JP2021151837A - 浮沈式太陽光発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】悪天候や強風および波浪時において沈降し、晴天および凪時には浮上する浮沈式太陽光発電装置を提供すること。【解決手段】本実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置は、太陽光により発電を行う発電部を有し、水面上と水中との間で浮沈可能であって、架台自体もしくはフロートと連結した前記発電部を支持する架台と、前記架台を浮沈させる牽引装置または昇降機と浮力を調整する浮力調整器とのうち少なくとも一つを有する浮沈動作装置と、を備えることを特徴とし、前記水中へ前記架台を沈降することにより、天候による破損を防止することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本明細書の実施形態は、水上に設置に太陽光発電装置を設置するに際し、悪天候から装置を保護するための浮沈式太陽光発電装置に関する。
従来、海洋、河川、湖、池、ダム、人工池や水溜の水上へ太陽光発電装置を設置するため、フロートの上に太陽電池パネルを設置する水上発電装置が開発されている。水上設置用太陽光発電装置およびその連結体に関して、特許文献1では、太陽光パネルを保持する水上フロート機能を持つ架台に表皮シートを巻き付けて連結する技術がある。当該技術において、水上設置用太陽光発電装置およびその連結体が、風および波浪に耐える強度を保つには、必要な巻き付け量、接着強度が求められ、工数がかかる問題がある。また、特許文献2では、錘付き架台に関して、風、波浪に対して「まくれ」を低減する方策として重心位置の下側に錘体を設ける技術がある。当該技術において、風および波浪の耐性を上げるには錘体の重量を増やす必要がある。このため、架台の浮力をさらに上げる必要があり、結果、大掛かりな装置になる問題がある。また、特許文献3と特許文献4では、水上太陽光発電装置および水上支柱の設置方法に関する技術では、支柱を用いて風および波浪による移動を防いでいる。しかしながら、悪天候による太陽光発電装置の損傷や破損および風および波浪にて「まくれ」を防止することはできない問題がある。
特許第4916169号公報 特開2009−202697号公報 特開2014−24372号公報 特許第5932989号公報
従来技術では、悪天候や風および波浪による損傷や破損と、水上の太陽光発電装置に固有の現象として端のパネルから裏返ってしまう、いわゆる「まくれ」を防止する根本的な解決はなされていない。水上の太陽光発電装置は、損傷や破損およびまくれを防止するために、装置の強度を上げると、重量増のためにさらに浮力が必要となり、浮力を上げるために体積が大きくなり、体積が大きくなった分さらに強度を上げる必要が再度発生し、結果、大掛かりなシステムとなる問題がある。また、想定された風および波浪に対する強度設計を行っても、想定を上回った悪天候や風および波浪が発生した場合、水上の太陽光発電装置において、損傷や破損およびまくれを招くことになる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、強風および波浪時において沈降し、晴天および凪時には浮上する浮沈式太陽光発電装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置は、太陽光により発電を行う発電部を有し、水面上と水中との間で浮沈可能であって、架台自体もしくはフロートと連結した前記発電部を支持する架台と、前記架台を浮沈させる牽引装置または昇降機と、浮力を調整する浮力調整器とのうち少なくとも一つを有する浮沈動作装置と、を具備することを特徴とし、前記水中へ前記架台を沈降することにより、天候による破損を防止すること、を特徴とする。なお、架台は、浮力を有していてもよい。架台に備わる浮力は、架台自体の素材や空間の全部または一部に水以下の密度を持たせること、船舶のように水に浮く構造設計、発電部に浮力を持たせること、もしくは「浮き」や「フロート」と呼ばれる浮力を持つ機能を備えたものの装備、などにより実現される。
本発明の実施形態に関わる浮沈式太陽光発電装置では一つ以上のアンカーに連結したロープをロープ巻き取り機にて巻き取ることで、架台を沈降させ、ロープ巻き取り機から当該ロープを開放することにより架台を浮上させること、または水底に固定された1つ以上の昇降機にて架台を浮沈させることを特徴とする。もしくは、本発明の実施形態に関わる浮沈式太陽光発電装置では、水面上に設置された装置の浮力を中性浮力を挟んで増減可能に調整する浮力調整器により、中性浮力より浮力を小さくさせて架台を沈降させ、中性浮力より浮力を大きくすることで架台を浮上させることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置は、気象予測情報または浮沈指令に基づいて、前記架台の浮上と前記架台の沈降とを制御する制御部をさらに有することを特徴とする。例えば、本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置における制御部は、気象状況や、気象情報と発電量の予測に基づいて前記浮沈動作装置を制御することを特徴とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置では、前記制御部が、前記架台が設置された地域における気象予測情報に基づいて前記架台への負荷を示す負荷値を計算し、前記負荷値が前記負荷の上限に対応する負荷閾値以上である場合、前記沈降に関して前記浮沈動作装置を制御し、前記負荷値が前記負荷閾値未満であって、前記浮上と前記沈降とにより消費される消費電力と前記水中での前記架台の待機による待機電力との差分を発電閾値として前記予測発電量が前記発電閾値を超えた場合、前記浮上に関して前記浮沈動作装置を制御すること、を特徴とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置では、前記制御部が、前記気象予測情報における有義波高に、1より大きい所定の定数を乗じることにより、前記負荷値を計算すること、を特徴とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置では、前記制御部が、前記気象予測情報において雷や雹の予報が含まれる場合、前記沈降に関して前記浮沈動作装置を制御すること、を特徴とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置は、前記架台の揺れを検出する揺れセンサをさらに有し、前記制御部が、前記揺れが前記揺れの上限に対応する揺れ閾値以上である場合、前記沈降に関して前記浮沈動作装置を制御すること、を特徴とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置では、前記制御部が、発電量の揺らぎや、搭載された姿勢センサ、位置センサ、揺れセンサのいずれか1つ以上の過去および現在の出力に基づいて、現在から所定時間経過後における前記揺れの予測値を計算し、前記予測値が前記揺れ閾値を超えた場合、前記沈降に関して前記浮沈動作装置を制御すること、を特徴とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置は、前記架台の位置決めに関するアンカーと前記架台とを結ぶロープの巻き取りまたは前記ロープの送り出しを実行するロープ巻き取り機をさらに有し、前記制御部が、前記沈降の開始時点より遅れて前記ロープの巻き取りを開始するように、前記ロープ巻き取り機を制御し、前記浮上の開始時点より遅れて前記ロープの送り出しを開始するように、前記ロープ巻き取り機を制御すること、を特徴とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置は、前記架台に固定脚を備え、水底の状態にかからず着床した際の安定性確保と、水底の起伏や起伏物による装置の破損の回避、水底環境、生物の保全をする機能を特徴とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置は、水底へ着床して待機させる以外に、水圧による水深測定、または前記架台の直下の底面と前記水面との間において、前記架台の位置を検出する位置センサをさらに有し、前記制御部が、前記位置センサからの出力に基づいて、前記沈降において前記位置が所定の水深に到達したか否かを判定し、前記位置が前記所定の水深に到達した場合、前記所定の水深において前記架台の浮力が中性浮力より大きい浮力になるように、前記浮力調整器を制御し、前記位置が前記所定の水深に到達した場合、前記ロープ巻き取り機による前記ロープの巻き取りを停止するように前記ロープ巻き取り機を制御すること、を特徴とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置は、前記架台の姿勢を検出する姿勢センサをさらに有し、前記制御部が、前記姿勢センサからの出力に基づいて、前記姿勢が水平状態となるように前記浮沈動作装置を制御すること、を特徴とする。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置によれば、悪天候や強風および波浪時において沈降し、晴天および凪時には浮上することにより、雷、雹、風および波浪による浮沈式太陽光発電装置の損傷や破損およびまくれを防止することができる。
本発明の実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置は、悪天候や強風および波浪時において沈降し、晴天および凪時には浮上することができる。
