JP2021150473A - 固体撮像装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレアを抑制することが可能な固体撮像装置を提供する。【解決手段】固体撮像装置は、複数の光電変換部が配置された画素領域と、画素領域の外側に配置された凹凸形状の光反射抑制部とを備えている。【選択図】図4A

Description

本技術(本開示に係る技術)は、固体撮像装置及び電子機器に関し、特に、画素領域の外側に遮光膜を有する固体撮像装置及びそれを備えた電子機器に適用して有効な技術に関するものである。
固体撮像装置は、光を電気信号に変換する光電変換部を有する画素が複数配置された画素領域を備えている。この種の個体撮像装置では、特許文献1に開示されているように、固体撮像装置の光入射側の表層部において、画素領域の外側に遮光膜を配置し、入射光によるトランジスタの誤動作を抑制している。
特開2012−164870号公報
ところで、固体撮像装置では、光入射側の表層部において、遮光膜や、空気と接する絶縁膜で入射光の反射が起こる。反射した入射光は、固体撮像装置の光入射側に配置されたカバーガラスや撮像レンズ、又は構造物で更に反射し、不要光として画素領域に入射する可能性がある。不要光が画素領域に入射した場合、フレアが発生し、画素劣化を引き起こす要因となるため、信頼性向上の観点から改良の余地があった。
本技術の目的は、フレアを抑制することが可能な固体撮像装置及び電子機器を提供することにある。
本技術の一態様に係る固体撮像装置は、複数の光電変換部が設けられた画素領域と、画素領域の外側に配置された凹凸形状の光反射抑制部と、を備えている。
本技術の他の態様に係る電子機器は、複数の光電変換部が設けられた画素領域、画素領域の外側に配置された凹凸形状の光反射抑制部を備えた固体撮像装置と、被写体からの像光を固体撮像装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、固体撮像装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路と、を備えている。
本技術の第1実施形態に係る固体撮像装置の一構成例を示すチップレイアウト図である。 本技術の第1実施形態に係る固体撮像装置の一構成例を示すブロック図である。 本技術の第1実施形態に係る固体撮像装置の積層構造を示す斜視図である。 画素領域及び周辺領域の断面構造を示す模式的断面図である。 図4Aの一部を拡大した模式的断面図である。 遮光膜に設けられた第1光反射抑制部の構成を示す要部模式的平面図である。 図5Aのa5−a5線に沿った断面構造を示す模式的断面図である。 第1光反射抑制部が設けられた遮光膜の表面での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。 第1光反射抑制部が設けられた遮光膜の表面での光波長と光反射率との依存性を凸部のピッチ毎に示す反射特性図である。 第1光反射抑制部が設けられた遮光膜の表面での光波長と光反射率との依存性を凸部の高さ毎に示す反射特性図である。 従来の遮光膜の断面構造を示す模式的断面図である。 図8Aの遮光膜の表面での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。 第2光反射抑制部が設けられた絶縁膜の構成を示す要部模式的平面図である。 図9Aのa9−a9線に沿った断面構造を示す模式的断面図である。 第2光反射防止部が設けられた絶縁膜の表面での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。 第2光反射防止部が設けられた絶縁膜での光波長と光透過率との依存性を示す透過特性図である。 第2光反射防止部が設けられた絶縁膜の表面での光波長と光反射率との依存性を凸部の配列ピッチ毎に示す反射特性図である。 第2光反射防止部が設けられた絶縁膜の表面での光波長と反射率との依存性を凸部の高さ毎に示す反射特性図である。 従来の絶縁膜の断面構造を示す模式的断面図である。 従来の絶縁膜の表面での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。 従来の絶縁膜での光波長と光透過率との依存性を示す透過特性図である。 光反射抑制の原理を説明するための図である。 光反射抑制の原理を説明するための図である。 光反射抑制の原理を説明するための図である。 光反射抑制の原理を説明するための図である。 通常の第1カメラモジュールに従来の固体撮像装置(半導体チップ)を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。 通常の第1カメラモジュールに本術の固体撮像装置(半導体チップ)を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。 通常の第2カメラモジュールに従来の固体撮像装置(半導体チップ)を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。 通常の第2カメラモジュールに本技術の固体撮像装置(半導体チップ)を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。 車載カメラモジュールに従来の固体撮像装置(半導体チップ)を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。 車載カメラモジュールに本技術の固体撮像装置(半導体チップ)を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。 ウエハの平面構成を示す図である。 図17AのB領域を拡大してチップ形成領域の構成を示す図である。 本技術の第1実施形態に係る固体撮像装置の製造方法の模式的工程断面図である。 図18Aに引く続く模式的工程断面図である。 図18Bに引く続く模式的工程断面図である。 図18Cに引く続く模式的工程断面図である。 図18Dに引く続く模式的工程断面図である。 図18Eに引く続く模式的工程断面図である。 図18Fに引く続く模式的工程断面図である。 図18Gに引く続く模式的工程断面図である。 図18Hに引く続く模式的工程断面図である。 第1変形例に係る第1光反射抑制部を示す要部模式的平面図である。 図19Aのa19−a19線に沿った断面構造を示す模式的断面図である。 第1光反射抑制部が設けられた遮光膜の表面での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。 第2変形例に係る第1光反射抑制部の要部模式的平面図である。 図20Aのa20−a20線に沿った断面構造を示す模式的断面図である。 第1光反射抑制部が設けられた遮光膜での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。 第3変形例に係る第2光反射抑制部を示す要部模式的平面図である。 図21Aのa21−a21線に沿った断面構造を示す模式的断面図である。 第4変形例に係る第2光反射抑制部を示す要部模式的平面図である。 図22Aのa22−a22線に沿った断面構造を示す模式的断面図である。 第5変形例に係る第2光反射抑制部を示す要部模式的平面図である。 図23Aのa23−a23線に沿った断面構造を示す模式的断面図である。 第6変形例に係る第2光反射抑制部を示す要部模式的平面図である。 図24Aのa24−a24線に沿った断面構造を示す模式的断面図である。 本技術の第2実施形態に係る電子機器の概略構成を示す図である。
以下、図面を参照して本技術の実施形態を詳細に説明する。
なお、本技術の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
また、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものではない。すなわち、本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
また、以下の実施形態では、空間内で互に直交する三方向において、同一平面内で互に直交する第1の方向及び第2の方向をそれぞれX方向、Y方向とし、第1の方向及び第2の方向のそれぞれと直交する第3の方向をZ方向とする。以下の実施形態では、半導体基体の厚さ方向をZ方向として説明する。
〔第1実施形態〕
この第1実施形態では、裏面照射型のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである固体撮像装置に本技術を適用した一例について説明する。
≪固体撮像装置の全体構成≫
まず、固体撮像装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、本技術の第1実施形態に係る固体撮像装置1は、平面視したときの二次元平面形状が矩形の半導体チップ2を主体に構成されている。この固体撮像装置1(101)は、図25に示すように、光学レンズ102を介して被写体からの像光(入射光106)を取り込み、撮像面上に結像された入射光106の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
図1に示すように、固体撮像装置1が搭載された半導体チップ2は、二次元平面において、中央部に設けられた矩形状の画素領域2Aと、この画素領域2Aの外側に画素領域2Aを囲むようにして配置された周辺領域2Bとを備えている。
画素領域2Aは、例えば図25に示す光学レンズ(光学系)102により集光される光を受光する受光面である。そして画素領域2Aには、X方向及びY方向を含む二次元平面において複数の画素3が行列状に配置されている。
複数の画素3の各々の画素3は、図4Aに示す光電変換部24と、詳細に図示していないが複数の画素トランジスタとを含む。複数の画素トランジスタとしては、例えば、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、アンプトランジスタの4つのトランジスタを採用できる。また、複数の画素トランジスタとしては、例えば選択トランジスタを除いた3つのトランジスタを採用してもよい。図4Aでは、複数の画素トランジスタを代表して2つの画素トランジスタTr1,Tr2を示している。
図1に示すように、周辺領域2Bには、複数の電極パッド38bが配置されている。複数の電極パッド38bの各々は、例えば、半導体チップ2の二次元平面における4つの辺に沿って配列されている。複数の電極パッド38bの各々は、半導体チップ2を図示しない外部装置と電気的に接続する際に用いられる入出力端子である。
