JP2021154508A - 摩擦体用組成物、摩擦体及び筆記具 - Google Patents

摩擦体用組成物、摩擦体及び筆記具 Download PDF

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Abstract

【解決手段】下記要件(a)〜(b)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)とを含有し、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と前記熱可塑性エラストマー(B)との質量の比率[(A)/(B)]が10/90〜67/33である摩擦体用樹脂組成物(X)。要件(a);示差走査型熱量計(DSC)による熱量測定において共重合体(A)の融点(Tm)が110℃以上160℃未満である。要件(b);共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)とを含み、前記構成単位(i)と構成単位(ii)との合計を100モル%として、構成単位(i)79〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜21モル%とを含む。【効果】軽い力で十分な筆跡消去性確保。【選択図】なし

Description

本発明は、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン系重合体を含む摩擦体用組成物及び摩擦体と、摩擦体を備えた筆記具に関する。詳細には黒鉛や熱変色性インキ等による筆跡や印刷像等を摩擦により熱変色させるための摩擦体用組成物及び摩擦体と、摩擦体を備えた筆記具に関する。
筆記や印刷によって紙面上に形成された熱変色部を変色させる手段として、塩化ビニル(PVC)による消しゴムやゴムなどの弾性材料を用いて手動摩擦による摩擦熱で変色させる摩擦体が使用されている。また近年、熱変色性インキを内蔵することで、形成した筆跡を加熱して消色や変色させることができる熱変色性筆記具が広く普及している。前記筆記具では、紙面に形成した筆跡を素早く且つ容易に熱変化させるために、弾性体からなる摩擦体が使用されており、筆記具の軸筒の後端や口金、キャップ等に一体で形成される他、別体で設けられることで実用に供されている。
一方で現在市場に流通している摩擦体は、弾性体であるため、着色成分として熱変色性材料のみを用いる現状の熱消色性インキによる筆跡に対しては、擦過することで摩擦熱により化学的に消色することができる。
特許文献1には、特定硬度以上の樹脂材料を摩擦体として使用する筆記具が記載されており、前記摩擦体を摩擦具の支持基材に形成される摩擦部として適用する際、二色成形により支持基材と固着させることが記載されている。しかし、この筆記具では、支持基材と摩擦体の組み合わせが限定されるため、それぞれの材料の自由度が低いものとなる。また、摩擦体の成形には複雑な金型が必要とされると共に、成形性を得るために摩擦体の肉厚が大きくなり、また摩擦体は弾性体であるため、筆跡を消去させるためには相当の力をかける必要があった。
特許文献2および3には、摩擦体にスチレン系エラストマー等弾性体を使用した筆記具が開示されているが、これらの摩擦体は、特にメタリック調の筆跡に対しての熱消色性は十分でなく改良の必要があった。また特許文献4には、メタリック調の筆跡とすることを目的に、熱消色性インキが金属光沢顔料を含んでいて、これらの筆跡にも熱消色性効果を発揮する摩擦体、筆記具及び筆記セットが開示されているが、熱消色性効果を上げると加熱により摩擦体が柔軟化して破断するなど、機械強度と熱消去性の両立するためには更なる改良が必要であった。
特開2007−223302号公報 特開2009−143207号公報 特開2011−156832号公報 WO2018/116767号
本発明は、摩擦体において前述の不具合を解消するものであって、黒鉛や非変色性インキ、熱変色性インキ中に金属光沢顔料が添加されているメタリック調の新規構成インキによる筆跡であっても、筆跡を摩擦することで黒鉛の消去や、熱変色性材料の消色や変色、金属光沢顔料の剥離を同時に行うことができる摩擦体を提供することを目的とするものである。
更に本発明は、摩擦体が紙とこすられることによる破断が発生せずインキが消去でき、消去時に見栄えを損なうことなく軽い力で十分な筆跡消去性が確保でき、熱変色性材料の消色や変色と、粒子の剥離を同時に行うことができるという、化学的消去性と物理的消去性を兼ね備えた利便性と実用性に優れた摩擦体および筆記具を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、支持基材に摩擦部を取り付ける際にそれぞれの構造や金型を複雑にすることがなく、更に材料を限定することがなく、このため高いコストを掛けることなく、取り付け位置やデザインを幅広く選択できる摩擦体とそれを備えた筆記具を提供するものである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、弾性材料と粘性材料を組み合わせた粘弾性材料を摩擦体として使用することによって上記課題を解決できることを見出し、本発明に至ったものである。なお、粘弾性体とは、粘性体としての性質と弾性体としての性質とを兼ね備える材料からなるものである。一般に、粘性体では外力に応じて変形し、外力がなくなっても元の形には戻らない。一方、弾性体では外力に応じて変形するが、外力がなくなれば元の形に戻る。ある材料が粘弾性体か、あるいは粘性体または弾性体に近いのかは、例えば、その材料に一定のひずみを与えたときの応力緩和(応力の時間変化)の緩和時間を見ることで判別できる。緩和時間が観測の時間スケールに対して十分短ければ粘性体、長ければ弾性体であるといえ、同等のスケールであれば粘弾性体ということができる。
すなわち、本発明の主旨は次の通りである。
[1]下記要件(a)〜(b)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)とを含有し、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と前記熱可塑性エラストマー(B)との質量の比率[(A)/(B)]が10/90〜67/33である摩擦体用樹脂組成物(X)。
要件(a);示差走査型熱量計(DSC)による熱量測定において共重合体(A)の融点(Tm)が110℃以上160℃以下である。
要件(b);共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)とを含み、前記構成単位(i)と構成単位(ii)との合計を100モル%として、当該構成単位(i)79〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜21モル%とを含む。
[2]下記要件(x)〜(y)を満たす[1]に記載の摩擦体用樹脂組成物(X)。
要件(x); JIS K6253に準拠して、厚さ2mmのシートを3枚重ねた状態で測定される、押針接触開始から15秒後における摩擦体用樹脂組成物(X)のショアA硬度は、70以上95以下である。
要件(y); JIS K6253に準拠して、厚さ2mmのシートを3枚重ねた状態で測定される、前記摩擦体用樹脂組成物(X)のショアA硬度において、下記式で表される、押針接触直後におけるショアA硬度の値と押針接触から15秒後におけるショアA硬度の値との差ΔHSが、5以上20以下である。
ΔHS=(押針接触直後のショアA硬度値−押針接触15秒後のショアA硬度値)
[3]下記要件(z)を満たす[1]または[2]に記載の摩擦体用樹脂組成物(X)。
要件(z); 前記摩擦体用樹脂組成物(X)からなる厚さ2mmのシートをコピー紙に接触させ、100mmの幅を、試験速度7500mm/minで、23℃、2kg荷重にて200回往復させた際の摩耗量が0.1mg以下であり、40℃、1kg荷重にて500回往復させた際の摩耗量が0.1mg以下である。
[4]前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が下記要件(c)を満たす[1]〜[3]のいずれかに記載の摩擦体用樹脂組成物(X)。
要件(c);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られるtanδピーク温度が20℃以上45℃以下である。
[5]さらに結晶性ポリオレフィン(C)を含むことを特徴とする[1]〜[3]に記載の摩擦体用樹脂組成物(X)。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の摩擦体用組成物を含んでなることを特徴とする摩擦体。
