JP2021146689A - 光造形用樹脂組成物及び光造形物 - Google Patents

光造形用樹脂組成物及び光造形物 Download PDF

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JP2021146689A
JP2021146689A JP2020051083A JP2020051083A JP2021146689A JP 2021146689 A JP2021146689 A JP 2021146689A JP 2020051083 A JP2020051083 A JP 2020051083A JP 2020051083 A JP2020051083 A JP 2020051083A JP 2021146689 A JP2021146689 A JP 2021146689A
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奈緒子 ▲桑▼原
奈緒子 ▲桑▼原
Naoko Kuwabara
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Abstract

【課題】分散液としての貯蔵安定性も良好であり、難燃性に優れ、耐熱性も高く、さらに耐衝撃性も良好な光造形物を製造できる光造形用樹脂組成物、及び難燃性に優れ、耐熱性も高く、さらに耐衝撃性も良好な光造形物を提供。【解決手段】以下の(A)〜(C)成分を含有する光造形用樹脂組成物。(A)成分:ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)成分:光ラジカル重合開始剤(C)成分:グアニジン構造を有する化合物と無機オキソ酸との塩または塩の 縮合物【選択図】なし

Description

本発明は、光造形用樹脂組成物及び光造形物に関する。
光造形用樹脂組成物を用い、光を照射することにより硬化させて、3次元の造形物(光
造形物)を成形する技術は、光造形法として知られている。
光造形用樹脂組成物は、例えばフィルム用途のように異なる性質を持った樹脂で製造さ
れたフィルムを積層させて機能性を上げるといった手法が取れないため、従来の樹脂組成
物より多機能性が求められる傾向がある。近年、光造形用樹脂組成物は数多く提案されて
いるが、難燃性は最も要求されている性質の一つである。
特許文献1は、マクロモノマーとラジカル重合性基を2つ以上有する化合物と、光ラジ
カル重合開始剤とを含む光造形用樹脂組成物について提案している。
特許文献2は、例えば、ウレタンアクリレートを例とするアクリレートモノマーと光ラ
ジカル重合開始剤とトリス(トリブロモフェニル)ホスフェートを例とするリン酸エステ
ル系の難燃剤を含む光造形用樹脂組成物について提案している。
国際公開第2018/020732号パンフレット 特開2007−262401号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光造形用樹脂組成物から得られる光造形物は、難燃
性が不充分である。また、特許文献2に記載の光造形用樹脂組成物において、実際にリン
酸エステル系の難燃剤を含有した例は記載されていない。
通常、樹脂組成物に難燃剤を含有した場合に、難燃性を向上できるかは樹脂種と難燃剤
の適正に左右される。また、樹脂組成物に難燃剤を含有することにより、樹脂自体の特性
や分散液としての貯蔵安定性(液中の分散性)が悪化してしまう。
当該課題を鑑み、本発明は、分散液としての貯蔵安定性も良好であり、難燃性に優れ、
耐熱性も高く、さらに耐衝撃性も良好な光造形物を製造できる光造形用樹脂組成物、及び
難燃性に優れ、耐熱性も高く、さらに耐衝撃性も良好な光造形物を提供することを目的と
している。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、(A)成分としてウレタン(メタ)アクリレート
化合物、(B)成分として光ラジカル重合開始剤、(C)成分としてグアニジン構造を有
する化合物と無機オキソ酸との塩または塩の縮合物を含有する光造形用樹脂組成物が、上
記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は以下の[1]〜[8]を提供する。
[1] 以下の(A)〜(C)成分を含有する光造形用樹脂組成物。
(A)成分:ウレタン(メタ)アクリレート化合物
(B)成分:光ラジカル重合開始剤
(C)成分:グアニジン構造を有する化合物と無機オキソ酸との塩または塩の 縮合物
[2] 前記(A)成分が、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(
メタ)アクリレート化合物である、[1]に記載の光造形用樹脂組成物。
[3] 前記(C)成分が、リン系化合物である[1]または[2]に記載の光造形用樹脂組成
物。
[4] 前記(C)成分が、ハロゲン基を有さない化合物である[1]〜[3]のいずれか一項
に記載の光造形用樹脂組成物。
[5] 前記(C)成分の粒径が、300 μm以下である[1]〜[4]のいずれか一項に記
載の光造形用樹脂組成物。
[6] さらに、(D)成分として単官能アクリレートを含有する[1]〜[5]のいずれか一
項に記載の光造形用樹脂組成物。
[7] 前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分と(D)成分の合計100質量部に対
して0.01〜5質量部である[1]〜[6]のいずれか一項に記載の光造形用樹脂組成物。
[8] 前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分と(D)成分の合計100質量部に対
