JP2021155406A - 育毛促進用組成物 - Google Patents

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沙予 黒瀬
シン ルー チャン
Shin Lou Chang
シン ルー チャン
良恵 綱井
Yoshie Tsunai
良恵 綱井
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留影 胡
駿 木村
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駿 木村
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Masami Yoshida
雅美 吉田
恵里 森
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Abstract

【課題】胎盤増殖因子発現促進用組成物、育毛促進用組成物、ミノキシジル含有組成物の発毛作用を補完する為の組成物、及び硫酸転移酵素1A1遺伝子発現促進用組成物を提供することを課題とする。【解決手段】(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及び(C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩を含有する胎盤増殖因子発現促進用組成物を調製する。さらには、(A)成分〜(C)成分を含む、育毛促進用組成物、(A)成分〜(C)成分を含む、ミノキシジル含有組成物の発毛作用を補完する為の組成物を調製する。さらに、(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;又は(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、それらの塩;を含有する、硫酸転移酵素1A1遺伝子発現促進用組成物を調製する。【選択図】なし

Description

本発明は育毛促進用組成物に関する。
毛髪は一定の周期で生え替わっており、毛乳頭細胞や外毛根鞘細胞等から分泌される種々の因子によってコントロールされている。そのような因子として、肝細胞増殖因子(HGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、GLI転写因子、Wntタンパク質等が知られている(非特許文献1、2)。
ここで、特許文献1には、タウリンは毛髪の成長期を延長することから、育毛促進効果に優れることが開示されている。
特許文献2には、米抽出物は肝細胞増殖因子の産生を促進することから、育毛促進効果に優れることが開示されている。
特許文献3には、タケノコ抽出物は毛乳頭細胞を賦活し、血管内皮細胞増殖因子及び線維芽細胞増殖因子の産生を促進することから、育毛促進効果に優れることが開示されている。
特開2002−097116号公報 特開2004−099503号公報 特開2013−180999号公報
Karoline Krause and Kerstin Foitzik (2006) Biology of the Hair Follicle:The Basics. Seminars in Cutaneous Medicine and Surgery 25(1):2−10. Rishikaysh et. al.,(2014) Signaling Involved in Hair Follicle Morphogenesis and Development. Int. J. Mol. Sci.15:1647−1670.
本発明は、育毛を促進するための組成物、胎盤増殖因子の発現を促進する為の組成物等を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、
(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;
(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及び
(C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩が、育毛効果を有することを見出し、本発明を完成した。
特に、本発明者らは、パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及びトコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩を含有する組成物が、毛根の強さや毛の濃さの増進、又は毛の長さの伸長に有用であることを見出し、本発明を完成した。また、本発明者らは、特にパントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩が、毛乳頭細胞に作用し、胎盤増殖因子の発現を促進することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記に掲げる胎盤増殖因子発現促進用組成物、育毛促進用組成物、及びミノキシジル含有組成物の発毛作用を補完する為の組成物を提供する。
項1.
(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;
(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及び
(C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩
から成る群より選択される1種又は2種以上を含有する、胎盤増殖因子発現促進用組成物。
項2.
(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;
(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及び
(C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩
を有効成分として含む、育毛促進用組成物。
項3.
上記育毛促進が、毛髪のハリ・コシの減退、量の減少、ボリュームの低下、又は細化の症状の進行防止又は予防である、項1に記載の育毛促進用組成物。
項4.
前記育毛促進が、発毛後の毛を伸長させること、発毛後の毛を太くすること、又は発毛後の毛を抜け難くすることである、項1又は2のいずれか1項に記載の育毛促進用組成物。
項5.
前記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の質量比が、1:0.05:0.08の割合で含まれる、項1〜3のいずれか1項に記載の育毛促進用組成物。
項6.
(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;
(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及び
(C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩
を含み、ミノキシジル含有組成物の発毛作用を補完する為の、組成物。
項7.
(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;又は
(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;
を含有する、硫酸転移酵素1A1遺伝子発現促進用組成物。
項8.