[7]摩擦体が射出成形で作製させることを特徴とする[6]に記載の摩擦体。
[8]筆記具本体と、該筆記具本体に装着された[6]または[7]に記載の摩擦体とを備え、前記筆記具本体内に熱変色性インキを内蔵する筆記具。
[9]前記熱変色性インキ中に、平均粒子径が0.05μm以上、5.0μm以下である熱変色性マイクロカプセル顔料を含む[8]に記載の筆記具。
[10]前記熱変色性インキ中に、平均粒子径が0.1μm以上、50μm以下である金属光沢顔料を含むことを特徴とする[8]に記載の筆記具。
本発明の摩擦体は、黒鉛や非変色性インキ、熱変色性インキ中に金属光沢顔料が添加されているメタリック調の新規構成インキによる筆跡であっても、筆跡を摩擦することで黒鉛の消去や、熱変色性材料の消色や変色、金属光沢顔料の剥離を同時に行うことができる。
更に、本発明の摩擦体は、紙とこすられることによる破断が発生せずインキが消去でき、消去時に見栄えを損なうことなく軽い力で十分な筆跡消去性が確保でき、熱変色性材料の消色や変色と、粒子の剥離を同時に行うことができる。すなわち、本発明の摩擦体および筆記具は、化学的消去性と物理的消去性とを兼ね備えた利便性と実用性に優れる。
また、本発明の摩擦体は、支持基材に摩擦部を取り付ける際にそれぞれの構造や金型を複雑にすることがなく、更に材料を限定することがないので、高いコストを掛けることなく、取り付け位置やデザインを幅広く選択できる。
以下、本発明の摩擦体用樹脂組成物(X)、摩擦体、筆記具について説明する。本発明の摩擦体用樹脂組成物(X)は、4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)(以下、共重合体(A)ともいう)と熱可塑性エラストマー(B)を含む。
摩擦体用樹脂組成物(X)において、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と前記熱可塑性エラストマー(B)との質量の比率[(A)/(B)]は10/90〜67/33である。詳しくは、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、熱可塑性エラストマー(B)との合計量を100質量部とすると、柔軟性、応力緩和性の観点から、前記組成物中の共重合体(A)の含量の上限値は、通常67質量部、好ましくは50質量部、さらに好ましくは45質量部、特に好ましくは40質量部であり、下限値は、通常10質量部、好ましくは25質量部、さらに好ましくは30質量部、特に好ましくは35質量部である。
熱可塑性エラストマー(B)の含量の下限値は、通常33質量部、好ましくは50質量部、さらに好ましくは55質量部、特に好ましくは60質量部であり、上限値は、通常90質量部、好ましくは75質量部、さらに好ましくは70質量部、特に好ましくは65質量部である。
本発明の摩擦体用組成物(X)は、下記要件(x)と(y)を満たすことが好ましい。
要件(x)
JIS K6253に準拠して、厚さ2mmのシートを3枚重ねた状態で測定される、押針接触開始から15秒後における摩擦体用組成物(X)のショアA硬度は、70以上95以下であり、好ましくは、75以上95以下であり、より好ましくは、78以上95以下である。
押針接触開始直後のショアA硬度値が前記下限値以上であるものは、特に摩擦熱の発生効率が高く、筆跡を容易に熱変色させることができることからより好適である。尚、前記ショアA硬度値は、ショアD硬度を測定した値を換算したものであってもよい。
要件(y)
JIS K6253に準拠して、厚さ2mmのシートを3枚重ねた状態で測定される、摩擦体用組成物(X)のショアA硬度において、押針接触直後におけるショアA硬度の値と押針接触から15秒後におけるショアA硬度の値との差ΔHSは、5以上20以下であり、好ましくは、5以上15以下であり、より好ましくは、5以上13以下である。
なお、上記ΔHSは、以下の式に従って求められる値である。
ΔHS=(押針接触直後のショアA硬度値−押針接触15秒後のショアA硬度値)
ΔHSが前記上限値以下であると、摩擦体用組成物(X)から得られる摩擦体で紙面上の筆跡を擦過した際に、摩擦熱をより効率的に発生させることができる。また前記下限値以上であると、筆跡に含まれる粒状物(顔料)をより容易に吸着剥離できるものとなる。ΔHSは、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の配合量、コモノマー種及びコモノマー組成によって任意に変えることができる他、複数種を混合することでも任意に調整できる。
本発明の摩擦体用組成物(X)は、さらに下記要件(z)を満たすことが好ましい。
要件(z)
前記摩擦体用樹脂組成物(X)からなる厚さ2mmのシートをコピー紙に接触させ、100mmの幅を、試験速度7500mm/minで、23℃、2kg荷重にて200回往復させた際の摩耗量が0.11mg以下であり、好ましくは0.10mg以下である。また、40℃、1kg荷重にて500回往復させた際の摩耗量が0.1mg以下であり、好ましくは0.08mg以下であり、さらに好ましくは0.07mg以下である。摩耗量が前記上限値以下であると、摩擦体組成物(X)から得られる摩擦体で紙面上の筆跡及びインクを擦過した際に破損などが起こらず、また削りカスが発生しない。摩耗量は4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の配合量、コモノマー種及びコモノマー組成によって任意に変えることができる他、複数種を混合することでも任意に調整できる。
以下、摩擦体用樹脂組成物(X)を構成する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)、熱可塑性エラストマー(B)および結晶性ポリオレフィン(C)について説明する。
<4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、以下の要件(a)および(b)を満たし、さらに(c)を満たすことが好ましく、さらに(d)を満たすことがより好ましい。
要件(a);4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、示差走査熱量計(DSC)による熱量測定において融点(Tm)が110℃以上160℃以下である。このような要件を満たすことによって、本発明の摩擦体の引張物性の向上、摩耗量の低減、表面硬度を調整することが可能となる。
要件(b);4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、当該構成単位(i)79〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜21モル%とからなる。
すなわち、構成単位(i)の割合の下限値は、79モル%であるが、80モル%であることが好ましく、82モル%であることがさらに好ましい。一方、構成単位(i)の割合の上限値は、90モル%であるが、88モル%であることが好ましく、86モル%であることがより好ましい。このように、本発明では4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)における前記構成単位(i)の割合が前記下限値以上であることで、室温付近にtanδのピーク値温度を持つことになるため、形状追従性および応力緩和性が優れ、また、前記構成単位(i)の割合が前記上限値以下にあることで適度な柔軟性を持つ。
また、構成単位(ii)の割合の上限値は、21モル%であるが、20モル%であることが好ましく、18モル%であることがより好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の下限値は、10モル%であるが、12モル%であることが好ましく、14モル%であることがより好ましい。
前記構成単位(ii)を導くα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数2〜20、好ましくは炭素原子数2〜15、より好ましくは炭素原子数2〜10の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどの炭素原子数5〜20、好ましくは炭素原子数5〜15の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。これらの中でもエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