して10〜80質量部である[1]〜[7]のいずれか一項に記載の光造形用樹脂組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれか一項に記載の光造形用樹脂組成物からなる、光造形物。
本発明の光造形用樹脂組成物によれば、分散液としての貯蔵安定性も良好であり、難燃
性に優れ、耐熱性も高く、さらに耐衝撃性も良好な光造形物を製造できる。
また、本発明の光造形物は、難燃性に優れ、耐熱性も高く、さらに耐衝撃性も良好とな
る。
<本発明が効果を奏する理由>
本発明が効果を奏する理由については、未だ明らかでないが、以下のように推察される
。つまり、本発明の光造形用樹脂組成物は、難燃剤が組成物中での分散性が高い特定の化
合物であるために均一に分散され、分散液としての貯蔵安定性が良好となる、また、その
ような光造形用樹脂組成物を光造形物とすると、難燃剤が造形物全体に均一に存在するこ
とにより、難燃性に優れ、耐熱性も高く、さらに耐衝撃性も良好な光造形物となると推察
される。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレー
トの総称である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸とメタクリル酸の総
称である。
≪光造形用樹脂組成物≫
本発明の光造形用樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)(以下、
「(A)成分」ともいう。)と、光ラジカル重合開始剤(B)(以下、「(B)成分」と
もいう。)と、グアニジン構造を有する化合物と無機オキソ酸との塩または塩の縮合物(
C)(以下、「(C)成分」ともいう。)とを含有する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸又はメタクリル酸」
、「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基又はメタクリロイル基」、「(メタ)
アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」、「(メタ)アクリルアミド」は「
アクリルアミド又はメタクリルアミド」をそれぞれ意味する。また、本明細書における「
ラジカル重合成分」とは、光造形用樹脂組成物中にある後述のウレタン(メタ)アクリレ
ート化合物(A)と任意成分である単官能アクリレート(D)(以下、「(D)成分」と
もいう。)とを併せた成分を意味する。
<(A)成分>
本発明の(A)成分は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物であり、ウレタン(メタ
)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基と、ウレタン結合とを有する化合物で
あれば、特に限定されないが、例えば、分子内に平均で1〜7個の(メタ)アクリロイル
基と、少なくとも2つのウレタン結合とを有する化合物が挙げられる。
これらのウレタン(メタ)アクリレート化合物の中でも、硬化後の架橋度が上がること
により耐熱性が良好となるため、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するウレ
タン(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。また、硬化後の架橋度が適度に
なり、耐衝撃性が良好となるため、5つ以下の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン
(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、4つ以下の(メタ)アクリロイル基
を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。さらに、水素
結合により硬化物の耐衝撃性が良好となるため、少なくとも3つのウレタン結合を有する
ウレタン(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。また、樹脂組成物の粘度が
適度となり取り扱いやすくなることから、20個以下のウレタン結合を有するウレタン(
メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、16個以下のウレタン結合を有するウ
レタン(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。
より具体的には、(A)成分は、分子内に少なくとも1個以上のアミド基、及び2個以
上のNCO反応性ヒドロキシル基を有するアミドヒドロキシ化合物(a1)(以下、「(
a1)成分」ともいう)と、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、及びポリカ
ーボネートジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のジオール(a2)(以下、
「(a2)成分」ともいう)と、有機ジイソシアネート化合物(a3)(以下、「(a3
)成分」ともいう)と、ヒドロキシル基含有アクリル酸エステル(a4)(以下、「(a
4)成分」ともいう)との付加反応により合成することができる。
(a1)成分は、環状ヒドロキシカルボン酸エステルとアンモニア、又は少なくとも1
個の第一級もしくは第二級アミノ窒素を含む化合物との反応生成物である。これらの中で
も、環状ヒドロキシカルボン酸エステルと少なくとも1個の第一級又は第二級アミノ窒素
を含む化合物との反応生成物が好ましく、環状ヒドロキシカルボン酸エステルと少なくと
も1個の第二級アミノ窒素を含む化合物との反応生成物が特に好ましい。
環状ヒドロキシカルボン酸エステルの具体例としては、例えばγ−ブチロラクトン、γ
