JP2021147711A - 積層エレクトレット不織布およびその製造方法、ならびにエアフィルター濾材、フィルター - Google Patents

積層エレクトレット不織布およびその製造方法、ならびにエアフィルター濾材、フィルター Download PDF

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Abstract

【課題】 エアフィルター濾材として好適に用いられる、高い塵埃捕集特性とプリーツ加工時の耐破れ性を有する積層エレクトレット不織布を提供すること。【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂繊維(A)から構成されたスパンボンド不織布層と、ポリオレフィン系樹脂繊維(B)から構成されたメルトブロー不織布層とが少なくとも1層ずつ積層されてなる積層エレクトレット不織布であって、前記メルトブロー不織布層が、ヒンダードアミン系化合物および/またはトリアジン系化合物を含有し、ヒンダードアミン系化合物の前記メルトブロー不織布層中の含有量をα(質量%)とし、トリアジン系化合物の前記メルトブロー不織布層中の含有量がβ(質量%)としたとき、0.1≦α+β≦5を満たすものであり、前記のメルトブロー不織布層が、さらに以下の式(1)を満たす、積層エレクトレット不織布。3.0×10−4≦Σ(IE/IO)≦3.0×10−3・・・(1)ここで、IEは前記ヒンダードアミン系化合物および/または前記トリアジン系化合物に由来するメルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度であり、IOはポリオレフィン系樹脂に由来するメルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度である。【選択図】 なし

Description

本発明は、エアフィルター濾材として好適に用いられる、高い塵埃捕集特性とプリーツ加工時の耐破れ性を有する積層エレクトレット不織布に関するものである。
近年、家庭や居室内において用いられる空気清浄機エアフィルターには、花粉や塵等を除去するための集塵フィルターと、アンモニアやアルデヒド類を物理または化学吸着する脱臭フィルターがセットで搭載されることが一般的である。その構成として、通気性基材とエレクトレットフィルターの間に脱臭剤を挟み込んだ濾材をプリーツ化して集塵脱臭フィルターを得る方法が提案されている。(特許文献1)
ところで、空気清浄機エアフィルターの集塵フィルターには、捕集効率を高くしつつ、圧力損失を低くすることが求められることから、不織布をエレクトレット加工して、物理的作用に加えて静電気的作用を利用することにより、フィルターの構成要素として用いた場合に好適な不織布を得る試みがなされている。
例えば、アース電極上に不織布を接触させた状態で、このアース電極と不織布を共に移動させながら、非接触型印加電極で高圧印加を行なって連続的にエレクトレット化するエレクトレット不織布の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。その他に、水を繊維に接触させて帯電させる方法として、不織布に対して水の噴流もしくは水滴流を不織布内部まで水が浸透するのに十分な圧力で噴霧させてエレクトレット化し、正極性と負極性の電荷を均一に混在させる方法(特許文献3参照)や、不織布をスリット状のノズル上を通過させ、ノズルで水を吸引することにより繊維シートに水を浸透させて、正極性と負極性の電荷を均一に混在させる方法(特許文献4参照)のような、いわゆるハイドロチャージ法が提案されている。
また、これらとは別に、不織布を構成する繊維の高分子重合体に対してヒンダードアミン系、含窒素ヒンダードフェノール系、金属塩ヒンダードフェノール系あるいはフェノール系の安定剤から選ばれた少なくとも1種の安定剤を配合し、かつ100℃以上の温度における熱刺激脱分極電流からのトラップ電荷量が2.0×10−10クーロン/cm以上であるという耐熱性エレクトレット材料が提案されている(特許文献5参照)。
特開2000−279505号公報 特開昭61−289177号公報 米国特許第6119691号明細書 特開2003−3367号公報 特開昭63−280408号公報
上記の特許文献1に記載の提案のように脱臭材を挟み込んだフィルターはプリーツ加工時にプリーツ頂点のエレクトレットフィルターの破れが生じ、捕集性能が低下するという課題がある。また、上記特許文献2〜5に記載の提案のように、不織布をエレクトレット化することによって、比較的低い圧力損失を維持しつつも、捕集効率をある程度向上させることができるものの、不織布を単にエレクトレット加工しただけでは、更に高性能なフィルターのニーズが高まる現状において、その効果は充分と言えるものではなかった。
そこで本発明の課題は、上記のような問題点に着目し、低い圧力損失、高い捕集効率を有しながらプリーツ加工時に破れない積層エレクトレット不織布を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、積層エレクトレット不織布において、メルトブロー不織布層中のヒンダードアミン系化合物および/またはトリアジン系化合物の濃度が特定の範囲であって、メルトブロー不織布層の表面についてTOF−SIMS分析を行った場合のピーク強度比の合計値であるΣ(I/I)が特定の範囲である場合、特に優れた捕集性能を有するという知見を得た。本発明は、これら知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
本発明のエレクトレット繊維シートは、ポリオレフィン系樹脂繊維(A)から構成されたスパンボンド不織布層と、ポリオレフィン系樹脂繊維(B)から構成されたメルトブロー不織布層とが少なくとも1層ずつ積層されてなる積層エレクトレット不織布であって、前記のメルトブロー不織布層が、ヒンダードアミン系化合物および/またはトリアジン系化合物を含有し、ヒンダードアミン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量をα(質量%)とし、トリアジン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量がβ(質量%)としたとき、0.1≦α+β≦5を満たすものであり、前記のメルトブロー不織布層が、さらに以下の式(1)を満たす。
3.0×10−4≦Σ(I/I)≦3.0×10−3 ・・・(1)
ここで、Iは前記ヒンダードアミン系化合物および/または前記トリアジン系化合物に由来するメルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度であり、Iはポリオレフィン系樹脂に由来するメルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度である。
本発明のエレクトレット繊維シートの好ましい態様によれば、前記のポリオレフィン系樹脂繊維(A)の平均単繊維直径が6.5〜22μmである。
