JP2021143860A - 光検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】側管部と吸熱部との間の伝熱性と電気絶縁性とを両立することで、効率及び信頼性の高い光検出を行うことができる光検出器を提供する。【解決手段】光検出器1は、光透過性材料からなる入射窓部23と、入射窓部23を一端側に保持する金属製の側管部24と、を備えた筐体21内に光電面27が収容された光電子増倍管(電子管)3と、光電子増倍管(電子管)3からの吸熱を行う吸熱部Eとを備え、吸熱部Eは、入射窓部23及び側管部24を包囲し、入射窓部23及び側管部24に熱的に結合された伝熱部4と、伝熱部4に熱的に結合され、伝熱部4を冷却する冷却部5と、を備え、伝熱部4は、入射窓部23に接触する入射窓部接触面F1と、側管部24に接触する電気絶縁性の側管部接触面F2とを有している。【選択図】図3

Description

本開示は、光検出器に関する。
従来の光検出器として、筐体内に光電面を備えた電子管を収容してなる光検出器がある。このタイプの光検出器では、電子管の光検出時のノイズの低減を目的として、筐体内に光電面の冷却機能を設けた構成のものがある。例えば特許文献1に記載の光検出器では、光電管を固定するための支持片を有する伝熱性の支持部材に電子冷却素子が結合された吸熱部によって光電管の光電面が冷却されている。より詳細には、電子冷却素子の吸熱側が支持突片に固定され、電子冷却素子の放熱側が筐体に固定されている。この光検出器では、電子冷却素子の吸熱作用により、吸熱側に固定された伝熱性の支持部材の支持片を介して、光電管の光電面が入射窓部側から冷却されるようになっている。
特開2004−163272号公報
電子管の光電面の冷却を行う観点からは、入射窓部と吸熱部との熱的結合部をより大きくすることが好ましい。しかしながら、熱的結合部を大きくする場合、吸熱部によって入射窓部への光入射が遮られ易くなるため、所望の入射光量を得ようとする結果、十分な大きさの熱的結合部を構成できない場合がある。
このような課題に対し、上記特許文献1のように入射窓部以外の筐体部分においても吸熱部との熱的結合部を設けることが考えられる。この場合の一例としては、入射窓部を一端側に保持する側管部に吸熱部との熱的結合部を設けることが考えられる。側管部の伝熱性を向上させるためには、側管部を構成する部材を熱伝導性の良い材料で構成するのが好ましく、特に金属製の側管部を用いるのが好ましい。
一方、金属製の側管部を用いた場合、光電面に対する電圧の印加方式によっては側管部にも高電圧が印加される場合がある。例えば電子管の陽極側を接地電位とし、光電面側を負の高電位とする陽極接地の印加方式では、光電面に印加された高電圧と同電位(例えば−1kV程度)が側管部に印加される場合があり、側管部と吸熱部との間には十分な電気絶縁性が求められる。したがって、光電面への入射光量を十分に確保することで光検出の効率を高めつつ、光電面の冷却特性を向上してノイズを低減することで光検出の信頼性を高めるためには、側管部と吸熱部との間の伝熱性と電気絶縁性とを両立する必要があった。
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、側管部と吸熱部との間の伝熱性と電気絶縁性とを両立することで、効率及び信頼性の高い光検出を行うことができる光検出器を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る光検出器は、光透過性材料からなる入射窓部と、入射窓部を一端側に保持する金属製の側管部と、を備えた筐体内に光電面が収容された電子管と、電子管からの吸熱を行う吸熱部とを備え、吸熱部は、入射窓部及び側管部を包囲し、入射窓部及び側管部に熱的に結合された伝熱部と、伝熱部に熱的に結合され、伝熱部を冷却する冷却部と、を備え、伝熱部は、入射窓部に接触する入射窓部接触面と、側管部に接触する電気絶縁性の側管部接触面とを有している。
