JP2021146945A - 電動車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】 制動制御の開始時に運転者に与える違和感を抑制する。【解決手段】 電動車両であって、バッテリと、前記バッテリからの電力供給を受けて走行駆動力を発生させる発電電動機と、ブレーキパッドと、前記発電電動機と前記ブレーキパッドを制御する制御装置を有する。前記発電電動機が、アクセルオフ操作が行われたときに前記バッテリを充電する回生動作を実行するように構成されている。前記制御装置は、前記バッテリの蓄電量が基準値以上の状態で前記アクセルオフ操作が行われたときに、前記回生動作を停止するとともに前記ブレーキパッドによって前記電動車両を減速させる制動制御を実行する。前記制御装置は、前記制動制御を開始する前に、前記ブレーキパッドの温度推定値を算出する。前記制御装置は、前記温度推定値が高いほど、前記制動制御の開始時に前記ブレーキパッドに加える荷重を高くする。【選択図】図2
Description
本明細書に開示の技術は、電動車両に関する。なお、本明細書において、電動車両は、バッテリからの電力供給を受ける電動機によって走行駆動力を発生させる車両を意味する。電動車両には、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車等が含まれる。
特許文献1に開示の電動車両は、アクセルオフ操作が行われたときに発電電動機が回生動作を実行する。回生動作では、発電電動機が、電動車両の運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーによってバッテリを充電する。このため、回生動作の実行中に電動車両が減速する。また、この電動車両は、バッテリの蓄電量が基準値以上の状態でアクセルオフ操作が行われたときに、回生動作を停止し、バッテリが過充電となることを防止する。また、この場合には、電動車両は、ブレーキ装置によって減速する制動制御を実行する。これによって、回生動作が行われる場合と行われない場合とでアクセルオフ操作時における電動車両の操作感の差を小さくし、運転者に与える違和感を小さくする。
ブレーキパッドの摩擦係数はブレーキパッドの温度によって変化する。特許文献1の電動車両では、ブレーキパッドの温度にかかわらずに制動制御の開始時にブレーキパッドに加える制動油圧が決定される。このため、ブレーキパッドの温度によっては、制動制御の開始時の電動車両の減速度が目標減速度から大きく外れる場合がある。このため、制動制御の開始時に過大または過少な減速が生じ、運転者に違和感を与える場合がある。本明細書では、制動制御の開始時に運転者に与える違和感を抑制する技術を提案する。
本明細書が開示する電動車両は、バッテリと、前記バッテリからの電力供給を受けて走行駆動力を発生させる発電電動機と、ブレーキパッドと、前記発電電動機と前記ブレーキパッドを制御する制御装置を有する。前記発電電動機が、アクセルオフ操作が行われたときに前記バッテリを充電する回生動作を実行するように構成されている。前記制御装置は、前記バッテリの蓄電量が基準値以上の状態で前記アクセルオフ操作が行われたときに、前記発電電動機に前記回生動作を実行させないで前記ブレーキパッドによって前記電動車両を減速させる制動制御を実行する。前記制御装置は、前記制動制御を開始する前に、前記ブレーキパッドの温度推定値を算出する。前記制御装置は、前記温度推定値が高いほど、前記制動制御の開始時に前記ブレーキパッドに加える荷重を高くする。
この電動車両では、制御装置が、制動制御の開始前にブレーキパッドの温度推定値を算出し、算出した温度推定値に応じた荷重を制動制御の開始時にブレーキパッドに加える。このとき、温度推定値が高いほど、ブレーキパッドに加える荷重を高くする。すなわち、ブレーキパッドの摩擦係数の温度特性を補正するように、制動制御の開始時の荷重を制御する。このため、制動制御の開始時における電動車両の減速度を正確に制御することができる。したがって、制動制御の開始時に運転者に与える違和感を抑制することができる。
本明細書が開示する技術要素について、以下に列記する。なお、以下の各技術要素は、それぞれ独立して有用なものである。
