JP2019137312A - 車両制御装置 - Google Patents

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楽由 西原
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Abstract

【課題】バッテリ満充電状態でのアクセルオフ操作時に摩擦ブレーキ力を車輪に付与するものに対し、ブレーキ性能の低下を招く状況を運転者に認識させることができる車両制御装置を提供する。【解決手段】バッテリの現在の蓄電割合SOCが略満充電状態であるときの蓄電割合SOCfである場合のアクセルオフ操作時に、予め設定された目標車両減速度が得られるようにブレーキアクチュエータからブレーキホイールシリンダに供給される制動油圧をフィードバック制御する。このフィードバック制御された制動油圧によって得られるべき目標車両減速度と実際の車両減速度との乖離量からブレーキホイールシリンダの過熱状態を判定し、ブレーキホイールシリンダが所定の過熱状態にあると判定された場合に、警告発信部によって運転者に向けて警告を行う。【選択図】図2

Description

本発明は車両制御装置に係る。特に、本発明は、走行駆動力源として発電電動機(以下、EVモータと呼ぶ場合もある)を備え、このEVモータの回生駆動によって二次電池(以下、バッテリと呼ぶ場合もある)の充電を行うようにした車両の制御装置に関する。
従来、電気自動車等のように走行駆動力源としてEVモータを備えた車両にあっては、EVモータとの間で電力の授受を行うバッテリが搭載されており、運転者によるアクセルペダルの踏み込み解除操作(以下、アクセルオフ操作と呼ぶ場合もある)等に伴ってEVモータを回生駆動させることによりバッテリを充電するようにしている(例えば、特許文献1を参照)。この回生駆動により、電力へのエネルギ変換に伴って車両は減速(回生惰行減速)することになる。
ところで、この種の車両にあっては、バッテリが満充電状態にある状況ではEVモータの回生駆動が行えず、この回生駆動に伴う車両の減速も行われなくなる。つまり、回生惰行減速度が減少し、通常の運転状態(バッテリが満充電状態ではなく、アクセルオフ操作に伴って回生惰行減速が行われる状態)とは異なる走行状態となることから、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
この点に鑑み、特許文献2では、バッテリが満充電状態にある状況において、アクセルオフ操作された場合に、エンジンブレーキ相当のブレーキ力(摩擦ブレーキ力)を各車輪に付与するようにブレーキモジュレータを制御するようにしている。また、その際の各ブレーキユニットの温度余裕代をモニタすることで、温度余裕代の大きなブレーキユニットを優先して使用する切り替え制御を行うようにしている。これにより、ブレーキの効き低下を抑制(減速感を確保)することができる。
特開2012−114998号公報 特開2016−94095号公報
しかしながら、前記特許文献2に開示されているバッテリ満充電状態でのブレーキ制御を行う際、車両が長い下り坂を走行している場合にあっては、バッテリからの放電が殆ど無く該バッテリの満充電状態が長時間に亘って継続される可能性があり、その間、ブレーキユニットによる摩擦ブレーキ力が継続して発生されることになる。このような状況では、全てのブレーキユニットの温度が過上昇してしまい、ヴェーパロックやフェードといったブレーキ性能の低下を招く状況に陥ってしまう可能性がある。そして、このバッテリ満充電状態でのブレーキ制御にあっては、運転者はブレーキペダルの踏み込み操作を行っていない場合が想定されるため、ブレーキ性能の低下を招く状況にあることを運転者が認識できていない可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バッテリ満充電状態でのアクセルオフ操作時に摩擦ブレーキ力を車輪に付与するものに対し、ブレーキ性能の低下を招く状況を運転者に認識させることができる車両制御装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、バッテリからの給電を受けて走行駆動力を発生すると共に、アクセルオフ操作時に回生駆動を行う発電電動機と、車輪に摩擦制動力を付与する摩擦ブレーキ手段と、前記バッテリの蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、前記バッテリの蓄電量が所定量以上である場合のアクセルオフ操作時に、前記発電電動機の前記回生駆動を停止すると共に、前記摩擦ブレーキ手段によって前記車輪に摩擦制動力を付与させる摩擦制動制御手段とを備えた車両制御装置を前提とする。