−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンが挙げられ、これらは単独
で又は2種以上を混合して用いることができるが、これらの中でも、γ−ブチロラクトン
、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンが好ましく、γ−ブチロラクトン、γ−バレ
ロラクトンが特に好ましい。
少なくとも1個の第一級アミノ窒素を含む化合物の具体例としては、例えば、エタノー
ルアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジ
オール、6−アミノ−1−ヘキサノール、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノシク
ロヘキサン、1,10−ジアミノデカン等が挙げられる。これらの中でも、エタノールア
ミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、6−アミノ−1−ヘキサノール、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノシクロヘ
キサンが好ましく、エタノールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−
エチル−1,3−プロパンジオール、6−アミノ−1−ヘキサノール、1,4−ジアミノブ
タンがより好ましく、エタノールアミン、2−アミノ−1−ブタノールがさらに好ましく
、エタノールアミンが特に好ましい。
少なくとも1個の第二級アミノ窒素を含む化合物の具体例としては、例えばジエタノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエ
タノールアミン等が挙げられる。これらの中でもジエタノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミンが特に好ましい。
これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
環状ヒドロキシカルボン酸エステルと少なくとも1個の第一級又は第二級アミノ窒素を
含む化合物との反応は、当モル量の両者を混合し、約80〜100℃で8〜24時間加熱
することにより行われる。
このようにして得られる(a1)成分の中でも、4−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキ
シエチル)−N−メチルブタナミドが特に好ましい。
(a2)成分は、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、及びポリカーボネー
トジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のジオールである。
このようなポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、及びポリカーボネートジオ
ールとしては、種々市販されているものが適用でき、その具体例としては、以下のとおり
である。
ポリエーテルジオールとしては、例えばポリエチレングリコール(繰り返し単位数:6
〜20)、ポリプロピレングリコール(繰り返し単位数:6〜20)、ポリブチレングリ
コール(繰り返し単位数:6〜20)、1−メチルブチレングリコール(繰り返し単位数
:6〜20)等が挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、ポリカプロラクトンジオール、アルキレン(炭素数2
〜10)ジオールのカプロラクトン付加(繰り返し単位数:2〜10)ジオール、フタル
酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステルジオール、マレイン酸とアルキレン
ジオールから誘導されたポリエステルジオール、フマル酸とアルキレンジオールから誘導
されたポリエステルジオール等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては、ポリカーボネートジオール(炭素数4〜6の脂肪
族骨格)等が挙げられる。これらの中でも、硬化物の耐衝撃性の観点から、ポリエチレン
グリコール(繰り返し単位数:6〜20)、ポリプロピレングリコール(繰り返し単位数
:6〜20)、ポリブチレングリコール(繰り返し単位数:6〜20)、ポリカプロラク
トンジオール、アルキレン(炭素数2〜10)ジオールのカプロラクトン付加(繰り返し
単位数:2〜10)ジオール、フタル酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステ
ルジオール、ポリカーボネートジオール(炭素数4〜6の脂肪族骨格)が好ましく、ポリ
ブチレングリコール(繰り返し単位数:6〜20)、ポリカプロラクトンジオール、アル
キレン(炭素数2〜10)ジオールのカプロラクトン付加(繰り返し単位数:2〜10)
ジオールが特に好ましい。
また、質量平均分子量は、特に限定されないが、硬化物の耐衝撃性の観点から、下限が
300以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましく、500以上で
あることがさらに好ましい。また、樹脂組成物の粘度が適度となり取り扱いやすくなるこ
とから、上限が2000以下のものが好ましく、1500以下のものがより好ましく、1
200以下のものがさらに好ましい。
これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。ジオールを用いるのは
、3官能以上のポリオールであると、製造時に架橋、ゲル化しやすい為である。
