JP2021146705A - 成形部品の製造方法 - Google Patents

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【課題】本発明は、成形部品の反りやバラツキを抑制することができる成形部品の製造方法の提供を目的とした。【解決手段】本発明の成形部品の製造方法は、射出成形装置10を用いたものであって、射出成形装置10が、金型12と、成形部品Wを金型12から離間させる押出装置40と、を備え、成形部品Wが金型12に保持されている保持時間T1が所定時間となることを条件として、押出装置40が成形部品Wを金型12から離間させる押出工程を含むことを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、成形部品の製造方法に関する。
近年、軽量化や燃費改善の観点から、フェンダやバックドア等の自動車用外板の樹脂化が行われている。また、自動車用外板などを樹脂化する場合、強度の要求を満たすために、ガラス繊維(GF)を含むFRP等からなる樹脂成形品が提供されている。このようなGFを含む樹脂成形品の射出成形の技術として、下記特許文献1には、成形部品の反りを抑制する技術が開示されている。
特開平11−342517号公報
ここで、ガラス繊維を含む樹脂成形品の射出成形は、収縮差や配向の影響等により、反りが発生し易いといった問題があった。特に、自動車用外板の射出成形では、部品が大型化するため、収縮差や配向の影響が顕著となる。
しかしながら、上記の技術では自動車用外板などにおいて、反りやバラツキを十分に抑制することが困難であり、結局のところ、トライアンドエラーによって成形条件等を調整し反り対策をしているといった実情があった。また、成形条件を出した後に、同条件で成形しているにもかかわらず反りやバラツキが生じることがあり、反りやバラツキを抑制するための対策が求められていた。
そこで本発明は、成形部品の反りやバラツキを抑制することができる成形部品の製造方法の提供を目的とした。
上述の課題について、本発明の発明者らは先ず同条件で成形しているにも関わらず反りやバラツキが発生する原因を模索した。
そうすると、同条件で成形しているにも関わらず成形部品に反りやバラツキが生じる要因について、本発明者らが鋭意検討したところ、射出成形から次工程への搬送までの時間が関係していることを見いだした。
ここで、バックドアの芯材など自動車用外板の中でも特に大型の部品について、強化繊維を配合した樹脂の射出成形を行おうとする場合、配向の影響や収縮差が顕著となる。また、強化繊維を配合した樹脂で大型部品を射出成形する場合、配向の影響などで収縮が大きい部品と小さい部品との差が顕著に出やすい。
さらに、バックドアの芯材などは、外装部品としての側面に加え、機能部品として用いられることもあり、高い精度が求められることが少なくない。特にバックドアの芯材では、部品の精度低下が車両に対する建て付け精度の不良などの一因となるおそれがある。特に、バックドアの芯材では、外周にはシーラーが施されるため精度が低いと水漏れなどの要因となるおそれがあり、外周には特に高い精度が求められる。
ここで、自動車用部品を射出成形する場合、射出成形装置を工場内のラインに配置し、成形された部品を射出成形機から取出ロボットにより取り出してラインの下流側で検査し、集荷されるといった流れで作業が行われている。また、部品の検査や集荷作業では、人により行われる作業が多い。射出成形装置から取出ロボットにより成形部品を取り出す際、このような人的要因(集荷作業遅れなど)により、取出ロボットが成形部品を取り出すための待機位置まで移動するタイミングにズレが生じ、その結果取出ロボットの移動に関するタイムサイクルが変化することがあった。
より具体的に説明すると、従来の成形部品の製造方法では、成形から取り出しまでの流れにおいて、(1)成形、(2)型開き、(3)取出ロボット待機位置移動(待機位置到達)、(4)成型部品の押し出し許可、(5)成形部品の押し出し、(6)成形部品取り出し(取出ロボットによる成形部品の取り出し)、といった(1)〜(6)までの工程を順次行っていた。すなわち、従来の技術では、(3)取出ロボットが待機位置まで到達した後に、(4)金型から成形部品を押し出す許可(押し出し許可)が制御装置から出され、(5)押し出し許可後に成形部品の押し出しが行われる、といった流れとなっていた。