また、半導体チップ2は、図2に示すように、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、水平駆動回路6、出力回路7及び制御回路8などを備えている。
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成されている。垂直駆動回路4は、所望の画素駆動配線10を順次選択し、選択した画素駆動配線10に画素3を駆動するためのパルスを供給し、各画素3を行単位で駆動する。即ち、垂直駆動回路4は、画素領域2Aの各画素3を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素3の光電変換部24において受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素3からの画素信号を、垂直信号線11を通してカラム信号処理回路5に供給する。
カラム信号処理回路5は、例えば画素3の列毎に配置されており、1行分の画素3から出力される信号に対して画素列毎にノイズ除去等の信号処理を行う。例えばカラム信号処理回路5は、画素固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)及びAD(Analog Digital)変換等の信号処理を行う。
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成されている。水平駆動回路6は、水平走査パルスをカラム信号処理回路5に順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から信号処理が行われた画素信号を水平信号線12に出力させる。
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線12を通して順次に供給される画素信号に対し、信号処理を行って出力する。信号処理としては、例えば、バッファリング、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理等を用いることができる。
制御回路8は、垂直同期信号、水平同期信号、及びマスタクロック信号に基づいて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等の動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、制御回路8は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等に出力する。
≪固体撮像装置の具体的な構成≫
次に、固体撮像装置1の具体的な構造について説明する。
図3に示すように、半導体チップ2は、互に向かい合って積層された第1半導体基体20及び第2半導体基体30を備えている。第1半導体基体20には、画素領域2A及び制御回路8が搭載されている。第2半導体基体30には、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、水平駆動回路6及び出力回路7などを含むロジック回路15が搭載されている。
図4Aに示すように、第1半導体基体20は、複数の光電変換部24が設けられた半導体層21と、この半導体層21の厚さ方向において互いに反対側に位置する第1の面S1および第2の面S2のうちの第1の面S1側に配置された多層配線層25とを有している。第2半導体基体30は、半導体層31と、この半導体層31の第1の面側に配置された多層配線層35とを備えている。そして、第1半導体基体20及び第2半導体基体30は、各々の多層配線層25,35を向かい合わせた状態で各々の多層配線層25,35が例えば接着材を介して接合されている。
<第2半導体基体の構成>
図4に示す第2半導体基体30の半導体層31は、例えば単結晶シリコンからなるp型の半導体基板で構成されている。半導体層31には、例えばp型の半導体領域からなるウエル領域32が設けられている。ウエル領域32は、半導体層31の第1の面側から深さ方向に厚さを有し、平面視で画素領域2A直下の半導体層31及び周辺領域2B直下の半導体層31に亘って設けられている。
半導体層31の第1の面には、分離領域33で区画された複数の素子形成領域が設けられている。この複数の素子形成領域の各々の素子形成領域には、ロジック回路15(図15参照)を構成する電界効果トランジスタとして例えばMOSトランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が構成されている。このMOSトランジスタは、平面視で画素領域2A直下の半導体層31及び周辺領域2B直下の半導体層31に亘って配置されている。図4Aでは、複数のMOSトランジスタを代表して4つのMOSトランジスタTr11,Tr12,Tr13,Tr14を示している。この4つのMOSトランジスタTr11〜Tr14は、図4Aでは平面視で周辺領域2Bに位置する半導体層31に配置されている。分離領域33としては、これに限定されないが、例えば半導体層31の第1の面から深さ方向に延伸する溝部を形成し、この溝部内に絶縁膜を選択的に埋め込むことによって構築されるSTI(Shallow Trench Isolation)構造の分離領域が用いられている。
第2半導体基体30の多層配線層35は、層間絶縁膜36を介して配線層が例えば4段に積層された4層配線構造になっている。半導体層31側から数えて第1層目から第3層目の配線層には、導電材料として例えば銅(Cu)又はCuを主成分とするCu合金からなる単層構造の配線37が設けられている。そして、半導体層31側から数えて最上層の配線層である第4層目の配線層には配線38a及び電極パッド38bが設けられている。この配線38a及び電極パッド38bは、導電材料として例えばアルミニウム(Al)又はAlを主成分とするAl合金からなるコア膜を厚さ方向の両側からバリアメタル膜で挟んだ複合膜(多層構造)で構成されている。バリアメタル膜は、コア膜における金属の拡散を防止する。
配線37及び配線38aは、平面視で画素領域2A直下の多層配線層35及び周辺領域2B直下の多層配線層35に亘って配置されている。電極パッド38bは、平面視で周辺領域2B直下の多層配線層35に配置されている。即ち、電極パッド38bは、平面視で画素領域2Aの外側に配置されている。この配線37、配線38a及び電極パッド38bを介してロジック回路15を構成するMOSトランジスタ(Tr11,Tr12,Tr13,Tr14)が駆動される。
最上層の層間絶縁膜36上には、第1半導体基体20と第2半導体基体30とを貼り合わせる際に反りを軽減するための反り矯正膜39が設けられている。この反り矯正膜39は、平面視で画素領域2A及び周辺領域2Bに亘って設けられ、最上層の層間絶縁膜36の半導体層31側とは反対側の全体を覆っている。
なお、配線37は、上述の配線38aと同様に、Cu又Cu合金からなるコア膜を厚さ方向の両側からバリアメタル膜で挟んだ複合膜(多層構造)で構成してもよい。
<第1半導体基体の構成>
図4Aに示す第1半導体基体20の半導体層21は、例えば単結晶シリコンからなるp型の半導体基板で構成されている。半導体層21に設けられた複数の光電変換部24の各々の光電変換部24は、画素領域2Aにおいて、複数の画素3の各々の画素3に対応して行列状に配置されている。すなわち、画素領域2Aには、半導体層21に設けられた光電変換部24を含む画素3が行列状(二次元マトリクス状)に複数配置されている。
複数の光電変換部24の各々の光電変換部24には、光電変換素子として例えばホトダイオード(PD:Photo Diode)素子が構成されている。各光電変換部24では、入射光の光量に応じた信号電荷が生成及び蓄積される。
各光電変換部24は、半導体層21に設けられた分離領域23によって区画されている。分離領域23としては、これに限定されないが、上述の分離領域33と同様にSTI構造の分離領域が用いられている。
半導体層21の第1の面S1には、分離領域23で区画された複数の素子形成領域が設けられている。この複数の素子形成領域の各々の素子形成領域には、制御回路8を構成する電界効果トランジスタとして例えばMOSトランジスタが構成されている。このMOSトランジスタは、周辺領域2Bに配置されている。図4Aでは、制御回路8を構成する複数のMOSトランジスタを代表して2つのMOSトランジスタTR3,TR4を示している。
第1半導体基体20の多層配線層25は、層間絶縁膜26を介して配線層が例えば4段に積層された4層配線構造になっている。半導体層21側から数えて第1層目から第4層目の配線層には、導電材料として例えば銅(Cu)又はCuを主成分とするCu合金からなる単層構造の配線27が設けられている。配線27は、平面視で画素領域2A直下の多層配線層25及び周辺領域2B直下の多層配線層25に亘って配置されている。この配線27を介して制御回路8を構成するMOSトランジスタ(Tr3,T14)や画素トランジスタ(Tr1,Tr2)が駆動される。
なお、配線27も、上述の配線38aと同様に、Cu又Cu合金からなるコア膜を厚さ方向の両側からバリアメタル膜で挟んだ複合膜(多層構造)で構成してもよい。
図4Aに示すように、第1半導体基体20は、半導体層21の第2の面S2側である光入射面側に、この光入射面側から順次積層された反射防止コーティング膜41、絶縁膜42、平坦化膜51、カラーフィルタ層52及びマイクロレンズ層53を更に備えている。また、第1半導体基体20は、絶縁膜42の凹部内に埋め込まれて絶縁膜42と平坦化膜51との間に配置された遮光膜44及び遮光膜45と、マイクロレンズ層53の半導体層21側とは反対側に配置され、かつ空気層と接する絶縁膜55とを更に備えている。
反射防止コーティング膜41は、平面視で画素領域2A及び周辺領域2Bに亘って設けられ、半導体層21の第2の面S2側全体を覆っている。
絶縁膜42は、平面視で画素領域2A及び周辺領域2Bに亘って設けられ、反射防止コーティング膜41の半導体層21側とは反対側の全体を覆っている。絶縁膜42としては、例えば光透過性を有する酸化シリコン(SiO)膜が用いられている。
遮光膜44は、平面視で画素領域2Aに配置されている。遮光膜34は、所定の画素3の光が隣の画素3へ漏れ込まないように、平面視の平面パターンが複数の光電変換部24のそれぞれの受光面側を開口する格子状平面パターンになっている。
図4A及び図4Bに示すように、遮光膜45は、平面視で周辺領域2Bに配置されている。すなわち、遮光膜44は、平面視で画素領域2Aの外側に配置されている。遮光膜45は、図1に示すように、平面視の平面パターンが画素領域2Aを囲むようにして周辺領域2Bを覆う環状平面パターンになっている。また、遮光膜45は、図4A及び図4Bに示すように、半導体層21の光入射面側である第2の面S2側に配置されている。
