JP2021156587A - 圧力検出装置 - Google Patents

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Toshiya Kubo
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【課題】振動が発生する被測定物の圧力計測を正確に行うことができる圧力検出装置を提供する。【解決手段】被測定物に取り付けられて該被測定物の内部圧力を検出する圧力検出装置20であって、被測定物の内部圧力を検出する第1圧電素子部34を有する第1圧力検出部41と、第1圧力検出部41の軸方向に配置され、被測定物が発する振動を検出する第2圧電素子部74を有する第2圧力検出部42と、第1圧力検出部41と第2圧力検出部42との間に配置された中央シャフト部81と、被測定物に取り付けるための取付部10とを備え、第2圧力検出部42を構成する第2圧力伝達部が、穴又は薄肉部を有する板状のダイアフラム71であるように構成して上記課題を解決した。【選択図】図17

Description

本発明は、圧力検出装置に関し、さらに詳しくは、振動が生じる被測定物の圧力計測を正確に行うことができる圧力検出装置に関する。
ガスタービンやエンジン等の内燃機関のような高温、高圧及び振動環境下で圧力を検知する装置として、圧電素子を備えた圧力検出装置が知られている。こうした圧力検出装置は、近年、非常に過酷な環境(高温、温度変動、振動、固体伝播音等)中で使用されることも多く、ノイズレベルを最小化して明確で高精度な実効信号を出力することが要求されている。こうした要求に対し、例えば特許文献1,2のような種々の技術が提案されている。
特許文献1には、固体伝播音又はケースひずみの悪影響から測定素子が保護されるとともに、他方で、センサの過熱が回避される圧電型圧力センサが提案されている。この技術は、外部カバーと、圧力受け部側において外部カバーに取り付けられて外部カバーに対して環状隙間を作り出す内部カバーとを含み、ダイアフラムと内部カバーの基体部との間に測定圧電素子が配置されるというものである。
特許文献2には、複数の圧電素子を備えた圧力検出装置において、複数の圧電素子に加わる予荷重の変動を抑制するための技術が提案されている。詳しくは、この圧力検出装置は、複数の圧電素子を並べて配置するとともに、各圧電素子に予荷重が加わる方向に沿って、導電部材、絶縁部材及び他の導電部材を配置する構成を採用した場合に、圧電素子と対向する部位と対向しない部位とで絶縁部材に付与される力の分布にむらが生じ、その結果、予荷重が付加された絶縁部材に割れ(クラック)が生じるという問題を解決した技術であって、その技術内容は、圧電体を用いて一端側から他端側に向かう圧力の変化を検出する複数の圧電素子と、導電性を有し複数の前記圧電素子それぞれの一端側と接触する電極部材と、前記電極部材を介して複数の前記圧電素子を支持する支持部材と、絶縁性を有し前記電極部材と前記支持部材との間に配置され、複数の前記圧電素子と対向しない部位には対向する部位と比べて脆弱な脆弱部が設けられた絶縁部材とを含む構成としている。
特開2008−129024号公報 特開2018−105714号公報
図14は従来の圧力検出装置110の代表例であり、図15は特許文献2で提案された圧力検出装置120の例である。これらの圧力検出装置110,120では、ダイアフラム51に印加された圧力が台座37を通じて圧電素子34に伝達する。圧電素子34がLTGA等の場合、印加された圧力分の+の電荷と−の電荷が放出され、それぞれの電荷が電極33を介して装置の外部へ伝達される。しかし、被測定物で発生する振動成分が、圧力印加による圧力成分に重畳して見過ごすことができない大きさである場合、正確な圧力を計測することができないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、振動が発生する被測定物の圧力計測を正確に行うことができる圧力検出装置を提供することにある。
本発明者は、看過できない振動が発生する被測定物の圧力計測を正確に行うため、円筒形状の圧力検出装置に関し、ダイアフラムを備えた第1圧力検出部と、圧力検出装置の軸方向に第1圧力検出部と並列して配置された第2圧力検出部とを備える構成により、被測定物の振動成分に影響されない圧力計測が実現可能であることを見出し、さらに、小型軽量化とより正確な計測を実現できることを見出して、本発明を完成させた。
本発明に係る圧力検出装置は、被測定物に取り付けられて該被測定物の内部圧力を検出する圧力検出装置であって、前記被測定物の内部圧力を検出する第1圧電素子部及び前記第1圧電素子部の軸方向に配置された第1圧力伝達部を有する第1圧力検出部と、前記第1圧力検出部の軸方向に配置され、前記被測定物が発する振動を検出する第2圧電素子部及び前記第2圧電素子部の軸方向に配置された第2圧力伝達部を有する第2圧力検出部と、前記第1圧力検出部と前記第2圧力検出部との間に配置された中央シャフト部と、前記被測定物に取り付けるための取付部と、を備え、前記第2圧力伝達部が、穴又は薄肉部を有する板状のダイアフラムである、ことを特徴とする。
この発明によれば、被測定物に取り付けられる圧力検出装置は、第1圧力検出部と第2圧力検出部とが中央シャフト部を挟んで軸方向に配置されているので、被測定物に振動が生じた場合に、第1圧電素子部と第2圧電素子部には圧縮と引張がそれぞれ生じる。圧縮と引張は、それぞれの圧電素子部に正負の異なる電荷を生じさせ、その電荷の和を求めることにより、振動による加速度分の圧力検出信号をキャンセルすることができる。その結果、圧力計測を正確に行うことができる。さらに、第2圧力検出部を構成する第2圧力伝達部に穴又は薄肉部を備える低剛性のダイアフラムとしたので、第2圧力伝達部である第2ダイアフラムが動きやすくなり、加速度によって圧力検出装置全体が動こうとする場合であっても、その動きを第2台座にできるだけ伝えないようにして第2台座がその場に留まろうとし易くすることができる。その結果、第2台座がその場に留まろうとして生じる引張が圧電素子に作用するので、圧電素子にマイナス電荷が発生しやすくなり、加速度成分をキャンセルして正確な計測を行うことができる。