図1は、第1実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置の構成の一例を示す図である。 図2は、第1実施形態に係り、水面上に浮かぶ牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置の外観と、海底近傍に沈んだ牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置の外観との一例を示す図である。 図3は、第1実施形態に係る沈降動作の手順の一例を示すフローチャートである。 図4は、第1実施形態に係る沈降動作の手順の一例を示すフローチャートである。 図5は、第1実施形態に係る浮上動作の手順の一例を示すフローチャートである。 図6は、第2実施形態に係り、水面上に浮かぶ昇降機付き浮沈式太陽光発電装置の外観と、海底近傍に沈んだ昇降機付き浮沈式太陽光発電装置の外観との一例を示す図である。 図7は、第2実施形態に係る沈降動作の手順の一例を示すフローチャートである。 図8は、第2実施形態に係る浮上動作の手順の一例を示すフローチャートである。 図9は、第3実施形態に係り、水面上に浮かぶ浮力調整器付き浮沈式太陽光発電装置の外観と、海底近傍に沈んだ浮力調整器付き浮沈式太陽光発電装置の外観との一例を示す図である。 図10は、第3実施形態に係る沈降動作の手順の一例を示すフローチャートである。 図11は、第3実施形態に係る浮上動作の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、浮沈式太陽光発電装置の実施形態について詳細に説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、浮沈式太陽光発電装置1は、水面上と水中との間で浮沈可能な架台5と、架台5を浮沈させる浮沈動作装置6とを有する。なお、架台5は、浮力を有していてもよい。架台5に備わる浮力は、架台5自体の素材や空間の全部または一部に水以下の密度を持たせること、船舶のように水に浮く構造設計、発電部51に浮力を持たせること、もしくは「浮き」や「フロート」と呼ばれる浮力を持つ機能を備えたものの装備、などにより実現される。浮沈動作装置6は、架台5を浮沈させる牽引装置または昇降機と、浮力を調整する浮力調整器とのうち少なくとも一つを有する。本実施形態では、浮沈動作装置6は、牽引装置を有するものとして説明する。牽引装置については、後程説明する。架台5は、発電部51と、受信部53と、姿勢センサ55と、位置センサ57と、揺れセンサ59と、制御部65と、記憶部67と、を有する。なお、浮沈動作装置6の少なくとも一部は、架台5に設けられてもよい。
送電ケーブル52は、陸地などに設置された送電網または蓄電池と、発電部51とを接続する。なお、送電ケーブル52は、浮沈式太陽光発電装置1の近傍に停泊する船舶における給電用のコネクタと、発電部51とを接続してもよい。送電ケーブル52により、浮沈式太陽光発電装置1は、水面上から所望の供給先に、発電部51により発電された電力を供給する。
送電ケーブル52には、例えば、鉛直方向に向けて数珠状に連なる複数の錘が設けられる。このとき、架台5の沈降にしたがって、数珠状の複数の錘は、下端の錘から水底に順次到達する。このため、架台5の沈降時において、錘の段階的な水底への到達に応じて、架台5を沈める力は段階的に低減する。受信部53は、有線無線を問わず、各種ネットワークに電気通信的に接続される。架台5における各種構成要素については、後程説明する。
以下説明を具体的にするために、浮沈式太陽光発電装置1は、海に設置されるものとする。なお、浮沈式太陽光発電装置1の設置場所は、海に限定されず、河川、湖、池、ダム、人工池や水溜など、浮沈式太陽光発電装置1を沈降可能な場所であればいかなる場所であってもよい。
図2は、水面11上に浮かぶ浮沈式太陽光発電装置1の外観と、海底(底面、水底)13近傍に沈んだ浮沈式太陽光発電装置1の外観との一例を示す図である。図2に示す浮沈式太陽光発電装置1は、浮沈動作装置6として、架台5を浮沈させる牽引装置60を有する。以下、本実施形態における浮沈式太陽光発電装置1を牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置と呼ぶ。牽引装置60は、海底13に固定されたアンカー7と、アンカー7に一端が接続されたロープ9と、ロープ9の他端を巻き取りおよび送り出し可能なロープ巻き取り機61とを有する。
図2に示す牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1は、4つの牽引装置60を有するが、これに限定されない。すなわち、牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1は、少なくとも一つの牽引装置60を有する。複数の牽引装置60が浮沈式太陽光発電装置1に設けられる場合、架台5の浮沈に関して複数のロープ9が用いられる。このため、複数の牽引装置60における複数のロープ巻き取り機61は、架台5の沈降に関して同長のロープ9を巻き取り、架台5の浮上に関して同量のロープ9を送り出す。また、一つの牽引装置60が牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1に設けられる場合、ロープ巻き取り機61は、例えば、架台5の重心部分に設けられる。また、複数の牽引装置60が牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1に設けられる場合、複数のロープ巻き取り機61は、例えば、架台5の重心部分に対して対照的な位置に設けられる。
架台5の形状においては、沈降時には架台5の下側の水を架台5の上部の垂直方向へ逃がし、浮上時には架台5の上部の水を架台5の下面の垂直方向へ逃すために、穴あき構造が望ましく、穴の面積が大きいほど垂直に浮沈させやすい。さらに、沈降時に架台5の下面においては、四角錐や円錐状等の下部が細くなる凸構造により、下側の水を前後左右へ均等に逃がし、水平を保ちやすくする構造が望ましい。
図2における矢印に示すように、牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1は、ロープ巻き取り機61によるロープ9の巻き取りとロープ9の送り出しとにより、水面11と海底13との間で浮沈可能である。架台5は、骨組み構造を有する。架台5の骨組み構造の中心部分には、例えば、制御部65、記憶部67等が据え付けられる。なお、z方向から見た架台5の形状は矩形に限定されず、例えば、3角形や6角形であってもよい。このとき、6つの太陽光パネル511が、6辺それぞれに対応して配置され、6角形の中心部分に制御部65、記憶部67等が据え付けられる。
アンカー7は、架台5の位置決めに関して海底13に固定される。アンカー7の端部には、ロープ9が接続される。ロープ9は、ロープ巻き取り機61による動作により巻き取り可能、または送り出し可能に、ロープ巻き取り機61と接続される。アンカー7の総数は、2つ以上が好ましく、3つ以上がさらに好ましい。架台5が有する浮力とロープ9の張力とにより、浮沈時の架台5の水平性確保と水流による移動を抑制し、且つ、水中での安定した係留が可能となる。
もしくは、沈降後、架台5の浮力が小さく、水の流れによって海底13と架台5とが直接接触する恐れがある場合には、アンカー7にて架台5は係留され、牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1は、水底13の状態にかからず着床時に架台5と水底13とに一定の距離を持たせ、架台5の安定性確保と、水底13の起伏や起伏物による破損の回避、加えて水底環境、生物の保全をする。一定の距離を保つために後述の図9に示す固定脚8やロープ9と連結していない独立したアンカー7が水底13に設置されてもよく、この場合、アンカー7は、漁礁機能を備え、生物の保全を高めたものがさらに良い。
発電部51は、例えば、少なくとも一つの太陽光パネル511と、太陽光パネル511により生成された電力を集める集電機と、集電機により集められた電力を送電可能な電力に変換するパワーコンディショナーユニット(power conditioner unit(以下、PCUと呼ぶ))とを有する。発電部51は、太陽光パネル511により生成された電力を、PCUを介して、送電網、蓄電池または船舶などへ供給する。なお、PCUは、陸地に設置されてもよい。このとき、発電部51は、太陽光パネル511と集電機とを有することとなり、集電機により集電された電力を、送電ケーブル52を介して陸地に設置されたPCUへ供給する。また、PCUは、電流・電圧センサを有していてもよい。このとき、発電部51は、太陽光パネル511により発電された発電量を、電流・電圧センサにより計測し、計測された発電量を、例えば、不図示の送信機により売電先のサーバに出力する。
受信部53は、架台5が設置された地域における気象予測情報を、ネットワークを介して受信する。受信部53は、受信された気象予測情報を、記憶部67に出力する。気象予測情報とは、例えば、気象予報、波浪予報、津波警報などである。気象予測情報は、例えば、日本気象協会におけるアメダス日射量推定「SYNFOS−solar/ SYNFOS−solar 1kmメッシュ」、気象衛星による日射量予測「SOLASAT−Nowcast / SOLASAT 8−Nowcast / SOLASAT 8−Now」、世界の気象衛星画像情報「SOLASAT−Global」を利用した独自予測、その他天気予報(時間帯、10日、降水確率、風、波)、長期予報、雨雲予報、豪雨レーダ、PM2.5分布予測、雷(予報)などである。
なお、気象予測情報は、上記に限定されず、国際気象海洋株式会社提供の予測情報における波浪、風、界面流速などであってもよい。また、気象予測情報は、気象庁発表の予想データ、アメダスによる降水量、積雪、風向風速、日照時間であってもよい。また、気象予測情報は、Jコーポレーション(気象庁データとPLUM法)からの地震、津波情報を有してもよい。
なお、受信部53は、発電部51による発電量の予測量(以下、予測発電量と呼ぶ)を、ネットワークを介して受信してもよい。予測発電量は、例えば、日本気象協会の「SOLASAT 8−Nowcast」による発電量予測のデータである。受信部53は、受信された予測発電量を、記憶部67に出力する。また、受信部53は、ネットワークを介して、管理センターなどにおける不図示の入力インターフェースを介して入力された操作者の指示(以下、浮沈指令と呼ぶ)を受信してもよい。入力インターフェースとしては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能である。受信部53は、受信された予測発電量を、制御部65に出力する。