本発明のエレクトレット繊維シートの好ましい態様によれば、前記のポリオレフィン系樹脂繊維(B)の平均単繊維直径が0.1〜8μmである。
本発明のエレクトレット繊維シートの好ましい態様によれば、単位目付当たりの縦方向の引張強度が0.3(N/5cm)/(g/m)以上である。
本発明の積層エレクトレット不織布の製造方法は、スパンボンド不織布層を形成する工程と、メルトブロー不織布層を形成する工程とをそれぞれ少なくとも1工程ずつ有するように積層不織布を形成し、該積層不織布をエレクトレット加工して前記のメルトブロー不織布層が以下の式(1)を満たす前記の積層エレクトレット不織布の製造方法であって、
前記のスパンボンド不織布層を形成する工程は、ポリオレフィン系樹脂組成物を溶融し、口金から紡出して、紡出された該ポリオレフィン系樹脂組成物を圧縮空気で吸引延伸した後、前記のポリオレフィン系樹脂繊維(A)からなるスパンボンド不織布層を形成するものであって、
前記のメルトブロー不織布層を形成する工程は、ヒンダードアミン系化合物および/またはトリアジン系化合物を含有し、ヒンダードアミン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量をα(質量%)とし、トリアジン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量がβ(質量%)としたとき、0.1≦α+β≦5を満たす、ポリオレフィン系樹脂組成物を溶融させ、
孔長さの孔径に対する比(L/D)が12〜30である口金の吐出孔から前記のポリオレフィン系樹脂組成物を吐出して、前記のポリオレフィン系樹脂繊維(B)からなるメルトブロー不織布層を形成するものである。
3.0×10−4≦Σ(I/I)≦3.0×10−3 ・・・(1)
ここで、Iは前記ヒンダードアミン系化合物および/または前記トリアジン系化合物に由来するエレクトレットシートの表面の正2次イオンのピーク強度の合計であり、Iはポリオレフィン系樹脂に由来するエレクトレットシートの表面の正2次イオンのピーク強度である。
本発明のエアフィルター濾材は、前記の積層エレクトレット不織布を用いてなる。
本発明のフィルターは、前記のエアフィルター濾材を備えてなる。
本発明によれば、高い塵埃捕集特性を有する積層エレクトレット不織布が得られる。本発明の積層エレクトレット不織布を使用することにより、低圧力損失でより高い捕集効率かつプリーツ加工性が良好なエアフィルター濾材が得られる。
捕集効率および圧力損失の測定装置を示す概略側面図である。
本発明の積層エレクトレット不織布は、ポリオレフィン系樹脂繊維(A)から構成されたスパンボンド不織布層と、ポリオレフィン系樹脂繊維(B)から構成されたメルトブロー不織布層とが少なくとも1層ずつ積層されてなる積層エレクトレット不織布であって、前記のメルトブロー不織布層が、ヒンダードアミン系化合物および/またはトリアジン系化合物を含有し、ヒンダードアミン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量をα(質量%)とし、トリアジン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量がβ(質量%)としたとき、0.1≦α+β≦5を満たすものであり、前記のメルトブロー不織布層が、さらに以下の式(1)を満たす。
3.0×10−4≦Σ(I/I)≦3.0×10−3 ・・・(1)
ここで、Iは前記ヒンダードアミン系化合物および/または前記トリアジン系化合物に由来するメルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度であり、Iはポリオレフィン系樹脂に由来するメルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度である。
以下に、その構成要素について詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する範囲に何ら限定されるものではない。
[ポリオレフィン系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(B)]
本発明に係る、スパンボンド不織布層を構成する繊維のポリオレフィン系樹脂(A)、および、メルトブロー不織布層を構成する繊維のポリオレフィン系樹脂(B)について、その流動特性を示すメルトフローレート(MFRと略記することがある)は、ASTM D1238 (A法)によって測定される値を採用する。
なお、この規格によれば、例えば、ポリプロピレンは荷重:2.16kg、温度:230℃にて、ポリエチレンは荷重:2.16kg、温度:190℃にて測定することが規定されている。
まず、前記のスパンボンド不織布層を構成する繊維のポリオレフィン系樹脂(A)のMFRは、32g/10分以上850g/10分以下であることが好ましい。MFR下限として好ましくは32g/10分以上であり、より好ましくは60g/10分以上、さらに好ましくは80g/10分以上であり、特に好ましくは120g/10分以上であり、最も好ましくは155g/10分以上である。上限として好ましくは850g/10分以下であり、より好ましくは600g/10分以下であり、さらに好ましくは400g/10分以下である。下限以上とすることにより、スパンボンド不織布層を構成する繊維を紡糸する際の繊維の細化挙動が安定し、生産性を高くするために速い紡糸速度で延伸したとしても、安定した紡糸が可能となる。また細化挙動を安定させることにより糸揺れを抑制し、シート状に捕集する際のムラが発生しにくくなる。また、上限以下とすることにより安定して速い紡糸速度で延伸することが可能となるため、繊維の配向結晶化を進め、高い機械強度を有する繊維とすることができる。
また、前記のメルトブロー不織布層を構成する繊維のポリオレフィン系樹脂(B)のMFRは、200〜2500g/10分であることが好ましい。MFRを好ましくは200〜2500g/10分とし、より好ましくは400〜2000g/10分とし、さらに好ましくは600〜1500g/10分とすることにより、安定した紡糸を行いやすくなり、かつ数μmレベルのポリオレフィン系樹脂(B)からなる繊維を得ることができる。
なお、本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂(A)、(B)について、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。ポリエチレン樹脂としては、例えば、エチレンの単独重合体もしくはエチレンと各種α−オレフィンとの共重合体などが挙げられる。また、ポリプロピレン樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体もしくはプロピレンと各種α−オレフィンとの共重合体などが挙げられるが、これらの材料の中でも、ポリプロピレンを主体とするものはエレクトレット性能を特に発揮する点から好ましい。またポリマーの性質を損なわない範囲で他の成分が共重合されていてもよい。