そして、この車両制御装置は、前記バッテリの蓄電量が所定量以上である場合のアクセルオフ操作時に、予め設定された目標車両減速度が得られるように前記摩擦ブレーキ手段の制動油圧をフィードバック制御する油圧設定手段と、実際の車両減速度を検出する実減速度検出手段と、前記フィードバック制御された制動油圧によって得られるべき目標車両減速度と実際の車両減速度との比較から前記摩擦ブレーキ手段の過熱状態を判定する判定手段と、前記判定手段により前記摩擦ブレーキ手段が所定の過熱状態にあると判定された場合に警告を行う警告手段とを備えていることを特徴とする。
この特定事項により、バッテリの蓄電量が所定量以上である場合のアクセルオフ操作時にあっては、バッテリへの更なる充電が不能であることから発電電動機の回生駆動を停止する。また、この際、回生惰行減速が行えなくなるので、ブレーキペダルの踏み込み操作が行われていなくても摩擦ブレーキ手段を作動させて車輪に摩擦制動力(摩擦ブレーキ力)を付与させる。これにより、通常の運転状態(バッテリが満充電状態ではなく、アクセルオフ操作に伴って回生惰行減速が行われる状態)と略同様の減速感が得られた走行状態を実現できる。そして、このようにして摩擦ブレーキ手段による減速を行う場合には、予め設定された目標車両減速度が得られるように摩擦ブレーキ手段の制動油圧がフィードバック制御される。また、実際の車両減速度を検出する。摩擦ブレーキ手段が過熱状態となっておらず適正な制動力が得られている場合には、フィードバック制御された制動油圧によって得られるべき目標車両減速度と実際の車両減速度とは略一致することになる。これに対し、摩擦ブレーキ手段が過熱状態となっておりフェード等の発生によって適正な制動力が得られていない場合には、フィードバック制御された制動油圧によって得られるべき目標車両減速度と実際の車両減速度との間に乖離が生じることになる。つまり、フィードバック制御された制動油圧によって得られるべき目標車両減速度に対して実際の車両減速度が小さくなる。そして、この乖離量が所定量に達した場合には、判定手段は、摩擦ブレーキ手段が過熱状態にあると判定し、これに伴って警告手段による警告が行われる。前述したバッテリの蓄電量が所定量以上である場合における摩擦ブレーキ手段による車両減速時にあっては、運転者はブレーキペダルの踏み込み操作を行っていない場合が想定されるが、前記警告手段による警告によって、ブレーキ性能が低下している状況にあることを運転者に認識させることができる。
本発明では、バッテリの蓄電量が所定量以上である場合のアクセルオフ操作時に、摩擦ブレーキ手段の制動油圧をフィードバック制御するものに対し、フィードバック制御された制動油圧によって得られるべき目標車両減速度と実際の車両減速度との比較から摩擦ブレーキ手段の過熱状態を判定し、摩擦ブレーキ手段が所定の過熱状態にあると判定された場合には警告を行うようにしている。これにより、仮に運転者がブレーキペダルの踏み込み操作を行っていない場合であっても、警告手段による警告によって、ブレーキ性能が低下している状況にあることを運転者に認識させることができる。
実施形態に係る電気自動車の概略構成を示す図である。 車両制動制御の手順を説明するためのフローチャート図である。 車両制動制御時におけるアクセル開度、バッテリSOC、車速、ブレーキ油圧、減速度乖離量、警告状態の推移を示すタイミングチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、走行駆動力源としてEVモータを搭載した電気自動車に本発明を適用した場合について説明する。
−電気自動車の概略構成−
図1は、本実施形態に係る電気自動車(以下、単に車両という場合もある)1の概略構成を示す図である。この電気自動車1は、該電気自動車1に走行駆動力を生じさせる駆動系統20と、電気自動車1に摩擦制動力(以下、摩擦ブレーキ力という場合もある)を生じさせる制動系統30とを備えている。
駆動系統20は、EVモータ21、インバータ22、バッテリ23、昇圧コンバータ24を備えている。