(a3)成分である有機ジイソシアネート化合物の具体例としては、例えばイソホロン
ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、ジフェニルメ
タン−4,4−ジイソシアネート、メチレンビス(3−クロロ−4−イソシアナトフェニ
ル)、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、トリス
(4−イソシアナトフェニル)メタン、1,2−キシレンジイソシアネート、1,4−キ
シレンジイソシアネート、1,2−水添キシレンジイソシアネート、1,4−水添キシレ
ンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、硬化物の耐
熱性や耐衝撃性が良好となることから、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタン−4,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイ
ソシアネート、1,2−水添キシレンジイソシアネート、1,4−水添キシレンジイソシ
アネートが好ましく、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−
ジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレン
ジイソシアネート等の脂肪族または脂環族骨格のものがさらに好ましい。
(a4)成分であるヒドロキシル基含有アクリル酸エステルは、分子内に少なくとも1
個の(メタ)アクリレート基、及び少なくとも1個のNCO反応性ヒドロキシル基を有し
、製造したポリウレタン前駆体の末端に付加して、(A)成分にラジカル反応性を付与す
る。
ヒドロキシル基含有アクリル酸エステル(a4)の具体例としては、例えば2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキヘキシル(メタ)アクリレート、
シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、およびこれらのカプロラクトンの付加
物が挙げられる。また、これらの中でも、硬化物の耐熱性や耐衝撃性が良好となることか
ら、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキヘキシル(メタ)
アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキヘキシル(メタ)アクリレ
ートがより好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレートさらに好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して用いる
ことができる。
(A)成分の合成方法としては、例えば、(a1)成分と(a2)成分の総ヒドロキシ
ル基含有当量で0.9モル当量を合成釜内に仕込み、これに加熱・攪拌下で、(a3)成
分2.0モル当量を滴下することで、前駆体のイソシアネート末端ポリウレタンが得られ
る。これに更に(a4)成分1.1〜1.3モル当量分を滴下、加熱付加することにより、
(A)成分が得られる。ここで、モル当量とは、使用化合物のモル数と官能基数を乗じた
数を言う。
本発明において、(A)成分中、(a1)〜(a4)の使用比率は、モル当量で、(a
3):[(a1)+(a2)]:(a4)=2.0:0.5〜4.0:0.5〜4.0であ
り、(a1):(a2)=0.2〜1.0:1.0〜0.2である。
ここでモル当量とは、分子内に少なくとも1個以上のアミド基及び少なくとも2個のN
CO反応性ヒドロキシル基を有するアミドヒドロキシ化合物(a1)、及び、ポリエーテ
ルジオール、ポリエステルジオール、及びポリカーボネートジオールからなる群より選ば
れる少なくとも1種のジオール(a2)の場合は、分子内のヒドロキシル基数と使用モル
数を乗じた数を指す。また、有機ジイソシアネート化合物(a3)の場合は、分子内のN
CO基数と使用モル数を乗じたものを指す。また、分子内に少なくとも1個の(メタ)ア
クリレート基、及び少なくとも1個のNCO反応性ヒドロキシル基を有する(メタ)アク
リル酸のヒドロキシ基含有アルキルエステル(a4)の場合は使用モル数を指す。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(A)成分の含有量は、ラジカル重合成分の総質量に対し、30質量%以上が好ましく
、32質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましい。また、60質量%
以下が好ましく、58質量%以下がより好ましく、55質量%以下がさらに好ましい。(
A)成分の含有量が上記範囲内であると、耐熱性、耐衝撃性及び靱性に優れる。
<(B)成分>
(B)成分は、光ラジカル重合開始剤である。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、以下の化合物が挙げらえれる。
チオキサントン類;ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−
フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンや、2
,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキ
サントン等
アセトフェノン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル
−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−
