以下に、実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は模式的又は概念的なものであり、各図面の寸法及び比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。本発明の技術的思想は、構成要素の形状、構造、配置等によって特定されるものではない。
尚、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付す。参照符号を構成する文字の後の数字は、同じ文字を含んだ参照符号によって参照され、且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために使用される。同様に、参照符号を構成する数字の後の文字は、同じ数字を含んだ参照符号によって参照され、且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために使用される。
[1]第1実施形態
以下に、第1実施形態に係る運転特性評価装置10について説明する。本明細書では、運転特性評価装置10を使用するユーザ(運転者)によって運転される車両のことを自車両OVと呼び、その他の車両のことを他車両SVと呼ぶ。“前方”は、自車両OVの進行方向に対応している。“後方”は、自車両OVの進行方向の逆方向に対応している。“横方向”は、自車両OVの左方又は右方に対応している。また、自車両OVの進行方向を“正方向”、 自車両OVの進行方向の逆方向を“負方向”と定義する。
図1は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10の使用例を示している。図1に示すように、第1実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVに備え付けられている。そして、第1実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVと他車両SVとの相対的な位置関係に基づいた運転特性を記録する。
[1−1]構成
[1−1−1]運転特性評価システムの構成
図2は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10を備える自車両OVの構成の一例を示している。図2に示すように、自車両OVは、例えば、運転特性評価装置10、映像撮影装置20、距離計測装置30、速度センサ40、前照灯50、警音器60、マイク70、スピーカ80、及び表示装置90を備えている。
運転特性評価装置10は、自車両OVの電子制御装置に接続され、自車両OVの運転状態に基づいた運転特性の記録と、運転者への通知とを実行することができる。例えば、運転特性評価装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶装置14、クロック15、及びハードウェアインターフェース16を備えている。
CPU11は、様々なプログラムを実行することが可能な回路であり、運転特性評価装置10の全体の動作を制御する。ROM12は、不揮発性の半導体メモリであり、運転特性評価装置10を制御するためのプログラムや制御データ等を保持している。RAM13は、例えば揮発性の半導体メモリであり、CPU11の作業領域として使用される。記憶装置14は、例えば不揮発性の半導体メモリであり、後述する運転特性記録動作によって得られた運転特性のデータを保持する。クロック15は、現在の時刻情報の供給や、動作時間の管理に使用される。ハードウェアインターフェース16は、映像撮影装置20、距離計測装置30、速度センサ40、前照灯50、警音器60、マイク70、スピーカ80、及び表示装置90のそれぞれと直接的又は間接的に接続され、これらの機器と運転特性評価装置10内の各構成との間の通信を中継する。
映像撮影装置20は、自車両OVの周辺(自車両OVの前方、後方、左方、及び右方)の映像を撮影する。例えば、映像撮影装置20は、外部接続又は内蔵された、前方カメラ、後方カメラ、左方カメラ、及び右方カメラを含んでいる。映像撮影装置20は、例えばドライブレコーダである。映像撮影装置20によって撮影された各方向の映像は、運転特性評価装置10に送信される。
距離計測装置30は、自車両OVの周辺のオブジェクトとの距離を計測する。例えば、映像撮影装置20は、外部接続又は内蔵された、前方センサ、後方センサ、左方センサ、及び右方センサを含んでいる。これらのセンサとしては、例えばLiDAR(Light Detection and Ranging)、ミリ波レーダ、超音波レーダ等が使用され得る。距離計測装置30によって計測された各方向のオブジェクトと自車両OVとの距離の情報は、運転特性評価装置10に送信される。
速度センサ40は、自車両OVの速度を計測する。速度センサ40は、例えば車輪の角速度を利用して、自車両OVの速度を算出する。これに限定されず、速度センサ40は、人工衛星から送られてくる信号を利用して速度を算出しても良い。自車両OVの速度計測には、あらゆる方法が使用され得る。速度センサ40によって計測された自車両OVの速度の情報は、運転特性評価装置10に送信される。
前照灯50は、自車両OVの前方に光を照射する。運転者は、自車両OVの前方の照射範囲が狭いロービームと、自車両OVの前方の照射範囲が広いハイビームとを切り替えて利用し得る。前照灯50がハイビームに設定されると、ハイビームが使用されていることを示す信号が運転特性評価装置10に送信される。尚、前照灯50は、自車両OVの周囲の状況に応じて、自動的にロービーム及びハイビーム間で切り替えられても良い。この場合、運転特性評価装置10には、オートハイビームであることを示す信号も送信される。
警音器60は、運転者の操作に基づいて、自車両OVの周囲に危険を警告するための音(クラクション)を発する機器である。警音器60が使用されると、警音器60が使用されたことを示す信号が運転特性評価装置10に送信される。
マイク70は、音を電気信号に変換する。マイク70は、例えば自車両OVの内部に取り付けられる。マイク70の設置箇所は、少なくとも運転者の音声を拾うことが可能であれば、自車両OVのどの箇所に設置されても良い。マイク70によって取得された音声データは、運転特性評価装置10に送信される。
スピーカ80は、自車両OVの内部に取り付けられた発音機器である。そして、スピーカ80は、運転特性評価装置10からの入力に基づいた音を発することができる。
表示装置90は、例えば運転者の視界に入る位置に配置され、運転特性評価装置10の指示に基づいた所定の情報を表示する。表示装置90は、例えば警告灯である。表示装置90は、運転者に運転特性を通知することが可能であれば良く、画像を表示することが可能な液晶ディスプレイ等であっても良い。
[1−1−2]運転特性評価装置10の機能構成
図3は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10の機能構成の一例を示している。図3に示すように、第1実施形態に係る運転特性評価装置10は、後述する運転特性評価動作を実行する場合に、例えば、車両検出部101、車間距離算出部102、車線変更判定部103、速度取得部104、適正車間距離算出部105、加速度算出部106、運転特性判定部107、及び記憶部108として機能する。
車両検出部101は、映像撮影装置20から転送された映像データを用いて、自車両OVの前方、後方及び横方向のそれぞれに、他車両SVが存在するか否かを判定する。車間距離算出部102は、距離計測装置30から転送された距離データを用いて、車両検出部101によって他車両SVが検出された方向における、自車両OVと他車両SVとの間の距離を算出する。そして、車間距離算出部102は、算出した車間距離情報を運転特性判定部107に転送する。車線変更判定部103は、映像撮影装置20から転送された映像データを用いて、自車両OVが車線変更したか否かを判定する。そして、車線変更判定部103は、車線変更の判定結果に関する情報を運転特性判定部107に転送する。
速度取得部104は、速度センサ40から自車両OVの速度情報を取得し、取得した速度情報を適正車間距離算出部105と加速度算出部106とのそれぞれに転送する。適正車間距離算出部105は、転送された速度情報を用いて自車両OVと他車両SVとの適正車間距離を算出し、算出した適正車間距離情報を運転特性判定部107に転送する。加速度算出部106は、転送された速度情報と時間経過に基づいて自車両OVの加速度を算出し、算出した加速度情報を運転特性判定部107に転送する。
運転特性判定部107は、車間距離算出部102から転送された車間距離情報と、適正車間距離算出部105から転送された適正車間距離情報と、加速度算出部106から転送された加速度情報との少なくとも一つに基づいて、運転者の運転特性を判定する。記憶部108は、データテーブルセットTSと、運転特性データ109とを保持している。データテーブルセットTSは、後述する運転特性評価動作において使用される。運転特性データ109は、運転者の運転特性を記録する。データテーブルセットTSと運転特性データ109とは、例えば運転特性判定部107によって参照及び更新される。
[1−2]動作
第1実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVと他車両SVとの相対的な位置関係に基づいた運転特性評価動作を実行する。図4は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における運転特性評価動作の実行方法の一例を示している。以下に、図4を参照して、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における運転特性評価動作の実行方法の一例について説明する。
自車両OVの運転は、例えば自車両OVの速度が一定の速度以上の場合に開始と判定される。自車両OVの運転が開始すると、まずステップS10の処理によって、タイマと、データテーブルセットTSとがリセットされる。このタイマは、クロック15に基づいて動作し、リセット後の経過時間をカウントする。以下では、タイマによってカウントされる時間のことを“TM”と呼ぶ。
次に、ステップS11の処理によって、運転特性評価装置10が、運転特性評価動作を実行する。運転特性評価動作の詳細については後述する。その後、ステップS12の処理によって、時間TMが基準時間TMstを上回ったかどうかが確認される。基準時間TMstは、例えば複数回の運転特性評価動作の結果を纏めて取り扱う期間に対応し、適宜設定される。
TM>TMstが満たされない場合(ステップS12、NO)、運転特性評価装置10は、ステップS11の処理に戻る。この運転特性評価動作の繰り返しによって、データテーブルセットTSが、適宜更新される。一回の運転特性評価動作は、例えば数ミリ秒の一定間隔で実行される。時間経過に伴い、TM>TMstが満たされた場合(ステップS12、YES)、運転特性評価装置10が、ステップS13の処理を実行する。