(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;又は
(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;
を含有する、生体内でのミノキシジルの硫酸ミノキシジルへの変換を促進するための組成物。
本発明によれば、優れた胎盤増殖因子発現促進用組成物を提供できる。
また、本発明によれば、優れた硫酸転移酵素1A1遺伝子発現促進用組成物を提供できる。
図1は、毛乳頭細胞をパントテニルエチルエーテル処理に供した時のPGF遺伝子発現評価の結果を示すグラフである。 図2は、毛乳頭細胞をピリドキシン塩酸塩処理に供した時のPGF遺伝子発現評価の結果を示すグラフである。 図3は、毛乳頭細胞をトコフェロール酢酸エステル処理に供した時のPGF遺伝子発現評価の結果を示すグラフである。 図4は、マウスの髭器官を、パントテニルエチルエーテル、ピリドキシン塩酸塩、又はトコフェロール酢酸エステルのそれぞれ単独で処理した時の髭の伸長量を示すグラフである。 図5は、マウスの髭器官を、パントテニルエチルエーテル、ピリドキシン塩酸塩、及びトコフェロール酢酸エステルで処理した時の髭の伸長量を示すグラフである。 図6は、マウスの髭器官を、パントテニルエチルエーテル、ピリドキシン塩酸塩、及びトコフェロール酢酸エステルで処理した時の、毛乳頭細胞におけるPGF遺伝子発現評価の結果を示すグラフである。 図7は、ヒト毛包ケラチノサイトをパントテニルエチルエーテル処理に供した時の硫酸転移酵素1A1遺伝子発現評価の結果を示すグラフである。 図8は、ヒト毛包ケラチノサイトをピリドキシン塩酸塩処理に供した時の硫酸転移酵素1A1遺伝子発現評価の結果を示すグラフである。
本明細書において用語「育毛」とは、毛の発育・成長を促すように有利に働く作用を包含する。特に毛髪や睫毛のハリ・コシの減退、頭頂部又はその他の部位における髪の量の減少やボリュームの低下、あるいは髪の細化の症状の進行防止又は予防の他、発毛後の毛を伸長させること、発毛後の毛を太くすること、又は発毛後の毛を抜け難くすること等も含む。このような作用によって、例えば、毛髪の望ましくないうねりの抑制などにも役立つ。
毛とは、ヒトを含む動物における身体に生える任意の毛を意味し、例えば、毛髪(頭髪)、眉毛、睫毛、口髭、顎鬚、胸毛、背部毛などのあらゆる体毛を意味し、主には、毛髪、眉毛、又は睫毛を意味する。
本明細書で、「有効成分として含有する」とは、例えば、(A)成分について、(B)成分について、又は(C)成分について、或いは(A)〜(C)成分の組み合わせ、またはさらに、他の成分との併用の作用によって、本発明の効果が発揮されることを明示する意味である。有効成分は、実製品の表示に有効成分と表示するか否かとは直接関連はない。
本明細書で、「w/v%」は、g/100mlを意味する。「v/v%」は、ml/100mlを意味する。
胎盤増殖因子(placental growth factor: PlGF)は、血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor: VEGF)ファミリーに分類されるサイトカインであり、VEGF受容体−1(Flt−1)に特異的に結合する。一般にPIGFとも略されるが、本明細書では、「胎盤増殖因子」と「PGF」とを同意義に用いる。
[胎盤増殖因子発現促進用組成物]
本発明は、
(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;
(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及び
(C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩
から成る群より選択される1種又は2種以上を含有する、胎盤増殖因子発現促進用組成物に関する。
((A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩)
本発明で用いられる(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩は、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において用いられるものであれば特に限定されない。
(A)成分としては、限定はされないが、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、及びパントテニルエチルエーテルからなる群より選択されることが好ましい。これらの成分は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の胎盤増殖因子発現促進用組成物において、組成物の全量に対する(A)成分の含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。組成物の全量に対して、(A)成分の含有量は、本発明における効果を発揮する観点から、好ましくは、0.1〜5w/v%、より好ましくは0.3〜3w/v%、さらに好ましくは、0.5〜2w/v%である。
((B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩)
本発明で用いられる(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩は、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において用いられるものであれば特に限定されない。ピリドキシン又はピリドキシンの誘導体としては、例えば、ピリドキシン、ピリドキサール、及びピリドキサミンを挙げることができる。またこれらの塩としては、限定はされないが、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等が挙げられる。(B)成分としては、特には、ピリドキシン塩酸塩が好ましい。これらの成分は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の胎盤増殖因子発現促進用組成物において、組成物の全量に対する(B)成分の含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。組成物の全量に対して、(B)成分の含有量は、本発明における効果を発揮する観点から、好ましくは、0.001〜1w/v%、より好ましくは0.005〜0.5w/v%、さらに好ましくは、0.01〜0.1w/v%である。