ここで、異方性を持つ強化繊維(ガラス繊維など)が配合された樹脂を射出成形する場合、製品形状(キャビティ)に樹脂が充填された時、繊維はランダムな方向に配置される。そのため、樹脂が冷え固まる際に収縮する方向が部位によって異なり、通常の樹脂(強化繊維が配合されていない樹脂)の収縮変形とは大きく異なりソリ変形が発生してしまう。
また、このソリ変形の量や方向は製品が冷却される環境によっても大きく変化する。例えば、(1)成形〜(5)押し出しまでの時間が変化すると、金型に成形部品が密着している時間(保持時間)が変化し、外環境変化、または収縮が金型により阻害される時間が変化する。その結果、成形部品のソリ変形の量や方向が大きく変わってしまうという問題がある。
このように、従来では、取出ロボットが待機位置まで移動するのを待ってから成形部品の押し出し許可や押し出しが行われていた。また、取出ロボットが待機位置まで移動するまでの時間は、ラインの下流側で行われる人的作業を伴う工程(検査工程や集荷工程など)によりタイムラグが発生することがあった。具体的には、射出成形の後の工程において、人的要因(集荷作業遅れ等に)に起因してライン上でワークが待ちの状態となり(ワーク満)、検査工程などの前の工程において「ワーク受け渡し待ち」が発生する。さらに、このような人的要素によるワーク待ちは時間制御が困難となる。
さらに、成形部品を製造するライン上に工程ごとのスペースに余裕を持たせることとすれば取出ロボットの移動サイクルの相違を吸収できる可能性があるものの、工場内で各工程に割り当てることができるスペースにも制約がある。
上述のような人的要因によるワーク待ちが発生した結果、成形部品が成形された後に金型から離型させる工程(押出工程)までに時間がかかり、成形部品が必要以上に金型に密着し続ける(金型での保持時間が長くなる)。その結果、設計上の収縮率が得られず成形部品の収縮率が変化し(ソリ変形が変化)、建て付け精度のバラツキの要因となっていた。
具体的に説明すると、射出成形により部品を成形しようとする場合、型開き後の冷却時間を見込んで金型が作られている。そのため、型開き後に必要以上に成形部品が金型に保持され続けると(保持時間が長くなると)、成形部品が金型に抱きついて収縮が阻害され、必要とされる収縮率が得られず、反りやバラツキの要因となっていることが判明した。
このように、本発明の発明者らは、成形後の成形部品が金型に密着している時間サイクルの相違が反りの発生要因となっているとの知見が得られた。また、本発明の発明者らは、次工程までの時間(ワークが金型に保持されている時間)を一定とすれば、各工程でのスペースを増やすことなく、製品の反りやバラツキを抑制することができるとの知見に至った。
上述の知見に基づき提供される本発明の成形部品の製造方法は、射出成形装置を用いた成形部品の製造方法であって、前記射出成形装置が、金型と、前記成形部品を前記金型から離間させる押出装置と、を備え、前記成形部品が前記金型に保持されている保持時間が所定時間となることを条件として、前記押出装置が前記成形部品を前記金型から離間させる押出工程を含むことを特徴とする。
本発明の成形部品の製造方法によれば、成形部品が金型で保持される時間を一定とし、冷却時間の差異に起因する反りやバラツキの発生を抑制することができる。その結果、本発明の成形部品の製造方法によれば、建て付け精度が低い製品の流出防止や廃却頻度の低減、及び建て付け精度を検査頻度の低減に貢献することができる。
一例を挙げて説明すると、本発明の成形部品の製造方法によれば、成形から成形部品の押し出し許可までの時間を制御することにより、取出ロボットの動作(待機位置まで移動したか否か等)にかかわらず、成形部品を一定時間(一定のサイクル)で金型から離型させることができる。すなわち、従来では取出ロボットの移動を待ってから押し出し許可が行われていたのに対し、本発明の成形部品の製造方法では取出ロボットの移動を待たずに先に成形部品を押し出すことができる。これにより、成形部品の押し出しタイミングを一定として(成形から押し出しまでのサイクルを一定とすることで)、人的要因により時間が変化しやすい取出ロボットの移動待ちを回避して、成形部品を離型させることができる。その結果、成形部品のソリ変形のバラツキを抑制することができる。また、成形から成形部品押し出しまでを時間制御する事で、冷却環境の変化を最小限に留めることが出来る。
また、本発明の成形部品の製造方法は、前記押出装置には、前記成形部品を保持する保持部が形成されており、前記押出工程の後、前記保持部により前記成形部品が前記金型から離間した状態で前記保持部に保持されるものであるとよい。
