させる第1フィルタ30と、ガス中の水分を低減させる第2フィルタ40と、を含んでいる。第1フィルタ30及び第2フィルタ40は互いに異なる除去対象成分を低減するので、フィルタ部20が複数の対象別フィルタを備えることによって、複数種類の除去対象成分(本実施形態ではVOC及び水分)を低減することができる。なお、フィルタ部20が有する対象別フィルタはVOCを低減する第1フィルタ30及び水分を低減する第2フィルタ40に限定されない。フィルタ部20は、VOC及び水分以外の除去対象成分(例えばアンモニア、硫化水素、酸素、二酸化炭素、又は窒素等)を低減させる対象別フィルタを含んでもよい。
第1フィルタ30及び第2フィルタ40は、それぞれ、中空糸を含む分離膜を有している。
第1フィルタ30は、第2吸気口P2からセンサ室100に向かって流れる気体が通る第1通過部31と、センサ室100からガス排出口P3に向かって流れる気体が通る第2通過部32(いわゆるパージライン)とを有している。そして、第1フィルタ30の内部には第1通過部31と第2通過部32との間に分離膜が配置されている。VOCを低減させる第1フィルタ30は、例えばシリコーン系の合成樹脂製の中空糸で形成された分離膜を有している。
第2フィルタ40は、第2吸気口P2からセンサ室100に向かって流れる気体が通る第1通過部41と、センサ室100からガス排出口P3に向かって流れる気体が通る第2通過部42(いわゆるパージライン)とを有している。そして、第2フィルタ40の内部には第1通過部41と第2通過部42との間に分離膜が配置されている。第2フィルタ40の分離膜は、例えばフッ素系の合成樹脂製の中空糸で形成された分離膜を有している。
第1フィルタ30の第1通過部31の一端は配管62cを介して二方向電磁弁73の出力ポートに接続され、第1通過部31の他端は配管62dを介して第2フィルタ40の第1通過部41の一端に接続されている。第2フィルタ40の第1通過部41の他端は配管62eを介して逆止弁74の入力ポートに接続され、逆止弁74の出力ポートは配管62fを介して三方向電磁弁75の第2入力ポートP12に接続されている。三方向電磁弁75の出力ポートP13は配管63を介してハウジング10の第1ポート101に接続されている。
ハウジング10の第2ポート102は配管64aを介して電磁比例制御弁76の入力ポートに接続され、電磁比例制御弁76の出力ポートは配管64bを介して逆止弁77の入力ポートに接続されている。電磁比例制御弁76は、絞り量を調整可能な可変オリフィスであり、電磁比例制御弁76の絞り量は制御部51から入力される電気信号(例えば電流信号)によって制御される。逆止弁77の出力ポートは配管64cを介して三方向電磁弁78の入力ポートP23に接続される。三方向電磁弁78の第1出力ポートP21は配管65aを介して第2フィルタ40の第2通過部42の一端に接続されている。第2フィルタ40の第2通過部42の他端は配管65bを介して第1フィルタ30の第2通過部32の一端に接続されており、第2通過部32の他端は配管65cを介して逆止弁79の入力ポートに接続されている。逆止弁79の出力ポートは配管65dを介してエアポンプ90の吸気ポートに接続されており、エアポンプ90の吐出ポートは配管67を介してガス排出口P3に接続されている。
また、三方向電磁弁78の第2出力ポートP22は配管66を介して配管65dに連結されている。
なお、配管61a〜61b、62a〜62f、63、64a〜64c、65a〜65d、66、67は合成樹脂製又は金属製のパイプでもよいし、柔軟性を有する合成樹脂製のチューブでもよい。検出システム1は、図1に示す空圧回路と処理部50とを筐体に収容して構成されている。
検出システム1は、センサ室100へのガスの供給路として、第1吸気口P1からセンサ室100に試料ガスG1を供給する試料ガス供給路R1と、第2吸気口P2からセンサ室100に参照ガスG2を供給する参照ガス供給路R2と、を備える。試料ガス供給路R1は、第1吸気口P1から配管61a、粒子フィルタ71、配管61b、三方向電磁弁75、及び配管63を通ってセンサ室100にガスが流れる流路である。参照ガス供給路R2は、第2吸気口P2から配管62a、粒子フィルタ72、配管62b、二方向電磁弁73、配管62c、第1フィルタ30の第1通過部31、配管62d、第2フィルタ40の第1通過部41、配管62e、逆止弁74、配管62f、三方向電磁弁75、及び配管63を通ってセンサ室100にガスが流れる流路である。