(A)成分と(B)成分の質量比は、とくに限定はされないが、好ましくは、(A)成分1質量部に対して、(B)成分0.001〜1質量部、より好ましくは、0.005〜0.5質量部、さらに好ましくは、0.01〜0.1質量部である。
((C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩)
本発明で用いられる(C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩は、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において用いられるものであれば特に限定されない。限定はされないが、トコフェロールは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールの何れも用いることができる。本発明の効果を顕著に奏する点で、α−トコフェロールが好ましい。トコフェロールの誘導体としては、酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、リノレン酸トコフェロールのようなトコフェロールの有機酸エステルなどが挙げられる。(C)成分としては、トコフェロールの有機酸エステルを用いるのが好ましく、酢酸トコフェロールが特に好ましい。これらの成分は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の胎盤増殖因子発現促進用組成物において、組成物の全量に対する(C)成分の含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。組成物の全量に対して、(C)成分の含有量は、本発明における効果を発揮する観点から、好ましくは、0.001〜1w/v%、より好ましくは0.005〜0.5w/v%、さらに好ましくは、0.01〜0.1w/v%である。
(A)成分と(C)成分の質量比は、とくに限定はされないが、好ましくは、(A)成分1質量部に対して、(C)成分0.001〜1質量部、より好ましくは、0.005〜0.5質量部、さらに好ましくは、0.01〜0.1質量部である。
また、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の質量比は、とくに限定はされないが、好ましくは、(A)成分1質量部に対して、(B)成分0.001〜1質量部、(C)成分0.001〜1質量部、より好ましくは、(B)成分0.005〜0.5質量部、(C)成分0.005〜0.5質量部、さらに好ましくは、(B)成分0.01〜0.1質量部、(C)成分0.01〜0.1質量部、最も好ましくは(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の質量比が、1:0.05:0.08である。
(基剤・担体)
本発明において、胎盤増殖因子発現促進用組成物は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬学的又は生理学的に許容される基剤又は担体を含むことができる。
このような基剤又は担体としては、水、エタノール、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、a−オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン、及びシリコーンレジンのようなシリコーン油;ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバターのような油脂;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、及びラノリンのようなロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、及びコレステロールのような高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、及びテトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;カルボキシビニルポリマー、及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーのようなビニル系高分子;メタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、test−ブチルアルコール等のような低級(炭素数1〜4)アルコール;並びにエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、エリスリトール、キシリトールなどのポリオール類などが挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(添加剤)
