JP2021148279A - 高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法、ガス供給システムの使用方法、及び、ガス供給システム - Google Patents
高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法、ガス供給システムの使用方法、及び、ガス供給システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ガス供給システムに使用される高圧ガス容器の寿命を適切に管理して長寿命化を図る圧力サイクル寿命試験方法、また、高圧ガス容器の長寿命化を図ることが可能となるガス供給システムの使用方法、及び、ガス供給システムを提供する。【解決手段】高圧気体の充填及び放出に伴う種々の値の応力振幅が繰り返し作用する高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法であって、最大応力振幅σaを前記高圧ガス容器に作用させた後、連続的に応力振幅σbを前記高圧ガス容器に作用させた際の応力変化を1サイクルの繰り返し応力変化とする応力振幅付与工程と、前記高圧ガス容器にサイクル疲労破壊による損傷の有無を確認する損傷確認工程と、前記損傷確認工程において前記高圧ガス容器に損傷が無いと判断された場合に、サイクル疲労破壊に対する前記応力振幅σbによる影響はないと判断する判断工程とを備える高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法。【選択図】図1
Description
本発明は、高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法、高圧ガス容器を備えるガス供給システムの使用方法、及び、高圧ガス容器を備えるガス供給システムに関する。
近年、燃料電池自動車等の水素ガスを利用する車両( 以下、単に「車両」という。) の開発が行われており、これに伴って車両のタンクに水素ガスを充填するための水素ステーション(ガス供給システム)の開発も進められている(例えば、特許文献1)。ガス供給システムは、図3に示すように、複数の高圧ガス容器231,232,233を有する高圧ガス容器ユニット23と、各高圧ガス容器231,232,233に圧縮水素ガスを供給するガス送出部21と、各高圧ガス容器231,232,233内の水素ガスを車両9のタンク9aに供給する供給設備11と、各高圧ガス容器231,232,233からタンク9aへの水素ガスの充填順序を制御する制御部29と、を備えるガス供給システムが開示されている。制御部29は、各高圧ガス容器231,232,233を切り替えてタンク9aに水素ガスを充填させる機能を有している。高圧ガス容器231は、タンク9aの圧力(タンク9a内に充填されている水素ガスの圧力)が所定の低圧の範囲である低圧域内である場合に使用が開始され、高圧ガス容器233は、タンク9aの圧力が、上記低圧域よりも幅が狭い所定の高圧の範囲である高圧域内である場合に使用が開始される。また、高圧ガス容器232は、タンク9aの圧力が上記低圧域と上記高圧域との間の圧力の範囲である中圧域である場合に使用が開始される。
上記ガス供給システムの作動について、水素ガスの供給を受ける車両9のタンク9aの水素ガス圧力が10MPaであり、このタンク9aの水素ガス圧力が70MPaとなるまで水素ガスを充填する場合を例にとり以下説明する。ここで、高圧ガス容器231は、タンク9aの圧力が圧力範囲0〜30MPaの場合に使用が開始され、高圧ガス容器232は、タンク9aの圧力が圧力範囲30〜50MPaの場合に使用が開始され、高圧ガス容器233は、タンク9aの圧力が圧力範囲50〜70MPaの場合に使用が開始されるとする。なお、高圧ガス(高圧の水素ガス)充填時における各高圧ガス容器231,232,233の内部圧力は、いずれも例えば85MPaに設定されるとする。
車両9のタンク9aの水素ガスの圧力を10MPaから70MPaとなるまで水素ガスを充填する場合、通常、高圧ガス容器231⇒高圧ガス容器232⇒高圧ガス容器233の順に高圧ガス容器を切り替える運用を行ってタンク9aに高圧ガス(水素ガス)を充填させる。この時、高圧ガス容器231の圧力は、例えば85MPaから30MPaに低下し、高圧ガス容器232の圧力は、85MPaから50MPaに低下し、高圧ガス容器233の圧力は85MPaから70MPaに低下する。車両9のタンク9aへの水素ガスの充填作業が完了した後、各高圧ガス容器231,232,233は、ガス送出部21を介した高圧ガスの充填が行われ、各高圧ガス容器231,232,233の圧力が85MPaとなるまで水素ガスが充填される。
また、車両9のタンク9aの水素ガスが50MPaであり、このタンク9aの水素ガス圧力が70MPaとなるまで水素ガスを充填するような場合には、高圧ガス容器231,232を使用せずに、高圧ガス容器233のみを用いて、タンク9aに対する水素ガスの充填が行われる。
また、各高圧ガス容器231,232,233に関し、例えば、低圧域で使用された高圧ガス容器231を中圧域での使用に切り替え、中圧域で使用された高圧ガス容器233を高圧域での使用に切り替え、高圧域で使用された高圧ガス容器232を低圧域での使用に切り替えるといった運用がなされる場合がある。