遮光膜45は、半導体チップ2の光入射面側から入射した光が第1半導体基体20の半導体層21や第2半導体基体30の半導体層31に差し込まれるのを防止している。平面視で周辺領域2Bに位置する半導体層21には、制御回路8を構成するMOSトランジスタが設けられている。また、平面視で周辺領域2Bに位置する半導体層31には、ロジック回路15を構成するMOSトランジスタが形成されている。半導体チップ2の光入射面側から入射した光が、平面視で周辺領域2Bに位置する半導体層21及び31に差し込まれると、平面視で周辺領域2Bに位置する半導体層21及び31に構成されたMOSトランジスタが誤動作する場合がある。したがって、遮光膜45は、半導体チップ2の光入射面側から入射した光が第1半導体基体20の半導体層21や第2半導体基体30の半導体層31に差し込まれるのを防止し、平面視で周辺領域2Bに位置する半導体層21,31に設けられたMOSトランジスタの誤動作を防止している。
また、平面視で画素領域2Aに位置する半導体層31に配置されたMOSトランジスタの誤動作も防止できる。
遮光膜45は、これに限定されないが、例えば図4Bに示すように、絶縁膜42側からチタン(Ti)膜43a及びタングステン(W)膜43bを順次積層した複合膜で構成されている。Ti膜43a及びW膜43bの各々は遮光性を有する。Ti膜43aは、絶縁膜42に対するW膜43bの接着性を高める下地膜として機能する。また、Ti膜43aは、W膜43b中の金属原子が半導体層21に拡散するのを防止するバリア機能も有する。Ti膜43aは、厚さtが例えば0.05μmの設計値で形成されている。W膜43bは、厚さtが例えば0.35μmの設計値で形成されている。
遮光膜45は、遮光膜44と同一工程で形成されている。即ち、遮光膜44も、遮光膜45と同様の複合膜で形成されている。
図4Aに示すように、平坦化膜51は、平面視で画素領域2A及び周辺領域2Bに亘って設けられ、半導体層21の光入射面(第2の面S2)側が凹凸のない平坦面となるように絶縁膜42、遮光膜44及び45の半導体層21側とは反対側全体を覆っている。平坦化膜51としては、例えば酸化シリコン膜が用いられている。
図4Aに示すように、カラーフィルタ層52は、主に画素領域2A上に設けられている。カラーフィルタ層52は、例えば、赤色(R)の第1カラーフィルタ部52aと、緑色(G)の第2カラーフィルタ部52bと、青色(B)の第3カラーフィルタ部52cとを含む。この第1〜第3カラーフィルタ部52a〜52cは、複数の画素3の各々の画素3、即ち、複数の光電変換部24の各々の光電変換部24に対応して行列状に配置されている。第1〜第3カラーフィルタ部52a〜52cの各々は、光電変換部24に受光させたい入射光の特定の波長を透過し、透過させた入射光を光電変換部24に入射させる構成になっている。
図4Aに示すように、マイクロレンズ層53は、画素領域2A上に配置された複数のマイクロレンズ部53aと、周辺領域2B上に配置された平坦部53bとを有している。複数のマイクロレンズ53aの各々のマイクロレンズ53aは、画素領域2Aにおいて、複数の画素3の各々の画素3、即ち複数の光電変換部24の各々の光電変換部24に対応して行列状に配置されている。マイクロレンズ部53aは、照射光を集光し、集光した光を、カラーフィルタ層52を介して半導体層21の光電変換部24に効率よく入射させる。複数のマイクロレンズ部53aは、カラーフィルタ層52の光入射面側においてマイクロレンズアレイを構成している。平坦部53bは、画素領域2Aを囲むようにして周辺領域2Bに配置されている。マイクロレンズ層53は、例えばSTSR又はCSiL等の材料で形成されている。
図4A及び図4Bに示すように、絶縁膜55は、平面視で画素領域2Aの外側の周辺領域2Bに画素領域2Aを囲むようにして設けられ、マイクロレンズ層53の平坦部53bを覆っている。すなわち、絶縁膜55は、詳細に図示していないが、遮光膜45と同様に、平面視の平面パターンが画素領域2Aを囲むようにして周辺領域2Bを覆う環状平面パターンになっている。そして、絶縁膜55は、平面視で遮光膜45と重畳している。
絶縁膜55は、例えば低光反射率の酸化シリコン膜で形成されている。絶縁膜55は、厚さt12が例えば0.215μmの設計値で形成されている。この絶縁膜55は、半導体チップ2の光入射面側において最上層に設けられ、半導体チップ2の外周囲の空気層と接する。
<電極パッドの構成>
図4Aに示すように、半導体チップ2は、第1半導体基体20及び第2半導体基体30を積層した積層構造になっている。そして、半導体チップ2は、第1半導体基体20の光入射面側から第2半導体基体30の電極パッド38bに到達して電極パッド38bの表面を露出するボンディング開口部58を更に備えている。ボンディング開口部58及び電極パッド38bは、平面視で画素領域2Aの外側の周辺領域2Bに配置されている。
なお、電極パッド38bには、固体撮像装置1を電子機器に組み込む際、ボンディング開口部58を通して、ボンディングワイヤが接続される。図4Aでは電極パッド38bにボンディングワイヤ59が接続された状態を示している。
また、図4Aに示すように、遮光膜45は、平面視で電極パッド38bよりも画素領域2A側に配置されている。
<光反射抑制部の構成>
図4A及び図4Bに示すように、半導体チップ2は、平面視で画素領域2Aの外側に配置された凹凸形状の光反射抑制部として、周辺領域2Bに位置する遮光膜45に設けられた第1光反射抑制部46と、周辺領域2Bに位置する絶縁膜55に設けられた第2光反射抑制部56とを更に備えている。この第1光反射抑制部46は、遮光膜45の表面での光反射を抑制する。また、この第2光反射抑制部56は、空気層と接する絶縁膜55の表面での光反射を抑制する。この第1光反射抑制部46及び第2光反射抑制部56は、半導体層21の光入射面側(第2の面S2側)に配置されている。
(第1光反射抑制部)
図5A及び図5Bに示すように、第1光反射抑制部46は、遮光膜45の半導体層21側とは反対側の表面に設けられた凸部47aと凹部47bとを含む構成になっている。凸部47aは、遮光膜45のW膜43bを選択的にエッチング加工することによって突起状に形成される。即ち、W膜43bは、平面層(支持層)43bと、この平面層43bから突出する凸部47aとを有する。
図5Aに示すように、凸部47aは、平面視したときの平面パターンが格子状平面パターンになっている。この格子状平面パターンは、例えば、遮光膜45の表面の二次元平面において、X方向に延伸し、かつX方向と直交するY方向に所定の配列ピッチで配列された複数の凸部47aと、Y方向に延伸し、かつX方向に所定の配列ピッチで配列された複数の凸部47aとが同一平面内で交差する網目状パターンとして定義することができる。また、この格子状平面パターンは、凹部47bが凸部47aを介してX方向及びY方向のそれぞれの方向に繰り返し配置されたドット状パターンとして定義することもできる。
凹部47bは、平面視したときの平面形状が矩形状になっており、四方が凸部47aで囲まれている。この凹部47b内には、図5Bに示すように、平坦化膜51の一部が埋め込まれている。
凸部47aの高さtは、W膜43bの厚さt(0.35μm)に対して例えば0.3μmの設計値に設定されている。この凸部47aの高さtは、凹部47bの深さ、又は凸部47aと凹部47bとの高低差(段差)として定義することもできる。また、図5Aに示す凸部47aのX方向の配列ピッチPx及びY方向の配列ピッチPyは、共に設計値で例えば0.3μmに設定されている。
なお、凸部47aの幅Wは例えば設計値で0.06μmに設定され、凹部47bの平面サイズは設計値で例えば0.24μm×0.24μmに設定されている。また、W膜43bの平面層43bの厚さ(t−t)は、例えば設計値で0.05μmに設定されている。
(第2光反射抑制部)
図9A及び図9Bに示すように、第2光反射抑制部56は、絶縁膜55の空気層接触面側の表面に設けられた複数の凸部57aが絶縁膜55の表面の二次元平面内において互いに直交するX方向及びY方向のそれぞれの方向に点在するドット状平面パターンになっている。このドット状平面パターンは、図9Aに示すように、平面視で互いに隣り合う(隣接する)3つの凸部57aが正三角形Etの3つの頂点にそれぞれ位置する配置パターンで点在している。複数の凸部57aの各々の凸部57aは、絶縁膜55を選択的にエッチング加工することによって突起状に形成される。即ち、絶縁膜55は、平面層(支持層)55aと、この平面層55aから上方に突出する凸部57aとを有する。
図9A及び図9Bに示すように、複数の凸部57aの各々の凸部57aは、例えば円柱状で構成されている。各凸部57aの高さh13は、絶縁膜55の厚さt12(0.215μm)に対して例えば設計値で0.115μmに設定されている。また、各凸部57aの直径d11は、例えば設計値で約0.221μmに設定されている。また、互に隣り合う(隣接する)2つの凸部57aの配列ピッチP11は、例えば設計値で0.34μmに設定されている。また、絶縁膜55の平面層55aの厚さ(t12−t13)は、例えば設計値で0.1μmに設定されている。
≪光反射抑制部の反射抑制原理≫
次に、第1光反射抑制部46及び第2光反射抑制部56での反射抑制の原理的な考え方の一つを図13Aから図13Dを用いて説明する。
図13A及び図13Bは、ワイヤグリッド(Wire Grid)偏光素子を通った光のE波を表している。図13Aに示すワイヤグリッド偏光素子65Aは、透明な2枚のガラス基板の間に、X方向に延伸する複数の金属ワイヤ66aがY方向に所定の間隔をおいて平行に配置された構造になっている。これに対し、図13Bに示すワイヤグリッド偏光素子65Bは、透明な2枚のガラス基板の間に、Y方向に延伸する複数の金属ワイヤ66bがX方向に所定の間隔をおいて平行に配置された構造になっている。即ち、ワイヤグリッド偏光素子65Bの金属ワイヤ66bはワイヤグリッド偏光素子65Aの金属ワイヤ66aに対して直交する。そして、図13Bに示すE波も図13Aに示すE波に対して直交する。
図13Cに示すように、このワイヤグリッド偏光素子65Aと65Bとを、各々の金属ワイヤ66a,66bが直交するようにZ方向に並べると、Z方向の入射光はほぼ通過しない。
そこで、図13Dに示すように、2つのワイヤグリッド偏光素子65A及び65Bをおよそ一つの合体構造体65にして、入射光を通らなくするようにしたのが本技術の第1光反射抑制部46及び第2光反射抑制部56である。
第1光反射抑制部46では、光反射率の高いW膜43bの表面に、2つのワイヤグリッド偏光素子65A及び65Bの合体構造体65を施して反射光を消すように設計されている。この一例を図5A及び図5Bに示している。また、第2光反射抑制部56では、空気層と接する絶縁膜55に2つのワイヤグリッド偏光素子65A及び65Bの合体構造体65を施して反射光を消すように設計されている。この一例を図9A及び図9Bに示している。