姿勢センサ55は、架台5の姿勢を検出する。姿勢センサ55は、例えば、架台5の骨組み構造の複数個所に搭載される。姿勢センサ55は、例えば、水圧センサ、水平センサ、傾斜センサなどにより実現される。姿勢センサ55は、架台5の姿勢として、水平に対する架台5の傾きの程度を検出する。姿勢センサ55は、架台5の姿勢に関する検出結果を、制御部65に出力する。
位置センサ57は、牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1の水深位置を測定するもので、架台5の直下の海底13と水面11との間において、架台5の位置を検出する。位置センサ57は、架台5における少なくとも一つの個所、例えば、架台5の底面に搭載される。位置センサ57は、例えば、超音波センサや水圧センサにより実現される。超音波センサは、海底13に向けて超音波を送信し、海底13で反射された超音波を受信することにより、海底13から架台5までの距離(以下、水中距離と呼ぶ)を検出する。水圧センサは、水圧に基づいて、水面11から架台5が沈降した距離(以下、沈降距離と呼ぶ)を測定する。
なお、超音波センサは、架台5の上面にさらに設けられてもよい。このとき、超音波センサは、牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1の沈降時において、水面11に向けて超音波を送信し、水面11で反射された超音波を受信することにより、架台5の水深を検出する。水圧センサは、例えば、圧力センサにより実現され、当該沈降時における架台5の沈降距離を検出する。このとき、圧力センサは、姿勢センサ55を兼ねることとなる。位置センサ57は、架台5の位置、すなわち水中距離または沈降距離を制御部65に出力する。なお、牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1は、位置センサ57と姿勢センサ55とのうちいずれか一方を搭載してもよい。
揺れセンサ59は、架台5の揺れを検出する。揺れセンサ59は、架台5における少なくとも一つの個所に搭載される。揺れセンサ59は、例えば、加速度センサや超音波センサなどにより実現される。揺れセンサ59は、架台5の揺れに関する検出結果を、制御部65に出力する。揺れセンサ59による揺れの計測は、常時実行される。揺れセンサ59として加速度センサが用いられた場合、揺れの程度は、加速度に相当する。また、揺れセンサ59として超音波センサが用いられた場合、揺れの程度は、架台5から海底13までの距離の変化に相当する。
ロープ巻き取り機61は、制御部65により制御のもとで、自身に搭載されたモータを駆動し、ロープ9の巻き取りまたはロープ9の送り出しを実行する。ロープ巻き取り機61は、例えば、アンカー7の数すなわちロープ9の数に対応する総数で、架台5に搭載される。なお、複数のロープ巻き取り機61により、一つのロープ9に対して巻き取りおよび送り出しが実施されてもよい。また、ロープ巻き取り機61は、陸地に設置されてもよい。このとき、アンカー7の端部には、ロープ9が通された滑車が設けられ、ロープ9は、当該滑車を介してロープ巻き取り機61と架台5の底部とを接続する。これらのような状況で、ロープ巻き取り機61により、ロープ9の巻き取りとロープ9の送り出しが実行され、架台5は浮沈する。
沈降後、架台5は、アンカー7にて係留される。アンカー7は、水底13の状態にかからず着床した際の安定性確保と、水底13の起伏や起伏物による装置の破損の回避、水底環境、生物の保全をする固定脚8の機能を、代替してもよい。さらに、アンカー7は、漁礁機能を有し、生物を保全することも可能である。
制御部65は、受信部53を介して受信された気象予測情報に基づいて、牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1全体の動作を制御する。制御部65は、受信部53を介して受信された予測発電量や浮沈指令に従って、牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1全体の動作を制御してもよい。なお、制御部65は、受信部53を介して受信された気象データに基づいて、気象予測情報を生成してもよい。また、制御部65は、架台5に付帯された気圧センサおよび温湿度計などの気象センサからの出力に基づいて、気象予測情報を生成してもよい。これらの場合、気象予測情報は制御部65により生成されるため、受信部53による気象予測情報の受信は不要となる。制御部65は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。
制御部65において実行される各種計算に関する機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶部67へ記憶されている。制御部65は、記憶部67からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態のプロセッサは、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
なお、制御部65は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)などのプロセッサにより実現されてもよい。
制御部65は、気象予測情報または浮沈指令に基づいて、架台5の浮上と架台5の沈降とを制御する。具体的には、制御部65は、受信部53により受信された気象予測情報に基づいて、水面11上から水中への架台5の沈降に関して牽引装置60を制御する。例えば、制御部65は、気象予測情報に基づいて架台5への負荷を示す負荷値を計算する。負荷値とは、例えば、気象予測情報における波の高さ(例えば、有義波高)の2倍や3倍などの定数倍であって、有義波高より大きい値である。
具体的には、制御部65は、国際気象海洋株式会社などの提供による気象予測情報から波浪予報を抽出する。波浪予報は、架台5が設置された地域における有義波高のデータを有する。制御部65は、有義波高に、1より大きい所定の定数(上記2や3など)を乗じることにより、負荷値を算出する。所定の定数は、予め設定され、記憶部67に記憶される。なお、所定の定数は、入力インターフェース等を介して、適宜設定、変更可能である。
制御部65は、計算された負荷値が架台5の負荷の上限に対応する負荷閾値以上である場合、架台5の沈降に関してロープ巻き取り機61を制御する。負荷閾値は、架台5の大きさや架台5の設置場所等に応じた架台5の設計により設定される。負荷閾値は、例えば、架台5が耐えうる最大の波高に相当し、記憶部67に記憶される。負荷閾値は、例えば5mなどである。なお、負荷閾値は、入力インターフェース等を介して、適宜設定、変更可能である。なお、制御部65は、気象予測情報において雷や雹の予報が含まれる場合、負荷値の大きさに関わらず、架台5の沈降に関してロープ巻き取り機61を制御する。
制御部65は、揺れセンサ59により出力された架台5の揺れが、当該揺れの上限に対応する揺れ閾値以上である場合、または揺れ閾値以上になる見込みがあった場合、架台5の沈降に関して浮沈動作装置6を作動させる。すなわち、制御部65は、架台5の揺れが揺れ閾値以上または揺れ閾値以上の見込みである場合、負荷値の大きさに関わらず、架台5の沈降に関してロープ巻き取り機61を制御してもよい。揺れ閾値は、架台5の大きさや架台5の設置場所等に応じた架台5の設計により設定され、記憶部67に記憶される。揺れ閾値は、架台5や太陽光パネル511がまくれない程度の揺れに相当する。なお、揺れ閾値は、入力インターフェース等を介して、適宜設定、変更可能である。また、揺れ閾値は、負荷閾値と同等であってもよい。
制御部65は、揺れセンサ59からの過去および現在の出力に基づいて、現在から所定時間経過後における架台5の揺れの予測値を計算してもよい。例えば、制御部65は、現時刻より過去の時点における揺れの大きさを用いた外挿近似(1次近似や2次近似)により、予測値を計算する。制御部65は、予測値が揺れ閾値以上である場合、架台5の沈降に関してロープ巻き取り機61を制御する。
なお、制御部65は、受信部53により受信された浮沈指令に従って、水面11上から水中への架台5の沈降に関してロープ巻き取り機61を制御してもよい。また、計測された発電量に対する売電先からの応答として、売電不可や発電抑制等の指示を受信部53が受信した場合、制御部65は、架台5の沈降に関してロープ巻き取り機61を制御してもよい。
制御部65は、気象予測情報に基づく発電部51による予測発電量と気象予測情報とに基づいて、水中から水面11上への架台5の浮上に関してロープ巻き取り機61を制御する。具体的には、制御部65は、計算された負荷値が負荷閾値未満であって予測発電量が発電閾値以上である場合、架台5の浮上に関してロープ巻き取り機61を制御する。発電閾値は、架台5の浮上と架台5の沈降とにより消費される消費電力と水中での架台5の待機による待機電力との差分に相当する。
具体的には、発電閾値は、1回の架台5の浮上と1回の架台5の沈降とにおけるロープ巻き取り機61の消費電力から、水中での架台5の待機に伴うロープ巻き取り機61などによる待機電力を差分した差分値に対応する。なお、発電閾値は、上記消費電力であってもよい。また、発電閾値は、入力インターフェース等を介して、適宜設定、変更可能である。
なお、制御部65は、気象予測情報における日照時間、日照量、気温などと太陽光パネル511の方角及び角度等とに基づいて、予測発電量を計算してもよい。予測発電量の計算は、既存の計算手法を用いることができるため、説明は省略する。また、予測発電量は、風力発電の出力予測モデルSIPREOLICOと同様に、CECRE(Control Center for Renewable Energies;再生エネルギー専門の中央制御センター)などにより計算されてもよい。