ステップS13の処理では、運転特性データ109が、繰り返えされた運転特性評価動作の結果が反映されたデータテーブルセットTSに基づいて更新される。その後、ステップS14の処理によって、運転が終了したかどうかが確認される。
運転が終了していない場合(ステップS14、NO)、運転特性評価装置10は、ステップS10の処理に戻る。一方で、運転が終了している場合(ステップS14、YES)、運転特性評価装置10が、動作を終了する。これにより、運転特性評価装置10は、時系列に沿った運転特性の情報を含む運転特性データ109を記憶することができる。
以上で説明された運転特性評価動作の実行方法は、あくまで一例である。第1実施形態における運転特性評価動作は、自車両OVと他車両SVとの相対的な位置関係に基づいて、運転者の運転特性を記録していれば良い。自車両OVと他車両SVとの相対的な位置関係に基づく運転評価項目としては、方車間距離、横方向車間距離(幅寄せ)、急減速、割り込み等が考えられる。
以下に、第1実施形態における運転特性評価動作の一例として、前方車間距離検出動作、横方向車間距離検出動作、急減速検出動作、割り込み検出動作、及び危険運転判定動作について説明する。尚、第1実施形態に係る運転特性評価装置10では、データテーブルセットTSが、前方車間距離検出動作に対応するデータテーブル110と、横方向車間距離検出動作に対応するデータテーブル111と、急減速検出動作に対応するデータテーブル112と、割り込み検出動作に対応するデータテーブル113を含むものと仮定する。
[1−2−1]前方車間距離検出動作
図5は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10の前方車間距離検出動作の使用例を示している。図5に示すように、前方車間距離検出動作は、自車両OVの前方(車両の進行方向)に他車両SVが位置している場合に使用される。以下では、自車両OVの前方の他車両SVと自車両OVとの間の距離のことを、“前方車間距離VDF”と呼ぶ。
図6は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における前方車間距離検出動作で使用されるパラメータを含むデータテーブル110の一例を示している。図6に示すように、データテーブル110は、例えば、車両速度、前方車両検出結果、前方車間距離VDF、前方車両近接回数N1、及び危険運転カウンタDDC1を含んでいる。尚、以下で参照されるデータテーブルに示された“XX”は、各項目の計測結果、算出結果、又はカウント結果に対応している。“TRUE”及び“FALSE”は、例えば1ビットのデータ(“0”又は“1”)で表現される。
車両速度は、速度取得部104によって取得され、自車両OVの現在の速度を示している。前方車両検出結果は、車両検出部101によって取得され、自車両OVの前方に他車両SVが検出された場合に“TRUE”に設定され、自車両OVの前方に他車両SVが検出されなかった場合に“FALSE”に設定される。前方車間距離VDFは、自車両OVの前方の他車両SVが検出された場合に、車間距離算出部102によって算出された前方の他車両SVと自車両OVとの間の距離を示し、自車両OVの前方の他車両SVが検出されなかった場合に、“FALSE”に設定される。継続時間T1は、運転特性判定部107によって記録され、自車両OVと他車両SVとが近接した時間を示している。前方車両近接回数N1は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。危険運転カウンタDDC1は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。
図7は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における前方車間距離検出動作の流れの一例を示し、自車両OVの前方に他車両SVが検出された場合の動作に対応している。以下に、図7を参照して、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における前方車間距離検出動作の流れの一例について説明する。尚、以下の説明で参照されるデータテーブル内の情報の一部は、運転特性評価動作の開始時に更新されるものとする。
まず、運転特性判定部107が、前方車間距離VDFを確認する(ステップS110)。そして、運転特性判定部107が、前方車間距離VDFがVDFth未満であるかどうかを確認する(ステップS111)。“VDFth”は、自車両OVの速度に基づいて適正車間距離算出部105により算出された距離に対応している。
VDF<VDFthが満たされない場合(ステップS111、NO)、運転特性判定部107が、この前方車間距離検出動作を終了させる。一方で、VDF<VDFthが満たされる場合(ステップS111、YES)、運転特性判定部107が、前方車両近接回数N1をインクリメントする(ステップS112)。そして、運転特性判定部107が、狭車間距離の継続時間T1を記録する(ステップS113)。
それから、運転特性判定部107が、継続時間T1がT1thを超えたかどうかを確認する(ステップS114)。“T1th”は、前方の他車両SVに対して自車両OVが危険運転(あおり運転)をしているとみなし得る時間に対応している。
T1>T1thが満たされない場合(ステップS114、NO)、この前方車間距離検出動作が終了する。一方で、T1>T1thが満たされる場合(ステップS114、YES)、運転特性判定部107が、危険運転カウンタDDC1をインクリメントして(ステップS115)、この前方車間距離検出動作を終了させる。
以上のように、前方車間距離検出動作において、運転特性判定部107は、前方の他車両SVと自車両OVとの車間距離から、前方の他車両SVとの接近状態が一定時間継続したかどうかを判断する。そして、運転特性判定部107は、前方の他車両SVとの接近状態が一定時間継続した場合に、危険運転であるとみなして、危険運転カウンタDDC1をインクリメントする。つまり、運転者が前方の他車両SVに道を譲るように強要したとみなされる状況が発生した回数が、危険運転カウンタDDC1によって記録される。
[1−2−2]横方向車間距離検出動作
図8は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10の横方向車間距離検出動作の使用例を示している。図8に示すように、横方向車間距離検出動作は、自車両OVの横方向(車両の進行方向と交差する方向)に他車両SVが位置している場合に使用される。以下では、自車両OVと隣り合う他車両SVと自車両OVとの間の距離のことを、“隣接車間距離VDS”と呼ぶ。
図9は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における横方向車間距離検出動作で使用されるパラメータを含むデータテーブル111の一例を示している。図9に示すように、データテーブル111は、例えば、車両速度、隣接車両検出結果、隣接車間距離VDS、隣接車両近接回数N2、及び危険運転カウンタDDC2を含んでいる。
車両速度の内容は、上述した運転特性評価動作と同様である。隣接車両検出結果は、車両検出部101によって取得され、自車両OVの横方向に他車両SVが検出された場合に“TRUE”に設定され、自車両OVの横方向に他車両SVが検出されなかった場合に“FALSE”に設定される。隣接車間距離VDSは、自車両OVの横方向の他車両SVが検出された場合に、車間距離算出部102によって算出された横方向の他車両SVと自車両OVとの間の距離を示し、自車両OVの横方向の他車両SVが検出されなかった場合に、“FALSE”に設定される。継続時間T2は、運転特性判定部107によって記録され、自車両OVと他車両SVとが近接した時間を示している。隣接車両近接回数N2は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。危険運転カウンタDDC2は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。
図10は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における横方向車間距離検出動作の流れの一例を示し、自車両OVの横方向に他車両SVが検出された場合の動作に対応している。以下に、図10を参照して、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における横方向車間距離検出動作の流れの一例について説明する。
まず、運転特性判定部107が、隣接車間距離VDSを確認する(ステップS120)。そして、運転特性判定部107が、隣接車間距離VDSがVDSth未満であるかどうかを確認する(ステップS121)。“VDSth”は、自車両OVの速度に基づいて適正車間距離算出部105により算出された距離に対応している。
VDS<VDSthが満たされない場合(ステップS121、NO)、運転特性判定部107が、この隣接車間距離検出動作を終了させる。一方で、VDS<VDSthが満たされる場合(ステップS121、YES)、運転特性判定部107が、隣接車両近接回数N2をインクリメントする(ステップS112)。そして、運転特性判定部107が、狭車間距離の継続時間T2を記録する(ステップS113)。
それから、運転特性判定部107が、継続時間T2がT2thを超えたか否かを確認する(ステップS124)。“T2th”は、横方向の他車両SVに対して自車両OVが危険運転(あおり運転)をしているとみなし得る時間に対応している。
T2>T2thが満たされない場合(ステップS124、NO)、この隣接車間距離検出動作が終了する。一方で、T2>T2thが満たされる場合(ステップS124、YES)、運転特性判定部107が、危険運転カウンタDDC2をインクリメントして(ステップS125)、この隣接車間距離検出動作を終了させる。
以上のように、隣接車間距離検出動作において、運転特性判定部107は、横方向の他車両SVと自車両OVとの車間距離から、横方向の他車両SVとの接近状態が一定時間継続したかどうかを判断する。そして、運転特性判定部107は、横方向の他車両SVとの接近状態(幅寄せ状態)が一定時間継続した場合に、危険運転であるとみなして、危険運転カウンタDDC2をインクリメントする。つまり、運転者が横方向の他車両SVに道を譲るように強要したとみなされる状況が発生した回数が、危険運転カウンタDDC2によって記録される。
[1−2−3]急減速検出動作
図11は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10の急減速検出動作の使用例を示している。図11に示すように、急減速検出動作は、自車両OVの後方(車両の進行方向に対する反対方向)に他車両SVが位置している場合に使用される。以下では、自車両OVの後方の他車両SVと自車両OVとの間の距離のことを、“後方車間距離VDB”と呼ぶ。