≪光反射抑制部の光反射抑制≫
次に、第1光反射抑制部46及び第2光反射抑制部56のそれぞれの光反射抑制について、従来の遮光膜及び絶縁膜(本技術の光反射抑制部を設けていない場合)と比較しながら説明する。
<第1光反射抑制部の光反射抑制>
図6は、図5A及び図5Bに示す格子状平面パターンの第1光反射抑制部46が設けられた遮光膜45の表面での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。
一方、図8Aは、従来の遮光膜145の断面構造を示す模式的断面図である。そして、図8Bは、図8Aの遮光膜145の表面での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。
図8Aに示す従来の遮光膜145は、図5A及び図5Bに示す本技術の遮光膜45と同様に、絶縁膜42側からTi膜143a及びW膜143bを順次積層した複合膜で構成されている。そして、従来の遮光膜145は、本技術の遮光膜45とは異なり、W膜143bの表面が平らになっている。従来の遮光膜145は、一般的に、Ti膜143aの厚さtが例えば0.05μm、W膜143bの厚さtが例えば0.2μmになっている。本技術の遮光膜45及び従来の遮光膜145の光反射率は同一条件で測定した。
本技術の遮光膜45及び従来の遮光膜145は、図示していないが、何れも光透過率がほぼ0%であった。そして、図8Bに示すように、従来の遮光膜145の表面での光反射率は概ね50%であった。これに対し、図6に示すように、本技術の遮光膜45の表面での光反射率は、従来の遮光膜145の表面での光反射率と比較して1/20程度に抑えられた。このことから分かるように、格子状平面パターンの第1光遮光抑制部46は、従来の遮光膜145と比較して遮光膜45での光反射を抑制することができる。
(凸部の配列ピッチに対する表面反射特性)
次に、図5A及び図5Bに示す格子状平面パターンの第1光反射抑制部46において、凸部47aの配列ピッチを変えた場合の表面反射特性について説明する。
図7Aは、図5A及び図5Bに示す遮光膜45において、光波長と光反射率との依存性を凸部47aの配列ピッチ毎に示す反射特性図である。図7Aでは、凸部47aのX方向の配列ピッチPx及びY方向の配列ピッチPyが共に、1μm、0.8μm、0.5μm、0.3μm、0.2μm、0.1μm、0.01μmの場合を示している。
ここで、この第1実施形態に係る固体撮像装置(半導体チップ2)1は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、アクションカメラ等の電子機器や、車載カメラ、携帯電話器、パーソナルコンピュータ(PC)、IoT(Intemet of Things)機器などの電子機器に搭載される。したがって、遮光膜45で必要とする光反射率は、固体撮像装置1を搭載した電子機器でのアッセンブリ状態や、電子機器に搭載された固体撮像装置1の使用状況によって変わる。このため、遮光膜45の光反射率のボーダラインを設定するのは、難しいが、次の(a)、(b)、(c)を考慮して、概ね25%とした。
(a);従来の遮光膜145の光反射率(W膜143bの光反射率)が50%であり、50%が許容される状態では、本技術を適用する必要がないこと。
(b);CMOSセンサでの画素領域内の光反射率は、一般的に直接反射率と回折反射の成分を合計して10%弱であり、どれだけ最良な状態であっても、ある程度の反射があること。
(c);遮光膜54に微細な凹凸構造を施すには工程数がかかり、ある程度の効果がないと施す意味がないこと。
図7Aに示すように、格子状平面パターンの第1光反射抑制部46では、凸部47aのX方向及びY方向の配列ピッチ(Px及びPy)が1μmで光反射率が概ね25%を超える。このため、凸部47aのX方向及びY方向の配列ピッチ(Px及びPy)の最大値としては1μm以下が好ましい。一方、光反射率の最小値は、図7Aより分かるように、0.2μm以下で飽和しており、これ以下では値が変わらず10%程度であることから、凸部47aのX方向及びY方向の配列ピッチ(Px及びPy)の下限値は設定しないことが好ましい。
(凸部の高さに対する表面反射特性)
次に、図5A及び図5に示す格子状平面パターンの第1光反射抑制部46において、凸部47aの高さhを変えた場合の表面反射特性について説明する。
図7Bは、図5A及び図5Bに示す遮光膜45の表面において、光波長と光反射率との依存性を凸部43aの高さ毎に示す反射特性図である。図7Bでは、凸部47aの高さtが、10μm、0.5μm、0.3μm、0.1μm、0.05μm、0.04μm、0.03μmの場合を示している。
図7Bに示すように、遮光膜45での凸部47aの高さhが0.03μmで光反射率が25%を超える。上述と同様の理由より、遮光膜45の光反射率を25%のレベルに抑えたいため、凸部47aの高さhの最小値としては0.03μm以上とすることが好ましい。一方、光反射率の最大値は、図7Bより分かるように、0.5μm以上で飽和しており、光反射率が2%程度であるので、凸部47aの高さhの上限値は設定しないことが好ましい。
<第2光反射抑制部の光反射抑制>
図10Aは、図9A及び図9Bに示すドット状平面パターンの第2光反射抑制部56が設けられた絶縁膜55の表面での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。また、図10Bは、図9A及び図9Bに示すドット状平面パターンの第2光反射抑制部56が設けられた絶縁膜55での光波長と光透過率との依存性を示す光透過特性図である。
一方、図12Aは、従来の絶縁膜155での断面構造を示す模式的断面図である。また、図12Bは、図12Aの絶縁膜155での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。また、図12Cは、図12Aの絶縁膜155での光波長と光透過率との依存性を示す光透過特性図である。
図12Aに示す従来の絶縁膜155は、本技術の絶縁膜55と同様に、酸化シリコン膜で構成されている。そして、従来の絶縁膜155は、本技術の絶縁膜55とは異なり、表面が平らになっており、厚さtが例えば0.2μmに設定されている。本技術の絶縁膜55における光反射率及び光透過率と、従来の絶縁膜155における光反射率及び光透過率とは、同一条件で測定した。
従来の絶縁膜155の光透過率は、図12Cに示すように、概ね96.5%であった。これに対し、本技術の絶縁膜55の光透過率は、図10Bに示すように、概ね100%であった。
一方、従来の絶縁膜155の光反射率は、図12Bに示すように、概ね3.5%程度であった。これに対し、本技術の絶縁膜55の表面での光反射率は、図10Bに示すように、概ね0.3%以内に抑えられていた。このことから分かるように、ドット状平面パターンの第2光反射抑制部56は、従来の絶縁膜145と比較して、空気層と接する絶縁膜55での光反射を抑制することができる。
(凸部の配列ピッチに対する表面反射特性)
次に、ドット状平面パターンの第2光反射抑制部56において、凸部57aの配列ピッチを変えた場合の表面反射特性について説明する。
図11Aは、図9A及び図9Bに示す第2光反射抑制部56が設けられた絶縁膜55において、光波長と光反射率との依存性を凸部57aの配列ピッチ毎に示す反射特性図である。図11Aでは、凸部57aの配列ピッチP11が、10μm、0.5μm、0.3μm、0.1μm、0.05μm、0.03μm、0.02μmの場合を示している。
図11Aより分かるように、ドット状平面パターンの第2光反射抑制部56では、凸部57aの配列ピッチが0.02μmから10μmという十分な広範囲で概ね3.5%以下の光反射率に抑えられている。このため、凸部57aの配列ピッチP11の上限値及び下限値は設定しないことが好ましい。
(凸部の高さに対する表面反射特性)
次に、ドット状平面パターンの第2光反射抑制部56で凸部57aの高さt13を変えた場合の表面反射特性について説明する。
図11Bは、図9A及び図9Bに示す遮光膜54において、光波長と光反射率との依存性を凸部57aの高さ毎に示す反射特性図である。図11Bでは、凸部57aの高さhが、0.39μm、0.37μm、0.35μm、0.3μm、0.25μm、0.1μm、0.01μmの場合を示している。
図11Bより分かるように、ドット状平面パターンの第2光遮光抑制部56では、凸部57aの高さhが0.35μm以下で従来の絶縁膜155と比較して光透過率の改善効果が得られるが、凸部57aの高さhの上限値及び下限値は設定しないことが好ましい。
<フレアの発生及び抑制>
次に、固体撮像装置を搭載した電子機器でのフレアの発生及び抑制について説明する。
(通常の第1カメラモジュール)
図14Aは、通常の第1カメラモジュールに従来の固体撮像装置(半導体チップ)を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。図14Bは、図14Aの第1カメラモジュールに従来の固体撮像装置に換えて本技術の固体撮像装置を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。なお、図中の符号16は、トランジスタ形成部である。
図14Aに示すように、従来の固体撮像装置1Xを搭載した第1カメラモジュール70Aは、従来の固体撮像装置1Xと、この固体撮像装置1Xの画素領域2A側にカバーガラス71を介して配置され、かつ撮像レンズ72a、72b、72c、72d及び72eを含む撮像レンズ構造体72とを備えている。そして、撮像レンズ構造体72、カバーガラス71及び固体撮像装置1Xは、支持体73に支持されている。
従来の固体撮像装置1Xを搭載した第1カメラモジュール70Aでは、撮像レンズ構造体72(撮像レンズ72a〜72e)及びカバーガラス71を介して、固体撮像装置1Xの画素領域2Aの外側の周辺領域に入射光74が入射すると、図14Aに示すように、入射光74は周辺領域に配置された遮光膜145で反射する。遮光膜145で反射した入射光74は、カバーガラス71や撮像レンズ構造体72などで再度反射してボンディングワイヤ59に当たる。ボンディングワイヤ59に当たった入射光74はボンディングワイヤ59で更に反射し、不要光として画素領域2Aに入射する可能性がある。不要光が画素領域2Aに入射すると、フレアが発生して画素劣化を引き起こし、カメラ特性を損なう。