この光検出器では、電子管の入射窓部及び金属製の側管部を包囲するように伝熱部が設けられ、伝熱部は、入射窓部に接触する入射窓部接触面と、側管部に接触する電気絶縁性の側管部接触面とを有している。伝熱部が入射窓部に加え、伝熱性の高い金属製の側管部に熱的に結合されることにより、光電面に対する冷却をより効率良く行うことができる。また、この光検出器では、伝熱部の側管部接触面が電気絶縁性を有している。このため、側管部に電圧が印加されるような場合であっても、電気的に安定な状態で側管部と伝熱部とを熱的に結合することができる。側管部と吸熱部との間の伝熱性と電気絶縁性とを両立することで、効率及び信頼性の高い光検出を行うことができる。
伝熱部は、入射窓部及び側管部を包囲する形状をなす本体部と、入射窓部接触面及び側管部接触面を画成する中間部材とによって構成されていてもよい。この場合、伝熱性に優れた本体部とは別に、熱的な結合に優れた接触面を備えた部材を中間部材として選択することができる。したがって、伝熱部と筐体との間の伝熱効率を十分に高められる。
側管部は、一端側の角部から延在し、入射窓部が設けられるフランジ部を有し、中間部材は、角部を包囲するように設けられていてもよい。この場合、金属製の側管部の角部を中間部材で包囲することにより、伝熱部の本体部と角部との間の放電を抑制できる。
本体部において、中間部材と接触する面は、電気絶縁性を備えていてもよい。これにより、伝熱部の本体部と筐体の入射窓部及び側管部との間の電気絶縁性を一層十分に確保できる。
本体部は、電気絶縁性を有する材料によって形成されていてもよい。これにより、本体部と筐体の入射窓部及び側管部との間の電気絶縁性を一層十分に確保できる。
中間部材は、大気よりも大きな熱伝導性及び電気絶縁性を備え、本体部よりも厚さの薄いシート状部材によって形成されていてもよい。中間部材として上記シート状部材を用いることにより、伝熱性及び電気絶縁性を両立しつつ、本体部、入射窓部、及び側管部の表面形状に中間部材の形状を追従させることができる。したがって、伝熱部の本体部と筐体の入射窓部及び側管部とを中間部材によって高い密着性をもって結合できる。
中間部材は、入射窓部接触面を画成する第1の中間部材と、側管部接触面を画成する第2の中間部材とによって構成されていてもよい。この場合、入射窓部及び側管部の表面形状に応じた形状で第1の中間部材及び第2の中間部材を組み合わせることにより、伝熱部の本体部と筐体の入射窓部及び側管部とを中間部材によって高い密着性をもって結合することが容易となる。
第1の中間部材と第2の中間部材とは、互いに接触していてもよい。これにより、伝熱部の本体部と筐体の入射窓部及び側管部との間の伝熱性及び電気絶縁性を一層十分に確保できる。
第2の中間部材は、本体部よりも側管部の他端側にまで延在していてもよい。この場合、側管部接触面が側管部の他端側にまで拡張されるため、側管部と本体部との電気絶縁性を一層十分に確保できる。
入射窓部接触面は、電気絶縁性を有していてもよい。この場合、入射窓部と伝熱部とを熱的に結合しつつ、電気的に一層安定な状態とすることができる。
本開示によれば、側管部と吸熱部との間の伝熱性と電気絶縁性とを両立することで、効率及び信頼性の高い光検出を行うことができる。
本開示の一実施形態に係る光検出器を示す断面図である。 光電子増倍管の内部構成の一例を示す断面図である。 伝熱部の構成を示す分解斜視図である。 伝熱部周りの構成を示す要部拡大断面図である。 光検出器の評価試験結果を示す図である。 光検出器の評価試験結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係る光検出器の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る光検出器1を示す断面図である。図1に示す光検出器1は、例えば近赤外域の微弱光の検出に用いられる検出器である。光検出器1の用途としては、例えば卓上型POCT(Point-of-care testing)、マイクロプレートリーダ、環境計測装置、血液検査装置などが挙げられる。
