JP2021145607A - 結球性葉物野菜の結球促進方法及び結球促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、結球性葉物野菜の結球を促進する手段を提供することを解決すべき課題とする。【解決手段】本発明は、結球性葉物野菜にアラントインを施用することを含む、結球性葉物野菜の結球を促進する方法に関する。この方法は、前記結球性葉物野菜を乾燥条件下で栽培することを更に含むことが好ましい。本発明はまた、アラントインを含有する、結球性葉物野菜の結球促進剤に関する。結球性葉物野菜としては、結球型レタスが好ましい例として例示できる。【選択図】なし

Description

本発明は、結球型レタス等の結球性葉物野菜において、結球を促進する方法に関する。
本発明はまた、結球性葉物野菜の結球促進剤に関する。
レタス、白菜、キャベツ等の結球性葉物野菜は、収穫時に結球していることが作物の品質上重要視されており、結球した野菜を安定的に栽培することが求められている。
乾燥条件等の環境ストレス下では結球が不十分になる場合があることが報告されている。また、近年盛んに行われている植物工場においてレタス栽培を行う場合、非結球型レタス(リーフレタス)よりも結球型レタスのほうが高価であるが、結球型レタスを安定的に結球させることは容易ではない。
一方、アラントイン(5−ウレイドヒダントイン)は、核酸塩基(プリン塩基)の分解過程で生じる中間産物である。植物体内では、アラントインは、5−ヒドロキシイソ尿酸からアラントインシンターゼ(AS)により生成され、アラントイナーゼ(ALN)によりアラントイン酸へと分解される。
非特許文献1では、シロイヌナズナにおいてALN遺伝子を破壊しアラントインを植物体内に蓄積するように変異させたaln−1変異株が、野生株と比較して高い乾燥ストレス耐性を有することが記載されている。
特許文献1では、アラントインが、植物の高温ストレス耐性を向上させる作用を有することが記載されている。
特許文献2では、アラントインがイネ科植物の生長を抑制する作用を有することが記載されている。
特許文献3では、アラントインがブドウ果実の着色を促進する作用を有することが記載されている。
特開2017−137281号公報 国際公開WO2018/047940 国際公開WO2019/216302
Watanabe, S. et. al., Plant Cell Environ. 37: 1022−1036(2014)
本発明は、結球性葉物野菜の結球を促進する手段を提供することを解決すべき課題とする。
本発明者らは、結球性葉物野菜の栽培時にアラントインを施用することにより、結球を促進することができること、特に、乾燥条件での結球性葉物野菜の栽培時の結球性の悪化をアラントインの施用により抑制することができることを見出し本発明を完成させるに至った。
本発明は以下の発明を包含する。
(1)結球性葉物野菜にアラントインを施用することを含む、結球性葉物野菜の結球を促進する方法。
(2)前記結球性葉物野菜が結球型レタスである、(1)に記載の方法。
(3)前記結球性葉物野菜を乾燥条件下で栽培することを更に含む、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)アラントインを含有する、結球性葉物野菜の結球促進剤。
(5)前記結球性葉物野菜が結球型レタスである、(4)に記載の結球促進剤。
本発明の一以上の実施形態によれば、結球性葉物野菜の結球を促進することができる。
本発明の一以上の実施形態によれば、結球性葉物野菜の乾燥条件での栽培時の結球性の悪化を抑制することができる。
図1は、圃場試験での、pF値の経時的な測定結果を示す。図1の横軸は日付を示し、縦軸はpF値を示す。Controlは処理区Aの区画のpF値であり、Dryは処理区B〜Eの区画のpF値である。矢印はアラントイン(又は尿素)を与えた日付を示す。 図2は、圃場試験で最終的に収穫された各処理区のレタス個体の新鮮重(A)、乾物重(B)、含水量(C)の測定結果を示す。**は、検定で1%レベルの有意差が処理区間にあったことを示す。
<結球性葉物野菜>
本発明の一以上の実施形態において、結球性葉物野菜とは、結球型レタス、白菜、キャベツ、芽キャベツ等の、結球した葉が食用される野菜を指す。結球性葉物野菜は好ましくはキク科植物又はアブラナ科植物である。