ここで、各高圧ガス容器は、高圧ガス(高圧の水素ガス)の充填と放出とが繰り返されるものであるため、この高圧ガスの充填と放出に伴う応力振幅が繰り返し作用することになる。このように繰り返しの応力振幅が作用する高圧ガス容器は、いわゆるサイクル疲労破壊の観点からそのサイクル寿命が管理されている。具体的には、高圧ガス容器に作用する圧力変動(高圧ガス(水素ガス)の充填と放出を1サイクルとした圧力変動)の回数が所定回数に達した場合に疲労寿命に達したと判定される。
上記所定回数は、ガス供給システムを運用する際に高圧ガス容器に作用すると想定される高圧ガスの充填と放出に伴う最大応力振幅σaに対応して設定される要求繰り返し数Nが一般的に採用される。また、高圧ガス容器は、実際の使用に先立ち、圧力サイクル寿命試験が実施される。この試験は、ガス供給システムを運用する際に高圧ガス容器に作用すると想定される高圧ガスの充填と放出に伴う最大応力振幅σaに対応する要求繰り返し数Nを設定すると共に、実際に、最大応力振幅σaの応力振幅を繰り返し高圧ガス容器に付与する試験を行い、この試験において最大応力振幅σaの繰り返し数(サイクル数)が、上記要求繰り返し数Nに達した場合であっても高圧ガス容器に破壊等の損傷が発生していないことを検証し、高圧ガス容器に損傷が生じていない場合に、試験に供した高圧ガス容器と同種の高圧ガス容器は、上記要求繰り返し数Nまでは使用できるものと判定し、ガス供給システムに使用される。なお、上記ガス供給システムの作動例においては、高圧ガス容器に作用すると想定される高圧ガスの充填と放出に伴う最大応力振幅σaは、85MPaとして設定される。
しかしながら、上述のサイクル寿命管理手法では、サイクル疲労破壊に大きく影響する高圧ガス容器に作用する実際の応力振幅の大きさに関わらず、高圧ガスの充填と放出を1サイクルとしてサイクル数がカウントされるため、各高圧ガス容器の運用状況によっては、圧力変動(応力振幅)が小さい状態が続いても、要求繰り返し数Nに達したとして新規の高圧ガス容器に交換する運用がなされる。具体的には、上記高圧ガス容器231,232,233を例にとると、高圧ガス容器233は、高圧ガス容器231に比べて応力振幅がかなり小さい状態で運用されているにもかかわらず(高圧ガス容器231の応力振幅は55MPa、高圧ガス容器233の応力振幅は15MPa)、高圧ガス(水素ガス)の充填と放出を1サイクルとしてカウントされるため、高圧ガス容器233については、未だ使用に耐えうる状況であっても、サイクル数が要求繰り返し数Nに達したという理由で新規の高圧ガス容器に交換されることになる。
このような運用方法の場合、高圧ガス容器の実際のサイクル疲労寿命よりも早く高圧ガス容器を交換してしまうことになり、水素ステーション(ガス供給システム)の管理コストの低減が困難である。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ガス供給システムに使用される高圧ガス容器の寿命を適切に管理して長寿命化を図ることが可能となる高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法を提供することを目的とする。また、高圧ガス容器の寿命を適切に管理して長寿命化を図ることが可能となるガス供給システムの使用方法、及び、ガス供給システムを提供することを目的とする。
本発明の前記目的は、高圧気体の充填及び放出に伴う種々の値の応力振幅が繰り返し作用する高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法であって、最大応力振幅σa、及び、前記最大応力振幅σaよりも小さい応力振幅σbが、前記高圧ガス容器に作用すると想定される場合に、前記最大応力振幅σaを前記高圧ガス容器に作用させた後、連続的に応力振幅σbを前記高圧ガス容器に作用させた際の応力変化を1サイクルの繰り返し応力変化とする応力振幅付与工程と、前記応力振幅付与工程を繰り返し行いつつ、サイクル数をカウントする繰り返し工程と、前記サイクル数が、前記最大応力振幅σaに対応して設定される要求繰り返し数Nよりも大となった際に、前記高圧ガス容器にサイクル疲労破壊による損傷の有無を確認する損傷確認工程と、前記損傷確認工程において前記高圧ガス容器に損傷が無いと判断された場合に、サイクル疲労破壊に対する前記応力振幅σbによる影響はないと判断する判断工程とを備える高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法により達成される。
また、本発明の前記目的は、タンクを備えるタンク搭載装置へガスを供給するガス供給システムの使用方法であって、前記ガス供給システムは、前記タンク搭載装置の前記タンクにガスを供給する供給設備と、ガスを貯留する高圧ガス容器ユニットと、ガスを前記高圧ガス容器ユニットに送出するガス送出部と、前記高圧ガス容器ユニットと前記ガス送出部との間を連通する導入流路と、前記高圧ガス容器ユニットと前記供給設備との間を連通する導出流路とを備えており、前記高圧ガス容器ユニットは、第1高圧ガス容器及び第2高圧ガス容器を備えており、前記第1高圧ガス容器は、前記タンクの圧力が所定の低圧の範囲である低圧域内である場合に使用され、前記第2高圧ガス容器は、前記タンクの圧力が、前記低圧域よりも幅が狭い所定の高圧の範囲である高圧域内である場合に使用され、前記ガス送出部を介した高圧ガスの充填及び前記導出流路を介した高圧ガスの放出に伴って前記第2高圧ガス容器に作用する1サイクルの応力振幅σと、請求項1に記載の圧力サイクル寿命試験方法における前記最大応力振幅σaとの比σ/σaが、請求項1に記載の圧力サイクル寿命試験方法における前記応力振幅σbと、前記最大応力振幅σaとの比σb/σa以下の場合に、前記応力振幅σに関するサイクル回数をカウントせずに前記第2高圧ガス容器に関するサイクル疲労度合いを判定するガス供給システムの使用方法により達成される。