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂について、プロピレンの単独重合体の割合が60質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上である。上記範囲とすることで良好な紡糸性を維持し、かつ強度を向上させることができる。
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂の融点は、80℃以上200℃以下であることが好ましく、より好ましくは100℃以上180℃以下である。融点を好ましくは80℃以上とし、より好ましくは100℃以上とすることにより、実用に耐え得る耐熱性が得られやすくなる。また、融点を好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下とすることにより、口金から吐出された糸条を冷却し易くなり、繊維同士の融着を抑制し安定した紡糸が行い易くなる。なお、ここでいう融点は、パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分の条件で測定される値である。
なお、本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、核剤および顔料等の添加物を添加することができる。
次に、本発明のポリオレフィン系樹脂(B)からなるメルトブロー不織布層は、メルトブロー不織布層中にヒンダードアミン系化合物および/またはトリアジン系化合物を含有する。
まず、本発明に係るヒンダードアミン系化合物は、次の一般式(1)で表される構造単位を有する化合物である。
Figure 2021147711
なお、一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基であり、*は結合部を表す。
この構造を有するヒンダードアミン系化合物としては、例えば、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](BASF・ジャパン(株)製、“キマソーブ”(登録商標)944)、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6ーテトラメチルー4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6ーテトラメチルー4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物(BASF・ジャパン(株)製、“キマソーブ”(登録商標)2020)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(BASFジャパン(株)製、“チヌビン”(登録商標)622LD)、および2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(BASFジャパン(株)製、“チヌビン”(登録商標)144)などが挙げられる。
そして、本発明に係るトリアジン系化合物とは、次の一般式(2)で示されるトリアジン環構造を有する化合物である。
Figure 2021147711
なお、一般式(2)中、*は結合部を表す。
このトリアジン環構造を有するトリアジン系化合物としては、例えば、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](BASFジャパン(株)製、“キマソーブ”(登録商標)944)、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール(BASFジャパン(株)製、“チヌビン”(登録商標)1577ED)などを挙げることができる。
ところで、これらのヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物の中には、一般式(1)、(2)の両方の構造を有する化合物も存在する。本発明においては、このような化合物を用いることが、ポリオレフィン系樹脂中に添加する化合物量を少なくすることができ、低コストで帯電性と電荷保持性を発現させることが可能となるため、より好ましい。このような化合物は、例えば、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](BASFジャパン(株)製、“キマソーブ”(登録商標)944)、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6ーテトラメチルー4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6ーテトラメチルー4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物(BASF・ジャパン(株)製、“キマソーブ”(登録商標)2020)などである。
次に、本発明のメルトブロー不織布層は、前記のヒンダードアミン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量をα(質量%)とし、トリアジン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量がβ(質量%)としたとき、0.1≦α+β≦5を満たす。(α+β)が0.1質量%以上、好ましくは0.7質量%以上であることによって、繊維化合物にエレクトレット加工が施された際に、帯電性、電荷保持性に優れるメルトブロー不織布層とすることができる。一方、(α+β)が5質量%以下、好ましくは3質量%以下であることによって、より低コストで上記帯電性と電荷保持性を発現させることが可能となる。
これらのα、βは、一方が0質量%であってもよい。また、ヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物として、前記の一般式(1)、(2)の両方の構造を有する化合物を用いる場合には、その化合物の含有量がα+β(質量%)であるとみなし、ヒンダードアミン系化合物としての分とトリアジン系化合物の分とで別に考慮し、重複して含有量を計算することはしないこととする。
なお、ヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物の同定および含有量は、例えば、次のようにして求めることができる。すなわち、積層エレクトレット不織布からスパンボンド不織布層を取り除いてメルトブロー不織布層のみとし、このメルトブロー不織布層の質量を測定する。その後、メルトブロー不織布層をメタノール/クロロホルム混合溶液でソックスレー抽出後、その抽出物についてHPLC分取を繰り返し、各分取物についてIR測定、GC測定、GC/MS測定、MALDI−MS測定、H−NMR測定、および13C−NMR測定で構造を確認する。その後、当該化合物の含まれる分取物の質量を合計し、メルトブロー不織布層全体に対する質量割合を求め、これを当該化合物の含有量とする。その他の含有量を求める方法としては、内標準法によるH−NMR測定が挙げられる。
さらに、本発明のメルトブロー不織布層は、以下の式(1)を満たす。
3.0×10−4≦Σ(I/I)≦3.0×10−3 ・・・(1)