検出システム1は、センサ室100からのガスの排出路として、センサ室100からフィルタ部20を通してガス排出口P3から外部へガスを排出する第1排出路R3と、センサ室100からフィルタ部20を通さずにガス排出口P3から外部へガスを排出する第2排出路R4と、を備える。第1排出路R3は、センサ室100から配管64a、電磁比例制御弁76、配管64b、逆止弁77、配管64c、三方向電磁弁78、配管65a、第2フィルタ40の第2通過部42、配管65b、第1フィルタ30の第2通過部32、配管65c、逆止弁79、配管65d、エアポンプ90、及び配管67を通ってガス排出口P3から外部へガスを排出する流路である。第2排出路R4は、センサ室100から配管64a、電磁比例制御弁76、配管64b、逆止弁77、配管64c、三方向電磁弁78、配管66、配管65c、逆止弁79、配管65d、エアポンプ90、及び配管67を通ってガス排出口P3から外部へガスを排出する流路である。検出システム1は、センサ室100から、フィルタ部20を通る第1排出路R3を介して参照ガスG2を排出しており、第1排出路R3が参照ガス排出路として用いられる。また、検出システム1は、センサ室100から、フィルタ部20を通らない第2排出路R4を介して試料ガスG1を排出しており、第2排出路R4が試料ガス排出路として用いられる。
(1−3)動作
(1−3−1)検出動作
検出システム1が、試料ガスG1中の検出対象の分子を検出する動作について説明する。試料ガスG1中の検出対象の分子を検出する場合、検出システム1は、検出対象の分子を低減した、換言すれば検出対象の分子が殆ど存在しない参照ガスG2をセンサ11に供給し、センサ11の出力値を基準値として取得する。その後、検出システム1は、試料ガスG1をセンサ11に供給し、この時のセンサ11の出力値と、上記の基準値とに基づいて、試料ガスG1中の検出対象の分子を検出する。
以下、検出システム1の検出動作を図14のフローチャートに基づいて説明する。
制御部51は、検出動作を開始すると、二方向電磁弁73を開状態に切り替えて、エアポンプ90を起動させる(S1)。三方向電磁弁75は、第2入力ポートP12がノーマリオープン、三方向電磁弁78は第1出力ポートP21がノーマリオープンであるので、第2吸気口P2から導入された参照ガスG2が参照ガス供給路R2を通ってセンサ室100に導入された後、センサ室100から排出された参照ガスG2は第1排出路R3を通ってガス排出口P3から外部へと排出される。
制御部51は、参照ガスG2をセンサ室100に供給して基準値を取得する第1期間と、試料ガスG1をセンサ室100に供給して検出対象の分子を検出する第2期間とを交互に繰り返している。
第1期間(S2:Yes)では、二方向電磁弁73を開状態に制御し、三方向電磁弁75を、第2入力ポートP12が開状態、第1入力ポートP11が閉状態となるように切り替え、三方向電磁弁78を、第1出力ポートP21が開状態、第2出力ポートP22が閉状態となるように切り替える(S3)。これにより、第2吸気口P2から参照ガス供給路R2を通ってセンサ室100に参照ガスG2が導入された後、センサ室100から第1排出路R3(参照ガス排出路)を通って参照ガスG2が排出されるように、ガスの流路が切り替えられる。この状態で制御部51がエアポンプ90を動作させると、第2吸気口P2から吸引された参照ガスG2が参照ガス供給路R2を通ってセンサ室100に導入された後、第1排出路R3を通ってガス排出口P3から排出される。
第1期間において、第2吸気口P2に導入された参照ガスG2は粒子フィルタ72によって粒径が比較的大きい塵等が除かれた後、二方向電磁弁73を通って第1フィルタ30の第1通過部31に供給される。参照ガスG2が第1フィルタ30の第1通過部31に流れると、第1通過部31に比べて第2通過部32の方が低圧であるため、参照ガスG2中の除去対象成分であるVOCは分離膜に浸透する。分離膜に浸透したVOCは、分離膜中を拡散して第2通過部32側へ移動し、分離膜から脱離することによって第2通過部32内に移動する。そして、第2通過部32に移動したVOCは第2通過部32から、配管65c、逆止弁79、配管65d、エアポンプ90、及び配管67を通り、ガス排出口P3から外部へと排出される。