本発明に係る圧力検出装置において、前記第2圧力伝達部は、中央部分に穴又は薄肉部を有し、周縁に固定部を有するダイアフラムであることが好ましい。こうしたダイアフラムは、例えば穴や薄肉部のないダイアフラムと比較した場合、低剛性のダイアフラムとして評価できる。
本発明に係る圧力検出装置において、前記第1圧力検出部は、前記第1圧力伝達部と、前記第1圧力伝達部の前記軸方向に配置された第1台座と、前記第1台座の前記軸方向に配置された前記第1圧電素子部とを有し、前記第2圧力検出部は、前記第2圧力伝達部と、前記第2圧力伝達部の前記軸方向に配置された第2台座と、前記第2台座の前記軸方向に配置された前記第2圧電素子部とを有し、前記第1圧電素子部及び前記第2圧電素子部は、圧電素子と電極部材とを少なくとも有する。
この発明によれば、振動による加速度が生じた場合に、装置の先端側(前方)に配置された第1台座と後方に配置された第2台座それぞれがその場に留まろうとし、一方の圧電素子部を構成する圧電素子は中央シャフト部の移動により圧縮され、他方の圧電素子部を構成する圧電素子は中央シャフト部の移動により引張られる。各圧電素子の圧縮と引張が台座と中央シャフト部の作用により生じるので、各圧電素子は正負の異なる電荷を出力し、それぞれの電荷の和を求めることにより加速度分の圧力検出信号をキャンセルすることができる。
本発明に係る圧力検出装置において、前記第1圧電素子部及び前記第2圧電素子部は、1又は2以上の同数の圧電素子で構成されている。
この発明によれば、第1圧電素子部と第2圧電素子部をそれぞれ構成する圧電素子が同数なので、各圧電素子で発生する正負の異なる電荷の和をバランスよく求めることができる。なお、第1圧電素子部と第2圧電素子部は、それぞれ3枚の板状圧電素子で均等配置されていることが好ましい。こうすることにより、圧力検出装置への全方向から加わる振動に対しても、加速度分の圧力検出信号をキャンセルすることができ、圧力計測をより正確に行うことができる。
本発明に係る圧力検出装置において、前記取付部が、装置全体の重心位置に配置されている。
この発明によれば、第1圧電素子部と第2圧電素子部の圧縮と引張によって生じる電荷が生じ易くなる。その結果、振動による加速度分の圧力検出信号のキャンセルを効果的に行うことができ、圧力計測をより正確に行うことができる。なお、そうした取付部は、装置全体の重心位置となるように、第1台座と第2台座それぞれの位置と質量が調整される。
本発明によれば、振動が発生する被測定物の圧力計測を正確に行うことができる圧力検出装置を提供することができる。
本発明に係る圧力検出装置の一例を示す外観斜視図である。 図1に示す圧力検出装置の縦断面図である。 図1に示す圧力検出装置の縦断面の斜視図である。 図1に示す圧力検出装置の横断面図である。 絶縁板の一例である。 電極板の一例である。 第2ダイアフラムの一例である。 圧電素子の一例である。 第1台座の一例である。 第2台座の一例である。 第1台座と第2台座と取付部との位置関係及び居質量バランスの説明図である。 取付部に加わる振動に基づいた加速度の態様を示す説明図である。 本発明に係る圧力検出装置の重心位置に関する説明図である。 従来の圧力検出装置の一例を示す縦断面図である。 従来の圧力検出装置の他の一例を示す縦断面図である。 第1圧電素子部と第2圧電素子部を同一構造とした圧力検出装置の一例を示す縦断面図である。 第2ダイアフラムの装着形態の一例を示す斜視図である。 図17に示す第2ダイアフラムを示す説明図である。
以下、本発明に係る圧力検出装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
[圧力検出装置]
本発明に係る圧力検出装置20は、被測定物に取り付けられて該被測定物の内部圧力を検出する圧力検出装置である。その構成は、被測定物の内部圧力を検出する第1圧電素子部34及び第1圧電素子部34の軸方向Xに配置された第1圧力伝達部51を有する第1圧力検出部41と、第1圧力検出部41の軸方向Xに配置され、被測定物が発する振動を検出する第2圧電素子部74及び第2圧電素子部74の軸方向Xに配置された第2圧力伝達部71を有する第2圧力検出部42と、第1圧力検出部41と第2圧力検出部42との間に配置された中央シャフト部81と、被測定物に取り付けるための取付部10とを備え、第2圧力伝達部71が、穴又は薄肉部を有する板状のダイアフラム(第2ダイアフラム71)である、ことに特徴がある。
こうした圧力検出装置20は、第1圧力検出部41と第2圧力検出部42とが中央シャフト部81を挟んで軸方向Xに配置されているので、被測定物に振動が生じた場合に、第1圧電素子部34と第2圧電素子部74には圧縮と引張がそれぞれ生じる。圧縮と引張は、それぞれの圧電素子部34,74に正負の異なる電荷を生じさせ、その電荷の和を求めることにより、振動による加速度分の圧力検出信号をキャンセルすることができる。その結果、圧力計測を正確に行うことができる。
さらに、第2圧力検出部42を構成する第2圧力伝達部71を、穴又は薄肉部を有する板状の低弾性のダイアフラム(第2ダイアフラム71)としたので、第2ダイアフラム71が動きやすくなり、加速度によって圧力検出装置全体が動こうとする場合であっても、その動きを第2台座77にできるだけ伝えないようにして第2台座77がその場に留まろうとし易くすることができる。その結果、第2台座77がその場に留まろうとして生じる力が圧電素子に作用するので、圧電素子に電荷が発生しやすくなり、加速度成分をキャンセルして正確な計測を行うことができる。