ここで、本発明の一態様において4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、通常、構成単位(i)および構成単位(ii)のみからなるものである。ただし、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、本発明の目的を損なわない程度の少量(たとえば、10モル%以下)であれば、構成単位(i)および構成単位(ii)のほかに、構成単位(iii)として、4−メチル−1−ペンテンおよび構成単位(ii)を導くα−オレフィンのいずれでもない他のモノマーから導かれる構成単位をさらに含んでいてもよい。このような他のモノマーの好ましい具体例としては、前記共重合体(A)が4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体の場合であれば、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
要件(c)
−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、共重合体(A)のtanδピーク温度は、20℃以上45℃以下であり、25℃以上45℃以下であることが好ましく、30℃以上41℃以下であることがより好ましく、35℃以上41℃以下であることがさらに好ましい。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)のtanδピーク温度を上記の温度範囲にすることで、室温でのtanδの値と摩擦時の強度をより高めることができる。また室温にtanδピーク値を持つことにより、共重合体(A)から得られる摩擦体の、黒鉛や熱変色性インキの消去性が向上する。
要件(d);
−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、tanδピーク値が、0.5以上5.0以下であることが好ましく、0.7以上4.0以下であることがより好ましく、0.9以上3.5以下であることがさらに好ましい。
tanδピーク値が前記範囲内であることにより、室温での粘性特性が増加し、結果として摩擦体の黒鉛や熱変色性インキの消去性が向上する。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の特に好ましい形態は、前記要件(a)、(b)、(c)および(d)に加えて、更に下記要件(e)〜(g)から選ばれる1以上、好ましくは2以上、より好ましくは全てを満たしている。
要件(e)
密度(ASTM D1505にて測定)が、830〜870kg/m3、好ましくは830〜865kg/m3、さらに好ましくは830〜855kg/m3である。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
密度は4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)のコモノマー組成比によって適宜変えることができ、密度が上記範囲内にある共重合体(A)は、軽量な摩擦体を成形することができる。
要件(f)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分子量分布;Mw/Mn)が、1.0〜3.5、好ましくは1.2〜3.0、さらに好ましくは1.5〜2.8の範囲である。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。前記Mw/Mnが3.5よりも大きいと、組成分布に由来する低分子量、低立体規則性ポリマーの影響が懸念されて、成形性が悪くなる場合がある。
ここで、本発明においては、後述する触媒を用いれば、上記要件(g)で示される極限粘度[η]の範囲内において、上記要件(f)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を得ることができる。なお、前記Mw/Mnおよび以下のMwの値は、後述する実施例において採用された方法で測定した場合の値である。
また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、好ましくは500〜10,000,000、より好ましくは1,000〜5,000,000、さらに好ましくは1,000〜2,500,000である。
要件(g)
デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0dL/g、好ましくは0.5〜4.0dL/g、より好ましくは0.5〜3.5dL/gの範囲である。
後述するように、共重合体を製造する際の重合中に水素を併用すると分子量を制御でき、低分子量体から高分子量体まで自在に得て極限粘度[η]を調整することが出来る。前記極限粘度[η]が0.1dL/gよりも小さい、または5.0dL/gよりも大きいと、射出成形加工性が損なわれる場合がある。
<4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法>
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法は、特に限定されず、前記共重合体(A)は、例えば、4−メチル−1−ペンテンと上述した「構成単位(ii)を導くα−オレフィン」とを適当な重合触媒存在下で重合することにより得ることができる。
ここで、本発明で用いることのできる重合触媒として、従来公知の触媒、例えばマグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3-193796号公報あるいは特開平02-41303号公報中、国際公開第2011/055803号、国際公開第2014/050817等に記載のメタロセン触媒などが好適に用いられる。
<熱可塑性エラストマー(B)>
本発明でいう熱可塑性エラストマーとは、融点以上に加熱すると熱可塑性の性質を示す一方、常温ではゴム弾性の性質を示すポリマーである。熱可塑性エラストマー(B)としては、具体的には、下記のポリオレフィン系エラストマー(B−1)、ポリスチレン系エラストマー(B−2)が挙げられる。
≪オレフィン系エラストマー(B−1)≫
オレフィン系エラストマー(B−1)の第1の態様としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、ポリイソブチレン、及びα−オレフィンからなる群より選ばれる1つとの共重合体が挙げられる。共重合の形態は、ブロック共重合、グラフト共重合のいずれでもよいが、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、α−オレフィンからなる共重合体の場合のみ、共重合の形態はランダム共重合であってもよい。前記α−オレフィンとは、分子鎖の片末端に二重結合を有するオレフィンのことであり、1−ブテンや1−オクテンなどが好ましく用いられる。
例えば硬質部となるポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するポリオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すモノマー共重合体とのブロック共重合体が挙げられ、具体的には、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィンブロック共重合体、ポリプロピレン・ポリオレフィン(非晶性)・ポリプロピレンブロック共重合体等を例示することができる。具体例としては、JSR株式会社から商品名:DYNARON(ダイナロン)(登録商標)、三井化学株式会社から商品名:タフマー(登録商標)、ノティオ(登録商標)、ダウケミカル株式会社から商品名:ENGAGE(登録商標)、VERSIFY(登録商標)、エクソンモービルケミカル株式会社から商品名:Vistamaxx(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
本発明でいうポリオレフィン系エラストマーの第2の態様としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、水素添加スチレンブタジエンからなる群より選ばれる1つとのブレンド物が挙げられる。このとき、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・ブテン共重合体は、部分的もしくは完全に架橋されていてもよい。