図1に示すように、光検出器1は、ケース2を備えている。ケース2は、例えば鋼板などの金属材料によって略直方体形状に形成されている。ケース2は、底面部2a、及び長手方向の一端側に位置する側面部2bを含んで構成され、底面部2aと対向する天面側は、開口した状態となっている。側面部2bには、入射光Lをケース2内に導入する開口部2cが設けられている。
ケース2内には、入射光Lを検出する光電子増倍管(電子管)3と、吸熱部Eが配置されている。吸熱部Eは、光電子増倍管3と熱的に結合された伝熱部4と、伝熱部4を冷却する冷却部5とを備えている。吸熱部Eでは、冷却部5が伝熱部4を介して光電子増倍管3の熱を吸熱することで、光電子増倍管3の冷却が行われる。光電子増倍管3、吸熱部E、及び後述する面板13は、ケース2内に配置されたホルダ6によって保持されている。ホルダ6は、各構成を所定の位置に保持可能な硬度を持った絶縁性部材、例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂によって形成されており、各構成の機械的な位置決めを行う。なお、ホルダ6は、保持する部材や配置される空間の形状等に合わせて、複数の部材に分割して構成してもよい。ホルダ6とケース2及び冷却部5等との間には、吸熱部Eによる光電子増倍管3の冷却効率を向上させるための断熱材7が配置されている。
冷却部5は、例えば電子冷却素子であるペルチェ素子8と、ペルチェ素子の駆動基板9とによって構成されており、放熱部であるヒートスプレッダ10と熱的に結合している。ペルチェ素子8の吸熱面8aは、伝熱部4と熱的に結合し、ペルチェ素子8の放熱面8bは、ヒートスプレッダ10と熱的に結合している。ペルチェ素子の駆動基板9は、例えばケース2内の光電子増倍管3の後端側(開口部2cの反対側)において、断熱材7を介してヒートスプレッダ10に隣接して配置されている。ヒートスプレッダ10は、例えばケース2の天面側の開口部分を塞ぐように配置されている。ヒートスプレッダ10は、ペルチェ素子8の放熱面から伝わる熱を装置外部に放出する。放熱部としては、ヒートスプレッダ10に代えて、ヒートシンクやウォータージャケット等の他の冷却部材或いは放熱部材を備えていてもよい。伝熱部4については、後述する。
ケース2内において、開口部2cと光電子増倍管3との間には、開口部2cから入射した入射光Lを光電子増倍管3に導く導入部12が設けられている。導入部12は、開口部2cに嵌合するホルダ6の中央部分に設けられた断面円形の孔内に一対の透光性部材(例えばガラス等)からなる面板13,14を配置することによって形成されている。面板13,14の直径は、例えば光電子増倍管3の直径と略等しくなっている。面板13、14の少なくとも一方は、集光等の光学的作用を持つ光学部材(例えばレンズ)であってもよい。導入部12には、結露防止の観点から、乾燥窒素等のガスが充填されている。つまり、導入部12は、当該ガスが面板13、14によって封止された封止空間となっており、断熱作用も備えている。これらの断熱材7及び導入部12によって、ケース2内の光電子増倍管3に対する断熱性の確保が図られている。
光電子増倍管3は、光電効果により生じた光電子を増幅することにより、高感度で入射光Lの検出を行う光検出器である。光電子増倍管3は、真空容器である略円筒形状の筐体21内に光電面27及び電子増倍部22(図2参照)を収容して構成されている。筐体21は、光透過性材料からなる入射窓部23と、入射窓部23を一端側に保持する金属製の側管部24とを含んで構成されている。側管部24の他端側からは、ステム25(図2参照)に挿着された複数のステムピン26が突出している。ステムピン26のそれぞれは、基板17に電気的に接続されるとともに、物理的にも固定されている。基板17は、光電子増倍管3を駆動するための駆動基板15,15に電気的に接続されている。駆動基板15に接続される信号線は、例えばケース2における側面部2bと反対側の側面部側から装置外部に引き出されている。駆動基板9,15間、及び駆動基板15,15間には、絶縁性樹脂16が充填され、これらの基板間の電気的な絶縁が保たれている。