上述の構成によれば、成形部品を離型させた状態で好適に保持することができる。例えば、本発明の成形部品の製造方法によれば、射出成形装置から成形部品を取り出す取出ロボットの移動サイクルに変化が生じた場合など、取出ロボットが成形部品を取り出すことができる位置(待機位置)まで移動するまでの間、成形部品を離型させつつ保持することができる。
上述の課題を解決すべく提供される本発明の射出成形システムは、成形部品を成形する射出成形システムであって、射出成形装置と、前記射出成形装置から前記成形部品を取り出す取出装置と、を有し、前記射出成形装置が、金型と、前記成形部品を前記金型から離間させる押出装置と、を備え、前記成形部品が前記金型に保持されている保持時間が所定時間となることを条件として、前記押出装置が前記成形部品を前記金型から離間させる押出工程と、前記押出工程後に、前記成形部品を前記取出装置から取り出す取出工程と、を行うことを特徴とする。
上述の構成によれば、成形部品を離型させた状態で好適に保持することができる。すなわち、本発明の成形部品の製造方法によれば、射出成形装置から成形部品を取り出す取出ロボットの移動サイクルに変化が生じた場合など、取出ロボットが成形部品を取り出すことができる位置(待機位置)まで移動するまでの間、成形部品を離型させつつ保持することができる。
本発明によれば、成形部品の反りやバラツキを抑制することができる成形部品の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法により製造された成形部品を示す図である。 本発明の製造方法で用いられる射出成形装置を示す模式図である。(a)は成形工程、(b)は型開き工程を示している。 図2の射出成形装置及び射出成形装置を備える射出成形システムを示す模式図である。(a)は取出ロボットが移動する状態、(b)は取出ロボットが待機位置に到達した状態を示している。 図2の射出成形システムを示す模式図である。(a)は押出工程、(b)は取出工程を示している。 図1の製造方法の各工程を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。本発明の成形部品の製造方法(成形部品の製造方法)では、射出成形装置10が用いられる。また、本実施形態では、射出成形装置10を用いた成形部品の製造方法により、成形部品Wが形成される。
また、射出成形装置10は、成形部品Wを搬送する搬送路や検査領域を備える射出成形システムSに設けられている(図3参照)。射出成形システムSには、射出成形装置10から成形部品Wを取り出す取出ロボット50が設けられている。また、射出成形システムSには、図示を省略した搬送路や、検査領域等が設けられている。
以下の説明では、先ず成形部品Wの説明を行った後、射出成形装置10について説明し、そのあと成形部品の製造方法における各工程について説明する。
成形部品Wは、車体を構成する部品である。より具体的には、本実施形態の成形部品Wは、バックドアの芯材である。図1(a)に示すとおり、成形部品Wには、バックドアのガラスが嵌め込まれる部品等、複数の凹凸形状が形成されている。
なお、本実施形態では、成形部品Wとしてバックドアの芯材とした例を示したが、本発明は本実施形態に限定されない。例えば、本発明の成形部品の製造方法により成形される成形部品は、バンパー、インストルメントパネル、各種蓋物部品(フード、ドア等のインナパネルあるいはアウタパネル)等、いかなる部品であってもよい。
成形部品Wは、ペレット状の成形材料を融解した融解樹脂を後述する金型12のキャビティCに注入して成形される。本実施形態の成形材料は、樹脂に繊維(ガラス繊維)が添加されたものである。成形部品Wは、いわゆる繊維強化プラスチックによって成形される。
図1に示すとおり、射出成形装置10は、金型12、及び押出装置40を備えている。また、射出成形装置10には、固定板16、可動板18、及び図示を省略した制御装置が設けられている。
図2(a)に示すとおり、金型12は、固定型20及び可動型30により構成されている。固定型20は固定板16に取り付けられており、可動型30は可動板18に取り付けられている。
可動型30は、固定型20に対して図示を省略した駆動部により移動可能とされている。駆動部は、油圧シリンダや、サーボモータで駆動される電動シリンダ等が用いられる。