また、本発明の前記目的は、タンクを備えるタンク搭載装置へガスを供給するガス供給システムであって、前記タンク搭載装置の前記タンクにガスを供給する供給設備と、ガスを貯留する高圧ガス容器ユニットと、ガスを前記高圧ガス容器ユニットに送出するガス送出部と、前記高圧ガス容器ユニットと前記ガス送出部との間を連通する導入流路と、前記高圧ガス容器ユニットと前記供給設備との間を連通する導出流路とを備えており、前記高圧ガス容器ユニットは、第1高圧ガス容器及び第2高圧ガス容器を備えており、前記第1高圧ガス容器は、前記タンクの圧力が所定の低圧の範囲である低圧域内である場合に使用され、前記第2高圧ガス容器は、前記タンクの圧力が、前記低圧域よりも幅が狭い所定の高圧の範囲である高圧域内である場合に使用され、前記ガス送出部を介した高圧ガスの充填及び前記導出流路を介した高圧ガスの放出に伴って前記第2高圧ガス容器に作用する1サイクルの応力振幅σと、請求項1に記載の圧力サイクル寿命試験方法における前記最大応力振幅σaとの比σ/σaが、請求項1に記載の圧力サイクル寿命試験方法における前記応力振幅σbと、前記最大応力振幅σaとの比σb/σa以下の場合に、前記応力振幅σに関するサイクル回数をカウントしないカウンターを備えるガス供給システムにより達成される。
また、本発明の前記目的は、高圧気体が充填及び放出される高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法であって、 高圧気体の充填及び放出に伴う応力振幅σ1が前記高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル疲労破壊回数がN1である場合に、前記応力振幅σ1よりも小さい応力振幅σ2が、前記高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル疲労破壊回数N2を予測するサイクル寿命予測工程を備えており、前記サイクル寿命予測工程は、前記応力振幅σ1を前記高圧ガス容器に作用させた後、連続的に応力振幅σ2を前記高圧ガス容器に作用させた際の応力変化を1サイクルの繰り返し応力変化とする応力振幅付与工程と、前記応力振幅付与工程を繰り返し行いつつ、前記高圧ガス容器にサイクル疲労破壊が発生するまでのサイクル疲労破壊回数Nzをカウントするサイクル数検出工程と、前記サイクル疲労破壊回数N1及び前記サイクル疲労破壊回数Nzから応力振幅σ2が前記高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル疲労破壊回数N2を算出する破壊サイクル数算出工程とを備えており、前記破壊サイクル数算出工程は、下記演算式に基づいて前記サイクル疲労破壊回数N2を算出することを特徴とする圧力サイクル寿命予測方法により達成される。
[演算式] Nz/N1+Nz/N2=1
[演算式] Nz/N1+Nz/N2=1
本発明によれば、ガス供給システムに使用される高圧ガス容器の寿命を適切に管理して長寿命化を図ることが可能となる高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法を提供することができる。また、高圧ガス容器の寿命を適切に管理して長寿命化を図ることが可能となるガス供給システムの使用方法、及び、ガス供給システムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法について説明する。この圧力サイクル寿命試験方法は、図1のブロック図に示すように、応力振幅付与工程S1と、繰り返し工程S2と、損傷確認工程S3と、判断工程S4とを備えている。ここで、圧力サイクル寿命試験方法に供される高圧ガス容器は、例えば金属製ライナの外周側に強化層を備え、高圧気体の充填及び放出に伴う種々の値の応力振幅が繰り返し作用する高圧ガス容器であり、水素ステーション等のガス供給システムにおいて従来から使用される高圧ガス容器である。
応力振幅付与工程S1は、高圧ガス容器が使用されて運用されるガス供給システムにおいて、最大応力振幅σa、及び、該最大応力振幅σaよりも小さい応力振幅σbが、高圧ガス容器に作用すると想定される場合に、図2の模式説明図に示すように、最大応力振幅σaを高圧ガス容器に作用させた後、連続的に応力振幅σbを高圧ガス容器に作用させた際の応力変化を1サイクルの繰り返し応力変化として高圧ガス容器に付与する工程である。
応力振幅を付与する具体的な手法は特に限定されないが、例えば、高圧ガス容器内に圧力媒体としての液体を充填して行うことができる。高圧ガス容器の表面等には、例えば、歪センサ―が設けられており、当該歪センサ―の計測値に基づいて、圧力媒体の加圧及び減圧を行い、高圧ガス容器への上記最大応力振幅σaの付与、及び、引き続く応力振幅σbの付与を行う。
繰り返し工程S2は、上記応力振幅付与工程S1を繰り返し行いつつ、そのサイクル数をカウントする工程である。