なお、圧力検出装置20は、図1〜図3に示す代表例では、被測定物の内部圧力を検出する側の検出部30と、検出部30の他端側に設けられ、検出部30の検出信号を外部に設けられた機器(制御装置や解析装置)に出力する出力部60とを備えている。こうした圧力検出装置20は、検出部30側がガスタービンエンジン等の被測定物の内部に露出して燃焼器側に配置され、出力部60側が被測定物の外部に露出するように配置されている。圧力検出装置20の全体形状は、図1に示すように、円筒形状で好ましく構成されているが、必ずしも円筒形状でなくてもよく、多角形であってもよい。なお、以下において、「円筒」、「円筒状」又は「円筒形状」とあるのは、円筒形状又は円柱形状の圧力検出装置20を例にして説明しているためであり、それぞれの形状は特に限定されない。
各構成要素について説明する。以下において、最先端に位置する第1ダイアフラム51の側を先端側といい、その逆側のシースケーブル69の側を後端側という。
[被測定物]
被測定物は、本発明に係る圧力検出装置20が取り付けられる対象物である。取付は、圧力検出装置20の取付部10が、被測定物に設けられた穴に挿入され、その取付部10が被測定物の壁面に固定されることにより行われる。取り付けられた圧力検出装置20は、その先端側の第1圧力伝達部50で内部圧力の変化を検出する。被測定物の例としては、ガスタービンやエンジン等の内燃機関等を挙げることができるが、これらに限定されない。こうした被測定物では、それ自身の振動や、外部からの振動や衝撃を受けた被測定物の振動等により、被測定物の内部圧力と、それ以外の振動成分とを分離できない場合に生じる不正確な測定を解消でき、正確な圧力を計測することができる。
なお、被測定物に取り付けられる圧力検出装置20は、図1及び図2等に示すように、円筒状であることが好ましいが、被測定物内に挿入できる形態であれば必ずしも円筒状でなくてもよい。圧力検出装置20は、被測定物の燃焼器に取り付けられ、燃焼器で発生した燃焼圧の検出を行う。
[検出部]
検出部30は、図2及び図3に示すように、被測定物の内部圧力を検出する側の部分である。検出部30は、最も先端側に位置する第1圧力伝達部50と、その第1圧力伝達部50の軸方向Xの後端側に連続して配置される圧力検出部40とで構成されている。圧力検出部40は、第1圧力伝達部50側(先端側)の第1圧力検出部41と、出力部60側(後端側)の第2圧力検出部42とで構成されている。
(第1圧力検出部)
第1圧力検出部41は、第1圧力伝達部50と、第1圧力伝達部50の軸方向Xの後端側に配置された第1台座37と、第1台座37の軸方向Xの後端側に配置された第1圧電素子部34とを有している。第1圧電素子部34の軸方向Xの両端(先端側と後端側)には、電極部材としての電極板35,33がそれぞれ配置されている。電極板35,33の第1圧電素子部34の反対側の位置には、絶縁部材としての絶縁板36,32がそれぞれ配置され、電極板35,33が他の部材に電気的に接触するのを絶縁している。なお、第1圧力検出部41を構成する筐体を第1筐体といい、第1圧力検出部と同じ符号41を用いる。
(第1圧力伝達部)
第1圧力伝達部50は、最も先端側に設けられ、第1ダイアフラム51と、第1ダイアフラム51の後端側に設けられた圧力分散板52とで構成されている。第1ダイアフラム51は、第1筐体41の先端に露出して設けられており、圧力分散板52は、第1筐体41の内部に収容されている。
第1ダイアフラム51は、円板状の部材であり、特に限定されないが、一般的に使用されるダイアフラムと同様のものを採用できる。第1ダイアフラム51の後端側の面のうち、周縁側の突出部位は第1筐体41の先端側の面に接触し、中央側の突出部位は圧力分散板52の先端側の面に接触している。
圧力分散板52は、円板状の部材であり、特に限定されないが、一般的に使用される圧力分散板と同様のものを採用できる。圧力分散板52の外径は、図9に示す第1台座37に設けられた凹部372の内径よりもわずかに小さく、その凹部372に嵌め込まれている。圧力分散板52の先端側の面は、第1ダイアフラム51の後端側且つ中央側の面と接触している。圧力分散板52の後端側の面のうち、周縁側となる部位は第1台座37の先端側の凹部372に嵌め込まれて接触し、中央側となる部位は第1台座37の貫通孔373(図9参照)に対応した位置となっている。
(第1台座)
第1台座37は、図2に示すように、第1筐体41内に、第1圧力伝達部50の後端側で、絶縁板36の先端側に設けられている。第1台座37の形状は特に限定されないが、圧力検出装置20の形状が上記のように円筒形状である場合には、図9に例示した円筒状の部材を採用することができる。第1台座37は、先端側の周縁に設けられる縁端部371と、縁端部371の内側に縁端部371よりも後端側に凹む凹部372と、凹部372を先端側から後端側に貫通する貫通孔373とで構成されている。第1台座37は、その貫通孔373に貫通シャフト15を挿入して接合されている。第1台座37の後端側の面は、通常は平坦面であり、隣接する絶縁板36の先端側の面と接触している。
(第1圧電素子部)
第1圧電素子部34は、第1台座37の軸方向Xの後端側に配置されている。第1圧電素子部34は、圧電素子と電極部材とで少なくとも構成され、通常は絶縁部材も含まれる。圧電素子の軸方向Xの両端(先端側と後端側)には、電極部材がそれぞれ配置され、さらにその電極部材の圧電素子の反対側の位置には、絶縁部材がそれぞれ配置されている。
第1圧電素子部34は、後述する第2圧電素子部74と同様、1又は2以上の同数の圧電素子で構成されている。こうした構成にすることにより、第1圧電素子部34と第2圧電素子部74が同数なので、各圧電素子で発生する正負の異なる電荷の和をバランスよく求めることができる。なお、第1圧電素子部34と第2圧電素子部74は、図4に示すように、それぞれ3枚の板状圧電素子(第1圧電素子341、第2圧電素子342及び第3圧電素子343)で均等配置されていることが好ましい。こうすることにより、圧力検出装置20への全方向から加わる振動に対しても、加速度分の圧力検出信号をキャンセルすることができ、圧力計測をより正確に行うことができる。
