JP2021154515A - 圧力制御ユニットを有する液体吐出装置 - Google Patents

圧力制御ユニットを有する液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 良好なシール性を維持する液体吐出装置を提供する。【解決手段】 液体収納室と、液体収納室に液体を流入させる流入口と、液体収納室から液体を流出させる流出口と、液体の圧力制御ユニットと、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、圧力制御ユニットと液体吐出ヘッドの間に設けられたシール部材とを有した液体吐出装置であり、シール部材は、流入口を取り囲んで延びる連続した二つの第1のシール部と、流出口を取り囲んで延びる連続した2つの第2のシール部とを有し、圧力制御ユニットは、シール部材収納部を有し、シール部材収納部は、液体流入口と液体流出口のどちらか一方を取り囲む外周部と、液体流入口と液体流出口の間の中央部を有し、外周部の壁面には凸部と凹部が設けられ、中央部の壁面には凹部のみが設けられていて、圧力制御室内の圧力が高圧の場合においても、シール部材収納部の壁面に設けられた凸部がシール部材の変形を抑制する。【選択図】 図21

Description

本発明は、圧力制御ユニット、及び圧力制御ユニットを有する液体吐出装置に関するものである。
インクジェット記録装置に代表される液体吐出装置などでは、液体の圧力を調整するための圧力制御室が用いられることがある。圧力制御室によって液体の圧力を制御して、圧力差(差圧)のある液体の流れを作り出し、差圧を利用してさらに液体の流れを発生させている。この液体の流れによって、液体吐出ヘッド内で液体を循環させることが可能となっており、液体吐出ヘッド内での液体の増粘が抑制されている。圧力制御室は液体吐出ヘッドと接続され、接続部の隙間にシール部材を挟むことで内部を流れる液体の流出や異物の混入を防止している。
特許文献1に記載のシール部材は、シール部を両面に設けることでシール部が両面から均等に圧縮され、高温環境下でも良好なシール性を維持している。
特許第6415114号明細書
特許文献1に記載の圧力制御室は8〜30kPa程度の低圧で加圧されているが、圧力制御室の圧力が高圧の場合、シール部材が外側に変形し、内部を流れる液体が漏れてしまう恐れがある。
また、シール部材の弾性力が大きい場合、シール部材を組み付けた際に圧力制御室が変形したり割れてしまったりしてしまうことがある。その結果、内部を流れる液体が漏れてしまう恐れがある。
従って、本発明は、圧力制御室の圧力が高圧の場合やシール部材の弾性力が大きい場合においても、良好なシール性を維持する液体吐出装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。即ち本発明は、液体を収納する液体収納室と、前記液体収納室に液体を流入させるための流入口と、前記液体収納室から液体を流出させるための流出口と、前記液体の圧力を制御するための圧力制御ユニットと、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記圧力制御ユニットと前記液体吐出ヘッドの間に設けられたシール部材とを有した液体吐出装置であって、前記シール部材は、前記流入口を取り囲んで延びる連続した第1のシール部と、前記流出口を取り囲んで延びる連続した第2のシール部と、を有し、前記圧力制御ユニットは、シール部材収納部を有し、前記シール部材収納部は、前記液体流入口と前記液体流出口のどちらか一方を取り囲む外周部と、前記液体流入口と前記液体流出口の間の中央部を有し、前記外周部の壁面には凸部と凹部が設けられ、前記中央部の壁面には凹部のみが設けられていることを特徴とする液体吐出装置である。
本発明によれば、圧力制御室ユニット内の圧力が高圧の場合においても、シール部材収納部の壁面に設けられた凸部がシール部材の変形を抑制するため、内部を流れる液体が漏れるのを抑制する効果がある。
また、シール部材の弾性力が大きい場合においても、シール部材収納部の壁面に設けられた凹部が潰されたシール部の逃げ部となるため、反力が低減することができ、圧力制御ユニットが変形したり割れてしまったりして、内部を流れる液体が漏れるのを抑制する効果がある。
液体吐出装置を示す図である。 液体吐出装置の循環形態を示す図である。 液体吐出装置の循環形態を示す図である。 液体吐出ヘッドへのインクの流入量を示す図である。 液体吐出ヘッドを示す図である。 液体吐出ヘッドを示す図である。 液体吐出ユニットの流路部材を示す図である。 記録素子基板と流路部材との液体の接続関係を示す図である。 記録素子基板と流路部材との液体の接続関係を示す図である。 吐出モジュールを示す図である。 記録素子基板を示す図である。 液体吐出装置の循環形態を示す図である。 圧力制御ユニットを示す図である。 圧力制御ユニットを示す図である。 バルブを示す図である。 押圧板の傾きを示す図である。 押圧板及びバルブの移動を示す図である。 シール部材の上面を示す図である。 圧力制御ユニットの底面を示す図である。 シール部材収納部を示す図である。 シール部材収納部にシール部材を組み付けた状態を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。尚、圧力制御ユニットとして、液体吐出装置に適用したものを例にとって説明するが、本発明の圧力制御ユニットは、液体吐出装置に用いられるものに限られない。
(液体吐出装置)
図1は、液体を吐出して記録を行う液体吐出装置2000を示した図である。液体吐出装置2000は、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKのインク(液体)ごとに対応した単色用の液体吐出ヘッド2003を4つ並列配置させることで、記録媒体へフルカラー記録を行う。各液体吐出ヘッド2003に対して、液体吐出装置2000の供給系、バッファタンク1003(図2、図3参照)およびメインタンク1006(図2、図3参照)が流体的に接続されている。また、それぞれの液体吐出ヘッド2003には、液体吐出ヘッド2003へ電力および吐出制御信号を伝送する電気制御部が電気的に接続されている。