第1フィルタ30の第1通過部31を通過した参照ガスG2が配管62dを通って第2フィルタ40の第1通過部41に流れると、第1通過部41に比べて第2通過部42が低圧であるため、参照ガスG2中の除去対象成分である水分が分離膜に浸透する。分離膜に浸透した水分は、分離膜中を拡散して第2通過部42側へ移動し、分離膜から脱離することによって第2通過部42内に移動する。そして、第2通過部42に移動した水分は第2通過部42から、配管65b、第1フィルタ30の第2通過部32、配管65c、逆止弁79、配管65d、エアポンプ90、及び配管67を通り、ガス排出口P3から外部へと排出される。
このように、第2吸気口P2に導入された参照ガスG2は第1フィルタ30及び第2フィルタ40を通過することで、参照ガスG2中のVOC及び水分が低減された後、ハウジング10のセンサ室100へと送られる。さらに言えば、参照ガスG2をフィルタ部20に通してセンサ11に供給する第1処理では、参照ガスG2を、第1フィルタ30に通した後に、第2フィルタ40に通して、センサ11に供給している。したがって、センサ11にはVOC及び水分を低減した後の参照ガスG2が供給されるので、この状態でのセンサ11の出力値を検出対象の分子であるVOCの基準として求めることができる。また、センサ11には水分を低減した後の参照ガスG2が供給されるので、参照ガスに含まれる水分によってセンサ11が劣化したり、測定結果が変動したりする可能性を低減できる。
第2フィルタ40が有する分離膜はフッ素系合成樹脂製の中空糸で形成されており、フッ素系合成樹脂はVOCによって劣化しやすい性質がある。第1フィルタ30によってVOCが低減された後の参照ガスG2が第2フィルタ40に供給されるので、第2フィルタ40の分離膜がVOCによって劣化される可能性を低減できる。また、第1フィルタ30及び第2フィルタ40は中空糸で形成された分離膜を用いて参照ガスG2中の除去対象成分を低減しており、活性炭等の濾過材を用いるフィルタのように濾過材の交換が不要であるため、メンテナンスフリーを実現できる。
ここで、制御部51は、第1期間において、水分量測定部13によって測定された参照ガスG2中の水分量に基づいて、電磁比例制御弁76の絞り量を調整することで、参照ガスG2中の水分量を調整する第3処理を行う(S4)。換言すれば、第3処理は、参照ガスG2に含まれる水分量を調整する処理である。
制御部51は、例えば、水分量測定部13によって測定されたセンサ室100での参照ガスG2の絶対湿度量と所定の基準湿度との高低を比較する。基準湿度は例えば1g/mであるが、基準湿度は使用条件等に応じて適宜変更が可能である。
センサ室100での参照ガスG2の絶対湿度量が基準湿度よりも高ければ、制御部51は、電磁比例制御弁76のオリフィス径を第1開口径に制御する。第1開口径は参照ガスG2の絶対湿度量が基準湿度以上である場合のオリフィス径に比べて小さい開口径に設定されている。制御部51が、電磁比例制御弁76のオリフィス径を第1開口径に制御することで、電磁比例制御弁76の前後での圧力差が大きくなり、第2フィルタ40の第2通過部42の圧力が低くなる。これにより、第1通過部41と第2通過部42との圧力差が増加し、第2フィルタ40において第1通過部41から分離膜を透過して第2通過部42に移動する水分量が増加するので、センサ室100での参照ガスG2中の水分量が減少し、所定の基準湿度へと近づく。
一方、センサ室100での参照ガスG2の絶対湿度量が基準湿度以下であれば、制御部51は、電磁比例制御弁76のオリフィス径を第1開口径に比べて大きい第2開口径に制御する。この場合、電磁比例制御弁76のオリフィス径が第1開口径であるときに比べて、電磁比例制御弁76の前後での圧力差が小さくなり、第2フィルタ40の第2通過部42の圧力が高くなる。これにより、第1通過部41と第2通過部42との圧力差が減少し、第2フィルタ40において第1通過部41から分離膜を透過して第2通過部42に移動する水分量が減少するので、センサ室100での参照ガスG2中の水分量が増加し、所定の基準湿度へと近づく。
このように、制御部51は、第2フィルタ40の第1通過部41と第2通過部42との圧力差を調整することによってセンサ室100での参照ガスG2の絶対湿度量を基準湿度に維持しており、検出部52は、この状態でのセンサ11の出力値に基づいて、検出対象の分子の濃度の基準値を取得する(S5)。つまり、制御部51は、第3処理では、分離膜の圧力差を調整している。第1期間では、参照ガスG2中の水分量を調整することによって、参照ガスG2の品質が安定に制御されているので、検出対象の分子であるVOCの濃度の基準値がばらつくのを抑制でき、これによって試料ガスG1中のVOCをより正確に測定することができる。