図12は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における急減速検出動作で使用されるパラメータを含むデータテーブル112の一例を示している。図12に示すように、データテーブル112は、例えば、車両速度、加速度AC、後方車両検出結果、後方車間距離VDB、急減速回数N3、及び危険運転カウンタDDC3を含んでいる。
車両速度の内容は、上述した運転特性評価動作と同様である。加速度ACは、加速度算出部106によって算出され、自車両OVの現在の加速度を示している。後方車両検出結果は、車両検出部101によって取得され、自車両OVの後方に他車両SVが検出された場合に“TRUE”に設定され、自車両OVの後方に他車両SVが検出されなかった場合に“FALSE”に設定される。後方車間距離VDBは、自車両OVの後方の他車両SVが検出された場合に、車間距離算出部102によって算出された後方の他車両SVと自車両OVとの間の距離を示し、自車両OVの後方の他車両SVが検出されなかった場合に、“FALSE”に設定される。急減速回数N3は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。危険運転カウンタDDC3は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。
図13は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における急減速検出動作の流れの一例を示し、自車両OVの後方に他車両SVが検出された場合の動作に対応している。以下に、図13を参照して、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における急減速検出動作の流れの一例について説明する。
まず、運転特性判定部107が、後方車間距離VDBを確認する(ステップS130)。そして、運転特性判定部107が、後方車間距離VDBがVDBth未満であるか否かを確認する(ステップS131)。“VDBth”は、自車両OVの速度に基づいて適正車間距離算出部105により算出された距離に対応している。
VDB<VDBthが満たされない場合(ステップS131、NO)、運転特性判定部107が、この急減速検出動作を終了させる。一方で、VDB<VDBthが満たされる場合(ステップS131、YES)、運転特性判定部107が、自車両OVの加速度ACを確認する(ステップS132)。そして、運転特性判定部107が、加速度ACがACthを下回っているか否かを確認する(ステップS133)。“ACth”は、自車両OVの減速が後方の他車両SVに対して危険運転(急ブレーキ)をしているとみなし得る減速量に対応し、負の値に設定される。
AC<ACthが満たされない場合(ステップS133、NO)、この急減速検出動作が終了する。一方で、AC<ACthが満たされる場合(ステップS133、YES)、運転特性判定部107が、急減速回数N3をインクリメントする(ステップS134)。そして、運転特性判定部107が、危険運転カウンタDDC3をインクリメントして(ステップS135)、この隣接車間距離検出動作を終了させる。
以上のように、急減速検出動作において、運転特性判定部107は、後方の他車両SVが存在する場合の自車両OVの減速量を確認する。そして、運転特性判定部107は、後方の他車両SVが存在する場合の自車両OVの減速量が、所定の大きさを超えた場合に、危険運転であるとみなして、危険運転カウンタDDC3をインクリメントする。例えば、後方の他車両SVによって自車両OVが急減速したとみなされ得る状況が発生した回数が、危険運転カウンタDDC3によって記録される。
[1−2−4]割り込み検出動作
図14は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10の割り込み検出動作の使用例を示している。図14に示すように、割り込み検出動作は、車両の進行方向に並んだ他車両SV1及びSV2の間に自車両OVが割り込む場合に使用される。
図15は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における割り込み検出動作で使用されるパラメータを含むデータテーブル113の一例を示している。図15に示すように、データテーブル113は、例えば、車両速度、車線変更検出結果、前方車両検出結果、前方車間距離VDF、後方車両検出結果、後方車間距離VDB、割り込み回数N4、及び危険運転カウンタDDC4を含んでいる。
車両速度、前方車両検出結果、前方車間距離VDF、後方車両検出結果、及び後方車間距離VDBのそれぞれの内容は、上述した運転特性評価動作と同様である。車線変更検出結果は、車線変更判定部103によって取得され、自車両OVの車線変更が検出された場合に“TRUE”に設定され、自車両OVの車線変更が検出されなかった場合に“FALSE”に設定される。割り込み回数N4は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。危険運転カウンタDDC2は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。
図16は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における割り込み検出動作の流れの一例を示し、自車両OVが進行方向に並んだ他車両SV1及びSV2の間に割り込みをする場合の動作に対応している。以下に、図16を参照して、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における割り込み検出動作の流れの一例について説明する。
まず、車線変更判定部103が、自車両OVの車線変更を検出する(ステップS140)。すると、運転特性判定部107が、前方車間距離VDFと後方車間距離VDBとを確認する(ステップS141)。そして、運転特性判定部107が、“VDF<VDFth1、且つVDB>VDBth0”又は“VDF>VDFth0、且つVDB<VDBth1”を満たすか否かを確認する(ステップS142)。“VDFth1”は、後方の他車両SV2との距離が十分である場合、すなわち自車両OVと他車両SV2とが所定の距離VDBth0よりも離れている場合に、前方の他車両SV1に近接した割り込みをしたとみなされ得る前方距離に対応している。“VDBth1”は、前方の他車両SV1との距離が十分である場合、すなわち自車両OVと他車両SV2とが所定の距離VDFth0よりも離れている場合に、後方の他車両SV2に近接した割り込みをしたとみなされ得る後方距離に対応している。
“VDF<VDFth1、且つVDB>VDBth0”又は“VDF>VDFth0、且つVDB<VDBth1”が満たされない場合(ステップS142、NO)、運転特性判定部107が、この割り込み検出動作を終了させる。一方で、“VDF<VDFth1、且つVDB>VDBth0”又は“VDF>VDFth0、且つVDB<VDBth1”が満たされる場合(ステップS142、YES)、運転特性判定部107が、割り込み回数N4をインクリメントする(ステップS143)。それから、運転特性判定部107が、VDF<VDFth2、又はVDB<VDBth2を満たすか否かを確認する(ステップS144)。“VDFth2”及び“VDBth2”は、自車両OVの速度に対して危険な割り込みをしていると見なされ得る前方距離及び後方距離にそれぞれ対応している。
VDF<VDFth2、又はVDB<VDBth2が満たされない場合(ステップS144、NO)、この割り込み検出動作が終了する。一方で、VDF<VDFth2、又はVDB<VDBth2が満たされる場合(ステップS144、YES)、運転特性判定部107が、危険運転カウンタDDC4をインクリメントして(ステップS145)、この割り込み検出動作を終了させる。
以上のように、割り込み検出動作において、運転特性判定部107は、割り込んだ際の前後方の他車両SV1及びSV2と自車両OVとの車間距離から、危険な割り込みが実行されたかどうかを判断する。そして、運転特性判定部107は、危険な割り込みが実行されたことを検出した場合に、危険運転カウンタDDC4をインクリメントする。つまり、運転者によって危険な割り込みが実行されたとみなされる回数が、危険運転カウンタDDC4によって記録される。
尚、以上で説明された割り込み検出動作では、前方の他車両SV1に対して近接した割り込み運転と、後方の他車両SV2に対して近接した割り込み運転との両方を一括で判定する場合について例示したが、これに限定されない。前方の他車両SV1に対して近接した割り込み運転と、後方の他車両SV2に対して近接した割り込み運転とは、別の処理で判定されても良い。また、割り込み回数及び危険運転カウンタは、前方の他車両SV1に対して近接した割り込み運転と、後方の他車両SV2に対して近接した割り込み運転とのそれぞれに設けられても良い。
[1−2−5]危険運転判定動作
危険運転判定動作は、上述した運転特性評価動作によってカウントされる前方車両近接回数N1、隣接車両近接回数N2、急減速回数N3、及び割り込み回数N4に基づいて、それぞれ危険運転カウンタDDC1、DDC2、DDC3、及びDDC4を加算する動作である。以下では、前方車両近接回数N1を利用する場合を代表として説明する。
図17は、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における危険運転判定動作の流れの一例を示している。以下に、図17を参照して、第1実施形態に係る運転特性評価装置10における危険運転判定動作の流れの一例について説明する。
まず、運転特性判定部107が、データテーブル110を参照して、前方車両近接回数N1を確認する(ステップS150)。そして、運転特性判定部107が、前方車両近接回数N1がN1thを超えているか否かを確認する(ステップS150)。“N1th”は、所定の期間内に前方の他車両SVに近接した回数が一般的な運転方法よりも多いと見なされ得る回数に対応している。
N1>N1thが満たされない場合(ステップS151、NO)、この危険運転判定動作が終了する。一方で、N1>N1thが満たされる場合(ステップS151、YES)、運転特性判定部107が、危険運転カウンタDDC1をインクリメントして(ステップS152)、データテーブル110内の前方車両近接回数N1をリセットする(ステップS153)。その後、運転特性判定部107が、この危険運転判定動作を終了させる。
以上のように、危険運転判定動作において、運転特性判定部107は、所定の期間内に前方の他車両SVに近接した頻度に基づいて、危険運転カウンタDDC1をインクリメントする。つまり、前方車両に対するあおり運転に相当する近接が実行された回数が、危険運転カウンタDDC1に加算される。