液体吐出装置は、インク等の液体を、後述するタンクと液体吐出ヘッド3との間で循環させる形態の液体吐出装置である。その循環の形態は、液体吐出ヘッド3の下流側で2つの循環ポンプ(高圧用、低圧用)を可動することで循環させる第1循環形態と、液体吐出ヘッド3の上流側で2つの循環ポンプ(高圧用、低圧用)を可動することで循環させる第2循環形態とがある。以下、この循環の第1循環形態と第2循環形態とについて説明する。
(第1循環形態)
図2は、液体吐出装置1000(図1の液体吐出装置2000)に適用される循環経路の第1循環形態を示す模式図である。液体吐出ヘッド3は、第1循環ポンプ(高圧側)1001、第1循環ポンプ(低圧側)1002およびバッファタンク1003等に流体接続されている。なお図2では、説明を簡略化するため、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKのインクの内の1色のインクが流動する経路のみを示しているが、実際には4色分の循環経路が、液体吐出ヘッド3および記録装置本体に設けられる。
第1循環形態では、メインタンク1006に収納されるインクは、補充ポンプ1005によってバッファタンク1003に供給され、その後、第2循環ポンプ1004によって液体接続部111を介して液体吐出ヘッド3の液体供給ユニット220に供給される。メインタンク1006およびバッファタンク1003は、記録液体を収納する。液体供給ユニット220に接続された圧力制御ユニット230で異なる2つの圧力(高圧、低圧)に調整されたインクは、高圧側と低圧側の2つの流路に分かれて循環する。液体吐出ヘッド3内のインクは、液体吐出ヘッド3の下流にある第1循環ポンプ(高圧側)1001および第1循環ポンプ(低圧側)1002の作用で液体吐出ヘッド内を循環し、液体吐出ヘッド3から排出されてバッファタンク1003に戻る。なお、第1循環ポンプ1001、1002と、第2循環ポンプ1004と、圧力制御ユニット230とは、第1循環形態における循環機構に相当する。
サブタンクであるバッファタンク1003は、メインタンク1006と接続され、タンク内部と外部とを連通する不図示の大気連通口を有し、インク中の気泡を外部に排出することが可能である。バッファタンク1003とメインタンク1006との間には、補充ポンプ1005が設けられている。補充ポンプ1005は、インクを吐出しての記録や吸引回復等、液体吐出ヘッド3の吐出口からインクを吐出(排出)することによって消費されたインクをメインタンク1006からバッファタンク1003へ移送する。
2つの第1循環ポンプ1001、1002は、液体吐出ヘッド3の液体接続部111から液体を引き出してバッファタンク1003へ流す。第1循環ポンプとしては、定量的な送液能力を有する容積型ポンプが好ましい。具体的にはチューブポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、シリンジポンプ等が挙げられるが、例えば一般的な定流量弁やリリーフ弁をポンプ出口に配して一定流量を確保する形態であってもよい。
また、流量センサーを循環経路内に設けて、センサー出力値に基づいて、本体内の制御回路からポンプの回転数を制御して一定流量を確保する形態も好ましく用いることができる。液体吐出ヘッド3の駆動時には、第1循環ポンプ(高圧側)1001および第1循環ポンプ(低圧側)1002を稼働することによって、それぞれ共通供給流路211、共通回収流路212内を所定流量のインクが流れる。このようにインクを流すことで、記録時の液体吐出ヘッド3の温度を最適の温度に維持している。液体吐出ヘッド3駆動時の所定流量は、液体吐出ヘッド3内の各記録素子基板10間の温度差が記録画質に影響しない程度に維持可能である流量以上に設定することが好ましい。もっとも、あまりに大きな流量に設定すると、液体吐出ユニット300内の流路の圧損の影響により、各記録素子基板10で負圧差が大きくなり画像の濃度ムラが生じてしまう。そのため、各記録素子基板10間の温度差と負圧差を考慮しながら流量を設定することが好ましい。
圧力制御ユニット230は、第2循環ポンプ1004と液体吐出ユニット300との間の経路に設けられている。この圧力制御ユニット230は、単位面積あたりの吐出量の差等によって循環系におけるインクの流量が変動した場合でも、圧力制御ユニット230よりも下流側(即ち液体吐出ユニット300側)の圧力を予め設定した一定圧力に維持するように動作する。圧力制御ユニット230を構成する2つの圧力調整機構は、圧力制御ユニット230よりも下流の圧力を、所望の制御圧を中心とした一定の範囲以下の変動で制御できる。循環流路では、第2循環ポンプ1004によって、液体供給ユニット220を介して圧力制御ユニット230の上流側を加圧している。このようにすると、バッファタンク1003の液体吐出ヘッド3に対する水頭圧の影響を抑制できるので、液体吐出装置1000におけるバッファタンク1003のレイアウトの自由度を広げることができる。
第2循環ポンプ1004としては、液体吐出ヘッド3の駆動時に使用するインク循環流量の範囲において、一定圧以上の揚程圧を有するものであればよく、ターボ型ポンプや容積型ポンプなどを使用できる。具体的には、ダイヤフラムポンプ等が適用可能である。また第2循環ポンプ1004の代わりに、例えば圧力制御ユニット230に対してある一定の水頭差をもって配置された水頭タンクでも適用可能である。図2に示したように圧力制御ユニット230は、それぞれが互いに異なる制御圧が設定された2つの圧力調整機構を備えている。2つの負圧調整機構の内、相対的に高圧設定側(図2でHと記載)、相対的に低圧側(図2でLと記載)は、それぞれ、液体供給ユニット220内を経由して、液体吐出ユニット300内の共通供給流路211、共通回収流路212に接続されている。