EVモータ21は、同期発電電動機で構成され、その出力軸が、駆動輪(車輪)41a,41bにデファレンシャル装置43を介して接続されたプロペラシャフト44に連結されて、動力の入出力が可能となっている。インバータ22は、バッテリ23からの直流電流(昇圧コンバータ24を経た直流電流)を交流電流に変換すると共に、この変換の際の周波数や電流値を調整することでEVモータ21の回転速度を制御する。バッテリ23は例えばリチウムイオン二次電池で構成されている。昇圧コンバータ24は、インバータ22に接続される電力ライン(以下、高電圧系電力ラインという)25とバッテリ23に接続される電力ライン(以下、バッテリ電圧系電力ラインという)26とにそれぞれ接続されて高電圧系電力ライン25の電圧VHをバッテリ電圧系電力ライン26の電圧VL以上かつ最大許容電圧VHmax以下の範囲内で調整すると共に、高電圧系電力ライン25とバッテリ電圧系電力ライン26との間で電力の授受を行う。
制動系統30は、ハイドロブースタ31、ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33b、ブレーキアクチュエータ34を備えている。
ハイドロブースタ31は、運転者によるブレーキペダル51の踏み込み操作に応じて油圧(制動油圧)を発生させる。ブレーキアクチュエータ34は、駆動輪41a,41bおよび従動輪42a,42bにそれぞれ備えられたブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bへの供給油圧(制動油圧)を調整する。ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bは、例えばディスクブレーキ装置で構成されており、前記ブレーキアクチュエータ34から受けた制動油圧に応じて駆動輪41a,41bおよび従動輪42a,42bそれぞれに摩擦制動力(摩擦ブレーキ力)を生じさせる。また、前記ブレーキアクチュエータ34は、運転者によるブレーキペダル51の踏み込み操作に応じた制動油圧を発生させてブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bを作動させるだけでなく、後述する電子制御ユニット60からの制動指令信号を受けることで制動油圧を発生させて、ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bを作動させるようにもなっている。このようにして制動系統30が構成されているため、前記ブレーキアクチュエータ34およびブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33b等によって本発明でいう摩擦ブレーキ手段(車輪に摩擦制動力を付与する摩擦ブレーキ手段)が構成されていることになる。
電気自動車1を制御する電子制御ユニット60は、CPU,ROM,RAM等から成るマイクロコンピュータで構成され、イグニッションスイッチ61、シフトポジションセンサ62、アクセルペダルポジションセンサ63、ブレーキペダルポジションセンサ64、車速センサ65、バッテリ電流センサ66等が接続されている。各種センサの機能は周知であるため、ここでの説明は省略する。
これにより、電子制御ユニット60は、イグニッションスイッチ61からのイグニッション信号、シフトポジションセンサ62によって検出されたシフトポジション(シフトレバー52のポジション情報)、アクセルペダルポジションセンサ63によって検出されたアクセル開度Acc(アクセルペダル53の踏み込み操作量の情報)、ブレーキペダルポジションセンサ64によって検出されたブレーキポジションBP(ブレーキペダル51の踏み込み操作量の情報;ブレーキ踏力の情報)、車速センサ65によって検出された車速の情報、バッテリ電流センサ66によって検出されたバッテリ23の充放電電流値等が入力され、これら情報に基づいて、インバータ22、昇圧コンバータ24、ブレーキアクチュエータ34を制御する。
また、電子制御ユニット60には、後述するバッテリ過熱警告制御を行う際に運転者に警告を行うための警告発信部(警告手段)67が接続されている。この警告発信部67は、車室内のメータパネル上に配設されたMIL(警告灯)や、運転者に向けて鳴動する警告ブザー等で構成されており、運転者に警告を促すためのものである。
また、電子制御ユニット60は、バッテリ23を管理するために、前記バッテリ電流センサ66により検出された充放電電流IBの積算値に基づいてバッテリ23の全容量に対して実際に蓄電されている容量の割合である蓄電割合SOC(バッテリSOC)を演算している。この電子制御ユニット60における蓄電割合SOCを演算する機能部分が本発明でいう蓄電量検出手段(バッテリの蓄電量を検出する蓄電量検出手段)として構成されている。