これに対し、本技術の固体撮像装置1を搭載した第1カメラモジュール70Aでは、固体撮像装置1の周辺領域2Bの遮光膜45に第1光反射抑制部46が設けられているため(図4A及び図4B参照)、撮像レンズ72a〜72e及びカバーガラス71を介して固体撮像装置1の画素領域2Aの外側の周辺領域2Bに入射した入射光74は、図14Bに示すように、遮光膜45の第1光反射抑制部46により遮光膜45での反射が抑制される。このため、反射した入射光74が不要光として画素領域2Aに入射することで発生するフレアを抑制することができる。
また、本技術の固体撮像装置1では、周辺領域2Bにおいて、空気層と接する絶縁膜55に第2光反射抑制部56が設けられているため(図4及び図4B参照)、撮像レンズ構造体(撮像レンズ72a〜72e)72及びカバーガラス71を介して、固体撮像装置1の画素領域2Aの外側の周辺領域2Bに入射した入射光74は、第2光反射抑制部56により絶縁膜55での反射が抑制される。これにより、絶縁膜55の表面で反射した入射光74が不要光として画素領域2Aに入射することで発生するフレアを抑制することができる。
(通常の第2カメラモジュール)
図15Aは、通常の第2カメラモジュールに従来の固体撮像装置(半導体チップ)を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。図15Bは、図15Aの第2カメラモジュールに従来の固体撮像装置に換えて本技術の固体撮像装置を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。図15Aの第2カメラモジュール70Bは、基本的に上述の第1カメラモジュール70Aとほぼ同様の構成になっており、支持体73に突起部73aが設けられている点が異なっている。突起部73aは、カバーガラス71の撮像レンズ構造体72側においてカバーガラス71の周辺部から中央部に向かって突出し、カバーガラス71を支持している。
従来の固体撮像装置1Xを搭載した第2カメラモジュール70Bでは、撮像レンズ構造体72(撮像レンズ72a〜72e)及びカバーガラス71を介して、固体撮像装置1Xの画素領域2Aの外側の周辺領域に入射光74が入射すると、図15Aに示すように、入射光74は周辺領域に配置された遮光膜154で反射する。遮光膜154で反射した入射光74は、撮像レンズ内構造部として、例えば支持体73の突起部73aに当たる。突起部73aに当たった入射光74は突起部73aで更に反射し、第1カメラモジュール70Aと同様に不要光として画素領域2Aに入射する可能性がある。不要光が画素領域2Aに入射すると、フレアが発生して画素劣化を引き起こし、カメラ特性を損なう。
これに対し、本技術の固体撮像装置1を搭載した第1カメラモジュール70Bでは、固体撮像装置1の周辺領域2Bの遮光膜45に光反射抑制部46が設けられているため(図4A及び図4B参照)、撮像レンズ構造体72及びカバーガラス71を介して固体撮像装置1の画素領域2Aの外側の周辺領域2Bに入射した入射光74は、図15Bに示すように、遮光膜45の第1光反射抑制部46により遮光膜45での反射が抑制される。このため、本技術の固体撮像装置1を搭載した第1カメラモジュール70Aと同様に、反射した入射光74が不要光として画素領域2Aに入射することで発生するフレアを抑制することができる。
また、本技術の固体撮像装置1では、周辺領域2Bにおいて、空気層と接する絶縁膜55に第2光反射抑制部56が設けられているため(図4B参照)、撮像レンズ構造体(72a〜72e)72及びカバーガラス71を介して、固体撮像装置1の画素領域2Aの外側の周辺領域2Bに入射した入射光74は、第2光反射抑制部56により絶縁膜55での反射が抑制される。これにより、上述の第1カメラモジュール70Aと同様に、反射した入射光74が不要光として画素領域2Aに入射することで発生するフレアを抑制することができる。
(車載カメラモジュール)
図16Aは、車載カメラモジュールに従来の固体撮像装置(半導体チップ)を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。図16Bは、図16Aの車載カメラモジュールに従来の固体撮像装置に換えて本技術の固体撮像装置を搭載した場合の入射光の反射状態を示す図である。なお、図中の符号16は、トランジスタ形成部である。
図16Aに示すように、従来の固体撮像装置1Xを搭載した車載カメラモジュール70Cは、従来の固体撮像装置1Xと、この固体撮像装置1Xの画素領域2A側にカバーガラス75を介して配置され、かつ撮像レンズ75a、75b、75c、75d及び75eを含む撮像レンズ構造体76とを備えている。車載カメラモジュール70Cでは、撮像レンズのFnoが明るくなっており、図16A及び図16Bに示す撮像レンズ構造体76では、Fno1.5の撮像レンズ(75a、75b,75c,75d,75e)を用いている。
図16A及び図16Bにおいて、入射光77のうち、一点鎖線が主光線77a、二点鎖線が下光線77b、実線が上光線77cである。
従来の固体撮像装置1Xを搭載した車載カメラモジュール70Cでは、撮像レンズ構造体76(撮像レンズ76a〜76e)及びカバーガラス75を介して、固体撮像装置1Xの画素領域2Aの外側の周辺領域に入射光77が入射すると、図16Aに示すように、入射光74は周辺領域に配置された遮光膜145で反射する。撮像レンズ構造体76ではFnoが明るいため、遮光膜145で反射した入射光77のうち、上光線77cが内側に反射する。内側に反射した上光線77cは更にカバーガラスで反射し、不要光として画素領域2Aに入射する可能性がある。不要光が画素領域2Aに入射すると、フレアが発生して画素劣化を引き起こし、カメラ特性を損なう。
これに対し、本技術の固体撮像装置1を搭載した車載カメラモジュール70Cでは、固体撮像装置1の周辺領域2Bの遮光膜45に光反射抑制部46が設けられているため(図5A及び図5B参照)、撮像レンズ構造体(撮像レンズ76a〜76e)76及びカバーガラス75を介して固体撮像装置1の画素領域2Aの外側の周辺領域2Bに入射した入射光77の主光線77a、下光線77b及び上光線77cは、図16Bに示すように、遮光膜45の第1光反射抑制部46により遮光膜45での反射が抑制される。このため、反射した入射光77の上光線77cが不要光として画素領域2Aに入射することで発生するフレアを抑制することができる。
また、本技術の固体撮像装置1では、周辺領域2Bにおいて、空気層と接する絶縁膜55に第2光反射抑制部56が設けられているため(図4B参照)、撮像撮像レンズ構造体(撮像レンズ76a〜76e)76及びカバーガラス75を介して、固体撮像装置1の画素領域2Aの外側の周辺領域2Bに入射した入射光77は、第2光反射抑制部56により絶縁膜55での反射が抑制される。これにより、反射した入射光77の上光線77cが不要光として画素領域2Aに入射することで発生するフレアを抑制することができる。
≪固体撮像装置の製造方法≫
次に、この第1実施形態に係る固体撮像装置1の製造方法について、図17A及び図17B、並びに図18Aから図18Iを用いて説明する。
図17Aは、ウエハの平面構成を示す図である。図17Bは、図17AのB領域を拡大してチップ形成領域の構成を示す図である。
また、図18A〜図18Iは、固体撮像装置1の製造方法を説明するための模式的断面図である。
ここで、図17A及び図17Bに示すように、固体撮像装置1は、半導体ウエハ60のチップ形成領域62に製作される。チップ形成領域62は、スクライブライン61で区画され、行列状に複数配置されている。図17Bでは、9個のチップ形成領域62を示している。そして、この複数のチップ形成領域62をスクライブライン61に沿って個々に個片化することにより、固体撮像装置1を搭載した半導体チップ2が形成される。チップ形成領域62の個片化は、以下に説明する製造工程が施された後に行われる。
なお、スクライブライン61は物理的に形成されているものではない。
まず、図18Aに示す第1半導体基体20及び図18Bに示す第2半導体基体30を形成する。
図18Aに示す第1半導体基体20の製造は、半導体層21の第1の面S1側に、分離領域23、光電変換部24、画素トランジスタ(Tr1,Tr2)、制御回路8を構成するMOSトランジスタ(Tr3,Tr4)などを形成する工程を有する。また、第1半導体基体20の製造は、半導体層21の第1の面S1上に、層間絶縁膜26と、この層間絶縁膜26を介して複数層に積層された配線27とを含む多層配線層25を形成する工程を有する。これらの工程を施すことによって第1半導体基体20は形成される。半導体層21としては、例えば単結晶シリコンからなる半導体基板を用いる。
この工程において、分離領域23、光電変換部24、画素トランジスタ(Tr1,Tr2)、制御回路8を構成するMOSトランジスタ(Tr3,Tr4)、及び多層配線層25などは、図17Bに示すチップ形成領域62毎に形成される。そして、各チップ形成領域62には、図1に示す画素領域2A及び周辺領域2Bが形成される。なお、この工程において、図1及び図17Bに示す遮光膜45は、まだ形成されていない。
一方、図18Bに示す第2半導体基体30の製造は、半導体層31の第1の面側に、ウエル領域32、分離領域33、ロジック回路15を構成するMOSトランジスタ(Tr11〜Tr14)などを形成する工程を有する。また、第2半導体基体30の製造は、半導体層31の第1の面上に、層間絶縁膜36と、この層間絶縁膜36を介して複数層に積層された配線37、配線38a及び電極パッド38bとを含む多層配線層35を形成する工程を有する。また、半導体基体30の製造は、多層配線層35の最上層の層間絶縁膜36上に反り矯正膜39を形成する工程を有する。これらの工程を施すことによって半導体基体30は構築される。半導体層31としては、例えば単結晶シリコンからなる半導体基板を用いる。
次に、図18Cに示すように、第1半導体基体20と第2半導体基体30とを、各々の多層配線層25,35が向かい合う状態で貼り合わせる。この貼り合わせは、接着材にて行う。この他に、プラズマ接合により貼り合わせてもよい。
この工程により、異なる2つの半導体層21,31を含む半導体ウエハ60が形成される。
次に、半導体層21の第2の面側を例えばCMP(Chemical Mechanical Polising)法などにより研削及び研磨して半導体層21の厚さを薄くし、その後、図示していないが、半導体層21の第2の面S2側に、暗電流を抑制するためのp型の半導体領域を形成する。研削及び研磨前の半導体層21の厚さは例えば600μm程度であるが、この半導体層21を例えば3〜5μm程度の厚さまで薄くする。この半導体層21の第2の面S2が裏面照射型の固体撮像装置1では光入射面となる。
次に、半導体層21の第2の面S2側に、反射防止コーティング膜41及び絶縁膜42を画素領域2A及び周辺領域2Bに亘って形成する(図18D参照)。反射防止コーティング膜41は、半導体層21の第2の面2S上の全面に例えばCVD法で成膜することによって形成される。絶縁膜42は、反射防止コーティング膜41上の全面に例えば酸化シリコン膜をCVD法で堆積することによって形成される。