ここで、Iは前記ヒンダードアミン系化合物および/または前記トリアジン系化合物に由来するメルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度であり、Iはポリオレフィン系樹脂に由来するメルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度である。
前記のピーク強度比の合計値であるΣ(I/I)が3.0×10−4以上、好ましくは4.0×10−4であることで、帯電性に優れるメルトブロー不織布層とすることができる。一方、ピーク強度比の合計値Σ(I/I)が3.0×10−3以下、好ましくは2.0×10−3であることで、エレクトレット加工時の電荷の再結合が抑制され、帯電性に優れるメルトブロー不織布層とすることができる。
なお、メルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度比の合計値Σ(I/I)は、以下のようにして測定、算出することができる。
(i) 前記のヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物の同定の方法に従って、対象となるヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物を同定する。
(ii) メルトブロー不織布層の表面に対し、TOF−SIMS(飛行時間型2次イオン質量分析)を行う。より詳細には、真空中(4×10−7Pa以下)においたメルトブロー不織布層の表面にパルス化(パルス幅:12.1ns)されたイオン(1次イオン:Bi ++、加速電圧:25kV)を照射する。
(iii) メルトブロー不織布層の表面から放出された前記のヒンダードアミン系化合物および/または前記のトリアジン系化合物に由来する正2次イオン([C ]、x、yは1以上の整数、zは3以上の整数である)と、ポリオレフィン系樹脂に由来する正2次イオン([C ])とを検出し、質量スペクトルを得る。
(iv) ヒンダードアミン系化合物および/または前記のトリアジン系化合物に由来する正2次イオン([C ])の各ピーク強度Iをポリオレフィン系樹脂に由来する正2次イオン([C ])のピーク強度Iで規格化する。
(v) 規格化されたピーク強度(I/I)の合計値Σ(I/I)を算出する。
[繊維]
本発明に係るスパンボンド不織布層を構成するポリオレフィン系樹脂(A)からなる繊維は、その平均単繊維直径が6.5〜22μmであることが好ましい。平均単繊維直径を6.5μm以上、好ましくは7.5μm以上とし、より好ましくは8.4μm以上とすることにより、紡糸性の低下を防ぎ、安定して品質の良い不織布を生産することができる。一方、平均単繊維直径を22μm以下、好ましくは13μm以下とし、より好ましくは11.2μm以下とし、さらに好ましくは10μm以下とすることにより、均一性が高く、捕集効率に優れた積層エレクトレット不織布とすることができる
なお、本発明においては、前記のスパンボンド不織布層を構成するポリオレフィン系樹脂(A)からなる繊維の平均単繊維直径(μm)は、以下の手順によって算出される値を採用するものとする。
(1)積層エレクトレット不織布からランダムに小片サンプル(50×50mm)10個を採取する。
(2)採取した積層エレクトレット不織布からスパンボンド不織布層の非圧着部のみを採取する。
(3)マイクロスコープで500〜1000倍の表面写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本のポリオレフィン繊維の幅を測定する。
(4)測定した100本の値の平均値から平均単繊維直径(μm)を算出する。
一方、本発明に係るメルトブロー不織布層を構成するポリオレフィン系樹脂(B)からなる繊維は、その平均単繊維直径が0.1〜8μmであることが好ましい。平均単繊維直径を好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上とすることで、メルトブロー不織布層の強度を向上させることができる。一方、8μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは1.5μm以下とすることで、積層エレクトレット不織布の捕集効率を向上させることができる。
なお、本発明においては、メルトブロー不織布層を構成するポリオレフィン系樹脂(B)からなる繊維の平均単繊維直径(μm)は、以下の手順によって算出される値を採用するものとする。
(1)積層エレクトレット不織布からランダムに小片サンプル(50×50mm)10個を採取する。
(2)採取した積層エレクトレット不織布からメルトブロー不織布層の非圧着部のみを採取する。
(3)走査型電子顕微鏡(例えば、株式会社キーエンス社製「VHX−D500」など)で倍率を3000倍に調節して、採取した測定サンプルから繊維表面写真を各1枚ずつ、計10枚を撮影する。
(4)写真の中の繊維直径(単繊維直径)がはっきり確認できる繊維について単繊維直径を測定し、平均した値の小数点以下第2位を四捨五入する。
また、ポリオレフィン系樹脂繊維は、複合繊維であってもよく、例えば、芯鞘型、偏心芯鞘型、サイドバイサイド型、分割型、海島型、アロイ型などの複合繊維の形態をとってもよい。
[積層エレクトレット不織布]
本発明の積層エレクトレット不織布は、スパンボンド不織布層とメルトブロー不織布層とを積層させてなることが重要である。このように構成することにより、エアフィルター材用不織布として要求されるレベル以上の加工性と捕集性能を付与することができる。
本発明の積層エレクトレット不織布は、その目付が3g/m以上100g/m以下であることが好ましい。積層エレクトレット不織布の目付を3g/m以上、より好ましくは5g/m以上、さらに好ましくは10g/m以上とすることにより、積層エレクトレット不織布の捕集効率を向上させることができる。一方、100g/m以下、より好ましくは、70g/m以下、さらに好ましくは50g/m以下とすることにより、積層エレクトレット不織布をフィルターユニットとしてプリーツ成型を施した際のプリーツ山の潰れを抑制することができる。
なお、本発明における積層エレクトレット不織布の目付は、積層エレクトレット不織布から、タテ×ヨコ=15cm×15cmのサンプルを採取し、そのサンプルの質量を測定して得られた値を1m当たりの値に換算し、小数点以下第1位を四捨五入して、不織布の目付(g/m)を算出することとする。
また、本発明の積層エレクトレット不織布は、単位目付当たりの縦方向の引張強度が0.3(N/5cm)/(g/m)以上であることが好ましい。単位目付当たりの縦方向の引張強度を0.3(N/5cm)/(g/m)以上、好ましくは0.5(N/5cm)/(g/m)以上、さらに好ましくは1.0(N/5cm)/(g/m)以上、特に好ましくは1.5(N/5cm)/(g/m)以上とすることにより、プリーツ加工時にプリーツ頂点が破断せず、加工性に優れたものとすることができる。単位目付当たりの縦方向の引張強度は、スパンボンド不織布層を構成する繊維の紡糸速度や平均単繊維直径、スパンボンド不織布の熱圧着条件(圧着率、温度および線圧)などにより調整することができる。なお、ここでいう縦方向とは不織布の長手方向である。