−電気自動車の基本制御−
前述の如く構成された電気自動車1は、基本的には、電子制御ユニット60によって実行される以下に説明する駆動制御によって走行する。
電子制御ユニット60では、先ず、運転者によってアクセルペダル53が踏み込み操作されたときには、アクセルペダルポジションセンサ63によって検出されたアクセル開度Accと、車速センサ65によって検出された車速Vとに応じてプロペラシャフト44に出力すべき要求トルクTr*を設定し、この設定した要求トルクTr*をEVモータ21から出力すべきトルク指令Tm*として設定する。そして、この設定したトルク指令Tm*と回転数Nmとからなる動作点でEVモータ21を駆動するのに必要な電圧を高電圧系電力ライン25の目標電圧VH*として設定し、前記設定したトルク指令Tm*でEVモータ21が駆動されるようインバータ22のスイッチング素子をスイッチング制御すると共に高電圧系電力ライン25の電圧VHが目標電圧VH*となるよう昇圧コンバータ24のトランジスタをスイッチング制御する。これにより、電気自動車1は、要求トルクTr*により走行することができる。
また、運転者によってブレーキペダル51が踏み込み操作されたときには、電子制御ユニット60により以下に説明するブレーキ制御が実行される。
つまり、電子制御ユニット60は、ブレーキペダルポジションセンサ64によって検出されたブレーキペダル51の踏み込み操作量(ブレーキ踏力)に対して制動系統30により電気自動車1に付与すべき制動力を図示しないマップ(予めROMに記憶されているマップ)から導出し、この導出した制動力が付与されるように、ブレーキアクチュエータ34を制御することにより各ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bへの制動油圧を調節する。これにより、ブレーキ踏力に応じた制動力を車両に付与することができる。
−回生動作−
次に、走行中にアクセルオフ操作(アクセルペダル53の踏み込み解除操作)された場合の回生動作(EVモータ21の回生駆動)について説明する。
先ず、電子制御ユニット60では、バッテリ23の現在の蓄電割合SOCと、バッテリ23が略満充電状態であるときの蓄電割合SOCfとを比較する。現在の蓄電割合SOCが、略満充電状態であるときの蓄電割合SOCf未満であるときには、バッテリ23を充電しても差し支えないと判断して、アクセルオフ操作に伴ってEVモータ21の回生駆動を実行する。この回生駆動によってバッテリ23は充電されることになり、蓄電割合SOCは上昇していく。この回生駆動により、電力へのエネルギ変換に伴って電気自動車1は減速(回生惰行減速)することになる。
なお、このとき、ブレーキペダル51は踏み込まれていないため、電子制御ユニット60は、制動系統30による制動力(摩擦制動力)が駆動輪41a,41bおよび従動輪42a,42bに付与されないよう各ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bの油圧を制御(制動油圧を解除)する。こうした制御により、制動系統30による制動力を用いずにEVモータ21の回生駆動によって車両に制動力を付与することができ、電気自動車1は回生惰行減速する。
バッテリ23の現在の蓄電割合SOCが略満充電状態であるときの蓄電割合SOCfであるときには、これ以上バッテリ23を充電すべきではないと判断して、EVモータ21の回生駆動を実行させず、バッテリ23が充電されるのを抑制する。
この際、EVモータ21の回生駆動が行われないことで、この回生駆動に伴う車両の減速(回生惰行減速)も行われなくなるため、電子制御ユニット60は、ブレーキアクチュエータ34に向けて制動指令信号を出力する。この制動指令信号を受けたブレーキアクチュエータ34は、制動油圧を発生させて、ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bを作動させる。つまり、運転者によるブレーキペダル51の踏み込み操作が行われていなくてもブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bを作動させて駆動輪41a,41bおよび従動輪42a,42bに摩擦制動力を付与させる。これにより、通常の運転状態(バッテリ23が満充電状態ではなく、アクセルオフ操作に伴って回生惰行減速が行われる状態)と略同様の減速感が得られた走行状態を実現できるようになっている。電子制御ユニット60における、この制御動作を行う機能部分が本発明でいう摩擦制動制御手段(バッテリの蓄電量が所定量以上である場合のアクセルオフ操作時に、発電電動機の回生駆動を停止すると共に、摩擦ブレーキ手段によって車輪に摩擦制動力を付与させる摩擦制動制御手段)として構成されている。