次に、第2期間での検出システム1の動作について説明する。第2期間では(S2:No)、制御部51は、二方向電磁弁73を閉状態に制御し、三方向電磁弁75を、第1入力ポートP11が開状態、第2入力ポートP12が閉状態となるように切り替え、三方向電磁弁78を、第1出力ポートP21が閉状態、第2出力ポートP22が開状態となるように切り替える(S6)。これにより、第1吸気口P1から試料ガス供給路R1を通ってセンサ室100に試料ガスG1が導入された後、センサ室100から第2排出路R4(試料ガス排出路)を通って試料ガスG1が排出されるように、ガスの流路が切り替えられる。この状態で制御部51がエアポンプ90を動作させると、第1吸気口P1から吸引された試料ガスG1が試料ガス供給路R1を通ってセンサ室100に導入された後、第2排出路R4を通ってガス排出口P3から排出される。
この第2期間において、検出部52は、センサ11の出力値を取得し(S7)、この出力値と第1期間に取得した基準値とに基づいて、試料ガスG1中の検出対象の分子(本実施形態では匂い成分であるVOC)を検出する処理を行う(S8)。ここで、検出部52は、検出対象の分子の有無を検出してもよいし、検出対象の分子の濃度を検出してもよいし、検出対象の分子の濃度が所定の設定値よりも高い又は低い状態を検出してもよい。また、第2期間では、フィルタ部20をバイパスする第2排出路R4を通って試料ガスG1が排出されるので、第1フィルタ30を通っていない試料ガスG1が第2フィルタ40を通過することはなく、VOCによる第2フィルタ40の劣化を抑制できる。
そして、検出システム1の制御部51は、第1期間と第2期間とを交互に繰り返すことで、試料ガスG1中のVOCを検出する検出動作を繰り返し実行する。その際、2サイクル目以降は、第1期間の参照ガスG2中の水分量を調整する第3処理(S4)を省略してもよい。また、第1期間及び第2期間の長さは例えば10秒間に設定されているが、第1期間及び第2期間の長さは適宜変更可能であり、第1期間の長さと第2期間の長さが互いに異なる長さに設定されていてもよい。
上述のように、検出システム1は、試料ガスG1をセンサ室100に供給する試料ガス供給路R1とは別に、参照ガスG2をフィルタ部20に通した後でセンサ室100に供給する参照ガス供給路R2を備えている。第2吸気口P2から導入された参照ガスG2はフィルタ部20で検出対象の分子(本実施形態ではVOC)及び水分が低減された後にセンサ室100に供給されているので、環境中の空気を参照ガスG2として使用することができる。
検出システム1は、センサ室100から参照ガスG2を排出するための第1排出路R3とは別に、センサ室100からフィルタ部20を通さずに試料ガスG1を排出するための第2排出路R4を備えている。これにより、検出対象の分子(本実施形態ではVOC)及び水分を含む試料ガスG1は、フィルタ部20のパージライン(第2通過部32,42)を通らずに外部に排出されるので、フィルタ部20のフィルタ性能が劣化するのを抑制できる。例えば、食品から採取したガス又は呼気等の水分を含むガスを試料ガスG1とする場合、試料ガスG1は第2排出路R4を通って外部に排出されるので、フィルタ部20のフィルタ性能の劣化を抑制できる。
検出システム1は、センサ室100の下流側に電磁比例制御弁76を備えており、電磁比例制御弁76のオリフィス径を絞ることによってセンサ室100を通過するガス(試料ガスG1及び参照ガスG2)の流量を減少させることができる。これにより、フィルタ部20のフィルタ性能およびセンサ11の劣化を抑制できる。
(1−3−2)休止状態
検出システム1が、試料ガスG1の検出動作を停止する休止状態を図15のフローチャートに基づいて説明する。
休止状態では、制御部51は、二方向電磁弁73を閉状態に制御し、三方向電磁弁75を、第2入力ポートP12が開状態、第1入力ポートP11が閉状態となるように切り替え、三方向電磁弁78を、第1出力ポートP21が開状態、第2出力ポートP22が閉状態となるように切り替える(S10)。