また、水中に沈められた架台5の上面に配置された超音波センサは、波高を検出してもよい。このとき、制御部65は、検出された波高が負荷閾値未満であって予測発電量が発電閾値以上である場合、架台5の浮上に関してロープ巻き取り機61を制御する。なお、制御部65は、受信部53により受信された浮沈指令に従って、水中から水面11上への架台5の浮上に関してロープ巻き取り機61を制御してもよい。
制御部65は、架台5の姿勢または姿勢センサ55からの出力に基づいて、架台5が水平状態となるように浮沈動作装置6を制御する。例えば、制御部65は、姿勢センサ55からの出力に基づいて、架台5の姿勢が略水平状態となるように、ロープ巻き取り機61を制御する。具体的には、制御部65は、姿勢センサ55からの出力が、水平状態を示す範囲(以下、水平範囲と呼ぶ)に、含まれているか否かを判定する。制御部65は、姿勢センサ55からの出力が水平範囲に含まれるように、ロープ巻き取り機61を制御する。当該制御は、水準器(水平器またはレベル)を用いたレベルの調整に対応する。水平範囲は、例えば、水準器における2本の標線(基準線)の間隔に対応する。当該制御により、水面11上、浮上中および沈降中において、架台5の略水平状態は維持される。
なお、制御部65は、架台5の沈降速度と架台5の浮上速度とに応じて、ロープ巻き取り機61を制御してもよい。浮上速度と沈降速度とは、架台5の大きさや架台5の設置場所等に応じた架台5の設計により、予め設定され、記憶部67に記憶される。
具体的には、制御部65は、架台5の浮上時における架台5の浮上速度に応じて、ロープ巻き取り機61からロープ9を送り出す速度(以下、送出速度と呼ぶ)を調整するように、ロープ巻き取り機61を制御する。例えば、制御部65は、浮上速度と送出速度とが略同一となるように、ロープ巻き取り機61を制御する。また、制御部65は、架台5の沈降時における架台5の沈降速度に応じて、ロープ巻き取り機61によりロープ9を巻き取る速度(以下、巻き取り速度と呼ぶ)を調整するように、ロープ巻き取り機61を制御する。例えば、制御部65は、沈降速度と巻き取り速度とが略同一となるように、ロープ巻き取り機61を制御する。
制御部65は、位置センサ57からの出力に基づいて、架台5の沈降において、架台5の位置が所定の水深に到達したか否かを判定してもよい。所定の水深は、予め記憶部67に記憶される。制御部65は、架台5の位置が所定の水深に到達した場合、所定の水深においてロープ巻き取り機61によるロープ9の巻き取りを停止するように、ロープ巻き取り機61を制御する。このとき、架台5は、架台5の浮力とロープ9とを介して水中に係留されることとなる。
沈降後、架台5の浮力が小さく、水の流れによって海底13と架台5が直接接触する恐れがある場合には、アンカー7にて架台5は係留され、牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1は、水底13の状態にかからず着床時に架台5と水底13に一定の距離を持たせ、架台5の安定性確保と、水底13の起伏や起伏物による破損の回避、加えて水底環境、生物の保全をする。一定の距離を保つために図9に示す固定脚8やロープ9と連結していない独立したアンカー7が水底13に設置されてもよく、この場合、アンカー7は、漁礁機能を備え、生物の保全を高めたものがさらに良い。
記憶部67は、種々の情報を記憶するHDD(Hard disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。記憶部67は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等で実現されてもよい。
記憶部67は、制御部65により実行される各種計算の機能を実現するプログラムを記憶する。記憶部67は、受信部53により受信された気象予測情報を記憶する。記憶部67は、受信部53により受信された予測発電量を記憶する。なお、記憶部67は、予測発電量を計算するプログラムを記憶してもよい。このとき、記憶部67は、制御部65により計算された予測発電量を記憶する。記憶部67は、姿勢センサ55からの出力、位置センサ57からの出力、および揺れセンサ58からの出力を記憶する。例えば、記憶部67は、揺れセンサ59からの過去の出力を、検出時刻とともに記憶する。また、記憶部67は、揺れの予測値を計算するプログラムを記憶する。記憶部67は、発電閾値、所定の定数、負荷閾値、遅延時間、揺れ閾値、および水平範囲などを記憶する。なお、記憶部67は、浮上速度と沈降速度と所定の水深とを記憶してもよい。
以上、実施形態に係る牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、実施形態に係る牽引装置付き浮沈式太陽光発電装置1は、気象予測情報または浮沈指令により架台5の浮沈動作を実行する。まず、水面11上に位置する架台5が水中に向けて沈降する沈降動作の手順について説明する。次いで、水中に位置する架台5が水面11に向けて浮上する浮上動作の手順について説明する。図3および図4は、沈降動作の手順の一例を示すフローチャートである。
(沈降動作)
(ステップS301)
受信部53は、架台5が設置された地域における気象予測情報を、ネットワークを介して受信する。受信部53は、気象予測情報を、記憶部67に記憶させる。制御部65は、気象予測情報において雷や雹の予報の有無を判定する。
(ステップS302)
気象予測情報において雷や雹の予報があれば(ステップS302のYes)、ステップS308の処理が実行される。気象予測情報において雷や雹の予報が無ければ(ステップS302のNo)、ステップS303の処理が実行される。
(ステップS303)
制御部65は、揺れセンサ59からの出力に基づいて、現在の架台5の揺れが揺れ閾値以上であるか否かを判定する。架台5における現在の揺れが揺れ閾値以上であれば(ステップS303のYes)、ステップS308の処理が実行される。架台5における現在の揺れが揺れ閾値未満であれば(ステップS303のNo)、ステップS304の処理が実行される。
(ステップS304)
制御部65は、揺れセンサ59からの過去および現在の出力を、記憶部67から読み出す。制御部65は、読み出されたこれらの出力を外挿近似に用いて、現在から所定時間経過後の揺れの予測値を計算する。
(ステップS305)
制御部65は、計算された予測値が揺れ閾値以上であるか否かを判定する。予測値が揺れ閾値以上であれば(ステップS305のYes)、ステップS308の処理が実行される。予測値が揺れ閾値未満であれば(ステップS305のNo)、ステップS306の処理が実行される。
(ステップS306)
制御部65は、受信部53により受信された気象予測情報に基づいて、負荷値を計算する。具体的には、制御部65は、気象予測情報における有義波高に所定の定数を乗算するすることで、負荷値を計算する。
(ステップS307)
制御部65は、計算された負荷値が負荷閾値を以上であるか否かを判定する。負荷値が負荷閾値以上であれば(ステップS307のYes)、ステップS308の処理が実行される。負荷値が負荷閾値未満であれば(ステップS307のNo)、ステップS301の処理が実行される。
(ステップS308)
制御部65は、架台5の沈降に関して、ロープ巻き取り機61を制御する。具体的には、制御部65は、ロープ巻き取り機61によりロープ9を巻き取らせるように、ロープ巻き取り機61を制御する。これにより、架台5は、ロープ9の巻き取り量に応じて、海底13に向けて沈降を開始する。なお、入力インターフェースにおける「架台5の沈降」に関するスイッチボタンの押下など、入力インターフェースを介して「架台5の沈降」に関する浮沈指令が入力された場合、沈降動作は、本ステップから開始する。
(ステップS309)
制御部65は、姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されているかを判定する。姿勢センサ55からの出力が、例えば、角度に相当する場合、水平範囲は、0°を中心とする所定の角度範囲に相当する。姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されている場合(ステップS309のYes)、ステップS311の処理が実行される。姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されていない場合(ステップS309のNo)、ステップS310の処理が実行される。
(ステップS310)
制御部65は、姿勢センサ55からの出力に基づいて、架台5の姿勢が水平になるように、ロープ巻き取り機61を制御する。例えば、ロープ巻き取り機61が架台5に複数設けられている場合、制御部65は、架台5が水平状態となるように、少なくとも一つのロープ巻き取り機61によるロープ9の巻き取り速度を変更させる。これにより、ロープ9の巻き取り量が変化する。本ステップにより、架台5の沈降動作において、架台5の水平状態が維持されることとなる。なお、ステップS309、ステップS310は、架台5に複数個所の浮力機能が備えられたり、ロープ9を複数備えられる等により、架台5自体で水平を維持できる構造を架台5が有していれば、除くことが可能である。
(ステップS311)
制御部65は、位置センサ57からの出力に基づいて、架台5が所定の水深に到達したか否かを判定する。なお、制御部65は、ロープ巻き取り機61によるロープ9の巻き取り量に基づいて、当該判定を行ってもよい。架台5が所定の水深に到達した場合(ステップS311のYes)、ステップS312の処理が実行される。架台5が所定の水深に到達していない場合(ステップS311のNo)、ステップS309乃至ステップS311の処理が繰り返される。
(ステップS312)
制御部65は、ロープ9の巻き取りを停止するように、ロープ巻き取り機61を制御する。これにより、ロープ巻き取り機61によるロープ9の巻き取りは停止する。以上の処理により、架台5の沈降動作は終了し、架台5は、水中または海底13に係留される。
以下、図5を用いて、架台5の浮上動作の手順について説明する。図5は、浮上動作の手順の一例を示すフローチャートである。
(浮上動作)
(ステップS501)
受信部53は、架台5が設置された地域における気象予測情報と予測発電量とを、ネットワークを介して受信する。受信部53は、気象予測情報と予測発電量とを、記憶部67に記憶させる。制御部65は、気象予測情報において雷や雹の予報の有無を判定する。