1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタ
ノン等
ベンゾインエーテル類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等
アシルホスフィンオキサイド類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフ
ィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペン
チルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホス
フィンオキサイド等
その他の化合物;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、
9−フェニルアクリジンなどが挙げられる。
これらの中でも、チオキサントン類、アセトフェノン類、ベンゾインエーテル類、アシ
ルホスフィンオキサイド類が好ましく、チオキサントン類、アセトフェノン類、アシルホ
スフィンオキサイド類がより好ましく、アセトフェノン類、アシルホスフィンオキサイド
類がさらに好ましい。
これら光ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
(B)成分の含有量は、ラジカル重合成分、本発明の(A)成分と(D)成分の合計1
00質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜4質量部がより好ましい
。(B)成分の含有量が上記下限値以上であれば、硬化性に優れる。また、(B)成分の
含有量が上記上限値以下であれば、光造形用樹脂組成物より得られる光造形物の着色性に
優れる。
<(C)成分>
(C)成分は、グアニジン構造を有する化合物と無機オキソ酸との塩または塩の縮合物
である。
グアニジン構造を有する化合物の具体例としては、グアニジン、シアノグアニジン、1
,3−ジアミノグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、スルファグアニジン、1,
3−ジ−o−トリルグアニジン、1−メチルグアニジン、1−アミノグアニジン、1,1
−ジメチルグアニジン、1,1−ジエチルグアニジン、1,2,3−トリフェニルグアニ
ジン、グアニル尿素などが挙げられる。これらのなかでも、工業的に入手しやすく、光造
形用樹脂組成物とした際に、分散液としての貯蔵安定性も良好であり、難燃性に優れ、耐
熱性も高く、さらに耐衝撃性も良好となるため、グアニジン、シアノグアニジン、1,3
−ジアミノグアニジン、1−メチルグアニジン、1−アミノグアニジン、1,1−ジメチ
ルグアニジン、1,1−ジエチルグアニジン、グアニル尿素が好ましく、グアニジン、1
,3−ジアミノグアニジン、1−メチルグアニジン、1−アミノグアニジン、1,1−ジ
メチルグアニジン、1,1−ジエチルグアニジン、グアニル尿素がより好ましく、グアニ
ジン、1−メチルグアニジン、1−アミノグアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1
,1−ジエチルグアニジン、グアニル尿素がさらに好ましく、グアニジン、グアニル尿素
が特に好ましい。
無機オキソ酸としては、具体的には、硝酸、硫酸、スルファミン酸、炭酸、ほう酸、り
ん酸、亜りん酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、塩素酸、亜塩素酸などが挙げ
られる。これらの無機オキソ酸の内、利用される状況によっては種類が限定される場合が
ある。例えば、非ハロゲン系が好ましい場合、つまり、ハロゲン基を有さない化合物であ
る場合には、燃焼時排ガスの毒性が低くなることから、硝酸、硫酸、スルファミン酸、炭
酸、ほう酸、りん酸、亜りん酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸が好ましく、樹
脂や他の添加剤との混合により爆発などの危険性を考慮する必要がある場合には硝酸、ス
ルファミン酸が好ましい。これらのことを考え合わせると、硫酸、スルファミン酸、炭酸
、ほう酸、りん酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸が好ましく、工業的な入手の
容易さの点で硫酸、スルファミン酸、炭酸、ほう酸、りん酸が更に好ましく、スルファミ
ン酸、りん酸が特に好ましい。
グアニジン構造を有する化合物と無機オキソ酸との塩または塩の縮合物(C)は、硫酸
グアニジンや炭酸グアニジン、ほう酸グアニジン、ほう酸グアニジル尿素、スルファミン
酸グアニジン及びその縮合物、りん酸グアニジン及びその縮合物、りん酸グアニル尿素お
よびその縮合物などが挙げられる。
これらの内、工業的な入手の容易さの点や塩としての安定性、樹脂への配合の容易さな
どの点で、ほう酸、スルファミン酸またはりん酸との塩および塩の縮合物が好ましく、り
ん酸との塩および塩の縮合物、つまり、リン系化合物であることが最も好ましい。
具体的には、ほう酸グアニジン、ほう酸グアニル尿素などのほう酸塩や、スルファミン
酸グアニジン、スルファミン酸グアニル尿素などのスルファミン酸塩、りん酸グアニジン
、りん酸グアニル尿素などのりん酸塩が挙げられる。
(C)成分の含有量の下限値は、特に限定されないが、難燃性を担保する観点から、ラ
ジカル重合成分、つまり本発明の(A)成分と(D)成分の合計100質量部に対して1
0質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ま
しく、25質量部以上が特に好ましく、30質量部以上が最も好ましい。また、(C)成
分の含有量の上限値は、特に限定されないが、光造形用樹脂組成物の粘度を上げすぎない