−ブレーキ過熱警告制御−
次に、本実施形態において特徴とする制御であるブレーキ過熱警告制御について説明する。
本実施形態に係る電気自動車1にあっては、前述したように、バッテリ23の蓄電割合SOCが略満充電状態であるときの蓄電割合SOCfにある状況において、アクセルオフ操作された場合には、エンジンブレーキ相当の制動力(摩擦ブレーキ力)を駆動輪41a,41bおよび従動輪42a,42bに付与するようにブレーキアクチュエータ34が制御される。
この状況において、従来技術では、電気自動車が長い下り坂を走行している場合、バッテリからの放電が殆ど無く該バッテリの満充電状態が長時間に亘って継続される可能性があり、その間、ブレーキホイールシリンダによる摩擦ブレーキ力が継続して発生されることになる。このような状況では、ブレーキホイールシリンダの温度が過上昇してしまい、ヴェーパロックやフェードといったブレーキ性能の低下を招く状況に陥ってしまう可能性がある。そして、このバッテリが満充電状態にある状況でのアクセルオフ操作時には、運転者はブレーキペダルの踏み込み操作を行っていない場合が想定されるため、ブレーキ性能の低下を招く状況にあることを運転者が認識できていない可能性があった。
本実施形態は、この点に鑑み、バッテリ満充電状態(蓄電割合SOCが略満充電状態であるときの蓄電割合SOCfにある状況)でのアクセルオフ操作時に摩擦ブレーキ力を車輪(駆動輪41a,41bおよび従動輪42a,42b)に付与するものに対し、ブレーキ性能の低下を招く状況を運転者に認識させることができるようにしたものである。具体的には、バッテリ23の現在の蓄電割合SOCが略満充電状態であるときの蓄電割合SOCfである場合のアクセルオフ操作時に、予め設定された目標車両減速度が得られるようにブレーキアクチュエータ34からブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bに供給される油圧(制動油圧)をフィードバック制御しておき、このフィードバック制御された制動油圧によって得られるべき目標車両減速度と実際の車両減速度との比較から前記ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bの過熱状態を判定し、ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bが所定の過熱状態にあると判定された場合に、前記警告発信部67によって運転者に向けて警告を行うようにしている。
このようなブレーキ過熱警告制御の動作は、前記電子制御ユニット60によって行われる。このため、電子制御ユニット60において、バッテリ23の現在の蓄電割合SOCが略満充電状態であるときの蓄電割合SOCfである場合のアクセルオフ操作時に、予め設定された目標車両減速度が得られるようにブレーキアクチュエータ34からブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bに供給される制動油圧をフィードバック制御する機能部分が本発明でいう油圧設定手段(バッテリの蓄電量が所定量以上である場合のアクセルオフ操作時に、予め設定された目標車両減速度が得られるように摩擦ブレーキ手段の制動油圧をフィードバック制御する油圧設定手段)として構成されている。また、電子制御ユニット60において、実際の車両減速度を検出する機能部分が本発明でいう実減速度検出手段として構成されている。また、電子制御ユニット60において、フィードバック制御された制動油圧によって得られるべき目標車両減速度と実際の車両減速度との比較からブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bの過熱状態を判定する機能部分が本発明でいう判定手段(フィードバック制御された制動油圧によって得られるべき目標車両減速度と実際の車両減速度との比較から摩擦ブレーキ手段の過熱状態を判定する判定手段)として構成されている。