(ステップS502)
気象予測情報において雷や雹の予報があれば(ステップS502のYes)、ステップS501の処理が実行される。気象予測情報において雷や雹の予報が無ければ(ステップS502のNo)、ステップS503の処理が実行される。
なお、架台5の上面において超音波センサが配置されている場合、超音波センサは、架台5が水中に係留されている状態において、波高を常時検出する。このとき、記憶部67は、超音波センサからの過去の出力、すなわち波高を、検出時刻とともに記憶する。制御部65は、検出された波高が負荷閾値以上であるか否かを判定する。検出された波高が負荷閾値以上である場合、ステップS501の処理が実行される。検出された波高が負荷閾値未満である場合、ステップS503の処理が実行される。
また、制御部65は、超音波センサからの過去および現在の波高を、記憶部67から読み出す。制御部65は、読み出されたこれらの波高を外挿近似に用いて、現在から所定時間経過後の波高の予測値(以下、波高推定値と呼ぶ)を計算する。制御部65は、波高推定値が負荷閾値以上であるか否かを判定する。波高推定値が負荷閾値以上であれば、ステップS501の処理が実行される。波高推定値が負荷閾値未満であれば、ステップS503の処理が実行される。なお、制御部65は、波高推定値に所定の定数を乗じた値が負荷閾値以上か否かを判定してもよい。
(ステップS503)
制御部65は、受信部53により受信された気象予測情報に基づいて、負荷値を計算する。本ステップは、ステップS306と同様な処理なため、説明は省略する。
(ステップS504)
制御部65は、計算された負荷値が負荷閾値を未満であるか否かを判定する。負荷値が負荷閾値未満であれば(ステップS504のYes)、ステップS505の処理が実行される。負荷値が負荷閾値以上であれば(ステップS504のNo)、ステップS501の処理が実行される。
(ステップS505)
制御部65は、予測発電量が発電閾値以上であるか否かを判定する。なお、受信部53を介して予測発電量が受信されない場合、制御部65は、当該判定に先立って、気象予測情報に基づいて、予測発電量を計算する。予測発電量が発電閾値以上であれば(ステップS505のYes)、ステップS506の処理が実行される。予測発電量が発電閾値未満であれば(ステップS505のNo)、ステップS501の処理が実行される。
(ステップS506)
制御部65は、架台5の浮上に関して、ロープ巻き取り機61を制御する。具体的には、制御部65は、ロープ巻き取り機61からロープ9を送り出させるように、ロープ巻き取り機61を制御する。ロープ9の送り出し量に応じて、架台5は、自身が有する浮力により浮上する。なお、入力インターフェースにおける「架台5の浮上」に関するスイッチボタンの押下など、入力インターフェースを介して「架台5の浮上」に関する浮沈指令が入力された場合、浮上動作は、本ステップから開始する。
(ステップS507)
制御部65は、姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されているかを判定する。本ステップは、ステップS309の処理と同様なため、説明は省略する。姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されている場合(ステップS507のYes)、ステップS509の処理が実行される。姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されていない場合(ステップS507のNo)、ステップS508の処理が実行される。
(ステップS508)
制御部65は、姿勢センサ55からの出力に基づいて、架台5の姿勢が水平になるように、ロープ巻き取り機61を制御する。本ステップは、ステップS310の処理と同様なため、説明は省略する。なお、ステップS309、ステップS310と同様に、ステップS507とステップS508は、架台5に複数個所の浮力機能が備えられたり、ロープ9を複数備えられたり等により、架台5自体で水平を維持できる構造を架台5が有していれば、除くことが可能である。
(ステップS509)
制御部65は、位置センサ57からの出力に基づいて、架台5が水面11上に到達したか否かを判定する。なお、制御部65は、ロープ巻き取り機61からのロープ9の送り出し量に基づいて、当該判定を行ってもよい。架台5が水面11上に到達した場合(ステップS509のYes)、ステップS510の処理が実行される。架台5が水面11上に到達していない場合(ステップS509のNo)、ステップS507乃至ステップS509の処理が繰り返される。
(ステップS510)
制御部65は、ロープ9の送り出しを停止するように、ロープ巻き取り機61を制御する。これにより、ロープ巻き取り機61によるロープ9の送り出しは停止する。以上の処理により、架台5の浮上動作は終了し、架台5は、水面11上に係留される。
以上に述べた構成および動作によれば、以下の効果を得ることができる。
第1実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1によれば、太陽光により発電を行う発電部51を有し、水面11上と水中との間で浮沈可能であって、架台5自体もしくはフロートと連結した発電部51を支持する架台5と、当該架台5を浮沈させる牽引装置60としての浮沈動作装置6とを有し、水中へ架台5を沈降することにより、天候による破損を防止する。具体的には、浮沈式太陽光発電装置1は、架台5の浮上と架台5の沈降とを、気象予測情報または浮沈指令に基づいて制御する。より詳細には、浮沈式太陽光発電装置1における制御部65は、気象予測情報に基づいて、水面11上から水中への架台5の沈降に関して浮沈動作装置6を制御し、気象予測情報に基づく発電部51による予測発電量と気象予測情報とに基づいて、水中から水面11上への架台5の浮上に関して浮沈動作装置6を制御する。これらにより、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、気象予測情報に基づいて架台5を沈降させ、予測発電量と気象予測情報とに基づいて架台5を浮上させることができる。
例えば、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、気象予測情報に基づいて負荷値を計算し、負荷値が負荷閾値以上である場合、架台5の沈降に関して浮沈動作装置6を制御し、負荷値が負荷閾値未満であって予測発電量が発電閾値を超えた場合、架台5の浮上に関して浮沈動作装置6を制御する。これにより、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、架台5に負荷がかかる気象予報が発表された場合、架台5を沈降させることができ、架台5に負荷がかからない気象予報であって、かつ消費電力を超える発電量が見込まれる場合、架台5を浮上させることができる。
また、第1実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1によれば、気象予測情報における有義波高に、1より大きい所定の定数を乗じることにより、負荷値を計算する。これにより、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、所定の定数を安全率(安全係数)として有義波高に乗じて負荷値を計算しているため、波による架台5や太陽光パネル511の損傷や破損およびまくれや破損に対して余裕をもって、架台5を沈降させることができる。
また、第1実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1によれば、気象予測情報において雷や雹の予報が含まれる場合、架台5の沈降に関して浮沈動作装置6を制御する。これにより、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、雷や雹による太陽光パネル511の損傷や破損を未然に防ぐことができる。
また、第1実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1によれば、揺れセンサ59により検出された架台5の揺れが揺れ閾値以上である場合、または架台5の揺れが揺れ閾値以上になる見込みがあった場合、架台5の沈降に関して浮沈動作装置6を制御する。また、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、揺れセンサ59からの過去および現在の出力に基づいて、現在から所定時間経過後における架台5の揺れの予測値を計算し、予測値が揺れ閾値を超えた場合、架台5の沈降に関して浮沈動作装置6を制御する。これらにより、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、気象予測情報に限らず、実測による現在の揺れや実測に基づく揺れの予測値に応じて架台5を沈降させることができ、現在の揺れや実測により予測された揺れによる架台5や太陽光パネル511の損傷や破損およびまくれを未然に防ぐことができる。
また、第1実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1によれば、位置センサ57からの出力に基づいて、架台5の沈降において架台5の位置が所定の水深に到達したか否かを判定し、架台5の位置が所定の水深に到達した場合、ロープ巻き取り機61によるロープ9の巻き取りを停止するようにロープ巻き取り機61を制御する。これにより、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、水深が大きい場合であっても、予め設定された任意の水深で、架台5を係留することができる。
また、第1実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1によれば、姿勢センサ55からの出力または架台5の姿勢に基づいて、架台5の姿勢が水平状態となるように浮沈動作装置6を制御する。これにより、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、架台5の姿勢を水平状態に維持して、架台5を安全に浮沈させることができる。