これにより、第1吸気口P1からの外気の流入は三方向電磁弁75によって阻止され、第2吸気口P2からの外気の流入は二方向電磁弁73によって阻止され、ガス排出口P3からの外気の流入は逆止弁79と三方向電磁弁78とによって阻止される。参照ガス供給路R2を含む複数の流路(試料ガス供給路R1、参照ガス供給路R2、第1排出路R3及び第2排出路R4)が、フィルタ部20と外部とをそれぞれ接続している。これら複数の流路には、それぞれ、遮断要素として二方向電磁弁73、三方向電磁弁75,78、及び逆止弁79が設けられており、休止状態ではこれらの遮断要素によって複数の流路が遮断されている。つまり、複数の遮断要素を含む遮断部CB1が、電源オフ時等の休止状態において、フィルタ部20と外部とを遮断する。これにより、フィルタ部20に外気が触れにくくなり、フィルタ部20の劣化を抑制できる。なお、遮断部CB1は、電磁力で開状態と閉状態とのいずれかに切り替える電磁切替弁(具体的には上記の二方向電磁弁73及び三方向電磁弁75,78)を含んでいるので、制御部51からの電気信号で電磁切替弁の開状態と閉状態とを切り替えることができる。また、遮断部CB1は、逆止弁79を含んでおり、電磁切替弁を用いる場合に比べて電源及び信号線が不要であるという利点がある。
なお、休止状態に移行する場合に、制御部51は、二方向電磁弁73を閉状態に制御し、三方向電磁弁75を、第2入力ポートP12が開状態、第1入力ポートP11が閉状態となるように切り替えた状態で、エアポンプ90を動作させることで(S11)、フィルタ部20を含む回路内の圧力を、外部の圧力より低い圧力(例えば真空状態)に減圧してもよい。制御部51はエアポンプ90を所定時間動作させると、エアポンプ90を停止させ(S12)、遮断部CB1で遮断されたフィルタ部20を含む回路部分の圧力を負圧に保持する。休止状態において、二方向電磁弁73からハウジング10を通って逆止弁79に至るまでの回路C1の圧力が減圧されていれば、逆止弁79が開きにくくなるので、フィルタ部20に外気が接触する可能性を低減できる。
(1−3−3)アイドリング動作
検出システム1は、休止状態において、参照ガスG2をフィルタ部20に流すアイドリング動作を行うアイドリング期間を設けてもよい。
アイドリング期間では、第2吸気口P2から導入された参照ガスG2が参照ガス供給路R2を通ってセンサ室100に供給された後、第1排出路R3(参照ガス排出路)を通って外部に排出される。第2フィルタ40が備える中空糸の分離膜は、その乾燥状態によってフィルタ性能が大きく変化する。休止状態が長時間継続したことによって、分離膜が湿気を多く含んでいるとフィルタ性能が低下する可能性がある。そこで、アイドリング期間においてフィルタ部20に参照ガスG2を流すことによって、第2フィルタ40が備える中空糸の分離膜を乾燥させることができ、第2フィルタ40のフィルタ性能が向上する。
ここで、制御部51は、休止状態において、水分量測定部13の測定結果に基づいて検出部52が検出した水分量が所定の閾値(第1閾値)よりも高くなると、二方向電磁弁73を開状態に切り替えて、エアポンプ90を動作させることでアイドリング動作を開始する。その後、制御部51は、検出部52が検出した水分量が所定の閾値(第2閾値)以下になると、二方向電磁弁73を閉状態に切り替えた後に、エアポンプ90を停止させ、遮断部CB1で遮断されたフィルタ部20を含む回路部分を負圧の状態で維持する。
このように、検出システム1は、休止状態において検出部52が検出した水分量が第1閾値よりも高くなるとアイドリング動作を実行するので、第2フィルタ40を乾燥した状態で維持でき、第2フィルタ40を乾燥させた状態で検出動作を再開することができる。
ここで、制御部51は、アイドリング動作を行う場合の参照ガスG2の流量を、検出動作を行う場合の第1期間における参照ガスG2の流量よりも大きくするように、電磁比例制御弁76のオリフィス径を制御するのが好ましい。これにより、アイドリング期間において参照ガスG2を大流量で流すことによって、フィルタ部20を短時間で乾燥させてアイドリング動作を終了することができる。
制御部51は、水分量測定部13の測定結果に基づいてアイドリング動作の開始タイミング及び終了タイミングを決定しているが、ガス中の水分量によって出力値が変化するセンサ11の出力値に基づいて、アイドリング動作の開始タイミング及び終了タイミングを決定してもよい。制御部51が、ガス中の水分量によって出力値が変化するセンサ11の出力値に基づいて、アイドリング動作の開始タイミング及び終了タイミングを決定するのであれば、検出システム1が水分量測定部13を備えることは必須ではない。制御部51は、第1期間において、センサ11の出力値に基づいてガス中の水分量を推定し、水分量の推定結果に基づいてエアポンプ90の動作を制御することで、参照ガスG2の品質が安定し、それによって試料ガスG1の検出結果のばらつきを低減できる。また、センサ11は経時変化によって特性が変動したり劣化したりする可能性があるが、アイドリング期間においてVOC及び水分が低減された参照ガスG2をセンサ11に供給することで、センサ11の特性を初期状態に戻すことができる。