尚、以上の説明では、危険運転カウンタDDC1に関する判定処理が運転特性評価動作毎に実行される場合について例示したが、これに限定されない。前方車両近接回数N1に基づく危険運転カウンタDDC1の加算処理は、所定の期間毎に実行されても良い。この場合に、前方車両近接回数N1に適用される閾値は、複数設定されても良い。例えば、一定時間内に3回以下の前方車両への近接が実行された場合に、危険運転カウンタDDC1が+1され、一定時間内に4回以上の前方車両への近接が実行された場合に、危険運転カウンタDDC1が+2されても良い。つまり、一定時間内の前方車両への近接回数に基づいて、危険運転カウンタDDC1の加算数が変更されても良い。
また、以上で説明された危険運転判定動作は、隣接車両近接回数N2、急減速回数N3、及び割り込み回数N4のそれぞれに対しても適用され得る。つまり、一定時間内の隣接車両近接回数N2に基づいて、危険運転カウンタDDC2が加算され得る。一定時間内の急減速回数N3に基づいて、危険運転カウンタDDC3が加算され得る。一定時間内の割り込み回数N4に基づいて、危険運転カウンタDDC4が加算され得る。本例では、危険運転カウンタDDC1〜DDC4が加算される場合について例示したが、これらと異なる危険運転カウンタDDCが独自に用意されても良い。
[1−3]第1実施形態の効果
以上のように、第1実施形態に係る運転特性評価装置10は、他車両SVとの位置関係に基づいて、前方の他車両SVに対する危険運転行為と、横方向の他車両SVに対する危険運転行為と、後方の他車両SVに対する危険運転行為とのそれぞれが実行された回数を、所定の危険運転カウンタDDCを用いてカウントする。そして、危険運転カウンタDDCのカウント結果は、所定の期間毎に運転特性データ109に反映される。つまり、運転特性データ109が、危険運転カウンタDDCのカウント数の時間変化を記憶する。
これにより、第1実施形態に係る運転特性評価装置10は、他車両SVが特別なユニットを備えているかどうかに依らずに、運転者の運転特性の評価に使用することが可能な情報を収集及び蓄積することができる。その結果、運転者は、運転特性データ109を確認することによって、自車両OVが意図せず危険な運転行為(あおり運転を誘発するような運転行為)を行っているか否かを知ることができる。つまり、第1実施形態に係る運転特性評価装置10は、あおり運転を誘発するような運転行為を所望していない運転者に対して運転特性に関する情報を提示することによって、運転者の安全運転に対する意識を向上させることができる。
尚、以上の説明では、運転者が運転特性データ109を確認する場合について例示したが、運転特性データ109は、運転者以外に参照されても良い。例えば、雇用者が、運転者の運転特性を評価する必要がある場合に、第1実施形態に係る運転特性評価装置10によって取得された運転特性データ109を利用することができる。これに限定されず、運転特性データ109は、その他のサービスに利用されても良い。
[1−4]第1実施形態の変形例
以上で説明された第1実施形態に係る運転特性評価装置10は、種々の変形が可能である。以下に、第1実施形態の第1変形例と第1実施形態の第2変形例とのそれぞれについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
[1−4−1]第1実施形態の第1変形例
第1実施形態の第1変形例は、運転特性評価動作の閾値の設定方法に関する。各運転特性評価動作で使用される閾値は、複数設定され得る。そして、複数設定された閾値に基づいて、危険運転カウンタDDCの加算値が変更され得る。以下に、急減速検出動作に適用された場合を一例として、第1実施形態の第1変形例について説明する。
図18は、第1実施形態の第1変形例に係る運転特性評価装置10における急減速検出動作の流れの一例を示し、自車両OVの後方に他車両SVが検出された場合の動作に対応している。以下に、図18を参照して、第1実施形態の第1変形例に係る運転特性評価装置10における急減速検出動作の流れの一例について説明する。
まず、第1実施形態で説明したのと同様に、ステップS130、S131、及びS132の処理が実行される。簡潔に述べると、後方車間距離VDBが確認され、VDB<VDBthの判定が実行され、自車両OVの加速度ACが確認される。それから、運転特性判定部107が、加速度ACがACth1を下回っているか否かを確認する(ステップS133)。“ACth1”は、自車両OVの減速が後方の他車両SVに対して危険運転(急ブレーキ)をしているとみなし得る第1の閾値に対応し、負の値に設定される。
AC<ACth1が満たされない場合(ステップS133、NO)、この急減速検出動作が終了する。一方で、AC<ACth1が満たされる場合(ステップS133、YES)、運転特性判定部107が、急減速回数N3をインクリメントして(ステップS134)、危険運転カウンタDDC3をインクリメントする(ステップS135)。そして、運転特性判定部107が、加速度ACがACth2を下回っているか否かを確認する(ステップS136)。“ACth2”は、“ACth1”よりも小さい第2の閾値に対応している。
AC<ACth2が満たされない場合(ステップS136、NO)、この急減速検出動作が終了する。一方で、AC<ACth2が満たされる場合(ステップS136、YES)、運転特性判定部107が、危険運転カウンタDDC3を再びインクリメントして(ステップS137)、この隣接車間距離検出動作を終了させる。
以上のように、第1実施形態の第1変形例における急減速検出動作における危険運転カウンタDDC3は、減速量が第1の閾値を上回っている場合に+1され、減速量が第1の閾値よりも高い第2の閾値を上回っている場合にさらに+1される。このように、複数の閾値が設定されること、すなわち危険運転に繋がり得る挙動の強度に応じて、危険運転カウンタDDCの加算数が増やされても良い。
尚、第1実施形態の第1変形例は、前方車両近接回数N1、隣接車両近接回数N2、及び割り込み回数N4のそれぞれに対しても適用され得る。つまり、前方車間距離VDFの大きさに基づいて、危険運転カウンタDDC1の加算数が変更され得る。隣接車間距離VDSの大きさに基づいて、危険運転カウンタDDC2の加算数が変更され得る。割り込み時の前方車間距離VDF及び後方車間距離VDBに基づいて、危険運転カウンタDDC4の加算数が変更され得る。
[1−4−2]第1実施形態の第2変形例
第1実施形態の第2変形例は、第1実施形態で説明された各運転特性評価動作の組み合わせに関する。第1実施形態の第2変形例に係る運転特性判定部107は、複数の運転特性評価動作の組み合わせに基づいて、危険運転カウンタDDCを加算する。以下に、急減速検出動作と割り込み検出動作との組み合わせを一例として、第1実施形態の第2変形例について説明する。
図19は、第1実施形態の第2変形例に係る運転特性評価装置10の使用例を示している。図19(1)に示すように、まず自車両OVが、進行方向に並んだ他車両SV1及びSV2の間に割り込む。そして、図19(2)に示すように、自車両OVが急減速することによって、自車両OVと他車両SV2との間隔が狭くなる。
このような運転は、第1実施形態で説明された各運転特性評価動作における運転例よりも危険度が高い。このため、本例では、運転特性判定部107が、所定の期間内に危険運転カウンタDDC3と危険運転カウンタDDC4とのそれぞれがインクリメントされたことに基づいて、危険運転カウンタDDCを加算する。第1実施形態の第2変形例で加算される危険運転カウンタDDCは、各運転特性評価動作で更新されるカウンタであっても良いし、データテーブルセットTS内に含まれるその他のカウンタであっても良い。
これにより、第1実施形態の第2変形例に係る運転特性評価装置10は、運転者のより危険な運転を検出し、危険運転カウンタDDCに反映させることができる。その結果、第1実施形態の第2変形例に係る運転特性評価装置10は、第1実施形態よりも、運転者の運転特性を精確に見積もることができる。尚、複数の運転特性評価動作の組み合わせ方は、以上で説明された組み合わせに限定されない。また、第1実施形態の第1変形例と、第1実施形態の第2変形例とが組み合わされても良い。
[2]第2実施形態
図20は、第2実施形態に係る運転特性評価装置10の使用例を示している。図2に示すように、第2実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVから照射されるハイビームの使用状態に基づいた運転特性を記録する。以下に、第2実施形態に係る運転特性評価装置10について、第1実施形態と異なる点を説明する。
[2−1]運転特性評価装置10の機能構成
図21は、第2実施形態に係る運転特性評価装置10の機能構成の一例を示している。図21に示すように、第2実施形態に係る運転特性評価装置10は、後述する運転特性評価動作を実行する場合に、例えば、ハイビーム検出部120、車両検出部101、運転特性判定部107、及び記憶部108として機能する。
ハイビーム検出部120は、前照灯50の状態を確認し、前照灯50のハイビームを検出し得る。そして、ハイビーム検出部120は、前照灯50のハイビームの検出した場合に、前照灯50がハイビームであることを示す情報(以下、ハイビーム検出情報と呼ぶ)を運転特性判定部107に転送する。
車両検出部101は、第1実施形態と同様に、自車両OVの周囲に他車両SVが存在するか否かを判定する。運転特性判定部107は、車両検出部101から転送された車両情報と、ハイビーム検出部120から転送されたハイビーム検出情報とに基づいて、運転者の運転特性を判定する。記憶部108内のデータテーブルセットTSと運転特性データ109とは、例えば第1実施形態と同様に、運転特性判定部107によって参照及び更新される。第2実施形態に係る運転特性評価装置10のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
[2−2]動作
第2実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVから照射されるハイビームの使用状態に基づいた運転特性評価動作を実行する。以下に、第2実施形態における運転特性評価動作の一例として、ハイビーム検出動作と、パッシング検出動作とについて説明する。尚、第1実施形態に係る運転特性評価装置10では、データテーブルセットTSが、ハイビーム検出動作に対応するデータテーブル121と、パッシング検出動作に対応するデータテーブル122とを含むものと仮定する。また、“パッシング”は、短時間に前照灯50がハイビームに切り替えられる操作のことを示している。
[2−2−1]ハイビーム検出動作
図22は、第2実施形態に係る運転特性評価装置10におけるハイビーム検出動作で使用されるパラメータを含むデータテーブル121の一例を示している。図22に示すように、データテーブル121は、例えば、ハイビーム検出結果、オートハイビームフラグ、継続時間T3、夜間判定結果、前方車両検出結果、及び危険運転カウンタDDC6を含んでいる。