<アラントイン>
アラントインは5−ウレイドヒダントインとも呼ばれ、フリー体が次式で表される構造を有する。
Figure 2021145607
アラントインは1つの不斉炭素(式中*で示す)を有し、(R)−アラントインと(S)−アラントインの形態がある。本発明の一以上の実施形態に用いるアラントインとしては(R)−アラントインであってもよいし、(S)−アラントインであってもよいし、それらの混合物であってもよい。アラントインは、例えばグリオキシル酸及び尿素から、合成により製造することができる。アラントインはまた、コンフリー等の植物や微生物に由来する、或いは、それらから取得されたものであってもよい。
アラントインは植物が利用可能な形態で用いることができる。フリー体の形態、溶媒和物(水和物等)、塩、誘導体、錯体等の許容可能な形態であることができる。また、アラントインのフリー体、水和物及び他の形態のうち2種以上の混合物であってもよい。
アラントインは、アラントインを含有する組成物(以下「アラントイン組成物」)の形態で結球性葉物野菜に施用することができる。
一以上の実施形態では、アラントイン組成物中のアラントインの含量は、約0.01〜99重量%であることができる。例えば前記含量は、約0.10重量%以上、約0.20重量%以上であることができる。前記含量はまた、約99重量%以下、約95重量%以下、約90重量%以下、約85重量%以下、約80重量%以下、又は約75重量%以下であることができる。
一以上の実施形態では、アラントイン組成物は一以上の肥料成分を含有する。本開示において「肥料成分」という用語は植物により利用される元素、化合物又は組成物を指し、例えば窒素、リン、カリウム、ケイ素、マグネシウム、カルシウム、マンガン、ホウ素、鉄、及び、これらの元素を含む化合物又は組成物であることができる。肥料成分は有機物又は無機物であることができる。
一以上の実施形態では、肥料成分は窒素源、リン源、カリウム源、微量元素又はそれらの組合せを含有する。窒素源としては硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム又は石灰窒素が利用できる。窒素源がリン及び/又はカリウムを含む場合、それはリン源及び/又はカリウム源として機能することができる。
一以上の実施形態では、アラントイン組成物は界面活性剤及びバインダー等の添加物を含むことができる。
一以上の実施形態では、アラントイン組成物は展着剤を含むことができる。展着剤の例としては、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。展着剤はまた、パラフィン、テルペン、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート、ポリオキシエチレン、ワックス、ポリビニルアルキルエーテル、アルキルフェノールホルマリン縮合物、又は合成樹脂エマルジョンであってもよい。
一以上の実施形態では、アラントイン組成物は固形状であってよい。固形製剤は顆粒、粉末、錠剤又は流動性製剤であることができる。固形製剤中の水含量は、約5重量%以下、約3重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、又は約0.01重量%以下であることができる。
一以上の実施形態では、アラントインを含有する顆粒又は粉末組成物は、平均直径が約1μm以上、約10μm以上、約50μm以上、又は約100μm以上であることができる。前記平均直径はまた、約1,000μm以下、約500μm以下、約200μm以下、又は約100μm以下であることができる。
一以上の実施形態では、アラントイン組成物は液体状であってよい。液体製剤はアラントインを約10〜10,000ppm、約100〜5,000ppm、又は約300〜2,000ppmの濃度で含有することができる。前記濃度は約10ppm以上、約50ppm以上、約100ppm以上、約300ppm以上、約500ppm以上、又は約1,000ppm以上であることができる。前記濃度はまた、約5,000ppm以下、約4,000ppm以下、約3,000ppm以下、約2,000ppm以下であることができる。