本発明の積層エレクトレット不織布の積層パターンは、メルトブロー不織布層の片面にスパンボンド不織布層を1層又は複数層積層した積層エレクトレット不織布、メルトブロー不織布層の両面にスパンボンド不織布を1層又は複数層積層した積層エレクトレット不織布(ただし、メルトブロー不織布層の片面に積層されるスパンボンド不織布層の積層数ともう片面に積層されるスパンボンド不織布層の積層数とは同一でも異なっていてもよい)が挙げられる。ここにおいて、メルトブロー不織布層に積層されるスパンボンド不織布層の総積層枚数が複数枚の場合には、それぞれのスパンボンド不織布層は、互いに異なるスパンボンド不織布層であってもよい。例えば、片面のスパンボンド不織布層ともう片面のスパンボンド不織布層を構成する繊維の種類が異なる場合、融点が異なる場合、単成分、複合成分で異なる場合、断面形状が異なる場合、厚さ、強度、圧力損失が異なる場合、これらの組み合わせなど、本発明の目的が達成できる限り、どのような相違であってもよい。そして目的に応じて適宜選定して用いることが出来る。
本発明の積層エレクトレット不織布は、上記の構成を取ることによって、高い捕集効率と低い圧力損失とを両立する。これらの捕集性能の指標として、QF値(Pa−1)がある。QF値は、以下の式で表されるように、捕集効率と圧力損失との関係を示し、QF値が高い程、捕集効率が高く、圧力損失が低いことを示している。
・QF値(Pa−1)=−[ln(1−(捕集効率(%))/100)]/(圧力損失(Pa))。
ここで、本発明における積層エレクトレット不織布の捕集効率と圧力損失の測定方法は以下の手順で測定し、算出される値である。
(1)積層エレクトレット不織布の幅方向5カ所で、タテ×ヨコ=15cm×15cmの測定サンプルMをそれぞれ1つずつ(計5つ)採取する。
(2)図1の概略側面図に示す捕集効率測定装置を準備する。この捕集効率測定装置は、測定サンプルMをセットするサンプルホルダー1の上流側に、ダスト収納箱2を連結し、下流側に流量計3、流量調整バルブ4およびブロワ5を連結している。また、サンプルホルダー1にパーティクルカウンター6を使用し、切替コック7を介して、測定サンプルMの上流側のダスト個数と下流側のダスト個数とをそれぞれ測定することができるものである。
(3)ポリスチレン粒子の10%水溶液(例えば、ThermoScientific社製「OptiBind、品番:9100079710290」)を蒸留水で200倍まで希釈し、ダスト収納箱2に充填する。
(4)測定サンプルMを、サンプルホルダー1にセットし、風量をフィルター通過速度が4.5m/分になるように、流量調整バルブ4で調整し、ダスト濃度を1万〜4万個/2.83×10−4(0.01ft)の範囲で安定させる。
(5)測定サンプルMの上流のダスト個数Dおよび下流のダスト個数dをパーティクルカウンター6(例えば、リオン株式会社製「KC−01D」など)で1個の測定サンプル当り3回測定し、JIS K0901:1991の「気体中のダスト試料捕集用ろ過材の形状、寸法並びに性能試験方法」に基づいて、下記の計算式を用いて、0.3〜0.5μmの粒子の捕集効率(%)を求める。
・捕集効率(%)=〔1−(d/D)〕×100
(ただし、dは下流ダストの3回測定トータル個数を表し、Dは上流のダストの3回測定トータル個数を表す。)
(6)併せて、測定サンプルMの上流と下流の静圧差を圧力計8で読み取り、測定サンプルMの圧力損失(Pa)を求める。
(7)5つの測定サンプルMについての捕集効率(%)の平均値を算出し、小数点第4位を四捨五入して得られる値をその積層エレクトレット不織布の捕集効率(%)とする。
(8)5つの測定サンプルMについての圧力損失(Pa)の平均値を算出し、小数点第2位を四捨五入して得られる値をその積層エレクトレット不織布の圧力損失(Pa)とする。
[積層エレクトレット不織布の製造方法]
ここで、本発明の積層エレクトレット不織布の製造方法について、説明する。
本発明の積層エレクトレット不織布の製造方法は、スパンボンド不織布層を形成する工程と、メルトブロー不織布層を形成する工程とをそれぞれ少なくとも1工程ずつ有するように積層不織布を形成し、該積層不織布をエレクトレット加工して前記のメルトブロー不織布層が以下の式(1)を満たす前記の積層エレクトレット不織布の製造方法であって、
前記のスパンボンド不織布層を形成する工程は、ポリオレフィン系樹脂組成物を溶融し、口金から紡出して、紡出された該ポリオレフィン系樹脂組成物を圧縮空気で吸引延伸した後、前記のポリオレフィン系樹脂繊維(A)からなるスパンボンド不織布層を形成するものであって、
前記のメルトブロー不織布層を形成する工程は、ヒンダードアミン系化合物および/またはトリアジン系化合物を含有し、ヒンダードアミン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量をα(質量%)とし、トリアジン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量がβ(質量%)としたとき、0.1≦α+β≦5を満たす、ポリオレフィン系樹脂組成物を溶融させ、
孔長さの孔径に対する比(L/D)が12〜30である口金の吐出孔から前記のポリオレフィン系樹脂組成物を吐出して、前記のポリオレフィン系樹脂繊維(B)からなるメルトブロー不織布層を形成するものである。
3.0×10−4≦Σ(I/I)≦3.0×10−3 ・・・(1)
ここで、Iは前記ヒンダードアミン系化合物および/または前記トリアジン系化合物に由来するエレクトレットシートの表面の正2次イオンのピーク強度の合計であり、Iはポリオレフィン系樹脂に由来するエレクトレットシートの表面の正2次イオンのピーク強度である。
まず、本発明の積層エレクトレット不織布の製造方法において、スパンボンド不織布層を形成する工程は、ポリオレフィン系樹脂組成物を溶融し、口金から紡出して、紡出された該ポリオレフィン系樹脂組成物を圧縮空気で吸引延伸した後、前記のポリオレフィン系樹脂繊維(A)からなるスパンボンド不織布層を形成するものであることが好ましい。この工程において、紡出された該ポリオレフィン系樹脂組成物を圧縮空気で吸引延伸する際には、エジェクターなどを採用することができる。また、前記のポリオレフィン系樹脂繊維(A)からなるスパンボンド不織布層を形成する際には、移動するネットを有するコンベアーの上に該ポリオレフィン系樹脂繊維(A)を捕集する方法などを採用することができる。
次に、本発明の積層エレクトレット不織布の製造方法において、メルトブロー不織布層を形成する工程は、ヒンダードアミン系化合物および/またはトリアジン系化合物を含有し、ヒンダードアミン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量をα(質量%)とし、トリアジン系化合物の前記のメルトブロー不織布層中の含有量がβ(質量%)としたとき、0.1≦α+β≦5を満たす、ポリオレフィン系樹脂組成物を溶融させることが好ましい。このポリオレフィン系樹脂組成物の調製は、従来公知の工程・条件を採用することができ、特に限定されるものではないが、例えば二軸押出機を用いて、所定量のベース樹脂となるポリオレフィン系樹脂と、前記のヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物をはじめ各種の添加剤を120〜300℃で混練し、その後押出機から押出し、ペレット化したものを溶融する工程を採用することができる。
