JP2021146487A - 研磨パッド - Google Patents

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Kenichi Koike
堅一 小池
真治 岡田
Shinji Okada
真治 岡田
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Abstract

【課題】 ワーク1の表面部や外周側面への当たりを均等にすることにより研磨ムラを抑える。【解決手段】 表面にワーク1が密着する研磨面が形成された研磨層11と、当該研磨層11の裏面側に設けられた支持層12とを有する研磨パッド4に関する。前記研磨層11は、シート状の研磨層平面部11aと、当該研磨層平面部11aの表面に相互に離隔して設けられるとともにその頂部に前記研磨面が形成された複数の研磨層凸部11bとから構成されている。前記支持層12は、シート状の支持層平面部12aと、当該支持層平面部12aの表面に相互に離隔して設けられるとともにその頂部で前記研磨層平面部11aを支持する複数の支持層凸部12bとから構成されている。前記支持層凸部12bの高さを5〜20mmとし、かつ当該支持層凸部12bの基部の面積に対し、頂部の面積を0.1〜100倍とした。【選択図】 図2

Description

本発明は研磨パッドに関し、詳しくはワークの平面部と外周側面とを同時に研磨するのに好適な研磨パッドに関する。
従来、半導体基板やガラス、金属、樹脂、セラミックスなど板状のワークの表面研磨をする研磨装置では、保持定盤に保持されたワークに対して研磨定盤に保持された研磨パッドを押し当てて研磨を行うようになっている。
一方、携帯電話やスマートフォンなどの携帯型端末を構成する筐体として、金属製や樹脂製のものが採用されており、デザイン上の差別化等を目的として、当該筐体の平面部と外周側面との境界部分に湾曲部を形成することが行われている。
前記筐体を製造する場合、切削加工や金型成型によって素材の外周に前記湾曲部を形成した後、表面全体に形成された切削跡やバリなどを研磨する必要があるが、このような湾曲部や外周側面の研磨を行うためには、弾性を有する研磨パッドをワークに押し付けて、研磨パッドをワークの形状に従って変形させながら研磨する必要がある。
このようなワークの平面部や外周側面等を同時に研磨するため、弾性変形可能な弾性パッドを弾性変形可能なベース層の表面に張り付けた研磨パッド(特許文献1)や、発泡ポリマー材料からなる剛毛を形成した研磨ブラシ(特許文献2)が知られている。
特開2017−35783号公報 特開2019−198958号公報
しかしながら、前記特許文献1の研磨パッドの場合、平面部と外周側面を同時に研磨することができず、外周側面を研磨するための専用キャリアを用意して、平面部の研磨と外周側面の研磨とを別々に行う必要があった。
また特許文献2では、前記ブラシ状の剛毛が自由に変形してワークの外周側面および湾曲部を研磨するものの、前記剛毛ではワークの表面全体への均一な接触ができずに未研磨部が生じる恐れがあった。
このような問題に鑑み、本発明はワークの形状に対する追従性を高めて、湾曲の形成された外周側面と平面部とを同時に研磨することが可能な研磨パッドを提供するものである。
すなわち請求項1の発明にかかる研磨パッドは、表面にワークが密着する研磨面が形成された研磨層と、当該研磨層の当該研磨面とは反対側の面に設けられた支持層とを有する研磨パッドにおいて、
前記研磨層は、シート状の研磨層平面部と、当該研磨層平面部の表面に相互に離隔して設けられるとともにその頂部に前記研磨面が形成された複数の研磨層凸部とから構成され、
前記支持層は、シート状の支持層平面部と、当該支持層平面部の表面に相互に離隔して設けられるとともにその頂部で前記研磨層の前記研磨面とは反対側の面を支持する複数の支持層凸部とから構成され、
前記支持層凸部の高さを5〜20mmとし、かつ当該支持層凸部の基部の面積に対し、頂部の面積を0.1〜100倍としたことを特徴としている。
前記請求項1の発明によれば、研磨のためにワークに押し当てて研磨パッドが変形しても、研磨層では前記研磨層凸部と研磨層凸部との間に位置する研磨層平面部が自由に変形し、各研磨層凸部の研磨面が良好にワークの表面形状に密着する。