具体例としては、三井化学株式会社から商品名:ミラストマー(登録商標)、住友化学株式会社から商品名:エスポレックス(登録商標)、三菱ケミカル株式会社から商品名:サーモラン(登録商標)、ゼラス(登録商標) 、エクソンモービルケミカル社から商品名:Santoplene(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、本発明に係るオレフィン系エラストマーは、酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、アルコキシシリル基、シラノール基、シリルエーテル基、ヒドロキシル基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基で変性されていてもよい。
≪スチレン系エラストマー(B−2)≫
スチレン系エラストマー(B−2)としては、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと、軟質部となるジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(HSBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などを例示することができる。スチレン系エラストマーは、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いられる。
水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の具体例としては、JSR株式会社から商品名:ダイナロン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。 スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体は、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)を水素添加してなるものである。SISの具体例としては、JSR株式会社から商品名:JSR SIS(登録商標)として、株式会社クラレから商品名:ハイブラー(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトンD(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SEPSの具体例としては、株式会社クラレから商品名:セプトン(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SEBSの具体例としては、旭化成株式会社から商品名:タフテック(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SIB、SIBSの具体例としては、株式会社カネカから商品名:シブスター(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
摩擦体用樹脂組成物(X1)において4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、熱可塑性エラストマー(B)と結晶性ポリオレフィン(C)の合計量を100質量部とすると、柔軟性、応力緩和性の観点から、前記組成物中の共重合体(A)の含量の上限値は、通常50質量部、好ましくは48質量部、さらに好ましくは45質量部特に好ましくは40質量部であり、下限値は、通常20質量部、好ましくは25質量部、さらに好ましくは30質量部である。
熱可塑性エラストマー(B)の含量の下限値は、通常20質量部、好ましくは25質量部、さらに好ましくは30質量部であり、上限値は、通常80質量部、好ましくは75質量部、さらに好ましくは70質量部、特に好ましくは65質量部である。
また結晶性ポリオレフィン(C)の含有量の下限値は、通常5質量部、好ましくは7質量部、さらに好ましくは10質量部であり、上限値は、40質量部、好ましくは35質量部、さらに好ましくは30質量部である。
<結晶性ポリオレフィン(C)>
本発明の摩擦体用組成物(X)は、結晶性ポリオレフィン(C)を含んでいてもよい。結晶性ポリオレフィン(C)は、従来公知である、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィンなどが挙げられる。
結晶性ポリオレフィン(C)の配合量が上記範囲内にあることで、得られる摩擦体に適度な硬度を付与することができ消去性に寄与することが可能となる。
<添加剤>
本発明の摩擦体用樹脂組成物(X)は、副次的添加物を加えて種々の改質が行われたものであってもよい。副次的添加剤の具体例として、可塑剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、離型剤、抗菌剤、核形成剤、熱安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、着色防止剤、調整剤、艶消し剤、消泡剤、防腐剤、ゲル化剤、ラテックス、フィラー、インク、着色料、染料、顔料、香料などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの副次的添加物は単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。
可塑剤としては、芳香族カルボン酸エステル(フタル酸ジブチル等)、脂肪族カルボン酸エステル(メチルアセチルリシノレート等)、脂肪族ジアルボン酸エステル(アジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステル等)、脂肪族トリカルボン酸エステル(クエン酸トリエチル等)、リン酸トリエステル(リン酸トリフェニル等)、エポキシ脂肪酸エステル(ステアリン酸エポキシブチル等)、石油樹脂等が挙げられる。
離型剤としては、高級脂肪酸の低級(C1〜4)アルコールエステル(ステアリン酸ブチル等)、脂肪酸(C4〜30)の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)、脂肪酸のグリコールエステル、流動パラフィン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等)、多環フェノール系(2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等)、リン系(テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスフォネート等)、アミン系(N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン等)の酸化防止剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、アクリレート系等が挙げられる。
抗菌剤としては、4級アンモニウム塩、ピリジン系化合物、有機酸、有機酸エステル、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素等が挙げられる。
界面活性剤としては非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を挙げることができる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビットもしくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン性界面活性剤などが挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両面界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキル時ヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
帯電防止剤としては、上記の界面活性剤、脂肪酸エステル、高分子型帯電防止剤が挙げられる。脂肪酸エステルとしてはステアリン酸やオレイン酸のエステルなどが挙げられ、高分子型帯電防止剤としてはポリエーテルエステルアミドが挙げられる。
顔料としては、無機含量(酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、硫化カドミウム等)、有機顔料(アゾレーキ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アントラキノン系)が挙げられる。染料としてはアゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系等が挙げられる。これら顔料および染料の添加量は、特に限定されないが、前記共重合体(A)100質量部に対して、合計で、通常5質量部以下、好ましくは0.1〜3質量部である。