以上のことから、第1実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1によれば、架台5や太陽光パネル511に損傷や破損およびまくれの恐れがある場合は、架台5を沈降させ、これらの恐れが無い場合であって消費電力よりも発電量が大きい場合は、架台5を浮上させることができる。すなわち、本浮沈式太陽光発電装置1は、悪天候や強風および波浪時において沈降し、発電に適した晴天および凪時には浮上することができる。このため、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、気象による損傷や破損およびまくれをのリスクを低減させ、すなわち天候による破損を防止し、補修によるメンテナンスコストの低減や設備の長期使用を可能としつつ、発電効率を高めることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、浮沈動作装置6として少なくとも一つの昇降機を用いることにある。以下、第2実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1を昇降機付き浮沈式太陽光発電装置と呼ぶ。
図6は、水面11上に浮かぶ昇降機付き浮沈式太陽光発電装置1の外観と、海底(底面、水底)13近傍に沈んだ昇降機付き浮沈式太陽光発電装置1の外観との一例を示す図である。図6に示す昇降機付き浮沈式太陽光発電装置1は、浮沈動作装置6として、架台5を浮沈させる昇降機62を有する。図6における矢印に示すように、昇降機付き浮沈式太陽光発電装置1における架台5は、昇降機62による架台5の移動により、水面11と海底13との間で浮沈可能である。昇降機62の下端は、海底13に固定される。昇降機62の上端は、水面11より上部に突出する。昇降機62は、架台5の外縁部を支持し、架台5を鉛直方向に沿って移動可能に支持する。昇降機62の構成は、既存の構成を利用することができるため、説明は省略する。昇降機62は、制御部65による制御のもとで、架台5を、水面11上と海底13との間で浮沈させる。
なお、沈降後、架台5の浮力が小さく、水の流れによって海底13と架台5が直接接触する恐れがある場合には、一定の距離を保つために図9に示す固定脚8やロープ9と連結していない独立のアンカーが水底13に設置されてもよい。昇降機付き浮沈式太陽光発電装置1は、水底13の状態にかからず着床時に架台5と水底13とに一定の距離を持たせ、架台5の安定性確保と、水底13の起伏や起伏物による破損の回避、加えて水底環境、生物の保全をする。
図6に示す昇降機付き浮沈式太陽光発電装置1は、4つの昇降機62を有するが、これに限定されない。すなわち、昇降機付き浮沈式太陽光発電装置1は、少なくとも一つの昇降機62を有する。一つの昇降機62が昇降機付き浮沈式太陽光発電装置1に設けられる場合、昇降機62は、例えば、架台5の重心部分に設けられる。また、複数の昇降機62が昇降機付き浮沈式太陽光発電装置1に設けられる場合、複数の昇降機62は、例えば、架台5の重心部分に対して対照的な位置における架台5の外縁部分と接続される。
以下、本実施形態に関して、まず架台5の沈降動作の手順について説明し、次いで架台5の浮上動作の手順について説明する。図7は、本実施形態における沈降動作の手順の一例を示すフローチャートである。図7は、図3におけるステップS302、S303、S305およびS307各々におけるYesの後に実施される処理手順を示している。
(沈降動作)
(ステップS701)
制御部65は、架台5の沈降に関して、昇降機62を制御する。具体的には、制御部65は、昇降機62により架台5を海底13に向けて沈めるように、昇降機62を制御する。これにより、架台5は、海底13に向けて沈降を開始する。
(ステップS702)
姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されている場合(ステップS702のYes)、ステップS704の処理が実行される。姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されていない場合(ステップS702のNo)、ステップS703の処理が実行される。本ステップにおける処理内容は、図3のステップS309と略同様なため、説明は省略する。なお、ステップS309、ステップS310と同様にステップS702とステップS703は、架台5への水流、浮沈時の渦流による架台5の傾きや水平移動や斜め方向への移動に対する力に耐えられる強度を持つ構造を昇降機62が有していれば、除くことが可能である。
(ステップS703)
制御部65は、姿勢センサ55からの出力に基づいて、架台5の姿勢が水平になるように、昇降機62を制御する。例えば、昇降機62が架台5に複数設けられている場合、制御部65は、架台5が水平状態となるように、少なくとも一つの昇降機62による架台5の沈降速度を変更させる。本ステップにより、架台5の沈降動作において、架台5の水平状態が維持されることとなる。
(ステップS704)
架台5が所定の水深に到達した場合(ステップS704のYes)、ステップS705の処理が実行される。架台5が所定の水深に到達していない場合(ステップS704のNo)、ステップS702乃至ステップS704の処理が繰り返される。本ステップにおける処理内容は、図3のステップS311と略同様なため、説明は省略する。
(ステップS705)
制御部65は、昇降機62による架台5の移動(すなわち沈降)を停止するように、昇降機62を制御する。これにより、架台5の沈降は停止する。以上の処理により、架台5の沈降動作は終了し、架台5は、水中または海底13に係留される。
以下、図8を用いて、架台5の浮上動作の手順について説明する。図8は、浮上動作の手順の一例を示すフローチャートである。
(浮上動作)
ステップS801乃至ステップS805における処理は、ステップS501乃至S505における処理と同様なため、説明は省略する。例えば、本実施形態で用いられる発電閾値は、1回の架台5の浮上と1回の架台5の沈降とにおける昇降機62の消費電力から、水中での架台5の待機に伴う昇降機62などによる待機電力を差分した差分値に対応する。なお、本実施形態における発電閾値は、1回の架台5の浮上と1回の架台5の沈降とにおける昇降機62の消費電力であってもよい。
(ステップS806)
制御部65は、架台5の浮上に関して、昇降機62を制御する。具体的には、制御部65は、架台5を水面11に向け浮上させるように、昇降機62を制御する。昇降機62は、水面11へ向けて架台5を移動させる。これにより、架台5は、浮上を開始する。
(ステップS807)
姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されている場合(ステップS807のYes)、ステップS809の処理が実行される。姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されていない場合(ステップS807のNo)、ステップS808の処理が実行される。本ステップは、ステップS507と同様な処理なため、説明は省略する。
(ステップS808)
制御部65は、姿勢センサ55からの出力に基づいて、架台5の姿勢が水平になるように、昇降機62を制御する。本ステップは、ステップS703の処理と同様なため、説明は省略する。なお、ステップS702、ステップS703と同様にステップS807とステップS808は、架台5への水流、浮沈時の渦流による架台5の傾きや水平移動や斜め方向への移動に対する力に耐えられる強度を持つ構造を昇降機62が有していあれば、除くことが可能である。
(ステップS809)
架台5が水面11上に到達した場合(ステップS809のYes)、ステップS810の処理が実行される。架台5が水面11上に到達していない場合(ステップS809のNo)、ステップS807乃至ステップS809の処理が繰り返される。
(ステップS810)
制御部65は、昇降機62により架台5の移動を停止するように、昇降機62を制御する。これにより、昇降機62による架台5の浮上は停止する。以上の処理により、架台5の浮上動作は終了し、架台5は、水面11上に係留される。
以上に述べた構成および動作によれば、以下の効果を得ることができる。
第2実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1によれば、太陽光により発電を行う発電部51を有し、水面11上と水中との間で浮沈可能であって、架台5自体もしくはフロートと連結した発電部51を支持する架台5と、当該架台5を浮沈させる昇降機62としての浮沈動作装置6とを有する。本実施形態における効果は、第1実施形態と同様なため、説明は省略する。
(第3実施形態)
第3実施形態は、浮沈動作装置6として、浮力調整器を用いることにある。以下、第3実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1を浮力調整器付き浮沈式太陽光発電装置と呼ぶ。
図9は、水面11上に浮かぶ浮力調整器付き浮沈式太陽光発電装置1の外観と、海底13近傍に沈んだ浮力調整器付き浮沈式太陽光発電装置1の外観との一例を示す図である。図2における矢印に示すように、浮力調整器付き浮沈式太陽光発電装置1は、浮力調整器63による浮力の調整により、水面11と海底13との間で浮沈可能である。
アンカー7は、海底13に固定される基礎杭の杭頭部に接続される部材に限定されず、例えば、不図示の浮力タンクによる浮力を用いた浮沈式の重力アンカーであってもよい。このとき、浮力調整器付き浮沈式太陽光発電装置1は、浮力タンクにおける浮力でアンカー7を浮上させることにより、例えば、曳航船を介して、自在に移動可能となる。なお、アンカー7の代わりに移動自在なプロペラ付きモータが搭載されてもよい。