観点から、80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましく、65質量部以下
がさらに好ましく、60質量部以下が特に好ましく、55質量部以下が最も好ましい。
(C)成分の平均粒径は特に限定されないが、分散性の観点から、上限値は、300μ
m以下が好ましく、250μm以下がより好ましく、200μm以下がさらに好ましく、
100μm以下が特に好ましく、50μm以下が最も好ましい。また、下限値は、0,1
μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上が最も好ましい。
<任意成分>
光造形用樹脂組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、(A)成分、(B
)成分及び(C)成分以外の成分(任意成分)を用途に応じて含有してもよい。
<D成分>
D成分は任意成分の単官能アクリレートである。
D成分の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
芳香族ビニル化合物:スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルト
ルエン等
ビニルエステル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニ
ルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸
ジビニル等
ビニルエーテル化合物;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等
アリル化合物;アリルグリシジルエーテル等
(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリ
ルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等
モノ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ
)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(
メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキ
シル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)
アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル
酸モルフォリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリ
シジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノ
エチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)ア
クリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸
ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル等(D)成分として
は、耐熱性が高いという観点から、これらの中でも、芳香族ビニル化合物、ビニルエステ
ル化合物、(メタ)アクリルアミド、モノ(メタ)アクリレートが好ましく、ビニルエス
テル化合物、(メタ)アクリルアミド、モノ(メタ)アクリレートがより好ましく、(メ
タ)アクリルアミド、モノ(メタ)アクリレートがさらに好ましく、(メタ)アクリルア
ミドが最も好ましい。
(D)成分は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(D)成分の含有量は、ラジカル重合成分の総質量、つまり本発明の(A)成分と(D
)成分の合計100質量部に対し、30質量%以上が好ましく、32質量%以上がより好
ましく、35質量%以上がさらに好ましい。また、70質量%以下が好ましく、68質量
%以下がより好ましく、65質量%以下がさらに好ましい。
(D)成分の含有量が上記範囲内であると、耐熱性、耐衝撃性及び靱性に優れる。
その他の任意成分としては、例えば、光増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、
帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、顔料、染料、シ
ランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光剤、連鎖移動剤等の添加剤;水、有機
溶剤、水と有機溶剤との混合物等の溶剤などが挙げられる。
光造形用樹脂組成物が溶剤を含まない場合、光造形用樹脂組成物の総質量に対して、(
A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計質量は60〜100質量%が好ましい。
特に、紫外線吸収剤は、光造形用樹脂組成物の硬化深度を制御するのに有効な成分であ
る。紫外線吸収剤の含有量は特に限定されないが、(A)成分、(B)成分及び(C)成
分の合計100質量部に対して0.005〜1質量部が好ましく、0.01〜0.8質量
部がより好ましい。
光増感剤としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメ
チルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノア
セトフェノン等が挙げられる。
<光造形用樹脂組成物の製造方法>