損傷確認工程S3は、繰り返し工程S2においてカウントされるサイクル数が、上記最大応力振幅σaに対応して設定される要求繰り返し数Nよりも大となった際に、高圧ガス容器にサイクル疲労破壊による損傷が発生しているか否かを確認する工程である。ここで、要求繰り返し数Nは、高圧ガス容器が使用されるガス供給システムの設計段階で設定される設計要求に基づいて設定することができる。例えば、設計要求での繰り返し数が30万回である場合に、この30万回を要求繰り返し数Nとすることができる。また、高圧ガス容器を構成する金属材料の材料特性からサイクル疲労に係る破壊繰り返し回数を算出し、この破壊繰り返し回数に基づいて要求繰り返し数Nを設定してもよい。また、上記最大応力振幅σaを高圧ガス容器に作用させたサイクル試験を行い、高圧ガス容器が損傷するまでの破壊繰り返し回数を試験により計測し、この計測した破壊繰り返し回数に基づいて要求繰り返し数Nを設定してもよい。
判断工程S4は、損傷確認工程S3において高圧ガス容器に損傷が無いと判断された場合に、試験に供された高圧ガス容器に関して、サイクル疲労破壊に対する応力振幅σbによる影響はない(影響は無視できる程度のものである)と判断する工程である。
このような高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法によってサイクル疲労の度合いが試験された高圧ガス容器は、ガス供給システムに適用する場合に、応力振幅σbによる蓄積サイクル疲労を無視して使用することが可能となり、高圧ガス容器の実際のサイクル疲労寿命よりも早く新規の高圧ガス容器に交換してしまうことを回避して、実際のサイクル疲労寿命に近い寿命まで高圧ガス容器の使用を継続することが可能となる。
なお、従来においては、上述のように高圧ガス容器のサイクル疲労破壊に対する応力振幅σbによる影響がない(影響は無視できる程度のものである)ことを確認するためには、別途、高圧ガス容器に応力振幅σbを作用させる圧力サイクル寿命試験を行い、例えば、200万回のサイクル回数を付与した場合であっても高圧ガス容器に損傷が無いことを確認しなければならず、このような圧力サイクル寿命試験は、長期間(例えば、6か月間)に及ぶものであり、極めて高コストかつ非現実的なものであったが、本発明に係る圧力サイクル寿命試験の場合には、より試験期間を短縮して、低コストでサイクル疲労破壊に対する応力振幅σbによる影響がないことを確認することが可能となる。
次に、本発明に係る圧力サイクル寿命試験方法によってサイクル寿命試験が行われた高圧ガス容器と同種の高圧ガス容器を備えるガス供給システムについて説明する。まず、図3に示すように、ガス供給システム2は、複数の高圧ガス容器231,232,233を有する高圧ガス容器ユニット23と、各高圧ガス容器231,232,233に圧縮水素ガスを供給するガス送出部21と、各高圧ガス容器231,232,233内の水素ガスを車両9のタンク9aに供給する供給設備11と、各高圧ガス容器231,232,233からタンク9aへの水素ガスの充填順序を制御する制御部29とを備えている。
ガス送出部21は、駆動部211と、圧縮部212とを備える。圧縮部212はピストンとシリンダとを有し、駆動部211の動力によりピストンが駆動されてシリンダ内にて水素が圧縮される。なお、圧縮部212のシリンダには、図示省略のガス供給源から水素が供給される。 ガス冷却部22は、ガス流路20のうちガス送出部21の下流側の部位に設けられており、ガス送出部21の圧縮部212から吐出された水素を冷却する。
高圧ガス容器ユニット23は、上述のように複数の高圧ガス容器231,232,233を備えており、各高圧ガス容器231〜233には、ガス送出部21から送出された水素が貯留される。各高圧ガス容器231〜233は、ガス送出部21に対して並列に接続されており、供給設備11に水素を送出する。なお、各高圧ガス容器231〜233は、それぞれ同じ容積及び設計圧を有するように構成されている。
ガス流路20のうち、高圧ガス容器ユニット23(各高圧ガス容器231〜233)とガス送出部21との間の部位は、高圧ガス容器ユニット23(各高圧ガス容器231〜233)とガス送出部21との間を連通する導入流路であり、途中に、第1開閉弁V11、第1開閉弁V21及び第1開閉弁V31が設けられている。ガス流路20のうち高圧ガス容器ユニット23(各高圧ガス容器231〜233)と、供給設備11との間の部位は、高圧ガス容器ユニット23と供給設備11との間を連通する導出流路であり、途中に第2開閉弁V12、第2開閉弁V22及び第2開閉弁V32が設けられている。また、ガス流路のうち各第2開閉弁V12,V22,V32と供給設備11との間の部位には、供給設備11に流入する水素の流量を調整可能な流量調整弁28が設けられている。
プレクールシステム24は、冷凍機3とブライン回路5とを備えている。ブライン回路5は、ブライン流路240と、ブラインポンプ241と、マイクロチャネル式熱交換器であるプレクール熱交換器242とを備える。なお、ブライン回路5にはブラインを貯留するブラインタンク(図示せず)が設けられてもよい。ブライン流路240にはブラインが充填されるとともに、ブラインポンプ241、プレクール熱交換器242および冷凍機3の一部(熱交換器)が配置される。
ブライン回路5では、プレクール熱交換器242において水素とブラインとが熱交換することにより供給設備11から車両9のタンク9aへ充填される直前の水素が冷却される。プレクール熱交換器242において水素から熱を吸収したブラインは、冷凍機3に流入して冷却される。冷却されたブラインはブラインポンプ241により再びプレクール熱交換器242へと送られる。