一方、前記研磨層の変形に伴って支持層も変形するが、支持層凸部と支持層凸部との間には空間が形成されているため、各支持層凸部が独立的に変形して、支持している研磨層をワークの表面形状に密着させることができる。
その結果、研磨パッドの研磨面がワークの形状に対して追従して密着した状態を維持することができ、ワークの平面部と外周側面の表面粗さを同時に低減することが可能となっている。
研磨装置を示す側面図 本実施例にかかる研磨パッドの断面図 研磨パッドの平面図 研磨パッドの使用状態を模式的に説明する図 支持層の支持層凸部の他の形状を説明する斜視図 支持層の支持層凸部の他の形状を説明する斜視図
以下、図示実施形態について本発明を説明すると、図1はワーク1を研磨する研磨装置2を示し、この研磨装置2は、上方に設けられてワーク1を保持する保持定盤3と、下方に設けられて研磨パッド4を保持する研磨定盤5と、前記ワーク1と研磨パッド4との間にスラリー(研磨液)を供給する図示しないスラリー供給手段とを備えている。
本実施例のワーク1は携帯電話やスマートフォンなどを構成する金属製や樹脂製の筐体となっており、当該ワーク1は例えば外形厚み0.5〜15.0mmの厚みを有し、平面部と外周側面との境界部分には厚み方向に曲率半径0.2〜50.0mmの湾曲部1aが形成されている。
前記ワーク1は切削や金型成形といった手法で形成され、本実施例の研磨装置2では切削の際の切削痕や、成形時のバリを除去しつつ、これを平滑に研磨するものとなっており、特に前記ワーク1の平面部(図示下面)だけでなく、外周側面や湾曲部1aの研磨も同時に行うようになっている。
前記保持定盤3および研磨定盤5はそれぞれ略円盤状を有しており、それぞれ図示しない駆動手段によって相互に回転するとともに、前記研磨定盤5は昇降可能に設けられている。
本実施例の研磨装置2では複数のワーク1を同時に研磨加工することが可能となっており、前記保持定盤3の表面には複数のワーク1を所定の配置で保持するための板状のキャリア6が設けられ、前記ワーク1は当該キャリア6に形成された複数の保持穴6aの内側に配置されるようになっている。
そして、各ワーク1は保持定盤3の表面に装着されたワーク保持シート7の表面に保持されるようになっており、ワーク1を保持定盤3に装着する際には、ワーク1をワーク保持シート7に押し付けるようになっている。
そして、ワーク保持シート7によって保持されたワーク1は、前記キャリア6の保持穴6aより突出した状態で保持され、これにより突出したワーク1の平面部や外周側面、湾曲部1aを研磨パッド4によって研磨することが可能となっている。
前記研磨定盤5の上面には、略円盤状を有した研磨パッド4が両面テープ等によって固定されている。本実施例においては、特に前記ワーク1の湾曲部1aを研磨する必要があることから、研磨パッド4は所要の厚さを有するとともに所要の圧縮弾性を有している。
前記研磨装置2を用いてワーク1を研磨する際、研磨パッド4を回転させながらワーク1に押し当て、これにより研磨パッド4がワーク1の形状に従って変形しつつ、ワーク1の表面や側面、湾曲部1aの研磨を行うようになっている。
またワーク1の研磨加工を行う際、スラリー供給手段がワーク1と研磨パッド4との間にスラリーを供給するようになっている。
図2、図3は本実施例にかかる研磨パッド4の断面図および平面図を示し、前記研磨パッド4は、表面にワーク1が密着する研磨面が形成された研磨層11と、当該研磨層11の研磨面とは反対側の面に設けられた支持層12とから構成されている。
前記研磨層11は、発泡ポリウレタン樹脂と基材13とが接着剤によって貼り合された構成を有しており、シート状のポリウレタン樹脂成形体の表面を切削加工することにより、研磨層平面部11aと研磨層凸部11bを形成したものとなっている。
図2において、前記研磨層11は、シート状の研磨層平面部11aと、当該研磨層平面部11aの表面に離隔して設けられた複数の研磨層凸部11bを有し、各研磨層凸部11bと研磨層凸部11bとの間には溝状の空間が形成されるとともに、研磨層凸部11bの頂部が前記ワーク1に密着する研磨面を構成している。
前記研磨層11の厚さは0.4〜2.0mmとなっており、このうち研磨層平面部11aの厚さは研磨層11厚みの10〜50%、各研磨層凸部11bの高さは研磨層11厚みの50〜90%に設定されている。