次に、図18Dに示すように、絶縁膜42の遮光膜形成領域に溝部42a及び42bを形成する。溝部42aは、平面視で画素領域2A内に形成される。溝部42aは、平面視での平面パターンが複数の光電変換部24のそれぞれの受光面側を開口する格子状平面パターンで形成される。溝部42bは、平面視で周辺領域2Bに形成される。溝部42bは、平面視での平面パターンが画素領域2Aを囲むようにして周辺領域2Bを覆う環状平面パターンで形成される。
次に、図18Eに示すように、絶縁膜42の溝部42aに遮光膜44を選択的に埋め込むと共に、絶縁膜42の溝部42b内に遮光膜45を選択的に埋め込む。
遮光膜44及び遮光膜45は、絶縁膜42の溝部42a内及び溝部42b内を含む絶縁膜42上の全面にTi膜43a及びW膜43b(図5B参照)をスパッタ法で順次成膜し、その後、溝部42a内及び溝部42b内のW膜43b及びTi膜43aを除く絶縁膜42上のW膜43b及びTi膜43aを例えばCMP法で選択的に除去することによって形成される。Ti膜43aは、図5Bを参照して説明すると、溝部42a内及び溝部42b内の各々の側面及び底面に沿って形成される膜厚、例え0.05μmの厚さで形成される。W膜43bは、溝部42a内及び溝部42b内を埋め込む膜厚、例えば0.35μmの厚さで形成される。
この工程により、平面視で画素領域2Aに格子状平面パターンの遮光膜44が形成される。また、平面視で周辺領域2Bに環状平面パターンの遮光膜45が形成される(図1及び図17B参照)。
次に、図18Fに示すように、遮光膜45の表面に凹凸形状の第1光反射抑制部46を形成する。第1光反射抑制部46は、遮光膜45のW膜43bの表面を選択的にエッチングすることによって形成される。この第1実施形態の第1光反射抑制部46は、図5A及び図5Bに示す格子状平面パターンで形成される。
なお、第1光反射抑制部46は、遮光膜44に形成してもよい。
次に、遮光膜44上及び遮光膜45上を含む絶縁膜42上の全面に平坦化膜51を画素領域2A及び周辺領域2Bに亘って形成する(図18G参照)。平坦化膜51は、絶縁膜42上に例えば酸化シリコン膜をCVD法で成膜した後、この酸化シリコン膜の表面をCMP法やエッチバック法で研削することによって形成される。
次に、平面視で画素領域2Aと重畳する平坦化膜51上に、赤色(R)の第1カラーフィルタ部52a、緑色(G)の第2カラーフィルタ部52b及び青色(B)の第3カラーフィルタ部52Cを含むカラーフィルタ層52を形成する(図18G参照)。第1〜第3カラーフィルタ部52a〜52cは、対応する色(赤色、緑色、青色)の分光特性を有する有機膜を成膜及びパターンニングすることによって形成される。この第1〜第3カラーフィルタ部52a〜52cは、複数の画素3の各々の画素3、即ち、複数の光電変換部24の各々の光電変換部24に対応して行列状に形成される。
次に、図18Gに示すように、カラーフィルタ層52上を含む平坦化膜51上の全面にマイクロレンズ層53を形成する。マイクロレンズ層53は、平面視で画素領域2A内のカラーフィルタ層52上に配置された複数のマイクロレンズ部53aと、平面視で周辺領域2B内の平坦化膜51上に配置された平坦部53bとを有する。複数のマイクロレンズ部53aは、例えば感光性レジスト膜を用いたエッチバック法で形成される。
次に、平面視で周辺領域2Bと重畳するマイクロレンズ層53の平坦部53b上に、空気層と接する絶縁膜55を選択的に形成する(図8H参照)。絶縁膜55は、例えば、複数のマイクロレンズ部53a及び平坦部53bを含むマイクロレンズ層53上の全面に例えば酸化シリコン膜をCVD法で成膜し、その後、この酸化シリコン膜をパターンニングすることによって形成される。
次に、図18Hに示すように、絶縁膜55の表面に凹凸形状の第2光反射抑制部56を形成する。第2光反射抑制部56は、絶縁膜55の表面を選択的にエッチングすることによって形成される。この第1実施形態の第2光反射抑制部56は、図9A及び図9Bに示すドット平面パターンで形成される。
次に、図18Iに示すように、電極パッド38b上に、マイクロレンズ層53の平坦部53b側から電極パッド38bに到達するボンディング開口部58を形成する。
この工程により、画素領域2A、周辺領域2B、半導体層21、光電変換部24、画素トランジスタ(TR1,TR2)、制御回路8を構成するMOSトランジスタ、多層配線層25、反射防止コーティング膜41、絶縁膜42、遮光膜44,45、第1光反射抑制部46、平坦化膜51、カラーフィルタ層52、マイクロレンズ層53、絶縁膜55、第2光反射抑制部56、及びボンディング開口部58などを含む第1半導体基体20が形成される。
また、この工程により、第1半導体基体20及び第2半導体基体30を含む固体撮像装置1がほぼ完成する。
また、この工程により、図17A及び図17Bに示す半導体ウエハ60がほぼ完成する。半導体ウエハ60のチップ形成領域62には固体撮像装置1が形成されている。
この後、半導体ウエハ60の複数のチップ形成領域62をスクライブライン61に沿って個々に個片化することにより、固体撮像装置1を搭載した半導体チップ2が形成される。
≪第1実施形態の効果≫
次に、この第1実施形態の主な効果を説明する。
この第1実施形態に係る固体撮像装置1は、上述したように、周辺領域2Bの遮光膜45に凹凸形状の第1光反射抑制部46を備えている。したがって、この第1実施形態に係る固体撮像装置1によれば、遮光膜45の表面での光反射率を数%に抑制することができる。
また、この第1実施形態に係る固体撮像装置1によれば、遮光膜45の表面での光反射率を抑制することができるので、遮光膜45の表面で反射した入射光が不要光として画素領域2Aに入射することで発生するフレアを抑制することができる。
また、遮光膜45は、半導体チップ2の光入射面側から入射した入射光が第1半導体基体20の半導体層21や第2半導体基体30の半導体層31に差し込まれるのを防止し、平面視で周辺領域2Bに位置する半導体層21及び31に設けられたMOSトランジスタの誤動作を防止している。遮光膜45としては、一般的に、この第1実施形態の様に、入射光を吸収して透過させない遮光性が高いW膜43b(図4B参照)が使用される。しかしながら、W膜は遮光性が良いが一方で反射率が概ね50%である。したがって、この第1実施形態に係る固体撮像装置1によれば、W膜43bの表層に第1光反射抑制部46を備えることにより、MOSトランジスタの誤動作を防止することができると共に、遮光膜45の表面で反射した入射光が不要光として画素領域2Aに入射することで発生するフレアを抑制することができる。この結果、固体撮像装置1の信頼性向上を図ることができる。
この第1実施形態に係る固体撮像装置1は、上述したように、周辺領域2Bにおいて、空気層と接する絶縁膜55に凹凸形状の第2光反射抑制部56を備えている。したがって、この第1実施形態に係る固体撮像装置1によれば、空気層と接する絶縁膜55の表面での光反射率を従来の空気層と接する絶縁膜の表面での光反射率よりも抑制することができる。
また、この第1実施形態に係る固体撮像装置1によれば、空気層と接する絶縁膜55の表面での光反射率を抑制することができるので、絶縁膜55の表面で反射した入射光が不要光として画素領域2Aに入射することで発生するフレアを抑制することができる。
また、この第1実施形態の固体撮像装置1は、第1光反射抑制部46と第2光反射抑制部56の両方を備えている。したがって、この第1実施形態の固体撮像装置1によれば、第1光反射抑制部46及び第2光反射抑制部56の何れか一方を備えた場合と比較して、MOSトランジスタの誤動作を防止しつつ、フレアの発生をより抑制することができる。
また、この第1実施形態に係る固体撮像装置1の製造方法は、遮光膜45のW膜43bを加工して第1光反射抑制部46を形成し、空気層と接する絶縁膜55を加工して第2光反射抑制部56を形成しているので、第1光反射抑制部46及び第2光反射抑制部56を備えた固体撮像装置1を低コストで製造することができる。
〔変 形 例〕
次に、第1光反射抑制部及び第2光反射抑制部の変形例について説明する。
≪第1光反射抑制部の変形例≫
まず、最初に遮光膜45に設けられる凹凸形状の第1光反射抑制部の変形例について説明する。
<第1変形例>
図19Aは、第1変形例に係る第1光反射抑制部の要部模式的平面図である。
図19Bは、図19Aのa19−a19線に沿った断面構造を示す模式的断面構造である。
図19A及び図19Bに示すように、第1変形例に係る第1光反射抑制部46Aは、遮光膜45の半導体層21側とは反対側の表面に設けられた複数の凸部47aが遮光膜45の表面の二次元平面内において互いに直交するX方向及びY方向のそれぞれの方向に点在するドット状平面パターンになっている。このドット状平面パターンは、凸部47aが凹部47bを介してX方向及びY方向のそれぞれの方向に繰り返し配置されたチェッカーフラグ状平面パターンとして定義することもできる。
遮光膜45は、上述の第1実施形態の遮光膜45と同様に、絶縁膜42側からTi膜43a及びW膜43bをこの順で積層した複合膜で構成されている。そして、第1実施形態と同様に、Ti膜43aの膜厚tは設計値で例えば0.05μm、W膜43bの膜厚tは設計値で例えば0.35μmにそれぞれ設定されている。
複数の凸部47aの各々の凸部47aは、例えば四角錐形状で構成されている。この複数の凸部47aの各々の凸部47aは、遮光膜45のW膜43bを選択的にエッチング加工することによって突起状に形成される。
各凸部47aの高さhは、W膜43bの厚さt(0.35μm)に対して設計値で例えば0.3μmに設定されている。各凸部47aのX方向の配列ピッチPx及びY方向の配列ピッチPyは、共に設計値で例えば0.44μmに設定されている。
各凸部47aの底面サイズ及び各凹部47bの平面サイズは、例えば設計値で0.22μm×0.22μmに設定されている。各凹部47bは、平面視で四方が4つの凸部47aで囲まれている。この凹部47b内には、平坦化膜51の一部が埋め込まれている。
なお、W膜43bは、平面層(支持層)43bと、この平面層43bから突出する凸部47aとを有する。W膜43bの平面層43bの厚さ(t−t)は、例えば設計値で0.05μmに設定されている。
図19Cは、図19a及び図19bに示すドット状平面パターンの第1光反射抑制部46Aが設けられた遮光膜45の表面での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。この第1変形例の遮光膜45の表面での光反射率は、上述の第1実施形態の遮光膜45の表面での光反射率と同一条件で測定した。