本発明において、胎盤増殖因子発現促進用組成物は、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬学的又は生理学的に許容される添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、香料、溶解補助剤等が挙げられる。界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、カルボン酸系アニオン界面活性剤、スルホン酸系アニオン界面活性剤、リン酸系アニオン界面活性剤、アミノ酸系アニオン界面活性剤、蛋白加水分解物系アニオン界面活性剤等が挙げられる。カルボン酸系アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩、エーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。脂肪酸塩としては、例えばC8〜C22の脂肪酸等の塩が挙げられ、具体的にはカプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の塩が挙げられる。エーテルカルボン酸塩としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボキシレート、ポリオキシエチレンココイルエーテルカルボキシレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボキシレート、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボキシレート等の塩が挙げられる。スルホン酸系アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩(ラウリル硫酸塩等のC8〜C22アルキル硫酸塩)、アルキルスルホン酸塩(ラウリルスルホン酸塩等のC8〜C22アルキルスルホン酸塩)、アルキルオキシアルキルスルホン酸塩(アルキルオキシC8〜C22アルキルスルホン酸塩)、アルキルアリール硫酸塩(ラウリルフェニル硫酸塩等のC8〜C22アルキルアリール硫酸塩)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ラウリルベンゼンスルホン酸塩等のC8〜C22アルキルベンゼンスルホン酸塩)、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、グリセリル硫酸塩、アシルアルキルタウリン塩(ココイルメチルタウリン塩等のC8〜C22アルカノイルアルキルタウリン塩)、アシルアルキルタウリンタウリン塩(ココイルメチルメチルタウリン等のC8〜C22アルカノイルアルキルタウリンとタウリン塩との混合物)、アシルイセチオン酸塩(ラウロイルイセチオン酸塩等のC8〜C22アルカノイルイセチオン酸塩)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等)、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩(C8〜C22アルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンC8〜C22アルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンスルホサクシネート等)等が挙げられる。リン酸系アニオン界面活性剤としては、例えば、モノアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。アミノ酸系アニオン界面活性剤としては、例えば、アシルグルタミン酸塩(ココイルグルタミン酸塩等のC8〜C22アルカノイルグルタミン酸塩)、アシルグリシン塩(ココイルグリシン塩等のC8〜C22アルカノイルグリシン塩)、アシルアラニン塩(ココイルアラニン塩等のC8〜C22アルカノイルアラニン塩)、アシルアルキルアラニン塩(ラウロイルメチルアラニン塩等のC8〜C22アルカノイルアルキルアラニン塩)、アシルアスパラギン酸塩(ラウロイルアスパラギン酸塩等のC8〜C22アルカノイルアスパラギン酸塩)、モノアルキルリン酸塩(C8〜C22アルキルリン酸塩等)、アシルサルコシン塩(ココイルサルコシン塩等のC8〜C22アルカノイルサルコシン塩)等が挙げられる。蛋白加水分解物系アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル加水分解コラーゲン塩、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲン塩、アルキル加水分解シルク塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。これらの塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボベタイン、スルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン、アミドベタイン等が挙げられる。具体的には、脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヒドロキシプロピルスルホベタイン、脱塩処理した2級のイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、アミンオキサイド、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキル糖アミド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、アルキルモノグリセリルエーテル等が挙げられる。具体的には、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸ジノエタノールアミド、イソステアリン酸モノグリセライド、ラウリン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノグリセライド、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタントリオレエート、アルキルポリグルコシド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(薬理活性成分・生理活性成分)