このようにして、前記EVモータ(発電電動機)21、ブレーキアクチュエータ34およびブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33b(摩擦ブレーキ手段)、電子制御ユニット60においてバッテリ23の現在の蓄電割合SOCを検出するための機能部分(蓄電量検出手段)、電子制御ユニット60においてブレーキアクチュエータ34に制動油圧を生じさせる機能部分(摩擦制動制御手段)、前記油圧設定手段、前記実減速度検出手段、前記判定手段、前記警告発信部(警告手段)67等によって本発明に係る車両制御装置が構成されている。
次に、ブレーキ過熱警告制御を含む車両の制動制御の手順について図2のフローチャートに沿って説明する。このフローチャートは、電気自動車(車両)1の走行中において、所定時間毎に繰り返して実行される。
先ず、ステップST1において、車両の状態を検出する。具体的には、制動系統30が正常に作動する状況にあるか否か、バッテリ23が略満充電状態にあるか否か、アクセルオフ操作が行われたか否か等の検出を行う。制動系統30が正常に作動する状況にあるか否かの判定は、例えば過去の制動制御において制動油圧が正常の範囲内で推移しているか否かによって判定される。また、バッテリ23が略満充電状態にあるか否かは、前述したように、バッテリ電流センサ66によって検出されたバッテリ23の充放電電流値から算出される蓄電割合SOCに基づいて判定される。アクセルオフ操作が行われたか否かは、アクセルペダルポジションセンサ63によって検出されているアクセル開度Accに基づいて判定される。
その後、ステップST2に移り、制動制御の実行条件が成立しているか否かを判定する。この制動制御の実行条件としては、例えば車速が所定値以上であること、バッテリ23が略満充電状態にあること、および、アクセルオフ操作が行われたこと等が挙げられる。
制動制御の実行条件が成立しておらず、ステップST2でNO判定された場合には、ステップST3に移り、制動制御の必要はないとして、そのままリターンされる。
一方、制動制御の実行条件が成立しており、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST4に移り、目標車両減速度を演算すると共に、この目標車両減速度を得るための目標油圧を演算する。目標車両減速度は、例えば車速とアクセルオフ操作時の目標車両減速度との関係を予め規定したマップから、現在の車速に応じた車両減速度として読み出される。また、この目標車両減速度は車速に関わりなく一律に設定されたものであってもよい。そして、前記ROMには、目標車両減速度と目標油圧(目標車両減速度を得るために目標とする制動油圧)との関係を予め規定したマップが記憶されており、このマップから目標油圧が読み出される。また、目標車両減速度から目標油圧を算出する演算式が記憶されており、この演算式から目標油圧が演算されるようになっていてもよい。
このようにして目標油圧が演算された後、ステップST5に移り、この目標油圧を得るための制動指令信号が電子制御ユニット60からブレーキアクチュエータ34に送信され、該ブレーキアクチュエータ34の作動によってブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bに制動油圧が供給される(油圧印加実行)。このようにして制動油圧が供給されることで、電気自動車1は制動を開始する。
ステップST6では、実際の車両減速度(実車両減速度)を算出する。この実車両減速度の算出手法としては、前記車速センサ65によって検出されている車速の単位時間当たりの低下量を算出するものであってもよいし、図示しないGセンサによって加速度(負の加速度)を検出するものであってもよい。
その後、ステップST7に移り、前記ステップST6で算出した実車両減速度と、前記ステップST4で演算された目標油圧によって得られるべき目標車両減速度とを比較する。
そして、実車両減速度と目標車両減速度とが一致している場合には、ステップST7でYES判定されてステップST11に移る一方、実車両減速度と目標車両減速度とが一致していない場合には、ステップST7でNO判定されてステップST8に移る。
ステップST8では、前記目標車両減速度から前記実車両減速度を減算した値である減速度乖離量が、予め設定された閾値A以下であるか否かを判定する。この閾値Aは実験またはシミュレーションに基づいて設定されている。具体的には、前記減速度乖離量が閾値Aを超えた場合にはブレーキにフェードが発生してブレーキ性能が低下していることになるよう前記閾値Aは設定されている。