液体吐出ユニット300には、共通供給流路211、共通回収流路212、各記録素子基板と連通する個別流路215(個別供給流路213、個別回収流路214)が設けられている。共通供給流路211には、圧力調整機構Hが、共通回収流路212には圧力調整機構Lが接続されており、2つの共通流路間に差圧が生じている。複数の個別流路215は、一対の共通流路のうち一方の共通供給流路211と他方の共通回収流路212とを接続し、記録素子基板10の複数の吐出口13と各々連通している。かかる構成により、液体の一部が、共通供給流路211から記録素子基板10の内部流路を通過して共通回収流路212へと流れる流れ(図2の矢印)が発生する。
このようにして、液体吐出ユニット300では、共通供給流路211および共通回収流路212内をそれぞれ通過するように液体を流しつつ、一部の液体が各記録素子基板10内を通過するような流れが発生する。このため、各記録素子基板10で発生する熱を共通供給流路211および共通回収流路212を流れるインクによって記録素子基板10の外部へ排出することができる。また、このような構成により、液体吐出ヘッド3による記録を行っている際に、吐出を行っていない吐出口や圧力室においてもインクの流れを生じさせることができる。これによって、吐出口内で増粘したインクの粘度を低下させることで、インクの増粘を抑制することができる。また、増粘したインクやインク中の異物を共通回収流路212へと排出することができる。このため、液体吐出ヘッド3は、高速で高画質な記録が可能となる。
(第2循環形態)
図3は、記録装置に適用される循環形態のうち、上述した第1循環形態とは異なる循環形態である第2循環形態を示す模式図である。前述の第1循環形態との主な相違点は、圧力制御ユニット230を構成する2つの圧力調整機構が共に、圧力制御ユニット230よりも上流側の圧力を、所望の設定圧を中心として一定範囲内の変動で制御する点である。また、第1循環形態との相違点として、第2循環ポンプ1004が圧力制御ユニット230の下流側を減圧する負圧源として作用する点がある。さらに、第1循環ポンプ(高圧側)1001および第1循環ポンプ(低圧側)1002が液体吐出ヘッド3の上流側に配置され、圧力制御ユニット230が液体吐出ヘッド3の下流側に配置されている点も相違する点である。
第2循環形態では、メインタンク1006内のインクは、補充ポンプ1005によってバッファタンク1003に供給される。その後インクは2つの流路に分けられ、液体吐出ヘッド3に設けられた圧力制御ユニット230の作用で高圧側と低圧側の2つの流路で循環する。高圧側と低圧側の2つの流路に分けられたインクは、第1循環ポンプ(高圧側)1001および第1循環ポンプ(低圧側)1002の作用で液体吐出ヘッド3に液体接続部111を介して液体吐出ヘッド3に供給される。その後、第1循環ポンプ(高圧側)1001および第1循環ポンプ(低圧側)1002の作用で液体吐出ヘッド内を循環したインクは、圧力制御ユニット230を経て、液体接続部111を介して液体吐出ヘッド3から排出される。排出されたインクは、第2循環ポンプ1004によってバッファタンク1003に戻される。なお、第1循環ポンプ1001、1002と、第2循環ポンプ1004と、圧力制御ユニット230とは、第2循環形態における循環機構に相当する。
第2循環形態の圧力制御ユニット230は、単位面積あたりの吐出量の変化によって生じる流量の変動があっても、圧力制御ユニット230の上流側(即ち液体吐出ユニット300側)の圧力変動を予め設定された圧力を中心として一定範囲内に安定させる。圧力制御ユニットの詳細は後述するが、圧力制御ユニット230を構成する2つの圧力調整機構は、圧力制御ユニット230よりも上流側の圧力を、所望の制御圧を中心とした一定範囲以下の変動で制御できるも。循環流路では、第2循環ポンプ1004によって、液体供給ユニット220を介して圧力制御ユニット230の下流側を加圧している。このようにすると液体吐出ヘッド3に対するバッファタンク1003の水頭圧の影響を抑制できるので、液体吐出装置1000におけるバッファタンク1003のレイアウトの選択幅を広げることができる。第2循環ポンプ1004の代わりに、例えば圧力制御ユニット230に対して所定の水頭差をもって配置された水頭タンクであっても適用可能である。
第2循環形態は第1循環形態と同様に、圧力制御ユニット230は、それぞれが互いに異なる制御圧が設定された2つの圧力調整機構を備えている。2つの負圧調整機構の内、高圧設定側(図3で230Hと記載)、低圧設定側(図3で230Lと記載)はそれぞれ、液体供給ユニット220内を経由して、液体吐出ユニット300内の共通供給流路211および共通回収流路212に接続されている。2つの負圧調整機構により、共通供給流路211の圧力を共通回収流路212の圧力より相対的に高くすることで、共通供給流路211から個別流路215および各記録素子基板10の内部流路を介して共通回収流路212へと流れるインク流れが発生する。
このような第2循環形態では、液体吐出ユニット300内には第1循環形態と同様のインク流れ状態が得られるが、第1循環形態の場合とは異なる2つの利点がある。1つ目の利点は、圧力制御ユニット230に混入するゴミや異物が液体吐出ヘッド3へ流入することを防ぐことである。すなわち、第2循環形態では圧力制御ユニット230が液体吐出ヘッド3の下流側に配置され、後述のフィルタ221が液体吐出ヘッド3の上流側に配置されている。そのため、第1循環ポンプ1001、1002および第2循環ポンプ1004の稼動により、循環経路にインクを循環させる際に、圧力制御ユニット230に混入する異物を液体から取り除き、液体吐出ヘッド3に異物が流入することを防ぐことができる。