図2は、光電子増倍管3の内部構成の一例を示す断面図である。同図に示すように、光電子増倍管3は、真空容器である筐体21内に電子増倍部22を収容することによって構成されている。筐体21は、光透過性材料からなる入射窓部23と、入射窓部23を一端側に保持する金属製の側管部24と、側管部24の他端側を封止するステム25とを備えている。ステム25は、例えばセラミックなどの絶縁性材料によって構成されている。
入射窓部23は、例えば石英ガラス等のガラス材料或いは、MgFなどの結晶材料によって円板状に形成され、導入部12からケース2内に導入された入射光Lが外側面23bに入射することで、入射光Lを光電子増倍管3内に入射させる。入射窓部23は、側管部24の一端側に内向きに設けられたフランジ部24aに気密に固定されている。光電面27は、例えば赤外域まで感度のあるマルチアルカリ光電面であり、入射窓部23の内側面23aに形成されている。
側管部24は、例えばステンレスによって略円筒状に形成された筒状部材であって、主として電子増倍部22を覆う第1の側管部28と、主としてステム25を覆う第2の側管部29とを備えている。第1の側管部28には、外向きのフランジ部28aが設けられ、第2の側管部29には、フランジ部28aと同径の外向きのフランジ部29aが設けられている。これらのフランジ部28a,29a同士を気密に固定することで、第1の側管部28と第2の側管部29とが互いに強固に結合されている。
電子増倍部22は、収束電極30と、ダイノード31と、アノード32とを有している。収束電極30は、光電面27とダイノード31との間に配置され、光電面27から放出された電子をダイノード31に収束させて導く平板状の電極である。ダイノード31は、多数の電子増倍孔を有する薄板状の電極であり、入射窓部23側からステム25側にかけて複数段に配置されている。アノード32は、電子増倍部22によって増倍された電子を出力信号として取り出す平板状の電極である。アノード32は、例えば最終段のダイノード31の一つ手前の段に配置されている。
ステムピン26を介して電子増倍部22及びアノード32に所定の電圧が印加されると、例えば光電面27と収束電極30とは同電位となり、ダイノード31の各段は、入射窓部23側からステム25側に向かって徐々に高電位となる。この状態で入射窓部23から光電面27に入射光Lが入射すると、光電面27において光(hν)が光電変換され、筐体21内に光電子(−e)が放出される。放出された光電子は、収束電極30によって一段目のダイノード31に収束された後、各段のダイノード31にて順次二次電子増倍される。最終段のダイノード31からは、二次電子群が放出される。二次電子群は、アノード32に導かれ、アノード32と接続されたステムピン(アノードピン)26を介して外部に出力される。
続いて、上述した伝熱部4について詳細に説明する。
図3は、伝熱部4の構成を示す分解斜視図である。また、図4は、伝熱部4回りの構成を示す要部拡大断面図である。図4では、光電子増倍管3の筐体21内の構成(電子増倍部22等)については省略している。光電子増倍管3を例えば陽極接地で使用する場合、光電子増倍管3の側管部24には、光電面27と同電位の−1kV程度が印加される。このとき、伝熱部4は、ノイズ抑制の観点から接地電位とされるため、光電子増倍管3と伝熱部4との間には、電気的な絶縁を施す必要がある。
図3及び図4に示すように、伝熱部4は、本体部41と、中間部材42とを備えている。また、伝熱部4は、入射窓部23に接触する電気絶縁性の入射窓部接触面F1と、側管部24に接触する電気絶縁性の側管部接触面F2とを有している。本体部41は、例えば銅やアルミニウムなどの熱伝導性に優れた材料によって形成され、光電子増倍管3の入射窓部23及び側管部24の一端側(入射窓部23側)を包囲する形状をなしている。本実施形態では、本体部41は、アルミニウムによって形成されている。