(圧電素子)
圧電素子は、一般的な圧電素子を採用することができる。複数の圧電素子で第1圧電素子部34を構成する場合には、例えば図8に示す態様の板状の圧電素子を採用することが好ましい。図8に示す圧電素子はその一例であるが、好ましく採用される。ここでは、「第1圧電素子341」を例として説明を行う。
第1圧電素子341は、図8に示すように、全体として直方体の板状部材である。第1圧電素子341は、表面及び裏面となる第1受圧面341a及び第2受圧面341bと、互いに対向する側面となる正電荷出力面341c及び負電荷出力面341dとを有している。なお、本実施形態では、正電荷出力面341cは後端側に、負電荷出力面341dは先端側それぞれ位置する。こうした第1圧電素子341は、圧電体で構成された素子本体3411と、素子本体3411に対し、第1受圧面341aと正電荷出力面341cとに跨って形成された正電極膜3412と、第2受圧面341bと負電荷出力面341dとに跨って形成された負電極膜3413とを備えている。
素子本体3411は、圧電横効果の圧電作用を示す圧電体(例えば圧電単結晶)を備えている。圧電横効果とは、圧電体の電荷発生軸に対して直交する位置にある応力印加軸に外力を作用させると、電荷発生軸方向の圧電体の表面に電荷が発生する作用をいう。圧電体としては、圧電横効果を有するランガサイト系結晶(ランガサイト、ランガテイト、ランガナイト、ガリウムの一部をアルミニウムで置換したランガテイト(LTGA))や水晶、ガリウムリン酸塩等を例示することができる。正電極膜3142及び負電極膜3413としては、それぞれ、めっきした金(Au)等を用いることができる。
第1圧電素子341〜第3圧電素子343は、それぞれの正電荷出力面341cを後端側に、それぞれの負電荷出力面341dを先端側にした状態で、電極板33と電極板35とによって挟み込まれて保持されている。そして、これら第1圧電素子341〜第3圧電素子343は、後端側の電極板33及び先端側の電極板35の周方向に沿って並べて配置されている。本発明では、圧電横効果を奏する複数(好ましくは3枚)の圧電素子で構成しているので、全方向(X方向に限らず、Y方向やZ方向及びそれらの組み合わせ方向)に発生する加速度に対しても加速度分の圧力を検出することができる。なお、本実施形態では、第1圧電素子部34を除く各構成要素を用いて第1圧電素子部34に中心線方向に沿う予荷重を付与し、第1圧電素子341〜第3圧電素子343を位置決め(固定)している。すなわち、第1圧電素子341〜第3圧電素子343は、接着等で固定されていない。
第1圧電素子341〜第3圧電素子343のそれぞれにおいて、後端側の面、すなわち正電荷出力面341cに設けられた正電極膜3412は、後端側の電極板33の先端側の面と接触している。第1受圧面341aは、第1筐体41の内周面に対向する態様で配置されている。第2受圧面341bは、貫通シャフト15の外周面に対向する態様で配置されている。第1圧電素子341〜第3圧電素子343は、図4に示すように、互いに空隙を隔てて配置されている。
(電極板)
電極板35,33は、電極部材として各圧電素子を両端側から挟んで、第1圧電素子部34を構成している。電極板35は、先端側に配置された電極板であり、電極板33は、後端側に配置された電極板である。これらの電極板35,33は同一の形状である。ここでは代表して電極板33の一例を図6に示し、電極板35の説明は省略する。図6に示す電極板33は、先端側からみた斜視図であり、全体として環状の部材である。電極板33の材質は特に限定されないが、耐熱性及び耐食性に優れたNi−Mo合金等を好ましく挙げることができる。
電極板33は、中央部に第3貫通孔333が設けられ、その周囲に第1貫通孔331及び第2貫通孔332が設けられている。第1貫通孔331及び第2貫通孔332は、第3貫通孔333を中心としたとき例えば120°等の間隔で配置されている。第1貫通孔331には電極ピン38が挿入し、第2貫通孔332には電極ピン39が挿入し、第3貫通孔333には貫通シャフト15が挿入する。第3貫通孔333に挿入した貫通シャフト15は。電極板33を保持する。各貫通孔と、そこに挿入される電極ピン38,39又は貫通シャフト15とを絶縁する必要がある場合は、絶縁材を介したり一定隙間を空けたりして挿入される。これらの各貫通孔は、図5に示す絶縁板32の各貫通孔と重なるように位置決めされている。絶縁板との間の位置決め手段は特に限定されないが、板状部材の一般的な位置決め手段(凹凸係合、穴と突起の組み合わせ)や、各貫通孔に挿入される電極ピン38,39又は貫通シャフト15によって行うことができる。このとき、電極板33の後端側の面は、絶縁板32の先端側の面と接触し、電極板33の外周面は、第1筐体41の内周面と対向配置されている。
(絶縁板)
絶縁板36,32は、絶縁部材として各電極板35,33を軸方向Xの両側から挟んで、第1圧電素子部34を構成している。絶縁板36は、先端側に配置された絶縁板であり、絶縁板32は、後端側に配置された絶縁板である。これらの絶縁板36,32は同一の形状である。ここでは代表して絶縁板32の一例を図5に示し、絶縁板36の説明は省略する。図5に示す絶縁板32は、先端側からみた斜視図であり、全体として環状の部材である。絶縁板32の材質は特に限定されないが、絶縁性及び耐熱性を有するセラミックス材料(例えばアルミナセラミックス)等を好ましく挙げることができる。