図19Cに示すように、第1光反射抑制部46Aが設けられた遮光膜45の表面での反射率は、概ね8%程度に抑えられている。そして、第1光反射抑制部46Aが設けられた遮光膜45の透過率は、図示していないが、ほぼ0%である。
したがって、この第1変形例の第1光反射抑制部46Aにおいても、上述の第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第2変形例>
図20Aは、第2変形例に係る第1光反射抑制部の要部模式的平面図である。図20Bは、図20Aのa20−a20線に沿った断面構造を示す模式的断面構造である。
図20A及び図20Bに示すように、第2変形例に係る第1光反射抑制部46Bは、図9A及び図9Bに示す上述の第1実施形態に係る第2光反射抑制部57と同様に、遮光膜45の半導体層21側とは反対側の表面に設けられた複数の凸部47aが遮光膜45の表面の二次元平面内において互いに直交するX方向及びY方向のそれぞれの方向に点在するドット状平面パターンになっている。このドット状平面パターンは、図20Aに示すように、平面視で隣り合う3つの凸部47aが正三角形Etの3つの頂点にそれぞれ位置する配置パターンで点在している。複数の凸部47aの各々の凸部47aは、遮光膜45のW膜43bを選択的にエッチング加工することによって突起状に形成される。
図20A及び図20Bに示すように、複数の凸部47aの各々の凸部47aは、例えば円柱形状で構成されている。各凸部47aの高さhは、W膜43bの厚さt(0.35μm)に対して設計値で例えば0.3μmに設定されている。互いに隣り合う(隣接する)2つの凸部47aの配列ピッチPは、例えば0.35μmに設定されている。また、各凸部47aの直径dは、例えば設計値で約0.175μmに設定されている。この互いに隣り合う2つの凸部47bの間には、平坦化膜51の一部が埋め込まれている。
なお、W膜43bは、平面層43bと、この平面層43bから突出する凸部47aとを有する。W膜43bの平面層43bの厚さ(t−t)は、例えば設計値で0.05μmに設定されている。
図20Cは、図20A及び図20Bに示すドット状平面パターンの第1光反射抑制部46Bが設けられた遮光膜45の表面での光波長と光反射率との依存性を示す反射特性図である。この第2変形例の遮光膜45の表面での光反射率は、上述の第1実施形態の遮光膜45の表面での光反射率と同一条件で測定した。
図20Cに示すように、第1光反射抑制部46Bが設けられた遮光膜45の表面での光反射率は、概ね2%以内に抑えられている。そして、第1光反射抑制部46Bが設けられた遮光膜45の透過率は、図示していないが、ほぼ0%である。
したがって、この第2変形例の第1光反射抑制部46Bにおいても、上述の第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第2光反射抑制部の変形例≫
次に、絶縁膜55に設けられる凹凸形状の第2光反射抑制部の変形例について説明する。
<第3変形例>
図21Aは、第3変形例に係る第2光反射抑制部の要部模式的平面図である。
図21Bは、図21Aのa21−a21線に沿った断面構造を示す模式的断面構造である。
図21A及び図21Bに示すように、第2光反射抑制部56Aは、絶縁膜55の空気層接触面側の表面に設けられた複数の凸部57aが絶縁膜55の表面の二次元平面内において互いに直交するX方向及びY方向のそれぞれの方向に点在するドット状平面パターンになっている。このドット状平面パターンは、図21Aに示すように、平面視で互いに隣り合う3つの凸部57aが正三角形Etの3つの頂点にそれぞれ位置する配置パターンで点在している。複数の凸部57aの各々の凸部57aは、絶縁膜55を選択的にエッチング加工することによって突起状に形成される。絶縁膜55の厚さt12は、上述の第1実施形態の絶縁膜55とは異なり、例えば設計値で0.32μmに設定されている。
図21A及び図21Bに示すように、複数の凸部57aの各々の凸部57aは、上述の第1実施形態の凸部57aとは異なり、例えば円錐形状で構成されている。各凸部57aの高さh13は、絶縁膜55の厚さt12(0.32μm)に対して例えば設計値で0.22μmに設定されている。また、各凸部57aの底面の直径d11は、例えば設計値で約0.34μmに設定されている。また、互に隣り合う2つの凸部57aの配列ピッチP11は、例えば設計値で0.34μmに設定されている。絶縁膜55は、平面層55aと、この平面層55aから突出する凸部57aとを有する。
すなわち、第2光反射抑制部56Aは、絶縁膜55の厚さが0.1μmの平面層55a(支持層)上に、底面の直径d11が0.34μm、高さが0.22μmの円錐形状の凸部57aを0.34μmの配列ピッチP11で繰り返し配置したドット状平面パターンになっている。
なお、絶縁膜55は、平面層55aと、この平面層55aから上方に突出する凸部57aとを有する。そして、絶縁膜55の平面層55aの厚さ(t12−t13)は、例えば設計値で0.1μmに設定されている。
この第3変形例の第2光反射抑制部56Aが設けられた絶縁膜55光透過率は、概ね100%である。これにより、空気層と接する絶縁膜55の表面での光反射率をほぼ0%に抑えられる。したがって、この第3変形例の第2光反射抑制部56Bにおいても、上述の第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第4変形例>
図22Aは、第4変形例に係る第2光反射抑制部の要部模式的平面図である。
図22Bは、図21Aのa22−a22線に沿った断面構造を示す模式的断面構造である。
図22A及び図22Bに示すように、第2光反射抑制部56Bは、基本的に上述の第3変形例の第2光反射抑制部56Aとほぼ同様のドット状平面パターンになっており、第2光反射抑制部56Aと異なる点は凸部57aが円錐台形状になっている。絶縁膜55の厚さt12は、設計値で例えば0.27μmに設定されている。
凸部57aは、高さh13が設計値で例えば0.17μm、底面の直径d11が設計値で例えば0.34μm、上面の直径d12が設計値で例えば0.12μmにそれぞれ設定されている。そして、隣り合う2つの凸部57aの配列ピッチP11は、設計値で例えば0.34μmに設定されている。
凸部57aは、絶縁膜55を選択的にエッチング加工することによって突起状に形成される。絶縁膜55は、平面層55aと、この平面層55aから上方に突出する凸部57aとを有する。そして、絶縁膜55の平面層55aの厚さ(t12−t13)は、例えば設計値で0.1μmに設定されている。
この第4変形例の第2光反射抑制部56Bが設けられた絶縁膜55の光透過率は、概ね100%である。これにより、空気層と接する絶縁膜55の表面での光反射率をほぼ0%に抑えられる。したがって、この第4変形例の第2光反射抑制部56Bにおいても、上述の第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第5変形例>
図23Aは、第5変形例に係る第2光反射抑制部の要部模式的平面図である。
図23Bは、図23Aのa23−a23線に沿った断面構造を示す模式的断面構造である。
図23A及び図23Bに示すように、第2光反射抑制部56Cは、基本的に上述の第3変形例の第2光反射抑制部56Aとほぼ同様のドット状平面パターンになっており、第2光反射抑制部56Aと異なる点は凸部57aが八角錐形状になっている。絶縁膜55の厚さt12は、設計値で例えば0.32μmに設定されている。
凸部57aは、高さh13が設計値で例えば0.22μm、底面の直径d11が設計値で例えば0.221μmにそれぞれ設定されている。そして、隣り合う2つの凸部57aの配列ピッチP11は、設計値で例えば0.34μmに設定されている。絶縁膜55は、平面層55aと、この平面層55aから突出する凸部57aとを有する。
すなわち、第2光反射抑制部56Cは、絶縁膜55の厚さが0.1μmの平面層55a(支持層)上に、底面の直径d11が0.221μm、高さが0.22μmの八角錐形状の凸部57aを0.34μmの配列ピッチP11で繰り返し配置したドット状平面パターンになっている。
凸部57aは、絶縁膜55を選択的にエッチング加工することによって突起状に形成される。絶縁膜55は、平面層55aと、この平面層55aから上方に突出する凸部57aとを有する。そして、絶縁膜55の平面層55aの厚さ(t12−t13)は、例えば設計値で0.1μmに設定されている。
この第5変形例の第2光反射抑制部56Cが設けられた絶縁膜55の光透過率は、概ね100%である。これにより、空気層と接する絶縁膜55の表面での光反射率をほぼ0%に抑えられる。したがって、この第5変形例の第2光反射抑制部56Cにおいても、上述の第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第6変形例>
図24Aは、第6変形例に係る第2光反射抑制部の要部模式的平面図である。
図24Bは、図24Aのa24−a24線に沿った断面構造を示す模式的断面構造である。
図24A及び図24Bに示すように、第6変形例の第2光反射抑制部56Dは、基本的に上述の第5変形例の第2光反射抑制部56Aとほぼ同様のドット状平面パターンになっており、第2光反射抑制部56Aと異なる点は凸部57aが八角錐台形状になっている。絶縁膜55の厚さt12は、設計値で例えば0.27μmに設定されている。
凸部57aは、高さh13が設計値で例えば0.17μm、底面の直径d11が設計値で例えば0.34μm、上面の直径d12が設計値で例えば0.12μmにそれぞれ設定されている。そして、互に隣り合う2つの凸部57aの配列ピッチP11は、設計値で例えば0.34μmに設定されている。
凸部57aは、絶縁膜55を選択的にエッチング加工することによって突起状に形成される。絶縁膜55は、平面層55aと、この平面層55aから上方に突出する凸部57aとを有する。そして、絶縁膜55の平面層55aの厚さ(t12−t13)は、例えば設計値で0.1μmに設定されている。
この第6変形例の第2光反射抑制部56Dが設けられた絶縁膜55の光透過率は、概ね100%である。これにより、空気層と接する絶縁膜55の表面での光反射率をほぼ0%に抑えられる。したがって、この第6変形例の第2光反射抑制部56Bにおいても、上述の第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第1及び第2光反射抑制部の組み合わせ≫
上述の第1実施形態では、図5A及び図5Bに示す格子状平面パターンの第1光反射抑制部46と、図9A及び図9Bに示すドット状平面パターンの第2光反射抑制部56とを組み合わせた場合で説明した。しかしながら、本技術は、第1実施形態の組み合わせに限定されない。すなわち、上述の第1実施形態及び上述の第1〜第2変形例の第1光反射抑制部46、46A、46Bの何れかと、上述の第2実施形態及び上述の第4〜第6実施形態の第2光反射抑制部57、57A、57B、57C、57Dの何れかとを組み合わせることができる。