第2循環形態では、圧力制御ユニットは液体吐出ヘッド3の下流側に配置されている。従って、圧力調整機構を構成する弁(バルブ)が開閉することなどにより、万一異物が循環経路に混入したとしても、液体吐出ヘッド3に到達する前に、混入した異物はフィルタ221によって取り除かれる。2つ目の利点は、第2循環形態では、バッファタンク1003から液体吐出ヘッド3へ供給する必要流量の最大値が、第1循環形態の場合よりも少なくて済むことである。その理由は次の通りである。
記録待機時に循環している場合の、共通供給流路211、共通回収流路212、および個別流路215内の流量の合計を流量Aとする。流量Aの値は、記録待機中に液体吐出ヘッド3の温度調整にあたり、液体吐出ユニット300内の温度差を所望の範囲内にするために必要な最小限の流量として定義される。また液体吐出ユニット300の全ての吐出口からインクを吐出する場合(全吐出時)の吐出流量を流量F(1吐出口当りの吐出量×単位時間当たりの吐出周波数×吐出口数)と定義する。
図4は、第1循環形態と第2循環形態とにおける、液体吐出ヘッド3へのインクの流入量の違いを示した概略図である。図4(a)は、第1循環形態における待機時を示しており、図4(b)は、第1循環形態における全吐出時を示している。図4(c)から図4(f)は、第2循環流路を示しており、図4(c)、(d)が流量F<流量Aの場合で、図4(e)、(f)が流量F>流量Aの場合であり、それぞれ、待機時と全吐出時の流量を示している。
定量的な送液能力を有する第1循環ポンプ1001、1002が液体吐出ヘッド3の下流側に配置されている第1循環形態の場合(図4(a)、(b))、第1循環ポンプ1001および第1循環ポンプ1002の合計設定流量は流量Aとなる。この流量Aによって、待機時の液体吐出ユニット300内の温度管理が可能となる。そして、液体吐出ヘッド3で全吐出が行われる場合、第1循環ポンプ1001、1002の合計設定流量は流量Aのままであるが、液体吐出ヘッド3で吐出によって生じる負圧が作用する。そのため、液体吐出ヘッド3へ供給される最大流量は、合計設定流量の流量Aに全吐出による消費分(流量F)が加算される。よって、液体吐出ヘッド3への供給量の最大値は、流量Fが流量Aに加算されるため流量A+流量Fとなる(図4(b))。
ここで、第1循環形態(図2)において、複数の記録素子基板10のうち、一部の記録素子基板10が記録待機中であり、その他の記録素子基板10の全ての吐出口13からインクを吐出している全吐出中である場合を考える。図2に示されるように、液体吐出ユニット300の記録素子基板10のうち、網掛けで示されるものは全吐出中の記録素子基板10を、白抜きで示されるものは記録待機中の記録素子基板10であるものとして説明する。このとき、全吐出中の記録素子基板10には、共通供給流路211からのインク供給(白抜き矢印方向)に加えて、共通回収流路212から(黒塗り矢印方向)も一定量のインク供給が行われる。一方、記録待機中の記録素子基板10にも、共通供給流路211からのインク供給(白抜き矢印方向)も継続して行われる。液体吐出ユニット300へのインク流入量が増大するため、共通供給流路211と共通回収流路212との間の差圧は多少変動するものの、共通流路の断面積を充分に確保することができれば、その影響は無視することができる。
このように、第1循環形態では、一部の記録素子基板10が記録待機中に、その他の記録素子基板10が全吐出中になった場合であっても、記録待機中の記録素子基板10にもインクが供給されるように構成されている。かかる構成により、液体吐出ヘッド3へのインク供給量も好適に制御することができる。すなわち、記録待機中の記録素子基板10における個別流路215を通過するインクの流量を、記録素子基板10における全ての吐出口13から吐出されるインクの吐出流量よりも小さくなるように、共通流路の差圧を制御する。共通供給流路211と共通回収流路212との間の差圧を上記のように制御することにより、液体吐出ヘッド3の吐出口13からのインク吐出流量の変動にかかわらず、記録待機中の記録素子基板10に循環させるインク量を抑制することができる。記録待機中の記録素子基板10に循環させるインク量を抑制することができれば、液体吐出ヘッド3からの排熱を抑制することができ、循環流路内のインクを冷却するための冷却機構なども簡略化することができる。
第1循環ポンプ1001および第1循環ポンプ1002が液体吐出ヘッド3の上流側に配置されている第2循環形態の場合(図4(c)から図4(f))は、記録待機時に必要な液体吐出ヘッド3への供給量は、第1循環形態と同様に流量Aである。従って、第1循環ポンプ1001および第1循環ポンプ1002が液体吐出ヘッド3の上流側に配置されている第2循環形態では、流量Fよりも流量Aが多い場合(図4(c)、(d))には、全吐出時でも液体吐出ヘッド3への供給量は流量Aで十分である。その際、液体吐出ヘッド3からの排出流量は、流量A−流量Fとなる(図4(d))。しかし、流量Aよりも流量Fが多い場合(図4(e)、(f))には、全吐出時には液体吐出ヘッド3への供給流量を流量Aとすると流量が足りなくなってしまう。そのため、流量Aよりも流量Fが多い場合には、液体吐出ヘッド3への供給量を流量Fとする必要がある。その際、全吐出が行われると、液体吐出ヘッド3では流量Fが消費されるため、液体吐出ヘッド3からの排出流量は、ほとんど排出されない状態となる(図4(f))。なお、流量Aよりも流量Fが多い場合で、吐出は行うが全吐出ではない場合には、流量Fから吐出で消費された分が引かれた量が液体吐出ヘッド3から排出される。
このように、第2循環形態の場合、第1循環ポンプ1001および第1循環ポンプ1002の設定流量の合計値、即ち必要供給流量の最大値は、流量Aまたは流量Fの大きい方の値となる。このため、同一構成の液体吐出ユニット300を使用する限り、第2循環形態における必要供給量の最大値(流量Aまたは流量F)は、第1循環形態における必要供給流量の最大値(流量A+流量F)よりも小さくなる。なお、第2循環形態においても、一部の記録素子基板10が記録待機中に、その他の記録素子基板10が全吐出中になった場合であっても、記録待機中の記録素子基板10にもインクが供給されるように構成されている。共通供給流路211と共通回収流路212との間の差圧を制御することにより、液体吐出ヘッド3の吐出口13からのインク吐出流量の変動にかかわらず、記録待機中の記録素子基板10に循環させるインク量を抑制する態様についても第1循環形態と同じである。