(1−3−4)再生動作
検出システム1は、休止状態において、除湿装置12の吸湿材250の再生を行う再生期間を設けてもよい。
再生期間では、除湿装置12の再生部120が吸湿材250を加熱する。これによって、吸湿材250は、水分子を脱離し、吸着性能(吸湿性能)を回復することができる。再生期間では、第2吸気口P2から導入された参照ガスG2が参照ガス供給路R2を通ってセンサ室100に供給された後、第1排出路R3(参照ガス排出路)を通って外部に排出される。これによって、吸湿材150から脱離した水分子をセンサ室100から外部に排出する。
ここで、制御部51は、休止状態において、水分量測定部13の測定結果に基づいて検出部52が検出した水分量が所定の閾値(第3閾値)よりも高くなると、再生動作を開始する。再生動作では、制御部51は、除湿装置12の再生部120の一対の電極123間に電圧を印加して電熱線122を発熱させて、吸湿材250を加熱する。また、制御部51は、二方向電磁弁73を開状態に切り替えて、エアポンプ90を動作させる。その後、制御部51は、検出部52が検出した水分量が所定の閾値(第4閾値)以下になると、再生部120の一対の電極123間への電圧の印加を終了する。更に、制御部51は、二方向電磁弁73を閉状態に切り替えた後に、エアポンプ90を停止させ、遮断部CB1で遮断されたフィルタ部20を含む回路部分を負圧の状態で維持する。
このように、検出システム1は、休止状態において検出部52が検出した水分量が第3閾値よりも高くなると再生動作を実行するので、吸湿材250の再生をすることができ、吸湿材250の吸湿性能が回復した状態で検出動作を再開することができる。
(2)変形例
本開示の実施形態は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
上記実施形態では、センサ11、除湿装置12及び水分量測定部13が、ハウジング10の対象空間(センサ室100)内に配置される。センサ11、除湿装置12及び水分量測定部13のそれぞれの数は特に限定されず、複数のセンサ11、複数の除湿装置12及び複数の水分量測定部13が設けられていてもよい。一変形例では、除湿装置12は、必ずしも、センサ11よりも、第1ポート101の近くに配置されていなくてもよい。また、除湿装置12は、設けられていなくてもよい。つまり、検出システム1は、少なくともセンサ11を備えていればよい。一変形例では、水分量測定部13は、必ずしも、センサ11よりも、第2ポート102の近くに配置されていなくてもよい。水分量測定部13は、センサ11よりも、第1ポート101の近くに配置されていてもよい。
一変形例では、再生部120は吸湿材250が設置される空間(対象空間、センサ室100)を加熱するものであってよく、吸湿材250を構成する基材210を加熱するものであってもよい。再生部120は、例えば、ヒータ等であってよい。ヒータは、例えば、電熱線等であってよい。再生部120は、例えば、吸湿材250,252を構成する基材210と接するように配置されていてもよい。基材210と再生部120が接触する場合、基材210と再生部120とが離間して配置される場合に比べ効率的に吸湿材250を加熱することができる。一変形例では、除湿装置12は、必ずしも、再生部120を備えている必要はない。
上記実施形態では、制御部51は、水分量測定部13の測定結果に基づいて再生動作の開始タイミング及び終了タイミングを決定しているが、ガス中の水分量によって出力値が変化するセンサ11の出力値に基づいて、再生動作の開始タイミング及び終了タイミングを決定してもよい。水分量測定部13は、温湿度センサを有している。よって、制御部51は、対象空間(センサ室100)の温度と湿度との少なくとも一方に基づいて再生動作の開始タイミング及び終了タイミングを決定してよい。また、制御部51は、2つの水分量測定部13での測定結果の差によって、再生動作の開始タイミング及び終了タイミングを決定してよい。この場合に、2つの水分量測定部13は、一方がセンサ室100内で除湿装置12よりも第1ポート101の近くに配置され、他方がセンサ室100内で除湿装置12よりも第2ポート102の近くに配置されるとよい。