減速度乖離量が閾値A以下であり、ステップST8でYES判定された場合には、ステップST9に移り、前記目標車両減速度が得られるように目標油圧の補正を行う。つまり、減速度乖離量が正の値である場合(実車両減速度が目標車両減速度よりも小さい場合)には、目標油圧を所定量だけ高くする補正を行い、逆に、減速度乖離量が負の値である場合(実車両減速度が目標車両減速度よりも大きい場合)には、目標油圧を所定量だけ低くする補正を行う。この動作は、ブレーキパッドの摩擦係数のバラツキに応じた制動油圧の補正動作である。
このような目標油圧の補正を行った後、ステップST5に戻り、前述したようにブレーキアクチュエータ34が作動されてブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bに制動油圧(補正後の目標油圧)が供給される。このようにして、制動油圧のフィードバック制御が行われていく。
一方、減速度乖離量が閾値Aを超えており、ステップST8でNO判定された場合には、ステップST10に移り、前記警告発信部67に向けて電子制御ユニット60から警告指令信号が送信され、警告発信部67が作動する。つまり、実車両減速度が十分に得られておらず、その原因としてブレーキ性能が低下している状況にあることを運転者に認識させるべく、車室内のメータパネル上に配設されたMILが点灯されたり、警告ブザーが鳴動する。これによって、ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bが過熱状態にあり、ブレーキ性能が低下している状況にあることを運転者に認識させる。
ステップST7の判定で実車両減速度と目標車両減速度とが一致している場合には、ステップST11において、前記制動制御の開始初期時における車両減速度と目標油圧(制動制御の開始初期時に実行された制動油圧)との関係を記憶する。つまり、制動制御の開始初期時におけるブレーキパッドの摩擦係数に対応する値として、車両減速度と目標油圧との関係を記憶する。そして、この関係を基準として制御継続中のブレーキ効き低下を判定することになる。また、ここではブレーキ効き低下の判定の閾値としてBを設定しておく。
ステップST12では、前記ステップST1と同様に、車両の状態を検出する。また、ステップST13では、前記ステップST2と同様に、制動制御の実行条件が成立しているか否かを判定する。ここでも、制動制御の実行条件が成立していない場合には、ステップST3に移り、制動制御の必要はないとして、そのままリターンされる。
また、ステップST14では、前記ステップST4,ST5,ST6と同様に、目標車両減速度の演算、目標油圧の演算、油圧印加実行、実車両減速度の算出を行う。
そして、ステップST15では、実車両減速度と目標油圧によって得られるべき目標車両減速度とを比較することで、運転者に警告を促すべきか否かを判定し、前記減速度乖離量が前記各閾値A,Bに基づいて決定された値(閾値A,Bをパラメータとする演算式またはマップによって決定された値)を超えている場合にはステップST10に移って、警告発信部67による警告動作を実行する。
図3は、前記車両制動制御時におけるアクセル開度、バッテリSOC(蓄電割合SOC)、車速、ブレーキ油圧(制動油圧)、減速度乖離量、警告状態の推移を示すタイミングチャート図である。このタイミングチャート図は、減速度乖離量が閾値Aを超えたことで警告発信部67による警告動作が実行された場合を表している。
先ず、アクセルペダル53が踏み込み操作されている走行状態から、タイミングt1においてアクセルオフ操作され、アクセル開度が零になる。この際、バッテリSOCは未だ満充電状態にはなく、ブレーキ油圧も零となっている。
アクセルオフ操作されたことで、EVモータ21の回生駆動が開始され、バッテリSOCは徐々に上昇していく。この際、回生惰行減速が行われるため、車速は徐々に低下していく。
そして、タイミングt2において、バッテリ23が満充電状態になると、回生惰行減速が行われなくなるため、摩擦ブレーキ力を生じさせるべく、ブレーキ油圧を発生させる(図2のフローチャートにおいてステップST2でYES判定され、ステップST4で目標油圧が演算され、ステップST5で制動油圧が印加された状態)。このブレーキ油圧は、フィードバック制御されるため、ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bの温度上昇に伴って上昇するように補正されていく。つまり、ブレーキパッドの摩擦係数の低下に伴い、目標車両減速度を得るべくブレーキ油圧(目標油圧)が前述したフィードバック制御によって徐々に上昇していく。図3では、タイミングt3の時点からブレーキ油圧の上昇が開始している(図2のフローチャートにおいてステップST9で目標油圧が補正されていく状態)。