第2循環形態の場合、適用可能な循環ポンプの自由度が高まり、例えば構成の簡便な低コストの循環ポンプを使用したり、本体側経路に設置される冷却器(不図示)の負荷を低減したりすることができ、記録装置のコストを低減できるという利点がある。この利点は、流量Aまたは流量Fの値が比較的大きくなるラインヘッドであるほど大きくなり、ラインヘッドの中でも長手方向の長さが長いラインヘッドほど有益である。
しかしながら一方で、第1循環形態の方が、第2循環形態に対して有利になる点もある。すなわち第2循環形態では、記録待機時に液体吐出ユニット300内を流れる流量が最大であるため、単位面積当たりの吐出量が少ない画像(以下、低Duty画像ともいう)であるほど、各吐出口に高い負圧が印加された状態となる。このため、流路幅が狭く高い負圧である場合、ムラの見えやすい低Duty画像で吐出口に高い負圧が印加されるため、インクの主滴に伴って吐出される所謂サテライト滴が多く発生して記録品位が低下する虞がある。
一方、第1循環形態の場合、高い負圧が吐出口に印加されるのは単位面積当たりの吐出量が多い画像(以下、高Duty画像ともいう)形成時であるため、仮にサテライト滴が発生しても視認されにくく、画像への影響は小さいという利点がある。これら2つの循環形態の選択は、液体吐出ヘッドおよび記録装置本体の仕様(吐出流量F、最小循環流量A、およびヘッド内流路抵抗)に照らして好ましい選択を採ることができる。
(液体吐出ヘッドの構造)
図5(a)および(b)は、液体吐出ヘッド2003を示した斜視図である。ここで、液体吐出ヘッド2003の構造について説明する。液体吐出ヘッド2003は、液体吐出ヘッド2003の長手方向に直線状に配列される16個の記録素子基板2010を備え、1色の液体で記録が可能なインクジェット式のライン型記録ヘッドである。液体吐出ヘッド2003は、液体接続部111、信号入力端子91および電力供給端子92を備える。信号入力端子91および電力供給端子92は、液体吐出ヘッド2003の両側に配置されている。これは記録素子基板2010に設けられる配線部で生じる電圧低下や信号伝送遅れを低減するためである。
図6は、液体吐出ヘッド2003を示した斜視分解図であり、液体吐出ヘッド2003を構成する各部品またはユニットをその機能毎に分割して示している。液体吐出ヘッド2003は、液体吐出ユニット2300に含まれる第2流路部材2060によって液体吐出ヘッドの剛性を担保している。液体吐出ユニット支持部81は、第2流路部材2060の両端部に接続されており、この液体吐出ユニット2300は液体吐出装置2000のキャリッジと機械的に結合されて、液体吐出ヘッド2003の位置決めを行う。圧力制御ユニット2230を備える液体供給ユニット2220と、電気配線基板90は、液体吐出ユニット支持部81に結合される。2つの液体供給ユニット2220内にはそれぞれフィルタ(不図示)が内蔵されている。
2つの圧力制御ユニット2230は、それぞれ異なる、相対的に高低の圧力を制御するように設定されている。また、図5のように、液体吐出ヘッド2003の両端部にそれぞれ、高圧側と低圧側の圧力制御ユニット2230を設置した場合、液体吐出ヘッド2003の長手方向に延在する共通供給流路と共通回収流路における液体の流れが互いに対向する。このような構成では、共通供給流路と共通回収流路の間で熱交換が促進されて、2つの共通流路内における温度差が低減される。これによって、共通流路に沿って複数設けられる各記録素子基板2010における温度差が少なくなり、温度差による記録ムラが生じにくくなるという利点がある。
次に、液体吐出ユニット2300の流路部材2210の詳細について説明する。図6に示すように、流路部材2210は、第1流路部材2050と第2流路部材2060とを積層したものであり、液体供給ユニット2220から供給された液体を各吐出モジュール2200へと分配する。また流路部材2210は、吐出モジュール2200から環流する液体を液体供給ユニット2220へと戻すための流路部材として機能する。流路部材2210の第2流路部材2060は、内部に共通供給流路および共通回収流路が形成された流路部材であるとともに、液体吐出ヘッド2003の剛性を主に担うという機能を有する。このため、第2流路部材2060の材質としては、液体に対する十分な耐食性と高い機械強度を有するものが好ましい。具体的にはステンレスやチタン、アルミナなどを用いることが好ましい。
図7(a)は、第1流路部材2050の、吐出モジュール2200がマウントされる面を示した図である。図7(b)は、図7(a)に示す面の裏面を示しており、第2流路部材2060と当接される面を示した図である。第1流路部材2050は、吐出モジュール2200毎に対応した複数の部材を隣接して配列したものである。このように分割した構造を採ることで、複数のモジュールを配列させて、液体吐出ヘッド2003の長さに対応することができる。この為、例えばB2サイズおよびそれ以上の長さに対応した比較的ロングスケールの液体吐出ヘッドに特に好適に適用することができる。図7(a)に示すように、第1流路部材2050の連通口51は、吐出モジュール2200と流体的に連通する。また、図7(b)に示すように、第1流路部材2050の個別連通口53は、第2流路部材2060の連通口61と流体的に連通する。
図7(c)は、第2流路部材2060の、第1流路部材2050と当接される面を示す図である。図7(d)は、第2流路部材2060の厚み方向中央部の断面を示す図である。図7(e)は、第2流路部材2060の、液体供給ユニット2220と当接する面を示す図である。第2流路部材2060の共通流路溝71は、その一方が後述する図8に示す共通供給流路2211であり、他方が共通回収流路2212であり、夫々、液体吐出ヘッド2003の長手方向に沿って設けられており、その一端側から他端側に液体が供給される。また、共通供給流路2211と共通回収流路2212の液体の流れは互いに反対方向となっている。