前方車両検出結果の内容は、上述した運転特性評価動作と同様である。ハイビーム検出結果は、ハイビーム検出部120によって取得され、自車両OVのハイビームが検出された場合に“TRUE”に設定され、自車両OVのハイビームが検出されなかった場合に“FALSE”に設定される。オートハイビームフラグは、ハイビーム検出部120によって取得され、オートハイビームであることが前照灯50から通知された場合に“TRUE”に設定され、通知されなかった場合に“FALSE”に設定される。継続時間T3は、運転特性判定部107によって記録され、自車両OVのハイビームが検出されてから検出されなくなるまでの時間を示している。夜間判定結果は、クロック15から供給される時刻に基づき、夜間に判定された場合に“TRUE”に設定され、夜間に判定されなかった場合に“FALSE”に設定される。尚、夜間判定結果は、自車両OVの周囲の明るさに基づいて設定されても良い。危険運転カウンタDDC6は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。
図23は、第2実施形態に係る運転特性評価装置10におけるハイビーム検出動作の流れの一例を示し、運転者がハイビームを利用する際の動作に対応している。以下に、図23を参照して、第2実施形態に係る運転特性評価装置10におけるハイビーム検出動作の流れの一例について説明する。
まず、ハイビーム検出部120が、自車両OVのハイビーム切り替えを検出する(ステップS210)。また、ハイビーム検出部120が、当該ハイビームの状態に基づいて、データテーブル121内のオートハイビームフラグを更新する。すると、運転特性判定部107が、オートハイビームフラグを参照して、当該ハイビームがオートハイビームでないかどうかを確認する(ステップS211)。
ハイビームがオートハイビームである場合(ステップS211、NO)、運転特性判定部107が、このハイビーム検出動作を終了させる。一方で、オートハイビームでない場合(ステップS211、YES)、運転特性判定部107が、ハイビームの継続時間T3を記録する(ステップS212)。
それから、運転特性判定部107が、現在の時刻が夜間に相当するかどうかを確認する(ステップS213)。夜間ではない場合(ステップS213、NO)、運転特性判定部107が、後述するステップS215の処理を実行する。一方で、夜間である場合(ステップS213、YES)、運転特性判定部107が、自車両OVの前方に車両が存在するか否かを確認する(ステップS213)。
自車両OVの前方に車両が存在しない場合(ステップS214、NO)、運転特性判定部107が、このハイビーム検出動作を終了させる。一方で、自車両OVの前方に車両が存在する場合(ステップS214、YES)、運転特性判定部107が、ステップS215の処理を実行する。
ステップS215の処理では、運転特性判定部107が、継続時間T3がT3th1を超えたか否かを確認する(ステップS215)。“T3th1”は、自車両OVのハイビームが他車両SVに対するあおり行為と見なされ得る時間に対応している。
T3>T3th1が満たされない場合(ステップS215、NO)、このハイビーム検出動作が終了する。一方で、T3>T3th1が満たされる場合(ステップS215、YES)、運転特性判定部107が、危険運転カウンタDDC6をインクリメントして(ステップS216)、このハイビーム検出動作を終了させる。
以上のように、ハイビーム検出動作において、運転特性判定部107は、前方の他車両SVの有無と時刻とに基づいて、ハイビームの利用状況を確認する。そして、運転特性判定部107は、所定の条件を満たしたハイビームが一定時間継続した場合に、危険運転であるとみなして、危険運転カウンタDDC6をインクリメントする。つまり、運転者の意図的なハイビームが他車両SVへのあおり行為であるとみなされ得る状況が発生した回数が、危険運転カウンタDDC6によって記録される。
[2−2−2]パッシング検出動作
図24は、第2実施形態に係る運転特性評価装置10におけるパッシング検出動作で使用されるパラメータを含むデータテーブル122の一例を示している。図24に示すように、データテーブル122は、例えば、ハイビーム検出結果、継続時間T3、パッシング回数N5、及び危険運転カウンタDDC7を含んでいる。
ハイビーム検出結果、及び継続時間T3のそれぞれの内容は、上述した運転特性評価動作と同様である。パッシング回数N5は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。危険運転カウンタDDC7は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。
図25は、第2実施形態に係る運転特性評価装置10におけるパッシング検出動作の流れの一例を示し、運転者がパッシングを実行する際の動作に対応している。以下に、図25を参照して、第2実施形態に係る運転特性評価装置10におけるパッシング検出動作の流れの一例について説明する。
まず、ハイビーム検出動作と同様に、ステップS210、S211、及びS212の処理が順に実行される。簡潔に述べると、自車両OVのハイビーム切り替えが検出され、オートハイビームの判定が実行され、ハイビームの継続時間T3が記録される。それから、運転特性判定部107が、継続時間T3がT3th2よりも短いか否かを確認する(ステップS220)。“T3th2”は、当該ハイビームがパッシングであると見なされ得る時間の閾値に対応している。
T3<T3th2が満たされない場合(ステップS220、NO)、このハイビーム検出動作が終了する。一方で、T3<T3th2が満たされる場合(ステップS220、YES)、運転特性判定部107が、パッシング回数N5をインクリメントする(ステップS221)。そして、運転特性判定部107が、パッシング回数N5がN5thを超えているか否かを確認する(ステップS222)。“N5th”は、所定の期間内に実行されたパッシングの回数が一般的な運転方法よりも多いと見なされ得る時間に対応している。
N5>N5thが満たされない場合(ステップS222、NO)、このパッシング検出動作が終了する。一方で、N5>N5thが満たされる場合(ステップS222、YES)、運転特性判定部107が、危険運転カウンタDDC7をインクリメントして(ステップS223)、データテーブル122内のパッシング回数N5をリセットする(ステップS224)。その後、運転特性判定部107が、このパッシング検出動作を終了させる。
以上のように、パッシング検出動作において、運転特性判定部107は、所定の期間内のパッシング頻度に基づいて、危険運転カウンタDDC7をインクリメントする。つまり、あおり運転に相当する複数回のパッシングが実行された回数が、危険運転カウンタDDC7によって記録される。
尚、以上の説明では、危険運転カウンタDDC7に関する判定処理が運転特性評価動作毎に実行される場合について例示したが、これに限定されない。例えば、危険運転カウンタDDC7に関する判定処理は、所定の期間毎に実行されても良い。この場合に、パッシング回数N5に適用される閾値は、複数設定されても良い。例えば、一定時間内に3回以下のパッシングが実行された場合に、危険運転カウンタDDC7が+1され、一定時間内に4回以上のパッシングが実行された場合に、危険運転カウンタDDC7が+2されても良い。つまり、一定時間内のパッシング回数に基づいて、危険運転カウンタDDC7の加算数が変更されても良い。
[2−3]第2実施形態の効果
以上のように、第2実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVの前方に他車両SVが存在する際の前照灯50の利用方法に基づいて、他車両SVに対するあおり行為の回数を、所定の危険運転カウンタDDCを用いてカウントする。そして、危険運転カウンタDDCのカウント結果が、所定の期間毎に運転特性データ109に反映される。
これにより、第2実施形態に係る運転特性評価装置10は、第1実施形態と同様に、運転者の運転特性の評価に使用することが可能な情報を収集及び蓄積することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、運転者は、運転特性データ109を確認することによって、前照灯50の利用方法に関して意図せずあおり行為を行っているか否かを知ることができ、安全運転に対する意識を向上させることができる。
尚、第2実施形態では、自車両OVの前方の他車両SVに対するハイビーム及びパッシングに基づいて危険運転カウンタDDCがカウントアップされる場合について例示したが、これに限定されない。第2実施形態で説明された動作は、異なる車線の他車両SVや、対向車線の他車両SVを検出することによって実行されても良い。
[3]第3実施形態
図26は、第3実施形態に係る運転特性評価装置10の使用例を示している。図26に示すように、第3実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVから発せられるクラクションの使用状態に基づいた運転特性を記録する。以下に、第3実施形態に係る運転特性評価装置10について、第1及び第2実施形態と異なる点を説明する。
[3−1]運転特性評価装置10の機能構成
図27は、第3実施形態に係る運転特性評価装置10の機能構成の一例を示している。図27に示すように、第3実施形態に係る運転特性評価装置10は、後述する運転特性評価動作を実行する場合に、例えば、クラクション検出部130、車両検出部101、車間距離算出部102、運転特性判定部107、及び記憶部108として機能する。
クラクション検出部130は、警音器60の状態を確認し、警音器60によるクラクションが使用されたことを検出し得る。そして、クラクション検出部130は、警音器60によるクラクションが使用されたことを検出した場合に、クラクションが使用されたことを示す情報(以下、クラクション検出情報と呼ぶ)を運転特性判定部107に転送する。
車両検出部101は、第1実施形態と同様に、自車両OVの周囲に他車両SVが存在するか否かを判定する。車間距離算出部102は、第1実施形態と同様に、自車両OVと他車両SVとの間の距離を算出する。運転特性判定部107は、車間距離算出部102から転送された車間距離情報と、クラクション検出部130から転送されたクラクション検出情報とに基づいて、運転者の運転特性を判定する。記憶部108内のデータテーブルセットTSと運転特性データ109とは、例えば第1実施形態と同様に、運転特性判定部107によって参照及び更新される。第3実施形態に係る運転特性評価装置10のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
[3−2]動作