上記の実施形態において、測定データなどの2値の比較において、「より大きい」としているところは「以上」であってもよい。つまり、2値の比較において、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「より大きい」か「以上」かに技術上の差異はない。同様に、「以下」としているところは「未満」であってもよい。
一変形例では、配管(61a〜61b、62a〜62f、63、64a〜64c、65a〜65d、66、67)や、電磁弁(二方向電磁弁73、三方向電磁弁75,78、及び電磁比例制御弁76等)の構成は、上記実施形態に限定されない。検出システム1は、ガス(試料ガスG1、参照ガスG2)のセンサ室100への供給と、センサ室100からのガスの排出が可能であればよい。
上記の実施形態において、センサ室100に、複数のナノワイヤの集合体を有する吸着部が設けられてもよい。センサ室100に導入されたガスを吸着部に吸着させることによってガスを濃縮し、吸着部から脱離させたガスをセンサ11に供給することで、ガスの検出感度を高めることができる。
上記の実施形態では、センサ室100に参照ガスG2を導入する第1期間と、センサ室100に試料ガスG1を導入する第2期間と、を時間的に分離しているが、試料ガスG1を捕集するエリアと、参照ガスG2を捕集するエリアと、を空間的に分離してもよい。
上記の実施形態では、VOC用の第1フィルタ30と、水分用の第2フィルタ40とが直列に接続されているが、第2フィルタ40の分離膜がVOCによる劣化を受けにくい材料で形成されているのであれば、第1フィルタ30と第2フィルタ40とが並列的に配置されてもよい。また、第2フィルタ40として、吸湿材250を備えたフィルタを用いてもよい。
上記の実施形態では、フィルタ部20が、VOC用の第1フィルタ30と、水分用の第2フィルタ40とを含んでいるが、VOCと水分の両方を低減する中空糸の分離膜を有する1つのフィルタで構成されていてもよい。また、除湿装置12があるため、水分用の第2フィルタ40は省略可能である。
(3)態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
第1の態様は、検出システム(1)であって、対象空間(センサ室100)内に配置されて検出対象の分子に対して感度を有するセンサ(11)と、前記対象空間(センサ室100)内の水分を吸収する吸湿材(250;252)を備える除湿装置(12)と、を備える。この態様によれば、水分に起因する検出精度の低下を低減できる。
第2の態様は、第1の態様に基づく検出システム(1)である。第2の態様では、前記吸湿材(250;252)は、比表面積が0.5m/g以上である基材(210)と、前記基材(210)上に設けられ、潮解性を有する金属化合物を含有する吸水層(220)と、を備える。この態様によれば、吸湿材(250;252)が、水分子を短時間で選択的に吸着することができ、且つ簡易な手段によって吸湿性能を回復することが可能となる。
第3の態様は、第2の態様に基づく検出システム(1)である。第3の態様では、前記基材(210)の水に対する接触角は、25°以下である、この態様によれば、吸湿材(250;252)が、より多くの繰り返し使用に耐え得るようになる。
第4の態様は、第2又は第3の態様に基づく検出システム(1)である。第4の態様では、前記基材(210)は、単結晶構造及び多結晶構造からなる群より選択される少なくとも一種の構造(210b)を有する。この態様によれば、基材(210)の熱伝導率を向上させることができ、吸湿材(250;252)の加熱による水分子の再放出がより容易なものとなる。
第5の態様は、第2〜第4の態様のいずれか一つに基づく検出システム(1)である。第5の態様では、前記基材(210)の表面(210a)は、微細構造(突起210b)を有する。この態様によれば、吸湿材(250;252)が、水分子を短時間で選択的に吸着することができ、且つ簡易な手段によって吸湿性能を回復することが可能となる。
第6の態様は、第5の態様に基づく検出システム(1)である。第6の態様では、前記吸水層(220)は、前記基材(210)の前記微細構造(210b)の形状に沿って設けられる。この態様によれば、吸湿材(250;252)が、水分子を短時間で選択的に吸着することができ、且つ簡易な手段によって吸湿性能を回復することが可能となる。
第7の態様は、第5又は第6の態様に基づく検出システム(1)である。第7の態様では、前記微細構造(210b)は、ナノワイヤ形状である。この態様によれば、吸湿材(250;252)が、水分子を短時間で選択的に吸着することができ、且つ簡易な手段によって吸湿性能を回復することが可能となる。