供給設備11は、タンク搭載装置である車両9のタンク9aに対して着脱可能な離脱カプラ12と、水素の流量を検知可能な流量計13とを有している。供給設備11は、離脱カプラ12を介して各高圧ガス容器231〜233から送出された水素を車両9のタンク9aに供給する。供給設備11は、流量計13の検出値が基準値以下になったときにそのことを示す信号を制御部29に送る。
制御部29はガス送出部21の駆動部211の運転、並びに、第1開閉弁V11,V21,V31及び第2開閉弁V12,V22,V32の開閉を制御する。駆動部211が制御されることにより、ガス送出部21から各高圧ガス容器231〜233に向かって所定の流量の水素が送出される。第1開閉弁V11,V21,V31が制御されることにより、各高圧ガス容器231〜233とガス送出部21との接続が切り替えられる。第2開閉弁V12,V22,V32が制御されることにより、各高圧ガス容器231〜233と供給設備11との接続が切り替えられる。制御部29によるガス送出部21の運転、並びに、第1開閉弁V11,V21,V31及び第2開閉弁V12,V22,V32の開閉(すなわち、高圧ガス容器ユニット23における水素の吸入及び送出)が制御されることにより、高圧ガス容器ユニット23に水素を貯留する貯留操作、及び、水素を供給設備11に送出する送出操作が実現される。
各高圧ガス容器231,232,233は、上述の圧力サイクル寿命試験方法によってサイクル寿命試験が行われた高圧ガス容器と同等の設計条件を満たした高圧ガス容器である。なお、上述の圧力サイクル寿命試験方法においては、最大応力振幅σaを85MPaに設定している。また、高圧ガス容器231(以下、第1高圧ガス容器231)は、タンク9aの圧力(タンク9a内に充填されている水素ガスの圧力)が所定の低圧の範囲である低圧域内である場合に使用が開始され、高圧ガス容器233(以下、第2高圧ガス容器233)は、タンク9aの圧力が、上記低圧域よりも幅が狭い所定の高圧の範囲である高圧域内である場合に使用が開始される。また、高圧ガス容器232(以下、第3高圧ガス容器232)は、タンク9aの圧力が上記低圧域と上記高圧域との間の圧力の範囲である中圧域である場合に使用が開始される。
上記本発明に係るガス供給システムの作動について、車両9のタンク9aの水素ガスが10MPaであり、このタンク9aの水素ガス圧力が70MPaとなるまで水素ガスを充填する場合を例にとり以下説明する。ここで、第1高圧ガス容器231は、タンク9aの圧力が圧力範囲0〜30MPaの場合に使用が開始され、第3高圧ガス容器232は、タンク9aの圧力が圧力範囲30〜50MPaの場合に使用が開始され、第2高圧ガス容器233は、タンク9aの圧力が圧力範囲50〜70MPaの場合に使用が開始されるとする。なお、高圧ガス(高圧の水素ガス)充填時(高圧ガス放出前の段階)における各高圧ガス容器231,232,233の内部圧力は、いずれも例えば85MPaに設定されるとする。
車両9のタンク9aの水素ガスの圧力を10MPaから70MPaとなるまで水素ガスを充填する場合、通常、第1高圧ガス容器231⇒第3高圧ガス容器232⇒第2高圧ガス容器233の順に高圧ガス容器を切り替える運用を行ってタンク9aに高圧ガス(水素ガス)を充填する。この時、第1高圧ガス容器231の圧力は、例えば85MPaから30MPaに低下し、第3高圧ガス容器232の圧力は、例えば85MPaから50MPaに低下し、第2高圧ガス容器233の圧力は例えば85MPaから70MPaに低下する。車両9のタンク9aへの水素ガスの充填作業が完了した後、各高圧ガス容器231,232,233は、ガス送出部21を介した高圧ガスの充填が行われ、各高圧ガス容器231,232,233の圧力が85MPaとなるまで水素ガスが充填される。つまり、第1高圧ガス容器231には、55MPaの応力振幅が繰り返し作用し、第3高圧ガス容器232には、35MPaの応力振幅が繰り返し作用することになる。また、第2高圧ガス容器233には15MPaの応力振幅が繰り返し作用することとなる。
ここで、ガス送出部21を介した高圧ガスの充填及び導出流路を介した高圧ガスの放出に伴って第2高圧ガス容器233に作用する1サイクルの応力振幅σと、上記高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法における最大応力振幅σaとの比σ/σaが、上記高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法における応力振幅σbと、最大応力振幅σaとの比σb/σa以下の場合に、第2高圧ガス容器233に作用する応力振幅σに関するサイクル回数をカウントせずにガス供給システムは運用され、第2高圧ガス容器233に関するサイクル疲労度合いが判定される。換言すると、ガス送出部21を介した高圧ガスの充填及び導出流路を介した高圧ガスの放出に伴って第2高圧ガス容器233に作用する1サイクルの応力振幅σ(上記例では15MPa)が、上記高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法における応力振幅σb以下の場合(例えば、σbが20MPaとする)に、第2高圧ガス容器233に作用する応力振幅σ(15MPa)に関するサイクル回数をカウントせずにガス供給システムは運用される。なお、第2高圧ガス容器233に作用する応力振幅σに関するサイクル回数は、例えば、実際に第2高圧ガス容器233に作用する応力振幅を計測し、その計測された応力振幅に基づいてサイクル回数をカウントしてもよく、或いは、ガス送出部21を介した高圧ガスの充填及び導出流路を介した高圧ガスの放出をモニターし、この高圧ガスの充填及び放出を1サイクルとするサイクル回数をカウントすることで代用することもできる。