なお、以下の説明では、可動型30が移動可能とされている方向(図2の左右方向)を「開閉方向X」と記載して説明する場合がある。また、開閉方向Xのうち、固定型20に対して可動型30が接近する方向を、「型閉め方向X1」と記載して説明し、固定型20に対して可動型30が離間する方向を、「型開き方向X2」と記載して説明する場合がある。
図2(a)に示すとおり、固定型20と可動型30とを型閉めした状態(以下、単に「型閉めした状態」と記載する場合がある)では、成形材料(融解樹脂)が注入されるキャビティCが形成される。また、型閉めした状態で、キャビティCに溶融材料を射出することにより、成形部品Wが成形される。
図2(a)に示すとおり、押出装置40は、可動型30に設けられている。押出装置40は、成形部品Wを押し出して、成形部品Wを可動型30から離間させるために設けられている。また、押出装置40は、可動型30に対して移動可能とされている。押出装置40は、複数の押出ピン44、及び押出板42を備えている。
押出ピン44は、押出板42に連結されており、押出板42が開閉方向Xに移動するのに伴って、押出ピン44は可動型30に対して移動する。また、押出ピン44の先端には、保持ブロック46が設けられている。
保持ブロック46(保持部)は、成形部品Wに接触して可動型30から離間させるとともに、可動型30から離間された成形部品Wを保持可能とされている。図1(a)に示すとおり、保持ブロック46は、成形部品Wの複数の凹凸部分に接触する位置に設けられている。
保持ブロック46は、成形部品Wを可動型30から離間させるように押し出した後、成形部品Wを保持可能な形状とされている。より具体的に説明すると、図1(b)に示すとおり、保持ブロック46は、成形部品Wに形成された凹凸形状に接触して、成形部品Wを下方から支持可能とされている。押出装置40により可動型30から成形部品Wが押し出されると、成形部品Wは複数の保持ブロック46により支持された状態となる。これにより射出成形装置10は、成形部品Wを可動型30から離間させた状態で保持することができる。また、保持ブロック46は、成形部品Wにおいて、収縮率に影響が少ない部分を保持するように配置されている。具体的には、図1(a)に示すとおり、保持ブロック46は、成形部品W(バックドアの芯材)において、特に精度が求められる外周を避けた位置を支持するように設けられている。
制御装置(図示を省略)は、金型12の型開き完了から所定時間経過後に、可動型30に保持されている成形部品Wを押し出す制御を行う。言い方を換えれば、制御装置は、金型12の型開き完了から可動型30に成形部品Wが保持されている時間が所定時間(保持時間T1)となると、可動型30から成形部品Wを押し出す制御を行う。なお、本実施形態では、成形部品Wを押し出すタイミングを制御装置の制御によるものとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の成形部品の製造方法は、検知装置を設けて型開き後の時間を検知するものとしてもよい。また、検知装置(図示を省略)は、固定型20に対して成形部品Wが保持されている保持時間T1を検知するものとしてもよい。より具体的に説明すると、検知装置は、金型12の型開き後の時間を保持時間T1として検知するものであってもよい。
続いて、射出成形システムSに設けられた取出ロボット50について説明する。上述のとおり、射出成形システムSには、成形部品Wを搬送するための搬送路(図示を省略)や、成形部品Wの検査を行うための検査領域(図示を省略)等が設けられている。なお、射出成形システムSでは、射出成形装置10よりも下流側に検査領域が設けられている。
なお、射出成形システムSの搬送路はベルトコンベア等により構成されており、成形部品Wは所定の方向に搬送される。また、検査領域では、取出ロボット50により移動(搬送)された成形部品Wを人の作業による検査が行われる(検査工程)。
取出ロボット50(取出装置)は、射出成形装置10から成形部品Wを取り出すために設けられている。図3に示すとおり、取出ロボット50(取出装置)は、アーム52と、ワーク保持部54とを備えている。ワーク保持部54は、アーム52の先端に設けられている。アーム52は、例えば6軸アーム等の多軸アームで構成されている。ワーク保持部54は、例えば機械的手段により成形部品Wを保持するものが用いられる。なお、本実施形態の取出ロボット50において成形部品Wを保持する手段は、クランプ部により挟持するものに限定されず、嵌合部や係止部などを設けて成形部品Wを保持可能としてもよく、いかなるものであってもよい。