絶縁板32は、中央部に第3貫通孔323が設けられ、その周囲に第1貫通孔321及び第2貫通孔322が設けられている。第1貫通孔321及び第2貫通孔322は、第3貫通孔323を中心としたとき例えば120°等の間隔で配置されている。第1貫通孔321には電極ピン38が挿入し、第2貫通孔322には電極ピン39が挿入し、第3貫通孔323には貫通シャフト15が挿入する。第3貫通孔323に挿入した貫通シャフト15は、絶縁板32を保持する。絶縁板32は絶縁性があり、そこに挿入される電極ピン38,39又は貫通シャフト15との絶縁は既に行われているが、必要に応じて一定隙間を空けて挿入される。これらの各貫通孔は、図6に示す電極板33の各貫通孔と重なるように位置決めされている。電極板との間の位置決め手段は上記同様、特に限定されないが、板状部材の一般的な位置決め手段(凹凸係合、穴と突起の組み合わせ)や、各貫通孔に挿入される電極ピン38,39又は貫通シャフト15によって行うことができる。このとき、絶縁板32の先端側の面は、電極板33の後端側の面と接触し、絶縁板32の外周面は、第1筐体41の内周面と対向配置されている。なお、絶縁板32の先端側の面には、図5に示すように、例えば120°等間隔で放射状に3つの溝部(第1溝部324、第2溝部325、第3溝部326)が必要に応じて形成されていてもよい。
(電極ピン)
電極ピン38,39の形状は特に限定されないが、図2及び図3に記載のように、全体として円筒状且つ棒状の部材であり、先端側が電極板33に接続されるとともに後端側が出力部60側に突出する電極ピン38と、先端側が電極板35に接続されるとともに後端側が出力部60側に突出する電極ピン39である。これらの電極ピン38,39は、電極板33や絶縁板32がそれぞれ有する第1貫通孔331,321と第2貫通孔332,322に挿入されている。さらに、これらの電極ピン38,39は、中央シャフト部81と、第2圧力検出部42と、第2台座77と、第2ダイアフラム71とにそれぞれ設けられた貫通孔を貫通して、ケーブル61,62にそれぞれ接続されている。接続は、図2に例示するように、スリーブ63,64の内部で接続されている。これらの電極ピン38,39は、例えば図2の符号78,82,83の絶縁材78,83等によって、他の部材に短絡しないように必要に応じて絶縁されている。
なお、図2の例では、電極ピン38は、第1圧電素子部34を構成する電極板33と第2圧電素子部74を構成する電極板75に電気的に接続されている。一方、電極ピン39は、第1圧電素子部34を構成する電極板35と第2圧電素子部74を構成する電極板73に電気的に接続されている。こうした電極ピン38,39は、第1圧電素子部34で生じた電荷と第2圧電素子部74で生じた電荷をキャンセルできるように、電極ピン38は第1圧電素子部34の後端側の電極板33と第2圧電素子部74の後端側の電極板75とを電気的に接続し、電極ピン39は第1圧電素子部34の先端側の電極板35と第2圧電素子部74の先端側の電極板73とを電気的に接続している。こうした接続方式により、第1圧電素子部34と第2圧電素子部74とで発生する異なる電荷を重畳させて打ち消し合うようにすることができ、加速度成分のキャンセルを実現することができる。
(貫通シャフト)
貫通シャフト15は、図2に示すように、圧力検出装置20の中央を、第1台座37から第2台座77まで貫通するシャフトである。その形状は特に限定されないが、円柱状のシャフトであることが好ましい。この貫通シャフト15は、電極板35,33及び絶縁板36,32の中央に設けられた各第3貫通孔を貫通するとともに、その各第3貫通孔等で位置決めれている。なお、貫通シャフト15の材質は特に限定されないが、耐熱性及び耐酸化性に優れたNi−Cr合金等を挙げることができる。
(中央シャフト部)
中央シャフト部81は、図2に示すように、第1圧力検出部41と第2圧力検出部42との間に配置された構造部材である。中央シャフト部81により、第1圧力検出部41と第2圧力検出部42とは一定の距離で配置されることになる。その距離となる軸方向Xの長さは特に限定されないが、第1圧電素子部34の軸方向Xの長さの1/2から1/1程度とすることができる。中央シャフト部81の外周は、図2の例では圧力検出装置20の外周と同じである。この中央シャフト部81には、図13に示すように、取付部10を兼ねていてもよい。
(第2圧力検出部)
第2圧力検出部42は、中央シャフト部81を間に介して、第1圧力検出部41の軸方向Xの後端側に配置され、先端側(第1圧力検出部41の側)から、第2圧電素子部74と、第2台座77と、第2圧力伝達部(第2ダイアフラム71)とを有している。第2圧電素子部74の軸方向の両端(先端側と後端側)には、電極部材としての電極板73,75がそれぞれ配置されている。電極板73,75の第2圧電素子部74の反対側の位置には、絶縁部材としての絶縁板72,76がそれぞれ配置され、電極板73,75が他の部材に電気的に接触するのを絶縁している。なお、第2圧力検出部42を構成する筐体を第2筐体といい、第2圧力検出部と同じ符号42を用いる。
(第2圧電素子部、電極板、絶縁板)
第2圧電素子部74は、図2に示すように、上記した第1圧電素子部34と同じ構造としてもよいし、構造原理を同じくした異なるサイズとしてもよい。また、電極板73,75及び絶縁板72,76も、上記した電極板35,33及び絶縁板36,32と同じ構造としてもよいし、構造原理を同じくした異なるサイズとしてもよい。第2圧電素子部74を構成する各圧電素子、電極板73,75及び絶縁板72,76は、上記した第1圧電素子部34を構成する各圧電素子、電極板35,33及び絶縁板36,32と同じ構造原理であるので、ここでは、これらの説明を省略する。
図16は、第2圧電素子部74を第1圧電素子部34と同じ構造且つ同じ寸法にした例である。第1圧電素子部34と第2圧電素子部74とを同一構造とすることにより、効率的な製造が可能で、且つ低コストで製品バラツキの低減も実現できる。特に、第1圧電素子部34と第2圧電素子部74とをそれぞれ構成する各圧電素子及び電極板の全てを同一構造とし、電極板を絶縁するために設けられる絶縁板も全て同一構造とすることが好ましい。特に完全に左右対称構造とすることが好ましい。