スリップ剤としては、ワックス(カルナバロウワックス等)、高級脂肪酸(ステアリン酸等)、講習脂肪酸塩(ステアリン酸カルシウム等)、高級アルコール(ステアリルアルコール等)、高級脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等)等が挙げられる。
上記の各種添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて、特に限定されないが、前記4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(A)100質量部に対して、それぞれ、0.01〜30質量部であることが好ましい。
<摩擦体用樹脂組成物(X)の製造方法>
本発明の摩擦体用樹脂組成物(X)の製造方法には特に限定はなく、例えば従来公知の製造方法が使用できる。各成分を溶媒に溶かした溶液を均一混合した後、溶媒を除去して組成物を製造することも可能であるが、溶媒へ原料の溶解、溶媒除去等の工程が不要で、実用的な製造方法である、各成分を溶融混練することにより組成物を製造する溶融混練法を採用することが好ましい。その溶融混練方法については、特に制限はなく、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、単軸または二軸押出機等の通常使用されている公知の混合機を用いて、例えば180〜250℃下で溶融混錬後、造粒あるいは粉砕する方法を採用することができる。それらの中でも混合性や生産性の観点から、二軸押出機の使用が好ましい。該方法により、各成分および添加剤が均一に分散混合された高品質の樹脂組成物ペレットを得ることができる。
<摩擦体>
本発明の摩擦体は、前記摩擦体用樹脂組成物(X)を含んでなることを特徴とする。本発明の摩擦体は、その作製方法に特に制限はないが、例えば、摩擦体用樹脂組成物(X)から射出成形により好適に作製することができる。
前記摩擦体は、従来の摩擦体と同様に、熱変色性インキによる筆跡を擦過することで摩擦熱によって筆跡を消色、変色させるために用いられる。その際、本発明の摩擦体は、弾性体として作用することで摩擦熱を発し、さらに粘性体としても作用することで吸着剥離性能が得られるため、一つの摩擦体で化学的消去性と物理的消去性を兼ね備えることができる。
前記摩擦体を用いることで、新規構成のインキによる筆跡であっても、紙とこすられることによる破断が発生せずインキが消去でき、消去時に筆跡やその周辺に残色を生じて見栄えを損なうということがなく、十分な筆跡消去性が確保できる利便性と実用性に優れた筆記具及び筆記セットが得られる。その際、本発明の摩擦体は、従来の筆記具本体に設けられている摩擦体と同様に、一部材で形成できるため、筆記具外装がそのまま利用できることから汎用性が高いものとなる。また前記摩擦体は、従来の消しゴムと類似の作用を発現できることから、例えば紙面から黒鉛を剥離することも可能となる。そのため、本発明の摩擦体は、ひとつの摩擦体で熱変色性インキの熱変色と、鉛筆芯、シャープ芯等による筆跡の除去とを可能にする新しい消去具を構成できる。
<摩擦体組成物を有する筆記具>
前記摩擦体組成物および摩擦体は、筆跡を擦過できる形態で構成され実用に供される。その際、摩擦体は単独で構成される他、摩擦部分が筆跡(紙面)に接触できる形態で硬質樹脂等の他部材へ併設する等、把持できる状態で構成されればよい。その他、熱変色性インキを内蔵する筆記具に設けた熱変色性筆記具形態や、別体からなる熱変色性インキを内蔵する筆記具形態などとして構成することができる。例えば、本発明の筆記具は、筆記具本体と、該筆記具本体に装着された前記摩擦体とを備え、前記筆記具本体内に熱変色性インキを内蔵する。
前記筆記具の形態としては、万年筆、マーキングペン、ボールペン、繰り出し式固形筆記具等が挙げられ、ペン先(チップ)を覆うキャップを備えたキャップ式形態の他、ノック式、回転式、スライド式等の出没機構を有し、軸筒内にペン先を収容可能な出没式形態であってもよい。出没式形態とする場合、レフィルを一本収容するタイプだけでなく、二本以上収容して所望のレフィルを選択的に出没できる複式タイプとすることもできる。また、相異なる形態のペン先を装着させたり、相異なる色相のインキを導出させるペン先を装着させたりする両頭式形態であってもよい。
マーキングペンとしては、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、金属チップ等のマーキングペン用ペン先を筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、弁機構により筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペン等が挙げられる。
ボールペンとしては、例えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、更にインキの端面にはインキ逆流防止体が密接する構造、チップを軸筒先端に接続し、該軸筒内にインキ組成物を直に充填すると共に、インキの端面にインキ逆流防止体が密接する構造、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、チップにインキを供給する構造、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させてチップに所定量のインキを供給する構造のボールペン等が例示できる。また、チップを軸筒先端に接続してインキを直に充填する構造のボールペンは、インキを充填した外装に転写層を形成した後に透明外軸内に収容した構造であってもよい。
筆記具に収容されるインキとして、通常の非変色性インキを収容することができる他、従来汎用の加熱により消色或いは変色可能な熱変色性インキを適用することができる。
本発明の摩擦具で擦過する熱変色部は、前記熱変色性筆記具によって紙面等に形成された筆跡の他、スタンプによる印影や、印刷や塗装によって形成された熱変色層(像形態やベタ状のもの)が適用される。
<熱変色性筆記具>
前記摩擦体を供えた熱変色性筆記具としては、熱変色性インキを収容し、熱変色性の筆跡を形成できるものであれば水性インキ、油性インキを問わず、どのような形態であってもよい。尚、本発明による熱変色性インキとは、筆跡を形成する材料の総称であり、鉛筆芯等の形態も含む。以下に詳細を説明する。
前記筆記具に収容される熱変色性インキとしては、従来汎用の加熱により消色或いは変色可能なインキがいずれも適用できる。尚、インキ中に配合される着色剤としては、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、及び前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物を用いたものが好適であり、特に、可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させてなるマイクロカプセル顔料が有効である。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔHが1℃以上7℃以下)を有する可逆熱変色性組成物が例示でき、これをマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
更に前記可逆熱変色性組成物として、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている比較的大きなヒステリシス特性(ΔH値が8℃以上50℃以下)を示すものや、特開2006−137886号公報、特開2006−188660号公報、特開2008−45062号公報、特開2008−280523号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示すものが例示できる。ヒステリシス特性が大きいとは、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色することを意味する。このような可逆熱変色性組成物は、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有し、これを内包する加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
尚、前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−50℃以上0℃以下、好ましくは−40℃以上−5℃以下、より好ましくは−30℃以上−10℃以下、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱で得られる温度、即ち50℃以上95℃以下、好ましくは50℃以上90℃以下、より好ましくは60℃以上80℃以下の範囲に特定し、ΔH値を40℃以上100℃以下に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができるものを挙げることができる。