一以上の実施形態では、前記液体製剤は約7.0以下のpHを有することができる。例えば、前記液体製剤のpHは、約6.5以下、約5.0以下、約4.5以下、約4.0以下、約3.5以下、又は約3.0以下であることができる。前記液体製剤のpHはまた、約2.0以上、約2.5以上、約3.0以上、約3.5以上、約4.0以上、又は約4.5以上であることができる。前記液体製剤のpHは例えば約3.0〜7.0、約3.5〜6.5、約4.0〜6.0、又は約4.5〜5.5であることができる。
一以上の実施形態では、前記液体製剤は、固体製剤を水又は水溶液中に溶解することにより調製することができる。例えば、前記液体製剤中の固形分濃度は、約5重量%以下、約3重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.1重量%以下、又は約0.05重量%以下であるこができる。前記液体製剤中の固形分濃度はまた、約0.001重量%以上、約0.005重量%以上、約0.01重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、又は約0.5重量%以上であることができる。
前記液体製剤は、本発明の一以上の実施形態に係る固形製剤に含まれる一以上の成分を含むことができる。
一以上の実施形態では、アラントイン組成物は、化学的殺生物剤及び生物的殺生物剤等の、一以上の殺生物剤を含有することができる。そのような殺生物剤としては、除草剤、殺細菌剤、殺真菌剤、殺虫剤及び害虫誘引剤が挙げられる。
<結球性葉物野菜の結球を促進する方法>
本発明の一以上の実施形態は、結球性葉物野菜にアラントインを施用することを含む、結球性葉物野菜の結球を促進する方法に関する。
本発明の一以上のより好ましい実施形態では、結球性葉物野菜を栽培することを更に含み、栽培の途中で1回又は複数回、結球性葉物野菜にアラントインを施用することを含む。
一以上の実施形態では、アラントインを結球性葉物野菜に施用する前又は後に、結球性葉物野菜を栽培担体中で生育させることができる。また、結球性葉物野菜を水耕栽培により生育させることもできる。そのような栽培担体としては、特に限定されないが、土壌、水及び栽培用資材等が包含される。
本発明者らは、結球性葉物野菜を乾燥条件下で栽培する場合、結球性葉物野菜の結球が形成され難いのに対して、結球性葉物野菜を乾燥条件下で栽培する途中でアラントインを施用することにより、結球性葉物野菜の結球が促進されることを見出した。
ここで結球性葉物野菜の結球が抑制される乾燥条件としては土壌等の栽培担体のpF値(栽培期間のpF値の平均値)が、例えば大起理化工業株式会社製のpFメータ DIK−8332またはDIK−8333を深さ15cmで設置した場合に1.90以上又は2.00以上の条件が挙げられる。極端な乾燥条件では生育障害が生じることから、栽培担体のpF値(栽培期間のpF値の平均値)は、例えば前記測定条件において3.30以下が好ましく、3.00以下がより好ましく、2.50以下が特に好ましい。
なおアラントインは、植物の乾燥ストレス条件下での植物の生育阻害を抑制することが非特許文献1、特許文献1等に記載されている。一方、本明細書の実施例では、結球性葉物野菜であるレタスが正常に生育できる(すなわち生育を阻害しない)穏やかな乾燥条件下で低下する結球性が、アラントインの施用により回復できることを確認している。本発明の一以上の実施形態における、結球性葉物野菜の結球の促進は、乾燥ストレス耐性の向上とは異質な作用である。
アラントインは上記のアラントイン組成物の形態で結球性葉物野菜に施用することができる。
アラントインを施用する時期は特に限定されない。通常は、結球性葉物野菜の播種後に苗(例えば3葉期までの苗)まで生育させてから、苗を栽培担体に定植させて栽培するが、この場合は、少なくとも定植後にアラントインの施用を行うことが好ましい。また、植え替えの有無にかかわらず3葉期よりも後の生育段階でアラントインを施用することが好ましい。また、少なくとも結球性葉物野菜の播種後15日以上、20日以、25日以上又は28日以上経過した生育段階でアラントインの施用を行うことが好ましい。