固定脚8は、水底13の状態にかからず着床時に架台5と水底13とに一定の距離を持たせ、着床した際の安定性確保と、水底13の起伏や起伏物による装置の破損の回避、水底環境、生物の保全をする固定脚機能を有する。複数本の固定脚8を使用する場合で、水底13が斜めである場所へ設置する場合、水底13の状態に合わせた長さの異なる固定脚8を装備させ、着床時も水平を保つことも可能である。一定の距離を保つために固定脚8やロープ9と連結していない独立したアンカー7を水底13に設置してもよく、この場合、アンカー7は、漁礁機能を備え、生物の保全を高めたものがさらに良い。
浮力調整器63は、架台5の側面など、任意の位置に設置可能である。水面11上において架台5は、浮力調整器付き浮沈式太陽光発電装置1全体を浮かせる浮力は無いものの、ある程度の浮力を有することが望ましい。例えば、水面11上において架台5に働く浮力は、架台5による浮力と浮力調整器63により生じる浮力との合計が水上に設置された浮力調整器付き浮沈式太陽光発電装置1全体の重量よりも大きいものとなる。
浮力調整器63は、制御部65による制御により、架台5の浮力を調整する。浮力調整器63は、図2に示すように、耐水圧性ポンプ(コンプレッサー)631と、耐水圧性ホース633と、バルーン635とを有する。耐水圧性ホース633は、耐水圧性ポンプ631とバルーン635とを接続する。なお、耐水圧性ポンプ631は、耐水圧性を有さない通常のポンプとして、陸地に設けられてもよい。耐水圧性ポンプ631は、海底13から水面11に向かう浮力調整器付き浮沈式太陽光発電装置1の浮上時において、耐水圧性ホース633を介して、バルーン635に空気を送り込む。これにより、バルーン635は膨張し、架台5において浮上に関する浮力が発生する。
また、耐水圧性ポンプ631は、水面11から海底13に向かう浮力調整器付き浮沈式太陽光発電装置1の沈降時において、耐水圧性ホース633を介してバルーン635から脱気する。これにより、バルーン635は収縮し、架台5と浮力調整器63の浮力を合わせた浮力が中性浮力未満となる。このとき、架台5は、自重により海底13へ向けて沈降する。なお、架台5に搭載される浮力調整器63の数は、1つに限定されず、複数であってもよい。なお、浮力調整器63の構造は、図2に示す構造に限定されず、機械的、物理、化学的に、バルーン635などの密閉容器の体積を変化させ、浮力を調整する構造で構成されてもよい。
制御部65は、架台5の沈降の開始時点より同時または遅れてロープ9の巻き取りを開始するように、ロープ巻き取り機61を制御する。また、制御部65は、架台5の浮上の開始時点より遅れてロープ9の送り出しを開始するように、ロープ巻き取り機61を制御する。ロープ9の巻き取りおよび送り出しの開始に関する遅延時間は、記憶部67に予め記憶される。遅延時間は、例えば、架台5の浮上の動作の継続時間もしくは架台5の沈降の動作の継続時間の1/10乃至1/100程度である。
なお、制御部65は、架台5の沈降速度と架台5の浮上速度とに応じて、ロープ巻き取り機61を制御してもよい。浮上速度と沈降速度とは、架台5の大きさや架台5の設置場所等に応じた架台5の設計により、予め設定され、記憶部67に記憶される。なお、浮上速度と沈降速度とは、入力インターフェース等を介して、適宜設定、変更可能である。また、浮上速度と沈降速度とは、超音波センサや圧力センサからの出力に基づいて、制御部65により計算されてもよい。
具体的には、制御部65は、架台5の浮上速度に応じて送出速度を調整するように、ロープ巻き取り機61を制御する。例えば、制御部65は、浮上速度と送出速度とが略同一となるように、ロープ巻き取り機61を制御する。また、制御部65は、架台5の沈降速度に応じて巻き取り速度を調整するように、ロープ巻き取り機61を制御する。例えば、制御部65は、沈降速度と巻き取り速度とが略同一となるように、ロープ巻き取り機61を制御する。
制御部65は、架台5の位置が所定の水深に到達した場合、所定の水深において架台5の浮力が中性浮力となるように、浮力調整器63を制御する。なお、制御部65は、架台5の位置が所定の水深に到達した場合、所定の水深において架台5の浮力が中性浮力より大きい浮力となるように、浮力調整器63を制御してもよい。このとき、架台5は、ロープ9を介して水中に係留されることとなる。制御部65は、架台5の位置が所定の水深に到達した場合、ロープ巻き取り機61によるロープ9の巻き取りを停止するように、ロープ巻き取り機61を制御する。
以下、本実施形態に関して、まず架台5の沈降動作の手順について説明し、次いで架台5の浮上動作の手順について説明する。図10は、本実施形態における沈降動作の手順の一例を示すフローチャートである。図10は、図3におけるステップS302、S303、S305およびS307各々におけるYesの後に実施される処理手順を示している。
(沈降動作)
(ステップS1001)
制御部65は、架台5の沈降に関して、浮力調整器63を制御する。具体的には、制御部65は、浮力調整器63により浮力を下げ、架台5の自重により架台5を沈降させる。より詳細には、制御部65は、体積変動体の体積を減少させるように、浮力調整器63を制御する。より詳細には、制御部65は、バルーン635からの脱気を制御することで、バルーン635の体積を減少させる。これにより、架台5における浮力は減少し、架台5は沈降を開始する。
(ステップS1002)
制御部65よる浮力調整器63への制御の実行時点から同時または遅延時間の経過後、ロープ巻き取り機61は、制御部65による制御のもとで、ロープ9の巻き取りを開始する。このとき、制御部65は、沈降速度とロープ9の巻き取り速度とが同一となるように、ロープ巻き取り機61を制御してもよい。
(ステップS1003)
姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されている場合(ステップS1003のYes)、ステップS1005の処理が実行される。姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されていない場合(ステップS1003のNo)、ステップS1004の処理が実行される。本ステップにおける処理内容は、図3のステップS309と略同様なため、説明は省略する。
(ステップS1004)
制御部65は、姿勢センサ55からの出力に基づいて、架台5の姿勢が水平になるように、浮力調整器63を制御する。例えば、バルーン635が架台5に複数設けられている場合、制御部65は、架台5が水平状態となるように、少なくとも一つのバルーンにおける体積を変化させる。本ステップにより、架台5の沈降動作において、架台5の水平状態が維持されることとなる。
(ステップS1005)
制御部65は、位置センサ57からの出力に基づいて、架台5の沈降において架台5の位置が所定の水深に到達したか否かを判定し、浮沈動作装置6の停止を行う。架台5が所定の水深に到達した場合(ステップS1005のYes)、ステップS1006の処理が実行される。架台5が所定の水深に到達していない場合(ステップS1005のNo)、ステップS1003乃至ステップS1005の処理が繰り返される。本ステップにおける処理内容は、図3のステップS311と略同様なため、説明は省略する。
(ステップS1006)
制御部65は、ロープ9の巻き取りを停止するように、ロープ巻き取り機61を制御する。これにより、ロープ巻き取り機61によるロープ9の巻き取りは停止する。なお、制御部65は、ロープ9の巻き取りの停止を契機として、架台5の浮力が中性浮力より大きい浮力になるように、浮力調整器63を制御する。以上の処理により、架台5の沈降動作は終了し、架台5は、水中または海底13に係留される。尚、海底に着床させて係留めする場合は、中性浮力より小さいままでもよく、固定脚8を用いることがさらに良い。
以下、図11を用いて、架台5の浮上動作の手順について説明する。図11は、浮上動作の手順の一例を示すフローチャートである。
(浮上動作)
ステップS1101乃至ステップS1105における処理は、ステップS501乃至S505における処理と同様なため、説明は省略する。なお、本実施形態で用いられる発電閾値は、1回の架台5の浮上と1回の架台5の沈降とにおける浮力調整器63とロープ巻き取り機61との消費電力から、水中での架台5の待機による浮力調整器63およびロープ巻き取り機61等の待機電力を差分した差分値に対応する。なお、本実施形態における発電閾値は、1回の架台5の浮上と1回の架台5の沈降とにおける浮力調整器63とロープ巻き取り機61との消費電力であってもよい。
(ステップS1106)
制御部65は、架台5の浮上に関して、浮力調整器63を制御する。具体的には、制御部65は、体積変動体の体積を増大させるように、浮力調整器63を制御する。より詳細には、制御部65は、バルーン635への空気の送り込みを制御することで、バルーン635の体積を増大させる。これにより、架台5における浮力は増加し、架台5は浮上を開始する。
(ステップS1107)
制御部65よる浮力調整器63への制御の実行時点から同時または遅延時間の経過後、ロープ巻き取り機61は、制御部65による制御のもとで、ロープ9の送り出しを開始する。このとき、制御部65は、浮上速度とロープ9の送出速度とが同一となるように、ロープ巻き取り機61を制御してもよい。
(ステップS1108)
姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されている場合(ステップS1108のYes)、ステップS1110の処理が実行される。姿勢センサ55からの出力が水平範囲に包含されていない場合(ステップS1108のNo)、ステップS1109の処理が実行される。本ステップは、ステップS507と同様な処理なため、説明は省略する。
(ステップS1109)
制御部65は、姿勢センサ55からの出力に基づいて、架台5の姿勢が水平になるように、浮力調整器63を制御する。本ステップは、ステップS1004の処理と同様なため、説明は省略する。
(ステップS1110)
制御部65は、位置センサ57からの出力に基づいて、架台5が水面11上に到達したか否かを判定する。なお、制御部65は、ロープ巻き取り機61によるロープ9の送り出し量に基づいて、当該判定を行ってもよい。架台5が水面11上に到達した場合(ステップS1110のYes)、ステップS1111の処理が実行される。架台5が水面11上に到達していない場合(ステップS1110のNo)、ステップS1108乃至ステップS1110の処理が繰り返される。