本明細書が開示する一例の電動車両では、前記制動制御の開始後に、前記制御装置が、減速度検出ステップと荷重調整ステップを繰り返し実行してもよい。前記減速度検出ステップでは、前記制御装置が、前記電動車両の減速度を検出してもよい。前記荷重調整ステップでは、前記減速度検出ステップで検出された前記減速度に基づいて前記ブレーキパッドに加える荷重を調整してもよい。
この構成によれば、制動制御において電動車両の減速度をより正確に制御することができる。
本明細書が開示する一例の電動車両では、前記制御装置は、前記温度推定値が第1判定値よりも高い場合に、ドライバに警告を行ってもよい。
この構成によれば、ドライバが、ブレーキパッドの温度上昇によってブレーキが効き難い状態になっていることを知ることができる。
本明細書が開示する一例の電動車両では、前記制御装置は、前記温度推定値が前記第1判定値よりも高く第2判定値よりも低い場合には前記制動制御を実行し、前記温度推定値が前記第2判定値よりも高い場合には前記制動制御を実行しなくてもよい。
この構成によれば、ブレーキパッドの温度が過度に上昇した場合には、制動制御を実行しないことによってブレーキパッドの温度を低下させることができる。
図1は、本実施形態に係る電気自動車1の概略構成を示す図である。電気自動車1は、車輪41a〜41dを有している。車輪41a、41bは駆動輪であり、車輪41c、41dは非駆動輪である。
電気自動車1は、バッテリ23、昇圧コンバータ24、インバータ22、及び、モータジェネレータ21(以下、MG21という)を有している。バッテリ23は、直流電圧を昇圧コンバータ24に印加する。昇圧コンバータ24は、バッテリ23から供給される直流電圧を昇圧し、昇圧した電圧をインバータ22に印加する。インバータ22は、昇圧コンバータ24から供給される直流電力を交流電力に変換し、その交流電力をMG21に供給する。MG21は、交流電力の供給を受けることで駆動する。MG21の出力軸は、プロペラシャフト44、デファレンシャル装置43を介して車輪41a、41bに接続されている。MG21が車輪41a、41bを回転させることで、電気自動車1が走行する。
また、電気自動車1は、MG1を発電機として使用する回生制御を行うこともできる。回生制御では、慣性で走行する電気自動車1の車輪41a、41bの回転によって、MG21の出力軸が回転する。すると、MG21で三相交流電力が生成され、その三相交流電力がインバータ22に供給される。インバータ22は、三相交流電力を直流電力に変換し、その直流電力を昇圧コンバータ24に供給する。昇圧コンバータ24は、インバータ22から供給される直流電圧を降圧し、降圧した電圧をバッテリ23に印加する。これによって、バッテリ23が充電される。
電気自動車1は、電子制御ユニット60を有している。電子制御ユニット60は、CPU、ROM、RAM等から成るマイクロコンピュータで構成されている。電子制御ユニット60には、シフトポジションセンサ62、アクセルペダルポジションセンサ63、ブレーキペダルポジションセンサ64、イグニッションスイッチ61、車速センサ65、バッテリ電流センサ66、警告発信装置67等が接続されている。シフトポジションセンサ62は、シフトポジション(すなわち、シフトレバー52のポジション)を検出する。アクセルペダルポジションセンサ63は、アクセル開度Acc(すなわち、アクセルペダル53の踏み込み操作量)を検出する。ブレーキペダルポジションセンサ64は、ブレーキポジションBP(ブレーキペダル51の踏み込み操作量)を検出する。バッテリ電流センサ66は、バッテリ23の充放電電流を検出する。警告発信装置67は、警告ランプやブザー等によって運転者に対する警告を行う。
電子制御ユニット60は、昇圧コンバータ24とインバータ22を制御する。電子制御ユニット60が昇圧コンバータ24とインバータ22を制御することで、MG21の出力トルクが制御され、電気自動車1の走行速度が制御される。また、電子制御ユニット60が昇圧コンバータ24とインバータ22を制御することで、回生制御が実行される。電子制御ユニット60は、シフトポジション、アクセル開度Acc、イグニッションスイッチ61から入力される信号、車速センサが検出する車速、バッテリ電流センサ66が検出する電流値等に基づいて昇圧コンバータ24とインバータ22を制御する。これによって、電子制御ユニット60は、MG21の駆動制御と回生制御とを選択的に実行する。