このブレーキ油圧の上昇に伴い、前記減速度乖離量が発生し、フィードバック制御に伴うブレーキ油圧の上昇に伴って減速度乖離量が大きくなっていく。そして、この減速度乖離量が閾値Aを超えた時点(タイミングt4)で警告発信部67による警告動作が実行される(図2のフローチャートにおいてステップST8でNO判定され、ステップST10で警告発信部67による警告が行われた状態)。この時点で、運転者は、ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bが過熱状態となっており、ブレーキ性能が低下している状況にあることを認識することになる。
以上説明したように、本実施形態では、前記減速度乖離量(目標車両減速度から実車両減速度を減算した値)が所定量に達した場合には、ブレーキホイールシリンダ32a,32b,33a,33bが過熱状態にあると判定し、これに伴って警告発信部67による警告動作を行うようにしている。このため、ブレーキ性能が低下している状況にあることを運転者に認識させることができる。
−他の実施形態−
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態では、走行駆動力源としてEVモータ21のみを搭載した電気自動車1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、走行駆動力源としてEVモータおよび内燃機関を搭載したハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車に対しても適用することが可能である。
また、前記実施形態では、4つの車輪のうち一対の車輪のみを駆動輪41a,41bとする電気自動車1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、全ての車輪が駆動輪とされた電気自動車(四輪駆動車)に対しても適用することが可能である。
また、前記実施形態では、バッテリ23が満充電状態である場合のアクセルオフ操作時に、制動油圧のフィードバック制御による車両制動制御を行うものとしていた。本発明はこれに限らず、バッテリ23の蓄電割合SOCが満充電状態よりも所定量低い値(例えばSOC90%)以上である状況でのアクセルオフ操作時に、制動油圧のフィードバック制御による車両制動制御を行うものとしてもよい。
本発明は、EVモータの回生駆動によってバッテリの充電を行う電気自動車の制動制御に適用可能である。
1 電気自動車(車両)
20 駆動系統
21 EVモータ(発電電動機)
23 バッテリ
30 制動系統
32a,32b,33a,33b ブレーキホイールシリンダ
34 ブレーキアクチュエータ
41a,41b 駆動輪(車輪)
42a,42b 従動輪(車輪)
53 アクセルペダル
60 電子制御ユニット
63 アクセルペダルポジションセンサ
65 車速センサ
66 バッテリ電流センサ
67 警告発信部(警告手段)

Claims (1)

  1. バッテリからの給電を受けて走行駆動力を発生すると共に、アクセルオフ操作時に回生駆動を行う発電電動機と、
    車輪に摩擦制動力を付与する摩擦ブレーキ手段と、
    前記バッテリの蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、
    前記バッテリの蓄電量が所定量以上である場合のアクセルオフ操作時に、前記発電電動機の前記回生駆動を停止すると共に、前記摩擦ブレーキ手段によって前記車輪に摩擦制動力を付与させる摩擦制動制御手段とを備えた車両制御装置において、
    前記バッテリの蓄電量が所定量以上である場合のアクセルオフ操作時に、予め設定された目標車両減速度が得られるように前記摩擦ブレーキ手段の制動油圧をフィードバック制御する油圧設定手段と、
    実際の車両減速度を検出する実減速度検出手段と、
    前記フィードバック制御された制動油圧によって得られるべき目標車両減速度と実際の車両減速度との比較から前記摩擦ブレーキ手段の過熱状態を判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記摩擦ブレーキ手段が所定の過熱状態にあると判定された場合に警告を行う警告手段と、
    を備えていることを特徴とする車両制御装置。
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