以下、成形部品Wの製造方法における各工程について、図面を参照しつつ説明する。
図5に示すとおり、成形部品Wの製造方法では、射出成形装置10により、成形工程、型開き工程、押し出し許可、押出工程、及び取出工程が行われる。また、射出成形システムSにより、取出ロボット50を移動させる動作として、待機位置への移動開始、待機位置への移動、及び取出動作が行われる。
図2(a)に示すとおり、成形工程では、型閉めされてキャビティCが形成された状態の金型12に成形材料(熔解材料)を注入して、成形部品Wが形成される。
図2(b)に示すとおり、成形工程の後、金型12の型開きが行われる(型開き工程)。型開き工程では、固定型20から可動型30を離反させる。
型開きが行われた状態では、成形部品Wは可動型30に密着して保持された状態となる。すなわち、型開き工程の後、押出工程までの間、成形部品Wは可動型30の冷却により、あるいは外気により冷却されて収縮する。
型開き工程の後、型開きから所定時間経過したことを条件として、成形部品Wの押し出しが許可される。すなわち、型開きから所定時間経過すると(保持時間T1が所定時間となると)、取出ロボット50が待機位置P1に到達したか否かに関わらず、押し出し許可が行われる。
図4(a)に示すとおり、押出許可の後、押出装置40により成形部品Wが可動型30から押し出される。これにより、成形部品Wが可動型30に保持されている時間を一定に保つことができる。
また、上述のとおり、押出装置40には保持ブロック46が設けられており、押出装置40は、成形部品Wを可動型30から押し出した後(離型させた後)、保持ブロック46により成形部品Wを保持する。これにより、取出ロボット50の待機位置への移動が完了していない場合、取出ロボット50の待機位置へ移動するまでの間、成形部品Wを離型させつつ取出ロボット50の移動を待機することができる。さらに、上述のとおり、保持ブロック46は、成形部品Wの収縮率への影響が少ない部分を保持するように設けられている。そのため、成形部品Wの反りやバラツキをより効率的に抑制することができる。
図4(b)に示すとおり、取出ロボット50が待機位置まで移動した後、取出ロボット50により成形部品Wが射出成形装置10から取り出される(取出工程)。
なお、図3(b)に示すとおり、取出ロボット50が何らかの理由で(例えば、検査領域での検査遅れ、集荷遅れなど)、押し出し許可のタイミングまでに待機位置P1に未到達である場合にも、取出ロボット50の到達位置に関わらず押出が許可される。
このように、本発明の成形部品の製造方法によれば、検査工程において人的要素により検査時間が変化し、その結果取出ロボット50が待機位置P1に到達するタイミングが前後しても、成形工程から押出工程までの時間(保持時間T1)を一定とすることができる。
これにより、本発明の成形部品の製造方法では、成形部品Wの成形から離型までのサイクルを一定とすることができる。すなわち、取出ロボット50が待機位置P1に到達したタイミングTMに関わらず、先に成形部品Wを離型させることができる。その結果、本発明の成形部品の製造方法は、成形部品Wが固定型20と接触し続けて収縮率が変化することを抑制することができる。その結果、成形部品Wの反りやバラツキを抑制することができる。
また、本発明の成形部品の製造方法によれば、大型部品について、精度良く製造することができる。
本発明は、射出成形により成形部品を製造する方法として、好適に採用することができる。
10 射出成形装置
12 金型
20 固定型(金型)
30 可動型(金型)
40 押出装置
46 保持ブロック(保持部)
50 取出ロボット
C キャビティ
S 射出成形システム
T1 保持時間
W 成形部品

Claims (2)

  1. 射出成形装置を用いた成形部品の製造方法であって、
    前記射出成形装置が、
    金型と、
    前記成形部品を前記金型から離間させる押出装置と、を備え、
    前記成形部品が前記金型に保持されている保持時間が所定時間となることを条件として、前記押出装置が前記成形部品を前記金型から離間させる押出工程を含むことを特徴とする成形部品の製造方法。
  2. 前記押出装置には、前記成形部品を保持する保持部が形成されており、
    前記押出工程の後、前記保持部により前記成形部品が前記金型から離間した状態で前記保持部に保持されることを特徴とする請求項1に記載の成形部品の製造方法。
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