なお、上述のガス供給システムは、ガス送出部21を介した高圧ガスの充填及び導出流路を介した高圧ガスの放出に伴って各高圧ガス容器に作用する1サイクルの応力振幅σと、上記高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法における最大応力振幅σaとの比σ/σaが、上記高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法における応力振幅σbと、最大応力振幅σaとの比σb/σa以下の場合に、応力振幅σに関するサイクル回数をカウントしないカウンターを備えるように構成することが好ましい。また、上述のガス供給システムは、カウンターによってカウントされたサイクル回数が、上記最大応力振幅σaに対応して設定される要求繰り返し数Nに達した際に、高圧ガス容器はサイクル疲労寿命を迎えたと判断する判定部を更に備えるように構成してもよい。
高圧ガス容器に作用する最大応力振幅σa(上記例では、85MPaの応力振幅)に対応して設定される要求繰り返し数Nが、例えば、30万回である場合に、応力振幅55MPaの圧力変動が作用する第1高圧ガス容器231は、繰り返し数(サイクル数)が30万回を超えると、応力振幅55MPaが作用する状況下では使用することができないが、上記高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法における応力振幅σb以下の応力振幅σ(15MPa)が作用して使用されていた第2高圧ガス容器233を、応力振幅55MPaが作用する状況下で更に30万回使用することが可能となる。同様に、応力振幅55MPaが作用していた第1高圧ガス容器231を、応力振幅σ(15MPa)が作用する状況下で更に30万回使用することが可能となる。つまり、第1高圧ガス容器231と第2高圧ガス容器233とを切り替えて更に30万回使用することが可能となる。このように、高圧ガス容器の実際のサイクル疲労寿命に近い寿命となるまで高圧ガス容器を使用することが可能となり、水素ステーション(ガス供給システム)の管理コストの低減を効果的に行うことが可能となる。
なお、上記実施形態においては、高圧ガス容器ユニット23が、車両9のタンク9aの圧力が低圧域と高圧域との間の圧力の範囲である中圧域である場合に使用される第3高圧ガス容器232を備えるが、この第3高圧ガス容器232を省略して高圧ガス容器ユニット23を構成してもよい。
また、上述の高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法において、繰り返し工程S2においてカウントされるサイクル数が、上記最大応力振幅σaに対応して設定される要求繰り返し数N以下の場合に、高圧ガス容器にサイクル疲労破壊による損傷が発生することも想定される。このような場合には、以下の第2の圧力サイクル寿命試験方法によって、小さい応力振幅σが高圧ガス容器に作用する場合のサイクル疲労に係る破壊繰り返し回数を予測し、この予測された破壊繰り返し回数に基づいて、従来からあるガス供給システムに用いられる高圧ガス容器のサイクル疲労寿命を管理するようにしてもよい。
すなわち、図4のブロック図に示すように、第2の高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法は、高圧気体の充填及び放出に伴う応力振幅σ1が高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル疲労破壊回数がN1である場合に、応力振幅σ1よりも小さい応力振幅σ2が、高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル疲労破壊回数N2を予測するサイクル寿命予測工程S10を備えるように構成してもよい。このサイクル寿命予測工程S10は、応力振幅付与工程S11と、サイクル数検出工程S12と、破壊サイクル数算出工程S13とを備えている。
応力振幅付与工程S11は、図5の模式説明図に示すように、応力振幅σ1を高圧ガス容器に作用させた後、この応力振幅σ1よりも小さい応力振幅σ2を連続的に高圧ガス容器に作用させた際の応力変化を1サイクルの繰り返し応力変化として高圧ガス容器に付与する工程である。
応力振幅を付与する具体的な手法は特に限定されないが、例えば、高圧ガス容器内に圧力媒体としての液体を充填して行うことができる。高圧ガス容器の表面等には、例えば、歪センサ―が設けられており、当該歪センサ―の計測値に基づいて、圧力媒体の加圧及び減圧を行い、高圧ガス容器への応力振幅σ1の付与、及び、引き続く応力振幅σ2の付与を行う。
サイクル数検出工程S12は、上記応力振幅付与工程S11を繰り返し行い、高圧ガス容器にサイクル疲労破壊が発生するまでのサイクル疲労破壊回数Nzをカウントする工程である。