研磨層平面部11aが前記範囲に満たないと、当該研磨層平面部11aの発泡の一部が研磨層平面部11aを貫通してしまい、基材13が露出して研磨スラリーが浸潤し、研磨層平面部11aと基材13とが層間剥離する恐れがある。
一方、研磨層平面部11aが前記範囲を超えると、相対的に研磨面を構成する研磨層凸部11bが低くなり、研磨パッド4の使用限界である研磨層凸部11bの消失が早期に起きる恐れがある。
一方、図3に示す平面図において、前記研磨層凸部11bは略正方形を有しており、その一辺の長さは0.1〜5.0mmに設定され、また研磨層凸部11bと研磨層凸部11bとの間に形成される溝状の空間の幅は0.005〜3.0mmに設定されている。
ここで、前記研磨層凸部11bの形状としては、本実施例のように平面視において正方形を有したものに限らず、様々な形状とすることができる。
例えば、研磨層凸部11bを形成するための溝加工の際に、溝を直交させずに斜めに交差させることで、略ひし形の研磨層凸部11bが得られ、そのほかにも円形などの形状とすることや、正方形の対角線上に溝を設け、1つの正方形に対し2つ、あるいは4つの二等辺三角形ができるような研磨層凸部11bとすることも可能である。
前記支持層12は、ポリエチレンフォームやポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、および、ゴムなどの弾性を有する素材によって一体的に形成されており、図2に示すように、前記支持層12は、シート状の支持層平面部12aと、当該支持層平面部12aの表面に離隔して設けられた複数の支持層凸部12bとから構成されている。
このような構成により、各支持層凸部12bと支持層凸部12bとの間には溝状の空間が形成されるとともに、支持層凸部12bの頂部が基材13と接着することによって前記研磨層11を支持するようになっている。
そして図2に示すように、前記支持層12の厚さは6〜23mmとなっており、このうち支持層平面部12aの厚さは1〜3mm、または支持層12の厚みに対し10〜30%となっており、各支持層凸部12bの高さは5〜20mmまたは支持層12厚みに対し70〜90%に設定されている。
支持層凸部12bの高さについては、高すぎるとワーク1を研磨する際に研磨パッド4が過剰に変形して研磨力が不足する恐れがあり、低すぎると研磨パッド4が変形しにくくなり、ワーク1の外周側面に密着することができずに未研磨部が生じる恐れがある。
また、支持層凸部12bの高さは、研磨対象であるワーク1の厚みに対し0.1〜100倍となるように設定することで、ワーク1が底つきすることなく沈み込むことができる。
支持層平面部12aにおける支持層凸部12b同士の間隔は0.5〜20mmとされ、全ての支持層凸部12bにおける頂部の合計面積は、研磨パッド4の外径面積に対して5〜40%であることが好ましい。
支持層凸部12bの高さ、間隔、および支持層凸部12bにおける頂部の面積が前記範囲であると、ワーク1を容易に沈み込ませることができ、ワーク1の外周側面および湾曲部1aへの追従性を向上させることができる。
前記支持層のショアA硬度は、1〜20度であることが好ましく、5〜15度であることがより好ましい。ショアA硬度が上記の範囲内であると、ワークを沈みこませた際に容易に変形することができる。
また、支持層のショアA硬度は研磨層平面部11aおよび前記研磨層凸部11bを構成する樹脂のショアA硬度よりも小さく設定される。研磨面を構成する樹脂より支持層を構成する樹脂の硬度を小さくすることで、ワーク表面および外周側面に隙間なく研磨層を密着させながら、研磨面で保持したスラリーをワーク表面に作用させ研磨品質を向上させることができる。
また図3に示す平面図に示すように、支持層凸部12bは断面正方形の角柱状を有し、基部および頂部の一辺の長さは3〜10mmに設定され、また支持層凸部12bと支持層凸部12bとの間に形成される空間部の幅は3〜15mmに設定されている。
なお、前記研磨層11の研磨層凸部11bと同様、前記支持層12における支持層凸部12bについても、その平面視形状を任意の形状とすることができる。
ここで、支持層凸部12bとして角柱状のものを採用する他、支持層凸部12bの形状として、例えば図5に示すように頂部が平坦に加工された円柱状、円錐台状、角錐台状としたものを採用することができる。