一以上の実施形態では、アラントインを、結球性葉物野菜に、様々な濃度で施用することができる。例えば、一カ月あたりの栽培面積あたりのアラントインの用量は、約0.05kg/10a/月以上、約0.09kg/10a/月以上、約0.10kg/10a/月以上、約0.15kg/10a/月以上、約0.20kg/10a/月以上、約0.25kg/10a/月以上、又は、約0.30kg/10a/月以上であることができる。一カ月あたりの栽培面積あたりのアラントインの用量はまた、1.00kg/10a/月以下、又は0.50kg/10a/月以下であることができる。上記の数値(単位:kg/10a/月)は、単回の施用量(単位:kg/10a)として表しても良い。
結球性葉物野菜に対するアラントインの施用回数は1回であっても良いし、2回以上であってもよい。一以上の実施形態では、アラントインの施用しようとする合計量を複数回に分割して施用することができる。例えば、アラントインを、一カ月あたり2回以上、一カ月あたり3回以上、一カ月あたり4回以上、又は一カ月あたり5回以上施用することができる。また、アラントインを、一カ月あたり10回未満、一カ月あたり8回未満、一カ月あたり6回未満、又は一カ月あたり4回未満施用することができる。施用の各回の間隔は1日間以上、2日間以上、3日間以上、5日間以上、又は8日間以上であることができ、また、15日間以下、10日間以下、5日間以下、3日間以下、又は2日間以下であることができる。
一以上の実施形態では、アラントインは、結球性葉物野菜の植物の全体又は一部に施用することができる。例えば、アラントインは、根、葉、種子、その他の部位等の植物体に直接施用することができる。アラントインはまた、栽培担体、又は圃場などの周辺環境を通じて、植物に施用してもよい。
一以上の実施形態では、アラントインは、結球性葉物野菜の葉への施用、灌漑による施用、及び土壌への施用等の、種々の方法により供給することができる。例えば、アラントインを液体製剤の形態で、葉面等の植物体の地上部や栽培担体に噴霧することができる。灌漑の種類としては、特に限定されないが、地表灌漑、マイクロ灌漑、スプリンクラー灌漑(センターピボットによる灌漑等)、及び地下灌漑が例示できる。
<アラントインを含有する、結球性葉物野菜の結球促進剤>
本発明の別の一以上の実施形態は、
アラントインを含有する、結球性葉物野菜の結球促進剤
に関する。
この結球促進剤は、上記のアラントイン組成物の形態であることが好ましい。
1.供試材料
供試材料にはレタス(品種:ディアマンテ、ツルタ種苗)を用いた。この品種は、兵庫県淡路のレタス生産の作型で最も早い出荷用の作型に使用される品種である。
2.方法
前記レタスの種子をセルトレイ中で8月19日に播種し3葉期まで育苗した。
次いで播種から16日後の9月5日に苗を圃場に定植し、10月21日に収穫し収量、結球率、結球指標等を測定した
アラントインの施用は、セルトレイ中での育苗の段階と、圃場への定植後の段階の二種類とし、各段階での施用の有無の組み合わせで4種類を設定し、全て圃場での栽培時に乾燥ストレスを与えた(後述する処理区B〜E)。また乾燥ストレスを与えずアラントインを施用しない普通栽培による対照区(後述する処理区A)を設けた。
セルトレイ中での育苗は以下の条件で行った。
30cm×59cm(0.177m)のセルトレイ上で3葉期まで育苗した。
育苗期にアラントインを施用する処理区(処理区B、処理区C)では、定植の2日前(9月3日)に1回、アラントイン(T−N:30.00%)0.054gを含有する27mLの溶液をトレイ全体に噴霧して、苗に葉面散布した。この場合、アラントインに由来する窒素は、トレイ面積10a当たり0.09kg施用された。
育苗期にアラントインを施用しない処理区(処理区A、処理区D、処理区E)では、定植の2日前(9月3日)に1回、尿素(T−N:46.65%)0.035gを含有する27mLの溶液をトレイ全体に噴霧して、苗に葉面散布した。この場合、尿素に由来する窒素は、トレイ面積10a当たり0.09kg施用された。
圃場での栽培は以下の条件で行った。
1処理区あたりの反復数(区画数)は4、1反復(1区画)あたりの供試個体数は9株とした。実験配置は圃場の日当たり、風向き、土壌条件などの影響を最小にするために乱塊法を利用した。圃場を4つ(反復数に対応)のブロックに分け、各ブロック内で処理区A〜Eの区画をランダムに配置した。
1つの区画は135cm×135cm(1.82m)とした。