図8は、記録素子基板2010と流路部材2210との液体の接続関係を示した透視図である。図7と図8を用いて説明する。流路部材2210内には、液体吐出ヘッド2003の長手方向に延びる一組の共通供給流路2211および共通回収流路2212が設けられている。第2流路部材2060の連通口61は、各々の第1流路部材2050の個別連通口53と位置を合わせて接続され、第2流路部材2060の連通口72から共通供給流路2211を介して第1流路部材2050の連通口51へと連通する液体供給経路を形成している。同様に、第2流路部材2060の連通口72から共通回収流路2212を介して第1流路部材2050の連通口51へと連通する液体供給経路も形成されている。
図9は、図8のXXVI−XXVI線における断面を示した図である。共通供給流路2211は、連通口61、個別連通口53、連通口51を介して、吐出モジュール2200へ接続されている。図9では不図示であるが、図8を見れば分かる通り、別の断面においては、共通回収流路2212が同様の経路で吐出モジュール2200へ接続されている。各吐出モジュール2200および記録素子基板2010には、各吐出口に連通する流路が形成されており、供給した液体の一部または全部が、吐出動作を休止している吐出口を通過して、環流できるようになっている。また、共通供給流路2211は、圧力制御ユニット2230(高圧側)と、共通回収流路2212は圧力制御ユニット2230(低圧側)と液体供給ユニット2220を介して接続されている。従って、その差圧によって、共通供給流路2211から記録素子基板2010の吐出口を通過して共通回収流路2212へと流れる流れが発生する。
(吐出モジュール)
図10(a)は、1つの吐出モジュール2200を示した斜視図であり、図10(b)は、その分解図である。記録素子基板2010の複数の吐出口列方向に沿った両辺部(記録素子基板2010の各長辺部)に複数の端子16がそれぞれ配置されている。これに伴い記録素子基板2010と電気接続されるフレキシブル配線基板40も、1つの記録素子基板2010に対して2枚配置されている。これは記録素子基板2010に設けられる吐出口列数が20列あり、端子16から記録素子までの最大距離を短くして記録素子基板2010内の配線部で生じる電圧低下や信号遅れを低減するためである。また支持部材2030の液体連通口31は、記録素子基板2010に設けられ全吐出口列を跨るように開口している。
(記録素子基板の構造)
図11(a)は、記録素子基板2010の吐出口13が配される面の模式図であり、図11(c)は、図11(a)の面の裏面を示す模式図である。記録素子基板2010の吐出口13の下方にはエネルギー発生素子が設けられており、エネルギー発生素子によってインク(液体)にエネルギーが与えられて、インクが吐出され、記録が行われる。図11(b)は、図11(c)において、記録素子基板2010の裏面側に設けられているカバープレート2020を除去した場合の記録素子基板2010の面を示す模式図である。図11(b)に示すように、記録素子基板2010の裏面には、吐出口列方向に沿って、液体供給路18と液体回収路19が交互に設けられている。端子16は、記録素子基板の吐出口列方向に沿った両辺部に配置されている。吐出口列毎に一組の液体供給路18と液体回収路19が設けられており、カバープレート2020に、支持部材2030の液体連通口31と連通する開口21が設けられている。
(圧力制御ユニット)
本発明の圧力制御ユニットについて説明する。まず、圧力制御ユニットを配置する循環形態として、図12に示す循環形態について説明する。図12に示す循環形態は、上述の第2循環形態をベースに圧力制御ユニットの配置等を若干変更したものであるが、基本的には第2循環形態で説明したものと同様の循環形態である。液体吐出ヘッド2003は、液体吐出ヘッド2003の両端部のそれぞれに、高圧側(H)と低圧側(L)の圧力制御ユニット2230を設置している。液体は、共通回収流路2211又は共通供給流路2212を通過し、圧力制御ユニット2230に流入し、液体接続部111を介して第2循環ポンプ1004へと導かれる。
図13及び図14に、圧力制御ユニットを拡大して示す。図13(a)は圧力制御ユニットの外観の斜視図、図13(b)は圧力制御ユニットの正面図、図14は圧力制御ユニットの断面図である。図13及び図14に示す圧力制御ユニットには、筐体の開口した一面を覆うように可撓性フィルム405が配置されている。このような構成によって、内部に液体を収納可能で、かつ容積が可変の第一液体収納室401が形成されている。即ち、第一液体収納室401の外壁の少なくとも一部が、可撓性フィルム405で形成されている。押圧板404は、可撓性フィルム405の内面側(第一液体収納室側)に固定されており、第一液体収納室401を拡張させる方向に、可撓性フィルム405を押圧している。また、押圧板404と筐体との間には、付勢部材として負圧バネ411が介在している。負圧バネ411は、第一液体収納室401(の容積)を拡張させる方向に、押圧板404に付勢している。即ち、負圧バネ411が押圧板404に付勢し、付勢された押圧板404が、第一液体収納室401を拡張させる方向に、可撓性フィルム405を押圧している。
第一液体収納室401の鉛直方向下方には、第一液体収納室401に液体を流入させるための流入口414が形成されている。流入口414は、共通回収流路2211又は共通供給流路2212と連通するように構成されている。従って、共通回収流路2211又は共通供給流路2212を通過した液体は、流入口414を介して第一液体収納室401に流入する。尚、本発明における鉛直方向は、圧力制御ユニットの使用時(圧力制御ユニットを液体吐出装置に装着して、圧力制御を行う時)における鉛直方向である。