本体部41の内周面には、図3に示すように、光電子増倍管3の入射窓部23及び側管部24の一端側が嵌合する円筒状の嵌合部45と、嵌合部45の外周面の一部から径方向に断面矩形に突出する突出部46とが設けられている。嵌合部45は、側管部24の外径よりも僅かに大きい内径を有する側管部保持部47と、側管部保持部47の一端側において内側に延在するように突出するフランジ状に設けられた入射窓部保持部48とを有している。入射窓部保持部48の内径は、入射窓部23の外径よりも小さくなっている。突出部46の先端部分には、矩形の平坦部49が形成されている。この平坦部49は、冷却部5におけるペルチェ素子8の吸熱面8aと当接している(図1参照)。すなわち、本体部41は、平坦部49を介して冷却部5と熱的に結合されている。
中間部材42は、図3に示すように、円環状かつ平板状の第1の中間部材43と、円筒状の第2の中間部材44とによって構成されている。第1の中間部材43及び第2の中間部材44は、大気よりも大きな熱伝導性及び絶縁性を備え、側管部保持部47よりも厚さの薄いシート状部材からなる。このシート状部材は、より具体的には、例えばTIM(Thermal Interface Material)と称される高伝熱性を有する材料からなり、その中においても特に電気絶縁性に優れた材料によって形成される放熱絶縁シートである。
また、第1の中間部材43及び第2の中間部材44を構成する材料は、光電子増倍管3の入射窓部23、側管部24(第1の側管部28)、及び伝熱部4を構成する材料よりも硬度が小さい材料である。これにより、入射窓部23及び側管部24(第1の側管部28)と伝熱部4との間に挟まれて押圧された場合に、第1の中間部材43及び第2の中間部材44が変形して圧縮されることで、入射窓部23及び側管部24(第1の側管部28)と伝熱部4との間を高い密着性をもって結合(隙間無く埋める)させることができる。
図4に示すように、第1の中間部材43の形状は、本体部41における入射窓部保持部48と同形状となっており、第1の中間部材43の内径は、入射窓部保持部48の内径と一致している。つまり、第1の中間部材43の内端面43cと入射窓部保持部48の内端面48cとは、略面一となっている。第1の中間部材43は、入射窓部保持部48の内側面48aに当接するように、本体部41の側管部保持部47内に挿入されている。
図4に示すように、第2の中間部材44の外径は、第1の中間部材43の外径と略一致しており、第2の中間部材44の内径は、側管部24及び入射窓部23の外径と略一致している。第2の中間部材44は、外周面44bが本体部41における側管部保持部47の内周面47aに当接し、内周面44aが第1の側管部28の外周面28b及び入射窓部23の周端面23cに当接し、一端側の端面44cが第1の中間部材43の内側面43aの外周縁部に当接するように、本体部41の側管部保持部47内に挿入されている。また、第2の中間部材44の長手方向の長さは、側管部保持部47の長手方向の長さより大きく、かつ第1の側管部28の長手方向の長さより小さくなっている。これにより、他端側の端部44dが側管部保持部47から露出している。
したがって、第2の中間部材44の一端側の端面44cを側管部保持部47内で第1の中間部材43の内側面43aの外周縁部に当接させた状態において、第2の中間部材44の他端側の端部44dは、本体部41における側管部保持部47よりも側管部24の他端側にまで延在し、張り出している。他の構成の配置を阻害しない限り、第2の中間部材44の他端側の端部44dの張り出し長さに特に制限はない。第2の中間部材44の他端側の端部44dは、側管部24の側面視において、光電子増倍管3の内部におけるダイノード31と重なる位置に相当する位置まで延びていてもよく、第1の側管部28のフランジ部28a(図2参照)に隣接する位置まで延びていてもよい。