さらに、このメルトブロー不織布層を形成する工程において、孔長さの孔径に対する比(L/D)が12〜30である口金の吐出孔から前記のポリオレフィン系樹脂組成物を吐出して、前記のポリオレフィン系樹脂繊維(B)からなるメルトブロー不織布層を形成することが好ましい。
ここで、本発明において、口金の吐出孔の孔長さとは、口金におけるノズル先端からポリマー溜まりまでの距離を指し、孔径とはノズル先端の吐出孔の直径のことを指す。本発明において、孔長さの孔径に対する比(L/D)を12以上、より好ましくは15以上とすることで、帯電性に優れる積層エレクトレット不織布とすることができる。一方、孔長さの孔径に対する比(L/D)を30以下、より好ましくは25以下とすることで、エレクトレット加工時の電荷の再結合が抑制され、帯電性に優れる積層エレクトレット不織布とすることができる。
本発明の積層エレクトレット不織布の製造方法は、前記のスパンボンド不織布層を形成する工程と、前記のメルトブロー不織布層を形成する工程とをそれぞれ少なくとも1工程ずつ有するように積層不織布を形成することが好ましい。この際、使用する目的に応じて、スパンボンド不織布層(S)とメルトブロー不織布層(M)を、SM、SMS、SMMS、SSMMS、およびSMSMSなどと積層した構造とすることができる。
このように積層不織布を形成する工程においては、スパンボンド不織布層とメルトブロー不織布層とを積層できる方法であれば、公知であるいずれの方法にしたがっても行うことができる。例えば、メルトブロー法によって形成される繊維を、スパンボンド法で得られる不織布層の上に直接堆積させてメルトブロー不織布層を形成した後、スパンボンド不織布層とメルトブロー不織布層とを融着させる方法、スパンボンド不織布層とメルトブロー不織布層とを重ね合わせ、加熱加圧により両不織布層を融着させる方法、スパンボンド不織布層とメルトブロー不織布層とを、ホットメルト接着剤や溶剤系接着剤等の接着剤によって接着する方法等を採用することができる。中でも、生産性の観点から、スパンボンド不織布層の上に、直接メルトブロー不織布層を形成する方法がより好ましい。
続いて、前記の積層不織布を熱接着することによって、意図する積層不織布を得ることができる。この熱接着する方法としては、上下一対のロール表面にそれぞれ彫刻(凹凸部)が施された熱エンボスロール、片方のロール表面がフラット(平滑)なロールと他方のロール表面に彫刻(凹凸部)が施されたロールとの組み合わせからなる熱エンボスロール、および上下一対のフラット(平滑)ロールの組み合わせからなる熱カレンダーロールなど、各種ロールにより熱接着する方法や、ホーンの超音波振動により熱溶着させる超音波接着などの方法が挙げられる。なかでも、生産性に優れ、部分的な熱接着部で強度を付与し、かつ非接着部で不織布ならではの風合いや肌触りを保持することができることから、上下一対のロール表面にそれぞれ彫刻(凹凸部)が施された熱エンボスロール、または片方のロール表面がフラット(平滑)なロールと他方のロール表面に彫刻(凹凸部)が施されたロールとの組み合わせからなる熱エンボスロールを用いることが好ましい態様である。
さらに、得られた積層不織布をエレクトレット加工する。本発明に係る積層不織布をエレクトレット化する方法としては、例えば、アース電極上にメルトブロー不織布を接触させた状態で、このアース電極と積層不織布を共に移動させながら、非接触型印加電極で高圧印加を行なって連続的にエレクトレット化する方法、積層不織布に対して水の噴流もしくは水滴流を積層不織布の内部まで水が浸透するのに十分な圧力で噴霧させてエレクトレット化し、正極性と負極性の電荷を均一に混在させる方法、あるいは、積層不織布をスリット状のノズル上を通過させ、ノズルで水を吸引することにより繊維シートに水を浸透させて、正極性と負極性の電荷を均一に混在させる方法(ハイドロチャージ法)などを用いることができる。
[エアフィルター濾材、フィルター]
以上、説明したように本発明の積層エレクトレット不織布は、捕集効率に優れるものであるから、エアフィルター濾材として用いることができる。すなわち、本発明のエアフィルター濾材は、前記の積層エレクトレット不織布を用いてなることが好ましい。
本発明のエアフィルター濾材を得る方法としては、前記の積層エレクトレット不織布と、それよりも剛性の高い骨材シートとを、スプレー法で湿気硬化型ウレタン樹脂などを散布して貼り合わせる方法や、熱可塑性樹脂、熱融着繊維を積層エレクトレット不織布上に散布し、熱路を通して貼り合わせる方法を用いることができる。
この骨材シートは、比較的大きいダストを捕集するとともに、積層エレクトレット不織布に接合されて濾材として必要な剛性を得られるようにするためのものである。骨材シートとしては、例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、レーヨン繊維、ガラス繊維および天然パルプ等からなる不織布、織編物等を用いることができる。
本発明のエアフィルター濾材は、シート状のまま枠材に組み込んでフィルターユニットとして使用することができる。また、本発明のエアフィルター濾材を、山折と谷折を繰り返してプリーツ加工を施し、枠材にセットしたプリーツ状のフィルターユニットとして使用することもできる。
本発明のエアフィルター濾材は、フィルターに備えられ好適に用いることができる。特に、微細塵の捕集効率の観点から空調機用フィルター、空気清浄機用フィルター、自動車キャビンフィルターに備えられ、好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、本明細書に記載の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。なお、各物性の測定において、特段の記載がないものは、前記の方法に基づいて測定を行ったものである。
[測定方法]
(1)積層エレクトレット不織布の目付(g/m):
前記の方法によって測定を行った。
(2)ポリオレフィン系樹脂(A)からなる繊維、ポリオレフィン系樹脂(B)からなる繊維の平均単繊維直径(μm):
走査型電子顕微鏡として、株式会社キーエンス製「VHX−D500」を用い、前記の方法によって測定を行った。
(3)メルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度比:
飛行時間型2次イオン質量分析装置として、ION−TOF社製「TOF.SIMS 5」を用い、前記の方法によって測定を行った。
(4)積層エレクトレット不織布の捕集効率、圧力損失、QF値:
ポリスチレン粒子の10%水溶液は、ThermoScientific社製「OptiBind、品番:9100079710290」を用いた。また、捕集効率測定装置のパーティクルカウンターには、リオン株式会社製「KC−01D」を用いた。