破壊サイクル数算出工程S13は、サイクル疲労破壊回数N1及びサイクル疲労破壊回数Nzから応力振幅σ2が高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル疲労破壊回数N2を算出する工程である。この工程は、マイナー則に基づいてサイクル疲労破壊回数N2を算出する工程であり、具体的には、下記演算式に基づいてサイクル疲労破壊回数N2を算出する。
[演算式] Nz/N1+Nz/N2=1
[演算式] Nz/N1+Nz/N2=1
以下、水素ガスが100%充填時の圧力が85MPaとなる高圧ガス容器を用いて、第2の圧力サイクル寿命試験方法によって、応力振幅σ2が高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル疲労破壊回数N2を算出する方法を説明する。
まず、水素ガスが100%充填時の圧力が85MPaとなる高圧ガス容器に関して、内部の圧力が76.5MPa(水素ガス90%充填時に相当)から42.5MPa(水素ガス50%充填時に相当)に低下させた後、再び内部の圧力が76.5MPaとなるまで上昇させた際の応力変化を1サイクルの繰り返し応力変化(応力振幅σ1:34MPa)として高圧ガス容器に付与する予備試験を高圧ガス容器が疲労破壊するまで行い、疲労破壊が生じた際のサイクル疲労破壊回数N1を計測する。このサイクル疲労破壊回数N1が、例えば、38万回であったとする。つまり、試験に供される高圧ガス容器は、応力振幅σ1が繰り返し作用する状況下でのサイクル疲労破壊回数N1が38万回であったとする。
次に、上記予備試験に供された高圧ガス容器と同種の高圧ガス容器に対して、応力振幅付与工程S11を実施する。つまり、図5に示すように、応力振幅σ1(34MPa)を高圧ガス容器に作用させた後、連続的に応力振幅σ2を高圧ガス容器に作用させた際の応力変化を1サイクルの繰り返し応力変化として高圧ガス容器に付与する。ここで、応力振幅σ2としては、高圧ガス容器の内部の圧力が76.5MPa(水素ガス90%充填時に相当)から68MPa(水素ガス80%充填時に相当)に低下させた後、再び内部の圧力が76.5MPaとなるまで上昇させた際の応力変化に係る応力振幅(8.5MPa)とする。
サイクル数検出工程S12は、高圧ガス容器にサイクル疲労破壊が発生するまでのサイクル疲労破壊回数Nzをカウントするが、このサイクル疲労破壊回数Nzが、34万回であったとする。
破壊サイクル数算出工程S13は、上述のサイクル疲労破壊回数N1(38万回)、サイクル疲労破壊回数Nz(34万回)に基づいて、マイナー則(演算式:Nz/N1+Nz/N2=1)から、応力振幅σ2が高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル疲労破壊回数N2を算出することになるが、このサイクル疲労破壊回数N2は、323万回として算出される。
従来においては、応力振幅σ2が繰り返し高圧ガス容器に作用する場合のサイクル寿命を確認する場合には、高圧ガス容器に応力振幅σ2を作用させる圧力サイクル寿命試験を行って確認していたが、この場合、応力振幅σ2が8.5MPaというように小さい値を有する場合、疲労破壊が発生するまでに、320万回程度の長期間にわたるサイクル試験を行う必要があるが、上述の第2の高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法によれば、その1/9程度のサイクル回数のサイクル試験で予測することが可能となり、低コストかつ短期間で、所望の応力振幅が高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル寿命の評価を行うことが可能となる。
2 水素ステーション( ガス供給システム)
3 冷凍機
5 ブライン回路
9 車両(タンク搭載装置)
9a タンク
11 供給設備
12 離脱カプラ
13 流量計
21 ガス送出部
23 高圧ガス容器ユニット
24 プレクールシステム
28 流量調整弁
29 制御部
211 駆動部
212 圧縮部
231 第1蓄圧器
232 第2蓄圧器
233 第3蓄圧器
3 冷凍機
5 ブライン回路
9 車両(タンク搭載装置)
9a タンク
11 供給設備
12 離脱カプラ
13 流量計
21 ガス送出部
23 高圧ガス容器ユニット
24 プレクールシステム
28 流量調整弁
29 制御部
211 駆動部
212 圧縮部
231 第1蓄圧器
232 第2蓄圧器
233 第3蓄圧器
Claims (4)
- 高圧気体の充填及び放出に伴う種々の値の応力振幅が繰り返し作用する高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法であって、
最大応力振幅σa、及び、前記最大応力振幅σaよりも小さい応力振幅σbが、前記高圧ガス容器に作用すると想定される場合に、前記最大応力振幅σaを前記高圧ガス容器に作用させた後、連続的に応力振幅σbを前記高圧ガス容器に作用させた際の応力変化を1サイクルの繰り返し応力変化とする応力振幅付与工程と、
前記応力振幅付与工程を繰り返し行いつつ、サイクル数をカウントする繰り返し工程と、
前記サイクル数が、前記最大応力振幅σaに対応して設定される要求繰り返し数Nよりも大となった際に、前記高圧ガス容器にサイクル疲労破壊による損傷の有無を確認する損傷確認工程と、