(第2台座)
第2台座77は、図2及び図10に示すように、第2筐体42内に、第2ダイアフラム71の先端側で、絶縁板76の後端側に配置されている。第2台座77の形状は特に限定されないが、圧力検出装置20の形状が上記のように円筒形状である場合には、図10に例示した円筒状の部材を採用することができる。第2台座77の先端側の面は、図10(A)に示すように、通常は平坦面であり、その中央に貫通シャフト15が貫通する第3貫通孔773を有している。さらに、その第3貫通孔773の外周には、電極ピン38,39がそれぞれ貫通する第1貫通孔771と第2貫通孔772を有し、それら貫通孔771,772は第3貫通孔773を中心としたとき例えば120°等の間隔で配置されている。
一方、第2台座77の後端側の面は、図10(B)に示すように、中央に貫通シャフト15が貫通する第3貫通孔773を有し、その第3貫通孔773の外周には、電極ピン38,39がそれぞれ貫通する第1貫通孔771と第2貫通孔772を有している。なお、後端側の面では、図10(B)に示すような凸状段差部774が設けられていてもよいし、図7に示す第2ダイアフラム71との位置決めに利用される凹状段差部775,776が設けられていてもよいが、各貫通孔771,772,773が設けられているだけで段差のない平坦面であってもよい。
(第2ダイアフラム)
第2ダイアフラム71は、図7、図17及び図18に示すように、第2台座77の軸方向Xの後端側に配置された第2圧力伝達部である。この第2ダイアフラム71は、比較的薄いものであることが好ましく、その厚さは特に限定されないが、一例として、0.5〜1.5mm程度の厚さとすることができる。薄い厚さの第2ダイアフラム71は、加速度成分をキャンセルして正確な計測を行う上で効果的である。こうした第2ダイアフラム71には、電極ピン38,39がそれぞれ貫通する第1貫通孔711と第2貫通孔712を有している。これら貫通孔711,712は、上記した各貫通孔と同様、所定の配置角度(例えば120°等)で配置されている。また、第2ダイアフラム71のいずれかの位置には、第2台座77の位置決め突起(図10において図示していない。)に挿入する位置決め穴714が設けられていることが好ましい。また、第2ダイアフラム71は、その周縁で装置に固定され、それよりも後端側から予荷重が加えられている。
(低剛性の第2ダイアフラム)
本発明に係る圧力検出装置20において、圧力検出装置20に加速度が加わった場合に、取付部10(フランジ)がその加速度で動き、第2台座77を含めて圧力検出装置全体が動こうとする。この場合において、第2ダイアフラム71の剛性が大きいと、第2ダイアフラム71と一緒に第2台座77も動くことになってしまい、第2台座77はその場に留まり難くなる。その結果、第2台座77がその場に留まろうとして生じる力が第2圧電素子部74に作用しないので、第2圧電素子部74に電荷が発生せず、加速度成分をキャンセルできずに正確な計測を行えない。
第2台座77をその場に留める手段として、第2台座77を重くすることも可能であるが、装置全体が大型化して軽量化や小型化ができなかったり、測定精度の点でも課題が生じたりしやすい。本発明では、第2ダイアフラム71の剛性を小さくした。こうすることにより、第2ダイアフラム71が動きやすくなり、加速度によって圧力検出装置全体が動こうとする場合であっても、その動きを第2台座77にできるだけ伝えないようにして第2台座77がその場に留まろうとし易くすることができる。その結果、第2台座77がその場に留まろうとして生じる力が第2圧電素子部74に作用するので、第2圧電素子部74に電荷が発生し、加速度成分をキャンセルして正確な計測を行うことができる。
第2ダイアフラム71の剛性を小さくする手段は特に限定されないが、例えば、図18に示すように、その中央に中央穴713を空けて全体を軽量化した板状のダイアフラムを例示できる。軽量化は、中央穴713を空ける以外の方法でも可能であり、例えば、中央部分に厚さを薄くした薄肉部を設けたり、全体の厚さを薄くしたり、中央以外の部分に穴や薄肉部を空けたりする等、剛性を小さくした板状のダイアフラムであれば他の手段であってもよい。第2ダイアフラム71は、その周縁で装置に固定され、それよりも後端側から予荷重が加えられている。なお、低剛性とは、例えば穴が空いていないダイアフラムと比較して評価でき、厚さを厚くしたダイアフラムと比較して評価できる。
図17及び図18に示す第2ダイアフラム71は、第2台座77に係合して位置決めを容易にする構造形態である。図17及び図18の符号715,716は係合部であり、この係合部715,716が、図10に示す第2台座77の凹状段差部775,776にそれぞれ係合する。
[出力部]
出力部60は、検出部30の後端側に設けられ、検出部30の検出信号を外部に設けられた機器(制御装置や解析装置)に出力する部分である。この出力部60は、電極ピン38に接続される第1ケーブル61と、電極ピン39に接続される第2ケーブル62とを備えている。ケーブル用筐体65は、第1ケーブル61及び第2ケーブル62を内部に収容するものであり、符号66は接続アダプタであり、符号67は接続リングであり、いずれも出力部を形成する構造部材である。
(取付部とその重心位置の調整)
取付部10は、被測定物に取り付けるための部材である。取付部10は、図11に示すように、装置全体の重心位置に配置されていることが好ましい。こうすることにより、第1圧電素子部34と第2圧電素子部74の圧縮と引張によって生じる電荷が生じ易くなる。その結果、振動による加速度分の圧力検出信号のキャンセルを効果的に行うことができ、圧力計測をより正確に行うことができる。