本発明の光造形用樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、必要に応
じて任意成分とを混合することにより得られる。
≪光造形物≫
本発明の光造形物は、上述した本発明の光造形用樹脂組成物を光硬化させてなるもので
ある。
なお、製造する光造形物の構造、形状、大きさ等は特に制限されるものではなく、用途
に応じて適宜設計することができる。
光造形物の製造方法としては、公知の光造形法(光学的立体造形法)を採用することが
できるが、例えば、本発明の光造形用樹脂組成物からなる薄膜を形成する工程と、該薄膜
に対して光エネルギーを選択的に照射し硬化させる工程とを複数回繰り返すことにより、
硬化した薄膜を複数積層させ、所望の形状の光造形物を製造する光学的立体造形法が好適
である。
なお、光学的立体造形法により製造された光造形物をそのまま製品としてもよいし、さ
らに、光照射や加熱によるポストキュアなどを行い、その機械的特性や形状安定性などを
向上させたものを製品としてもよい。
薄膜を硬化させるために照射する光線としては、Arレーザー、He−Cdレーザー、
He−Neレーザー、ArFエキシマレーザー、COレーザー、Nd:YAGレーザー
、半導体レーザー、Dyeレーザー等から出射されるレーザー光線;キセノンランプ、メ
タルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯等から出射される紫外線等の活性エネルギー光線な
どが好適である。これらの中でも特にレーザー光線が好適である。レーザー光線によれば
、照射エネルギーを高くすることができ、硬化時間を短縮化できることに加えて、ビーム
形状を小さくすることができるので、1回の光照射面積を小さくすることができ、造形精
度の高い光造形物を得ることができる。
以上説明した本発明の光造形は、本発明の光造形用樹脂組成物を光硬化させてなるもの
であり、難燃性に優れる。
本発明の光造形物は、設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル、部品の機能
性をチェックするためのモデル、実部品として機械製品等に組み込み、性能をチェックす
るためのモデル、樹脂型、金型を制作するためのベースモデル、試作金型用の直接型等の
作製などの用途に適用することができる。より具体的には、精密部品、電気・電子部品、
家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや
加工用モデルなどの製作等の用途に適用することができる。特に、繰り返し疲労試験用部
品の試作、例えば家電製品の嵌合部分の設計、複雑な構造の機械的強度解析企用部品の製
造などに極めて有用である。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の実施の態様がこれに限定されるものではない

実施例で使用した成分は以下の通りである。
<(A)成分>
・ウレタンアクリレート。以下の方法で合成したもの。
(ウレタンアクリレートの合成)
ウレタンアクリレートを合成した。反応の終点は、残存イソシアネート当量が1%未満
となった時点とした。
(1)攪拌機、温度調節器、温度計、及び凝縮器を備えた内容積5Lの三つ口フラスコ
に、(a3)成分としてジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート1060g
(4.0モル当量)、及びジブチル錫ジラウレート0.7gを仕込み、ウォーターバスで
内温が70℃になるように加熱した。
(2)別途、(a1)成分として4−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N
−メチルブタナミド193g(1.1モル当量)と、(a2)成分としてポリブチレング
リコール(繰り返し単位数:12、平均分子量:865)1200g(1.4モル当量)
とを均一に混合溶解させた液を、側管付きの滴下ロートに仕込み、これを上記(1)のフ
ラスコ中の内容物に対して滴下した。この際、上記(1)のフラスコ中の内容物を攪拌し
つつ、フラスコ内温を65〜75℃に保持し、4時間かけて等速滴下した。さらに、滴下
終了後、同温度で2時間攪拌して反応させた。
(3)別途、(a4)成分として2−ヒドロキシエチルアクリレート522g(4.5
モル当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル2.5gとを均一に混合溶解させた液を
、別の滴下ロートに仕込んだ。この内容物を、(2)のフラスコ内容物を75℃まで降温
させた後、フラスコ内温を55〜65℃に保持しながら2時間かけて等速滴下し、さらに
フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保持し、4時間反応させることで、無色透明のウ
レタンアクリレートを得た。
<(B)成分>
・Omnirad TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサ
イド(IGM RESINS 社製、「Omnirad TPO」)。
・Omnirad 184:1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(IGM
RESINS社製、「Omnirad184」)。
<(C)成分>
・AP‐405:リン酸グアニル尿素(株式会社三和ケミカル製社製、「AP−405
」、平均粒径:260μm)
※なお、AP−405については、スピードミルにより、粉砕を行うことで平均粒形45
μmとしたものも用意した。
・MPP−A:ポリリン酸メラミン(株式会社三和ケミカル製、「MPP−A」、平均粒
径:4μm)。
なお、平均粒径の測定は、顕微鏡画像からランダムに20個の粒子を選出し、それらのフ