(5)積層エレクトレット不織布の単位目付当たりの引張強度(N/5cm)/(g/m);
縦方向の引張強度は、JIS L1913(2010年)の6.3.1に準じ、以下のように測定される値を採用するものとする。
(A)積層エレクトレット不織布から幅5cm×30cmの試験片を2枚採取する。
(B)試験片をつかみ間隔20cmで引張試験機にセットする。
(C)引張速度10cm/分で引張試験を行い、サンプルが破断したときの強度を引張強度(N/5cm)とし、3点の平均値を、小数点以下第二位を四捨五入して算出する。ここで得られた引張強度を上記(1)で測定した目付で除することで単位目付当たりの不織布の引張強度を算出する。なお、0.3(N/5cm)/(g/m)以上の場合に、引張強度があるとした。
(6)プリーツ加工性
積層エレクトレット不織布と骨材の間に脱臭材を挟み込み、山高さが29.5〜30.0mmになるよう、レシプロプリーツ機で連続400山分プリーツ加工したときの、積層エレクトレット不織布の穴あき箇所を判定した。穴あきの定義は、積層エレクトレット不織布が長さ1mm以上で破れており、挟み込んだ脱臭材もしくは他の基材層が見えるものとした。なお、レシプロプリーツ機での加工条件としては、加熱ヒーター熱板温度:80℃(上下とも)、熱板間隔:31mm、濾材への圧力:6kgとした。
[実施例1]
(スパンボンド不織布層(下層))
MFRが200g/10分のホモポリマーからなるポリプロピレン樹脂を押出機で溶融し、孔径φが0.30mm、孔深度が2mmの矩形口金から、紡糸温度が235℃、単孔吐出量が0.32g/分で紡出した糸条を、冷却固化した後、矩形エジェクターでエジェクターの圧力を0.35MPaとした圧縮空気によって牽引、延伸し、捕集ネット上に捕集した。得られた不織繊維ウェブを、フラットロールを用いて120℃の温度で熱仮接着した。得られた熱仮接着された不織ウェブの目付が7.0g/mのスパンボンド不織布層を形成した。平均単繊維直径は10.1μmであった。
(メルトブロー不織布層)
次に、MFRが1100g/分のホモポリマーからなるポリプロピレン樹脂に前記の一般式(1)、(2)の両方の構造を有する化合物“キマソーブ”(登録商標)944(BASFジャパン株式会社製、表1では「C944」と記載、以下同様)を1.0質量%含むポリオレフィン系樹脂を、押出機で溶融し、孔径φが0.4mmの口金(L/D:20)から、紡糸温度が260℃、単孔吐出量が0.20g/分で紡出した。その後、ノズル温度が260℃、エア圧力が0.12MPaの条件でエアを糸条に噴射し、前記のスパンボンド不織布層上に捕集し、メルトブロー不織布層を形成した。この時、同条件で捕集ネット上に別途採取したメルトブロー不織布層の目付は10.0g/mであり、平均単繊維直径は2.2μmであった。
(スパンボンド不織布層(上層))
さらに、このメルトブロー不織布層の上に、下層のスパンボンド不織布層を形成した条件と同じ条件で、ポリプロピレン長繊維を捕集させ、スパンボンド不織布層を形成した。これによって、総目付24.0g/mの、スパンボンド−メルトブロー−スパンボンド(SMS)積層繊維ウェブを得た。
(積層エレクトレット不織布)
引き続き、得られた積層繊維ウェブを、上ロールに金属製で水玉柄の彫刻がなされた接着面積率16%のエンボスロールを用い、下ロールに金属製フラットロールで構成される上下一対の熱エンボスロールを用いて、線圧が30N/cmで、熱接着温度が130℃の温度で熱接着し、目付が24.0g/mの積層不織布を得た。続いて、得られた積層不織布にエレクトレット化処理を施し、積層エレクトレット不織布を得た。
得られた積層エレクトレット不織布の各測定値と算出値を、表1に示す。
(プリーツ濾材)
ポリエステルスパンボンド不織布骨材シート(厚み:0.30mm)上にガス吸着粒子として粒状活性炭(フタムラ化学社製、平均粒子径:240μm)75g/m、エチレン−酢酸ビニル系接着パウダー35g/mを均一に散布し、加熱により接着パウダーを溶融させ、その表面に積層エレクトレット不織布を積層後、ニップロールによって加圧して貼り合わせ濾材とした。さらにこの貼り合わせ濾材をプリーツ加工し、プリーツ濾材を得た。プリーツ加工性の結果を表1に示す。
[実施例2]
メルトブロー不織布層について、前記の化合物“キマソーブ”(登録商標)944の含有量を1.0質量%から0.7質量%とした以外は、実施例1と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
メルトブロー不織布層について、前記の化合物“キマソーブ”(登録商標)944の含有量を1.0質量%から3.0質量%とした以外は、実施例1と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例4]
メルトブロー不織布層について、前記の化合物“キマソーブ”(登録商標)944の含有量を1.0質量%から0.1質量%とした以外は、実施例1と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例5]
メルトブロー不織布層について、前記の化合物“キマソーブ”(登録商標)944の含有量を1.0質量%から5.0質量%とした以外は、実施例1と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例6]
メルトブロー不織布層について、前記の化合物“キマソーブ”(登録商標)944を化合物“キマソーブ”(登録商標)2020(BASFジャパン(株)製、表1では「C2020」と記載、以下同様)に替えた以外は、実施例1と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例7]
メルトブロー不織布層について、前記の化合物“キマソーブ”(登録商標)944をヒンダードアミン系化合物“キマソーブ”(登録商標)144(BASFジャパン(株)製、表1では「T144」と記載、以下同様)に替えた以外は、実施例1と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例8]
メルトブロー不織布層について、前記の化合物“キマソーブ”(登録商標)944をトリアジン系化合物“チヌビン”(登録商標)1577ED(BASFジャパン(株)製、表1では「T1577」と記載、以下同様)に替えた以外は、実施例1と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例9]
スパンボンド不織布層(上層)を形成せず、スパンボンド不織布層(下層)とメルトブロー不織布層の2層構造とした以外は、実施例1と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表3に示す。
[実施例10]
スパンボンド不織布層(下層)の目付を14g/mとした以外は、実施例9と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表3に示す。
[比較例1]