また、電子制御ユニット60は、バッテリ電流センサ66により検出された充放電電流の積算値に基づいてバッテリ23の蓄電割合SOCを算出する。蓄電割合SOCは、バッテリ23の全容量に対して実際に蓄電されている容量の割合である。
電気自動車1は、ハイドロブースタ31、ブレーキアクチュエータ34、油圧回路35、及び、ブレーキ装置32a〜32dを備えている。ブレーキ装置32a〜32dは、車輪41a〜41dにそれぞれ設けられている。ブレーキ装置32a〜32dは、ディスクブレーキ装置であってもよいし、ドラムブレーキ装置であってもよい。ブレーキ装置32a〜32dは、車軸と共に回転する回転体(すなわち、ディスク、ドラム等)と、ブレーキパッドを有している。ブレーキパッドが回転体に接触することで、摩擦によって制動力が生じる。ハイドロブースタ31は、運転者によるブレーキペダル51の踏み込み操作に応じて油圧を発生させる。ブレーキアクチュエータ34は、ハイドロブースタ31により供給される油圧に応じて、油圧回路35内の油圧(以下、制動油圧という)を調整する。ブレーキアクチュエータ34によって供給される制動油圧は、油圧回路35を介してブレーキ装置32a〜32dに供給される。ブレーキ装置32a〜32dのブレーキパッドは、油圧回路35によって供給される制動油圧によって回転体に押し付けられることで、車輪41a〜41dを制動する。ブレーキパッドに加わる荷重(すなわち、ブレーキパッドが回転体に押し付けられる荷重)は、油圧回路35によって供給される制動油圧に比例する。また、ブレーキアクチュエータ34は、運転者によるブレーキペダル51の踏み込み操作がない場合であっても、電子制御ユニット60からの制動指令信号を受けることで制動油圧を発生させてブレーキ装置32a〜32dを作動させることができる。
運転者によってアクセルペダル53が踏み込まれると、電子制御ユニット60が駆動制御を実行し、電気自動車1が走行する。電子制御ユニット60は、アクセルペダルポジションセンサ63によって検出されるアクセル開度Accと、車速センサ65によって検出される車速Vとに応じて、MG21で出力するトルクの目標値を算出する。そして、トルクの目標値に基づいて、インバータ22からMG21に供給する電流の目標値を算出する。電子制御ユニット60は、算出した目標値に応じた電流がインバータ22からMG21に供給されるように、インバータ22と昇圧コンバータ24が内蔵するスイッチング素子を制御する。これにより、MG21が目標値に応じたトルクで駆動し、車輪41a、41bが回転する。これにより、電気自動車1が走行する。
運転者によってブレーキペダル51が踏み込まれると、電子制御ユニット60がブレーキ制御を実行し、電気自動車1が減速する。ブレーキ制御では、電子制御ユニット60は、ブレーキペダルポジションセンサ64によって検出されるブレーキペダル51の踏み込み操作量(ブレーキ踏力)に基づいて、電気自動車1に付与すべき制動力を図示しないマップ(予めROMに記憶されているマップ)から導出する。そして、導出した制動力が付与されるように、ブレーキアクチュエータ34を制御することにより各ブレーキ装置32a〜32dに制動油圧を供給する。これにより、ブレーキ踏力に応じた荷重でブレーキパッドが回転体に接触し、電気自動車1が減速する。
電気自動車1の走行中に運転者によってアクセルオフ操作(アクセルペダル53の踏み込みを解除する操作)が行われると、電子制御ユニット60がバッテリ23を充電する回生制御を実行する。なお、回生制御は、バッテリ23の蓄電割合SOCが基準値SOCf未満の場合に実行される。基準値SOCfは、バッテリ23が満充電状態であるときの蓄電割合である。すなわち、回生制御は、バッテリ23が満充電状態ではないときに実行される。これによって、バッテリ23が過充電されることが防止される。回生制御では、電子制御ユニット60は、慣性で走行する電気自動車1の車輪の回転によってMG21のロータを回転させることで、MG21に回生動作を実行させる。すなわち、MG21で発電を行う。電子制御ユニット60は、インバータ22と昇圧コンバータ24を制御することによって、MG21で生成された電力をバッテリ23へ供給する。これによって、バッテリ23が充電される。また、回生制御では、電気自動車1の運動エネルギーが電気エネルギーに変換されるため、電気自動車1は減速する。