(ステップS1111)
制御部65は、ロープ9の送り出しを停止するように、ロープ巻き取り機61を制御する。これにより、ロープ巻き取り機61によるロープ9の送り出しは停止する。以上の処理により、架台5の浮上動作は終了し、架台5は、水面11上に係留される。
以上に述べた構成および動作によれば、以下の効果を得ることができる。
第3実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1によれば、太陽光により発電を行う発電部51を有し、水面11上と水中との間で浮沈可能な架台5の浮力を、浮沈動作装置6としての浮力調整器63により調整する。また、第3実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1によれば、架台5の沈降の開始時点より遅れてロープ9の巻き取りを開始するようにロープ巻き取り機61を制御し、架台5の浮上の開始時点より遅れてロープ9の送り出しを開始するようにロープ巻き取り機61を制御する。これにより、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、架台5の浮沈の実行中において、ロープ9の絡まりを防ぐことができる。また、第3実施形態に係る浮沈式太陽光発電装置1によれば、位置センサ57からの出力に基づいて、架台5の沈降において架台5の位置が所定の水深に到達したか否かを判定し、架台5の位置が所定の水深に到達した場合、所定の水深において架台5の浮力が中性浮力より大きい浮力になるように浮力調整器63を制御し、ロープ巻き取り機61によるロープ9の巻き取りを停止するようにロープ巻き取り機61を制御する。これにより、本浮沈式太陽光発電装置1によれば、水深が大きい場合であっても、予め設定された任意の水深で、架台5を係留することができる。本実施形態における他の効果は、第1実施形態と同様なため、説明は省略する。
本実施形態の技術的思想は、陸地に設置された受信部53および制御部65と、浮沈式太陽光発電装置1と、を有する浮沈式太陽光発電システムとして実現されてもよい。浮沈式太陽光発電システムにおける浮沈式太陽光発電装置1は、受信部53および制御部65を搭載せず、制御部65との双方向通信を行う送受信部をさらに有する。送受信部は、姿勢センサ55と位置センサ57と揺れセンサ59とによる出力や、記憶部67に記憶されたデータを、制御部65へ送信する。また、送受信部は、制御部65から出力された各種制御信号を受信する。送受信部は、受信された制御信号を、制御対象の各ユニットに出力する。浮沈式太陽光発電システムにおける動作、処理、効果等は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
(第1応用例)
本応用例における浮沈動作装置6は、牽引装置60または昇降機62と、浮力調整器63とを有することにある。すなわち、本応用例は、第1実施形態に浮力調整器63を組み合わせること、または第2実施形態に浮力調整器63を組み合わせることにある。本応用例における沈降動作および浮沈動作は、組み合わせに関する実施形態における沈降動作および浮上動作に、浮力調整器63の制御を組み合わせることで実現できる。浮力調整器63は浮力を可変できればよく、架台5の中性浮力にとらわれない。このため、沈降動作および浮上動作に関して、以下、本応用例特有の処理について説明する。
(沈降動作)
ステップS308またはステップS701における沈降開始時において、制御部65は、架台5の浮力が最大で中性浮力となるように浮力を弱めるように、浮力調整器63を制御する。続いて、制御部65は、牽引装置60におけるロープ巻き取り機61、または昇降機62を駆動する。これにより、沈降動作が開始される。
(浮上動作)
第1実施形態に浮力調整器63を組み合わせた場合、本応用例における発電閾値は、第3実施形態に記載の発電閾値に相当する。また、第2実施形態に浮力調整器63を組み合わせた場合、発電閾値は、1回の架台5の浮上と1回の架台5の沈降とにおける昇降機62および浮力調整器63の消費電力から、水中での架台5の待機に伴う昇降機62および浮力調整器63などによる待機電力を差分した差分値に対応する。なお、本実施形態における発電閾値は、1回の架台5の浮上と1回の架台5の沈降とにおける昇降機62および浮力調整器63の消費電力であってもよい。
ステップS506またはステップS806における浮上の開始時において、制御部65は、架台5の浮力が中性浮力を超えるように、浮力調整器63を制御する。続いて、制御部65は、牽引装置60におけるロープ巻き取り機61、または昇降機62を駆動する。これにより、浮上動作が開始される。
本応用例によれば、第1乃至第3実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本応用例に係る浮沈式太陽光発電装置によれば、太陽光により発電を行う発電部51を有し、水面11上と水中との間で浮沈可能な架台5と、架台5を浮沈させる牽引装置60または昇降機62と水面11上に設置された装置の架台5の浮力を調整する浮力調整器63とを有する浮沈動作装置6と、備え、発電部51により発電された電力を水面11上から供給する。これにより、本応用例にかかる浮沈式太陽光発電装置は、架台5の沈降時において架台5の浮力を中性浮力まで減少させ、かつ架台5の浮上時において架台5の浮力が中性浮力を超えるように浮力調整器63を制御することができる。
これらのことから、本応用例にかかる浮沈式太陽光発電装置によれば、牽引装置60におけるモータの能力または昇降機62におけるモータの能力を低減させることができ、さらにアンカー7または昇降機62における海底13への固定能力を低減させることができる。以上により、本応用例にかかる浮沈式太陽光発電装置によれば、牽引装置60または昇降機62のサイズ、およびアンカー7のサイズなどを低減させることができ、浮沈式太陽光発電装置の製造コストを低減させることができる。
(第2応用例)
応用例は、実施形態において説明した浮沈式太陽光発電装置1における架台5を、架台連結フレームにより複数連結させた浮沈式太陽光発電システムとして実現することにある。架台連結フレームは、複数の浮沈式太陽光発電装置1に対応する複数の架台を連結する。応用例において、複数の浮沈式太陽光発電装置1に対応する複数の制御部は、それぞれ連動して動作する。なお、複数の制御部は、一つの制御部65として実現されてもよい。浮沈式太陽光発電システムにおける制御部65は、架台各々に関する浮沈動作装置6を制御することにより、架台連結フレーム(すなわち複数の架台)の浮沈、および架台連結フレームの姿勢の制御等を実行する。架台5の形状が6角形である場合、浮沈式太陽光発電システムにおける架台の連結体は、ハニカム構造を有することとなる。浮沈式太陽光発電システムにおける動作、処理、効果等は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 浮沈式太陽光発電装置
5 架台
6 浮沈動作装置
7 アンカー
8 固定脚
9 ロープ
11 水面
13 海底(水底)
51 発電部
52 送電ケーブル
53 受信部
55 姿勢センサ
57 位置センサ
59 揺れセンサ
60 牽引装置
61 ロープ巻き取り機
62 昇降機
63 浮力調整器
65 制御部
67 記憶部
511 太陽光パネル
631 耐水圧性ポンプ(コンプレッサー)
633 耐水圧性ホース
635 バルーン

Claims (6)

  1. 太陽光により発電を行う発電部を有し、水面上と水中との間で浮沈可能であって、架台自体もしくはフロートと連結した前記発電部を支持する架台と、
    前記架台を浮沈させる牽引装置または昇降機と、浮力を調整する浮力調整器とのうち少なくとも一つを有する浮沈動作装置と、
    を具備することを特徴とし、
    前記水中へ前記架台を沈降することにより、天候による破損を防止すること、
    を特徴とする浮沈式太陽光発電装置。
  2. 前記架台の浮上と前記架台の沈降とを、気象予測情報または浮沈指令に基づいて制御する制御部をさらに具備すること、
    を特徴とする請求項1に記載の浮沈式太陽光発電装置。
  3. 前記架台の揺れを検出する揺れセンサをさらに具備し、
    前記制御部は、前記揺れが前記揺れの上限に対応する揺れ閾値以上である場合、または前記揺れが前記揺れ閾値以上になる見込みがあった場合、前記沈降に関して前記浮沈動作装置を作動させる、
    を特徴とする請求項2に記載の浮沈式太陽光発電装置。
  4. 前記架台の直下の底面と前記水面との間において、前記架台の位置を検出する位置センサまたは前記架台の姿勢を検出する姿勢センサをさらに具備し、
    前記制御部は、前記姿勢または前記姿勢センサからの出力に基づいて、前記架台が水平状態となるように前記浮沈動作装置を制御すること、
    を特徴とする請求項2または3に記載の浮沈式太陽光発電装置。
  5. 前記浮力調整器と前記位置センサとを有する場合、
    前記制御部は、前記浮力調整器により浮力を下げ、前記架台の自重により前記架台を沈降させる場合、
    前記位置センサからの出力に基づいて、前記架台の沈降において前記位置が所定の水深に到達したか否かを判定し、前記浮沈動作装置の停止を行い、
    前記位置が前記所定の水深に到達した場合、前記所定の水深において前記架台の浮力が中性浮力より大きい浮力となるように前記浮力調整器を制御すること
    を特徴とする請求項4に記載の浮沈式太陽光発電装置。
  6. 前記架台と水底との距離を保って前記架台を前記水底への着床させる固定脚またはアンカーをさらに具備すること、
    を特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の浮沈式太陽光発電装置。
JP2020053424A 2020-03-24 2020-03-24 浮沈式太陽光発電装置 Pending JP2021151837A (ja)

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