第3実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVから発せられるクラクションの使用状態に基づいた運転特性評価動作を実行する。以下に、第3実施形態における運転特性評価動作の一例として、クラクション検出動作と、近接クラクション検出動作とについて説明する。尚、第3実施形態に係る運転特性評価装置10では、記憶部108が、クラクション検出動作に対応するデータテーブル131と、近接クラクション検出動作に対応するデータテーブル132とを含むものと仮定する。
[3−2−1]クラクション検出動作
図28は、第3実施形態に係る運転特性評価装置10におけるクラクション検出動作で使用されるパラメータを含むデータテーブル131の一例を示している。図28に示すように、データテーブル131は、例えば、クラクション検出結果、クラクション回数N6、及び危険運転カウンタDDC8を含んでいる。
クラクション検出結果は、クラクション検出部130によって取得され、自車両OVのクラクションが検出された場合に“TRUE”に設定され、自車両OVのクラクションが検出されなかった場合に“FALSE”に設定される。クラクション回数N6は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。危険運転カウンタDDC8は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。
図29は、第3実施形態に係る運転特性評価装置10におけるクラクション検出動作の流れの一例を示し、運転者がクラクションを利用する際の動作に対応している。以下に、図29を参照して、第3実施形態に係る運転特性評価装置10におけるクラクション検出動作の流れの一例について説明する。
まず、クラクション検出部130が、自車両OVのクラクションの使用を検出する(ステップS310)。すると、運転特性判定部107が、クラクション回数N6をインクリメントする(ステップS311)。そして、運転特性判定部107が、クラクション回数N6がN6thを超えているか否かを確認する(ステップS312)。“N6th”は、所定の期間内に実行されたクラクションの回数が一般的な運転方法よりも多いと見なされ得る時間に対応している。
N6>N6thが満たされない場合(ステップS312、NO)、このクラクション検出動作が終了する。一方で、N6>N6thが満たされる場合(ステップS312、YES)、運転特性判定部107が、危険運転カウンタDDC8をインクリメントして(ステップS313)、データテーブル131内のクラクション回数N6をリセットする(ステップS314)。その後、運転特性判定部107が、このクラクション検出動作を終了させる。
以上のように、クラクション検出動作において、運転特性判定部107は、所定の期間内のクラクション頻度に基づいて、危険運転カウンタDDC8をインクリメントする。つまり、あおり運転に相当する複数回のクラクションが実行された回数が、危険運転カウンタDDC8によって記録される。
尚、以上の説明では、危険運転カウンタDDC8に関する判定処理が運転特性評価動作毎に実行される場合について例示したが、これに限定されない。危険運転カウンタDDC8に関する判定処理は、所定の期間毎に実行されても良い。この場合に、クラクション回数N6に適用される閾値は、複数設定されても良い。例えば、一定時間内に3回以下のクラクションが実行された場合に、危険運転カウンタDDC8が+1され、一定時間内に4回以上のクラクションが実行された場合に、危険運転カウンタDDC8が+2されても良い。つまり、一定時間内のクラクション回数に基づいて、危険運転カウンタDDC8の加算数が変更されても良い。
[3−2−2]近接クラクション検出動作
図30は、第3実施形態に係る運転特性評価装置10における近接クラクション検出動作で使用されるパラメータを含むデータテーブル132の一例を示している。図30に示すように、データテーブル132は、例えば、クラクション検出結果、前方車両検出結果、前方車間距離VDF、及び危険運転カウンタDDC9を含んでいる。
クラクション検出結果、前方車両検出結果、及び前方車間距離VDFのそれぞれの内容は、上述した運転特性評価動作と同様である。危険運転カウンタDDC9は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。
図31は、第3実施形態に係る運転特性評価装置10における近接クラクション検出動作の流れの一例を示し、運転者がクラクションを利用する際の動作に対応している。以下に、図31を参照して、第3実施形態に係る運転特性評価装置10における近接クラクション検出動作の流れの一例について説明する。
まず、クラクション検出部130が、自車両OVのクラクションの使用を検出する(ステップS310)。すると、運転特性判定部107が、例えば第1実施形態の前方車間距離検出動作と同様に、前方車間距離VDFを確認し(ステップS110)、VDF<VDFthであるか否かを確認する(ステップS111)。
VDF<VDFthが満たされない場合(ステップS111、NO)、運転特性判定部107が、この近接クラクション検出動作を終了させる。一方で、VDF<VDFthが満たされる場合(ステップS111、YES)、運転特性判定部107が、危険運転カウンタDDC9をインクリメントして(ステップS313)、この近接クラクション検出動作を終了させる。
以上のように、近接クラクション検出動作において、運転特性判定部107は、前方の他車両SVに近接した状態でクラクションが実行されたことに基づいて、危険運転カウンタDDC9をインクリメントする。つまり、あおり運転に相当する状態でクラクションが実行された回数が、危険運転カウンタDDC9によって記録される。
[3−3]第3実施形態の効果
以上のように、第3実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVの前方に他車両SVが存在する際の警音器60(クラクション)の利用方法に基づいて、他車両SVに対するあおり行為の回数を、所定の危険運転カウンタDDCを用いてカウントする。そして、危険運転カウンタDDCのカウント結果が、所定の期間毎に運転特性データ109に反映される。
これにより、第3実施形態に係る運転特性評価装置10は、第1実施形態と同様に、運転者の運転特性の評価に使用することが可能な情報を収集及び蓄積することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、運転者は、運転特性データ109を確認することによって、警音器60の利用方法に関して意図せずあおり行為を行っているか否かを知ることができ、安全運転に対する意識を向上させることができる。
尚、第3実施形態では、運転特性判定部107が、クラクションの回数に基づいて危険運転カウンタDDCをカウントアップさせる場合について例示したが、これに限定されない。第3実施形態における運転特性判定部107は、ハイビーム検出動作と同様に、クラクションの継続時間に基づいて危険運転カウンタDDCをカウントアップしても良い。
[4]第4実施形態
第4実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVの内部で検出した運転者の声に基づいた運転特性を記録する。以下に、第4実施形態に係る運転特性評価装置10について、第1〜第3実施形態と異なる点を説明する。
[4−1]運転特性評価装置10の機能構成
図32は、第3実施形態に係る運転特性評価装置10の機能構成の一例を示している。図32に示すように、第3実施形態に係る運転特性評価装置10は、後述する運転特性評価動作を実行する場合に、例えば、車内音声検出部140、音声解析部141、車両検出部101、運転特性判定部107、及び記憶部108として機能する。
車内音声検出部140は、マイク70から転送された車内の音声データから、運転者の音声を抽出(フィルタリング)する。そして、車内音声検出部140は、抽出した音声データを、音声解析部141に転送する。音声解析部141は、車内音声検出部140から転送された音声データを解析して、当該音声データに含まれた異常音声を検出し得る。音声解析部141は、例えば所定の閾値を超える音量の音声を、異常音声としてみなす。そして、音声解析部141は、当該音声データが異常音声を含むことを示す情報(以下、異常音声検出情報と呼ぶ)を運転特性判定部107に転送する。
車両検出部101は、第1実施形態と同様に、自車両OVの周囲に他車両SVが存在するか否かを判定する。運転特性判定部107は、車両検出部101から転送された車両情報と、音声解析部141から転送された異常音声検出情報とに基づいて、運転者の運転特性を判定する。記憶部108内のデータテーブルセットTSと運転特性データ109とは、例えば第1実施形態と同様に、運転特性判定部107によって参照及び更新される。第4実施形態に係る運転特性評価装置10のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
[4−2]異常音声検出動作
第4実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVの内部で検出した運転者の声に基づいた運転特性評価動作を実行する。以下に、第3実施形態における運転特性評価動作の一例として、異常音性検出動作について説明する。尚、第4実施形態に係る運転特性評価装置10では、データテーブルセットTSが、異常音性検出動作に対応するデータテーブル142とを格納するものと仮定する。
図33は、第4実施形態に係る運転特性評価装置10における異常音声検出動作で使用されるパラメータを含むデータテーブル142の一例を示している。図33に示すように、データテーブル142は、例えば、異常音声検出結果、異常発音回数N7、及び危険運転カウンタDDC10を含んでいる。
異常音声検出結果は、例えば音声解析部141によって取得され、異常音声が検出された場合に“TRUE”に設定され、異常音声が検出されなかった場合に“FALSE”に設定される。異常発音回数N7は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。危険運転カウンタDDC10は、最初に“0”に設定され、例えば後述する所定の条件を満たした場合にインクリメントされる。
図34は、第4実施形態に係る運転特性評価装置10における異常音声検出動作の流れの一例を示し、運転者が異常音声を発した際(すなわち、異常発音をした際)の動作に対応している。以下に、図34を参照して、第4実施形態に係る運転特性評価装置10における異常音声検出動作の流れの一例について説明する。
まず、車内音声検出部140及び音声解析部141によって、自車両OV内の異常音声が検出される(ステップS410)。すると、運転特性判定部107が、異常発音回数N7をインクリメントする(ステップS411)。そして、運転特性判定部107が、異常発音回数N7がN7thを超えているか否かを確認する(ステップS412)。“N7th”は、所定の期間内に発せられた異常発音の回数が多すぎると見なされ得る時間に対応している。