マイクロカプセル顔料とする場合、その平均粒子径が例えば0.05μm以上5.0μm以下、好ましくは0.1μm以上4.0μm以下、より好ましくは0.5μm以上3.0μm以下の範囲のものが筆記性能と筆跡濃度の点から好適である。更に、本発明の摩擦体を用いた消色性能をより効率的に発揮することを目的とし、マイクロカプセル顔料の平均粒子径を2.0μm以上とした際には、摩擦熱による化学的消色と、吸着剥離による物理的消去を利用した消色(変色)が可能となるため、不可逆的な消去や変色には高い効果を発揮する。尚、平均粒子径は、マウンテック社製の画像解析式粒度分布測定ソフトウェア「マックビュー」を用いて粒子の領域を判定し、粒子の領域の面積から投影面積円相当径(Heywood径)を算出し、その値による等体積球相当の粒子の平均粒子径として測定した値である。
また、全ての粒子或いは大部分の粒子の粒子径が0.2μmを超える場合は、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製、製品名:Multisizer 4e)を用いてコールター法により等体積球相当の粒子の平均粒子径として平均粒子径を測定することも可能である。更に、着色剤成分として、筆跡に熱変色を伴わない所望の色相を付与するために、染料や一般顔料等を使用することが可能である。例えば、染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。一般顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤等を用いて微細に安定的に媒体中に分散された分散顔料製品等が用いられる。その他、金属粉やパール顔料等の金属光沢顔料、蛍光顔料、蓄光性顔料、二酸化チタン等の特殊顔料も適用できる。尚、これらの着色成分は前述のマイクロカプセル顔料と併用されてもよいし、前述のマイクロカプセル顔料中に内包させることもできる。
特に、金属光沢顔料を熱変色性インキに添加した場合、メタリック調のインキが構成できるため、筆記時には光沢感を備えた装飾性に富んだ筆跡が形成され、より有用なものとなる。また、前述の熱変色性マイクロカプセル顔料を着色剤として使用した際には、前記熱変色性マイクロカプセル顔料が透明化した際に得られる白紙上の筆跡が、光輝性もなく完全に消去したように視覚されることから、透明性金属光沢顔料が有用である。
前記筆跡を消去する場合、熱変色と剥離除去をする必要があるために、従来はショア硬度が大きい弾性体からなる摩擦体と、ショア硬度が小さい弾性体や消しゴムの二種類を用いる必要があった。しかしながら、本発明の摩擦体であれば、一つの摩擦体を用いた一度の擦過で、摩擦熱と吸着剥離による消色(変色)が可能となるため、特に利便性が高いものとなる。特に、使用する金属光沢顔料の平均粒子径が10μm以上である場合には、光輝性の高い筆跡が得られるとともに、吸着剥離性が高くなるため、筆跡装飾性と不可逆的消去性に高い効果を発揮する。
前記透明性金属光沢顔料としては、天然雲母、合成雲母、偏平ガラス片、薄片状酸化アルミニウム等から選ばれる材料を芯物質とし、前記芯物質を金属酸化物で被覆した光輝顔料、コレステリック液晶型光輝顔料が挙げられる。
天然雲母を芯物質とする光輝顔料は、その表面に酸化チタンを被覆したもの、前記酸化チタンの上層に酸化鉄や非熱変色性染顔料を被覆したもの等が有効であり、具体的には、メルク社製の商品名「イリオジン」、エンゲルハード社製の商品名「ルミナカラーズ」等を例示できる。合成雲母を芯物質とする光輝顔料は、その表面を酸化チタン等の金属酸化
物で被覆したものが有効であり、金属酸化物としては、チタン、ジルコニウム、クロム、バナジウム、鉄等の金属酸化物を例示でき、好適には酸化チタンを主成分とする金属酸化物が挙げられる。具体的には、日本光研工業(株)製の商品名「アルティミカ」等を例示できる。偏平ガラス片を芯物質とする光輝顔料は、その表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆したもの等が有効であり、具体的には、日本板硝子(株)製の商品名「メタシャイン」等を例示できる。
薄片状酸化アルミニウムを芯物質とする光輝顔料は、その表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆したものが有効であり、金属酸化物としては、チタン、ジルコニウム、クロム、バナジウム、鉄等の金属酸化物を例示でき、好適には酸化チタンを主成分とする金属酸化物が挙げられる。具体的には、メルク社製の商品名「シラリック」等を例示できる。 コレステリック液晶型光輝顔料として用いられる液晶ポリマーは、光の干渉効果によって広いスペクトル領域で入射する光の一部の領域のみが反射し、これ以外の領域は全て光が透過する性質を有するものであり、優れた金属光沢と視点により色相が変化するカラーフロップ性を有する。また、透明性も有する。前記コレステリック液晶型光輝顔料として具体的には、ワッカーケミー社製の商品名「ヘリコーンHC」等を例示できる。また、フィルムに金、銀等金属を真空蒸着させた後、箔を剥離して細かく粉砕した光輝性材料として、尾池工業(株)製の商品名「エルジーneo」等を例示できる。
前記金属光沢顔料は、その平均粒子径が0.1μm以上50μm以下、好ましくは2μm以上40μm以下、より好ましくは10μm以上40μm以下の範囲のものが筆記性能と輝度の点から好適である。尚、平均粒子径の測定はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製;LA−300〕を用いて粒子径分布を測定し、その数値を基に体積基準で平均粒子径(メジアン径)を算出する。
特に、平均粒子径が10μm以上のものは輝度が極めて高い反面、筆記時に紙面内に浸透し難い。そのため、弾性体からなる従来の摩擦体での擦過では散らばる傾向があり、視認角度によっては擦過部分全体に散乱した金属光沢顔料が視覚され、見栄えを損なうことがある。特に、黒紙上では高い輝きが強調されるため、更に見栄えが悪いものとなる。一方、粘弾性体からなる摩擦体を用いて擦過することで、前記金属光沢顔料を吸着することが可能となり、擦過部分に散乱させることなく剥離し、筆跡をきれいに消去することができる。従って、金属光沢調熱変色性インキによる筆跡は、摩擦熱による化学的消色と、吸着剥離による物理的消去を利用した消色(変色)が可能となるため、不可逆的な消去や変色には特に高い効果を発揮する。
熱変色性インキには、その他必要に応じて、各種添加剤を添加することもできる。水性インキであれば、従来適用されるような、pH調整剤、防錆剤、防腐剤或いは防黴剤、湿潤剤、消泡剤、界面活性剤、潤滑剤、樹脂等の定着剤、剪断減粘性付与剤、ペン先乾燥防止剤、垂れ下がり防止剤等を添加することができる。また、油性インキであれば、従来適用されるような、粘性調節剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、潤滑剤、分散剤、カスレ防止剤、洩れ防止剤、界面活性剤等を添加することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における各種物性は以下の方法により測定した。
〔組成〕
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)中の各構成単位(4−メチル−1−ペンテン(4MP1)及びα−オレフィン(AO))の含有率(モル%)は、13C−NMRにより測定した。
・測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
・観測核:13C(125MHz)
・シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
・パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
・繰り返し時間:5.5秒
・積算回数:1万回以上
・溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
・試料濃度:55mg/0.6mL
・測定温度:120℃
・ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
〔極限粘度[η]〕
共重合体の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用い、デカリン溶媒中、135℃で測定した。