ェレ径を平均することで平均粒径を求めた。
<(D)成分>
・ACMO:アクリロイルモルホリン(KJケミカルズ株式会社製、「ACMO」)。
<実施例1〜4、比較例1〜3>
表1に示す配合組成で各成分を混合し、光造形用樹脂組成物を得た。
ガラス板上に、シリコーンシート枠(内寸127×13mm、厚み2mm)を固定し、
得られた光造形用樹脂組成物を流し込んだ。次いで、もう一枚のガラス板でカバーをし、
FUSIONランプで1000mJ/cmの照射量を当て、光造形物を得た。これを試
験片とする。
得られた試験片について、以下のようにして難燃性を評価した。結果を表1に示す。
(UL94規格評価及び第一接炎評価)
以下のようにして試験片の燃焼時間を測定した。
まず、垂直に支持した試験片の下端にバーナー炎をあてて10秒間保ち(第一接炎)、
その後バーナー炎を光造形物から離し、有炎燃焼時間を測定した。有炎燃焼時間が35秒
以内の場合は、さらに試験片の下端にバーナー炎をあてて10秒間保ち(第二接炎)、そ
の後バーナー炎を光造形物から離し、有炎燃焼時間を測定した。
5個の試験片について有炎燃焼時間を測定し、その平均値(平均有炎燃焼時間)を求め
、以下の評価基準にて評価した。
〇:第一接炎及び第二接炎における平均有炎燃焼時間が共に35秒以内である。
△:第一接炎における平均有炎燃焼時間は35秒以内であるが、第二接炎における平均
有炎燃焼時間が35秒超である。
×:第一接炎における平均有炎燃焼時間が35秒超である。
また、試験結果を燃焼試験UL94−Vに準拠して評価した。
(難燃性の評価)
上記のUL94規格評価及び第一接炎評価結果から、各サンプルの難燃性を以下のよう
に評価した。
AA:UL94規格評価がV0かつ第一接炎評価が〇
A:UL94規格評価がV1かつ第一接炎評価が〇
B:UL94規格評価で不適合もしくはかつ第一接炎評価が×
(荷重たわみ温度)
耐熱性の指標として、ASTM D648に準拠して樹脂成形体の試験片(長さ127
mm×幅12.7mm×厚さ3mm)を作製し、試験片の荷重たわみ温度(以下、「HD
T」と示す)(℃)を測定した。
(耐熱性の評価)
AA:HDTが90℃以上である。
A:HDTが80℃以上90℃未満である。
B:HDTが80℃未満である。
(アイゾット衝撃強度)
厚さ6.35±2mmmmの試験片に切り欠き(ノッチ)を付け、ノッチ付きアイゾッ
ド衝撃試験片を作製し、ASTM D256に準拠してアイゾット衝撃試験を行った。
(耐衝撃性の評価)
AA:アイゾット衝撃試験結果が20.0J/m以上である。
A:アイゾット衝撃試験結果が15.0J/m以上20.0J/m未満である。
B:アイゾット衝撃試験結果が15.0J/m未満である。
(貯蔵安定性)
得られた光造形用樹脂組成物を室温で1週間保管し、以下の基準で安定性を評価した。
AAA:数時間後に析出物無し。
AA:数時間後に懸濁しており、サンプル底部に沈降あり。
A:数時間後に析出物有り。
(総合評価)
AAA:評価がBである項目がなく、評価がAである項目が1つ以下である。
AA:評価がBである項目がなく、評価がAである項目が2つ以上あり、その他の評価
がAAAである項目が1つ以上ある。
A:評価がBである項目がなく、評価がAである項目が2つ以上あり、その他の評価が
AAのみである。
B:評価がBである項目が1つある。
C:評価がBである項目が2つ以上ある。
Figure 2021146689
表1中の(A)成分及び(D)成分はラジカル重合成分の総質量に対する量(質量%)
、(B)成分及び(C)の含有量は、ラジカル重合成分100質量部に対する量(質量%
)である。
以上の結果から明らかなように、本発明を適用した実施例1〜5の光造形用樹脂組成物
は貯蔵安定性に優れ、難燃性、耐熱性と耐衝撃性に優れる試験片を製造でき、総合評価は
(C)成分を含まない比較例に対し、大変良好な結果を示した。

Claims (9)

  1. 以下の(A)〜(C)成分を含有する光造形用樹脂組成物。
    (A)成分:ウレタン(メタ)アクリレート化合物
    (B)成分:光ラジカル重合開始剤
    (C)成分:グアニジン構造を有する化合物と無機オキソ酸との塩または塩の縮合物
  2. 前記(A)成分が、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ
    )アクリレート化合物である請求項1に記載の光造形用樹脂組成物。
  3. 前記(C)成分が、リン系化合物である請求項1または2に記載の光造形用樹脂組成物
  4. 前記(C)成分が、ハロゲン基を有さない化合物である請求項1〜3のいずれか一項に
    記載の光造形用樹脂組成物。
  5. 前記(C)成分の粒径が、300μm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    光造形用樹脂組成物。
  6. さらに、(D)成分として単官能アクリレートを含有する請求項1〜5のいずれか一項
    に記載の光造形用樹脂組成物。
  7. 前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分と(D)成分の合計100質量部に対して
    0.01〜5質量部である請求項1〜6のいずれか一項に記載の光造形用樹脂組成物。
  8. 前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分と(D)成分の合計100質量部に対して
    10〜80質量部である請求項1〜7のいずれか一項に記載の光造形用樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の光造形用樹脂組成物からなる、光造形物。
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