上述したように、バッテリ23の蓄電割合SOCが基準値SOCf以上の状態では、アクセルオフ操作が行われても、電子制御ユニット60は回生制御を行わない。この場合、電子制御ユニット60は、一定の条件が満たされた場合に、制動制御を実行する。すなわち、この場合、電子制御ユニット60は、回生制御を実行せずに制動制御を実行する。制動制御では、電子制御ユニット60が、ブレーキアクチュエータ34によって各ブレーキ装置32a〜32dに制動油圧を供給することによって、各ブレーキ装置32a〜32dを作動させる。すなわち、電子制御ユニット60は、運転者によってブレーキペダル51の踏み込み操作が行われていなくても、各ブレーキ装置32a〜32dを作動させる。これによって、制動制御では、回生制御と略同等の減速度で電気自動車を減速させる。このように、回生制御を行わない場合に制動制御を行うことで、回生制御が行われる場合と行われない場合とでアクセルオフ操作時における電気自動車1の操作感の差を小さくし、運転者に与える違和感を小さくすることができる。
以下に、図2のフローチャートを用いて、制動制御について説明する。アクセルオフ操作が行われると、電子制御ユニット60は、図2に示すフローチャートを繰り返し実行する。
ステップST1において、電子制御ユニット60は、車両の状態を検出する。具体的には、ブレーキ装置32a〜32dを含む制動系統が正常に作動する状況にあるか否か、バッテリ23が満充電状態にあるか否か、アクセルオフ操作が行われたか否か等の検出を行う。制動系統が正常に作動する状況にあるか否かの判定は、例えば過去に制動油圧が正常の範囲内で推移しているか否かによって判定される。また、バッテリ23が略満充電状態にあるか否かは、蓄電割合SOCに基づいて判定される。アクセルオフ操作が行われたか否かは、アクセルペダルポジションセンサ63によって検出されているアクセル開度Accに基づいて判定される。 次に、ステップST2において、電子制御ユニット60は、制動制御の実行条件が成立しているか否かを判定する。制動制御の実行条件は、車速が所定値以上であること、バッテリ23が略満充電状態であること、および、アクセルオフ操作が行われたこと等である。制動制御の実行条件が成立しておらず、ステップST2でNO判定された場合には、ステップST3に移り、制動制御の必要はないとして、そのままリターンされる。
制動制御の実行条件が成立しており、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST4において、電子制御ユニット60は、電気自動車1の目標減速度Atを算出する。例えば、車速と目標減速度Atとの関係を予め規定したマップまたは数式から現在の車速に応じた目標減速度Atが算出される。また、目標減速度Atは車速にかかわらず一定の値であってもよい。目標減速度Atは、回生制御における電気自動車1の減速度と略同じ値に設定される。
次に、ステップST5において、電子制御ユニット60は、ブレーキ装置32a〜32dのそれぞれのブレーキパッドの温度推定値Teを算出する。各ブレーキパッドの温度推定値Teは、過去の制動油圧の推移、MG21のロータの質量、及び、外気温等に基づいて算出される。
次に、ステップST6において、電子制御ユニット60は、各ブレーキパッドの温度推定値Teが第1判定温度T1以下であるか否かを判定する。温度推定値Teが第1判定温度T1以下であり、ステップST6でYESと判定された場合には、ステップST7において、電子制御ユニット60は、各ブレーキパッドの摩擦係数の推定値(以下、摩擦係数推定値μeという)を算出する。電子制御ユニット60は、温度推定値Teに基づいて摩擦係数推定値μeを算出する。各ブレーキパッドの温度が高いほど、各ブレーキパッドの摩擦係数は低くなる。したがって、電子制御ユニット60は、温度推定値Teが高いほど摩擦係数推定値μeが低くなるように、摩擦係数推定値μeを算出する。例えば、温度推定値Teと摩擦係数推定値μeとの関係を予め規定したマップまたは数式から現在の温度推定値Te(すなわち、ステップST5で算出した温度推定値Te)に応じた摩擦係数推定値μeが算出される。