また図6に示すように、支持層凸部12bとして断面台形状の帯状の突起を平行に複数設けたものとしてもよい。その際、各支持層凸部12bの形状として、各支持層凸部12bの基部の面積に対する頂部の面積の割合を0.1〜10倍の範囲とすることが耐久性と変形自由度の面からが望ましい。
ここで基部の面積とは、1つの支持層凸部12bの基部を厚さ方向に対して垂直に切断した場合の面積、つまり、シート状の支持層平面部12aの研磨層11側表面と同一高さの凸部断面の面積のことであり、頂部の面積とは、基部の面積を求めた支持層凸部12bの頂部面積のことをいう。
また、図3に示すように、前記研磨層11の研磨層凸部11bの大きさと、前記支持層12の支持層凸部12bの大きさとを一致させる必要はなく、また同じ位置に設ける必要もない。
したがって、隣接する支持層凸部12bと支持層凸部12bとの間に研磨層凸部11bが位置していたり、支持層凸部12bの内側に研磨層凸部11bが位置していてもよい。
このように構成された研磨層11は、前記研磨層平面部11aおよび前記研磨層凸部11bを構成する樹脂の破断伸度が200〜600%の範囲に設定されていることが望ましい。
このように研磨層平面部11aおよび研磨層凸部11bの伸度を設定することで、研磨パッド4によってワーク1を研磨した際、研磨層11全体がワーク1の形状に追従することができるとともに、基材13がない場合においても厚みの薄い研磨層凸部11bと研磨層凸部11bの間がワーク1の沈み込みにより破断することがない。
前記研磨層平面部11aおよび前記研磨層凸部11bの伸度の測定は、研磨層平面部11aおよび研磨層凸部11bを構成するシート状のポリウレタン樹脂成形体からダンベル形状(つかみ部幅20mm、平行部幅10mm、全長90mm、試験長50mm)に打ち抜いた試験片を作製し、当該試験片を測定機の上下エアチャックにはさんだ状態で、測定温度20℃、引張速度100mm/min、初期つかみ間隔50mmで測定を開始し、試験片が破断するまでに伸長する長さを測定し、もとの長さに対するその割合をパーセントで表すことにより求めることができる。
前記研磨層平面部11aおよび前記研磨層凸部11bのショアA硬度は、10〜70度であることが好ましく、20〜65度であることがより好ましい。ショアA硬度が上記の範囲内であると、研磨屑が被研磨物に過度に当たることを抑制し、研磨傷が低減し表面粗さを低減させることができる。
前記研磨層11における基材13は、曲げ弾性率が1〜3GPaの範囲である可撓性樹脂によって構成される。
前記曲げ弾性率は、サンプルサイズを長さ40mm、幅10mmとし、支点距離22mmとし、JIS K 7171に準拠して測定した時の値である。
なお、基材13の曲げ弾性率は、使用した基材13と同材料からなる厚さ1mmのサンプルを用いて測定する。その他の条件については、JIS K7171に準拠して測定する。
基材13の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと記載する場合がある)やポリ塩化ビニル等を使用することができ、厚さが0.1〜0.5mmのものを使用することができる。
基材13は両面に接着剤を配することができ、接着剤としては、ポリアミド系接着剤やポリウレタン系接着剤、オレフィン系接着剤、ポリエステル系接着剤などを使用することができ、当該接着剤の厚さは1〜50μmとすることができる。
接着剤は基材13に塗工しても、両面テープとして市販されているものを使用してもよい。また、基材13は両面テープに含まれる基材13であってもよい。
前記基材13を用いることにより、研磨パッド4をワーク1に押し当てた際に、前記研磨層11を構成する研磨層平面部11aが過剰に引っ張られて破断するのを防止するものとなっている。
そして図4は、前記構成を有する研磨パッド4によってワーク1を研磨している際の状態を模式的に示したものとなっている。
上述したように、ワーク1を研磨する際には、保持定盤3に保持されたワーク1に対し、研磨定盤5に保持された研磨パッド4を下方から押し当てることで、研磨パッド4がワーク1の形状に沿って変形し、研磨面がワーク1の平面部、外周側面、および湾曲部1aに密着するようになっている。