本発明において、胎盤増殖因子発現促進用組成物は、有効成分以外の、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬理活性成分又は生理活性成分を含むことができる。このような成分としては、血行促進成分、血管新生促進因子、保湿成分、抗炎症成分、抗菌成分、有機酸、有効成分以外のビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、角質軟化若しくは角質溶解成分、美白成分、収斂成分、血管拡張成分、抗ヒスタミン成分、抗酸化成分、代謝賦活剤、清涼化剤等が挙げられる。また、例えば、ミノキシジル、塩化カルプロニウム、アデノシン、t−フラバノン、エチニルエストラジオール、6−ベンジルアミノプリン、グリチルレチン酸、セファランチン、ニコチン酸アミド、ニンジンエキス、センブリエキス等の育毛成分を含むこともでき、好ましくは、ミノキシジル、塩化カルプロニウム、アデノシン、t−フラバノン、エチニルエストラジオールが挙げられる。
薬理活性成分又は生理活性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(pH)
本発明において、胎盤増殖因子発現促進用組成物のpHは、特に限定はされない。好ましくは、約4.0〜8.0、約4.0〜7.5、約4.0〜7.0、約5.0〜8.0、約5.0〜7.5、約5.0〜7.0、約6.0〜8.0、約6.0〜7.5、約6.0〜7.0が挙げられる。
上記範囲であれば、高pHによる頭皮への刺激を避けることができる。
pHの調整は、リン酸、塩酸、硫酸のような無機酸;乳酸;乳酸ナトリウム;クエン酸;クエン酸ナトリウム;リンゴ酸;リンゴ酸ナトリウム;コハク酸;コハク酸ナトリウム;酒石酸;酒石酸ナトリウム;グルコン酸;グルコン酸ナトリウム等の有機酸などのpH調整剤を用いて行うことができる。また、必要に応じて、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような有機塩基;水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基などのpH調整剤を用いて行えばよい。
pH調整剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(用途)
本発明の胎盤増殖因子発現促進用組成物は、好ましくは、毛再生用製品、毛髪再生用製品、発毛用製品、養毛用製品、又は脱毛抑制用製品等として、調製される。このうち、本発明の胎盤増殖因子発現促進用組成物の用途として、特に好ましくは、頭皮頭髪用化粧品(例えば、頭皮用ローション、頭皮用クリーム、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアエッセンス、ヘアミスト、ヘアトニック)、スキンケア用化粧品(例えば、ローション、クリーム、顔用クリーム、顔用ローション、乳液、パック、液体洗顔料、石鹸、まつげ美容液)、メーキャップ化粧品(例えば、アイライナー、アイブロー)が例示され、最も好ましくは、頭皮用ローション、頭皮用クリーム、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアエッセンス、ヘアトニック、まつげ美容液、アイライナー、アイブローであり得るが、これらに限定されない。
このように、本発明の胎盤増殖因子発現促進用組成物の剤形は、特に限定されず、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、及びエアゾール剤等が挙げられる。また、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を溶解させることができる程度の水を含む場合は軟膏とすることもできる。中でも、液剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、エアゾール剤が好ましく、液剤、ローション剤、エアゾール剤がより好ましい。本発明の胎盤増殖因子発現促進用組成物の剤形は、クリーム剤、乳剤、及び場合により軟膏剤、エアゾール剤等のように、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもよく、O/W型でもよいが、使用感が良い点で、O/W型が好ましい。製剤は、第17改正日本薬局方総則に従い、又はこれに準拠して、各成分を混合することにより製造できる。
(容器)
本発明において、胎盤増殖因子発現促進用組成物を充填する容器は特に限定されない。医薬品外用剤、医薬部外品、化粧品用の容器として用いられるものであればよい。
このような容器材質として、例えば、胎盤増殖因子発現促進用組成物との接触面の一部又は全部、好ましくは全部が、ポリオレフィン、アクリル酸樹脂、テレフタル酸エステル、2、6−ナフタレンジカルボン酸エステル、ポリカーボネート、ポリメチルテルペン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエテル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリイミド、セルロースアセテート、アルミニウム、及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器が挙げられる。
(使用方法)
本発明において、胎盤増殖因子発現促進用組成物の使用方法は、使用対象の毛の状態、頭皮の状態、年齢、性別などによって異なるが、例えば以下の方法とすればよい。
即ち、1日数回(例えば、約1〜5回、好ましくは1〜3回)、適量(例えば、約0.5〜2g、又は0.5〜2ml)を皮膚(例えば、頭皮)に適用すればよい。
また、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の1日使用量が、例えば、約1〜20mg、5〜100mg、及び10〜50mgとなるように組成物を皮膚(例えば、頭皮)に適用すればよい。適用方法は、剤形に合わせて、塗布、又は噴霧等とすればよい。適用期間は、例えば約7日間以上とすればよい。また、本発明の効果が十分に得られるまで適用すればよく、例えば6か月以内、少なくとも4か月以内とすればよい。
[育毛促進用組成物]
本発明はまた、
(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;
(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及び