メルトブロー不織布層について、前記の化合物“キマソーブ”(登録商標)944の含有量を1.0質量%から0.05質量%とした以外は、実施例1と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表4に示す。
[比較例2]
メルトブロー不織布層について、前記の化合物“キマソーブ”(登録商標)944の含有量を1.0質量%から6.0質量%とした以外は、実施例1と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表4に示す。
[比較例3]
メルトブロー口金を変更のL/Dを8としたこと以外は、実施例1と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表4に示す。
[比較例4]
メルトブロー口金を変更のL/Dを8としたこと以外は、実施例5と同じ方法により積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材を得た。得られた積層エレクトレット不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表4に示す。
[比較例5]
メルトブロー不織布層のみの1層構造とした以外は、実施例1と同じ方法によりプリーツ濾材を得た。得られたエレクトレットメルトブロー不織布とそのプリーツ濾材について、実施例1と同様の方法により評価した。得られた結果を表5に示す。
Figure 2021147711
Figure 2021147711
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表1〜3から明らかなように、本発明の実施例1〜10に記載の積層エレクトレット不織布は、いずれも高い捕集効率を達成しており、優れた捕集性能(QF値)を有しているとともにプリーツ加工性も良好であることが分かる。
これに対し、表4に示すとおり、前記の化合物“キマソーブ”(登録商標)944の添加量を0.05質量%とした比較例1に記載の積層エレクトレット不織布は、実施例1〜10に記載の積層エレクトレット不織布に対して、捕集性能(QF値)が低い結果であった。
また、前記の化合物“キマソーブ”(登録商標)944の添加量を6.0質量%とした比較例2に記載の積層エレクトレット不織布は、実施例1〜10に記載の積層エレクトレット不織布に対して、捕集性能(QF値)も低いものであった。
また、口金のL/Dを8とした比較例3に記載の積層エレクトレット不織布は、実施例1〜10に記載の積層エレクトレット不織布に対して、捕集性能(QF値)も低いものであった。
また、口金のL/Dを8とした比較例4に記載の積層エレクトレット不織布は、実施例1〜10に記載の積層エレクトレット不織布に対して、捕集性能(QF値)も低いものであった。
さらに、表5に示すとおり、メルトブロー不織布の1層とした比較例5に記載のエレクトレット不織布は、実施例1〜10に対して、プリーツ加工性が低いものであった。
1:サンプルホルダー
2:ダスト収納箱
3:流量計
4:流量調整バルブ
5:ブロワ
6:パーティクルカウンター
7:切替コック
8:圧力計
M:測定サンプル

Claims (7)

  1. ポリオレフィン系樹脂繊維(A)から構成されたスパンボンド不織布層と、ポリオレフィン系樹脂繊維(B)から構成されたメルトブロー不織布層とが少なくとも1層ずつ積層されてなる積層エレクトレット不織布であって、
    前記メルトブロー不織布層が、ヒンダードアミン系化合物および/またはトリアジン系化合物を含有し、ヒンダードアミン系化合物の前記メルトブロー不織布層中の含有量をα(質量%)とし、トリアジン系化合物の前記メルトブロー不織布層中の含有量がβ(質量%)としたとき、0.1≦α+β≦5を満たすものであり、
    前記メルトブロー不織布層が、さらに以下の式(1)を満たす、積層エレクトレット不織布。
    3.0×10−4≦Σ(I/I)≦3.0×10−3 ・・・(1)
    ここで、Iは前記ヒンダードアミン系化合物および/または前記トリアジン系化合物に由来するメルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度であり、Iはポリオレフィン系樹脂に由来するメルトブロー不織布層の表面の正2次イオンのピーク強度である。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂繊維(A)の平均単繊維直径が6.5〜22μmである、請求項1に記載の積層エレクトレット不織布。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂繊維(B)の平均単繊維直径が0.1〜8μmである、請求項1または2に記載の積層エレクトレット不織布。
  4. 単位目付当たりの縦方向の引張強度が0.3(N/5cm)/(g/m)以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層エレクトレット不織布。
  5. スパンボンド不織布層を形成する工程と、メルトブロー不織布層を形成する工程とをそれぞれ少なくとも1工程ずつ有するように積層不織布を形成し、該積層不織布をエレクトレット加工して前記メルトブロー不織布層が以下の式(1)を満たす積層エレクトレット不織布を製造する、請求項1〜4のいずれかに記載の積層エレクトレット不織布の製造方法であって、
    前記スパンボンド不織布層を形成する工程は、ポリオレフィン系樹脂組成物を溶融し、口金から紡出して、紡出された該ポリオレフィン系樹脂組成物を圧縮空気で吸引延伸した後、前記ポリオレフィン系樹脂繊維(A)からなるスパンボンド不織布層を形成するものであって、
    前記メルトブロー不織布層を形成する工程は、ヒンダードアミン系化合物および/またはトリアジン系化合物を含有し、ヒンダードアミン系化合物の前記メルトブロー不織布層中の含有量をα(質量%)とし、トリアジン系化合物の前記メルトブロー不織布層中の含有量がβ(質量%)としたとき、0.1≦α+β≦5を満たす、ポリオレフィン系樹脂組成物を溶融させ、
    孔長さの孔径に対する比(L/D)が12〜30である口金の吐出孔から前記ポリオレフィン系樹脂組成物を吐出して、前記ポリオレフィン系樹脂繊維(B)からなるメルトブロー不織布層を形成するものである、積層エレクトレット不織布の製造方法。
    3.0×10−4≦Σ(I/I)≦3.0×10−3 ・・・(1)
    ここで、Iは前記ヒンダードアミン系化合物および/または前記トリアジン系化合物に由来するエレクトレットシートの表面の正2次イオンのピーク強度の合計であり、Iはポリオレフィン系樹脂に由来するエレクトレットシートの表面の正2次イオンのピーク強度である。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層エレクトレット不織布を用いてなる、エアフィルター濾材。
  7. 請求項6に記載のエアフィルター濾材を備えてなる、フィルター。
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