定植後にアラントインを施用する処理区(処理区C、処理区D)では、定植から12日後(9月17日)、22日後(9月27日)、29日後(10月4日)、34日後(10月9日)、42日後(10月17日)の5回の各回に、アラントイン(T−N:30.00%)0.546gを含有する273mLの溶液を1区画全体に噴霧して、レタス個体に葉面散布した。この場合、アラントインに由来する窒素は、1区画の面積10a当たり0.09kg施用された。
定植後にアラントインを施用しない処理区(処理区A、処理区B、処理区E)では、定植から12日後(9月17日)、22日後(9月27日)、29日後(10月4日)、34日後(10月9日)、42日後(10月17日)の5回の各回に、尿素(T−N:46.65%)0.343gを含有する273mLの溶液を1区画全体に噴霧して、レタス個体に葉面散布した。この場合、尿素に由来する窒素は、1区画の面積10a当たり0.09kg施用された。
圃場では、上記のアラントイン又は尿素以外に、面積10a当たりN15kg、P11kg、K11kgの標準施肥量となるように化成肥料を施肥した。
圃場において乾燥処理をしない処理区Aと、乾燥処理をした処理区B〜Eとの差は、灌水停止により調節した。圃場の各区画には、土壌水分測定器(大起理化工業株式会社製のpFメータ DIK−8332またはDIK−8333)を深さ15cmで設置し、土壌水分を示すpF値をモニターした。
圃場に定植から46日後(10月21日)に各処理区のレタスを収穫し、新鮮重、乾物中、含水量、結球率、結球指標を測定した。
結球率及び結球指標の定義は次の通り。
各処理区について、レタス20個体の結球状態を、0点(結球していない)、1点(結球しているが不十分)、2点(結球良好)の三段階で点数付けした。各処理区において、20個体中の、評価点が2点の個体数の割合を結球率(%)とした。また、各処理区において、20個体の評価点の平均を、結球指標とした。
各処理区のアラントイン施用の有無、乾燥の有無を次表にまとめた。
Figure 2021145607
3.結果
土壌水分を示すpF値の経時的な測定結果を図1に示す。図1の横軸は日付を示し、縦軸はpF値を示す。Controlは処理区Aの区画のpF値であり、Dryは処理区B〜Eの区画のpF値である。矢印はアラントイン(又は尿素)を与えた日付を示す。pF値の平均値は生育期間を通じて処理区Aで1.88、乾燥処理区B〜Eで2.02であった。
図2に、最終的に収穫された各処理区のレタス個体の新鮮重(A)、乾物重(B)、含水量(C)の測定結果を示す。いずれの測定項目においても処理区Aと処理区Eとの差がなく、乾燥処理の生育への直接的な影響は確認できなかった。また、乾燥条件下でアラントインを施用しない処理区Eと、乾燥条件下でアラントインを施用した処理区B、処理区C、処理区Dとの間でも、生育への直接的な影響は確認できなかった。
下記の表2に、各処理区の結球率及び結球指標の測定結果を示す。
乾燥処理を行わなかった処理区Aと比較して、乾燥条件下でアラントインを施用しない処理区Eは、結球率及び結球指標が有意に低下した。乾燥条件下でアラントインを圃場定植後に施用した処理区C及び処理区Dの結球率及び結球指標は、処理区Eよりも高く、処理区Aと有意な差はなかったことから、圃場定植後のアラントインの施用によりレタスの結球が促進されることが裏付けられた。
乾燥条件下でアラントインをレタス苗の段階のみで施用した処理区Bでの結球指標は、処理区C及び処理区Dと、処理区Eとの中間であり、若干ではあるが結球が促進された。
Figure 2021145607

Claims (5)

  1. 結球性葉物野菜にアラントインを施用することを含む、結球性葉物野菜の結球を促進する方法。
  2. 前記結球性葉物野菜が結球型レタスである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記結球性葉物野菜を乾燥条件下で栽培することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. アラントインを含有する、結球性葉物野菜の結球促進剤。
  5. 前記結球性葉物野菜が結球型レタスである、請求項4に記載の結球促進剤。

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