N7>N7thが満たされない場合(ステップS412、NO)、この異常音声検出動作が終了する。一方で、N7>N7thが満たされる場合(ステップS412、YES)、運転特性判定部107が、危険運転カウンタDDC10をインクリメントして(ステップS413)、データテーブル142内の異常発音回数N7をリセットする(ステップS414)。その後、運転特性判定部107が、この異常音声検出動作を終了させる。
以上のように、異常音声検出動作において、運転特性判定部107は、所定の期間内の異常発音の頻度に基づいて、危険運転カウンタDDC10をインクリメントする。つまり、運転者が異常な状態であると見なされ得る回数の異常発音が短期間に実行された回数が、危険運転カウンタDDC10によって記録される。
尚、以上の説明では、危険運転カウンタDDC10に関する判定処理が運転特性評価動作毎に実行される場合について例示したが、これに限定されない。例えば、危険運転カウンタDDC10に関する判定処理は、所定の期間毎に実行されても良い。この場合に、異常発音回数N7に適用される閾値は、複数設定されても良い。例えば、一定時間内に3回以下の異常発音が検出された場合に、危険運転カウンタDDC10が+1され、一定時間内に4回以上の異常発音が検出された場合に、危険運転カウンタDDC10が+2されても良い。つまり、一定時間内の異常発音の回数に基づいて、危険運転カウンタDDC10の加算数が変更されても良い。
また、第4実施形態に係る運転特性評価装置10において“異常発音”及び“異常音声”は、運転者の声の大きさに基づいて判定されても良いし、発せられた言葉の意味に基づいて判定されても良い。つまり、特定の言葉が、“異常発音”及び“異常音声”に対応していても良い。運転特性判定部107は、運転者以外の“異常発音”及び“異常音声”に基づいて、危険運転カウンタDDCのカウントアップを実行しても良い。
[4−3]第4実施形態の効果
以上のように、第4実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVの前方に他車両SVが存在する際の車内の異常音声(例えば、運転者の大声)に基づいて、他車両SVに対するあおり行為の回数を、所定の危険運転カウンタDDCを用いてカウントする。そして、危険運転カウンタDDCのカウント結果が、所定の期間毎に運転特性データ109に反映される。
これにより、第4実施形態に係る運転特性評価装置10は、第1実施形態と同様に、運転者の運転特性の評価に使用することが可能な情報を収集及び蓄積することができる。その結果、運転者は、運転特性データ109を確認することによって、他車両SVに対して意図せずあおり行為を行っているか否かを知ることができ、安全運転に対する意識を向上させることができる。
また、第4実施形態に係る運転特性評価装置10は、車内音声検出部140と音声解析部141とを用いることによって、例えば音声フィルタと音量検出との2重の判定を実行している。そして、運転特性判定部107は、例えばこれらの判定基準が満たさない場合に、異常音声検出結果を“TRUE”に設定しないように動作する。これにより、第4実施形態に係る運転特性評価装置10は、車内における日常会話や隣接車両からのノイズの誤検出を抑制することができる。
[5]第5実施形態
第5実施形態に係る運転特性評価装置10は、第1〜第4実施形態の少なくとも一種類が適用された運転特性データ109に基づいて、好ましくない運転状態を自車両OVの運転者に通知する。以下に、第5実施形態に係る運転特性評価装置10について、第1〜第4実施形態と異なる点を説明する。
[5−1]運転特性評価装置10の機能構成
図35は、第5実施形態に係る運転特性評価装置10の機能構成の一例を示している。図35に示すように、第5実施形態に係る運転特性評価装置10は、後述する危険運転通知動作を実行する場合に、例えば、記憶部108、危険運転判定部150、及び警告制御部151として機能する。
記憶部108は、第1実施形態〜第4実施形態の少なくとも一種類の運転特性評価動作によって更新された運転特性データ109を格納している。この運転特性データ109は、例えば図示が省略された運転特性判定部107によって、定期的に更新され得る。
危険運転判定部150は、例えば所定の間隔で記憶部108内の運転特性データ109を参照し、運転者の運転状態が危険運転やあおり運転に相当するか否かを判定する。そして、危険運転判定部150は、運転者により危険運転が実施されていることを検出した場合に、運転者に危険運転を警告するための情報(以下、危険運転警告情報と呼ぶ)を警告制御部151に転送する。警告制御部151は、危険運転警告情報を生成する。そして、警告制御部151は、スピーカ80及び表示装置90の少なくとも一方を用いることによって、生成した危険運転警告情報を出力する。第5実施形態に係る運転特性評価装置10のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
[5−2]危険運転通知動作
第5実施形態に係る運転特性評価装置10は、自車両OVの運転状態に基づいて、複数種類の処理のうち1つの処理が選択される危険運転通知動作を実行する。運転状態としては、例えば通常状態、通知状態、警告状態が設定される。通常状態は、運転者の運転に問題が無い状態に対応している。通知状態は、運転者の運転から危険な運転方法が検出された状態に対応している。警告状態は、通知状態が長時間継続された状態に対応している。
図36は、第5実施形態に係る運転特性評価装置10における危険運転通知動作で使用されるパラメータを含むデータテーブル152の一例を示している。図36に示すように、データテーブル152は、例えば、運転状態、運転スコアDS,通知処理カウンタCn、及び警告処理カウンタCaを含んでいる。
運転状態は、危険運転判定部150によって判定され、例えば後述する所定の条件に基づいて“通常状態”、“通知状態”、及び“警告状態”のいずれかに設定される。運転スコアDSは、運転特性判定部107によって算出され、上述した各運転特性評価動作の危険運転カウンタの数値に基づいている。通知処理カウンタCnは、通知処理の実施期間の管理に使用される。警告処理カウンタCaは、警告処理の実施期間の管理に使用される。尚、運転スコアDSとしては、危険運転カウンタDDCそのものが使用されても良い。また、後述する危険運転通知動作における判定処理は、危険運転カウンタDDC毎に実行されても良い。
図37は、第5実施形態に係る運転特性評価装置10における危険運転通知動作の流れの一例を示している。以下に、図37を参照して、第5実施形態に係る運転特性評価装置10における危険運転通知動作の流れの一例について説明する。
自車両OVの運転が開始すると、まずステップS510の処理によって、危険運転判定部150が、現在の運転状態を確認する。ステップS510の時点で通常状態である場合に、危険運転判定部150は、後述する通常状態処理を実行する(ステップS511)。ステップS510の時点で通知状態である場合に、危険運転判定部150は、後述する通知状態処理を実行する(ステップS512)。ステップS510の時点で警告状態である場合に、危険運転判定部150は、後述する警告状態処理を実行する(ステップS513)。
そして、通常状態処理、通知状態処理、及び警告状態処理のいずれかが完了すると、危険運転判定部150は、運転が終了したかどうかを確認する。運転が終了していない場合(ステップS514、NO)、危険運転判定部150は、ステップS510の処理に戻る。つまり、現在の運転状態の確認と、通常状態処理、通知状態処理、及び警告状態処理のいずれかを実行する。一方で、運転が終了している場合(ステップS514、YES)、運転特性評価装置10が、動作を終了する。
以上で説明された危険運転通知動作では、通常状態処理が実行されることによって、通常状態から通知状態に遷移し得る。通知状態処理が実行されることによって、通知状態から通常状態又は警告状態に遷移し得る。警告状態処理が実行されることによって、警告状態から通常状態に遷移し得る。以下に、通常状態処理、通知状態処理、警告状態処理とのそれぞれの詳細について、順に説明する。
[5−2−1]通常状態処理
図38は、第5実施形態に係る運転特性評価装置10における通常状態処理の流れの一例を示している。以下に、図38を参照して、第5実施形態に係る運転特性評価装置10における通常状態処理の流れの一例について説明する。
まず、運転特性判定部107が、運転特性データ109を用いて運転スコアDSを算出する(ステップS520)。そして、危険運転判定部150が、例えば運転スコアDSがDSthよりも小さいか否かを確認する(ステップS521)。“DSth”は、任意に設定される運転スコアDSの閾値に対応している。
DS<DSthが満たされない場合(ステップS531、NO)、危険運転判定部150が、運転状態を通常状態に設定する(ステップS522)。すなわち、運転状態が通常状態に維持され、危険運転通知動作が終了する。
一方で、DS<DSthが満たされる場合(ステップS522、YES)、危険運転判定部150が、“Cn=10”の処理を実行する(ステップS523)。すなわち、通知処理カウンタCnに所定の値が設定される。そして、危険運転判定部150が、運転状態を通知状態に設定し(ステップS524)、通知処理を開始する(ステップS525)。この通知処理において、警告制御部151は、スピーカ80及び表示装置90の少なくとも一方を用いて、運転者に対して通知状態に遷移したことを通知する。その後、危険運転判定部150が、通常状態処理を終了させる。
[5−2−2]通知状態処理
図39は、第5実施形態に係る運転特性評価装置10における通知状態処理の流れの一例を示している。以下に、図39を参照して、第5実施形態に係る運転特性評価装置10における通知状態処理の流れの一例について説明する。
まず、運転特性判定部107が、運転特性データ109を用いて運転スコアDSを算出する(ステップS530)。そして、危険運転判定部150が、例えば運転スコアDSがDSthよりも小さいか否かを確認する(ステップS531)。尚、通知状態処理における“DSth”は、通常状態処理における“DSth”と同じであっても良いし、異なっていても良い。
DS<DSthが満たされない場合(ステップS531、NO)、危険運転判定部150が、“Cn+=2”の処理を実行する(ステップS523)。すなわち、通知処理カウンタCnがカウントアップされる。一方で、DS<DSthが満たされる場合(ステップS531、YES)、危険運転判定部150が、“Cn−−”の処理を実行する(ステップS533)。すなわち、通知処理カウンタCnがカウントダウンされる。尚、ステップS532における通知処理カウンタのカウントアップ量は、例えばステップS533における通知処理カウンタのカウントダウン量よりも大きく設定される。