このように研磨パッド4がワーク1の形状に沿って変形すると、研磨層11では、前記研磨層凸部11bと研磨層凸部11bとの間に位置する研磨層平面部11aが主に伸びるが、基材13の曲げ弾性により研磨層11が自由に変形することが抑制され、厚みの薄い研磨層平面部11aが伸びすぎて引き千切られてしまうことなく、各研磨層凸部11bの研磨面がワーク1の表面形状に密着することができる。
また、ワーク1によって前記研磨層11が変形すると、これに伴って前記支持層12が変形し、その際研磨層11が変形した部分に位置する各支持層凸部12bには、それぞれ応力が作用することとなる。
本実施例の支持層12では、隣接する支持層凸部12bと支持層凸部12bとの間に空間が形成されていることから、各支持層凸部12bは作用する応力に応じて独立的に変形可能となっており、これにより研磨層11をワーク1の表面形状に追従させて密着させることが可能となっている。
一方、各支持層凸部12bは、それぞれの弾性回復力によって研磨層11をワーク1に対して押し付けることから、研磨層11をワーク1に対して均一に接触させることが可能となっている。
また前記研磨層11には前記研磨層凸部11bと研磨層凸部11bとの間に空間が形成されていることから、ワーク1と研磨パッド4との間に供給されるスラリーが当該空間を流通可能であり、研磨時におけるスラリーの保持および排出を良好に行うことが可能となっている。
以上のことから、下記実験結果から明らかなように、本実施例の研磨パッド4を用いることにより、平面部や外周側面、湾曲部1aを備えたワーク1であっても、平面部や外周側面、湾曲部1aを同時に研磨することが可能となっている。
以下、前記構成を有する研磨パッド4の製造過程は、研磨層11を用意する工程、支持層12を用意する工程、基材13を介して研磨層11と支持層12とを接合する工程を含む。各工程について説明する。
前記研磨層11を製造する工程としては、まず研磨層11を構成するポリウレタン樹脂成形体を湿式成膜法により形成する。
ここで湿式成膜法とは、成膜する樹脂を有機溶媒に溶解させ、その樹脂溶液をシート状の基材13に塗布後、該有機溶媒は溶解するが該樹脂は溶解しない凝固液中に通して該有機溶媒を置換し、凝固させ、乾燥して発泡層を形成する方法となっており、例えば、特許第5421635号公報、特許第5844189号公報を参照して製造することができる。
成膜後のポリウレタンシート表面側にバフ処理を行い、研磨表面に開孔を形成するとともに厚みを均一としたのち、エンボスや切削により前記研磨層平面部11aと研磨層凸部11bとが一体成形された構成が得られ、その後さらにバフ処理された面と反対側の面にポリエチレンテレフタレート樹脂からなる基材13を含む片面離型紙付き両面テープを貼り合わせることで、研磨層11を得ることができる。
次に、前記支持層12の製造工程について説明すると、前記支持層12には、ポリエチレンフォームやポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、および、ゴムを素材として用いることができる。
支持層12は市販のものを用いてもよく、製造したものを用いてもよい。市販の支持層12としては、三和化工株式会社製「サンペルカ」、積水化学工業株式会社製「ソフトロン」、株式会社イノアックコーポレーション製「PEライト」、日立化成株式会社製「ハイエチレン」、株式会社JPS製「ミラマット」,旭化成株式会社製「サンテックフォーム」、東レ株式会社製「トーレペフ」、古河電気工業株式会社製「フォームエース」などのポリエチレンフォーム、ブリジストン化成品株式会社製「エバーライト」、日本発条株式会社製「スーパーシート」などのポリウレタンフォーム、ダウ化工株式会社製「スタイロエース−II」「スタイロフォーム(登録商標)」、積水化成品工業株式会社製「ダンマット」、JSP社製「スチロダイア」などのポリスチレンフォーム、古河電気工業株式会社製「エフセル」、JSP製「ピーブロック」、三井化学東セロ社製「パロニア」等のポリプロピレンフォーム等を市販品として入手することができる。
フォーム素材の場合、発泡倍率は10〜40倍が好ましく、20〜40倍がより好ましい。フォームの発泡倍率が前記範囲の下限値以上であれば、優れた圧縮性が得られ、フォームの発泡倍率が前記範囲の上限値以下であれば、優れた耐久性が得られる。
支持層12の厚みは、5〜20mmが好ましく、8〜15mmがより好ましい。厚みが前記範囲の下限値以上であれば、支持層12が変形しやすくワーク1の形状に追従しやすい。厚みが前記範囲の上限値以下であれば、研磨力が不足することなく良好な研磨特性が得られる。