第1の中間部材43及び第2の中間部材44の作製手法に特に制限はないが、円環状かつ平板状の第1の中間部材43は、例えば上述した放熱絶縁シートの打ち抜き加工によって形成できる。また、円筒状の第2の中間部材44は、例えば帯状(例えば矩形状)の放熱絶縁シートを円筒状に丸め、当該放熱絶縁シートの互いに対向する2つの辺部同士を結合することによって形成できる。辺部同士の結合にあたっては、当該辺部同士を重ね合わせて圧着してもよい。この場合、重ね合わせ部分の放熱絶縁シートの厚さを他の部分の厚さよりも小さくする(例えば半分とする)ことにより、第2の中間部材44の厚さを全体に渡って均一化できる。
光電子増倍管3の光電面27と伝熱部4との熱的な結合にあたっては、図4に示すように、側管部保持部47内の第1の中間部材43の内側面43aに入射窓部23の外側面23bが当接しており、側管部保持部47内の第2の中間部材44の内周面44aに第1の側管部28の外周面28bが当接している。このような構成により、伝熱部4では、第1の中間部材43によって内側面43aと外側面23bとの当接界面に入射窓部接触面F1が画成され、第2の中間部材44によって内周面44aと外周面28bとの当接界面に側管部接触面F2が画成されている。側管部保持部47内は、側管部24の一端側の角部Rから延在し、入射窓部23が設けられるフランジ部24aを有し、中間部材42は、角部Rを包囲するように設けられている。図4の例では、第1の中間部材43の外周縁部と第2の中間部材44の一端側の端面44cとの当接部分の近傍が、角部Rを包囲する部分となっている。
中間部材42によって入射窓部接触面F1及び側管部接触面F2を画成するにあたって、本体部41における中間部材42との接触面は、電気絶縁性を備えている。この接触面には、例えば電気絶縁処理が施されている。電気絶縁処理としては、本体部41がアルミニウムで形成されている場合には、例えばアルマイト処理が挙げられる。本実施形態では、本体部41において、第1の中間部材43が当接する入射窓部保持部48の内側面48a、及び第2の中間部材44が当接する側管部保持部47の内周面47aにそれぞれアルマイト処理が施されている。
本実施形態では、熱伝導性に優れたアルミニウムで本体部41が形成され、熱伝導性及び電気絶縁性を有する中間部材42が本体部41と側管部24との間に配置され、本体部41において中間部材42と接触する入射窓部保持部48の内側面48a及び側管部保持部47の内周面47aには電気絶縁処理が施されている。これにより、光電子増倍管3の側管部24と伝熱部4との間は、優れた熱導電性を有すると共に、1500Vの高電圧下においても10^10Ω以上の高い電気絶縁性が保たれることとなる。
以上説明したように、光検出器1では、光電子増倍管3の入射窓部23及び金属製の側管部24を包囲するように伝熱部4が設けられ、伝熱部4は、入射窓部23に接触する入射窓部接触面F1と、側管部24に接触する電気絶縁性の側管部接触面F2とを有している。伝熱部4が入射窓部23に加え、伝熱性の高い金属製の側管部24に熱的に結合されることにより、光電面27に対する冷却をより効率良く行うことができる。また、この光検出器1では、伝熱部4の入射窓部接触面F1及び側管部接触面F2が電気絶縁性を有している。このため、側管部24に電圧が印加されるような場合であっても、電気的に安定な状態で側管部24と伝熱部4とを熱的に結合することができる。側管部24と吸熱部Eとの間の伝熱性と電気絶縁性とを両立することで、効率及び信頼性の高い光検出を行うことができる。
本実施形態では、伝熱部4は、入射窓部23及び側管部24を包囲する形状をなす本体部41と、入射窓部接触面F1及び側管部接触面F2を画成する中間部材42とによって構成されている。この場合、伝熱性に優れた本体部41とは別に、熱的な結合に優れた接触面を備えた部材を中間部材42として選択することができる。したがって、伝熱部4と筐体21との間の伝熱効率を十分に高められる。