(C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩
を有効成分として含む、育毛促進用組成物に関する。
育毛促進用組成物において、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の定義及び量、組み合わせて用いられる基剤、担体、添加剤、薬理活性成分、生理活性成分、pH、使用方法等は、胎盤増殖因子発現促進用組成物の項で説明した内容に準じる。
[ミノキシジル含有組成物の発毛作用を補完する為の組成物]
本発明はまた、
(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;
(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及び
(C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩
を含有し、ミノキシジル含有組成物の発毛作用を補完する為の組成物に関する。このような組成物において、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の定義及び量、組み合わせて用いられる基剤、担体、添加剤、薬理活性成分、生理活性成分、pH、使用方法等は、胎盤増殖因子発現促進用組成物で説明した内容に準ずる。
[硫酸転移酵素1A1遺伝子発現促進用組成物]
本発明はまた、
(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;又は
(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩を含有する、硫酸転移酵素1A1遺伝子発現促進用組成物に関する。このような組成物において、(A)成分及び(B)成分の定義及び量、組み合わせて用いられる基剤、担体、添加剤、薬理活性成分、生理活性成分、pH、使用方法等は、胎盤増殖因子発現促進用組成物の項で説明した内容に準じる。
[生体内でのミノキシジルの硫酸ミノキシジルへの変換を促進するための組成物]
本発明はまた、
(A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;又は
(B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩を含有する、生体内でのミノキシジルの硫酸ミノキシジルへの変換を促進するための組成物に関する。ミノキシジルは、体内に存在する「硫酸転移酵素」により「硫酸ミノキシジル」に変換されて作用すると考えられている為、このようなミノキシジルの硫酸化を促進できる物質は、ミノキシジルの作用を十分に引き出す効果を発揮し得る。このような組成物において、(A)成分及び(B)成分の定義及び量、組み合わせて用いられる基剤、担体、添加剤、薬理活性成分、生理活性成分、pH、使用方法等は、胎盤増殖因子発現促進用組成物の項で説明した内容に準じる。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
育毛作用に及ぼすパントテニルエチルエーテル、ピリドキシン塩酸塩又はトコフェロール酢酸エステルの効果を複数の観点から調べるため、以下の試験を行った。以下の試験では、細胞の培養はCO(5%)インキュベーター内で行った。
なお、試験例の結果として表わされる遺伝子発現量は、補正値であり、試験例1においては、ハウスキーピング遺伝子として、βアクチン(ACTB)を用いた。
<試験1:PGF遺伝子発現の評価>
(1)パントテニルエチルエーテルの影響の検証
以下の手順に従い、毛乳頭細胞からtotal RNAを抽出し、PGF遺伝子発現量の解析を行った。
10%FBS含有DMEMに懸濁したヒト頭髪毛乳頭細胞(HFDPC)(東洋紡績株式会社製)を4×10cells/wellになるように、コラーゲンコートした24ウェルプレートに播種し、37℃で48時間培養した。細胞の生育に問題がないことを顕微鏡観察により確認した後、パントテニルエチルエーテルの終濃度が0.03、0.1、0.3v/v%になるように0.1%FBS含有DMEMで調製した溶液を細胞に添加した。37℃で24時間培養した後、細胞を回収しPGFの遺伝子発現量をリアルタイムPCR法にて測定した。評価はn=3で行った。なお、対照として、パントテニルエチルエーテルを添加していないものを用いた。
(2)ピリドキシン塩酸塩又はトコフェロール酢酸エステルの影響の検証
同様に、パントテニルエチルエーテルの代わりに、ピリドキシン塩酸塩の終濃度0.01、0.03、又は0.1w/v%、或いは、トコフェロール酢酸エステル0.01、0.03v/v%、又は0.1v/v%を用いて、PGF遺伝子発現の評価を行った。
これらの結果を図1〜図3に示す。図1から明らかな通り、パントテニルエチルエーテルは、毛乳頭細胞に作用し、濃度依存的にPGF遺伝子発現を亢進することがわかった。さらに同様に、図2〜図3に示す通り、ピリドキシン塩酸塩及びトコフェロール酢酸エステルも、それぞれ、毛乳頭細胞に作用し、濃度依存的にPGF遺伝子発現を亢進することがわかった。
<試験2:マウス髭器官培養による評価>
以下の手順に従い、マウス髭器官培養を行った。評価には9日齢のマウス(B6C3F1)を用いた。
具体的には、まず、器官培養0日目に髭毛包を単離し、マイクロスコープにて撮影を行った。その後、24ウェルプレート中で、0.3w/v%パントテニルエチルエーテル、0.015w/v%ピリドキシン塩酸塩、又は0.024w/v%トコフェロール酢酸エステルを含む10%FBS含有−RPMI1640培地中で、毛包を培養した。培養開始から3日経過後に再度毛包を撮影し、髭の長さを測定し、3日間の培養で伸長した長さを求めた。評価はn=9で行った。なお、対照として、各成分を添加していない10%FBS含有−RPMI1640培地のみを用いた。結果を図4に示す。