圧力検出装置20の原理としては、第1圧力検出部41及び第2圧力検出部42は、振動による加速度が生じた場合に、装置の先端側(先方)に配置された第1台座37と後端側(後方)に配置された第2台座77それぞれがその場に留まろうとし、第1圧力検出部41と第2圧力検出部42の一方の圧電素子は中央シャフト部81の移動により圧縮され、他方の圧電素子は中央シャフト部の移動により引張られる。各圧電素子の圧縮と引張が台座(第1台座37と第2台座77)と中央シャフト部81の作用により生じるので、各圧電素子は正負の異なる電荷を出力し、それぞれの電荷の和を求めることにより加速度分の圧力検出信号をキャンセルすることができる。
取付部10を装置全体の重心位置とするためには、取付部10の位置と、第1台座37及び第2台座それぞれの位置や質量とを調整する。図11は、取付部10の位置と、第1台座37及び第2台座77の質量との調整形態の説明図である。図11(A)は、第1台座37及び第2台座77を同じ質量とし、その中間位置に取付部10を設けてバランスをとった例であり、図11(B)は、第1台座37を軽くし、第2台座77を重くして、第2台座77よりに取付部10を設けてバランスをとった例であり、図11(C)は、第1台座37を重くし、第2台座77を軽くして、第1台座37よりに取付部10を設けてバランスをとった例である。このように、第1台座37及び第2台座77の質量により、取付部10の設置位置を調整してバランスをとることが好ましい。逆に言えば、取付部10の位置により第1台座37と第2台座77の質量を調整することが好ましい。
図12及び図13は、バランスをとって取付部10を設けた例である。こうすることにより、第1圧電素子部34と第2圧電素子部74とは正負の異なる電荷を出力し、それぞれの電荷の和を求めることにより加速度分の圧力検出信号をキャンセルすることができる。この場合において、図12中の矢印のX方向に加速度を与えた場合、第1圧電素子部34では後端側のX方向に対してマイナス値(引張応力)になり、第2圧電素子部74では後端側のX方向に対してプラス値(圧縮応力)になる。そして、そのマイナス値とプラス値との和を、振動により生じた加速度分の圧力信号として、その圧力信号を実際の測定圧力から差し引くことで、より正確な測定圧力とすることができる。
取付部10は、通常、図1〜図3、図12及び図13に示すように、一定幅のフランジ形である。こうしたフランジ形の取付部10において、図13に示すように、取付部10の先端側の端面11は、円周方向(Y、Z軸)の加速度感度に影響し易く、後端側の端面12は、先端側の方向(前方)に移動する固有値が低下し易い。したがって、取付部10の位置は、できるだけ後端側の方向(後方)に設けることが好ましいということができるが、そうすると圧力検出装置20全体の重心位置が後方になってしまう。そのため、図11に示すように、第1台座37と第2台座77の質量をそれぞれ調整して、軸方向Xの加速度感度を上げてより正確な加速度成分を算出することにより、加速度分の圧力検出信号をキャンセルすることができる。
また、第2ダイアフラム71については、第2ダイアフラム71と第2台座77との接触面積を小さくすることが好ましいと言える。こうすることで、フランジ形の取付部10の後端側の端面12と第2台座77との距離が近い場合であっても、加速度受けた際に第2台座77が取付部10に追随して動き易くなってしまい、第2圧電素子部74で検出する圧力値が大きくなってしまう。そのため、第2ダイアフラム71と第2台座77とをできるだけ小さい面積で接触させることにより、第2圧電素子部74で検出する圧力値を抑えることが可能になる。その結果、フランジ形の取付部10の後端側の端面12が第2台座77に近くなった場合でも、より正確な加速度成分を算出でき、第1台座37と第2台座77の質量調整も容易になるというメリットがある。
(解析例)
表1は、加速度成分をキャンセルした結果を示した。表1の結果は、図12に示す圧力検出装置20において、フランジ形の取付部10を被測定物に固定し、X方向(後端側)又はY方向(径方向)に1Gの加速度を加え、第1圧電素子部34と第2圧電素子部74を構成する第1圧電素子〜第3圧電素子それぞれのX方向の平均応力(マイナス値、プラス値)を算出し、それぞれ加算し、表1の右端の蘭には最終的に加算した値を示した。なお、この解析は、第1台座37と第2台座77の質量を同じとし、フランジ形の取付部10を図12に示すように、圧力検出装置20の重心位置とした場合の結果である。
Figure 2021156587
表1の結果より、軸方向(X方向)に加速度を加えた場合には、第1圧電素子部34を構成する第1圧電素子341〜第3圧電素子343それぞれは、X方向の圧縮応力によりマイナスの加速度成分が生じた。一方、第2圧電素子部74を構成する第1圧電素子741〜第3圧電素子743それぞれは、X方向の引張応力によりプラスの加速度成分が生じた。これらを加算することで、対応する3つの圧電素子(第1圧電素子341と第1圧電素子741、第2圧電素子342と第2圧電素子742、第3圧電素子343と第3圧電素子743)の和の平均値として0.006kPa/Gという小さい値が得られ、第1圧電素子部34と第2圧電素子部74でそれぞれ生じた加速度成分をキャンセルすることができることがわかった。
また、径方向(Y方向)に加速度を加えた場合には、第1圧電素子部34を構成する第1圧電素子341はX方向の引張応力によりプラスの加速度成分が生じ、第2圧電素子と第3圧電素子はX方向の圧縮応力によりマイナスの加速度成分が生じた。一方、第2圧電素子部74を構成する第1圧電素子741はX方向の圧縮応力によりマイナスの加速度成分が生じ、第2圧電素子742と第3圧電素743子はX方向の引張応力によりプラスの加速度成分が生じた。これらを加算することで、対応する3つの圧電素子(第1圧電素子341と第1圧電素子741、第2圧電素子342と第2圧電素子742、第3圧電素子343と第3圧電素子743)の和の平均値として0.009kPa/Gという小さい値が得られ、第1圧電素子部34と第2圧電素子部74でそれぞれ生じた加速度成分をキャンセルすることができることがわかった。