本実施形態では、側管部24は、一端側の角部Rから延在し、入射窓部23が設けられるフランジ部24aを有し、中間部材42は、角部Rを包囲するように設けられている。金属製の側管部24の角部Rを中間部材42で包囲することにより、伝熱部4の本体部41と角部Rとの間の放電を抑制できる。
本実施形態では、本体部41において、中間部材42と接触する面は、電気絶縁性を備えている。これにより、伝熱部4の本体部41と筐体21の入射窓部23及び側管部24との間の電気絶縁性を一層十分に確保できる。
本実施形態では、本体部41は、電気絶縁性を有する材料によって形成されている。これにより、本体部41と筐体21の入射窓部23及び側管部24との間の電気絶縁性を一層十分に確保できる。
本実施形態では、中間部材42は、大気よりも大きな熱伝導性及び電気絶縁性を備え、本体部41よりも厚さの薄いシート状部材によって形成されている。中間部材42として上記シート状部材を用いることにより、伝熱性及び電気絶縁性を両立しつつ、本体部41、入射窓部23、及び側管部24の表面形状に中間部材42の形状を追従させることができる。したがって、伝熱部4の本体部41と筐体21の入射窓部23及び側管部24とを中間部材42によって高い密着性をもって結合できる。
本実施形態では、中間部材42は、入射窓部接触面F1を画成する第1の中間部材43と、側管部接触面F2を画成する第2の中間部材44とによって構成されている。この場合、入射窓部23及び側管部24の表面形状に応じた形状で第1の中間部材43及び第2の中間部材44を組み合わせることにより、伝熱部4の本体部41と筐体21の入射窓部23及び側管部24とを中間部材42によって高い密着性をもって結合することが容易となる。
本実施形態では、第1の中間部材43と第2の中間部材44とは、互いに接触している。これにより、伝熱部4の本体部41と筐体21の入射窓部23及び側管部24との間の伝熱性及び電気絶縁性を一層十分に確保できる。
本実施形態では、第2の中間部材44は、本体部41よりも側管部24の他端側にまで延在している。この場合、側管部接触面F2が側管部24の他端側にまで拡張されるため、側管部24と本体部41との電気絶縁性を一層十分に確保できる。
本実施形態では、入射窓部接触面F1は、電気絶縁性を有している。この場合、入射窓部23と伝熱部4とを熱的に結合しつつ、電気的に一層安定な状態とすることができる。
図5及び図6は、上述した構成を有する光検出器の評価試験結果を示す図である。本評価試験は、光検出器を作動させた際の、ダークカウント及び光電子増倍管の温度の時間変化を計測したものである。冷却部を構成するペルチェ素子は、4.0Aの定電流により駆動させた。図5では、横軸に経過時間(sec)を示し、縦軸右に温度(℃)を示し、縦軸左にダークカウント(cps)を示している。図5中のグラフAは、光電子増倍管の温度、グラフBは、ダークカウント、グラフCは、室温である。ここでは、室温は、約26℃であった。
図5及び図6に示すように、この光検出器において、冷却部による光電子増倍管の到達温度は、−27.4℃であり、室温に対して53.4℃低下した。また、光電子増倍管の温度が初期値から50℃下がるまでのΔ50℃立ち上がり時間は、105秒であった。このことから、本開示の伝熱部を介した光電子増倍管の冷却機構により、電子管の冷却到達温度の向上及び冷却立ち上がり時間の短縮を実現でき、優れた冷却性能を発揮していることが確認できた。また、室温時に平均9400cpsであったダークカウントは、冷却時に平均2cpsまで減少した。したがって、冷却機構によって光電子増倍管のダークカウントが1/1000程度に改善され、高いS/N比による高精度な光検出を実現できることを確認できた。