次に、ステップST8において、電子制御ユニット60は、各ブレーキ装置32a〜32dに印加する制動油圧の目標値(以下、目標油圧Ptという)を算出する。各ブレーキ装置32a〜32dに印加される制動油圧は、各ブレーキパッドを回転体に接触させる荷重Nに比例する。また、ブレーキパッドの制動力Fは、F=μNの関係を満たす(但し、μはブレーキパッドの摩擦係数)。また、電気自動車1の減速度Aは、制動力Fに比例する。このため、減速度Aは、ブレーキパッドの摩擦係数μと制動油圧の積に比例する。ここでは、電子制御ユニット60は、摩擦係数推定値μeと目標油圧Ptの積が目標減速度Atに応じた値となるように、目標油圧Ptを算出する。上述したように、目標減速度Atは、ステップST4において確定されている。したがって、ステップST8では、摩擦係数推定値μeが低いほど目標油圧Ptが高くなるように目標油圧Ptが算出される。上述したように、ステップST7では、ブレーキパッドの温度推定値Teが高いほど摩擦係数推定値μeが低くなるように摩擦係数推定値μeが算出される。したがって、ステップST8では、ブレーキパッドの温度推定値Teが高いほど目標油圧Ptが高くなるように目標油圧Ptが算出される。
次に、ステップST9において、電子制御ユニット60は、ブレーキアクチュエータ34を制御することによって、油圧回路35を介して各ブレーキ装置32a〜32dに制動油圧を印加する。これによって、各ブレーキ装置32a〜32dが作動させ、電気自動車1を減速させる。すなわち、電子制御ユニット60が、制動制御を実行する。ここでは、電子制御ユニット60は、目標油圧Ptと略同じ制動油圧が各ブレーキ装置32a〜32dに印加されるように、ブレーキアクチュエータ34を制御する。上述したように、各ブレーキパッドの温度推定値Teが高いほど目標油圧Ptが高くなるように目標油圧Ptは算出される。したがって、ステップST9では、各ブレーキパッドの温度推定値Teが高いほど、各ブレーキパッドに高い制動油圧が加えられる。すなわち、ステップST9では、各ブレーキパッドの温度推定値Teが高いほど、各ブレーキパッドに高い荷重が加えられる。このように、各ブレーキパッドの温度推定値Teに応じた荷重が各ブレーキパッドに加えられるので、各ブレーキパッドで適切な制動力が得られ、電気自動車1を目標減速度Atに近い減速度で減速させることができる。なお、ステップST9以前に回生制御が実行されている場合には、電子制御ユニット60は、ステップST9の開始時に回生制御を停止する。
次に、ステップST10において、電子制御ユニット60は、車速センサ65の検出値に基づいて、電気自動車1の実際の減速度Aを算出する。次に、電子制御ユニット60は、ステップST11において、目標減速度Atと実際の減速度Aが略一致しているか否かを判定する。目標減速度Atと実際の減速度Aが略一致している場合には、電子制御ユニット60は、ステップST11でYESと判定し、制動油圧をそのまま維持しながら制動制御を継続する。
一方、目標減速度Atと実際の減速度Aとの間に所定量以上の差が存在する場合には、電子制御ユニット60は、ステップST11でNOと判定し、ステップST15で目標油圧Ptを補正する。ここでは、電子制御ユニット60は、実際の減速度Aが目標減速度Atよりも大きい場合には目標油圧Ptを減少させ、実際の減速度Aが目標減速度Atよりも小さい場合には目標油圧Ptを増加させる。次に、ステップST16において、電子制御ユニット60は、ブレーキアクチュエータ34を制御することによって、ステップST15で補正した目標油圧Ptと略同じ制動油圧が各ブレーキ装置32a〜32dに印加されるように制動油圧を調整する。次に、ステップST17において、電子制御ユニット60は、車速センサ65の検出値に基づいて電気自動車1の実際の減速度Aを算出する。次に、ステップST18において、電子制御ユニット60は、目標減速度Atと実際の減速度Aが略一致しているか否かを判定する。電子制御ユニット60は、目標減速度Atと実際の減速度Aが略一致するまで、ステップST15〜ST18を繰り返し実行し、制動制御中の制動油圧(すなわち、各ブレーキパッドに加える荷重)をフィードバック制御する。目標減速度Atと実際の減速度Aが略一致すると、電子制御ユニット60は、ステップST18でYESと判定し、制動油圧をそのまま維持しながら制動制御を継続する。