同様に、別途、24ウェルプレート中で、0.3w/v%パントテニルエチルエーテル、0.015w/v%ピリドキシン塩酸塩、及び0.024w/v%トコフェロール酢酸エステルを含む10%FBS−RPMI1640培地中で毛包を培養し、3日間の培養で伸長した長さを計算して求めた。また、器官培養24時間後に、毛包から毛乳頭組織を単離し、毛乳頭細胞からtotal RNAを抽出し、PGF遺伝子発現量の解析を行った。結果を図5及び6にそれぞれ示す。
図4に示されるとおり、パントテニルエチルエーテル、ピリドキシン塩酸塩、又はトコフェロール酢酸エステルをそれぞれ単独で用いた場合は、マウス髭器官は有意に伸長されなかった。
一方、図5に示されるとおり、パントテニルエチルエーテル、ピリドキシン塩酸塩、及びトコフェロール酢酸エステルの3成分を組み合わせた場合は、マウス髭器官は有意に伸長した。また、図6に示されるとおり、それら3成分を組み合わせて投与した際の毛乳頭細胞では、PGF遺伝子の発現が亢進していた。
これらの結果は、パントテニルエチルエーテル、ピリドキシン塩酸塩、及びトコフェロール酢酸エステルの3成分を組み合わせることにより、PGFの産生が亢進し、毛の伸長が促進されることを示すものである。
<試験3:硫酸転移酵素(SULT)1A1遺伝子発現の評価>
(1)パントテニルエチルエーテルの影響の検証
以下の手順に従い、ヒト毛包ケラチノサイトからtotal RNAを抽出し、SULT1A1遺伝子発現量の解析を行った。
keratinocyte medium(ScienCell Research Laboratories社製;品番2101NZ)に懸濁したヒト毛包ケラチノサイト(HHFK)(ScienCell Research Laboratories社製;品番2440)を5×10cells/wellになるように、24ウェルプレートに播種し、37℃で48時間培養した。細胞の生育に問題がないことを顕微鏡観察により確認した後、パントテニルエチルエーテルの終濃度が0.03、0.1、又は0.3v/v%になるようにDefined Keratinocyte-SFM(Thermo Fisher Scientific社製;品番10744019)で調製した溶液を細胞に添加した。37℃で24時間培養した後、細胞を回収しSULT1A1の遺伝子発現量をリアルタイムPCR法にて測定した。評価はn=3で行った。なお、対照として、パントテニルエチルエーテルを添加していない溶液を用いた。結果を図7に示す。
(2)ピリドキシン塩酸塩の影響の検証
同様に、パントテニルエチルエーテルの代わりに、ピリドキシン塩酸塩の終濃度0.01、0.03、0.1w/v%を用いて、SULT1A1遺伝子発現の評価を行った。結果を図8に示す。
図7に示されるとおり、パントテニルエチルエーテルは、ヒト毛包ケラチノサイトに作用し、濃度依存的にSULT1A1遺伝子発現を亢進することがわかった。さらに同様に、図8に示されるとおり、ピリドキシン塩酸塩も、ヒト毛包ケラチノサイトに作用し、濃度依存的にSULT1A1遺伝子発現を亢進することがわかった。これらの結果は、パントテニルエチルエーテル及びピリドキシン塩酸塩が、生体内でのミノキシジルの硫酸ミノキシジルへの変換を促進する作用を有することを示唆している。
[製剤例]
下記表1〜2に製剤例を示す。製剤例中の含有量を示す数値は、いずれもw/v%である。
Figure 2021155406
Figure 2021155406

Claims (8)

  1. (A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;
    (B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及び
    (C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩
    から成る群より選択される1種又は2種以上を含有する、胎盤増殖因子発現促進用組成物。
  2. (A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;
    (B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及び
    (C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩
    を有効成分として含む、育毛促進用組成物。
  3. 前記育毛促進が、毛髪のハリ・コシの減退、量の減少、ボリュームの低下、又は細化の症状の進行防止又は予防である、請求項2に記載の育毛促進用組成物。
  4. 前記育毛促進が、発毛後の毛を伸長させること、発毛後の毛を太くすること、又は発毛後の毛を抜け難くすることである、請求項2又は3のいずれか1項に記載の育毛促進用組成物。
  5. 前記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の質量比が、1:0.05:0.08の割合で含まれる、請求項2〜4のいずれか1項に記載の育毛促進用組成物。
  6. (A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;
    (B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩;及び
    (C)トコフェロール、トコフェロールの誘導体、又はそれらの塩
    を含み、ミノキシジル含有組成物の発毛作用を補完する為の、組成物。
  7. (A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;又は
    (B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩
    を含有する、硫酸転移酵素1A1遺伝子発現促進用組成物。
  8. (A)パントテン酸、パントテン酸の誘導体、又はそれらの塩;又は
    (B)ピリドキシン、ピリドキシンの誘導体、又はそれらの塩
    を含有する、生体内でのミノキシジルの硫酸ミノキシジルへの変換を促進するための組成物。
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