第一液体収納室401の鉛直方向上方には、第一液体収納室401と連通し、第一液体収納室401の一部を形成する、バルブ室402が配置されている。バルブ室402には、第一液体収納室401が収納する液体を外部に流出させるための流出口410が形成されている(開口している)。バルブ室402の流出口410の先には、第一液体収納室401と異なる第二液体収納室403が形成されている。即ち、第一液体収納室401と第二液体収納室403との間に、流出口410が形成されている。第二液体収納室403は、液体接続部(図13の液体接続部111)を介して、第2循環ポンプ1004と接続されている。従って、流出口410を通過して流出した液体は、第二液体収納室403及び液体接続部を介して、第2循環ポンプ1004へと導かれる。第一液体収納室401は、圧力制御ユニットの、液体吐出ヘッドが接続される側である、液体の流れの上流側に設けられている。また、第二液体収納室403は、第一液体収納室401の、液体の流れの下流側に設けられている。即ち、共通回収流路2211又は共通供給流路2212から流入口414を介して第一液体収納室401に流入した液体は、第一液体収納室401内のバルブ室402へと流入し、さらに流出口410を介して第二液体収納室403に流入する。液体は、その後、液体接続部を介して第2循環ポンプ1004へと導かれる。
図14に示すように、流出口410は、第一液体収納室401の外壁が可撓性フィルム405で形成された部分より、鉛直方向上方に形成することが好ましい。第一液体収納室401より液体の流れにおける下流側にあたるバルブ室402及び流出口410を、このように鉛直方向上方に形成すると、第一液体収納室401内に液体を充填する際に、第一液体収納室401内のエアを排出しやすくなる。第一液体収納室401内に液体を充填する際に十分にエアを排出しておけば、例えば圧力制御ユニットの使用時にエアの量が変化して、第一液体収納室401内の水頭圧力が変化することを抑制することができる。
さらに、圧力制御ユニットの使用中に第一液体収納室401内から排出されたエアが、第2循環ポンプ1004へ流入することで、ポンプ圧力が変化してしまうことを抑制することができる。また、圧力制御ユニットの使用中に第一液体収納室401内にエアが流入してきた場合には、エアは、第一液体収納室401における可撓性フィルム405で形成された部分に滞留しにくく、バルブ室402に滞留するか、もしくは流出口410から排出されやすくなる。
一般に、可撓性フィルム405のような薄肉の部材は気体透過性が高く、可撓性フィルム405で形成された部分にエアが残存すると、気体透過によって残存エアの容積が増大しやすい。残存エアの容積が増大すると、第一液体収納室401内の水頭圧力の変化や、第2循環ポンプ1004へ流入することで、ポンプ圧力が変化してしまう恐れがある。そのため、このように可撓性フィルム405で形成された側壁の付近に残存エアが滞留しにくくすることが好ましい。
次に、バルブ室402に配置されるバルブ406について説明する。図15に、バルブ406を拡大して示す。図15(a)及び図15(b)は、それぞれバルブ406を異なる角度から見た図である。図15に示すバルブ406は、レバー形状をしており、圧力制御ユニットが有する軸受け(不図示)に嵌合した軸408を中心として回動可能である。バルブ406の一端部には、バルブ部407が設けられており、バルブ部407と流出口410との間で可変のギャップ413(図14(b))を形成することで、バルブ室402から第二液体収納室403に流れる液体に可変の流抵抗を与える。ギャップ413の大きさが、バルブ開度となり、ギャップ413が大きいとバルブ開度が高いということになる。また、バルブ室402には、バルブバネ412が配置されている。バルブバネ412は、バルブ部407と流出口410間のギャップ413を小さくする方向に、バルブ部407を付勢している。
一方、バルブ406の軸408を挟んでバルブ部407と反対側に位置する他端部には、可撓性フィルム405及び第一液体収納室401内の押圧板404の動きをバルブ406へ伝達するための、押圧板接触部409が形成されている。第一液体収納室401内の容積に応じて可撓性フィルム405及び押圧板404が移動した(変位した)際に、押圧板404の一部と押圧板接触部409が接触することで、押圧板404の動きに連動してバルブ406が回動するように動く。
図14(b)は、バルブ406のバルブ部407と流出口410のギャップ413が大きくなる方向、即ち流出口のバルブ開度が高くなる方向に、バルブ406が回動する様子を示す。第一液体収納室401内の容積を拡張させる方向に押圧板404が動くと、押圧板404と接触したバルブ406の押圧板接触部409が、バルブ406の軸408を中心として回動するように動く。この動きにより、バルブ部407と流出口410間のギャップ413は大きくなり、流出口410のバルブ開度が高くなる。反対に第一液体収納室401内の容積が減少する方向に押圧板404が動くと、押圧板404と接触しているバルブ406の押圧板接触部409が、バルブ406の軸408を中心として回動するように動く。この動きにより、バルブ部407と流出口410間のギャップ413は小さくなり、流出口410のバルブ開度が低くなる。このように、可撓性フィルム405及び押圧板404が動くことによって、バルブ406が動き、バルブ部407と流出口410間のギャップ413、即ち流出口410のバルブ開度が変化する。
(シール部)
図18はシール部材100の上面図、図19は圧力制御ユニット230の底面図、図20はシール部材収納部503の拡大図、図21はシール部材収納部503にシール部材100を組み付けた図である。