前記損傷確認工程において前記高圧ガス容器に損傷が無いと判断された場合に、サイクル疲労破壊に対する前記応力振幅σbによる影響はないと判断する判断工程とを備える高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法。 - タンクを備えるタンク搭載装置へガスを供給するガス供給システムの使用方法であって、
前記ガス供給システムは、
前記タンク搭載装置の前記タンクにガスを供給する供給設備と、
ガスを貯留する高圧ガス容器ユニットと、
ガスを前記高圧ガス容器ユニットに送出するガス送出部と、
前記高圧ガス容器ユニットと前記ガス送出部との間を連通する導入流路と、
前記高圧ガス容器ユニットと前記供給設備との間を連通する導出流路とを備えており、
前記高圧ガス容器ユニットは、第1高圧ガス容器及び第2高圧ガス容器を備えており、
前記第1高圧ガス容器は、前記タンクの圧力が所定の低圧の範囲である低圧域内である場合に使用され、前記第2高圧ガス容器は、前記タンクの圧力が、前記低圧域よりも幅が狭い所定の高圧の範囲である高圧域内である場合に使用され、
前記ガス送出部を介した高圧ガスの充填及び前記導出流路を介した高圧ガスの放出に伴って前記第2高圧ガス容器に作用する1サイクルの応力振幅σと、請求項1に記載の圧力サイクル寿命試験方法における前記最大応力振幅σaとの比σ/σaが、請求項1に記載の圧力サイクル寿命試験方法における前記応力振幅σbと、前記最大応力振幅σaとの比σb/σa以下の場合に、前記応力振幅σに関するサイクル回数をカウントせずに前記第2高圧ガス容器に関するサイクル疲労度合いを判定するガス供給システムの使用方法。 - タンクを備えるタンク搭載装置へガスを供給するガス供給システムであって、
前記タンク搭載装置の前記タンクにガスを供給する供給設備と、
ガスを貯留する高圧ガス容器ユニットと、
ガスを前記高圧ガス容器ユニットに送出するガス送出部と、
前記高圧ガス容器ユニットと前記ガス送出部との間を連通する導入流路と、
前記高圧ガス容器ユニットと前記供給設備との間を連通する導出流路とを備えており、
前記高圧ガス容器ユニットは、第1高圧ガス容器及び第2高圧ガス容器を備えており、
前記第1高圧ガス容器は、前記タンクの圧力が所定の低圧の範囲である低圧域内である場合に使用され、前記第2高圧ガス容器は、前記タンクの圧力が、前記低圧域よりも幅が狭い所定の高圧の範囲である高圧域内である場合に使用され、
前記ガス送出部を介した高圧ガスの充填及び前記導出流路を介した高圧ガスの放出に伴って前記第2高圧ガス容器に作用する1サイクルの応力振幅σと、請求項1に記載の圧力サイクル寿命試験方法における前記最大応力振幅σaとの比σ/σaが、請求項1に記載の圧力サイクル寿命試験方法における前記応力振幅σbと、前記最大応力振幅σaとの比σb/σa以下の場合に、前記応力振幅σに関するサイクル回数をカウントしないカウンターを備えるガス供給システム。 - 高圧気体が充填及び放出される高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法であって、
高圧気体の充填及び放出に伴う応力振幅σ1が前記高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル疲労破壊回数がN1である場合に、前記応力振幅σ1よりも小さい応力振幅σ2が、前記高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル疲労破壊回数N2を予測するサイクル寿命予測工程を備えており、
前記サイクル寿命予測工程は、前記応力振幅σ1を前記高圧ガス容器に作用させた後、連続的に応力振幅σ2を前記高圧ガス容器に作用させた際の応力変化を1サイクルの繰り返し応力変化とする応力振幅付与工程と、
前記応力振幅付与工程を繰り返し行いつつ、前記高圧ガス容器にサイクル疲労破壊が発生するまでのサイクル疲労破壊回数Nzをカウントするサイクル数検出工程と、
前記サイクル疲労破壊回数N1及び前記サイクル疲労破壊回数Nzから応力振幅σ2が前記高圧ガス容器に繰り返し作用する場合のサイクル疲労破壊回数N2を算出する破壊サイクル数算出工程とを備えており、
前記破壊サイクル数算出工程は、下記演算式に基づいて前記サイクル疲労破壊回数N2を算出することを特徴とする圧力サイクル寿命予測方法。
[演算式] Nz/N1+Nz/N2=1
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020051608A JP2021148279A (ja) | 2020-03-23 | 2020-03-23 | 高圧ガス容器の圧力サイクル寿命試験方法、ガス供給システムの使用方法、及び、ガス供給システム |
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JP (1) | JP2021148279A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114659017A (zh) * | 2022-04-18 | 2022-06-24 | 湖北三江航天江北机械工程有限公司 | 全缠绕氢气瓶用铝合金内胆及气瓶试验方法 |
-
2020
- 2020-03-23 JP JP2020051608A patent/JP2021148279A/ja active Pending
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