ステップS532又はS533の処理が実行された後に、危険運転判定部150が、例えば通知処理カウンタCnが“0”になったか否かを確認する(ステップS534)。
Cn=0が満たされる場合(ステップS531、YES)、警告制御部151が、通知処理を停止する(ステップS535)。そして、危険運転判定部150が、運転状態を通常状態に設定し(ステップS526)、通知状態処理を終了させる。一方で、Cn=0が満たされない場合(ステップS531、YES)、危険運転判定部150が、例えば通知処理カウンタCnが“30”を超えたか否かを確認する(ステップS537)。
Cn>30が満たされない場合(ステップS537、NO)、警告制御部151が、例えば通知処理を継続した状態で、通知状態処理を終了させる。一方で、Cn>30が満たされる場合(ステップS537、YES)、危険運転判定部150が、運転状態を警告状態に設定し(ステップS538)、警告制御部151が、警告処理を開始する(ステップS539)。この警告処理において、警告制御部151は、スピーカ80及び表示装置90の少なくとも一方を用いて、運転者に対して警告状態に遷移したことを通知する。その後、危険運転判定部150が、通知状態処理を終了させる。
[5−2−3]警告状態処理
図40は、第5実施形態に係る運転特性評価装置10における警告状態処理の流れの一例を示している。以下に、図40を参照して、第5実施形態に係る運転特性評価装置10における警告状態処理の流れの一例について説明する。
まず、危険運転判定部150が、運転情報を記憶部108に記録させる(ステップS540)。この運転情報としては、例えば映像撮影装置20によって撮影された映像や、速度センサ40によって取得された速度情報等が挙げられる。これに限定されず、運転情報としては、運転車の運転方法の詳細を示すことが可能であれば、あらゆる情報が適用され得る。また、運転情報の記録は、運転特性評価装置10の外部に接続されたドライブレコーダ等によって実行されても良い。
そして、危険運転判定部150が、“Ca++”の処理を実行する(ステップS541)。すなわち、警告処理カウンタCaがカウントアップされる。それから、危険運転判定部150が、警告処理カウンタCaが“30”を超えたか否かを確認する(ステップS542)。
Ca>30が満たされない場合(ステップS542、NO)、警告制御部151が、警告処理を継続した状態で、警告状態処理を終了させる。一方で、Ca>30が満たされる場合(ステップS542、YES)、警告制御部151が、警告処理を停止する(ステップS543)。そして、危険運転判定部150が、“Cn=0,Ca=0”の処理4を実行する(ステップS544)。すなわち、通知処理カウンタCnと、警告処理カウンタCaとの両方をリセットする。それから、危険運転判定部150が、運転状態を例えば通常状態に設定し(ステップS545)、警告状態処理を終了させる。つまり、運転特性評価装置10は、例えば警告状態を一定時間継続させると警告処理を終了して、通常状態に遷移する。
[5−3]第5実施形態の効果
以上のように、第5実施形態に係る運転特性評価装置10の危険運転通知動作において、通常状態では、運転者に対する通知や警告が実行されない。一方で、通知状態では、運転者に対する通知処理が実行され、警告状態では、運転者に対する警告処理が実行される。“通知処理”及び“警告処理”のそれぞれは、運転者に対して危険運転(或いはあおり運転)を実施していることを知らせることができる。また、“警告処理”と“通知処理”とでは、互いに異なるメッセージが使用され、“通知処理”よりも“警告処理”の方が強いメッセージが使用される。
このように、第5実施形態に係る運転特性評価装置10の危険運転通知動作は、運転中に、運転者に対して危険運転の程度を知らせることができる。言い換えると、第5実施形態に係る運転特性評価装置10は、運転者に対して現在の運転特性をリアルタイムに知らせることができる。その結果、運転者は、運転特性評価装置10による通知又は警告を認識することによって、意図せずあおり運転等を行っているか否かを知ることができ、運転の安全性を向上させることができる。
尚、第5実施形態では、運転特性評価装置10が通知状態である場合に運転者に対する通知処理が実行される場合について例示したが、これに限定されない。通知処理は省略されても良く、通知状態処理が警告状態処理の前段階として使用されても良い。また、運転特性評価装置10は、通知状態を省略し、通常状態から警告状態に直接遷移しても良い。
また、第5実施形態に係る運転特性評価装置10では、通常状態処理と、通知状態処理と、警告状態処理とが、1つの運転スコアDSを参照して選択的に実行される場合について例示したが、これに限定されない。例えば、危険運転カウンタDDC毎に、図37〜図40を用いて説明された危険運転通知動作が実行されても良い。この場合、危険運転判定部150及び警告制御部151は、スピーカ80及び表示装置90の少なくとも一方を用いて、複数の項目の通知処理や複数の項目の警告処理を実行し得る。
また、第5実施形態で動作の説明に使用されたフローチャートは、あくまで一例である。例えば、通常状態処理、通知状態処理、及び警告状態処理において参照される通知処理カウンタCn及び警告処理カウンタCaの使用方法は、第5実施形態で説明された各動作を実現することが可能であれば、その他の方法が適用されても良い。ステップS537で使用される通知処理カウンタCnの判定値や、ステップS542で使用され警告処理カウンタCaの判定値のそれぞれは、その他の数値に設定されても良い。第5実施形態では、運転スコアDSが高い方が良好である場合について例示したが、低い方が良好であるように運転スコアDSが算出されても良い。
また、ステップS521及びS531における運転スコアDSを用いた判定処理は、危険運転カウンタDDCがインクリメントされたか否かという判定処理に置き換えられても良い。この場合、例えばデータテーブルセットTSが、危険運転カウンタDDCがインクリメントされたことに対応するフラグ情報を保持する。そして、当該フラグ情報が“TRUE”である場合、当該ステップの“YES”に対応する処理が実行され、“FALSE”である場合、当該ステップの“NO”に対応する処理が実行される。
[6]第6実施形態
第6実施形態は、第1〜第4実施形態の少なくとも一種類が適用された運転特性データ109の利用方法に関する。以下に、第6実施形態に係る運転特性評価システムについて、第1〜第5実施形態と異なる点を説明する。
[6−1]運転特性評価システムの構成
図41は、第6実施形態に係る運転特性評価システムの構成の一例を示している。図41に示すように、第6実施形態に係る運転特性評価システムは、運転特性評価装置10が搭載された自車両OVと、基地局STAと、サーバNSVとを含んでいる。
第6実施形態における運転特性評価装置10は、例えば無線通信モジュール(図示せず)をさらに含んでいる。そして、運転特性評価装置10は、当該無線通信モジュールを介して、運転特性データ109を無線で送信し得る。基地局STAは、ネットワークNWに接続され、無線通信のアクセスポイントとして使用される。サーバNSVは、ネットワークNWを介して受信した様々な情報を内部のストレージに格納し得る。
基地局STAとサーバNSVとの間は、無線又は有線で通信可能に構成される。基地局STAは、運転特性評価装置10から運転特性データ109を無線で受信した場合に、受信した運転特性データ109をサーバNSVに転送する。それから、サーバNSVは、基地局STAから転送された運転特性データ109を内部のストレージに格納する。
[6−2]第6実施形態の効果
以上で説明された第6実施形態に係る運転特性評価システムに依れば、ネットワークNW上のサーバNSVに、運転特性データ109を蓄積することができる。これにより、運転特性評価システムの管理者が、例えば運転特性評価装置10を備える複数の車両のデータを一元管理することができる。その結果、第6実施形態に係る運転特性評価システムは、運転特性データ109の利便性を向上させることができ、サービスの自由度を向上させることができる。
[7]その他
第1実施形態で説明された適正車間距離算出部105による適正車間距離の算出方法としては、様々な方法が適用され得る。以下に、適正車間距離算出部105による適正車間距離の算出方法の一例について説明する。
例えば、適正車間距離算出部105は、まず速度情報x(km/h)と、適正車間距離y(m)との対応を、(0,0)、(20,10)、(40,25)のように作成する。そして、車両速度と、適正車間距離が設定された速度情報xとのずれが存在する場合には、例えば以下の補足計算を実行する。
0<x<20である場合:y=x/2
20<x<40である場合:y=3x/4−5
これにより、適正車間距離算出部105は、各運転特性評価動作において、適正車間距離を算出することが出来る。尚、本明細書において加速度は、例えば車両速度と時間を計測することによって算出される。例えば、(時間経過、車両速度)と定義した場合に、(t1,x1)、(t2,x2)の2回計測が実行される。この場合、加速度は、(x2−x1)/(t2−t1)で表される。
第1実施形態に係る運転特性評価装置10の構成はあくまで一例であり、その他の構成であってもよい。例えば、運転特性評価装置10が特定の運転特性評価動作のみを実行する場合、当該動作に使用されない構成は適宜省略されても良い。また、各実施形態で説明された運転特性評価装置10の機能構成は、あくまで一例である。運転特性評価装置10の機能構成は、各実施形態で説明された動作を実行することが可能であれば、その他の名称及びグループ分けであっても良い。
各機能構成は、必ずしも車載ネットワーク等から情報を取得する必要はない。このため、運転特性評価装置10は、車載システムではなく、フロントガラスやバックミラー付近に貼り付けるための外付け用の機材として開発されることによって、車種に関係なく設置されることが可能である。これにより、例えば違反者に対して運転特性評価装置10の設置を義務づけるという運用が可能となる。
第1実施形態に係る運転特性評価装置10に含まれたCPU11は、その他の回路であっても良い。例えば、CPU11の替わりに、MPU(Micro Processing Unit)等が使用されても良い。また、各実施形態において説明された処理のそれぞれは、専用のハードウェアによって実現されても良い。各実施形態の運転特性評価装置10は、ソフトウェアにより実行される処理と、ハードウェアによって実行される処理とが混在していても良いし、どちらか一方のみであっても良い。各実施形態において、動作の説明に用いたフローチャートやデータテーブルは、あくまで一例である。各運転特性評価動作は、処理の順番が可能な範囲で入れ替えられても良いし、その他の処理が追加されても良い。
本明細書において“接続”は、データの通信が可能である状態に対応している。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。