なお、第1圧電素子部34と第2圧電素子部74を構成する第1圧電素子〜第3圧電素子それぞれが圧力を受けて出力される電荷の単位は、c/barである。先端側の第1圧電素子部34と後端側の第2圧電素子部74とが両方配置されている本発明に係る圧力検出装置20の場合と、先端側の第1圧電素子部34だけが配置されている図14及び図15に示す従来型の圧力検出装置110,120の場合とを比較すると、本発明に係る圧力検出装置20では、表1に示すように、軸方向(X方向)の加速度成分は0.006kPa/Gであり、径方向(Y方向:円周方向)の加速度成分は0.009kPa/Gとなり、効果的なキャンセルを実現できた。一方、図15に示す従来型の圧力検出装置120では、軸方向(X方向)の加速度成分は、(−0.856kPa/G)+(−0.886kPa/G)+(−0.880kPa/G)=−2.622kPa/G、であり、径方向(Y方向:円周方向)の加速度成分は、(+0.530kPa/G)+(−0.268kPa/G)+(−0.299kPa/G)=−0.037kPa/G、であった。これらの新旧の圧力検出装置を比較すると、軸方向(X方向)の加速度成分は、0.006/2.622=1/437となり、径方向(Y方向:円周方向)の加速度成分は、0.009/0.037=1/4.1となり、それぞれ改善されていることがわかった。
このように、本発明に係る圧力検出装置20の構成とすることにより、被測定物で生じる加速度成分をほぼゼロに抑えることができているので、被測定物の内部圧力値を正確に測定することができることになる。特に、第2圧力検出部42を構成する第2ダイアフラム71を低剛性のダイアフラムとしたので、第2ダイアフラム71が動きやすくなり、加速度によって圧力検出装置全体が動こうとする場合であっても、その動きを第2台座77にできるだけ伝えないようにして第2台座77がその場に留まろうとし易くすることができる。その結果、圧電素子に電荷が発生しやすくなり、加速度成分をキャンセルして正確な計測を行うことができる。
10 取付部
11 先端側の端面
12 後端側の端面
15 貫通シャフト
20 圧力検出装置
30 検出部
32 絶縁板
321 第1貫通孔
322 第2貫通孔
323 第3貫通孔
324 第1溝
325 第2溝
326 第3溝
33 電極板
331 第1貫通孔
332 第2貫通孔
333 第3貫通孔
34 圧電素子部
341 第1圧電素子
341a 第1受圧面
341b 第2受圧面
341c 正電荷出力面
341d 負電荷出力面
3411 素子本体
3412 正電極膜
3413 負電極膜
342 第2圧電素子
343 第3圧電素子
35 電極板
36 絶縁板
37 第1台座
371 縁端部
372 凹部
373 貫通孔
38 第2電極ピン
39 第1電極ピン
40 圧力検出部
41 第1圧力検出部(先端側圧力検出部)
42 第2圧力検出部(後端側圧力検出部)
50 第1圧力伝達部
51 第1ダイアフラム
52 圧力分散板
60 出力部
61 ケーブル
62 ケーブル
63 スリーブ
64 スリーブ
65 ケーブル用筐体
66 接続アダプタ
67 接続リング
69 シースケーブル
71 第2圧力伝達部(第2ダイアフラム)
711 第1貫通孔
712 第2貫通孔
713 穴中央
714 位置決め穴
72 絶縁板
73 電極板
74 第2圧力素子部
741 第1圧電素子
742 第2圧電素子
743 第3圧電素子
75 電極板
76 絶縁板
77 第2台座
771 第1貫通孔
772 第2貫通孔
773 第3貫通孔
774 凸状段差部
775 凹状段差部
776 凹状段差部
779 突起
78 絶縁材
81 中央シャフト部
82 絶縁材
83 位置決めスリーブ

Claims (5)

  1. 被測定物に取り付けられて該被測定物の内部圧力を検出する圧力検出装置であって、
    前記被測定物の内部圧力を検出する第1圧電素子部及び前記第1圧電素子部の軸方向に配置された第1圧力伝達部を有する第1圧力検出部と、前記第1圧力検出部の軸方向に配置され、前記被測定物が発する振動を検出する第2圧電素子部及び前記第2圧電素子部の前記軸方向に配置された第2圧力伝達部を有する第2圧力検出部と、前記第1圧力検出部と前記第2圧力検出部との間に配置された中央シャフト部と、前記被測定物に取り付けるための取付部と、を備え、前記第2圧力伝達部が、穴又は薄肉部を有する板状のダイアフラムである、ことを特徴とする圧力検出装置。
  2. 前記第2圧力伝達部は、中央部分に前記穴又は前記薄肉部を有し、周縁に固定部を有する請求項1に記載の圧力検出装置。
  3. 前記第1圧力検出部は、前記第1圧力伝達部と、前記第1圧力伝達部の前記軸方向に配置された第1台座と、前記第1台座の前記軸方向に配置された前記第1圧電素子部とを有し、
    前記第2圧力検出部は、前記第2圧力伝達部と、前記第2圧力伝達部の前記軸方向に配置された第2台座と、前記第2台座の前記軸方向に配置された前記第2圧電素子部とを有し、
    前記第1圧電素子部及び前記第2圧電素子部は、圧電素子と電極部材とを少なくとも有する、請求項1又は2に記載の圧力検出装置。
  4. 前記第1圧電素子部及び前記第2圧電素子部は、1又は2以上の同数の圧電素子で構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧力検出装置。
  5. 前記取付部が、装置全体の重心位置に配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧力検出装置。


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