約20mgの特定4MP1系共重合体をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求める(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
〔重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)〕
共重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。
−条件−
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示唆屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
〔メルトフローレート(MFR)〕
メルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定した。単位は、g/10minである。
〔密度〕
共重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定した。この密度(kg/m3)を軽量性の指標とした。
〔融点(Tm)〕
共重合体の融点(Tm)は、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定した。約5mgの重合体を、測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱する。重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却する。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体の融点(Tm)とする。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用する。
〔動的粘弾性〕
共重合体および樹脂組成物の動的粘弾性の測定では、ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、0〜40℃の範囲でガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)がピーク値(最大値)となる際の温度(以下「ピーク値温度」ともいう。)、およびその際の損失正接(tanδ)の値を測定した。
〔ショアA硬度〕
ショアA硬度の測定では、実施例および比較例で得られた厚さ2mmのシートを3枚重ねて測定試料として用い、JIS K6253に準拠して押針直後の数値を読み取り、その状態で15秒間静置させたときの数値を読み取った。またショアA硬度の変化ΔHSを下記の式で算出した。
ΔHS=(押針接触開始直後のショアA硬度値−押針接触15秒後のショアA硬度値)
〔摩耗性評価〕
摩耗性の測定では、実施例及び比較例で得られた厚さ2mmのシートを5mm×5mmに切り取って測定試料として用い、新東科学社製学振摩耗試験機(トライボギア Type 30S)の摩耗治具に測定試料を貼付けて、コピー紙(PPC Paper TypeFw)と摩擦体が接した状態で、所定の荷重をかけて、試験速度7500mm/minで100mm幅を所定回数(200回または500回)往復させた。試験は23℃、2kg荷重で200回、40℃、1kg荷重で500回の2条件で実施し、測定前の測定試料の質量から測定後の測定試料の質量を差し引いて得られた質量を摩擦体の摩耗量として求めた。
〔鉛筆・ボールペン消去性試験〕
市販のボールペンおよび市販の鉛筆(トンボ鉛筆製、8900−B)を用いて、筆記用紙A(白紙)に手書きで螺旋状の丸を10個連続筆記した後、筆跡を摩擦体で擦過して消去させた際の状態を目視により確認した。試験結果の評価を表2に記載した。
A:残色を生じることなく熱変色性の筆跡又は黒鉛の筆跡が消去された。
B:熱変色性の筆跡又は黒鉛の筆跡が薄く残り、黒鉛が散って筆跡周辺を汚染した。
C:熱変色性の筆跡又は黒鉛の筆跡がまったく消去されなかった。
〔消しカスの発生〕
市販のボールペンおよび市販の鉛筆(トンボ鉛筆製、8900−B)を用いて、筆記用紙A(白紙)に手書きで螺旋状の丸を10個連続筆記した後、筆跡を摩擦体で擦過して、擦過後に摩擦体からの消しカス(消しゴム屑)の発生の有無を確認した。試験結果の評価を表2に記載した。
A:消しカスの発生が認められず、実用上問題なかった。
B:摩擦体の表面が剥離して、少量の消しカスが発生し、消しカスが摩擦体に付着したが実用上問題はなかった。
C:多量の消しカスが発生し、実用上問題があった。
<合成例1>
<4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(A−1)の合成>
充分に窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でノルマルヘキサンを300ml(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、4−メチル−1−ペンテンを450ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml挿入して攪拌した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.19MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいたメチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.01mmol含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブの内温が60℃になるように温度を調整した。重合を開始してから60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。次いで、反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を、100℃、減圧下で12時間乾燥した。得られた4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(A−1)(以下、共重合体(A−1)ともいう)は44.0gであり、該樹脂中の4−メチル−1−ペンテン含量は84.1mol%、プロピレン含量は15.9mol%であった。DSCで測定を行ったところ、融点は132℃であった。得られた共重合体(A−1)の各種物性の測定結果を表1に示す。
<4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(a−1)の合成>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.40MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、100℃で12時間乾燥させて、36.9gの粉末状の4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(a−1)(以下、共重合体(a−1)ともいう)を得た。得られた共重合体(a−1)の各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体(a−1)中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は72.5mol%、プロピレンの含有率は27.5mol%であった。DSCで測定を行ったところ、融点(Tm)は観測されなかった。
Figure 2021154508
<熱可塑性エラストマー(B)>
熱可塑性エラストマー(B)は下記のものを用いた。
熱可塑性エラストマー(B−1):三井化学株式会社製ミラストマー(銘柄:8030NS)
熱可塑性エラストマー(B−2):三井化学株式会社製ミラストマー(銘柄:5030NS)
熱可塑性エラストマー(B−3):三井化学株式会社製ミラストマー(銘柄:7030NS)
熱可塑性エラストマー(B−4):旭化成株式会社製タフテック (銘柄:H1221)
<結晶性ポリオレフィン(C)
結晶性ポリオレフィン(C)は下記のものを用いた。
ポリオレフィン(C−1):プライムポリマー株式会社製エボリュー(銘柄:SP4030)
ポリオレフィン(C−2):プライムポリマー株式会社製プライムポリプロ(銘柄:J−2000GP)