シール部材100は、流入口414を取り囲んで延びる連続した第1のシール部501と、流出口410を取り囲んで延びる連続した第2のシール部502とを有している。また、圧力制御ユニット230は、シール部材収納部503を有し、シール部材収納部503は、液体流入口414と液体流出口410のどちらか一方を取り囲む外周部504と、液体流入口414と液体流出口410の間の中央部505を有し、外周部504の壁面には凸部506と凹部507が設けられ、中央部505の壁面には凹部507のみが設けられている。液体吐出装置を組み立てる際は圧力制御ユニット230のシール部材収納部503にシール部材100を圧入する。次に、シール部材100が圧入された圧力制御ユニット230を液体吐出ヘッド300に載置し、液体吐出ヘッド上にビスで締め付けて固定する。
そして、記録装置へのインク充填工程において、流入口414と流出口410には別々にインクが加圧充填される。このとき、シール部材収納部503の外周部504に圧入されたシール部材100は外側に倒れようとするが、外周部504の外側壁面に設けられた凸部506によって倒れが抑制される。
また、第1のシール部501が潰されていることによって、シール部材100の反力が大きくなるが、外周部504の内側壁面に設けられた凹部507が潰されたシール部材の体積の逃げ部となるため、反力が緩和される。
シール部材の倒れ対策として、外周部504に圧入されたシール部材100の幅を大きく、即ちアスペクト比を小さくすることによっても倒れにくくはなるが、幅を大きくすると部品のサイズが大きくなり、コストアップにつながってしまうため、望ましくはない。
一方、シール部材収納部503の中央部505に圧入されたシール部材100は、流入口414にインクが加圧充填されている場合、流入口414から流出口410へ向かう方向(A方向)に力を受ける。また、流出口410にインクが加圧充填されている場合、流出口410から流入口414へ向かう方向(B方向)に力を受ける。従って、インク充填の場所によってシール部材100の倒れやすい方向が異なる。しかし、中央部505に圧入されたシール部材100の幅は、外周部504に圧入されたシール部材100よりも大きくなっており、即ちアスペクト比が小さくなっているため、A方向とB方向のどちらの方向に力を受ける場合においてもシール部材100は倒れにくくなっている。
また、中央部505に圧入されたシール部材100は第1シール部と第2シール部が両方存在しているため、第1シール部もしくは第2シール部のどちらか一方のみ存在する外周部504に圧入されたシール部材100よりも反力は大きくなるが、流入口414側の壁面と流出口410側の壁面の両方に凹部507が設けられているため、潰された第1シール部501と潰された第2シール部502の両方の体積の逃げ部となるため、反力が緩和される。
凸部506の位置と長さについては、壁面が直線状の場合、位置はシール部の中心に設け、長さは壁面長さの1/3程度が望ましい。また、壁面が曲線状の場合、凸部506の位置はシール部の中心に設け、長さは壁面長さの1/5程度に設けるのが望ましい。
別の形態として、インクが減圧充填される場合は、外周部504に圧入されたシール部材100は内側に倒れようとするため、外周部504の内側壁面に凸部506を設け、外側壁面に凹部507を設けたほうがよい。
以上のように、シール部材収納部503において、流入口414と流出口410のどちらか一方を取り囲む外周部504における壁面には凸部506と凹部507が設けられ、流入口414と流出口410の間の中央部505における壁面には凹部のみを設け、さらに、中央部505に圧入されるシール部材100の幅を外周部504に圧入されるシール部材100の幅よりも大きくすることで、圧力制御ユニット内の圧力が高圧の場合においても、シール部材100の変形を抑制し、内部を流れる液体が漏れるのを抑制する効果がある。また、シール部材100の弾性力が大きい場合においても、シール部材100の反力を低減し、圧力制御ユニット230が変形したり割れてしまったりして、内部を流れる液体が漏れるのを抑制する効果がある。
100 シール部材
203 圧力制御ユニット
401 第一液体収納室
403 第二液体収納室
404 押圧板
405 可撓性フィルム
406 バルブ
410 流出口
411 負圧バネ(付勢部材)
414 流入口
501 第1シール部
502 第2シール部
503 シール部材収納部
504 外周部
505 中央部
506 凸部
507 凹部

Claims (3)

  1. 液体を収納する液体収納室と、前記液体収納室に液体を流入させるための流入口と、前記液体収納室から液体を流出させるための流出口と、を有し、前記液体の圧力を制御するための圧力制御ユニットと、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記圧力制御ユニットと前記液体吐出ヘッドの間に設けられたシール部材とを有した液体吐出装置であって、
    前記シール部材は、前記流入口を取り囲んで延びる連続した二つの第1のシール部と、前記流出口を取り囲んで延びる連続した2つの第2のシール部と、を有し、前記圧力制御ユニットは、シール部材収納部を有し、前記シール部材収納部は、前記液体流入口と前記液体流出口のどちらか一方を取り囲む外周部と、前記液体流入口と前記液体流出口の間の中央部を有し、前記外周部の壁面には凸部と凹部が設けられ、前記中央部の壁面には凹部のみが設けられていることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記外周部において、前記凸部は外側壁面に設けられ、前記凹部は内側壁面に設けられている請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記外周部において、壁面が直線状の箇所に設けられた前記凸部の長さは、壁面が曲線状の箇所に設けられた前記凸部の長さよりも長い請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置。
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