第8の態様は、第2〜第7の態様のいずれか一つに基づく検出システム(1)である。第8の態様では、前記基材(210)は、ケイ素及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種を含有する。この態様によれば、吸湿材(250;252)が、水分子を短時間で選択的に吸着することができ、且つ簡易な手段によって吸湿性能を回復することが可能となる。
第9の態様は、第2〜第8の態様のいずれか一つに基づく検出システム(1)である。第9の態様では、前記基材(210)は、基体部(211)と、前記基体部(211)上に設けられた親水部(212)と、を含む。前記吸水層(220)は、前記基材(210)の前記親水部(212)上に設けられている。この態様によれば、基材(210)と吸水層(220)との接合をより強固なものとすることができる。
第10の態様は、第9の態様に基づく検出システム(1)である。第10の態様では、前記親水部(212)は、二酸化ケイ素及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する。この態様によれば、吸湿材(250;252)が、水分子を短時間で選択的に吸着することができ、且つ簡易な手段によって吸湿性能を回復することが可能となる。
第11の態様は、第2〜第10の態様のいずれか一つに基づく検出システム(1)である。第11の態様では、前記金属化合物は、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、五酸化リン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び炭酸カリウムからなる群より選択される少なくとも一種を含有する。この態様によれば、吸湿材(250;252)が、水分子を短時間で選択的に吸着することができ、且つ簡易な手段によって吸湿性能を回復することが可能となる。
1 検出システム
11 センサ
12 除湿装置
100 センサ室(対象空間)
250,252 吸湿材
210 基材
210b 突起(微細構造)
211 基体部
212 親水部
220 吸水層

Claims (11)

  1. 対象空間内に配置されて検出対象の分子に対して感度を有するセンサと、
    前記対象空間内の水分を吸収する吸湿材を備える除湿装置と、
    を備える、
    検出システム。
  2. 前記吸湿材は、
    比表面積が0.5m/g以上である基材と、
    前記基材上に設けられ、潮解性を有する金属化合物を含有する吸水層と、
    を備える、
    請求項1の検出システム。
  3. 前記基材の水に対する接触角は、25°以下である、
    請求項2の検出システム。
  4. 前記基材は、単結晶構造及び多結晶構造からなる群より選択される少なくとも一種の構造を有する、
    請求項2又は3の検出システム。
  5. 前記基材の表面は、微細構造を有する、
    請求項2〜4のいずれか一つの検出システム。
  6. 前記吸水層は、前記基材の前記微細構造の形状に沿って設けられる、
    請求項5の検出システム。
  7. 前記微細構造は、ナノワイヤ形状である、
    請求項5又は6の検出システム。
  8. 前記基材は、ケイ素及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種を含有する、
    請求項2〜7のいずれか一つの検出システム。
  9. 前記基材は、基体部と、前記基体部上に設けられた親水部と、を含み、
    前記吸水層は、前記基材の前記親水部上に設けられている、
    請求項2〜8のいずれか一つの検出システム。
  10. 前記親水部は、二酸化ケイ素及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する、
    請求項9の検出システム。
  11. 前記金属化合物は、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、五酸化リン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び炭酸カリウムからなる群より選択される少なくとも一種を含有する、
    請求項2〜10のいずれか一つの検出システム。
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