なお、上述の第1実施形態及び変形例では、遮光膜に設けられた第1光反射抑制部と、空気層と接する絶縁膜に設けられた第2光反射抑制部とを両方備えた場合について説明した。しかしながら、本技術は、第1光反射抑制部及び第2光反射抑制部の両方を備えた場合に限定されるものではない。本技術は、第1光反射抑制部及び第2光反射抑制部のうちの少なくとも何れか一方を備えていればよい。
また、上述の第1実施形態及び変形例では、空気層と接する絶縁膜として、マイクロレンズ層53上の絶縁膜55に第2光反射抑制部56を設けた場合について説明した。しかしながら、第2光反射抑制部の適用は、絶縁膜55に限定されない。例えば、マイクロレンズ層の平坦部が最上層で空気層と接する場合、このマイクロレンズ層の平坦部に第2光反射抑制部を設けてもよい。
また、上述の第1実施形態及び変形例では、第1光反射抑制部を設ける遮光膜として、W膜を含む遮光膜45について説明したが、本技術は、このW膜を含む遮光膜に限定されない。遮光膜としては、例えば、アルミニウム(Al)膜、Al合金膜、銅(Cu)膜、Cu合金膜などの単層膜、若しくはこれらの複合膜を用いることができる。
また、上述の第1実施形態及び変形例では、第2光反射抑制部を設ける絶縁膜として、酸化シリコン膜を例示したが、本技術は、この酸化シリコン膜に限定されない。第2光反射抑制部が設けられる絶縁膜としては、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム(Al)膜、樹脂膜などの他の絶縁膜を用いることができる。
また、上述の第1実施形態及び変形例では、第1半導体基体20に画素領域2A及び制御回路8を搭載した場合について説明したが、本技術は、第2半導体基体30にロジック回路15と共に制御回路8を搭載した場合にも適用することができる。
〔第2実施形態〕
≪電子機器への応用例≫
本技術(本開示に係る技術)は、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置、撮像機能を備えた携帯電話機、又は、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
図25は、本技術の第2実施形態に係る電子機器(例えば、カメラ)の概略構成を示す図である。
図25に示すように、電子機器100は、固体撮像装置101と、光学レンズ102と、シャッタ装置103と、駆動回路104と、信号処理回路105とを備えている。この電子機器100では、固体撮像装置101として本技術の第1実形態に係る固体撮像装置1や変形例に係る固体撮像装置1を用いている。
光学レンズ102は、被写体からの像光(入射光106)を固体撮像装置101の撮像面上に結像させる。これにより、固体撮像装置101内に一定期間にわたって信号電荷が蓄積される。シャッタ装置103は、固体撮像装置101への光照射期間及び遮光期間を制御する。駆動回路104は、固体撮像装置101の転送動作及びシャッタ装置103のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路104から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置101の信号転送を行なう。信号処理回路105は、固体撮像装置101から出力される信号(画素信号)に各種信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリ等の記憶媒体に記憶され、或いはモニタに出力される。
このような構成により、第2実施形態の電子機器100では、固体撮像装置101において光反射抑制部により、遮光膜や、空気層と接する絶縁膜での光反射が抑制させているため、フレを抑制することができ、画質の向上を図ることができる。
なお、固体撮像装置1を適用できる電子機器100としては、カメラに限られるものではなく、他の電子機器にも適用することができる。例えば、携帯電話機やタブレット端末等のモバイル機器向けカメラモジュール等の撮像装置に適用してもよい。
なお、本技術は、以下のような構成としてもよい。
(1)複数の光電変換部が配置された画素領域と、
前記画素領域の外側に配置された凹凸形状の光反射抑制部と、
を備えている固体撮像装置。
(2)前記画素領域の外側に配置された遮光膜を更に備え、
前記光反射抑制部は、前記遮光膜に設けられている、上記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)前記画素領域の外側に配置され、かつ空気層と接する絶縁膜を更に備え、
前記光反射抑制部は、前記絶縁膜に設けられている、上記(1)に記載の固体撮像装置。
(4)前記画素領域の外側に配置された遮光膜と、前記画素領域の外側に配置され、かつ空気層と接する絶縁膜とを更に備え、
前記光反射抑制部は、前記遮光膜及び前記絶縁膜の各々に設けられている、上記(1)に記載の固体撮像装置。
(5)前記遮光膜に設けられた前記光反射抑制部は、凸部の配列ピッチが1μm以下である、上記(1)又は(4)に記載の固体撮像装置。
(6)前記遮光膜に設けられた前記光反射抑制部は、凸部の高さが0.03μm以上である、上記(1)又は(4)に記載の固体撮像装置。
(7)前記画素領域の外側に配置された電極パッドを更に備え、
前記光反射抑制部は、前記電極パッドよりも前記画素領域側に配置されている、上記(1)から(6)の何れかに記載の固体撮像装置。
(8)前記複数の光電変換部が設けられた半導体層を更に備え、
前記光反射抑制部は、前記半導体層の光入射面側に配置されている、上記(1)から(6)の何れかに記載の固体撮像装置。
(9)複数の光電変換部が配置された画素領域、前記画素領域の外側に配置され、かつ凹凸が繰り返し形成された光反射抑制部を有する固体撮像装置と、
被写体からの像光を前記固体撮像装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、
前記固体撮像装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路と、
を備えている電子機器。
本技術の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本技術が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本技術の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1…固体撮像装置
2…半導体チップ
2A…画素領域
2B…周辺領域
3…画素
4…垂直駆動回路
5…カラム信号処理回路
6…水平駆動回路
7…出力回路
8…制御回路
10…画素駆動配線
11…垂直信号線
12…水平信号線
13…電極パッド
15…ロジック回路
20…第1半導体基体
21…半導体層
23…分離領域
24…光電変換部
25…多層配線層
26…層間絶縁膜
27…配線
30…第2半導体基体
31…半導体層
32…ウエル領域
33…分離領域
35…多層配線層
36…層間絶縁膜
37…配線
38a…配線
38b…電極パッド
39…反り矯正膜
41…反射防止コーティング膜
42…絶縁膜
43a…Ti(チタン)膜
43b…W(タングステン)膜
44,45…遮光膜
46…第1光反射抑制部
47a…凸部
47b…凹部
51…平坦化膜
52…カラーフィルタ層
53…マイクロレンズ層
55…絶縁膜
56…第2光反射抑制部
57a…凸部
58…ボンディング開口部
59…ボンディングワイヤ
60…半導体ウエハ
61…スクライブライン
62…チップ形成領域
65…合体構造体
65A,65B…ワイヤグリッド偏光素子
65a,65b…金属ワイヤ
70A,70A…第1カメラモジュール
70B,70B…第2カメラモジュール
70C,70C…車載カメラモジュール
71…カバーガラス
72…撮像レンズ構造体
72a,72b,72c,72d,72e…撮像レンズ
73…支持体
73a…突起部
74…入射光
75…カバーガラス
76…撮像レンズ構造体
76a,76b,76c,76d,76e…撮像レンズ
77…入射光
77a…主光線
77b…下光線
77c…上光線

Claims (9)

  1. 複数の光電変換部が配置された画素領域と、
    前記画素領域の外側に配置された凹凸形状の光反射抑制部と、
    を備えている固体撮像装置。
  2. 前記画素領域の外側に配置された遮光膜を更に備え、
    前記光反射抑制部は、前記遮光膜に設けられている、請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記画素領域の外側に配置され、かつ空気層と接する絶縁膜を更に備え、
    前記光反射抑制部は、前記絶縁膜に設けられている、請求項1に記載の固体撮像装置。
  4. 前記画素領域の外側に配置された遮光膜と、前記画素領域の外側に配置され、かつ空気層と接する絶縁膜とを更に備え、
    前記光反射抑制部は、前記遮光膜及び前記絶縁膜の各々に設けられている、請求項1に記載の固体撮像装置。
  5. 前記遮光膜に設けられた前記光反射抑制部は、凸部の配列ピッチが1μm以下である、請求項2又は4に記載の固体撮像装置。
  6. 前記遮光膜に設けられた前記光反射抑制部は、凸部の高さが0.03μm以上である、請求項2又は4に記載の固体撮像装置。
  7. 前記画素領域の外側に配置された電極パッドを更に備え、
    前記光反射抑制部は、前記電極パッドよりも前記画素領域側に配置されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
  8. 前記複数の光電変換部が設けられた半導体層を更に備え、
    前記光反射抑制部は、前記半導体層の光入射面側に配置されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
  9. 複数の光電変換部が配置された画素領域、前記画素領域の外側に配置され、かつ凹凸が繰り返し形成された光反射抑制部を有する固体撮像装置と、
    被写体からの像光を前記固体撮像装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、
    前記固体撮像装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路と、
    を備えている電子機器。
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