本開示は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、第2の中間部材44の外径は、第1の中間部材43の外径と一致し、第2の中間部材44は、第2の中間部材44の一端側の端面44cにおいて、第1の中間部材43の内側面43aの外周縁部に当接するように、本体部41の側管部保持部47内に挿入されているが、第2の中間部材44の内径を、第1の中間部材43の外径に一致させ、第2の中間部材44の一端側に第1の中間部材43が嵌合していてもよい。つまり、第2の中間部材44は、端面44cが入射窓部保持部48の内側面48aに当接するまで延在し、第1の中間部材43の外端面43dと第2の中間部材44の内周面44aとが当接していてもよい。
また、上記実施形態では、本体部41において、第1の中間部材43及び第2の中間部材44との接触する面に、電気絶縁処理が施されているが、電気絶縁処理は必ずしも施されていなくてもよい。また、上記実施形態では、第1の中間部材43及び第2の中間部材44によって中間部材42を構成しているが、第1の中間部材43と第2の中間部材44とを一体化させた形状の中間部材を用いてもよい。中間部材42は、シート形状以外の放熱絶縁部材によって形成されていてもよい。また、本体部41自体がセラミックなどの電気絶縁性を有する材料によって形成されていてもよい。この場合、中間部材42は必ずしも電気絶縁性を有している必要はなく、伝熱性の向上を主目的とした材料を選択することができる。さらに、中間部材42を省略し、入射窓部保持部48の内側面48aを入射窓部接触面F1とし、側管部保持部47の内周面47aを側管部接触面F2としてもよい。
1…光検出器、3…光電子増倍管(電子管)、4…伝熱部(吸熱部)、5…冷却部(吸熱部)、21…筐体、23…入射窓部、24…側管部、24a,28a,29a…フランジ部、27…光電面、41…本体部、42…中間部材、43…第1の中間部材、44…第2の中間部材、E…吸熱部、F1…入射窓部接触面、F2…側管部接触面、R…角部。

Claims (10)

  1. 光透過性材料からなる入射窓部と、前記入射窓部を一端側に保持する金属製の側管部と、を備えた筐体内に光電面が収容された電子管と、
    前記電子管からの吸熱を行う吸熱部と、を備え、
    前記吸熱部は、前記入射窓部及び前記側管部を包囲し、前記入射窓部及び前記側管部に熱的に結合された伝熱部と、前記伝熱部に熱的に結合され、前記伝熱部を冷却する冷却部と、を備え、
    前記伝熱部は、前記入射窓部に接触する入射窓部接触面と、前記側管部に接触する電気絶縁性の側管部接触面とを有している光検出器。
  2. 前記伝熱部は、前記入射窓部及び前記側管部を包囲する形状をなす本体部と、前記入射窓部接触面及び前記側管部接触面を画成する中間部材とによって構成されている請求項1記載の光検出器。
  3. 前記側管部は、前記一端側の角部から延在し、前記入射窓部が設けられるフランジ部を有し、
    前記中間部材は、前記角部を包囲するように設けられている請求項2記載の光検出器。
  4. 前記本体部において、前記中間部材と接触する面は、電気絶縁性を備える請求項2又は3記載の光検出器。
  5. 前記本体部は、電気絶縁性を有する材料によって形成されている請求項2又は3記載の光検出器。
  6. 前記中間部材は、大気よりも大きな熱伝導性及び電気絶縁性を備え、前記本体部よりも厚さの薄いシート状部材によって形成されている請求項2〜5のいずれか一項記載の光検出器。
  7. 前記中間部材は、前記入射窓部接触面を画成する第1の中間部材と、前記側管部接触面を画成する第2の中間部材とによって構成されている請求項2〜6のいずれか一項記載の光検出器。
  8. 前記第1の中間部材と前記第2の中間部材とは、互いに接触している請求項7記載の光検出器。
  9. 前記第2の中間部材は、前記本体部よりも前記側管部の他端側にまで延在する請求項7又は8記載の光検出器。
  10. 前記入射窓部接触面は、電気絶縁性を有している請求項1〜9のいずれか一項記載の光検出器。
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