前記支持層12に対し、切削処理を行うことで、前記支持層平面部12aと支持層凸部12bとが一体成型された支持層12を得ることができる。
このようにして研磨層11と支持層12とが得られたら、研磨層11を構成する基材13を覆う離型紙を剥離し、研磨層平面部11bに露出した基材13の接着剤と支持層12の支持層凸部12bの頂部とを貼り合わせることで、研磨パッド4が得られることとなる。
以下、本発明にかかる実施例と、比較のために作製した比較例とに対して以下の研磨試験を行った。なお、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔研磨試験〕
実験には研磨装置2としてラップマスター社製、36PL−3Rを用い、研磨対象となるワーク1としてはアクリル樹脂板(平面部のサイズが65mm×65mm、厚み5mmで端部に曲面加工によって湾曲部1aが加工済み)を用いた。
前記研磨装置2の保持定盤3には前記アクリル樹脂板10枚を、前記キャリア6の保持穴の内側に保持させ、研磨定盤5には下記実施例もしくは比較例にかかる研磨パッド4を両面テープによって固定した。
研磨条件としては、荷重:470g/cm、研磨速度:上定盤22rpm/下定盤26rpmに設定し、研磨時間:4minの条件で研磨を行った。
また研磨に用いるスラリーとして、平均粒度0.4μmのアルミナ粒子50質量%水分散液を、スラリー流量:50ml/minで供給した。
研磨の結果については以下のように評価を行った。
<研磨性能評価>
研磨前のワーク1に対し研磨加工面となる平面部、および4つの面からなる外周側面の合計5か所に油性ペンで印をつけ、研磨後に全ての印が消失していた場合を〇とし、印が残っていた場合を×として研磨性能の評価を行った。
<表面粗さ評価>
研磨終了後のワーク1の平面部、湾曲部1aについて表面粗さを測定し、ワーク1これらの表面粗さが20nm未満である場合を〇、20nm以上である場合を×として評価を行った。
ここで、表面粗さの測定には非接触粗さ測定機(ザイゴ株式会社製商品名「NewView 5022」)を用い、測定倍率は2倍、測定視野は横307.609μm×縦307.609μmの範囲で設定して、表面粗さRaを測定した。
〔実施例1〕
まず研磨層11として、100%モジュラス7.8MPaのポリエステル系ポリウレタン樹脂の(30質量部)及びDMF(70質量部)を含む溶液100質量部に、別途DMF60質量部、水5質量部を添加し、混合することにより樹脂含有溶液を得、当該樹脂含有溶液を濾過することにより不溶成分を除去した。
前記溶液をポリエステルシート上にナイフコータを用いて塗布厚みが0.8mmとなるようキャストし、当該樹脂含有溶液がキャストされたポリエステルシートを凝固浴(凝固液は水)に浸漬して該樹脂含有溶液を凝固させた後、ポリエステルシートを剥離し洗浄・乾燥させて、伸度405%のポリウレタン樹脂シートを得た。
得られたポリウレタン樹脂シートの表面をバフ処理し、厚みを0.73mmとしたら、バフ処理面と反対面側に厚み0.188μm、曲げ弾性率2400MPaのPET製の基材13を接着剤で貼り合わせ、前記樹脂基材13のポリウレタン樹脂シートが貼り合わされていない面側に、片側に離型紙を有する厚さ約0.1mmの両面テープを接着した。
ポリウレタン樹脂シートの表面側に対し、切削加工により研磨層凸部11b(高さ:0.45mm、頂部および基部の形状:3mm×3mmの正方形、研磨層凸部11b同士の離隔幅:2mm)を設け、研磨層11を作製した。
次いで、支持層12として、厚さ20mm、密度が35kg/mのポリエチレンフォーム(三和化工社製、商品名:サンベルカ)に対し、切削加工により支持層凸部12b(高さ:18mm、頂部の形状:5mm×5mmの正方形、基部の形状:5mm×5mmの正方形、基部同士の離隔幅:3mm)を設けた。
次いで支持層凸部12bと反対側の面に、片面に離型紙を有する両面テープを貼りつけ、研磨層11と支持層凸部12b接着させることで研磨パッド4を製造した。
〔実施例2〕
前記実施例1に対し、前記支持層12における支持層凸部12bの形状を、頂部の形状:3mm×3mmの正方形、基部の形状:5mm×5mmの正方形、基部同士の離隔幅:3mmと変更した以外、実施例1と同じ構成のものを使用した。