<実施例1>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1) 40質量部、熱可塑性エラストマー(B−2) 60質量部を混合し、混合して、二次抗酸化剤としての耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピネートを0.2質量部配合した。然る後に、(株)プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー系30mmφ、L/D=46)を用い、設定温度230℃、樹脂押出量60g/minおよび200rpmの条件で造粒してペレット化して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械株式会社製)のホッパーに投入した。そして、シリンダー温度を230℃、ダイス温度を230℃に設定し、120×120×2mmシートを成形した。得られたシートの物性評価結果と、シートを5mm×5mmのサイズに切り出して摩擦体としての消去性評価結果を表2に示す。
<実施例2>
熱可塑性エラストマー(B−2)に替えて熱可塑性エラストマー(B−1)を40質量部用い、さらに結晶性ポリオレフィン(C−1)を20質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例2のシート及び摩擦体を得た。得られたシート及び摩擦体の物性評価結果を表2に示す。
<実施例3>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を20質量部、可塑性エラストマー(B−2)に替えて可塑性エラストマー(B−3)を80質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例4のシート及び摩擦体を得た。得られたシート及び摩擦体の物性評価結果を表2に示す。
<実施例4>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を30質量部、可塑性エラストマー(B−2)に替えて可塑性エラストマー(B−3)を70質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例5のシート及び摩擦体を得た。得られたシート及び摩擦体の物性評価結果を表2に示す。
<比較例1>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)に替えて4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(a−1)を30質量部、可塑性エラストマー(B−2)に替えて可塑性エラストマー(B−3)を70質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により比較例1のシート及び摩擦体を得た。得られたシート及び摩擦体の物性評価結果を表2に示す。
<比較例2>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を使用せず、熱可塑性エラストマー(B−2)に替えて熱可塑性エラストマー(B−4)を100質量部用いた以外は実施例1及び摩擦体と同様の方法により比較例2のシートを得た。得られたシート及び摩擦体の物性評価結果を表2に示す。ただし、摩耗性評価については、23℃、2kg荷重で200回の試験、および40℃、1kg荷重で500回の試験とも、試験中に紙が破断したため、摩耗量を求めることができなかった。
<比較例3>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を使用せず、熱可塑性エラストマー(B−2)に替えて熱可塑性エラストマー(B−4)を50質量部用い、さらに結晶性ポリオレフィン(C−2)を50質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により比較例3のシート及び摩擦体を得た。得られたシート及び摩擦体の物性評価結果を表2に示す。ただし、摩耗性評価については、23℃、2kg荷重で200回の試験では、試験中に紙が破断したため、摩耗量を求めることができなかった。
<比較例4>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を100質量部用い、熱可塑性エラストマー(B−2)を使用しなかった以外は実施例1と同様の方法により比較例4のシート及び摩擦体を得た。得られたシート及び摩擦体の物性評価結果を表2に示す。
Figure 2021154508
表2より、消去性試験の具体的な結果として、筆跡を繰り返し擦ることで、本発明の摩擦体が粘性体としての性能を発揮し、摩擦熱が発生して熱変色性顔料が透明化することがわかる。また摩耗試験の結果から、こすった際も破断せず、摩耗量も少ないことが分かる。そのため、紙面上を汚染することなく、筆跡がきれいに消去されることとなったと考えられる。

Claims (10)

  1. 下記要件(a)〜(b)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)とを含有し、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と前記熱可塑性エラストマー(B)との質量の比率[(A)/(B)]が10/90〜67/33である摩擦体用樹脂組成物(X)。
    要件(a);示差走査型熱量計(DSC)による熱量測定において共重合体(A)の融点(Tm)が110℃以上160℃以下である。
    要件(b);共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)とを含み、前記構成単位(i)と構成単位(ii)との合計を100モル%として、構成単位(i)79〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜21モル%とを含む。
  2. 下記要件(x)および(y)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の摩擦体用樹脂組成物(X)。
    要件(x)
    JIS K6253に準拠して、厚さ2mmのシートを3枚重ねた状態で測定される、押針接触開始から15秒後における前記摩擦体用樹脂組成物(X)のショアA硬度は、70以上95以下である。
    要件(y)
    JIS K6253に準拠して、厚さ2mmのシートを3枚重ねた状態で測定される、前記摩擦体用樹脂組成物(X)のショアA硬度において、下記式で表される、押針接触直後におけるショアA硬度の値と押針接触から15秒後におけるショアA硬度の値との差ΔHSが、5以上20以下である。
    ΔHS=(押針接触直後のショアA硬度値−押針接触15秒後のショアA硬度値)
  3. 下記要件(z)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦体用樹脂組成物(X)。
    要件(z)
    前記摩擦体用樹脂組成物(X)からなる厚さ2mmのシートをコピー紙に接触させ、100mmの幅を、試験速度7500mm/minで、23℃、2kg荷重にて200回往復させた際の摩耗量が0.11mg以下であり、40℃、1kg荷重にて500回往復させた際の摩耗量が0.10mg以下である。
  4. 前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が下記要件(c)を満たすことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の摩擦体用樹脂組成物(X)。
    要件(c);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られるtanδピーク温度が20℃以上45℃以下である。
  5. さらに結晶性ポリオレフィン(C)を含むことを特徴とする請求項1〜4にいずれかに記載の摩擦体用樹脂組成物(X)。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の摩擦体用組成物(X)を含んでなることを特徴とする摩擦体。
  7. 射出成形で作製させることを特徴とする請求項6に記載の摩擦体。
  8. 筆記具本体と、該筆記具本体に装着された請求項6または7に記載の摩擦体とを備え、前記筆記具本体内に熱変色性インキを内蔵する筆記具。
  9. 前記熱変色性インキ中に、平均粒子径が0.05μm以上、5.0μm以下である熱変色性マイクロカプセル顔料を含むことを特徴とする、請求項8に記載の筆記具。
  10. 熱変色性インキ中に、平均粒子径が0.1μm以上、50μm以下である金属光沢顔料を含むことを特徴とする、請求項8に記載の筆記具。
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