以上に説明したように、実施形態の電気自動車1では、制動制御の開始前に各ブレーキパッドの温度推定値Teが算出され、温度推定値Teに基づいて制動制御の開始時(すなわち、ステップST9)の制動油圧が制御される。したがって、制動制御の開始直後から目標減速度Atに近い減速度で電気自動車1を減速させることができる。例えば、図3は、回生制御から制動制御に切り替わる場合の各値の変化を示している。図3では、タイミングt1においてアクセルオフ操作が行われ、タイミングt1以降に回生制御が実行される。このため、タイミングt1以降にバッテリ23の蓄電割合SOCが上昇し、タイミングt2においてバッテリ23が満充電状態となっている。このため、タイミングt2以降に、制動制御が実行される。図3の車速のグラフにおいて、実線X1は図2の制動制御を行った場合を示しており、破線X2、X3は従来の制動制御を行った場合を示している。従来の制動制御では、制動制御の開始時にブレーキパッドの温度を考慮せずに制動油圧を印加するので、制動制御の開始時の減速度が回生制御中の減速度とは大きく異なる場合がある。例えば、ブレーキパッドの温度が高い場合には、グラフX2に示すように、制動制御の開始時の減速度が目標減速度(すなわち、回生制御中の減速度)よりも小さくなる。また、例えば、ブレーキパッドの温度が低い場合には、グラフX3に示すように、制動制御の開始時の減速度が目標減速度よりも大きくなる。グラフX2、X3のいずれの場合でも、制動制御を開始してから所定時間が経過したときに、フィードバック制御によって減速度は目標減速度(すなわち、回生制御中の減速度)と略一致するように修正される。しかしながら、グラフX2、X3では、制動制御の開始時(タイミングt2)において減速度が変化するため、運転者に違和感を与える。これに対し、実施形態の制動制御では、グラフX1に示すように、制動制御の開始直後から減速度を目標減速度に近い値に制御することができるので、制動制御の開始時(タイミングt2)において減速度がほとんど変化しない。このため、運転者に与える違和感を抑制することができる。なお、図3では、回生制御から制動制御に切り換える場合を示しているが、回生制御を行っていない状態から制動制御を開始する場合においても、実施形態の制動制御によれば、制動制御の開始時における減速度を正確に制御でき、運転者に与える違和感を抑制することができる。
また、図2のステップST6において各ブレーキパッドの温度推定値Teが第1判定温度T1よりも高い場合には、電子制御ユニット60は、ステップST12を実行する。ステップST12では、電子制御ユニット60は、各ブレーキパッドの温度が高くなっており、ブレーキが効き難い状態にあることを、警告発信装置67によって運転者に対して警告する。上述したように、制動制御はブレーキペダル51が踏み込まれていない状態で実行されるので、運転者はブレーキパッドが温度上昇してブレーキの効きが悪くなっていることに気が付かないおそれがある。ステップST12で運転者に対して警告を行うことで、運転者にブレーキの効きが悪くなっていることを通知できる。次に、ステップST13において、電子制御ユニット60は、各ブレーキパッドの温度推定値Teが第2判定温度T2以上である否かを判定する。第2判定温度T2は、第1判定温度T1よりも高い温度である。各ブレーキパッドの温度推定値Teが第2判定温度T2よりも低い場合には、電子制御ユニット60は、ステップST13でNOと判定し、ステップST7以降の処理を実行する。すなわち、この場合には、電子制御ユニット60は、運転者に対して警告を行った後に、制動制御を実行する。他方、各ブレーキパッドの温度推定値Teが第2判定温度T2以上である場合には、電子制御ユニット60は、ステップST13でYESと判定し、ステップST14を実行する。ステップST14では、電子制御ユニット60は、制動制御を中止することを警告発信装置67によって運転者に対して警告する。そして、ステップST3において、制動制御を行わないとしてそのままリターンする。このように、各ブレーキパッドの温度推定値Teが第2判定温度T2以上である場合には、電子制御ユニット60は、制動制御を行わないことで、各ブレーキパッドの温度を低下させる。