つまり実施例2では、前記支持層12の支持層凸部12bの形状を四角錘台とした。
〔実施例3〕
前記実施例1に対し、前記支持層12における支持層凸部12bの形状を、頂部の形状:15mm×15mmの正方形、基部の形状:1.5mm×1.5mmの正方形、基部同士の離隔幅:3mmに変更した以外、実施例1と同じ構成のものを使用した。
つまり実施例3では、前記支持層12の支持層凸部12bの形状を逆四角錘台とした。
〔実施例4〕
前記実施例1に対し、前記支持層12における支持層凸部12bの形状を、頂部の形状:1.5mm×1.5mmの正方形、基部の形状:4.5mm×4.5mmの正方形、基部同士の離隔幅:3mmに変更した以外、実施例1と同じ構成のものを使用した。
つまり実施例4では、前記支持層12の支持層凸部12bの形状を四角錘台とした。
〔比較例1〕
前記実施例1に対し、前記実施例1と同じ研磨層11を用いた一方、前記支持層12には支持層凸部12bを形成しないものを使用した。換言すると、溝加工のされていないシート状の樹脂を支持層12として使用した。ただし、支持層12を構成する樹脂は第1、第2実施例と同じものを使用した。
〔比較例2〕
前記実施例1に対し、前記実施例1と同じ研磨層11を用いた一方、前記支持層12における支持層凸部12bの形状を高さ:3mm、頂部の形状:5mm×5mmの正方形、基部の形状:5mm×5mmの正方形、基部同士の離隔幅:3mmに変更した以外、実施例1と同じ構成のものを使用した。
つまり比較例2では、前記支持層12の支持層凸部12bの形状を角柱とするとともに、当該支持層凸部12bの高さを低く設定した。
〔比較例3〕
前記実施例1に対し、前記実施例1と同じ研磨層11を用いた一方、前記支持層12として、厚さ25mm、密度35kg/mのポリエチレンフォーム(三和化工社製、商品名:サンベルカ)を使用し、支持層12における支持層凸部12bの形状を高さ:23mm、頂部の形状:5mm×5mmの正方形、基部の形状:5mm×5mmの正方形、基部同士の離隔幅:3mmに変更した以外、実施例1と同じ構成のものを使用した。
比較例3では、前記支持層12の支持層凸部12bの形状を角柱とするとともに、当該支持層凸部12bの高さを高く設定した。
Figure 2021146487
実験の結果、実施例1〜4については、研磨後のワーク1の表面にインクの印は見当たらず、表面粗さについても平面部、湾曲部1aともに低減しており、良好な評価が得られた。
これに対し、比較例1,2は、平面部は研磨されているが外周側面にはインクの印が残り、表面粗さも低減することができず平面部と外周側面とを同時に研磨することができなかった。
比較例3については、研磨ムラがあり平面部および外周側面のところどころに未研磨部が見られ、表面粗さを低くすることができず、平面部と外周側面の両者を均一に研磨することができなかった。
1 ワーク 2 研磨装置
3 保持定盤 4 研磨パッド
5 研磨定盤 11 研磨層
11a 研磨層平面部 11b 研磨層凸部
12 支持層 12a 支持層平面部
12b 支持層凸部 13 基材

Claims (2)

  1. 表面にワークが密着する研磨面が形成された研磨層と、当該研磨層の当該研磨面とは反対側の面に設けられた支持層とを有する研磨パッドにおいて、
    前記研磨層は、シート状の研磨層平面部と、当該研磨層平面部の表面に相互に離隔して設けられるとともにその頂部に前記研磨面が形成された複数の研磨層凸部とから構成され、
    前記支持層は、シート状の支持層平面部と、当該支持層平面部の表面に相互に離隔して設けられるとともにその頂部で前記研磨層の前記研磨面とは反対側の面を支持する複数の支持層凸部とから構成され、
    前記支持層凸部の高さを5〜20mmとし、かつ当該支持層凸部の基部の面積に対し、頂部の面積を0.1〜100倍としたことを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記研磨層は、前記研磨面とは反対の面に基材を有し、前記基材の曲げ弾性率が1〜3GPaの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
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