このように、電子制御ユニット60は、ブレーキパッドの温度推定値TeがT1<Te<T2となる温度まで上昇した段階では、運転者に対して警告を行いつつ、制動制御を実行する。また、電子制御ユニット60は、ブレーキパッドの温度推定値TeがT2≦Teとなる温度まで上昇した段階では、制動制御を実行しない。このため、温度推定値Teが徐々に上昇している状態では、まず、運転者に対してブレーキパッドの温度上昇の警告が行われるとともに制動制御が実行される。その後さらに温度推定値Teが上昇すると、制動制御が実行されなくなる。このように、運転者に対して事前に警告をした後に、制動制御が実行されなくなる。
なお、上記の実施形態では、バッテリ23が満充電状態である場合のアクセルオフ操作時に制動制御を行った。しかしながら、バッテリ23の蓄電割合SOCが満充電状態よりも所定量低い値(例えばSOC90%)以上である状況でのアクセルオフ操作時に制動制御を行ってもよい。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
1 :電気自動車
21 :モータジェネレータ
22 :インバータ
23 :バッテリ
24 :昇圧コンバータ
31 :ハイドロブースタ
32a〜32d :ブレーキ装置
34 :ブレーキアクチュエータ
35 :油圧回路
41a〜41d :車輪
51 :ブレーキペダル
52 :シフトレバー
53 :アクセルペダル
60 :電子制御ユニット
21 :モータジェネレータ
22 :インバータ
23 :バッテリ
24 :昇圧コンバータ
31 :ハイドロブースタ
32a〜32d :ブレーキ装置
34 :ブレーキアクチュエータ
35 :油圧回路
41a〜41d :車輪
51 :ブレーキペダル
52 :シフトレバー
53 :アクセルペダル
60 :電子制御ユニット
Claims (1)
- 電動車両であって、
バッテリと、
前記バッテリからの電力供給を受けて走行駆動力を発生させる発電電動機と、
ブレーキパッドと、
前記発電電動機と前記ブレーキパッドを制御する制御装置、
を有し、
前記発電電動機が、アクセルオフ操作が行われたときに前記バッテリを充電する回生動作を実行するように構成されており、
前記制御装置は、前記バッテリの蓄電量が基準値以上の状態で前記アクセルオフ操作が行われたときに、前記発電電動機に前記回生動作を実行させないで前記ブレーキパッドによって前記電動車両を減速させる制動制御を実行し、
前記制御装置は、前記制動制御を開始する前に、前記ブレーキパッドの温度推定値を算出し、
前記制御装置は、前記温度推定値が高いほど、前記制動制御の開始時に前記ブレーキパッドに加える荷重を高くする、
電動車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020050162A JP2021146945A (ja) | 2020-03-19 | 2020-03-19 | 電動車両 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020050162A JP2021146945A (ja) | 2020-03-19 | 2020-03-19 | 電動車両 |
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ID=77850634
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2021146945A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023037915A1 (ja) | 2021-09-09 | 2023-03-16 | 株式会社アマダ | レーザ加工方法及びレーザ加工機 |
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2020
- 2020-03-19 JP JP2020050162A patent/JP2021146945A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023037915A1 (ja) | 2021-09-09 | 2023-03-16 | 株式会社アマダ | レーザ加工方法及びレーザ加工機 |
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